チョコレー卜の製造法 技術分野
本発明は、 チョコレートの製造法に関し、 新たなコン チング方法により、 香味豊かで後味のすっきり したチヨ コレートを得ることができるチョコレートの製造法に関 する。 背景技術
ミルクチョコレートの伝統的製造方法の例は粉乳をコ コア液またはココアニブ、 糖およびカカオ脂と混合し、 次いで細粒化 ( r e f i n i n g ) 、 コンチングおよび テンパリングすることによる方法であったり、 別の伝統 的製造方法の例は液乳または濃縮乳を糖およびココア液 と高温、 真空下で濃縮および乾燥してチョコレートクラ ム粉末を製造し、 チョコレートクラム粉末をカカオ脂と 混合し、 次いで細粒化、 コンチングおよびテンパリング する方法が採用されてきた。
ミルクチョコレートの風昧の改善を目的として., 常法 により生乳を一部脱脂して脂肪含量が固形分に対し 7 〜 2 2 %の調整乳を得、 これをスプレードライして調整粉 乳を調製し この調整粉乳に計算量のバターオイルを添 加して得られる粉乳の遊離脂肪を 1 5〜 7 5 %とし、 こ の乳粉を使用して常法によりミルクチョコレートを得る
ことを特徴とするミルクチョコレートの製造方法 (特開 昭 6 2— 2 5 3 3 4 1号公報)が提案されている。また、 特開平 1 1 一 3 1 3 6 1 0号公報では、 実質的にすべて の無脂肪成分の粉末プレミックスを調製し、 9 6 %まで の脂肪含有成分を粉末プレミックスに添加混合して、 マ スの總重量基準で 1 8〜 2 4重量%の脂肪を含有するマ スを得、 マスを細粒化ローラで細粒化して 2 5〜 3 5 の粒度とし、 残りの脂肪含有成分およびレシチンを添加 し、 コンチングおよびテンパリ ングして 2 7重量%未満 の脂肪を含有する低脂肪ミルクチヨコレ一トを得ること を含む、 低脂肪ミルクチョコレートの製造方法、 が提案 されている。 特開昭 6 2— 2 5 3 3 4 1号公報は乳由来 の粉乳の改良を狙ったものであり、 特開平 1 1 一 3 1 3 6 1 0号公報では乳由来の無脂肪乾燥乳とカカオ由来の 無脂肪ココア粉末の改良を図ったもので、 製法としては 従来の伝統的な方法と同じように、 カカオ類、 乳製品、 糖類等のチヨコレート原料を一緒に混合しロールに掛け て微粒子化し、 コンチング後テンパリ ングする方法が採 用されていた。 具体的には、 テンパリング型のミルクチ ョコレ一トは以下の方法で製造される。 ( 1 ) カカオマ スに砂糖、 或いはさらにココアバター、 粉乳等を適切に 混ぜ合わせる、 「混合工程」 、 ( 2 ) 混合物をさらに口 ールに掛けて粒子を細かくする、 「微粒子化工程」、 ( 3 ) 微粒子化した生地をコンチェという機械で良く練り上げ て、 風味を調整する、 「精練 (コンチング) 工程」 、 (4) コンチングを終えたミルクチョコレート'を冷却 · 成形し
て製品とするに際し、 ミルクチョコレート表面の光沢、 外観、 その他内部組織を調整して風味、 口ざわりを良好 ならしめる、 「温調 (テンバリング) 工程」 、 この工程 によりココアバターの安定な結晶形を生成させる。 ( 5 ) テンパリングを終えた液状のミル夕チョコレート生地を 板状、 棒状、 丸形、 角形等種々の形状の型に流して成形 し、 クーリングトンネルの中を通して冷却する、 「成形, 冷却工程」 、 ( 6 ) 型から取り出し、 包装する、 「包装 工程」 、 ( 7 ) ココアバターの結晶形を安定にさせるた め、 一定期間、 一定温度で熟成する、 「熟成工程」 、 の 各工程を経て製造される。 発明の開示
本発明は、 香味豊かで後味のすっきりとしたチョコレ —トの製造法を提供することを目的にし、 ミルクチョコ レートに関しては、 香味豊かでカカオ感 · 乳味感の風味 がはっきりとし且つ後味のすっきりしたミルクチョコレ 一トの製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、 上記の課題に対してチョコレートの製 造法において、 何れも油脂及び糖類を含む 2以上のチヨ コレート原料において、 原料中の油脂成分、 糖成分をは じめ、 無脂カカオ成分、 乳成分とコンチングの関係が風 味創出上重要であるという認識にたって数多い試行錯誤 を繰り返し、 その結果得られた知見に基づいて本発明は 完成されたものである。
即ち本発明の第 1は、 2以上のチョコレート原料を調
製し、 その一つであるチョコレート原料単独のコンチン グ工程を施した後、 残りのチョコレート原料と混合又は コンチングすることを特徴とするチヨコレートの製造法 である。 第 2は、 チョコレート原料が微粒子化工程を経 たものである、第 1記載のチヨコレートの製造法である。 第 3は、 単独のコンチング工程に付するチョコレート原 料が他のチヨコレート原料に比し、 無脂カカオ成分と乳 成分において相違するものである、 第 1記載のチョコレ ートの製造法である。 第 4は、 単独で実施されるコンチ ング工程の温度が他の原料に施されるコンチング工程の 温度又は他の原料と混合後施されるコンチング工程の温 度と相違するものである、 第 1記載のチョコレートの製 造法である。第 5は、異なる温度帯が 6 5 °C以上と 6 5 °C 未満であって、 温度差が 5 °C以上である、 第 4記載のチ ョコレートの製造法である。 発明を実施するための最良の形態
本発明のチョコレートの製造法としては、 2以上のチ ョコレート原料を調製し、 その一つであるチヨコレート 原料単独のコンチング工程を施した後、 残りのチョコレ
―ト原料と混合又はコンチングすることが必要であって、 そうすることによってミルクチョコレートの場合は香味 豊かで後味のすっきりとした、 従来にないストレートな 力カオ感 · 乳味感を同時に得ることができる。
本発明のチョコレート原料としては、 油脂及び糖類を 主要原料とし必要に応じて無脂カカオ成分、 乳成分を適
宜使用することが出来る。 油脂、 糖類及び無脂カカオ成 分を使用し、 乳成分を殆んど使用しないものがスイート チョコレート原料であり、 油脂、 糖類及び乳成分を使用 し、 無脂カカオ成分を殆んど使用しないものがホワイ ト チョコレート原料であり、 油脂、 糖類、 無脂カカオ成分 及び乳成分を使用するものがミルクチヨコレート原料で ある。
本発明においては、 従来のチョコレートの製造法のよ うに、 チョコレート原料全体を一緒にしてコンチングす るのではなく、 油脂及び糖類を主要原料とし必要に応じ て無脂カカオ成分、 乳成分を適宜選択し単独のコンチン グ工程を施した後、 残りのチョコレート原料と混合又は コンチングすることによって原料にあったコンチング条 件の選択が可能となり香味豊かで後味のスッキリ したチ ョコレー卜を得ることができる。
そして、 単独のコンチング工程に付するチョコレート 原料が他のチヨコレ一ト原料に比し、 無脂カカオ成分と 乳成分において相違するものであってもよいし、 単独で 実施されるコンチング工程の温度が他の原料に施される コンチング工程の温度又は他の原料と混合後施されるコ ンチング工程の温度と相違するものであってもよい。
これらのチョコレート原料から得られるチョコレート としては、 チョコレート類の表示に関する公正規約でい うチョコレート、 準チョコレートが含まれ、 チョコレー ト利用食品の表示に関する公正規約でいう、 チョコレー ト利用食品が含まれる。 '
本発明の油脂としては、 カカオ豆由来のカカオ脂 (別 名 : ココアバター) 、 大豆油、 綿実油、 コーン油、 サフ ラヮー油、 ォリーブ油、 パーム油、 シァ脂、 サル脂、 菜 種油、 米ぬか油、 ゴマ油、 カポック油、 ヤシ油、 パーム 核油、 乳脂、 ラード、 魚油、 鯨油等の各種の動植物油脂 及びそれらの硬化油、 分別油、 エステル交換油等の加工 油脂が例示できる。
本発明の糖類としては、 単糖類、 オリゴ糖類、 糖アル コール類、 デキス トリン、 水飴等が例示できる。 単糖類 としては具体的には、 グルコース、 フルク ト一ス、 マン ノース、 キシロースを挙げることができる。 またオリゴ 糖類としては、 通常 2糖類から 6糖類までのものが含ま れるが、 具体的にはショ糖、 マルトース、 乳糖、 トレハ ロース、 マルト トリオ一ス等を挙げることができる。 糖 アルコール類としては具体的には、 ソルビトール、 マル チトール、 マンニトール、 エリスリ トール、 キシリ トー ル、 オリゴ糖アルコール等を挙げることができる。 これ らの糖類を単独又は組み合わせて使用することが出来る。 本発明の無脂カカオ成分としては、 カカオ豆由来の成 分からカカオ脂 (別名 : ココアバター) を差引いた成分 をいうが、 カカオ脂を含んだ状態でも使用でき、 具体的 にはカカオマス、 ココアケーキ又はココアパウダーが原 料として例示できる。 また、 本発明の乳成分としては、 全脂粉乳、 脱脂粉乳、 クリームパウダー、 バターミルク パウダー、 練乳パウダー等の乳由来の成分が例示でき、 これらを単独又は組み合わせて使用することが出来る。
本発明のチョコレートの製造法としては、 2以上のチ ョコレ一ト原料を調製し、 その一つであるチョコレート 原料単独のコンチング工程を施した後、 残りのチョコレ 一ト原料と混合又はコンチングすることが必要である。
具体的には通常のチヨコレートの製造法に準じて行レ 、 主な工程として 「混合工程」 、 「微粒子化工程」 、 「コ ンチング工程」を採用することにより得ることができる。 一般に、 チョコレート原料を混合し 「微粒子化工程」 を 経たものをロールフレークといい、 「コンチング工程」 を経たものをチョコレートという。 チョコレート原料単 独のコンチング工程を施した後、 残りのチョコレート原 料と混合又はコンチングするのであるが、 残りのチョコ レ一ト原料の状態としては、 チョコレート原料それ自体 の状態、 微粒子化工程を経たロールフレークの状態、 コ ンチング工程を経たチョコレートの状態の何れの状態で あってもよい。 チョコレートの状態で混合又はコンチン グする場合は別途コンチングするための装置が必要とな るので、 生産性という点で、 チョコレート原料の状態又 はロールフレークの状態で混合又はコンチングするのが 好ましい。
本発明のコンチング工程は-. チョコレート製造法にお いて、 普通に用いられるコンチング工程でよく、 具体的 内容としては、 「コンチン.グ工程」 は 「ドライコンチン グ」 というチョコレートの流動性が少ない状態でのコン チング段階、 続いて、 Γリキッ ドコンチング」 という油 脂分を追加してチヨコレートの流動性が高い状態でのコ
ンチング段階が存在するが、 本発明においては何れの方 法も適宜選択することができる。 「コンチング」 の条件 としてはコンチング温度とコンチング時間があるが、 広 く採用されている温度としては 4 0 °Cから 1 0 0 °Cの温 度条件下、 時間としては 1 0分から 2〜 3 日という時間 の範囲においていずれの組み合わせも採用することがで きる。
本発明においては単独で実施されるコンチング工程の 温度が他の原料に施されるコンチング工程の温度又は他 の原料と混合後施されるコンチング工程の温度と相違す るものであるのが好ましい。 単独で実施せれるコンチ ングの温度は少し高い温度で、 他の原料に施されるコン チング工程の温度又は他の原料と混合後施されるコンチ ング工程の温度は少し低い温度で実施するのが好ましく、 これらの温度はあくまで単独で実施されるコンチング温 度と他の原料に施されるコンチング温度との相対的温度 を意味する。 具体的には、 単独で実施せれるコンチング の温度は少し高い温度である 5 5 °C〜 1 0 0 °Cが好まし く、 更に 6 0 ° (:〜 1 0 0 °Cが好ましく、 高い温度でコン チング処理することによってチョコレート原料に含有す る蛋白質と糖類がメイラード反応を起こし濃厚な風昧を 得ることができ、 風味発現のためのコンチング工程と位 置付けすることができる。 他の原料に施されるコンチン グ工程の温度又は他の原料と混合後施'されるコンチング 工程の温度は少し低い温度である 4 0 - 6 5 °Cが好まし ぐ、 更に 4 0 〜 6 0 °Cが好ましく、 低'い温度でコンチン
グすることによってチョコレート全体の風味を調整する ことができ、 風味調整のためのコンチング工程と位置付 けされ、 また、 乳成分を使用する場合は生乳感を得るこ とができるので好ましい。 本発明においては上記コンチ ング温度が少し高い温度と少し低い温度の異なる温度帯 が 6 5 °C以上と 6 5 °C未満であって、 温度差が 5 °C以上 であるが更に好ましい。
上記の方法により得られたミルクチョコレートを使用 すると、 他の素材、 例えば果汁粉末、 紅茶粉末、 緑茶粉 _ 末等の淡い味の素材や生クリーム、 牛乳等の含水状態の 乳類、 リキュール、 ワイン、 ブランデー等のアルコール 類と組合せて使用する場合、 通常のミルクチョコレート を使用すると、 ミルクチョコレートの味が強く他の素材 の味が消えてしまう傾向にある。 本発明のミルクチョコ レートの場合、 後味がすつきり としており、 キレが良い ため、 他の素材の風味を損なうことなくミルクチョコレ —ト風味を付与することができる。 実施例
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明 するが、 本発明の精神は以下の実施例に限定されるもの ではない。 なお、 例中、 %及び部は、 いずれも重量基準 を意味する。 ', 実施例 1 '
カカオマス'' 1 0部にグラニュー糖 9 . 7 4部、レシチン
0 . 2 4部、 バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加熱しなが ら 0 . 5時間混ぜ合わせた。 これをロールに掛け、 平均粒 径 2 0ミクロンの粒子にフレーク化した。 得られたスィ 一トロールフレーク (① ; チョコレート原料単独 : スィ —トチョコレート原料) をコンチェにて 9 0 °Cで 2 4時 間コンチングし、 その後 6 0 °Cまでコンチェの温度を下 げる (② : スイートチョコレート) 。 また、 全脂粉乳 2 0部にグラニュー糖 2 9 . 7 4部、 ココアバター 2 0部、 レシチン 0 . 2 4部、 バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cにカロ 熱しながら 0 . 5時間混ぜ合わせた。これをロールに掛け、 平均粒径 2 0ミクロンの粒子にフレーク化しホワイ トロ ールフレーク (③ ; 残りのチョコレート原料 : ホワイ ト チョコレ一ト原料) を得た。 得られたホワイ トロールフ レークを (②) に追加し、 コンチェにて 6 0 °Cで 6時間 コンチングした後、 ココアバター 1 0部を加え、 さらに 5 0 °Cで 3時間コンチングしたミルクチョコレート生地 をテンパリング (温調) 処理し、 成形してミルクチョコ レート (全原料に対するホワイ トロールフレークの混合 比率 : 7 0重量%) を得た。 風味評価をしたところ、 熟 成したカカオの香味が豊かで生乳感を有し、 後味のすつ きりしたミルクチョコレートであった。 比較例 1 (通常のチョロレートの製造方法)
実施例 1 のフレーク①と③を同時にコンチェにて 6 0 °Cで 2 4時間コンチングし、 その後 5 0 °Cまでコンチ ェの温度を下げ、 コンチ 'ェにて 5 0 °Cで 6時間コンチン
グした後、 ココアバター 1 0部を加え、 さらに 3時間コ ンチングしたミルクチヨ コレート生地をテンパリ ング (温調) 処理し、 成形してミルクチョコレ一卜を得た。 本発明による実施例 1のミルクチョコレートと比較例 1のミルクチョコレートを試料とし、 3 0名のパネラー による官能評価を行った。
どちらのミルクチョコレー卜が香味豊かですか 実施例 1の方が良い 2 7名 比較例 1の方が良い 3名 どちらのミルクチョコレートが後味がすつきり し ていますか
実施例 1の方が良い 2 9名 比較例 1の方が良い 1名 実施例 2
全脂粉乳 2 0部にグラニュー糖 2 9 . 7 4部、ココアバ 夕一 2 0部、レシチン 0 . 2 4部、バニリ ン 0 . 0 2部を、
6 0 °Cに加熱しながら 0 . 5時間混ぜ合わせた。これを口 —ルに掛け、 平均粒径 2 0 ミクロンの粒子にフレーク化 した。 得られたホワイ トロールフレーク (チョコレート 原料単独 : ホワイ トチョコレート原料) をコンチェにて
7 0 °Cで 2 4時間コンチングし、 その後 6 0 °Cまでコン チェの温度を下げる (ホワイ トチョコレート) 。 カカオ マス 1 0部にグラニュー糖 9 . 7 4部、 レシチン 0 . 2 4 部、 バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加熱しながら 0 . 5
時間混ぜ合わせた。 これをロールに掛け、 平均粒径 2 0ミクロンの粒子にフレーク化した。 また、 得られたス ィートロールフレーク (残りのチョコレート原料 : スィ ートチョコレート原料) を上記ホワイ トチョコレートに 追加し、コンチェにて 6 0 °Cで 6時間コンチングした後、 ココアバタ一 1 0部を加え、 さちに 5 0 °Cで 3時間コン チングしたミルクチョコレート生地をテンパリング (温 調) 処理し、 成形してミルクチヨコレ一卜 (全原料に対 するホワイ トロールフレークの混合比率 : 7 0重量%) を得た。 風味評価をしたところ、 力カオの素材の風味が はっきり とし、 かつ、 濃厚な乳感を有したミルクチヨコ レートであった。 実施例 3
カカオマス 1 0部にグラニュー糖 9 . 7 4部、レシチン 0 . 2 4部、 バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加熱しなが ら 0 . 5時間混ぜ合わせた。 これをロールに掛け、 平均粒 径 2 0ミクロンの粒子にフレーク化した。 得られたスィ 一トロールフレーク (チョコレー卜原料単独 : スィ一卜 チョコレート原料) をコンチェにて 6 0 °Cで 2 4時間コ ンチングした (スイートチョコレート) また、 全脂粉 乳 2 0部にグラニュー糖 2 9 . 7 4部、ココアバター 2 0 部、 レシチ: / 0 . 2 4部、 バニリ ン 0 . 0 2部を、 6 0 °C に加熱しながら 0 · 5時間混ぜ合わせた。これをロールに 掛け、 平均粒径 2 0ミクロンの粒子にフレーク化 (ホヮ イ トロールフレーク) した。 得られたホワイ トロールフ
レーク (残りのチョコレート原料 : ホワイ トチョコレー ト原料) を上記スイートチョコレートに追加し、 コンチ ェにて 6 0 °Cで 6時間コンチングした後、 ココアバター 1 0部を加え、 さらに 5 0 °Cで 3時間コンチングしたミ ルクチョコレート生地をテンパリング (温調) 処理し、 成形してミルクチヨコレート (全原料に対するホワイ 卜 ロールフレークの混合比率 : 7 0重量%) を得た。 風味 評価をしたところ、 カカオ · 乳のそれぞれの素材の風味 がはっきり とし、 かつ、 後味のすっきり したミルクチヨ コレートであった。 実施例 4
カカオマス 1 0部にグラニュー糖 9 . 7 4部、レシチン 0 . 2 4部、 バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加熱しなが ら 0 . 5時間混ぜ合わせた。 これをロールに掛け、 平均粒 径 2 0ミクロンの粒子にフレーク化した。 得られたスィ 一トロールフレークをコンチェにて 9 0 °Cで 2 4時間コ ンチングし、 その後 6 0 °Cまでコンチェの温度を下げ、 ココアバター 5部を加え、 さらに 5 0 °Cで 3時間コンチ ングした (スイートチョコレート) 。 別途、 全脂粉乳 2 0部にグラニュー糖 2 9 . 7 4部、 ココアバター 2 0部、 レシチン 0 . 2 4部、 バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cにカロ 熱しながら 0 . 5時間混ザ合わせた。これをロールに掛け、 平均粒径 2 0 ミクロンの粒子にフレーク化 (ホワイ ト口 ールフレーク) した。 得られたホワイ トロールフレーク をコンチェにて 6 0 °Cで 6時間コンチングした後、 ココ
アバター 5部を加え、 さらに 5 0 °Cで 3時間コンチング した (ホワイ トチョコレート) 。 得られたスイートチヨ コレート (チョコレート原料単独 : スイートチョコレー ト原料) とホワイ トチョコレート (残りのチョコレート 原料 : ホワイ トチョコレート原料) を混合し、 コンチェ にて 6 0 °Cで 6時間コンチングし、 その後テンパリング (温調) 処理し、 成形してミルクチヨコレート (全原料 に対するホワイ トチョコレートの混合比率: 7 5重量%) を得た。 風味評価をしたところ、 熟成したカカオの香味 が豊かで生乳感を有し、 後味のすっきり したミルクチヨ コレー卜であった。 実施例 5
カカオマス 1 0部にグラニュー糖 9 . 7 4部、全脂粉乳 1 0部、 ココアバタ一 5部、 レシチン 0 . 2 4部、 バニリ ン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加熱しながら 0 . 5時間混ぜ合 わせた。 これをロールに掛け、 平均粒径 2 0ミクロンの 粒子にフレーク化した。 得られたミルクロールフレーク (チョコレート原料単独 : ミルクチョコレート原料) を コンチェにて 7 0 °Cで 2 4時間コンチングし、 その後 6 0 °Cまでコンチェの温度を下げる(ミルクチョコレート)。 また、 全脂粉乳 1 0部にグラニュー糖 2 9 . 7 4部、 ココ アバター 2 0部、 レシチン 0 . 2 4部、 バニリン 0 . 0 2 部を、 6 0 °Cに加熱しながら 0 . 5時間混ぜ合わせた。 こ れをロールに掛け、 平均粒径 2 0ミクロンの粒子にフレ 'ーク化 (ホワイ トロールフレーク) 'した。 得られたホ
ワイ トロールフレーク (残りのチョコレート原料 : ホヮ イ トチョコレート原料) を上記ミルクチヨコレートに追 加し、 コンチェにて 6 0 °Cで 6時間コンチングした後、 ココアバター 5部を加え、 さらに 5 0 °Cで 3時間コンチ ングしたミルクチョコレート生地をテンパリング(温調) 処理し、 成形してミルクチヨコレート (全原料に対する ホワイ 卜ロールフレークの混合比率 : 6 0重量%) を得 た。 風味評価をしたところ、 濃厚な乳の風味と生乳感を ともに有する今までにないミルクチョコレートであった。
実施例 6
カカオマス 2 0部にグラニュー糖 1 9 . 7 4部、全脂粉 乳 1 5部、 ココアバター 2 0部、 レシチン 0 . 2 4部、 バ 二リ ン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加熱しながら 0 . 5時間混 ぜ合わせた。 これをロールに掛け、 平均粒径 2 0ミクロ ンの粒子にフレーク化した。 得られたミルク口一ルフレ ーク (チョコレート原料単独: ミルクチョコレート原料) をコンチェにて 7 0 °Cで 2 4時間コンチングし、 その後 6 0 °Cまでコンチェの温度を下げる (ミルクチョコレー ト) 。 また、 全脂粉乳 4部にグラニュー糖 9 . 7 4部、 コ コアバター 6部、 レシチン 0 . 2 4部、 バニリ ン 0 . 0 2 部を、 6 0 °Cに加熱しながら 0 . 5時間混ぜ合わせた。 こ れをロールに掛け、 平均粒径 2 0ミクロンの粒子にフレ —ク化 (ホ'ワイ トロールフレーク) した。 得られたホヮ ィ トロールフレーク (残りのチョコレート原料 : ホワイ トチョコレー卜原料) を上記ミルクチョコレー'トに追加
し、 コンチェにて 6 0 °Cで 6時間コンチングした後、 コ コアバター 5部を加え、 さらに 5 0 °Cで 3時間コンチン グしたミルクチョコレート生地をテンパリング (温調) 処理し、 成形してミルクチョコレート (全原料に対する ホワイ トロールフレークの混合比率 : 2 0重量%) を得 た。 風味評価をしたところ、 濃厚な乳が主体の風味であ りながら生乳感をともに有する今までにないミルクチヨ コレー卜であった。 実施例 7
カカオマス 5部にグラニュー糖 4 . 7 4部、レシチン 0 . 2 4部、バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加熱しながら 0 . 5時間混ぜ合わせた。 これをロールに掛け、 平均粒径 2 0 ミクロンの粒子にフレーク化した。 得られたスイート ロールフレーク (チョコレート原料単独 : スイートチヨ コレート原料) をコンチェにて 6 0 °Cで 2 4時間コンチ ングした (スィ一卜チョコレ一卜) 。 また、 全脂粉乳 2 0部にグラニュー糖 2 9 . 7 4部、 ココアバタ一 3 0部、 レシチン 0 . 2 4部、 バニリン 0 . 0 2部を、 6 0 °Cに加 熱しながら 0 . 5時間混ぜ合わせた。これをロールに掛け、 平均粒径 2 0 ミクロンの粒子にフレーク化 (ホワイ ト口 ールフレーク) した。 得られたホワイ トロールフレーク (残りのチョコレート原料:ホワイ トチョコレート原料) を上記スイートチョコレートに追加し、 コンチェにて 6 0 °Cで 6時間コンチングした後、 ココアバター 1 0部を 加え、 さらに 5 0 °Cで' 3時間コンチングしたミルクチヨ
コレート生地をテンパリング (温調) 処理し、 成形して ハイミルクチョコレート (全原料に対するホワイ トロー ルフレークの混合比率 : 8 0重量%) を得た。 風味評価 をしたところ、 カカオ · 乳のそれぞれの素材の風味がは つきり とし、 かつ、 後味のすっきりしたハイミルクチヨ コレートであった。 実施例 8
4 5 %乳脂の生クリーム 3 5部を 6 5 °Cに加温し、 そ の中に保温しながら細かく刻んだ実施例 1で得られたミ ルクチョコレート 6 0部をいれ、 ミルクチョコレートを 融解しながら攪拌し均一になるまでミキサーで攪拌する。 その後、 白ワイン 5部を入れ攪拌し型に流し込み冷蔵庫 で冷却する。 できあがったガナッシュは芳醇なワインの 香りがあり、 かつ、 チョコレートの乳味感も明確に感じ るものであった。 産業上の利用可能性
本発明により、 香味豊かで後味のすつきりとしたチヨ コレー卜の製造法を提供することが可能になり、 ミルク チョコレートに関しては、 香味豊かでカカオ感 。 乳味感 の風味がはっきりとし且つ後味のすっきり したミルクチ ョコレー卜の製造法を提供することが可能になったので ある。