明 細 書 トロンポポェチンレセプター活性化剤ならびにそれらの製造方法 技術分野
本発明は、 トロンポポェチンレセプターに親和性及びァゴニスト作用を有する ことによりトロンポポェチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防 ·治療 · 改善薬に関するものである。具体的には、例えば、造血幹細胞、巨核球前駆細胞、 巨核球細胞の分化増殖を促進し、 血小板増多作用を示しうる化合物あるいは血管 内皮および内皮前駆細胞の分化増殖を促進し血管新生療法に用いたり、 抗動脈硬 化作用を示しうる化合物を構成成分とする医薬組成物ならびにそれらの製造方法 に関するものである。 背景技術
トロンポポェチンは 332個のアミノ酸からなるサイトカインであり、レセプター を介して造血幹細胞、 巨核球前駆細胞、 巨核球細胞の分化、 増殖を刺激すること により血小板産生を亢進することから血液疾患の病態に対する薬剤として期待さ れている。 また最近では、 血管内皮および内皮前駆細胞の分化増殖を促進するこ とが報告され (Microvas Res., 1999 : 58, 108 - 113、 Circ. Res. , 1999 : 84, 7 85-796、 Blood 2001 : 98, 71a) 、 血管新生療法ゃ抗動脈硬化, 心血管イベント抑制 などが期待されている。 現在までにトロンボポェチンレセプターを介して血小板 産生を調節する生理活性物質としては、 トロンボポェチンそのもののほか、 特開 平 1 0— 7 2 4 9 2号公報 (W096/40750) 、 W096/40189, W098/25965等に記載の トロンポポェチンレセプ夕一に親和性を有する低分子ペプチドが知られている。 又、 ペプチド誘導体ではない低分子化合物でトロンポポェチンレセプ夕一を介し て血小板産生を促進する化合物の探索も試みられており、 トロンボポェチンレセ
プ夕一に親和性のある低分子化合物の報告が数件なされている。
1 ) 北陸製薬より出願されている 1, 4一べンゾチアゼピン誘導体 (特開平 1 1 - 1 4 7 7号公報、 特開平 1 1— 1 5 2 2 7 6号公報)
2 ) 塩野義製薬より出願されている特許の国際公開公報 (国際公開第 01/07423号 パンフレツト、 国際公開第 01/53267号パンフレツト、 国際公開第 02/059099号パン フレット、 国際公開第 02/059100号パンフレット)
3 ) スミスクライン ビーチャム (Smi tlikl ine Beecham Corp) より出願されてい る特許の国際公開公報 (国際公開第 00/35446号パンフレット、 国際公開第 00/661 12号パンフレット、 国際公開第 01/34585号パンフレット、 国際公開第 01/17349号 パンフレット、 国際公開第 01/39773号パンフレット、 国際公開第 01/21 180号パン フレット、 国際公開第 01/89457号パンフレット、 国際公開第 02/49413号パンフレ ット、 国際公開第 02/085343号パンフレット)
4 ) 鳥居薬品より出願されている国内公報 (特開 2001- 97948号公報)
5 ) Roche Di agnos t i cs GMBH より出願されている国際公開公報 (国際公開第 99/
1 1262号パンフレツト)
6 ) 山之内製薬より出願されている国際公開公報 (国際公開第 02/06275号パンフ レツ卜)
—方、 キサントシリン類縁体は広く抗菌作用を有することが知られており、 又 それ以外にも、 抗ウィルス作用、 ァロマ夕ーゼ阻害作用 (特開平 0 7— 6 9 8 8 3号公報) 、 抗腫瘍剤 (特開平 0 2— 3 0 4 0 5 8号公報及び特開平 0 4— 1 8
2 4 2 7号公報) 、 駆虫剤 (特開平 0 2— 4 0 3 2 4号公報) 、 プロスタグラン ジン合成阻害作用、血小板凝集抑制作用等があることが報告されている。しかし、 トロンポポェチンレセプ夕一親和性及びァゴニスト活性については何ら報告され ていなかった。
トロンポポェチンやトロンポポェチンレセプ夕一に親和性を有する低分子ぺプ
チドは、 消化管で容易に分解されてしまう可能性が高く、 通常、 経口投与は困難 であり、 トロンボポェチンそのものには抗トロンポポェチン抗体の出現が報告さ れている。
又、 ペプチド誘導体ではない低分子化合物は、 経口投与が可能である可能性が 高いものの、 未だ実用可能な薬剤が上市されるに至ってはいない。
そのため、 優れたトロンポポェチンレセプ夕一親和性及びァゴニスト活性を有 し、 トロンポポェチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防 ·治療 ·改善薬 となり、 且つ経口投与も可能な低分子化合物が望まれていた。 具体的には、 例え ば、 造血幹細胞、 巨核球前駆細胞、 巨核球細胞の分化増殖を促進し、 血小板増多 剤、 あるいは他の血球系細胞増多剤となりうる低分子化合物、 あるいは血管内皮 および内皮前駆細胞の分化増殖を促進し血管新生療法に用いたり、 動脈硬化を予 防 ·治療する薬剤となりうる低分子化合物が望まれていた。 発明の開示
本発明者らはトロンポポェチンレセプター親和性及びァゴニスト活性を有する 低分子化合物を見出すべく、 鋭意検討したところ、 意外にも従来公知であるキサ ントシリンおよびその類縁体及びそれらの誘導体が卜口ンポポェチンレセプター に親和性及びァゴニスト作用を有することを見出し、 又、 キサントシリン類縁体 の新規な製造方法も見出し、 本発明を完成するに至った。
即ち、 本発明は式 (1 )
( 1 )
[式中、 R
1及び R
3はそれぞれ独立に、 水素原子、 S0
3H、 CHアルキル基、 Ci—
6ァ ルキルカルポニル基又は (3
6_
18ァリール力ルポニル基 (該 Ci_
6アルキル基、
6ァ ルキルカルポニル基及び C
6_
18ァリール力ルポニル基は、 ハロゲン原子、 水酸基、 C
2—
6アルケニル基、 アルコキシ基、 アルコキシカルポニル基、 C
6—
18ァリ ール基、 2—ピリジル基、 3—ピリジル基、 4—ピリジル基、 2—フラニル基、 3—フラニル基、 2—チェニル基、 3—チェニル基 (該 C
6_
187リール基、 2—ピ リジル基、 3—ピリジル基、 4 _ピリジル基、 2—フラニル基、 3—フラニル基、 2一チェニル基及び 3 _チェニル基は、 ハロゲン原子又は アルキル基で任意 に置換されていてもよい。 ) 又は NR
9R
1Q (式中、 R
9及び R
lflはそれぞれ独立に 水素原子若しくは アルキル基 (該 アルキル基は、 C
6_
18ァリール基で任意 に置換されていてもよい。 ) を意味するか又は R
9及び R
1Qが一緒になつて-(C¾)
n X(CH
2)
Λ- (式中、 Xは、 CRUR
12 (式中、 R
11及び R
12はそれぞれ独立に水素原子又 は アルキル基 (該 アルキル基は、 C
6_
187リール基で任意に置換されてい てもよい。 ) を意味する。 ) 、 NR
13 (式中、 R
13は、 水素原子又は C!—
6アルキル 基 (該 CMアルキル基は、 C
6_
187リール基で任意に置換されていてもよい。 ) を 意味する。 ) 、 O又は Sを意味し、 nは、 1、 2又は 3を意味し、 mは、 1、 2 又は 3を意味するが、 n+mは、 3、 4又は 5である。 ) を意味する。 ) で任意 に置換されていてもよい。 ) を意味し、 R
2、 R
4及び R
aはそれぞれ独立に、 水素 原子、 水酸基又は C!—
6アルコキシ基を意味する。 ] で表されるトロンボポェチン レセプ夕一活性化剤に関するものであり、 又、 該トロンポポェチンレセプター活 性化剤、 そのプロドラッグ、 若しぐは製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物 を有効成分として含有する卜ロンポポェチンレセプ夕一活性化作用が有効な疾患 の予防 ·治療 '改善薬に関するものであり、 又、 該トロンポポェチンレセプ夕一 活性化剤、 そのプロドラッグ、 若しくは製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和 物を有効成分として含有する血小板増多剤に関するものであり、 又、 バシぺトス ボラ (Basipetospora) 属に属する微生物を培養し、 その培養液から式 (2)
(2)
(式中、 R5及び R7はそれぞれ独立に、 水素原子、 又はメチル基を意味し、 R6、 R8及び Rbはそれぞれ独立に、 水素原子、 水酸基又はメトキシ基を意味する。 ) で表される化合物を採取することを特徴とする該化合物の製造法に関するもので あり、 又、 受託番号 FERM P— 18940として寄託されている微生物バシ ぺトスボラ ·エスピー (Basipetospora sp. ) No. 1 142株に関するものであ り、 又、 式 (3)
で表される化合物に関する。 図面の簡単な説明
図 1 : 本発明化合物(キサントシリン Xモノメチルエーテル) による UT7/EP0 - mp 1細胞の増殖に対する効果を、 MTT法を用いて評価した図である。
図 2 : 本発明化合物(キサントシリン; Xモノメチルエーテル) による UT7/EP0 細胞の増殖に対する効果を、 MTT法を用いて評価した図である。
図 3 : 本発明化合物 (3—メトキシキサントシリン Xジメチルエーテル)によ
る UT7/EP0- m p 1細胞の増殖に対する効果を、 WST法を用いて評価した図である。 図 4 : 本発明化合物 (3—メトキシキサントシリン Xジメチルエーテル)によ る UT7/EP0細胞の増殖に対する効果を、 WST法を用いて評価した図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 更に詳細に本発明を説明する。
尚、 本発明中、 「n」 はノルマルを、 「i」 はイソを、 「s」 はセカンダリーを、 「t」 はターシャリーを、 「c」 はシクロを、 「o」 はオルトを、 「m」 はメタを、 「p」 はパラを意味する。
まず、 置換基 R 1, R 2, R \ R 4及び R aの各置換基における語句について説明す る。
C アルキル基としては、 直鎖、 分枝又は環状のもの (C 3 _ 6シクロアルキ ル基) を含んでいてもよく、 メチル、 ェチル、 n-プロピル、 i-プロピル、 c-プロ ピル、 n -プチル、 i -ブチル、 s-ブチル、 t -プチル、 c -ブチル、 1-メチル -C-プロピ ル、 2 -メチル -C-プロピル、 n-ペンチル、 1-メチル -n-ブチル、 2 -メチル -n-プチル、 3 -メチル -n-プチル、 1,卜ジメチル -n-プロピル、 1, 2-ジメチル -n-プロピル、 2, 2 -ジメチル- n-プロピル、卜ェチル _n-プロピル、 c -ペンチル、 1-メチル -c-ブチル、 2-メチル -c-プチル、 3-メチル -C-ブチル、 1, 2-ジメチル- C-プロピル、 2, 3-ジメチ ル- C-プロピル、 1-ェチル -C-プロピル、 2-ェチル -c-プロピル、 n-へキシル、 1- メチル- n-ペンチル、 2-メチル -n-ペンチル、 3-メチル -n-ペンチル、 4-メチル- n - ペンチル、 1, 1-ジメチル - n -プチル、 1, 2-ジメチル- n -プチル、 1, 3-ジメチル- n - プチル、 2, 2-ジメチル -n -プチル、 2, 3-ジメチル- n -プチル、 3, 3 -ジメチル- n-ブチ ル、 1-ェチル -n-ブチル、 2 -ェチル -n-ブチル、 1, 1, 2-トリメチル -n-プロピル、 1, 2, 2 -トリメチル -n-プロピル、 1-ェチル -1 -メチル- n-プロピル、 1 -ェチル -2-メチ ル- n-プロピル、 C-へキシル、 卜メチル -C-ペンチル、 2-メチル _c-ペンチル、 3- メチル -c-ペンチル、 1-ェチル -C-ブチル、 2-ェチル -C-ブチル、 3-ェチル -c-ブチ
ル、 1, 2 -ジメチル -c -プチル、 1, 3-ジメチル- c -プチル、 2, 2-ジメチル -c -プチル、 2, 3 -ジメチル- C-プチル、 2, 4 -ジメチル- c -ブチル、 3, 3 -ジメチル- c -プチル、 1- n -プロピル- c-プロピル、 2_n-プロピル _c-プロピル、 卜 i -プロピル- C-プロピル、 1 - i -プロピル - c -プロピル、 1, 2, 2 -トリメチル -C-プロピル、 1, 2, 3-トリメチル- c - プロピル、 2, 2, 3 -トリメチル -c -プロピル、 卜ェチル- 2 -メチル -C -プロピル、 2- ェチル - 1_メチル - C-プロピル、 2-ェチル -2-メチル -C-プロピル及び 2 -ェチル- 3- メチル -C-プロピル等が挙げられる。
— 6アルキルカルポニル基としては、 直鎖、 分枝又は環状のもの (C 3 6シ クロアルキルカルポニル基) を含んでいてもよく、 メチルカルボニル、 ェチルカ ルポニル、 II-プロピルカルボニル、 i -プロピルカルボニル、 c -プロピルカルボ二 ル、 n-ブチルカルポニル、 i-ブチルカルボニル、 s-ブチルカルポニル、 t-ブチル 力ルポニル、 c-ブチルカルポニル、 1-メチル - C-プロピル力ルポニル、 2-メチル- c-プロピルカルボニル、 n -ペンチルカルボニル、 1 -メチル -n-ブチルカルボニル、 2-メチル -n-ブチルカルポニル、 3-メチル -n -プチルカルポニル、 1,卜ジメチル -n -プロピルカルボニル、 1, 2-ジメチル -n-プロピルカルボニル、 2, 2-ジメチル- n - プロピル力ルポニル、 卜ェチル -n-プロピル力ルポニル、 C-ペンチルカルポニル、 1-メチル -C-プチルカルポニル、 2-メチル -c -プチルカルポニル、 3 -メチル -C -プチ ルカルポニル、 1, 2-ジメチル -C-プロピルカルボニル、 2, 3-ジメチル- C-プロピル 力ルポニル、卜ェチル -c-プロピル力ルポニル、 2-ェチル -c-プロピルカルボニル、 n -へキシルカルポニル、 1 -メチル -n-ペンチルカルポニル、 2 -メチル -n -ペンチル 力ルポニル、 3-メチル -n-ぺンチルカルポニル、 4-メチル- n-ペンチルカルポニル、 1, 1-ジメチル- n-ブチルカルポニル、 1, 2-ジメチル- n-プチルカルポニル、 1, 3-ジ メチル- n-ブチルカルポニル、 2, 2 -ジメチル- n-プチルカルボニル、 2, 3 -ジメチル- n -ブチルカルポニル、 3, 3-ジメチル- n -プチルカルポニル、 1-ェチル -n-プチルカ ルポニル、 2-ェチル -n-プチルカルポニル、 1, 1, 2-トリメチル -n-プロピルカルボ ニル、 1, 2, 2 -トリメチル -n-プロピル力ルポニル、 1 -ェチル -1-メチル -n-プロピル
力ルポニル、 1-ェチル -2-メチル -n-プロピル力ルポエル、 C-へキシルカルポニル、 1 -メチル -C-ペンチルカルポニル、 2_メチル -C-ペンチルカルポニル、 3-メチル - c -ペンチルカルボニル、 卜ェチル -C-ブチルカルポニル、 2-ェチル -c-プチルカルポ ニル、 3-ェチル -C -プチルカルポニル、 1, 2-ジメチル _c -プチルカルポニル、 1, 3- ジメチル- c-ブチルカルポニル、 2, 2-ジメチル -c -プチルカルポニル、 2, 3 -ジメチ ル- C-プチルカルポニル、 2, 4 -ジメチル- c -プチルカルポニル、 3, 3 -ジメチル -c - プチルカルポニル、 1-n-プロピル- C-プロピル力ルポニル、 2_n-プロピル- C-プロ ピルカルボニル、 1-i -プロピル- C-プロピルカルボニル、 2- i -プロピル- c-プロピ ルカルポニル、 1, 2, 2 -トリメチル -C -プロピルカルボニル、 1, 2, 3-卜リメチル- c - プロピルカルボニル、 2, 2, 3-トリメチル -C -プロピル力ルポニル、 1 -ェチル- 2 -メ チル- c-プロピルカルボニル、 2-ェチル - 1-メチル -c-プロピル力ルポニル、 2-ェチ ル -2 -メチル -c-プロピルカルボニル及び 2-ェチル -3-メチル -C-プロピル力ルポ二 ル等が挙げられる。
C 6— 1 8ァリールカルポニル基としては、 ベンゾィル基、 1 一インデニルカルポ ニル基、 2 —ィンデニルカルボ二ル基、 3ーィンデニルカルポニル基、 4一イン デニルカルボニル基、 5ーィンデニルカルボニル基、 6—インデニルカルポニル 基、 7—インデニルカルポニル基、 α -ナフチルカルポニル基、 ]3 -ナフチルカル ポニル基、 1ーテ卜ラヒドロナフチルカルボニル基、 2—テトラヒドロナフチル カルポニル基、 5—テトラヒドロナフチルカルポニル基、 6—テトラヒドロナフ チルカルポニル基、 0-ビフエ二リルカルポニル基、 m-ビフエ二リルカルポニル基、 p -ビフエ二リルカルボニル基、 卜アントリルカルボ二ル基、 2 -アン卜リルカルポ ニル基、 9-アントリルカルボニル基、 卜フエナントリルカルボ二ル基、 2-フエナ ントリルカルボニル基、 3-フエナントリルカルボ二ル基、 4-フエナントリルカル ボニル基及び 9-フエナントリル力ルポニル基等が挙げられる。
C 6— 1 8ァリール基としては、 フエニル基、 1 一インデニル基、 2—インデニル 基、 3—インデニル基、 4—インデニル基、 5—インデニル基、 6—インデニル
基、 7 —インデニル基、 -ナフチル基、 /3 -ナフチル基、 1ーテトラヒドロナフ チル基、 2—テトラヒドロナフチル基、 5—テトラヒドロナフチル基、 6—テト ラヒドロナフチル基、 0-ビフエ二リル基、 m-ビフエ二リル基、 p-ビフエニリル基、 1 -アントリル基、 2-アントリル基、 9_アントリル基、 1-フエナントリル基、 2 -フ ェナントリル基、 3-フエナントリル基、 4-フエナントリル基及び 9-フエナントリ ル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、 フッ素、 塩素、 臭素及びヨウ素が挙げられる。
C 2 _ 6アルケニル基としては、 直鎖、 分枝又は環状のもの (C 3— 6シクロアル ケニル基) を含んでいてもよく、 ェテニル、 1-プロぺニル、 2-プロぺニル、 卜メ チル -1-ェテニル、 1-ブテニル、 2-ブテニル、 3-プテニル、 2-メチル -1-プロぺニ ル、 2 -メチル -2-プロぺニル、 1-ェチルェテニル、 1-メチル -1 -プロぺニル、 卜メ チル- 2-プロぺニル、 1-ペンテニル、 2-ペンテニル、 3-ペンテニル、 4-ペンテニル、 1-n-プロピルェテニル、 卜メチル -1 -ブテニル、 1-メチル -2-ブテニル、 卜メチル-
3 -ブテニル、 2-ェチル -2-プロぺニル、 2-メチル -1-ブテニル、 2 -メチル -2 -ブテニ ル、 2-メチル -3 -ブテニル、 3-メチル -1-ブテニル、 3-メチル -2-ブテニル、 3 -メチ ル- 3-ブテニル、 1,卜ジメチル- 2-プロぺニル、 卜 i-プロピルェテニル、 1, 2-ジメ チル- 1-プロぺニル、 1, 2-ジメチル- 2-プロぺニル、 卜 c -ペンテニル、 2 - c-ペンテ ニル、 3 - C-ペンテニル、 卜へキセニル、 2-へキセニル、 3-へキセニル、 4-へキセ ニル、 5-へキセニル、 1-メチル -1-ペンテニル、 1-メチル -2-ペンテニル、 1-メチ ル- 3_ペンテニル、 卜メチル -4-ペンテニル、 卜 n -プチルェテニル、 2-メチル- 1 - ペンテニル、 2-メチル -2-ペンテニル、 2-メチル -3-ペンテニル、 2-メチル -4-ペン テニル、 2 プロピル- 2-プロぺニル、 3-メチル -1-ペンテニル、 3-メチル -2 -べ ンテニル、 3-メチル -3-ペンテニル、 3-メチル -4-ペンテニル、 3-ェチル - 3 -ブテ ニル、 4-メチル- 1-ぺンテニル、 4-メチル- 2-ペンテニル、 4-メチル -3-ペンテニル、
4-メチル -4-ペンテニル、 1, 1-ジメチル- 2-ブテニル、 1, 1-ジメチル- 3-ブテニル、 1, 2-ジメチル- 1-ブテニル、 1, 2-ジメチル- 2 -ブテニル、 1, 2-ジメチル- 3-ブテニル、
1 -メチル -2-ェチル -2-プロぺニル、 1- s_プチルェテニル、 1, 3-ジメチル -1-ブテニ ル、 1, 3 -ジメチル -2-ブテニル、 1, 3 -ジメチル- 3-ブテニル、 1 - i -プチルェテニル、 2, 2 -ジメチル- 3 -ブテニル、 2, 3 -ジメチル -1-ブテニル、 2, 3-ジメチル -2 -ブテニル、 2, 3 -ジメチル- 3 -ブテニル、 2 - i -プロピル- 2 -プロべニル、 3, 3-ジメチル- 1 -ブテニ ル、 1-ェチル -1-ブテニル、 1-ェチル -2-ブテニル、 1-ェチル -3 -ブテニル、 1 - n - プロピル- 1-プロぺニル、 1-n-プロピル- 2-プロぺニル、 2-ェチル -1-ブテニル、 1 -ェチル -2-ブテニル、 2-ェチル -3-プテニル、 1, 1, 2-トリメチル -2-プロぺニル、 1 - 1 -プチルェテニル、 1-メチル -1 -ェチル -2 -プロべニル、 卜ェチル -2-メチル- 1 - プロぺニル、 卜ェチル -2-メチル -2-プロぺニル、 卜 i-プロピル- 1 -プロぺニル、 1 - i-プロピル- 2-プロぺニル、 卜メチル - 2 - C-ペンテニル、 1-メチル - 3 - c-ペンテ ニル、 2-メチル -1-C-ペンテニル、 2-メチル - 2 - C-ペンテニル、 2-メチル - 3 -C- ペンテニル、 2 -メチル -4- C-ペンテニル、 2 -メチル -5- C-ペンテニル、 2-メチレン - C-ペンチル、 3-メチル -卜 C-ペンテニル、 3-メチル- 2 -c-ペンテニル、 3-メチル- 3 - c -ペンテニル、 3-メチル -4- C-ペンテニル、 3-メチル -5 - C-ペンテニル、 3-メチ レン- C-ペンチル、 1-c-へキセニル、 2-c-へキセニル及び 3-c-へキセニル等が挙げ られる。
アルコキシ基としては、 直鎖、 分枝又は環状のもの (C 3 _ 6シクロアル コキシ基) を含んでいてもよく、 メトキシ、 エトキシ、 n-プロポキシ、 i -プロボ キシ、 C-プロポキシ、 n-ブトキシ、 i-ブトキシ、 S-ブトキシ、 t -ブトキシ、 c -ブ トキシ、 1-メチル -C-プロポキシ、 2 -メチル -C-プロポキシ、 n-ペンチルォキシ、 1 -メチル -n-ブトキシ、 2_メチル - n-ブトキシ、 3-メチル -n-ブトキシ、 1,卜ジメチ ル- n-プロポキシ、 1, 2-ジメチル -n-プロポキシ、 2, 2 -ジメチル- n-プロポキシ、 1 -ェチル- n-プロポキシ、 C-ペンチルォキシ、 卜メチル -C-ブトキシ、 2-メチル- c_ ブ卜キシ、 3-メチル -C-プ卜キシ、 1, 2 -ジメチル- C-プロポキシ、 2, 3-ジメチル _c -プロポキシ、 卜ェチル -C-プロポキシ、 2-ェチル -C-プロポキシ、 n-へキシルォキ シ、 卜メチル -n -ペンチルォキシ、 2-メチル -n-ペンチルォキシ、 3-メチル -n-ペン
チルォキシ、 4-メチル -n -ペンチルォキシ、 1,卜ジメチル -n-ブトキシ、 1, 2 -ジメ チル- n -ブトキシ、 1, 3-ジメチル- n -ブトキシ、 2, 2 -ジメチル -n-ブトキシ、 2, 3 - ジメチル- n-ブトキシ、 3, 3-ジメチル- n-ブトキシ、 1-ェチル -n-ブトキシ、 2-ェチ ル- n-ブトキシ、 1, 1, 2 -トリメチル -n -プロボキシ、 1, 2, 2 -トリメチル -n -プロポキ シ、 卜ェチル -1-メチル - II-プロボキシ、 卜ェチル -2-メチル -n-プロポキシ、 c -へ キシルォキシ、 卜メチル -C-ペンチルォキシ、 2-メチル -C-ペンチルォキシ、 3 -メ チル- C-ペンチルォキシ、 卜ェチル _c-ブトキシ、 2-ェチル -C-ブトキシ、 3-ェチル - c -ブトキシ、 1, 2 -ジメチル- C-ブトキシ、 1, 3 -ジメチル- c-ブトキシ、 2, 2-ジメチ ル- C-ブトキシ、 2, 3-ジメチル- c -ブトキシ、 2, 4-ジメチル- c -ブトキシ、 3, 3 -ジメ チル- C-ブトキシ、 卜 n -プロピル- c-プロポキシ、 2_n-プロピル- c-プロポキシ、 1 - i-プロピル- c -プロボキシ、 2_ i-プロピル- c -プロボキシ、 1, 2, 2 -トリメチル- c - プロポキシ、 1, 2, 3-トリメチル -C-プロポキシ、2, 2, 3-トリメチル -c -プロボキシ、
1 -ェチル -2-メチル -c-プロポキシ、 2-ェチル - 1-メチル -C-プロポキシ、 2-ェチル- 2_メチル -c-プロポキシ及び 2_ェチル -3-メチル -C-プロポキシ等が挙げられる。
C アルコキシカルポニル基としては、 直鎖、 分枝又は環状のもの (C 3— 6 シクロアルコキシカルボニル基) を含んでいてもよく、 メトキシカルポニル、 ェ トキシカルボニル、 n-プロポキシ力ルポニル、 i-プロポキシ力ルポニル、 C-プロ ポキシカルボニル、 n-ブトキシカルポニル、 i-ブトキシカルポニル、 s-ブトキシ 力ルポニル、 t-ブトキシカルボニル、 c -ブトキシカルボニル、 1-メチル -C -プロボ キシカルポニル、 2 -メチル -c-プロポキシカルボニル、 n -ペンチルォキシカルボ二 ル、 1-メチル -n-ブトキシカルポニル、 2-メチル -n-ブトキシカルポニル、 3-メチ ル- n-ブトキシカルポニル、 1, 1-ジメチル- n-プロポキシカルボニル、 1, 2-ジメチ ル- n-プロポキシカルボニル、 2, 2-ジメチル- n-プロポキシ力ルポニル、 卜ェチル- n -プロポキシ力ルポニル、 C-ペンチルォキシカルポニル、 卜メチル -C-ブトキシカ ルポニル、 2-メチル -c-ブトキシカルボニル、 3-メチル -C-ブトキシカルポニル、 1,
2-ジメチル- C-プロポキシ力ルポニル、 2, 3-ジメチル -C-プロポキシ力ルポニル、 1
-ェチル _c-プロポキシ力ルポニル、 2-ェチル -C-プロポキシカルボニル、 n-へキシ ルォキシカルポニル、 卜メチル -n-ペンチルォキシカルボニル、 2-メチル -n-ペン チルォキシカルボニル、 3-メチル -n-ペンチルォキシカルポニル、 4-メチル -n -ぺ ンチルォキシ力ルポニル、 1,卜ジメチル _n-ブトキシカルボニル、 1, 2-ジメチル- n -ブトキシカルポニル、 1, 3-ジメチル -n-ブトキシカルポニル、 2, 2-ジメチル- n - ブトキシカルポニル、 2, 3 -ジメチル -n -ブトキシカルボニル、 3, 3-ジメチル- n -ブ トキシカルポニル、 卜ェチル -n-ブトキシカルポニル、 2-ェチル -n-ブトキシカル ポニル、 1, 1, 2-トリメチル -n-プロポキシカルボニル、 1, 2, 2-トリメチル _n-プロ ポキシ力ルポニル、 1-ェチル -1-メチル -n-プロポキシ力ルポニル、 卜ェチル -2- メチル -n-プロポキシ力ルポニル、 c -へキシルォキシカルボニル、 1 -メチル -c -ぺ ンチルォキシカルボニル、 2-メチル -C-ペンチルォキシカルボニル、 3-メチル -C- ペンチルォキシカルポニル、 1-ェチル -C-ブトキシカルポニル、 2-ェチル -C-ブト キシカルポニル、 3_ェチル -c-ブトキシカルポニル、 1, 2-ジメチル- c -ブトキシカ ルポニル、 1, 3-ジメチル -c_ブトキシカルポニル、 2, 2-ジメチル- c-ブトキシカル ポニル、 2, 3 -ジメチル _c -ブトキシカルポニル、 2, 4 -ジメチル- c -ブトキシカルボ ニル、 3, 3-ジメチル- c-ブトキシカルボニル、 1-n-プロピル- c-プロポキシ力ルポ ニル、 2-n-プロピル- C-プロポキシ力ルポニル、 1- i-プロピル- C-プロポキシカル ポニル、 2- i-プロピル- C-プロポキシカルボニル、 1, 2, 2_トリメチル - c-プロポキ シカルボニル、 1, 2, 3-トリメチル- c -プロポキシカルボニル、 2, 2, 3 -卜リメチル- c -プロポキシカルボニル、 1-ェチル -2-メチル -C-プロポキシ力ルポニル、 2-ェチ ル- 1-メチル -C-プロポキシ力ルポニル、 2-ェチル -2-メチル _c-プロポキシカルボ ニル及び 2-ェチル _3-メチル- C-プロポキシカルボニル等が挙け'られる。
置換基 R 1及び R 3の好ましい具体例としては、 それぞれ独立に、 水素原子、 メ チル基、 ェチル基、 n-へキシル基、 2-フルォロェチル基、 ベンジル基、 p—クロ 口フエニル基、 p—メチルフエニル基、 エトキシカルボニルメチル基、 2—プロ ぺニル基、 4一ピリジルメチル基、 2—ピリジルメチル基、メチルカルポニル基、
ベンゾィル基、 2—ジェチルアミノエチル基及び 2— (1ーピペリジノ) ーェチ ル基等が挙げられる。
置換基 R2、 及び RAの好ましい具体例としては、それぞれ独立に、水素原子、 水酸基及びメトキシ基等が挙げられる。
本発明の、好ましい式(1)で表されるトロンポポェチンレセプター活性化剤、 トロンポポェチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防 ·治療 ·改善薬に用 いる好ましい化合物及び血小板増多剤に用いる好ましい化合物としては、 以下に 示すものが挙げられる。
1) R1及び R3がそれぞれ独立に、 水素原子、 S03H、 6アルキル基、 C!— 6アルキ ルカルポニル基又は C6_18ァリ一ルカルポニル基 (該 アルキル基、 C Hiアルキ ルカルポニル基及び C6_18ァリール力ルポニル基は、 水酸基で任意に置換されてい てもよい。 ) である式 (1) で表される化合物。
2) R1及び R3がそれぞれ独立に、 水素原子、 S03H、 CMアルキル基、 アルキ ルカルポニル基又は(:6_18ァリール力ルポニル基 (該 アルキル基、 CMアルキ ルカルポニル基及び C6_18ァリール力ルポニル基は、 NR9R1D (式中、 R9及び R1B はそれぞれ独立に水素原子若しくは (^_6アルキル基 (該 アルキル基は、 C6— 18 ァリール基で任意に置換されていてもよい。 ) を意味するか又は R9及び R1Qが一 緒になって-(CH2)NX(CH2)N- (式中、 は、 CR R12 (式中、 R11及び R12はそれぞ れ独立に水素原子又は アルキル基 (該 アルキル基は、 (36-18ァリール基で 任意に置換されていてもよい。 ) を意味する。 ) 、 NR13 (式中、 R13は、 水素原 子又は アルキル基 (該 アルキル基は、 C6— 18ァリール基で任意に置換され ていてもよい。 ) を意味する。 ) 、 O又は Sを意味し、 nは、 1、 2又は 3を意 味し、 mは、 1、 2又は 3を意味するが、 n+mは、 3、 4又は 5である。 ) を 意味する。 ) で任意に置換されていてもよい。 ) である式 (1) で表される化合 物。
3) R1及び R3がそれぞれ独立に、 水素原子又は アルキル基である式 (1) で
表される化合物。
4) R1及び R3がそれぞれ独立に、 水素原子又はメチル基であり、 R2及び R4がそ れぞれ独立に、 水素原子、 水酸基又はメトキシ基である 3) に記載の化合物。
5) R2が水素原子である式 (1) で表される化合物又は 1) 、 2) 、 3) 若しく は 4) に記載の化合物。
6) R4及び RAがそれぞれ独立に、 水素原子又はメトキシ基である 5) に記載の 化合物。
7) R1, R2, R3, 及び RAが以下に示す組み合わせである化合物。
RI = H、 R2=OH、 R3=H、 R4=OH、 RA=H
R]=CH¾, R2=OCH 、 R3=CE 、 R4=OCEU、 RA=H
R' = H、 R2=OCH3. R3=H、 R4=OCH3、 RA=H
R'=CH3, R2=OH、 R3=CH3. R4=OH、 RA=H
R! = H、 R
2=H、 R
3=H、 R
4=OH、 R
A=H
R' = H、 R2 = H、 R3=H、 R4=H、 RA=H
R'=CH3. R2=H、 R3=CH3. R4=H、 RA=H
R' = H, R2=H、 R3=CH3、 R4=H、 R H
R'=CH3. R2=H、 R3=S03H、 R4=H、 RA=H
R]=CH3. R2=H、 R3=CH, R4=OCHQ. RA=OCH3
8) R1, R2, R3, R4及び RAが以下に示す組み合わせである化合物。
R1 ' = Η、 R2=H、 R3= H、 R4= =H、 RA =H
R1 '=CH3、 R2=H、 R3= : C H3、 R4: =H、 R' >=H
R] ' = Η、 R2 = H、 R3=し H 3、 R4:二 H、 RA =H
R: '=CH3、 R2 = H、 R3= : S03H、 R4= =H、 RA =H
R '=CH3、 R2 = H、 R3= : C H 3、 R4: = OCH3、 R
R'=CH3, R2=H、 R3=CH3、 R4=OCH3、 Ra=OCH3
9) R2及び R4が共に水酸基であるか又は R2が水酸基で R4が水素原子であり、 R 1及び R3が共に水素原子である式 (1) で表される化合物。
10) R2及び R4が共に アルコキシ基であるか又は R2が アルコキシ基で R 4が水素原子であり、 R1及び R3が共に アルキル基である式 (1) で表され る化合物。
1 1) R2及び R4が共に水素原子であり、 R1及び R3が共に、 水素原子、 S03H、 C, _6アルキル基、 Cj_6アルキル力ルポニル基又は C6_18ァリ一ルカルボニル基 (該
_6アルキル基、 アルキル力ルポニル基及び〇6_18ァリールカルボニル基は、 八 ロゲン原子、 水酸基、 C2_6アルケニル基、 CHアルコキシ基、 アルコキシ力 ルポ二ル基、 C6_18ァリール基、 2—ピリジル基、 3—ピリジル基、 4一ピリジル 基、 2—フラニル基、 3—フラエル基、 2—チェニル基、 3—チェニル基 (該 C6 ― 18ァリール基、 2—ピリジル基、 3—ピリジル基、 4—ピリジル基、 2—フラニ ル基、 3—フラニル基、 2—チェニル基及び 3—チェニル基は、 ハロゲン原子又 は CMアルキル基で任意に置換されていてもよい。 ) 又は NR9Rlfl (式中、 R9及 び R1Qはそれぞれ独立に水素原子若しくは アルキル基 (該 CMアルキル基は、 C6_187リール基で任意に置換されていてもよい。 ) を意味するか又は R9及び Rlfl が一緒になつて-(C )J(CH2 - (式中、 Xは、 CR"R12 (式中、 R11及び R12はそ れぞれ独立に水素原子又は Ct_6アルキル基 (該 アルキル基は、 〇6_18ァリール 基で任意に置換されていてもよい。 ) を意味する。 ) 、 NR13 (式中、 R13は、 水 素原子又は アルキル基 (該 アルキル基は、 C6_187リール基で任意に置換 されていてもよい。 ) を意味する。 ) 、 O又は Sを意味し、 nは、 1、 2又は 3 を意味し、 mは、 1、 2又は 3を意味するが、 n+mは、 3、 4又は 5である。 ) を意味する。 ) で任意に置換されていてもよい。 ) である式 (1) で表される化 合物。
12) R2及び R4が共に水素原子であり、 R1がメチル基であり、 R3が、水素原子、
S03H、 Cwアルキル基、 C wアルキル力ルポニル基又は C6—18ァリ一ルカルポニル 基 (該 C アルキル基、 Cwアルキル力ルポニル基及び C6— 18ァリールカルボニル 基は、 ハロゲン原子、 水酸基、 C2_6アルケニル基、 アルコキシ基、 Ci_6アル コキシカルポニル基、 (:6_18ァリール基、 2—ピリジル基、 3 _ピリジル基、 4— ピリジル基、 2—フラニル基、 3—フラニル基、 2—チェニル基、 3—チェニル 基 (該 C6_187リール基、 2—ピリジル基、 3—ピリジル基、 4一ピリジル基、 2 ーフラニル基、 3—フラニル基、 2 _チェニル基及び 3 _チェニル基は、 ハロゲ ン原子又は アルキル基で任意に置換されていてもよい。 ) 又は NR9Rifl (式 中、 R9及び R1Qはそれぞれ独立に水素原子若しくは アルキル基 (該 6アル キル基は、 C6 8ァリール基で任意に置換されていてもよい。 ) を意味するか又は R9及び Rlflが一緒になつて-(CH2)nX(CH2)m- (式中、 Xは、 CR"R12 (式中、 R11及 び R12はそれぞれ独立に水素原子又は アルキル基 (該 アルキル基は、 C6_ 18ァリール基で任意に置換されていてもよい。 ) を意味する。 ) 、 NR13 (式中、 R13は、 水素原子又は アルキル基 (該 アルキル基は、 (:6_18ァリール基で 任意に置換されていてもよい。 ) を意味する。 ) 、 〇又は Sを意味し、 nは、 1、 2又は 3を意味し、 mは、 1、 2又は 3を意味するが、 n+mは、 3、 4又は 5 である。 ) を意味する。 ) で任意に置換されていてもよい。 ) である式 (1) で 表される化合物。
好ましい式 (2) で表される化合物としては以下に示すものが挙げられる。 13) R5, R6, R7, R8及び Rbが以下に示す組み合わせである化合物。
R5=H、 R6=OH、 R7=H、 R8=OH、 Rb=H
R5=CH3、 R6=OCH3、 R7=CH3、 R8=OCH3、 Rb=H
R5=H、 R6=OCH: R7=H、 8_ OCH Rb=H
R5=CH3. R6=OH、 R7=CH3- R8=OH、 Rb=H
R5 = H、 R6=H、 R7=H、 R8=OH、 Rb=H
R5=CH . R6=H、 R7=CH ゝ R8=OCHq、 Rb=H
R5 = c n 3 R6=H R7= CH3 R8=OH Rb=H
R5= H R6=H R7= H R8=H Rb=H
R5 = CH3 R6=H R7= R8=H R =H
R5= H R6 = H R7= CIi3 R8=H Rb=H
R5 = CH3, R6 = H R7= CH3> R8=OCH3 Rb=OCH3
14) R5, R6, R7, R8及び Rbが以下に示す組み合わせである化合物。
R5 =し 3 R6 = H R7= H 3 R8=H Rb=H
R5 = C H R6 = H R7- C li 3 R8=OCH3 Rb=H
R5=し H 3 R6- H R7= ■Ctl3 R8=OCH3 Rb=OCH
1 5) R5 R6, R7, Rs及び Rbが以下に示す組み合わせである化合物。
R5=CH3 R6=H R7=CH3 R8=H Rb=H
R5=H R6=H R7=CH3 R8=H Rb=H
R5=CH3 R6=H R7=CH3 R8=OCH3 Rb=H
R5=CH3 R6=H R7=CH3 R8=OCH3 Rb=OCH3
本発明の式 (1) で示される化合物またはその製薬上許容される塩は製造条件 により任意の結晶形として存在することができ、 任意の水和物として存在するこ とができるが、 これら結晶形や水和物およびそれらの混合物も本発明の範囲に含 有される。 またアセトン、 エタノール、 テトラヒドロフランなどの有機溶媒を含 む溶媒和物として存在することもあるが、 これらの形態はいずれも本発明の範囲 に含有される。
本発明の式 (1) で示される化合物は、 必要に応じて製薬上許容される塩に変 換することも、 または生成した塩から遊離させることもできる。 本発明の製薬上 許容される塩としては、 例えば、 アルカリ金属 (リチウム、 ナトリウム、 力リウ ムなど) 、 アルカリ土類金属 (マグネシウム、 カルシウムなど) 、 アンモニゥム、
有機塩基及びァミノ酸との塩などが挙げられる。また無機酸(塩酸、臭化水素酸、 リン酸、 硫酸など) 及び有機酸 (酢酸、 クェン酸、 マレイン酸、 フマル酸、 ベン ゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸など) との塩も可能である。
プロドラッグとしては、 化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明の 誘導体であり、 加溶媒分解によりまたは生理的条件下のインビポにおいて薬理学 的に活性な本発明を形成する化合物となる化合物である。 適当なプロドラッグ誘 導体を選択する方法および製造する方法は、 例えば Des ign of Prodrug (El sevie r, Ams terdam 1985)に記載されている。 本発明の場合、 水酸基を有する場合は、 そ の化合物と適当なァシルハライドまたは適当な酸無水物とを反応させることによ つて製造されるァシルォキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。 プロド ラッグとして特に好ましいァシルォキシとしては - 0C0C2H5, -0C0 (t-Bu), -0C0C15H3 „ -0C0 (m-C02Na-Ph) , -0C0CH2CH2C02Na, -0C0CH (NH2) CH3, -0C0C¾N (CH3) 2 などが あげられる。 本発明を形成する化合物がアミノ基を有する場合は、 アミノ基を有 する化合物と適当な酸ハロゲン化物または適当な混合酸無水物とを反応させるこ とにより製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。 プロドラ ッグとして特に好ましいアミドとしては、 - NHCO (CH2) 2ϋ0(¾, - NHCOCH (NH2) CH3等 があげられる。
本発明のトロンボポェチンレセプター活性化剤、 そのプロドラッグ、 若しくは 製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬は、 通常錠剤、 カプセル剤、 散剤、 顆粒剤、 丸剤、 シロップ剤などの経口投与剤、 直腸投与剤、 経皮吸収剤あるいは注射剤として投与できる。 本剤は 1個の治療剤として、 ある いはほかの治療剤との混合物として投与できる。 それらは単体で投与してもよい が、 一般的には医薬組成物の形態で投与する。 それらの製剤は、 薬理的、 製剤学 的に許容しうる添加物を加え、 常法により製造することができる。 すなわち、 経 口剤には通常の賦形剤、 滑沢剤、 結合剤、 崩壌剤、 湿潤剤、 可塑剤、 コーティン グ剤などの添加物を使用することができる。 経口用液剤は、 水性または油性懸濁
液、 溶液、 乳濁液、 シロップ、 エリキシルなどの形態であってもよく、 あるいは 使用前に水またはほかの適当な溶媒で調製するドライシロップとして供されても よい。 前記の液剤は、 懸濁化剤、 香料、 希釈剤あるいは乳化剤のような通常の添 加剤を含むことができる。 直腸内投与する場合は座剤として投与することができ る。 坐剤はカカオ脂、 ラウリン脂、 マクロゴール、 グリセ口ゼラチン、 ウイテツ ブゾール、 ステアリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物など、 適当な物質を基 剤として、 必要に応じて乳化剤、 懸濁化剤、 保存剤などを加えることができる。 注射剤は、水性あるいは用時溶解型剤形を構成しうる注射用蒸留水、生理食塩水、 5 %ブドウ糖溶液、 プロピレングリコールなどの溶解剤ないし溶解補助剤、 p H 調節剤、 等張化剤、 安定化剤などの製剤成分が使用される。
本発明の薬剤をヒ卜に投与する場合は、 その投与量を患者の年齢、 状態により 決定するが通常成人の場合、 経口剤あるいは直腸内投与では 0 . l〜 1 0 0 0 m g/ヒト /日程度、 注射剤で 0 . 0 5 m g〜5 0 O m g /ヒト /日程度である。 これ らの数値はあくまでも例示であり、 投与量は患者の症状にあわせて投与されるも のである。
本発明を使用する場面としては、 トロンポポェチンレセプ夕一親和性及びァゴ ニスト活性を有する化合物を使用することにより病態の改善が期待できる場面が 挙げられる。 具体的には、 血小板数の異常を伴う血液疾患があげられる。 より詳 細には巨核球による造血過程の異常に起因するヒ卜を含む哺乳類の疾患、 とりわ け血小板減少を伴う疾患の治療や予防に有用である。 このような疾患としてはた とえば、癌化学療法及びまたは癌放射線療法に伴う血小板減少、骨髄移植、手術、 及び重症感染症による血小板減少、 あるいは消化管出血等をあげることができる が、 これらに限定されることはない。 血小板減少を伴う代表的な疾患である再生 不良性貧血や突発性血小板性紫斑病、 骨髄異形成症候群、 トロンポポェチン欠損 症なども本発明の医薬適用対象である。また、本発明は末梢血幹細胞放出促進剤、 巨核球性白血病細胞の分化誘導剤、 血小板ドナーの血小板増加剤などとして使用
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20 することもできる。またこの他、血管内皮および内皮前駆細胞の分化増殖により、 血管新生療法に用いたり、 動脈硬化症, 心筋梗塞, 不安定狭心症, 末梢動脈閉塞 症などを予防 ·治療する場面が想定されるが、 これらに限定されることはない。 次に、 式 (2) で表される化合物の製造方法について説明する。
式 (2) で表される化合物は、 パシぺトスボラ (Basipetospora) 属に属する微 生物を培養し、 その培養液から採取することにより、 製造することができる。 本発明に用いられるバシぺトスボラ(Basipetospora)属に属する微生物として は、 微生物の菌株に変異を生じさせて一層生産性を向上させた菌株等の変異株、 また、 菌株の細胞中に存在する、 本反応に関与する遺伝子を切り出し、 これを適 切なベクター例えばプラスミドに挿入し、 このベクターを用いて適当な異種宿主 もしくは同種宿主を形質転換することによる菌株等も含まれる。
バシぺトスポラ (Basipetospora) 属に属する微生物の好ましい例としては、 バ シぺトスポラ 'エスピー (Basipetospora sp. ) が挙げられ、 更に好ましくは、 バ シぺトスポラ 'エスピー (Basipetospora sp. ) No. 1 142株が挙げられる。 バシぺトスポラ ·エスピー (Basipetospora sp. ) No. 1 142株の菌学的性 質は以下の通りである、
1. 各種培地における生育状態
25°C、 7日間培養時の生育
オートミール寒天培地 +
麦芽エキス寒天培地 +
ポテトデキストロース寒天培地 +
37°Cでの生育 一
可溶性色素及び滲出液の産生 一
コロニーの形態: 直径37〜42じ 1!1、 白色羊毛状、 平滑、 裏面白色
2. 顕微鏡下における形態的特徴
菌糸 : 幅1〜5 111、 無色、 平滑分岐、 隔壁有
分生子柄 直立、 単生
分生子形成細胞 直線状、 先端での環紋無し
分生子 鎖状連結、 単細胞、 球形〜亜球形、 表面粗面、 直径 7〜1 2 以上の諸性状に基づき既知菌種との比較を試みた結果、 No. 1 142株をバ シぺトスボラ (Basipetospora) に属するー菌株と同定し、 バシぺトスボラ 'エス ピー No. 1 142株と命名した。 本菌株は次の通り寄託した。
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター (IP0D) 〒305- 8566 日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 2002年 07月 22日 (22.07.2002), 14産生奇 第 990号 (FERM P-18940) 受託番号: IP0D FERM BP - 8410
バシぺトスポラ 'エスピー (Basipetospora sp. ) No. 1 142株は、 他の糸 状菌に見られるようにその性状が変化しやすい。 例えば、 No. 1 142株の、 又は本菌株に由来する突然変異体 (自然発生又は誘発性) 、 形質接合体又は遺伝 子組み換え体であっても、 キサントシリン Xモノメチルエーテル (R5=H、 R6 = H、 R7 =CH3、 R8 =H、 R =Hである化合物) 、 キサントシリン Xジメチルェ一テ ル (R5=CH3、 R6 =H、 R7 =CH3、 R8 =H、 R =Hである化合物) 、 3—メトキシキ サントシリン Xジメチルエーテル (R5=CH3、 R6 =H、 R7 =C¾、 R8 =0C¾、 R = Hである化合物) と 3, 3 ' ージメトキシキサントシリン Xジメチルエーテル (R 5=CH3、 R6 =H、 R7 ¾、 R8 =0CH3、 R =0CH3である化合物) を生産するものは 全て本発明に使用できる。
バシぺトスボラ (Basipetospora)属に属する微生物の培養方法について説明す る。
本発明により式 (2) で表される化合物を製造するには、 まずバシぺトスボラ (Basipetospora) 属に属する微生物を培地中で培養する。 栄養源としては、 従来 糸状菌の培養に利用されている公知のものが使用できる。 例えば、 炭素源として は、 グルコース、 スクロース、 水飴、 澱粉、 デキストリン、 大豆油等を使用しう
る。 また、 窒素源としては、 ペプトン、 肉エキス、 酵母エキス、 コーン ·スチー プ · リカー、 オートミール、 硫酸アンモニゥム、 塩化アンモニゥム、 硝酸アンモ 二ゥム、 尿素等を使用できる。 その他必要に応じて食塩、 硫酸マグネシウム、 硫 酸銅、 硫酸亜鉛、 塩化マンガン、 炭酸カルシウム、 燐酸塩等の無機塩を単独又は 組み合わせて加えることができるほか、 本菌株の生育や、 式 (2 ) で表される化 合物の生産を促進する有機物、 例えば核酸類、 ビタミン類や無機物を適当に添加 することができる。 なお、 培養中の発泡が著しい時には、 消泡剤等を適宜添加す ればよい。
培養法としては、 例えば振とう又は通気撹拌培養などの好気的条件下での培養 法が最も適している。 培養温度は 2 0〜2 8 °C、 培地の p Hは 5 . 0〜8 . 0に 調製することが好ましい。 培養時間は通常 8〜1 6日間培養を行うと、 式 (2 ) で表される化合物が培地或いは菌体中に蓄積されるので、 培養中の蓄積量が最大 に達した時点で培養を終了するのが好ましい。 なお、 これらの培養条件は使用す る生産菌の特性又は培養方法に応じてそれぞれ最適の条件を選択すればよい。 式 (2 ) で表される化合物の分離 ·精製方法について説明する。
培養終了後、 培養液から式 (2 ) で表される化合物を採取するためには一般に 微生物代謝産物をその培養物から単離するために用いられる分離、 精製の方法が 利用される。 すなわち、 減圧濃縮、 凍結乾燥、 例えばブ夕ノール、 酢酸ェチル、 クロ口ホルム、 ベンゼン等を用いた有機溶媒抽出、 各種のイオン交換クロマトグ ラフィー、 セフアデックス L H— 2 0等を用いたゲル濾過クロマトグラフィー、 活性炭、 シリ力ゲル等による吸着クロマトグラフィーもしくは薄層クロマトダラ フィ一による活性物質の吸脱着処理、 あるいは逆相カラムを用いた高速液体クロ マトグラフィ一等を単独あるいは任意の順序に組み合わせ、 また反復して用いる ことにより、 式 (2 ) で表される化合物を単離そして採取することができる。 か くして得られた式 (2 ) で表される化合物のうち、 幾つか化合物の理化学的性質 にっき以下に示した。
キサントシリン Xモノメチルエーテル (R5=H、 R6 =H、 R7 =CH3、 R8 =H、 Rb = Hである化合物)
1. 分子量: 302
2. 組成式: C19H14N2〇2
3. 性状、 色:黄色針状結晶の中性物質
4. 核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴ス ベクトルの化学シフト (<5-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 7. 79 (2 H, d) , 7. 72 (2 H, d) , 7. 0 2 (2 H, d) , 7. 0 1 ( 1 H, s ) , 6. 8 7 ( 1 H, s ) , 6. 8 6 (2 H, d) , 3. 8
5 (3 H, s )
5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴ス ベクトルの化学シフト (<5-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 48. 0, 1 14. 1, 1 1 5. 2, 1 1 5. 6 1 1 6 1 1 2
3. 6 , 1 2 6. 9, 1 2 7. 7, 1 3 1. 4, 1 3 1. 7 1 59 8 1 6 1. 4, 1 73. 4, 1 7 3. 5
6 · マススペクトル: (E I -MS) m/z = 30 2 (M + )
キサントシリン Xジメチルエーテル (R5=CH3、 R6 =H、 R7 =CH3 R8 =H、 Rb = Hである化合物)
1. 分子量: 3 16
2. 糸且成式: し 20H16I 2U2
3. 性状、 色:黄色針状結晶の中性物質
4. 核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴ス ベクトルの化学シフト (δ-値) を以下に示す。
d (ppm) : 7. 79 (4H, d) , 7. 02 (2 H, d) , 6. 9 8 (4H, d) , 3. 8 7 (6 H, s )
5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴ス
ベクトルの化学シフト (δ-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 5 5. 5, 1 14. 5, 1 1 6. 3, 1 24. 9, 1 2 7. 5 , 1 3 1. 8 , 1 6 1. 2, 1 73. 3
6. マススペクトル: (E I— MS) m/z = 3 1 6 (M+)
3—メトキシキサントシリン Xジメチルエーテル (R5=CH3、 R6 =H、 R7 =C¾、 R8 =0CH3、 Rb =Hである化合物)
1. 分子量: 346
2. 組成式: C21H18N203
3. 性状、 色:茶褐色の中性物質
4. 核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴ス ベクトルの化学シフト (δ-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 7. 7 9 (2H, s ) , 7. 49 (H, d ) , 7. 3 6 (Η, d d ) ,
7. 0 3 (Η, s) , 7. 02 (Η, s) , 6 . 9 9 (2Η, d) , 6. 9 5 (Η, d) , 3. 96 (3Η, s ) , 3. 9 5 (3 Η, s ) , 3. 8 8 (3Η, s )
5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴の 化学シフト (δ_値) を以下に示す。
δ (ppm) : 5 5. 5, 56. 1, 1 1 1 2 1 1 1 9 1 14 5 1 1
3 , 1 1 6. 2 , L 24. 6 , 1 24 9 1 25 1 2 7 6 1 2 8, 1 3 1. 8 , 49. 1, 1 50. 9, 1 6 1. 2 1 7 3. 3 , 1 7 5
マススぺクトル: (E I -MS) m/z = 346 (M + )
3, ージメトキシキサントシリン Xジメチルエーテル (R5=C¾、 R6 =H、 R
7 ― =CH3、 R8 =0CH3、 Rb =0C¾である化合物)
1. 分子量: 376
2 - 組成式: C22H2。N204
3. 性状、 色:茶褐色の中性物質
4. ェ11核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴の 化学シフト (δ-値) を以下に示す。
<5 (ppm) : 7. 7 9 (2 H, d) , 7. 0 8 (2H, s) , 7. 0 5 (H, s ) , 7. 00 (Η, s ) , 6. 9 9 (2 Η, d) , 3. 92 (9Η, s ) , 3. 87 (3Η, s )
5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴の 化学シフト (δ-値) を以下に示す。
δ ( pm) : 55. 5 , 56. 2, 6 1. 1, 1 07. 4, 1 14. 6, 1 1 6. 0, 1 1 7. 5, 1 24. 7, 1 2 7. 5 , 1 2 7. 8 , 1 28. 3, 1 3 2. 0, 140. 1, 1 53. 3, 1 6 1. 4, 1 7 3. 5, 173. 9
6. マススぺクトル: (E I -MS) m/z = 3 7 6 (M + )
次に、 本発明に使用される、 式 (1) で表される化合物の製造方法について説 明する。
式 (1) で表される化合物は、 微生物を利用する製造法、 微生物を利用して得 られた化合物を化学修飾する製造法及び化学的な合成による製造法により製造す ることができる。
微生物を利用する製造法により、 式 (1) で表される化合物のうち以下に示す 化合物を製造することができる。
R1 =H, R2 =H、 R3 =H、 R4 =H、 a =Hである化合物 (キサントシリン X) は、 Penicillium notatumや Penicill ium Chrysogenum等の微生物を用いることにより 製造することができる (GB 898498, Antibiotics Ann (1957) Volume Date 195 6-57 140- 3p及び DE 1123087等) 。
R1 =H, R2 =H、 R3 =CH3、 R4 =H、 Ra こ Hである化合物 (キサントシリン Xモ ノメチルエーテル) は、 Dichotomomyces albus等の微生物を用いることにより製 造することができる (J. Antibiotics 21, 582-587 (1968)、 J. Antibiotics 21 5 87-591 (1968)) 。
R1 =CH3, R2 =H、 R3 =CH3、 R4 =H、 Ra =Hである化合物 (キサントシリン Xジ メチルエーテル) 、 R〗=C2H5、 R2 =H、 R3 =C2H5、 R4 =H、 Ra =11である化合物 (キ サントシリン Xジェチルエーテル) 及び 1^ =(¾、 R2 =H、 R3 =CH3 R4 =0CH3、 Ra =Hである化合物(3—メトキシキサントシリン Xジメチルエーテル)は、 Asper gillus sp. (Strain No.208または No.98)等の微生物を用いることにより製造する ことができる (J. Antibiotics 21 (12) 671-679 (1968)) 。
R1 =H, R2 =0H、 R3 =H、 R4 =H、 Ra =Hである化合物 (キサントシリン Yl) 及 び 、 R2 =0H、 R3 =H、 R4 =0H、 Ra =Hである化合物 (キサントシリン Y2) は、 Penicillium notatum等の微生物を用いることにより製造することができる(C hem. Ber 105 (9), 3061 (1972)) 。
R1 =CH3, R2 =H、 R3 =S03H、 R4 =H、 Ra =Hである化合物 (キサントシリン X モノメチルエーテル硫酸エステル) は Aspergillus sp. (No. FA2692)等の微生物を 用いることにより製造することができる (J. Antibiotics 46 687-688 (1993)) 。 微生物を利用して得られた化合物を化学修飾する製造法により、 式 (1) で表 される化合物のうち以下に示す化合物を製造することができる。
R1 =CH3, R2 =H、 R4 =H、 Ra =H、 R3がアルキル基、 アルキルカルボ二ル基又 はァリールカルポニル基である化合物は、 キサントシリン Xモノメチルエーテル を原料として、 特開平 2— 304058号公報記載の方法に従って製造すること ができる。
27
即ち、 K2C03等の塩基の存在下、 対応するハライド等をキサントシリン Xモノメ チルエーテルに反応させることにより製造することができる。
R2 =H、 R4 =H、 Ra =H、 R1及び R3がアルキルカルボニル基又はァリールカル ポニル基である化合物は、 キサントシリン Xを原料として、 Pharmazie 12, 567- 580 (1957)記載の方法に従って製造することができる。
即ち、 適当な塩基の存在下、 対応する酸無水物又はァシルハライド等をキサン トシリン Xに反応させることにより製造することができる。
R
2 =H、 R
4 =H、 R
a =H、 R
1及び R
3がジアルキルアミノ基で置換されたアルキ ル基である化合物は、 キサントシリン Xを原料として、 DE 11658記載の方法に従 つて製造することができる。
即ち、 対応するハライド等をキサントシリン Xに反応させることにより製造す ることができる。
R
2 =H、 R
4 =H、 R
a =H、 R
1及び R
3がアルキル基である化合物、 R
2がアルコキ シ基、 R
4 =H、 =H、 R
1及び R
3がアルキル基である化合物及び R
a =H、 R
2及び R
4がアルコキシ基、 R
1及び R
3がアルキル基である化合物は、 それぞれ、 キサン トシリン X、 キサントシリン Y 1及びキサントシリン Y 2を原料として、 Chem B er 105(9) 3061 (1972)記載の方法に従って製造することができる。
即ち、 対応するジァゾアルキルをキサントシリン X、 キサントシリン Y 1及び キサントシリン Y 2にそれぞれ反応させることにより製造することができる。 化学的な合成による製造法により、 式 (1) で表される化合物のうち、 R1 =CH 3、 R2 =H、 R3 =C 、 R4 =H、 Ra =Hである化合物 (キサントシリン Xジメチルェ 一テル) を製造することもできる (Angew Chem 74, 215 (1962)、 Chem Ber 98(1)
193-201 (1965)及び DE 1167332) 。
実施例
以下に実施例を示し本発明を更に詳細に説明するが、 本発明はこれら実施例に 限定されるものではない。
製造例 1
500m l容三角フラスコに液体培地 (組成;可溶性でんぷん 2 %、 ダルコ一 ス 0. 5%、 ポリペプトン 0. 2%、 コーンスチープリカー 0. 5%、 ) 1 00 m lを分注し、 120°C、 20分間オートクレープ殺菌した。 これにバシぺトス ボラ属菌株 No. 1 142の 1白金耳を接種し、 25 、 140回転 Z分で 4日 間旋回培養を行った。 ここで得られた培養液を、 上記培地と同一組成の培地 1リ ットルを分注した 5リットル容三角フラスコ (1 8本、 オートクレープ殺菌済) に移植し、 25° (:、 140回転 Z分で 7日間旋回培養を行った。 培養終了後、 得 られた培養液を濾過し、 濾液と菌体を得た。
この培養菌体を 80 %アセトン水 5リットルで 1晚抽出し、 菌体を濾過により 除いた後、 菌体溶出液とした。 この菌体溶出液を減圧濃縮により溶媒除去し、 へ キサン 0. 5リットル添加後得られた水層についてさらに酢酸ェチル 0. 5リツ
トルにて 3回抽出し、 酢酸ェチル層を減圧濃縮して褐色の油状物質約 77 lmg を得た。 これについてクロ口ホルム一メタノール (1 00 : 0〜5) を展開溶媒 とするシリカゲルクロマトグラフィー (2. 5 X 28 cm) を行い、 各画分を濃 縮乾固し、 キサントシリン Xモノメチルエーテルを含む黄色の活性画分 A (約 3 3mg) 及びとキサントシリン Xジメチルェ一テルを含む黄色の活性画分 B (約 37mg) を得た。
引き続き活性画分 Bについては、クロ口ホルム一へキサン溶媒による結晶化を行 い、黄色針状結晶物質キサントシリン Xジメチルエーテルを得た(約 3 Omg)。 また活性画分 Aについては、 へキサン一アセトン (3 : ;!〜 3) を展開溶媒とす るシリカゲルクロマトグラフィー (2. 5 X 28 cm) を行い、 各画分を濃縮乾 固し、 キサントシリン Xモノメチルエーテルを含む活性画分 (約 l lmg) を得 た。 さらに本画分について、 クロ口ホルム一へキサン溶媒による結晶化を行い、 黄色針状結晶物質キサントシリン Xモノメチルエーテルを得た (約 10mg) 。 かくして得られた化合物は、 以下の理化学的性質を示す。
1) 得られたキサントシリン Xモノチルエーテルの理化学的性質:
1. 分子量: 302
2. 組成式: C19H14N202
3. 性状、 色:黄色針状結晶の中性物質
4. 1H核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴ス ベクトルの化学シフト (δ-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 7. 79 (2 H, d) , 7. 72 (2H, d) , 7. 02 (2 H, d) , 7. 01 ( 1 H, s ) , 6. 87 ( 1 H, s ) , 6. 86 (2H, d) , 3. 85 (3 H, s )
5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴の 化学シフト (<5-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 8. 0, 114. 1, 1 1 5. 2, 1 1 5. 6, 1 16. 1, 12
3. 6, 126. 9 , 127. 7, 1 3 1. 4, 131. 7, 159. 8 , 1 6 1. 4, 1 73. 4, 173. 5
6. マススぺクトル: (Ε I一 MS) m/z = 302 (M + )
2) 得られたキサントシリン Xジメチルェ一テルの理化学的性質:
1. 分子量: 316
2. 組成式: C2。H16N202
3. 性状、 色:黄色針状結晶の中性物質
4. ュ11核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴の 化学シフト (<5-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 7. 79 (4H, d) , 7. 02 (2 H, d) , 6. 98 (4H, d) , 3. 87 (6 H, s )
5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴の 化学シフト (δ-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 55. 5, 1 14. 5, 1 1 6. 3 , 124. 9, 127. 5, 13 1. 8, 161. 2 , 173. 3
6. マススぺクトル: (Ε I一 MS) m/z二 3 1 6 (M + )
製造例 2
500m l容三角フラスコに液体培地 (組成;可溶性でんぷん 2 %、 ダルコ一 ス 0. 5 %、 酵母エキス 0. 2%、 リン酸マグネシウム 1 %, 脱脂大豆 1 %) 1 00m lを分注し、 120 、 20分間オートクレープ殺菌した。 これにバシぺ トスボラ属菌株 No. 1 142の 1白金耳を接種し、 25° (:、 140回転 Z分で 4日間旋回培養を行った。 ここで得られた培養液を、 上記培地と同一組成の培地 0. 9リットルを分注した 5リットル容三角フラスコ (5本、 オートクレープ殺 菌済) に移植し、 25 、 140回転 Z分で 1 1日間旋回培養を行った。 培養終 了後、 得られた培養液を濾過し、 濾液と菌体を得た。
この培養菌体を 80%アセトン水 1. 5リットルで 1晚抽出し、 菌体を濾過に
より除いた後、菌体溶出液とした。この菌体溶出液を減圧濃縮により溶媒除去し、 へキサン 0. 4リットル添加後得られた水層についてさらに酢酸ェチル 0. 8リ ットルにて 3回抽出し、 酢酸ェチル層を減圧濃縮して褐色の油状物質約 608m gを得た。 これについてクロ口ホルム一メタノール (100 : 0〜5) を展開溶 媒とするシリカゲルクロマトグラフィー (2. 5 X 28 cm) を行い、 各画分を 濃縮乾固し、 3—メトキシキサントシリン Xジメチルェ一テルおよび 3, 3 ' - ジメトキシキサントシリン Xジメチルエーテルを含む褐色の画分 (約 34mg) を得た。
引き続き、 この画分をァセトニトリルに溶解させ、 C18逆相一分取 HPLC (溶出 液; 75%ァセトニトリル水溶液、 溶出速度; 15m l/分、 吸光度検出器、 カラ ム; Inertsil PREP-ODS 20x250mm, カラム温度; 40°C) で分離精製して、 保持 時間 13. 3分〜 14. 0分の画分を得た。 保持時間 13. 3分〜 14. 0分の 画分を濃縮乾固後、 ァセトニ卜リルに溶解させ、 再び C18逆相—分取 HPLC (溶出 液; 65 %ァセトニトリル水溶液、 溶出速度; 1 5m l /分、 吸光度検出器、 カラ ム; Inertsil PREP-ODS 20x250腿、 カラム温度; 401:) で分離精製して、 保持 時間 25. 4分および 27. 4分の 2画分を得た。 保持時間 25. 4分および 2 7. 4分の画分をそれぞれ濃縮乾固し、 茶褐色物質 3—メトキシキサントシリン Xジメチルエーテル (約 3. 6mg) および茶褐色物質 3, 3 ' —ジメトキシキ サントシリン Xジメチルエーテル (約 5. 5mg) を得た。
かくして得られた化合物は、 以下の理化学的性質を示す。
1) 得られた 3—メトキシキサントシリン Xジメチルエーテルの理化学的性質:
1. 分子量: 346
2. 組成式: C21H18N203
3. 性状、 色:茶褐色の中性物質
4. 核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴ス ベクトルの化学シフト (δ-値) を以下に示す。
δ ( pm) : 7. 79 (2 H, s ) , 7. 49 (H, d ) , 7. 36 (H, d d ) , 7. 03 (H, s) , 7. 02 (H, s) , 6 . 99 (2H, d) , 6. 95 (H, d) , 3. 96 (3 H, s) , 3. 9 5 (3 H, s ) , 3. 88 (3 H, s ) 5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴の 化学シフト (<5-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 55. 5 , 56. 1 , 1 1 1. 2 1 1 1 9 1 14 5 1 6. 3, 116. 2, 124. 6, 124. 9 125 127 6 2
7. 8 , 131 8 149. 1, 1 50. 9, 161. 2 173. 3, 7 3. 5
6. マススぺクトル (Ε I -MS) m/z = 346 (M + )
2) 得られた 3, 3 ' ージメトキシキサントシリン Xジメチルェ一テルの理化学 的性質:
1. 分子量: 376
2. 組成式: し 22H20N2O4
3. 性状、 色:茶褐色の中性物質
4. 核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した水素核磁気共鳴の 化学シフト (<5-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 7. 79 (2 H, d) , 7. 08 (2 H, s) , 7. 05 (H, s) , 7. 00 (H, s ) , 6. 99 (2 H, d) , 3. 92 (9 H, s ) , 3.
87 (3H, s )
5. 13 C核磁気共鳴スぺクトル:重クロ口ホルム中で測定した炭素核磁気共鳴の 化学シフト (<5-値) を以下に示す。
δ (ppm) : 55. 5, 56. 2, 6 1. 1, 1 07. 4, 1 14. 6, 1 16. 0 , 117. 5, 124. 7 , 127. 5, 127. 8, 128. 3, 1 32. 0, 140. 1, 153. 3, 161. 4, 173. 5, 173. 9
6. マススペクトル: (E I—MS) m/z = 376 (M + )
試験例 1 トロンポポェチン (TP0) 依存性細胞株の増殖促進活性 (1)
(1) 細胞及び培養
本発明化合物であるキサントシリン Xモノメチルエーテルのトロンポポェチン (TP0)レセプター応答性を、ヒト白血病細胞株 UT7/EP0- mp 1を用いて測定した。 細胞株 UT7/EP0_m p 1は Takatokuらの方法 (J. Biol. Chem. , 272: 7259-7263 (1 997)) により、 cytomegalovirusプロモーター制御下にてヒトトロンポポェチンレ セプター (c-mp 1 ) 発現を誘導するベクターをヒト白血病細胞株 UT7/EP0 に導 入した安定形質転換細胞株であり、トロンポポェチンに応答して増殖反応を示す。 なお、その親株である UT7/EP0細胞はトロンポポェチンに応答性を示さない。上記 2種の細胞は 10 %牛血清(TRACE SCIENTIFIC)を含む IMDM培地(GIBC0) 中で、 C02インキュべ一夕一 (5%C02、 37°C) を用いて継代培養した。
( 2 ) MTT法による細胞増殖の測定
上記継代培養細胞を PBSで 2回洗浄後、 細胞濃度が 6 X 104個 Zmlとなるよう に 10 %牛血清を含む IMDM培地に懸濁し、 この懸濁液 100 1を組織培養用 9 6穴プレート (CORNING) に移した。 さらに、 別途 DMS0中に溶解したキサントシリ ン Xモノメチルエーテルを 1 0 %牛血清を含む IMDM培地にて 83倍希釈した後、 上記細胞懸濁液に 20 a 1ずつ添加した。 引き続き、 本細胞懸濁液を C02インキュ ベータ一 (5%C02、 37°C) 中にて 4日間培養した。 細胞増殖はモスマンらの方 法 ( J . I mm u n o 1 o g i c a 1 Me t h o d s, 65 : 55— 63
( 1983) ) に準じて測定した。 すなわち、 各穴に 10 ^ 1の 5mgZml MTT試薬 (SIGMA) を添加し、 37°Cにて 4時間加温した。 生成したホルマザン色 素を各穴当たり 1 50 1のイソプロパノール Z0. lmol/L-HC 1溶液にて溶解 した後、 96穴マイグロプレートリーダー (BI0— RAD、 M450) を用いて 55 O n mの吸光度を測定した。 UT7/EP0- mp 1細胞を用いた時の結果を図 1に示した。 また、トロンポポェチンレセプターが発現していない UT7/EP0細胞を用いた時の結 果を図 2に示した。
試験例 2 トロンポポェチンレセプ夕一シグナル伝達活性
本発明化合物であるキサン卜シリン Xモノメチルェ一テルのトロンポポェチン レセプ夕一シグナル伝達活性を、 小松らの方法 (Blood, 87 : 4552-456 0 ( 1996) ) に準じて測定した。 ヒト白血病細胞株 UT7/EP0- mp 1を PBSで 3 回洗浄後、 細胞濃度が 9 X 105個/ mlとなるように 10 %牛血清 (TRACE SCIE NTIFIC) を含む IMDM培地 (GIBC0) に懸濁し、 C02インキュベーター (5%C02、 3 7 ) 中にて 18時間培養した。 本細胞懸濁液 2m l (7 Χ 10 ΘΖπι1) に終 濃度 30 n g/m 1のトロンポポェチンあるいは別途 DMSO中に溶解した終濃度 1 II g/m 1のキサントシリン Xモノメチルエーテルを添加し、 37°Cにて 1〜 1 5分加温した後、 細胞を 1. 4m lの TNEバッファー 〔20mM Tr i s-HC 1 (pH7.4), 1 50mM NaCl, ImM EDTA, 1% Triton X - 100, ImM PMSF, ImM Na3V04, 1/400希釈 Pr otease inhibitor cocktail (SIGMA)) にて溶解した。 溶解液を遠心後、 上清を各 種シグナル伝達に関与する蛋白質に対する抗体 〔anti- Jak2 (UPSTATE BIOTECHNO LOGY) 、 anti-Tyk2 (UPSTATE BIOTECHNOLOGY) 、 anti - STAT3 (SANTA CRUZ BIOTE CHN0L0GY) 、 anti- STAT 5 A (UPSTATE BIOTECHNOLOGY) 、 anti -PLC r 1 (UPSTATE BIOTECHNOLOGY) 〕 及びプロテイン Gセファロース (PHARMACIA) を用いて免疫沈降 した。引き続き蛋白質をサンプルバッファ一にて変性し、 SDSポリアクリルアミド ゲル電気泳動 (7. 5 %) にて分離した。 これを 100V、 1時間の条件にて PVD F膜 (ATT0、 0. 2 am) に転写し、 アルカリフォスファターゼを標識した抗リン 酸化チロシン抗体 (RC20、 TRANSDUCTION LABORATORIES) を用いてチロシンリ ン酸化された蛋白質を検出した。 発色には 150 ^ g/m 1の NBT (BI0-RAD) 及 び 300 g/m 1の BCIP (BI0-RAD) を用いた。 その結果を表 1に示す。
表 1
DMSO キサントシリン Xモノメチルエーテル 卜ロンポポェチン
Jak2 + +
Tyk2 + +
STAT 3 + +
STAT 5 A + +
PLC r 1 + +
図 1に示したように、 トロンポポェチン応答性細胞株 UT7/EP0-m p 1の増殖は キサントシリン Xモノメチルエーテルの添加により濃度依存的に促進された。 図 2に示したように、本化合物は上記細胞の親株である UT7/EP0の増殖には影響を及 ぼさなかった。 以上の結果より、 本発明化合物であるキサントシリン Xモノメチ ルエーテルはトロンポポェチンレセプ夕一に特異的に作用し、 その活性化剤とし て働くことが明らかとなった。
表 1に示したように、キサントシリン Xモノメチルエーテルの刺激により Jak2、 Tyk2、 STAT 3 , STAT 5 A及び PLC r 1のリン酸化が促進されることが明らかとなつ た。 このリン酸化促進はトロンポポェチンによるものと同一であった。 以上の結 果より、 本発明化合物はトロンポポェチンと同じシグナルを伝達することにより ァゴニスト活性を発現することが明らかとなった。
試験例 3 トロンポポェチン (TP0) 依存性細胞株の増殖促進活性 (2 )
本発明化合物である 3—メトキシキサントシリン Xジメチルェ一テルのトロン ポポェチン (TP0) レセプ夕一応答性を、 ヒト白血病細胞株 UT7/EP0- m p 1を用い て測定した。
試験例 1 (1) の方法に従って継代培養した細胞を PBSで 2回洗浄後、 細胞濃度 が 6 X I 04個 /mlとなるように 1 0 %牛血清を含む IMDM培地に懸濁し、 この懸 濁液 1 00 1を組織培養用 96穴プレート (CORNING) に移した。 さらに、 別途 DMS0中に溶解した 3—メトキシキサントシリン Xジメチルエーテルを 10 %牛血 清を含む IMDM培地にて 83倍希釈した後、 上記細胞懸濁液に 20 n 1ずつ添加し た。 引き続き、 本細胞懸濁液を C02インキュベータ一 (5 %C02、 37°C) 中にて 4日間培養した。 細胞増殖は WST- 8試薬 (岸田化学) を用い、 添付の説明書に従つ て測定した。 すなわち、 各穴に 10 1の 5 mMの WST- 8試薬溶液を添加し、 37 °C にて 4時間加温した。 生成したホルマザン色素は 96穴マイクロプレートリーダ 一(日本モレキュラーデバイス、 Spectramaxl90) を用いて 450 nmの吸光度を測定 した。 UT7/EP0- mpl細胞を用いた時の結果を図 3に示した。 また、 トロンポポェチ ンレセプターが発現していない UT7/EP0細胞を用いた時の結果を図 4に示した。 図 3に示したように、トロンポポェチン応答性細胞株 UT7/EP0-即 1の増殖は 3— メトキシキサントシリン Xジメチルエーテルの添加により濃度依存的に促進され た. 図 4に示したように、本化合物は上記細胞の親株である UT7/EP0の増殖には影 響を及ぼさなかった。 以上の結果より、 本発明化合物である 3—メトキシキサン トシリン Xジメチルェ一テルはトロンポポェチンレセプターに特異的に作用し、 その活性化剤として働くことが明らかとなった。
製剤例 1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分 式 (1) で表される化合物 10mg
乳糖 700 m g
コーンスターチ 274mg
HP C-L 16mg
100 Omg
式 (1) で表される化合物と乳糖を 60メッシュのふるいに通す。 コーンス夕
P T/JP2003/010353
40 ーチを 1 20メッシュのふるいに通す。 これらを V型混合機にて混合する。 混合 末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース (HPC- L)水溶液を添加し、 練合、 造粒 (押し出し造粒 孔径 0.5〜lmm) した後、 乾燥する。 得られた乾燥顆粒を振動ふ るい (12/60メッシュ) で篩過し顆粒剤を得る。
製剤例 2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分 式 (1) で表される化合物 10mg
乳糖 79 m g
コーンスターチ 1 Omg
ステアリン酸マグネシウム lmg
10 Omg
式 (1) で表される化合物と乳糖を 60メッシュのふるいに通す。 コーンス夕 ーチを 1 20メッシュのふるいに通す。 これらとステアリン酸マグネシウムを V 型混合機にて混合する。 10倍散 10 Omgを 5号硬ゼラチンカプセルに充填する。 製剤例 3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分 式 (1) で表される化合物 1 5mg
乳糖 90 m g
コーンスターチ 42mg
HPC-L 3mg
150 m g
式 (1) で表される化合物と乳糖を 60メッシュのふるいに通す。 コーンス夕 —チを 120メッシュのふるいに通す。 これらを V型混合機にて混合する。 混合 末に低粘度ヒドロキシプロピルセルロース (HPC- L)水溶液を添加し、 練合、 造粒 した後、 乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい (12/60メッシュ) で篩過し整 粒し、 その 15 Omgを 4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例 4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 式 (1) で表される化合物 10 m g
乳糖 9 Omg
微結晶セルロース 30 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 m g
CMC-Na 1 5 m g
1 50 m g
式(1) で表される化合物と乳糖と微結晶セルロース、 CMC- Na (カルボキシメチ ルセルロース ナトリウム塩)を 60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末 にステアリン酸マグネシウムを添加し、 製剤用混合末を得る。 本混合末を直打し 1 5 Omgの錠剤を得る。
製剤例 5
静脈用製剤は次のように製造する。
式 (1) で表される化合物 10 Omg
飽和脂肪酸ダルセリド 1000m l
上記成分の溶液は通常、 1分間に lm 1の速度で患者に静脈内投与される。 産業上の利用可能性
本発明化合物は、 トロンポポェチンレセプターに親和性及びァゴニスト作用を 示すため、 トロンポポェチンレセプター活性化作用が有効な疾患の予防 ·治療 · 改善薬、 特に、 血小板減少症等の血小板数の異常を伴う血液疾患の病態に対する 薬剤や血管内皮および内皮前駆細胞の分化増殖を促進することで治療予防できる 病態に対する薬剤として用いることができ、 医薬品として有用である。