JP2005263962A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)を含有するブロック共重合体(A)、及び、制御重合により得られた(メタ)アクリル系重合体(B)からなり、かつ、(A):(B)=95:5〜50:50の重量比である熱可塑性エラストマー組成物。
【選択図】 なし
Description
よって、耐熱性を維持したまま、低硬度可能な熱可塑性エラストマー組成物を得ることが求められていた。
ブロック共重合体(A)が、一般式b−(a−b)r、一般式(a−b)r−a
(式中、rは1以上の整数)で表されるブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である上記熱可塑性エラストマー組成物;
(メタ)アクリル系重合体(B)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)を含有するa−bジブロック共重合体からなる上記熱可塑性エラストマー組成物;
ブロック共重合体(A)が含有するアクリル系重合体ブロック(b)を構成するモノマーの少なくとも50重量%、及び、(メタ)アクリル系重合体(B)を構成するモノマーの少なくとも50重量%が同一化合物であることを特徴とする上記熱可塑性エラストマー組成物;
アクリル系重合体ブロック(b)及び(メタ)アクリル系重合体(B)を構成するモノマーがそれぞれ、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである上記熱可塑性エラストマー組成物;
メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)のうち少なくとも一方の重合体ブロックの主鎖中に、一般式(1):
ブロック共重合体(A)が、原子移動ラジカル重合により得られることを特徴とする上記熱可塑性エラストマー組成物;
(メタ)アクリル系重合体(B)が、原子移動ラジカル重合により得られることを特徴とする上記熱可塑性エラストマー組成物;
原子移動ラジカル重合が、銅錯体を触媒とすることを特徴とする上記熱可塑性エラストマー組成物;
に関する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)を含有するブロック共重合体(A)、及び、制御重合により得られた(メタ)アクリル系重合体(B)からなり、かつ、(A):(B)=95:5〜50:50の重量比を満たすものである。
各成分について以下に説明する。
本発明におけるブロック共重合体(A)は、メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)を含有してなるものである。
また、当該ブロック共重合体(A)の構造は、線状ブロック共重合体又は分岐状(星状)ブロック共重合体であることが好ましく、これらの混合物であってもよい。このようなブロック共重合体の構造は、必要とされるブロック共重合体(A)の物性、ブロック共重合体(A)と(メタ)アクリル系重合体(B)との組成物に必要とされる加工特性や機械特性等、必要に応じて使い分けられるが、コスト面や重合容易性の点から、線状ブロック共重合体が好ましい。
a−b−a型のトリブロック共重合体を例にとって表すと、(a/z)−b−a型、(a/z)−b−(a/z)型、z−a−b−a型、z−a−b−a−z型、a−(b/z)−a型、a−b−z−a型、a−z−b−z−a型、(a/z)−(b/z)−(a/z)型、等のいずれであってもよい。
ここでzとは、酸無水物基(c)及び/又はカルボキシル基(d)を含む単量体又は重合体ブロックを表し、(a/z)とは、ブロックaに酸無水物基(c)及び/又はカルボキシル基(d)を含む単量体が共重合されていることを表し、(b/z)とは、ブロックbに酸無水物基(c)及び/又はカルボキシル基(d)を含む単量体が共重合されていることを表す。
また、aあるいはb中で、zの含有される部位と含有される様式は自由に設定してよく、目的に応じて使い分けることができる。
組成比としては、特に限定されないが、メタアクリル系重合体ブロック(a)が5〜80重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が95〜20重量%であることが好ましい。より好ましくは、メタアクリル系重合体ブロック(a)が10〜70重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が90〜30重量%であり、さらに好ましくはメタアクリル系重合体ブロック(a)が20〜60重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が80〜40重量%である。メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が5重量%未満であると、高温でのゴム弾性が低下する傾向にあり、(a)の割合が80重量%をこえると、エラストマーとしての機械特性、特に破断伸びが低下したり、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が低下したり、硬度が高くなる傾向にある。
Tga>Tgb
1/Tg=(W1/Tg1)+(W2 /Tg2)+…+(Wm/Tgm)
W1+W2+…+Wm=1
式中、Tgは重合体部分のガラス転移温度を表し、Tg1,Tg2,…,Tgmは各重合単量体のガラス転移温度を表す。また、W1,W2,…,Wmは各重合単量体の重量比率を表す。
なお、前記ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)又は動的粘弾性のtanδピークにより測定することができる。
メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成する単量体は、所望する物性のブロック共重合体(A)を得やすい点、コスト及び入手しやすさの点から、メタアクリル酸エステル単量体、及びこれと共重合可能な他のビニル系単量体からなることが好ましい。
また、酸無水物基(c)及び/又はカルボキシル基(d)を有する単量体を、メタアクリル酸エステル単量体として含んでいてもよい。
これらは少なくとも1種用いることができる。
これらの中でも、コスト及び入手しやすさの点や、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械特性の点で、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸n−ブチルが好ましく、メタアクリル酸メチルが特に好ましい。
シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。
共役ジエン系化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。
ハロゲン含有不飽和化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等を挙げることができる。
不飽和ジカルボン酸化合物としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル等を挙げることができる。
ビニルエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等を挙げることができる。
マレイミド系化合物としては、例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。
なお、メタアクリル系重合体ブロック(a)のTgaの設定は、前記のFox式に従い、各重合体部分の単量体の重量比率を設定することにより行うことができる。
アクリル系重合体ブロック(b)を構成する単量体は、所望する物性の組成物を得やすい点、コスト及び入手しやすさの点から、アクリル酸エステル単量体、及びこれと共重合可能なビニル系単量体からなることが好ましい。
また、酸無水物基(c)及び/又はカルボキシル基(d)を有する単量体を、アクリル酸エステル単量体として含んでいてもよい。
より具体的には、熱可塑性エラストマー組成物の耐衝撃性、コスト、及び入手しやすさの点で、アクリル酸n−ブチルが好ましい。また、組成物に耐油性が必要な場合は、アクリル酸エチルが好ましい。また、低温特性や柔軟性が必要な場合や、より低硬度な特性が必要とされる場合は、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。さらに、耐油性と低温特性を両立させたいときには、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルの混合物が好ましい。
これらのビニル系単量体は、アクリル系重合体ブロック(b)に要求されるガラス転移温度、弾性率、極性や、組成物に要求される物性、(メタ)アクリル系重合体(B)との相溶性等によって、好ましいものを選択することができる。
すなわち、アクリル系重合体ブロック(b)の数平均分子量Mbは、3000以上であることが好ましく、5000以上がより好ましく、10000以上がさらに好ましく、20000以上が特に好ましく、40000以上が最も好ましい。ただし、数平均分子量が大きいと重合時間が長くなる傾向があるため、必要とする生産性に応じて設定すればよいが、好ましくは300000以下であり、より好ましくは200000以下である。
なお、アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度(Tgb)の設定は、Tgaの場合と同様に、Fox式にしたがって計算したものとする。
上記メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)のうち、少なくとも一方の重合体ブロック主鎖中に、酸無水物基(c)及び/又はカルボキシル基(d)を有することが、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、機械特性、ゴム弾性の向上、低硬度化の点から好ましい。
一般式(1)中のmは、0又は1の整数であって、nが0の場合はmも0であり、nが1〜3の場合はmは1であることが好ましい。
カルボキシル基(d)は、強い凝集力をもち、カルボキシル基を有する単量体はガラス転移温度(Tg)が高く、ブロック共重合体(A)の耐熱性を向上させる効果を有する。ヒドロキシル基等の官能基も水素結合能を有するが、上記の官能基を有する単量体に比較するとTgも低く、耐熱性を向上させる効果は小さい。例えば、ポリメタアクリル酸が228℃と高く、これらを構成する単量体を導入することでブロック共重合体(A)の耐熱性を向上できる。よって、ブロック共重合体(A)の耐熱性や凝集力をさらに向上させる点から、必要に応じてカルボキシル基(d)を導入してもよい。
例えば、特開2001−234147号公報、特開平10−298248号公報に開示されるように、メタアクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリメチルシリル等の、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有する単量体を含むブロック共重合体(A)を合成し、加水分解もしくは酸分解等、公知の化学反応によってカルボキシル基(d)を生成させる方法がある。また、その他の方法として、前記の酸無水物基(c)をブロック共重合体(A)に導入する過程で、あるいは酸無水物基(c)を加水分解することによって生成させることもできる。
カルボキシル基(d)の導入方法については、特に限定されないが、カルボキシル基を有する単量体を重合条件下で直接重合して導入する場合には、カルボキシル基を有する単量体が重合時に触媒を失活させてしまう場合があったり、コスト面で問題があったり、製造が煩雑になる等の傾向があることから、酸無水物基(c)をブロック共重合体(A)に導入する過程で生成させることが好ましく、また、カルボキシル基(d)の導入量の制御や導入が容易であること等から、酸無水物基(c)を加水分解することによって生成させることがより好ましい。
一般式(2)で示される単位を有するブロック共重合体(A)において、一般式(2)で示される単位は、高温下で隣接するエステルユニットと脱離、環化し、酸無水物基(c)を生成する。この際、エステルユニットが分解してカルボキシル基(d)を生成し、それに引き続き、環化が起こり、酸無水物基が生成する経路を一部有する。これを利用して、一般式(2)で示される単位の種類や含有量に応じて、加熱温度や時間を適宜調整することで、カルボキシル基(d)を導入することができる。この方法では、カルボキシル基(d)が高温下で隣接するエステルユニットと環化しやすい傾向があることから、カルボキシル基(d)を高含有量導入する場合には、酸無水物基(c)を加水分解することによって導入する方法が好ましい。カルボキシル基(d)をブロック共重合体(A)への酸無水物基(c)への導入の過程で生成させる場合、前記酸無水物基(c)の導入方法と同様に、酸無水物の前駆体を有するブロック共重合体(A)を重合体溶液の状態で加圧下で加熱してもよく、酸無水物基の前駆体を有するブロック共重合体(A)を直接、加熱、溶融してもよい。製造の簡便さ等の点で、酸無水物基の前駆体を有するブロック共重合体(A)を溶融混練することがより好ましい。
本発明における(メタ)アクリル系重合体(B)としては、(1)メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)を含有するa−bジブロック共重合体、(2)ブロック共重合体でない(メタ)アクリル系重合体(b′)が挙げられ、いずれも制御重合により得られるものである。
なお、当該(メタ)アクリル系重合体(B)は、熱可塑性エラストマー組成物の低硬度化に寄与する成分である。
当該場合におけるメタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)としては、上記ブロック共重合体(A)で説明したものと同じものが例示される。
当該場合における、ブロック共重合体でない(メタ)アクリル系重合体(b′)の主鎖を構成するモノマーとしては特に限定されないが、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。
これらは、少なくとも1種用いることができる。
当該共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
これらは、少なくとも1種用いることができる。
アクリル酸エステル系モノマーの中でも、得られる熱可塑性エラストマー組成物の低温特性、コスト、及び入手しやすさの点で、アクリル酸n−ブチルが好ましく、組成物に耐油性が必要な場合は、アクリル酸エチルが好ましい。また、得られる熱可塑性エラストマー組成物に、より低温特性や柔軟性が必要とされる場合やより低硬度な特性が必要とされる場合は、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、さらに、耐油性と低温特性を両立させたいときにはアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルの混合物が好ましい。
また、(メタ)アクリル系重合体(B)が(1)と(2)の両者からなる場合には、(メタ)アクリル系重合体(B)全体における(1)と(2)の割合は特に限定されない。
また、この場合、アクリル系重合体ブロック(b)及び(メタ)アクリル系重合体(B)を構成するモノマーがそれぞれ、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーであることが好ましい。
また、(メタ)アクリル系重合体(B)の数平均分子量は、500〜1,000,000が好ましく、1,000〜100,000がより好ましく、5,000〜50,000がさらに好ましい。
なお、GPC測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
次に、ブロック共重合体(A)及び(メタ)アクリル系重合体(B)の製造方法について説明する。
ブロック共重合体(A)を製造する方法としては、特に限定されないが、重合体の分子量及び構造の制御が容易である点から、制御重合を用いることが好ましい。
また、(メタ)アクリル系重合体(B)の製造方法としては、分子量の制御が容易であることから、制御重合を用いる。
C6H5−CH2X、
C6H5−C(H)(X)−CH3、
C6H5−C(X)(CH3)2、
R4−C(H)(X)−COOR5、
R4−C(CH3)(X)−COOR5、
R4−C(H)(X)−CO−R5、
R4−C(CH3)(X)−CO−R5、
R4−C6H4−SO2X
で示される化合物等が挙げられる。
X−CH2−C6H4−CH2−X、
X−CH(CH3)−C6H4−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−C6H4−C(CH3)2−X、
X−CH(COOR6)−(CH2)n−CH(COOR6)−X、
X−C(CH3)(COOR6)−(CH2)n−C(CH3)(COOR6)−X
X−CH(COR6)−(CH2)n−CH(COR6)−X、
X−C(CH3)(COR6)−(CH2)n−C(CH3)(COR6)−X、
X−CH2−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−C(CH3)2−X、
X−CH(C6H5)−CO−CH(C6H5)−X、
X−CH2−COO−(CH2)n−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−(CH2)n−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−(CH2)n−OCO−C(CH3)2−X、
X−CH2−CO−CO−CH2−X、
X−CH(CH3)−CO−CO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−CO−CO−C(CH3)2−X、
X−CH2−COO−C6H4−OCO−CH2−X、
X−CH(CH3)−COO−C6H4−OCO−CH(CH3)−X、
X−C(CH3)2−COO−C6H4−OCO−C(CH3)2−X、
X−SO2−C6H4−SO2−X
で示される化合物等が挙げられる。
C6H3−(CH2−X)3、
C6H3−(CH(CH3)−X)3、
C6H3−(C(CH3)2−X)3、
C6H3−(OCO−CH2−X)3、
C6H3−(OCO−CH(CH3)−X)3、
C6H3−(OCO−C(CH3)2−X)3、
C6H3−(SO2−X)3
で示される化合物等が挙げられる。
式中、C6H3は三価のフェニル基(3つの結合手の位置は1〜6位のいずれにある組み合わせでもよい)を示し、Xは前記と同じである。
前記溶媒の具体例は、例えば、特開2003−82192号公報に記載されているものを挙げることができ、少なくとも1種用いることができる。
これらの方法はいずれによってもよく、目的に応じて使い分ければよいが、製造工程の簡便性の点からは、単量体の逐次添加による方法が好ましく、前のブロックの単量体が残存して次のブロックに共重合してしまうことを避けたい場合には、あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤として次のブロックを重合する方法が好ましい。
また、単量体の添加の順序としては、まずアクリル系単量体を仕込んで重合させた後に(メタ)アクリル系単量体を仕込んで重合させる方法が、重合の制御の観点から好ましい。これは、アクリル系重合体ブロックの末端からメタアクリル系重合体ブロックを成長させることが好ましいからである。
また、この場合、ブロックの重合の順序として、まずアクリル系ブロックを重合させた後に(メタ)アクリル系ブロックを重合させる方法が、重合の制御の観点から好ましい。これは、アクリル系重合体ブロックの末端からメタアクリル系重合体ブロックを成長させることが好ましいからである。
GC法は、重合系の反応液を反応開始前及び反応途中で随時サンプリングしてGC測定し、単量体と重合系内にあらかじめ添加された内部標準物質との存在比から、単量体の消費率を求める方法である。この方法の利点は、複数の単量体が系内に存在している場合でも、それぞれの転化率を独立して求めることができることである。
重量法は、重合系の反応液をサンプリングして、その乾燥前の重量と乾燥後の重量から固形分濃度を求め、単量体の全体としての転化率を求める方法である。この方法の利点は、簡単に転化率を求めることができることである。
これらの方法のうち、複数の単量体が系内に存在する場合、例えば、メタアクリル系単量体の共重合成分としてアクリル系単量体が含まれている場合等には、GC法が好ましい。
なお、(メタ)アクリル系重合体(B)も上記と同様にして製造することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ブロック共重合体(A)と(メタ)アクリル系重合体(B)を、(A):(B)=95:5〜50:50の重量比で含有するものである。
ブロック共重合体(A)の含有量が95重量%より多いと、エラストマー組成物の低硬度化が困難であり、50重量%より少ないと、エラストマー組成物の耐熱性が低下する。
また、(A):(B)=90:10〜60:40の重量比で含有していることが好ましく、85:15〜65:35の重量比で含有していることがより好ましい。
これら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。
さらに、炭酸カルシウムは、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等の有機物や各種界面活性剤、及び、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の各種カップリング剤等の表面処理剤を用いて、表面処理を施してあるものを用いてもよい。
配合量が5重量部未満の場合には、組成物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1000重量部を越えると組成物の作業性が低下することがある。充填材は少なくとも1種用いることができる。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸金属塩;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸系ワックス等のワックス類;低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィン;ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン;オクタデシルアミン、リン酸アルキル、脂肪酸エステル、エチレンビスステアリルアミド等のアミド系滑剤、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン粉末、シリコーン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、シリカ等が挙げられる。これらは少なくとも1種用いることができる。なかでもコスト面や加工性に優れるステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
このような添加剤としては、安定剤、難燃剤、顔料、離型剤、帯電防止剤、抗菌抗カビ剤、発泡剤、酸化防止剤等が挙げられる。
このような添加物の具体例は、例えば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報等に記載されている。これらの添加剤は、必要とされる物性や、使用される用途等に応じて、適宜最適なものを選択すればよい。
上記難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、デカブロモビフェニル、デカブロモビフェニルエーテル、三酸化アンチモン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは少なくとも1種用いることができる。
上記顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは少なくとも1種用いることができる。
例えば、加熱と混練とを同時に行い得る種々の装置が使用可能であって、攪拌翼を備えた反応容器、ラボプラストミル、ブラベンダー、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等のような密閉式混練装置又はバッチ式混練装置、単軸押出機、二軸押出機等の連続式の溶融混練装置が使用できる。
滑剤の具体例としては、前記の滑剤や、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミ、アクリル系高分子微粒子等を挙げることができる。これらの群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。コストの点から炭酸カルシウム、タルクが好ましく、特にブロック共重合体(A)におけるメタアクリル系重合体ブロック(a)がメタアクリル酸メチルを主成分として用いた場合には、ポリメタアクリル酸メチル樹脂粉末を滑剤として用いると、滑剤添加による製品物性の影響がほとんど考えられないことから好ましい。
滑剤なしにペレットを製造し、得られたペレットに滑剤を塗布する手法としては、滑剤を含有する溶剤中に重合体ペレットを分散させる方法や、ペレットに滑剤を含有する溶剤を噴霧する用法や、ペレット及び滑剤を直接混合する方法等が挙げられる。また、ペレット製造工程時に同時に塗布する方法としては、例えば、アンダーウォーターカット方式やストランドカット方式等が挙げられる。アンダーウォーターカット方式によるペレット製造においては、ダイス及びカッター近傍のペレットのブロッキングを防止することが必要な場合がある。この場合、重合体のカットが循環冷却水中で行われるため、この循環冷却水中に滑剤を1種又は2種以上を添加することよりブロッキング性を改善できる。また、ストランドカット方式では、ダイスから払い出された樹脂は高温であり、ストランドを水相にて冷却し、樹脂を固化させた後カッティングする方法が一般的であるが、その水相中に予め滑剤を添加、分散させておき、ストランドを水相中に浸漬させることにより表面に滑剤を付着させることでペレットのブロッキング防止効果を発現することも可能である。
なお、実施例におけるBA、EA、MEA、MMA、TBMAは、それぞれ、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸t−ブチルを表す。また、coはランダム共重合を、bはブロック共重合を意味する。
(分子量)
本実施例に示すブロック共重合体(A)及び(メタ)アクリル系重合体(B)の分子量は、クロロホルムを移動相として、ポリスチレンゲルカラムを使用した、GPC分析装置(システム:ウォーターズ(Waters)社製のGPCシステム、カラム:昭和電工株式会社製のShodex K−804(ポリスチレンゲル))で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
ブロック共重合体の酸無水物基変換反応の確認は、赤外スペクトル(株式会社島津製作所製、FTIR−8100)、及び核磁気共鳴(BRUKER社製、AM400)を用いて行った。
なお、核磁気共鳴分析の際、カルボン酸エステル構造のブロック体は、重クロロホルムを測定溶媒として分析を行い、酸無水物型構造のブロック体及びカルボン酸型ブロック体は、重アセトンを測定溶剤として分析を行った。
5Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、臭化銅11.3g(78.5ミリモル)を量り取り、アセトニトリル(モレキュラーシーブスで乾燥後、窒素バブリングしたもの)180mLを加えた。70℃で5分間加熱攪拌した後、再び室温まで冷却し、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.7g(15.7ミリモル)、アクリル酸n−ブチル804.6g(900.0mL)を加えた。80℃で加熱攪拌し、配位子ペンタメチルジエチレントリアミン(以下トリアミンともいう)1.6mL(7.9ミリモル)を加えて重合を開始した。重合開始から一定時間ごとに、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約0.2mLを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロマトグラム分析によりアクリル酸n−ブチルの転化率を決定した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。
アクリル酸n−ブチルの転化率が95%の時点で、メタアクリル酸メチル345.7g(369.3mL)、塩化銅7.8g(78.5ミリモル)、トリアミン1.6mL(7.9ミリモル)、トルエン(モレキュラーシーブスで乾燥後、窒素バブリングしたもの)1107.9mLを加えた。同様にして、メタアクリル酸メチルの転化率を決定した。
メタアクリル酸メチルの転化率が85%、アクリル酸n−ブチルの転化率が98%の時点で、トルエン1500mLを加え、水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。反応中、常に重合溶液は緑色であった。
得られたMBAMのGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが105300、分子量分布Mw/Mnが1.38であった。またNMRによる組成分析を行ったところ、BA/MMA=70/30(重量%)であった。
20AN3A6は、20AN3A6の前駆体である(MMA−co−TBMA)−b−(BA−co−EA−co−MEA)−b−(MMA−co−TBMA)[なおMMA/TBMA=80/20mol%、(BA−co−EA−co−MEA)/(MMA−co−TBMA)=60/40重量%]型ブロック共重合体(以下20T3A6と記載する)を合成した後、酸無水物基に変換することにより得た。
転化率が95%に到達したところで、トルエン96202.9g、塩化第一銅587.7g、MMA30513.5g、TBMA10834.2gを仕込み、トリアミン102.9gを加えて、第二ブロックとなるMMAとTBMAの共重合を開始した。
転化率が60%に到達したところで、トルエン69280gを加えて反応溶液を希釈すると共に、反応機を冷却して重合を停止させた。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが107400、分子量分布Mw/Mnが1.28であった。
得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて、重合体濃度を24重量%になるよう調整し、さらにp−トルエンスルホン酸を847g加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って固形分を除去した。このブロック共重合体溶液50Lに対し、キョーワード500SHを827g加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って吸着剤を除去した。
得られたアクリル系ブロック共重合体20T3A6のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが108240、分子量分布Mw/Mnが1.49であった。
t−ブチルエステル部位の無水カルボン酸及びカルボン酸への変換は、IR(赤外線吸収スペクトル)及び13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により確認できた。すなわち、IRでは、変換後には1800cm−1あたりに酸無水物基に由来する吸収スペクトルが見られるようになることから確認できた。13C(1H)−NMRでは、変換後にはt−ブチル基のメチン炭素由来の82ppmのシグナルと、メチル炭素由来の28ppmシグナルが消失し、新たにカルボン酸のカルボキシル炭素由来の176〜179ppm(m)のシグナルと、カルボン酸無水物のカルボキシル炭素由来の172〜173ppm(m)のシグナルが出現することから確認できた。
酸無水物基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体は、得られたブロック共重合体中にそれぞれ、1重量%、7重量%であった。それぞれの含有量は13C(1H)−NMR分析により求めた。
500mLのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、臭化銅1.13g(7.85ミリモル)を量り取り、アセトニトリル(モレキュラーシーブスで乾燥後、窒素バブリングしたもの)15mLを加えた。70℃で5分間加熱攪拌した後、再び室温まで冷却し、開始剤2−ブロモプロピオン酸メチル0.448g(2.68ミリモル)、アクリル酸n−ブチル80.5gを加えた。80℃で加熱攪拌し、配位子トリアミン0.28mL(1.3ミリモル)を加えて重合を開始した。重合開始から一定時間ごとに、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約0.2mLを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロマトグラム分析によりアクリル酸n−ブチルの転化率を決定した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。
アクリル酸n−ブチルの転化率が95%の時点で、メタアクリル酸メチル23.4g、塩化銅0.78g(7.84ミリモル)、トリアミン0.28mL(1.3ミリモル)、トルエン(窒素バブリングしたもの)75mLを加えた。同様にして、メタアクリル酸メチルの転化率を決定した。
メタアクリル酸メチルの転化率が85%、アクリル酸n−ブチルの転化率が98%の時点で、トルエン450mLを加え、水浴で反応器を冷却して反応を終了させた。反応中、常に重合溶液は緑色であった。
得られたBAMのGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが50950、分子量分布Mw/Mnが1.41であった。またNMRによる組成分析を行ったところ、BA/MMA=79/21(重量%)であった。
攪拌機、ジャケット付きの250L反応機に、臭化銅1.11kgを仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル5.0kgを加え、ジャケットに温水を通水し、70℃で15分間攪拌した。これにBA6.6kg、EA9.5kg、アクリル酸メトキシエチル7.8kg及び2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル3.09kgとアセトニトリル5.0kgの混合物を加え、さらに70℃で30分程度撹拌した。これにトリアミンを加え、反応を開始した。反応途中トリアミンを適宜添加し、内温70から80℃程度で重合を行った。重合工程で使用したトリアミン総量は45gであった。反応開始から4時間後に、80℃で減圧下、加熱攪拌することにより、未反応のモノマー、アセトニトリルを脱揮した。濃縮物にアセトニトリル29.9kg、1,7−オクタジエン28.4kg、トリアミン446gを添加して6時間撹拌を続けた。混合物を80℃で減圧下、加熱攪拌することにより、アセトニトリル、未反応の1,7−オクタジエンを脱揮させ、濃縮した。濃縮物にトルエン120kgを加え、重合体を溶解させた。重合体混合物中の固体銅をバグフィルター(HAYWARD製、公称濾布孔径1μm)によりろ過した。ろ液に吸着剤としてのキョーワード500SH(協和化学工業株式会社製:共重合体100重量部に対して2重量部)、キョーワード700SL(協和化学工業株式会社製:共重合体100重量部に対して2重量部)を添加し、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)で120℃、2時間加熱攪拌した。混合物中の不溶分をろ別した。ろ液を濃縮し、共重合体を得た。共重合体を180℃で12時間加熱脱揮(減圧度10torr以下)することにより共重合体中からBr基を脱離させた。
3Aの数平均分子量は18000、分子量分布は1.1であった。共重合体1分子当たりに導入された平均のアルケニル基の数を1H−NMR分析により求めたところ、1.9個であった。
製造例1で製造したMBAM及び製造例3で製造したBAM、irganox1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)を表1に示した割合で用い、190℃に設定したラボプラストミル50C150(ブレード形状:ローラー形R60、東洋精機株式会社製)を用いて、10分間溶融混練し、熱可塑性エラストマーを得た。
得られた熱可塑性エラストマーを、設定温度190℃で熱プレス(株式会社神藤金属工業所製、圧縮成形機NSF−50)成形し、直径30mm及び厚さ12mmの円筒状の成形体を得た。これらの成形体について、硬度、圧縮永久歪みを測定した。また、同様に設定温度190℃で熱プレス成形し、厚さ2mmのシート状の成形体を得た。これらのシートにて機械強度を測定した。
使用した原料を表1に示す成分及び量に変更した以外は、実施例1と同様に行い、熱可塑性エラストマー及びその成形体を得た。
また、表1において、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製)を、可塑剤としてエポキシ化大豆油O−130P(旭電化工業株式会社製)を使用した。さらに、表1での各成分の配合量は重量部である。
目視観察により、外観(透明性)を評価した。
(硬度)
硬度は、JIS K 6253に従い、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を試験片とし、23℃、相対湿度50±5%における硬度(直後、JIS−A;タイプAデュロメーターを用い、加圧面が密着してから直後の読み)を測定した。
破断強度(MPa)及び弾性率は、JIS K 7113に記載の方法に準用して、島津製作所製のオートグラフAG−10TB形を用い、23℃にて500mm/分の試験速度で測定した。測定はn=3にて行い、試験片が破断したときの強度(MPa)と伸び(%)の値の平均値を採用した。なお、試験片は2(1/3)号形の形状にて、厚さが約2mm厚のものを用い、原則として、試験前に温度23±2℃、相対湿度50±5%で48時間以上状態調節したものを用いた。
圧縮永久歪みは、JIS K 6301に準拠し、円柱型成形体(直径30mm、厚さ12mm)を圧縮率25%の条件で100℃で22時間保持し、室温で30分間放置した後、23±2℃で成形体の厚みを測定し、歪みの残留度を計算した。すなわち、圧縮永久歪み0%で歪みが全部回復し、圧縮永久歪み100%で歪みが全く回復しないことに相当する。
Claims (9)
- メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)を含有するブロック共重合体(A)、及び、制御重合により得られた(メタ)アクリル系重合体(B)からなり、かつ、(A):(B)=95:5〜50:50の重量比である熱可塑性エラストマー組成物。
- ブロック共重合体(A)が、一般式b−(a−b)r、一般式(a−b)r−a
(式中、rは1以上の整数)で表されるブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - (メタ)アクリル系重合体(B)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)及びアクリル系重合体ブロック(b)を含有するa−bジブロック共重合体からなる請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- ブロック共重合体(A)が含有するアクリル系重合体ブロック(b)を構成するモノマーの少なくとも50重量%、及び、(メタ)アクリル系重合体(B)を構成するモノマーの少なくとも50重量%が同一化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- アクリル系重合体ブロック(b)及び(メタ)アクリル系重合体(B)を構成するモノマーがそれぞれ、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- ブロック共重合体(A)が、原子移動ラジカル重合により得られることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (メタ)アクリル系重合体(B)が、原子移動ラジカル重合により得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 原子移動ラジカル重合が、銅錯体を触媒とすることを特徴とする、請求項7又は8記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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