JP2005177999A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 共通の回路構成によって、表現可能な階調レベルの数が異なる記録用のデータの変換処理を実現する。
【解決手段】 表現可能な階調レベルの数が異なる記録用のデータを入力し、その記録用のデータにおける表現可能な階調レベルの数に応じたテーブル11,12,13,14を用いて、異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して記録データを生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録データに基づいて記録媒体上にドットを形成することにより、画像を記録する記録装置および記録方法に関するものである。
インクジェット方式の記録装置は、民生分野において最も一般的なプリンタとして広く採用されており、この方式のカラープリンタの場合には、2色以上のインクを吐出することによりカラー画像を記録することができる。この方式の記録装置として最も一般的なものは、複数のノズルを列状に備えたインクジェット記録ヘッドを用い、そのノズル列と交差する主走査方向に記録ヘッドを移動させつつ、記録データに基づいて対応するノズルからインクを吐出することによって、画像を記録するシリアルスキャン方式の記録装置である。
このような記録装置における画像情報は、一般的に、記録ヘッドの移動方向(ラスター方向)に展開されており、この画像情報をシリアル方式の記録に合わせて、ノズル列の方向(カラム方向)に対応付けるように変換するH−V変換(水平−垂直変換)が行われる。
インクジェット方式の記録装置においては、高速かつ安定的なインクの吐出を行うために、全てのノズルを同時に吐出制御するのではなく、ある特定の間隔をおいて位置するノズル郡単位に吐出制御を行う分散吐出制御方式を用いるものもある。この分散吐出制御方式を用いたインクジェット方式の記録装置において、2色以上のインクを同時に吐出して記録をする場合には、各インク色に対応する複数の記録ヘッドを用い、それらの記録ヘッド毎に、専用のデータ管理や分散吐出制御方式に応じた制御を行っている。例えば、減法混色系の3原色であるイエロー、マゼンタ、およびシアンの3色のインクを吐出可能な1つまたは複数の記録ヘッドを用いて記録を行うカラープリンタでは、それぞれのインクを吐出するノズル毎に対応するように制御回路を構成している。そのため、ノズル数が異なったり、インク色毎に対応する複数の記録ヘッドの位置関係が異なったりするときには、それに応じて制御回路の構成を変更している。
一方、記録画像の高解像度化に伴うノズルの高密度配置により、記録用のデータ量も増大する。そのデータ量を削減するためには、複数のノズルを1ブロックとして扱い、この1ブロックを構成する複数のノズルによって表される階調数を多値データとして表現することにより、結果的に、データ数を削減するインデックス手法がある。例えば、1ブロックが8ノズルによって構成されている場合には、それらのノズルから吐出されるインクによって形成される最大ドット数が8となり、それらの8ノズルによって表される階調値は、0,1,2,3,4,5,6,7,8の9値となる。また、1ブロックが4ノズルによって構成されている場合には、それらの4ノズルによって表される諧調値は、0,1,2,3,4の5値となる。
近年、カラープリンタの市場競争は、記録速度の向上・高画質化などに向かっている。このような競争要因に対応するため、記録ヘッドの多ノズル化やノズル配置の高密度化が進行し、記録ヘッドの構成は、その目的により多岐に渡っている。このような記録ヘッドの構成に合わせて、インデックス手法のための記録用データの多値化処理を行う必要がある。
しかし、従来の記録装置は、異なる構成の種々の記録ヘッドに対応して記録用データの多値化処理を行おうとした場合に、記録ヘッド毎のノズル数に応じた制御回路の構成を変更しなければならなかった。
本発明の目的は、表現可能な階調レベルの数が異なる記録用のデータの変換処理を共通の回路構成によって実現することができる記録装置および記録方法を提供することにある。
本発明の記録装置は、階調レベルを表現する記録用のデータをドットパターンに対応する記録データに変換し、その記録データに基づいて記録媒体上にドットを形成することによって、画像を記録可能な記録装置において、表現可能な階調レベルの数が異なる記録用のデータを入力する入力手段と、前記記録用のデータにおける表現可能な階調レベルの数に応じた変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して前記記録データを生成する変換手段とを備え、前記変換手段は、同じ大きさの変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して前記記録データを生成することを特徴とする。
本発明の記録方法は、階調レベルを表現する記録用のデータをドットパターンに対応する記録データに変換し、その記録データに基づいて記録媒体上にドットを形成することによって画像を記録する記録方法において、表現可能な階調レベルの数が異なる記録用のデータを入力し、前記記録用のデータにおける表現可能な階調レベルの数に応じた変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して前記記録データを生成し、前記記録データの生成の際に、同じ大きさの変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換することを特徴とする。
本発明は、記録用のデータにおける表現可能な階調レベルの数に応じた変換テーブルを用いて、異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して記録データを生成するため、異なる記録用のデータの変換処理を共通の回路構成によって実現することができる。したがって、大規模な論理回路を共通化して、種々の記録用のデータに対応することができる。例えば、記録に用いる記録ヘッドの種類に応じて、種々のデータ変換処理を簡易に実現することができる。
また、同じ階調レベルを異なるドットパターンに変換することにより、記録媒体上に形成するドットの分散性がよくなり、ドットパターンを固定した場合に発生しやすい周期的な高度変化を抑えて、記録画像の高画質化を図ることができる。
また、記録ヘッドが吐出するインク量などに応じて、データの変換に用いる変換テーブルを変更することにより、記録ヘッドが変更されても共通の回路構成によって記録データを生成することできるため、記録装置の開発の効率を向上させることができる。さらに、記録媒体の種類に応じて変換テーブルを変更することにより、記録媒体の特性に応じた最適な記録を実施することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図13は、本発明を適用可能な記録装置の概略構成を説明するための斜視図である。本例の記録装置50はシリアルスキャン方式の記録装置であり、ガイド軸51,52によって、キャリッジ53が矢印Aの主走査方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ53は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復動される。キャリッジ53には、記録ヘッド10(図6においては不図示)と、その記録ヘッド10にインクを供給するインクタンク54が搭載される。記録ヘッド10とインクタンク54は、インクジェットカートリッジを構成するものであってもよい。被記録媒体としての用紙Pは、装置の前端部に設けられた挿入口55から挿入された後、その搬送方向が反転されてから、送りローラ56によって矢印Bの副走査方向に搬送される。送りロータ56は、不図示の搬送モータによって駆動される。記録装置50は、記録ヘッド10を主走査方向に移動させつつ、プラテン57上の用紙Pのプリント領域に向かってインクを吐出させる記録動作と、その記録幅に対応する距離だけ用紙Pを副走査方向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用紙P上に順次画像を記録する。
記録ヘッド10は、副走査方向に沿って並ぶ複数のノズルから、記録データに基づいてインクを吐出する。記録ヘッド10としては、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などを用いた種々のインク吐出方式のものを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その電気熱変換体が発生する熱エネルギーによってインクを発泡させ、その発泡エネルギーによって、ノズルを構成する吐出口からインクを吐出させることができる。
キャリッジ53の移動領域における図6中の左端には、キャリッジ53に搭載された記録ヘッド10の吐出口15の形成面と対向する回復系ユニット(回復処理手段)58が設けられている。回復系ユニット58には、記録ヘッド10の吐出口のキャッピングが可能なキャップと、そのキャップ内に負圧を導入可能な吸引ポンプなどが備えられており、吐出口15を覆ったキャップ内に負圧を導入することにより、吐出口からインクを吸引排出させて、記録ヘッド10の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吸引回復処理」ともいう)をする。また、キャップ内に向かって、吐出口から画像の寄与しないインクを吐出させることによって、記録ヘッド10の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吐出回復処理」ともいう)をすることもできる。
図1は、本実施形態における記録装置の制御系のブロック構成図である。
記録制御部1は、バッファ制御部2、記録データ変換部3、ヘッドパラメータ格納部4、バッファ7、記録タイミング制御部8、インデックステーブル(A)11、インデックステーブル(B)12、インデックステーブル(C)13、インデックステーブル(D)14、インデックスセレクタ15、およびインデックスビットマップコンバータ16を基本構成としている。インデックステーブル(A)11、インデックステーブル(B)12、インデックステーブル(C)13、インデックステーブル(D)14は、CPU5からの書き換えが可能な構成となっている。5は、記録制御部1に接続されるCPU、6は記録データ用メモリー、9は、記録ヘッド10を用いて記録動作する記録機構の駆動部(キャリッジモータおよび搬送モータを含む)である。これらの構成部の機能については、後述する。
本例のシリアルタイプの記録装置におけるCPU5は、記録のための主たる処理として、図示しないメモリーに格納されたプログラムを読み出し、図示しない電気回路により駆動部9に動作信号を供給する。そして、この信号により動作する駆動部9から、キャリッジ53と共に移動する記録ヘッド10の移動位置の情報などを受け取り、記録データ用メモリー6に格納されているデータを記録制御部1を介して記録ヘッド10に転送することにより、記録ヘッド10の移動位置に応じてノズルからインクを吐出して記録を行う。
記録ヘッド10に対しては、その記録ヘッド10が主走査方向に移動するため、および構造の簡便性のために、1回の走査によって記録される1バンド分の記録データの中から、記録ヘッド10の移動位置に応じて各ノズルに割り振られる1カラム分データを順次シリアルに転送する。記録ヘッド10は、その記録ヘッド10側に存在するシフトレジスタおよびラッチ回路により、シリアルに転送されてくる1カラム分の記録データをパラレルに変換して、その記録データを対応するノズルの割り振ることによって記録を行う。その記録データは、ノズルからのインクの吐出、不吐出に対応する1,0の2値データである。
図2は、記録ヘッド10におけるノズルの配置形態の一例の説明図である。
本例においては、3種のインク(例えば、イエロー、マゼンタ、およびシアンのインク)を吐出するためのノズル郡C0,C1,C2が矢印Aの主走査方向と交差する副走査方向に配列されている。それらのノズル郡C0,C1,C2は、1つの記録ヘッドに形成、または複数(例えば、3つ)の記録ヘッドに分けて形成されており、それぞれにおけるノズル数は、ノズル番号が0〜(n−1)のn個とされている。また、記録ヘッド10におけるノズルの配置形態は、図2のような形態のみに特定されない。例えば、ノズル郡C0,C1,C2を矢印Aの主走査方向にずらして配置した形態であってもよく、このような場合にも対応することができる。
記録データ用メモリー6に格納される記録用のデータは、本例の場合、記録ヘッド10の1回の走査によって記録される1バンド分のデータであり、既に、インクの吐出、不吐出に対応する1,0のデータに2値化されている。そのデータの2値化において、濃度に諧調がある写真などのデータに関しては、ディザ法や誤差拡散法などによる擬似中間調処理を施す。また、このような記録用のデータは、インターフェース23を介して外部のホスト装置21やディジタルカメラなどから取り込み、メモリー制御部23によってメモリー6に格納することができる。
メモリー6は、記録用のデータとして種々の解像度のデータを格納することができる。その記録用データは、記録装置の記録解像度に応じて解像度変換することができる。記録装置の記録解像度は、例えば、記録装置において用いる記録ヘッド10の種類(ノズルの配置密度が異なるもの)などによっても変化する。
図3(a),(b)、図4(a),(b)、および図5(a),(b)は、記録データ用メモリー6に格納される記録用のデータの異なる例の説明図である。これらの記録用のデータは、前述したインデックス手法に対応して、1ブロック(所定の記録範囲)を9値、5値、および3値によって表現する。
図3(a),(b)の場合は、記録ヘッド10の2ノズルによって記録される8画素(2×4画素)を1つのブロックB1とし、このブロックB1において表される諧調数9(諧調値0,1,2,3,4,5,6,7,8)を4ビットの記録用のデータによって表現する。図4(a),(b)の場合は、記録ヘッド10の2ノズルによって記録される4画素(2×2画素)を1つのブロックB2とし、このブロックB2において表される諧調数5(諧調値0,1,2,3,4)を3ビットの記録用のデータによって表現する。図5(a),(b)の場合は、記録ヘッド10の2ノズルによって記録される2画素(2×1画素)を1つのブロックB3とし、このブロックB3において表される諧調数3(諧調値0,1,2)を2ビットの記録用のデータによって表現する。後述するように、このような記録用のデータの種類に応じて、インデックステーブル11〜14が変更される。
図6は、このような記録用のデータの1バンド分毎の記録動作に関連するバッファ7の制御の流れを説明するためのフローチャートである。
CPU5は、このような図6におけるバッファ7の制御に先立ち、前述したような記録用のデータを記録データ用メモリー6に保存する。その記録用のデータは、インターフェース23を介して外部のホスト装置21から取り込み、メモリー制御部23によってメモリー6に格納することができる。
図6においては、記録データ用メモリー6からバッファ7へのデータの転送前に、まず、インデックス手法に対応するインデックスモードを設定する(ステップS1)。そのインデックスモードは、前述したような記録用のデータの種類に対応するモードである。例えば、インデックスモードとして、前述した図3(a),(b)、図4(a),(b)、または図5(a),(b)の記録用のデータのいずれかに対応するモード(9値/5値/3値)を設定する。その設定されたインデックスモードに応じて、後述するようにインデックステーブル11〜14の値を変更する(ステップS2,S3)。また、ステップS1のインデックスモードの設定において、ビットマップモードを設定できるようにしてもよい。ビットマップモードが設定された場合には、記録データ用メモリー6に保存されているデータを、そのまま、バッファ7に書き込む。
その後、設定されたインデックスモードに対応する記録用のデータを記録データ用メモリー6から読み出す(ステップS4)。その記録用のデータの読み出し単位は、前述したインデックス手法における1ブロックまたは複数ブロックである。インデックスセレクタ15は、参照すべきインデックステーブルとしてインデックステーブル11〜14のいずれかを指定する(ステップS5)。インデックスビットマップコンバータ16は、インデックスセレクタ15により指定されたインデックステーブルを用いて、その記録用のデータを変換する(ステップS6)。そして、その変換後の記録データをバッファ7に書き込む(ステップS7)。このようなバッファ制御部2によるバッファ7へのデータの書き込みは、CPU5からの指示により開始する。
その後、記録の開始指令を受けて(ステップS8)、バッファ7から記録データ変換部3にデータを転送して(ステップS9)、そのデータを記録する。1ラスター分の全てのデータの記録が終了していれば処理を終了する(ステップS10)。その記録が終了していない場合において、バッファ7内の全てのデータがプリントされていなければステップS9に戻って、バッファ7内の次のデータを記録データ変換部3に送る(ステップS11)。一方、バッファ7内の全てのデータがプリントされているときは、メモリー6から、次の1ブロックまたは複数ブロック分の記録用のデータを読み出す(ステップS12)。そして、ステップS5〜S7と同様に、参照すべきインデックスデータをインデックスセレクタ15が指定し(ステップS13)、その指定されたインデックスデータを用いてインデックスビットマップコンバータ16が記録用のデータを変換し(ステップS14)、その変換後の記録データをバッファ7に書き込む(ステップS15)。
以下、記録データ用メモリー6内のデータの記録が終了するまで、ステップS9〜S15の処理を繰り返す。
図7(a),(b),(c)は、インデックステーブルの説明図である。
図7(a)は、2×4ドットの形成範囲の記録データを4ビットで表すインデックスの例である。2×4ドットの形成範囲におけるドットの最大形成数は8であり、その形成範囲における諧調値が0から8までの9値によって表される。Up−0〜Up−3は、後述するバッファ7(図11)の偶数アドレスの格納内容に対応し、Dwn−0〜Dwn−3は、バッファ7の奇数アドレスの格納内容に対応する。本例の場合、図7(a)の9値の大きさのインデックスは、図3(a),(b)のような9値を表す4ビットの記録用データに対応しており、また後述するように図4(a),(b)および図5(a),(b)のような5値および3値の記録用データにも対応する。また、記録用データの単位が8ビット(1バイト)のときは図7(a)のインデックスを2つ組み合わせて用い、それが16ビットのときは図7(a)のインデックスを4つ組み合わせて用い、それが32ビットのときは図7(a)のインデックスを8つ組み合わせて用いる。
本例の場合は、インデックステーブルA〜Dには同じ階調レベルに対して異なるドットパターンが設定されており、それらのインデックステーブルA〜Dの内の任意の4つを図7(b),(c)のように組み合わせて用いることにより、ドットパターンを順次切り替える。後述するように、これら4つのドットパターンを切り換えながら参照することにより、記録データを作成する。このように、同じ階調レベルの記録に用いるドットパターンを切り換えることにより、ドットの形成に使用するノズルの使用頻度に差を小さく抑えて、記録ヘッドの超寿命化などを図ることができる。
図8(a)〜(g)は、インデックステーブルの構成例の説明図である。本例のインデックステーブルは、階調レベルが0〜8の9値を表す記録用データ(図3(a),(b))参照)の階調レベル5に対応するインデックステーブルであり、インデックステーブルA〜Dには、図8(d)〜(g)のような異なるドットパターンが設定されている。5つのドットが形成される階調レベル5は、これらの4つのドットパターンの組み合わせにより記録される。このようなドットパターンをどのように組み合わせて用いるかは、図6のステップS6,14におけるインデックスビットマップ変換前に指定する。そのインデックスビット変換において、メモリー6からのデータを4ビット単位に分解し、その分解した4ビットが表す階調レベルに対応するインデックステーブルを参照して、ドットパターンを決定する。
図9(a)〜(g)は、インデックステーブルの他の構成例の説明図である。本例のインデックステーブルは、階調レベルが0〜4の5値を表す記録用データ(図4(a),(b)参照)の階調レベル3に対応するインデックステーブルであり、インデックステーブルA〜Dには、図9(d)〜(g)のような異なるドットパターンが設定されている。3つのドットが形成される階調レベル3は、これらの4つのドットパターンの組み合わせにより記録される。このようなドットパターンをどのように組み合わせて用いるかは、図6のステップS6,14におけるインデックスビットマップ変換前に指定する。そのインデックスビット変換において、メモリー6からのデータを3ビット単位に分解し、その分解した3ビットが表す階調レベルに対応するインデックステーブルを参照して、ドットパターンを決定する。
また、このような5値用のインデックステーブルには、図8(a)のインデックステーブルと同じものが用いられる。すなわち、図6のステップS3においてテーブルの値を変更することよって、9値用のインデックステーブルを5値用として用いる。本例の場合は、2×4のインデックステーブルの内、Up−0,Up−1,Dwn−0,Dwn−1の2×2の領域の値を参照して記録データを生成する。どの領域の値を参照するかは任意に設定することができ、図9(a)のように、同図中左側の2×2の領域と同図中右側の2×2の領域に同じ値を書き込んだ場合には、後者のUp−2,Up−3,Dwn−2,Dwn−3の2×2の領域の値を参照して記録データを生成してもよい。また、このように参照するテーブルの位置を切り替えることも可能である。要は、階調レベルに応じたドット数を形成するドットパターンを参照することができればよく、そのような条件を満たす限りにおいては、どの位置の値を参照データとするか非参照データとするかの設定は任意である。そのような条件を満たす限りにおいては、参照データの非参照データの値は本例のように同じ値に設定する必要はなく、それらを異なる値に設定してもよい。
図10(a)〜(e)は、インデックステーブルのさらに他の構成例の説明図である。本例のインデックステーブルは、階調レベルが0〜2の3値を表す記録用データ(図5(a),(b)参照)の階調レベル1に対応するインデックステーブルであり、インデックステーブルA〜Dの内の少なくとも2つには、図9(d)および(e)のような異なるドットパターンが設定されている。1つのドットが形成される階調レベル1は、これらのドットパターンの組み合わせにより記録される。このようなドットパターンをどのように組み合わせて用いるかは、図6のステップS6,14におけるインデックスビットマップ変換前に指定する。そのインデックスビット変換において、メモリー6からのデータを2ビット単位に分解し、その分解した2ビットが表す階調レベルに対応するインデックステーブルを参照して、ドットパターンを決定する。
また、このような3値用のインデックステーブルにも、図8(a)のインデックステーブルと同じものが用いられる。すなわち、図6のステップS3においてテーブルの値を変更することよって、9値用のインデックステーブルを3値用として用いる。本例の場合は、2×4のインデックステーブルの内、Up−0,Dwn−0の2×1の領域の値を参照して記録データを生成する。どの領域の値を参照するかは任意に設定することができ、図10(a)のように、同じ値を繰り返し書き込んだ場合には、Up−1,Dwn−1の2×1の領域、Up−2,Dwn−2の2×1の領域、Up−3,Dwn−3の2×1の領域の値を参照して記録データを生成してもよい。また、このように参照するテーブルの位置を切り替えることも可能である。要は、階調レベルに応じたドット数を形成するドットパターンを参照することができればよく、そのような条件を満たす限りにおいては、どの位置の値を参照データとするか非参照データとするかの設定は任意である。そのような条件を満たす限りにおいては、参照データの非参照データの値は本例のように同じ値に設定する必要はなく、それらを異なる値に設定してもよい。
図11(a),(b)は、バッファ7の構成例の説明図である。
バッファ7には、図11(a)のようにアドレスが0〜(N−1)のN個の記憶領域がある。本例においては、図11(b)のように、図2のようなノズルの配置形態に対応するようにデータが格納される。すなわち、アドレス0〜(n−1)の記憶領域に、ノズル郡C0のノズルに割り振られるデータC0−0〜C0−(n−1)が格納され、アドレスn〜(n+m−1)の記憶領域に、ノズル郡C1のノズルに割り振られるデータC1−0〜C1−(m−1)が格納され、アドレス(n+m)〜(n+m+l−1)の記憶領域に、ノズル郡C2のノズルに割り振られるデータC2−0〜C2−(l−1)が格納される。このようなノズルと記憶領域との関係は、ノズル郡C0,C1,C2を矢印Aの主走査方向にずらして配置したような形態の記録ヘッド10を用いる場合も同様である。本例の場合は、アドレス(n+m+l)〜(N−1)が空き領域(Blank)となる。これらの空き領域は、記録ヘッド10としてノズル数がより多いものを用いるときに、それらのノズルに対応付けて用いることができる。
バッファ7は、それぞれのアドレスの領域に、記録ヘッド10の移動方向(主走査方向)における複数ラスタ分の画像データを格納する。本来の場合は、32ラスタ分の画像データを格納するように32ビットの大きさとなっており、記録ヘッド10におけるノズル数が256の場合には(32×256)ドット分の容量のRAMをバッファ7として用いる。
一般に、記録データ用メモリー6には、1ライン分のデータが連続したアドレスに対応付けて保存される。前述した図7(a)のようなインデックスを用いる場合には、記録データ用メモリー6に、1ライン分のデータによって2ライン分(2ラスタ分)のデータを保存することが可能となる。そのため、1ライン分のデータを記録データ用メモリー6から読み出して、図7(a)のインデックスを用いた変換処理(図6中のステップS6,S14)を行うことにより、バッファ7に対して2ライン分の記録データを書き込む(図6中のステップS7,S15)ことになる。
図7(a)のインデックスの場合には、Up−0〜Up−3の領域の値が図11(a),(b)における偶数アドレスの格納内容に対応し、また、Dwn−0〜Dwn−3の領域の値が図11(a),(b)における奇数アドレスの格納内容に対応する。
(記録例)
本例においては、記録媒体上にドットを形成することによって画像を記録する記録装置として、インクジェット記録装置を用いている。インクジェット記録装置においては、記録に用いるインクジェット記録装置のノズルサイズ、インクの濃度、記録ヘッドの送り量などに応じて、記録画像の解像度が決定される。インクジェット記録装置における記録データは、前述したように、ドットが存在するか存在しないかの2値表現のデータとなっており、写真などの濃度に階調のあるデータを表現する際にはディザ法や誤差拡散法による擬似階調表現が用いられる。
図12(a),(b),(c)は、このようなインクジェット記録装置における記録解像度と記録データとの関係の説明図である。
図12(a)のように、記録対象となる画像データの解像度が600dpi(ドット/インチ)であり、記録装置において用いる記録ヘッド10によって、副走査方向の記録解像度が1200dpi、主走査方向(記録ヘッドの送り方向)の記録解像度が2400dpiの再現が可能である場合には、2×4ドット分の1ブロックB1の領域を9値によって表現する記録データを記録することができる。
また、図12(b)のように、記録対象となる画像データの解像度が600dpiであり、記録装置において用いる記録ヘッド10によって、副走査方向の記録解像度が1200dpi、主走査方向(記録ヘッドの送り方向)の記録解像度が1200dpiの再現が可能である場合には、2×2ドット分の1ブロックB2の領域を5値によって表現する記録データを記録することができる。
また、図12(c)のように、記録対象となる画像データの解像度が600dpiであり、記録装置において用いる記録ヘッド10によって、副走査方向の記録解像度が1200dpi、主走査方向(記録ヘッドの送り方向)の記録解像度が600dpiの再現が可能である場合には、2×1ドット分の1ブロックB3の領域を3値によって表現する記録データを記録することができる。
このような記録装置における記録解像度の違いは、記録ヘッド10の構成などによって生じる。本実施形態の記録装置は、前述したように同じ大きさのインデックステーブルを用いることにより、このように用いる記録ヘッド10が異なった場合にも論理回路の構成を変更することなく、それぞれの解像度に合った画像データを供給することができる。
(第2の実施形態)
記録媒体として、表面が特殊処理されている専用の用紙と、コピー用紙とでは、インクの浸透性などが異なり、同じ量のインクを使用して得られる記録結果には大きな違いが生じる。
そこで、記録媒体の種類に応じて、記録ヘッドの送り方向における記録解像度を変更し、使用するインデックスを9値、5値、または3値に切り替えて、単位記録領域当たりの記録に使用するインク量を変更する。これにより、記録媒体の種類に応じた量のインクを用いて、高品質の画像を記録することができる。
(第3の実施形態)
記録ヘッドとして、インクの吐出量を変更して、大きさが異なる2種類以上のドットを形成可能なものを用いることも可能である。例えば、電気熱変換体を用いるインク吐出方式の場合には、1つのノズルに対して、大きさが同一または異なる電気熱変換体を複数備えて、それらを選択的に駆動することによって、インクの吐出量を変更することができる。
このような記録ヘッドを用いた場合、比較的大きいドットを形成して画像を記録するときには、前述した図12(b)と同様に副走査方向の記録解像度を1200dpiとして処理し、また比較的小さいドットを形成して画像を記録するときには、前述した図12(a)と同様に副走査方向の記録解像度を2400dpiとして処理することができる。このような場合にも、論理回路を追加することなく、同じ処理によって対応することが可能である。
(第4の実施形態)
前述した実施形態のように、1つの階調レベルに対して複数のドットパターンを用いる場合に、バッファ制御部2によってドットパターンを順次切り換えていく他、それを記録ヘッドの特性などに応じて不特定に切り換えていく選択手段を備えてもよい。
(他の実施形態)
本発明は、記録媒体にドットを形成することにより画像を記録する記録方式に対して、広く適用することができ、インクジェット記録方式のみに特定されものではない。また、パーソナルコンピュータやディジタルカメラなどからの記録用のデータの解像度に応じて、それに対応する記録解像度の記録ヘッドを用いたり、逆に、記録ヘッドの記録解像度に応じて、記録用のデータの解像度を変換して用いることもできる。いずれにしても、記録用のデータの解像度に応じて、インデックステーブルを用いた変換処理をすることにより、記録装置の記録解像度に応じた記録データを生成することができる。
本発明の第1の実施形態の記録装置における制御系の要部のブロック構成図である。 図1の記録装置に用いられる記録ヘッドの構成例の説明図である。 (a),(b)は、9値の記録用データの説明図である。 (a),(b)は、5値の記録用データの説明図である。 (a),(b)は、3値の記録用データの説明図である。 図1の記録装置におけるバッファの制御処理を説明するためのフローチャートである。 (a),(b),(c)は、図1の記録装置におけるインデックステーブルの説明図である。 (a)〜(g)は、図1の記録装置におけるインデックステーブルの値の一例の説明図である。 (a)〜(g)は、図1の記録装置におけるインデックステーブルの値の他の例の説明図である。 (a)〜(e)は、図1の記録装置におけるインデックステーブルの値のさらに他の例の説明図である。 (a),(b)は、図1の記録装置におけるバッファの説明図である。 (a),(b),(c)は、図1の記録装置による記録解像度の異なる例の説明図である。 本発明を適用可能な記録装置の概略斜視図である。
符号の説明
1 記録制御部
2 バッファ制御部
3 記録データ変換部
4 ヘッドパラメータ格納部
5 CPU
6 記録データ用メモリー
7 バッファ
8 記録タイミング制御部
9 記録機構駆動部
10 記録ヘッド
11 インデックステーブル A
12 インデックステーブル B
13 インデックステーブル C
14 インデックステーブル D
15 インデックスセレクタ
16 インデックスビットマップコンバータ

Claims (13)

  1. 階調レベルを表現する記録用のデータをドットパターンに対応する記録データに変換し、その記録データに基づいて記録媒体上にドットを形成することによって、画像を記録可能な記録装置において、
    表現可能な階調レベルの数が異なる記録用のデータを入力する入力手段と、
    前記記録用のデータにおける表現可能な階調レベルの数に応じた変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して前記記録データを生成する変換手段とを備え、
    前記変換手段は、同じ大きさの変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して前記記録データを生成することを特徴とする記録装置。
  2. 前記変換手段が用いる変換テーブルを指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記指定手段は、前記記録用データが表現可能な階調レベルの数に応じて、前記変換手段が用いる変換テーブルを指定することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記記録用のデータは、表現可能な階調レベルの数に応じて、1つの階調レベルを表現する単位データサイズが異なり、
    前記指定手段は、前記記録用のデータの単位データサイズに応じて、前記変換手段が用いる変換テーブルを指定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記指定手段は、前記記録装置の記録解像度に応じて、前記変換手段が用いる変換テーブルを指定することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  6. 前記指定手段は、前記記録媒体の種類に応じて、前記変換手段が用いる変換テーブルを指定することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  7. 前記記録媒体にドットを形成可能な記録ヘッドと、前記記録媒体と、を相対移動させる移動手段を備え、
    前記指定手段は、記録ヘッドによって実現可能な記録解像度に応じて、前記変換手段が用いる変換テーブルを指定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  8. 前記記録ヘッドは、インクを吐出可能な複数のノズルを列状に備えたインクジェット記録ヘッドであり、
    前記移動手段は、前記記録ヘッドを前記ノズルの列方向と交差する主走査方向に移動させる移動機構と、前記記録媒体を前記主走査方向と交差する副走査方向に搬送する搬送機構とを含み、
    前記指定手段は、前記主走査方向における前記記録媒体上のドットの形成間隔および/または前記副走査方向における前記記録ヘッドのノズルのピッチに応じて、前記変換手段が用いる変換テーブルを指定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記記録媒体にドットを形成可能な記録ヘッドと、前記記録媒体と、を相対移動させる移動手段を備え、
    前記指定手段は、前記記録ヘッドが形成するドットの大きさに応じて、前記変換手段が用いる変換テーブルを指定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  10. 前記変換手段は、前記記録用のデータにおける同じ階調レベルを異なるドットパターンに変換可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 前記記録用のデータは、ドットを形成するか否かに対応する2値のビットデータであり、1つまたは複数のビットによって階調レベルを表現し、
    前記記録データは、ドットを形成するか否かに対応する2値のビットデータである
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の記録装置。
  12. 前記記録用のビットデータを前記記録データのビットデータとするビットマップモード実行手段を備えることを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
  13. 階調レベルを表現する記録用のデータをドットパターンに対応する記録データに変換し、その記録データに基づいて記録媒体上にドットを形成することによって画像を記録する記録方法において、
    表現可能な階調レベルの数が異なる記録用のデータを入力し、
    前記記録用のデータにおける表現可能な階調レベルの数に応じた変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換して前記記録データを生成し、
    前記記録データの生成の際に、同じ大きさの変換テーブルを用いて、前記異なる複数の記録用のデータのそれぞれを階調レベルに応じたドットパターンに変換する
    ことを特徴とする記録方法。
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