明 細 書
塩基配列検出装置及び塩基配列自動解析装置
技術分野
本発明は、 塩基配列を検出する塩基配列検出装置と、 こ の 塩基配列検出装置を 自動で制御し、 測定信号を自動解析する 塩基配列自動解析装置に関する。
背景技術
従来は、 例えば、ハイ プリ ダイゼーショ ンのみを行 う 装置 このハイ プリ ダイゼーショ ンの後に揷入剤を添加 した後の電 気化学測定のみを行う装置、 も し く は、 ハイ プリ ダイゼーシ ョ ンからバ ッ フ ァ によ る洗浄までを自動で行 う装置は、 それ ぞれ存在 していた (例えば特許文献 1 : 特表平 9 一 5 0 4 9 1 0 号公報) 。
前述したよ う な装置を用いて測定を行った場合、 各工程が 終了する と、 作業者は、 サンプルを次の工程のための装置に マニ ュ アルで移送する必要があるため、 時間的に拘束される また、 工程間の移送に作業者が関与するため、 各サンプル間 のデータの再現性に乏 しい、 とい う 問題があった。
一方、 反応を行わせるためのセル内の反応条件いかんによ り 測定結果が変動する問題もあった。 複数の作用極を有する 3電極系で測定する場合、 各作用極での反応環境がまちまち で、 検出結果にもばらつきがあった。
発明の開示
本発明の 目的は、 電気化学反応特性の均一性が高く 、 検出 の信頼性が高い塩基配列検出装置を提供する こ と にある。
また、 本発明の別の目的は、 反応から送液、 測定までの自 動で行う こ とができ る塩基配列自動解析装置を提供する こ と にある。
この発明の一の観点によれば、 流路内における試料と所定 の塩基配列を有するプローブの反応に基づき試料中の塩基配 列を検出する塩基配列検出装置であって、 基板と 、 この基板 上に設け られ、 薬液又はエアの流れる方向に沿って設け られ た流路と、 前記基板上に前記流路に沿つて複数設け られ、 前 記プローブが固定化される作用極と、 前記流路の内周面に前 記作用極に対応 して設け られ、 各々が前記基板表面に対向す る第 1 の面に位置する よ う に配置され、 前記作用極と の間に 電位差を与える対極と、 前記流路の内周面に前記作用極に対 応して設け られ、 各々が前記基板表面に対向する第 2 の面に 位置する よ う に配置され、 前記作用極に検出電圧をフ ィ ー ド バック させる参照極と、 前記流路に開 口 し、 前記流路の上流 側から前記流路内に薬液又はエアを送入する送入ポー ト と、 前記流路に開口 し、 前記流路の下流側から前記流路内の薬液 又はエアを送出する送出ポー ト と、 前記流路内に試料を注入 する試料注入口 と を具備してなる塩基配列検出装置が提供さ れる。
また、 本発明の別の観点によれば、 セル上面、 セル側面及 びセル底面によ り 定められるセル内における試料と所定の塩 基配列を有するプローブの反応に基づき試料中の塩基配列を 検出する塩基配列検出装置であって、 基板と、 この基板上に 薬液又はエアの流れる方向に沿って 1 つずつ複数設け られ、
前記プローブが固定化される作用極と を備え、 前記セル底面 を定める塩基配列検出チップと、 前記作用極に対応して設け られ、 各々が前記基板表面に対向する第 1 の面に位置する よ う に配置され、 前記作用極との間に電位差を与える対極と、 前記作用極に対応して複数設け られ、 各々 が前記基板表面に 対向する第 2 の面に位置するよ う に配置され、 前記作用極に 検出電圧をフィ ー ドバック させる参照極とが薬液又はエアの 流れる方向に沿って設けられたチップカー ト リ ッジ上蓋と、 前記作用極、 対極及び参照極近傍の断面が等しい流路が形成 される よ う に前記チップカー ト リ ッジ上蓋と前記基板表面と の間に狭着固定されて前記セル上面及ぴセル側面を定めるシ ール材と、 前記チップカー ト リ ッジ上蓋に設けられ、 薬液又 はエアの流れる方向の上流側から前記セル内に薬液又はエア を送入する送入ポー ト と、 前記チップカー ト リ ッジ上蓋に設 けられ、 薬液又はエアの流れる方向の下流側から前記セル内 の薬液又はエアを送出する送出ポー ト と、 前記チップカー ト リ ッジ上蓋に設け られ、 前記セル内に試料を注入する試料注 入口 と を具備 してなる塩基配列検出装置が提供される。
さ らに本発明の別の観点によれば、 上述したよ う な塩基配 列検出装置と、 前記送入ポー トに連通 し、 該送入ポー ト を介 して前記流路内に薬液又はエアを供給する第 1 の配管と、 前 記第 1 の配管の薬液又はエアの流量を制御する第 1 の弁と を 備えた供給系 と、 前記送出ポー ト に連通し、 該送出ポー ト を 介して前記流路内から薬液又はエアを排出する第 2 の配管と 前記第 2 の配管の薬液又はエアの流量を制御する第 2の弁と
第 2 の配管に設け られ、 前記流路内から薬液又はエアを吸い 上げるポンプと を備えた排出系 と、 前記作用極と対極と の間 に電位差を与える電圧印加部を備えた測定系 と、 前記塩基配 列検出チップの温度を制御する温度制御機構と、 前記供給系 の第 1 の弁と、 前記排出系の第 2 の弁及びポンプと、 前記測 定系の前記電圧印加部と、 前記温度制御機構と を制御 し、 前 記作用極又は前記対極から電気化学反応信号を検出 し、 この 電気化学反応信号を測定データ と して格納する制御機構と、 前記制御機構に制御条件パラメ ータ を与えて前記制御機構を 制御する と と もに、 前記測定データ に基づいて塩基配列の解 析処理を実行する コ ンピュータ と を具備してなる塩基配列自 動解析装置が提供される。
さ らに本発明の別の観点によれば、 流路内における試料と 所定の塩基配列を有するプローブの反応に基づき試料中の塩 基配列を 自動解析する塩基配列自動解析装置であって、 主表 面を有し、 該主表面にパッ ドを有する基板と 、 前記主表面上 に前記流路に沿って複数設け られ、 前記プローブが固定化さ れる電極と、 参照極及び対極が設け られ、 主面と平坦な裏面 と を有し、 前記裏面が前記基板の主表面上に接触して配置さ れるシール部材本体と 、 前記裏面に形成され、 前記電極との 間に間隙を設けて前記流路を形成する溝部と 、 前記流路のー 端に連通 し前記基板の主表面から離間 した位置で前記主面の 第 1 の位置に開口する第 1 のポー ト と、 前記流路の他端に連 通し前記基板の主表面から離間 した位置で前記主面の第 2の 位置に開 口する第 2 のポー ト と を有するシール部材と、 前記
シール部材本体の裏面を前記基板の主表面上に接触させて固 定するカセ ッ ト本体とを備えたカセ ッ ト と 、 前記第 1 のポー トから供給される薬液又はエアの切替を行 う 第 1 のバルブと 前記第 2 のポー トか ら排出される薬液又はエアの切替を行う 第 2 のバルブと、 前記第 1 のバルブに接続された第 1 のノ ズ ルと 、 前記第 2 のバルブに接続された第 2 のノ ズルと がー体 的に形成されたバルブュ - ッ ト と、 前記バルブュニッ ト に固 定され、 電気コネク タが設け られたプローブユニ ッ ト と、 前 記バルブュ -ッ ト又は前記カセ ッ ト を駆動 して前記第 1 のノ ズルを前記第 1 のポー ト に位置決め して連通させ、 かつ前記 第 2 のノ ズルを前記第 2 のポー ト に位置決め して連通させる と と もに、 前記基板上の前記パッ ドに対して前記プローブュ -ッ トの前記電気コネク タ を位置決め して前記パッ ドと前記 電気コネク タを電気的に接続する駆動機構と、 前記基板に測 定信号を入力 し、 かつ前記基板からの電気信号を取得する測 定機構と、 前記測定機構から得られた電気信号を解析する コ ンピュータ と を具備 してなる塩基配列自動解析装置が提供さ れる。
また、 装置に係る本発明は、 その装置によ り 実現される方 法の発明 と しても成立する。
また、 装置または方法に係る本発明は、 コ ンピュータに当 該装置を制御する手順を実行させるためのプロ グラム、 この プロ グラムを記録したコ ンピュータ読取り 可能な記録媒体と しても成立する。
図面の簡単な説明
図 1 は本発明の第 1 実施形態に係る塩基配列検出装置の 全体構成を示す概念図。
図 2 A乃至図 2 Dは同実施形態に係るチップカー ト リ ッ ジの構成の詳細を示す図。
図 3 は同実施形態に係る上蓋固定ねじで固定する前の支 持体とチップカー ト リ ッジ上蓋を示す図。
図 4 は同実施形態に係る塩基配列検出チップを実装した プリ ン ト基板の詳細な構成を示す図。
図 5 A乃至 5 Cは同実施形態に係るセル及びセルに通 じ る薬液供給系統を示す図。
図 6 A及ぴ 6 B は同実施形態に係るセルの変形例を示す 図。
図 7 A及び 7 B は同実施形態に係るセル近傍の各構成要 素のよ り 詳細な構成を示す図。
図 8 は同実施形態に係るセルの上面図。
図 9 は同実施形態に係るセルの変形例の上面図。
図 1 0 は同実施形態に係るセルの形状の変形例の断面図 図 1 1 は同実施形態に係るセルの形状の変形例の断面図 図 1 2 は同実施形態に係る検出用流路の変形例の上面図 図 1 3 A及び 1 3 Bは同実施形態に係るセルの構成の変 形例を示す図。
図 1 4 は同実施形態に係るシール材の構成の一例を示す 図。
図 1 5 乃至 1 5 Dは同実施形態に係る塩基配列検出チ ップ及ぴプリ ン ト基板の製造方法の工程断面図。
図 1 6 は同実施形態に係る塩基配列検出チップの上面図 図 1 7 は同実施形態に係る送液系の具体的な構成の一例 を示す図。
図 1 8 は同実施形態に係る送液系を用いた塩基配列検出 のための送液工程のフローチヤ一 ト を示す図。
図 1 9 は同実施形態に係る測定系の具体的な構成を示す 図。
図 2 0 は従来のポテンシォ · スタ ツ トの構成を示す図。 図 2 1 A乃至 2 1 Eは同実施形態に係る電圧特性を示す 図。
図 2 2 A乃至 2 2 Dは従来のポテンシォ ■ スタ ツ ト の電 圧特性を示す図。
図 2 3 は同実施形態に係るポテ ンシォ · スタ ツ ト と従来 のポテンシォ ' スタ ツ トにおける対極に印加される電流 Z電 圧特性曲線を示す図。
図 2 4 は同実施形態に係るポテ ンシォ · スタ ツ ト の変形 例を示す図。
図 2 5 は同実施形態に係るポテンシォ · スタ ツ ト の変形 例を示す図。
図 2 6 は同実施形態に係るポテ ンシォ · スタ ツ ト の変形 例を示す図。
図 2 7 は同実施形態に係る ポテンシォ · スタ ツ ト の変形 例を示す図。
図 2 8 は同実施形態に係る制御機構及びコ ンピュータの 他の構成要素と の関連性を示す概念図。
図 2 9 は同実施形態に係る制御機構の詳細な構成の一例 を示す図。
図 3 0 は同実施形態に係る測定データ解析手法の一例を 示す図。
図 3 1 は同実施形態に係る型判定フィルタ リ ング処理の フローチヤ一 ト を示す図。
図 3 2 は同実施形態に係る型判定処理の一例を示す図。 図 3 3 は同実施形態に係る塩基配列検出装置を用いた塩 基配列の自動解析手法のシーケ ンス図。
図 3 4 は同実施形態に係るセルの構成の変形例を示す図 図 3 5 は本発明の第 2実施形態に係る塩基配列自動解析 装置の全体構成を示す図。
図 3 6 は同実施形態に係るカ セ ッ ト の概観斜視図。
図 3 7 は同実施形態に係るカセッ ト上蓋の斜視図。
図 3 8 は同実施形態に係るカセッ ト下蓋の構成を示す図 図 3 9 は同実施形態に係るパッキ ンの斜視図。
図 4 0 は同実施形態に係るパッキ ンの上面図。
図 4 1 は同実施形態に係る基板上面図。
図 4 2 は同実施形態に係るカ セ ッ ト の組立完成図。
図 4 3 は同実施形態に係るカセッ トの組立完成図。
図 4 4 は同実施形態に係るカセッ ト側面の断面図。
図 4 5 は同実施形態に係る流路の詳細を示す図。
図 4 6 は同実施形態に係るパッキ ン先端形状の詳細な構 成を示す図。
図 4 7 は同実施形態に係るパッキ ン先端形状の詳細な構
成を示す図。
図 4 8 は同実施形態に係るパッキン先端形状の詳細な構 成を示す図。
図 4 9 は同実施形態に係るパッキン先端形状の詳細な構 成を示す図。
図 5 0 は同実施形態に係るパッキン先端形状の詳細な構 成を示す図。
図 5 1 は同実施形態に係るパッキン先端形状の詳細な構 成を示す図。
図 5 2 は同実施形態に係るバルブュニッ トの全体構成を 示す図。
図 5 3 は同実施形態に係るバルブュニッ トの機能構成図 図 5 4 A乃至 5 4 Dは同実施形態に係る ノ ズル先端形状 の詳細な構成を示す図。
図 5 5 A及び 5 5 B は同実施形態に係るパッキンと ノ ズ ルの構成を示す図。
図 5 6 は同実施形態に係るカセッ ト装着動作時の塩基配 列自動解析装置の構成の一例を示す図。
図 5 7 A及ぴ 5 7 Bは同実施形態に係るプローブュニッ トの詳細な構成を示す図。
図 5 8 は同実施形態に係るプローブュニ ッ ト及ぴパルプ ュニッ トの詳細な構成を示す図。
図 5 9 は同実施形態に係るカセ ッ トの変形例を示す図。 図 6 0 A及ぴ 6 0 Bは同実施形態に係るカセ ッ ト の変形 例におけるカセ ッ ト固定手法を説明するための図。
図 6 1 は同実施形態に係る別のバルブュニッ トの一例を 示す図。
図 6 2 は同実施形態に係る別のバルブュニッ トのー例を 示す図。
図 6 3 は同実施形態に係る別のバルブュニッ トの一例を 示す図。
図 6 4 は同実施形態に係る別のパルプュニッ トの一例を 示す図。
図 6 5 は同実施形態に係る別のバルブュニッ トの機能構 成例を示す図。
図 6 6 A及び 6 6 B は同実施形態に係る液揺動機構の一 例を示す図。
図 6 7 A及び 6 7 Bは同実施形態に係るシールが有る場 合と無い場合のカセ ッ トの構成の一例を示す図。
図 6 8 は同実施形態に係るシール検出動作を説明するた めの図。
図 6 9 A及び 6 9 Bは同実施形態に係るカセ ッ ト検出動 作を説明するための図。
図 7 0 は同実施形態に係る測定準備処理のフ ロ ーチヤ一 ト の一例を示す図。
図 7 1 は同実施形態に係る電気的接続の有無の判別手法 を説明するため の図。
図 7 2 は同実施形態に係る 自動解析の動作のフ ロ ーチヤ 一ト を示す図。
図 7 3 は同実施形態に係る制御機構と他の構成要素の機
能ブロ ック 図。
図 7 4 A乃至 7 4 Cは同実施形態に係る ノ ズル とノ、。ツキ ンの組合せの一例を示す図。
癸明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照 しなが ら本発明の実施形態を説明する。
(第 1 実施形態)
図 1 は本発明の第 1 実施形態に係る塩基配列自動解析装置 の全体構成を示す概念図である。 図 1 に示すよ う に、 塩基配 列自動解析装置 1 は、 チップカー ト リ ッジ 1 1 (塩基配列検 出装置) と 、 測定系 1 2 と、 送液系 1 3 と温度制御機構 1 4 から構成される。 チップカー ト リ ッジ 1 1 と測定系 1 2 は電 気的に接続される。 送液系 1 3 は、 チップカー ト リ ッジ 1 1 に設けられた流路と イ ンタ フ ェース部を介して物理的に接続 される。 温度制御機構 1 4 は、 チップカー ト リ ッジ 1 1 の温 度制御を行 う。
これら測定系 1 2 、 送液系 1 3及び温度制御機構 1 4 は制 御機構 1 5 によ り制御される。 制御機構 1 5 は、 コ ン ビユー タ 1 6 に電気的に接続されており 、 こ の コ ン ピュータ 1 6 に 備え られたプロ グラムによ り 、 制御機構 1 5 が制御される。 本実施形態では、 チップカー ト リ ッジ 1 1 、 測定系 1 2 、 送 液系 1 3及び温度制御機構 1 4 を測定ュニ ッ ト 1 0 と称する チップカー ト リ ッジ 1 1 には、 D N Aプローブが固定化さ れる塩基配列検出チップ 2 1 が実装されたプリ ン ト基板 2 2 が取 り付け られて用いられる。
以下の実施形態では、 検出の目的とする D N Aの塩基配列
を標的塩基配列と呼ぶ。 そ して、 この標的塩基配列と は相捕 性があり 、 この標的塩基配列と選択的に反応する塩基配列を 標的相補塩配列と呼ぶ。 この標的相補塩基配列を含む D N A プロ ーブが塩基配列検出チップ 2 1 の作用極に固定化される, 塩基配列検出チップ 2 1 のセル内に導入される試料 (検体溶 液) には、 検査の対象と なる D N Aが含まれている。 こ の検 査の対象と なる D N Aの塩基配列を検体塩基配列と呼ぶ。
こ の実施形態の塩基配列検出装置では、 この検体塩基配列 と標的相補塩基配列をハイ ブリ ダィゼーシヨ ンさせる。 この ハイ ブリ ダイゼーショ ン反応の有無をバッフ ァ、 揷入剤導入 後にモニタ リ ングする。 これによ り 、 試料中に標的塩基配列 が含まれているか否かが判別される。
図 2 A乃至 2 Dはチップカー ト リ ッジ 1 1 の詳細な構成を 示す図であ り 、 図 2 Aは上面力 ら見た図、 図 2 Bは A— A方 向から見た図、 図 2 Cは B — B方向から見た部分透視断面図 図 2 Dはチップカー ト リ ッジ 1 1 の一構成要素である支持体
1 1 1 を裏面から見た図を示している。
チップカー ト リ ッジ本体 1 1 0 は、 支持体 1 1 1 とチップ カー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 力、らなる。 支持体 1 1 1 は、 プリ ン ト基板 2 2 を下部側から支持する。 チップカー ト リ ッジ上蓋
1 1 2は、 この支持体 1 1 1 と と もにプリ ン ト基板 2 2 を上 部側から挟み込み固定支持する。
チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の側部には 2つの開 口が設 け られている。 開口 の う ちの 1 つにはイ ンタ フェース部 1 1
3 a が、 他の 1 つにはイ ンタ フェース部 1 1 3 b が接続され
ている。 これらイ ンタ フェース部 1 1 3 a 及ぴ 1 1 3 b は、 送液系 1 3 とチップカー ト リ ッジ 1 1 のイ ンタフェース と し て機能する。
これらイ ンタ フェース部 1 1 3 a 及び 1 1 3 b の内部には それぞれ流路 1 1 4 a 及ぴ 1 1 4 b が設け られている。 流路 1 1 4 a を介 して、 送液系 1 3 上流側からの薬液やエアをチ ップカー ト リ ッジ 1 1 内部に送入する。 流路 1 1 4 b を介し て、 チップカー ト リ ッジ 1 1 内の試料、 薬液及びエアを送液 系 1 3下流側に送出する。
図 2 A乃至 Cでは、 流路 1 1 4 a及び 1 1 4 b は破線で示 されている。 これら流路 1 1 4 a 及び 1 1 4 b は、 イ ンタ フ エース部 1 1 3 a及ぴ 1 1 3 b 力 らチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 内まで連通してお り 、 さ らにはセル 1 1 5 に通じてい る。 セル 1 1 5 は、 塩基配列検出チップ 2 1 と この塩基配列 検出チップ 2 1 に導入される各種溶液との電気化学反応を生 じさせるために設け られる領域である。 このセル 1 1 5 は、 塩基配列検出チップ 2 1 が実装されたプリ ン ト基板 2 2 の四 隅がこのチップカー ト リ ッジ 1 1 のチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 に基板固定ねじ 2 5 によ り 固定化されている場合に、 塩基配列検出チップ 2 1 と シール材 2 4 a 、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 に囲まれた閉空間領域で定め られる。 塩基配 列検出チップ 2 1 を実装したプリ ン ト基板 2 2 がチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 に固定化された状態で、 支持体 1 1 1 と チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 によ り プリ ン ト基板 2 2 がシ ール材 2 4 a を挟んで保持される。 さ らに、 上蓋固定ねじ 1
1 7 によ り チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 が固定される。 こ れによ り 、 流路 1 1 4 a 力 らセル 1 1 5 を介 して流路 1 1 4 b まで連通 した各種薬液やエアの注入 · 吐出経路が定め られ る。 なお、 塩基配列検出チップ 2 1 は、 プリ ン ト基板 2 2 に 封止樹脂 2 3 によ り 封止されている。
セル 1 1 5 の上面に位置するチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 には、 送入ポー ト 1 1 6 a 及び送出ポー ト 1 1 6 b が設け られている。 送入ポー ト 1 1 6 a は、 チップカー ト リ ッジ上 蓋 1 1 2 の側面から底面まで貫通 し、 セル孔部 1 1 5 a でチ ップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の底面に開口 している。 送出ポ ー ト 1 1 6 b は、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の別の側面 から底面まで貫通 し、 セル孔部 1 1 5 b でチップカー ト リ ッ ジ上蓋 1 1 2 の底面に開口 している。 送入ポー ト 1 1 6 a が 流路 1 1 4 a に、 送出ポー ト 1 1 6 b が流路 1 1 4 b に接続 される こ と によ り 、 流路 1 1 4 a とセル 1 1 5 , 流路 1 1 4 b とセル 1 1 5 が連通する。
プ リ ン ト基板 2 2表面であってセル 1 1 5 から離間 した位 置に、 電気コネク タ 2 2 a が設定されている。 電気コネク タ 2 2 a は、 プリ ン ト基板 2 2 の基板本体の リ ー ドフ レームと 電気的に接続されてい る。 また、 こ の基板本体の リ ー ドフ レ ームは、 塩基配列検出チップ 2 1 の各種電極と リ ー ドな どに よ り 電気的に接続されている。 こ の電気コネク タ 2 2 a に測 定系 1 2 の端子を接続する こ と によ り 、 塩基配列検出チップ 2 1 で得られる電気信号を、 プリ ン ト基板 2 2の所定の位置 に設けられた所定の端子を介して、 さ らには電気コネク タ 2
2 a を介 して測定系 1 2 に出力する こ とができ る。
図 2 D に示すよ う に、 支持体 1 1 1 はコの字型をしてお り 中央に切 り 込み部 1 1 1 a が設け られている。 こ の切 り 込み 部 1 1 1 a はプリ ン ト基板 2 2 よ り も小さ く 、 塩基配列検出 チップ 2 1 よ り も大き な形状と なっている。 これによ り 、 支 持体 1 1 1 によるプリ ン ト基板 2 2 の支持機能を保ちつつ、 塩基配列検出チップ 2 1 に支持体 1 1 1 を介さずに温度制御 機構 1 4 を接して配置する こ とができ る。 1 1 7 a はねじ孔 であ り 、 上蓋固定ネジ 1 1 7 が固定される。
塩基配列検出チップ 2 1 の温度を調節する温度制御機構 1 4 と しては、 例えばペルティエ素子が用い られる。 これによ り 、 ± 0 . 5 °Cの温度制御が可能である。 D N Aの反応は、 室温に比較的近い温度範囲において行う のが一般的である。 従って、 ヒーターのみでの温度制御は安定性に乏しい。 また 温度プロ フ ァ イ ルによ り 、 D N Aの反応を制御する必要があ るため、 別に冷却機構が必要になってきて しま う。 その点、 ペルテ ィ エ素子は、 電流の向きを変える こ と によ り 、 加熱 - 冷却いずれも可能であるため、 最適である。
図 3 は上蓋固定ねじ 1 1 7 で固定する前の支持体 1 1 1 と チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 を示す図である。 図 3 に示す よ う に、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 に、 塩基配列検出チ ップ 2 1 が実装されたプリ ン ト基板 2 2 の四隅が基板固定ね じ 2 5 で固定されている。 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 に は、 シール材 2 4 a が一体化されている。 従って、 塩基配列 検出チップ 2 1 上に、 シール材 2 4 a とチップカー ト リ ッジ
上蓋 1 1 2 で囲まれたセル 1 1 5 が定め られる。 さ ら に、 上 蓋固定ねじ 1 1 7で支持体 1 1 1 にチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 が固定されて用いられる。 なお、 基板固定ねじ 2 5 は プリ ン ト基板 2 2 の裏面側から固定しても、 表面側から固定 しても よい。 このよ う に、 チップカー ト リ ッ ジ上蓋 1 1 2 に プリ ン ト基板 2 2 を固定化する こ と によ り 、 塩基配列検出チ ップ 2 1 、 シール材 2 4 a 及びチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の間の密着性を確実に保持する こ とができ る。
図 4 は塩基配列検出チップ 2 1 を実装したプリ ン ト基板 2 2 の詳細な構成を示す図である。 図 4 に示すよ う に、 プリ ン ト基板 2 2上には、 塩基配列検出チップ 2 1 が封止榭脂 2 3 によ り 封止されている。 塩基配列検出チップ 2 1 上には、 作 用極 5 0 1 が設けられている。 こ の作用極 5 0 1 は、 図 4 の 矢印で示される薬液及びエアの流れる方向に沿って 1 つずつ 設け られている。 薬液及びエアの流れる方向は、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2及ぴシール材 2 4 a によ り塩基配列検出 チップ 2 1 上の作用極 5 0 1 の周囲に矢印で示す方向に沿つ た空間を残して密閉する こ と によ り 定め られる。 破線で示さ れた領域は、 シール材 2 4 a が配置される領域である。 複数 の作用極 5 0 1 は、 こ の破線で示された領域に収まる よ う に 配置される。
プリ ン ト基板 2 2 の端部には電気コネク タ 2 2 a が設置さ れている。 塩基配列検出チップ 2 1 の作用極 5 0 1 と電気コ ネク タ 2 2 a は、 プリ ン ト基板 2 2表面に設けられた リ ー ド フ レームなどによ り 電気的に接続されている。 電気コネク タ
2 2 a に測定系 1 2 の信号イ ンタ フ ェ ースを接続する こ と に よ り 、 塩基配列検出チップ 2 1 の各電極と測定系 1 2 と を電 気的に接続するこ と ができ る。
図 5 Aは図 2 Aに示すセル 1 1 5及びセル 1 1 5 に通 じる 薬液供給系統を C 一 C方向から見た断面図、 図 5 Bはセル 1 1 5 近傍の上面図である。
図 5 Aに示すよ う に、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の底 面には、 高さ d 4 2 の流路状凸部 1 1 2 a が設け られている そ して、 こ の流路状凸部 1 1 2 a には例えばス ク リ ー ン印刷 などによ り 予めシール材 2 4 a が印刷され、 シール材 2 4 a と一体的に形成されている。 これによ り 、 シール材 2 4 a と チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 と の位置決めを行 う こ と なく セル 1 1 5 を定める こ とができ、 セル 1 1 5 の組み立て工程 が簡便になる。 シール材 2 4 a は、 流路状凸部 1 1 2 a と塩 基配列検出チップ 2 1 との間に固定される。 これによ り 、 チ ップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 と塩基配列検出チップ 2 1 の間 に閉空間が定め られる。 こ の閉空間が試料や薬液とプローブ との電気化学反応を生じさせる反応室と してのセル 1 1 5 で ある。 セル 1 1 5 の底面は塩基配列検出チップ 2 1 によ り 定 められる。 セル 1 1 5 の側面はチップカー ト リ ッジ 1 1 2 に 設け られた流路状凸部 1 1 2 a 及びシール材 2 4 a の側部に よ り 定め られる。 セル 1 1 5 の上面はチップカー ト リ ッジ 1 1 2 の う ち流路状凸部 1 1 2 a が設け られていない部位によ り 定め られる。 これによ り 、 セル孔部 1 1 5 a 及び 1 1 5 b 以外は密閉 された閉空間が定め られ、 塩基配列検出チップ 2
1 と蓋 1 2 0 と の液密が保持される。 このセル 1 1 5 の高さ は約 0 . 5 m m程度に設定される。 こ こでは 0 . 5 m m程度 に設定しているがこの限り ではな く 、 0 . 1 m π!〜 3 m mの 範囲で設定するのが望ま しい。
セル 1 1 5 は、 上面カゝら見る と 図 5 B に示すよ う に細長の 流路 6 0 1 が配置された形状をなす。 図 5 Bでは、 送入ポー ト 1 1 6 a側のセル孔部 1 1 5 a 力 らセル孔部 1 1 5 b に向 けて同 じ路幅の 1 本の流路 6 0 1 が設け られてレヽる。 この 1 本の流路 6 0 1 は、 検出用流路 6 0 1 a と、 ポー ト接続流路
6 0 l b 及び 6 0 1 c 、 流路接続流路 6 0 1 d 力 らなる。 検出用流路 6 0 1 a は、 作用極 5 0 1 が配置される複数本 の流路である。 ポー ト接続流路 6 0 1 b は、 セル孔部 1 1 5 a に最も近い検出用流路 6 0 1 a をセル孔部 1 1 5 a に接続 する。 ポー ト接続流路 6 0 1 c は、 セル孔部 1 1 5 b に最も 近い検出用流路 6 0 1 a をセル孔部 1 5 b に接続する。 流路 接続用流路 6 0 1 d は隣り あ う検出用流路 6 0 1 a の端部同 士を接続して複数の検出用流路 6 0 1 a に薬液又はエアが流 れる方向を一方向に定める。 これによ り 、 ある検出用流路 6
0 1 a を流れた薬液又はエアは、 流路接続用流路 6 0 1 d に 流れ込み、 さ らに同 じ方向に隣り あ う 別の検出用流路 6 0 1 a に流れる。 また、 流路 6 0 1 a 〜 6 O l d のいずれも、 同 じ路幅及び断面を有してお り 、 その路幅は 0 . 5 mm〜 1 0 m mが望ま しい。
図 5 B において、 破線で囲まれ流路 6 0 1 が形成されてい ない領域は、 流路状凸部 1 1 2 a 及びシール材 2 4 a が設け
られており 塩基配列検出チップ 2 1 と シール材 2 4 a が接す る領域である。 流路 6 0 1 が形成されている領域は、 流路状 凸部 1 1 2 a 及びシール材 2 4 a が設けられない領域である 送入ポー ト 1 1 6 a 及ぴ送出ポー ト 1 1 6 b は各々セル 1 1 5 の上面から上方に、 セル底面に対してほぼ垂直な方向に 所定の高さ まで延びている。 送入ポー ト 1 1 6 a 及び送出ポ ー ト 1 1 6 b はさ らにセル 1 1 5 の中心から互いに遠ざ力 る 方向にその流路が折れてお り 、 流路 1 1 4 a 及び 1 1 4 b に それぞれ接続される。 '
送出ポー ト 1 1 6 b は、 セル底面に対してほぼ垂直な方向 に所定の高さまで延ぴ、 さ らにセル 1 1 5 の中心から遠ざか る方向にほぼ直角に折れているが、 その折れ曲が り位置で 2 つの経路に分岐する。 その一つの経路は、 チップカー ト リ ツ ジ上蓋 1 1 2 の表面まで貫通し、 試料注入口 1 1 9 に通 じて いる。 これによ り 、 試料注入口 1 1 9 から注入された試料は 送出ポー ト 1 1 6 b を通ってセル 1 1 5 に導入される。 試料 注入口 1 1 9 と送出ポー ト 1 1 6 b の中心軸はほぼ一致して お り 、 試料注入口 1 1 9 の 口径は、 送液ポー ト 1 1 6 b の 口 径よ り も大き く 設定されている。 また、 試料注入口 1 1 9 近 傍に設けられ、 蓋 1 2 0 によ り 試料注入口 1 1 9 を塞ぐこ と ができ る。 これによ り 、 試料注入口 1 1 9 を利用せず、 薬液 を流路 1 1 4 a 力、らセル 1 1 5 を介して流路 1 1 4 b に循環 させる場合に薬液が試料注入口 1 1 9 から流出するのを防止 する こ とができ、 薬液の経路を確保する こ と ができる。 また 蓋 1 2 0 にはシール材 1 2 1 が設けられている。 このシール
材 1 2 1 が試料注入口 1 1 9 を密閉する こ と によ り 、 薬液の わずかな漏出を防止でき る。 図 5 Aの例では特に示していな いが、 送出ポー ト 1 1 6 b から流路 1 1 4 b に接続される経 路のみを残 して試料注入口 1 1 9 への経路を完全に塞ぐよ う な深さのシール材 1 2 1 を用いても よい。 この場合、 試料注 入口 1 1 9側への薬液やエアの滞留を低減するこ とができ る 以上の よ う な構成によ り 、 薬液は図 5 Aの矢印で示される 方向に、 流路 1 1 4 a 、 送入ポー ト 1 1 6 a 、 セル 1 1 5 (流路 6 0 1 ) , 送出ポー ト 1 1 6 b 、 流路 1 1 4 b の順に 流れる こ と ができ る。 また、 試料は、 試料注入口 1 1 9 力、ら 注入され、 矢印の方向に送出ポー ト 1 1 6 b を通ってセル 1 1 5 内に導入される。 従って、 試料は送出側から注入される こ と と な り 、 薬液の供給の流れと試料の注入経路が逆に設定 されている。 これによ り 、 洗浄工程において、 試料の洗浄効 率を高める こ とができ る。
図 5 C は送入ポー ト 1 1 6 a と送出ポー ト 1 1 6 b と流路 6 0 1 と の最適な位置関係を示す図である。 送入ポー ト 1 1 6 a の外周はポー ト接続流路 6 0 1 b の外周 と接 している。 また、 送出ポー ト 1 1 6 b の外周はポー ト接続流路 6 0 1 c の外周 と離れている。 これによ り 、 薬液やエア送入の際に送 入ポー ト 1 1 6 a のポー ト隅近傍に生じやすい薬液残り ゃェ ァ残り を低減する こ とができる。 また、 薬液や送出の際に送 出ポー ト 1 1 6 b のポー ト隅で生じる送液速度のばらつきが 低減され得る。 さ らに、 エア残り などが低減され得る。
なお、 同図の破線で示すよ う に、 ポー ト接続流と 6 0 l b
の外周に送入ポー ト 1 1 6 a の外周が重なっても よい。 この 場合、 ポー ト接続流路 6 0 1 b から送入ポー ト 1 1 6 a がは み出 した形状で形成され、 同様の効果を得られる。 もちろん 送入ポー ト 1 1 6 a と送出ポー ト 1 1 6 b の流路 6 0 1 と の 位置関係は図 5 Cに示 したものに限定されない。 送入ポー ト 1 1 6 a 側のポー ト接続流路 6 0 1 b との接続態様は、 両者 の外周が重な り を有する場合、 離れる場合の 3通 り が考え ら れる。 送出ポー ト 1 1 6 b側のポー ト接続流路 6 0 1 c と の 接続態様は、 両者の外周が接する場合、 重な り を有する場合 離れる場合の 3 通 り が考え られる。
図 6 Aは図 5 Aの破線で囲まれた部分の変形例であ り 、 図 6 B は図 6 Aのセル 1 1 5 を上面から見た概念図である。 図 6 Aに示すよ う に、 送入ポー ト 1 1 6 a はザグリ 孔 1 1 5 d を有する。 すなわち、 送入ポー ト 1 1 6 a はザグ リ 孔 1 1 5 d に向けて 口径が段階的に広がる。 送入ポー ト 1 1 6 a の開 口から離れた位置の口径はザグリ 孔 1 1 5 d の口径に比べて 小さ く なつている。 これを上面力 ら見る と、 図 6 B に示すよ う な位置関係と なる。 ザグ リ 孔 1 1 5 d は送入ポー ト 1 1 6 a の 口径 el よ り も大き な 口径 (! ェ を有する。 送入ポー ト 1 1 6 a の外周 と流路 6 0 1 の内周はほぼ一致して配置され ている。 従って、 ザグ リ 孔 1 1 5 d の外周の一部はセル 1 1 5 の領域力 らはみ出 している。 なお、 ザグリ 孔 1 1 5 d の外 周は円形である必要は無い。 例えば図 6 B に示すよ う に、 直 線 1 1 5 c と平行な方向の孔幅がそれに垂直な方向の孔幅よ り も小さ く 設定されていて もよい。
なお、 こ の図 6 A及ぴ 6 Bではザグリ 孔 1 1 5 d を送入ポ ー ト 1 1 6 a に設ける場合を示したが、 送出ポー ト 1 1 6 b に同 じよ う なザグリ 孔を設けても よい。
こ のよ う に、 セル 1 1 5 の開 口部にザグリ 孔 1 1 5 d を設 ける こ と によ り 、 セル 1 1 5への導入口がロー ト状の形状に なる。 これによ り 、 薬液や気泡を吸い出 しやすく 、 薬液や気 泡がセル 1 1 5 内に残り にく いとい う効果を有する。
図 7 A、 7 B及び図 8 は、 セル 1 1 5 の詳細な構成を示す 図である。 図 7 Aはセル孔部 1 1 5 a と 1 1 5 b を結んだ直 線で切断された断面図、 図 7 B は塩基配列検出チップ 2 1 に チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 が固定される様子を示す図、 図 8 はセノレ 1 1 5 の上面図である。
図 7 Aに示すよ う に、 検出用流路 6 0 1 a がほぼ等間隔に 複数形成されている。 図 7 Aの左側に示される検出用流路 6 0 1 a の断面を奥側から手前側に薬液又はエアが流れる場合 中央の検出用流路 6 0 1 a はこれと は逆の方向、 すなわち手 前側から奥側に流れる。 左側に示される検出用流路 6 0 1 a はさ らにこれと は逆の方向、 すなわち奥側から手前側の方向 に流れる。 この よ う に、 隣り 合 う検出用流路 6 0 l a の薬液 又はエアの流れる方向は逆向き と なる。
これら検出用流路 6 0 1 a を薬液又はエアの流れる方向に 対して垂直な断面で切断する と、 すべて同 じ長方形の断面形 状をな し、 かつ電極配置も同一である。
検出用流路 6 0 1 a の底面は塩基配列検出チップ 2 1 によ 定められる。 検出用流路 6 0 1 a の各々 の底面には作用極
5 0 1 がそれぞれ 1 つ形成されている。
検出用流路 6 0 1 a の側面はチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2から凸設された流路状凸部 1 1 2 a 及ぴシール材 2 4 a に よ り 定め られる。 この流路側面、 すなわち流路状凸部 1 1 2 a の側部には、 流路底面から所定の高さにそれぞれ参照極 5 0 3 が固定されている。 このよ う に、 複数の参照極 5 0 3 は チップ表面と平行な平面上であってチップ表面と対向する面 に位置し、 かつその平面は作用極 5 0 1 が設け られている平 面よ り も高い平面に位置する。
検出用流路 6 0 1 a の上面は流路状凸部 1 1 2 a が設けら れていないチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2底面によ り 定め ら れる。 この流路上面にはそれぞれ対極 5 0 2 が固定されてい る。 このよ う に、 複数の対極 5 0 2 はチップ底面と平行な平 面上であってチップ表面 と対向する面に位置し、 かつその平 面は作用極 5 0 2や参照極 5 0 3 が設けられている平面よ り も高い平面に位置する。
この よ う に、 作用極 5 0 1 、 対極 5 0 2及ぴ参照極 5 0 3 は、 それぞれ異なる平面に三次元配置されている。
シール材 2 4 a はチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の流路状 凸部 1 1 2 a に予め印刷等によ り 固定化されている。 従って セル 1 1 5 を組み立てる際には、 シール材 2 4 a が一体化し たチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 を塩基配列検出チップ 2 1 に対して図 7 Bの矢印に示す方向に押圧する。 これによ り 、 シール材 2 4 a を介してチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 と塩 基配列検出チップ 2 1 の間に図 7 Aに示すよ う な周囲が密閉
された流路 6 0 1 が定め られる。
図 8 に示すよ う に、 作用極 5 0 1 , 対極 5 0 2 及び参照極 5 0 3 からなる 3電極が各検出用流路 6 0 1 a に、 薬液又は エアの流れる方向に等間隔に配置されている。 こ の 3 電極は それぞれ薬液又はエアの流れる方向に対して垂直な平面に配 置されている。
なお、 図 8 の例では、 上面から見て作用極 5 0 1 , 対極 5 0 2及ぴ参照極 5 0 3 の位置関係が流路の方向にかかわらず 同 じマ ト リ ク ス状の配置を示したがこれに限定されない。 図 9 に示すよ う に、 隣り 合う 検出用流路 6 0 1 a における流路 断面の構造を薬液又はエアの流れる方向に沿って左右逆転さ せても よい。 この場合、 いずれの検出用流路 6 0 1 a でも対 極 5 0 2 は流れる方向に向かって流路の右側の側面に配置さ れる。 これによ り 、 薬液又はエアの流れる方向にすべて同一 形状の 3 電極配置が実現でき る。 作用極 5 0 1及び対極 5 0 2 の位置関係を、 流路断面において左右対称に配置しない場 合には、 こ の参照極 5 0 3 と 同 じよ う に、 隣り 合 う検出用流 路 6 0 1 a の流路断面において左右逆転させた位置に配置さ れる よ う にでき る。
こ のよ う に、 同 じ断面形状流路に薬液又はエアの流れる方 向に沿ってそれぞれ 1 つずつ作用極 5 0 1 、 対極 5 0 2及ぴ 参照極 5 0 3 力 S 3電極 1組と して設け られ、 かつこれら 3電 極の位置関係が同じで流路形状も同 じ構成と なっている。 作 用極 5 0 1 から見れば、 作用極 5 0 1 に対する流路底面、 側 面及び上面への距離、 作用極 5 0 1 から対応する対極 5 0 2
参照極 5 0 3 に対する位置関係が同 じになっている。 これに よ り 、 各 3 電極で検出される電気化学信号特性の均一性が向 上する。 その結果、 検出の信頼性が向上する。
こ こでは、 対極 5 0 2 、 参照極 5 0 3 がそれぞれ対応する 作用極 5 0 1 に対して分離された配置しているが、 これに限 定される ものではない。 対極 5 0 2 も しく は参照極 5 0 3 が あるいはそれらのいずれもが複数電極連結された構成と なつ ていても よい。 その場合、 それぞれの電極における各作用極 から最も近傍の領域が対極や参照極と して機能する。
また、 流路の断面形状は上述 した図 7 Aの構成に限定され ない。 流路の断面形状の変形例を図 1 0 に示す。
図 1 0 に示すよ う に、 検出用流路 6 0 1 e は塩基配列検出 チップ 2 1 を流路底面と し、 その流路側面が流路状凸部 1 1 2 a の側面によ り 定め られている。 この検出用流路 6 0 1 e は流路底面から高い位置ではその路幅が狭く な り 、 最も高い 頂部で路幅が無く なる よ う になつている。 すなわち、 流路上 面、 あるいはセル上面と流路側面、 あるいはセル側面と の境 界が明確に定め られていない。 流路頂部近傍に対極 5 0 2が 固定される。 対極 5 0 2が形成される平面と作用極 5 0 1 が 形成される平面と の間に位置する平面に、 参照極 5 0 3 が流 路側面の流路状凸部 1 1 2 c に固定されている。 この流路断 面形状の場合も、 3電極の位置関係は図 7 Aの場合と 同 じで ある。 その他の構成は図 7 Aと 同 じであるので詳細な説明は 省略する。
流路の断面形状の他の変形例を図 1 1 に示す。 図 1 1 に示
すよ う に、 流路状凸部 1 1 2 a の構成を含め、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の構成は図 7 Aの場合と共通する。 図 7 A と異なるのは、 参照極 5 0 3 の配置である。 この図 1 0 の例 では、 参照極 5 0 3 は流路上面、 すなわちチップカー ト リ ツ ジ上蓋 1 1 2 に対極 5 0 2 と並んで配置されている。 このよ う に、 対極 5 0 2 と参照極 5 0 3 を同一平面上に形成 しても よい。
図 1 2 は検出用流路 6 0 1 a の変形例を示す上面図である 図 1 2 の例では、 作用極 5 0 1 、 対極 5 0 2及び参照極 5 0 3 が同 じ流路断面に並んで配置されずに薬液又はエアの流れ る方向に各々がずれた断面位置に配置される。 また、 複数の 対極 5 0 2 が配線 5 0 2 a によ り 、 複数の参照極 5 0 3 が配 線 5 0 3 a によ り 接続されている。 作用極 5 0 1 、 対極 5 0 2及び参照極 5 0 3 はそれぞれ周期的に等間隔に配置されて いるが、 対極 5 0 2 が形成されている断面と参照極 5 0 3 が 形成されている断面は重な り を有しておらず、 薬液又はエア の流れる方向に沿って交互に配置されている。 上面から見る と、 作用極 5 0 1 と対極 5 0 2 はその一部が重な り を持ち、 参照極 5 0 3 と対極 5 0 2 はその一部が重な り を持っている これによ り 、 同一断面に対極 5 0 2及び参照極 5 0 3 を並 ベて配置する場合に比べて小さな領域にこれら対極 5 0 2及 び参照極 5 0 3 を配置する こ とができ る。 その結果、 流路断 面を小さ く でき、 使用 される薬液量を節約する こ とができ る また、 対極 5 0 2 はそれぞれ配線 5 0 2 a に接続されてい る。 従って、 この配線 5 0 2 a を所定の電位に保持する こ と
によ り 、 複数の対極 5 0 2が同一電圧に保持される。 同様に 参照極 5 0 3 はそれぞれ配線 5 0 3 a に接続されているたる 従って、 この配線 5 0 3 a を所定の電位に保持する こ と によ り 、 複数の参照極 5 0 3 が同一電圧に保持される。
また、 上記例では、 作用極 5 0 1 、 参照極 5 0 3 、 対極 5 0 2 を同数と しているが、 必ずしもその限り ではない。 更に 作用極 5 0 1 、 参照極 5 0 3 、 対極 5 0 2 がずれた断面位置 に配置する必要はない。 また、 周期的に等間隔である必要も ない。
図 1 3 Aは流路を定める構成の変形例を示す図である。 図 1 2 Aのチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 は平坦な蓋底面を有 してお り 、 流路状凸部は設け られていない。 シール材 2 4 b はシール材 2 4 a よ り も厚く形成されている。 また、 チップ カー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 にシール材 2 4 b は予め固定化され ていない。
従って、 図 1 3 B に示すよ う に、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 が塩基配列検出チップ 2 1 に固定化されていない。 セ ル組み立ての際に、 塩基配列検出チップ 2 1 上にシール材 2 4 b を載置する。 そ して、 チップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 に よ り シール材 2 4 b を塩基配列検出チップ 2 1 に対して狭着 固定する。 これによ り 、 作用極 5 0 1 , 対極 5 0 2及び参照 極 5 0 3 を取り 囲む密閉空間が定め られる。 こ の密閉空間が 流路 6 0 1 となる。 対極 5 0 2及び参照極 5 0 3 はチップ力 一ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の底面に並んで配置される。 すなわち 対極 5 0 2及び参照極 5 0 3 は同一平面上に配置される。 こ
の図 1 3 A、 1 3 B のセル 1 1 5 の場合、 セル底面が塩基配 列検出チップ 2 1 で定め られ、 セル側面はシール材 2 4 b の みによ り 定め られ、 セル上面はチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 の底面によ り 定め られる。
図 1 4 はシール材 2 4 b の構成の一例を示す図である。 図 1 4 に示すよ う に、 円形のシール材 2 4 b は流路 6 0 1 の形 状に沿つて表面側から裏面側に貫通する流路状空洞部分が設 け られている。 この空洞部分の側壁が流路壁と して機能する 図 5 A乃至 5 Cの例では、 流路を定めるための流路状凸部 1 1 2 a と シール材 2 4 a の外周は円形の場合を示 したが、 流 路 6 0 1 さ え定め られれば外周形状はいかなる形状でも よい 例えば、 図 1 4 のよ う に長方形の外周を備えても よい。
図 3 4 は図 1 3 Aの流路を定める構成の さ らなる変形例を 示す図である。 図 1 3 Aでは、 薬液又はセルの流れる方向に 垂直な断面に作用極 5 0 1 が 1 つずつ設け られ、 流路に沿つ て作用極 5 0 1 がー次元的に配置される場合を示 している。 これに対して図 3 4 の例の場合、 薬液又はセルの流れる方向 に垂直な断面に作用極 5 0 1 が 2 つずつ設け られる構造と な つている。 すなわち、 流路に沿って作用極 5 0 1 が二次元的 に配置される。 この よ う に、 流路に沿ってある所定の数ずつ 作用極 5 0 1 が設け られていても よい。 この場合、 その同一 断面位置の複数の作用極 5 0 1 の各々 は、 その断面に位置す る対極 5 0 2及び参照極 5 0 3 とそれぞれ対をな し、 ポテン シォ ■ ス タ ツ ト の 3 電極対と して機能する。
次に、 前述した塩基配列検出チップ 2 1 及びプリ ン ト基板
2 2 の製造方法について図 1 5 A乃至 1 5 D の工程断面図に 沿って説明する。
シ リ コ ン基板 2 1 1 を洗浄した後、 シリ コ ン基板 2 1 1 を 加熱し、 シリ コ ン基板 2 1 1表面に熱酸化膜 2 1 2 を形成す る。 シリ コ ン基板 2 1 1 の代わり にガラス基板を用いてもよ い。
次に、 基板全面に T i 膜 2 1 3 を例えば 5 0 n mの膜厚で 次いで A u膜 2 1 4 を例えば 2 0 0 n mの膜厚でスパ ッタ リ ングによ り 形成する。 A u膜 2 1 4 はその結晶面方位が < 1 1 1 >配向になっている こ とが好ま しい。 次に、 後に電極や 配線となる領域を保護する よ う にフォ ト レジス ト膜 2 1 0 を パターユング し (図 1 5 A ) 、 A u膜 2 1 4及び丁 1 膜 2 1 3膜をエ ッチングする (図 1 5 B ) 。 本実施形態では A u膜 2 1 4 のエ ッ チングには K I Z I 2混合溶液を、 T i のエツ チングには N H 4 O H Z H 2 O 2混合溶液を用いた。 A u膜 2 1 4のエッチングには、 希釈した王水を用いる方法や、 ィ オンミ リ ングで除去する方法もある。 T i 膜 2 1 3 のエッチ ングも、 同様に、 弗酸や、 バッ フ ァー ド弗酸を用いてゥエツ トエッチング処理する方法や、 例えば、 C F 4 Z O 2混合ガ スによるプラズマを用いた ドライエッチングによ る方法も適 用可能である。
次に、 フォ ト レジス ト膜 2 1 0 を酸素ア ツシングによ り 除 去する (図 1 5 C ) 。 フォ ト レジス ト膜 2 1 0 の除去工程は 溶剤を用いた り 、 レジス ト ス ト リ ッパを用いた り 、 また、 こ れら と酸素ア ツシング工程を併用 した り して行う こ と も可能
である。
次に、 全面にフォ ト レジス ト 2 1 5 を塗布 し、 電極部及び ボンディ ングパッ ドを開口すべく パターユングする (図 1 5 D ) 。 その後、 ク リ ーンオーブン内で、 例えば、 2 0 0 °Cに おいて、 3 0分間ノヽー ドべイ ク を行う。 ハー ドべイクの方法 は、 熱板を用いた り 、 また、 処理条件も適宜変更可能である この例では、 フォ ト レジス ト膜 2 1 5 を保護膜と して選択 したがこ の限り でない。 フォ ト レジス ト以外に、 ポリ イ ミ ド B C B (ベンゾシク ロ ブテン) 等の有機膜を保護膜と して用 い得る。
また、 S i O、 S i 〇 2や S i Nの よ う な無機膜を保護膜 に用いて も良い。 例えば S i Oを用いる場合、 電極部を保護 する よ う にフォ ト レジス ト を開 口 して S i O等を堆積する。 そして、 リ フ トオフ法によ り 、 電極部以外の領域を保護する 例えば S i Nを用いる場合、 全面に S i N等を形成した後、 電極部のみを開 口する よ う にフォ ト レジス ト膜 2 1 5 をパタ ーン形成 し、 エッチングによ り 電極上の S i N膜等を除去し 最後にフ ォ ト レジス ト膜 2 1 5 を剥離する。
次に、 ダイ シングを行う こ と によ り チップ化する。 最後に 電極部表面を清浄化するため、 C F 4 Z〇 2混合プラズマに よる処理を行う。 これによ り 、 塩基配列検出チップ 2 1 が得 られる。 そ して、 この塩基配列検出チップ 2 1 を電気コネク タ 2 2 a が実装されたプリ ン ト基板 2 2上にマウン トする。 そ して、 塩基配列検出チップ 2 1 のボンディ ングパッ ドとプ リ ン ト基板 2 2上の リ ー ド配線と をワイヤボンディ ングによ
り接続する。 その後、 封止樹脂 2 3 を用いてワイヤボンディ ング部分を保護する。
以上の工程によ り 、 塩基配列検出チップ 2 1 を実装したプ リ ン ト基板 2 2 を作製する こ と ができる。
作製された塩基配列検出チップ 2 1 の上面図を図 1 6 に示 す。 図 1 6 に示すよ う に、 チップ表面の中央近傍には、 作用 極 5 0 1 が複数設け られている。 また、 作用極 5 0 1 が形成 される領域は、 破線で示されるシール材 2 4 a の形成領域に 収まる よ う に して用い られる。 また、 チップ周辺部にはボン ディ ングパッ ド 2 2 1 が配置される。 そ して、 作用極 5 0 1 の各々 は、 ボンディ ングパッ ド 2 2 1 に配線 2 2 2で接続さ れる。 なお、 この図 1 6 では示 していないが、 ボンディ ング ノ ッ ド 2 2 1 の形成された周辺部分は前述の封止樹脂 2 3 に よ り封止される。
次に、 送液系 1 3 の具体的な構成の一例を図 1 7 を用いて 説明する。 この送液系 1 3 は、 チップカー ト リ ッジ 1 1 の流 路 1 1 4 a 側に設け られた供給系統と、 流路 1 1 4 b側に設 け られた排出系統に大別される。
配管 4 0 4 の最上流には、 エア供給源 4 0 1 が接続されて いる。 このエア供給源 4 0 1 の下流側には逆止弁 4 0 2 が設 け られる。 この逆止弁 4 0 2 は、 エア以外の薬液などが配管 4 0 4 を介 してエア供給源 4 0 1 に逆流するのを防止する。 この逆止弁 4 0 2 のさ らに下流側には、 2方電磁弁 4 0 3 ( V a ) が設けられている。 これによ り、 配管 4 0 4 力 らチ ッ プカー ト リ ッジ 1 1 の方へ流れ込むエアの流量が制御される
配管 4 1 4 には、 薬液の一つと しての ミ リ Q水を収容 した ミ リ Q水供給源 4 1 1 が接続されている。 こ のミ リ Q水供給 源 4 1 1 の下流側には逆止弁 4 1 2が設け られている。 この 逆止弁 4 1 2 は、 ミ リ Q水以外の薬液やエアなどがミ リ Q水 供給源 4 1 1 に逆流する のを防止する。 逆止弁 4 1 2 の さ ら に下流側には、 3方電磁弁 4 1 3 ( V w a ) が設け られてい る。 この 3方電磁弁 4 1 3 によ り 、 配管 4 0 4 と配管 4 1 5 の連通と 、 配管 4 1 4 と配管 4 1 5の連通の切替が行われる すなわち、 3方電磁弁 4 1 3 の非通電時には配管 4 0 4 を配 管 4 1 5 に連通させ、 通電時には配管 4 1 4 を配管 4 1 5 に 連通させる。 これによ り 、 配管 4 1 5 へのエアと ミ リ Q水の 供給切替が行える。
配管 4 2 4 には、 薬液の一つと してのバッ ファ (緩衝液) を収容したバッ フ ァ供給源 4 2 1 が接続されている。 このバ ッフ ァ供給源 4 2 1 の下流側には逆止弁 4 2 2が設け られて いる。 こ の逆止弁 4 2 2 は、 バ ッ ファ以外の薬液やエアな ど がバ ッフ ァ供給源 4 2 1 に逆流するのを防止する。 逆止弁 4 2 2 のさ ら に下流側には 3方電磁弁 4 2 3 ( V b a ) が設け られてレヽる。 この 3方電磁弁 4 2 3 によ り 、 配管 4 2 4 と配 管 4 2 5 の連通と、 配管 4 1 5 と配管 4 2 5 の連通の切替が 行われる。 すなわち、 3方電磁弁 4 2 3 の非通電時には配管 4 1 5 を配管 4 2 5 に連通させ、 通電時には配管 4 2 4 を配 管 4 2 5 に連通させる。 これによ り 、 配管 4 2 5 へのバッフ ァの供給と、 エアあるいはミ リ Q水の供給の切替が行える。 配管 4 3 4 には、 薬液の一つと しての揷入剤を収容した揷
入剤供給源 4 3 1 が接続されている。 この挿入剤供給源 4 3 1 の下流側には逆止弁 4 3 2が設け られている。 この逆止弁 4 3 2 は、 挿入剤以外の薬液やエアな どが揷入剤供給源 4 3 1 に逆流する のを防止する。 逆止弁 4 3 2 のさ らに下流側に は 3 方電磁弁 4 3 3 ( V i n ) が設け られている。 こ の 3 方 電磁弁 4 3 3 によ り 、 配管 4 3 4 と配管 4 3 5 の連通と 、 配 管 4 2 5 と配管 4 3 5 の連通の切替が行われる。 すなわち、 3方電磁弁 4 3 3 の非通電時には配管 4 2 5 を配管 4 3 5 に 連通させ、 通電時には配管 4 3 4 を配管 4 3 5 に連通させる これによ り 、 配管 4 3 5 への揷入剤の供給と、 エア、 ミ リ Q 水あるいはバ ッ フ ァ の供給の切替が行える。
以上示 したよ う に、 エアや薬液の供給系統において、 2方 電磁弁 4 0 3及び 3方電磁弁 4 1 3 , 4 2 3及び 4 3 3 を制 御する。 これによ り 、 配管 4 3 5 を介 してチップカー ト リ ツ ジ 1 1 に供給されるエアや、 ミ リ Q水、 バ ッ フ ァ及び揷入剤 などの薬液の供給の切替を行い、 また供給されるエアやこれ ら薬液の流量を制御する こ とができ る。
配管 4 3 5 の上流側は前述した 3方電磁弁 4 3 3 が連通 し その下流側は 3 方電磁弁 4 4 1 ( V c b i n ) が連通 している 3方電磁弁 4 4 1 によ り 、 配管 4 3 5 が配管 4 4 0及ぴバイ パス配管 4 4 6 に分岐させるこ とができ る。 3方電磁弁 4 4 1 は、 非通電時には配管 4 3 5 をバイパス配管 4 4 6 に連通 させ、 通電時には配管 4 3 5 を配管 4 4 0 に連通させる切替 を行う。 また、 3方電磁弁 4 4 5 は、 非通電時にはバイノ、 °ス 配管 4 4 6 を配管 4 5 0 に連通 させ、 通電時には配管 4 4 0
を配管 4 5 0 に連通させる切替を行う 。 これら 3 方電磁弁 4 4 1 及び 4 4 5 によ り、 各種薬液やエアな どの供給をバイパ ス配管 4 4 6 及び配管 4 4 0 に切替える こ と ができる。
配管 4 4 0 には、 3方電磁弁 4 4 1 から見て下流側に向か つて順に 2方電磁弁 4 4 2 ( V l i n ) 、 チ ップカー ト リ ツ ジ 1 1 、 液センサ 4 4 3 、 2方電磁弁 4 4 4 ( ν ΐ α ιι ΐ ) 、 3 方電磁弁 4 4 5 ( V c b 。 u t ) が設け られている。 2方電 磁弁 4 4 2側には、 チップカー ト リ ッジ 1 1 の送入系統に相 当する流路 1 1 4 a が連通 している。 2方電磁弁 4 4 4側に は、 チップカー ト リ ッジ 1 1 の送出系統に相当する流路 1 1 4 b が連通 している。 これによ り 、 チップカー ト リ ッジ 1 1 の送入系統に配管 4 4 0 を介して薬液やエアなどが供給され チップカー ト リ ッジ 1 1 の送出系統から これら薬液やエアな どを排出する こ とができ る。 また、 2方電磁弁 4 4 2及び 4 4 4 によ り 、 この送液及び吐液の経路における薬液やエアな どの流量を制御する こ とができ る。 また、 液センサ 4 4 3 に よ り 、 チップカー ト リ ッジ 1 1 に流れ込み、 あるいはチップ カー ト リ ッジ 1 1 から排出される薬液の流量をモニタする こ とができる。
配管 4 5 0 には、 3方電磁弁 4 4 5 から見て下流側に向か つて順に 2 方電磁弁 4 5 1 ( V v i n ) 、 減圧領域 4 5 2 、 2 方電磁弁 4 5 3 ( V。 u t ) 、 送液ポンプ 4 5 4 、 3 方電 磁弁 4 5 5 ( V w w) が設け られている。 2方電磁弁 4 5 1 及び 4 5 3 は、 減圧領域 4 5 2前後の経路における薬液ゃェ ァの逆流を防止する。 また、 送液ポンプ 4 5 4 はチューブポ
ンプからな り 、 チップカー ト リ ッジ 1 1 から見て送出側 (下 流側) の排出系統に設け られている点が特徴である。 すなわ ち、 チューブポンプを用いる こ と によ り 、 薬液がチューブ壁 以外の機構に接しないため、 汚染防止の観点から好ま しい。 また、 チップカー ト リ ッジ 1 1 への薬液やエアの供給及び排 出は吸引動作によ り 行われる。 これによ り 、 チップカー ト リ ッジ 1 1 内部での薬液とエアの置換が潤滑に行う こ と ができ る。 また、 万一の場合と して配管に緩みが生じた り 、 も しく はチップカー ト リ ッジ 1 1 が配管 4 4 0 から外れたり した場 合にも、 液漏れが生じない。 その結果、 装置設置の安全性が 向上する。
もちろん、 ポンプをチップカー ト リ ッジ 1 1 上流側の配管 に設け、 このポンプによ り チップカー ト リ ッジ 1 1 にエアや 薬液を押 し出す構成と しても よい。 また、 ポンプは、 チュー ブポンプに限る こ と なく 、 シリ ンジポンプ、 プラ ンジャポン プ、 ダイ アフラムポンプ、 マグネ ッ トポンプ等を用いる こ と もでき る。
3方電磁弁 4 5 5 は、 非通電時には配管 4 5 0 を配管 4 6 1 に連通させ、 通電時には配管 4 5 0 を配管 4 6 3 に連通さ せる よ う に切替を行 う。 配管 4 6 1 には廃液タンク 4 6 2が 設け られ、 配管 4 6 3 には揷入剤廃液タ ンク 4 6 4が設け ら れている。 これによ り 、 揷入剤以外の ミ リ Q水、 ノ ッファな どの薬液を 3方電磁弁 4 5 5 の切替によ り廃液タ ンク 4 6 2 に導き、 挿入剤を揷入剤廃液タンク 4 6 4 に導く こ と ができ る。 これによ り 、 揷入剤を分別回収する こ と が可能と なる。
なお、 各電磁弁の間は、 テフ ロ ンチューブ等の配管で接続 しても よい。 本実施形態では、 チップカー ト リ ッジ 1 1 に対 してその上流側と下流側でそれぞれ電磁弁と流路を一体型構 造と したマニフ ォ一ル ド構造で構成している。 これによ り 、 配管内の容量が少な く なるため、 必要な薬液量を大幅に削減 でき る。 また、 配管内における薬液流れが安定するため、 検 出結果の再現性や安定性が向上する。
この図 1 7 に示す送液系 1 3 を用いた塩基配列検出のため の送液工程を図 1 8 のフ ローチヤ一 ト を用いて説明する。
まず、 作用極 5 0 1 上に固定化された D N Aプローブと試 料とのハイ プリ ダイゼーシ ョ ン反応をセル 1 1 5 内で実行さ せる ( s 2 1 ) 。 このハイ プリ ダイゼーシヨ ン反応の実行で は、 例えばチップカー ト リ ッジ 1 1 の底面、 すなわちプリ ン ト基板 2 2 の底面が 4 5 °C程度と なる よ う に温度制御機構 1 4 を制御 し、 例えば 6 0 分間保持する。
このハイ プリ ダイゼーシヨ ン反応と並行して、 薬液ライ ン の立ち上げを行う ( s 2 2 ) 。 具体的には、 3方電磁弁 4 4 1 及ぴ 4 4 5 を制御する こ と によ り バイ ノ ス配管 4 4 6側を 利用 し、 3 方電磁弁 4 3 3 を通電させる こ と で挿入剤供給源 4 3 1 から揷入剤を例えば 1 0秒程度供給する。 3方電磁弁 4 5 5 は通電させ、 配管 4 5 0 からの揷入剤は揷入剤廃液タ ンク 4 6 4 に収容される。 次いで、 挿入剤とエアを交互に例 えば 5秒ずつ程度繰り 返し配管 4 3 5 からバイパス配管 4 4 6 に導入する。 次いで、 エアのみを配管 4 3 5 からバイパス 配管 4 4 6 に導入する。 この段階で廃液タ ンク 4 6 2 に廃液
切替を行 う 。 そ して、 ノ ッファ をバッフ ァ供給源 4 2 1 力 ら バイ パス配管 4 4 6 に導入する。 その後、 ミ リ Q水とエアを 交互に例えば 5秒ずつ程度繰り 返し配管 4 3 5 からバイ パス 配管 4 4 6 に導入する。
こ の薬液ラ イ ンの立ち上げが終了 し、 ハイ プリ ダイゼーシ ヨ ン反応が終了する と 、 配管内洗浄が行われる ( s 2 3 ) 。 配管内洗浄は、 例えば温度制御機構 1 4 によ り プリ ン ト基板 2 2 の温度を 2 5 °C程度と した上で、 ミ リ Q水でバイ パス配 管 4 4 6 をパージした後、 エア と ミ リ Q水を交互に例えば 5 秒ずつ程度繰り 返し導入する。 次に、 チップカー ト リ ッジ内 洗浄が行われる ( s 2 4 ) 。 チップカー ト リ ッジ内洗浄は、 薬液導入経路をバイパス配管 4 4 6 から配管 4 4 0 に切 り替 え、 エア と ミ リ Q水を交互に例えば 5秒ずつ程度繰り 返し配 管 4 4 0 に導入する。 そして、 液センサ 4 4 3 によ り チップ カー ト リ ッジ 1 1 内に水が充填されたこ と を確認した上で、 導入経路をバイ パス配管 4 4 6 に切 り 替える。
次に、 配管内バ ッ フ ァパージが行われる ( s 2 5 ) 。 配管 内バッファノ、。—ジでは、 バッフ ァ と ミ リ Q水が混合しないよ う にまずエアをバイ パス配管 4 4 6 に導入する。 次に、 エア とバ ッ フ ァ を交互に例えば 5秒ずつ程度繰り 返しバイ パス配 管 4 4 6 に導入する。 そして、 バイ パス配管 4 4 6 に設けら れた液センサ 4 4 7 によ り ノ イ ノヽ。ス配管 4 4 6 がバッファで 置換されたこ と を確認する。
次に、 チップカー ト リ ッジ内バッファ注入が行われる ( s 2 6 ) 。 チップカー ト リ ッジ内ノ ッファ注入では、 まずバイ
パス配管 4 4 6 力 ら配管 4 4 0 に切り替え、 エア とノ ッ フ ァ を交互に例えば 5秒ずつ程度繰り 返しチップカー ト リ ッジ 1 1 内に導入する。
次に、 チップカー ト リ ッジ 1 1 へのバ ッ フ ァ充填が行われ る ( s 2 7 ) 。 バッフ ァ充填では、 液センサ 4 4 3 によ り チ ップカー ト リ ッジ 1 1 内の状態を監視しなが ら、 ノ ッフ ァ を チップカー ト リ ッジ 1 1 に導入する。 そ して、 例えば 6 0 °C で 3 0分間放置する。 これによ り 、 不要な試料の洗浄が行わ れる ( s 2 8 ) 。 不要な試料の洗浄工程後、 配管 4 4 0 から バイ パス配管 4 4 6 に切 り 替え、 ミ リ Q水を導入する。 これ によ り配管内洗浄が行われる ( s 2 9 ) 。 こ の配管内洗浄で は、 さ ら にエア と ミ リ Q水が交互に例えば 5秒程度ずつ繰り 返し導入される。
次に、 チップカー ト リ ッジ内洗浄が行われる ( s 3 0 ) 。 チップカー ト リ ッジ内洗浄では、 バイ パス配管 4 4 6 からチ ップカー ト リ ッジ 1 1 に切 り 替え られ、 エア と水が交互に例 えば 5秒程度ずつ繰り返し導入される。 その後、 液センサ 4 4 3 によ り チップカー ト リ ッジ 1 1 内に ミ リ Q水が充填され たこ と を確認した上でバイパス配管 4 4 6 に切 り 替え られる 次に、 測定が開始される。 測定では、 まず配管内挿入剤パ ージが行われる ( s 3 1 ) 。 こ の配管内挿入剤パージでは、 バイパス配管 4 4 6 にエアを導入しなが ら廃液が揷入剤廃液 タンク 4 6 4 に切 り替えられる。 次に、 エア と揷入剤を交互 に例えば 5秒程度ずつ繰り 返しバイ パス配管 4 4 6 に供給し た後、 パイパス配管 4 4 6 が揷入剤で置換されたかを液セ ン
サ 4 4 7 を用いて検出する。
次に、 チ ッ プカー ト リ ッジ 1 1 内揷入剤注入が行われる ( s 3 2 ) 。 この工程では、 先ずバイ パス配管 4 4 6 からチ ップカー ト リ ッジ 1 1側に切 り 替えられた後、 エアと揷入剤 が交互に例えば 5秒ずつ程度繰り 返し導入される。
次に、 液センサ 4 4 3 での監視の下、 チップカー ト リ ッジ 1 1 への揷入剤充填が行われる ( s 3 3 ) 。 その後測定が行 われる ( s 3 4 ) 。
測定が終了する と 、 バイパス配管 4 4 6 に ミ リ Q水を導入 し、 次いでエア と ミ リ Q水を交互に例えば 5秒程度ずつ導入 した後エアで置換して配管内洗浄が行われる ( s 3 5 ) 。 最後に、 バイ パス配管 4 4 6 力、らチップカー ト リ ッジ 1 1 に置換してエア と ミ リ Q水を交互に例えば 5秒程度ずつ導入 し、 チップカー ト リ ッジ 1 1 内をさ らにエアで置換してチッ プカー ト リ ッジ内洗浄が行われる ( s 3 6 ) 。 以上によ り 、 一連の送液工程が終了する。
このよ う に、 図 1 7 の送液系 1 3 を用いた図 1 8 に示 した 工程によれば、 薬液の置換を効率的に行う ため、 薬液 Zエア /薬液/エア とい う よ う に、 配管内をエア と薬液が交互に流 れるシーケンスを作って送液する こ とができ る。 このよ う な 送液方法とする こ と によ り 、 薬液交換において、 古い薬液と 新しい薬液の混合を最小限にする こ と が可能である。 その結 果、 液交換の遷移状態が減り 、 最終的な電気化学特性の再現 性を向上する こ とができ る。 更に、 薬液交換の効率化による 送液時間の短縮 · 薬液量の削減を実現する こ とが出来る。 ま
た、 こ の よ う な薬液 zエアシーケ ンス送液によ り 、 反応セル
1 1 5 内の薬液濃度を常に一定に保つこ とが出来るの で、 電 流特性の面内均一性が向上、 即ち検出の信頼性が向上する。
また、 セル 1 1 5 内への薬液充填の方法と して、 チップ力 一 ト リ ッジ出口バルブと しての 2方電磁弁 4 4 4 を閉 じた状 態で、 チップカー ト リ ッジ下流側の配管 4 4 0 内を減圧状態 に して力 ら、 2方電磁弁 4 4 4 を開ける。 これによ り 、 チッ プカー ト リ ッジ反応セル 1 1 5 内に薬液を導入する こ と がで き る。 減圧領域 4 5 2 の減圧状態は、 ポンプ 4 5 4 を動作さ せた状態で、 2方電磁弁 4 5 1 を制御する こ と によ り 、 減圧 領域 4 5 2 を減圧してから 2方電磁弁 4 5 3 を制御する こ と で保持される。
なお、 この図 1 8 に示した送液のタイ ミ ングはほんの一例 にすぎず、 測定の 目的、 対象、 条件な どに応 じて種々変更す る こ とができ る。
図 1 9 は、 測定系 1 2の具体的な構成を示す図である。 こ の図 1 9 に示す測定系 1 2 は、 3 電極方式のポテ ンシォ · ス タ ツ ト 1 2 a 力、らなる。 このポテンシォ ' ス タ ツ ト 1 2 a は 対極 5 0 2 の入力に対して参照極 5 0 3 の電圧をフ ィ ー ドバ ック (負帰還) させる こ と によ り 、 セノレ 1 1 5 内の電極や溶 液な どの各種条件の変動によ らずに溶液中に所望の電圧を印 加する。
よ り具体的には、 ポテ ンシォ . スタ ツ ト 1 2 a は、 作用極 5 0 1 に対する参照極 5 0 3 の電圧をある所定の特性に設定 される よ う に対極 5 0 2の電圧を変化させ、 揷入剤の酸化電
流を電気化学的に測定する。
作用極 5 0 1 は、 標的塩基配列と は相補的な標的相捕塩基 配列を有する D N Aプローブが固定化される電極であ り 、 セ ル 1 1 5 内の反応電流を検出する電極である。 対極 5 0 2 は 作用極 5 0 1 と の間に所定の電圧を印加 してセル 1 1 5 内に 電流を供給する電極である。 参照極 5 0 3 は、 参照極 5 0 3 と作用極 5 0 1 との間の電圧を所定の電圧特性に制御すべく その電極電圧を対極 5 0 2 にフィ ー ドバック させる電極であ る。 この参照極 5 0 3 力、らのフィ ー ドバック によ り 、 対極 5
0 2 によ る電圧が制御される。 その結果、 セル 1 1 5 内の各 種検出条件に左右されない精度の高い酸化電流検出が行える 電圧パターン発生回路 5 1 0 が配線 5 1 2 b を介して参照 極 5 0 3 の参照電圧制御用の反転増幅器 5 1 2 ( O P c ) の 反転入力端子に接続されている。 電圧パターン発生回路 5 1
0 は、 電極間を流れる電流を検出するための電圧パターンを 発生させる。
電圧パターン発生回路 5 1 0 は、 制御機構 1 5 から入力さ れるデジタル信号をアナ口 グ信号に変換して電圧パターンを 発生させる回路であ り 、 D A変換器を備える。
配線 5 1 2 b には抵抗 R sが接続されている。 反転増幅器 5 1 2 の非反転入力端子は接地され、 出力端子には配線 5 0 2 a が接続されている。 反転増幅器 5 1 2 の反転入力端子側 の配線 5 1 2 b と 出力端子側の配線 5 0 2 a は配線 5 1 2 a で接続されている。 この配線 5 1 2 a には、 フィ ー ドバック 抵抗 R i f 及ぴスィ ツチ S W f カゝ ら なる保護回路 5 0 0 が設
け られている。
配線 5 0 2 a は端子 Cに接続されている。 端子 Cは、 塩基 配列検出チップ 2 1 上の対極 5 0 2 に接続されている。 対極 5 0 2が複数設け られている場合には、 各々 に対 して並列に 端子 Cが接続される。 これによ り 、 1 つの電圧パター ンによ り複数の対極 5 0 2 に同時に電圧を印加する こ と ができ る。 配線 5 0 2 a には、 端子 Cへの電圧印加のオンオフ制御を 行う スィ ツチ S W。が設け られている。
反転増幅器 5 1 2 に設けられた保護回路 5 0 0 によ り 、 対 極 5 0 2 に過剰な電圧がかからないよ う な構成と なっている , 従って、 測定時に過剰な電圧が印加され、 溶液が電気分解さ れて しま う こ と によ り 、 所望の揷入剤の酸化電流検出に影響 を及ぼすこ と が無く 、 安定した測定が可能と なる。
端子 R は配線 5 0 3 a に よ り 電圧フ ォ ロ ア増幅器 5 1 3 ( O P r ) の非反転入力端子に接続されている。 電圧フ ォ ロ ァ増幅器の反転入力端子は、 その出力端子に接続された配線 5 1 3 b と配線 5 1 3 a によ り 短絡している。 配線 5 1 3 b には抵抗 R f が設け られてお り 、 配線 5 1 2 b の抵抗と、 配 線 5 1 2 a と配線 5 1 2 b の交点との間に接続されている。 電圧パター ン発生回路 5 1 0 によ り 生成される電圧パター ン に、 参照極 5 0 3 の電圧をフ ィー ドバック させた電圧を反転 増幅器 5 1 2 に入力させる。 これら電圧を反転増幅した出力 に基づき対極 5 0 2 の電圧が制御される。
端子 Wは配線 5 0 1 a によ り ト ラ ンス · イ ン ピーダンス増 幅器 5 1 1 ( O P w ) の反転入力端子に接続されている。 ト
ラ ンス ■ イ ンピーダンス増幅器 5 1 1 の非反転入力端子は接 地され、 その出力端子に接続された配線 5 1 1 b と配線 5 0 1 a とは配線 5 1 1 a によ り 接続されている。 配線 5 1 1 a には抵抗 R wが設け られている。 こ の ト ラ ンス ' イ ンピーダ ンス増幅器 5 1 1 の出力側の端子 Oの電圧を V w、 電流を I wとする と 、 V W = I W ' R Wと なる。 こ の端子〇から得られ る電気化学信号は制御機構 1 5 に出力される。 作用極 5 0 1 は複数あるため、 端子 W及び端子 Oは作用極 5 0 1 のそれぞ れに対応 して複数設け られる。 複数の端子 Oからの出力は後 述する信号切替部によ り切 り 替え られ、 A D変換される こ と によ り各作用極 5 0 1 からの電気化学信号をデジタル値と し てほぼ同時に取得する こ とができ る。 なお、 端子 W及び端子 Oの間の ト ラ ンス · イ ンピーダンス増幅器 5 1 1 な どの回路 は、 複数の作用極 5 0 1 で共有しても よい。 この場合、 配線 5 0 1 a に複数の端子 Wからの配線を切り 替えるための信号 切替部を備えればよい。
こ の図 1 9 のポテ ンシォ · スタ ツ ト 1 2 a を用いた測定系 1 2 の効果を従来のポテンシォ ■ スタ ツ ト を用いた場合と比 較して説明する。 従来のポテンシォ · スタ ッ ト を図 2 0 に示 す。 図 2 0 に示すよ う に、 従来のポテンシォ · スタ ツ ト 1 2 a ' の構成は、 図 1 9 の示すポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 a と ほぼ共通する。 異なるのは、 反転増幅器 5 1 2 に保護回路 5 0 0 が設け られていない点である。 電圧パターン発生回路 5 1 0 の出力端子 I における電圧を v r e f i n、 端子 C におけ る電圧を V c、 端子 Rの電圧を V r e f 。 11 t とする。 参照極 5
0 3 のフ ィ ー ドバ ッ ク によ り 、 V r e i 。 u t = R f Z R s - V r e f i nが成立する。
この場合、 電圧 V r e f i n、 ス ィ ッチ S W。や s w f の ス ィ ツチ切替状態、 電圧 V c 及び電圧 V r e i 。 u t の電圧特性や スィ ッチ切替状態の一例を図 2 1 A乃至図 2 1 E、 図 2 2 A 乃至図 2 2 D に示す。 図 2 1 A乃至図 2 1 E は、 ポテ ン シ ォ ' スタ ツ ト 1 2 a の波形を、 図 2 2 A乃至図 2 2 Dはポテ ンシォ ' スタ ツ ト 1 2 a ' の波形を示す。
図 2 1 Aは電圧 V r e i i n の電圧波形、 図 2 1 B はスイ ツ チ S W。 の ス ィ ツ チ切替状態、 図 2 1 C はス ィ ツ チ S W f の ス ィ ッ チ切替状態、 図 2 1 Dは電圧 V e の電圧波形、 図 2 1
Eは電圧 V r e f 。 u tの電圧波形である。
図 2 2 Aは電圧 V r e i i n の電圧波形、 図 2 2 B はスイ ツ チ S W。 の ス ィ ツチ切替状態、 図 2 2 C は電圧 V e の電圧波 形、 図 2 2 Dは電圧 V r e f 。 u tの電圧波形である。
従来のポテンシォ · スタ ツ ト 1 2 a ' における測定手法を 図 2 2 A乃至図 2 2 D を用いて説明する。
例えば図 2 2 Aに示すよ う に、 時間 t 力 ら t 3まで一定 の電圧を与え、 その後時間 t 4に電圧 0 と なる よ う に線形的 に電圧を減少させる よ う な電圧パター ンを電圧パターン発生 回路 5 1 0 で発生させる。 そして、 例えば図 2 2 Bに示すよ う に、 時間 t から所定の時間経過 した時間 t 2において、 スィ ッチ S W。を閉 じて対極 5 0 2 に電圧を付与する場合を 想定する。 この場合、 測定の開始時、 すなわちス ィ ッ チ S W 。 を閉 じる まではスィ ッチ S W。が開いた状態と なっている
反転増幅器 5 1 2 の利得は非常に大きい。 従って、 スイ ツ チ S W。が O N されフ ィ ー ドノ ッ クループが構成される前に 反転増幅器 5 1 2の反転入力端子に多少の電圧が印加されて いれば、 反転増幅器 5 1 2 の出力は飽和状態と なる。 一方、 電圧 V r e i i n力 S 0 Vでも、 反転増幅器 5 1 2 の入力オフセ ッ ト電圧のために飽和状態となる。 この場合、 入力オフセ ッ ト電圧の反対の極性に飽和する。
こ のよ う に、 反転増幅器 5 1 2 の出力電圧は反転増幅器 5
1 2 の電源電圧の近傍まで飽和状態と なっている。 従って、 スィ ッチ S W。が閉状態と なった と き、 対極 5 0 2 に過剰な 電圧が印加される。 この過剰な電圧は、 図 2 2 Aの斜線で示 した部分に相当する。 この過剰電圧によ り 、 セル 1 1 5 内の 溶液に電気分解などの意図 しない電気化学反応が生じる。 そ の結果、 本来意図すべき電気化学反応の測定に悪影響を及ぼ す。
こ の従来のポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 a , の不都合を解消 すべく 、 本実施形態のポテ ンシォ · スタ ツ ト 1 2 a では、 保 護回路 5 0 0 を用いる。 本実施形態のポテンシォ ■ スタ ッ ト 1 2 a の場合、 測定を開始する前、 すなわち時間 t a よ り も 前の初期状態では、 電圧 V r e i i nを 0 V、 スィ ッチ S W f を閉状態、 かつスィ ッチ S W。を開状態とする。 まず、 時間 t a でスィ ッ チ S W。 を閉状態にする。 こ の状態では、 スィ ツチ S W f は未だ開状態であ り 、 保護回路 5 0 0 は機能 して いない。 反転増幅器 5 1 2 は常にフ ィ ー ドパ ック をかけた状 態で用いられる ので、 対極 5 0 2 には過剰な電圧が印加され
ない o
この時間 t aカゝら所定の時間後の時間 t bで、 スィ ッチ S W f を閉状態と し、 保護回路 5 0 0 を機能させる。 その後、 時間 t ェか ら電圧パターン発生回路 5 1 0 で発生させた電圧 V r e i i nを印加する。 この電圧 V r e i i nによ り 、 所望の電 圧が参照極 5 0 3 に設定されるので、 その応答は一次遅れの 特性を持ち、 対極 5 0 2 には過剰の電圧がかかる こ と は無い 図 2 3 はポテンシォ · スタ ツ ト 1 2 a と 1 2 a , における 対極 5 0 2 に印加される電流/電圧特性曲線を示す図である 図 2 3 に示すよ う に、 従来のポテ ンシォ ■ ス タ ツ ト 1 2 a , の場合、 電流及び電圧と もに大き く マイナスになる特性を持 つ。 これに対して、 本実施形態のポテンシォ · スタ ツ ト 1 2 a の場合、 電圧がマイナスになっても電流が一定値におさま る。 従来、 電圧がマイ ナスの値になる と、 セル 1 1 5 の溶液 中の意図 しない電気分解が進行して しま う。 これによ り 、 例 えば電極に気泡が発生した り 、 電極の組成が変わって しま う な どの弊害があった。 これに対して本実施形態の例のよ う に 保護回路 5 0 0 を設ける こ と によ り 、 意図 しない電圧が対極 5 0 2 に印加されるのを防止する こ と ができ る。 従って、 意 図 しない電気分解がセル 1 1 5 内の薬液中で生じるのを回避 する こ と ができ る。 このよ う に、 所望の挿入剤の酸化電流検 出に影響を及ぼすこ と がなく 、 安定した測定が可能である。
図 1 9 に示す測定系 1 2 と してのポテンシォ - スタ ツ ト 1 2 a の変形例を図 2 4〜図 2 7 に示す。 図 2 4及び図 2 5 は 測定系 1 2 と して 3 電極方式のポテンシォ ■ スタ ッ トが用い
られる例を、 図 2 6 及び図 2 7 は測定系 1 2 と して 4電極方 式のポテンシォ · スタ ツ トが用い られる例を示す。
図 2 4 に示すポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 b は、 図 1 9 に示 すポテンシォ · スタ ツ ト 1 2 a と基本的な構成は共通する。 同一構成には同一符号を付し、 詳細な説明は省略する。 ポテ ンシォ ' ス タ ツ ト 1 2 b は、 配線 5 1 2 a を含めて保護回路 5 0 0 が設け られていない点がポテンシォ · スタ ツ ト 1 2 a と異なる。 この保護回路 5 0 0 の代わ り に、 配線 5 0 2 a に 抵抗 R cが設け られてレ、る。 この よ う に、 対極 5 0 2側の反 転増幅器 5 1 2 の出力に直列に抵抗 R c を接続する こ と によ り 、 電気二重層容量によ り対極にかかる電圧は一次遅れと な る。 これによ り 、 セル 1 1 5 中の薬液に対する影響を少な く する こ とができ る。
図 2 5 に示すポテンシォ . ス タ ツ ト 1 2 c は、 ポテ ンシ ォ ' スタ ツ ト 1 2 a や 1 2 b と は構成が若干異なる。 このポ テンシォ ' ス タ ツ ト 1 2 c では、 電流検出抵抗 R cを対極 5 0 2側に設け、 その検出電流を高入力イ ンピーダンス差動ァ ンプ 5 2 0 で電圧に変換する。 以下、 その構成をよ り 詳細に 説明する。
図 2 5 に示すよ う に、 電極間を流れる電流を検出するため の電圧パターンを発生させる電圧パターン発生回路 5 1 0 が 配線 5 1 2 b を介 して反転増幅器 5 1 2 ( O P c ) の反転入 力端子に接続されている。 こ の配線 5 1 2 b には抵抗 R sが 接続されている。 反転増幅器 5 1 2 の非反転入力端子は接地 され、 出力端子には配線 5 1 2 f が接続されている。 反転増
幅器 5 1 2 の出力端子と反転入力端子は保護回路 5 0 0 で接 続されている。
配,锒 5 1 2 f は端末 Cへの電圧印加のオンオフ制御を行う スィ ッチ S W。が設け られている。 また、 配線 5 1 2 f には 交点 5 1 2 c で 2つの配線 5 2 1 a 及び 5 2 1 b に分岐して いる。 配線 5 2 1 a は、 高入力イ ンピーダンス差動ア ンプ 5 2 0 の う ちの増幅器 5 2 2 の非反転入力端子に接続されてい る。
配線 5 2 1 b には、 電流検出抵抗 R cが設け られている。 さ らにこの配線 5 2 1 b は交点 5 2 1 d で配線 5 0 2 a と配 線 5 2 1 e に分岐している。 配線 5 0 2 a は端子 Cに接続さ れ、 配線 5 2 1 e は高入力イ ンピーダンス差動ア ンプ 5 2 0 における増幅器 5 2 3 の非反転入力端子に接続されている。
参照極 5 0 3側の端子 Rから反転増幅器 5 1 2 の反転入力 端子に電圧をフ ィ ー ドバック させるための電圧フォロ ア増幅 器 5 1 3 、 配線 5 1 3 a 及ぴ 5 1 3 b 、 抵抗 R f の構成は図 1 9 と共通する。
作用極 5 0 1 側の端子 Wは、 配線 5 0 1 a によ り接地され る。
高入力イ ンピーダンス差動アンプ 5 2 0 は、 電流検出抵抗 R c を経ない配線 5 2 1 a か ら の出力 と 、 電流検出抵抗 R c を経た配線 5 2 1 e の出力の差動電圧を増幅して端子 Oに出 力する。 増幅器 5 2 2及ぴ 5 2 3 の各々の反転入力端子は抵 抗 ェ を有する配線 5 2 2 a で接続される。 増幅器 5 2 2 の 反転入力端子 と 出力端子は抵抗 R 2を有する配線 5 2 2 に
よ り 接続される。 増幅器 5 2 3 の反転入力端子と 出力端子は 抵抗 R 3を有する配線 5 2 3 a によ り 接続される。 増幅器 5 2 2 の出力は抵抗 R 4を介 して増幅器 5 2 4 の反転入力端子 に接続される。 増幅器 5 2 3 の出力は抵抗 R 5を介して増幅 器 5 2 5 の非反転入力端子に接続される。 増幅器 5 2 4 は抵 抗 1 6を介 して接地される。 増幅器 5 2 4 の反転入力端子と 出力端子は抵抗 R 7を有する配線 5 2 2 d によ り 接続される 増幅器 5 2 4 の出力端子は配線 5 2 4 b によ り 端子 Oに接続 される。
このポテ ンシォ - スタ ツ ト 1 2 c の場合、 作用極 5 0 1 で はなく 対極 5 0 2側から酸化電流を検出する。
このよ う に、 図 2 5 に示すよ う なポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 c を用レヽても、 ポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 a と 同様の効果 を得る こ と ができ る。
図 2 6 に示す 4電極方式のポテンシォ · ス タ ツ ト 1 2 d の 対極 5 0 2側及び作用極 5 0 1 側の構成は図 1 9 のポテンシ ォ ' スタ ツ ト 1 2 a の構成と共通する。 ポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 d の場合、 2つの参照極 5 0 3 1 及び 5 0 3 2 力、らの 電圧を高入力イ ンピーダンス差動アンプ 5 2 0 を用いて差動 増幅する。 この作動増幅電圧は対極 5 0 2側の反転増幅器 5 1 2 にフ ィ ー ドノ ック される。 このよ う に、 2つの参照極間 の電位差を検出 し、 その値が所定の電圧特性となる よ う に対 極 5 0 2 からの供給電流を制御する。
図 2 6 に示すよ う に、 参照極 5 0 3 1 側の端子 R iは、 増 幅器 5 2 3 の非反転入力端子に接続されている。 参照極 5 0
3 2側の端子 R 2は増幅器 5 2 2 の非反転入力端子に接続さ れている。 高入力イ ンピーダンス差動アンプ 5 2 0は、 これ ら増幅器 5 2 2及び 5 2 3 の各々 の非反転入力端子の 2 つの 電圧を差動増幅して出力する。 その出力側には抵抗 R f を介 して配線 5 1 2 b に接続されている。
このよ う に、 図 2 6 に示すポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 d を 用いても、 ポテンシォ · スタ ツ ト 1 2 a と 同様の効果を得る こ と ができ る。 '
図 2 7 に示す 4電極方式のポテ ンシォ ' スタ ツ ト 1 2 e は 図 2 5 に示すポテンシォ ■ スタ ツ ト 1 2 c と基本的な構成は 共通する。 ポテンシォ ■ スタ ツ ト 1 2 c と異なるのは、 ポテ ンシォ ■ ス タ ツ ト 1 2 e は参照極取り 出 し電圧を 2つに した 点、 その 2 つの電圧を差動増幅し、 対極 5 0 2側にフ ィ ー ド バック させる点である。 対極 5 0 2側及ぴ作用極 5 0 1 側の 構成はポテ ンシォ · スタ ツ ト 1 2 c と共通するので詳細な説 明は省略する。 なお、 5 2 0 ' は前述した高入力イ ンピーダ ンス差動ア ンプ 5 2 0 と 同 じ構成の高入力イ ンピーダンス差 動アンプである。
図 2 7 に示すよ う に、 ポテンシォ ' スタ ツ ト 1 2 e は、 2 つの参照極 5 0 3 1 側の端子 R と、 参照極 5 0 3 2側の端 子 R 2の出力をそれぞれ増幅器 5 2 3 の非反転入力端子及び 増幅器 5 2 2の非反転入力端子に接続する。 前述の通 り 、 高 入力イ ンピーダンス差動アンプ 5 2 0 はこれら 2 つの入力を 差動増幅 して出力する。 その出力側には抵抗 R f が接続され この抵抗 R f を介して配線 5 1 2 b に接続される。 これによ
り 、 高入力イ ンピーダンス差動アンプ 5 2 0 の出力が反転増 幅器 5 1 2 の入力側にフ ィ ー ドバック される。
図 2 8 は制御機構 1 5及びコ ンピュータ 1 6 の他の構成要 素と の関連性を示す概念図である。 図 2 8 に示すよ う に、 コ ンピュータ 1 6 は、 メ イ ンプロセ ッサ 1 6 a とイ ンタ フ エ一 ス 1 6 b 力 ら構成される。 このイ ンタ フェース 1 6 b を介し てロ ー力ノレバ ス 1 7 を通じて複数の制御機構 1 5 との間でデ ータ の送受信を行う こ と ができ る。 制御機構 1 5 は測定制御 機構本体 1 5 a と、 こ の測定制御機構本体 1 5 a によ り 取り 扱われるデータ を格納するデータ メ モ リ 1 5 b から構成され る。 制御機構 1 5 は、 測定ュニッ ト 1 0 の各々 に対して 1 つ ずつ設け られている。 この よ う に、 複数接続された測定ュニ ッ ト 1 0 を 1 つのメ イ ンプロセ ッサ 1 6 a に接続する こ と に よ り 、 メ イ ンプロセ ッサ 1 6 a の負荷を軽減する こ と ができ る。
図 2 9 は制御機構 1 5 の詳細な構成の一例を示す図である 図 2 9 に示すよ う に、 測定制御機構本体 1 5 a は、 ローカル バス 1 7 に接続された初期値レジス タ 1 5 1 、 刻み値レジス タ 1 5 2 、 終了値レジスタ 1 5 3 、 イ ンターノ ノレレジス タ 1 5 4及ぴ動作設定レジスタ 1 5 5 を有する。
初期値レジス タ 1 5 1 、 刻み値レジス タ 1 5 2 、 終了値レ ジス タ 1 5 3 、 イ ンターバルレジスタ 1 5 4 及び動作設定レ ジス タ 1 5 5 は、 それぞれメ イ ンプロセ ッサ 1 6 a に よ り 設 定可能な初期値、 刻み値、 終了値、 測定時間間隔、 動作モー ドを格納する。 これら初期値、 刻み値、 終了値、 測定時間間
隔、 動作モー ドが設定される とデータ測定動作が開始される , 初期値、 刻み値及び終了値は、 電圧パターン発生回路 5 1 0 で発生させる電圧パターンの電圧値に相当する値を示 して お り 、 初期値から終了値まで刻み値毎にデジタル値と して電 圧パターンが設定される。 例えば、 時間 t iか ら時間 t 5ま で所定の波形の電圧パターンを生成する場合、 時間 t ェ にお ける電圧値は初期値に相当 し、 その時間 t ェから測定時間間 隔 Δ t 毎に刻み値だけ電圧値が変動していき 、 このよ う な電 圧値が終了値まで刻み続け られる。
セ レク タ 1 5 8 は、 初期値レジス タの出力値と加算器 1 5 6 の出力値の う ち、 測定開始時のみ初期値を選択して出力 し 次データからは加算器 1 5 6 の加算結果を選択して出力する このセ レク タ 1 5 8 の出力値がタイ ミ ング発生器 1 6 1 力 ら の出力信号に同期 して測定系 1 2 の電圧パターン発生回路 5 1 0 に出力される。 電圧パターン発生回路 5 1 0 は、 セ レク タ 1 5 8 からの出力値に相当する電圧値の電圧を発生させる これによ り 、 前述 した図 2 1 Aに示す電圧波形の電圧パター ンを発生させる こ とができ る。
加算レジスタ 1 5 7 は、 セレク タ 1 5 8 の出力値をタイ ミ ング発生器 1 6 1 の出力信号に同期 して一時格納する。
加算器 1 5 6 は、 初期値レジス タ 1 5 1 の初期値に刻み値 レジスタ 1 5 2 の刻み値を加算 してセ レク タ 1 5 8及び比較 器 1 5 9 に出力する。 加算レジス タ 1 5 7 に格納されている 値は測定系 1 2 に出力される電圧値に相当するため、 加算器 1 5 6 はその測定系 1 2 への出力電圧値に刻み値を加算 した
電圧値に相当する値を出力する。 比較器 1 5 9 は、 加算器 1 5 6 の加算結果と終了値レジスタ 1 5 3 からの終了値を比較 し、 加算結果が終了値を超えた場合にカ ウンタ 1 6 0 にカ ウ ン ト の終了を示す信号を出力する。
カ ウンタ 1 6 0 は、 イ ンターバルレジスタ 1 5 4力 らの測 定時間間隔で定め られた時間期間だけ、 動作設定レジス タ 1 5 5 からの動作設定モー ドに基づきク 口 ック を力 ゥン トする このカ ウ ンタ 1 6 0 は、 比較器 1 5 9 力、らカ ウン トの終了を 信号が入力されるまでカ ウン ト し続ける。
動作設定モー ドには、 例えば作用極の同時測定個数に応じ て単独測定モー ド、 4極設定モー ド、 8極設定モー ドな どが 設定可能である。 例えば単独測定モー ドが設定されている場 合、 カ ウ ンタ 1 6 0 は測定時間間隔で定め られた時間期間だ けカ ウン ト を し、 カ ウ ン ト値をタイ ミ ング発生器 1 6 1 に出 力する。 4極設定モー ドが設定されている場合、 測定時間間 隔を 4分割した時間期間ごと にカ ウン ト して、 カ ウン ト値を タイ ミ ング発生器 1 6 1 に出力する。 このよ う に、 複数極設 定モー ドが設定されている場合には、 測定時間間隔をその極 数分だけ分割した時間期間ごと にカ ウン トする。
タイ ミ ング発生器 1 6 1 は、 ク ロ ック をカ ウン ト しなが ら カ ウンタ 1 6 0 力 らのカ ウン ト値の出力タイ ミ ングに同期 し てァ ドレス信号及び書込信号をデータメ モ リ 1 5 b に出力す る。 また、 タイ ミ ング発生器 1 6 1 は、 動作設定レジス タ 1 5 5 からの動作設定モー ドに応 じて信号検出部 1 6 2 の信号 切替部 1 6 3 を切 り替える。
信号切替部 1 6 3 には、 測定系 1 2 の複数の作用極 5 0 1 の端子 Oの各々 に接続されている。 複数の作用極 5 0 1 で同 時に端子 Oから挿入剤による電気化学信号が検出でき るが、 こ の信号切替部 1 6 3 によ り 、 複数の作用極 5 0 1 力、らの電 気化学信号を選択的に検出する こ とができる。
信号検出部 1 6 2 は、 タイ ミ ング発生器 1 6 1 によ り 制御 された信号切替部 1 6 3 で切 り 替えられた作用極 5 0 1 から の電気化学信号を A D変換してデータバス 1 6 4 を介 してデ 一タ メ モ リ 1 5 b に出力する。 これに よ り 、 データ メ モ リ 1 5 b には、 タイ ミ ング発生器 1 6 1 からの書込信号が入力さ れる ごと に、 その書込信号ごと に与えられたァ ド レス位置に データバス 1 6 4力ゝらのデータ を順次書き込むこ とができ る , 例えば単極設定モー ドの場合、 測定時間間隔が 1 0 m s e c であれば、 タイ ミ ング発生器 1 6 1 から書込信号及び 1 つ のア ドレス力 S i O m s e c に 1 度データ メ モ リ 1 5 b に出力 され、 かつ、 信号検出部 1 6 2 からデータバス 1 5 b を介し て電気化学信号のデジタル変換値が 1 つデータ メ モ リ 1 5 b に出力される。
4極設定モー ドの場合、 測定時間間隔が 1 O m s e c であ れば、 タイ ミ ング発生器 1 6 1 から書込信号および 4 つのァ ド レスカ 1 O m s e c に 4度データメ モ リ 1 5 b に出力 され かつ、 信号検出部 1 6 2からデータバス 1 5 b を介して電気 化学信号のデジタル変換値が 4つシーケンシャルにデータメ モ リ 1 5 b に出力される。 これによ り 、 測定時間間隔ごと に ほぼ同時に検出された電気化学信号をデータ と して格納でき
る。
なお、 測定の精度を向上させるため、 複数極設定モー ドの 場合に、 測定時間間隔を等間隔に分割 したタイ ミ ングに同期 させずに、 複数の作用極 5 0 1 からの信号検出のタイ ミ ング を短縮する こ と もでき る。 例えば、 信号切替部 1 6 3 の切替 信号を測定時間間隔の中のわずかな時間に複数生成する こ と によ り 、 測定時間間隔に左右されない測定精度を保持する こ とができ る。 例えば測定時間間隔が 1 O m s e c であれば、 最初の 9 m s e c までは切替信号を生成せず、 9 m s e c か ら 1 O m s e c までの l m s e c に 4つの切替信号を生成し て信号切替部 1 6 3 に出力する よ う にタイ ミ ング発生器 1 6 1 をプロ グラム しておく 。 これによ り 、 4つの作用極 5 0 1 からの電気化学信号を l m s e c 内に検出する こ とができる 従って、 測定時間間隔を長く 設定してもそれによ る測定時間 間隔のばらつきが生じず、 高い精度を保持できる。
データ メ モ リ 1 5 b に格納された測定データはコ ンビユ ー タ 1 6 のメ イ ンプロセ ッサ 1 6 a によ り読み出され、 各種信 号解析に用いられる。
このよ う に、 測定された複数の電気化学信号をタイ ミ ング 発生器 1 6 1 によ り 測定時間間隔よ り も短時間で切り 替えて 選択的に検出する こ とで、 作用極 5 0 1 の各々の信号をほぼ 同時に測定する こ と ができ る。
次に、 測定データ に基づき コ ンピュータ 1 6 によ り 信号解 祈を行う 測定データ解析手法の一例を説明する。 こ こでは、 ターゲッ ト D N Aの S N P位置の塩基が G型 (ホモ型) か、
T型 (ホモ型) か、 あるいは G T型 (ヘテロ型) かを判定す る型判定の解析手法を図 3 0 のフ ローチヤ一 トを用いて説明 する。 なお、 図 1 や図 2 8 などでは特に示 してレヽないが、 コ ンピュータ 1 6 のメ イ ンプロセ ッサ 1 6 a は、 型判定フィ ル タ リ ング、 型判定処理、 判定結果出力な どを行う ための複数 の指令からなる解析プログラムを実行する こ と によ り 、 型判 定フィルタ リ ング、 型判定処理、 判定結果出力を実行する。 また、 前述 した制御機構 1 5 の制御は、 別途制御プロ グラ ム が設け られている。 これら解析プロ グラムや制御プロ グラム は、 コ ン ピュータ 1 6 に設けられた記録媒体読取装置が記録 媒体に格納された解析プロ グラムを読み取る こ と によ り 実行 されても よい し、 コ ン ピュータ 1 6 に設け られた磁気ディ ス ク などの記憶装置から読み出されて実行されても よい。
この測定データ解析を行 う前提と して、 まず、 検出の目 的 と される標的塩基配列を S N P位置の塩基を A , G , C, T と して 4種類用意する。 そ して、 その標的塩基配列と相捕的 な塩基配列を有する標的相補 D N Aプローブを各種類につい て複数ずつ各作用極 5 0 1 に固定化させる。 また、 これら 4 種類の標的相補 D N Aプローブと は異なる塩基配列を有する D N Aプローブ (以下、 ネガティ ブコ ン ト ロ ールと称する) を別の作用極 5 0 1 に複数固定化させる ( s 6 1 ) 。 なお、 作用極 5 0 1 に固定化される D N Aプローブの種類は原則 1 つである。
次に、 上述した標的相補 D N Aプローブが固定化された塩 基配列検出チップに検体 D N Aプローブを含む試料を注入す
る。 そ して、 ハイ ブ リ ダイゼーショ ン反応な どを生 じ させ ( s 6 2 ) 、 ノ ッフ ァ による洗浄、 揷入剤の導入によ る電気 化学反応を経て測定系 1 2 を用いて代表電流値を算出する ( s 6 3 ) 。
代表電流値と は、 各 D N Aプローブのハイ ブリ ダイゼーシ ョ ン反応の発生を定量的に把握するために有効な数値を指 し 一例と しては、 検出 される信号の電流値の最大値 (ピーク電 流値) などが該当する。 ピーク電流値は、 各作用極 5 0 1 上 に固定化された D N Aプローブにハイ ブリ ダイゼーシ ョ ン し た 2本鎖 D N Aに結合した揷入剤からの酸化電流信号を測定 し、 その電流値のピーク を得る こ とで導出される。 ピーク電 流値の検出には、 揷入剤からの酸化電流信号以外のパック グ ラ ウ ン ド電流を差し引 く こ と によ り行 う のが望ま しい。
も ちろん、 信号処理の精度や目 的に応じていかなる値を代 表電流値と 定めても よいが、 例えば酸化電流信号の積分値な どが該当する。 また、 電流値に限らず、 電圧値、 これら電流 や電圧に対して数値解析処理を行った値などを代表値と定め る こ と もでき る。
S N P位置の塩基を A , G , C , T型と した標的 D N Aに 関する測定データ、 すなわち代表電流値をそれぞれ X a、 X g、 X c 、 X t と 定義 し、 ネガテ ィ ブコ ン ト ロ ールの D N A プローブの代表電流値を X n と定義する。 また、 代表電流値 は、 各種別に応じて複数得られるので、 それぞれを互いに識 別すべく 、 1 番 目 の X a を X a l 、 2番 目 の X a を X a 2、 … とい う よ う に定義する。
また、 S N P位置の塩基を A, G, C , T型と したターグ ッ ト D N Aの得られる代表電流値の個数を n a、 n g、 n c n t個、 ネガティ ブコ ン ト ロ ールについて得られる代表電流 値の個数を n n個と定義する。
次に、 得られた代表電流値 X a、 X g、 X c、 X t s X nの う ち、 明 らかに異常なデータ を除去すべく 、 型判定フィルタ リ ング処理を実行する ( s 6 4 ) 。
この型判定フ ィルタ リ ング処理のフ ロ ーチヤ一 トを図 3 1 に示す。 この図 3 1 の型判定フ ィ ルタ リ ング処理は、 X a、 X g、 X c、 X t、 X nについてそれぞれ別個に行われる。 例 えば X a を例に と る と 、 X a について得 られた n a個の代表 電流値の う ち、 明 らかに異常なデータ と思われる代表電流値 を こ の型判定フ ィ ルタ リ ングで排除する。 X g、 X c、 X t X nについても同様に行われる。
なお、 この図 3 1 の説明では、 データ種別に応 じて同様の 処理が行われるため、 X aのフィ ルタ リ ングを例に説明する 具体的には、 図 3 1 に示すよ う に、 まず測定グループまず 測定グループの全測定データ の設定、 すなわちデータセ ッ ト の設定を行 う ( s 8 1 ) 。 例えば X aであれば、 X a 、 X a 2、 ···、 X a n a をデータセ ッ ト と して設定する。
次に、 これら測定データ X aい X a 2 s '·'、 X a n a につい ての C V値 (以下、 C V。) を算出する ( s 8 2 ) 。 この C
V。は、 測定データ X a い X a 2、 ···、 X a n a の標準偏差を 平均値で除算する こ と によ り 得られる。 そ して、 得られた値
C V。が 1 0 %、 すなわち 0 . 1 以上か否かを判定する ( s
8 3 ) 0
1 0 %以上であれば、 測定データの う ち最小値を除いた n a — 1 個のデータセ ッ ト の C V値 (以下、 を算出す る ( s 8 4 ) 。 1 0 %未満であれば、 明 らかに異常なデータ は無いと判定し、 後述する型判定に進む。
を算出 した後、 C V。 2 X C V か否かを判定する ( s 8 5 ) 。 この不等式が成立すれば、 ( s 8 6 ) に進み、 さ らに測定データの う ち最小値を除いた n a — 2個のデータ セ ッ ト を新たにデータセ ッ ト と定義し、 ( s 8 2 ) に戻り 、 異常データ のフ ィ ルタ リ ングを繰り 返し行う。
不等式が成立 しなければ、 最小値側ではな く 最大値側に異 常なデータがある と判定し、 測定データの う ち最大値を除い た n a — 2個のデータセ ッ ト の C V値 (以下、 C V 2 ) を算 出する ( s 8 7 ) 。 そ して、 C V。 2 X C V 2が成立する か否かを判定する ( s 8 8 ) 。 成立すれば、 さ ら に測定デー タの う ち最大値を除いた n a — 3個のデータセッ トを新たに データセ ッ ト と定義し、 ( s 8 2 ) に戻り 、 異常データのフ ィルタ リ ングを繰り 返し行 う。 成立しなければ、 明らかに異 常なデータは無いと判定し、 後述する型判定に進む。
以上に示 した型判定フ ィ ルタ リ ングを X g、 X c、 X t、 X nについても行 う。
次に、 得られた型判定フィルタ リ ング結果を用いて型判定 処理を実行する ( s 6 5 ) 。 この型判定処理の一例を図 3 2 のフローチャー ト を用いて説明する。 なお、 図 3 2の例では ターゲッ ト D N Aの S N P位置の塩基が G型か、 T型か、 あ
るいは G T型かを判定する型判定の場合を示している。 また . こ の型判定処理は、 大別して最大グループ判定アルゴ リ ズム . 2標本 t 検定アルゴ リ ズムからなる。
図 3 2 に示すよ う に、 まず各グループ毎の代表電流値の平 均値を抽出する ( s 9 1 ) 。 グループと は、 X a 、 X g 、 X c 、 X t 、 X nな ど、 標的塩基配列が異なる ものは別グル一 プ、 標的塩基配列が一致する ものは同一グループとする。
( s 6 4 ) で型判定フ ィ ルタ リ ングによ り 明 らかに異常なデ ータが排除された測定データが抽出される。 もちろん、 ( s
6 4 ) の型判定フィルタ リ ング以外のフィルタ リ ングによ り 以上データを排除した測定データ を抽出 しても よい し、 何ら フ ィ ルタ リ ングを行わない測定データ を抽出 しても よい。 な お、 代表電流値の平均値ではな く 、 これら統計値から統計処 理して得られた別の統計処理値を求めても よい。
標的 D N Aの S N P位置の塩基が A , G , C, Tの場合を それぞれグノレープ A〜 T、 ネガティ プコン ト ロールをグルー プ N と して説明する。 また、 得られた平均値を X a 、 X g 、 X c、 X t ヽ X nそれぞれのグループについて、 M a 、 M g 、 M c 、 M t 、 Mn とする。
次に、 得られた平均値 M a 、 M g 、 M c 、 M t 、 M nについ て、 最大はグループ Gの平均値 M gか否かを判定する ( s 9 2 ) 。 最大であれば ( s 9 3 ) へ、 最大でなければ ( s 9
7 ) に進む。
( s 9 7 ) では、 平均値 M a 、 M g 、 M 0 s M t 、 M nにつ いて、 最大はグループ T の平均値 M tか否かを判定する。 最
大であれば ( s 9 8 ) へ、 最大でなければグループ G、 丁 と もに最大でないこ と と な り 、 判定不能と して再検査が行われ る。
( s 9 3 ) では、 グループ Gの測定データ X g i、 X g 2、 … と 、 グループ Nの測定データ X n 、 X n 2、 … との間に差 があるか否かを判定する。 差があるか否かは、 例えば 2標本 t検定が用い られる。 具体的には、 2標本 T検定で求めた確 率 P と有意水準 α と の代表関係を比較し、
Η 0 : Ρ α ならば、 有意差無し (帰無仮説)
H I : Ρ < α ならば、 有意差あ り (対立仮説)
と判定する。 有意水準 α は、 コ ンピュータ 1 6 を用いてュ 一ザが設定でき る。 この ( s 9 3 ) の例では、 グループ Gの 測定データ と グループ Νの測定データの値に差があるかとい う Η 1 の設問を提起する。 そ して、 この設問に対 し、 これら 2つのグループの間に差が無いと仮定する Η 0 と いう仮説を 設定する。 そ して、 グループ Gの測定データ の平均値 M g と グループ Nの測定データの平均値 M nに 2つのグループの差 が要約されている と して、 確率を求める。 確率の算出は、 グ ループ Gの統計値 X g 、 X g 2、 … と グループ Nの統計値 X n l , X n 2、 …に基づき統計定数 t 、 自 由度 φ を算出 し、 t 分布の確率密度変数の積分値から確率 P を求める。
得られた確率 Pについて、 P ひ な ら、 H O を棄却できず 判定を保留する。 すなわち、 差が無いと判定する。 P < α な ら Η 0 を棄却 し仮説 Η 1 を採用 し、 差がある と判定する。
こ のよ う に して判定結果が 「差がある」 と判定された場合
には ( s 9 4 ) に進み、 「差が無い」 と判定された場合には 判定不能と して再検査される。
( s 9 4 ) では、 グループ G と グループ Aについて ( s 9 3 ) と同様の 2標本 t 検定を用いて 2つのグループに差があ るか否かを判定する。 差があれば ( s 9 5 ) に進み、 差が無 ければ判定不能と して再検査される。
( s 9 5 ) では、 グループ G と グループ C について ( s 9 3 ) と同様の 2標本 t 検定を用いて 2つのグループに差があ るか否かを判定する。 差があれば ( s 9 6 ) に進み、 差が無 ければ判定不能と して再検査される。
( s 9 6 ) では、 グループ G と グループ Tについて ( s 9 3 ) と 同様の 2標本 t 検定を用いて 2つのグループに差があ るか否かを判定する。 差があればグループ G型と決定する。 グループ G型が平均値最大、 かつ他の測定グループと差があ るためである。 差が無ければグループ G T型と決定する。 グ ループ G型が平均値最大であるが、 グループ G型とグループ T型に測定結果に差が無いからである。
( s 9 8 ) では、 グループ T と グループ Nについて ( s 9 3 ) と同様の 2標本 t 検定を用いて 2つのグループに差があ るか否かを判定する。 差があれば ( s 9 9 ) に進み、 差が無 ければ判定不能と して再検査される。
( s 9 9 ) では、 グループ T と グループ Aについて ( s 9 3 ) と 同様の 2標本 t 検定を用いて 2つのグループに差があ るか否かを判定する。 差があれば ( s 1 0 0 ) に進み、 差が 無ければ判定不能と して再検査される。
( s 1 0 0 ) では、 グループ T と グループ Cについて ( s 9 3 ) と 同様の 2標本 t 検定を用いて 2 つのグループに差が あるか否かを判定する。 差があれば ( s 1 0 1 ) に進み、 差 が無ければ判定不能と して再検査される。
( s 1 0 1 ) では、 グループ T と グループ Gについて ( s 9 3 ) と 同様の 2標本 t 検定を用いて 2つのグループに差が あるか否かを判定する。 差があればグループ T型と決定する グループ T型が平均値最大、 かつ他の測定グループと差があ るためである。 差が無ければグループ G T型と決定する。 グ ループ T型が平均値最大であるが、 グループ T型と グループ G型に測定結果に差が無いからである。
以上の判定結果はコ ンピュータ 1 6 に設け られた図示しな い表示装置に表示される ( s 6 6 ) 。 この よ う な型判定アル ゴリ ズムを用いる こ と によ り 、 ヘテロ型の判定をする こ とが 可能と なる。
なお、 図 3 0 〜図 3 2 では、 G型、 T型あるいは G T型の いずれに該当するかを判定する手法を示したが、 A型, G型 C型, T型の う ちのいずれ力ゝ 2 つの型、 あるいはそれらのへ テロ の判定に適用でき る こ と はもちろんである。 また、 必ず しも A型, G型, C型, T型のグループの 4種類について測 定データ を取得する必要は無い。 例えば、 S N P の考えられ 得る 2つの塩基に関する 2 グループのみについて取得するの みでも よい し、 その 2 グループにネガティ ブコ ン ト ロールの 1 グループを加えても よい。
前述した塩基配列検出装置を用いた塩基配列の 自動解析手
法について図 3 3 のシーケ ンス図を用いて説明する。
図 3 3 に示すよ う に、 まずコ ン ピュータ 1 6 を用いて自動 解析のための自動解析条件パラ メ ータの設定を行 う。 そ して 設定された 自動解析条件パラ メ ータに基づく 自動解析の実行 をコ ン ピュータ 1 6 にユーザが指示する ( s 3 0 1 ) 。 自動 解析条件パラメ ータは、 制御機構 1 5 を制御するため の制御 ノ ラ メ ータである。 制御機構 1 5 で用い られる制御パラメ 一 タは、 測定系 1 2を制御するための測定系制御パラメ ータ、 送液系 1 3 を制御するための送液系制御パラ メータ、 温度制 御機構 1 4 を制御するための温度制御機構制御パラメ ータか らなる。
測定系制御パラメ ータは、 前述 した図 2 9 に示す初期値レ ジスタ 1 5 1 、 刻み値レジス タ 1 5 2 、 終了値レジス タ 1 5 3 、 イ ンタ ーバルレジス タ 1 5 4及ぴ動作設定レジス タ 1 5 5 に格納される入力設定パラメ ータであ り 、 初期値、 刻み値 終了値、 測定時間間隔、 動作モー ドからなる。
送液系制御パラメ ータは、 図 1 7 に示す電磁弁 4 0 3 , 4 1 3 , 4 2 3 , 4 3 3 , 4 4 1 , 4 4 2 , 4 4 4 , 4 4 5 , 4 5 1 , 4 5 3 , 4 6 3 を制御する電磁弁制御パラメ ータ、 液センサ 4 4 3 , 4 4 7 を制御するセンサ制御パラメ ータ、 ポンプ 4 5 4 を制御するポンプ制御パラ メ ータを有する。 こ れら電磁弁制御パラ メ ータ、 センサ制御パラメ ータ、 ポンプ 制御パラメ ータ は、 図 1 8 の ( s 2 2 ) 〜 ( s 3 6 ) に示す よ う な一連の工程をシーケ ンシャルに実行するための条件と して、 制御対象の制御量、 制御対象の制御タイ ミ ング、 制御
対象を制御する制御条件などをパラメ ータの詳細と して含む 温度制御パラメータは、 原則と して送液系制御パラ メ ータ に付随して与えられる ものである。 すなわち、 送液系制御パ ラメ ータ を設定する こ と によ り 、 送液系 1 3 の動作に対応し て温度制御パラメータが設定される。 これによ り 、 送液系 1 3 と連動 した温度制御機構 1 4 の温度制御が可能になる。 自動解析の実行によ り 、 自動解析条件パラ メ ータは、 制御 機構 1 5 に送信される ( s 3 0 2 ) 。 制御機構 1 5 は、 受信 した自動解析条件パラ メ ータの う ち、 測定系制御パラ メ ータ に基づき測定系 1 2 を制御し、 送液系制御パラメ ータ に基づ き送液系 1 3 を制御 し、 温度制御機構制御パラメ ータ に基づ き温度制御機構 1 4 を制御する。 また、 制御機構 1 5 はこれ ら測定系 1 2 , 送液系 1 3及ぴ温度制御機構 1 4 を制御する タイ ミ ングを各制御パラメータに含まれる制御タイ ミ ングゃ 制御条件に基づき管理する。 従って、 制御のシーケンスはュ 一ザによ り 設定された自動解析条件パラメ ータによ り 自 由に 定め られるが、 この図 3 3 では代表的な一例について説明す る。
なお、 この 自動解析と は別に、 ユーザはチップカー ト リ ツ ジ 1 1 を用意する。 これはまず所望の D N Aプローブが作用 極 5 0 1 に固定化された塩基配列検出チップ 2 1 が封止され たプリ ン ト基板 2 2 を基板固定ね じ 2 5 によ り チップカー ト リ ッジ 1 1 の支持体 1 1 1 に固定化し、 チップカー ト リ ッジ 1 1 への取り 付けを行っている ( s 4 0 1 ) 。 そ して、 上蓋 固定ねじ 1 1 7 によ り シール材 2 4 a が一体化されたチップ
カー ト リ ッジ上蓋 1 1 2 と支持体 1 1 1 を固定化 し、 セル 1 1 5 が形成された状態で準備されている ( s 4 0 2 ) 。 チッ プカー ト リ ッジ 1 1 に対して、 試料注入口 1 1 9 から試料を 注入する ( s 4 0 3 ) 。 チップカー ト リ ッジ 1 1 を装置本体 に装着して、 開始操作を行う こ と によ り 、 ハイブリ ダィゼー シヨ ン反応 ( s 2 1 ) が開始される。 なお、 注入する試料の 容量は、 セル 1 1 5 の容積よ り も若干多い量にするのが望ま しい。 これによ り 、 セル 1 1 5 内をエア残り 無く 試料で完全 に充填する こ とができ る。
制御機構 1 5 は、 コ ンピュータ 1 6 から受信した測定系制 御パラメ ータ に基づき測定系のタイ ミ ングの制御を開始する ( s 3 0 3 ) 。
また、 制御機構 1 5 は、 コ ンピュータ 1 6 から受信 した送 液系制御パラ メ ータ に基づき送液系 1 3 の各構成要素を順次 制御する ( s 3 0 4 ) 。 また、 図 3 3では特に図示しないが この送液系 1 3 の制御と連動して、 温度制御機構制御パラメ ータに基づき温度制御機構 1 4 の温度制御を行う。 この制御 によ り 、 送液系 1 3 は図 1 8 の ( s 2 1 ) 〜 ( s 3 6 ) ( s 3 4 を除く ) に示したハイプリ ダイゼーシ ョ ン反応を含む送 液工程を 自動実行する ( s 3 0 5 ) と と もに、 その送液工程 で指定された温度に塩基配列検出チップ 2 1 が設定される よ う に温度制御機構 1 4 を自動制御する。
制御機構 1 5 は、 この送液工程の中途の ( s 3 4 ) の測定 工程のタ イ ミ ングに同期 して測定系 1 2 に測定指令を行 う ( s 3 0 5 ) 。 すなわち、 送液工程の ( s 3 4 ) の測定工程
のタ イ ミ ングで、 制御機構 1 5 の初期値レジス タ 1 5 1 、 刻 み値レジスタ 1 5 2 、 終了値レジスタ 1 5 3 、 イ ンターバノレ レジスタ 1 5 4及び動作設定レジスタ 1 5 5 に初期値、 刻み 値、 終了値、 測定時間間隔、 動作設定モー ドを格納する。 な お、 前述の ( s 3 0 3 ) の測定系タイ ミ ング制御をこの ( s 3 0 5 ) と同時に行わせても よい。
測定系 1 2 は、 この測定指令に基づき例えば電圧パターン を発生させて測定を行い ( s 3 0 6 ) 、 得られた測定信号は 端子 Oか ら制御機構 1 5 に出力される ( s 3 0 7 ) 。 制御機 構 1 5 は、 受信 した測定信号を信号処理し、 測定データ と し てデータ メ モ リ 1 5 b に格納する ( s 3 0 8 ) 。 この測定デ ータ は、 コ ンピュータ 1 6 にローカルバス 1 7 を介して出力 される ( s 3 0 9 ) 。 コ ンピュータ 1 6 はこの測定データを 受信する ( s 3 1 0 ) 。
このよ う に して必要な測定データが得られる と、 コ ンビュ ータ 1 6 は測定データに基づき図 3 1 で示される ( s 6 4 ) の型判定フ ィ ルタ リ ングを実行する。 型判定フ ィ ルタ リ ング が終了する と、 フィ ルタ リ ングされたデータ に基づき図 3 2 に示される型判定処理を実行する ( s 6 5 ) 。 最後に、 得ら れた判定処理結果をコ ンピュータ 1 6 に備え付けの表示装置 に表示する ( s 6 6 ) 。
こ のよ う に本実施形態によれば、 作用極、 対極及び参照極 からなる 3電極系のそれぞれに対して反応環境が均一と なる ため、 薬液の流速が各電極上で一定であ り 、 流路内における 電気化学反応の均一性が向上し、 その結果検出結果の信頼性
が向上する。 また、 各作用極に対して対極及び参照極を異な る平面に配置する こ とで、 作用極に敷設密度を高く でき る。 また、 D N Aプローブを作用極 5 0 1 に固定化する際に、 対 極 5 0 2や参照極 5 0 3 を汚染する心配が無い。
また、 検体 D N A溶液をチップカー ト リ ッジ 1 1 に注入し た後は、 ハイプリ ダイゼーシヨ ンから、 ノ ッファ溶液による 非特異吸着 D N Aの洗浄、 挿入剤の注入、 電気化学測定、 測 定データの格納、 測定データに基づく 標的塩基配列の判定ま でを、 自動で行う こ と ができ る。 これによ り 、 検出信号の再 現性 · 検出精度を向上させ、 結果導出までの時間を短縮でき る。
本発明は上記実施形態に限定される も のではない。
作用極 5 0 1 に固定化するプローブは D N Aプローブとす る場合を示 したが、 D N A以外の他の核酸からなるプローブ でも よい し、 核酸以外でも所定の塩基配列を有するプローブ であればよい。
コ ンピュータ 1 6 と制御機構 1 5 の処理の分担は上述 した ものに限定されない。 例えば、 測定系 1 2、 送液系 1 3 、 温 度制御機構 1 4 がコ ン ピュータ 1 6 からの指令を解釈し各構 成要素を実行するプロセッサを有していれば、 制御機構 1 5 は省略されても よい。 この場合、 図 2 9 に示すよ う な制御機 構 1 5 の機能はコ ン ピュータ 1 6 が実行する。
測定系 1 2、 送液系 1 3 、 温度制御機構 1 4のタイ ミ ング の管理は、 これら測定系 1 2、 送液系 1 3 、 温度制御機構 1 4 がタイ ミ ングを管理するプロセ ッサを有していれば、 その
プロセッサの管理する タイ ミ ングに基づき各処理を実行する( この場合、 コ ンピュータ 1 6 はこれら測定系 1 2、 送液系 1 3 , 温度制御機構 1 4 に自動解析条件パラ メ ータを送信すれ ば、 タイ ミ ングを管理する必要が無い。
また、 コ ンピュータ 1 6 が測定系 1 2、 送液系 1 3 , 温度 制御機構 1 4、 制御機構 1 5 のタイ ミ ング制御を行ってもよ い
また、 試料注入口 1 1 9 は送出ポー ト 1 1 6 b に連通させ る例を示 したが、 送入ポー ト 1 1 6 a に連通させる よ う にし ても よい。 また、 塩基配列検出チップ 2 1 上の作用極 5 0 1 やボンディ ングパッ ド 2 2 1 は T i や A u の積層構造で示し たが、 他の材料を用いた電極ゃパッ ドを用いても よい。 また 作用極 5 0 1 の配置は図 1 6 に示 したものに限定されない。 作用極 5 0 1 、 対極 5 0 2 、 参照極 5 0 3 の各々 の電極数も 図示 したも のに限定されない。
また、 送液系 1 3 は図 1 7 に示したものに限定されない。 例えば、 反応の種類に応じてエア、 ミ リ Q水、 ノ ッフ ァ 、 揷 入剤以外の薬液や気体を供給する供給系を付加する こ と によ り 、 セル 1 1 5 内における よ り複雑な反応を実行させる こ と ができる。 また、 各配管同士の薬液やエアの供給経路、 供給 量の制御は、 電磁弁以外で行っても よい。 図 1 8 に示 した送 液系 1 3 の動作はほんの一例にすぎず、 反応の 目的な どに応 じて種々変更する こ と ができ る。
また、 図 3 0 〜図 3 2 では、 この塩基配列自動解析装置 1 を型判定に用いる場合を示したが、 ほんの一例にすぎず、 他
の解析目 的に用いられても よい。 また、 図 3 3 に示した 自動 化手法も ほんの一例にすぎず、 チップカー ト リ ッジ 1 1 、 測 定系 1 2 、 送液系 1 3 , 温度制御機構及び制御機構 1 5 の構 成を種々変更する こ と によ り その 自動化シーケンス も種々変 更される。
また、 塩基配列検出チップ 2 1 とチップカー ト リ ッジ上蓋 1 1 2側の関係を上下逆転させて用いても よい。
また、 流路 6 0 1 a 〜 6 0 1 d は図 5 B に示したよ う な配 置に限定されない。 例えば検出用流路 6 0 1 a がセル孔部 1 1 5 a と 1 1 5 b を結んだ直線に平行に配列される よ う に し ても よい し、 各流路 6 0 1 a ~ 6 0 1 d は直線ではなく 曲線 状の流路であっても よい。 更に、 送入ポー ト 1 1 6 a 及び送 出ポー ト 1 1 6 b が、 セル底面に対して垂直に伸びている例 を示 したが、 これに限定される も のではな く 、 セル底面に対 して平行に伸びる構成になっていても よい。
(第 2 実施形態)
本実施形態は第 1 実施形態の変形例に係わる。 本実施形態 は、 第 1 実施形態の図 1 に示した塩基配列自動解析装置 1 の 構成の変形例に係わる。 以下、 本実施形態において特に言及 しない構成については、 第 1 実施形態と同様の構成であ り 、 詳細な説明は省略する。
図 3 5 は本実施形態に係る塩基配列自動解析装置 7 0 0 の 全体構成を示す図である。 この塩基配列自動解析装置 7 0 0 は、 筐体 7 0 1 と コ ンピュータ 1 6 力 らなる。 筐体 7 0 1 は 図 1 のチップカー ト リ ッジ 1 1 、 測定系 1 2、 送液系 1 3 、
温度制御機構 1 4及び制御機構 1 5 の構成に相当する。
筐体 7 0 1 の正面所定部位には 2つのスライ ドステージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b が設け られている。 このスライ ドステー ジ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b の各々 には、 カセ ッ ト装着溝 7 9 2 が設けられている。 このカセ ッ ト装着溝 7 9 2 にカセ ッ ト 7 0 3 を配置する こ と によ り 、 スライ ドステージ 7 0 2 a 及ぴ 7 0 2 b に位置決め されてカセ ッ ト 7 0 3 を配置する こ とが でき る。 具体的には、 ス ライ ドステージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b は筐体 7 0 1 に対 して相対的に水平方向にスライ ドする よ う に構成されている。 このス ライ ド動作は、 ス ラ イ ド動作ポ タ ン 7 0 4 a 及び 7 0 4 b を用レヽて行 う こ と ができる。 スラ ィ ド動作ボタ ン 7 0 4 a 及ぴ 7 0 4 b を押すと、 スライ ド指 示信号が制御機構 1 5 に伝えられる。 このス ライ ド指示信号 を受け、 制御機構 1 5 は不図示のステージ駆動機構 8 9 1 を 駆動させてス ライ ドステージ 7 0 2 a 、 7 0 2 b をス ライ ド させる こ と ができる。 図 7 3 は制御機構 1 5 と各構成要素と の機能プロ ック 図の一例を示してある。
また、 筐体 7 0 1 の正面の別の部位には、 表示部 8 9 3 が 設け られている。 こ の表示部 8 9 3 には、 制御機構 1 5 で検 出された情報を制御機構 1 5 からの指令に基づき表示する こ とができ る。 検出情報と しては、 カセ ッ ト種類、 カセ ッ ト有 無、 シール有無、 ス ライ ドステージ駆動状態 ( ト レイ のォー プン Zク ローズの別) 、 カム回転状態 (回転の有無な ど) 、 バルブュ -ッ ト · プローブュニッ ト駆動状態 (ノ ズル · 電気 コネク タの位置決めの有無など) 及び検査工程進涉状況など
が該当する。
ス ライ ドス テージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b が筐体 7 0 1 内に 収容されている際に、 ス ライ ド動作ポタ ン 7 0 4 a 及ぴ 7 0 4 b が押される と 、 ス ライ ドス テージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b が筐体 7 0 1 内から 図 3 5 の矢印の方向にス ライ ドする。 こ れに よ り 、 カセ ッ ト装着溝 7 9 2 が筐体 7 0 1 力、 らカセ ッ ト 7 0 3 を取 り 出 し、 あるいはカセ ッ ト 7 0 3 をカセ ッ ト装着 溝 7 9 2 に設置する こ と ができ る。
カセ ッ ト 7 0 3 をカセ ッ ト装着溝 7 9 2 に設置 した後にス ライ ド動作ポタ ン 7 0 4 a 及び 7 0 4 b が押 される と 、 ス ラ ィ ドス テージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b は図 3 5 の矢印 と は逆方 向にス ライ ド して筐体 7 0 1 内に収容される。
筐体 7 0 1 内では、 カセ ッ ト 7 0 3 のノ ズル差込孔 7 2 2 及び 7 2 3 にノ ズル 7 0 7 a、 7 0 7 b、 7 0 8 a、 7 0 8 b が揷着さ れ、 かつ電気コネク タ用ポー ト 7 2 4 及ぴ 7 2 5 に電気コネク タ 7 3 0 が揷着されて塩基配列検出動作が実行 される。
ノ ズル 7 0 7 a 及び 7 0 8 a は、 ス ライ ドステージ 7 0 2 a 側のパルブュエ ツ ト 7 0 5 a に設け られている。 ノ ズル 7 0 7 b 及ぴ 7 0 8 b は、 ス ライ ドステージ 7 0 2 b側のノ ル プュニ ッ ト 7 0 5 b に設け られている。 電気コネク タ 7 3 0 は、 ス ライ ドステージ 7 0 2 a と 7 0 2 b 双方のプロ ーブュ ニ ッ ト 7 1 0 a 及ぴ 7 1 0 b に設け られてレヽる。
図 5 7 A及ぴ図 5 7 B は電気コネク タ 7 3 0 を含むプロ一 ブュニ ッ ト 7 1 0 a の構成の一例を示す図であ り 、 図 5 7 A
は斜視図、 図 5 7 Bは側面図である。 例えばガラスェポキシ 基板な どからなるプローブュ - ッ ト 7 1 0 a に、 2つの電気 コネク タ 7 3 0 が所定の間隔をおいて配置されている。 電気 コネク タ 7 3 0 の先端には、 複数の凸状電極 7 3 0 a が基板 7 1 4上のパッ ドと同 じ配列によ り マ ト リ ク ス状に配置され ている。 これら各凸状電極 7 3 0 a が基板 7 1 4上のノ、。ッ ド と接触する こ と によ り 、 基板 7 1 4 とプローブュニッ ト 7 1 0 a と の電気的接続が確保される。 また、 電気コネク タ 7 3 0 内には配線が設けられている。 各凸状電極 7 3 0 a と制御 機構 1 5 がこ の配線によ り 電気的に接続される。
図 5 8 はノ ズル 7 0 7 a 、 7 0 8 a 、 電気コネク タ 7 3 0 などの駆動系とカセッ ト 7 0 3 の側面図である。 同図ではス ライ ドス テージ 7 0 2 a側の構成に着目 しているが、 スライ ドス テージ 7 0 2 b側の構成も共通する。
バルブュニッ ト 7 0 5 a にはプローブュニ ッ ト 7 1 0 a 力 S 一体的に形成され、 バルブュニ ッ ト ■ プローブュニッ ト駆動 機構 7 0 6 a によ り これらバルブュニッ ト 7 0 5 a及びプロ ーブュニ ッ ト 7 1 0 a 力 S同時に駆動さ れる。 バルブュニ ッ ト ■ プローブュニッ ト駆動機構 7 0 6 a は制御機構 1 5 力、ら の指示によ り 駆動する。 バルブユニッ ト ' プローブユニッ ト 駆動機構 7 0 6 a は、 図 5 8 の矢印で示すよ う に、 昇降方向 と水平方向の 2つの駆動方向を有する。 これによ り 、 ス ライ ドステージ 7 0 2 a側のカセ ッ ト 7 0 3 の上部に対してノズ ル 7 0 7 a 、 7 0 8 a 及ぴ電気コネク タ 7 0 3 が水平方向に 移動し、 かつ降下する。 そ して、 ノ ズル 7 0 7 a 及び 7 0 8
a がノ ズル差込孔 7 2 2及ぴ 7 2 3 に位置決めされ、 かつ電 気コネク タ 7 0 3 が電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及び 7 2 5 に位置決めされる。 また、 ス ラ イ ドス テージ 7 0 2 b 側も同 様に、 バルブュニッ ト · プローブュニ ッ ト駆動機構 7 0 6 b を駆動する こ と によ り 、 ノ ズル 7 0 7 b及ぴ 7 0 8 b 、 電気 コネク タ 7 0 3 がそれぞれノ ズル差込孔 7 2 2及び 7 2 3 、 電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及び 7 2 5 に位置決めされる。 これによ り 、 送液系 と カセ ッ ト 7 0 3 内の流路が連通する。 また、 電気コネク タ 7 3 0 がカセ ッ ト 7 0 3 のノヽ。ッ ドに位置 決めされ、 パ ッ ドと電気コネク タ 7 3 0 が電気的に接続され る。
こ の状態で図示しない送液機構から ノ ズル 7 0 7 a 及び 7 0 7 b を介して薬液等を供給し、 ノ ズル 7 0 8 a 及ぴ 7 0 8 b を介して薬液等を排出する こ と ができ る。 また、 電気コネ ク タ 7 3 0 は測定系 1 2 にも電気的に接続されている。 これ によ り 、 電気コネク タ 7 3 0 を通 じて、 基板 7 1 4 に電圧を 印加 し、 電流を検知する こ と によ り 、 電気化学的測定を行う こ とができ る。 カセ ッ ト 7 0 3 を筐体 7 0 1 内から取 り 出す 場合には、 ス ライ ド動作ポタ ン 7 0 4 a及び 7 0 4 b を押す こ と によ り 、 バルブュニッ ト · プローブュニ ッ ト駆動機構 7 0 6 a 及び 7 0 6 b がバルブュニッ ト 7 0 5 a及び 7 0 5 b を駆動して上昇させてからスライ ドス テージ 7 0 2 a 及ぴ 7 0 2 b を図 3 5 の矢印の方向にスライ ドさせ、 カセッ ト 7 0 3 を取り 出すこ とができ る。
こ こ では、 ノ ノレブユニ ッ ト 7 0 5 と 、 プロ ーブユニ ッ ト 7
1 0 と を一体的に形成した例を示したが、 必ずしもその限り ではない。 バルブュニッ ト 7 0 5 とプローブュニ ッ ト 7 1 0 を別々 に形成し、 別の昇降駆動機構によ り 、 昇降させても良 い。 また、 こ こでは、 基板 7 1 4 に対 して、 プローブ D N A が固定されている 3 電極系 7 6 1 と、 パ ッ ド 7 6 2及び 7 6 3 が同一面上に形成させている場合を示しているが、 これに 限定されない。 基板 7 1 4 に対して上面に 3 電極系 7 6 1 が 形成され、 パッ ドが 7 6 2及び 7 6 3 それに対して反対側の 面に形成される よ う に しても よい。 この場合には、 バルブュ ニッ ト 7 0 5 はカセ ッ ト 7 0 3 に対して上側に、 そしてプロ ープュニ ッ ト 7 1 0 は下側に設置される こ と になる。 その場 合には、 必然的に、 バルブユニッ ト 7 0 5 と プローブュニッ ト 7 1 0 は一体的に形成されるわけではなく なる。
図 3 5 では図示 しないが、 塩基配列自動解析装置 7 0 0 内 には、 カセ ッ ト 7 0 3 内の塩基配列検出チップからの電気信 号を取り 出 し、 あるいは信号を送るための測定系 1 2や、 温 度制御機構 1 4、 制御機構 1 5 な どが設け られている。 そ し て、 塩基配列自動解析装置 7 0 0 内の制御機構 1 5 はコ ンビ ユ ータ 1 6 に接続されている。
図 5 6 はカセ ッ ト 7 0 3装着時の塩基配列自動解析装置 7 0 0 の構成の一例を示す図である。 ス ライ ド動作ボタ ン 7 0 4 a 及び 7 0 4 b を押すこ と によ り ス ライ ドステージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b が筐体 7 0 1外方向にスライ ドして所定の深 さの溝状のカセ ッ ト装着溝 7 9 2 が筐体 7 0 1外に現れる。 このカセ ッ ト装着溝 7 9 2 には、 温調機構 7 2 0 、 位置決め
ピン 7 0 9 a 及ぴ 7 0 9 b 、 カセ ッ ト種類判別用 ピン 7 8 9 が設け られている。
温調機構 7 2 0 は例えばペルテ ィ エ素子が用い られる。 位 置決めピン 7 0 9 a 及び 7 0 9 b に後述するカセ ッ ト位置決 め孔 7 2 8 a , 7 2 8 b が揷通し、 かつ温調用窓部 7 4 3 に 温調機構 7 2 0 が位置決めされる よ う にカセ ッ ト 7 0 3 を装 着する。 このカセ ッ ト装着状態では、 マイ ク ロスィ ッチ 8 1 1 がカセ ッ ト 7 0 3 によ り 押圧される こ と によ り 、 カセ ッ ト 7 0 3 が装着されている こ と を検知する。 マイ ク ロ スィ ツチ 8 1 1 は制御機構 1 5 に接続されてお り 、 そのスィ ッチの切 替状態は制御機構 1 5 で常時確認でき る。
図 6 9 A及ぴ 6 9 B はマイ ク ロ スィ ッチ 8 1 1 の検知動作 を説明するための図である。 図 6 9 Aに示すよ う に、 スライ ドステージ 7 0 2 a のカセ ッ ト装着溝 7 9 2 の表面にはマイ ク ロ スイ ッチ 8 1 1 が設け られている。 このマイ ク ロ スイ ツ チ 8 1 1 は、 カセ ッ ト 7 0 3 が装着されていない状態では、 カセ ッ ト装着溝 7 9 2 の表面から突出 し、 カセ ッ ト装着によ り 、 図 6 9 B に示すよ う にカセ ッ ト 7 0 3 によ り マイ ク ロス イ ッチ 8 1 1 は押 し下げられる。 この押し下げ動作をマイ ク ロ スイ ッチ 8 1 1 に接続された制御機構 1 5 が検知する。 力 セ ッ ト 7 0 3 をカセ ッ ト装着溝 7 9 2 力 ら取 り 出すと、 マイ ク ロ スィ ツチ 8 1 1 は溝表面から突出 した図 6 9 Aに示す状 態に戻り 、 操り 返しカセッ ト装着を検知する こ と ができ る。
また、 このマイ ク ロスィ ッチ 8 1 1 と同様の原理によ り 、 カセ ッ ト種類判別用ピン 7 8 9 がその押し下げの有無を検知
する こ と によ り 、 カセ ッ トの種類が判別される。 カセ ッ ト 7 0 3 にカセ ッ ト種類判別用孔 7 4 9 が設け られている場合に は、 カセ ッ ト装着によ り カセッ ト種類判別用 ピン 7 8 9 を押 し下げられない。 カセ ッ ト種類判別用孔 7 4 9 が設け られて いない場合には、 カセ ッ ト 7 0 3 が装着されてもカセ ッ ト種 類判別用 ピン 7 8 9 は押し下げられる。 こ のカセ ッ ト種類判 別用 ピン 7 8 9 の押 し下げの有無を示す信号は制御機構 1 5 に出力される。 制御機構 1 5 は、 この ピン押 し下げの有無を 示す信号に基づき、 カセ ッ トの種類を判別でき る。 なお、 力 セ ッ ト種類判別用ピン 7 8 9 の押し下げの程度を段階的に検 知するセ ンサを設けておけば、 複数のカセ ッ ト種類を判別す る よ う にする こ と もできる。 この場合、 カセ ッ ト種類判別用 孔 7 4 9 の深さ を判別可能な押 し下げ程度にあわせて調整し て形成すればよい。
カセ ッ ト装着後、 ス ライ ド動作ポタ ン 7 0 4 a 及び 7 0 4 b を押すこ と によ り ス ライ ドステージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b が筐体 7 0 1 内方向 (図 5 6 の矢印に示す方向) にス ライ ド し、 カセ ッ ト 7 0 3 が筐体 7 0 1 内に収容される。
図 3 6 はカセ ッ ト 7 0 3 の概観斜視図である。 カセ ッ ト 7 0 3 は、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 、 カセ ッ ト下蓋 7 1 2 、 ノ、。ツキ ン 7 1 3 (シール部材) 及び基板 7 1 4力 らなる。 カセ ッ ト 上蓋 7 1 1 及びカセ ッ ト下蓋 7 1 2 の内表面同士を対向させ かつこれらカセ ッ ト上蓋 7 1 1 及ぴカセ ッ ト下蓋 7 1 2 の間 にパッキ ン 7 1 3及び基板 7 1 4 を狭んだ状態で固定する。 これによ り カセ ッ ト 7 0 3 が完成する。
カセ ッ ト上蓥 7 1 1 の外表面 7 2 1 力 ら内表面 7 2 9 に力 けて、 断面が略円形のノ ズル差込孔 7 2 2及び 7 2 3 が貫通 して形成されている。 このノ ズル差込孔 7 2 2及び 7 2 3 の 内径はノ ズル 7 0 7及ぴ 7 0 8 、 送入及び送出ポー ト 7 5 2 及び 7 5 3 の外径よ り も若干大き く 設定されてお り 、 例えば 3 . 2 m m程度である。
また、 外表面 7 2 1 から内表面 7 2 9 にかけて断面が略長 方形の電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及び 7 2 5 が貫通 して形 成されている。 この電気コネク タ用ポー ト Ί 2 4及び 7 2 5 の各々 には、 後述する電気コネク タ 7 3 0 が揷着され使用 さ れる。
また、 外表面 7 2 1 には内表面 7 2 9 にかけてシール検出 孔 7 2 6 が貫通 して形成されてレヽる。 このシール検出孔 7 2 6 は、 シール 7 5 0 の有無の検出に用いられる。 図 6 7 Aは カセ ッ トへの試料注入時にシール 7 5 0 が貼付された状態を 示す図、 図 6 7 Bはカセ ッ ト に試料を注入した後にシール 7 5 0 が剥が された状態を示す図である。 シール検出孔 7 2 6 電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及び 7 2 5 は、 図 6 7 Aの状態 ではシール 7 5 0 によ り 覆われ、 図 6 7 B の状態ではシール 7 5 0 力 Sな く 露出 している。 図 6 7 Aに示すよ う に、 シール 7 5 0 は、 カセ ッ ト 7 0 3 の外表面 7 2 1 のシール検出孔 7 2 6 の表面から電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及び 7 2 5 の表 面にかけて貼付されている。 カセッ ト 7 0 3 には、 シール 7 5 0 が貼付された状態で、 試料を注入する。 この よ う にする こ と によ り 、 たと え試料溶液が誤って電気コネク タポー ト 7
2 4 も しく は 7 2 5 上に滴下しても、 シール 7 5 0で被覆さ れているため、 実際のポー ト 7 2 4 も しく は 7 2 5 内には液 が侵入する こ と がな く 、 電気的に短絡して しま う等の不具合 を発生させる心配を生じない。 そ して、 試料注入後に、 シー ル 7 5 0 を剥がすと い う手順と してレ、る。
図 6 8 は こ の シール検出孔 7 2 6 の シールの有無を検出す るための機構の一例を示す図である。 図 6 8 に示すよ う に、 スライ ドス テージ 7 0 2 a が筐体 7 0 1 内に収容された位置 で、 検出光通過孔 7 0 2 e とシール検出孔 7 2 6 を検出光が 通過する よ う に、 例えば L E Dな どの検出光照射手段 8 1 2 及び例えばフォ トセンサな どの検出光センサ 8 1 3 が配置さ れている。 すなわち、 ス ラ イ ドス テージ 7 0 2 a 収容時に検 出光の光路上に検出光通過孔 7 0 2 e とシール検出孔 7 2 6 が位置する よ う に、 かつカセッ ト 7 0 3 を挟んで検出光照射 手段 8 1 2及ぴ検出光センサ 8 1 3 が対向 して配置されてい る。
これら検出光照射手段 8 1 2及び検出光セ ンサ 8 1 3 は、 筐体 7 0 1 に固定配置されていてもよいし、 検出光照射手段 8 1 2のみ筐体 7 0 1 に固定配置され、 検出光センサ 8 1 3 はス ライ ドス テージ 7 0 2 a に固定配置されていても よい。 また、 検出光照射手段 8 1 2及び検出光セ ンサ 8 1 3 は制御 機構 1 5 からの指示に基づき検出光を照射し、 検出光を検出 して検出信号を制御機構 1 5 に出力する。
ス ライ ドス テージ 7 0 2 a の溝表面から底面にかけて貫通 形成された検出光通過孔 7 0 2 e と シール検出孔 7 2 6 を通
過する よ う に検出光を照射する。 光検出センサ 8 1 3 は、 検 出光通過孔 7 0 2 e と シール検出孔 7 2 6 を通過 した光を検 出する。 検出信号は制御機構 1 5 に伝えられる。
シール 7 5 0 がカセ ッ ト 7 0 3 に貼付された図 6 7 Aの場 合には、 検出光はシール 7 5 0 によ り しゃ断されて検出光セ ンサ 8 1 3 で検出光を検出する こ と はできない。 シール 7 5 0 が剥が された図 6 7 Bの場合には、 検出光はしゃ断されず に検出光センサ 8 1 3 で検出される。
これによ り 、 カセ ッ ト 7 0 3 のシール 7 5 0が剥がされて いるか否かを判別する こ と ができ る。 すなわち、 シール 7 5 0 を剥力 S し忘れたままカセ ッ ト 7 0 3 をステージ上にセ ッ ト しても、 ノ ズル 7 0 7 a 、 7 0 7 b 、 7 0 8 a及び 7 0 7 b 電気コネ ク タ 7 3 0 が降下 してシール 7 5 0 に接触しないよ う になっている。
図 3 7 はカセ ッ ト上蓋 7 1 1 を内表面 7 2 9側から見た斜 視図である。
内表面 7 2 9側には、 所定の深さでかつ基板 7 1 4 の断面 形状と ほぼ同 じ断面形状を有する基板位置決め溝 7 3 1 が設 け られている。 この基板位置決め溝 7 3 1 の周囲は内表面 7 2 9 で囲まれている。 基板位置決め溝 7 3 1 はノ ズル差込孔 7 2 2及び 7 2 3 、 電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及ぴ 7 2 5 にオーバーラ ップして形成されている。 基板位置決め溝 7 3 1 にあわせて基板 7 1 4 をはめ込むこ と によ り 、 基板 7 1 4 をカセッ ト上蓋 7 1 1 に位置決め配置する こ とができ る。 基 板位置決め溝 7 3 1 の深さ は基板 7 1 4 の厚さ と ほぼ同 じに
なる よ う に形成されている。
内表面 7 2 9側で基板位置決め溝 7 3 1 にオーバーラ ップ して、 基板位置決め溝 7 3 1 よ り も さ らに深いパッキン位置 決め溝 7 3 2が設け られている。 このパッキン位置決め溝 7 3 2 の周囲は基板位置決め溝 7 3 1 で囲まれている。 ノ、。ツキ ン位置決め溝 7 3 2 はノ ズル差込孔 7 2 2及び 7 2 3 にォー バーラ ップして形成されている。 パッキン位置決め溝 7 3 2 にあわせてパッキン 7 1 3 をはめ込むこ と によ り 、 パッキン 7 1 3 をカセ ッ ト上蓋 7 1 1 に位置決め配置する こ と ができ る。 パッキン位置決め溝 7 3 2 の基板位置決め溝 7 3 1 に対 する深さ は後述するパッキン本体 7 5 1 の厚さ と ほぼ同 じに なる よ う に形成されている。 従って、 パッキン位置決め溝 7 3 2 の内表面 7 2 9 に対する深さは、 パッキン本体 7 5 1 の 厚さ に基板 7 1 4 の厚さ を加算 した厚さ と ほぼ同 じになる よ う に形成されている。
内表面 7 2 9 の周縁部には 4つのねじ孔 7 2 7 a 、 7 2 7 b 、 7 2 7 c 及び 7 2 7 dが設け られている。 これらねじ孔 7 2 7 a 〜 7 2 7 d によ り 、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 とカセ ッ ト 下蓋 7 1 2 をねじ止めできる。
内表面 7 2 9 の周縁部には 2 つのカセ ッ ト位置決め孔 7 2 8 a 及び 7 2 8 b が設け られている。 このカセ ッ ト位置決め 孔 7 2 8 a 及ぴ 7 2 8 b を、 ス ライ ドステージ 7 0 2 a 及ぴ 7 0 2 b の上に設け られた 2つの位置決め用 ピンにあわせて カセ ッ ト 7 0 3 を配置する こ と によ り 、 スライ ドステージ 7 0 2 a及ぴ 7 0 2 b に対してカセ ッ ト 7 0 3 を位置決め配置
する こ と ができ る。
図 3 8 はカセ ッ ト下蓋 7 1 2 を外表面 7 4 1 カゝら見た上面 図である。 外表面 7 4 1 から内表面 7 4 2 にかけて温調用窓 部 7 4 3 が貫通 して形成されている。 温調用窓部 7 4 3 の内 表面 7 4 2側には基板 7 1 4 が配置される。 スライ ドステー ジ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b上に設け られた温調機構 7 2 0 に、 基板 7 1 4 が温調用窓部 7 4 3 を介して接して配置される こ と によ り 、 基板 7 1 4 をカセ ッ ト下蓋 7 1 2側から温度調整 可能になっている。
外表面 7 4 1 にはノ ーコー ド 7 4 4 が設け られている。 こ のノ ーコー ド 7 4 4 には、 ノ ーコー ド情報によ り カセ ッ ト 7 0 3 の識別番号が記入されている。 こ の識別番号の記入され たバーコ一 ド 7 4 4 をバ ー コ 一 ド読取手段によ り 読み取る こ と によ り 、 カセ ッ ト 7 0 3 を識別可能である。
また、 外表面 7 4 1 にはシール検出孔 7 4 6 が貫通 して形 成されている。 また、 カセ ッ ト下蓋 7 1 2 のシール検出孔 7 4 6 は、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 とカセッ ト下蓋 7 1 2が止着さ れた状態で、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 のシール検出孔 7 2 6 と通 じる位置に形成されている。 これによ り 、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 と カセ ッ ト下蓋 7 1 2が止着された際に、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 からカセ ッ ト下蓋 7 1 2 にかけて貫通したシール検出孔 7 2 6 が設け られ、 こ のシール検出孔 7 2 6 に対して検出光 を照射する こ と によ り 、 シール 7 5 0 の有無を判別でき る。 外表面 7 4 1 の周縁部には 4つのねじ孔 7 4 7 a 、 7 4 7 b 、 7 4 7 c 及び 7 4 7 d が設け られている。 これらねじ孔
7 4 7 a 〜 7 4 7 d と カセ ッ ト上蓋 7 1 1 に設け られた対応 するねじ孔 7 2 7 a 〜 7 2 7 d の各々 をねじ止めする。 これ によ り 、 カセッ ト下蓋 7 1 2 をカセ ッ ト上蓋 7 1 1 に止着す る こ とができる。
外表面 7 4 1 の周縁部には 2 つのカセ ッ ト位置決め孔 7 4 8 a 及ぴ 7 4 8 b が設け られている。 こ のカセッ ト位置決め 孔 7 4 8 a 及ぴ 7 4 8 b を、 ス ライ ドス テージ 7 0 2 a 及び 7 0 2 b の上に設けられた 2つの位置決め用 ピンにあわせて カセ ッ ト 7 0 3 を配置する。 これによ り 、 ス ライ ドス テージ 7 0 2 a 及ぴ 7 0 2 b に対してカセッ ト 7 0 3 が位置決め配 置され得る。
また、 7 4 9 はカセ ッ ト種類判別用孔であ り 、 こ の孔の有 無によ り 、 カセ ッ ト の種類を判別でき る。 なお、 種類判別は カセ ッ ト種類判別用ピ ン 7 8 9 の押し下げの有無によ り 自動 で行 う こ と ができ る。 カセ ッ ト種類判別用 ピン 7 8 9 の ピン の押 し下げ状態は、 制御機構 1 5 で検知される。 なお、 以下 の例ではカセッ ト種類判別用孔 7 4 9 が設け られたカセ ッ ト 7 0 3 を用いて説明するが、 カセ ッ ト種類判別用孔 7 4 9 が 設け られていないカセ ッ ト 7 0 3 を用いても、 判別される力 セ ッ トの種類が異なるのみで同様の測定が可能である。 も し く は、 カセ ッ ト Ί 0 3 の種類が異なる こ と を表示部 8 9 3 に 制御機構 1 5 が表示させて警告 して、 測定工程に進まないよ う に設計しておく こ と も出来る。 あるいは、 カセ ッ ト種類判 別用 ピン 7 8 9 は固定された固定ピンを用いて、 カセ ッ ト種 類判別用孔 7 4 9 が設け られていないカセ ッ ト 7 0 3 は装着
でき ないよ う に しても よい。 これによ り 、 誤ったカセッ ト 7 0 3 をセ ッ ト しなレヽよ う にする こ と も出来る。
図 3 9 はノヽ。ツキン 7 1 3 の斜視図である。 ノヽ。ッキン 7 1 3 は、 ノ ッ キ ン本体 7 5 1 と、 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 力 らなる。 パッキン本体 7 5 1 ほぼ長方形で所定の 厚さ を有し、 その 4 隅が切欠いて形成されている。 送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 は、 パ ッ キ ン本体 7 5 1 の主 面上であって長辺の両端近傍に位置し、 かつ短辺の中央近傍 に設け られた円筒形状のポー トである。 送入ポー ト 7 5 2及 び送出ポー ト 7 5 3 の先端には開口部 7 5 4及び 7 5 5 が設 けられている。 こ の開 口部 7 5 4及び 7 5 5 力 ら ノ ッキン本 体 7 5 1 にかけて、 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 の軸心には、 パッキン本体 7 5 1 の主面に対して垂直な方向 に流路 7 5 6及ぴ 7 5 7 が設け られている。 パッキン本体 7 5 1 の裏面には、 送入ポー ト 7 5 2 の形成位置から送出ポー ト 7 5 3 の形成位置にかけて折れ曲が り 形状の溝 7 5 8 が形 成されている。 ノ ッ キ ン本体 7 5 1 の裏面はほぼ平坦な面を 有している。 溝 7 5 8 は、 流路 7 5 6及び 7 5 7 と接続して いる。 流路 7 5 6 、 流路 7 5 7及び溝 7 5 8 の断面積はほぼ 等しい。
図 4 0 はパッキン 7 1 3 の上面図である。 溝 7 5 8 は、 流 路 7 5 6 から流路 7 5 7 の方向に進んだ後に所定の曲率で力 ープし、 折り 返して再度流路 7 5 7 から流路 7 5 6側に進む とい う よ う に、 流路 7 5 6 と流路 7 5 7 と の間で複数回交互 に進行する よ う に形成されている。 また、 溝 7 5 8 の折り 返
し地点を所定の曲率のカーブとする こ と によ り 、 折り 返し地 点のコーナーな どが設け られた場合に発生する薬液やエアの 滞留を抑制でき る。
図 4 1 は基板 7 1 4 の上面図である。 基板 7 1 4 の主面に は、 3電極系 7 6 1 、 ノ ッ ド 7 6 2及び 7 6 3 が形成されて いる。 また、 3 電極系 7 6 1 とパッ ド' 7 6 2 、 3 電極系 7 6 1 とノ、。ッ ド 7 6 3 は、 図示 しない配線によ り 接続されている , 3電極系 7 6 1 は第 1 実施形態で示した作用極、 対極及び参 照極の組合せからなる電極であ り 、 その作用極には D N Aプ ローブが固定化される。
図 4 1 では、 基板 7 1 4 にパッキン 7 1 3 の配置を重ねて 示してある。 7 6 4 がパッキン配置位置、 7 6 5 は流路形成 位置である。 3 電極系 7 6 1 は、 パッキン配置位置 7 6 4で かつ流路形成位置 7 6 5 にあわせて形成されている。 これに よ り 、 ノ ッキン 7 1 3 と基板 7 1 4 がカセ ッ ト上蓋 7 1 1及 びカセッ ト下蓋 7 1 2 に位置決めされた状態で狭着固定され た際には、 溝 7 5 8 と基板 7 1 4表面によ り 流路が形成され かつその流路表面には 3電極系 7 6 1 が露出する。 すなわち 3電極系 7 6 1 上は、 溝 7 5 8 によ り 間隙が設け られ、 この 間隙によ り 流路が形成される。 また、 この状態では、 パツキ ン 7 1 3 と基板 7 1 4 と はシールが保持される。
また、 7 6 6 と 7 6 7 は、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 及びカセッ ト下蓋 7 1 2 に狭着固定された場合に電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及ぴ 7 2 5 が配置される領域である。 この電気コネク タ接続位置 7 6 6及び 7 6 7 内に形成されたノ ッ ド 7 6 2及
ぴ 7 6 3 には、 電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及び 7 2 5 を通 して電気コネクタ 7 3 0 が接触配置される。 これによ り 、 3 電極系 7 6 1 と電気コネク タ用ポー ト 7 2 4 を通 して配置さ れた電気コネク タ 7 3 0 と を、 あるいは 3 電極系 7 6 1 と電 気コネク タ用ポー ト 7 2 5 を通 して配置された電気コネクタ 7 3 0 と を導通させる こ とができ る。
パッキン配置位置 7 6 4 は、 D N Aプローブが固定され、 電気化学反応によ り ハイ プリ ダイゼーショ ンの有無を検出す るセンサ領域と して機能する。 ノ ッ ド 7 6 2及ぴ 7 6 3 は、 基板 7 1 4 からカセ ッ ト 7 0 3外部に電気信号を取り 出すた めの電気的接触領域と して機能する。 これらセンサ領域と電 気的接触領域は離間 して配置されている。
図 4 2 及び図 4 3 はそれぞれカセッ ト上蓋 7 1 1側あるい はカセッ ト下蓋 7 1 2側から見たカセ ッ ト 7 0 3 の組立完成 図である。
まず、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 の内表面 7 2 9 のパ ッキン位置 決め溝 7 3 2 にあわせて、 かつノ ズル差込孔 7 2 2及び 7 2 3 に送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 が揷通する よ う に、 パッ キン 7 1 3 をパッキン位置決め溝 7 3 2 に嵌揷する , 次に、 基板 7 1 4 を、 その主面、 すなわち 3 電極系 7 6 1 、 パッ ド 7 6 2及び 7 6 3 が形成された面がカセッ ト上蓋 7 1 1側に向 く よ う に、 基板位置決め溝 7 3 1 に位置決め配置す る。 次に、 カセ ッ ト下蓋 7 1 2 を、 その内表面 7 4 2 がカセ ッ ト上蓋 7 1 1側に向 く よ う に、 またねじ孔 7 4 7 a 〜 7 4 7 d及ぴねじ孔 7 2 7 a 〜 7 2 7 dの位置が対応する よ う に
カセ ッ ト上蓋 7 1 1 上に載置する。 そ して、 ねじ孔 7 4 7 a 〜 7 4 7 d及びねじ孔 7 2 7 a 〜 7 2 7 d にねじ 7 7 0 a 〜 7 7 0 d を螺揷する。 これによ り 、 カセ ッ ト上蓋 7 1 1 及び カセ ッ ト下蓋 7 1 2 が螺着され、 かつカセ ッ ト上蓥 7 1 1 及 びカセ ッ ト下蓋 7 1 2 間にはパッキン 7 1 3及ぴ基板 7 1 4 が狭着固定され、 カセ ッ ト 7 0 3 が完成する。 この完成 した 状態では、 ノ ズル差込孔 7 2 2 カゝら ノ ズル差込孔 7 2 3 に力 けて、 開 口部 7 5 4、 流路 7 5 6 、 溝 7 5 8 、 流路 7 5 7 、 開口部 7 5 5 の順に連通 した流路が形成される。
なお、 これら図 4 2及び図 4 3 では、 ねじ止めによ り カセ ッ ト上蓋 7 1 1 及ぴカセ ッ ト下蓋 7 1 2 を固定する例を示し たが、 これに限定されない。 例えば凹凸の部材を用いた係着 手法を用いても よい。 図 5 9 は係着固定によ るカセッ ト 8 2 1 の構成の一例を示す図である。 図 5 9 に示すよ う に、 カセ ッ ト上蓥 8 2 2 には、 その両側部にその内壁から外壁にかけ て 3 つずつ計 6 つ係着用孔 8 2 4 が貫通形成されている。 ― 方、 カセ ッ ト下蓋 8 2 3 には、 その両側部の内表面上に、 爪 状の係着用部材 8 2 5 が 3つずつ計 6っ突設されている。 係 着用部材 8 2 5 と係着用孔 8 2 4以外の構成は図 4 2や図 4 3 に示したカセ ッ ト上蓋 7 1 1 及びカセ ッ ト下蓋 7 1 2 の構 成と共通するので詳細な説明は省略する。
各係着用部材 8 2 5 と各係着用孔 8 2 4 が、 例えば図 6 0 Aの一点鎖線で示される位置に係合する こ と によ り 、 図 6 0 B に示すよ う にカセ ッ ト上蓋 8 2 2 と カセ ッ ト下蓋 8 2 3 が 係着固定される。
図 4 4 は図 4 2及び図 4 3 の手順に従って完成したカセッ ト 7 0 3側面の断面図である。 図 4 4 に示される よ う に、 力 セッ ト 7 0 3 には、 合計 3種類の開口 が設け られている。
第 1 の開口は、 ノ ッ キン位置決め溝 7 3 2、 ノ ズル差込孔 7 2 2及ぴ 7 2 3 によ り 形成された開 口である。 この第 1 の 開口 によ り 、 ノ、。ッキン 7 1 3 の突起部 (ポー ト) に相当する 位置に、 ノ ズル 7 0 7 が装着し、 薬液やエアを送入及び送出 でき る と と もに、 試料溶液をピぺッ ト等で注入する こ と がで さ る。
第 2 の開口は、 第 1 の開 口 と 同一面であってかつパッキン 7 1 3 が固定される部分から離間 して形成され、 電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及び 7 2 5 によ り 形成された開口である。 この第 2 の開口 には、 基板 7 1 4 から装置本体と の電気的接 触を得る ためのノ ッ ド 7 6 2及ぴ 7 6 3 が並んで形成されて おり 、 装置本体に設置されているプローブユニッ ト (電気コ ネク タ 7 3 0 ) が揷入される。 これによ り 、 基板 7 1 4 上の パッ ドと 電気的接触を得る こ と ができ る。
第 3 の開口は、 第 1 及ぴ第 2 の開口 と は基板 7 1 4 を挟ん で反対側の面に形成されている。 この第 3 の開口は、 パツキ ン 7 1 3 が固定される部分の裏面に相当する位置、 すなわち 第 1 の開 口の裏面に開口 してレヽる。 この第 3 の開 口によ り 、 温度制御機構 1 4が基板 7 1 4 の裏面に直接接触し、 基板 7 1 4 の温度を制御する こ とができ る。
よ り具体的には、 ノ ズル差込孔 7 2 2 にはノ ズル 7 0 7が 矢印の方向に圧接され、 また電気コネク タ用ポー ト 7 2 4及
ぴ 7 2 5 の各々 には電気コネク タ 7 3 0 が揷着される。 基板 7 1 4の裏面側、 すなわち 3電極系 7 6 1 が形成されていな い側は、 温調用窓部 7 4 3 によ り 露出 してお り 、 こ の露出面 に温調機構 7 2 0 が接触する よ う にカセッ ト 7 0 3 力 S 7 0 2 上に載置される。 これによ り 、 裏面側から基板 7 1 4 を温調 する こ と ができ る。
図 4 5 はカセ ッ ト 7 0 3 の流路の断面図を示す。 ノ ズル 7 0 7及ぴノ ズル 7 0 8 をノ ズル差込孔 7 2 2及び 7 2 3 に揷 通 し、 かつパッキン 7 1 3 の送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 に圧接させる。 これによ り 、 ノ ズル 7 0 7及びノズ ル 7 0 8 と送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 が連通す る。 この状態で、 ノ ズル 7 0 7 から薬液又はエアを供給する と、 ノ、ツキン 7 1 3 内に設けられた溝 7 5 8 と基板 7 1 4に よ り 形成された流路を通ってノ ズル 7 0 8 から これら薬液又 はエアが送出される。
図 4 6 〜図 5 1 はパッキ ン 7 1 3 のポー ト先端形状の詳細 な構成を示す図である。
図 4 6 はポー ト先端形状の第 1 の例である。 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 の先端部分の開 口部 7 5 4及び 7 5 5 の内径 r iが流路 7 5 6及ぴ 7 5 7 の内径 r 2に比較し て段階的に、 すなわち非連続に太く 形成されている。 パ ツキ ン 7 1 3 の材質はシ リ コ ン ゴム で、 硬度は例えば 6 0程度で ある。 パッキ ン 7 1 3 は、 金型を用いた射出成形によ り パッ キン本体 7 5 1 、 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3、 さ ら には各流路を含め一体で作製される。 6 5 8 の深さ g ,
(流路の高さ に相当する) は 0 . 7 m m程度、 幅 w iは 1 m m程度である。 送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 の高 さ h i は 4 m m程度、 外径 は 3 m m程度である。 また、 内径で 及ぴ r 2はそれぞれ例えば r ! = 2 m m程度、 r 2 = 1 m m程度である。 また、 内径 r ェ部分の深さ h 2は例えば 0 . 5 m m程度である。 ノ、0ッ キ ン本体 7 5 1 の厚さ h 3は 3 m m程度である。 ノ ッキン 7 1 3 と基板 7 1 4が密着する面 は、 鏡面仕上げを しておく こ とが望ま しい。
なお、 以下の第 2 の例以降では特に言及 しない限り 材質、 硬度、 作製方法、 寸法等は共通する。
図 4 7 はポー ト先端形状の第 2 の例である。 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 の先端部分の開 口部 7 5 4 の内径 r 2は 1 m m程度で一定であ り 、 その外径が R から先端に レ、 く に従い連続的に細く なってお り 、 最先端では内径 r 2 と ほぼ同 じ外径 R 2 と なっている。 外径が細ま る部分における 外表面 7 7 1 のパッキン本体 7 5 1 主表面に対する角度は 4 5 ° 程度である。 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 の 先端から l m m程度までが外径が細ま り 、 外表面 7 7 1 よ り もノ ッキン本体 7 5 1 に近い外表面 7 7 2 では外径はほぼ一 定である。 外表面 7 7 2 も先端に向けて若干細ま る よ う に例 えば内表面 7 7 3 に対して 1 ° 程度の傾斜をつけても よい。 図 4 6や図 4 8 〜図 5 1 の場合も同様である。
図 4 8 はポー ト先端形状の第 3 の例である。 送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 の先端部分の内径が徐々に太く な り 、 かつ外径が徐々 に細まる形状である。 よ り具体的には、
例えば半径 a ! = 0 . 5 m m程度の半円の断面形状とする。 図 4 9 はポー ト先端形状の第 4 の例である。 送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 の外径は一定であ り 、 その内径が 先端にかけて徐々 に太く形成され、 擂鉢形状をなす。 よ り 具 体的には、 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 の先端か ら 0 . 7 5 m m程度までの深さ までは、 内径 r 3 (例えば 1 4 m m程度) から内径 r 2まで徐々 に連続的に細ま り 、 それ よ り も深い位置では、 一定の内径 r 2をなす。 また、 内表面 7 7 3 に対 して内径が太く なる位置の内表面 7 7 4 は 1 5 ° 程度傾斜 している。 こ のよ う に、 擂鉢状に内周を加工する こ と によ り 、 試料をピペッ ト等で注入する際に、 ピペッ ト の先 端が円滑に送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 に注入で き 、 かつノ ッキン 7 1 3 と ピぺッ ト と のシール†生を高める こ とができ る。 したがって、 試料の基板 7 1 4 上への導入が容 易になる。
図 5 0 はポー ト先端形状の第 5 の例である。 送入ポー ト 1 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 は、 先端にかけて内径及び外径と もにほぼ一定である。 先端の外表面 7 7 5 は流路 7 5 6及ぴ 7 5 7 に対してほぼ垂直である。
図 5 1 はポー ト先端形状の第 6 の例である。 送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 の基本構成は図 5 0 の例と ほぼ同 じであるが、 その先端に、 O リ ング 7 7 6 が形成されている なお、 上記図 4 6 〜図 5 1 に示したポー ト先端形状の寸法 は一例にすぎず、 成形の しゃすさ、 基板 7 1 4の大き さ等に あわせて適宜変更可能である。 また、 パッキン 7 1 3 の材質
は、 シ リ コ ン ゴムのみな らず、 エ ラ ス ト マ一、 テ フ ロ ン、 ダ ィ フ ロ ン、 その他樹脂などでも よい。
また、 ポー ト先端は、 必ずしもパッキ ン本体 7 5 1 の主表 面に対して垂直に形成されている必要はない。 例えば主表面 に対 して所定の角度傾斜させて形成されていても よい。 また パッキン本体 7 5 1 主表面に対して垂直に設け られ、 その形 成位置途中で折れ曲が り 、 パッキ ン本体 7 5 1 主表面に対し て垂直でない方向に延びても よい。
図 5 2 はバルブュニ ッ ト 7 0 5 の全体構成を示す図である なお、 この図 5 2では、 プロープュ - ッ ト 7 1 0 の構成は省 略して記載してある。 バルブュ - ッ ト 7 0 5 は、 バルプポデ ィ 7 8 1 及び 7 8 2 が連結固定して用いられる。 バルプボデ ィ 7 8 1 には 2方電磁弁 4 0 3、 3方電磁弁 4 1 3、 4 2 3 及び 4 3 3 が設けられてお り 、 またバルブボディ 7 8 2 には 3方電磁弁 4 4 1及び 4 4 5 が設け られている。 バルプポデ ィ 7 8 1 及び 7 8 2 は、 例えば P E E K樹脂によ り作製され る。 なお、 バルブボディ 7 8 1 及ぴ 7 8 2が別個に作製され その両者をつなぎ合わせる場合には、 その継ぎ目部分には P T F Eをノ ッキンと して使用する。 したがって、 バルブポデ ィ 7 8 1 及び 7 8 2 の両者では、 薬液に接する部分の材質は P E E K及び P T F E力 らなる。 また、 パルプボディ 7 8 1 及ぴ 7 8 2 にはほぼ一定の断面形状の空洞が設け られている こ の空洞は、 後述する各電磁弁の間ゃパッキ ン 7 1 3 等との 間を接続する配管と して機能する。 また、 バルブボディ 7 8 2 に設け られた空洞には、 ノ ズル 7 0 7及ぴノ ズル 7 0 8 が
連通 している。 これ らノズル 7 0 7及ぴノ ズル 7 0 8 は P E E K樹脂からなる。
図 6 1 はバルブュニッ ト 7 0 5 の変形例と してのバルブュ ニッ ト 8 3 1 の構成の一例を示す図である。 図 5 2 のバルブ ユニ ッ ト 7 0 5 はフ ェースマウン ト型の電磁弁 4 0 3 、 4 1 3 、 4 2 3 、 4 3 3 、 4 4 1 及び 4 4 5 力 S用いられている力 S これに代えて図 6 1 では埋め込み型の電磁弁 8 3 2、 8 3 3 8 3 4、 8 3 5 、 8 3 6及び 8 3 7 が用い られている。 これ ら電磁弁 8 3 2 、 8 3 3 、 8 3 4 、 8 3 5 、 8 3 6及び 8 3 7 の機能は電磁弁 4 0 3 、 4 1 3 、 4 2 3 、 4 3 3、 4 4 1 及び 4 4 5 と共通する。 また、 他の構成はバルブュ- ッ ト 7 0 5 と共通する。
図 6 2 は他の変形例に係るバルブュニ ッ ト 8 4 1 の構成を 示す図である。 図 5 2 に示すよ う に、 電磁弁 4 0 3、 4 1 3 4 2 3及び 4 3 3 を備えたバルブポディ 7 8 1 と電磁弁 4 4 1 及ぴ 4 4 5 を備えたバルブボディ 7 8 2 は別体であつたが これに代えて一体型のバルブボディ 8 4 2 に電磁弁 4 0 3 、 4 1 3、 4 2 3 、 4 3 3 、 4 4 1 及び 4 4 5 を形成しても よ い
図 6 3 は他の変形例に係るバルブュニッ ト 8 4 6 の構成を 示す図である。 こ のバルブュニ ッ ト 8 4 6 は、 図 5 2 と 同様 に、 2つのバルブボディ 7 8 1 及び 7 8 2 を備えているが、 各バルブボディ 7 8 1 と 7 8 2 と の間はチューブ 8 4 7 で接 続されている。 こ のチューブ 8 4 7 は、 図 1 7 の配管 4 3 5 と 同様に、 3方電磁弁 4 3 3 と 3方電磁弁 4 4 1 を連通する
このよ う に、 複数のバルブボディ によ り バルブュニ ッ トが構 成される場合には、 各バルブボディ 同士をチューブな どで連 通 して用いても よい。 この場合、 各バルブボディ について駆 動機構を設けてもよい。
図 6 4 は他の変形例に係るバルブュ -ッ ト 8 5 1 の構成を 示す図である。 この変形例に係るバルブュエツ ト 8 5 1 は、 複数のバルブボディ 8 5 2〜 8 5 7の各々 に電磁弁 4 0 3 、 4 1 3 、 4 2 3 、 4 3 3 、 4 4 1 及び 4 4 5 が設けられてい る。 各バルブボディ 8 5 2〜 8 5 7 は例えば P T F E シール によ り連結固定されてお り 、 これによ り 図 5 2 に示すバルブ ュニ ッ ト 7 0 5 と同様に機能する。 各バルブボディ 8 5 2〜 8 5 7 同士を図 6 3 のよ う にチューブ接続しても よい。
図 5 3 は図 5 2に示すバルブュニッ ト 7 0 5 の機能構成図 である。 図 5 2 では、 2方電磁弁 4 0 3 は省略して示してあ る。 また、 図 1 7 に示す送液系の構成と共通する構成には同 一符号を付 し、 詳細な構成は省略して示してある。
バルブボディ 7 8 1 及ぴ 7 8 2 内には配管が設けられてお り 、 この配管によ り 、 3方電磁弁 4 1 3 、 4 2 3 及ぴ 4 3 3 の間の薬液又はエアの流路が定ま る。
3方電磁弁 4 1 3 は、 エア と ミ リ Q水を切 り換えて下流側 の 3方電磁弁 4 2 3 に供給する。 3方電磁弁 4 2 3 は、 バッ ファ と 3方電磁弁 4 1 3 からのエア又はミ リ Q水を切 り 換え て下流側の 3方電磁弁 4 3 3 に供給する。 3方電磁弁 4 3 3 は揷入剤と 3方電磁弁 4 2 3 からのエア、 ミ リ Q水又はバッ ファ を切 り 換えて下流側のバルブボディ 7 8 2 に供給する。
3方電磁弁 4 4 1 は、 バルブボディ 7 8 1 からのエア又は薬 液のノ ズル 7 0 7への供給又はバイパス配管 4 4 6 を介 した 3方電磁弁 4 4 5への供給を切 り換える。 3方電磁弁 4 4 5 は、 3方電磁弁 4 4 1 からのエア又は薬液の供給又はカセ ッ ト 7 0 3 力、らのノ ズル 7 0 8 を介した薬液又はエアの送出を 切 り 換える。
4 5 4 は、 カセ ッ ト 7 0 3 の下流に配置される。 例えば薬 液毎、 すなわち、 ミ リ Q水、 バ ッ フ ァ及び挿入剤ごと にボン プを設けた場合、 3個のポンプを配置する必要があ り 、 装置 が大型化して しま う。 また、 カセ ッ ト 7 0 3 の上流側にボン プを設置して、 陽圧で液を流す場合、 万一配管に漏れが生じ た場合、 溶液は、 そこから漏れ出 して しま う。 それに対して 上記構成の よ う に、 送液ポンプ 4 5 4 をカセ ッ ト 7 0 3 の下 流側に設置 し、 引圧で液を流す。 これによ り 、 送液ポンプ 4
5 4 はすべての薬液に対して共通で 1 個でよい。 また、 万一 配管に漏れが生じた場合、 薬液は自然に送液されなく な り 、 しかも、 配管の漏れ個所から液体が漏れ出すおそれもない。 上記パ /レブュニッ ト 7 0 5 において、 カセ ッ ト 7 0 3 内に ノ ッ ファ を送液するためには、 3方電磁弁 4 2 3 、 4 4 1 、
4 4 5 、 及ぴ送液ポンプ 4 5 4 を O Nにすればよい。 これに よ り 、 ノ ッ ファが吸い上げられ、 薬液はノ ズル 7 0 7側に切 り 替わり 、 ノズル 7 0 7 力、らカセッ ト 7 0 3 へ、 さ らには力 セ ッ ト 7 0 3 カゝら ノ ズル 7 0 8 に吸い出され、 3方電磁弁 4
5 4 を経由 して廃液する こ とができ る。
カセッ ト 7 0 3 内に ミ リ Q水を送液するためには、 3方電
磁弁 4 2 3 にかえて 3方電磁弁 4 1 3 を O Nにすればよい。 カセ ッ ト 7 0 3 内に挿入剤を送液するためには、 3方電磁弁 4 2 3 にかえて 3方電磁弁 4 3 3 を O Nにすればよい。 カセ ッ ト 7 0 3 内にエアを供給するためには、 3方電磁弁 4 0 3 を O Nに し、 3 方電磁弁 4 1 3 , 4 2 3及ぴ 4 3 3 のいずれ も O F F にすればよい。
上記バ /レブュニッ ト 7 0 5 のバルブボディ 7 8 1及ぴ 7 8 2 内に設け られた空洞部分の配管の内部容量は、 2 0 0 μ L 程度である。 本実施形態と は異な り 各 3方弁をチューブで接 続して同 じフ ローを構成する場合には、 5 0 0 μ L程度の内 部容量が必要であるが、 これと比較する と大幅に試薬量を節 減する こ と が出来る。 更に、 バルブユニッ ト 7 0 5 とカセッ ト 7 0 3 間の内部容量も、 本実施形態と は異なる例では 1 0 0 L以上あるが、 本実施形態では 1 0 μ L と大幅に低減で きる。 このよ う な構造によ り 、 試薬切換え後に、 更に不本意 にカセッ ト 7 0 3 内を流れる溶液も しく は空気の量を大幅に 減らすこ と ができ る。 その結果、 反応及び測定のばらつきを 低減し、 結果の再現性も大幅に向上する。
図 6 5 はバルブュニ ッ ト 8 4 1 の機能構成の変形例を示す 図である。 図 5 3 と共通する構成には同一符号を付し、 詳細 な説明は省略する。 こ の図 6 5 に示すバルブュニ ッ ト 8 4 1 の機能構成では、 カセ ッ ト 7 0 3 内での反応効率及ぴ反応均 一性を向上させるために、 カセ ッ ト 7 0 3 内の薬液を揺動さ せる機構を導入している。
バルブュニ ッ ト 8 4 1 の上流側には、 エアス ト ップ弁と し
ての 2方電磁弁 4 0 3 を設け られている。 かつ 2方電磁弁 4 0 3 と 3方電磁弁 4 1 1 の間のチューブ 8 6 3 には、 薬液を 揺動させる液揺動機構 8 6 1 が設け られている。 また、 バル ブュニッ ト 8 4 1 の下流側であって 3方電磁弁 4 4 5 及び送 液ポンプ 4 5 4 の間には、 リ ーク用バルブ 8 6 2 が設け られ ている。 液揺動機構 8 6 1 と しては例えばピンチバルブが用 いられる。 これら 2方電磁弁 4 0 3 、 液摇動機構 8 6 1 及び リ ーク用バルブ 8 6 2 も、 他の電磁弁と 同様に、 制御機構 1 5 からの指示に基づき駆動する。
このバルブュニッ ト 8 4 1 を用いた反応原理の一例を以下 説明する。
パルプュニッ ト 8 4 1 内に、 エアによる流路が通じている よ う に設定する。 具体的には、 電磁弁 4 1 3 、 4 2 3 、 4 3 3 を O F F、 すなわち薬液供給側を止めてエア供給側流路を 開放する。 また、 電磁弁 4 4 1 及び 4 4 5 を O N、 すなわち 流路をバイ パス側力、らカセ ッ ト 7 0 3側に切 り換える。 さ ら には、 電磁弁 4 0 3 を O F F に してエア供給流路を閉鎖し、 リ ーク用バルブ 8 6 2 を O Nに して流路の一端を開放する よ う に設定する。 これによ り 、 エア側の流路は閉鎖され、 リ ー ク側は開放された状態になる。
この状態で、 液揺動機構 8 6 1 を O N / O F F切替を行う と、 液揺動機構 8 6 1 内のチューブの押しつぶしと開放を繰 り返すこ と によ り 体積の変動が生じ、 カセ ッ ト内基板上への 薬液が揺動される。 液を揺動させる量は、 ピンチバルブで用 いるチューブの内径、 チューブをつぶす幅、 つぶし代を変化
させる こ と によ り調整可能である。 内径 l m mのチューブを 幅 5 m mつぶすこ と によ り 、 約 4 μ L の薬液を揺動させる こ とができ る。 ノ ッキン 7 1 3 と基板 7 1 4 で形成される基板 7 1 4上の流路容積は約 3 0 β Lである こ と から、 流路容積 の う ちの約 1 割程度の薬液を揺動させる こ と ができる。
このよ う な薬液の揺動は、 ( 1 ) ハイ ブリ ダィゼーシヨ ン 工程、 ( 2 ) 洗浄工程、 ( 3 ) 揷入剤供給工程な どで行 う の が有効である。 ( 1 ) のハイ プリ ダイゼーシ ヨ ン工程で試料 D N Aを揺動させる こ と によ り 、 ハイ ブリ ダィゼーショ ン効 率を向上させ、 ハイ プリ ダイゼーショ ン時間を短縮させる こ とができ る。 また、 ( 2 ) 洗浄工程でバッファ液を揺動させ る こ と によ り 、 非特異吸着 D N Aを引き剥がす効率を向上さ せる こ と によ り 、 洗浄時間を短縮させる こ と ができる。 また ( 3 ) 挿入剤供給工程で挿入剤を揺動させる こ と によ り 、 挿 入剤の濃度の均一性を向上させ、 また揷入剤の吸着均一性も 向上させる。 その結果、 信号のばらつき、 S / N比を改善す る こ とができ る。 これら ( 1 ) 〜 ( 3 ) のすベての工程に薬 液揺動工程を適用 しても、 一部の工程に適用 しても、 薬液揺 動の効果が得られる。 具体的には、 例えば図 1 8 に示すフ ロ 一チャー ト に沿って説明する と、 ( s 2 1 ) 、 ( s 2 8 ) 、 ( s 3 3 } で薬液揺動を実行する のが有効である。
なお、 この図 6 5 の例ではピンチバノレブを用いる方法で説 明 したがこれに限定されない。 図 6 6 A及び 6 6 Bは液揺動 機構の変形例を示す図である。
図 6 6 Aは液揺動機構と して偏心カム 8 6 6 を用いる例を
示す。 偏心カム 8 6 6 は略楕円の断面形状を有し、 その中心 から所定の距離に位置する偏心 8 6 7 を中心にカ ム回転機構 8 9 2 によ り 回転させる こ とができ る。 カム回転機構 8 9 2 は制御機構 1 5 によ り 制御される。 また、 チューブ 8 6 3 は 固定部材 8 6 8 及び可動部材 8 6 9 によ り 挟んで保持されて いる。 カム回転機構 8 9 2 によ る回転によ り 、 偏心 8 6 7が 図 6 6 Aの よ う にカ ムの中心と可動部材 8 6 9 の間に位置す る と きには、 偏心カ ム 8 6 6 は可動部材 8 6 9 から比較的離 れて位置している。 従って、 チューブ 8 6 3 は押しつぶされ ず開放されている。 一方、 偏心 8 6 7 が図 6 6 A とは逆に力 ムの中心が可動部材 8 6 9 とは反対側に位置する と き には、 可動部材 8 6 9 は偏心カム 8 6 6 によ り 固定部材 8 6 8 に対 して押し付け られる。 チューブ 8 6 3 は固定部材 8 6 8 と可 動部材 8 6 9 の間で押 しつぶされた状態と なる。 偏心カム 8 6 3 が回転を繰り 返すこ と によ り 、 チューブ 8 6 3 がお しつ ぶされた状態とそ う でない状態が繰り 返され、 その結果チュ ープ 8 6 3 内の薬液が揺動する。
図 6 6 B は図 6 6 Aのさ らなる変形例である。 図 6 6 Aの 偏心カム 8 6 6 の代わり に、 複数の突起 8 7 1 が外周に設け られた略円筒形状の突起付カム 8 7 0 が用い られる。 この突 起付カム 8 7 0 の場合、 その回転中に突起 8 7 1 の位置に応 じてチューブ 8 6 3 が押しつぶされた り しなかった り する。 突起 8 7 1 が可動部材 8 6 9側に位置する と、 可動部材 8 6 9 が固定部材 8 6 8側に押されてチューブ 8 6 3 が押 しつぶ され、 突起 8 7 1 が可動部材 8 6 9側の位置からずれる とチ
ユーブ 8 6 3 は押しつぶされな く なる。
なお、 その他にも、 ペリ スタポンプの内部回転機構を応用 する例や、 よ り 高級には圧電素子を用いてよ う配管内容積を 変化させる方法や、 シリ ンジポンプを用いる方法な ど、 薬液 を揺動する構成であれば他の構成を適用可能である。
図 5 4 A〜 5 4 Dはノ ズル 7 0 7先端形状の詳細な構成を 示す図である。
図 5 4 A〜 5 4 Dは先端形状の各種変形例を示 している。 ノ ズル先端形状は、 パッキン 7 1 3 の先端の形状にあわせて 適宜変更する こ とが有効である。
例えば図 5 1 に示すよ う に、 先端部分に O リ ング 7 7 6 が 形成されたパッキン 7 1 3 を用いる場合には、 図 5 4 Aに示 す構成が望ま しい。 図 5 4 Aに示すよ う に、 外表面 8 0 1 が 平坦で、 流路 8 0 2 に対して垂直に形成されている。 これに よ り 、 ノ、。ッキン 7 1 3 と のシール性を良好に保ち、 位置ずれ に対する位置合わせ余裕が生じる。 ノ ズル 7 0 7 の外径 R a = 3 m m程度、 内径 r a = l m m程度である。
また、 例えば図 4 6や図 4 9 のよ う に、 ノヽ。ッキン 7 1 3 に 対してノ ズル 7 0 7 を突き刺すよ う に して使用する場合には 図 5 4 B に示す構成が有効である。 図 5 4 Bに示すよ う に、 内径は一定だが、 所定の高さか ら先端部分にかけて外径が 徐々 に細ま っている。 したがって、 その外表面 8 0 3 は流路 8 0 2 に対して例えば 1 5 ° の傾斜をなす。 これによ り 、 図 4 6や図 4 9 に示した送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 の先端の太径の開 口 に差し込み確実にシールする こ と がで
き る。 但し、 これらの組み合わせの場合には、 パッキンと ノ ズルの軸の位置合わせが厳密である。 図 4 9 のパッキンに対 して、 図 5 4 A の ノ ズルと の組み合わせでも充分気密性を保 つこ とが出来、 なおかつ位置合わせ余裕が出てく る。
また、 例えばパッキン 7 1 3 の先端が図 5 0のよ う に平坦 な場合や、 窪みがある場合には、 図 5 4 C に示す構成が有効 である。 図 5 4 Cに示すよ う に、 先端部分には O リ ング 8 0 4 が形成されている。
また、 例えばパッキン 7 1 3 の先端が図 4 7のよ う に鋭角 に形成され、 ノ ズル 7 0 7 の内側でシール性を保持する場合 には、 図 5 4 Dに示す構成が有効である。 図 5 4 Dに示すよ う に、 所定の高さまでは流路 8 0 2 の内径は一定で、 先端に かけて連続的に太く なる よ う に形成されている。
なお、 上記組合せに限られる こ と はな く 、 パッキン 7 1 3 の送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 の形状によ り 、 シ 一ル性ゃ位置合わせ余裕とい う観点から、 ノ ズル 7 0 7 の先 端形状を適宜変更可能である。
上記図 5 4 A乃至 5 4 Dの例ではノ ズル 7 0 7 の形状につ いて示したが、 ノ ズル 7 0 8 についても同様に適用可能であ る。
図 5 5 Aはピぺ ッ ト 7 9 1 を用いた送出ポー ト 7 5 3 への 試料注入動作を示す図である。 同図では、 パッキン 7 1 3 は 図 4 9 の送出ポー ト 7 5 3 によ り 示されている。 同図に示す よ う に、 ピぺッ ト 7 9 1 は送出ポー ト 7 5 3 の内表面 7 7 4 に沿って流路 7 5 7 までその先端が延び、 かつピぺッ ト 7 9
1 の外表面は送出ポー ト 7 5 3 の内表面と ほぼ密着している, 仮にノ ズル内表面と ピぺッ ト外表面を完全に密着させてから 試料注入を行わないと、 試料が基板 7 1 4 に供給されない場 合がある。 また、 密着の程度が低いと、 試料は下方向に流れ ていかずに送出ポー ト 7 5 3 カゝら上に漏れだして しま う 。 そ こで、 図 5 5 Aのよ う な構成にずる こ と によ り 、 ほぼシール された状態で試料を注入する こ と ができ、 液漏れなどが低減 する。
図 5 5 B はノ ズル 7 0 8 を送出ポー ト 7 5 3 に対して圧接 してシールした状態を示す図である。 図 5 5 A及ぴ 5 5 Bの 例では、 図 4 9 の送出ポー ト 7 5 3先端形状と、 図 5 4 Aの ノ ズル 7 0 8 の先端形状の組合せによ り 示 してある。 同図に 示すよ う に、 送出ポー ト 7 5 3 の先端にノ ズル 7 0 8 の先端 が圧接され、 送出ポー ト 7 5 3 と ノズノレ 7 0 8がシールされ ている。 この状態で、 ノ ズル 7 0 8側へ矢印の方向に薬液又 はエアが移送される。
この図 5 5 Bのノズル 7 0 8 と送出ポー ト 7 5 3 の糸且合せ は、 ノ、ッキン上面と ノズル下面が接してシールされる最適な 構成である と考え られる。 この図 5 5 B の組合せが最適であ る理由を図 7 4 A乃至 7 4 Cのシールの組合せと 比較 して説 明する。
図 7 4 Aは、 ノ ズル 9 0 1 と送出ポー ト 9 0 2 のシール状 態の断面図である。 ノ ズル 9 0 1 の先端部分の開 口部の内径 は、 その先端部分よ り もバルブュニッ ト 7 0 5 に近い根元の 部分よ り も段階的に大き く 形成されている。 この大きな内径
の先端部分の差込孔 9 0 1 a に送出ポー ト 9 0 2の先端が差 し込まれてシールされる。 ノ ズル 7 0 5 の外径は一定である t 送出ポー ト 9 0 2 の先端は、 その内径は一定であるが、 そ の外径が先端にいく につれて徐々 に細まる形状をなすテーパ 9 0 2 a を有する。 これら ノ ズル 9 0 1及び送出ポー ト 9 0 2 の組合せの場合、 薬液は差込孔 9 0 1 a と送出ポー ト 9 0 2 の外周 と の間の間隙まで充填される。 したがって、 例えば 図 7 4 B に示すよ う に、 ノ ズル 9 0 1 を上昇させる こ と によ り 送出ポー ト 9 0 2 から離した際に、 薬液が送出ポー ト 9 0 2 の外周のテーパ 9 0 2 a から流れ出 し、 周辺を汚染する危 険性がある。 D N Aな どの塩基配列検査の場合、 多少の汚染 であっても誤判定を引き起こす可能性があるため、 この よ う な薬液の流出は問題である。
特に、 送出ポー ト 9 0 2外壁と ノ ズル 9 0 1 内壁と の間は 薬液の流れに対して 「影」 になっている。 最初に、 送出ポー ト 9 0 2 内部にある D N A溶液が吸い出される と きには、 ま ずこ の 「影」 の部分を充填してか ら ノ ズルで吸い出される、 とい う動き になる。 その後、 洗净液等の試薬を送液する こ と になるが、 最初に D N A溶液が入り 込んだ部分は、 流れに対 して 「影」 になって しまっているため、 充分に希釈される こ とがない。 すなわち、 この 「影」 の部分は薬液が循環 しにく い部分と なっている。
従って、 検査終了後も、 比較的高濃度の D N A溶液が貯留 している可能性が高いため、 汚染によ る問題は顕著に現れて しま う。 更に、 試薬には緩衝液を用いる こ とが多く 、 検査後
に水分が蒸発した際には、 結晶化する恐れがある。 こ の構成 の場合、 送出ポー ト 9 0 2 と ノ ズル 9 0 1 と は、 「線状」 で のシールと なっている。 結晶がシール線上に発生 した際には - 充分なシールが出来ず、 リ ーク して しま う等の送液不良が発 生して しま う。 リ ーク した場合には、 液体によ り 周辺が汚染 されて しま う ばかり でなく 、 電気系統がショ ー ト して しま う 等の障害を発生させかねない。
図 7 4 Cは別のシールの組合せの一例を示す図である。 ノ ズル 9 1 1 は、 図 7 4 Aの送出ポー ト 9 0 2 と同様に、 内径 は一定であるが、 その先端部分の外壁が先端にかけて徐々 に 細ま るテーパ 9 1 1 a を有する。 一方、 送出ポー ト 9 1 2 は. 外径は一定であるが、 その先端に向けて徐々 に内径が大き く なるテーパ 9 1 2 a を有する。 送出ポー ト 9 1 2 に対 してノ ズル 9 1 1 を降下させる こ と によ り 、 送出ポー ト 9 1 2 のテ 一パ 9 1 2 a に ノ ズル 9 1 1 の先端が突き刺さ り 、 ノ ズル 9 1 1 外周のテーパ 9 1 1 a とテーパ 9 1 2 a が接してシール される。 この場合、 図 7 4 Aの構成で想定されたよ う な汚染 物質の外部への漏出は生じないため、 汚染問題は発生しない と考えられる。
しかしながら、 送出ポー ト 9 1 2 と ノ ズル 9 1 1 の位置合 わせ精度が非常に厳しく なる。 多少でも送出ポー ト 9 1 2 と ノ ズル 9 1 1 の軸がずれている と 、 送出ポー ト 9 1 2 内壁と ノ ズル 9 1 1 と の間のシールが充分でな く なるため、 リ ーク が生じ、 その結果、 送液が規定どおり に行なわれなく なる と い う 問題がある。
これら図 7 4 A〜 7 4 C に記載の組合せに対して、 図 5 5 B に示すよ う に、 ノ ズル 7 0 8 と送出ポー ト 7 5 3 の組合せ を採用する こ と によ り 、 上記問題が生じない。
ノ ズル 7 0 8 は、 中心軸 7 0 8 d を有し、 この中心軸 7 0 8 d から所定の距離に所定の内径の内壁 7 0 8 e を有 してい る。 さ らに、 ノ ズル 7 0 8 は、 中心軸 7 0 8 d と略垂直な面 であ り 、 その表面が略平坦なノ ズル下面 7 0 8 c を有 してい る。 ノズル 7 0 8の外壁はその外径は略一定である。
送出ポー ト 7 5 3 は、 中心軸 7 5 3 d を有し、 この中心軸 7 5 3 d カゝら所定の距離の所定の内径の内壁 7 5 3 c を有し ている。 こ の内壁 7 5 3 c は、 その中途か ら先端にかけて 徐々 に内径が大き く なるテーパ 7 5 3 a を有している。 さ ら に、 送出ポー ト 7 5 3 は、 中心軸 7 5 3 d を略垂直な面であ り 、 その表面が略平坦なポー ト上面 7 5 3 b を有している。 ポー ト 7 5 3 の外壁はその外径が略一定である。 なお、 ノ ズ ル 7 0 8 の内壁 7 0 8 e の内径と送出ポー ト 7 5 3 の内壁 7 5 3 c の内径は、 図 5 5 Bのよ う に略等 しく 形成されている また、 ノ ズル 7 0 8 の外壁と送出ポー ト Ί 5 3 の外壁の各々 の外壁も略等し く 形成されている。
このよ う な構成によれば、 送出ポー ト 7 5 3 の外壁には液 が接する こ とはなく 、 なおかつその内壁もテーパ 7 5 3 a を 有するため、 薬液が外部に漏出する恐れはなく 、 汚染を引き 起こす心配はない。 更に、 送出ポー ト 7 5 3 と ノ ズル 7 0 8 の軸合わせに関 しても、 あま り 厳しい精度は求め られず、 ポ — ト上面 7 5 3 b と、 ノ ズル下面 7 0 8 c が充分に接してい
る範囲であれば、 シール性の問題は生じないため、 送液も規 定どおり に行なわれる。 また、 送出ポー ト 7 5 3 の内壁 7 5 3 c が先端部分でテーパ形状になっているため、 ピぺッ ト 7 9 1 を用いて試料を注入する際にも、 ピペッ ト 7 9 1 先端を 他の部分にぶっけた り 接触させる こ と な く 、 ス ムーズに挿入 する こ と が出来るため、 不要な汚染等の不都合を発生させる 心配がない。
なお、 図 5 5 B の例では、 ノ ズル 7 0 8 と送出ポー ト 7 5 3 の組合せについて示 したが、 ノ ズル 7 0 7 と送入ポー ト 7 5 2 についても同様に適用可能である。 また、 ノ ズル 7 0 7 と送入ポー ト 7 5 2 の組合せの場合には、 ノ ズル 7 0 7 は試 料注入動作に用いられないため、 図 5 0 に示す送入ポー ト 7 5 2 を図 5 4 Bに組み合わせて用いても よい し、 図 5 0 に示 す送入ポー ト 7 5 2 を図 5 4 Dに示すノ ズル 7 0 7 に組み合 わせて用いてもよい。
本実施形態に係る塩基配列自動解析装置 7 0 0 を用いた自 動解析の動作の概略を図 7 2 のフローチヤ一 トに沿って説明 する。
まず、 1 6 の操作画面上で、 データ及び条件の入力を行う ( s 1 1 ) 。 次に、 カ セ ッ ト 7 0 3 の送出ポー ト 7 5 3 に、 図 5 5 Aに示す要領でピぺッ ト 7 9 1 を用いて試料を注入す る ( s l 2 ) 。 次に、 カセ ッ ト 7 0 3 のカセ ッ ト下蓋 7 1 2 の外表面 7 4 1 に貼付されたシール 7 5 0 を剥がす ( s 1 3 ) 。 このよ う に、 試料注入後にシール 7 5 0 を剥がすこ と によ り 、 試料注入の際に誤って電気コネク タ 7 3 0接続口に
薬液が滴下され、 シ ョ ー トするな どの誤動作を防止する こ と ができ る。
次に、 図 5 6 に示すよ う に、 スライ ドステージ 7 0 2 a を 開いた ト レイオープン状態で、 カセ ッ ト装着溝 7 9 2 にカセ ッ ト 7 0 3 を装着する ( s l 4 ) 。 次に、 ス ライ ド動作ボタ ン 7 0 4 a のボタ ンを押してカセ ッ ト 7 0 3 を筐体 7 0 1 内 に収容し、 ト レイ ク ローズ状態にする ( s i 5 ) 。 この収容 動作と と も に、 自動でバルブュニ ッ ト · プローブュニ ッ ト駆 動機構 7 0 6 a 及ぴ 7 0 6 b 力 Sノ ズル 7 0 7 a 及ぴ 7 0 8 a 及びプローブュニッ ト 7 1 0 を駆動する。 これによ り 、 送入 ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 にノズル 7 0 7 a 及び 7 0 8 a を圧接し、 両者間が液漏れや空気漏れが無いよ う に密 閉される ( s i 6 ) 。 その結果、 ノ ズル 7 0 7 a 及び 7 0 8 a と送入ポー ト 7 5 2及ぴ送出ポー ト 7 5 3 との間に密閉さ れた流路が確保される。 同時に、 電気コネク タ 7 3 0 とパッ ド 7 6 2 、 7 6 3 と の間で電気的接触を確保する。
これに よ り解析準備が整い、 1 6 の操作画面上でス ター ト ポタ ンを押すな どして開始指示を行 う ( s 1 7 ) 。
この開始指示を受ける と、 制御機構 1 5 は測定準備処理を 実行する ( s 1 8 ) 。 測定準備処理の詳細については後述す る。 測定準備処理が終了する と 、 制御機構 1 5 は測定系 1 2 送液系 1 3及び温度制御機構 1 4 の各構成要素をコ ンビユ ー タ 1 6 からの指示に基づき制御 し、 ハイプリ.ダイゼーシ ヨ ン 洗浄、 信号検出などの一連の測定動作を行 う ( s 1 9 ) 。 測 定が終了する と、 測定結果は制御機構 1 5 から コ ンピュータ
1 6 に送信され、 解析され、 解析結果がコ ン ピュータ 1 6 の 表示部に表示され終了する ( s 2 0 ) 。 こ の測定及び解析動 作は第 1 実施形態に示したもの と 同 じであるので詳細は省略 する。
図 7 0 は測定準備処理 ( s i 8 ) の一例のフローチャー ト を示す図である。 こ の図 7 0 に示す測定準備処理 ( s i 8 ) は、 ( s 1 9 ) の測定動作の前であれば、 例えば ( s 1 7 ) の前の段階 (例えば ( s 1 4 ) の前の段階) から実行され得 る。
まず、 ス ライ ド動作ポタ ン 7 0 4 a のボタ ンを押してス ラ ィ ドステージ 7 0 2 a を引き 出 し ト レイオープン状態にする ( s 1 8 1 ) 。 カセ ッ ト を装着 ( s l 4 ) した後にカセ ッ ト 7 0 3 を収容し、 ト レイ ク ローズ状態にする ( s l 8 2 ) 。 ト レイ ク ロ ーズ状態を例えばス テージ駆動機構 8 9 1 の駆動 動作な どによ り 検知 した制御機構 1 5 は、 マイ ク ロスィ ッチ 8 1 1 の切替信号に基づき カセ ッ ト装着の有無を判別する ( s 1 8 3 ) 。 カセ ッ ト無しと判定された場合、 ァラー ト表 示を表示部 8 9 3 に点灯させ ( s 1 8 4 ) 、 ステージ駆動機 構 8 9 1 を駆動 してスライ ドステージ 7 0 2 a又は 7 0 2 b をス ライ ドさせて ト レイオープン状態に し ( s i 8 5 ) 、 表 示部 8 9 3 にカセッ ト入れ直し指示を表示する ( s 1 8 6 ) , カセ ッ ト有無判別 ( s 1 8 3 ) でカセッ ト有り と判定され た場合、 制御機構 1 5 はシールの有無の判別を行 う ( s 1 8 7 ) 。 シールの有無の判別は、 検出光照射手段 8 1 2 から検 出光を照射し、 この検出光が検出光センサ 8 1 3 で検出でき
るか否かで判別する。 シールが剥がれていない、 すなわち検 出光が検出 されない場合には、 ( s 1 8 4 ) のァラー ト表示 に進み、 ト レイオープン状態に して ( s i 8 5 ) カセ ッ ト入 れ直 し指示を表示する ( s i 8 6 ) 。 この場合、 さ らにシー ル剥がし指示をあわせて表示するのが望ま しい。
シールが剥がれている、 すなわち検出光が検出光センサ 8 1 3 で検出 された場合には、 バルブュニッ ト ■ プロ ーブュニ ッ ト駆動機構 7 0 6 a 又は 7 0 6 b を駆動 してノ ズル 7 0 7 a 及び 7 0 8 a 又は 7 0 7 b及び 7 0 8 b を降下させる と同 時に電気コネク タ 7 3 0 を降下させてカセ ッ ト 7 0 3 に位置 決めする ( s 1 8 8 ) 。
制御機構 1 5 は、 電気コネク タ 7 3 0 からの検出信号を検 知する。 こ の検出信号によ り 、 プローブが接触したか、 すな わち電気コネク タ 7 3 0の各凸状電極 7 0 3 a と基板 7 1 4 上のパッ ド 7 6 2及び 7 6 3 の各々 とが確実に接触し、 電気 的接続が確実になされたかを判別する ( s 1 8 9 ) 。
接触している と判別した場合には測定準備処理 ( s 1 8 ) を終了して測定を開始する ( s 1 9 ) 。 接触 していない と判 別した場合には、 ァラー ト表示を点灯させ ( s 1 8 4 ) 、 ト レイ オープン状態に し ( s 1 8 5 ) 、 カセ ッ ト入れ直し指示 を表示させる ( s i 8 6 ) 。 この入れ直し表示と と もに、 入 れ直 しの理由 と して、 電気コネク タ 7 3 0 の良好な接触が得 られない旨の表示をあわせて行う こ と によ り 、 基板 7 1 4表 面を清掃するな どの対策を講じる こ と ができ る。
なお、 こ の図 7 0 では特に示さ なかったが、 カセ ッ ト種類
判別用 ピン 7 8 9 の押 し下げの程度を段階的に検知するセ ン サを設けておき、 複数のカセッ ト種類を判別する形態の場合.
( s 1 8 3 ) と ( s 1 8 7 ) と の間に、 カセ ッ ト種類判別ェ 程を付加 しても よい。 この場合、 当該センサが検知 した押し 下げの程度は制御機構 1 5 でカセ ッ トの種類を示すデータに 変換されて表示部 8 9 3 に表示される。 このよ う に、 所望の カセ ッ ト 7 0 3 であるか否かを測定開始前に確認する こ と に よ り 、 誤った種類のカセ ッ ト 7 0 3 を用いた測定を防止でき る。
図 7 1 は ( s 1 8 9 ) における電気的接続の有無の判別手 法を説明するための図である。 図 7 1 に示すよ う に、 予め基 板 7 1 4 上のパッ ド 7 6 2 とノ ッ ド 7 6 3 を 1 つずつ、 あわ せて計 4つのパッ ドを基板 7 1 4 内で短絡 しておく 。 電気コ ネク タ 7 3 0 を基板 7 1 4 上に降下させる と、 電気コネク タ 7 3 0側で端子 Aと端子 Bが、 また端子 C と端子 Dがそれぞ れいずれも短絡している こ と を制御機構 1 5 が検出 した場合 には、 制御機構 1 5 は電気コネク タ 7 3 0 と カセ ッ ト 7 0 3 が確実に電気的に接続されている と判断でき る。 逆に、 端子 Aと端子 B の短絡、 あるいは端子 C と端子 Dの短絡のいずれ かが制御機構 1 5 で検出できない場合には、 制御機構 1 5 は 電気コネク タ 7 3 0 と カセ ッ ト 7 0 3 が電気的に接触が得ら れていないと判断でき る。 なお、 プロープユニッ ト 7 1 0 a 7 1 O b とバルブュニ ッ ト 7 0 5 a 、 7 0 5 b は一体で昇降 移動するため、 この電気的接続の有無の判別で、 ノ ズル 7 0 7 a 、 7 0 7 b N 7 0 8 a 及び 7 0 8 b と送入及ぴ送出ポー
ト Ί 5 2及び 7 5 3 と の機械的接触、 すなわち気密性よ く 密 着しているか否かの確認を同時に行う こ と ができ る。
こ の よ う に本実施形態によれば、 ハイプ リ ダイゼーシ ョ ン から、 バッファ等によ る洗浄、 揷入剤を添加 した後の電気化 学信号の検出などの一連の測定動作を自動的に、 かつ安定的 に行 う こ と ができ る。
また、 本実施形態では、 溶液注入及び排出のポー ト を一体 型に したパッキン 7 1 3 を用いている。 すなわち、 基板 7 1 4側においては、 基板 7 1 4表面の電極の配列にあわせて、 1 次元的な流路を形成するための溝が設け られ、 流路の両端 においては、 基板 7 1 4側と反対側に、 基板 7 1 4表面に対 して垂直に伸びる円筒状の送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 を設け、 これら送入ポー ト 7 5 2及び送出ポー ト 7 5 3 から溶液を注入及び排出する。 これら送入ポー ト 7 5 2及 び送出ポー ト 7 5 3 には、 バルブュ- ッ ト 7 0 5 のノ ズル 7 0 7及ぴ 7 0 8 が、 シール性良く 装着される。 送入ポー ト 7 5 2 からは薬液又はエアが注入される。 そ して、 パッキン 7 1 3 と基板 7 1 4 の間の溝 7 5 8 で定められた流路を薬液又 はエアが流れた後、 も う一方の送出ポー ト 7 5 3 から薬液又 はエアが排出される。 また、 送出ポー ト 7 5 3 は、 基板 7 1 4表面に試料を注入するための試料注入ポー ト も兼用 してい る。 図 5 5 Αに示したよ う に、 ピペッ ト 7 9 1 を用いて試料 を注入する場合、 ピぺッ ト 7 9 1 の先端を送出ポー ト 7 5 3 に差込む。 この差込によ り 、 ピペッ ト 7 9 1 先端部分が送出 ポー ト 7 5 3 の内壁である流路 7 5 6 にシールされる。 この
シールの後、 ゆつ く り と ピぺッ ト 7 9 1 内の試料を押 し出す t これによ り 、 ピぺッ ト 7 9 1 内の試料は基板 7 1 4上に無駄 な く移動する。
本実施形態以外の構成の場合、 すなわち基板 (チップ) 上 に平面状のパツキンを搭載 し、 カセッ ト (チップカー ト リ ツ ジ) 内に流路を形成する構成を と る場合には、 カセ ッ ト内の 流路が長く ない不必要な試薬量が多く なる。 また、 カセ ッ ト に試料を注入する場合には、 流路が基板上のみな らずカセ ッ ト 内にも長く 存在するため、 基板以外の不要な部分に試料が 流れ込み、 無駄と なって しま う。 また、 ノ ッキンに対する力 セ ッ トの密着性が難し く 、 パッキンと カセ ッ ト と の間でリ ー ク が生じて しまい、 送液の不具合が発生する こ と が多い。 本 実施形態のよ う な構成によ り、 不必要な試薬量が少なく な り またパッキン、 基板及ぴカセッ ト の密着性が高く な り 、 送液 の安定性が増す。
送入及び送出ポー ト に比較して基板上の流路の方が極端に 大きい場合には、 基板上の流路ではポー ト よ り も圧力が下が り 、 薬液が沸騰しやすく な り 、 気泡が発生しやすく なる。 こ の気泡は測定に悪影響を及ぼす。 これに対 して本実施形態で は、 流路 7 5 6 , 溝 7 5 8 及び流路 7 5 7 にかけての流路を ほぼ一定の断面積で、 ほぼ一定の断面形状にする。 これによ り 、 圧力変動が少なく 、 薬液の沸騰を抑制でき、 塩基配列の 検出感度が高ま る。
また、 本実施形態のバルブュニ ッ ト 7 0 5 を用いる こ と に よ り 、 測定に使用する試薬量を最小限に抑える こ とが可能と
な り 、 ラ ンニ ングコ ス ト の低減が計れる。
すなわち、 例えばカセ ッ トや試験管など、 検査部に試薬を 導入する方法と しては、 金属製のニー ドルやノ ズルが用いら れる こ と が多い。 その理由 と しては、 ゴム製のキャップを二 一ドルで貫通させて薬液を吸引 も しく は排出する必要がある ため、 ゴムを貫通するための強度及び耐久性が要求されてい るためである。 しか しなが ら、 D N Aや塩基配列の検出を行 う際には、 金属イ オ ンは誤検出の原因 と なるため、 使用でき ない。 これに対してバルブュニ ッ ト 7 0 5 は P E E Kや P T F E などによ り 形成されてお り 、 さ らにパッキン 7 1 3 もシ リ コ ンゴムなどで形成されているため、 金属部材が用い られ ない。 したがって、 誤検出を抑制する こ とができ る。
また、 通常、 ニー ドルやノ ズルなど、 検査部へのポー ト と . 試薬切替のパルプと の間はチューブで接続されている。 こ の ため、 検査には直接使用する こ と の無いチューブ内の試薬量 が多く なつて しま う 。 また、 チューブ取り 付けはすべて手作 業で行な う ため、 チューブの長さの管理が困難で、 チューブ 接続の安定性は高く ない。 その結果、 バルブ間のチューブ内 容積が装置毎に微妙に異なる可能性が出てきて しま う。 従つ て、 装置毎にバルブ切換えタイ ミ ングを調整する必要が生じ てきてしま う 。 このよ う に、 試薬量の増大、 送液の不安定性 増大、 バルブ切換えタイ ミ ング調整必要、 な どの問題が発生 して しま う。 これに対して本実施形態のよ う にバルブュニッ ト 7 0 5 を用いる こ と で、 各バルブの間にチューブを用いる 必要がな く なる。 従って、 チューブを用いる こ と に起因する
上記種々 の問題を解消でき る。 すなわち、 流路長を短く する こ と ができ、 必要試薬量を大幅に削減でき る。 また、 バルブ 間の容量を一定に保持でき るため、 バルブ切替タイ ミ ングを 装置毎に調整する必要がな く な り 、 送液の安定性が向上する c このよ う に、 P E E Kなどの樹脂によ り ノ ズルを作製し、 かっこのノ ズルとバルブ、 さ らには配管を一体型に したマ二 フォール ド型のバルブュニ ッ ト を用いる こ と によ り 、 上記課 題を同時に解決でき る。
このよ う に、 本実施形態のバルブュニッ ト Ί 0 5及びカセ ッ ト 7 0 3 によ り 、 データの再現性が向上する。
なお、 本実施形態では図 3 5 に示す筐体 7 0 1 内に測定系 1 2 、 送液系 1 3 、 温度制御機構 1 4及び制御機構 1 5 を配 置する場合を示 したが、 これに限定されない。 例えば測定系 1 2 、 送液系 1 3 、 温度制御機構 1 4、 制御機構 1 5 の一部 を筐体 7 0 1 外に配置しても よい し、 1 6 を含めて筐体 7 0 1 内に配置しても よい。
バーコー ド 7 4 4 はカセ ッ ト下蓋 7 1 2 の外表面 7 4 1 に 設け られる場合を示 したが、 これに限定されず、 例えばカセ ッ ト上蓋 7 1 1 の外表面 7 2 1 に設け られても よい。
流路 7 5 6 , 流路 7 5 7及ぴ溝 7 5 8 は断面形状、 断面積 がほぼ等しい場合を説明 したがこれに限定されない。 例えば . 流路 7 5 6 , 流路 7 5 7及び溝 7 5 8 にかけて最も細い部分 の断面積に対して最も太い部分の断面積が約 1 3 0 %程度以 内であれば望ま しい。
図 5 5 Bでは、 パッキン先端形状と ノ ズル先端形状の組合
せの一例を示したが、 前述したパ ッキン及びノ ズル先端形状 の各種変形例のあ らゆる組合せが可能であ り 、 これによ り 、 パッキン及ぴノ ズルのシール性を高める こ と ができ る。
また、 ノ ズノレ 7 0 7 , ノ ズル 7 0 8 , バルブボディ 7 8 1 及び 7 8 2 の材質と して P E E K及び P T F Eを用いる場合 を示 したが、 これに限定されず、 例えば P F A、 P C、 P M MA、 P P S、 P B T、 P C T F Eのいずれかを用いても よ い。 また、 こ の他にも加圧によ り 変形可能な樹脂であれば適 用可能である。
また、 バルブボディ 7 8 1 は、 3つのバルブ弁、 あるいは 4つのバルブ弁が設け られたマニフォ一ル ドと して示され、 バルブボディ 7 8 2 は、 2つのバルブが設け られたマエフォ 一ノレ ドと して示されているが、 マニ フ ォ一ノレ ドの ノ ルプの個 数は上記 したものに限定されない。 少な く と も 2つのバルブ が設けられたマニフォ一ル ドや、 少なく と も 2つのバルブと ノ ズル 7 0 7及ぴ 7 0 8 が連通 した構成であればよい。
また、 カセ ッ ト 7 0 3 とバルブュニッ ト 7 0 5 の双方を最 適化する実施形態と して記載したが、 これに限定されない。 例えばカセ ッ ト 7 0 3 のみを上記の通 り 最適化し、 バルプュ エツ ト 7 0 5 にかえて従来のバルブ構成を用いても本実施形 態の効果を奏する し、 パルプュニッ ト 7 0 5 を上記の通 り 最 適化 し、 カセ ッ ト 7 0 3 にかえて従来のカセ ッ ト (チップ力 ー ト リ ッジ) を用いても本実施形態の効果を奏する。
また、 基板 7 1 4 には作用極、 対極及び参照極の組合せか らなる 3 電極系 7 6 1 が形成される例を示したが、 これに限
定されない。 例えば図 7 A、 7 Bや図 1 0、 図 1 1 に示すの と 同様に、 ノ、。ッキン 7 1 3 に対極及び参照極を形成しておき、 基板 7 1 4 には作用極のみを配置しても よい。
また、 バルブュ- ッ ト ■ プローブュニッ ト駆動機構 7 0 6 によ り バルブュニッ ト 5 を駆動させる こ と によ り カセ ッ ト 7 0 3 のポー ト 7 5 2及び 7 5 3 と ノズル 7 0 7及び 7 0 8 と の位置決めを行 う場合を示したが、 これに限定されない。 ポ 一ト 7 5 2及ぴ 7 5 3 と ノ ズル 7 0 7及び 7 0 8 と の間を相 対的に移動させるためのものであれば、 バルブユニッ ト ' プ ローブュ - ッ ト駆動機構 7 0 6 に代えてカセ ッ ト 7 0 3 をバ ルブュエツ ト 7 0 5 に対して駆動させて移動させるカセ ッ ト 駆動機構を用いても よい。
(実施例)
(実施例 1 )
上述した第 1 実施形態の塩基配列検出装置を用い、 S N P s 検出を行った例を以下説明する。 こ こでは、 M x A— 8 8 位遺伝子の S N P s 塩基配列が、 G Z G型であるか T / T型 であるか、 も しく は G Z Tヘテロであるかを判別する場合に 適用する。
塩基配列検出チップの作用極 5 0 1 には、 M X A遺伝子に 相捕的な配列を持つ D N Aプローブをあ らかじめ固定化 して おく 。 S N P位置の塩基を A T G C と置換した 4種類のプロ ーブ D N A断片と、 全く 異なる配列を持つ D N A断片 (ネガ ティ ブ · コ ン ト ロールと呼ぶ) をそれぞれ別の電極 (作用極 5 0 1 ) 上に固定化 しておく 。 こ こでは、 N末端にシスティ
ンを修飾 したそれぞれのプローブを 2 0 0 n Lずつスポッ ト して 1時間放置する こ と によ り 、 A u からなる作用極 5 0 1 への固定化を行った。 この よ う に して、 準備 した塩基配列検 出チップ 2 1 が封止されたプリ ン ト基板 2 2 をチップカー ト リ ッジ 1 1 に装着しておく 。
次に、 S N P位置の塩基が G型であるターゲッ ト と なる D N Aを 2 x S S C — l m m o l / L E D T A溶液に溶解し た後、 試料注入口 1 1 9 から ピぺッ ト等を用いて、 セル 1 1 5 内に注入する。 こ こで、 試料溶液は、 送出ポー ト 1 1 6 b 側の試料注入口 1 1 9 力ゝら、 セル 1 1 5 内に溶液を満た しな が ら送入ポー ト 1 1 6 a側に流れていく 。 送入ポー ト 1 1 6 a の外周は、 シー 材 2 4 a の内周に接する位置に形成され ている こ と 力 ら、 セル 1 1 5 内に気泡を残すこ と なく 、 完全 に試料溶液をセル 1 1 5 内に充填する こ と が出来る。
次に、 このチップカー ト リ ッジ 1 1 を装置本体 (測定系 1 2 , 送液系 1 3 , 温度制御機構 1 4 ) に装着し、 コ ンビユ ー タ 1 6 によ る装置プロ グラムを始動させる こ と によ り 、 以降 の処理は、 すべて自動的に行われる。
こ こでは、 自動処理の内容を説明する。 まず、 4 5 °Cにて 1 5 分間反応 (ハイプリ ダイゼーシヨ ン) させる。 その後、 送液系 1 3 の電磁弁やポンプを制御する こ と によ り 、 0 . 2 x S S C - l m m o 1 / L E D T A溶液をセル 1 1 5 内に 送液する。 そして、 セル 1 1 5 内にこの溶液を充填した状態 で、 5 5 °Cにて 3 0分間保持する こ と によ り 、 塩基配列検出 チップ 2 1 上の配列の異なる電極 2 1 1 , 2 1 2 に非特異吸
着した D N Aを洗浄する。 次に、 Ι Ο μ πι ο Ι / Lのへキス ト 3 3 2 5 8溶液をセル 1 1 5 内に送液する。 そ して、 セル 1 1 5 内に充填した状態で、 測定系 1 2 によ り 、 各作用極 5 0 1 におけるへキス ト 3 3 2 5 8 からの酸化電流を測定する t 続いて、 コンピュータ 1 6 は、 解析プロ グラムによ り 、 電 流 · 電圧特性カーブから、 へキス トの酸化電流に相当する領 域を抽出 し、 そのピーク電流値を各電極 (作用極 5 0 1 ) に 対して導出する。 更に、 解析プロ グラムのアルゴリ ズムに従 つて型判定フ ィ ルタ リ ングなどの統計処理を行い、 ターゲッ ト D N Aの型判定を行う。 得られた判定結果はコ ン ピュータ 1 6 のディ スプレイ に表示される。 その結果、 プロープ配列 が C型のプローブに相当する電極からの信号強度が最も大き く 、 ターゲッ ト D N Aの S N P位置の塩基配列は G型と の判 定が出来た。
塩基配列検出チップ 2 1 面內における同一種の電極に対す る電流値の均一性は、 C V値で 5 %以内 と なった。 その結果. S N P s 検出の信頼性が従来方法に比べて向上した。
(実施例 2 )
上述した第 2実施形態の塩基配列検出装置を用い、 S N P s 検出を行った例を以下説明する。 こ こ では、 M x A— 8 8 位遺伝子の S N P s 塩基配列が、 G/ G型であるか T // T型 であるか、 も し く は G / Tヘテロ であるかを判別する場合に 適用する。
基板 7 1 4 の作用極には、 M X A遺伝子に相捕的な配列を 持つ D N Aプローブをあらかじめ固定化しておく 。 S N P位
置の塩基を A T G C と置換した 4種類のプローブ D N A断片 と、 全く 異なる配列を持つ D N A断片 (ネガティ ブ ' コ ン ト ロ ール と呼ぶ) をそれぞれ別の作用極上に固定化しておく 。 こ こでは、 N末端にシスティ ンを修飾したそれぞれのプロ一 ブを 2 0 0 n Lずつスポッ ト して 1 時間放置する こ と によ り 、 A u からなる作用極への固定化を行った。 このよ う に して、 準備 した基板 7 1 4 をカセ ッ ト 7 0 3 に装着 しておく 。
次に、 S N P位置の塩基が G型であるターゲッ ト と なる D N Aを 2 X S S C - l m m o 1 / L E D T A溶液に溶解し た後、 送入ポー ト 7 5 2 力、ら ピペッ ト 7 9 1 を用いて、 溝 7 5 8及ぴ基板 7 1 4 で定まる流路 (セル) 内に注入する。
次に、 このカセ ッ ト 7 0 3 をスライ ドステージ 7 0 2 に載 置して筐体 7 0 1 内に収容し、 コ ン ピュータ 1 6 によ る装置 プロ グラムを始動させる こ と によ り 、 以降の処理は、 すべて 自動的に行われる。
こ こでは、 自動処理の内容を説明する。 まず、 4 5 °Cにて 1 5分間反応 (ハイブリ ダィゼーシヨ ン) させる。 その後、 送液系 1 3 の電磁弁やポンプを制御する こ と によ り 、 0 . 2 X S S C — l m m o 1 / L E D T A溶液をセル内に送液す る。 そ して、 セル内にこ の溶液を充填した状態で、 5 5 °Cに て 3 0分間保持する こ と によ り 、 基板 7 1 4上の配列の異な る電極に非特異吸着 した D N Aを洗浄する。 次に、 Ι Ο μ πι o 1 ZLのへキス ト 3 3 2 5 8溶液をセル内に送液する。 そ して、 セル内に充填した状態で、 測定系 1 2 によ り 、 各作用 極におけるへキス ト 3 3 2 5 8 からの酸化電流を測定する。
続いて、 コ ンピュータ 1 6 は、 解析プロ グラ ムによ り 、 電 流 · 電圧特性カーブから、 へキス ト の酸化電流に相当する領 域を抽出 し、 そのピーク電流値を各作用極に対して導出する。 更に、 解析プロ グラ ムのアルゴ リ ズムに従って型判定フ ィ ル タ リ ングな どの統計処理を行い、 ターゲッ ト D N Aの型判定 を行 う。 得られた判定結果はコ ンピュータ 1 6 のディ ス プレ ィ に表示される。 その結果、 プローブ配列が C型のプローブ に相当する電極からの信号強度が最も大き く 、 ターゲッ ト D N Aの S N P位置の塩基配列は G型との判定が出来た。
基板 7 1 4面内における同一種の電極に対する電流値の均 一性は、 C V値で 3 °/0以内 と なった。 その結果、 S N P s 検 出の信頼性が従来方法に比べて向上した。
以上詳述したよ う に本実施形態によれば、 電気化学反応特 性の均一性が高ま り 、 検出の信頼性が向上する。
また、 塩基配列検出及び検出 したデータの解析までを含め 自動で実行する こ と ができ るため、 データや測定の再現性が 向上する。
産業上の利用可能性
以上説明 したよ う にこの発明は、 塩基配列を検出するため の塩基配列検出装置の技術分野及び塩基配列を検出するため の塩基配列自動解析装置の技術分野に有効である。