JP2000146894A - Dnaの増感型検出方法 - Google Patents

Dnaの増感型検出方法

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JP2000146894A
JP2000146894A JP10328872A JP32887298A JP2000146894A JP 2000146894 A JP2000146894 A JP 2000146894A JP 10328872 A JP10328872 A JP 10328872A JP 32887298 A JP32887298 A JP 32887298A JP 2000146894 A JP2000146894 A JP 2000146894A
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dna
intercalator
oxidase
electrode
substrate
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JP10328872A
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Shigeori Takenaka
繁織 竹中
Makoto Takagi
誠 高木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プローブDNAと試料DNAと
を、インターカレータ存在下に接触させ、電極の電流を
測定することによって、特定の配列を有するDNAを検
出する方法を応用し、より検出感度の高い方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 電極に固定されてなるプローブDNAと
一本鎖に解離させた試料DNAとを、基質、その基質と
の反応によって還元型に変化する酸化酵素、および電気
活性縫い込み型インターカレータの存在下に接触させ、
該プローブDNAと該試料DNAとによって形成された
ハイブリッドDNAに結合した該インターカレータに流
れる電流を、還元型に変化した酸化酵素と電極との間の
電子移動によって増幅させ、その電流を測定することに
よって特定の塩基配列を有するDNAを検出することか
らなるDNAの増感型検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料DNAから特
定の配列を有するDNAを検出する方法に関するもの
で、ハイブリダイゼーション法を利用した発明である。
【0002】
【従来の技術】生物学、医学分野での遺伝子解析におい
ては、特定の配列を有するDNAを検出する方法とし
て、ハイブリダイゼーション法が用いられている。
【0003】この中でも特に、目的とする遺伝子を特異
的に検出する方法として、サザンハイブリダイゼーショ
ン法(サザンブロッティング法)が一般的に用いられて
いる。サザンハイブリダイゼーション法では、まず試料
DNAを一種類以上の制限酵素でフラグメントとし、ア
ガロースゲル電気泳動あるいはポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけてその分子量サイズによって分画ごとに
分離する。次に、分離した試料DNAを一本鎖DNAに
変性した後、ナイロン・フィルターもしくはニトロセル
ロース・ペーパー等に固定化する。そして、その変性さ
れた一本鎖DNAと、放射性同位元素(以下、RIとい
う)でラベルされた塩基対を形成する相補的な一本鎖D
NA(以下、プローブDNAという)とをハイブリダイ
ズさせた後、フィルターを洗浄する。洗浄後、該フィル
ター等をオートラジオグラフにかけ、現像することによ
ってプローブDNAとハイブリダイズする特定の配列を
有するDNAを検出することができる。
【0004】しかし、上記のサザンハイブリダイゼーシ
ョン法を含めた従来法は、何れも標識としてRIを用い
るため、放射性物質取り扱い施設とその維持管理に多大
な費用と労力を要するばかりでなく、取り扱い者の健康
の点で問題がある。また、オートラジオグラフによっ
て、バンドとして検出するためには、24時間以上の長
時間を必要とし、試料DNAの量が少ない場合には、さ
らに時間を要し、バンドが不明確となる等の問題点を有
する。
【0005】一方、サザンハイブリダイゼーション法に
おいて、RIの代わりに蛍光を用いる方法も知られてい
る。この方法は、安全性と迅速さにおいてRIより優れ
ている。また、蛍光法による、スライドガラスやシリコ
ン等の基板に多数のDNA分子を整列させたDNAチッ
プ技術も既に実用化されている。しかし、励起光による
褪色が起こること、測定には専用の蛍光測定装置が必要
であること、蛍光の内部消光のために一定量以上の蛍光
物質を導入することは困難であること等の欠点を有す
る。
【0006】また、発光にてDNAを検出する方法も実
用されているが、蛍光法と同様に測定に専用の発光測定
装置が必要とされる。
【0007】上記の問題点を解決する方法として、プロ
ーブDNAを電極型センサに適用する方法が開示されて
いる(特開平9−288080号公報および第57回分
析化学討論会予稿旨集、p137〜138(1996
年))。即ち、出力端子を備えた電極であって、プロー
ブDNAが固定されてなる電極と試料DNA(断片化が
不要)とを、インターカレータの存在下に反応させ、反
応後の電極の電流を測定することにより、プローブDN
Aと試料DNAとで形成されるハイブリッドDNAの存
在を検出あるいはハイブリッドDNAの量を測定する方
法(以下、DNAセンサ法という)である。インターカ
レータとしては、特に、酸化還元活性を持ったフェロセ
ン化合物が用いられ、これは、ハイブリッドDNAに特
異的に結合することが知られている。
【0008】上記のDNAセンサ法では、リアルタイム
でハイブリッドDNAの検出が簡便に高感度で行える。
分画処理も不要で、蛍光色素の褪色という問題もない。
本方法の装置は、プローブDNAが固定されてなる電極
が一個のみである。即ち、そのプローブDNAが固定さ
れてなる電極に、一本鎖に解離させた試料DNAを添加
し、プローブDNAと反応させ、相補性を判断するもの
である。
【0009】しかし、遺伝子発現のモニタリング、DN
A塩基配列の決定、遺伝子変異解析、遺伝子多型解析等
を効率的に行うためには、上記のDNAセンサ法では、
実用化レベルを十分満足するとは言い難い。従って、該
DNAセンサ法をDNAチップ技術に近づけることが一
つの解決策である。また、実用化レベルを満足するため
には、そのDNAセンサ法よりさらに高い感度を有する
DNAの検出方法の開発が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プローブD
NAと試料DNAとを、インターカレータ存在下に接触
させ、プローブDNAと試料DNAとの結合で形成され
たハイブリッドDNAに結合しているインターカレータ
に流れる電流を測定することにより接触後の電極の電流
を測定することにより、特定の塩基配列を有するDNA
を検出する方法を応用して、より検出感度の高いDNA
の検出方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
電極に固定されたプローブDNAと一本鎖に解離させた
試料DNAとを、基質、その基質との反応によって還元
型に変化する酸化酵素、および電気化学活性縫い込み型
インターカレータの存在下に接触させ、該プローブDN
Aと該試料DNAとの結合によって形成されたハイブリ
ッドDNAに結合した該インターカレータに流れる電流
を、還元型に変化した酸化酵素と電極との間の電子移動
によって増幅させ、その電流を測定することによって特
定の塩基配列を有するDNAを検出することからなるD
NAの増感型検出方法が上記の課題を解決できることが
判明した。
【0012】また、ハイブリッドDNAに、基質、その
基質との反応によって還元型に変化する酸化酵素、およ
び電気化学活性縫い込み型インターカレータを接触さ
せ、ハイブリッドDNAに結合した該インターカレータ
に流れる電流を、還元型に変化した酸化酵素と電極との
間の電子移動によって増幅させ、その電流を測定するこ
とによってハイブリダイズした試料DNAの相補性を検
出することからなるDNAの増感型検出方法も上記の課
題を解決できることが判明した。
【0013】DNAの増感型検出方法の好ましい態様
は、以下の通りである。 (1)プローブDNAの塩基配列が既知であって、その
プローブDNAを使用することを特徴とするDNAの増
感型検出方法。 (2)基質がグルコースもしくはコレステロールであっ
て、その基質との反応によって還元型に変化する酸化酵
素がそれぞれグルコースオキシダーゼ、コレステロール
オキシダーゼであることを特徴とするDNAの増感型検
出方法。 (3)電気化学活性縫い込み型インターカレータが、酸
化還元活性を有する化合物であることを特徴とするDN
Aの増感型検出方法。 (4)電気化学活性縫い込み型インターカレータが、フ
ェロセン修飾電気化学活性縫い込み型インターカレータ
であることを特徴とするDNAの増感型検出方法。 (5)一本鎖に解離させた試料DNAが、10-18 モル
乃至10-12 モルの範囲の量で使用することを特徴とす
るDNAの増感型検出方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のDNAの増感型検出方法
は、以下に説明する、増感効果を特に持たないDNAの
検出方法を応用したものである。増感効果を特に持たな
いDNAの検出方法を本発明のDNAの増感型検出方法
と区別するために、「DNAの非増感型検出方法」とい
う。
【0015】DNAの非増感型検出方法の特徴は、電極
表面にプローブDNAが固定されてなるDNAセンサ上
にて、プローブDNAと一本鎖に解離させた試料DNA
とを電気化学活性縫い込み型インターカレータ存在下に
接触させ、形成したハイブリッドDNAに結合している
該インターカレータに流れる電流を測定することによっ
て、特定の塩基配列を有するDNAを検出することであ
る。電極上で既にハイブリッドDNAが形成されている
ものに、該インターカレータを接触させてもよい。
【0016】DNAの増感型検出方法は、上記のDNA
の非増感型検出方法の条件にさらに基質およびその基質
との反応によって還元型に変化する酸化酵素を存在させ
ることによって、ハイブリッドDNAに結合した電気化
学活性縫い込み型インターカレータに流れる電流を、還
元型に変化した酸化酵素と電極との間の電子移動によっ
て増幅させ、その電流を測定するという点が非増感型検
出方法と異なる。
【0017】また、既に形成されているハイブリッドD
NAに、酸化酵素、基質、および電気化学活性縫い込み
型インターカレータを接触させ、該インターカレータに
流れる電流を還元型に変化した酸化酵素と電極との間の
電子移動によって増幅させ、その電流を測定することに
よってハイブリダイズした試料DNAの相補性を検出す
ることも本発明のDNAの増感型検出方法が非増感型検
出方法と異なる点である。
【0018】以下、本発明のDNAの増感型検出方法に
ついて詳細に説明する。
【0019】図1は、電気化学活性縫い込み型インター
カレータ(3)が、還元型に変化した酸化酵素とハイブ
リッドDNA(2)が結合した電極(1)との間の電子
移動反応を仲介する模式図である。即ち、電極(1)に
チオール基を介して固定されてなるプローブDNAと試
料DNAとで形成されたハイブリッドDNA(2)に、
電気化学活性縫い込み型インターカレータ(3)が二つ
のフェロセン分子を二本鎖の外側に突出した状態で結合
している。電流は、結合したインターカレータ(3)の
フェロセン分子間を流れる。ここに、酸化酵素(4)お
よびその対象となる基質(SU)を存在させると、基質
はその酸化体(OS)に変換される。発生する電子がフ
ェロセン分子の方向へ流れると電流は増幅する。即ち、
該インターカレータ(3)は、還元型に変化した酸化酵
素と電極との間の電子移動反応を仲介している。
【0020】電極としては、DNAを固定できるものが
好ましい。金、グラシーカーボンもしくは炭素を用いる
ことが好ましい。電極の数は、二以上の複数であれば特
に制限されない。
【0021】プローブDNAとしては、生物試料から抽
出したDNAを制限酵素で切断し、電気泳動による分離
等で精製したDNAあるいは化学合成で得られた一本鎖
のDNAを用いることができる。生物試料から抽出した
DNAの場合には、熱処理あるいはアルカリ処理によっ
て、一本鎖のDNAに解離させておくことが好ましい。
これらの一本鎖のDNAの配列は、周知のDNA配列決
定法により、予め決定しておくことが好ましい。
【0022】上記の一本鎖のDNAは、電極に固定す
る。固定化方法としては、公知の方法が用いられる。電
極が金である場合、該DNAの5’−もしくは3’−末
端(好ましくは、5’−末端)にチオール基を導入し、
金とイオウとの配位結合を介して、該DNAが電極に固
定される。該DNAにチオール基を導入する方法は、文
献(M.Maeda et al.,Chem.Let
t.,1805〜1808(1994)およびB.A.
Connolly,Nucleic AcidsRe
s.,13,4484(1985))に記載されてい
る。即ち、上記の方法によって得られたチオール基を有
する該DNAを金電極に滴下し、低温下で数時間放置す
ることにより該DNAが電極に固定され、プローブDN
Aが作成される。
【0023】電極がグラシーカーボンである場合、グラ
シーカーボンを過マンガン酸カリウムで酸化することに
よって、電極表面にカルボン酸基を導入する。次いで、
該DNAは、アミド結合により電極表面に固定される。
実際の固定化方法については、文献(K.M.Mill
an et al.,Analytical Chem
istry,65,2317〜2323(1993))
に詳細が記載されている。
【0024】ハイブリダイゼーションは、電気活性縫い
込み型インターカレータの存在下に行うことが好まし
い。該インターカレータは、数nM〜数mMの濃度範囲
で用いることが好ましい。該インターカレータは、プロ
ーブDNAと試料DNAとのハイブリダイゼーションの
速度を促進すると共に、形成されたハイブリッドDNA
に高い特異性で結合し、該ハイブリッドDNAを安定化
する。このとき、該インターカレータとハイブリッドD
NAとの複合体は、一次元マトリックスを支持体とした
擬ポリフェロセンポリマー(フェロセン分子の擬ポリマ
ー)と見なせる。このポリマー配列化が、還元型に変化
したグルコースオキシダーゼと電極との間の電子移動反
応の仲介を可能にしている。ハイブリッドDNAが形成
されない場合には、該インターカレータは、一本鎖のD
NAには結合しないか、あるいは一旦結合してもすぐに
解離して遊離のインターカレータとなる。
【0025】電気化学活性縫い込み型インターカレータ
は、酸化還元活性を有する物質であり、かつハイブリッ
ドDNAの二本鎖に縫い込まれる構造を有する物質であ
ることが好ましい。酸化還元活性部分として好ましく
は、フェロセン化合物、カテコールアミン化合物、金属
ビピリジン錯体、金属フェナンスリン錯体もしくはビオ
ローゲン化合物である。さらに好ましくは、フェロセン
化合物である。縫い込み型インターカレータ部分として
好ましくは、ナフタレンジイミド、アントラセン、アン
トラキノン等である。よって、好ましく用いられる該イ
ンターカレータは、フェロセンカルボン酸N−ヒドロキ
シスクシンイミドエステルと対応するアミン体との反応
により合成される下記式で表されるフェロセン化ナフタ
レンジイミド誘導体(S.Takenaka et a
l.,J.Chem.Soc.,Commun.,11
11(1998))である。
【0026】
【化1】
【0027】また、下記式で表されるフェロセン化ナフ
タレンジイミド誘導体も好ましく用いられる。
【0028】
【化2】
【0029】但し、Aは下記式で表されるフェロセン誘
導体である。
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】電気活性縫い込み型インターカレータに
は、酸化還元活性部分と縫い込み型インターカレータ部
分とを繋ぐリンカー部分がある。上記式で表される1,
4−ジプロピルピペラジン基がリンカー部分に相当す
る。このピペラジン基の代わりに、二価の四級アミン基
を導入することもできる。四級アミン基を導入した下記
式で表される化合物は、反応溶液中のpHに依らずカチ
オン性となるために、ハイブリッドDNAとの結合がよ
り強くなる。リンカー部分に相当する基としては上記の
ものに限定されない。リンカー部分に相当する基の構造
の違いより、フェロセン分子の酸化還元電位が異なる。
【0035】
【化7】
【0036】電気活性縫い込み型インターカレータとし
て上記のナフタレンジイミド誘導体を用いた場合、ナフ
タレンジイミド誘導体は、二塩基おきに配列してハイブ
リッドDNAに飽和している。このことは、ナフタレン
ジイミド誘導体の二つのフェロセン部分が、それぞれ、
ハイブリッドDNAの主溝と副溝とに密に並んだ状態を
意味している。このため、ナフタレンジイミド誘導体
は、ハイブリッドDNAからの解離速度が極めて遅くな
る。ここで、ナフタレンジイミド誘導体のハイブリッド
DNAへの結合がインターカレーションモードであるこ
とは、アレイにインターカレータおよび試料DNAを添
加したときに、粘度の変化が認められたことにより決定
した。閉環状プラスミド(例えば、ウイルスSV40)
の場合、インターカレーションが起こると超らせんの変
化に伴って粘度も変化することが知られている。
【0037】試料DNAは、嚢胞性線維症等の遺伝病の
患者より抽出したDNAを、熱処理あるいはアルカリ処
理によって、一本鎖のDNAに解離させて使用すること
が好ましい。必要であれば、制限酵素で切断し、電気泳
動による分離等で精製してもよい。制限酵素で切断を受
けた試料DNAは、複数個のDNA断片となるが、プロ
ーブDNAとの接触に使用されるDNA断片は、一つで
あっても複数個であってもよい。試料DNAは、数10
-18 〜数10-10 モルの範囲の量で用いられることが好
ましい。数10-18 〜数10-12 モルの範囲の量で用い
られることがさらに好ましい。
【0038】酸化酵素として用いる酵素は、酸素から過
酸化水素を生じる2電子還元を行う酵素であれば特に制
限されない。グルコースオキシダーゼ、コレステロール
オキシダーゼ、ウリカーゼ、アミンオキシダーゼ等を好
ましく使用することができる。グルコースオキシダーゼ
によって過酸化水素を発生する基質としては、グルコー
スを使用する。コレステロールオキシダーゼの場合に
は、基質としてコレステロールを使用する。
【0039】グルコースオキシダーゼは、Asperg
illus nigerもしくはPenicilliu
m notatum由来のものを用いることが好まし
い。コレステロールオキシダーゼは、Nocardia
erythroporis、Brevibacter
ium、Pseudomonas、Mycobacte
rium等から得られたものを用いることが好ましい。
【0040】ハイブリダイゼーション終了後、電極を洗
浄し、遊離のインターカレータを除去しておくことが好
ましい。
【0041】プローブDNAと試料DNAとの反応の結
果は、電極に流れる電気量を測定することにより判断す
る。電気量の測定には、電位をかけて流れる電流を測定
できる方法であれば何れの方法も用いることができる。
サイクリックボルタンメトリー、デファレンシャルパル
スボルタンメトリー、ポテンショスタット等が好ましく
用いられる。
【0042】DNAの増感型検出方法では、グルコース
およびグルコースオキシダーゼの存在によって電極に流
れる電流量は、存在させない場合に比較して20〜10
0倍に増幅する。反応に使用する緩衝液あるいはスキャ
ン速度を変えることにより、100倍以上の電流量の増
幅も可能である。
【0043】
【実施例】[実施例1] (1)プローブDNAが固定されてなる電極の作成 面積が2.25mm2 の金電極に、5’−末端にメルカ
プトヘキシル基を有する150ピコモルのチミジンの2
0量体(dT20); 5’−TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT−
3’ の水溶液2μLを滴下し、プローブDNAを作成した。
この金電極には、電極2mm2 当たり20ピコモルのd
20が固定されたことになる。dT20の合成および固定
化については、文献(特開平9−288080号公報)
に従って行った。 (2)フェロセン縫い込み型インターカレータの合成 合成は、文献(同公報)に従って合成した。 (3)試料DNAの合成 試料DNAとして、下記式で表されるアデニンの20量
体(dA20); 5’−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA−
3’ を合成した。合成法については、上記文献に従った。 (4)試料DNAの相補性の検出 上記(3)で得られたdA20(286ピコモル)、下記
式で表されるフェロセン縫い込み型インターカレータ
(50μM)、グルコース(10mM)およびグルコー
スオキシダーゼ(Aspergillus niger
由来、和光(株)製(200U)とを含む0.1M酢酸
−酢酸カリウム水溶液(pH5.6)−0.1M塩化カ
リウム水溶液の混合液に、dT20が固定された金電極を
浸し、25℃で20分間インキュベートさせた。インキ
ュベート後、電極を引き上げ、電極を5秒間、0.1M
リン酸二水素ナトリウム−リン酸水素二ナトリウム水溶
液(pH7.0)にて洗浄し、遊離のインターカレー
タ、未反応のdA20、グルコースおよびグルコースオキ
シダーゼを除去した。この洗浄処理後の電極のサイクリ
ックボルタモグラムを測定した(図2)。測定は、スキ
ャン速度25mV/秒にて行った。
【0044】
【化8】
【0045】[比較例1]グルコースおよびグルコース
オキシダーゼを存在させなかった以外は、実施例1と同
様にして試料DNAの相補性の検出を行った(図2)。
【0046】図2より、グルコースおよびグルコースオ
キシダーゼの存在下で増幅された電流(実線サイクリッ
クボルタモグラム)は、電位514mVにおいて、−
2.9μAであったのに対し、存在させない場合の電流
(点線サイクリックボルタモグラム)は、−0.1μA
であった。即ち、前者は、後者の29倍であることが分
かった。
【0047】[実施例2]試料DNA(dA20)の濃度
を変える以外は、実施例1と同様にして電極の性能の評
価を行った(図3)。測定は、電位480mVにおいて
行った。棒グラフ(41)は、試料DNA(dA20)の
濃度が10ピコモルであるときの電流値(3.2μA)
を、棒グラフ(42)は、濃度が20ピコモルであると
きの電流値(3.6μA)を示す。棒グラフ(41’)
および棒グラフ(42’)は、それぞれ、グルコースお
よびグルコースオキシダーゼを存在させない場合におけ
る、試料DNA(dA20)の濃度が10ピコモルの電流
値(0.4μA)、20ピコモルの電流値(0.6μ
A)を示す。
【0048】図3より、試料DNA(dA20)の濃度が
20ピコモルの場合には、グルコースおよびグルコース
オキシダーゼを存在させると、存在させない場合に比べ
ると60〜80倍の範囲で増幅された電流値を示し、試
料DNA(dA20)の濃度を10ピコモルにしても、同
様な効果が認められた。従って、グルコースおよびグル
コースオキシダーゼを存在させることにより、試料DN
Aの濃度を下げても、高い検出感度で試料DNAの検出
を行えることが分かった。
【0049】よって、図2および図3は、ハイブリッド
DNAに結合したインターカレータが、還元型に変化し
た酸化酵素と電極との間の電子移動を仲介したことによ
り電流が増幅されたことを示している。
【0050】
【発明の効果】本発明のDNAの増感型検出方法は、基
質およびその基質との反応によって還元型に変化する酸
化酵素を存在させない方法に比べて、20〜100倍の
範囲の高い検出感度を達成することができた。また、用
いる試料DNAの濃度が数10-18 〜数10-12 モルの
範囲の量であっても、試料DNAの定性・定量が充分に
行えることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気化学活性縫い込み型インターカレータが、
還元型に変化した酸化酵素とハイブリッドDNAが結合
している電極との間の電子移動反応を仲介する模式図で
ある。
【図2】グルコースおよびグルコースオキシダーゼ存在
下のサイクリックボルタモグラム、並びにグルコースお
よびグルコースオキシダーゼが共に非存在下のサイクリ
ックボルタモグラムである。
【図3】グルコースおよびグルコースオキシダーゼ在下
での試料DNAの濃度とピーク電流値との関係を示す棒
グラフ、並びにグルコースおよびグルコースオキシダー
ゼが共に非存在下での試料DNAの濃度とピーク電流値
との関係を示す棒グラフである。
【符号の説明】
1 電極 2 ハイブリッドDNA 3 電気化学活性縫い込み型インターカレータ 4 酸化酵素

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極に固定されたプローブDNAと一本
    鎖に解離させた試料DNAとを、基質、その基質との反
    応によって還元型に変化する酸化酵素、および電気化学
    活性縫い込み型インターカレータの存在下に接触させ、
    該プローブDNAと該試料DNAとの結合によって形成
    されたハイブリッドDNAに結合した該インターカレー
    タに流れる電流を、還元型に変化した酸化酵素と電極と
    の間の電子移動によって増幅させ、その電流を測定する
    ことによって特定の塩基配列を有するDNAを検出する
    ことからなるDNAの増感型検出方法。
  2. 【請求項2】 ハイブリッドDNAに、基質、その基質
    との反応によって還元型に変化する酸化酵素、および電
    気化学活性縫い込み型インターカレータを接触させ、ハ
    イブリッドDNAに結合した該インターカレータに流れ
    る電流を、還元型に変化した酸化酵素と電極との間の電
    子移動によって増幅させ、その電流を測定することによ
    ってハイブリダイズした試料DNAの相補性を検出する
    ことからなるDNAの増感型検出方法。
  3. 【請求項3】 プローブDNAの塩基配列が既知であっ
    て、そのプローブDNAを使用することを特徴とする請
    求項1に記載の増感型DNAの検出方法。
  4. 【請求項4】 基質がグルコースもしくはコレステロー
    ルであって、その基質との反応によって還元型に変化す
    る酸化酵素がそれぞれグルコースオキシダーゼ、コレス
    テロールオキシダーゼであることを特徴とする請求項1
    もしくは2の内の何れかの項に記載のDNAの増感型検
    出方法。
  5. 【請求項5】 電気化学活性縫い込み型インターカレー
    タが、酸化還元活性を有する化合物であることを特徴と
    する請求項1もしくは2の内の何れかの項に記載のDN
    Aの増感型検出方法。
  6. 【請求項6】 電気化学活性縫い込み型インターカレー
    タが、フェロセン修飾電気化学活性縫い込み型インター
    カレータであることを特徴とする請求項1、2もしくは
    4の内の何れかの項に記載のDNAの増感型検出方法。
  7. 【請求項7】 一本鎖に解離させた試料DNAを、10
    -18 モル乃至10-1 2 モルの範囲の量で使用することを
    特徴とする請求項1に記載のDNAの増感型検出方法。
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