JP2003235447A - 製菓用油脂及びその製造法並びにこれを用いた製菓用油脂利用製品 - Google Patents
製菓用油脂及びその製造法並びにこれを用いた製菓用油脂利用製品Info
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Abstract
製造法並びにこれを用いた製品に関し、特に油性感の改
善された製菓用油脂及びこれを用いた製品を提供するこ
とにある。 【解決手段】本発明はアスコルビン酸、エリソルビン
酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれた
少なくとも1種の有機酸を含有してなる有機酸水溶液を
製菓用油脂中に添加し、乾燥することによって得た製菓
用油脂を得る。またこれを用いて油性感の改善された製
菓用油脂及びこれを使用したチョコレート及び/又はク
リーム等の製菓用油脂利用食品を得る。
Description
菓用油脂の製造法並びにこれを用いた製品に関し、特に
油性感の改善された製菓用油脂及びこれを用いた製品に
関する。
は、典型的には、カカオマス、ココアバター、砂糖、粉
乳等から製造される。ココアバターは主としてPOS
t、StOSt、POP(ただし、P:パルミチン酸、
O:オレイン酸、St:ステアリン酸)といった1,3
位飽和、2位不飽和のトリグリセリドよりなり、単独菓
子として食される典型的チョコレート中に約32%存在
する。また、チョコレートの物性改良や製造コストの節
約の目的にて、ココアバターの一部または全部に代えて
他の油脂(ハードバター)がしばしば使用され、ハード
バターは主としてCBEと称される1,3位飽和、2位
不飽和のトリグリセリド型油脂に富むものと、CBRと
称されるラウリン系もしくは高エライジン酸タイプのも
のがある。またカカオ成分をほとんど用いない、所謂ホ
ワイトチョコレート類もある(以下においてチョコレー
ト類というときは、各国などの法令や規格に規定にかか
わらず、所謂準チョコレート等も包含して指称する)。
れるだけではなく他の食品、例えば焼菓子などと組み合
わせるといった組み合わせ菓子や、ホイップチョコレー
ト、冬季限定の低融点化チョコレートといった商品も増
加している。そういった新規のチョコレート菓子を製造
するためにはハードバターを用いてチョコレートの物性
を改良する機会も増えている。特に物性を向上させる為
に新たにハードバターを加えたりして油分を増加させた
場合は、油性感(油っぽい食感・油臭い)が強くなる傾
向にある。近年のダイエット指向の強まりと関連して
か、油性菓子等の油性感を好まない傾向が出てきてお
り、本発明者の知見では一般に高油分であるほど油性感
が強まる他、同じ油分であっても例えばスイートチョコ
レートとホワイトチョコレートとではホワイトチョコレ
ートの方が油性感が強い傾向がある。また、同様の傾向
としてクリーム(サンドクリーム等や乳飲料に入れた場
合)においても、油性感は経時的に強まる傾向にあっ
て、また、光や熱に長時間曝されるとより強まる傾向に
ある。最近の傾向として終日販売のコンビニエンス店で
商品が扱われるようになると特に顕著である。
コレートやクリーム等を用いた油性菓子や乳飲料の油性
感を改善し、それに適した製菓用油脂を提供することに
ある。
決するために、鋭意研究を重ねた結果、本来、油脂に難
溶性であるアスコルビン酸を油脂中に含有させたハード
バターがチョコレート等ハードバター製品の油性感を大
きく軽減させる事を見出し本発明を完成させた。すなわ
ち、この発明の一つは、アスコルビン酸、エリソルビン
酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれた
少なくとも1種の有機酸を含有してなる製菓用油脂であ
り、それら有機酸が2〜60ppm含まれるのがよい。
この発明は、また、製菓用油脂またはそのパーツ油脂に
アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエ
ン酸及びリンゴ酸から選ばれた少なくとも1種の有機酸
の溶液を添加し、加熱減圧下に乾燥することを骨子とす
る製菓用油脂の製造法である。この発明の他の一つは、
アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエ
ン酸及びリンゴ酸から選ばれた少なくとも1種の有機酸
を含有してなる製菓用油脂利用製品であり、製菓用油脂
利用製品はチョコレート類、とりわけ、ホワイトチョコ
レート、ミルクチョコレートもしくはホイップチョコレ
ートであることができる。また該製菓用油脂利用製品は
油分が30%からより高油分であるほどこの発明の効果
がよく発現する。また製菓用油脂利用製品が乳化物であ
ってもよい。
や医薬品用として一般に用いられているもので良く、単
独または2種以上を組み合わせて用いても良い。有機酸
の含有量は、製菓用油脂中2ppm以上含有するのが良
く、少なすぎると、油性感を減少させる効果に乏しい。
また上記有機酸は一般に低油溶性なのであまり多量に含
ませることは困難であり、通常60ppmより少ない。
またこれら有機酸は、単に製菓用油脂中に分散している
非溶解の状態では効果の発現が充分でなく、好ましくは
次々項に述べるように、水溶液にして油脂と混和した
後、あるいは混和しつつ水分を乾燥するとよい。
類である場合には、前記の公知のハードバターを用いる
ことができ、そのパーツ油脂(例えば、POPに富むパ
ーム中融点画分、StOStに富むシア脂分別油、St
LSt脂、ただしLはリノール酸を示す)などであって
もよく、あるいはハードバターの融点や硬さを調整する
液体油であってもよい。油脂の起源は、大豆油、菜種
油、コーン油、綿実油、落花生油、ひまわり油、こめ
油、ベニバナ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、
パーム油、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂並びに牛
脂、豚脂等の動物脂であることができ、必要に応じてこ
れらを分別、水素添加、エステル交換等を施した加工油
脂の単品又は、これらの組み合わせでも良い。また製菓
用油脂利用食品が、クリーム用油脂である場合は、通常
融点5℃以上の油脂が用いられる。
の好ましい製造法としては、例えば、アスコルビン酸を
含有してなる油脂を得ようとすれば、加温ないし加熱し
た油脂中にアスコルビン酸溶液、最も通常にはアスコル
ビン酸水溶液を加え、温度50〜180℃、真空度0.
5〜100Torrの条件で攪拌しながら乾燥ないし脱
溶媒するのがよい。アスコルビン酸溶液の濃度は、0.
1〜22%で行うことができ、1〜10%が好ましい。
少なすぎると、油脂に対する水など溶媒の量が多くなり
生産効率の悪いものになってしまう。多すぎると、アス
コルビン酸の結晶が析出して油脂への含有が難しくな
る。温度は低すぎると、乾燥ないし脱溶媒に要する時間
が長くかかり、高すぎるとアスコルビン酸が分解してそ
の効果が乏しくなる。真空度は高いほど短時間で乾燥す
ることができる。
アスコルビン酸パルミテート、カテキン等の他の酸化防
止剤と併用してもよく、その場合の適した使用量は通常
10〜2000ppmの範囲にあると前記有機酸の添加
効果を増加させることがある。これらの酸化防止剤は単
純に油脂に添加溶解分散するだけで油脂に含有させるこ
とができるので、添加方法は任意の方法を採用できる。
を感じやすい場面での用途において特に適しており、比
較的油分の高い(油分30%以上)食品や、光に長時間
曝される油性菓子(例えば終日営業のコンビニエンス店
の棚置きされる含油食品、例えばクリーム)、熱に長時
間曝される乳化物(例えばホットベンダー中のクリーム
含有飲料典型的にはカフェオーレ)等にてその効果をよ
く発揮し、油性感を低減する効果はよく顕現する。上記
比較的油分の高い食品の例にはチョコレート類があげら
れ、一般にアイスコーティングチョコレートやホイップ
チョコレート類のように油分が30〜70%の油分のも
のによくこの技術を適用できる。また同じ油分のチョコ
レート類であっても、ブラックチョコレートやスイート
チョコレートよりは、ホワイトチョコレートやミルクチ
ョコレートでより効果が大きい。
使用方法は特に限定されず、例えばチョコレート類の場
合、融解した状態で、他の全原料とともに混合し、或い
はコンチング後の追油として添加することができる。ま
た前記乳化物は、水中油型のクリーム状組成物やそれを
用いた乳性飲料が例示される。
細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、例中、%及び部は重量基準を
意味する。
スコルビン酸等の詳細は下記のものであった。 アスコルビン酸 :和光純薬工業(株)製、商品名「L
−アスコルビン酸」、純度99.5% エリソルビン酸 :和光純薬工業(株)製、商品名「エ
リソルビン酸」、純度97.0% 乳酸 :キシダ化学(株)製、商品名「DL-
乳酸」、総酸90〜92% 酒石酸 :キシダ化学(株)製、商品名「DL-
酒石酸」、純度99% クエン酸 :ロシュビタミンジャパン(株)製、
商品名「クエン酸(結晶)」 リンゴ酸 :和光純薬工業(株)製、商品名「リ
ンゴ酸」、純度97.0% トコフェロール :エーザイ(株)製、商品名:イーミ
ックス80
EW SS7」)100重量部に対し1%アスコルビン
酸水溶液を0.2重量部加え、温度70℃、真空度40
Torrの条件で、攪拌しながら20分間脱水を行い、
TOYO No.5C濾紙(1μm相当)にて濾過し、濾液
としてアスコルビン酸含有ハードバターを作製した。別
に溶解したホワイトチョコレート(不二製油製 油分約
34%)90部に、上記のように作製したアスコルビン
酸含有ハードバター10部を加え、品温を31℃に温調
し、そこにシード剤(不二製油製/「チョコシードA」商
品名)をチョコレートに対し0.2%加えテンパリング
処理し冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョ
コレート(油分約41%)を得た。比較例1としてアス
コルビン酸含有ハードバターにかえて非含有のハードバ
ター(「メラノNEW SS7」)を用いるほかは同様
にしてホワイトチョコレート(油分約41%)を得た。
比較例2として、溶解した原料ホワイトチョコレート
(不二製油製 油分約34%)90部にハードバター
(不二製油製 商品名「メラノNEW SS7」)10
部を加えて品温を31℃に温調し、更にアスコルビン酸
を全体に対して10ppmとなるよう紛体で加え、全体
に馴染むように攪拌・混合し、そこにシード剤を加える
他は本例と同様にしてホワイトチョコレートを得た。実
施例1・比較例1・比較例2の配合と評価を表1に示
す。
グ直後にその風味を比較すると、実施例1に比べて比較
例1・2は油性感が強かった。さらにそれらのホワイト
チョコレートをそれぞれ1週間室温(約20℃)で蛍光
灯下30cmに保持した状態を経た後にその風味を比較
すると実施例1に比べて比較例1・2は油性感が強く、
その油性感の差異はエージング前より強かった。これよ
り、アスコルビン酸は実施例1に示される方法で添加さ
れた場合に油性感の軽減に寄与し、無添加よりも油性感
が弱くなった。またその添加方法もハードバターに粉体
で添加するとその油性感低減効果を発揮できないことが
明らかになった。
二製油製 油分約34%)を用いる他は、実施例1及び
比較例1と同様に本例の実施例2及び比較例3のチョコ
レート製品を得た。これらのものを評価したところ、各
々実施例1及び比較例1と同様の結果であった。
4%)90部に、実施例1で作製したアスコルビン酸含
有ハードバター10部を加え、最下点26℃、リヒート
点28℃でテンパリング処理し冷却後、スイートチョコ
レート(油分約41%)を得た。比較例4としてアスコ
ルビン酸含有ハードバターにかえて非含有のハードバタ
ー(「メラノNEW SS7」)を用いるほかは同様に
してスイートチョコレートを得たが、このものはエージ
ング直後に、本例製品に比べて油性感が強く、1週間室
温(約20℃)で蛍光灯下30cmに保持した状態では
より大きな差異をもって本例製品より油性感が強かっ
た。ただし実施例3と比較例4製品の差異より、実施例
1や2における比較製品との差異の方が大きかった。実
施例2・比較例3と実施例3・比較例4の配合と評価を
表2に示す。
たアスコルビン酸含有ハードバター22部、及び少量の
レシチンを混合しロールリファインイング後、更にアス
コルビン酸含有ハードバター6部を加えてコンチングを
行い、ホワイトチョコレート類生地(油分約41%)を
得た。31℃に温調した後は実施例1と同様にして作成
し、ホワイトチョコレート類を得た。比較例5としてア
スコルビン酸含有ハードバターにかえて非含有のハード
バターを用いるほかは同様にしてホワイトチョコレート
類を得たが、このものも、実施例1や2と同様に、本例
製品に比べて油性感が強かった。実施例4・比較例5の
配合と評価を表3に示す。
4と比較例1〜5のチョコレートをまとめて5人のパネ
ラーによる食感・風味を評価したところ、上記のように
実施例1〜4はアスコルビン酸含有ハードバターを使用
しているため、チョコレートの油性感が少なかった。こ
れはアスコルビン酸を含有していないハードバターで作
製した従来のチョコレートには無い特徴であった。特に
ホワイトチョコレートやミルクチョコレートなどの乳固
形分を含有しているチョコレートで顕著であった。一
方、上記いずれの比較例の製品も、上記のような特徴は
無かった。
%)80部、ハードバター(不二製油製 商品名「メラ
ノNEWSS7」10部、実施例1で作製したアスコル
ビン酸含有ハードバター10部、プロピレングリコール
ステアリン酸エステル(理研ビタミン製 商品名「リケ
マールPS100」) 1部を混合し、品温を31℃に
調製した。そこにシード剤(不二製油製/「チョコシー
ドA」商品名)をチョコレートに対し0.2%加えてテ
ンパリング処理し、更に品温を25℃まで下げた。この
チョコレートを、ケンウッドミキサー(ホイッパー使
用)で中速攪拌し、起泡させた。このホイップチョコレ
ートの比重は約0.6であった。
ドバターを用いず、含有しないハードバター(不二製油
製 商品名「メラノNEWSS7」)20部を用いる他
は、本例と同様の配合・手順でホイップチョコレート
(比重は約0.6)を調製した。
施例1と同様の配合・手順で作成したハードバター及び
ホワイトチョコレートを得た。
と同様の配合・手順で作成したハードバター及びホワイ
トチョコレートを得た。
様の配合・手順で作成したハードバター及びホワイトチ
ョコレートを得た。
同様の配合・手順で作成したハードバター及びホワイト
チョコレートを得た。
と同様の配合・手順で作成したハードバター及びホワイ
トチョコレートを得た。
のパネラーにより、食感・風味を評価したところ、実施
例5・実施例6・実施例7・実施例8・実施例9・実施
例10は比較例6に比べて油性感が軽減されていた。実
施例5・実施例6・実施例7・実施例8・実施例9・実
施例10と比較例6の配合と評価を表4に示す。
pmのハードバターを用いる他は、実施例1及び比較例
1と同様の配合・手順で作成したホワイトチョコレート
を得た。(実施例11・実施例12・実施例13の順に
アスコルビン酸含量12ppm・6ppm・3ppmの
ハードバターを使用した。)これらのものと比較例1と
比較評価したところ、3ppmでも比較例1と比べて油
性感が改善されていたが、アスコルビン酸量が多いほど
効果は大きく6ppm、12ppm含有する方が油性感
の軽減された効果は顕著であった。実施例11・実施例
12・実施例13と比較例1の配合と評価を表5に示
す。
mのハードバターを用いる他は、実施例1及び比較例1
と同様の配合・手順で作成したホワイトチョコレートを
得た。(実施例14・実施例15・実施例16の順にリ
ンゴ酸含量60ppm・20ppm・10ppmのハー
ドバターを使用した。)これらのものと比較例1と比較
評価したところ、10ppmでも比較例1と比べて油性
感が改善されていたが、リンゴ酸量が多いほど効果は大
きく20ppm、60ppm含有する方が油性感の軽減
された効果は顕著であった。実施例14・実施例15・
実施例16と比較例1の配合と評価を表6に示す。
点22℃の硬化油)100重量部に対し1%アスコルビ
ン酸水溶液を0.2重量部加え、温度70℃、真空度4
0Torrの条件で、攪拌しながら20分間脱水を行
い、TOYO No.5C濾紙(1μm相当)にて濾過し、
濾液としてアスコルビン酸含有製菓用油脂(A)を作製
した。このアスコルビン酸添加製菓用油脂35%、カゼ
インNa2%、リゾレシチン0.3%、ポリグリセリン
脂肪酸エステル0.5%、ショ糖脂肪酸エステル0.2
%、メタリン酸Na0.1%、水61.9%の配合で、
水中油型乳化物を調製した(B)。すなわち70℃30
分で上記配合を予備乳化し、2段式ホモゲナイザーで上
段0MPa、下段10MPaで均質化した後、高温瞬間
直接蒸気式殺菌機で150℃4秒間殺菌し、さらに2段
式ホモゲナイザーで上段0MPa、下段10MPaで均
質化した後、5℃まで急速冷却し、当該(B)の水中油
型乳化物を得た。またこの水中油型乳化物2%、コーヒ
ー抽出物60%(Bx1.8°のコーヒー抽出物)、砂
糖5%、ショ糖脂肪酸エステル0.05%(三菱化学フ
ーズ製 エステルP−1670)、水32.95%の配
合で殺菌済みコーヒー飲料を得た(C)。即ち、60℃
10分で上記配合を予備乳化した後、重曹でpH6.2
にpH調整し、2段式ホモゲナイザーで上段0MPa、
下段20MPaで均質化した後、190ml缶に充填
し、充填した缶を121℃で30分熱水式レトルト殺菌
機で殺菌処理した後、放冷して得た。(C)は殺菌直
後、5℃で14日静置後、20℃で14日静置後、また
は60℃で14日静置後に、開缶し官能検査による風味
劣化のモニタリングを10名で行った結果、次の表7の
評価を得た。また評価されたプロファイルは列挙する
と、油っぽさがない、すっきりしている、飲みやすい、
であった。(C)の評価を表7に示す。
脂(菜種を原料とした精製油で上昇融点22℃の硬化
油)(D)を利用する他は本例と同様にして、水中油型
乳化物(E)、及び殺菌済みコーヒー飲料を得た
(F)。(F)を殺菌直後、5℃で14日静置後、20
℃で14日静置後、または60℃で14日静置後に開缶
し、官能検査による風味劣化のモニタリングを10名で
行った結果、殺菌直後に実施例と比較して風味劣化を感
じると判断する者が7名、5℃で14日後で実施例と比
較して風味劣化を感じると判断する者8名、20℃で1
4日後で実施例と比較して風味劣化を感じると判断する
者8名、60℃で14日後で実施例と比較して風味劣化
を感じると判断する者10名であった。また、プロファ
イルを羅列すると、本例製品に比べて脂っこい、脂肪感
がある、重たく、口に残る、後味が悪い、などであっ
た。
アスコルビン酸含有製菓用油脂(A)に含有している相
当量のアスコルビン酸を添加して、後は比較例6と同様
な処理、評価を行った。結果は比較6と同様であった。
善し、チョコレート類など製菓用油脂利用食品の油性感
を改善する製菓用油脂を提供できるようになった。
Claims (9)
- 【請求項1】アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、
酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれた少なくとも
1種の有機酸を含有してなる製菓用油脂。 - 【請求項2】請求項1記載の有機酸が2〜60ppm含
まれる請求項1記載の製菓用油脂。 - 【請求項3】製菓用油脂またはそのパーツ油脂にアスコ
ルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及
びリンゴ酸から選ばれた少なくとも1種の有機酸の溶液
を添加し、加熱減圧下に乾燥することを特徴とする製菓
用油脂製造法。 - 【請求項4】アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、
酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれた少なくとも
1種の有機酸を含有してなる製菓用油脂利用製品。 - 【請求項5】製菓用油脂利用製品がチョコレート類であ
る請求項4記載の製品。 - 【請求項6】製菓用油脂利用製品がホワイトチョコレー
トまたはミルクチョコレートである請求項4記載の製
品。 - 【請求項7】製菓用油脂利用製品の油分が30%以上で
ある請求項4記載の製菓用油脂利用製品。 - 【請求項8】製菓用油脂利用製品がホイップチョコレー
トまたはアイスコーティングチョコレートである請求項
4記載の製菓用油脂利用製品。 - 【請求項9】製菓用油脂利用製品が乳化物である請求項
4記載の製菓用油脂利用製品。
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