JP2004276524A - ドット形成有無の判断結果をグループ分けして記憶しながら画像を印刷する印刷装置、およびそのための印刷制御装置 - Google Patents
ドット形成有無の判断結果をグループ分けして記憶しながら画像を印刷する印刷装置、およびそのための印刷制御装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】印刷媒体上でドットの列たるラスタを形成しながら画像を印刷する。ラスタを形成するラスタ形成要素は、印刷媒体上で主走査を所定回数ずつ行いながら複数本のラスタを形成する。ドットの形成に用いられるデータは、画像データに画像処理を施して画素毎にドット形成の有無を判断することで生成した後、該データをメモリからラスタ形成要素に供給する。生成したデータの記憶に際しては、ドット形成の有無を判断した画素が、ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、グループ分けして記憶しておく。こうすれば、生成したデータをメモリから読み出してラスタ形成要素に供給するための操作が極めて簡素なものとなり、画像処理速度が向上して、延いては、画像を迅速に印刷することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関し、詳しくは、画像の印刷に先立って、ドットの形成を制御するためのデータを処理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷するドットプリンタは、コンピュータなどで作成した画像や、デジタルカメラなどで撮影した画像の出力装置として広く使用されている。インクジェットプリンタに代表されるこれらのドットプリンタは、印刷媒体上にドットを形成するためのヘッドを搭載しており、印刷媒体に対するヘッドの位置を、相対的に変更しながらドットを形成することによって画像を印刷している。
【0003】
こうしたドットプリンタでは、ドットは、必ずしも画像の端にあるドットから順番に形成されるわけではない。例えば、印刷媒体上でヘッドを往復動させながらドットを形成することで、ドットの列たるラスタを形成しながら画像を印刷する印刷装置では、画質上の要請から、1回の往復動でラスタを完成させるのではなく、複数回の往復動に分けて形成することがある。このようにラスタを複数回で形成しようとすると、ラスタ上でドットが並んでいる順番とは異なった順番でドットが形成されることになる。このように、ドットプリンタが、画像上でドットが並んでいる順番とは異なった順番でドットを形成する場合には、ドットを形成する順番にデータを並び換える操作を行っていた(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−292850号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ドットを形成する順番にデータをいちいち並び換える操作は、比較的長い処理時間を要する操作であるため、画像を迅速に印刷する上での一つの制約となっていた。
【0006】
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、ドットを形成する順番にデータを並び換える操作を合理的に行うことで、画像を迅速に印刷可能とする技術の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、
印刷媒体上に形成されたドットの列たるラスタを、該印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって形成するラスタ形成要素を備え、該ラスタ形成要素を該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷装置であって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する判断結果記憶手段と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、該ラスタ形成要素に供給する判断結果供給手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
上記の印刷装置に対応する本発明の印刷制御装置は、
印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって、該印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素を、該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷部に、該ラスタ形成要素の駆動を制御するための制御データを供給して該印刷を制御する印刷制御装置であって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する判断結果記憶手段と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、前記制御データとして前記印刷部に供給する制御データ供給手段と
を備えることを要旨とする。
【0009】
更に、上記の印刷制御装置に対応する本発明の印刷制御方法は、
印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって、該印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素を、該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷部に、該ラスタ形成要素の駆動を制御するための制御データを供給して該印刷を制御する方法であって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る第1の工程と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断する第2の工程と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する第3の工程と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、前記制御データとして前記印刷部に供給する第4の工程と
を備えることを要旨とする。
【0010】
これら印刷装置、印刷制御装置、および印刷制御方法においては、画像を構成する複数の画素についてドット形成有無を判断し、判断結果を記憶する。判断結果を記憶するに際しては、該判断を行った画素が、ラスタを形成するために前記ラスタ形成要素が所定回数ずつ行う往復動の中の、いずれの往復動でドットを形成される画素であるかに応じて、複数のグループに分けた状態で該判断結果を記憶する。次いで、こうして記憶された判断結果を読み出して、該ラスタ形成要素に供給する。
【0011】
前記ラスタ形成要素は、ドットを形成しながら所定回数ずつ往復動することによってラスタを形成しているので、ドット形成有無の判断結果を供給する際には、該ラスタ形成要素の往復動に合わせて、対象となる画素についての判断結果を供給することが重要である。この点で、本願発明のように、判断結果を記憶使用とする画素が、該ラスタ形成要素が所定回数ずつ往復動する中の、いずれの往復動で形成される画素かに応じて、予めグループ分けした状態で判断結果を記憶しておけば、該ラスタ形成要素に判断結果を供給する処理を簡素なものとすることができるので、処理の迅速化を図ることが可能となる。
【0012】
こうした印刷装置、印刷制御装置、および印刷制御方法においては、前記画像データの処理中でデータのやり取りに標準的に用いられるデータ量の整数倍のデータ量ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶しておくこととしても良い。ここで、データ量の整数倍には、データ量そのものも含まれる。
【0013】
画像データを処理するために使用される、いわゆるCPUなどを初めとする各種の処理器には、標準的に用いられるデータ量(例えば、8ビット、16ビット、32ビットなど)が存在しており、こうしたデータ量を処理単位として処理を行えば、効率よい処理を行うことが可能である。ところが、画素1つあたりのドット形成有無の判断結果は、標準的に用いられるデータ量よりも通常は小さなデータ量となっている。従って、ドット形成有無の判断結果を、こうした標準的に用いられるデータ量の整数倍のデータ量ずつ、グループ分けして記憶しておけば、データを記憶したり、あるいは記憶されたデータを読み出して前記ラスタ形成要素に供給する処理を、標準的なデータ量を用いて行うことができるので、効率のよい処理が可能となる。
【0014】
このことについて、若干、補足して説明する。ドット形成有無の判断結果を記憶する際に、前記ラスタ形成要素がドットを形成する往復動を考慮することなく(例えば、画像での画素の並びの順序で)記憶したものとする。この場合、ドット形成有無の判断結果を読み出して、該ラスタ形成要素の往復動に合わせて供給する処理は、次のようなものとなる。先ず、記憶されている判断結果の中から、該当する画素(すなわち、続く往復動でドットが形成される画素)の判断結果を含んだデータを読み出す。このとき読み出されるデータのデータ量は、標準的に用いられるデータ量である。前述したように、画素1つあたりの判断結果は、標準的に用いられるデータ量よりも小さなデータであるから、こうして読み出したデータには、複数画素分の判断結果が含まれている。しかも、これらドット形成有無の判断結果は、該ラスタ形成要素がドットを形成する往復動を考慮することなく記憶されていることから、読み出した判断結果の中には、該当する画素ではない画素についての判断結果も含まれる。従って、読み出したデータの中から該当する画素についてのデータのみを取り出して、これらデータを標準的に用いられるデータ量にまとめた後、ラスタ形成要素に供給することになる。
【0015】
こうした一連の処理の中で、読み出したデータの中から該当する画素についてのデータを取り出す処理や、取り出したデータをまとめる処理は、いずれも、標準的に用いられるデータ量よりも小さなデータ量を扱う処理であり、効率的に処理することが困難である。これに対して、ドット形成有無の判断結果を、標準的に用いられるデータ量の整数倍のデータ量ずつ、グループ分けして記憶しておいた場合は、読み出したデータに含まれる判断結果は、いずれも該当する画素についての判断結果となる。このため、該当する画素のデータを取り出す処理や、取り出したデータをまとめる処理が不要となるので、ドット形成有無の判断結果をラスタ形成要素に供給する処理を迅速に行うことが可能となるのである。
【0016】
こうした印刷装置、あるいは印刷制御方法においては、前記ラスタ形成要素が1回の前記往復動でドットを形成する画素数分ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶することとしてもよい。
【0017】
こうすれば、該ラスタ形成要素の往復動に合わせて、ドット形成有無の判断結果を供給する処理を簡便に行うことが可能となるので好適である。
【0018】
上述の印刷装置あるいは印刷制御装置においては、ドット形成有無の判断結果を記憶するに際して、該判断した画素を含むラスタ中で、該画素を該ラスタの先頭の画素から数えた順番たる画素番号に基づいて、該判断結果のグループ分けを行うこととしても良い。
【0019】
前記ラスタ形成要素を所定回数ずつ往復動しながらラスタを形成する場合、該ラスタに含まれる画素のドットが、該所定回数の往復動の中のいずれの往復動で形成されるかは、該画素の画素番号に応じて定まることが多い。従って、画素番号に基づいて判断結果をグループ分けしてやれば、適切にグループ分けすることが可能となって好ましい。
【0020】
こうした画素番号に基づくグループ分けに際しては、該画素番号を、ラスタを形成するために前記ラスタ形成要素を往復動させる回数で除算し、そのときの剰余数に基づいてグループ分けすることとしてもよい。
【0021】
ラスタに含まれる画素のドットが、所定回数の往復動の中のいずれの往復動で形成されるかは、該往復動の回数で画素番号を除算したときの、剰余数に応じて応じて定まることが多い。従って、こうして剰余数に基づいてグループ分けしてやれば、簡便に且つ適切にグループ分けすることが可能となる。
【0022】
また、前記ラスタ形成要素をラスタと交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することによって画像を印刷する場合に、次のようにして画像を印刷することがある。すなわち、ラスタを形成するために行う該ラスタ形成要素の往復動の回数を切り換えながら前記複数本のラスタを形成することによって画像を印刷する場合がある。この様な場合は、次のようにしても良い。先ず、画像を形成するために用いられる複数種類の前記往復動の回数の中で、主に用いられる回数の往復動によって形成される主要ラスタを、該画像を構成する複数本のラスタの中から選択する。そして、選択した該主要ラスタの画素については、該主要ラスタを形成するための往復動に対応したグループ分けを行って、前記判断結果を記憶する。次いで、この様な状態で記憶されたドット形成有無の判断結果を、前記ラスタ形成要素に供給する。このとき、該主要ラスタの画素については、該画素の判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら供給することとしてもよい。
【0023】
前記主要ラスタは、画像を構成する複数本のラスタ中に占める比率が高くなっている。従って、主要ラスタの画素については、該ラスタ形成要素の往復動に応じてグループ分けした状態で、ドット形成有無の判断結果を記憶しておけば、例え、主要ラスタ以外のラスタについては、例え、該ラスタを形成するための往復動に応じたグループ分けが行われていなくても、全体としては画像を迅速に印刷することが可能となる。加えて、こうした方法によれば、往復動の回数を複雑に切り換えながら画像を形成する場合に対しても、容易に対応することが可能となる。
【0024】
また、画像を構成する複数本のラスタの中から前記主要ラスタを除いた残余ラスタの画素については、該主要ラスタの画素と同様にグループ分けした状態、すなわち該主要ラスタを形成するための往復動に対応したグループ分けを行った状態で、前記判断結果を記憶してもよい。あるいは、こうしたグループ分けを行わず、画像上での画素の並びに従って、前記判断結果を記憶することとしてもよい。そして、前記ラスタ形成要素が該残余ラスタのドットを形成する場合には、前記記憶されている判断結果の中から、該ラスタ形成要素の往復動に合わせて、ドットを形成する画素についての判断結果を選択し、該選択した判断結果を供給することとしても良い。
【0025】
このように、前記残余ラスタの画素についても、前記主要ラスタの画素と同様にグループ分けして記憶しておけば、画像中の全ての画素について、同じグループ分けを行うことができる。このため、処理が簡素なものとなり、延いては処理の迅速化を図ることが可能となる。
【0026】
あるいは、前記残余ラスタの画素については、該画素の判断結果を、画像上での画素の並びの順番で記憶することとしても良い。そして、判断結果を前記ラスタ形成要素に供給するに際しては、該記憶されている判断結果の中から、該ラスタ形成要素の往復動に応じてドットを形成する画素の判断結果を選択して供給する。こうした場合にも、残余ラスタの画素については、グループ分けすることなく記憶すればよいので、処理を簡素なものとすることができる。
【0027】
また、本発明によって画像を印刷する方法は、所定の機能を実現するプログラムをコンピュータに組み込んで、コンピュータを用いて印刷装置を制御することによっても実現することができる。従って、本発明は次のようなプログラムあるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、本発明の印刷制御方法に対応するプログラムは、
印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって、該印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素を、該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷部に、該ラスタ形成要素の駆動を制御するための制御データを供給して該印刷を制御する方法を、コンピュータにより実現するためのプログラムであって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る第1の機能と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断する第2の機能と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する第3の機能と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、前記制御データとして前記印刷部に供給する第4の機能と
を実現するプログラムとしての態様である。
【0028】
ここで、上記のプログラムにおいて前記判断結果を記憶するに際しては、データのやり取りに標準的に用いられるデータ量の整数倍ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶する機能であるプログラムとしても良い。
【0029】
また、本発明の印刷制御方法に対応する記録媒体は、
印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって、該印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素を、該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷部に、該ラスタ形成要素の駆動を制御するための制御データを供給して該印刷を制御するためのプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る第1の機能と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断する第2の機能と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する第3の機能と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、前記制御データとして前記印刷部に供給する第4の機能と
を実現するプログラムを記録した記録媒体としての態様である。
【0030】
これらプログラムをコンピュータに読み込ませれば、ラスタ形成要素を往復動しながら、ドット形成有無の判断結果に従って複数のラスタを形成しつつ、画像を印刷する処理を迅速に行うことが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の作用・効果をより明確に説明するために、以下では、本発明の実施の形態を次のような順序に従って説明する。
A.発明の概要:
B.装置構成:
C.画像処理の概要:
D.ハーフトーン処理:
E.データ出力処理:
F.変形例:
【0032】
A.発明の概要:
以下では、実施例に基づいて詳細な説明を行うが、理解の便宜から、初めに発明の概要につき、例示を用いて概念的に説明しておく。図1は、本発明の印刷装置10を例示した説明図である。例示の印刷装置10は、画像データに所定の画像処理を施すハーフトーンモジュール12や、印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素16、ラスタ形成要素16がドットを形成するためのデータを蓄えておくメモリ14などから構成されている。ラスタ形成要素16は、ドットを形成しながら印刷媒体上を所定回数往復動することによって、該ラスタを形成する。こうしてラスタを形成しながら、印刷媒体上をラスタと交差する方向に移動して、複数本のラスタを形成することによって画像を印刷する。
【0033】
印刷装置10に画像データを供給すると、ハーフトーンモジュール12は、この画像データに基づいて、画像を構成する複数の画素についてドットを形成するか否かを判断する。判断結果は、一旦、メモリ14に記憶された後、ラスタ形成要素16の動きに合わせて読み出されて、ラスタ形成要素16に供給される。ラスタ形成要素16は、こうして供給されたデータに基づいてドットを形成することでラスタを形成しつつ、印刷媒体に対して相対的に移動しながら複数本のラスタを形成することで画像を印刷する。
【0034】
図1では、白い部分と黒い部分とが市松模様状に配列された画像を印刷する場合を概念的に表している。ここでは説明を簡単にするために、ハーフトーンモジュール12は、市松模様の黒い部分の画素にはドットを形成すると判断し、白い部分の画素にはドットを形成しないと判断するものとする。また、ラスタ形成要素16は、それぞれのラスタを、往復動を2回行うことによって形成するものとして、1回目の往復動時にはラスタ上で奇数番目にある画素のドットを形成し、2回目の往復動時には偶数番目にある画素のドットを形成するものとする。
【0035】
ハーフトーンモジュール12は、各画素についてのドット形成の有無を判断すると、各画素が、ラスタを形成するための2回の往復動の中のいずれでドットを形成する画素かに応じて、判断結果をグループ分けした状態でメモリ14に記憶する。ここでは、ラスタ上で奇数番目にある画素のドットは1回目の往復動時に形成し、偶数番目にある画素のドットは2回目の往復動時に形成することとしているから、各画素についてのドット形成有無の判断結果は、奇数番目の画素についての判断結果と、偶数番目の画素についての判断結果とにグループ分けして記憶されることになる。図1に示した例では、メモリ14の初めの1列には、1回目の往復動時に形成される奇数番目の画素についての判断結果が記憶され、次の1列には、2回目の往復動時に形成される偶数番目の画素についての判断結果が記憶されるものとしている。尚、メモリ14中で斜線が付された小さな正方形は、ドットを形成すると判断された画素を表しており、斜線の付されていない正方形はドットを形成しないと判断された画素を表している。そして、その次の1列には、3回目の往復動時に形成される奇数番目の画素の判断結果が、更にその次の1列には、4回目の往復動時に形成される偶数番目の画素の判断結果が記憶される。以降、奇数番目の画素についての判断結果と、偶数番目の画素についての判断結果とが、所定数ずつ交互にグループ分けされた状態で記憶される。
【0036】
尚、図1に示した例では、理解の便宜から、奇数番目の画素のかたまりと、偶数番目の画素のかたまりとは、それぞれに含まれる画素数が、メモリ14のちょうど1列分の画素数に相当している場合について示している。もちろん、1つのかたまりに含まれる画素数は、メモリ14のちょうど1列分の画素数でなくとも構わない。
【0037】
このようにハーフトーンモジュール12は、ドット形成有無の判断結果をメモリ14に記憶する際に、各ドットが、各ラスタを形成するために行うそれぞれ2回の往復動の中の、いずれの往復動で形成されるかに応じて、判断結果をグループ分けした状態で記憶している。この結果、図1に示されているように、メモリ14上でドット形成有無の判断結果が記憶されている順序は、画像上での画素の並びとは異なった順序となっている。各画素についての判断結果を、このようにグループ分けした状態で記憶しておけば、メモリ14からデータを読み出してラスタ形成要素16に供給する操作を簡素化することができるので、画像を迅速に印刷することが可能となる。以下では、実施例に基づいて詳細に説明する。
【0038】
B.装置構成:
図2は、本実施例の印刷制御装置としてのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続して構成された周知のコンピュータである。コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126などからデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インターフェースPIF108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースVIF112等が接続されている。PIF108には、ハードディスク118や、後述するプリンタ200等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をPIF108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。
【0039】
図3は、本実施例のプリンタ200の概略構成を示す説明図である。プリンタ200はシアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタである。もちろん、これら4色のインクに加えて、染料濃度の低いシアン(淡シアン)インクと染料濃度の低いマゼンタ(淡マゼンタ)インクとを含めた合計6色のインクドットを形成可能なインクジェットプリンタを用いることもできる。尚、以下では、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインクのそれぞれを、必要に応じて、Cインク,Mインク,Yインク,Kインクと略称するものとする。
【0040】
プリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回路260などから構成されている。
【0041】
キャリッジ240には、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247に供給される。各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247は、こうして供給されたインクを用いてインク滴を吐出して、印刷媒体上にインクドットを形成する。
【0042】
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、周辺機器インターフェースPIF等に加えて、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器262や、印字ヘッド241に供給するデータを一時的に蓄えておく駆動バッファ261等から構成されている。もちろん、CPUを搭載せずに、ハードウェアあるいはファームウェアによって同様の機能を実現することとしても良い。制御回路260は、キャリッジモータ230および紙送りモータ235の動作を制御することによって、キャリッジ240の主走査動作および副走査動作の制御を行う。また、キャリッジ240の主走査および副走査に合わせて、適切なタイミングで印字ヘッド241を駆動する。印字ヘッド241の駆動は、D/A変換器262から駆動信号を供給するとともに、駆動バッファ261から制御データを供給することによって行う。駆動信号および制御データを供給して印字ヘッド241を駆動し、インク滴を吐出するメカニズムについては別図を用いて後述する。こうして制御回路260の制御の下で、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247からは、適切なタイミングでインク滴が吐出され、その結果、印刷用紙P上にインクドットが形成されて、カラー画像が印刷される。
【0043】
尚、各色のインク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
【0044】
図4は、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247の底面に、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出用ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する4組のノズル列が形成されており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチpの間隔を空けて千鳥状に配列されている。これらノズルは、制御回路260から供給される駆動信号および制御データに従って、一斉にインク滴を吐出する。このメカニズムについて、図5を参照しながら説明する。
【0045】
図5は、インク吐出用ヘッド244ないし247が駆動信号および制御データに従って、インク滴を吐出するメカニズムを概念的に示した説明図である。図4に示したように、インク吐出用ヘッドの底面には複数のノズルNzが設けられており、それぞれのノズルは駆動バッファ261に接続されている。D/A変換器262が駆動信号を出力すると、駆動信号は全てのノズルNzに一斉に供給される。とは言え、駆動信号が供給されるだけで直ちにノズルNzが駆動されるわけではない。駆動信号によって実際に駆動されるのは、駆動信号を受けたときに、駆動バッファ261からノズルが選択されていることを意味する制御データ「1」が供給されているノズルNzのみであり、これらのノズルだけがインク滴を吐出してドットを形成する。逆に言えば、駆動バッファ261からノズルが選択されていないことを意味する制御データ「0」が供給されているノズルNzは、駆動信号が供給されていても、実際には駆動されず、インク滴を吐出することはない。このように、インク吐出用ヘッド244ないし247に設けられた複数のノズルNzの中で、制御データによって選択されたノズルのみが、インク滴を吐出することになる。
【0046】
図3に示した制御回路260は、インク滴の吐出を制御するための制御データと、駆動信号とを、キャリッジ240の主走査および副走査に同期させながらインク吐出用ヘッド244〜247に出力する。こうすることで、印刷用紙P上の適切な位置にインクドットが形成されて、その結果、画像が印刷されることになる。
【0047】
C.画像処理の概要:
このようにインク滴の吐出を制御するために用いられる制御データは、印刷しようとする画像に所定の画像処理を施すことによって生成される。図6は、本実施例で行われる画像処理の流れを示したフローチャートである。かかる処理は、主に、コンピュータ100に搭載されたCPU102の機能を用いて実行される。以下、図6に従って、画像処理の概要を説明する。
【0048】
画像処理を開始すると、先ず初めに、印刷しようとする画像の画像データを読み込む(ステップS100)。ここで読み込まれるデータは、RGBカラー画像データ、すなわちR,G,Bの各色毎に、階調値0から階調値255の256階調幅を有する画像データである。もちろん、読み込む画像データは、このような形式の画像データに限定されるものではなく、周知の画像データとすることも可能である。
【0049】
次いで、取り込んだ画像データの解像度を、プリンタ200が印刷するための解像度に変換する(ステップS102)。画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行うことで隣接する画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
【0050】
解像度を変換したら、色変換処理を開始する(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組み合わせによって表現されているRGB画像データを、印刷のために使用される各色の階調値の組合せによって表現された画像データに変換する処理である。前述したように、プリンタ200はC,M,Y,Kの4色のインクを用いて画像を印刷しているから、本実施例の色変換処理ではRGB画像データを、C,M,Y,Kの各色の階調値によって表現されたデータに変換する。色変換処理は、色変換テーブル(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することで行う。LUTには、RGB画像データに対して、色変換によって得られるC,M,Y,K各色の階調値が予め記憶されているので、このLUTを参照しながら変換すれば、迅速に色変換することが可能である。
【0051】
こうして色変換処理を終了すると、続いて、ハーフトーン処理を開始する(ステップS106)。ハーフトーン処理とは、大まかには次のような処理である。色変換処理によって得られた画像データは、画像データが1バイトデータであるとすると、階調値0から階調値255までの値を取る256階調を有する階調データである。これに対して、プリンタ200は、印刷用紙上にドットを「形成する」か「形成しない」かのいずれかの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有する階調データを、ドット形成の有無に対応する2階調のデータに変換する必要がある。このようにハーフトーン処理とは、256階調を有する画像データをドット形成の有無を示すデータに変換する処理である。
【0052】
ハーフトーン処理によって変換されたデータは、コンピュータ100のRAM106に記憶され、プリンタ200に転送された後、駆動バッファ261からインク吐出用ヘッド244〜247に供給される。ここで、インク吐出用ヘッド244〜247は、印刷媒体上を往復動しながらドットを形成することでドットの列たるラスタを形成して画像を印刷するが、それぞれのラスタは1回の往復動で形成されるのではなく、画質上の要請から複数回の往復動に分けて形成されている。詳細には後述するが、本実施例のハーフトーン処理では、各画素のドットが、それぞれのラスタを形成するために行う複数回の往復動の中の、いずれの往復動で形成されるかに応じて、ドット形成有無の判断結果をグループ分けした状態でRAM106に記憶している。本実施例のハーフトーン処理については、別図を用いて後述する。
【0053】
ハーフトーン処理を終了したら、ハーフトーン処理後のデータをRAM106から読み出して、プリンタ200の駆動バッファ261に転送し、このデータを制御データとして駆動バッファ261からインク吐出用ヘッド244〜247に出力する処理を行う(ステップS108)。本実施例では、ハーフトーン処理されたデータが、各ラスタを形成するために行う複数回の往復動に応じてグループ分けされた状態で、RAM106に記憶されている。このため、RAM106上のデータを読み出してプリンタ200に転送する処理を大幅に簡素化することが可能となっている。かかる処理の詳細についても、別図を用いて後述する。図5を用いて前述したように、インク吐出用ヘッド244〜247は、こうして供給された制御データに従って、それぞれのノズルから一斉にインク滴を吐出する。その結果、印刷用紙上には、画像データに対応した画像が印刷される。
【0054】
D.ハーフトーン処理:
以下では、図6に示した画像処理中で行われる本実施例のハーフトーン処理について詳しく説明する。図7は、本実施例のハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
【0055】
ハーフトーン処理を開始すると、先ず初めに、画像を構成する複数の画素の中から、ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を選択する(ステップS200)。ここでは、画像は格子状に分割されて、縦横に並んだ複数の画素から構成されているものとして、ステップS200では、これら複数の画素の中から1つの画素を着目画素として選択する。
【0056】
次いで、画像データに基づいて、着目画素についてのドット形成の有無を判断する処理を開始する(ステップS202)。ドット形成の有無を判断する手法としては、いわゆる誤差拡散法やディザ法などの種々の手法が知られており、いずれの手法を適用することもできる。
【0057】
着目画素についてのドット形成の有無を判断したら、着目画素のグループ分けを行う(ステップS204)。この処理の内容について、図8を参照しながら説明する。図8は、画像を構成する格子状に配列された複数の画素の中から、主走査方向に並んだ任意の1行分の画素列を取り出して、概念的に表した説明図である。ラスタは、こうした画素列にドットを形成することによって形成される。前述したようにプリンタ200は、印字ヘッド241を主走査方向に往復動させつつ、印刷用紙上にドットを形成する。ここで、ラスタに含まれるドットを1回の主走査で全て形成することも可能であるが、印刷速度を最優先して印刷する場合を除いて、画質上の要請から、ラスタを複数回の主走査に分けて形成することが行われる。
【0058】
図8は、ラスタ上のドットを、4回の主走査に分けて形成する場合を例示している。ここでは、それぞれの主走査を、パスA、パスB、パスC、パスDと呼ぶことにする。図示されているように、パスAでは、ラスタの先頭の画素(図上で左端にある画素)に続いて、左から5番目の画素、9番目の画素、13番目の画素と、4つずつ離れた画素のドットを形成する。パスBでは、ラスタの先頭から2番目の画素を先頭として、6番目の画素、10番目の画素と、4つずつ離れた画素のドットを形成する。同様に、パスCでは、ラスタの先頭から3番目の画素を先頭として4画素ずつ離れた画素のドットを形成し、パスDでは、ラスタの先頭から4番目の画素を先頭として4画素ずつ離れた画素のドットを形成する。このように、図8に示したラスタ上の画素は、必ず、パスAないしパスDのいずれかのパスでドットが形成されることになる。図7に示したステップS204では、着目画素についてのドットが、いずれのパスで形成されるかに応じて、グループ分けを行う。
【0059】
本実施例では、前述したようにパスAないしパスDでは、いずれも4画素おきにドットを形成するから、いわゆる剰余系を利用すれば簡便にグループ分けを行うことができる。図8の例示に即して具体的に説明する。例えばパスAでは、先頭から数えて1番目の画素、5番目の画素、9番目の画素と、4画素おきにドットを形成するから、先頭から数えた画素の番号を4で割ったときの余りの数(剰余数)が「1」であれば、その画素のドットはパスAで形成されると考えることができる。同様にして、先頭から数えた画素の番号を4で割ったときの剰余数が「2」であれば、その画素のドットはパスBで形成され、4で割ったときの剰余数が「3」であれば、その画素のドットはパスCで形成されると考えることができる。また、4で割ったときの剰余数が「0」すなわち、先頭から数えた画素の番号が4で割り切れる場合は、その画素のドットはパスDで形成されると考えることができる。一例として、図8中で斜線付きの丸印が付された着目画素は、ラスタの先頭から7番目(すなわち、7列目)の画素であるから、剰余数は「3」となるので、パスCでドットが形成されると判断することができる。
【0060】
尚、図8に示した例では、着目画素の剰余数の値が異なっていれば、パスも異なっているものとして説明した。しかし、剰余数とパスとを対応付ける方法は、こうした方法に限られるものではない。例えば、図9に示したように、剰余数が「1」の画素はパスAに対応付けて、剰余数が「3」の画素はパスBに対応付け、剰余数が「2」または「0」の画素はパスCに対応付けることとしても良い。このように判断した場合は、ラスタは、パスAないしパスCのパスに対応する3回の主走査に分けて形成されることになる。
【0061】
ラスタを何回の主走査に分けて形成するかは、印刷モードに応じて予め設定されている。すなわち画像の印刷に先立って、印刷速度を優先した印刷を行うのか、あるいは画質を優先した印刷を行うのかを表す印刷モードを、CRT画面上からコンピュータ100に対して予め設定しておく。そして、印刷モードとして「速度優先」のモードが選択されている場合は、プリンタ200は、1回の主走査でラスタ上の全ての画素を形成し、「画質優先」のモードが選択されている場合は、ラスタを複数回(例えば4回)の主走査で形成する。もちろん、印刷モードを「速度優先」、「画質優先」の2段階だけでなく、よりきめ細かく設定可能として、設定したモードに応じて、より多種類の主走査の回数(以下では、パス数と呼ぶ)を選択可能としても良い。また、以下の実施例では、1枚の画像中では、いずれのラスタについてもパス数は同じ値に設定されているものとして説明するが、設定されている印刷モードによっては、ラスタによって異なるパス数とすることも可能である。このように1枚の画像中で異なるパス数が用いられる場合については後述する。
【0062】
以上のようにして着目画素のグループ分けを行ったら、該着目画素についての判断結果をグループ分けした状態でRAM106上に記憶する(図7のステップS206)。この処理の内容について、図8および図10を参照しながら説明する。図8を用いて説明したように、ラスタ上の全ての画素は、パスAないしパスDのいずれかにグループ分けされる。本実施例のハーフトーン処理では、これら各画素のドット形成有無の判断結果を、グループ毎にまとめてRAM106上に記憶する。
【0063】
図10は、ドット形成有無の判断結果が、こうした状態でRAM106上に記憶されている様子を例示した説明図である。RAM106上の所定のデータ領域(図10中では一番上の領域)には、最初の主走査で形成する画素についての判断結果が、ひとまとまりとして記憶されている。ここでは、図8に示すように、1つのラスタを、パスA→パスB→パスC→パスDの順番で4回の主走査で形成するものとすると、RAM106上のデータ領域の先頭部分には、パスAの画素についての判断結果が、1回の主走査で形成する画素数分だけまとめられて記憶されることになる。尚、ここでは、1つの画素についてのドット形成有無の判断結果は、ドットを形成するか、形成しないかの2通りしか取らないものとすれば、各画素の判断結果は1ビットのデータで表すことができるから、図10に示したデータ領域にはビットの並びが記憶されることになる。
【0064】
パスAのデータが記憶された領域に続くデータ領域には、今度はパスBの画素についての判断結果が、1回の主走査で形成する画素数分だけまとめられた状態で記憶される。同様にして、続くデータ領域にはパスCの画素についての判断結果が、その次のデータ領域にはパスDの画素についての判断結果が、それぞれ1回の主走査で形成する画素数分ずつまとめられて記憶される。この結果、RAM106上には、ラスタ1本分のドット形成有無の判断結果が、パスAないしパスDの4つのパスに応じてグループ分けした状態で記憶されることになる。例えば、図8中に斜線付きの丸印で示した画素は、パスCの先頭から2番目の画素であるから、各画素の判断結果が1ビットのデータで表すことができるものとすれば、この画素についての判断結果は、図10上では、上から3列目の先頭から2ビット目に記憶される。こうしてラスタ1本分の判断結果をグループ分けした状態で記憶したら、次のラスタについても同様に、パスAないしパスDの各パスに応じてグループ分けした状態で記憶する。
【0065】
以上の説明では、いずれのラスタも、パスA→パスB→パスC→パスDの順序で形成されるものとして説明したが、それぞれのラスタを形成するためのパスの順序は、こうした順序に限られるものではない。例えば、1つの画像中でも、パスの順序の異なるラスタが混在する場合もある。こうした場合でも、ドット形成有無の判断結果を、それぞれのパスに応じてグループ分けして記憶しておけば、読み出す順序が変更されるだけ対応することができる。
【0066】
ここで、判断結果をRAM106に書き込む操作について説明する。各画素の判断結果は1ビットのデータで表されているが、RAM106にはビット単位で書き込まれるのではなく、実際にはワード単位で書き込まれる。ワードとは、コンピュータがデータを効率的に取り扱うことのできる最小単位である。例えば、いわゆる8ビットコンピュータは、データの書き込みや読み出しを8ビット(1バイト)単位で行うように設計されており、8ビットが1ワードとなる。また、16ビットコンピュータであれば16ビットが1ワードとなり、32ビットコンピュータであれば32ビットが1ワードとなる。本実施例のコンピュータ100では、8ビットが1ワードとなっており、着目画素についての判断結果は、8ビット単位で書き込まれるものとして説明する。
【0067】
図11は、着目画素についての判断結果を、1ワード(8ビット)単位で書き込む操作を概念的に示した説明図である。ここでは着目画素は、図8中で斜線付きの丸印を付して示した画素であるものとしている。この着目画素のビット位置(すなわち、先頭から2番目のビット)に、ドットを形成することを意味するデータ「1」を書き込むためには、次のような操作を行う。以下、図11(a)を参照しながら説明する。先ず、データを書き込もうとしているビットは、ワード単位で考えれば、先頭のワードの前から2番目のビットである。そこで、先頭から2番目のビットだけが「1」であり、他のビットは「0」であるような8ビットデータ(16進数表示では40h)を用意する。次に、RAM106上の該当するデータ領域の中で、データを書き込もうとしているビットを含んだワード(ここでは、先頭のワード)のデータを読み出す。そして、先に用意したデータと、読み出したデータとの間で論理OR演算を行い、得られた結果を元のワードの位置に上書きする。こうすれば、着目画素のビット位置に、ドットを形成することを意味するデータ「1」を書き込むことができる。
【0068】
また、着目画素にドットを形成しないことを意味するデータ「0」を書き込む場合には、図11(b)に示すような操作を行う。先ず、先頭から2番目のビットだけが「0」であり、他のビットは「1」であるような8ビットのデータ(16進数表示ではBFh)を用意する。次に、RAM106上の該当するデータ領域の中で、先頭のワードのデータを読み出して、先に用意したデータとの間で、今度は論理AND演算を行い、得られた結果を元のワードの位置に上書きしてやる。こうして、ドット形成有無の判断結果はワード単位で記憶されることから、グループ分けした状態で記憶されるひとまとまりのデータは、通常はワードの整数倍のデータとなっている。
【0069】
図7に示したハーフトーン処理中のステップS206では、このようにして、着目画素についての判断結果を、該着目画素が属するパスに応じてグループ分けした状態で、RAM106に記憶する処理を行う。
【0070】
こうして、1つの着目画素についての判断結果を書き込んだら、全ての画素についての処理を終了したか否かを判断し(ステップS208)、未判断の画素が残っていれば(ステップS208:no)、ステップS200に戻って新たな着目画素を選択する。以上の処理を繰り返して、全ての画素について処理を終了したと判断したら(ステップS208:yes)、図7に示すハーフトーン処理を抜けて図6の画像処理に復帰する。
【0071】
尚、以上の説明では、ドット形成有無の判断結果は、1回の主走査で形成する画素数ずつにまとめられた状態で、RAM106上に記憶されているものとした。もっとも、判断結果を、パスに応じてグループ分けした状態で記憶する方法は、こうした方法に限られるものではない。例えば、図12に示すように、各画素の判断結果を、パス毎に、1ワード(本実施例では8ビット=1バイト)分ずつあるいは数ワード分ずつをまとめた状態で記憶してもよい。
【0072】
E.データ出力処理:
以上に説明したハーフトーン処理を終了して、図6に示した画像処理に復帰すると、今度は、データ出力処理を開始する。データ出力処理では、ハーフトーン処理中でRAM106上に記憶された判断結果を読み出して、プリンタ200の駆動バッファ261に出力する処理を行う。図13は、こうしたデータ出力処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
【0073】
データ出力処理を開始すると、先ず初めに、対象ノズルを選択する(ステップS300)。図4に示したように、インク吐出用ヘッドの底面には、複数のノズルが設けられており、各ノズルには駆動バッファ261が接続されている。ステップS300では、RAM106上に記憶された判断結果のデータを駆動バッファ261に出力するに先立って、対象とするノズルを選択する。
【0074】
次いで、選択した対象ノズルの印刷パスを設定する(ステップS302)。すなわち、前述したように、プリンタ200では1つのラスタを、パスAないしパスDの4回の主走査に分けて形成しているので、これから主走査して形成しようとするドットが、いずれのパスであるかを設定するのである。印刷パスとは、このように、これからドットを形成しようとするパスを言う。
【0075】
次いで、RAM106に記憶されているドット形成有無の判断結果から、1回の主走査で形成する画素数分(1パス分)のデータを読み出して、対象ノズルの駆動バッファ261に書き込む処理を行う(ステップS304)。ここでは、図10あるいは図12に示したように、ドット形成有無の判断結果は、ドットがパスAないしパスDのいずれのパスで形成されるかに応じてグループ分けされた状態で記憶されている。このため、RAM106上に記憶された対象ノズルのデータを読み出して、駆動バッファ261に書き込む処理を迅速に行うことができる。
【0076】
次いで、インク吐出用ヘッド244〜247に設けられている全ノズルを選択して、選択したノズルのデータを駆動バッファ261に書き込んだか否かを判断する(ステップS306)。未だ対象ノズルとして選択していないノズルがあれば(ステップS306:no)、ステップS300に戻って、新たなノズルを対象ノズルとして選択し、続く一連の処理を繰り返す。こうして、全てのノズルについて、RAM106上に記憶された判断結果のデータを駆動バッファ261に書き込んだら(ステップS306:yes)、ヘッドを主走査させながら、駆動バッファ261上のデータをそれぞれのノズルに向けて、制御データとして出力する(ステップS308)。その結果、各ノズルからは制御データに従ってインク滴が吐出され、印刷用紙上にドットが形成される。
【0077】
こうして、ドットを形成しながら1回分の主走査を行ったら、画像の印刷が終了したか否かを判断し(ステップS310)、終了していなければ(ステップS310:no)、所定量の副走査を行った後(ステップS312)、ステップS300に戻って印刷パスを1つ進め、続く一連の処理を行う。そして、印刷終了(ステップS310:yes)と判断されるまで、こうした処理を繰り返す。
【0078】
以上に説明したように、本実施例の画像処理では、ハーフトーン処理において、ドット形成有無の判断結果をRAM106に記憶する際に、ドットを形成するパスに応じてグループ分けした状態で記憶している。このため、対象ノズルのデータをRAM106から読み出して、駆動バッファ261に1パス分ずつ書き込む処理を迅速に行うことが可能となり、延いては画像の印刷に要する時間を短縮化することが可能となる。また、RAM106上にグループ分けして記憶されているデータは、ワードあるいはワードの整数倍に相当するデータ量をひとまとまりとして記憶されている。前述したように、コンピュータはワード単位のデータを高速に処理可能に設計されていることから、このような大きさのデータ量ずつ、ひとまとまりとして記憶しておけば、RAM106からデータを読み出して駆動バッファ261に書き込む処理を、さらに迅速に行うことが可能となる。
【0079】
ここで、本実施例によって印刷時間が短縮化される効果を、明確に示す説明するために、通常のハーフトーン処理およびデータ出力処理について簡単に説明する。図14は、通常のハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。フローチャートに示すように、通常のハーフトーン処理では、先ず初めに着目画素を選択し(ステップS400)、その着目画素について、ドット形成の有無を判断する(ステップS402)。かかる判断には、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用することができる。次いで、着目画素についての判断結果を、画像上での画素の並びと同じ順序でRAMに記憶する(ステップS404)。
【0080】
図15は、通常のハーフトーン処理において、着目画素についての判断結果をRAM上に書き込む様子を説明する概念図である。図15(a)では、斜線付きの丸印を付すことによって着目画素を表している。図15(a)に示されているように、ラスタを先頭から1バイト分ずつ区切っていくと、着目画素はバイト中で先頭から7番目の画素となっている。この着目画素にドットを形成すると判断した場合は、図15(b)に示した1ワード(8ビット)のデータを用意する。用意するデータは、着目画素の位置に対応させて、先頭から7番目のビットが「1」に設定され、他のビットには「0」が設定されたデータである。
【0081】
次いで、RAM上の判断結果を書き込もうとする箇所から1ワード分のデータを読み出して、図15(b)に示すデータとの間で論理OR演算を行った後、演算結果をRAM上の同じ箇所に書き込む操作を行う。一方、着目画素にドットを形成しないと判断した場合には、図15(c)に示す1ワードのデータを用意して、RAM上から読み出したデータとの間で論理AND演算を行い、演算結果をRAM上の同じ位置に書き込む操作を行う。
【0082】
図14に示した通常のハーフトーン処理と、図7に示した本実施例のハーフトーン処理とを比較すれば明らかなように、本実施例のハーフトーン処理では、着目画素の判断結果を記憶する際に、グループ分けした状態で記憶している分だけ、通常のハーフトーン処理よりも処理時間が長くなる。しかし、ドット形成有無の判断に要する時間や、判断結果を書き込むために必要なデータを用意したり論理演算を行ったりするための時間に比べれば、グループ分けするための時間は、それほど長い時間ではないので、通常のハーフトーン処理に比べて、それほど処理時間が長くなるわけではない。
【0083】
次に、RAM上のデータをヘッドのノズルに向けて出力するデータ出力処理について説明する。本実施例では、前述したように、着目画素についての判断結果は、該着目画素のドットがいずれのパスで形成されるかに応じて、グループ分けした状態で記憶されている。これに対して通常のハーフトーン処理では、ドット形成有無の判断結果は、画像上での画素の並びと同じ順番で記憶されているので、このデータを読み出してノズルに出力する処理は、複雑なものとなってしまう。以下では、これを図16を参照しながら説明する。
【0084】
図16は、ドット形成有無の判断結果が、画像上で画素の並びと同じ順番でRAMに書き込まれている場合に、あるラスタ上のデータを読み出して、駆動バッファに書き込む様子を概念的に示した説明図である。図16の一番上に、複数の矩形が一列に並んで示されているのは、対象とするラスタのデータが、RAM上に記憶されている様子を模式的に表したものである。今、このラスタの中で、斜線付きの丸印を付した画素(ここでは、対象画素と呼ぶ)についてのデータを、駆動バッファに書き込むものとする。
【0085】
前述したように、RAM上のデータはワード単位で読み書きされるから、先ず初めに対象画素を含んだ1ワード分のデータを、ハーフトーン済みのデータから読み出す。図16では、読み出したデータが、16進数表示で5Ahであったものとしている。
【0086】
こうして読み出した1ワード分のデータの中で、対象画素についての判断結果のデータは先頭から4ビット目のデータだけであり、他のビットのデータは対象画素ではない他の画素についてのデータである。そこで、対象画素の判断結果だけを取り出すため、対象画素の画素位置に対応するマスクデータを用意して、読み出した1ワード分のデータ(ここでは、5Ah)とマスクデータとの論理AND演算を行う。マスクデータは、1ワード中で対象画素のデータが記憶されている位置、すなわち先頭から4番目のビットのみが「1」で、他のビットは全て「0」となっているデータ(16進数表示すれば、10h)を使用する。このようなマスクデータを用いて論理AND演算を行えば、読み出した1ワード分のデータ(ここでは、5Ah)から対象画素についての判断結果のみを取り出すことができる。
【0087】
対象画素の判断結果を取り出したら、今度はビットシフトを行って、駆動バッファに書き込むためのデータを作成する。ここでは、次のような操作を行う。先ず、対象画素はラスタ上で先頭から4番目の画素としており、また、図8の例に即してラスタを3回の主走査で形成するものとすると、対象画素は、1パス目に2番目に形成される画素である。そこで、先に取り出した対象画素のデータをビットシフトすることにより、先頭から2番目のビットのみが「1」で他のビットは「0」となるようなデータ(16進数表示では、40h)を作成する。こうして書き込み用のデータが得られたら、1パス目のデータを記憶するRAM上の所定のデータ領域に書き込んでやる。具体的には、書き込もうとするデータ領域から1ワード分のデータを読み出して、書き込み用のデータ(ここでは、40h)と論理OR演算を行い、演算結果を元のデータ領域に書き込む操作を行う。尚、対象画素のデータを1画素分ずつRAMに書き込む代わりに、中間的なバッファに蓄えておき、1ワード分のデータを蓄えたら、まとめてRAMに書き込む場合もある。
【0088】
以上のような一連の操作を行うことによって、対象画素についての判断結果がRAM上に画素の順序で記憶されている判断結果の中から取り出され、RAM上に別に設けられたデータ領域に書き込まれたことになる。こうした操作を、印刷しようとしているラスタの全ての画素について行う。以上の全ての操作が完了すれば、RAM上に画素の順序で記憶されている判断結果が、ノズルでドットを形成する順序に並べ替えられて、RAM上の別のデータ領域に移し替えられたことになる。こうして判断結果を並べ替えたら、このデータを、プリンタ内の駆動バッファに書き込んだ後、駆動バッファから出力してやれば、印刷用紙上にドットが形成されることになる。
【0089】
上述したように、画素の順序で記憶された判断結果を並べ替えるためには、単にデータを並べ替えるのではなく、少なくとも次の3つの操作が必要となる。すなわち、対象画素のデータを読み出すための論理AND演算と、書き込み用のデータを作成する操作と、データを書き込むための論理OR演算の3つの操作である。こうした操作を全ての画素について実施する必要があるので、RAM上から読み出したデータを並べ替えてノズルに出力するためには、どうしてもある程度の時間がかかってしまう。
【0090】
これに対して、本実施例のハーフトーン処理では、着目画素についてのドット形成有無の判断結果が、該着目画素のドットがいずれのパスで形成されるかに応じてグループ分けされた状態で記憶されている。このため、ドットを形成するに際しては、RAM106上のデータをひとまとまりずつ読み出して駆動バッファ261に書き込むことで、データを迅速に出力することができる。加えて、ひとまとまりのデータは、コンピュータが迅速に取り扱うことの可能な、ワードあるいはワードの整数倍のデータ量となっているので、この点からも、RAM106上のデータを駆動バッファ261に迅速に書き込むことが可能となっている。こうした理由から、図12に示す本実施例のデータ出力処理は、図16を用いて説明した通常のデータ出力処理に比べて、きわめて迅速に実行することが可能なのである。
【0091】
F.変形例:
上述した本実施例の画像処理には、いくつかの変形例が存在する。以下では、これら変形例につき簡単に説明する。
【0092】
(1)第1の変形例:
上述した実施例では、単一の画素については、ドットを形成するかしないかの、2つの状態しか表現し得ないものとして説明した。しかし、ドットの大きさを変えるなどして、単一画素でもより多くの状態を表現可能なプリンタも存在する。本発明は、こうしたプリンタにも好適に適用することが可能である。例えば、ドットの大きさを大・中・小の3段階に変更することができるものとすると、「ドットを形成しない」、「小ドットを形成する」、「中ドットを形成する」、「大ドットを形成する」の4つの状態を取り得ることになる。こうした4つの状態を表現するために、ハーフトーン処理の判断結果は、1つの画素あたり2ビットのデータで表現されることになる。
【0093】
図17は、2ビットのデータを用いて、ドット形成有無の判断結果を表現する様子を例示した説明図である。例えば、図17(a)に例示するように、いずれのビットにも「0」が設定されたデータ「00」は「ドットを形成しない」状態を表すものとする。逆に、いずれのビットにも「1」が設定されたデータ「11」は「大ドットを形成する」状態を表すものとする。また、下位ビットにだけ「1」が設定されたデータ「01」は「小ドットを形成する」状態を表すものとし、逆に上位ビットにだけ「1」が設定されたデータ「10」は「中ドットを形成する」状態を表すものとする。こうすれば、2ビットのデータを用いて、4つの状態を表現することができる。ハーフトーン処理の判断結果をRAM106に記憶する場合は、こうした2ビットのデータを組み合わせて1ワードのデータにまとめて記憶する。ここでは、1ワードは1バイトのデータであるとしているから、図17(b)に例示するように、1ワード中には4画素分の判断結果が含まれることになる。
【0094】
図17に例示したように、1画素あたり2ビットのデータとして表現されている場合に、ハーフトーン処理の判断結果をRAM106に記憶する様子について補足して説明する。図18は、あるラスタ上の着目画素についての判断結果を、記憶する様子を示す説明図である。図18(a)に示した小さな正方形は、ラスタを構成する画素を表しており、斜線つきの丸印が付された画素は着目画素を表している。今、パス数が4、すなわち、1つのラスタを4回の主走査に分けて形成するものとすると、図18(a)に示した着目画素は、パスC中の5番目の画素となる。ここで、図17に示したように、ハーフトーン処理の判断結果は、画素あたり2ビットで表現されるから、5番目の画素についての判断結果は、図18(b)に斜線を付して示したように、2バイト目の先頭の2ビットに記憶される。例えば、着目画素にドットを形成しないと判断されている場合は、図18(b)の斜線を付した2ビットには、データ「00」が記憶される。また、着目画素に中ドットを形成すると判断されている場合は、データ「10」が記憶されることになる。
【0095】
こうして、1画素あたりの判断結果が、2ビットずつ記憶されている場合は、RAM上から2ビットずつデータを読み出して、ノズルに向かって出力すればよい。
【0096】
(2)第2の変形例:
また、上述した各種実施例では、1枚の画像中ではパス数は同一であるものとして説明した。しかし、1枚の画像を、複数種類のパス数を切り換えながら印刷する場合もある。本発明は、この様な場合にも好適に適用することができる。以下では、こうした第2の変形例について説明する。
【0097】
図19は、複数種類のパス数を切り換えながら画像を印刷する様子を概念的に示した説明図である。図19(a)は、1枚の画像中でパス数2の領域とパス数3の領域とを切り換えながら印刷する場合を例示した説明図である。また、図19(b)には、参考として、全てのラスタがパス数2で形成される場合を示してある。説明の便宜から、初めに図19(b)を参照しながら、画像中の全てのラスタをパス数2で形成する場合について簡単に説明する。
【0098】
前述したようにプリンタ200は、印刷用紙上にドットを形成しながらインク吐出用ヘッドを主走査することでラスタを形成するとともに、ヘッドを所定量ずつ副走査させて、印刷用紙上での位置を少しずつずらしながら複数のラスタを形成することで画像を印刷している。図19(b)中の左半分には、インク吐出用ヘッド244〜247を所定量ずつ副走査している様子を表しており、図中の右半分には、それぞれの副走査位置で主走査することにより、印刷用紙上に複数のラスタが形成されていく様子を概念的に表している。尚、本実施例のプリンタ200には、各色インク毎に4つのインク吐出用ヘッド244〜247が備えられているが、図示が煩雑となることを避けるために、図19では、これら4つのヘッドを1つのヘッドで代表して表示している。
【0099】
画像の全ラスタをパス数2で形成する場合は、例えば、図19(b)に示されているように、インク吐出用ヘッドを1回主走査させてドットを形成した後、ヘッドの長さのちょうど半分だけ副走査させ、この位置で2回目の主走査を行う。2回目の主走査を行ってドットを形成したら、再び、ヘッドを同じ量だけ副走査させて、3回目の主走査を行う。図19中に示した破線の矢印は、ヘッドを所定量ずつ副走査する様子を模式的に表したものである。このように副走査して行けば、インク吐出用ヘッドは、ヘッドの長さのちょうど半分ずつ副走査方向に位置がずれていくことになり、同じ部分をヘッドが2回ずつ主走査することになる。このため、画像中の全てのラスタをパス数2で形成することができる。
【0100】
この様子を、図19(b)の右半分に示した図を用いて説明する。画像中の一番上の部分は、1回目の主走査時および2回目の主走査時にヘッドが通過するので、この領域では、1パス目と2パス目の2回に分けて(すなわち2パスで)ラスタを形成することができる。図19(a)中で、「2パス(1+2)」と表示されているのは、この領域のラスタを、1パス目および2パス目の2パスで形成可能なことを表したものである。画像中でこの領域の直ぐ下にある領域は、2回目の主走査時および3回目の主走査時にヘッドが通過するので、この領域では、2パス目と3パス目の2パスでラスタを形成することができる。以下、同様に、その下の領域は3パス目と4パス目の2パスで、更にその下の領域は4パス目と5パス目の2パスで、それぞれラスタを形成することができる。結局、画像中の全てのラスタをパス数2で形成することが可能となる。
【0101】
次に、図19(a)を参照しながら、1枚の画像中に2種類のパス数が現れる場合について説明する。図19(a)においても、前述した図19(b)と同様に、インク吐出用ヘッドを所定量ずつ副走査しているが、図19(a)での副走査量は、図19(b)での副走査量よりも少しだけ小さな値に設定されている。こうすることにより、1枚の画像中に2パスの領域と3パスの領域とが現れる。すなわち、前述した図19(b)に示した例では、副走査を2回行うことで、インク吐出用ヘッドはちょうどヘッド1つ分だけ副走査方向に移動させることができた。これに対して、図19(a)では副走査量が小さな値に設定されているので、2回の副走査で移動する距離はヘッドの長さより小さくなってしまい、ヘッドの一部に重複する部分が発生する。例えば、図19(a)中で、1パス目にヘッドが主走査する領域と、3パス目にヘッドが主走査する領域とは、ヘッドの端部で重複する。同様に、2パス目にヘッドが通過する領域と4パス目にヘッドが通過する領域についても、あるいは3パス目と5パス目についても、それぞれヘッドの端部が通過する領域が重複する。結局、画像中でヘッドの端部が通過する領域でのパス数は、他の部分が通過する領域のパス数よりも大きな値となるのである。
【0102】
一般に、インク吐出用ヘッドの製造上の都合から、ヘッドの端部ではノズルの精度が低下し易く、従って、ヘッドの端部が主走査する部分の画像は画質が低下し易い傾向にある。このため、副走査量を適切な値に設定することで、ヘッドの端部が形成する領域でのパス数を、他の領域のパス数より大きな値としてやれば、画質が低下し易い部分だけを大きなパス数で印刷することができるので、印刷速度の低下を最小限に抑制しながら、高画質な画像を印刷することが可能となる。
【0103】
次に、1枚の画像中にパス数の異なる領域が含まれている場合に、本発明を適用した第2の変形例について説明する。図20は、こうした第2の変形例において、画像データにハーフトーン処理およびデータ出力処理が施されて、変換されたデータが駆動バッファに書き込まれる様子を概念的に示したものである。図中の左側に示した矩形は、印刷しようとする画像の画像データを模式的に表したものである。ここでは、図19を用いて説明したように、画像中には、ラスタが2パスで形成される領域と、3パスで形成される領域とが存在しているものとする。インク吐出用ヘッドのヘッド長さは決まっているので、ヘッドの副走査量が決まれば、画像中で3パスで形成される領域は自ずから決定される。図20では、ラスタが3パスで形成される領域を、ハッチングを付して表している。
【0104】
ハーフトーン処理では、各画素についてのドット形成の有無を画像データに基づいて判断した後、判断結果をRAM106に記憶する。ここで、画像中でラスタが2パスで形成される領域については、判断結果をパスAおよびパスBに対応する2つのグループに分けた状態で記憶する。また、画像中でラスタが3パスで形成される領域については、パスA、パスB、およびパスCに対応する3つのグループに分けた状態で判断結果を記憶する。図20の中央部分に示した矩形は、ドット形成有無の判断結果が書き込まれるRAM106を模式的に表したものである。図示されているように、画像中で2パスの領域についての判断結果は、パスAおよびパスBの2つにグループ分けされた状態でRAM106に記憶され、ハッチングを付して示した3パスの領域についての判断結果は、パスA、パスB、およびパスCの3つのグループにグループ分けした状態でRAM106に記憶される。
【0105】
続くデータ出力処理では、RAM106に記憶されているデータを読み出して駆動バッファに書き込んでいく。そして、主走査1回分のデータを書き込んだら、蓄積したデータをインク吐出用ヘッドの主走査に合わせてノズルに出力することにより、印刷用紙上にドットを形成する。ここで、駆動バッファには、続く主走査でドットが形成される画素についての判断結果を、ヘッドに複数設けられたノズル毎に書き込んでやる必要がある。この点、第2の変形例では、ラスタが2パスで形成される領域はパスAおよびパスBの2つにグループ分けした状態でRAM106に記憶され、ラスタが3パスで形成される領域はパスAないしパスCの3つにグループ分けした状態で記憶されている。このため、RAM106上からデータを読み出して駆動バッファに書き込む処理を迅速に行うことが可能となる。
【0106】
あるいは、第2の変形例では、次のようにすることもできる。すなわち、図21に示すように、ハーフトーン処理中でドット形成の有無を判断したら、画像中のいずれの領域であるかに関わらず、一旦、パスAおよびパスBの2つのグループに分けた状態でRAM106に記憶する。そして、RAM106上に記憶されたデータを駆動バッファに書き込む際には、画像中でラスタが2パスで形成される領域については、グループ毎にデータを読み出して駆動バッファに書き込んでいく。また、画像中でラスタが3パスで形成される領域については、RAM106上に記憶されているグループ分けは、ノズルがラスタを形成するための主走査と対応したグループ分けにはなっていない。そこで、3パスで形成される領域については、パスAおよびパスBにグループ分けして記憶されているデータの中から、続く主走査で形成する画素についてのデータを選択して、駆動バッファに書き込んでいく。こうして、主走査1回分のデータが蓄積されたら、インク吐出用ヘッドの主走査に合わせて、蓄積したデータを駆動バッファからノズルに出力することにより、印刷用紙上にドットを形成する。
【0107】
こうした方法では、ラスタを3パスで形成する領域については、RAM106上に記憶されているグループ分けは、実際にラスタを形成するための主走査に対応したグループ分けとはなっていない。このため、RAM106上に記憶されているデータの中から、続く主走査で形成する画素についてのデータを選択して、駆動バッファに書き込む操作が必要となる。もちろん、こうした操作には時間がかかる。しかし、画像中で3パスで形成される領域は、2パスで形成される領域に比べて僅かな領域にすぎず、大部分の領域については、ドット形成有無の判断結果は、実際にラスタを形成するために行う主走査と対応してグループ分けした状態で記憶される。このため、全体としてみれば、RAM106に記憶されたドット形成有無の判断結果を読み出して、駆動バッファに書き込む処理を迅速に行うことが可能となる。
【0108】
尚、図21に示した例では、ラスタが3パスで形成される領域については、RAM106上のデータの中から、続く主走査で形成する画素についてのデータを選択する操作が必要となる。従って、こうした操作が必要となる領域については、ハーフトーン処理後のデータを記憶する際に、グループ分けすることなく、画像上での画素の並びに従って記憶しておくこととしても良い。
【0109】
また、上述したように、画像中の一部の領域については、RAM106上に記憶されたデータの中から、続く主走査で形成する画素についてのデータを取り出すこととすれば、1枚の画像中でパス数が複雑に切り替わる場合でも、本発明を比較的容易に適用することが可能となる。
【0110】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述した各実施例は、いずれもカラー画像を印刷するものとして説明したが、モノクロ画像を印刷するプリンタに対しても同様に適用することが可能である。
【0111】
また、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。もちろん、CD−ROMやフレキシブルディスクに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実行するものであっても構わない。
【0112】
加えて、上述した各種実施例では、画像データ変換処理はコンピュータ内で実行されるものとして説明したが、画像データ変換処理の一部あるいは全部をプリンタ側、あるいは専用の画像処理装置を用いて実行するものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の概要を例示した説明図である。
【図2】本実施例の画像処理装置としてのコンピュータの構成を概念的に示した説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの構成を概念的に示した説明図である。
【図4】インク吐出用ヘッドの底面に形成されたノズルの配列を示す説明図である。
【図5】制御回路の制御の下で、ノズルからインク滴が吐出されるメカニズムを示した説明図である。
【図6】本実施例の画像処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】本実施例のハーフトーン処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】ラスタを構成する画素が印刷パス毎に分類される一態様を例示した説明図である。
【図9】ラスタを構成する画素が印刷パス毎に分類される他の態様を例示した説明図である。
【図10】ドット形成有無の判断結果を印刷パス毎に分けて記憶する一態様を示した説明図である。
【図11】着目画素についての判断結果をワード単位で記憶する様子を示した説明図である。
【図12】ドット形成有無の判断結果を印刷パス毎に分けて記憶する他の態様を示した説明図である。
【図13】本実施例のデータ出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】参考としての通常のハーフトーン処理の流れを示したフローチャートである。
【図15】参考としての通常のハーフトーン処理において、判断結果を記憶する様子を示した説明図である。
【図16】参考としての通常のハーフトーン処理で記憶された判断結果を読み出して、駆動バッファに書き込む様子を示す説明図である。
【図17】2ビットを用いて着目画素についての4つの状態を表現している様子を例示した説明図である。
【図18】着目画素についての判断結果を2ビットデータで表現する第1の変形例を示した説明図である。
【図19】複数種類のパス数を切り換えながら画像を印刷する第2の変形例を示した説明図である。
【図20】第2の変形例において画像データに画像処理が施されて駆動バッファに書き込まれる一態様を概念的に示した説明図である。
【図21】第2の変形例において画像データに画像処理が施されて駆動バッファに書き込まれる他の態様を概念的に示した説明図である。
【符号の説明】
10…印刷装置
12…ハーフトーンモジュール
14…メモリ
16…ドット形成要素
100…コンピュータ
102…CPU
104…ROM
106…RAM
108…PIF
108…周辺機器インターフェースPIF
109…ディスクコントローラDDC
110…ネットワークインターフェースカードNIC
112…ビデオインターフェースVIF
114…CRT
116…バス
118…ハードディスク
120…デジタルカメラ
122…カラースキャナ
124…フレキシブルディスク
126…コンパクトディスク
200…プリンタ
230…キャリッジモータ
235…紙送りモータ
236…プラテン
240…キャリッジ
241…印字ヘッド
242,243…インクカートリッジ
244〜247…インク吐出用ヘッド
260…制御回路
261…駆動バッファ
262…D/A変換器
300…通信回線
310…記憶装置
Claims (14)
- 印刷媒体上に形成されたドットの列たるラスタを、該印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって形成するラスタ形成要素を備え、該ラスタ形成要素を該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷装置であって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する判断結果記憶手段と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、該ラスタ形成要素に供給する判断結果供給手段と
を備える印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置であって、
前記判断結果記憶手段は、前記印刷装置内でのデータのやり取りに標準的に用いられるデータ量の整数倍ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶する手段である印刷装置。 - 印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって、該印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素を、該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷部に、該ラスタ形成要素の駆動を制御するための制御データを供給して該印刷を制御する印刷制御装置であって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する判断結果記憶手段と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、前記制御データとして前記印刷部に供給する制御データ供給手段と
を備える印刷制御装置。 - 請求項3記載の印刷制御装置であって、
前記判断結果記憶手段は、前記印刷制御装置内でのデータのやり取りに標準的に用いられるデータ量の整数倍ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶する手段である印刷制御装置。 - 請求項3記載の印刷制御装置であって、
前記判断結果記憶手段は、前記ラスタ形成要素が1回の前記往復動でドットを形成する画素数分ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶する手段である印刷制御装置。 - 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の印刷制御装置であって、
前記判断結果記憶手段は、前記判断を行った画素を含むラスタ中で、該画素を該ラスタの先頭の画素から数えた順番たる画素番号に基づいて、前記判断結果のグループ分けを行う手段である印刷制御装置。 - 請求項6記載の印刷制御装置であって、
前記判断結果記憶手段は、前記ラスタを形成するための前記所定回数によって、前記画素番号を除算したときの剰余数に基づいて、前記判断結果のグループ分けを行う手段である印刷制御装置。 - 請求項3記載の印刷制御装置であって、
前記印刷部は、前記ラスタ形成要素を前記ラスタと交差する方向に相対的に移動させつつ、該ラスタを形成するための前記往復動の回数を切り換えながら画像を印刷する印刷部であり、
前記画像を形成するために用いられる複数種類の前記往復動の回数の中で、主に用いられる回数の往復動によって形成される主要ラスタを、該画像を構成する複数本のラスタの中から選択する主要ラスタ選択手段を備えるとともに、
前記判断結果記憶手段は、前記主要ラスタの画素については、該主要ラスタを形成するための往復動に対応したグループ分けを行った状態で、前記判断結果を記憶する手段である印刷制御装置。 - 請求項8記載の印刷制御装置であって、
前記判断結果記憶手段は、前記画像を構成する複数本のラスタの中から前記主要ラスタを除いた残余ラスタの画素についても、該主要ラスタを形成するための往復動に対応したグループ分けを行った状態で、前記判断結果を記憶する手段であり、
前記制御データ供給手段は、前記主要ラスタの画素については、該画素の判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら前記印刷部に供給するとともに、前記残余ラスタの画素については、前記記憶されている判断結果の中から、前記ラスタ形成要素の往復動に応じてドットを形成する画素の判断結果を選択して、該印刷部に供給する手段である印刷制御装置。 - 請求項8記載の印刷制御装置であって、
前記判断結果記憶手段は、前記画像を構成する複数本のラスタの中から前記主要ラスタを除いた残余ラスタの画素については、前記判断結果を該画像上での画素の並びの順番で記憶する手段であり、
前記制御データ供給手段は、前記主要ラスタの画素については、該画素の判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら前記印刷部に供給するとともに、前記残余ラスタの画素については、前記記憶されている判断結果の中から、前記ラスタ形成要素の往復動に応じてドットを形成する画素の判断結果を選択して、該印刷部に供給する手段である印刷制御装置。 - 印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって、該印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素を、該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷部に、該ラスタ形成要素の駆動を制御するための制御データを供給して該印刷を制御する方法であって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る第1の工程と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断する第2の工程と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する第3の工程と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、前記制御データとして前記印刷部に供給する第4の工程と
を備える制御方法。 - 請求項11記載の制御方法であって、
前記第3の工程は、データのやり取りに標準的に用いられるデータ量の整数倍ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶する工程である制御方法。 - 印刷媒体上にドットを形成しつつ所定回数ずつ往復動を繰り返することによって、該印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成するラスタ形成要素を、該ラスタとは交差する方向に相対的に移動させながら、複数本のラスタを形成することで画像を印刷する印刷部に、該ラスタ形成要素の駆動を制御するための制御データを供給して該印刷を制御する方法を、コンピュータにより実現するためのプログラムであって、
前記印刷しようとする画像に対応した画像データを受け取る第1の機能と、
前記画像を構成する複数の画素についてのドット形成の有無を、前記画像データに基づいて判断する第2の機能と、
前記ドット形成の有無を判断した画素が、前記ラスタを形成するための前記所定回数の往復動の中のいずれの往復動でドットを形成されるかに応じて、該画素の前記判断結果を複数のグループに分けて記憶する第3の機能と、
前記ラスタ形成要素の往復動に応じて、前記記憶されている判断結果を前記グループ分けに従って読み出しながら、前記制御データとして前記印刷部に供給する第4の機能と
を実現するプログラム。 - 請求項13記載のプログラムであって、
前記第3の機能は、データのやり取りに標準的に用いられるデータ量の整数倍ずつ、前記判断結果をグループ分けして記憶する機能であるプログラム。
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