明 糸田 書 ァクリル系プロック共重合体および熱可塑性樹脂組成物 技術分野
本発明は、 従来存在しなかった柔軟性に富み、 機械強度、 成形加工性、 耐油性、 耐熱性、 耐熱分解性、 耐候性、 圧縮永久歪みに優れ、 さらには反 応性に富むァクリル系ブロック共重合体および組成物に関する。
また、 本発明は、 前記アクリル系ブロック共重合体、 ならびにァクリ レ 系ブロック共重合体からなる組成物を用いた自動車用、 家庭用電気製品用 または事務用電気製品用のシール製品および自動車 ·電気 ·電子部品に関 する。
さらに、 本発明は、 前記アクリル系ブロック共重合体の製造方法に関す る。 背景技術
加硫ゴムは、 優れた柔軟性とゴム弾性を備えているが、 成形時、 ゴムに 添加剤を配合し、 加硫する必要があるため、 成形サイクル時間が長く、 か つ工程が煩雑であり、 成形性に問題がある。 また、 加硫ゴムはいつたん成 形加硫したのちは再加熱しても溶融しないため、 接合するなどの後加工が できない、 使用犖にリサイクルする事が困難という問題もある。
このよ な点から近年、 熱可塑性エラストマ一が加硫ゴムに代わって使 用されるようになってきている。 たとえば、 自動車の車両においては、 ガ ラスランチャンネル、 ウエザーストリップ、 各種ブーツ、 水切りモールな ど様々なシール部品が使用されている。 そのうちの大部分は加硫型のゴム が用いられているが、 燃費向上、 環境問題の観点から、 近年そのシール部
品の一部に軽量でリサイクル可能なォレフィン系熱可塑性エラストマ一が 用いられ始めている。
一般に熱可塑す生エラストマ一はエントロピ一弾性を発揮するゴム成分 (ソフトセグメント) と、 高温では流動するが、 常温では塑性変形を防止 してゴム成分に補強効果を与える拘束成分 (ハードセグメント) からなる ァロイ構造を取っている。 たとえば、 スチレン系エラストマ一ではスチレ ンブロックが凝集してハ一ドセグメン卜として働き、 ブタジエン系プロッ クまたはイソプレン系ブロックがマトリクスとなりソフトセグメントとし て働く。 また、 才レフィン系エラストマ一では、 エチレン一プロピレン一 ジェン共重合ゴム (EPDM) などのゴムがポリプロピレン (PP) など の樹脂中に分散する構造を取るァロイ構造を取っている。 いずれもハード セグメントが高温では流動することにより、 射出成形など熱可塑性の加工 が可能である。 しかしながら、 従来のスチレン系あるいはォレフィン系熱 可塑性エラストマ一は、 加硫ゴムに比べてゴム弾性や耐熱性 (この場合の 耐熱 ^feは高温における圧縮永久歪み特性などを意味する) が充分でない上 に、 耐油性が悪いといった欠点を有している。 一方、 耐油性に優れる熱可 塑性エラストマ一として、 近年、 特許第 2553134号公報に開示され るようにメタアクリルブロックとアクリルブロックを有するァクリル系ブ ロック体が開示されているが、 これらもスチレン系エラストマ一同様、 成 形加工性は非常に良好であるが、 耐熱性に劣るといった欠点を有する。 ま た、 熱可塑性エラストマ一は、 高温ではハードセグメントが流動するため に、 射出成形などの熱可塑性の加工が可能であるが、 熱可塑性エラスト マーの熱分解温度が射出成形温度よりも低い場合には、 熱可塑性エラスト マ一の熱劣化を生じる場合があり、 特に、 メタアクリル系重合体は、 17 0〜250°Cで角军重合により単量体へと分解するものが多く (P o 1 ym e r Hand b ook Th i r d Ed i t i on i Wi l e y— I
n t e r s c i e n c e 1 989) 、 高温熱安定性が必要とされる場合 には、 用いることができないという欠点も有する。
他方、 熱可塑性エラストマ一は、 熱可塑性樹脂の耐衝撃性を高めるなど、 樹脂改質を目的として添加したり、 あるいは熱可塑性樹脂とコンパウンド して軟質材料として用いることは既に公知である (たとえば、 特開平 10 - 279738号公報参照) 。 しかしながら、 スチレン系エラストマ一や ォレフィン系エラストマ一は、 非極性樹脂であるため、 他の非極性樹脂の 改質は可能であるが、 極性樹脂との相溶性が悪いために、 極性樹脂の改質 を目的とする場合には、 相溶化剤を別に添加したり、 熱可塑性エラスト マ一に無水マレイン酸のごとき化合物をグラフト、 付加させることによつ て改質を行なう必要がある (たとえば、 特開平 7— 173390号公報、 特開 2000— 265033号公報参照) 。 この場合、 改質は行なえるも のの、 やはりスチレン系あるいはォレフィン系熱可塑性エラストマ一自身 の特性に起因して耐油性が低下してしまう。 また、 前記のアクリル系ブ ロック体の場合も、 スチレン系ある はォレフイン系熱可塑性エラスト マーに比べて fl&油性や相溶'性は良好であるものの不充分なレベルであつた。 そこで、 耐油性や耐熱性、 耐熱分解 '1生全てに優れ、 さらには熱可塑性樹脂 の改質ゃコンパウンド特性に優れる熱可塑性エラストマ一の開発が望まれ ていた。
たとえば、 従来耐油性や耐熱性、 ゴム弾性を有する材料として、 二トリ ルゴム (NBR) 、 ァクリフレゴム (ACM) 、 シリコーンゴム (VMQ) およびクロロプレンゴム (CR) など力あり、 これらは自動車用シール製 品、 家庭用電気製品用シール製品および事務用電気製品用シール製品およ び、 自動車、 電気、 電子部品等に使用されているが、 前記のとおり、 添加 剤を配合、 混練して得られた混練物を金型内に供給したのち、 加硫する必 要があるため、 特殊な成形機を必要とし、 成形サイクル時間が長く、 かつ
工程が煩雑であることから、 有望な熱可塑生エラストマ一が望まれていた。 発明の開示
本発明は、 柔軟性に富み、 機械強度、 成形加工性、 耐油性、 耐熱性、 耐 熱分解性、 耐候性および圧縮永久歪みに優れ、 さらには反応性に富む新規 なアクリル系ブロック共重合体および該ァクリル系ブロック共重合体の製 造方法を提供することを目的とする。
また、 本発明は、 前記アクリル系ブロック共重合体、 ならびにアクリル 系ブロック共重合体を用いた組成物、 自動車用シール製品、 家庭用電気製 品用シール製品または事務用電気製品用シール製品などのシ一ル製品、 お よび、 自動車、 電気 ·電子部品を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために検討した結果、 メタァクリル系重合体ブ口ッ ク (a ) 、 およびアクリル系重合体ブロック (b ) からなり、 少なくとも 一方の重合体プロックの主鎖中に特定の酸無水物基を有することを特徴と するアクリル系ブロック共重合体が、 柔軟ィ生に富み、 機械強度、 成形加工 '1生、 耐油性、 耐熱性、 耐熱分解性および庄縮永久歪みに優れ、 さらには反 応性に富むことを見出し、 本発明を完成するに到った。
すなわち、 本発明は、 (a ) メタアタリリレ系重合体ブロック、 および ( b ) アクリル系重合体ブロックからなり、 少なくとも一方の重合体ブロッ クの主鎖中に、 一般式 (1 ) :
(式中、 R 1は水素またはメチル基で、 互いに同一でも異なっていてもよ い。 nは 0〜3の整数、 mは 0または 1の整数) で表わされる (c ) 酸無
水物基を少なくとも 1つ有することを特徴とするァクリル系ブ口ック共重 合体に関する。
前記アクリル系ブロック共重合体に (d) 力ルポキシル基を 0. 1〜5 0重量%有することが好ましい。
(a-b) n型、 b— (a— b) n型および (a_b) n— a型からなる 群より選択される少なくとも 1種のアクリル系ブロック共重合体からなる ことが好ましい。
前記ァクリル系ブロック共重合体の数平均分子量が 30000〜 500 000であることが好ましい。
ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィ一で測定した前記ァクリ ^(レ系ブ ロック共重合体の重量平均分子量 (Mw) と数平均分子量 (Mn) の比 ( Mw/Mn) が 1〜1. 8であることが好ましい。
前記ァクリル系ブ口ック共重合体が、 ァクリル系ブ口ック共重合体全体 中、 メタアクリル系重合体ブロック (a) 5〜80重量%およびアクリル 系重合体ブロック (b) 95〜20重量%からなることが好ましい。
酸無水物基 (c) をメタアクリル系重合体ブロック (a) に有すること が好ましい。
酸無水物基 (c) をアクリル系重合体ブロック (b) に有することが好 ましい。
酸無水物基 (c) を、'アクリル系ブロック共重合体 (A) 全体中、 0. 1〜99. 9重量%有することが好ましい。
酸無水物基 (c) を有するブロックと同じブロックに、 力ルポキシル基 (d) を有することが好ましい。
アクリル系重合体ブロック (b) が、 アクリル酸 n—プチル、 アクリル 酸ェチルおよびァクリル酸 2—メトキシェチルからなる群より選ばれた少 なくとも 1種以上のアクリル酸エステル 50〜100重量%、 ならびに、
これらと共重合可能な他のアクリル酸エステルおよび/または他のビニル 系単量体 0〜5 0重量%からなることが好ましい。
アクリル系重合体ブロック (b ) が、 アクリル酸 n—ブチル、 アクリル 酸ェチル、 アクリル酸 2—メトキシェチルからなることが好ましい。 アクリル系重合体ブロック (b ) が、 アクリル酸 n—ブチル、 アクリル 酸 2—メトキシェチルからなることが好ましい。
アクリル系重合体ブロック (b ) が、 アクリル酸 n—ブチル、 アクリル 酸 2—ェチルへキシルからなることが好ましい。
前記ァクリル系ブ口ック共重合体を加水分解して酸無水物基が開環し、 側鎖に (e ) カルボキシル基を有することが好ましい。
前記ァクリル系ブ口ック共重合体が、 原子移動ラジカル重合により製造 されたブロック共重合体であることが好ましい。
前記 (A) アクリル系ブロック共重合体と、 (B) 架橋ゴム、 (C) 熱 可塑性樹脂、 (D) 熱可塑性エラストマ一、 (E ) 滑剤、 ( F ) 無機充填 剤ならびに (G) 安定剤からなる群から選ばれる 1種以上からなる組成物 に関する。
前記組成物が、 組成物全体中、 アクリル系ブロック共重合体 (A) 0 . 5 - 9 9 . 5重量%と、 熱可塑性樹脂 (C) および/またま熱可塑性エラ ストマ一 (D) 9 9 . 5〜0 . 5重量%とからなることが好ましい。 熱可塑性樹脂 (C) が、 ポリ塩化ビニル樹脂、 ポリメチルメ夕クリレー ト樹脂、 アクリロニトリル一スチレン共重合樹脂、 メチルメタクリレート 一スチレン共重合樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 ポリエステル樹脂および ポリアミド樹脂からなる群より選ばれた熱可塑性樹脂であって、 熱可塑性 エラストマ一 (D) がスチレンエラストマ一、 ォレフィンエラストマ一、 ウレタンエラストマ一、 塩化ビニルエラストマー、 アミドエラストマー、 エステルエラストマ一およびァクリルエラストマ一からなる群より選ばれ
た熱可塑性エラストマ一であることが好ましい。
前記組成物が、 アクリル系ブロック共重合体 (A) 1 0 0重量部に対し て、 滑剤 (E ) 0 . 0 :!〜 5 0重量部および/または無機充填剤 (F ) 0 . 0 1〜3 0 0重量部を含有することが好ましい。
アクリル系ブロック共重合体 (A) が、 アクリル酸 n—ブチル単位、 ァ クリル酸ェチル単位およびァクリル酸 2—メトキシェチル単位からなる群 より選ばれた 1種以上のァクリル酸エステル単位を含有することが好まし い。
メタアクリル系重合体ブロック (a ) 、 アクリル系重合体ブロック ( b ) の少なくとも一方の重合体ブロック主鎖中に、 一般式 (2 ) :
(式中、 R 2は水素またはメチル基を表す。 R 3は水素、 メチル基、 また はフエ二ル基を表し、 少なくともひとつのメチル基を含むこと以外は互い に同一でも異なっていてもよい) で表わされる単位を少なくとも 1つ有す る (Α') アクリル系ブロック共重合体を、 1 8 0〜3 0 0 °Cの温度で溶 融混練することを特徴とする前記ァクリル系ブ口ック共重合体の製造方法 に関する。
アクリル系ブロック共重合体 (Α') が制御ラジカル重合により製造さ れることが好ましい。
アクリル系ブロック共重合体 (Α) を水と共に溶融混練することが好ま しい。
前記アクリル系ブロック共重合体 (Α) を成形してなるシール製品に関
する。
前記組成物からなるシール製品に関する。
前記アクリル系ブロック共重合体 (A) からなる自動車 ·電気 ·電子用 部品に関する。 発明を実施するための最良の形態
本発明は、 (A) アクリル系ブロック共重合体であって、 メタアクリル 系重合体ブロック (a ) 、 およびアクリル系重合体ブロック (b ) からな り、 少なくとも一方の重合体ブロックの主鎖中に、 一般式 (1 ) :
(式中、 R 1は水素またはメチル基で、 互いに同一でも異なっていてもよ い。 nは 0〜3の整数、 mは 0または 1の整数) で表わされる酸無水物基
( c ) を少なくとも 1つ有することを特徴とするアクリル系ブロック共重 合体に関する。
以下に、 本発明を詳細に説明する。
<アクリル系ブロック共重合体 (A) >
本発明のアクリル系ブロック共重合体 (A) の構造は、 線状ブロック共 重合体または分岐状 (星状) ブロック共重合体であり、 これらの混合物で あってもよい。 このようなブロック共重合体の構造は、 必要とされるァク リル系ブロック共重合体 (A) の物性、 架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹脂 ( C) などとの組成物に必要とされる加工特性や機械特性などの必要に応じ て使い分けられるが、 コスト面や重合容易性の点で、 線状ブロック共重合 体が好ましい。
前記 5嫁状ブロック共重合体は、 いずれの構造のものであってもかまわな い。 線状ブロック共重合体の物性、 または組成物の物性の点から、 メタァ クリル系重合体ブロック (a) を a、 アクリル系重合体ブロック (b) を bと表現したとき、 (a— b) n型、 b— (a-b) n型および (a— b ) n— a型 (nは 1以上の整数、 たとえば 1〜3の整数) からなる群より 選択される少なくとも 1種のアクリル系ブロック共重合体からなることが 好ましい。 特に限定されないが、 これらの中でも、 加工時の取り扱い容易 性や、 組成物の物性の点から a— b型のジブ口ック共重合体、 a-b- a 型のトリブロック共重合体、 またはこれらの混合物が好ましい。
酸無水物基 (c) は、 メタアクリル系重合体ブロック (a) 、 アクリル 系重合体ブロック (b) の少なくとも一方の重合体ブロック当たりに、 少 なくとも 1つ導入されていることが特徴であり、 その数が 2つ以上である 場合には、 その単量体が重合されている様式はランダム共重合またはプロ ック共重合であることができる。 a— b— a型のトリブロック共重合体を 例にとって表わすと、 (aZz) _b— a型、 (aZz) — b— (a/z ) 型、 z— a_b— a型、 z— a— b— a— z型、 a— (b/z) 一 a型、 a— b— z_a型、 a— z— b— z— a型、 (aZz) — (b/z ) ― ( a/z) 型、 z _ a— z— b— z _ a— z型などのいずれであってもよい。 ここで zとは、 酸無水物基 (c) を含む単量体または重合体ブロックを表 し、 Zz) とは、 メタアクリル系重合体ブロック (a) に酸無水物基 (c) を含む単量体が共重合されていることを表し、 (bZz) とは、 7 クリル系重合体ブロック (b) に酸無水物基 (c) を含む単量体が共重合 されていることを表す。
また、 メタアクリル系重合体ブロック (a) あるいはアクリル系重合体 ブロック (b) 中で zの含有される部位と含有される様式は自由に設定し てよく、 目的に応じて使い分けることができる。
アクリル系ブロック共重合体 (A) の数平均分子量は、 とくに限定され ず、 メタアクリル系重合体ブロック (a) とアクリル系重合体系ブロック
(b) にそれぞれ必要とされる分子量から決めればよい。 分子量が小さい 場合には、 エラストマ一として充分な機械特性を発現出来ない場合があり、 逆に分子量が必要以上に大きいと、 加工特性が低下する場合がある。 上記 観点から、 好ましいアクリル系ブロック共重合体 (A) の数平均分子量は、 30000〜 500000が好ましく、 より好ましくは 40000〜4 0 0000、 さらに好ましくは 50000〜 300000である。
ァクリフレ系ブロック共重合体 (A) のゲルパーミエーシヨンクロマ卜グ ラフィ一で測定した重量平均分子量 (Mw) と数平均分子量 (Mn) の比
(Mw Mn) も、 とくに限定はないが、 1〜1. 8であることが好まし く、 1〜 1. 5であることがさらに好ましい。 MwZMnが 1. 8をこえ るとァクリル系プロック共重合体の均一性が低下する場合がある。
アクリル系ブロック共重合体 (A) を構成するメタアクリル系重合体ブ ロック (a) とアクリル系重合体ブロック (b) の組成比はとくに限定さ れず、 使用する用途において要求される物性、 組成物の加工時に要求され る成形性、 およびメタアクリル系重合体ブロック ) とアクリル系重合 体ブロック (b) にそれぞれ必要とされる分子量から決めればよい。 好ま しいメタアクリル系重合体ブロック (a) とアクリル系重合体ブロック ( b) の組成比の範囲を例示すると、 メタアクリル系重合体ブロック (a) が 5〜8 0重量%、 アクリル系重合体ブロック (b) が 95〜20重量% であることが好ましい。 より好ましくは、 メタアクリル系重合体ブロック
(a) 力 10〜70重量%、 アクリル系重合体ブロック (b) が 90〜3 0重量%である。 さらに好ましくは、 メタアクリル系重合体ブロック (a ) が 10〜60重量%、 アクリル系重合体ブロック (b) が 90〜40重 量%である。 とくに好ましくはメタアクリル系重合体ブロック (a) 力
0〜50重量%、 アクリル系重合体ブロック (b) が 8 0〜50重量%で ある。 メタアクリル系重合体プロック (a) の割合が 5重量%より少ない と、 高温でのゴム弾性が低下する場合があり、 80重量%より多いと、 ェ ラストマーとしての機械特'性、 特に破断伸びが低下したり、 熱可塑性樹脂 との組成物の柔軟性が低下する場合がある。
アクリル系ブロック共重合体 (A) を構成するメタアクリル系重合体ブ ロック (a) とアクリル系重合体ブロック (b) のガラス転移温度の関係 は、 メタアクリル系重合体ブロック (a) のガラス転移温度を Tga、 ァ クリル系重合体ブロック (ID) のガラス転移温度を T gbとして、 下式の 関係を満たすことが好ましレ
Tga>Tgb
前記重合体 (メタァクリ レ系重合体ブロック (a) およびアクリル系重 合体ブロック (b) ) のガラス転移温度 (Tg) の設定は、 下記の Fox 式に従い、 各重合体部分の単量体の重量比率を設定することにより行なう ことができる。
1/Tg= (W^Tg^ + (W2 ZTg2) +…十 (Wm/Tgm)
Wi+W2 +…十 Wm=l
式中、 Tgは重合体部分のガラス転移温度を表わし、 Tg Tg2,
···, Tgmは各重合単量体のガラス転移温度を表わす。 また、 w15 w2, ···, wmは各重合単量体の重量比率を表わす。
前記 F o X式における各重合単量体のガラス転移温度は、 たとえば、 P o l yme r Handb o ok Th i r d Ed i t i o n (W i 1 ey- I n t e r s c i e n c e 1 989) 記載の値を用いればよい。 なお、 前記ガラス転移温度は、 DSC (示差走査熱量測定) または動的 粘弾性の t an δピークにより測定することができる力 メタアクリル系 重合体ブロック (a) とアクリル系重合体ブロック (b) の極性が近すぎ
たり、 ブロックの単量体の連鎖数が少なすぎると、 それら測定値と、 前記 F o X式による計算式とがずれる場合がある。
前記、 一般式 (1 ) :
(式中、 R 1は水素またはメチル基で、 互いに同一でも異なっていてもよ レ nは 0〜3の整数、 mは 0または 1の整数) で表わされる酸無水物基
( c ) のブロック共重合体への導入方法は、 特に限定されないが、 導入容 易性や導入後の精製の簡便性などの点で、 酸無水物基 (c ) の前駆体とな る官能基の形、 例えば一般式 (2 ) の形でアクリル系ブロック共重合体 ( A) に導入し、 そののちに環化させることによって導入することが好まし レ
一般式 (1 ) 中の nは 0〜3の整数であって、 好ましくは 0または 1で あり、 より好ましくは 1である。 nが 4以上の場合は、 重合が煩雑になつ たり、 酸無水物基の環化が困難になる場合がある。
一般式 (1 ) 中の mは 0または 1の整数であって、 n力 0の場合は mも 0であり、 nが 1〜3の場合は、 mは 1であることが好ましい。
酸無水物基 (c ) は、 メタアクリル系重合体ブロック (a ) およびァク リル系重合体ブロック (b ) のどちらか一方のブロックのみに含有してい てもよいし、 両方のブロックに含有していてもよく、 アクリル系ブロック 共重合体 (A) の反応点や、 アクリル系ブロック共重合体 (A) を構成す るブロック (メタアクリル系重合体ブロック (a ) およびアクリル系重合 体ブロック (b ) ) の凝集力やガラス転移温度、 さらに 必要とされるァ クリル系ブロック共重合体 (A) の物性など、 目的に応じ酸無水物基 (c
) 導入条件が好適になるよう使いわけることができる。 たとえば、 酸無水 物基を反応点として、 アミノ基、 水酸基などを有する化合物を用いて、 メ 夕アクリル系重合体ブロック (a) やアクリル系重合体ブロック (b) を 選択的に変性、 あるいは反応させたい場合には、 酸無水物基 (c) を変性 あるい tま反応させたいブロックに導入すればよい。 また、 アクリル系プロ ック共重合体 (A) の耐熱性や耐熱分解性向上の点では、 酸無水物基 (c ) を タアクリル系重合体ブロック (a) に導入すればよく、 アクリル系 ブロック共重合体 (A) に耐油性や、 さらなるゴム弾性や圧縮永久歪み特 性を付与する観点では酸無水物基 (c) をアクリル系重合体ブロック (b ) に架橋性の反応部位 (架橋点) などとして導入すればよい。 特に限定さ れない:^、、 反応点の制御や、 耐熱性、 ゴム弾性などの点では、 メタァクリ ル系重合体ブロック (a) あるいはアクリル系重合体ブロック (b) のど ちらか一方のブロックに有することが好ましい。
また、 特に限定されないが、 メタアクリル系重合体ブロック (a) に含 む場合 tま一般式 (1) の R1はともにメチル基であることが好ましく、 ァ クリル系重合体ブロック (b) に含む場合は、 一般式 (1) の R1はとも に水素であることが好ましい。 メタアクリル系重合体ブロック (a) に含 む場合に R1が水素である場合や、 アクリル系重合体ブロック (b) に含 む場合に R1がメチル基である場合は、 アクリル系ブロック共重合体 (A ) の重合操作が煩雑になったり、 メタアクリル系重合体ブロック (a) と アクリル系重合体ブロック (b) のガラス転移温度の差が小さくなり、 ァ クリル系ブロック共重合体 (A) のゴム弾性が低下する傾向にある。 前記酸無水物基 (c) の含有数の好ましい範囲は、 酸無水物基 (c) の 凝集力、 反応性、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の構造および組成、 アクリル系ブロック共重合体 (A) を構成するブロックの数、 ガラス転移 温度、 ならびに、 酸無水物基 (c) の含有される部位および様式によって
変化する。 酸無水物基 (C) の含有量の好ましい範囲を例示すると、 ァク リル系ブロック共重合体 (A) 全体中の 0. 1重量%以上、 かつ 99. 9 重量%以下が好ましく、 0. 5重量%以上、 かつ 99. 9重量%以下がよ り好ましい。 0. 1重量%より少ない場合、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の反応性や熱可塑性樹脂との相溶性が不充分になる場合がある。 ま た、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の而 ί熱性向上や耐熱分解性向上を 目的に、 Tgの高い酸無水物基 (c) をハ一ドセグメントであるメタァク リル系重合体ブロック (a) に導入する場合、 0. 1重量%より少ないと、 耐熱性や耐熱分解性の向上が不充分であり、 高温におけるゴム弾性の発現 が低下する場合がある。 一方、 99. 9重量%をこえると、 導入が困難に なったり、 凝集力が強くなりすぎるためカロェ性が低下する場合がある。 ァ クリル系ブロック共重合体 (A) に耐油 f生やゴム弾性を付与することを目 的に、 酸無水物基 (c) をアクリル系重合体ブロック (b) に導入する場 合、 0. 1重量%より少ないと、 耐油性付与や、 凝集力が不充分であるこ とや、 反応点として利用する場合も、 反応が不充分となることから、 ゴム 弹性ゃ圧縮永久歪み特性が低下する傾向にあり、 99. 9重量%をこえる と、 導入が困難になったり、 柔軟性や機械特性が低下する傾向にある。 前記酸無水物基 (c) の含有量とは、 元から酸無水物基 (c) を有する 単量体または反応などにより酸無水物基を有する単量体としての重量%を 表す。 この含有量は、 13C (^H)'— NMR分析により算出することがで きる。
前記無水物基 (c) の含有ブロックや含有量は、 必要とされる凝集力、 ガラス転移温度、 架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹脂 (C) および Zまたは熱 可塑性エラストマ一 (D) との相溶性、 反応点などに応じて適宜決めれば よい。
アクリル系プロック共重合体 (A) は耐熱性や凝集力のさらなる向上の
観点から、 力ルポキシル基 (d) を含んでいてもよい。 力ルポキシル基 ( d) は、 アクリル系ブロック共重合体 (A) への酸無水物基 (c) の導入 の過程で生成することがでさる。
力ルポキシル基 (d) はメタアクリル系重合体ブロック (a) およびァ クリル系重合体ブロック (t>) のどちらか一方のブロックのみに含有して いてもよいし、 両方のブロックに含有していてもよく、 アクリル系ブロッ ク共重合体 (A) の反応点や、 アクリル系ブロック共重合体 (A) を構成 するブロックの凝集力やガラス転移温度、 さらには必要とされるアクリル 系ブロック共重合体 (A) の物性などの観点から、 目的に応じて、 力ルポ キシル基 (d) 導入条件が好適になるよう使いわけることができる。 特に 限定されないが、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の反応点の制御や、 アクリル系ブロック共重合体 (A) への力ルポキシル基 (d) の導入容易 '性の点では、 酸無水物基 (c) を有するブロックと同じブロックに有する ことが好ましく、 耐熱性や凝集力の点では、 メタアクリル系重合体ブロッ ク (a) に含有することがより好ましい。 Tgや凝集力の高いカルポキシ ル基 (d) をハードセグメントに導入することで、 高温においてもよりゴ ム弾性を発現することが可肯 gとなるためである。 また、 アクリル系重合体 ブロック (b) に力ルポキシル基 (d) を有する場合は、 耐油性付与や、 さらなるゴム弾性や圧縮永久歪み特性を付与するための架橋性の反応部位 (架橋点) として利用することが可能であったり、 架橋ゴムや、 熱可塑性 樹脂および/または熱可塑性エラストマ一との相溶性向上の点で好ましい。 カルボキシル基 (d) の含有数は、 重合体ブロック当たり少なくとも 1 つであることができ、 その数が 2以上である場合には、 その単量体が重合 されている様式はランダム共重合またはブロック共重合であることができ る。 a— b— a型のトリブロック共重合体を例にとって表わすと、 (a/ y) —b— a型、 (a/y) —b— (a/y) 型、 y— a— b— a型、 y
一 a— b_a— y型、 a— (bZy) - a型、 a_b— y - a型、 a -y 一 b— y— a型、 (a/y) 一 (bZy) ― (a/y) 型、 y— a -y - b_y— a— y型などのいずれであってもよい。 ここで yとは、 カルポキ シル基 (d) を含む単量体または重合体ブロックを表し、 (aZy) とは、 メタアクリル系重合体ブロック (a) に力ルポキシル基 (d) を含む単量 体が共重合されていることを表し、 (bZy) とは、 アクリル系重合体ブ ロック (b) に力ルポキシル基 (d) を含む単量体が共重合されているこ とを表す。
また、 メタアクリル系重合体ブロック (a) あるいはァクリ レ系重合体 ブロック (b) 中で yの含有される部位と含有される様式は自由に設定し てよく、 目的に応じて使い分けることができる。
力ルポキシル基 (d) の含有量の好ましい範囲は、 力ルポキシル基 (d ) の凝集力、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の構造および組成、 ァク リル系ブロック共重合体を構成するブロックの数、 ならびに、 カルボキシ ル基 (d) の含有される部位および様式によって変化する。
カルボキシル基 (d) の含有量の好ましい範囲を例示すると、 アクリル 系ブロック共重合体 (A) を構成する単量体のうち、 0〜50重量%であ ることが好ましい。 より好ましくは 0. 1〜50重量%、 とくに好ましく は 0. 5〜40重量%でぁる。 アクリル系ブロック共重合体 (A) に耐熱 ' 性や凝集力がさらに必要な場合には、 力ルポキシル基 (d) を 50重量% までの範囲で導入することが好ましい。 50重量%を超えるとカルポキシ ル基 (d) は高温下で隣接するエステルユニットと環化しやすい傾向があ ることから、 力ルポキシル基 (d) の導入操作が煩雑になる傾向がある。 なお、 カルボキシル基 (d) を酸無水物基 (c) の導入過程で生成させる 場合、 通常、 0. 1重量%以上生成する。 0. 1重量%未満の場合、 カル ポキシル基 (d) をハードセグメントに導入すると、 耐熱性や凝集力の向
上が不充分となる場合がある。 前記力ルポキシル基 (d) の含有量とは力 ルポキシル基 (d) を元から有する単量体または反応などによりカ レポキ シル基を有する単量体の重量%を表す。 この含有量は、 13C ^H) — N MR分析により算出することができる。
<メタアクリル系重合体ブロック (a) >
メタアクリル系重合体ブロック (a) を構成する単量体は、 前記ァクリ ル系ブロック共重合体 (A) を構成するメタアクリル系重合体ブロック (a) とアクリル系重合体ブロック (b) のガラス転移温度の関係、 Tg a>Tgbを満たすもので、 所望する物性のァクリル系ブロック共重合体 を得やすい点、 コストおよび入手しやすさの点から、 メタアクリル酸エス テル、 およびこれと共重合可能な他のビニル系単量体からなることが好ま しい。 また、 酸無水物基 (c) 、 力ルポキシル基 (d) を有する単量体を メタアクリル酸エステルとして含んでいても良い。 メタァクリル酸エステ ルの割合は、 メタアクリル系重合体ブロック (a) 全体中、 50重量%以 上であることが好ましく、 75重量%以上であることがより好ましい。 5 0重量%未満であると、 メタアクリル酸エステルの特徴である、 耐候生、 高いガラス転移点、 樹脂との相溶性などが損なわれる場合がある。 共重合 可能な他のビエル系単量体の割合は、 0〜50重量%が好ましく、 より好 ましくは 0〜25重量%である。
メタアクリル系重合体ブロック (a) に必要とされる分子量は、 メタァ クリル系重合体ブロック (a) に必要とされる凝集力と、 その重合に必要 な時間などから決めればよい。
凝集力は、 分子間の相互作用と絡み合いの度合いに依存するとされてお り、 分子量を増やすほど絡み合い点が増加して凝集力を増加させる。 すな わち、 メタアクリル系重合体ブロック (a) に必要とされる分子量を Ma とし、 メタアクリル系重合体ブロック (a) を構成する重合体の絡み合い
点間分子量を Mc aとして Maの範囲を例示すると、 凝集力が必要な場合 には、 好ましくは Ma>Mc aである。 さらに例をあげると、 さらなる凝 集力が必要とされる場合には、 好ましくは Ma>2Mc aであり、 逆に、 ある程度の凝集力とクリーブ性を両立させたいときは、 Mc a<Ma<2 Mcaが好ましい。 絡み合い点間分子量は、 Wuらの文献 (ポリマ一 ェ ンジニアリングアンドサイエンス (Po l ym. Eng. and S c i . ) 、 19 90年、 30巻、 753頁) などを参照すればよい。
たとえば、 メタァクリル系重合体ブロック (a) がすべてメタァクリル 酸メチルから構成されているとして、 凝集力が必要とされる場合のメタァ クリル系重合体ブロック (a) の数平均分子量の範囲を例示すると、 92 00以上であることが好ましい。 ただし、 酸無水物基 (c) をメタァクリ ル系重合体ブロック (a) に含有させれば、 酸無水物基 (c) による凝集 力が付与されるので、 分子量はこれより低く設定することができる。 また、 数平均分子量が大きいと重合時間が長くなる傾向があるため、 必要とする 生産性に応じて設定すればよいが、 好ましくは 200000以下、 さらに 好ましく tま 100000以下である。
メタアクリル系重合体ブロック (a) を構成するメタアクリル酸エステ リレとして tま、 たとえば、 メタァクリ レ酸メチル、 メタアクリル酸ェチ レ、 メタアクリル酸 n—プロピル、 メタアクリル酸 n—プチル、 メタアクリル 酸イソプチル、 メタアクリル酸 n—ペンチル、 メタアクリル酸 n -へキシ ル、 メタアクリル酸 n—へプチル、 メタアクリル酸 n—ォクチル、 タァ クリル酸 2—ェチルへキシル、 メタアクリル酸ノニル、 メタアクリル酸デ シル、 メタアクリル酸ドデシル、 メタアクリル酸ステアリルなどのメタァ クリル酸脂肪族炭ィ匕水素 (たとえば炭素数 1〜18のアルキル) エステル ;メタアクリル酸シクロへキシル、 メタアクリル酸イソポルニルなどのメ タァクリ レ酸脂環式炭化水素エステル;メタアクリル酸ベンジルなどのメ
タァクリ レ酸ァラルキルエステル;メタアクリル酸フエニル、 メタァクリ ル酸トルィルなどのメタアクリル酸芳香族炭化水素エステル;メタァクリ ル酸 2—メトキシェチル、 メタアクリル酸 3—メトキシブチルなどのメタ ァクリル酸とエーテル性酸素を有する官能基含有アルコールとのエステル
; メタアクリル酸トリフルォロメチル、 メタアクリル酸トリフルォロメチ リレメチル、 メタアクリル酸 2—トリフルォロメチルェチル、 メタァクリノレ 酸 2—トリフルォロェチル、 メタアクリル酸 2—パーフルォロェチルェチ ル、 メタアクリル酸 2—パーフルォロェチル— 2—パーフルォロブチリレエ チル、 メ夕アクリル酸 2—パーフルォロェチル、 メタアクリル酸パ一フル ォロメチ レ、 メタァクリル酸ジパーフルォロメチルメチル、 メタアクリル 酸 2—パーフルォロメチル— 2 一パーフルォロェチルメチル、 メタァクリ ル酸 2— フルォ口へキシルェチル、 メタアクリル酸 2—パーフル才ロ デシルェチル、 メタァクリル酸 2—パ一フルォ口へキサデシルェチルなど のメタァクリル酸フッ化アルキルエステルなどがあげられる。 これらは少 なくとも 1種用いられる。 これらの中でも、 組み合わせる熱可塑性樹 Ji旨と の相溶性、 コストおよび入手しやすさの点で、 メタアクリル酸メチルが好 ましい。
メタアクリル系重合体ブロック (a ) を構成するメタアクリル酸エステ ルと共重合可能なビニル系単量体としては、 たとえば、 アクリル酸エステ ル、 芳香族アルケニル化合物、 シアン化ビニル化合物、 共役ジェン系化合 物、 ハロゲン含有不飽和化合物、 不飽和カルボン酸化合物、 不飽和ジカル ボン酸化合物、 ビエルエステル化合物、 マレイミド系化合物などをあ る ことがでさる。
ァクリフレ酸エステルとしては、 たとえば、 アクリル酸メチル、 アクリル 酸ェチル、 アクリル酸 n—プロピル、 アクリル酸 n—プチル、 ァクリ レ酸 イソブヂノレ、 アクリル酸 n—ペンチル、 アクリル酸 n—へキシル、 ァクリ
ル酸 n—ヘプチル、 アクリル酸 n—ォクチル、 アクリル酸 2—ェチルへキ シル、 アクリル酸ノニル、 アクリル酸デシル、 アクリル酸ドデシル、 ァク リル酸ステアリルなどのァクリル酸脂肪族炭化水素 (たとえば炭素数 1〜 1 8のアルキル) エステル;アクリル酸シクロへキシル、 アクリル酸イソ ポルニルなどのアクリル酸脂環式炭化水素エステル;ァクリル酸フエニル、 アクリル酸トルィルなどのアクリル酸芳香族炭化水素エステル;アクリル 酸べンジルなどのアクリル酸ァラルキルエステル;ァクリフレ酸 2—メトキ シェチル、 アクリル酸 3—メトキシブチルなどのアクリル酸とエーテル性 酸素を有する官能基含有アルコールとのエステル;アクリル酸トリフルォ ロメチルメチル、 アクリル酸 2—トリフルォロメチルェチル、 アクリル酸 2—パ一フルォロェチルェチル、 ァクリル酸 2—パ一フルォロェチルー 2 ーパ一フルォロブチルェチル、 アクリル酸 2—パーフルォロェチル、 ァク リル酸パ一フルォロメチル、 アクリル酸ジパ一フルォロメチルメチル、 ァ クリル酸 2—パ一フルォロメチルー 2—パーフルォロェチルメチル、 ァク リル酸 2—パーフルォ口へキシルェチル、 アクリル酸 2—パ一フルォ口デ シルェチル、 ァクリル酸 2—パ一フルォ口へキサデシルェチルなどのァク リル酸フッ化アルキルエステルなどをあげることができる。
芳香族アルケニル化合物としては、 たとえば、 スチレン、 α—メチルス チレン、 ρ—メチルスチレン、 ρ—メトキシスチレンなどをあげることが できる。
シアン化ビニル化合物としては、 たとえば、 アクリロニトリル、 メ夕ク リロ二トリルなどをあげることができる。
共役ジェン系化合物としては、 たとえば、 ブタジエン、 イソプレンなど をあげることができる。
ハロゲン含有不飽和化合物としては、 たとえば、 塩化ビニル、 塩化ビニ リデン、 パーフルォロエチレン、 パーフルォロプロピレン、 フッ化ビニリ
デンなどをあげることができる。
不飽和カルボン酸化合物としては、 たとえば、 メタアクリル酸、 ァクリ ル酸などをあげることができる。
不飽和ジカルボン酸化合物としては、 たとえば、 無水マレイン酸、 マレ イン酸、 マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、 どをあげることができる。
ピエルエステル化合物としては、 たとえば、 酢酸ビニル、 プロピオン酸 ビニル、 ピバリン酸ビニル、 安息香酸ビニル、 桂皮酸ビニルなどをあげる ことがでさる。
マレイミド系化合物としては、 たとえば、 マレイミド、 メチルマレイミ ド、 ェチ レマレイミド、 プロピルマレイミド、 ブチルマレイミド、 へキシ ルマレイミド、 ォクチルマレイミド、 ドデシルマレイミド、 ステアリルマ レイミド、 フエエルマレイミド、 シクロへキシルマレイミドなどをあげる ことができる。
これらは少なくとも 1種用いられる。 これらのビニル系単量体は、 ァク リル系ブロック共重合体を、 架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹脂 (C) および /または熱可塑性エラストマ一 (D) と組み合わせる場合の相溶性によつ て好ましいものを選択することができる。 また、 メタアクリル酸メチルの 重合体は熱分解によりほぼ定量的に解重合するが、 それを抑えるために、 ァクリ レ酸エステル、 たとえば、 アクリル酸メチル、 アクリル酸ェチル、 アクリル酸プチル、 アクリル酸 2—メトキシェチルもしくはそれらの混合 物、 または、 スチレンなどを共重合することができる。 また、 さらなる耐 油性の向上を目的として、 ァクリロニトリルを共重合することができる。 メタアクリル系重合体ブロック (a ) のガラス転移温度は、 好まし くは 1 0 0 °C以上、 より好ましくは 1 1 0 以上である。 ガラス転移
温度が 100 °C未満では、 高温でのゴム弾性が低下する。
メタアクリル系重合体ブロック (a) のガラス転移温度 (Tg) の 設定は、 前記の F o x式に従い、 各重合体部分の単量体の重量 匕率を 設定することにより行なうことができる。 ここで、 ガラス転移温度と は、 各重合単量体のガラス転移温度として P o 1 yme r H a n d b o ok T i r d Ed i t i on (Wi l e y— I n t e r s c i e n c e 1 989) 記載の値を用いて、 各単量体の重合比率を用い て、 Fox式にしたがって計算したものとする。
<アクリル系重合体ブロック (b) >
アクリル系重合体ブロック (b) を構成する単量体は、 前記アクリル系 ブロック共重合体 (A) を構成するメタアクリル系重合体ブロック (a) とアクリル系重合体ブロック (b) のガラス転移温度の関係、 Tg a〉T gbを満たすもので、 所望する物性の組成物を得やすい点、 コストおよび 入手しやすさの点から、 ァクリル酸エステルおよびこれと共重合可能なビ 二ル系単量体からなることが好ましい。 また、 酸無水物基 (c) 、 カルボ キシル基 (d) を有する単量体をアクリル酸エステルとして含んでいても 良レ^ ァクリリレ酸エステルの割合は、 アクリル系重合体ブロック (b) 全 体中、 50重量%以上であることが好ましく、 70重量%以上であること がより好ましい。 50重量%未満であると、 アクリル酸エステルを用いる 場合の特徴である組成物の物性、 とくに耐衝撃性や柔軟性、 耐油性が損な われる場合がある。 共重合可能な他のビニル系単量体の割合は、 0〜50 重量%が好ましく、 より好ましくは 0〜30重量%である。
アクリル系重合体ブロック (b) に必要とされる分子量は、 アクリル系 重合体ブロック (b) に必要とされる弾性率とゴム弾性、 その重合に必要 な時間などから決めればよい。
弾性率は、 分子鎖の動き易さとその分子量に密接な関連があり、 ある一
定以上の分子量でないと本来の弾性率を示さない。 ゴム弾性についても同 様であるが、 ゴム弾性の観点からは、 分子量が大きい方が望ましい。 すな わち、 プクリル系重合体ブロック (b ) に必要とされる分子量を Mbとし てその範囲を例示すると、 好ましくは M b> 3 0 0 0、 より好ましくは M b〉5 O 0 0、 さらに好ましくは Mb> l 0 0 0 0、 とくに好ましくは Mb > 2 0 0 0 0、 最も好ましくは Mb> 4 0 0 0 0である。 ただし、 数平均 分子量が大きいと重合時間が長くなる傾向があるため、 必要とする生産性 に応じて設定すればよいが、 好ましくは 5 0 0 0 0 0以下であり、 さらに 好ましくは 3 0 0 0 0 0以下である。
アクリル系重合体ブロック (b ) を構成するアクリル酸エステルとして は、 メタアクリル系重合体ブロック (a ) に用いられる前記アクリル酸ェ ステリレと同様のものをあげることができる。 これらは少なくとも 1種用い られる。
これらの中でも、 耐衝撃性、 圧縮永久歪、 コスト、 および入手しやすさ の点で、 アクリル酸 n—ブチルが好ましい。 また、 耐油性が必要な場合は、 ァクリ レ酸ェチルが好ましい。 また、 柔軟性や低温特性、 より低硬度な材 料が必要な場合はアクリル酸 2 _ェチルへキシルが好ましい。 また、 柔軟 性と機械強度のバランス、 およびより低硬度な材料が必要なときにはァク リル酸 n—プチル、 ァクリル酸 2—ェチルへキシルの混合物が好ましい。 さらに、 耐油性と低温特性を両立させたいときにはアクリル酸ェチル、 ァ クリル酸 n—プチル、 アクリル酸 2—メトキシェチルの混合物が好ましい。 また、 耐油性と柔軟性が必要なときには、 アクリル酸 n—プチル、 ァクリ ル酸 2 —メトキシェチルの混合物が好ましい。
アクリル系重合体ブロック (b ) を構成するアクリル酸エステルと共重 合可倉 gなピニル系単量体としては、 たとえば、 メタアクリル酸エステル、 芳香族アルケニル化合物、 シアン化ビニル化合物、 共役ジェン系化合物、
TJP2003/009721
24 ハロゲン含有不飽和ィ匕合物、 不飽和ジカルボン酸化合物、 ビエルエステル 化合物、 マレイミド系化合物などをあげることができ、 これらの具体例と しては、 メ夕ァクリノレ系重合体ブロック (a) に用いられる前記のものと 同様のものをあげることができる。
これらは少なくとも 1種用いられる。 これらのビニル系単量体は、 ァク リル系重合体ブロック (b) に要求されるガラス転移温度、 弾性率、 極性、 また、 組成物に要求される物性、 架橋ゴム、 熱可塑性樹脂および Zまたは 熱可塑性ェラストマーとの相溶性などの観点から好ましいものを選択する ことができる。 たとえば、 組成物の If油性の向上を目的としてァクリロ二 トリルを共重合することができる。
アクリル系重合体ブロック (b) のガラス転移温度は、 好ましくは 50 °C以下、 より好ましくは 以下である。 ガラス転移温度が 50°Cより高 いと、 アクリル系ブロック共重合体 (A) のゴム弾性が低下する場合があ る。
アクリル系重合体ブロック (b) のガラス転移温度 (Tg) の設定は、 前記の F o X式に従レ 各重合体部分の単量体の重量比率を設定すること により行なうことができる。 ここで、 ガラス転移温度とは、 各重合単量体 のガラス転移温度として P o 1 yme r Handb ook Th i r d
E d i t i on (W i l e y— I n t e r s c i e nc e 1989) 記載の値を用い、 各単量体の重合比率を用いて、 Fox式にしたがって計 算したものとする。
く酸無水物基 (c) >
酸無水物基 (c) は、 アミノ基、 水酸基、 エポキシ基などを有する化合 物との反応性を有することから、 重合体を変性する場合の反応点として、 架橋ゴム、 熱可塑 f生樹脂および Zまたは熱可塑性エラストマ一とプレンド する場合の相溶性改良部位として、 ソフトセグメントにさらなるゴム弾性
を付与する際の架橋点として用いることができるなどの特徵を有する。 ま た、 酸無水物基 (c ) はガラス転移温度 (T g) が高いことから、 八一ド セグメントに導入した場合には、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の耐 熱性を向上させる効果を有する。 酸無水物基を有する重合体のガラス転移 温度は、 たとえば、 ポリメタァクリリレ酸無水物が 1 5 9 °Cと高く、 これら を構成する単位を導入することでァクリル系ブ口ック共重合体の耐熱性を 向上することができる。
前記酸無水物基 (c ) の導入方法としては、 酸無水物基の前駆体となる 形でアクリル系ブロック共重合体に導入し、 そののちに環化させることが 好ましい。 特に限定されないが、 一般式 (2 ) :
(式中、 R 2は水素またはメチル基を表す。 R 3は水素、 メチル基、 また はフエ二ル基を表し、 少なくともひとつのメチル基を含むこと以外は互い に同一でも異なっていてもよい) で表わされる単位を少なくともメタァク リル系重合体ブロック (a ) かメ夕アクリル系重合体ブロック (b ) の何 れかに、 少なくとも 1つ有することを特徴とするアクリル系ブロック共重 合体 (Α') を、 1 8 0〜3 0 0 °Cの温度で溶融混練して環化導入するこ とが好ましい。
アクリル系ブロック共重合体への一般式 (2 ) で表される単位の導入は、 一般式 (2 ) に由来するアクリル酸エステル、 またはメタアクリル酸エス テル単量体を共重合することによつて行なうことができる。
一般式 (2 ) で表される単位は、 高温下で隣接するエステルユニットと
脱離、 環化し、 酸無水物基を生成する (たとえば、 畑田 (Ha t ad a) ら、 J. M. S. 一 PURE APPL. CHEM. , A30 (9&10 ) , PP. 645 - 667 (1993) 参照) 。 これらによると、 一般的 に、 エステルユニットが嵩高く、 ]3—水素を有する重合体は、 高温下でェ ステルユニットが分解し、 それに引き続き、 環化が起こり酸無水物基が生 成する。 これらの方法を利用することで、 アクリル系ブロック共重合体中 に、 容易に酸無水物基を導入することができる。
特に限定されないが、 具体的にはこのような単量体として、 アクリル酸 t—ブチル、 アクリル酸イソプロピル、 アクリル酸 α, α—ジメチルベン ジル、 アクリル酸 α—メチフレベンジル、 メタアクリル酸 t—プチル、 メタ アクリル酸イソプロピル、 メタアクリル酸 α, ひ一ジメチルペンジル、 メ 夕アクリル酸 α—メチルベンジルなどがあげられる。 このなかでも、 入手 容易性や重合容易性、 酸無水物基生成容易性などの点からアクリル酸 t一 プチル、 メタアクリル酸 t一ブチルが好ましい。
前記酸無水物基の形成はアクリル系ブロック共重合体 (Α') を高温下 で加熱することが好ましく、 特に限定されないが、 180〜300 で加 熱することが好ましい。 1 80°Cより低いと酸無水物基の生成が不充分と なる場合があり、 30 より高くなると、 重合体 (Α') 自体が分解す る場合がある。
く力ルポキシル基 (d) および力ルポキシル基 (e) >
力ルポキシル基は強い凝集力をもち、 力ルポキシル基を有する単量体は ガラス転移温度 (Tg) が高く、 アクリル系ブロック共重合体の耐熱性を 向上させる効果を有する。 ヒドロキシル基などの官能基も水素結合能を有 するが、 カルボキシル基を有する単量体に比較すると Tgも低く、 耐熱性 を向上させる効果は小さい。 よって、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の耐熱性や凝集力のさらなる向上の点から、 力ルポキシル基 (d) および
ノまたは力ルポキシル基 ( e ) を含んでいてもよい。
力ルポキシル基 (d ) の導入方法については、 特に限定されないが導入 容易性の点などからアクリル系ブロック共重合体 (A) への酸無水物基 ( c ) の導入の過程で生成させることが好ましい。
以下に、 その方法について説明する。
一般式 (2 ) で示される単位を有するアクリル系ブロック共重合体 (A ,) において、 一般式 (2 ) で示される単位は、 高温下で隣接するエステ ルユニットと脱離、 環化し、 酸無水物基 (c ) を生成する。 この際、 エス テルユニットが分解して力ルポキシル基 (d ) を生成し、 それに引き続き、 環化が起こり酸無水物基 (c ) が生成する経路を一部有する。 これを利用 して、 一般式 (2 ) で示される単位の種類や含有量に応じて、 加熱温度や 時間を適宜調整することで力ルポキシル基 (d ) を導入することができる。 具体的には、 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を重合体溶液の状態で 加圧下で加熱してもよく、 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を直接、 加熱、 溶融してもよい。 製造の簡便さなどの点で、 アクリル系ブロック共 重合体 (Α') を溶融混練することがより好ましい。 アクリル系ブロック 共重合体 (Α') を溶融混練する際、 溶融混練時間 (押出機を用いた場合 は押出機中での滞留時間) は、 溶融混練する温度、 スクリユー構成、 L/ D (スクリュー有効長さ Lとスクリユー径 Dの比) 、 スクリュー回転数な どに応じて適宜決めればよい。 この方法では、 力ルポキシル基 (d ) が高 温下で隣接するエステルユニットと環化しやすい傾向にあることから、 力 ルポキシル基 (d ) を 5 0重量%を超えて導入する場合には、 導入操作が 煩雑になる傾向がある。 また、 成形加工後の物生が変化し、 安定した物性 の製品を得ることが困難になる傾向がある。
また、 アクリル系ブロック共重合体 (A) にさらなる耐熱性が必要とさ れる場合、 カルボキシル基 (e ) を導入することもできる。 力ルポキシル
基 (e) の導入方法としては、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の酸無 水物基を加水分解して開環することにより導入することが、 コスト面ゃ製 造の簡便性の点で好ましい。 上述したように、 アクリル系ブロック共重合 体 (A) への酸無水物基 (c) の導入の過程で力ルポキシル基 (d) を生 成させる方法では、 力ルポキシル基 (d) は隣接するエステルユニットと 環化しやすい傾向があることから、 50重量%を超えるとカルボキシル基 (d) の導入操作が煩雑になる傾向があるためである。 一方、 カルポキシ ル基を有する単量体を重合条件下で直接重合して導入する場合には、 カ レ ポキシル基を有する単量体が重合時に触媒を失活させてしまう場合がある。 特開 2001— 234147号公報、 特開平 10— 298248号公報な どには、 力ルポキシル基を適当な保護基で保護した形、'または、 カルボキ シル基の前駆体となる官能基の形でアクリル系ブロック共重合体に導入し、 そののち、 選択的な分解を行なうことにより、 力ルポキシル基を導入する 方法が記載されているが、 コスト面で問題があったり、 製造が煩雑になる などの傾向がある。
前記力ルポキシル基 (e) は、 酸無水物基 (c) を加水分解して生成し たものを意味するが、 酸無水物基 (c) の導入の過程で生成したカルボキ シル基 (d) と区別する必要はなく、 力ルポキシル基 (d) を有する単量 体と力ルポキシル基 (e) を有する単量体の合計にて、 ァクリ レ系ブロヅ ク共重合体 (A) を構成する単量体のうち、 50重量%以上導入すること が簡便にできる。 さらに、 酸無水物基 (c) をすベて加水分解することに より、 官能基として、 カルボキシル基のみを有するブロック共重合体を得 ることもできる。
このようなアクリル系ブロック共重合体は、 アクリル系ブロック共重合 体 (A) の酸無水物基 (c) を加水分解して開環することにより好適に製 造できる。 加水分解して力ルポキシル基 (e) を導入する方法は特に限定
されず、 アクリル系ブロック共重合体 (A) を水と共に加圧下にて加熱し てもよく、 アクリル系ブロック共重合体 (A) を水と共に溶融混練しても よい。 製造の簡便性、 コスト面から (A) を水とともに溶融混線すること が好ましい。
前言己アクリル系ブロック共重合体 (A) を水と共に加圧下にてカロ熱する 方法としては、 耐圧性の反応容器で行なうことができる。 また、 前記ァク リル系ブロック共重合体 (A) を水と共に溶融混練する方法としては、 加 熱と混練とを同時に行ない得る種々の装置中で行なうことが可能であつて、 たとえは'通常のゴムの加工に用いられるバンバリ一、 二一ダー、 単軸また は多軸の押出機などがあげられる。 力ルポキシル基への反応性や、 製造の 簡便さなどの点で、 押出し機が好適に用いられ、 密閉式の押出し機がより 好適に用いられる。 前記アクリル系ブロック共重合体 (A) を溶鬲虫混練す る際、 溶融混練時間 (押出し機を用いた場合は押出し機中での滞留時間) は、 溶融混練する温度、 スクリユー構成、 L/D (スクリュー有効長さ L とスクリュー径 Dの比) 、 スクリユー回転数などに応じて適宜決めればよ い。
力ルポキシル基 (d ) および Zまたは力ルポキシル基 ( e ) を有する重 合体のガラス転移温度は、 たとえば、 ポリメタアクリル酸が 2 2 8 °Cと高 く、 これらを構成する単量体を導入することでァクリル系ブ口ック共重合 体 (A) の耐熱性を向上できる。
また、 力ルポキシル基の含有量は、 アクリル系ブロック共重合体 (A) に必要とされる物性などに応じて適宜設定すればよい。
くアクリル系ブロック共重合体 (A,) の製法 >
前記アクリル系ブロック共重合体 (Α') を製造する方法としては、 と くに限定されないが、 高分子開始剤を用いた制御重合を用いることが好ま しい。 制御重合としては、 リビングァニオン重合や連鎖移動剤を用いるラ
ジカル重合、 近年開発されたリビングラジカル重合があげられる。 なかで も、 リビングラジカル重合が、 アクリル系ブロック共重合体の分子量およ び構造の制御の点力、ら好ましい。
リビングラジカル重合は、 重合末端の活性が失われることなく維持 されるラジカル重合である。 リビング重合とは狭義においては、 末端 が常に活性をもち続ける重合のことを指すが、 一般には、 末端が不活 性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合 も含まれる。 ここでの定義も後者である。 リビングラジカル重合は、 近年様々なグループで積極的に研究がなされている。
その例としては、 ポリスルフイドなどの連鎖移動剤を用いるもの、 コバ ルトポルフィリン錯体 (ジャ一ナルォブアメリカンケミカルソサエティ ( J . Am. Chem. S o c. ) 、 1994年、 116巻、 7943頁) やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの (マクロモレキ ユールズ (Ma c r omo 1 e c u 1 e s) 、 1 994年、 27巻、 72 28頁) 、 有機八ロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする 原子移動ラジカ レ重合(A t om T r an s f e r Rad i c a l P o 1 yme r i z a t i on : AT R P)などをあげることができる。 本発明において、 これらのうちどの方法を使用するかはとくに制約はない が、 制御の容易さの点などから原子移動ラジカル重合が好ましい。
原子移動ラジカ /重合は、 有機ハ口ゲン化物または八口ゲン化スルホニ ル化合物を開始剤とし、 周期律表第 7族、 8族、 9族、 10族または 11 族元素を中心金属とする金属錯体を触媒として重合される (たとえば、 マ ティジャスツエウスキ一 (Ma t y j a s z ews k i) ら、 ジャーナル ォブアメリカンケミカルソサエティ (J. Am. Chem. So c. ) 、 1995年、 11 7卷、 5614頁、 マクロモレキュールズ (Ma c r o mo l e cu l e s) , 1995年、 28卷、 7901頁、 サイエンス (
S c i e n c e) 、 1996年、 272巻、 866頁、 または、 澤本 (S awamo t o) ら、 マクロモレキューリレズ (Mac r omo l e c u l e s) 、 1995年、 28卷、 172 1頁参照) 。
これらの方法によると、 一般的に、 非常に重合速度が高く、 ラジカル同 士のカップリングなどの停止反応が起こりやすいラジカリレ重合でありなが ら、 重合がリビング的に進行し、 分子量分布の狭い (ΜΛνΖΜη= 1. 1 〜1. 5) 重合体が得られ、 分子量を単量体と開始剤の仕込み比によって 自由にコントロールすることができる。
原子移動ラジカル重合法において、 開始剤として用いられる有機ハロゲ ン化物またはハロゲン化スルホニル化合物としては、 1官能性、 2官能性、 または、 多官能性の化合物が使用できる。 これらは目的に応じて使い分け ればよいが、 ジブロック共重合体を製造する場合は、 開始剤の入手のしゃ すさの点から 1官能性化合物が好ましく、 a— b— a型のトリブロック共 重合体、 b_a— b型のトリブロック共重合体を製造する場合は、 反応ェ 程数、 時間の短縮の点から 2官能性化合物を使用するのが好ましく、 分岐 状ブロック共重合体を製造する場合は、 反応工程数、 時間の短縮の点から 多官能性化合物を使用するのが好ましい。
また、 前記開始剤として高分子開始剤を用いることも可能である。 高分 子開始剤とは、 有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物のう ち、 分子鎖末端にハロゲン原子の結合した重合体からなる化合物である。 このような高分子開始剤は、 リビングラジカル重合法以外の制御重合法で も製造することが可能であるため、 異なる重合法で得られる重合体を結合 したブロック共重合体が得られるという特徴がある。
1官能性化合物としては、 たとえば、
し δΗ5— Cxi2 、
C6H5-C (H) (X) — CH3、
C6H5-C (X) (CH3) 2、
R4 - C (H) (X) 一 COOR5、
R4-C (CH3) (X) —CO〇R5、
R4-C (H) (X) — CO— R5、
R4-C (CH3) (X) — CO— R5、
R — C6h4— つ X
で示される化合物などがあげられる。
式中、 C6H まフエニル基、 C6H4はフエ二レン基 (オルト置換、 メ タ置換、 パラ置換のいずれでもよい) を表わす。 R4は、 水素原子、 炭素 数 1〜 20のアルキル基、 炭素数 6〜 20のァリ一ル基、 または、 炭素数 7〜20のァラルキル基を表わす。 Xは、 塩素、 臭素またはヨウ素を表わ す。 R 5は炭素数 1〜 20の一価の有機基を表わす。
R4として、 炭素数 1〜20のアルキル基 (脂環式炭化水素基を含む) の具体例としては、 たとえば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプ 口ピル基、 n—ブチル基、 イソブチル基、 t—ブチリレ基、 n—ペンチル基、 n—へキシル基、 シクロへキシル基、 n—へプチル基、 n—ォクチル基、 2 _ェチルへキシル基、 ノニル基、 デシル基、 ドデシル基、 イソポルニリレ 基などがあげられる。 炭素数 6〜20のァリール基の具体例としては、 た とえば、 フエニル基、 トリィル基、 ナフチル基などがあげられる。 炭素数 7〜20のァラルキル基の具体例としては、 たとえば、 ベンジル基、 フエ ネチル基などがあげられる。
R5である炭素数 1〜20の 1価の有機基の具体例としては、 たとえば R 4と同様の基などがあげられる。
1官能性化合物の具体例としては、 たとえば、 臭化トシル、 2—臭化プ 口ピオン酸メチル、 2—臭化プロピオン酸ェチル、 2一臭化プロピオン酸 プチル、 2—臭 {匕イソ酪酸メチル、 2—臭化イソ酪酸ェチル、 2—臭化ィ
ソ酪酸ブチルなどがあげられる。 これらのうちでは、 2 _臭化プロピオン 酸ェチル、 2—臭ィ匕プロピオン酸ブチルが、 アクリル酸エステル単量体の 構造と類似しているために重合を制御しやすい点から好ましい。
2官能性化合物としては、 たとえば、
X— CH2— C6H4— CH2 - X
X-CH (CH3) 一 C6H4— CH (CH3) 一 X
JL ( H 3) ~ 6 H 4― ( C JHL 3) 2
X-CH (COOR6) - (CH2) n— CH (COOR6) — X
X-C (CH3) (COOR6) 一 (CH2) n-C (CH3) (COOR6
) -x
X-CH (COR6) 一 (CH2) n_CH (COR6) 一 X
X-C (CH3) (COR6) 一 (CH2) n-C (CH3) (COR6) -
X
X— CH2— C〇一 CH2— X
X-CH (CH3) - CO-CH (CH3) 一 X
X-C (CH3) 2- CO-C (CH3) 2 - X
X-CH (C6H5) -CO-CH (C6H5) — X '
X— CH2— COO— (CH2) n_OC〇一 CH2— X
X-CH (CH3) - COO- (CH2) n— OCO—CH (CH3) - X
X-C (CH3) 2— COO— (CH2) n—〇C〇一 C (CH3) '2_X
X— CH2— CO—C〇_CH2— X
X-CH (CH3) - CO-CO-CH (CH3) —X
X-C (CH3) 2- CO-CO-C (CH3) 2— X
X— CH2— C〇〇一 C6H4— OC〇一 CH2— X
X-CH (CH3) 一 COO— C6H4— OCO— CH (CH3) 一 X
X-C (CH 2— COO— C6H4— OCO— C (CH3) 2— X
X-S02-C6H4-S02-X
で示される化合物などがあげられる。
式中、 R6は、 炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 6〜 20ァリール 基、 または、 炭素数 7〜20ァラルキル基を表わす。 nは 0〜20の整数 を表わす。 C6H5、 C6H4、 Xは、 前記と同様である。
R 6の炭素数 1〜 20のアルキル基、 炭素数 6〜 20のァリール基、 炭 素数 7〜20のァラルキル基の具体例は、 R4の炭素数 1〜20のアルキ ル基、 炭素数 6〜2 0のァリ一ル基、 炭素数 7〜 20のァラルキル基の具 体例と同じである。
2官能 ^fe化合物の具体例としては、 たとえば、 ビス (プロモメチル) ベ ンゼン、 ビス (1ーブロモェチル) ベンゼン、 ビス (1—ブロモイソプロ ピル) ベンゼン、 2, 3—ジブロモコハク酸ジメチル、 2, 3 _ジブロモ コハク酸ジェチル、 2, 3—ジブロモコハク酸ジブチル、 2, 4一ジブ口 モグルタル酸ジメチル、 2, 4—ジブ口モグルタル酸ジェチル、 2, 4一 ジブ口モグルタル酸ジブチル、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジメチル、 2, 5 _ジブロモアジピン酸ジェチル、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジブチル、 2, 6—ジブ口モピメリン酸ジメチル、 2, 6—ジブ口モピメリン酸ジェ チル、 2, 6 _ジブ口モピメリン酸ジブチル、 2, 7 _ジブ口モスべリン 酸ジメチル、 2, 7 _ジブ口モスべリン酸ジェチル、 2, 7—ジブ口モス ベリン酸ジブチルなどがあげられる。 これらのうちでは、 ビス (プロモメ チル) ベンゼン、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル、 2, 6—ジブ口 モピメリン酸ジェチルが、 原料の入手性の点から好ましい。
多官能性化合物としては、 たとえば、
C6H3 - (CH2-X) 3、
C6H3— (CH (CH3) -X) 3、
C6H3— (C (CH3) 2-X) 3、
C6H3— (OCO-CH2-X) 3、
C6H3— (OCO-CH (CH3) —X) 3、
C6H3 - (OCO-C (CH3) 2-X) 3、
C 6H3— 、 02— X) 3
で示される化合物などがあげられる。
式中、 C6H3は三価のフエニル基 (3つの結合手の位置は 1位〜 6位 のいずれにある組み合わせでもよい) 、 Xは前記と同じである。
多官能性化合物の具体例としては、 たとえば、 トリス (プロモメチル) ベンゼン、 トリス (1ーブロモェチル) ベンゼン、 トリス (1ーブロモイ ソプロピル) ベンゼンなどがあげられる。 これらのうちでは、 トリス (ブ ロモメチル) ベンゼンが、 原料の入手性の点から好ましい。
なお、 重合を開始する基以外に、 官能基をもつ有機ハロゲン化物または ハロゲン化スルホニル化合物を用いると、 容易に末端または分子内に重合 を開始する基以外の官能基が導入された重合体が得られる。 このような重 合を開始する基以外の官能基としては、 アルケニル基、 ヒドロキシル基、 エポキシ基、 アミノ基、 アミド基、 シリル基などがあげられる。
前記開始剤として用いることができる有機ハロゲン化物またはハロゲン 化スルホニル化合物は、 ハロゲン基 (八ロゲン原子) が結合している炭素 が力ルポニル基またはフエニル基などと結合しており、 炭素—ハロゲン結 合が活性化されて重合が開始する。 使用する開始剤の量は、 必要とするァ クリル系ブ口ック共重合体の分子量に合わせて、 単量体とのモル比から決 定すればよい。 すなわち、 開始剤 1分子あたり、 何分子の単量体を使用す るかによって、 ァクリル系プロック共重合体の分子量を制御することがで きる。
前記原子移動ラジカル重合の触媒として用いられる遷移金属錯体として は、 とくに限定はないが、 好ましいものとして、 1価および 0価の銅、 2
価のルテニウム、 2価の鉄、 ならびに、 2価のニッケルの錯体があげられ る。
これらの中でも、 コストや反応制御の点から銅の錯体が好ましい。 1価 の銅化合物としては、 たとえば、 塩^ ^第一銅、 臭化第一銅、 ヨウ化第一銅、 シアン化第一銅、 酸化第一銅、 過塩素酸第一銅などがあげられる。 その中 でも塩化第一銅、 臭化第一銅が、 重合の制御の観点から好ましい。 1価の 銅化合物を用いる場合、 触媒活性を高めるために、 2, 2' ービピリジル、 その誘導体 (たとえば 4, 4' ージノリルー 2, 2' 一ビビリジル、 4, 4 ' —ジ (5—ノリル) 一 2, 2' ービピリジレなど) などの 2, 2 ' 一 ビピリジル系化合物; 1, 10—フエナント口リン、 その誘導体 (たとえ ば 4, 7—ジノリル一 1, 10—フエナント口リン、 5, 6—ジノリル一 1, 10—フエナント口リンなど) などの 1, 10—フエナント口リン系 化合物;テトラメチルジェチレントリアミン (TMEDA) 、 ペン夕メチ ルジェチレントリアミン、 へキサメチル (2—アミノエチル) ァミンなど のポリアミンなどを配位子として添加してもよい。
また、 2価の塩化ルテニウムのトリストリフエニルホスフィン錯体 (R uC 12 (PPh3) 3) も触媒として好ましい。 ルテニウム化合物を触媒 として用いる場合は、 活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類を添加 してもよい。 さらに、 2価の鉄のビストリフエニルホスフィン錯体 (Fe C 12 (PP h3) 2) 、 2価のニッケルのビストリフエニルホスフィン錯 体 (N i C 12 (PP h3) 2) 、 及び、 2価のニッケルのビストリブチル ホスフィン錯体 (N i B r2 (PBu3) 2) も、 触媒として好ましい。 使用する触媒、 配位子および活性化剤は、 とくに限定されないが、 使用 する開始剤、 単量体および溶媒と必要とする反応速度の関係から適宜決定 すればよい。 たとえば、 アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体の重 合には、 高分子鎖の成長末端が炭素—臭素結合をもつことが重合の制御の
点から好ましいことから、 使用する開始剤が有機臭ィ匕物または臭ィ匕スルホ ニル化合物であり、 溶媒がァセトニトリルであることが好ましく、 臭化銅、 好ましくは臭化第一銅に含まれる銅を中心金属とする金属錯体触媒を用い、 ペン夕メチルジェチレントリアミンなどの配位子を用いることが好ましい。 また、 メタアクリル酸エステルなどのメタァクリル系単量体の重合には、 高分子鎖の成長末端が炭素一塩素結合をもつことが重合の制御の点から好 ましレ ことから、 使用する開始剤が有機塩化物または塩ィ匕スルホニル化合 物であり、 溶媒がァセトニトリル、 必要に応じてトルエンなどとの混合溶 媒であることが好ましく、 塩化銅、 好ましくは塩化第一銅に含まれる銅を 中心金属とする金属錯体触媒を用い、 ペンタメチルジェチレントリアミン などの配位子を用いることが好ましい。
使用する触媒、 配位子の量は、 使用する開始剤、 単量体および溶媒の量 と必要とする反応速度の関係から決定すればよい。 たとえば、 分子量の高 い重合体を得ようとする場合には、 分子量の低い重合体を得ようとする場 合よりも、 開始剤 単量体の比を小さくしなければならないが、 そのよう な場合に、 触媒、 配位子を多くして、 反応速度を増大させることができる。 また、 ガラス転移点が室温より高い重合体が生成する場合、 系の粘度を下 げて ί¾拌効率を上げるために適当な有機溶媒を添加した場合には、 反応速 度が低下する傾向があるが、 そのような場合には、 触媒、 配位子を多くし て、 反応速度を増大させることができる。
前記原子移動ラジカル重合は、 無溶媒中で (塊状重合) 、 または、 各種 の溶媒中で行なうことができる。 また、 塊状重合、 各種の溶媒中で行なう 重合において、 重合を途中で停止させることもできる。
前記溶媒としては、 たとえば、 炭化水素系溶媒、 エーテル系溶媒、 ハロ ゲンィ匕炭化水素系溶媒、 ケトン系溶媒、 アルコール系溶媒、 二トリル系溶 媒、 エステル系溶媒、 カーボネート系溶媒などを用いることができる。
炭化水素系溶媒としては、 ベンゼン、 トルエンなどをあげることができ る。 ェ一テル系溶媒としては、 ジェチルェ一テル、 テトラヒドロフランな どをあげることができる。 ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、 塩化メチ レン、 クロ口ホルムなどをあげることができる。 ケトン系溶媒としては、 アセトン、 メチルェチルケトン、 メチルイソプチルケトンなどをあげるこ とができる。 アルコール系溶媒としては、 メタノール、 エタノール、 プロ ノ、。ノーレ、 イソプロパノール、 n—ブタノ一ル、 t—ブタノールなどをあ け、ること力できる。 二トリル系溶媒としては、 ァセトニトリル、 プロピオ 二トリル、 ベンゾニトリルなどをあげることができる。 エステル系溶媒と しては、 酉酸ェチル、 酢酸ブチルなどをあげることができる。 力一ポネ一 卜系溶媒としては、 エチレンカーポネ一ト、 プロピレンカーボネートなど をあげることができる。
上記であげた溶媒は、 少なくとも 1種用いることができる。
溶媒を使用する場合、 その使用量は、 系全体の粘度と必要とする撹拌効 率の関係から適宜決定すればよい。 また、 塊状重合、 各種の溶媒中で行な う重合において重合を途中で停止させる場合においても、 反応を停止させ る点での単量体の転化率は、 系全体の粘度と必要とする撹拌効率の関係か ら適宜決定すればよい。
前記重合は、 2 3 °C〜2 0 0 の範囲、 好ましくは 5 0〜1 5 0 °Cの範 囲で行なうことができる。
前記重合により、 アクリル系ブロック共重合体を製造するには、 単量体 を逐次添カロする方法、 あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤として次 のブロックを重合する方法、 別々に重合した重合体を反応により結合する 方法などがあげられる。 これらの方法はいずれによってもよく、 目的に応 じて使い分ければよい。 製造工程の簡便性の点からは単量体の逐次添加に よる方法が好ましい。 また、 前のブロックの単量体が残存して次のブロッ
クに共重合してしまうことを避けたい場合には、 あらかじめ合成した重合 体を高分子開始剤として次のプロックを重合する方法が好ましい。
以下に、 単量体の逐次添加による場合、 あらかじめ合成した重合体を高 分子開始剤として次のブロックを重合する場合について詳細に説明するが、 本発明のアクリル系ブロック共重合体の製造方法を限定するものでは全く ない。
単量体の逐次添加による場合、 先に重合させるベく仕込んだ単量体の転 化率が 8 0〜9 5 %の時点で、 つぎに重合させたい単量体を仕込むことが 望ましい。 転化率が 9 5 %をこえるまで重合を進行させた場合には、 高分 子鎖の成長反応が高確率でおさえられる。 また、 高分子ラジカレ同士が反 応しゃすくなるために、 不均化、 カップリング、 連鎖移動などの giJ反応が 起こりやすくなる傾向がある。 転化率が 8 0 %未満の時点でつぎに重合さ せたい単量体を仕込んだ場合には、 先に重合させるために仕込んだ単量体 がつぎに重合させたい単量体と混合して共重合してしまうことが問題とな る場合がある。
また、 この場合、 単量体の添加の順序として、 まずアクリル系単量体を 仕込んで重合させたのちにメタアクリル系単量体を仕込んで重合させる方 法 (p i ) と、 まずメタアクリル系単量体を仕込んで重合させたのちにァ クリル系単量体を仕込んで重合させる方法 (q l ) とが考えられるが、 ま ずアクリル系単量体を仕込んで重合させたのちにメタアクリル系単量体を 仕込んで重合させる方法 (p i ) が、 重合の制御の観点から好ましい。 こ れは、 ァクリル系重合体プロックの末端からメタクリル系重合体ブロック を成長させることが好ましいからである。
あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤として次のブロックを重合す る方法として、 たとえば、 1つ目のブロックの重合を、 所望の時点で、 リ ビング状態で一旦温度を下げ、 重合を止めて、 1つ目のブロックの単量体
を減圧留去などしたのち、 2つ目のプロックの単量体を添加する方法があ げられる。 3つ目以降のブロックを重合させたい場合にも、 2つ目のプロ ックの場合と同様に操作すればよい。 この方法では、 2つ目以降のブロッ クの重合時に、 残存した前のブロックの単量体が共重合してしまうことを 避けることができる。
また、 この場合、 ブロックの重合の順序として、 まずアクリル系ブロッ クを重合させたのちにメタアクリル系ブロックを重合させる方法 (p 2 ) と、 まずメタァクリル系ブロックを重合させたのちにァクリル系ブロック を重合させる方法 (q 2 ) とが考えられるが、 まずアクリル系ブロックを 重合させたのちにメタアクリル系ブロックを重合させる方法 (p 2 ) 力 S重 合の制御の観点から好ましい。 これは、 アクリル系重合体ブロックの末端 からメタァクリル系重合体ブロックを成長させることが好ましいからであ る。
ここで、 アクリル系単量体、 メタアクリル系単量体などの転化率の求め 方について説明する。 転ィ匕率を求めるのには、 ガスクロマトグラフ (G C ) 法、 重量法などが適用可能である。 G C法は、 重合系の反応液を反応開 始前および反応途中で随時サンプリングして G C測定し、 単量体と重合系 内にあらかじめ添加された内部標準物質との存在比から、 単量体の消費率 を求める方法である。 この方法の利点は、 複数の単量体が系内に存在して いる場合でも、 それぞれの転化率を独立して求めることができることであ る。 重量法は、 重合系の反応液をサンプリングして、 その乾燥前の重量と 乾燥後の重量から固形分濃度を求め、 単量体の全体しての転化率を求める 方法である。 この方法の禾 U点は、 簡単に転化率を求めることができること である。 これらの方法のうち、 複数の単量体が系内に存在する場合、 たと えば、 メタァクリル系単量体の共重合成分としてァクリル系単量体が含ま れている場合などには、 G C法が好ましい。
重合によつて得られた反応液は、 重合体と金属錯体の混合物を含んでお り、 カルボキシル基、 もしくは、 スルホ二ル基を含有する有機酸を添加し て金属錯体と金属塩を生成させ、 生成した金属錯体を濾過などにより、 固 形分を除去し、 引き続き、 塩基性活性アルミナ、 塩基性吸着剤、 固体無機 酸、 陰イオン交換樹脂、 セルロース陰イオン交換体吸着処理により溶液中 に残存する酸などの不純物を除去することで、 アクリル系プロック共重合 体溶液を得ることができる。
このようにして得られた重合体溶液は、 引き続き、 蒸発操作により重合 溶媒及び未反応モノマ一を除去して、 アクリル系ブロック共重合体を単離 する。 蒸発方式としては薄膜蒸発方式、 フラッシュ蒸発方式、 押出しスク リューを備えた横型蒸発方式などを用いることができる。 アクリル系プロ ック共重合体は粘着性を有するため、 上記蒸発方式の中でも押出しスクリ ユーを備えた横型蒸発方式単独、 あるいは他の蒸発方式と組み合わせるこ とにより効率的な蒸発が可能である。
<アクリル系ブロック共重合体 (A) の製法 >
アクリル系ブロック共重合体 (A) は、 アクリル系ブロック共重合体 ( Α') を高温下 1 8 0〜3 0 0 で加熱する方法が好ましく用いられる。 その際、 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を重合体溶液の状態で加圧 下で加熱してもよく、 重合体溶液から溶剤を蒸発、 除去しながら加熱して もよく、 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を直接、 加熱溶融してもよ いが、 酸無水物基への反応性や、 製造の簡便さなどの点で、 アクリル系ブ ロック共重合体 (Α') を直接、 加熱溶融することが好ましい。 さらには、 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を溶融混練することがより好ましい。 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を重合体溶液の状態で加熱する方 法としては、 耐圧性の反応容器で行なうことができる。 また、 アクリル系 ブロック共重合体 (Α') を重合体溶液から溶剤を蒸発、 除去しながら加
熱する方法としては、 押し出しスクリューを備えた横型蒸発方式などを用 いることができる。 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を直接、 加熱溶 虫する方法としては、 プレス機や射出成形機などを用いることができる。 更に反応を効率よく進めるためには、 アクリル系ブロック共重合体 (Α ') を溶融混練する方法があげられ、 加熱と混練とを同時に行ない得る種 々の装置中で行なうことが可能であって、 たとえば通常のゴムの加工に用 いられるバンバリ一、 ニーダ一、 単軸または多軸の押出機などがあげられ る。 特に限定されないが、 酸無水物基への反応性や、 製造の簡便さなどの 点で、 押出機が好適に用いられる。 アクリル系ブロック共重合体 (Α') を溶融混練する際、 溶融混練時間 (押出機を用いた場合は押出機中での滞 留時間) は、 溶融混練する温度、 スクリュ一構成、 L/D (スクリユー有 効長さ Lとスクリュ一径 Dの比) 、 スクリュー回転数などに応じて適宜決 めればよい。
<組成物>
本発明のアクリル系ブロック共重合体 (Α) は、 架橋ゴム(Β)、 熱可塑 性樹脂 (C ) 、 熱可塑性エラストマ一 (D ) 、 滑剤 (Ε ) 、 無機充填剤 ( F ) 、 安定剤 (G) からなる群より選ばれる少なくとも 1種を配合した 組成物として用いることができる。 また、 それらの組成物はシール製品な どとして好適に使用することができる。
特に限定されないが、 たとえば以下のような場合に、 アクリル系ブロッ ' ク共重合体 (Α) と、 架橋ゴム(Β)、 熱可塑性樹脂 (C) 、 熱可塑性エラ ストマー (D) 、 滑剤 (Ε) 、 無機充填剤 (F ) 、 安定剤 (G) を配合し、 好適に使用することができる。
アクリル系ブロック共重合体 (Α) に架橋ゴム (Β ) を加え、 アクリル 系ブロック共重合体 (Α) にゴム弾性を付与したり、 低温特性等の物性を 改善する場合や、 架橋ゴム (Β) にアクリル系ブロック共重合体 (Α) を
加えることで熱可塑性を付与し、 架橋ゴム (B) の加工性およびリサイク ル性を改善する場合;ァクリル系ブ口ック共重合体 (A) に熱可塑性樹脂 ( C) および Zまたは熱可塑性エラストマ一 (D) を加えてアクリル系ブ ロック共重合体 (A) の硬度を調整したり、 機械特性、 低温特性等の物性 を改善する場合や、 熱可塑性樹脂 (C) および Zまたは熱可塑性エラスト マー (D) にアクリル系ブロック共重合体 (A) を軟質化剤として添加し、 熱可塑性樹脂 (C) および Zまたは熱可塑性エラストマ一 (D) の高弾性 率を維持しつつ、 硬度を調整したり圧縮永久歪み特性を改善する場合;ァ クリル系ブロック共重合体 (A) の反応性を利用して、 2種以上の架橋ゴ ム (B ) および Zまたは熱可塑性樹脂 (C) および/または熱可塑性エラ ストマ一 (D) にアクリル系ブロック共重合体 (A) を相溶化剤として添 加して、 機械特性を改善する場合などがある。 また、 アクリル系ブロック 共重合体 (A) またはその組成物に、 滑剤 (E ) と無機充填剤 (G) を加 えて、 アクリル系ブロック共重合体 (A) またはその組成物の表面の摩擦 性を小さくしたり、 弾性率などの機械特性を改善したり、 さらには加工性 を改善する場合などがある。 安定剤 (G) は加工時の熱劣化や酸劣化を防 いだり、 製品の耐熱性や耐候性等を改善する場合に使用できる。
アクリル系ブロック共重合体 (A) と架橋ゴム (B ) 、 熱可塑性樹脂 (C) および/または熱可塑性エラストマ一 (D ) 、 さらに滑剤 (E) お よび Zまたは無機充填剤 ( F ) および Zまたは安定剤 (G ) の配合割合は、 得られる組成物に必要とされる物性、 例えばシール製品の特性などに応じ て適宜決定すれば良い。
アクリル系ブロック共重合体 (A) にゴム弾' I生を付与したり、 低温特性 の改善が必要とされる場合や、 架橋ゴムに熱可塑性を付与するためにァク リル系ブロック共重合体 (A) を加える場合、 アクリル系ブロック共重合 体 (A) 0 . 5〜9 9 . 5重量%ぉよび、 架橋ゴム (B ) 9 9 . 5〜0 .
5重量%力 らなることが好ましく、 アクリル系ブロック共重合体 (A) 0 . 5〜9 0重量%ぉょび、 架橋ゴム (B) 9 9 . 5〜 1 0重量%からなるこ とがより好ましい。 アクリル系ブロック共重合体 (A) が 0. 5重量%ょ り少ないと、 架橋ゴムへの熱可塑性付与が不充分になる傾向があり、 架橋 ゴム (B ) が 0 . 5重量%より少なくなるとアクリル系ブロック共重合体 (A) へのゴム弾性付与や低温特性改善が不充分になる傾向があ.る。
アクリル系ブロック共重合体 (A) と熱可塑性樹脂 (C) および Zまた は熱可塑性エラストマ一 (D) の配合割合は必要に応じて適宜決定すれば よく、 特に制限されないが、 アクリル系ブロック共重合体 (A) 0 . 5〜 9 9. 5重量%と、 熱可塑性樹脂 (C) および Zまたは熱可塑' I生エラスト マ一 (D ) 9 9 . 5〜0 . 5重量%からなることが好ましく、 アクリル系 ブロック共重合体 (A) 0 . 5〜9 0重量%と、 熱可塑性樹脂 (C) およ び/または熱可塑性エラストマ一 (D) 9 9 . 5〜1 0重量%からなるこ とがより好ましい。
アクリル系ブロック共重合体 (A) に熱可塑性樹脂 (C) および/また は熱可塑性エラストマ一 (D) を加えアクリル系ブロック共重合体 (A) の硬度を調整したり、 機械特性、 機械特性等の物性を改善する場合、 ァク リル系ブロック共重合体 (A) は 9 9 . 5〜5 0重量%、 熱可塑性樹脂
(C) および Zまたは熱可塑性エラストマ一 (D) は 0 . 5〜5 0重量% が好ましい。 熱可塑性樹脂 (C ) および または熱可塑性エラストマ一
(D) が 0 . 5重量%より少ないと、 アクリル系ブロック共重合体の硬度 の調整や機械特性等の物性改善が不充分になる場合がある。
また、 熱可塑性樹脂 (C) および Zまたは熱可塑性エラストマ一 (D) にァクリリレ系プロック共重合体 (A) を軟質化剤として添加し、 熱可塑性 樹脂 (C ) および/または熱可塑性エラストマ一 (D) の高弾性率を維持 しつつ、 硬度を調整したり、 圧縮永久歪特性を改善する場合は、 アクリル
系ブロック共重合体 (A) は 0. 5〜50重量%、 熱可塑性樹脂 (C) お よび/または熱可塑性エラストマ一 (D) は 99. 5〜50重量%が好ま しい。 アクリル系ブロック共重合体 (A) が 0. 5重量%より少ないと、 熱可塑性樹脂 (C) および Zまたは熱可塑性エラストマ一 (D) の硬度の 調整や機械特性等の物性の改善が不充分になる場合があり、 2種以上の架 橋ゴム (B) および/または熱可塑性樹脂 (C) および Zまたは熱可塑性 エラストマ一 (D) にアクリル系ブロック共重合体 (A) を相溶化剤とし て添加し、 機械特性を改善する場合、 アクリル系ブロック共重合体 (A) は 0. 5〜 2 0重量%、 架橋ゴム (B) および Zまたは熱可塑性樹脂 (C) および/または熱可塑性エラストマ一 (D) は 80〜99. 5重 量%が好ましい。 ァク υル系ブロック共重合体 (Α) が 0. 5重量%より 少ないと、 機械特性の改善や相溶性の改善が不充分になる場合がある。 アクリル系ブロック共重合体 (Α) またはその組成物に滑剤 (Ε) 、 無 機充填剤 (F) 、 安定剤 (G) を配合する場合、 アクリル系ブロック共重 合体 (Α) またはその組成物 100重量部に対して滑剤 (Ε) 0. 01〜 50重量部、 無機充填剤 (F) 0. 01〜300重量部、 安定剤 (G) 0. 01〜15重量部からなることが好ましく、 より好ましくは、 滑剤 (Ε) 0. 1〜30重量部、 無機充填剤 (F) 0. 1〜100重量部である。 滑 剤 (Ε) が 0. 01重量部より少ないと、 表面の摩擦性が低減されない場 合があり、 50重量部より多いと、 アクリル系ブロック共重合体 (Α) ま たはその組成物からブリードアウトしたり、 耐油性が低下する場合がある。 また無機充填剤 (F) が 0. 01重量部より少ないと、 弾性率などの機械 特性改善が不充分になる場合があり、 300重量部より多いと、 引張り時 の伸びが低下したり、 圧縮永久歪特性が悪化する場合がある。 また、 安定 剤 (G) が 0. 01重量部より少ないと、 加工時の熱劣化や酸劣化を防い だり、 製品の耐熱性ゃ而候性等を改善する効果が不充分になる場合があり、
15重量部より多い場合、 ァクリ レ系ブロック共重合体 (A) またはその 組成物の機械特性が低下したり、 着色する場合がある。
<架橋ゴム (B) >
本発明において、 架橋ゴム (B) とは、 加硫したゴムまたはコアシェル タイプでグラフト交叉剤などを添カロして架橋させたものであり、 コアシェ ルタイプがアクリル系ブロック共重合体 (A) との相溶性などの点で好ま しい。
架橋ゴム (B) の具体例としては、 たとえばアクリルゴム (ACM) 、 エチレン一アクリル酸エステル共重合ゴム (AEM) 、 アクリル二トリル 一アクリル酸エステル共重合ゴム (ANM) 、 塩素化ポリエチレン (C M) 、 クロロスルフォン化ポリエチレン (CSM) 、 エチレン—プロピレ ン共重合ゴム (EPM) 、 エチレン一プロピレン一ジェン共重合ゴム (E PDM) 、 エチレン一酢酸ビニル共重合ゴム (EVA) 、 四フッ化工チレ ン一プロピレンゴム (FEPM) 、 四フッ化工チレン一プロピレンーフッ 化ビニリデンゴム、 フッ素ゴム (FKM) 、 ポリイソブチレン (P I B) 、 ェピクロロヒドリンゴム (CO) 、 ァクリレートブタジエンゴム (AB R) 、 スチレン一ブタジエンゴム (SBR) 、 ブタジエンゴム (BR) 、 天然ゴム (NR) 、 エポキシ化天然ゴム (ENR) 、 イソプレンゴム (I R) 、 ブチルゴム (I I R) 、 臭素化ブチルゴム (B I I R) 、 塩素化ブ チルゴム (C I I R) 、 アクリロニトリル一ブタジエン共重合ゴム (NB R) 、 水素化二トリルゴム (H— NBR) 、 クロロプレンゴム、 ノルポル ネンゴム (NOR) 、 ポリエステ レウレタンゴム (AU) 、 ポリエーテル ウレタンゴム (EU) 、 シリコーンゴム (VMQ) 、 フロロシリコーンゴ ム (FVMQ) 、 ポリジメチルシロキサン (MQ) 、 多硫化ゴム、 ェチレ ンーメチルァクリレ一ト共重合ゴム (EMA) 、 エチレン—ェチルァクリ レート共重合ゴム (EEA) 、 エチレン—メチルメタクリレート共重合ゴ
ム (E MMA) などがあげられる。 また、 他の樹脂との優れた相溶性を特 徵とするコアシェルタイプの架橋ゴムとしては、 特に限定されないが、 メ チルメタクリレートーブタジエン一スチレン共重合体 (M B S樹脂) 、 ァ クリル系グラフト共重合体、 アクリルーシリコーン複合ゴム系グラフト共 重合体などがあげられる。 M B S樹脂としては、 カネ: Π—ス Bシリーズ、 カネエース Mシリーズ (いずれも、 鐘淵化学工業株式会社製) 、 アクリル 系グラフト共重合体としては、 カネエース F Mシリーズ (鐘淵化学工業株 式会社製) 、 アクリル—シリコーン複合ゴム系グラフ卜共重合体としては、 メタプレン S— 2 0 0 1 (三菱レイヨン株式会社製) などが、 工業製品と して入手可能である。
これらは少なくとも 1種使用してもよい。 これらのうちでは、 各種シー ル製品に必要とされる低温特性、 高温特性 (耐熱性) に優れる点から、 シ リコーンゴム (VMQ) が好ましい。 さらに、 機械的特性をも併せもつ点 から、 シリコーンをコア部とし、 シェル部にメチルメ夕クリレートなどを 用いたコアシェルタイプの架橋シリコーンゴムが好ましい。 これ以外にも、 アクリル系ブロック共重合体 (A) と相溶性のよいゴムを好適に使用する ことができる。
<熱可塑性樹脂 (C) >
本発明で使用しうる熱可塑性樹脂 (C) としては、 特に限定されず、 た とえば、 ポリ塩化ビエル樹脂、 ポリエチレン樹脂、 ポリプロピレン樹脂、 環状ォレフィン共重合樹脂、 ポリメチルメタクリレー卜樹脂、 スチレン一 メチルメタクリレート樹脂、 アクリロニトリル一スチレン共重合樹脂、 ポ リスチレン樹脂、 ポリフエ二レンェ一テル樹脂、 ポリ力一ポネート樹脂、 ポリエステル樹脂、 ポリアミド樹脂、 ポリアセタ一ル樹脂、 ポリフエニレ ンスルフイド樹脂、 ポリスルホン樹脂、 ポリイミド榭脂、 ポリエーテルィ ミド樹脂、 ポリエーテルケトン樹脂、 ポリエーテルエ一テルケトン樹脂、
およびポリアミドイミド樹脂などがあげられる。 これらは少なくとも 1種 用いることができる。 特に限定されないが、 アクリル系ブロック共重合体 (A) と相溶性のよいものが好適に用いられ、 酸無水物基と反応しうる官 肯 g基を有するものがより好適に用いられる。 酸無水物基と反応しうる官能 基としては、 アミノ基、 水酸基などが例示され、 これらを有する熱可塑性 樹脂として、 ポリエステル樹脂、 ポリアミド樹脂などをあげることができ る。 これ以外にも、 酸無水物基と反応する官能基を含有する熱可塑性樹脂 なども好適に使用することができる。 また、 ポリ塩化ビニル樹脂、 ポリメ チルメタクリレート樹脂、 アクリロニトリル—スチレン共重合樹脂、 メチ レメ夕クリレート—スチレン共重合樹脂、 ポリカーボネート樹脂を用いた 場合は、 アクリル系ブロック共重合体 (A) と相溶性がよいことから、 機 械強度は維持しつつ硬度を改善したり、 前記樹脂とポリエステル樹脂ゃポ リアミド樹脂との相溶化剤として有効に作用するという効果を有する。 <熱可塑性エラストマ一 (D) >
本発明で使用しうる熱可塑性エラス卜マー (D ) としては、 特に限定さ れず、 たとえば、 スチレンエラストマ一ゃォレフィンエラストマ一、 ウレ タンエラストマ一、 塩化ビニルエラストマー、 エステルエラストマ一、 ァ ミドエラストマ一、 アクリルエラストマ一などの熱可塑性エラストマ一を 用いることができる。 これらは少なくとも 1種用いることができる。 なか でも耐油性、 耐熱性、 相溶性の点でアクリルエラストマ一が、 耐油性、 耐 熱性、 酸無水物基と反応しうる官能基を有する点で、 エステルエラスト マ一、 アミドエラストマーが好ましい。 これ以外 ίこも、 酸無水物基と反応 する官能基を含有する熱可塑性エラス卜マーなども好適に使用することが できる。 スチレンエラストマ一、 ォレフィンエラストマ一、 ウレタンエラ ストマ一、 塩化ビエルエラストマ一を用いた場合は、 ゴム弾性や柔軟性な どの特性を維持したまま、 耐油、 耐熱性、 耐候性、 耐傷つき性を付与でき
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49 るなどの効果を有する。
<滑剤 (E) >
本発明で使用し得る滑剤 (E) としては、 たとえば、 ステアリン酸、 パ ルミチン酸などの脂肪酸、 ステアリン酸カルシウム、 ステアリン酸亜鉛、 ステアリン酸マグネシウム、 パルミチン酸カリウム、 パルミチン酸ナトリ ゥムなどの脂肪酸金属塩、 ポリエチレンワックス、 ポリプロピレンヮック ス、 モンタン酸系ワックスなどのワックス類、 低分子量ポリエチレンや低 分子量ポリプロピレンなどの低分子量ポリオレフィン、 ジメチルポリシ口 キサンなどのポリオルガノシロキサン、 ォク夕デシルァミン、 リン酸アル キル、 脂肪酸エステル、 エチレンビスステアリルアミドなどのアミド系滑 剤、 4フッ化工チレン樹脂などのフッ素樹脂粉末、 二硫化モリブデン粉末、 シリコーン樹脂粉末、 シリコ一ンゴム粉末、 シリカなどがあげられる。 こ れらは少なくとも 1種用いることが、できる。 なかでもコスト面ゃ加工性に 優れる点から、 ステアリン酸、 ステアリン酸カルシウム、 ステアリン酸亜 鉛、 ステアリン酸マグネシウムが好ましい。 得られる組成物を各種シール 製品に利用する場合等は、 必要な低摩擦性を付与できる点などからステア リン酸、 ステアリン酸亜鉛、 ステアリン酸カルシウムが好ましい。
<無機充填剤 (F ) >
本発明で使用し得る無機充填剤 (F) としては、 たとえば、 酸化チタン、 硫化亜鉛、 酸化亜鉛、 カーボンブラック、 炭酸カルシウム、 ケィ酸カルシ ゥム、 クレー、 カオリン、 シリカ、 雲母粉、 アルミナ、 ガラス繊維、 金属 繊維、 チタン酸力リウイスカー、 アスベスト、 ウォラストナイト、 マイ力、 タルク、 ガラスフレーク、 ミルドファイバー、 金属粉末などがあげられる が、 これらに限定されるものではない。 これらは少なくとも 1種用いるこ とができる。 なかでも機械特性の改善や補強効果、 コスト面等から、 酸化 チタン、 カーボンブラック、 炭酸カルシウム、 シリカ、 タルクが好ましい。
, 得られる組成物を各種シール製品に利用する場合は、 必要な高弾性率、 耐 候性、 また顔料としても用いることができる点から、 カーボンブラックや 酸化チタンが好ましい。
<安定剤 (G) >
本発明で使用し得る安定剤 (G) としては、 老化防止剤、 光安定剤、 紫 外線吸収剤などがあげられる。 特に限定されないが、 具体的には、 老化防 止剤としては、 フエ二ルー α—ナフチルァミン (PAN) 、 才クチルジ フエニルァミン、 N, N' —ジフエニル一 p—フエ二レンジァミン (DP PD) 、 N, N, —ジー j3—ナフチルー P—フエ二レンジァミン (DNP D) 、 N- (1, 3—ジメチルブチル) 一 N' —フエ二ルー p—フエニレ ンジァミン、 N—フエ二ルー N' —イソプロピル一 p—フエ二レンジアミ ン (I PPN) 、 N, N' —ジァリル一 p—フエ二レンジァミン、 フエノ チアジン誘導体、 ジァリル一 P—フエ二レンジアミン混合物、 アルキル化 フエ二レンジァミン、 4, 4, —ビス (《、 α—ジメチルベンジル) ジ フエニルァミン、 Ν—フエ二ルー Ν, 一 (3—メタクリロイ口キシー 2— ヒドロプロピル) 一 ρ—フエ二レンジァミン、 ジァリルフエ二レンジアミ ン混合物、 ジァリル—Ρ—フエ二レンジァミン混合物、 Ν - (1 一メチル ヘプチル) 一 Ν, —フエ二ルー ρ—フエ二レンジァミン、 ジフエニルアミ ン誘導体などのアミン系老化防止剤、 2—メルカプトベンゾィミダゾール
(MB I) などのイミダゾール系老化防止剤、 2 , 6—ジー t一ブチルー 4一メチルフエノール、 ペン夕エリスリチルテトラキス [3— ( 5—ジ— t—ブチル一 4ーヒドロキシフエノール) 一プロピネート]などのフエ ノール系老化防止剤、 ニッケルジェチルージチォカーバメイトなどのリン 酸塩系老化防止剤、 トリフエニルホスファイトなどの 2次老化防止剤、 2 一 tーブチルー 6— (3 - t—ブチル— 2—ヒドロキシー 5—スチルベン ジル) —4一メチルフエニルァクリレート、 2— [1— (2—ヒドロキシ
一 3, 5—ジ一 t一ペンチフレフエニル) ェチル ]ー4, 6—ジー t—ペンチ ルフエ二ルァクリレートなどがあげられる。 また、 光安定剤や紫外線吸収 剤としては、 4一 t一プチルフエニルサリシレート、 2, 4ージヒドロキ シベンゾフエノン、 2, 2, 一ジヒドロキシー 4ーメトキシベンゾフエノ ン、 ェチル— 2—シァノ _ 3, 3 'ージフエニルァクリレート、 2—ェチ ルへキシル— 2—シァノー 3, 3 ' —ジフエニルァクリレート、 2 -ヒド 口キシー 5—クロルベン、ゾフエノン、 2—ヒドロキシ一 4ーメトキシベン ゾフエノン一 2—ヒドロキシ一4—ォクトキシベンゾフエノン、 モノダリ コールサリチレ一ト、 ォキザリック酸アミド、 2, 2' , 4, 4' —テト ラヒドロキシベンゾフエノンなどがあげられる。
工業製品としては、 I r g anox l O l O (チバ 'スペシャルティ - ケミカルズ株式会社製) 、 サノール LS 770 (三共ライフテック株式会 社) 、 アデカスタブ LA— 57 (旭電化工業株式会社製) 、 アデカスタブ LA- 68 (旭電化工業株式会社製) 、 Ch ima s s o r b 944 (チ バ 'スペシャルティ 'ケミカルズ株式会社製) 、 サノール LS 765 (三 共ライフテック株式会社) 、 アデカスタブ LA— 62 (旭電化工業株式会 社製) 、 T INUVIN 144 (チバ 'スペシャルティ 'ケミカルズ株式 会社製) 、 アデカスタブ: L A— 63 (旭電化工業株式会社製) 、 T INU V IN622 (チバ ·スペシャルティ . 'ケミカルズ株式会社製) 、 アデ力 スタブ LA— 32 (旭電ィ匕工業株式会社製) 、 アデカスタブ LA— 36
(旭電化工業株式会社製) 、 T I NUV I N57 1 (チバ ·スペシャル ティ ·ケミカルズ株式会社製) 、 T I NUV I N234 (チバ ·スぺシャ ルティ ·ケミカルズ株式会社製) 、 アデカスタブ L A— 31 (旭電化工業 株式会社製) 、 T I NUV I N 1130 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカ ルズ株式会社製) 、 アデカスタブ AO— 20 (旭電化工業株式会社製) 、 アデカスタブ AO— 50 (旭電化工業株式会社製) 、 アデカスタブ 211
2 (旭電化工業侏式会社製) 、 アデカスタブ' PEP— 36旭電化工業株式 会社製) 、 スミライザ一 GM (住友化学工業株式会社) 、 スミライザ一 G S (住友化学工業株式会社) 、 スミライザ一 TP-D (住友化学工業株式 会社) などがあけられる。 これらは単独で使用してもよく、 2種以上を組 み合わせて使用してもよい。 なかでもァクリル系プロック体の熱や光によ る劣化防止効果ゃコストなので点で、 サノール L S 770、 I r g a n o x 101 0、 スミライザ一 GS、 T I NUV I N234が好ましい。 <熱可塑'性エラス 卜マー組成物の製造方法 >
本発明のァクリリレ系ブロック共重合体 (A) 、 ならびに、 アクリル系ブ ロック共重合体 (A) と架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹脂 (C) 、 熱可塑性 エラストマ一 (D) 、 滑剤 (E) 、 無機充填剤 (F) 、 安定剤 (G) から なる群より選ばれる少なくとも 1種を配合した組成物を加工あるいは、 製 造する方法としては特に限定されず、 例えば、 バンバリ一ミキサー、 ロー ルミル、 ニーダ一、 単軸または多軸の押出機などの公知の装置を用い、 機 械的に混合しペレツト状に賦形する方法などの既存の方法を用いることが できる。 混練時の温度は、 生産性や使用するアクリル系ブロック共重合体 (A) 、 架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹脂 (C) 、 熱可塑性エラストマ一 (D) 、 滑剤 (E) 、 安定剤 (G) の溶融温度や、 得られるアクリル系ブ ロック共重合体 (A) 、 ならびに組成物の機械特性などに応じて調整する のがよく、 たとえば、 100〜300°Cで溶融混練することにより製造で き、 130〜30 0 がより好ましく、 150〜250°Cがさらに好まし い。 100°Cより低いと、 アクリル系ブロック共重合体 (A) の溶融が不 充分となり、 架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹脂 (C) 、 熱可塑性エラスト マ一 (D) 、 滑剤 (E) 、 無機充填剤 (F) 、 安定剤 (G) 等との混練が 不均一になる場合がある。 また、 300 より高いと、 アクリル系ブロッ ク共重合体 (A) 自体が分解する場合がある。
前記アクリル系ブロック共重合体 (A) ならびに、 アクリル系ブロック 共重合体 (A) と架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹 S旨 (C) 、 熱可塑性エラス トマ一 (D) 、 滑剤 (E) 、 無機充填剤 (F) 、 安定剤 (G) からなる群 より選ばれる少なくとも 1種を配合した組成物は、 必要に応じて柔軟性付 与剤、 難燃剤、 顔料、 離型剤、 帯電防止剤、 抗菌抗カビ斉 U、 相溶化剤など を添加してもよい。 これらの添加剤は、 必要とされる物' f生や、 使用される 用途などに応じて、 適宜最適なものを選択すればよい。
上記柔軟性付与剤としては、 例えば、 熱可塑性樹脂やゴムに通常配合さ れる可塑剤;プロセスオイルなどの軟化剤;オリゴマー; 動物油、 植物油 などの油分;灯油、 重油、 軽油、 ナフサなどの石油留分などの化合物があ げられるが、 それらに限定されるものではない。 軟ィヒ剤としては、 プロセ スオイルがあげられ、 より具体的にはパラフィンオイル; ナフテン系プロ セスオイル;芳香族系プロセスオイルなどの石油系プロセスオイルなどが あげられる。
可塑剤としては、 たとえば、 フ夕ル酸ジメチリレ、 フタフレ酸ジェチル、 フ タル酸ジ一 n—プチル、 フタル酸ジ一 (2—ェチルへキシル) 、 フ夕ル酸 ジヘプチル、 フタル酸ジイソデシル、 フタル酸ジ _ n—才クチル、 フタル 酸ジイソノエル、 フタル酸ジトリデシル、 フタル酸ォクチルデシル、 フタ ル酸ブチルベンジル、 フ夕ル酸ジシクロへキシ レ、 フタフレ酸一 /3—ヒドロ 'キシェチル— 2—ェチルへキシルなどのフ夕ル酸誘導体; ジメチルイソフ 夕レートのようなイソフタル酸誘導体;ジー (2—ェチリレへキシル) テト ラヒドロフタリレ酸のようなテトラヒドロフタ レ酸誘導体; アジピン酸ジメ チル、 アジピン酸ジブチル、 アジピン酸ジー n—へキシ レ、 アジピン酸ジ 一 (2—ェチルへキシル) 、 アジピン酸イソノニル、 アジピン酸ジイソデ シル、 アジピン酸ジブチルジグリコ一ルなどのアジピン酸誘導体;ァゼラ ィン酸ジ一 2—ェチルへキシルなどのァゼライン酸誘導体;セバシン酸ジ
ブチルなどのセバシン酸誘導体; ドデカン一 2一酸誘導体;マレイン酸ジ ブチル、 マレイン酸ジ一 2 -ェチルへキシルなどのマレイン酸誘導体; フ マル酸ジブチルなどのフマル酸誘導体; —ォキシ安息香酸一 2一ェチル へキシルなどの p—ォキシ安息香酸誘導体; トリメリト酸トリス一 2—ェ チルへキシルなどのトリメリト酸誘導体; ピロメリト酸誘導体;クェン酸 ァセチルトリブチルなどのクェン酸誘導体;ィタコン酸誘導体;ォレイン 酸誘導体; リシノール酸誘導体;ステアリン酸誘導体;その他脂肪酸誘導 体;スルホン酸誘導体; リン酸誘導体;ダルタル酸誘導体;アジピン酸、 ァゼライン酸、 フタル酸などの二塩基酸とグリコールおよび一価アルコー ルなどとのポリマーであるポリエステル系可塑剤、 ダルコ一ル誘導体、 グ リセリン誘導体、 塩素化パラフィンなどのパラフィン誘導体、 エポキシ誘 導体ポリエステル系重合型可塑斉 lj、 ポリエ一テル系重合型可塑剤、 ェチレ ンカーボネート、 プロピレンカーボネートなどの力一ポネート誘導体、 N 一ブチルベンゼンスルホンアミ ド、 N _ェチルトルエンスルホンアミド、 N—シクロへキシルトルエンスルホンアミドなどのスルホンアミド誘導 体;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合 して得られるビニル系重合体類などがあげられる。 本発明において可塑剤 はこれらに限定されることがなく、 種々の可塑剤を用いることができ、 ゴ ム用または熱可塑性樹脂用可塑剤として広く市販されているものも用いる ことができる。 市販されている可塑剤としては、 チォコ一ル T P (モ一ト ン社製) 、 アデ力サイザ一 0— 1 3 0 P、 C一 7 9、 U L— 1 0 0、 P— 2 0 0、 R S - 7 3 5 (旭電ィ匕 (株) 製) 、 サンソサイザ一 N— 4 0 0 (新日本理化 (株) ) 、 B M- 4 (大八化学工業 (株) ) 、 E H P B (上 野製薬 (株) ) 、 U P— 1 0 0 0 (東亜合成 (株) ) などがあげられる。 植物油としては、 たとえばひまし油、 綿実油、 あまに油、 なたね油、 大豆 油、 パ一ム油、 やし油、 落花生油、 パインオイル、 トール油などがあげら
れる。
上記柔軟性付与剤において、 アクリル系ブロック共重合体 (A) や架橋 ゴム (B ) 、 熱可塑性樹脂 (C) 、 熱可塑性エラストマ一 (D) との親和 性に優れたものを用いるのが好ましい。 特に限定されないが、 このなかで も低揮発性で加熱減量の少ない可塑剤であるアジピン酸誘導体、 フ夕ル酸 誘導体、 ダルタル酸誘導体、 トリメリト酸誘導体、 ピロメリト酸誘導体、 ポリエステル系可塑剤、 グリセリン誘導体、 エポキシ誘導体ポリエステル 系重合型可塑剤、 ポリエ一テル系重合型可塑剤、 アクリル系可塑剤などが 好適に使用される。 以上の柔軟性付与剤は少なくとも 1種用ることができ る。
上記の難燃剤としては、 つぎの化合物:^あげられるが、 それらに限定さ れない: トリフエニルホスフェート、 トリクレジルホスフェート、 デカブ ロモビフエニル、 デカブロモビフエニル T—テル、 三酸化アンチモンなど。 これらは単独で用いてもよく、 複数を組合せて用いてもよい。
上記の顔料としては、 つぎの化合物があげられるが、 それらに限定され ない:酸化チタン、 硫化亜鉛、 酸化亜沿などがあげられる。 これらは単独 で用いてもよく、 複数を組合せて用いてもよい。
上記相溶化剤としては、 クレイトンシリーズ (シェルジャパン (株) 製) 、 タフテックシリーズ (旭化成工業 (株) 製) 、 ダイナロン (日本合 成ゴム (株) 製) 、 ェポフレンド (ダイセル化学工業 (株) 製) 、 セプト ン (クラレ (株) 製) 、 ノファロィ (日本油脂 (株) 製) 、 レクスパール (日本ポリオレフイン (株) 製) 、 ボンドファースト (住友化学工業 (株) 製) 、 ボンダイン (住友化学工業 (株) 製) 、 アドマ一 (三井化学 (株) 製) 、 ュ一メックス (三洋化成工業 (株) 製) 、 VMX (三菱化学 (株) 製) 、 モディーパー (日本油脂 (株) 製) 、 スタフイロイド (武田 薬品工業 (株) 製) 、 レゼ夕 (東亜合成 (株) 製) などの市販品をあげる
1
56 こと力 Sでさる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体 (A) は、 構成する単量体の種類 や、 メタアクリル系重合体ブロック (a ) とアクリル系重合体ブロック
( b ) の組成比等により、 幅広い硬度領域のものを得ることができ、 低硬 度で、 柔軟性を有するものはパウダー状やペレット状に製造する場合、 ブ ロッキングする場合がある。 よって、 本発明のアクリル系ブロック共重合 体 (A ) 、 ならびに、 アクリル系ブロック共重合体 (A) と、 架橋ゴム
(B ) 、 熱可塑性樹脂 (C) 、 熱可塑性エラストマ一 (D) 、 滑剤 (E) 、 無機充填剤 ( F) 、 安定剤 (G) からなる群より選ばれる少なくとも 1種 を配合した組成物において、 パウダー状やペレット状に製造する場合、 ブ ロッキング防止するために種々の滑剤を塗布してもよい。 滑剤の具体例と しては前記の滑剤 (E) や炭酸カルシウム、 タルク、 カオリン、 アルミナ、 水酸ィ匕アルミ、 アクリル系高分子微粒子などをあげることがでさる。 これ らの群より選ばれる少なくとも 1種であることが好ましい。 コストの点か ら炭酸力 ^/シゥム、 タルクが好ましく、 特にメタアクリル系ブロック共重 合体 ίこおけるメタァクリレート系重合体ブロック (a ) がメ夕アクリル酸 メチルを主成分として用いた場合には、 ポリメタアクリル酸メチル樹脂粉 末を滑剤として用いたことで、 滑剤添加による製品物性の影響がほとんど 考えられないことから好ましい。
本発明においてパウダ一やペレツトに滑剤を付与する方法としては、'滑 剤なしにパウダーやペレツトを製造し、 得られたパウダーやペレツトに滑 剤を塗布してもよいし、 パウダーやペレツト製造工程時に同時に塗布して もよレ
滑剤なしにペレツトを製造し、 得られたペレットに滑剤を塗布する手法 としては、 滑剤を含有する溶剤中に重合体ペレツトを分散させる方法や、 ペレツトに滑剤を含有する溶剤を噴霧する用法や、 ペレットおよび滑剤を
直接混合する方法などがあげられる。 また、 ペレット製造工程時に同時に 塗布する方法としては、 例えば、 アンダーウォーターカット方式ゃストラ ンドカツト方式などがあげられる。 アンダーゥォ一夕一カツト方式による ペレツト製造においては、 ダイスおよびカツ夕一近傍のペレツトのブロッ キングを防止することが必要な場合がある。 この場合、 重合体のカットが 循環冷却水中で行われるため、 この循環冷却水中に滑剤を 1種または 2種 以上を添加することよりブロッキング性を改善できる。 また、 ストランド カット方式では、 ダイスから払い出された樹脂は高温であり、 ストランド を水相にて冷却し、 樹脂を固化させた後カツティングする方法が一般的で あるが、 その水相中に予め滑剤を添加、 分散させておき、 ストランドを水 相中に浸漬させることにより表面に滑剤を付着させることでペレツトのブ ロッキング防止効果を発現することも可能である。
<自動車、 電気 ·電子用部品 >
本発明のアクリル系ブロック共重合体 (A) 、 ならびに、 アクリル系ブ ロック共重合体 (A) と、 架橋ゴム (B) 、 熱可塑性樹脂 (C) 、 熱可塑 性エラストマ一 (D) 、 滑剤 ( E) 、 無機充填剤 (F) 、 安定剤 (G) か らなる群から選ばれる少なくとも 1種を配合した組成物は、 ァクリル系ブ ロック共重合体が本来有する特性を維持しながら、 耐油性、 耐熱性、 耐熱 分解性、 耐候性、 機械特性、 圧縮永久歪などが改善されていることから、 自動車、 電気 ·電子部品、 たとえば自動車用シール製品、 家庭用電気製品 ' 用シール製品、 事務用電気製品用シール製品としてより好適に用いること ができる。 本発明のシール製品は、 優れた耐油性、 耐熱性、 などを有する ものであり、 従来のシール製品、 たとえば加硫ゴム系と比較して、 成形ェ 程の簡素化やリサイクル性に優れ、 ォレフィン系熱可塑性エラストマ一と 比較して、 より優れた耐油性、 耐候性を有することができる。
具体的には、 その種類はオイルシール、 往復動用オイルシールなどの各
種オイルシール、 グランドパッキン、 リップパッキン、 スクイーズパツキ ンなどの各種パッキン、 等速ジョイント用ブーツ、 ストラットブーツ、 ラ ック&オピニオン用ブーツ、 ブレーキブースタ一用ブーツ、 ステアリング ポールジョイント用ブーツなどの各種ブーツ、 サスペンション用ダストカ バ一、 サスペンション ·タイロッド用ダストカバ一、 ス夕ビライザ 'ダイ ロッド用ダストカバ一などの各種ダストカバ一、 樹脂インテ一クマ二ホー ルドガスケット、 スロットルポディ用ガスケット、 パワーステアリングべ —ンポンプ用ガスケット、 へッドカバー用ガスケット、 給湯機自給式ポン プ用ガスケット、 フィルタガスケット、 配管継手 (A B S &H B B) 用ガ スケット、 HD D用トップカバ一ガスケット、 HD D用コネクタガスケッ ト、 また金属と合わせたシリンダヘッドガスケット、 力一クーラ一コンプ レッサーガスケット、 エンジン周りガスケット、 ATセパレ一トプレ一ト、 汎用ガスケット (工業用ミシン、 釘打ち機など) などの各種ガスケット、 ニードルバルブ、 プランジャ一バルブ、 水 ·ガス用バルブ、 ブレーキ用バ ルブ、 飲用バルブ、 アルミ電解コンデンサ用安全バルブなどの各種バルブ、 真空倍力装置用や水 ·ガス用のダイヤフラム、 シールワッシャー、 ポアプ ラグ、 高精度ストツパなどの緩衝性能を主とした各種ストッパ、 プラグチ ユーブシール、 インジェクションパイプシール、 オイルレシーバ、 ブレ一 キドラムシール、 遮光シール、 プラグシール、 コネクタシール、 キ一レス エントリ一カバーなどの精密シールゴムなどがある。 そのほか、 自動車用 品のドアウエザストリップなどの各種ゥェザストリップ、 トランクシール、 ガラスランチャンネルなどのシール製品:^あげられる。
アクリル系ブロック共重合体 (A) 、 ならびに、 アクリル系ブロック共 重合体 (A) と、 架橋ゴム (B ) 、 熱可塑性樹 J3旨 (C) 、 熱可塑性エラス トマ一 (D) 、 滑剤 (E) 、 無機充填剤 (F ) 、 安定剤 (G) からなる群 から選ばれる少なくとも 1種を配合した組成物は、 自動車、 電気.電子部
品以外にも、 包装材料、 建築、 土木材料、 雑貨品などの分野でホース、 シート、 フィルム材料、 制振材、 防振材、 グリップ、 緩衝材、 粘着剤の ベースポリマー、 樹脂改質剤などとして広く好適に用いることができる。 前記製品の成形には、 前記アクリル系ブロック共重合体 (A) またはそ の組成物を、 押出し成形、 圧縮成形、 ブロー成形、 カレンダー成形、 真空 成形、 発泡成形、 射出成形、 パウダースラッシュ成形、 インジェクション プロ一などの任意の成形加工法によつて成形加工することができる。 これ らのうちでは、 射出成形が、 簡便である点から好ましい。
つぎに、 本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、 本発明は これらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、 実施例における BA、 EA、 MEA、 2EHA、 MMA、 TBM A、 TBAは、 それぞれ、 アクリル酸 n—プチル、 アクリル酸ェチル、 ァ クリル酸 2 -メトキシェチル、 アクリル酸 2—ェチルへキシル、 メタァク リル酸メチル、 メタアクリル酸 tーブチル、 およびアクリル酸 t一ブチル を表わす。
<試験方法 >
(分子量)
本実施例に示す分子量は以下に示す G P C分析装置で測定し、 クロロホ ルムを移動相として、 ポリスチレンゲルカラムを使用した G PC測定を行 ない、 ポリスチレン換算の分子量を求めた。 GPC測定は GPC分析装置
(システム:ヮッカー (Wa t e r s ) 社製の GP Cシステム、 カラム: 昭和電工 (株) 製の Sho d ex - 804 (ポリスチレンゲル) ) で 測定した。 クロ口ホルムを移動相とし、 ポリスチレン換算の分子量を求め た。
(酸無水物基変換分析)
ァクリル系ブ口ック共重合体の酸無水物基変換反応の確認は、 赤外スぺ
クトル ( (株) 島津製作所製、 FT I R— 8100) 、 および核磁気共鳴
(BRUKER社製 AM400) を用いて行なった。
核磁気共鳴分析用溶剤として、 カルボン酸エステル構造のブロック体は 重クロロホルム、 酸無水物基含有のプロック体は重ァセトンを測定溶剤と して分析を行なった。
(カルボキシル基変換分析)
ァクリル系ブロック共重合体の力ルポキシル基変換反応の確^ ·は、 赤外 スぺクトル ( (株) 島津製作所製、 FT I R— 8100) 、 および核磁気 共鳴 (BRUKER社製 AM400) を用いて行なった。
核磁気共鳴分析用溶剤として、 カルボン酸エステル構造のプロック体は 重クロ口ホルム、 力ルポキシル基含有のプロック体は重メタノールを測定 溶剤として分析を行なつた。
(硬度)
J I S K6253に従い、 23 °Cにおける硬度 (直後、 J I S A) を測定した。 ただし、 タイプ Aデュロメ一タによる硬度が 90をこえたも のは、 タイプ Dデュロメータにより測定した (J I S D) 。
(機械強度)
J I S K7113に記載の方法に準用して、 (株) 島津製作所製のォ ートグラフ AG— 10 TB形を用いて測定した。 測定は n = 3にて行ない、 試験片が破断したときの強度 (MP a) と伸び'(%) の値の平均値を採用 した。 試験片は 2 (1/3) 号形の形状にて、 厚さが約 2mm厚のものを 用いた。 試験は 23°Cにて 50 OmmZ分の試験速度で行なった。 試験片 は原則として、 試験前に温度 23±2°C、 相対湿度 50± 5%において 4 8時間以上状態調節したものを用いた。
(圧縮永久歪み)
J I S K6301に準拠し、 円柱型成形体を圧縮率 25 %の条件で、
70°C、 100°Cあるいは 120°Cで 2 2時間または 72時間保持し、 2 3 °Cで 30分放置したのち、 成形体の厚みを測定し、 歪みの残留度を計算 した。 すなわち圧縮永久歪み 0%で歪みが全部回復し、 圧縮永久歪み 10 0 %で歪みが全く回復しないことに相当する。
(耐油性)
ASTM D 638に準拠し、 組成物の成形体を 150 °Cに保持した A STMオイル No. 3中に 72時間浸し、 重量変化率 (重量%) を求めた。 また、 浸漬後の形状を次の基準で評価した。
形状:保持 ==〇、 やや膨潤 =〇〜Δ、 彭潤 =△、 激しく膨潤または一部溶 解 =X、 完全溶解 = X X
(耐熱性)
流動開始温度を比較することにより行なつた。 流動開始温度は島津製作 所製の高化式フ口一テスター C FT— 500 C型を用いて 5°C/分の昇温 速度で加熱された樹脂を荷重 60 Kg : fZcm2のもとで、 内径 lmm、 長さ 10mmのノズルから押出したときに、 フロ一テスタ一の樹脂押出ピ ストンが明らかに降下し始める温度 (本測定器においては T f bと表示さ れる) とした。
(熱重量分析)
アクリル系ブロック共重合体の耐熱分解性は、 (株) 島津製作所 (SH IMADZU) 製の示差熱熱重量同時消 U定装置 (DTG— 50) で測定し た。 測定は流量 50. 0mlノ分の窒素気流下、 加熱速度 10. 0 °C /分 の条件でおこなった。 5%重量損失温度は、 100°Cにおける重量を基準 ' として求めた。
(不溶分率 (重量%) )
不溶分率 (重量%) は試料 l g ( u) を 100メッシュ金網に包み、
80°Cのトルエンまたは 60 のァセトン中で 24時間浸漬したのち (ト
ルェンかアセトンかはァクリル系ブロック共重合体が可溶な方を選択する ) 、 卜ルェンまたはアセトン可溶分を分別し、 残留固形分を 60°Cで真空 乾燥し、 乾燥後の残留固形分の重量 g (Wc) を測定して、 試料 l g (W u) 〖こ対するの残留固形分 (Wc) の重量から求めた。 不溶分率 (重量% ) から、 反応の進行を確認することができる。
(摩擦性:)
J I S K7215に準拠し、 同材料同士の擦れによる摩擦性を測定す るため、 2 mm厚のシートを相手材料として 20 X 2 Omm、 試験片とし て 8 O X 200mmの形状に切り出し、 SURFACE PROPERT Y 丁 ESTER (HE I DON社製 T Y P E: 14 D R) を用いて動 的摩擦係数を求めた。 試験条件は荷重 100 g f 、 速度 5 OmmZ分で行 なった。 粘着性などが強いために測定できない場合は、 Xと判定した。 (リサイクル性)
前言 3引張特性などの評価のために得たシートを、 再度、 ラボプラストミ ル (東洋精機 (株) 製) にて前記シ一トを作製するために行なった加工温 度で混練し、 各温度でプレス加工を行なつた。
リサイクル性の評価は、 混練前と同様のシートが得られた場合は、 リサ イクジレ性がよいと判断して〇、 混練前と同様のシートを得られなかった場 合は、 リサイクル性がわるいと判断して Xと判定した。
(低、温脆化性)
J I S K7216に準拠し、 2mm厚の成形体シ一トを 38 X 6mm に切り出して低温脆ィ匕温度測定器 (東洋精機 (株) 製) にて低温脆化温度 を满 J定した。
(加工性)
前雷己弓 I張特性などを評価するために得た 2 mm厚の成形体シートを細か くペレツト状にして溶融粘度 (1500 p o i s e) に対する加工温度を
JP2003/009721
63 キヤピログラフ (東洋精機 (株) 製) で測定した。 測定条件は次の通りで ある。 キヤビラリ一長さ 10mm、 キヤビラリ一径 lmm、 ノ レル径 9. 55mm0
<ァクリル系ブ口ック共重合体の製造 >
製造例 1
(MMA- c o-TBMA) 一 b— BA— b— (MMA - c o-TBMA ) (MMA/TBMA=50/5 Omo 1 %, BA/ (MMA—c o—T BMA) =70/30重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 50 TB A 7と記載する) の合成
50 TB A 7を得るために以下の操作を行なった。 5 Lのセパラブルフ ラスコの重合容器内を窒素置換したのち、 臭化銅 1 1. 3 g (78. 5ミ リモル) を量り取り、 ァセトニトリル (窒素パブリングしたもの) 180 mLを加えた。 30分間 70°Cで加熱攪拌したのち、 開始斉【J 2, 5—ジブ ロモアジピン酸ジェチル 5. 65 g (15. 7ミリモル) および BA90 0m l (6. 28モル) を加えた。 85 °Cで加熱攪拌し、 酉己位子ジェチレ ントリアミン 1. 64ml (7. 85ミリモル) を加えて重合を開始した。 重合開始から一定時間ごとに、 重合溶液からサンプリング用として重合 溶液約 0. 2 mLを抜き取り、 サンプリング溶液のガスクロマトグラム分 析により B Aの転化率を決定した。 トリアミンを随時加えることで重合速 度を制御した。 B Aの転化率が 95%の時点で、 TBMA3 51m'l (2. 16モル) 、 MM A 232ml (2. 16モル) 、 塩化銅 7. 77 g (7 8. 5ミリモル) 、 ジエチレントリアミン 1. 64ml (7. 85ミリモ ル) およびトルエン (窒素バブリングしたもの) 1 148mlを加えた。 同様にして、 TBMA、 MMAの転化率を決定した。 TBMAの転化率が 70%、 MMAの転化率が 62 %の時点で、 トルエン 1500m 1を加え、 水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。
反応溶液をトルエン 2. 0Lで希釈し、 p—トルエンスルホン酸一水和 物 17. 9 gを加えて室温で 3時間撹拌した。 ポリマー溶液に吸着剤キョ —ワード 500 SH (協和化学 (株) 製) を 12. 0 g加えて室温でさら に 3時間撹拌した。 桐山 斗で吸着剤を濾過し、 無色透明のポリマー溶液 を得た。 この溶液を乾燥させて溶剤および残存モノマ一を除き、 目的のァ クリル系ブ口ック共重合体 50 T B A 7を得た。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体 50TBA7の GP C分析を行な つたところ、 数平均分子量 Mnが 108240、 分子量分布 MwZMnが 1. 49であった。
製造例 2
(MMA- c o -TBMA) 一 b— BA— b_ (MMA— c o— TBM A) (MMA/TBMA=95Z5mo 1 %、 BA/ (MMA - c o_T BMA) ==70 30重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 5T BA7と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5 _ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 80 g (16. 1ミリモル) 、 BA900ml (6. 28モル) の 仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化率が 95%の時点で TBMA40. 9ml (0. 25モル) 、 MMA 512. 6ml (4. 82モル) を添加 した。 TBMAの転化率が 60 %、 MMAの転化率が 57 %の時点で反応 を終了させた。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル ' 系ブロック共重合体 5TBA7を得た。
得られたァクリル系ブロック共重合体 5TBA7の GPC分析を行なつ たところ、 数平均分子量 Mnが 107312、 分子量分布 Mw/M nが 1. 58であった。
製造例 3
(MMA- c o-TBMA) 一 b— BA— b— (MMA— c o— TBMA
) (MMA/TBMA= 8 0/2 Omo 1 %, BA/ (MMA - c o _T BMA) =7 0 30重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 20 TB A 7と記載する) の 成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 65 g (1 5. 7ミリモル) 、 BA900ml (6. 28モル) の 仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化率が 95 %の時点で TBMA 1 5 1. 9ml (0. 94モル) 、 MMA400. 9m l (3. 7 7モル) を添加 した。 TBMAの転化率力 70 %、 MMAの転化率が 64%の時点で反応 を終了させた。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル 系ブロック共重合体 20 TBA7を得た。
得られたァクリル系ブロック共重合体 20 T B A 7の G P C分析を行な つたところ、 数平均分子量 M nが 122858、 分子量分布 MwZM nが 1. 46であった。
製造例 4
TBMA- b -BA-b -TBMA (B AZT BMA= 7 0 Z 3 0重 量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 1 00TBA7と記載する) の合成
2 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 2. 26 g (6. 3ミリモル) 、 BA360ml (2. 51モル) の仕 込み比で重合を行ない、 B Aの転化率が 95%の時点で TBMA 243m 1 (1. 50モル) を添カロした。 TBMAの転化率が 70 %、 MMAの転 化率が 68 %の時点で反応を終了させた。 それ以外は製造例 1と同様に製 造し、 目的とするアクリル系ブロック共重合体 100TBA7を得た。 得られたアクリル系プロック共重合体 100丁8八7の0?(3分析を行 なったところ、 数平均分子量 Mnが 95491、 分子量分布 MwZM nが 1. 44であった。
PC霞睡 09721
66 製造例 5
(MMA- c o -TBMA) 一 b— (B A - c o— E A— c o—ME A) 一 b— (MMA— c o— TBMA) (MMA/TBMA=95 5mo
1 %、 (BA-c o-EA-c o-MEA) / (MMA_c o—TBM A) = 70/30重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 5T3A 7と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 6. 04 g (16. 8ミリモル) 、 BA362ml (2. 52モル) 、 EA 344m 1 (3. 1 7モル) 、 ME A 195 m 1 (1. 51モル) の 仕込み比で重合を行ない、 BAの転化率が 95%、 EAの転化率が 95%、 MEAの転化率が 97 %の時点で TBMA42. 5 m 1 (0. 26モル) 、 MMA 534m l (5. 02モル) を添加した。 TBMAの転化率が 6 3%、 MMAの転化率力 58%の時点で反応を終了させた。 それ以外は製 造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブロック共重合体 5 T3 A
7を得た。
得られたァクリル系ブロック共重合体 5T3A7の GP C分析を行なつ たところ、 数平均分子量 M nが 12400、 分子量分布 Mw/M nが 1. 45であった。
製造例 6
(MMA- c o -TBMA) 一 b— (BA-c o-EA-c o-MEA) 一 b— (MMA- c o—TBMA) (MMAZT BMA= 80 2 Omo 1 %、 (BA-c o-EA-c o-MEA) Z (MMA— c o— TBMA ) =70/30重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 20T3A 7と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 89 g (16. 4ミリモル) 、 BA362ml (2. 52モル) 、
EA344m 1 (3. 17モル) 、 MEA195ml (1. 51モル) の 仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化率が 95%、 EAの転化率が 95%、 MEAの転化率が 97%の時点で TBMA158ml (0. 98モル) 、 MMA4 18ml (3. 92モル) を添加した。 TBMAの転化率が 64 %、 MM Aの転化率が 59%の時点で反応を終了させた。 それ以外は製造 例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブロック共重合体 20T3 A 7を得た。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体 20T3A7の GP C分析を行な つたところ、 数平均分子量 Mnが 111000、 分子量分布 MwZMnが 1. 47であった。
製造例 7
(MMA- CO -TBMA) 一 b - (BA-c o-EA-c o-MEA) — b— (MMA- c o-TBMA) (MMA/TBMA=80/2 Omo 1 %、 (BA-c o-EA-c o-MEA) / (MMA- c o-TBMA ) =60740重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 20T3A 6と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 3 1 (14. 8ミリモル) 、 BA281ml (1. 96モル) 、 EA26 7ml (2. 47モル) 、 MEA151ml (1. 18モル) の 仕込み!:匕で重合を行ない、 B Aの転化率が 95%、 EAの転化率が 95%、 MEAの転化率が 97 %の時点で TBMA 193m 1 (1. 20モル) 、 MMA 509ml (4. 78モル) を添加した。 TBMAの転化率が 64 %、 MMAの転化率が 61%の時点で反応を終了させた。 それ以外は製造 例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系アクリル系ブロック共重合体 20T 3 A6を得た。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体 20T3A6の GP C分析を行な
つたところ、 数平均分子量 Mnが 118927、 分子量分布 MwZMnが 1. 49であった。
製造例 8
(MMA - c o— TBMA) - b - (B A— c o— E A— c o— ME A) 一 b— (MMA— c o—TBMA) (MMA/TBMA= 50/5 Omo
1 %、 (BA-c o-EA-c o-MEA) Z (MMA— c o— TBMA ) =60 40重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 50T3A 6と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 31 (14. 8ミリモル) 、 BA28 1ml ( 1. 96モル) 、 EA267m 1 (2. 47モル) 、 MEA1 5 1ml ( 1. 18モル) の 仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化率が 9 5 %、 EAの転化率が 95%、 MEAの転化率が 98%の時点で TBMA43 5m 1 (2. 70モル) 、 MM A 287ml (2. 70モル) を添加した。 TBMAの転化率が 67 %、 MMAの転化率が 59%の時点で反応を終了させた。 それ以外は製造 例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブロック共重合体 50T3 A
6を得た。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体 50T3A6の GP C分析を行な つたところ、 数平均分子量 M nが 96778、 分子量分布 M wZM nが 1. 46であった。
製造例 9
TBMA-b- (BA-c o-EA-c o-MEA) - b -TBMA ( ( BA-c o-EA-c o-MEA) /TBMA= 60Z 40重量%) 型ァ クリル系ブロック共重合体 (以下 100T3 A6と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 69 g (1 5. 8ミリモル) 、 BA30 1ml (2. 10モル) 、
E A286ml (2. 64モル) 、 MEA162ml (1. 26モル) の 仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化率が 96%、 E Aの転化率が 96%、 MEAの転化率が 98 %の時点で TBMA636m 1 (3. 94モル) を 添カロした。 TBMAの転化率が 77%の時点で反応を終了させた。 それ以 外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブロック共重合体 1 0 OT3A6を得た。
得られたアクリル系ブロック共重合体 100丁3八6の0?<3分析を行 なったところ、 数平均分子量 Mnが 90416、 分子量分布 MwZMnが 1. 43であった。
製造例 10
TBMA-b- (BA - c o— MEA) — b - TBMA (B Aノ ME A = 50/5 Omo 1 %, (BA- c o-MEA) /TBMA= 60/40 (重量%) ) 型ブロック共重合体 (以下、 100T2 A6と記載する) の 合成
5 Lセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 5 - 45 g (15. lmmo 1) 、 BA 369ml (2. 5 7mo 1 ) MEA 331ml (2. 57mo 1 ) の仕込み比で重合を行ない、 BA の転化率が 94%、 ME Aの転化率が 97%の時点で TBMA 503m 1 (3. 1 Omo 1) を添加した。 TBMAの転化率が 72%の時点で反 応を終了させた。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするブロッ ク共重合体 ( 100 T 2 A 6 ) を得た。
得られたブロック共重合体 (100T2A6) の GPC分析を行なった ところ、 数平均分子量 (Mn) が 80400、 分子量分布 (MwZMn) 力 S 1. 55であった。
製造例 1 1
(MMA- c o-TBMA) —b— (BA- c o-MEA) 一 b— (M
MA— c o_TBMA) (MMA/TBMA=60/4 Omo 1 % BA ZMEA=67Z33mo l %、 、 (BA—c o—MEA) / (MMA— c o— TBMA) =65735重量%) 型ブロック共重合体 (以下、 40 T2 A'6. 5と記載する) の合成
5 Lセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 5. 34 g (14. 8mmo 1) 、 BA 518ml (3. 61mo l) 、 ME A 232ml (1. 8 Omo 1 ) の仕込み比で重合を行ない、 BA の転化率が 95 %、 ME Aの転化率が 97 %の時点で TBMA 311m 1 (1. 93mo 1) 、 MMA308m 1 (2. 90モル) を添加した。 TBMAの転化率が 68 %、 MMAの転化率が 62 %の時点で反応を終了 させた。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするブロック共重合 体 ( 40 T 2 A, 6. 5) を得た。
得られたブロック共重合体 (40 T 2 A'6. 5 ) の GPC分析を行 なったところ、 数平均分子量 Mnが 102500、 分子量分布 MwZMn が 1. 36であった。
製造例 12
(MMA-c o-TBMA) 一 b - (BA- c o- 2 EHA) 一 b— (M MA—c o - TBMA) (MMA/TBMA=50Z5 Omo 1 %、 BA ノ2 EHA= 70/30重量%、 (BA- c o- 2 EHA) / (MMA— c o— TBMA) =80ノ20重量%) 型ァクリフレ系ブロック共重合体
(以下 50TEBA8と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 55 g (15. 4ミリモル) 、 BA 696ml (4. 85モル) 、 2EHA 304ml (1. 46モル) の仕込み比で重合を行ない、 BAの 転化率が 95%、 2EHAの転化率が 95%の時点で TBMA 126ml
(1. 39モル) 、 MMA 124ml (1. 39モ レ) を添加した。 TB
MAの転化率が 83%、 MMAの転化率が 80 %の時点で反応を終了させ た。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブロック 共重合体 50 TEBA8を得た。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体 50TEBA8の GP C分析を行 なったところ、 数平均分子量 Mnが 95830、 分子量分布 MwZMnが 1. 34であった。
製造例 13
MMA-BA-MMA (B AZMMA= 70 Z 30重量%) 型アクリル系 ブロック共重合体 (以下 B A 7と略称する) の合成
B A 7を得るために以下の操作を行なった。
5 1のセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換したのち、 臭化銅 1 1. 3 g (78. 5mモル) を量り取り、 ァセトニトリル (モレキユラ一 シーブス 3 Aで乾燥後窒素バブリングしたもの) 180mLを加えた。 5 分間 70°Cで加熱攪拌したのち、 再び室温に冷却し、 開始剤 2, 5—ジブ ロモアジピン酸ジェチル 5. 7 g (15. 7mモル) 、 アクリル酸 _n— プチジレ 804. 6 g (900. 0ml) を加えた。 80°Cで加熱攪拌し、 配位子ジエチレントリアミン 1. 6ml (7. 9mモル) を加えて重合を 開始した。 重合開始から一定時間ごとに、 重合溶液からサンプリング用と して重合溶液約 0. 2mlを抜き取り、 サンプリング溶液のガスクロマト グラム分析によりアクリル酸ブチルの転化率を決定した。 トリアミンを随 時加えることで重合速度を制御した。 ァクリル酸一 n—ブチルの転化率が 95 %の時点で、 メタアクリル酸メチル 345. 7 g (369. 3ml) 、 塩化銅 7. 8 g (78. 5 mモル) 、 ジエチレントリアミン 1. 6ml ( 7. 9mモル) 、 トルエン (モレキュラーシ一ブス 3 Aで乾燥後窒素バブ リングしたもの) 1107. 9mlを加えた。 同様にして、 メタアクリル 酸メチルの転化率を決定した。 メタアクリル酸メチルの転化率が 85%、
3009721
72 アクリル一 n—酸ブチルの転化率が 98 %の時点で、 トルエン 1500m 1を加え、 水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。 反応中常に重合溶 液は緑色であった。
反応溶液をトルエン 400 OmLで希釈し、 p—トルエンスルホン酸一 水和物 22. 1 gを加えて 23°Cで 3時間撹拌した。 析出した不溶部を桐 山漏斗で濾過して除いたのち、 ポリマー溶液に吸着剤キヨーヮ一ド 500 SHを 9. 7 g加えて 23°Cでさらに 3時間撹拌した。 桐山漏斗で吸着剤 を濾過し、 無色透明のポリマ一溶液を得た。 この溶液を乾燥させて溶剤お よび残存モノマ一.を除き、 目的の BA7を得た。
得られた B A 7の G P C分析を行なったところ、 数平均分子量 M nが 1 19200、 分子量分布 MwZMnが 1. 51であった。 また NMRによ る組成分析を行なったところ、 BA/MMA=72Z28 (重量%) であ つた。
製造例 14
MMA-b- (BA_c o— EA - c o -MEA) — b— MMA ( (B A-c o-EA-c o-MEA) /MM A= 70 / 30重量%) 型ァクリ ル系ブロック共重合体 (以下 3 A 7と略称する) の合成
3 A 7を得るために以下の操作を行なった。
50 OmLセパラブルフラスコを用い、 臭化銅 1. 37 g (9. 5ミリ モル) 、 ァセトニトリル (窒素バブリングしたもの) 20mL、 開始剤 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 0. 6 9 g (1. 9ミリモル) 、 40. 2ml (280ミリモル) 、 E A38. 2ml (352ミリモル) および MEA21. 6m 1 (168ミリモル) を実施例 1と同様の手順で加えた のち、 配位子ジエチレントリアミン 0. 20ml (1. 0ミリモル) を加 えて重合を開始した。
B Aの転化率が 95%、 E Aの転化率力 95 %および M E Aの転化率が
96%の時点で、 MMA42. 8ml (400ミリモル) 、 塩化銅 1: 8
2 g (18. 5ミリモル) 、 ジエチレントリアミン 0. 20ml (1. 0 ミリモル) およびトルエン (窒素バブリングしたもの) 128. 5mlを カロえ、 BAの転化率が 97%、 E Aの転化率が 97 %、 MEAの転化率が
98%、 MMAの転化率が 82 %の時点で、 トルエン 150 m 1を加え、 水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。
反応溶液をトルエン 40 OmLで希釈し、 p—ト レエンスルホン酸一水 禾ロ物 2. 21 gを加えて 23 °Cで 3時間撹拌した。 析出した不溶部を桐山 、漏斗で濾過して除いたのち、 ポリマー溶液に吸着剤キヨ一ワード 500 S : Hを 0. 97 g加えて 23°Cでさらに 3時間撹拌した。 桐山漏斗で吸着剤 を濾過し、 無色透明のポリマー溶液を得た。 この溶液を乾燥させて溶剤お よび残存モノマーを除き、 目的の 3 A7を得た。
得られたァクリル系ブロック共重合体の G P C分析を行なったところ、 数平均分子量 M nが 113000、 分子量分布 MwZM nが 1. 49であ つた。 組成分析を行なったところ、 EA/BAZMEAZMMA= 24Z
33/15/28 (重量%) であった。
製造例 15
MMA-b- (BA-c o-MEA) 一 b—MMA (BA/MEA=67 ノ 33mo l %、 、 (B A - c o—ME A) /MMA= 65/ 3 5重 量%) 型ブロック共重合体 (以下、 2A'6. 5と記載する) の合成
5 Lセパラブルフラスコを窒素置換したのち、 臭化銅 10. 4g (72. 2ミリモル) を量り取り、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 10. 4 g (28. 9ミリモル) 、 BA691m l (4. 8 2モル) 、 MEA30 9ml (2. 41モル) 、 ァセトニトリル 100m 1 (1. 91モル) を 加え、 85度で 30分加熱撹拌し、 配位子ジエチレントリアミン 1. 64 ml (7. 85ミリモル) を加えて重合を開始した。 トリアミンを随時加
えることで重合速度を制御した。 BAの転ィ匕率が 97%、 MEAの転化率 力 8 %の時点でトルエン 1050m 1 (9. 86モル) 、 塩化銅 7. 1 5 g (72. 2ミリモル) 、 MMA 535m l (5. 00モル) を添加し た。 トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。 MMAの転化率 ^89 %の時点でトルエン 1500mlをカロえ、 冷却して反応を終了させ た。
反応溶液をトルエン 4. 01で希釈し、 p -トルエンスルホン酸一水和 物 20. 6 gを加えて室温で 3時間撹拌したのち、 桐山漏斗で固形分を濾 過した。 得られたポリマ一溶液に吸着剤キヨ一ワード 500 SH (協和化 学 (株) 製) を 14. 4 g加えて室温でさらに 1時間撹拌した。 桐山漏斗 で吸着剤を濾過し、 無色透明のポリマー溶液を得た。 この溶液を乾燥させ て溶剤および残存モノマーを除き、 目的のアクリル系ブロック共重合体 2 A'6. 5を得た。
得られたブロック共重合体 (2A'6. 5 ) の GPC分析を行なったと ころ、 数平均分子量 M nが 71416、 分子量分布 M wZM nが 1. 40 であった。
製造例 16
MMA— b— (BA-c o-2EHA) - b-MMA (BA/2 EHA = 70Z30重量%、 (B A- c o- 2 EH A) /MMA=80Z20重 量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 EBA8と記載する) の合成 5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ リレ 5. 55 g (15. 4ミリモル) 、 BA 695ml (4. 85モル) 、 2 EHA305ml (1. 46モル) の仕込み比で重合を行ない、 BAの 転化率が 95%、 2 EH Aの転化率が 9 5 %の時点で MM A 299m l (3. 35モル) を添加した。 MMAの転ィ匕率が 70 %の時点で反応を終 了させた。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブ
ロック共重合体 E BA8を得た。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体 E B A 8の G P C分析を行なった ところ、 数平均分子量 M nが 109184、 分子量分布 Mw/M nが 1.
33であった。
製造例 17
50 TBA7 -B 1の合成
窒素置換した後真空脱揮した 500 L反応機に、 ァセトニトリル 6272 gおよび BA、 8940 gを予め混合しておいた溶液を、 反応機内を減圧 にした状態で仕込んだ。 次に臭化第一銅 813. 7 gを仕込み、 68°Cに 昇温して 30分間攪拌した。 その後、 BA、 57216. 0 gおよび酢酸 ブチル 1305. 4 の混合溶液、 ならびに 2, 5 -ジブロモアジピン酸 ジェチフレ 408. 4 gをァセトニトリル 3528. 0 gに溶解させた溶液 を仕込み、 75 °Cに昇温しつつさらに 30分間攪拌を行った。 ペン夕メチ ルジェチレントリアミン 98. 2 gを加えて、 第一ブロックとなるァクリ ル酸ブチルの重合を開始した。 トリアミンを随時加えることで重合速度を 制御した。 B Aの転化率が 95%に到達したところで、 トルエン 1002
49. 6 g、 塩化第一銅 561. 5 g、 MMA、 17459. 8 g、 TB MA、 24797. 4 gを仕込み、 ペンタメチルジェチレントリアミン 9 8. 2 gを加えて、 第二ブロックとなる MMA/TBMAの共重合を開始
'した。 MMAの転化率が 58%に到達したところで、 トルエン 77940 gをカロえて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。 得られたプロック共重合体の G P C分析を行ったところ、 数平均分子量 M nが 1 04800、 分子量分布 MwZMnが 1. 25であった。 得られた ブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を 25 w t %に なるよう調整し、 及び p—トルエンスルホン酸を 728 g加え、 反応機内 を窒素置換し、 室温で 3時間撹拌した。 反応液をサンプリングして中和処
理を行い、 溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。 その後溶液を払い出し、 固液分離を行って固形分を除去した。 このブロッ ク共重合体溶液に対し、 キヨ一ワード 500 SH (協和化学工業 (株) 製) 1 200 gを加え、 反応機内を窒素置換し、 室温で 1時間境拌した。 反応液をサンプリングし、 溶液が中性になっていることを確認して反応を 停止させた。 その後溶液を払い出し、 固液分離を行って吸着剤を除去した。 上記重合体溶液をベント口付き横形蒸発機 (株式会社栗本鉄工所製、 横型 蒸発機 SCP— 100) に供給し溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行うこ とで重合体を単離した。 蒸発機の胴部ジャケット及びスクリユーは熱媒で 180 °Cに温度調節し、 蒸発機内部は真空ポンプにより約 0. 0 IMP a 以下の減圧状態を保持した。 このようにして標記ブロック共重合体のぺ レツ卜を作製した。
製造例 18
20T 3A6. 8— B 1の合成
窒素置換した後、 真空脱揮した 500 L反応機に、 ァセトニ卜リル 70 56 ^ぉょび8八、 8046 gを予め混合しておいた溶液を、 反応機内を 減圧こした状態で仕込んだ。 次に臭化第一銅 851. 5 gを仕込み、 6 8 °Cこ昇温して 30分間攪拌した。 その後、 BA、 14588. 8 g、 E A、 2 2226. 9 g、 MEA、 13789. 9 gおよび酢酸プチル 11 11. 3 gの混合溶液、 ならびに 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 4 27. 4 gをァセトニトリル 2822. 4 gに溶解させた溶液を仕込み、 75°Cに昇温しつつさらに 30分間攪拌を行った。 ペンタメチノレジェチレ ントリアミン 102. 9 gを加えて、 第一ブロックとなる BA EAZM E Aの共重合を開始した。 トリアミンを随時加えることで重合速度を制御 した。 B Aの転化率が 95%に到達したところで、 トルエン 9 6202. 9g、 塩化第一銅 587. 7 g、 MMA、 30513. 5 g、 TBMA、
21
77
10834. 2 gを仕込み、 ペンタメチルジェチレントリアミン 10 2. 9 gを加えて、 第二ブロックとなる MMA/TBMAの共重合を開女台した。 MMAの転化率が 59 %に到達したところで、 トルエン 69280 gを加 えて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。 得ら れたブロック共重合体の G P C分析を行ったところ、 数平均分子量 M nが 95900、 分子量分布 Mw/Mnが 1. 36であった。 得られたブロッ ク共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を 24w t %になるよ う調整し、 及び p—トルエンスルホン酸を 847 g加え、 反応機内を窒素 置換し、 室温で 3時間撹拌した。 反応液をサンプリングして中和処理を行 い、 溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。 その 後溶液を払い出し、 固液分離を行って固形分を除去した。 このブロック共 重合体溶液に対し、 キヨ一ワード 500 SH (協和化学工業 (株) 製) 9 40gを加え、 反応機内を窒素置換し、 室温で 2時間撹拌した。 反応液を サンプリングし、 溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させ た。 その他は製造例 17と同様にして標記ブロック共重合体のペレツトを 作製した。
製造例 19
20T3A6. 8 -B 2の合成
窒素置換した後、 真空脱揮した 500 L反応機に、 BA、 326 94. 7 g、 EA、 32 105. 6 g、 MEA、 19918. 7 g、 ァセ卜ニト リル 2430. 4 gおよび酢酸ブチル 1605. 2 gを予め混合しておい た溶液を、 反応機内を減圧にした状態で仕込んだ。 次に臭化第一銅 6 15. 0 gを仕込み、 1 5分間攪拌した。 その後、 2, 5—ジプロモアジピン酸 ジェチル 617. 4 gをァセトニトリル 4704. 0 gに溶解させた溶液 を仕込み、 75 に昇温しつつさらに 50分間攪拌を行った。 ペン夕メチ ルジェチレントリアミン 74. 3 gを加えて、 第一ブロックとなる BAZ
E AZM E Aの共重合を開始した。 トリアミンを随時加えることで重合速 度を制御した。 BAの転化率が 96%に到達したところで、 トルエン 73 751. lg、 塩化第一銅 424. 4g、 MMA、 29530. 3g、 T ΒΜΑ、 10485. 1 gを仕込み、 ペン夕メチルジェチレントリアミン 74. 3 gをカロえて、 第二ブロックとなる MMAZTBMAの共重合を開 始した。 トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。 MMAの転 化率が 91%に到達したところで、 トルエン 220000 gを加えて反応 溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。 得られたブ ロック共重合体の GPC分析を行ったところ、 数平均分子量 Mnが 110 200、 分子量分布 MwZMnが 1. 27であった。 得られたブロック共 重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を 25 w t %になるよう調 整し、 及び p—トルエンスルホン酸を 1468 g加え、 反応機内を窒素置 換し、 室温で 3時間撹挣した。 反応液をサンプリングして中和処理を行い、 溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。 その後溶 液を払い出し、 固液分離を行って固形分を除去した。 このブロック共重合 体溶液に対し、 キヨ一ワード 500 SH (協和化学工業 (株) 製) 168 0gをカロえ、 反応機内を窒素置換し、 室温で 1時間撹拌した。 反応液をサ ンプリングし、 溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させた。 その他は製造例 17と同様にして標記ブロック共重合体のペレツトを作製 した。
製造例 20
20T 3 A6 -B 1の合成
2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 371. 8 g BA 17604. 8、 EA17287. 6 g、 MEA10725. 4 gの仕込み比で重合を 行ない、 BAの転化率が、 95 %に到達したところで MMA33333. 3 g、 TBMA 11835. 4 gを添加した。 MM Aの転化率が 58 %に到
達したところで反応を終了させた。 それ以外は製造例 1 8と同様に製造し、 標記ブロック共重合体のペレットを作製した。 得られたアクリル系ブ ロック共重合体の GPC分析を行なったところ、 数平均分子量 Mnが 10
3400、 分子量分布 Mw/M nが 1. 36であつた。
製造例 2 1
50T3A6. 5— B 1の合成
2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 483. 0 g、 BA2443 1. 2、 EA2399 1.0 g、 MEAl 4884.3 gの仕込み比で重合を行 ない、 BAの転化率が 95%に到達したところで MMA21046. 7 g、 TBMA2989 1. 6 gを添加した。 MMAの転化率が 58 %に到達し たところで反応を終了させた。 それ以外は製造例 18と同様に製造し、 標 記ブロック共重合体のペレットを作製した。
得られたアクリル系ブロック共重合体の G P C分析を行なったところ、 数平均分子量 M nが 98900、 分子量分布 MwZM nが 1. 28であつ た。
製造例 22
50T3A6-B 1の合成
2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 424. 9 g、 BA20 1 1 9. 8 g、 EA 197 57. 3 g、 MEAl 2257. 7 gの仕込み比で重合 を行ない、 B Aの転化率が 94%に到達したところで MM A 21 5 16. 7 g、 TBMA30559.2 gを添加した。 MMAの転化率が 5 6 %に 到達したところで反応を終了させた。 それ以外は製造例 18と同様に製造 し、 標記ブロック共重合体のペレットを作製した。 得られたアクリル系ブ ロック共重合体の GPC分析を行なったところ、 数平均分子量 Mnが 10 1200、 分子量分布 MwZMnが 1. 28であった。
製造例 23
40T2A'6.5-B 1の合成
2, 5—ジブロモアジピン酸ジ: チル 421.7 g、 BA37031.5 g、 MEA 18800. 7 gの仕込み比で重合を行ない、 BAの転化率が 95%に到達したところで MMA 2 3103.6 g、 TBMA21875. 3 gを添加した。 MMAの転化率力 61 %に到達したところで反応を終了 させた。 それ以外は製造例 19と同様に製造し、 標記ブロック共重合体の ペレットを作製した。
得られたアクリル系ブロック共重合体の G P C分析を行なつたところ、 数平均分子量 Mnが 93700、 分子量分布 MwZMnが 1. 36であつ た。
製造例 24
50TEBA8-B 1の合成
2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 377.1 g、 BA42289.3 g、 2 EHA 18337. 1 gの仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化率 が 95%に到達したところで MMA 7865.0 g、 TBMA 1 1 170. 3 gを添加した。 MMAの転化率力 71 %に到達したところで反応を終了 させた。 それ以外は製造例 18と同様に製造し、 標記ブロック共重合体の ペレツ卜を作製した。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体の G P C分析を行なつたところ、 数平均分子量 Mnが 91800、 分子量分布 Mw/M nが 1. 29であつ た。
製造例 25
BA 7 -B 1の合成
500 L反応機で合成を行い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 3 39.0 g、 BA48276.0 gの仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化 率が 96 %に到達したところで MM A 31094.8 gを添加した。 MM
Aの転化率が 60%に到達したところで反応を終了させた。 それ以外は製 造例 17と同様に製造し、 標記ブロック共重合体のペレツトを作製した。 得られたァクリル系ブロック共重合体の G P C分析を行なつたところ、 数平均分子量 M nが 105300、 分子量分布 M wZM nが 1. 38で あった。
製造例 26
3 A6-B 1の合成
2, 5 _ジブロモアジピン酸ジェチル 360.4 g、 B A 16167.7 g、 EA1 5876.4 g、 ME A 9849. 9 gの仕込み比で重合を行 ない、 B Aの転化率が 96 %に到達したところで MM A 41887.0 g を添加した。 MMAの転化率が 61 %に到達したところで反応を終了させ た。 それ以外は製造例 18と同様に製造し、 標記ブロック共重合体のぺ レツトを作製した。
得られたァクリル系ブロック共重合体の G P C分析を行なつたところ、 数平均分子量 M nが 104200、 分子量分布 M wZM nが 1. 36で あった。
製造例 27
2 A'6. 5— B 1の合成
2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 6 11.5 g、 BA53720.6 g、 MEA 27232.8 gの仕込み比で重合を行ない、 B Aの転化率が 96 %に¾1達したところで MMA43528.4 gを添加した。 MMAの 転化率が 9 2%に到達したところで反応を終了させた。 それ以外は製造例 1 9と同様に製造し、 標記ブロック共重合体のペレットを作製した。 得ら れたァクリル系ブロック共重合体の G P C分析を行なったところ、 数平均 分子量 Mnが、 108300、 分子量分布 Mw/M nが 1. 33であつた。 製造例 28
TJP2003/009721
82
M A— b- (BA- c o-TBA) — b— MMA (BA/TBA=97. 5/2. 5mo l %、 (BA— c o— TBA) ノ MMA= 70/30重量 %) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 2. 5 STBA7と記載する) の合成
5 Lのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 65 g (15. 7ミリモル) 、 BA877ml (6. 12モル) 、 TBA 22. 9ml (0. 16モル) の仕込み比で重合を行ない、 BAの 転化率力 S 95%、 TBAの転化率が 95 %の時点で MMA369m 1 (3. 45モ レ) を添加した。 MMAの転化率が 65%の時点で反応を終了させ た。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブロック 共重合体 2. 5 STBA7を得た。
得られたアクリル系ブロック共重合体 2. 5 STBA7の GPC分析を 行なったところ、 数平均分子量 Mnが 116000、 分子量分布 Mw/M nが 1. 52であった。
製造例 29
MMA - b - (BA- c o-TBA) 一 b— MMA (BA/TBA- 90 /10mo l %、 (B A— c o— TBA) /MMA= 70/30重量%) 型アクリル系ブロック共重合体 (以下 10 STBA7と記載する) の合成
5しのセパラブルフラスコを用い、 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチ ル 5. 64 g (15. 7ミリモル) 、 BA808ml (5. 64モル) 、 TBA 9 1. 6ml (0. 63モル) の仕込み比で重合を行ない、 BAの 転化率が、 95%、 TBAの転化率が 96%の時点で MMA46 lm 1 (4. 31モル) を添加した。 MMAの転化率が 79%の時点で反応を終了させ た。 それ以外は製造例 1と同様に製造し、 目的とするアクリル系ブロック 共重合体 10 STBA7を得た。
得られたアクリル系ブロック共重合体 10 STBA7の GPC分析を行
なったところ、 数平均分子量 Mnが 1 1 3408、 分子量分布 Mwノ Mn が 1. 35であった。
実施例 1
ァクリル系ブ口ック共重合体 50TBA7の酸無水物化反応および特性評 価
製造例 1で得られたアクリル系ブロック共重合体 50TBA7, 45 g とィルガノックス 10 10 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ (株) 製 ) 0. 09 gを 240°Cに設定したラボプラストミル 50 C 150 (ブレ ード形状:ローラ一形 R 60, 東洋精機株式会社製) を用いて 10 O r p mで 20分間溶融混練して、 目的の酸無水物基含有アクリル系プロック共 重合体 (得られたポリマーを以下 50 ANBA7と記載する) を得た。
t—プチルエステル部位の酸無水物基および力ルポキシル基への変換は、 I R (赤外線吸収スペクトル) および13 C (XH) -NMR (核磁気共鳴 スぺクトル) により確認できた。 すなわち、 I Rでは、 変換後には 1 80 0 cm— 1あたりに酸無水物基に由来する吸収スぺクトルが見られるよう になることから確認できた。 13C U) —NMRでは、 変換後には、 t 一ブチル基の 4級炭素由来の 82 p pmのシグナルとメチル炭素由来の 2 8 p pmシグナルが消失し、 新たに酸無水物基のカルボニル炭素由来の 1 72〜173 p pm (m) のシグナルと、 力ルポキシル基のカルボニル炭 素由来の 176〜179 p pm (m) のシグナルが出現することから確認 できた。 酸無水物基を有する単量体、 カルボキシル基を有する単量体は、 得られたァクリル系ブロック共重合体のメタァクリル系重合体ブロック中 にそれぞれ、 24重量%、 2 1重量%であった。 それぞれの含有量は13 C (XH) 一 NMR分析における上記シグナルの積分値より算出した。
また、 得られた塊状のサンプルを、 240°Cで熱プレス成形し、 直径 3 0 mmおよび厚さ 12 mmで円筒状の圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。
1
84 これらの成形体について、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様に 熱プレス成形し、 厚さ 2 mmのシート状の成形体を得た。 これらのシート にて耐油性、 機械強度および耐熱性を測定した。 また、 得られたシート状 成形体を再度ラボプラストミルで混練し、 リサイクル性を評価した。
なお、 酸無水物基含有ァクリル系プロック共重合体 50 ANBA 7の熱 重量分析をおこなったところ、 5 %重量損失温度が 357 °Cであった。
実施例 2〜 12
酸無水物化反応および特性評価
製造例 2〜 11および製造例 12で得られたァクリル系ブ口ック共重合 体 (5TBA7、 20TBA7、 100 TBA7, 5T3A7、 20 T 3 Α7、 20Τ3Α6、 50Τ3Α6、 1 Ο 0Τ3Α6、 100Τ2Α6、 40 Τ 2 Α'6. 5、 50ΤΕΒΑ8) を、 実施例 1と同様の処方により 酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体を合成した (以下、 得られた アクリル系ブロック共重合体を、 それぞれ 5ΑΝΒΑ7、 20 ΑΝΒΑ7, 100ΑΝΒΑ7、 5ΑΝ3Α7、 20 ΑΝ3 Α7, 20ΑΝ3Α6、 5 0ΑΝ3Α6、 100 AN 3 A 6, 10 0ΑΝ2Α6、 40 AN 2 A' 6. 5、 50 ANEBA8と記載する) 。
また、 実施例 1と同様に酸無水物基を有する単量体、 力ルポキシル基を 有する単量体の含有量を13 C (ΧΗ) 一] MR分析により算出した。
得られたァクリル系ブ口ック共重合体のメタァクリル系重合体ブロック 中の酸無水物基を有する単量体、 カルボキシル基を有する単量体の含有量 を酸無水物基を有する単量体、 力ルポキシル基を有する単量体の順にそれ ぞれ以下に記載する。
5ΑΝΒΑ7は、 メタアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 2重 量%、 4重量%であった。
20ΑΝΒΑ7は、 メタァクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 11
重量%、 19重量%であった。
1 O 0ANBA7は、 メタアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 6 9重量%、 31重量%であった。
5AN3A7は、 メタアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 2重 量%、 7重量%であった。
2 OAN3A6は、 メタアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 3重 量%、 17重量%であった。
5 0AN3A6は、 メタアクリル系重合体ブロック中に、 22重量%、 18重量%であった。
1 O 0AN3A6は、 メタアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 4 5重量%、 55重量%であった。
4 0 AN 2 A'6.5は、 メタアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 20重量%、 20重量%であった。
5 OANEBA8は、 メタアクリル系重合体ブロック中にそれぞれ、 2 6重量%、 27重量%であった。
また、 実施例 1と同様の処方により、 直径 3 Ommおよび厚さ 12mm の円筒状の圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。 これらの成形体について、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様に熱プレス成形し、 厚さ 2m mのシート状の成形体を得た。 これらのシートにて而†油性、 機械強度およ び耐熱性を測定した。 さらに、 得られたシート状成形体を再度プラストミ ルで混練し、 リサイクル性を評価した。
実施例 13
酸無水物基含有ァクリル系ブ口ック共重合体の加水分解によるカルポキシ ル ί匕反応および特性評価
2 0ΑΝ3Α6, 20 gを水 '40 gと共に耐圧容器に入れ、 200 に て 2時間加熱し、 目的の力ルポキシル基含有アクリル系ブロック共重合体
(得られたポリマーを以下 20 C3A6と記載する) を得た。
酸無水物基の力ルポキシル基への変換は、 I R (赤外線吸収スぺクト レ) および13 C (XH) 一 NMR分析 (核磁気共鳴スペクトル) により確 言忍できた。
すなわち、 I R分析では、 変換後には 1 800 cm— 1あたりの酸無水 物基に由来する吸収スぺクトルが消失することから確認することができた。 また、 13C H) 一 NMR分析では、 酸無水物基のカルボニル炭素由来 の 1 72〜1 73 p pm (m) のシグナルが、 定量的に力ルポキシル基の カルポニル炭素由来の 1 76〜1 79 ppm (m) のシグナルに変換され ることから確認することができた。
得られた力ルポキシル基含有アクリル系ブロック共重合体の耐熱性を高 化式フローにて測定した。 また、 得られた力ルポキシル基含有アクリル系 ブロック共重合体 100重量部に対して、 ィルガノックス 1010 (チバ •スペシャルティ ·ケミカルズ (株) 製) 0. 2重量部を配合し、 240 °Cに設定したラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) 用いてを 50 r pm で 20分間溶融混練して、 塊状のサンプルを得た。 得られたサンプルを、 設定温度 240°Cで熱プレス成形し、 厚さ 2 mmの物性評価用の成形体を 得た。
実施例 14
50 AN 3 A 6を用いたほかは、 実施例 1 3と同様の方法により、 目的 の力ルポキシル基含有ァクリル系ブ口ック共重合体 (得られたポリマーを 以下 50 C 3A6と記載する) を得た。 また実施例 13と同様の方法によ り、 特性評価用のサンプルを作製した。
実施例 15
100AN3A6を用いたほかは、 実施例 13と同様に方法により、 目 的のカルボキシル基含有ァクリル系ブ口ック共重合体 (得られたポリマー
を以下 100 C3 A 6と記載する) を得た。 また実施例 13と同様の方法 により、 特'性評価用のサンプルを作製した。
比較例 1〜 4
製造例 13〜16で製造した重合体 100重量部に対して、 ィルガノッ クス 1010 (チノ 'スペシャルティ ·ケミカルズ (株) 製) 0. 2重量 部を配合し、 190°Cに設定したラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) を用いて 50 rpmで 20分間溶融混練して、 塊状のサンプルを得た。 得られたサンプリレを、 設定温度 190°Cで熱プレス成形し、 直径 3 Om mおよび厚さ 12 mmの円筒状の圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。 こ れらの成形体について、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様に熱 プレス成形し、 厚さ 2 mmのシート状の成形体を得た。 これらのシートに て耐油性、 機械強度および耐熱性を測定した。 さらに、 得られたシート状 成形体を再度プラストミルで混練し、 リサイクル性を評価した。
比較例 1で得た酸無水物基を有さないこのァクリル系ブロック共重合体 BA7の熱重量分析を測定したところ、 5%重量損失温度は 280°Cで あった。 以上の結果から酸無水物基の導入によって、 その耐熱分解性が著 しく向上する効果が示された。
比較例 5
ォレフィン系エラストマ一であるサントプレーン 211-55 (ェ一ィ 一エス ·ジャパン (株) 製) をスクリユー回転数 100 r pmにて 170 °Cに設定したラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) を用いて溶融混練し てサンプルを得た。
得られたサンプ レを設定温度 170°Cで熱プレス成形し、 直径 3 Omm および厚さ 12 mmの円筒状の成形体を得た。 これらの成形体について、 硬度、 圧縮永久歪み測定した。 また、 同様に設定温度 170°Cで熱プレス 成形し、 厚さ 2 mmのシート状の成形体を得た。 これらのシートにて耐油
1
88 性、 機械強度および耐熱性を t雨定した。 ォレフィン系エラストマ一では圧 縮永久歪みが良好であるものの、 耐油性のレベルが不充分であることがわ かる。
比較例 6
エステル系エラストマ一であるペルプレン P— 3 0 B (東洋紡績(株) 製) をスクリュー回転数 5 0 r p mにて 1 9 0 °Cに設定したラボプラスト ミル (東洋精機 (株) 製) を用いて溶融混練してサンプルを得た。
得られたサンプルを設定温度 1 9 0 °Cで熱プレス成形し、 直径 3 O mm および厚さ 1 2 mmの円筒状の成形体を得た。 これらの成形体について、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様に設定温度 1 9 0 °Cで熱プレ ス成形し、 厚さ 2 mmのシート状の成形体を得た。 これらのシートにて而 油性、 機械強度および耐熱 1生を測定した。 ポリエステル系エラストマ一で は、 良好な機械特性は示すものの、 低硬度のグレ一ドのものでも柔軟' 1生力 不充分である上に、 耐油性、 圧縮永久歪みも不充分であることがわかる。 比較例 7
架橋された厚さ 2 mmのクロロブレンシ一ト (C R) 状成形体から直径 3 0 mmの円形物を切り出し、 それを 6枚重ねて圧縮永久歪み評価用成开 体を得、 得られた成形体を用いて、 硬度および圧縮永久歪みを測定した。 また、 シート状成形体からダンベルなどを切り出し、 耐油性および引張特 性を測定した。 さらに、 シート状成形体を再度プラストミルで混練し、 リ サイクル性を評価した。 架橋されたクロ口プレンは良好な機械特性、 耐油 性、 圧縮永久歪み特性を示すものの、 リサイクルできないことがわかる。
実施例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
50ANB 5ANB 20ANB 100ANB 5AN3 20AN3 20AN3 50AN3 100AN3 100AN2 40AN2 50ANEB 重合体 A7 A7 A7 A7 A7 A7 A6 A6 A6 A6 A'6.5 A8 硬度 JIS 91
— A 0Π 1丄9 U 0 1 ϋ 57 23 29 34 4 破断強度 (MPa) u. u fi 4 1 7 1 1 s 7 5 5 5 7 3.1 破断伸び (%) d 280 412 耐熱性 (°C) 1 91 « u 1 30 125 152 157 4 148 154 155 124
0 C
重量変化率 (wt%) 57.3 111.3 142.8 46.8 22.5 19.9 17.6 18.4 20.6 18.8 33 175.9 耐油性
浸漬後の形状 〇〜△ Δ △ 〇〜△ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 X
70 C 22H 42 40.8 32 26 68.6 51 35 圧縮
永久歪 100°C 22H 58 49 52 57 53 39.5 35 53
(%) 120 C 22H 44.3
5%重量損失温度 (°C) 357 321 331 354 355 356
リサイクル性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
2003/009721
90 表 2
表 3 比較例
1 2 3 4 5 6 7 重合体 BA7 3A7 2A,6.5 EBA8 211-55 P-30B CR 硬度 JIS— A 22 38 55 2 53 79 63 破断強度 (MPa) 8.6 6.6 8.4 3.4 4.5 25 17 破断伸ぴ(%) 339 621 338 542 438 1426 350 耐熱性 (°C) 119 111 95 154.3 144.5
重量変化率 (wt%) 54.9 21 36.1 189.5 64 30 耐油性
浸漬後の形状 X 〇 〇〜△ X △ 〇 圧縮永久歪み (%)
70。C、 22H 49 76 83 28.7 65
100°C、 22H 70 100 98 100
120。C、 22H 33
5%重量損失温度 (0C) 280 287
リサイクル性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 X
実施例 1〜 1 2の試験結果を表 1に、 実施例 1 3〜 1 5の試験結果を表 2に、 比較例 1〜7の試験結果を表 3に示す。
酸無水物基を導入した酸無水物基含有プロック共重合体は、 酸無水物基 を導入していないブロック共重合体に比較して、 高温における圧縮永久歪 が良好であり、 耐熱性および耐熱分解性が向上していることがわかる (実 施例 1〜1 2 ) 。 かつ、 成形などに必要な強度を維持していることがわか る。 また、 酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体中のアクリル系重 合体ブロックの組成および、 アクリル系ブロックおよびメタアクリル系重 合体ブロックの組成比、 および酸無水物基の含有量により柔軟でありなが ら、 低硬度から高硬度までの種々の硬度を有する材料が得られることがわ かる。
ァクリル系重合体プロックが B Aからなる酸無水物基含有ブロック共重 合体は柔軟かつ、 耐熱性や機械特性、 低温特性のバランスに優れる材料で あることがわかる。
アクリル系重合体ブロックが B A、 E A、 ME Aからなる酸無水物基含 有ブロック共重合体は極めて耐油性に優れる上に、 耐熱性や機械特性のバ ランスに優れる材料であることがわかる。
アクリル系重合体ブロックが B A、 M E Aからなる酸無水物基含有ブ 口ソク共重合体は耐油性や耐熱性や機械特性のバランスに優れる材料であ ることがわかる。
アクリル系重合体ブロックが B A、 2 E HAからなる酸無水物基含有ブ ロック共重合体は、 柔軟かつ極めて低硬度な上に、 耐熱性や機械特性、 低 温特性のバランスに優れる材料であることがわかる。
酸無水物基を加水分解により開環した力ルポキシル基含有ブ口ック体は、 高温における圧縮永久歪が良好であり耐熱性がより向上していることがわ かる (実施例 1 3〜1 5 ) 。 かつ、 成形などに必要な強度を維持している
こと力 Sわかる。 加えて力ルポキシル基の導入によって、 凝集力が向上され ているにもかかわらず、 硬度はほとんど変化しておらず、 低硬度で良好な 圧縮永久歪 ·機械強度を示す材料であることがわかる。
一方、 比較例 1〜4はいずれも、 リサイクル性は有するが、 圧縮永久歪 みや而 熱性や耐熱分解性が不充分であることがわかる。 比較例 5の場合、 リサイクル性を有し、 圧縮永久歪みが良好であるが、 耐?由性が不充分であ ることがわかる。 比較例 6の場合、 リサイクル性を有し、 良好な引張特性 は示すが、 耐油性および圧縮永久歪みが不充分であることがわかる。 また、 柔軟性が不足する。 比較例 7の場合、 引張特性および圧縮永久歪は良好で ある力 、 架橋ゴムであるため、 リサイクルできないことがわかる。
表 1〜3から明らかなように、 本発明の熱可塑性エラストマ一組成物は、 リサイクル性を有し、 圧縮永久歪み特性ゃ耐油性、 耐熱性が良好であり、 かつ、 成形などに必要な強度を維持していることがわかる。 加えて官能基 の導人によって、 凝集力が向上されているにもかかわらず、 低硬度かつ柔 軟で良好な圧縮永久歪み ·機械強度を示す材料であることがわかる。
実施例 1 6
2 0 Τ 3 Α 6の酸無水物化反応
製造例 7で得られた重合体 2 0 Τ 3 Α 6、 1 0 0重量部に対して、 ィル ガノックス 1 0 1 0 (チバ'スペシャルティ ·ケミカルズ (株) 製) 0 . 2重量部を配合し、 ベント付二軸押出機 (4 4 mm、 L /D = 4 2 . 2 5 ) (曰本製鋼所 (株) 製) を用い、 5 0 r p mの回転数、 設定温度 2 4 0 °Cで押出混練して、 目的の酸無水物基含有アクリル系ブロック共重合体 ( 2 0 A N 3 A 6 ) を得た。 t一ブチルエステル部位の酸無水物基への変換 は、 実施例 1と同様に I R (赤外線吸収スペクトル) および1 3 C— NM R (核磁気共鳴スペクトル) により確認できた。 このことから、 種々の加 ェ機を用いて酸無水物基含有ァクリル系ブ口ック共重合体を得ることがで
さることが確認された。 また、 押出し機にて製造できることから、 製造プ 口セスが簡便になることがわかる。
実施例 17
酸無水物化反応および特性評価
製造例 1 7で得られた重合体 50TBA7- B l、 100重量部に対し て、 ィルガノックス 1010 (チバ 'スペシャルティ 'ケミカルズ (株) 製) 0. 3重量部を配合し、 ベント付二軸押出機 (44mm、 L/D=4
2. 25) (日本製鋼所 (株) 製) を用い、 300 r pmの回転数、 設定 温度 240°Cで押出混練して、 目的の酸無水物基含有アクリル系ブロック 共重合体 (50ANBA7-B 1) を得た。 また、 この時、 二軸押出機の 先端に水中カットペレタイザ一 (GALA INDUSTR I ES I N
C. 製 CLS— 6— 8. 1 COMPACT LAB SYSTEM) を 接続し、 水中カツトペレタイザ一の循環水中に防着剤としてアルフロー H 一 50ES (日本油脂株式会社製) を添加することで、 防着性のない球形 4犬のペレツトを得た。
t一ブチルエステル部位の酸無水物基への変換は、 実施例 1と同様に I R (赤外線吸収スペクトル) および13 C— NMR (核磁気共鳴スぺクト リレ) により確認できた。 また、 得られたペレットを、 220°Cに設定した ラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) を用いて 100 r pmで 10分間 溶融混練した後、 220°Cで熱プレス成形し、 直径 30mmおよび厚さ 1
2 mmの円筒状の圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。 これらの成形体に ついて、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様に熱プレス成形し、 厚さ 2 mmのシート状の成形体を得た。 これらのシートにて耐油性、 機械 強度および耐熱性を測定した。 また、 得られたシート状成形体を再度ブラ ストミルで混練し、 リサイクル性を評価した。
実施例 18〜 24
酸無水物化反応および特性評価
製造例 18〜24で得られたアクリル系ブロック共重合体 (20T3A 6.8— B l、 20T3A6.8-B2, 20T3A6— B l、 50 T 3 A 6.5—B l、 50T3A6— B l、 40 T 2 A' 6. 5— B l、 50 TE BA8-B 1) を用いて、 実施例 17と同様の処方により酸無水物基含有 アクリル系ブロック共重合体を合成した (以下、 得られたアクリル系ブ ロック共重合体を、 それぞれ 20 AN 3 A 6.8—B 1、 20 AN 3 A 6. 8— B 2、 20 AN3 A6 -B 1 50 AN 3 A 6.5— B 1、 、 5 OA N3A6— B l、 40 AN'2 A6. 5— B l、 50 ANEBA8 -B 1 と記載する) 。
また、 実施例 17と同様の処方により、 直径 3 Ommおよび厚さ 1 2m mの円筒状の圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。 これらの成形体につい て、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様に熱プレス成形し、 厚さ
2 mmのシート状の成形体を得た。 これらのシートにて耐油性、 機械強度 および耐熱性を測定した。 さらに、 得られたシート状成形体を再度プラス トミルで混練し、 リサイクル性を評価した。
比較例 8 ~ 10
製造例 25〜27で得られたアクリル系ブロック共重合体 (BA7— B 1、 3A6— B l、 2 A' 6. 5— B l) 100重量部に対して、 ィルガ ノックス 1010 (チバ 'スペシャルティ 'ケミカルズ (株) 製) 0. 3 重量部を配合し、 ベント付二軸押出機 (44mm、 L/D=42. 25)
(日本製鋼所 (株) 製) を用い、 300 r pmの回転数、 設定温度 19 0°Cで押出混練した。 また、 この時、 二軸押出機の先端に水中カットペレ タイザ一 (GALA I NDUSTR I ES I NC. 製 C L S— 6— 8. 1 COMPACT LAB S Y S TEM) を接続し、 水中カットペレ タイザ一の循環水中に防着剤としてアルフロー H— 50ES (日本油脂株
式会社製) を添加することで、 防着性のない球形状のペレットを得た。 得られた球形状のペレツトを 1 9 0 °Cに設定したラボプラストミル (東 洋精機 (株) 製) を用いて 5 0 r p mで 1 0分間溶融混練して、 塊状のサ ンプルを得た。
得られたサンプルを、 設定温度 1 9 0 °Cで熱プレス成形し、 直径 3 0 m mおよび厚さ 1 2 mmの円筒状の圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。 こ れらの成形体について、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様に熱 プレス成形し、 厚さ 2 mmのシ一卜状の成形体を得た。 これらのシートに て耐油性、 機械強度および耐熱性を測定した。 さらに、 得られたシート状 成形体を再度プラストミルで混練し、 リサイクル性を評価した。
表 4 実施例 比較例
丄 ( t ρ 1 Q OA Q
丄 y 丄 O q 丄 inJ
50ANB 20ΑΝ3 20AN3 20AN3 50AN3 50AN3 40AN2 50ANEB
重合体 BA7-B1 3A6-B1 2A'6.5-B1
Λ7— R1 AC Q_R1 Λ β Q_DO Λ C_R1 AP_D1
り Di AD .0 D丄 AO D丄 r Ό.0 D r 0 D丄
4i¾¾. Ji A 15 46 45 67 44 53 34 7 21 84 52 破断強度 (MPa) 4.6 10.6 11.4 14 13.7 14.4 8.2 3.3 6.9 12.3 9.4 破断伸び(%) 293 373 437 257 323 265 287 396 312 297 358 耐熱性 (。c) 149 154 165 173 176 163 132 132 120 C 耐油性 (wt%) 133 17 16.4 17 16 14.5 26.1 173 83 18.7 34.7 圧縮永久歪み (%)
32 68 84 88.7 50.1 54.1 50 75 85 100 94
100°C、 22H リサイクル性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
実施例 1 7〜 2 4の試験結果および、 比較例 8〜 1 0の試験結果を表 4 に示す。
押出し機にて酸無水物化反応を行いながら、 ペレツト化することが可能 であり、 押出し機にて作製した酸無水物基含有ブロック体においても、 酸 無水物基を導入していないブロック体に比較して、 高温における圧縮永久 歪が良好であり、 耐熱性および圧縮永久歪み特性が向上していることがわ かる。 かつ、 成形などに必要な強度を維持していることがわかる。 また、 酸無水物基含有ァクリル系ブロック共重合体中のァクリル系重合体ブロッ クの組成および、 ァクリル系重合体ブロックおよびメタァクリル系重合体 プロックの組成比、 および酸無水物基の含有量により柔軟でありながら、 低硬度から高硬度まで種々の硬度を有する材料が得られることがわかる。 表 4から明らかなように、 本発明の熱可塑性エラストマ一組成物【ま、 リ サイクル性を有し、 圧縮永久歪み特性ゃ耐油性、 耐熱性が良好であり、 か つ、 成形などに必要な強度を維持していることがわかる。 加えて官能基の 導入によって、 凝集力が向上されているにもかかわらず、 低硬度かつ柔軟 で良好な圧縮永久歪み ·機械強度を示す材料であることがわかる。
実施例 2 5
酸無水物基含有ブロック共重合体の加水分解による力ルポキシル化反応 2 0 AN 3 A 6、 1 0 0重量部に対して、 ィルガノックス 1 0 1 O (チ ノ スペシャルティ 'ケミカルズ (株) 製) 0 . 2重量部を配合し、 サ一 モミキサー (3 0 mm、 L/D = l 2 ) (ノリタケ (株) 製) を先端に 2 連にて取り付けた、 可視化押出機 (3 0 mm、 LZD = 3 6 ) ( (株) プ ラスチック工学研究所製) を用い、 0 . 1 4 K g Z時間で水を圧入しなが ら、 2 5 r pmの回転数、 設定温度 2 0 0 °Cで押出混練して、 目的のカル ポキシル基含有ブロック体 (2 0 C 3 A 6 ) を得た。
酸無水物基の力ルポキシル基への変換は、 I R (赤外線吸収スぺクト
ル) および13 C (XH) 一 NMR分析 (核磁気共鳴スぺク卜ル) により確 認できた。
すなわち、 I R分析では、 変換後には 1 80 0 cm— 1あたりの酸無水 物基に由来する吸収スぺクトルが消失することから確認することができた。 また、 13 C (XH) 一 NMR分析では、 酸無水物基のカルボニル炭素由来 の 172〜 173 p pm (m) のシグナルが、 定量的にカノレポキシル基の カルボニル炭素由来の 176〜1 79 p pm (m) のシグナルに変換され ることから確認することができた。
このことから、 種々の加工機を用いて酸無水物基を開環反応させ、 カル ポキシル基含有ァクリル系プロック共重合体を得ることができることが確 認された。 また、 押出し機にて製造できることから、 製造プロセスが簡便 になることがわかる。
<熱可塑性樹脂組成物 >
実施例 26
アクリル系ブロック共重合体 2. 5 STB A 7の酸無水物化反応
製造例 28で得られたアクリル系ブロック共重合体 2. 5 STBA7, 45 とィルガノックス 1 0 1 0 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ (株) 製) 0. 09 gを 240°Cに設定したラボプラス卜ミル (東洋精機 (株) 製) を用いて 100 r pmで 20分間溶融混練して、 目的の酸無水 物基含有アクリル系ブロック共重合体 (得られたポリマーを以下 2. 5 S ANBA7と記載する) を得た。
t一ブチルエステル部位の酸無水物基およびカルポキシソレ基への変換は、 I R (赤外線吸収スペクトル) および13 C U) 一 NMR (核磁気共鳴 スぺクトル) により確認できた。 すなわち、 I Rでは、 変換後には 180 0 c m_ 1あたりに酸無水物基に由来する吸収スぺクトル:^見られるよう になることから確認できた。 酸無水物基を有する単量体、 力ルポキシル基
を有する単量体は、 得られたアクリル系ブロック共重合体のアクリル系重 合体ブロック中にそれぞれ、 0. 6重量%、 1. 9重量%であった。
酸無水物基を有する単量体、 力ルポキシル基を有する単量体の含有量は、 ァクリル系ブ口ック体中の力ルポキシル基をジァゾメ夕ンを用いてメチル 化した後、 熱分解 GC ( (株) 島津製作所製 GC— 9A) することにより 算出した。
得られた 2.5 S ANBA7、 100重量部に対して、 ウベスタ 301 2U (宇部興産株式会社製) を 30重量部加え、 設定 1 90°C、 回転数 1 00 r pmで 20分間ラポプラストミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 塊伏のサンプルを得た。 得られた塊状のサンプルを、 1 90°Cで熱プレス 成形し、 直径 30mmおよび厚さ 12 mmの円筒状の圧縮永久歪み評価用 の成形体を得た。 これらの成形体について、 硬度、 圧縮永久歪みを測定し た。 また、 同様に熱プレス成形し、 厚さ 2 mmのシ一卜状の成形体を得た。 これらのシートにて耐油性、 機械強度を測定した。
実施例 27
ァクリル系ブ口ック共重合体 10 STBA7の酸無水物化反応
製造例 29で得られたアクリル系ブロック共重合体 10 STBA7を用 いた以外は実施例 26と同様に酸無水物化反応を行い、 目的の酸無水物基 含有アクリル系ブロック共重合体 (得られたポリマーを以下 10 SANB A 7と記載する) を得た。 また、 実施例 26と同様に、 ウベス夕 3012 Uと混練して評価用サンプルを得た。 酸無水物基を有する単量体、 力ルポ キシ Jレ基を有する単量体は、 得られたァクリル系プロック共重合体のァク リル系重合体ブロック中にそれぞれ、 2重量%、 7重量%であった。 それ ぞれの含有量は13 C H) — NMR分析における上記シグナルの積分値 より算出した。
また、 実施例 26と同様に、 ウベスタ 3012 Uと混練して評価用サン
プルを得た。
比較例 1 1
製造例 1 3で得られた B A 7、 1 0 0重量部に対してィルガノックス 1 0 1 0 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ (株) 製) 0 . 2重量部およ びウベスタ 3 0 1 2 U (宇部興産株式会社製) を 3 0重量部加え、 設定 1 9 0 °C、 回転数 1 0 0 r p mで 2 0分間ラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) で混糸東し、 塊状のサンプルを得た。 得られた塊状のサンプルを、 1 9 0 °Cで熱プレス成形し、 直径 3 0 mmおよび厚さ 1 2 mmの円筒状の 圧縮永久歪み評価用の成形体を得た。 これらの成形体について、 硬度、 圧 縮永久歪みを測定した。 また、 同様に熱プレス成形し、 厚さ 2 mmのシ一 ト状の成形体を得た。 これらのシートにて耐油性、 機械強度を測定した。 表 5
実施例 2 6、 2 7および比較例 1 1を表 5に示す。 表 5から明らかなよ うに、 ァクリル系重合体プロックに酸無水物基を有するァクリル系プロッ ク共重合体を用いた組成物は、 酸無水物基を有さないァクリル系ブ口ック
共重合体を用いた組成物に比べて、 柔軟かつ、 機械強度、 耐油性および圧 縮永久歪み特性に優れることがわかる。
また、 アセトンへの不溶分 (w t %) が増加することから、 ポリアミド 樹脂と酸無水物基含有プロック共重合体が反応することがわかる。 よって、 酸無水物基含有ァクリル系ブロック共重合体および、 熱可塑性樹脂との組 成物は相溶化剤としても好適に使用可能である。
実施例 28
20 ANBA7, 100重量部に対して、 ポリブチレンテレフタラ一ト 樹脂 (ジユラネックス 2002、 ポリプラスチックス (株) 製) を 100 重量部加え、 設定温度 240°C, 回転数 1 00 r pmで 20分間ラポプラ ストミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 塊状のサンプルを得た。 得られ たサンプルを、 設定温度 240°Cで熱プレス成形し、 厚さ 2 mmの物性評 価用の成形体を得た。 得られた成形体の物性を、 それぞれ所定の形状に打 ち抜き評価した。
実施例 29
酸無水物型ァクリル系ブ口ック共重合体 20ANBA7、 1 00重量部 に対して、 ダイアミド E47— S 1 (ダイセルヒュルス製) を 100重量 部加え、 設定温度 1 90°C、 回転数 1 00 r pmで 20分間ラポプラスト ミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 設定温度 1 9 O で熱プレス成形し たほかは、 実施例 28と同様にして成形体を作製し、 評価した。
実施例 30
20 ANBA7, 100重量部に対して、 ウベス夕 30 12U (宇部興 産 (株) 製) を 100重量部加えたほかは、 実施例 28と同様にして成形 体を作製し、 評価した。
比較例 1 2
'—ト樹脂 (ジユラネックス 2002、 ポリブラ
スチックス (株) 製) を設定温度 240° (、 回転数 1 00 r ρπαで 20分 間ラポプラストミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 塊状のサンプルを得 た。 得られたサンプルを、 設定温度 240°Cで熱プレス成形し、 厚さ 2m mの物性評価用の成形体を得た。
得られた成形体の物性を、 それぞれ所定の形状に打ち抜き評価した。 比較例 13
ダイアミド E47_S 1 (ダイセルヒュルス製) を用いたほかは比較例 12と同様にして成形体を作製し、 評価した。
比較例 14
ウベス夕 3012U (宇部興産 (株) 製) を用いたほかは比絞例 12と 同様にして成形体を作製し、 評価した。
比較例 15
20 ANBA7を用いたほかは比較例 12と同様にして成形体を作製し、 評価した。
表 6 実施例 比較例
28 29 30 12 13 1 重合体 20ANBA7 20ANBA7 20ANBA7
熱可塑性樹脂 2002 3012U 2002 30 熱可塑性エラストマ一 E47-S1 E47-S1 硬度 JIS— A 74 61 79
硬度 JIS— D 83 52 8 不溶分 (wt%) 79.8 83.4 100 100 1
実施例 28〜 30および比較例 12〜: L 5の試験結果を表 6に示す。 表 6から明らかなように、 本発明では、 所望の柔軟性のある成形体が得られ ることがわかった。 実施例 29、 30においては、 トルエンへの不溶分 (wt %) が増加することから、 樹脂と酸無水物基含有アクリル系プロッ ク体が反応していることがわかる。 よって、 酸無水物基含有アクリル系ブ 口ック共重合体および、 熱可塑性樹脂との組成物は相溶化剤としても好適 に使用可能である。
<ゴム組成物および熱可塑性エラストマ一組成物 >
実施例 31
酸無水物基含有プロック体 (20AN3A6) 100重量部に対して、 架橋ゴム 1 (シリ一コン—アクリル複合ゴム、 三菱レイヨン (株) 製、 S - 2001) を 10重量部加え、 設定温度 180 °C、 回転数 100 r pm で 10分間ラポプラストミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 塊状の組成 物を得た。
得られた組成物を用いて直径 30mm、 厚さ 12 mmの円柱状成开体を 製造し、 硬度、 圧縮永久歪みを測定した。 また、 得られた組成物を設定温 度 180°Cで熱プレス成形し、 厚さ 2 mmの物性評価用の成形体を得た。 得られた成形体を用いて、 耐油性および引張特性、 低温脆化性を測定した。 実施例 32、 33
カルボキシル基含有ブロック共重合体 (20 C3A6) 100重量部に 対して、 実施例 32では架橋ゴム 2 (パウダー状 NBR、 J SR (株) 製、 PN20HA) 、 実施例 33では架橋ゴム 1 (シリ一コン一アクリル複合 ゴム、 三菱レイヨン (株) 製、 S— 2001) をそれぞれ 10重量 口え、 設定温度 180°C、 回転数 100 r pmで 10分間プラストミルで混練し、 塊状の組成物を得た。 実施例 32と同様にして評価を行なった。
実施例 34
カルボキシル基含有プロック共重合体 (100C 3A6) 100重量部 に対して、 架橋ゴム 1 (シリーコンーアクリル複合ゴム、 三菱レーヨン ( 株) 製、 S— 2001) 57重量部を加え、 設定温度 230°C、 回転数 1 00 rpmで 10分間ラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 設定温度 2 30°Cで熱プレス成形した他は、 実施例 31と同様にして成形 体を作製し、 評価した。
実施例 35
力ルポキシル基含有プロック共重合体 (100C3A6) 100重量部 に対して、 架橋ゴム 1 (シリ一コン一アクリル複合ゴム、 三菱レーヨン ( 株) 製、 S— 2001) 64. 5重量部、 滑剤 1 (ステアリン酸、 ナカラ ィテスク (株) 製) 0. 6重量部および無機充填剤 1 (力一ポンプラック、 旭力一ボン (株) 製、 旭 # 15) 1. 6重量部を加え、 設定温度 230° (、 回転数 10 0 r pmで 10分間ラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) で 混練し、 設定温度 230°Cで熱プレス成形した他は、 実施例 31と同様に して成形体を作製し、 評価した。
実施例 7B
実施例 7でプレス成形した厚さ 2 mmのシ一ト状成形体を用いて低温脆 性を測定した。
実施例 13 B
力ルポキシル基含有プロック共重合体 20C3A6、 100重量部に対し て、 ィルガノックス 1010 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ社製) 0. 2重量部を配合し、 180°Cに設定したラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) を用いて 100 r pmで 20分間溶融混練して、 塊状のサンプ レを得た。 得られたサンプルを、 180°Cで熱プレス成形し、 直径 30m m、 厚さ 1 2 mmの円柱状成形体を製造し、 硬度、 圧縮永久歪みを測定し た。 また、 得られた組成物を設定温度 180°Cで熱プレス成形し、 厚さ 2
mmの物性評価用の成形体を得た。 得られた成形体を用いて、 耐油性およ び引張特'性、 低温脆化性を測定した。
実施例 1 5 B
カルボキシル基含有ブロック共重合体 100 C 3 A6、 100重量部に 対して、 ィルガノックス 1010 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ社 製) 0. 2重量部を配合し、 230°Cに設定したラボプラストミル (東洋 精機 (株) 製) を用いて 100 r pmで 20分間溶融混練して、 塊状のサ ンプルを得た。
得られたサンプルを、 230 で熱プレス成形した以外は比較例 13B と同様に評価をおこなった。
表 7
実施例 31〜35、 実施例 7 B、 13B、 15 Bの試験糸吉果を表 7に示 す。 表 7の結果から明らかなように、 実施例 31〜35で W:、 架橋ゴムを 添加しても、 所望の柔軟性、 圧縮永久歪、 耐油性および引張特性などを有 する成形体が得られることがわかる。 また、 低 Tgを有する架橋ゴムを添 加することで、 耐油性を損わずに、 低温脆ィヒ性を改良できることがわかる。 <充填剤含有組成物 >
実施例 36
力ルポキシル基含有ブロック共重合体 (20C 3A6) 1 00重量部に 対して、 滑剤 1 (ステアリン酸、 ナカライテスク (株) 製) 5重量部およ び無機充填剤 1 (カーボンブラック、 旭カーボン (株) 製、 旭 # 15) 0.
25重量部を加え、 設定温度 180°C、 回転数 100 r 111で10分間ラ ポプラストミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 塊状の組成物を得た。 得られた組成物を 180°Cで熱プレス成形し、 直径 3 Ommおよび厚さ
12 mmの円柱状成形体を得た。 得られた成形体を用いて、 硬度および圧 縮永久歪みを測定した。 また、 同様にして得られた組成物を熱プレス成形 し、 厚さ 2 mmのシ一ト状成形体を得た。 得られたシート 4 成形体を用い て耐油性、 引張特性および摩擦性を測定した。 さらに、 加:!:性を測定した。 実施例 37
酸無水物基含有プロック共重合体 (20AN3A6) 1 0 0重量部に対 して、 滑剤 1 (ステアリン酸、 ナカライテスク (株) 社製) 20重量部お よび無機充填剤 1 (カーボンブラック、 旭力一ボン (株) 製、 旭 # 15) 1. 25重量部を加えた他は、 実施例 36と同様にして成形体を作製し、 評価した。
実施例 38
力ルポキシル基含有ブロック共重合体 (2 OC 3A6) 1 00重量部に 対して、 滑剤 2 (ステアリン酸亜鉛、 日本油脂 (株) 製) 2重量部および
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109 無機充填剤 2 (カーボンブラック、 旭力一ボン (株) 製、 旭 #60HN) 10重量部を加えた他は、 実施例 36と同様にして成形体を作製し、 評価 した。
実施例 39
カ レポキシル基含有ブロック共重合体 (20 C3A6) 100重量部に 対して、 滑剤 3 (ステアリン酸カルシウム、 堺化学工業 (株) 製、 SC- 10 O) 5重量部および無機充填剤 2 (カーボンブラック、 旭カーボン ( 株) 製、 旭 #60HN) 0. 25重量部を加えた他は、 実施例 36と同様 にして成形体を作製し、 評価した。
比皎例 1 Bおよび 2 B
比較例 1および比較例 2でプレス成形した厚さ 2 mmのシート状成形体 を用レ て摩擦性を評価したが、 いずれの摩擦性も粘着性が高いため、 測定 できないレベルであった。
実施例 13 C
実施例 13 Bでプレス成形した厚さ 2mmのシート状成形体を用いて摩 擦性を評価した。 また、 該シート状成形体を細かく切ってペレット状にし、 加工温度を測定した。
実施例 40
力ソレポキシル基含有プロック共重合体 (20 C3A6) 100重量部に 対して、 可塑剤 (ポリアクリル酸プチル、 東亞合成 (株) 製、 UP—10 0 O ) 25重量部、 滑剤 2 (ステアリン酸 Zn、 堺化学 (株) 製、 SZ -
20 0 0) 3重量部、 無機充填剤 2 (カーボンブラック、 旭力一ボン (株) 製、 旭 #60HN) 15重量部を加え、 設定温度 180°C、 回転欽 10 0 r pmで 10分間ラボプラストミル (東洋精機 (株) 製) で混練し、 塊 4犬の組成物を得た。 得られた組成物を 180°Cで熱プレス成形し、 直径
30 mmおよび厚さ 12 mmの円柱状成形体を得た。 得られた成形体を用
いて、 硬度および圧縮永久歪みを測定した。 また、 同様にして得られた組 成物を熱プレス成形し、 厚さ 2 mmのシート状成形体を得た。 得られた シート状成形体を用いて耐油性、 引張特性を測定した。 可塑剤を添加、 し ても所望の柔軟性、 圧縮永久歪、 耐油性および引張特性などを有する成形 体が得られることがわかる。
表 8
03009721
112 実施例 36〜 40、 比較例 1 B、 2 Bおよび実施例 13 Cの試験結果を 表 8に示す。 表 8の結果から明らかなように、 本発明で使用するアクリル 系ブロック共重合体に滑剤、 無機充填剤を添加したものは、 所望の柔軟性、 耐油性、 圧縮永久歪および引張特性などを有し、 樹脂表面の動的摩擦性が 小さいことがわかる。
また、 実施例 36と実施例 13Cとの比較から明らかなように、 本発明 に使用するァクリル系ブ口ック共重合体に滑剤、 無機充填剤を添加するこ とにより、 加工温度を低くすること力 Sでき、 射出成形する場合などにおい て、 良好な成形をすることができることがわかる。
ぐ相溶化剤 >
実施例 41
BA7、 100重量部に対して、 ウベスタ 3012U (宇部興産 (株) 製) 25重量部、 20ANBA7, 4重量部を配合し、 設定温度 240^、 回転数 100 r pmで 20分間プラストミルで混練し、 塊状のサンプルを 得た。 得られたサンプルを、 設定温度 240°Cで熱プレス成形し、 厚さ 2 mmの物性評価用の成形体を得た。 得られた成形体の物性を、 それぞれ所 定の形状に打ち抜き評価した。
比較例 16
BA7、 100重量部に対して、 ウベスタ 3012U (宇部興産 (株) 製) 25重量部を配合し、 設定温度 240°C、 回転数 100 r pmで 20 分間プラストミルで混練し、 塊状のサンプルを得た。 得られたサンプルを、 設定温度 240°Cで熱プレス成形し、 厚さ 2 mmの物性評価用の成形体を 得た。 得られた成形体の物性を、 それぞれ所定の形状に打ち抜き評価した。
表 9
実施例 4 1および比較例 1 6の試験結果を表 9に示す。 表 9から明らか なように、 本発明では、 酸無水物基含有ブロック体を添加したものは、 破 断伸びが向上し、 ウベス夕 3 0 1 2 Uと MB AMとの相溶化剤として好適 に作用していることがわかる。
以上の結果から、 本発明のアクリ^/系ブロック共重合体は、 柔軟性に富 み、 機械強度、 成形加工性、 耐油性、 耐熱性、 熱分解性に優れ、 さらには 反応性に富むことがわかる。 また、 本発明のアクリル系ブロック共重合体 をゴムあるいは熱可塑性樹脂および Zまたは熱可塑性ェラストマーと組み 合わせることで、 柔軟性、 耐油性、 耐熱性などに富む新規な組成物が得ら れることがわかる。 また、 耐油性や、 耐熱性や圧縮永久歪にとくに優れる ことから、 自動車、 電気 ·電子部品に好適に広く使用できることがわかる。 産業上の利用可能性
本発明のアクリル系ブロック共重合体は、 柔軟性に富み、 機械強度、 成 形加工性、 耐油性、 耐熱性、 耐熱分解性、 耐候性に優れ、 さらには反応性 に富むことから、 新規な熱可塑性エラストマ一、 相溶化剤などとして、 好 適に用いることができる。 本発明の新規なァクリル系ブ口ック共重合体、
およびこれを用いた組成物は、 その特徴を活かして、 自動車、 電気 '電子 部品 (たとえば、 自動車用シー レ製品、 家庭用電気製品用シール製品また は事務用電気製品用シール製品などのシール製品) に好適に広く使用でき る。