JP2004264068A - バイオセンサーチップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検出表面21部位に固定化された状態の検出用物質Dに対する標的物質Tの相互反応作用の状態を検出するために、前記検出用物質Dを固定可能な表面処理が施された前記検出表面21を備える固定用基板2と、前記固定用基板2と所定間隔をおいて相対向するように配置され、前記検出表面21と対向する位置に電極5(5a〜5d)を備える対向基板3と、前記固定用基板2と前記対向基板3との間隙領域において、前記検出表面21に固定化された状態の検出用物質Dと標的物質Tの相互反応作用の場を提供する反応領域4と、を少なくとも備えるバイオセンサーチップ1等を提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオインフォマティクス(生命情報科学)分野において有用なバイオセンサーチップ、特に携帯可能なバイオセンサーチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の主たる従来技術を以下説明する。現在、マイクロアレイ技術によって所定のDNAが微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、「DNAチップ」と総称。)と呼ばれる集積基板が、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用されており、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。
【0003】
このDNAチップは、ガラス基板やシリコン基板上に多種・多数のDNAオリゴ鎖やcDNA(complementary DNA)等が集積されていることから、ハイブリダイゼーション等の分子間相互反応の網羅的解析が可能となる点が特徴とされている。
【0004】
DNAチップによる解析手法の一例を簡潔に説明すれば、ガラス基板やシリコン基板上に固相化されたDNAプローブに対して、細胞、組織等から抽出したmRNAを逆転写PCR反応等によって蛍光プローブdNTPを組み込みながらPCR増幅し、前記基板上においてハイブリダイゼーションを行い、所定の検出器で蛍光測定を行うという手法である。
【0005】
ここで、従来のDNAチップとしては、半導体露光技術を応用したフォトリソグラフィーの技術を用いて、所定の基板上に直接オリゴヌクレオチドを合成していくものであり、アフィメトリクス社(Affymetrix社)によるものが代表的である(例えば、特許文献1)。「スタンフォード方式」とも称されるDNAチップは、先割れピンを用いて、予め用意されたDNAを基板上に分注・固相化していくことによって作製されるものである(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特表平4−505763号報
【特許文献2】
特表平10−503841号報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来提案されているDNAチップは、標的ヌクレオチドにラベルされた蛍光物質やハイブリダイゼーションによって生成する二重鎖ヌクレオチドに結合する蛍光インターカレータに対し、所定の光学系装置から励起光を照射することにより蛍光強度を読み取り、ハイブリダイゼーション反応の状態を検出する構成であったため、携帯可能なまでにコンパクトなDNAチップを提供することが難しかった。
【0008】
そこで、本発明は、チップ上で進行するハイブリダイゼーション等の相互反応作用を簡易な構成で検出できるように工夫することによって、携帯できるコンパクトなサイズのDNAチップ等のバイオセンサーチップを提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、まず、本願においては、以下の「バイオセンサーチップ」を提供する。なお、本願において「バイオセンサー」とは、ハイブリダイゼーションその他の物質間の相互反応を検出できる検出表面部位を備えるセンサー手段を意味する。
【0010】
まず、本発明に係る第1の「バイオセンサーチップ」は、検出表面部位に固定化された状態の検出用物質に対する標的物質の相互反応作用の状態を検出するためのセンサーチップであって、前記検出用物質を固定可能な表面処理が施された前記検出表面部位を備える「固定用基板」と、前記固定用基板と相対向するように配置され、前記検出表面部位と対向する位置に電極を備える「対向基板」と、前記固定用基板と前記対向基板との間隙領域において、前記検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する「反応領域」と、を少なくとも備えている。
【0011】
このバイオセンサーチップでは、前記電極に印加して、前記検出用物質にラベル(標識)された電子供与物質又は検出用物質と標的物質の反応生成物に結合する電子供与物質から得られる電子を検出することによって、検出用物質と標的物質との間の相互反応作用の状態を検出する。
【0012】
なお、上記バイオセンサーチップに配設する電極には、いわゆる「微小電極」(microelectorode 又は microvoltammetric electrode)を好適に採用できる。この「微小電極」は、ポーラグラフィーやボルタンメトリーの作用電極として用いられる微小な電極と定義でき、一般には、0.01〜0.1cm2程度の表面積をもつ電極を指すが、それ以下の表面積、例えば10−7〜10−6cm2程度の極微小な電極も包含する。
【0013】
現在、この微小電極は、生体細胞内の濃度分析など、医学および神経生理学の領域で使い始められ、既往の研究において、肝臓内、脳細胞および皮膚細胞組織内、血液内などにおける溶存酸素濃度、水素イオン濃度,酸素活性,細胞内外ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのイオンが測定され、その結果、細胞内およびその周辺の微小領域の状況が明らかにされている。
【0014】
また、環境工学の分野においては、はじめに淡水域の低泥内の生物学的代謝活性および化学的反応速度をin situで定量する研究に適用された。最近では、廃水処理に用いられる生物膜内について各種の微小電極(例えば、pH、O2、N2O、NO3 −、NH4 +、H2S,H2S、CH4、CO2など)を用いた研究が活発に行われている。
【0015】
続いて、本発明に係る第2の「バイオセンサーチップ」は、検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質の相互反応作用の状態を検出するためのセンサーチップであって、前記検出用物質を固定可能な表面処理が施された検出表面部位を備える「固定用基板」と、前記固定用基板と相対向するように配置され、前記検出表面部位と対向する位置に光ファイバを備える「対向基板」と、前記固定用基板と前記対向基板との間隙領域において、前記検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質の相互反応作用の場を提供する「反応領域」と、を少なくとも備えている。
【0016】
そして、前記光ファイバから照射される所定の励起光によって、前記検出用物質にラベルされた蛍光物質又は化学発光物質か、検出用物質と標的物質の反応生成物に結合する蛍光物質又は化学発光物質、のいずれかから得られるフォトン(光、蛍光)を検出し、前記反応領域における検出用物質と標的物質との前記相互反応作用の状態を検出する。
【0017】
続いて、本発明に係る第3の「バイオセンサーチップ」は、検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質の相互反応作用の状態を検出するためのセンサーチップであって、前記検出用物質を固定可能な表面処理が施された検出表面部位を備える「固定用基板」と、前記固定用基板と相対向するように配置され、前記検出表面部位と対向する位置に設けられた「対向基板」と、前記固定用基板と前記対向基板との間隙領域において、前記検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する「反応領域」と、
前記反応領域を挟んで対向する対向電極と、を少なくとも備える。なお、対向電極は、上記同様の微小電極で形成できる。
【0018】
このバイオセンサーチップでは、前記対向電極に印加して、前記検出用物質にラベルされた電子供与物質又は検出用物質と標的物質の反応生成物に結合する電子供与物質から得られる電子を検出することにより、前記反応領域における前記相互反応作用の状態を検出する。
【0019】
以上の本発明に係るバイオセンサーチップは、検出用物質と標的物質の相互反応作用の検出手段が非常に簡易な構成であるため、携帯可能なまでにコンパクトなサイズに形成することができるという特徴又は利点を有している。
【0020】
以下、本願における技術用語の定義付けを行う。
【0021】
まず、「検出表面」は、検出用物質の末端部位をカップリング反応その他の化学反応によって固定化できる好適な表面処理が施された表面部位を意味し、狭く解釈されない。一例を挙げれば、例えば、ストレプトアビジンによって表面処理された検出表面の場合には、ビオチン化されたヌクレオチド鎖の固定化に適する。
【0022】
「反応領域」は、液相中でのハイブリダイゼーション等の相互反応の場を提供できる領域又は空間である。なお、この反応領域では、一本鎖ヌクレオチド間の相互反応、即ちハイブリダイゼーションに加え、前記検出表面に固定化された状態の検出用ヌクレオチド鎖から所望の二本鎖ヌクレオチドを形成し、該二本鎖ヌクレオチドとペプチド(又はタンパク質)の相互反応、酵素応答反応その他の分子間相互反応も行わせることができる。例えば、前記二本鎖ヌクレオチドを用いる場合は、転写因子であるホルモンレセプター等のレセプター分子と応答配列DNA部分の結合等を分析することができる。即ち、この反応領域は、DNA−DNA間、DNA−RNA間、DNA−タンパク質間、タンパク質−タンパク質(又はペプチド)間等の高分子−高分子間に加え、低分子−高分子間、低分子−低分子間等の物質間相互反応作用の場を提供することができるのであって、相互反応の種類は狭く限定されない。なお、前記低分子には、人工合成された化合物や未知の化合物(化学物質)等を含む。
【0023】
「検出用物質」は、前記検出表面部位に固定化できるように修飾された物質、標的物質は、前記反応領域に添加されるサンプル溶液中に存在する物質であって、前記標的物質との相互反応作用を分析することを目的とする物質を意味する。
【0024】
「標的物質」は、前記検出用物質と特異的に、ハイブリダイゼーション、抗原抗体反応、酵素応答反応その他の相互反応作用をする物質を広く包含する。
【0025】
なお、本願において「ヌクレオチド」とは、プリンまたはピリミジン塩基と糖がグリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステルの重合体を意味し、DNAプローブを含むオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチオドが重合したDNA(全長あるいはその断片)、逆転写により得られるcDNA(cDNAプローブ)、RNA等を広く含む。
【0026】
「蛍光物質」は、検出用物質あるいは検出用物質と標的物質との反応生成物にラベル又は結合可能な物質であって、所定の波長の光が照射された時に、蛍光を発する物質を意味する。
【0027】
「化学発光物質」は、検出用物質あるいは検出用物質と標的物質との反応生成物にラベル又は結合可能な物質であって、所定の化学物質と反応したときに光(フォトン)を発する物質を意味する。
【0028】
以上説明したように、本発明は、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析、創薬ターゲット探索、化合物スクリーニング等に利用できる、携帯可能なまでにコンパクトなサイズの新規なバイオセンサーチップを、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の関連産業界に提供するという技術的意義を有している。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明に係るバイオセンサーチップは、以下に説明する実施形態に限定されない。
【0030】
まず、添付した図1は、本発明に係るバイオセンサーチップ1の第1実施形態の構成を簡略に表す図である。
【0031】
この図1におけるバイオセンサーチップ1(以下、「チップ1」と略称する。)は、まず、例えばDNAプローブに代表される検出用物質Tが固定化される固定用基板2と、狭小な間隙を介して前記固定用基板2に対向(対面)するように配置されている対向基板3aと、を備えている。
【0032】
これらの基板2,3aの基材は、例えば、石英ガラスやシリコン、ポリカーボネート、ポリスチレンその他の合成樹脂、好ましくは射出成形可能な合成樹脂によって形成することができ、その材料において狭く限定されない。
【0033】
固定用基板2には、符号Dで示された検出用物質をカップリング反応等の種々の反応によって固定できるように、金等の金属薄膜又は該金属薄膜に表面処理(コーティング処理)が施されている検出表面部位21,21,・・・が、所定間隔を置いて配設されている。
【0034】
一例を挙げれば、ストレプトアビジンによって表面処理された検出表面部位21の場合には、ビオチン化された検出用ヌクレオチド鎖、低分子化合物、ペプチド、タンパクの固定化に適している。なお、検出表面部位21に対する検出用物質Dの固定化作業は、従来のDNAチップ等で行われている慣用の手順により実施できる。また、アミノ基、チオール基、アルデヒド基、カルボキシル基を介したり、金属キレート形成を介したりして検出用物質Dを固定化できる。固定化方法は限定されない。
【0035】
対向基板3aには、前記対向基板2に配設された各検出表面部位21とそれぞれ対向する位置に、微小電極5a,5b,5e,5dが配設されている。また、固定用基板2と対向基板3aの間は、予め検出表面部位21に固定化された検出用物質Dと後添加されてくるサンプル溶液中の標的物質Tとの相互反応作用の場を提供する反応領域4が形成されている。
【0036】
なお、この反応領域4に対しては、検出用物質D又は標的物質Tを含むサンプルバッファ溶液、後述するインターカレータIを含む溶液やアクティブな相互反応を示さなかった物質を反応領域4から除去するための洗浄液等を、例えばインジェクター(図示せず)等を介して適時必要量添加、注入又は送液し、かつ適時排出できるように工夫することができる。
【0037】
また、反応領域4には、微小電極5の対向電極としての役割を担う電極6が設けられている。符号7で示された電源のスイッチをオンし、順次スイッチ8a,8b,8c,8dをオンに切り替えていくことによって、電極5aと対向電極6、電極5bと対向電極6,電極5cと対向電極6,電極5dと対向電極6の間が印加するか否かを、電流検出器Eによって検出できる構成となっている。
【0038】
電流量に係わる信号は、電流検出器Eを介して解析部Cに送られ、その解析部Cにおいて得られる解析データに基づいて検出用物質Dと標的物資Tとの間の相互反応作用の状況を判断する。なお、電極5並びに検出表面部位21の数は適宜決定することができる。
【0039】
即ち、電極5(5a〜5d)、6間の印加を検出することは、相互反応作用を示した検出用物質Dと標的物質Tの反応生成物(例えば、二重鎖ヌクレオチド等)に特異的に結合するフェロセン等の電子供与物質(インターカレータI)や標的物質Tにラベルされた電子供与物質からの電子e―(図1参照)を検出することを意味し、これにより当該検出表面部位21に固定化された状態の各検出用物質Dと標的物質Tとの間に、アクティブな相互反応作用が起きたか否かを順次検出することができる。
【0040】
なお、図1等では、検出表面部位21にその末端部位が固定された検出用ヌクレオチド鎖Dと該検出用ヌクレオチド鎖Dの特定の塩基配列と相補性のある塩基配列を備える標的ヌクレオチド鎖Tがハイブリダイゼーションして、二重鎖(二本鎖)ヌクレオチドを形成している状態が模式的に表されている。
【0041】
次に、図2を参照して、本発明に係るバイオセンサーチップの第2実施形態について説明する。図2は、同第2実施形態であるバイオセンサーチップ10の構成を簡略に表す図である。
【0042】
バイオセンサーチップ10(以下、「チップ10」と略称する。)の固定用基板2並びに反応領域4の構成は、上記チップ1と同様の構成であるので、ここでは説明を割愛する。
【0043】
このチップ10と上記チップ1との主たる相違点は、対向基板3bに、反応領域4に臨むように光ファイバ31が所定間隔で配設されていることである。各光ファイバ31,31・・・は、チップ1に設けられた電極5a〜5dの場合と同様に、対向基板3に対面する固定用基板2上に設けられた各検出表面部位21,21・・・に対向する位置にそれぞれ配設されている。
【0044】
各光ファイバ31からは、順次、従来公知である蛍光を読み取るための励起光P(例えば、所定波長のレーザー光)が、図示しないレーザー光源(レーザー発光ダイオード)を介して、各検出表面部位21に向けて、スイッチ切り替え操作によって、順次照射できるように工夫されている。
【0045】
これにより、各検出表面部位21に固定化された状態の検出用物質Dと標的物資Tとの反応生成物Rに特異的に結合する蛍光インターカレータ(図2では図示せず。)から得られる蛍光、又は反応性生物Rをつくる標的物質Tにラベルされた蛍光物質F(図2参照)から得られる蛍光、あるいは図示しない化学発光物質からの光等のフォトンを次々に捕捉し、検出できるように構成されている。
【0046】
蛍光は、所定のディテクター(検出器)Gによって検出され、その検出データは解析部11によってその蛍光強度が解析され、検出用物質Dと標的物質Tの相互反応状況を判断する。最後に、各反応領域4に対する蛍光強度を、A/D変換して結合反応割合をコンピュータ(図示せず。)の画面に分布表示することによって、視覚化することができるようにしてもよい。
【0047】
続いて、図3は、本発明に係るバイオセンサーチップ100(第3実施形態)の構成を簡略に表す図である。
【0048】
バイオセンサーチップ100(以下、「チップ100」と称する。)は、検出表面21に固定化された状態の検出用物質Dと標的物質Tとの相互反応作用の状態を検出する機能を有し、検出用物質Dを固定可能な表面処理が施された検出表面21が設けられた固定用基板2と、この固定用基板2と相対向するように配置され、検出表面21と対向する位置に設けられた対向基板3cと、固定用基板2と対向基板3cとの間に設けられた反応領域4と、この反応領域4を挟むように対向して配設された対向電極9(91、92)と、を少なくとも備えている。この対向電極9(91,92)は、例えば、微小電極で形成できる。
【0049】
このチップ100では、スイッチ8a〜8dを切り替えて行くことによって、前記対向電極91a−92a,91b−92b,91c−92c,91d−92dに順次印加していく。
【0050】
そして、対向電極のいずれかの電極から、検出表面21に固定化された検出用物質Dにラベルされた電子供与物質(図示せず)又は検出用物質Dと標的物質Tとの反応生成物Rに結合する電子供与物質Iから得られる電子e−を検出することによって、各検出表面21上での相互反応作用の状態を順次検出する。
【0051】
なお、チップ100では、各検出表面21に対向する対向基板3c部位に、光ファイバ31を併設するようにして、電子e−以外にフォトンによる検出もできる構成としてもよい。
【0052】
以上のチップ1、10、100を利用すれば、例えば、所定の細胞等から抽出された試料溶液中に、特定の疾病が起こると発現することが知られているマーカー遺伝子を含む検出用ヌクレオチド鎖Dと相補性を有する標的ヌクレオチド鎖Tが存在することを検出することができ、その結果、前記細胞には前記疾病が発生していることが予測することができる。
【0053】
また、ハイブリダイゼーション以外にも、検出用物資Dを、適宜選択することによって、抗原抗体反応、酵素応答反応その他の分子間の相互反応作用の状態を検出することができる。即ち、本発明に係るチップ1、10、100の検出対象は、ハイブリダイゼーションに限定されず、様々な分子間相互反応作用の検出に広く応用できる。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係るバイオセンサーチップは、DNAチップ、プロテインチップその他のバイオアッセイ用のセンサーチップに広く適用でき、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用でき、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用できる。また、検出用物質と標的物質の相互反応作用の検出手段が簡易な構成であるため、携帯可能なまでにコンパクトなサイズに形成することができるので、研究室内外にわたって利用でき、バイオセンサーチップの利用範囲を拡大することに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバイオセンサーチップ1(第1実施形態)の構成を簡略に表す図
【図2】本発明に係るバイオセンサーチップ10(第2実施形態)の構成を簡略に表す図
【図3】本発明に係るバイオセンサーチップ100(第3実施形態)の構成を簡略に表す図
【符号の説明】
1,10,100 バイオセンサーチップ
2 固定用基板
3a,3b,3c 対向基板
4 反応領域
5(5a〜5d) 電極(微小電極)
6 対向電極(対向微小電極)
7 電源
8(8a〜8d) スイッチ
9(91a−92a,91b−92b,91c−92c,91d−92d) 対向電極
21 検出表面
C 解析部
E 電流検出器
D 検出用物質(検出用ヌクレオチド鎖を含む)
T 標的物質(標的ヌクレオチド鎖を含む)
R 反応生成物(二重鎖ヌクレオチドを含む)
I インターカレータ(電子供与物質の一例)
Claims (9)
- 検出表面部位に固定化された状態の検出用物質に対する標的物質の相互反応作用の状態を検出するためのセンサーチップであって、
前記検出用物質を固定可能な表面処理が施された前記検出表面部位を備える固定用基板と、
前記固定用基板と所定間隔を置いて相対向するように配置され、前記検出表面部位と対向する位置に電極が配設された対向基板と、
前記固定用基板と前記対向基板との間隙領域において、前記検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する反応領域と、
を少なくとも備えることを特徴とするバイオセンサーチップ。 - 前記電極に印加して、前記検出用物質にラベルされた電子供与物質又は検出用物質と標的物質の反応生成物に結合する電子供与物質から得られる電子を検出することにより、前記反応領域における前記相互反応作用の状態を検出することを特徴とする請求項1記載のバイオセンサーチップ。
- 携帯可能に構成された請求項1又は2に記載のバイオセンサーチップ。
- 検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質の相互反応作用の状態を検出するためのセンサーチップであって、
前記検出用物質を固定可能な表面処理が施された検出表面部位を備える固定用基板と、
前記固定用基板と相対向するように配置され、前記検出表面部位と対向する位置に光ファイバが配設された対向基板と、
前記固定用基板と前記対向基板との間隙領域において、前記検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する反応領域と、
を少なくとも備えることを特徴とするバイオセンサーチップ。 - 前記検出用物質にラベルされた蛍光物質又は又は化学発光物質か、検出用物質と標的物質との反応生成物に結合する蛍光物質又は化学発光物質のいずれから得られるフォトンを、前記光ファイバによって読み取り、前記反応領域における前記相互反応作用の状態を検出することを特徴とする請求項4記載のバイオセンサーチップ。
- 携帯可能に構成された請求項4又は請求項5に記載のバイオセンサーチップ。
- 検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質の相互反応作用の状態を検出するためのセンサーチップであって、
前記検出用物質を固定可能な表面処理が施された検出表面部位を備える固定用基板と、
前記固定用基板と相対向するように配置され、前記検出表面部位と対向する位置に設けられた対向基板と、
前記固定用基板と前記対向基板との間隙領域において、前記検出表面部位に固定化された状態の検出用物質と標的物質との相互反応作用の場を提供する反応領域と、
前記反応領域を挟んで対向する対向電極と、
を少なくとも備えることを特徴とするバイオセンサーチップ。 - 前記対向電極に印加して、前記検出用物質にラベルされた電子供与物質又は検出用物質と標的物質の反応生成物に結合する電子供与物質から得られる電子を検出することにより、前記反応領域における前記相互反応作用の状態を検出することを特徴とする請求項1記載のバイオセンサーチップ。
- 携帯可能に構成された請求項7又は8に記載のバイオセンサーチップ。
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