JPH10318966A - 電気化学分析用フロースルーセル - Google Patents

電気化学分析用フロースルーセル

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JPH10318966A
JPH10318966A JP12584197A JP12584197A JPH10318966A JP H10318966 A JPH10318966 A JP H10318966A JP 12584197 A JP12584197 A JP 12584197A JP 12584197 A JP12584197 A JP 12584197A JP H10318966 A JPH10318966 A JP H10318966A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 B/F分離の効率を高め、また試料からの極
微量な発光を漏れなく検出する。 【解決手段】 電気化学発光分析用の作用電極1及び対
電極2a,2bの上流側に、フリータンパク質除去用の
作用電極3や対電極4を設ける。また、分析用の作用電
極1及び対電極2a,2bに付着したフリータンパク質
を洗浄するための洗浄液を導入する側道21を設ける。
さらに分析用の対電極2a,2bの近傍に光ガイド31
a,31bを設けて集光力を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学法又は電
気化学発光法により試料水溶液中の極微量のホルモン、
腫瘍マーカー、薬物、酵素、サイトカイン、核酸等を定
量するのに好適な免疫分析用のフロースルーセルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】免疫分析の分野では、試料中の極微量
(10-14mol・dm-3以下)の測定対象分析物の存在
及び濃度を、発光ラベルを利用して測定するための分析
法として、蛍光法、化学発光法及び電気化学発光法が利
用されている。蛍光法は光励起により試料から発せられ
る発光を検出し、電気化学発光法は試料に電圧を印加し
たときに試料から発せられる発光を検出する。これらの
方法は、ホルモン等の測定対象分析物に抗原抗体反応に
より発光試薬を結合させ、発光試薬由来の発光を定量す
るものである。なかでも電気化学発光法は原理上検出感
度が高い。
【0003】この電気化学発光法では、測定対象試料に
電極を接触させることが必要であるため、一般にフロー
スルーセル内に試料を流しながら測定が行われる。一般
には、特公平7−6912号公報に記載されているよう
に、このフロースルーセルの発光面となる作用電極を構
成する壁面の外部に磁石を配置し、磁性ビーズを用いて
B/F分離を行って測定精度を向上させる方法が採用さ
れている。B/F分離とは、抗原抗体反応により測定対
象分析物と発光試薬が結合した結合成分と測定対象物質
と結合していない発光試薬であるフリー成分とを分離す
ることである。
【0004】一方、表面に抗体を塗布した導電性ビーズ
を流路内に導入して、作用電極と対電極の間に配置させ
た後、電極間に電圧を印加して電極間の電流値又は電気
抵抗値の変化を測定することで、ビーズ表面に抗原抗体
反応により結合した測定対象物質を定量するフロースル
ーセルも考案されている〔M.Mayer, J.Ruzicka, Anal.C
hem., 68, 3808-3814(1996) 参照〕。
【0005】本明細書では、前記電気化学発光法で用い
られるフロースルーセルと、電極間の電流値又は電気抵
抗値を測定して分析を行うフロースルーセルとを総称し
て電気化学分析用フロースルーセルと呼ぶ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来用いられてきた電
気化学分析用フロースルーセルでは、測定対象分析物に
対して過剰量の発光試薬を加えている。これは極微量の
測定対象分析物に高確率で発光試薬を結合させるためで
ある。しかしB/F分離が十分になされないと、測定対
象分析物と結合していない発光試薬(フリー成分)由来
の発光がノイズとなり、S/N比が低下する。
【0007】例えば磁性ビーズを用いたB/F分離法で
は、特公平7−6912号公報に記載されているよう
に、測定対象分析物と発光試薬が結合したもの(結合成
分)を更に磁性ビーズに結合させ、磁石により磁性ビー
ズを捕捉したまま、水流の力でフリー成分を洗い流して
いる。しかし、Pt等で構成される作用電極表面にフリ
ー成分が吸着してしまう非特異吸着と呼ばれる現象が知
られており、水流の力だけではB/F分離の時間が長く
かかるのが現状である。また、作用電極と対電極の間に
流れる電流値や電気抵抗を測定するタイプの電気化学分
析用フロースルーセルでも、作用電極又は対電極表面に
非特異吸着するフリー成分が電流値を乱す原因となって
いる。
【0008】一方、従来用いられてきた電気化学分析用
フロースルーセルの形状は平面型である。そして、光出
射面である作用電極からの光は、作用電極から見て対電
極の裏側にある光検出器で測定される形状となってい
る。このため、従来形のフロースルーセル内の作用電極
上から発生した発光の全てが、実際にフォトマル、フォ
トダイオード等の光検出器で検出されている訳ではな
い。
【0009】この第1の理由は、作用電極と光検出器の
中間に配置された対電極に光の一部が遮られるためであ
る。またフロースルーセル内部で生じた発光は、セルの
一部分を構成する透明窓、及び光検出器とフロースルー
セルの隙間としての空気層を経て、光検出器の受光面に
入射する。光がガラス等から構成される透明窓を抜けて
空気層に入る際、すなわち屈折率の大きい物質から小さ
い物質に光が入射する際には、その界面での反射率が高
く、臨界角を越えると全反射が生じる。従ってフロース
ルーセル内の作用電極上での発光が光検出器に到達しな
い第2の理由は、透明窓と空気層との界面での光反射で
ある。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたもので、その第1の目的は、B/F分離
の効率を高めて、短時間でB/F分離を行うことで、装
置のスループットを向上させることが出来る電気化学分
析用フロースルーセルを提供することにある。また、本
発明の第2の目的は、試料からの極微量な発光を漏れな
く検出することが出来る電気化学分析用フロースルーセ
ルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的は、電気
化学反応を起こして測定を行う電極の流路上流側におい
て、試料流体中のフリーなタンパク質を除去するか、あ
るいは減少させる機構を備えることで達成される。ま
た、前記第1の目的は、電極表面に非特異吸着したフリ
ー成分は、界面活性剤やアルカリ性の洗浄液を加えつつ
水を流すとより短時間で洗浄される性質を利用すること
で達成される。前記第2の目的は、作用電極の表面から
発生した光を反射させつつ光検出器へと導く役割を有す
る光ガイドをフロースルーセルの内部に組み込むことで
達成される。
【0012】すなわち、本発明は、試料流体が流入する
試料流入部と、試料流体が流出する試料流出部と、試料
流入部と試料流出部とを接続する試料流路部と、試料流
路部の壁面の一部を構成する作用電極と、作用電極に対
する対電極とを備える電気化学分析用フロースルーセル
において、作用電極の上流側に、試料流体中のフリーな
タンパク質を除去する手段を備えたことを特徴とする。
【0013】フリーなタンパク質を除去する手段は、第
2の作用電極と第2の対電極とで構成することができ
る。これは、前述した現状のフロースルーセルにおいて
問題となっている非特異吸着現象そのものを逆に利用し
て、フリー成分を流路上流側において除去、あるいは減
少させる方法である。上記の作用電極と対電極は、電気
化学法あるいは電気化学発光法により、測定対象分析物
を測定するための分析用の電極である。そして、その上
流側に位置する第2の作用電極と第2の対電極は、分析
用の作用電極又は対電極のいずれか、あるいは両方に吸
着して測定ノイズの原因となる非特異吸着を、自らに吸
着させるための電極である。
【0014】本発明の電気化学分析用フロースルーセル
は、内部の水流が層流となるように流速を制御すること
が出来る。水流が層流である場合、作用電極あるいは対
電極に非特異吸着するフリー成分は、その上流の流路内
部でも、分析用の作用電極あるいは対電極を内包する壁
面の近傍を通過していると考えられる。従って、壁面近
傍を通過するフリー成分を直前に配置された第2の作用
電極あるいは第2の対電極で吸着することで取り除き、
分析用の作用電極及び対電極に吸着するフリー成分を減
少させることが出来る。なお流路内で壁面から離れた部
分を通過するフリー成分は、電極に吸着されることがな
いので、そもそも測定ノイズの原因とはなりにくい。従
って、壁面近傍を流れるフリー成分のみを取り除けば良
い。しかし、壁面近傍を流れていないフリー成分につい
ても除去効果があることも期待できる。
【0015】いったん分析用の作用電極や対電極、ある
いは第2の作用電極や対電極に吸着したフリー成分は、
測定終了後に、界面活性剤やアルカリ性溶液等の洗浄液
を流すといった現状のフロースルーセルの技術で十分短
時間に洗い流すことができる。そこで、再度計測する際
の問題点はない。また、前記フリーなタンパク質を除去
する手段は、フリーなタンパク質が吸着しやすい多孔質
セラミックスや疎水性の大きい材料、あるいは抗原固定
化膜などからなるフリータンパク質吸着板とすることも
できる。
【0016】前記フリーなタンパク質を除去する手段
は、試料流入部の上流側の流路の途中に設けてもよい
し、フロースルーセル内部の試料流路部に設けてもよ
い。電気化学法を利用する場合は、作用電極と対電極間
の電流値又は電気抵抗値の変化を計測する手段、具体的
には電流計や抵抗計を備えることができる。また、電気
化学発光法を利用する場合は、対電極を内包する壁面を
光透過性材料で構成するのが好ましい。
【0017】前記フリーなタンパク質を除去する手段を
試料流路部に設けた第2の作用電極と第2の対電極とで
構成する場合、作用電極に対向する壁面を光透過性と
し、第2の作用電極に対向する壁面を遮光性とするのが
好ましい。作用電極に近接する壁面の外部に磁石を配置
することで、磁性ビーズを用い、B/F分離を行って測
定精度を向上させることもできる。
【0018】また、本発明は、試料流体が流入する試料
流入部と、試料流体が流出する試料流出部と、試料流入
部と試料流出部とを接続する試料流路部と、試料流路部
の壁面の一部を構成する作用電極と、作用電極に対する
対電極とを備える電気化学分析用フロースルーセルにお
いて、作用電極の上流側の流路壁に洗浄液導入用の側道
を設け、側道から導入される洗浄液の量を調整する手段
を備えることを特徴とする。洗浄液は、B/F分離中に
洗浄液タンクから側道を介して試料流路部に加えられ
る。
【0019】洗浄液を予め試料流体に加えておくことも
可能である。しかし、この場合は、洗浄液を加える時期
や、その量を細かく制御することが出来ない。そのた
め、結合成分の抗原抗体結合を壊してしまう可能性が大
きくなる。洗浄液を加えるための測道を設けて、洗浄液
を加える時期や、その量を制御することで、結合成分に
対する侵襲を小さくすることが出来る。
【0020】洗浄液としては、非イオン性界面活性剤又
は陰イオン性界面活性剤を用いることができ、洗浄液の
温度は15℃〜40℃の範囲とするのが好ましい。ま
た、洗浄液を導入した後、試料流体の流れる方向を反転
する手段を備えることもできる。また、本発明は、試料
流体が流入する試料流入部と、試料流体が流出する試料
流出部と、試料流入部と試料流出部とを接続する試料流
路部と、試料流路部の壁面の一部を構成する作用電極
と、作用電極に対する対電極とを備える電気化学分析用
フロースルーセルにおいて、作用電極又は対電極の近傍
に作用電極から発せられた光をセル外に導くための光ガ
イドを設けたことを特徴とする。
【0021】対電極そのものも光反射板として機能する
が、別に光ガイドを設けることで、対電極上で反射して
外縁方向へ逃げていく光を、再度反射して光検出器へと
集光する機能を持たせることが出来る。光ガイドは、そ
の上で光を反射させることで、透明窓と空気層との界面
での光の入射角を小さくして光の反射を少なくする作用
もする。
【0022】光ガイドは、対電極の側面を光ガイドとし
て利用してもよいし、対電極と平行に平板形状の光反射
面を配置したり、対電極の周囲を囲むように筒形の光反
射面を配置したり、対電極を埋め込んだ光ファイバーに
よって光ガイドを構成してもよい。あるいは、作用電極
を透明電極とし、光ガイドとして作用電極の周囲を囲む
ように筒形の光反射面を備えてもよい。
【0023】作用電極と光検出器の中間に配置される対
電極の遮光面積を減少させ、作用電極から光検出器に向
かう発光が対電極によって妨げられないようにすること
が望ましい。対電極の遮光面積を小さくするために電極
幅を減少させた際、対電極の断面積が小さくなることに
より発生するジュール熱を低く押さえるために、対電極
の高さを大きくする必要があるが、平板型、円筒型、楕
円筒型、矩形型の電極はこの目的とも合致した形状であ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図3は、本発明の一形態で
ある、電気化学発光法を用いた電気化学分析用フロース
ルーセルの概略図である。図1は試料流れに対して横方
向から見た側面図、図2は試料流入側から見た側面図、
図3は図1のA−A方向から見た平面断面図である。
【0025】この電気化学分析用フロースルーセルは、
光透過性構造材7、非吸水性構造材8、及び支持材9を
積層して構成され、中間の非吸水性構造材8をくり抜い
て試料流体の流路が形成されている。光透過性構造材7
にはガラスやアクリル、ポリメタクリル酸メチル等の材
料を用いることができ、非吸水性構造材8や支持材9に
はプラスチック等の高分子化合物、Alやステンレス等
の金属、あるいはセラミックを用いることが出来る。非
吸水性構造材8の試料流体と接する面を曲面とすること
で、試料流体の流れをスムーズにすることが出来る。
【0026】試料流路には分析用の作用電極1と対電極
2a,2bが配置されており、これらの電極から試料流
体に対して電圧を印加して発光を生じさせる。その水流
の上流側に、フリー成分吸着用の作用電極3と対電極4
が設置されている。分析用の作用電極1や対電極2,2
bを構成する材料には、対腐食性の高いPtや、電極と
して一般に用いられているAl,Ag等の金属を用いる
ことが出来る。また、フリー成分吸着用の作用電極3や
対電極4を構成する材料にも、電極として一般に用いら
れているPt,Al,Ag等の金属を用いることが出来
る。あるいは炭素電極等の有機導電性物質を用いてもよ
い。そして、作用電極3及び対電極4の表面は滑らかで
あっても、適当な凸凹があっても、フリー成分を捕らえ
るためには支障がない。
【0027】作用電極1に近い側のフロースルーセル外
部側壁には磁石11が配置されている。このように光出
射面を構成する試料流路の壁面の外部に磁石11を配置
することで、磁性ビーズを用い、B/F分離を行って測
定精度を向上させる方法を採用することが出来る。この
磁石11は、電磁石であってもよいし、永久磁石であっ
ても良い。磁石11の磁力によって作用電極1上に捕捉
されている磁性ビーズは、分析終了後、電磁石への通電
を遮断して、あるいは永久磁石を機械的にフロースルー
セルより遠ざけて磁力を弱めることにより、フロースル
ーセルから排出する。
【0028】試料流体は試料流入口5からセル内部に導
入され、まずフリー成分吸着用の作用電極3と対電極4
の間を通過する。このとき、フリー成分はフリー成分吸
着用の作用電極3及び/又は対電極4に吸着して試料流
体中の濃度が減少する。その後、分析用の作用電極1と
対電極2a,2bの間で、磁石11により捕捉される。
続いて作用電極1と対電極2a,2bの間に電圧を印加
して生じた発光を、光透過性構造材7を介してフォトマ
ルやフォトダイオード等の光検出器10で検出する。
【0029】測定終了後の試料は、試料流出口6から排
出される。また洗浄液を試料流入口5から導入して、分
析用の作用電極1及び対電極2a,2b、フリー成分吸
着用の作用電極3及び対電極4の表面を洗浄する。フリ
ー成分吸着用の作用電極3あるいは対電極4上でも、フ
リー成分由来の発光が生じるが、図1〜3に示すよう
に、光検出器10に対して、フリー成分由来の発光が届
きにくいか、届かない配置をとることで、あるいはフリ
ー成分吸着用の作用電極3あるいは対電極4と光検出器
10との間を遮光することで、測定対象分析物由来の発
光を含む分析用の作用電極1と対電極2a,2bからの
発光のみを計測することが出来る。
【0030】図4は、分析用の作用電極1と対電極2
a,2bの間にかかる電圧を、フリー成分吸着用の作用
電極3と対電極4の間にかかる電圧に等しくした場合の
ポテンショスタット回路図である。後述するように、−
0.5Vから+0.5Vの範囲内で、B/F分離の間に
電圧を印加しても、発光強度は変化せずに非特異吸着の
みが増加する条件が存在する。この条件で電圧をコント
ロールすれば、分析用の作用電極1と対電極2a,2b
の間にかかる電圧を、フリー成分吸着用の作用電極3と
対電極4の間にかかる電圧に等しても、本発明の目的を
達成することが出来る。図4中、12,13は参照電極
であり、14は増幅器である。
【0031】図5は、2個の増幅器14a,14bを用
いて、フリー成分吸着用の作用電極3と対電極4の間に
かかる電圧を、分析用の作用電極1と対電極2a,2b
の間にかかる電圧と独立して制御する場合のポテンショ
スタット回路図である。この回路構成の場合は、フリー
成分吸着用の作用電極3と対電極4の電圧を発光が生じ
ない電圧で増減させることで、ノイズの減少をより低く
押さえることが可能となる。
【0032】〔実験例1〕Ru(bpy)3 2+(bpy
はビピリジルを意味する)で標識されたビオチンがPt
電極表面に吸着する量を電気化学発光法によって検出し
た。B/F分離時の印加電圧を変化させることで、フリ
ー成分の吸着量がどのように変化するかを調べた。
【0033】Ru(bpy)3 2+は、電気化学発光する
代表的な物質である。Ru(bpy)3 2+標識したビオ
チンタンパク質(0.133マイクログラム/マイクロ
リットル)を用いて、Pt電極に吸着するビオチンタン
パク質を、電気化学発光法で測定した。実験に用いたビ
オチンタンパク質の量は23.94マイクログラムであ
る。Ru(bpy)3 2+標識したビオチンタンパク質
は、抗体と結合していないフリー成分に相当するとし
た。B/F分離の際に18秒間、一定電圧を、フリー成
分除去用Pt電極3,4に印加している。B/F分離の
際の印加電圧とフリー成分の増加率との関係を〔表1〕
に示す。但し、吸着増加率は、[電圧印加した場合のビ
オチンの吸着量(発光量)]/[電圧印加しない場合の
ビオチンの吸着量(発光量)]の比率である。
【0034】
【表1】
【0035】このように+0.4V以上、あるいは−
0.1V以下の電圧を18秒間印加することでフリー成
分(ここではビオチン)が電極上に吸着する量が増える
こと、及びその吸着量が電圧の大きさに依存することが
分かる。
【0036】〔実験例2〕Ru(bpy)3 2+で標識さ
れた磁性ビーズを磁石によりPt電極表面で捕捉して電
気化学発光法によって検出した。B/F分離時の印加電
圧を変化させることで、Ru(bpy)3 2+で標識され
た磁性ビーズの発光がどのように変化するかを調べた。
【0037】Ru(bpy)3 2+標識したビオチンタン
パク質(23.94マイクログラム)と、ストレプトア
ビジンで表面をコートした磁性ビーズを常温で1時間イ
ンキュベートする。すると、アビジン−ビオチン結合が
起こり、磁性ビーズがRu(bpy)3 2+で標識され
る。しかし、Ru(bpy)3 2+標識したビオチンタン
パク質の中には、ストレプトアビジンと結合しない成分
があり、これを実験例1と同様にフリー成分とみなす。
また、アビジン−ビオチン結合により磁性ビーズと結合
したビオチンタンパク質を結合成分とみなす。
【0038】磁石を用いて、Pt電極上に捕捉される磁
性ビーズの量を、電気化学発光法で測定した。そのB/
F分離の際に18秒間、一定電圧を、フリー成分除去用
Pt電極3,4に印加した。なお、結合成分の量は、フ
リー成分の量と比較して桁違いに大きいので、測定され
た発光量は結合成分の量と比例する。B/F分離の際の
印加電圧と結合成分の増加率との関係を〔表2〕に示
す。但し、結合成分の増加率は、(電圧印加した場合の
発光量)/(電圧印加しない場合の発光量)の比率であ
る。
【0039】
【表2】
【0040】このようにRu(bpy)3 2+を用いた系
では、−0.1Vから+0.5V程度の電圧をB/F分
離時に印加しても、発光値に悪影響は生じない。しか
し、その範囲を超えて電圧をB/F分離時に印加する
と、結合成分の電気化学発光そのものを阻害することに
なる。これは、Ru(bpy)3 2+が電気化学発光する
際に必要となる還元剤(実験で用いたのはトリプロピル
アミン)が電極上で過剰に消費されるためであると考え
られる。
【0041】実験例1の結果と総合すると、+0.3V
〜+0.5Vの電圧をフリー成分除去用電極に十数秒程
度印加することで、結合成分由来の発光を阻害すること
なく、フリー成分除去用電極にフリー成分タンパク質を
吸着させることができる。その結果、電気化学発光のS
/N比を向上させることができる。図6は、本発明によ
る電気化学分析用フロースルーセルの他の例を説明する
図である。図6は、図3に相当する平面断面図である。
この例では、分析用の作用電極1と対電極2a,2bの
水流の上流側に、フリー成分除去用のフリータンパク質
吸着板15を設置する。その他の構造は、先に説明した
図1〜3の例と同様である。
【0042】フリータンパク質吸着板15としては、ハ
イドロキシアパタイト等の多孔質セラミックスの細孔径
を利用する。ハイドロキシアパタイト単体により、タン
パク質、アミノ酸の吸着を行うことができる。また、ポ
リエチレンやシリコンゴムのように疎水性の大きい(表
面エネルギー中の分散力成分の割合の大きい)材料を用
いることができる。これらの材料は、タンパク質の吸着
を受けやすいことが知られている〔先端技術材料応用辞
典編集委員会編「先端技術材料応用辞典」(1990)
第117頁、第388頁参照〕。フリータンパク質の成
分が分かっている場合には、その物質と抗原抗体反応を
生じる物質を、細孔制御チタニア、細孔制御アルミナ、
細孔制御シリカ等の担体に固定化して用いてもよい。例
えば、フリータンパク質としてビオチンが含まれる場合
には、ストレプトアビジンを固定化して用いる。フリー
タンパク質吸着板15を用いる場合には、使用を続ける
と吸着板15の吸着性能が飽和してくるので、使い捨て
式のセルとするのが好ましい。
【0043】図7〜図9は、本発明による電気化学分析
用フロースルーセルの他の例を説明する図である。図7
は試料流れに対して横方向から見た側面図、図8は試料
流入側から見た側面図、図9は図7のA−A方向から見
た平面断面図である。説明を簡単にするため、図7〜図
9において、図1〜図3と同様の機能部分には図1〜図
3と同じ番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0044】この電気化学分析用フロースルーセルは、
作用電極1と対電極2a,2bにより、試料流体に対し
て電圧を印加して発光を生じさせる。その水流の上流側
に洗浄剤を導入する側道21を設け、側道21に接続し
て洗浄液タンク22及び弁23を設置する。試料流体は
試料流入口5からフロースルーセル内部に導入され、作
用電極1と対電極2a,2bの間で、磁石11により捕
捉される。
【0045】続いて、水流を継続させたまま、側道21
より洗浄液を導入して、作用電極1及び対電極2a,2
bの表面に吸着したフリー成分を洗浄する。その後、作
用電極1と対電極2a,2bの間に電圧を印加して生じ
た発光を、光検出器10で検出する。測定終了後の試料
は、試料流出口6から排出される。また、洗浄液を試料
流入口5からも導入して、作用電極1と対電極2a,2
bの表面を洗浄することで次の測定に備える。
【0046】側道21から導入する洗浄液としては、ド
デシルポリ(エチレングリコールエーテル)、オクチル
フェノールポリ(エチレングリコールエーテル)、ポリ
オキシエチレンソルビタン等の非イオン性界面活性剤、
あるいはソディウムドデシルサルフェート(SDS)等
の陰イオン性界面活性剤を用いることができる。洗浄液
の濃度を、抗原抗体反応が切断されない濃度にしておく
ことで、測定対象物質の定量には支障がない条件で、非
特異吸着したフリー成分をより短時間で洗浄することが
出来る。抗原抗体反応が切断されない濃度は、洗浄液を
加える時間により異なる。例えば、洗浄液を1秒間しか
加えないのであれば、界面活性剤やアルカリ性の洗浄液
の濃度は、体積比にして3%程度でよい。しかし、10
秒間以上加える場合は、体積比にして0.05%程度が
限度となる。
【0047】試料流体は、例えばシリンジをパルスモー
タで駆動することによってフロースルーセル内に導入さ
れる。そして、シリンジを駆動するモータの回転方向を
一方向とすることで、電気化学分析用セル内部の溶液の
流れを一方向とすることができる。また、パルスモータ
の回転方向を時計回り、反時計回りに交互に変えること
で、水の流れを反転して逆方向にした後、再び反転して
順方向にする動作を加えることができる。試料流体に洗
浄液を導入した後、セル中を流れる水の流れを反転する
動作を加えることにより、作用電極1と対電極2a,2
bの表面の洗浄効果を更に高めることができる。
【0048】続いて、図10〜図14を参照して、試料
からの発光を検出する効率を高めることのできる電気化
学分析用フロースルーセルについて説明する。図10〜
図14において、図1〜図3と同様の機能部分には図1
〜図3と同じ番号を付して、その詳細な説明を省略す
る。また、図10〜図14における平面断面図は、いず
れも図3の平面断面図に相当する図である。
【0049】図10は、本発明による電気化学分析用フ
ロースルーセルの他の例を説明する図であり、(a)は
平面断面図、(b)は側面図である。この電気化学分析
用フロースルーセルは、平板型の対電極2a,2bの外
側に、対電極2a,2bと平行した平板形状の光ガイド
(光反射面)31a,31bを備えている。この電気化
学分析用フロースルーセルは作用電極1と平板形対電極
2a,2bにより、試料流体に対して電圧を印加して発
光を生じさせる。作用電極を構成する壁面に磁石を配置
し、磁性ビーズを用い、B/F分離を行って測定精度を
向上させる方法を採用した場合、作用電極1が光出射面
となる。作用電極1上からの発光は、光検出器10に入
射してはじめて信号として検出される。
【0050】そこで、作用電極1と光検出器10の中間
に配置される対電極2a,2bの遮光面積を減少させ、
作用電極1から光検出器10に向かう発光を妨げないよ
うにする。そのために、平板型対電極2a,2bを用
い、平板型対電極2a,2bの平面が作用電極1の平面
にほぼ直交するように配置することで、対電極2a,2
bの遮光面積を小さくし、対電極2a,2bに光ガイド
機能(光を反射して光検出器10へと光を導く機能)を
持たせることができる。
【0051】対電極2a,2bの遮光面積を小さくする
ために電極幅を減少させた際、対電極2a,2bの断面
積が小さくなることにより発生するジュール熱を低く押
さえるために、対電極2a,2bの高さを大きくする必
要があるが、このような平板型、あるいは後述する円筒
型、楕円筒型、矩形型の電極はこの目的とも合致した形
状である。
【0052】この平板形対電極2a,2bだけでも光反
射を行うが、更に光反射板(光ガイド)31a,31b
を設けることで、平板形対電極2a,2bで反射して外
縁方向へ逃げていく光を、再度光検出器10へと導く機
能を持たせている。電気化学分析用フロースルーセルと
光検出器10の接続部に光反射性ソケット32も備えれ
ば、光のロスを更に減少させることが出来る。
【0053】光ガイド31a,31bを構成する材料と
しては、化学反応による劣化が生じない場合は、Al,
Ag,Au等の金属材料によるメッキや蒸着等の鏡面処
理、あるいはそれらの金属そのものを用いることができ
る。試料流体と接する面が腐食を受ける場合は、その試
料流体と接触する面にPt等の腐食に強い金属材料をメ
ッキや蒸着するのが好ましい。
【0054】また、光ガイド31a,31bの製作は、
光透過性構造材7としてアクリルを用いる場合は、例え
ば、アクリル板へスルーホールを形成し、Cuメッキに
より埋めた後、試料流体との接触面に白金メッキで保護
膜を作ることで行うことができる。あるいは光ガイド3
1a,31bとして作用する白金板をアクリルに挟み、
接着剤で固定後研磨するなどの一般的な方法で製作する
こともできる。
【0055】図11は、本発明による電気化学分析用フ
ロースルーセルの他の例を説明する図であり、(a)は
平面断面図、(b)は側面図である。この電気化学分析
用フロースルーセルは、平板型の対電極2a,2bの周
囲に、光ガイドとして円筒形状の光反射面33を配置し
ている。円筒形状の光反射面33は、作用電極1からの
発光を反射して光検出器10へと集光する機能を有す
る。図10では平板形状の光反射面(光ガイド)31
a,31bを用いたが、それを円筒形状とすることで3
60度方向で、集光することが出来る。
【0056】図12は、本発明による電気化学分析用フ
ロースルーセルの他の例を説明する図であり、(a)は
平面断面図、(b)は側面図である。この電気化学分析
用フロースルセルは、矩形の断面形状を有する筒状の対
電極34を備えている。対電極と別個の光反射板を有し
ていない点で図10、図11に示した電気化学分析用フ
ロースルーセルと異なっている。
【0057】この例の場合、矩形対電極34を、試料流
路の外縁部で、試料流体と接するようにすることで、作
用電極1からの発光を外部に逃がすことなく光検出器1
0に集光することができる。すなわち、光反射板の機能
を対電極34が単独で果たすような構造である。光反射
板を省略したことにより、構成がより単純になり、加工
コストを更に低減することが出来る。
【0058】図13は、本発明による電気化学分析用フ
ロースルーセルの他の例を説明する図であり、(a)は
平面断面図、(b)は側面図である。この電気化学分析
用フロースルセルは、光ガイドとして光ファイバ35を
用いる。作用電極1からの発光を光検出器10へと集光
するために、対電極2a,2bを光ファイバ35中に埋
め込んでいる。この場合、光ファイバのコアとクラッド
の境界が光ガイドに相当し、360度方向で集光するこ
とが出来る。
【0059】図14は、本発明による電気化学分析用フ
ロースルーセルの他の例を説明する図であり、(a)は
平面断面図、(b)は側面図である。この電気化学分析
用フロースルセルは、透明な作用電極41と光ガイドと
しての光ファイバ36を用いている。透明な作用電極4
1は、酸化スズ(SnO2)やインジウムティンオキサ
イド(Indium Tin Oxide)等によって作られる。
【0060】作用電極41を透明とした場合には、光検
出器10を対電極2の裏側に配置する必要はない。この
例では、光検出器10を作用電極41の下部に配置して
いる。支持材9中に埋め込んだ光ファイバ36は、作用
電極における発光を360度方向で集光して、光検出器
10に導く。他の例と異なり、対電極2を作用電極41
と平行な平板電極とすることで、対電極2の方向に進ん
だ光を反射して光ファイバ36に入射させ、集光効率を
高めることができる。光ファイバ36の代わりに、作用
電極41の周囲を囲むような円筒形状、楕円筒形状、あ
るいは矩形形状の光ガイドを備えても同様に集光効率を
向上することができる。
【0061】これまで説明してきた試料流体のフリーな
タンパク質を除去する方法、洗浄液による洗浄方法、及
び電気化学発光の集光効率を向上する方法は、各々単独
で用いても良いがそれらを組み合わせて用いるといっそ
う効果を高めることができる。図15〜図17は、本発
明による電気化学分析用フロースルーセルの他の例を説
明する概略図である。図15は試料流れに対して横方向
から見た側面図、図16は試料流入側から見た側面図、
図17は図15のA−A方向から見た平面断面図であ
る。説明を簡単にするため、図15〜図17において、
図1〜図14と同様の機能部分には図1〜図14と同じ
番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0062】この例の電気化学分析用フロースルーセル
は、電気化学発光分析用の作用電極1及び対電極2a,
2bの上流側に、フリータンパク質除去用の手段(この
例では、図1〜図3で説明したフリー成分吸着用の作用
電極3や対電極4)、及び分析用の作用電極1及び対電
極2a,2bに付着したフリータンパク質を洗浄するた
めの洗浄液を導入する側道21を設け、さらに分析用の
対電極2a,2bの近傍に光ガイド31a,31bを設
けて集光力を高めたものである。この改良により、電気
化学発光を用いた免疫分析装置のS/N向上、スループ
ット向上を図る。なお、各手段の組み合わせの例は、こ
こに示したものに限られないのは明らかである。
【0063】以上、本発明の実施の形態について主に電
気化学発光法を例として説明してきたが、化学発光を用
いたものや、発光を用いない電気化学分析用セルについ
ても、本発明は同様に適用することが可能できる。電気
化学法を利用する場合は、光検出器に代えて、検出手段
として電流計や抵抗計を用いることが出来る。
【0064】
【発明の効果】本発明によると、電気化学分析用フロー
スルーセルの測定対象分析物を測定するための電極の上
流側に、非特異吸着をして測定ノイズの原因となってい
るフリー成分を除去するかあるいは減少させる機構を設
けることで、B/F分離の効率を高めて、短時間でB/
F分離を行い、装置のスループットを向上させることが
出来る。
【0065】また、電気化学分析用フロースルーセルの
測定対象分析物を測定するための電極の上流側に、非特
異吸着をして測定ノイズの原因となっているフリー成分
を除去するための、洗浄液の導入口を設けることで、よ
り短時間でB/F分離を行い、装置のスループットを向
上させることが出来る。さらに、フロースルーセルの構
造を集光性に優れた形状としたことで、電気化学発光法
の測定感度を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2の作用電極と対電極のペアを用いた電気化
学分析用フロースルーセルを試料流れに対して横方向か
ら見た側面図。
【図2】図1の電気化学分析用フロースルーセルを試料
流入側から見た側面図。
【図3】図1のA−A方向から見た平面断面図。
【図4】分析用の作用電極と対電極の間にかかる電圧を
フリー成分吸着用の作用電極と対電極の間にかかる電圧
に等しくした場合のポテンショスタット回路図。
【図5】分析用の作用電極と対電極の間にかかる電圧を
フリー成分吸着用の作用電極と対電極の間にかかる電圧
と独立して制御する場合のポテンショスタット回路図。
【図6】フリータンパク質吸着板を用いた電気化学分析
用フロースルーセルの概略図。
【図7】本発明による他の例の電気化学分析用フロース
ルーセルを試料流れに対して横方向から見た側面図。
【図8】図7の電気化学分析用フロースルーセルを試料
流入側から見た側面図。
【図9】図7のA−A方向から見た平面断面図。
【図10】対電極と平行した平板形状の光反射面を備え
た電気化学分析用フロースルーセルの説明図。
【図11】対電極の周囲に円筒形状の光反射面を配置し
た電気化学分析用フロースルーセルの説明図。
【図12】矩形対電極電気化学分析用フロースルセルの
説明図。
【図13】光ファイバ埋め込み型対電極を有する電気化
学分析用フロースルーセルの説明図。
【図14】透明な作用電極と光ファイバを用いた電気化
学分析用フロースルーセルの説明図。
【図15】本発明による他の例の電気化学分析用フロー
スルーセルを試料流れに対して横方向から見た側面図。
【図16】図15の電気化学分析用フロースルーセルを
試料流入側から見た側面図。
【図17】図15のA−A方向から見た平面断面図。
【符号の説明】
1…作用電極、2a,2b…平板形対電極、3…第2の
作用電極、4…第2の対電極、5…試料流入口、6…試
料流出口、7…光透過性構造材、8…非吸水性構造材、
9…支持材、10…光検出器、11…磁石、12,13
…参照電極、14,14a,14b…アンプ、15…フ
リータンパク質吸着板、21…側道、22…洗浄液タン
ク、23…弁、31a,31b…光反射板(光ガイ
ド)、32…光反射性ソケット、33…円筒状光反射
面、34…矩形対電極、35,36…光ファイバ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料流体が流入する試料流入部と、試料
    流体が流出する試料流出部と、前記試料流入部と試料流
    出部とを接続する試料流路部と、前記試料流路部の壁面
    の一部を構成する作用電極と、前記作用電極に対する対
    電極とを備える電気化学分析用フロースルーセルにおい
    て、 前記作用電極の上流側に、試料流体中のフリーなタンパ
    ク質を除去する手段を備えたことを特徴とする電気化学
    分析用フロースルーセル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気化学分析用フロース
    ルーセルにおいて、 前記フリーなタンパク質を除去する手段は、第2の作用
    電極と第2の対電極とを有することを特徴とする電気化
    学分析用フロースルーセル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電気化学分析用フロース
    ルーセルにおいて、 前記フリーなタンパク質を除去する手段は、フリータン
    パク質吸着板であることを特徴とする電気化学分析用フ
    ロースルーセル。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の電気化学分析
    用フロースルーセルにおいて、 前記フリーなタンパク質を除去する手段を前記試料流入
    部の上流側の流路の途中に設けたことを特徴とする電気
    化学分析用フロースルーセル。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,又は3記載の電気化学分
    析用フロースルーセルにおいて、 前記フリーなタンパク質を除去する手段を前記試料流路
    部に設けたことを特徴とする電気化学分析用フロースル
    ーセル。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の電気
    化学分析用フロースルーセルにおいて、 前記作用電極と対電極間の電流値又は電気抵抗値の変化
    を計測する手段を備えることを特徴とする電気化学分析
    用フロースルーセル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項記載の電気
    化学分析用フロースルーセルにおいて、 前記対電極を内包する壁面を光透過性材料で構成したこ
    とを特徴とする電気化学分析用フロースルーセル。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電気化学分析用フロース
    ルーセルにおいて、前記フリーなタンパク質を除去する
    手段は、前記試料流路部に設けた第2の作用電極と第2
    の対電極を有し、前記作用電極に対向する壁面は光透過
    性であり、前記第2の作用電極に対向する壁面は遮光性
    であることを特徴とする電気化学分析用フロースルーセ
    ル。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項記載の電気
    化学分析用フロースルーセルにおいて、 前記作用電極に近接する壁面の外部に磁石を配置したこ
    とを特徴とする電気化学分析用フロースルーセル。
  10. 【請求項10】 試料流体が流入する試料流入部と、試
    料流体が流出する試料流出部と、前記試料流入部と試料
    流出部とを接続する試料流路部と、前記試料流路部の壁
    面の一部を構成する作用電極と、前記作用電極に対する
    対電極とを備える電気化学分析用フロースルーセルにお
    いて、 前記作用電極の上流側の流路壁に洗浄液導入用の側道を
    設け、前記側道から導入される洗浄液の量を調整する手
    段を備えることを特徴とする電気化学分析用フロースル
    ーセル。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の電気化学分析用フロ
    ースルーセルにおいて、 洗浄液として非イオン性界面活性剤又は陰イオン性界面
    活性剤を用いることを特徴とする電気化学分析用フロー
    スルーセル。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11記載の電気化学分
    析用フロースルーセルにおいて、 前記洗浄液の温度を15℃〜40℃の範囲とすることを
    特徴とする電気化学分析用フロースルーセル。
  13. 【請求項13】 請求項10、11又は12記載の電気
    化学分析用フロースルーセルにおいて、 洗浄液を導入した後、試料流体の流れる方向を反転する
    手段を備えることを特徴とする電気化学分析用フロース
    ルーセル。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれか1項記載
    の電気化学分析用フロースルーセルにおいて、 前記作用電極と対電極間の電流値又は電気抵抗値の変化
    を計測する手段を備えることを特徴とする電気化学分析
    用フロースルーセル。
  15. 【請求項15】 請求項10〜13のいずれか1項記載
    の電気化学分析用フロースルーセルにおいて、 前記対電極を内包する壁面を光透過性材料で構成したこ
    とを特徴とする電気化学分析用フロースルーセル。
  16. 【請求項16】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    電気化学分析用フロースルーセルにおいて、 前記作用電極に近接する壁面の外部に磁石を配置したこ
    とを特徴とする電気化学分析用フロースルーセル。
  17. 【請求項17】 試料流体が流入する試料流入部と、試
    料流体が流出する試料流出部と、前記試料流入部と試料
    流出部とを接続する試料流路部と、前記試料流路部の壁
    面の一部を構成する作用電極と、前記作用電極に対する
    対電極とを備える電気化学分析用フロースルーセルにお
    いて、 前記作用電極又は対電極の近傍に前記作用電極から発せ
    られた光をセル外に導くための光ガイドを設けたことを
    特徴とする電気化学分析用フロースルーセル。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の電気化学分析用フロ
    ースルーセルにおいて、 前記対電極の側面を光ガイドとして使用することを特徴
    とする電気化学分析用フロースルーセル。
  19. 【請求項19】 請求項17記載の電気化学分析用フロ
    ースルーセルにおいて、 前記光ガイドは、前記対電極と平行に配置された平板形
    状の光反射面、又は前記対電極の周囲を囲むように配置
    された筒形の光反射面であることを特徴とする電気化学
    分析用フロースルーセル。
  20. 【請求項20】 請求項17記載の電気化学分析用フロ
    ースルーセルにおいて、 前記光ガイドは前記対電極を埋め込んだ光ファイバーで
    あることを特徴とする電気化学分析用フロースルーセ
    ル。
  21. 【請求項21】 請求項17〜20のいずれか1項記載
    の電気化学分析用フロースルーセルにおいて、 前記作用電極に近接する壁面の外部に磁石を配置したこ
    とを特徴とする電気化学分析用フロースルーセル。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の電気化学分析用フロ
    ースルーセルにおいて、 前記磁石を配置した壁面以外の壁面の一部を光透過性と
    し、前記作用電極表面からの発光を検出する光検出手段
    を備えたことを特徴とする電気化学分析用フロースルー
    セル。
  23. 【請求項23】 請求項17記載の電気化学分析用フロ
    ースルーセルにおいて、 前記作用電極は透明電極であり、前記作用電極の周囲を
    囲むように筒形の光反射面を備えることを特徴とする電
    気化学分析用フロースルーセル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004011925A1 (ja) * 2002-07-31 2004-02-05 Kabushiki Kaisha Toshiba 塩基配列検出装置及び塩基配列自動解析装置
US7745203B2 (en) 2002-07-31 2010-06-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Base sequence detection apparatus and base sequence automatic analyzing apparatus
JP2015090270A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電気化学測定装置

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