JP2003202343A - 選択結合性物質のハイブリダイゼーション方法およびハイブリダイゼーション装置および選択結合性物質配列基材 - Google Patents

選択結合性物質のハイブリダイゼーション方法およびハイブリダイゼーション装置および選択結合性物質配列基材

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JP2003202343A JP2002309434A JP2002309434A JP2003202343A JP 2003202343 A JP2003202343 A JP 2003202343A JP 2002309434 A JP2002309434 A JP 2002309434A JP 2002309434 A JP2002309434 A JP 2002309434A JP 2003202343 A JP2003202343 A JP 2003202343A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で選択結合性物質の反応時間を短縮
でき、効率的なハイブリダイゼーション装置を提供す
る。 【解決手段】基材上に選択結合性物質を配列した選択結
合性物質配列領域で、前記選択結合性物質と選択的に結
合する対応選択結合性物質を含む被検試料溶液を作用さ
せ、前記選択結合性物質と前記対応選択結合性物質をハ
イブリダイゼーションさせる工程において、選択結合性
物質配列面の垂直軸に交差する方向で、且つ前記選択結
合性物質配列領域の両端より外側に配置した導電電極間
に交流電圧を印加する工程を有する選択結合性物質のハ
イブリダイゼーション方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検物質と選択的
に結合する物質(本明細書において「選択結合性物
質」)をハイブリダイゼーションさせる方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】各種生物の遺伝情報解析の研究が始めら
れており、ヒト遺伝子をはじめとして、多数の遺伝子と
その塩基配列、また遺伝子配列にコードされる蛋白質お
よびこれら蛋白質から二次的に作られる糖鎖に関する情
報が急速に明らかにされつつある。配列の明らかにされ
た遺伝子、蛋白質、糖鎖などの高分子体の機能について
は、各種の方法で調べることができる。主なものとして
は、核酸についてはノーザンハイブリダイゼーション、
あるいはサザンハイブリダイゼーションのような、各種
の核酸/核酸間の相補性を利用して各種遺伝子とその生
体機能発現との関係を調べることができる。蛋白質につ
いては、ウエスタンハイブリダイゼーションに代表され
るような、蛋白質/蛋白質間の反応を利用し蛋白質の機
能および発現について調べることができる。
【0003】近年、多数の遺伝子発現を一度に解析する
手法としてDNAマイクロアレイ法(DNAチップ法)
と呼ばれる新しい分析法、ないし方法論が開発され、注
目を集めている。これらの方法は、いずれも核酸/核酸
間ハイブリダイゼーション反応に基づく核酸検出・定量
法である点で原理的には従来の方法と同じであり、蛋白
質/蛋白質間あるいは糖鎖/糖鎖間や糖鎖/蛋白質間の
ハイブリダイゼーションに基づく蛋白質や糖鎖検出・定
量にも応用が可能ではある。これらの技術は、マイクロ
アレイ又はチップと呼ばれる平面基板片上に、多数のD
NA断片や蛋白質、糖鎖が高密度に整列固定化されたも
のが用いられている点に大きな特徴がある。マイクロア
レイ法の具体的使用法としては、例えば、研究対象細胞
の発現遺伝子等を蛍光色素等で標識したサンプルを平面
基板片上でハイブリダイゼーションさせ、互いに相補的
な核酸(DNAあるいはRNA)同士を結合させ、その
箇所を蛍光色素等でラベル後、高解像度解析装置で高速
に読みとる方法や、電気化学反応にもとづく電流値等の
応答を検出する方法が挙げられる。こうして、サンプル
中に含まれる遺伝子の種類を迅速に推定できる。
【0004】一方、核酸/核酸間ハイブリダイゼーショ
ンに使用される核酸溶液は高価であるため、できるだけ
核酸の量を少なくしてハイブリダイゼーション反応を行
わせることが望ましく、その為に核酸溶液の核酸濃度を
低くする事が考えられるが、低濃度の核酸溶液とのハイ
ブリダイゼーションにおいても効率を良くする為の方法
として、前記マイクロアレイの基板上に導電体層を有す
る標本核酸固定部位を配設し、該標本核酸固定部位にプ
ラス電位を印加して電場をつくり、前記核酸溶液中の検
体核酸を前記標本核酸固定部位近傍に引き寄せ、標本核
酸固定部位近傍の核酸濃度を局所的に高め、ハイブリダ
イゼーション効率を上げる試みもなされている(例え
ば、特許文献1参照)。
【0005】蛋白質や糖鎖を用いたマイクロアレイにつ
いても、これら核酸を用いたマイクロアレイ同様の効果
が期待される。
【0006】しかしながら、前記導電体層を用いた方法
では検体核酸および標本核酸固定部位に固定された標本
核酸が標本核酸固定部位に電気的に吸着されてしまうた
め、核酸の移動が制限され、ハイブリダイゼーションは
検体核酸が標本核酸固定部位に引き寄せられる期間に起
こる核酸間の衝突で飽和し、ハイブリダイゼーション時
間を長くしても未反応の核酸が多数残り、ハイブリダイ
ゼーション反応に少量の検体核酸を有効に利用すること
に限界がある。
【0007】
【特許文献1】特開平8−154656号公報 (第4
頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、高
価な核酸、蛋白、糖鎖、抗体、抗原などの高分子体試料
を少量でかつ有効に利用できるハイブリダイゼーション
の方法を確立することは、今後重要性を増すと考えられ
る高分子体解析に強く求められるものであり、これが本
発明が解決しようとする課題である。
【0009】具体的には、従来用いられている平面基板
片上に、多数のDNA断片や蛋白質、糖鎖などの選択結
合性物質が高密度に整列固定化されたマイクロアレイ、
あるいは前記選択結合性物質が多孔質中空繊維内部に固
定化された該多孔質中空繊維を結束固定し、配列体の繊
維軸と交差する方向に切断して薄片とし、前記選択結合
性物質体を繊維内部に固定した二次元高密度繊維配列体
としたマイクロアレイ、あるいは繊維表面に前記選択結
合性物質が高密度に整列固定化され、該繊維を三次元構
造体として配列したマイクロアレイなどにおいては、ハ
イブリダイゼーション反応を選択結合性物質の自然拡散
に依存しており、少量の選択結合性物質を含む溶液を用
いて効率よくハイブリダイゼーション反応を起こさせ、
高価な選択結合性物質を有効に利用することが困難であ
り、この非効率性を解消すべく発明された電気的吸引に
よる択結合性物質のハイブリダイゼーション反応の効率
化方法においても効率化は十分ではなかった。
【0010】そこで、本発明は以上説明したような従来
の欠点を解消し、少量の選択結合性物質を有効に利用し
てハイブリダイゼーション反応を行わせるハイブリダイ
ゼーション方法、およびハイブリダイゼーション装置を
提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の如
き課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ハイブリ
ダイゼーション反応期間中、対応選択結合性物質をマイ
クロアレイ基板、あるいは繊維上に固定した前記選択結
合性物質近傍で常時移動させ、前記選択結合性物質と前
記対応選択結合性物質の衝突確率を高めることによりハ
イブリダイゼーション反応の効率を高め得ることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、選択結合性物質配列
基材上に選択結合性物質をアレイ状に配列した選択結合
性物質配列体の前記選択結合性物質と選択的に結合する
対応選択結合性物質を含む被検試料溶液を作用させ、前
記選択結合性物質と前記対応選択結合性物質をハイブリ
ダイゼーションさせる工程であって、前記選択結合性物
質配列領域の両端より外側に配置した導電電極間に交流
電圧を印加することにより、高価な選択結合性物質を少
量でかつ有効に利用する選択結合性物質のハイブリダイ
ゼーション方法およびそれを用いたハイブリダイゼーシ
ョン装置である。
【0013】また本発明の別の態様は、基材上の選択結
合性物質配列領域に複数配列した選択結合性物質固定化
部位において、前記選択結合性物質と選択的に結合する
対応選択結合性物質を含む被検試料溶液を作用させ、前
記選択結合性物質と前記対応選択結合性物質をハイブリ
ダイゼーションさせる工程であって、前記選択結合性物
質配列領域が凹凸面からなり、前記選択結合性物質固定
化部位が凹凸面の凹部の底面または凸部の端面であり、
前記基板上の選択結合性物質配列領域と対向する位置に
配置した封止板との間に充填された被検試料溶液を、前
記選択結合性物質固定化部位に対して相対的に移動さ
せ、前記結合反応を行わせる選択結合性物質のハイブリ
ダイゼーション方法およびそれを用いたハイブリダイゼ
ーション装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の選択結合性物質のハイブ
リダイゼーション方法は、ハイブリダイゼーション反応
期間中、対応選択結合性物質を固定した選択結合性物質
近傍で常時移動させ、選択結合性物質と対応選択結合性
物質の衝突確率を高めることで効率よくハイブリダイゼ
ーション反応を行うものであり、選択結合性物質固定化
部位の固定面に垂直な軸に交差する方向で、且つ選択結
合性物質固定化領域の両端より外側に配置した対向する
導電電極間に交流電圧を印加、あるいは凹凸部を有する
基材を用いて前記選択結合性物質固定化部位の垂直軸に
交差する方向で、且つ前記選択結合性物質配列領域の両
端より外側に被検試料溶液吸入/吐出口を配置し、該被
検試料溶液吸入/吐出口に結合したポンプの吸入排出に
より、前記被検試料溶液吸入/吐出口から前記被検資料
溶液を吸入、吐出することにより、前記選択結合性物質
を移動させることが重要である。
【0015】また、本発明のハイブリダイゼーション装
置は上記方法を遂行するために好ましい装置であり、基
材を設置する基台と、選択結合性物質を固定化した面の
垂直軸に交差する方向で、且つ選択結合性物質固定化領
域の両端より外側に配置した対向する導電電極と、該導
電電極間に交流電圧を印加する交流電圧印加手段を有す
るもの、あるいは凹凸部を有する基材を用いて、前記選
択結合性物質固定化部位の垂直軸に交差する方向で、且
つ前記選択結合性物質配列領域の両端より外側に配置し
た被検試料溶液吸入/吐出口と、該被検試料溶液吸入/
吐出口に結合した被検試料溶液吸入/吐出ポンプを有す
るものである。
【0016】さらに、本発明の選択結合性物質配列基材
は、前記選択結合性物質配列領域が平坦な基材、および
基材上の前記選択結合性物質配列領域が凹凸面からな
り、前記選択結合性物質固定化部位が凹凸面の凹部の底
面または凸部の端面である、選択結合性物質配列基材で
ある。前記選択結合性物質固定化部位が凹凸形状を有し
ていることは、前記選択結合性物質が基材上に固定化さ
れる形状が、予め決められた基材の形状になるため、基
材形成の工程で前記選択結合性物質固定化部位の形状を
コントロールすることができる点で重要である。
【0017】本発明の交流電圧を利用して、前記対応選
択結合性物質を移動させる方法または装置において、前
記導電電極に用いることができる材質としては、白金、
金、銀、クロム、チタン、ニッケル、アルミニウム、
銅、パラジウム、等の金属単体、またはこれらの金属の
酸化物、窒化物あるいはそれらの合金、炭素あるいは炭
素化合物、または導電性ポリマー等が挙げられ、これら
の中から選ばれる少なくとも1種が含まれていればよ
い。
【0018】金属単体またはこれらの金属の酸化物、窒
化物あるいはそれらの合金の特性としては、これらの材
質を用いて配設した導電電極間に交流電圧を印加するこ
とにより前記対応選択結合性物質を含む被検試料溶液を
介して前記導電電極間に電流が流れる為、被検試料溶液
と反応し、被検試料溶液中に金属イオンが溶出し難い材
質が望ましい。
【0019】炭素化合物の代表例としては、グラファイ
ト、フラーレン、等が挙げられる。
【0020】導電性ポリマーの代表例としては、ポリア
セチレン、ポリピロール、ポリチオフィン、ポリアニリ
ン等が挙げられ、これらの導電性ポリマーと前記金属、
炭素化合物などを混ぜ合わせ、導電特性を改良した複合
導電性プラスチック等も挙げられる。
【0021】導電電極は後述する理由により、予め選択
結合性物質配列基材上に形成されることが望ましいが、
ハイブリダイゼーション装置側に導電電極を有し、ハイ
ブリダイゼーション準備段階で選択結合性物質配列基材
上に導電電極を装着する形態でも構わない。
【0022】これらの材料を用いて基材上に電極を設置
する手段として、電極材料に金属を用いる場合は基材上
に導電電極の形状の開口を有するマスクを配置し、スパ
ッタ法、蒸着法により導電電極を形成する、あるいはメ
ッキ法を用いて厚膜の導電電極を形成する、さらには金
属箔または金属薄板を接着剤で基材に接着する事により
導電電極を形成事が出来る。炭素化合物を用いる場合
は、基材上に導電電極の形状の開口を有するマスクを配
置し、スパッタ法を用いて電極を形成することができ
る。導電性ポリマーを用いる場合は、シルクスクリーン
印刷等の印刷法を用いてペースト状の導電性ポリマーを
塗布し、紫外線による光硬化法を用いてペーストを硬化
させ、導電電極を形成する事ができる。
【0023】また、導電電極をハイブリダイゼーション
装置側に有する場合は、前記金属材料、炭素化合物、導
電性ポリマーを用いて作製した薄板状の電極板をハイブ
リダイゼーション装置の基台上部に有し、基台状に選択
結合性物質配列基材を裁置した後、該電極板を選択結合
性物質配列基材状に装着することにより、導電電極を形
成することが出来る。
【0024】次に、本発明の被検試料溶液吸入/吐出口
から前記被検資料溶液を吸入、吐出することにより前記
対応選択結合性物質を移動させる方法または装置におい
ては、被検試料溶液吸入/吐出口は前記選択結合性物質
配列領域の両端より外側に配置され、被検試料溶液を吸
入/吐出する際に前記選択結合性物質配列領域の全面に
むらなく均一に前記被検試料溶液が流動するように吸入
/吐出口の向き、形状を決めている。吸入/吐出による
該被検試料溶液の流動方向については、一定方向であっ
ても往復運動であってもよい。
【0025】また、前記被検試料が吸入/吐出口および
前記ポンプに出入りする際に、該吸入/吐出口、ポン
プ、およびそれらを接続する管の内壁に吸着するのを防
ぐために、その内壁表面は親水性ポリマー等でコーティ
ングされていることが望ましい。親水性ポリマーとして
は、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン
酸、ポリアクリル酸などが挙げられる。
【0026】次に本発明の交流電界を用いて前記対応選
択結合性物質を移動させる方法の一形態について図面を
用いて説明する。本発明のハイブリダイゼーション装置
の一態様の側面図を図1(a)に、平面図を図1(b)
に示す。なお本発明はこの例に限定されるものではな
い。図1、図2において選択結合性物質配列基材1と、
導電電極2、3と、カバー基材5と、交流電圧印加手段
6とを備える。選択結合性物質配列基材1上に設けられ
た選択結合性物質固定部位4上に選択結合性物質10が
固定され、選択結合性物質10がアレイ状に配列された
選択結合性物質配列領域8を形成する。基台9の上に裁
置された選択結合性物質配列基材1上には選択結合性物
質配列領域8の両側に導電電極2、3が配設され、該導
電電極2,3の上にカバー基材5を架設する。前記導電
電極2、3を介して選択結合性物質配列基材1とカバー
基材5に挟まれた空間には前記対応選択結合性物質11
を含む被検試料溶液7が満たされる。
【0027】前記選択結合性物質配列領域8に選択結合
性物質10が配列される形態は、該選択結合性物質配列
領域8が凹凸面からなり、前記選択結合性物質固定化部
位が該凹凸面の凹部の底面または凸部の端面であり、複
数配列された凹部の底面の高さは略等しく、また、複数
配列された凸部の端面の高さは略等しい、それぞれ2次
元平面の格子点上に配列されることが望ましいが、2次
元平面の格子点からずれた位置、直線状、であっても構
わない。
【0028】被検試料溶液7を満たした後、交流電圧印
加手段6を用いて導電電極2、3の間に電圧を印加す
る。これにより、導電電極2、3間に電界が発生し、被
検試料溶液7中に自然拡散している対応選択結合性物質
11は負電荷を有するため、導電電極2、3間に発生し
た電界の方向に応じて前記選択結合性物質配列領域8を
横切る方向に移動を繰り返す。具体的には、導電電極2
がプラス電位、導電電極3がマイナス電位の場合、前記
対応選択結合性物質11は導電電極2に引き寄せられ、
導電電極2がマイナス電位、導電電極3がプラス電位の
場合、前記対応選択結合性物質11は導電電極3に引き
寄せられる。このように対応選択結合性物質11が前記
選択結合性物質配列領域8を横切って移動する過程で選
択結合性物質固定部位4上に固定された選択結合性物質
10と対応選択結合性物質11が接触し、互いに相補的
な配列を有している場合にハイブリダイゼーションが起
こる。
【0029】尚、導電電極に印加する電圧は高いほど負
電荷を有する選択結合性物質7、及び対応選択結合性物
質11が導電電極から受ける電気的吸引力あるいは電気
的斥力は強くなり、対応選択結合性物質11の移動によ
る選択結合性物質7との接触の効果が高まることは言う
までもないが、高電圧を長時間印加させると、選択結合
性物質7及び対応選択結合性物質11が損傷を受けるこ
とがある為、本実施の形態では導電電極間隔1cm当た
り5Vから50Vの間に設定し、安定なハイブリダイゼ
ーション結果を得る為には、導電電極間隔1cm当たり
10Vから25Vであればさらに好ましい。
【0030】以上説明したように、本発明の交流電界に
よってハイブリダイゼーションの効率化を図る方法で
は、選択結合性物質10と対応選択結合性物質11がハ
イブリダイゼーションの期間中、常時相対的に移動し、
衝突、接触を繰り返す為、ハイブリダイゼーションの効
率が高まる。
【0031】ここで、選択結合性物質固定部位として
は、通常基板上に設けた平面上の位置、基板上に設けた
凹凸を用いるが、選択結合性物質配列基材1を貫通する
穴に棒状の樹脂、ガラス、金属、繊維等を挿嵌し、該樹
脂、ガラス、金属、繊維の先端を選択結合性物質固定部
位として用いても同様の効果が期待できる。
【0032】また、高価な被検試料溶液7の量を少なく
する為には前記導電電極2、3はできるだけ薄くする事
が望ましく、前記選択結合性物質固定部位が平面または
凹部底面である場合、基板面に対して、前記導電電極の
高さは2μmから200μmであればさらに望ましい。
また、前記選択結合性物質固定部位が凸部端面である場
合、凸部端面に対して、前記導電電極の高さは2μmか
ら200μmであればさらに望ましい。このように非常
に薄く厚みムラの少ない電極を形成するために、前記導
電電極は予め選択結合性物質配列基材上に形成されてい
ることが望ましいが、ハイブリダイゼーション装置側に
導電電極を有し、ハイブリダイゼーション準備段階で選
択結合性物質配列基材1上に導電電極を装着する形態で
も構わない。
【0033】なお、従来の方法においては、ハイブリダ
イゼーション反応は選択結合性物質の自然拡散に依存し
ているため、前記選択結合性物質10と対応選択結合性
物質11の接触確率は低く、従ってハイブリダイゼーシ
ョン反応の効率は低かった。さらに、この非効率性を解
消すべく図3、図4に示すように電気的吸引による選択
結合性物質のハイブリダイゼーション反応の効率化を狙
った方法においても効率化は十分ではなかった。
【0034】従来の電気吸引によるハイブリダイゼーシ
ョン効率化の方法について図3、図4を用いて説明す
る。選択結合性物質配列基材12上に設けられた選択結
合性物質固定部位15上に選択結合性物質10が固定さ
れる。選択結合性物質配列基材12上には選択結合性物
質10が配列された領域の外側に支持材13が配設さ
れ、支持材13の上にカバー基材14が架設される。前
記支持材13を介して選択結合性物質配列基材12とカ
バー基材14に挟まれた空間には対応選択結合性物質1
1を含む被検試料溶液18が満たされる。被検試料溶液
18を満たした後、電圧印加手段17を用いて、電極1
6に負電位を、導電性を持つ層を有する選択結合性物質
固定部位15に正電位を印加することにより、電極16
と選択結合性物質固定部位15との間に電界が発生し、
被検試料溶液18中に自然拡散している対応選択結合性
物質11は負電荷を有するため、前記選択結合性物質固
定部位15に吸引される。これにより選択結合性物質固
定部位15周辺の対応選択結合性物質11の濃度が高く
なり、あるいは選択結合性物質固定部位15に対応選択
結合性物質11が吸着する過程で選択結合性物質10と
対応選択結合性物質11が接触し、ハイブリダイゼーシ
ョンが起こる。
【0035】しかし、図3に示す方法では、対応選択結
合性物質11は電気力により選択結合性物質固定部位1
5に吸着されてしまい、さらには対応選択結合性物質1
1と同じ負電荷を持つ選択結合性物質10も選択結合性
物質固定部位15の表面に吸着されてしまい、選択結合
性物質10と対応選択結合性物質11の間で相対的な動
きが無くなる為、本発明と比べて選択結合性物質10と
対応選択結合性物質11の動的な接触確率が低い。
【0036】次に、本発明の被検試料溶液吸入/吐出口
から前記被検資料溶液を吸入、吐出することにより前記
対応選択結合性物質を移動させる方法の1形態について
説明する。なお本発明はこの例に限定されるものではな
い。図5において選択結合性物質配列基材1と、スペー
サ25と、カバー基材26と、ポンプ21と、吸入口2
0と、排出口19とを備える。選択結合性物質配列基材
1上に設けられた選択結合性物質固定部位4上に選択結
合性物質が固定され、該選択結合性物質がアレイ状に配
列された選択結合性物質配列領域8を形成する。基台9
の上に裁置された選択結合性物質配列基材1上には選択
結合性物質配列領域8の両側にスペーサ25が配設さ
れ、該スペーサ25の上にカバー基材26を架設する。
前記スペーサ25を介して選択結合性物質配列基材1と
カバー基材26に挟まれた空間には前記対応選択結合性
物質を含む被検試料溶液7が満たされる。
【0037】ここで、選択結合性物質配列領域8が平面
からなる前記選択結合性物質配列基材の場合、前記選択
結合性物質配列領域8に選択結合性物質10が配列され
る形態は2次元平面の格子点上に配列されることが望ま
しいが、2次元平面の格子点からずれた位置、直線状、
あるいは選択結合性物質固定部位4の位置が選択結合性
物質配列基材1の表面に垂直な方向にそれぞれ段差を持
つことにより、3次元的な配列形態であっても構わな
い。
【0038】また、選択結合性物質配列領域8が凹凸面
からなる前記選択結合性物質配列基材の場合、前記選択
結合性物質配列領域8に選択結合性物質10が配列され
る形態は、該選択結合性物質固定化部位が該凹凸面の凹
部の底面または凸部の端面であり、複数配列された凹部
の底面の高さは略等しく、また、複数配列された凸部の
端面の高さは略等しい、それぞれ2次元平面の格子点上
に配列されることが望ましいが、2次元平面の格子点か
らずれた位置、直線状、であっても構わない。
【0039】前記選択結合性物質固定化部位が、凹部底
面である前記選択結合性物質配列基材の場合、前記凹部
の底面の高さは、基板表面に対して5μm以上500μ
m以下であることが望ましい。また、前記選択結合性物
質固定化部位が、凸部端面である前記選択結合性物質配
列基材の場合、前記選択結合性物質固定化部位の凸部の
端面の高さは、基板面と略同等であり、凸部のまわりが
凹んだ形状であり、凸部の端面から、そのまわりの凹ん
だ部位の底面までの高さが5μm以上500μm以下で
あることが望ましい。さらには、前記選択結合性物質固
定化部位が、凸部端面である前記選択結合性物質配列基
材のもう1つの形態として、前記選択結合性物質固定化
部位の凸部の端面の高さは基板面に対して5μm以上5
00μm以下の高さであっても構わない。
【0040】被検試料溶液7を満たした後、ポンプ21
を用いて吸入口20から被検試料溶液7を吸入し、排出
口19から被検試料溶液7を排出することにより、選択
結合性物質配列基材1とカバー基材26に挟まれた空間
に被検試料溶液7を循環させ、前記対応選択結合性物質
11は前記選択結合性物質配列領域8を横切る方向に移
動する。このように対応選択結合性物質11が前記選択
結合性物質配列領域8を横切って移動する過程で選択結
合性物質固定部位4上に固定された選択結合性物質10
と対応選択結合性物質11が接触し、互いに相補的な配
列を有している場合にハイブリダイゼーションが起こ
る。
【0041】以上説明したように、本発明の被検試料溶
液吸入/吐出口から前記被検資料溶液を吸入、吐出する
ことにより前記対応選択結合性物質を移動させ、ハイブ
リダイゼーションの効率化を図る方法では、選択結合性
物質10と対応選択結合性物質11がハイブリダイゼー
ションの期間中、常時相対的に移動し、衝突、接触を繰
り返す為、ハイブリダイゼーションの効率が高まる。
【0042】ここで、選択結合性物質固定部位として
は、通常基板上に設けた平面上の位置、基板上に設けた
凹凸面を用いるが、選択結合性物質配列基材1を貫通す
る孔に棒状の樹脂、ガラス、金属、繊維等を挿嵌し、該
樹脂、ガラス、金属、繊維の先端を選択結合性物質固定
部位として用いても同様の効果が期待できる。
【0043】また、高価な被検試料溶液7の量を少なく
する為には前記スペーサ25はできるだけ薄くする事が
望ましく、前記選択結合性物質固定部位が凹部底面であ
る場合、基板面に対して、スペーサの高さは2μmから
200μmであればさらに望ましい。また、前記選択結
合性物質固定部位が凸部端面である場合、凸部端面に対
して、スペーサの高さは2μmから200μmであれば
さらに望ましい。このように非常に薄い前記スペーサは
予め選択結合性物質配列基材上に一体形成されているこ
とが望ましいが、ハイブリダイゼーション準備段階で選
択結合性物質配列基材1上にスペーサ25を装着する形
態でも構わない。
【0044】これと比較して、従来の被検試料溶液を静
置させる方法では、選択結合性物質10と対応選択結合
性物質11の間で相対的な動きが無い為、本発明と比べ
て選択結合性物質10と対応選択結合性物質11の動的
な接触確率が低い。
【0045】ここで、「選択結合性物質」とは、被検物
質と直接的又は間接的に、選択的に結合し得る物質を意
味し、代表的な例として、核酸、タンパク質、糖類及び
他の抗原性化合物を挙げることができる。核酸は、DN
AでもRNAでもよい。特定の塩基配列を有する一本鎖
核酸は、該塩基配列又はその一部と相補的な塩基配列を
有する一本鎖核酸と選択的にハイブリダイズして結合す
るので、本発明でいう「選択結合性物質」に該当する。
また、タンパク質としては、抗体及びFabフラグメント
やF(ab')2フラグメントのような、抗体の抗原結合性断
片、並びに種々の抗原を挙げることができる。抗体やそ
の抗原結合性断片は、対応する抗原と選択的に結合し、
抗原は対応する抗体と選択的に結合するので、「選択結
合性物質」に該当する。糖類としては、多糖類が好まし
く、種々の抗原を挙げることができる。また、タンパク
質や糖類以外の抗原性を有する物質を固定化することも
できる。「選択結合性物質」として、特に好ましいもの
は、核酸、抗体及び抗原である。本発明に用いる選択結
合性物質は、市販のものでもよく、また、生細胞などか
ら得られたものでもよい。
【0046】生細胞からのDNA又はRNAの調製は、
公知の方法、例えばDNAの抽出については、Blinらの
方法( Blin et al., Nucleic Ac
ids Res. 3: 2303 (1976))等によ
り、また、RNAの抽出については、Favaloro
らの方法( Favaloro etal., Methods Enzymol.65: 718
(1980))等により行うことができる。固定化する核酸
としては、更に、鎖状若しくは環状のプラスミドDNA
や染色体DNA、これらを制限酵素により若しくは化学
的に切断したDNA断片、試験管内で酵素等により合成
されたDNA、又は化学合成したオリゴヌクレオチド等
を用いることもできる。
【0047】個々の選択結合性物質固定部位には、通
常、1種類の選択結合性物質が固定されるが、例えば、
変異を有する複数種類の遺伝子を同一の選択結合性物質
固定部位に結合させたい場合等には、1個の選択結合性
物質固定部位に複数種類の選択結合性物質を固定するこ
とも可能である。
【0048】また、複数の選択結合性物質固定部位に固
定される選択結合性物質は、それぞれ異なる種類の選択
結合性物質としても、同一の選択結合性物質としても構
わない。また、複数の選択結合性物質固定部位のうち、
一部の複数の選択結合性物質固定部位に1種類の選択結
合性物質を固定化し、他の一部の複数の選択結合性物質
固定部位に他の1種類の選択結合性物質を固定化するこ
とができる。選択結合性物質の種類、順序は選択結合性
物質配列領域の中の位置によって限定されるものでな
い。同一の選択結合性物質を複数の選択結合性物質固定
部位に固定しておき、測定感度をより高くすることも有
効である。
【0049】選択結合性物質の選択結合性物質固定部位
への固定は、公知の方法により行うことができる。無修
飾の選択結合性物質を選択結合性物質固定部位に固定す
る場合には、選択結合性物質と選択結合性物質固定部位
とを作用させた後、ベーキングや紫外線照射により固定
できる。後述の実施例では、この方法によりDNAをポ
リメチルメタクリレート基材に固定している。また、ア
ミノ基で修飾された選択結合性物質を選択結合性物質固
定部位に固定する場合には、グルタルアルデヒドや1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド(EDC)等の架橋剤を用いて選択結合性物質固定部
位の官能基と結合させることができる。選択結合性物質
を含む試料を選択結合性物質固定部位に作用させる際の
温度は、5℃〜95℃が好ましく、15℃〜65℃が更
に好ましい。
【0050】本発明では、選択結合性物質をそのまま選
択結合性物質固定部位に固定してもよく、また、選択結
合性物質に化学的修飾を施した誘導体や、必要に応じて
変性させた核酸を固定化してもよい。核酸の化学的修飾
には、アミノ化、ビオチン化、ディゴキシゲニン化等が
知られており[Current Protocols In Molecular Biolog
y, Ed.; Frederick M. Ausubel et al.(1990)、脱アイ
ソトープ実験プロトコール(1)DIGハイブリダイゼー
ション(秀潤社)]、本発明ではこれらの修飾法を採用
することができる。一例として、核酸へのアミノ基導入
に関して説明する。アミノ基を有する脂肪族炭化水素鎖
と一本鎖核酸との結合位置は特に限定されるものではな
く、核酸の5'末端または3'末端のみならず核酸の鎖中
(例えば、リン酸ジエステル結合部位または塩基部位)
であってもよい。この一本鎖核酸誘導体は、特公平3-74
239号公報、米国特許4,667,025号、米国特許4,789,737
号等に記載の方法にしたがって調製することができる。
この方法以外にも、例えば、市販のアミノ基導入用試薬
[例えば、アミノリンクII(商標名);PEバイオシス
テムズジャパン社、Amino Modifiers(商標名);クロ
ンテック社]などを用いて、又はDNAの5'末端のリ
ン酸にアミノ基を有する脂肪族炭化水素鎖を導入する周
知の方法(Nucleic Acids Res.,11(18),6513-(1983) )
にしたがって調製することができる。
【0051】上述の方法により得られた選択結合性物質
配列基材は、選択結合性物質を選択結合性物質固定領域
に固定した後、適当な処理をすることができる。例え
ば、熱処理、アルカリ処理、界面活性剤処理などを行う
ことにより、固定された選択結合性物質を変性させるこ
ともできる。あるいは、細胞、菌体などの生体材料から
得られた選択結合性物質を使用する場合は、不要な細胞
成分などを除去してもよい。そして、処理後の選択結合
性物質配列基材を選択結合性物質の検出材料として用い
ることができる。なお、これらの処理は別々に実施して
もよく、同時に実施してもよい。また、選択結合性物質
を含む試料を選択結合性物質固定領域に固定する前に適
宜実施してもよい。
【0052】本発明の選択結合性物質をアレイ状に配列
した選択結合性物質配列基材は、固定化された選択結合
性物質をプローブとして被検物質と相互作用させること
により、検体中の特定の被検物質を検出することができ
る。2種類の被検試料に対して、下記に示す標識化(区
別が付くように)を行い、その差異を比較することもで
きる。
【0053】選択結合性物質と選択的に結合する、被検
試料中の対応選択結合性物質の検出には、結合を特異的
に認識することができる公知の手段を用いることができ
る。例えば、検体中の対応選択結合性物質に、蛍光物
質、発光物質、ラジオアイソトープなどの標識体を結合
し、選択結合反応及び洗浄後、この標識体を検出するこ
とができる。これら標識体の種類や標識体の導入方法に
関しては、免疫測定や核酸のハイブリタイゼーションの
測定のために用いられる蛍光物質や発光物質は、この分
野において周知であり、種々のものが市販されているの
で、これらの市販の蛍光物質や発光物質を用いることが
できる。
【0054】また、選択結合性物質固定部位に固定され
た選択結合性物質と、被検試料中の対応選択結合性物質
との結合反応後、若しくは結合反応と同時に、対応選択
結合性物質と選択的に結合する、標識化された遊離の測
定用物質を反応させ、洗浄後、対応選択結合性物質と選
択結合性物質を介して選択結合性物質固定部位に結合さ
れた該測定用物質の標識を測定することによっても可能
である。例えば、選択結合性物質として特定の塩基配列
を有する核酸を選択結合性物質固定部位に固定し、対応
選択結合性物質が該核酸と相補的な領域を含む核酸であ
る場合に、対応選択結合性物質である該核酸中の、上記
選択結合性物質と相補的な領域以外の領域と相補的な核
酸を標識して測定用物質として用いることができる。ま
た、選択結合性物質として抗原を選択結合性物質固定部
位に固定し、対応選択性結合物質が該抗原と抗原抗体反
応する抗体である場合に、該抗体と抗原抗体反応する第
2抗体を標識したものを測定用物質として用いることが
できる。
【0055】また、選択結合性物質固定部位に電気伝導
性を有する材料を用いた場合、電気化学反応にもとづく
電流値等の応答を検出する方法を用いることができる。
この場合、電極となる選択結合性物質固定部位に固定し
た試料と検体を、試料と検体の反応を促進、抑制する材
料下で反応させ、かつ、この材料の全部または一部が、
結合した試料と検体の中に含有され、反応した後の電
極、すなわち選択結合性物質固定部位に流れる電流値を
測定することにより、試料と検体の結合の有無、結合の
程度を検出できるものである。
【0056】本発明のハイブリダイゼーション装置に適
用する選択結合性物質配列基材を用いた測定方法に供せ
られる被検物質としては、測定すべき核酸、例えば、病
原菌やウイルス等の遺伝子や、遺伝病の原因遺伝子等並
びにその一部分、抗原性を有する各種生体成分、病原菌
やウイルス等に対する抗体等を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。また、これらの被検
物質を含む検体としては、血液、血清、血漿、尿、便、
髄液、唾液、各種組織液等の体液や、各種飲食物並びに
それらの希釈物等を挙げることができるがこれらに限定
されるものではない。また、被検物質となる核酸は、血
液や細胞から常法により抽出した核酸を標識してもよい
し、該核酸を鋳型として、PCR等の核酸増幅法によっ
て増幅したものであってもよい。後者の場合には、測定
感度を大幅に向上させることが可能である。核酸増幅産
物を被検物質とする場合には、蛍光物質等で標識したヌ
クレオシド三リン酸の存在下で増幅を行うことにより、
増幅核酸を標識することが可能である。また、被検物質
が抗原又は抗体の場合には、被検物質である抗原や抗体
を常法により直接標識してもよいし、被検物質である抗
原又は抗体を選択結合性物質と結合させた後、選択結合
性物質を固定した選択結合性物質固定部位を洗浄し、該
抗原又は抗体と抗原抗体反応する標識した抗体又は抗原
を反応させ、被検物質である抗原又は抗体とハイブリダ
イズすることで選択結合性物質固定部位に結合した標識
を測定することもできる。
【0057】固定化物質と被検物質を相互作用させる工
程は、従来と全く同様に行うことができる。反応温度及
び時間は、ハイブリダイズさせる核酸の鎖長や、免疫反
応に関与する抗原及び/又は抗体の種類等に応じて適宜
選択されるが、核酸のハイブリダイゼーションの場合、
通常、50℃〜70℃程度で1分間〜数時間、免疫反応
の場合には、通常、室温〜40℃程度で1分間〜数時間
程度である。
【0058】上記方法により、固定化された選択結合性
物質と選択的に結合する核酸や抗体、抗原等の被検物質
を測定することができる。すなわち、選択結合性物質と
して核酸を固定化した場合には、この核酸又はその一部
と相補的な配列を相補的な配列を有する核酸を測定する
ことができる。また、選択結合性物質として抗体又は抗
原を固定化した場合には、この抗体又は抗原と免疫反応
する抗原又は抗体を測定することができる。なお、本明
細書でいう「測定」には検出と定量の両者が包含され
る。
【0059】本発明を用いることにより、各種生物にお
ける、遺伝子や蛋白質、糖鎖の発現を効率的、迅速かつ
簡便に調べることができる。例えば、正常ヒト肝臓およ
び肝炎ウイルス感染肝臓から抽出した核酸を標識後、本
発明の選択結合性物質配列基材上に各種既知のヒト遺伝
子を固定化した選択結合性物質固定部位のおのおのにハ
イブリダイゼーションを行う。正常肝臓核酸と肝炎肝臓
核酸の配列体への結合の程度を比較することにより、肝
炎肝臓での遺伝子発現の変化を調べることができる。
【0060】同様に、蛋白質である各種モノクローナル
抗体を結合させた繊維配列体に、標識した正常脳抽出蛋
白質およびアルツハイマー脳抽出蛋白質を結合させ、結
合した蛋白質を正常と比較することによりアルツハイマ
ー脳における蛋白質の異常発現を調べることができる。
【0061】
【実施例】本発明を以下の実施例によって更に詳細に説
明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。
【0062】実施例1 本実施例で用いるガラス基材上で核酸の固定およびハイ
ブリダイゼーションが確実に行えることを確認する為
に、生物試料に対して交叉反応をせず、熱的にも安定で
ハイブリダイゼーション時に加える熱で分解しないディ
ゴキシゲニンを標識体として用いた実験を行った。
【0063】アクチン遺伝子の核酸液(宝酒造株式会社
製)(該核酸濃度10μg/ml)をアミノ基導入スラ
イドガラス基材上に個々の固定部位のサイズが直径20
0μm程度となるようにスポッティングし、空気中で乾
燥後、紫外線処理(ストラタジーン社製UVクロスリンカ
ーを使用)を行い、核酸が固定化された基材を得た。用
いた核酸配列の一部に相補的なオリゴヌクレオチドを合
成し、ディゴキシゲニン(DIG: Digoxigenin、ロシュ
・ダイアグノスティックス株式会社)で標識した。
【0064】末端アミノ化されたオリゴヌクレオチドを
それぞれ100 mMホウ酸緩衝液(pH8.5)に終濃度2 mMにな
るように溶かした。等量のジゴキシゲニン-3-O-メチル
カルボニル-α-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシ-スクシ
ンイミドエステル (26mg/mlジメチルホルムアミド溶液)
を加え、室温にて一晩静置した。グリコーゲン(ロシュ
・ダイアグノスティックス株式会社)をキャリアーとし
てエタノール沈殿を行い、沈殿を風乾後、100μmolの10
mM Tris-HCl (pH7.5),1 mM EDTAに溶かした。こうして
得られたDIG標識オリゴヌクレオチドを試料核酸のモ
デルとして用いた。
【0065】作製した核酸固定基材をハイブリダイゼー
ション装置の基台に裁置し、定法により(ロシュ・ダイ
アグノスティックス株式会社、製品マニュアルに準じて
実施)ハイブリダイゼーションを行った。
【0066】ハイブリダイゼーション終了後、核酸固定
基材を洗浄後、抗DIG酵素標識抗体溶液を加え抗原抗
体反応を行わせた。反応後、核酸固定基材を洗浄し未結
合の抗体を除去した。DIG検出試薬を添加し、平衡化
した。水分を切り、光シグナルの検出を行ったところ核
酸の固定化に応じてシグナルが検出された。
【0067】これにより、交流電界を印加しない従来方
法で本発明のハイブリダイゼーション装置が構造的、あ
るいは機能上の問題が無く、ハイブリダイゼーション装
置として確実に使用出来ることを確認した。
【0068】実施例2 選択結合性物質固定基材の前処理 スライドガラス(76mm×26mm×1mm)(松浪
硝子工業(株)製)を純水、エタノール、NaOHの混
合溶液でクリーニングした後、純水で洗浄した。さら
に、クリーニングした面を純水、ポリ−L−リシンの混
合溶液(組成:10% ポリ−L−リシン)に浸し、ス
ライドガラスの表面にアミノ基を導入した。
【0069】核酸溶液2種類(宝酒造(株)製 「λC
ontrol Template& Primer S
et−A」;製品番号TX803(約1000bpのλ
DNA断片)、および、宝酒造(株)製 「Human
TFR(1kb) Template & Prim
er Set」;製品番号TX806(約1000bp
のヒトトランスフェリンレセプターDNA断片))を元
に、それぞれの核酸をPCR法により増幅した。PCR
法で用いたプライマーは、それぞれの製品に同梱されて
いるものを用いた。これを精製し、精製した核酸溶液を
えた。スライドガラスのアミノ基を導入した面に精製し
た2種類の核酸溶液をスポッティングし、空気中で乾燥
後、UVクロスリンク(120mJ)を行い、2種類の
核酸が核酸固定部位に固定された核酸固定基材をえた。
次に、核酸と反応していないスライドガラス表面の余分
なアミノ基をブロックするため、ホウ酸、純水、pH調
整用NaOH、無水コハク酸、1―メチル−2−ピロリ
ドンを混合した溶液(無水コハク酸 3gを187ml
1―メチル−2−ピロリドンに溶解し、使用直前に1
7ml 1M Na−borate(pH8.0) 溶液
を加えたもの)に核酸が固定された面を浸し、振とうし
た。その後、洗浄した。
【0070】RNAの処理 RNA溶液(宝酒造(株)製 「λpolyA+RNA
−A」;製品番号TX802)を用意した。これは上記
核酸の1つ(TX803)と相補的な塩基配列を有して
いる。これを、逆転写酵素「Super script
II」(GIBCO BRL社製;製品番号18064
−071)、2.5mM dATP、2.5mM dC
TP、2.5mM dGTP、1.0mM dTTP、
Cy5−dUTP(アマシャム・ファルマシア製;製品
番号PA55022)と混合し、42℃で1時間インキ
ュベートして逆転写し、Cy5色素が取り込まれたcD
NA溶液を得た。
【0071】同様にRNA溶液(宝酒造(株)製 「H
uman TFR RNA(1kb)」;製品番号TX
805)を用意し、Cy5−dUTPをCy3−dUT
P(アマシャム・ファルマシア製;製品番号PA530
22)と変えた以外は、上記と同じ条件で逆転写し、C
y3色素が取り込まれたcDNA溶液を得た。このCy
3色素の取り込まれたcDNAは上記核酸の1つ(TX
806)と相補的な塩基配列を有している。
【0072】上記の色素が取り込まれた2種類のcDN
A溶液を混合、精製し、さらにバッファー(3.4×S
SC、0.1% SDS)に溶解してハイブリタイゼー
ション溶液を得た。
【0073】ハイブリタイゼーション 2種類の核酸が表面に固定された核酸固定基材をハイブ
リダイゼーション装置の基台上に固定し、核酸を固定し
た領域の両側にハイブリダイゼーション装置の交流電圧
印加手段に接続された導電電極を配設した。本実施例で
は厚さ0.15mmの金薄板を導電電極として用いた。
導電電極の間隔は1cmとした。2種類の核酸を固定し
た部位に20μlの前記ハイブリダイゼーション溶液を
滴下し、核酸固定部位の両側の導電電極上にカバー基材
を架設し、ハイブリダイゼーション溶液が蒸発しないよ
うに密閉した。さらに前記導電電極間に10V、10H
zの交流電圧を印加し、65℃の条件に30分間静置し
た後、カバー基材、導電電極を取り外し、洗浄した。
【0074】交流電圧を印加しない従来法と比較する為
に、交流電圧を印加したサンプルと対応させるサンプル
として、導電電極間に電圧を印加しない状態で65℃の
条件で16時間放置したサンプルを用意した。これを、
65℃の条件で16時間放置した後、カバー基材、導電
電極を取り外し、洗浄した。
【0075】蛍光検出 Cy5からの蛍光を測定するために、光学系を以下のよ
うにした。まず、蛍光の励起光としてはレーザー(波長
635nm)を用いた。まず、バンドパスフィルター
(オメガオプティカル製;製品番号X1069)を光軸
と垂直に配置し、励起光以外の余計な光を取り除いた。
さらに、レーザービームの光軸と45度の角度になるよ
うに、ダイクロイックミラー(オメガオプティカル製;
製品番号XF2035)を配置し、この集光したビーム
をDNA溶液に浸した端面と反対のスライドガラス端面
に照射した。さらに、DNA溶液に浸した端面から戻っ
てきた蛍光を、励起光を照射する側の端面側で集光し、
先に述べた、ダイクロイックミラー(オメガオプティカ
ル製;製品番号XF2035)を通し、さらにバンドパ
スフィルター(オメガオプティカル製;製品番号XF3
076)を通して、余分な励起光をカットした。
【0076】Cy3からの蛍光は、ダイクロイックミラ
ーとバンドパスフィルターをCy3用のものにし(それ
ぞれオメガオプティカル製;製品番号XF1074、X
F2017、XF3083)、照射するレーザーの波長
を532nmとした以外は上記と同じ方法で検出した。
【0077】このような方法で、上記のハイブリダイゼ
ーション後の2種類核酸固定部位からの蛍光をCy5、
Cy3のそれぞれについて測定した。TX803の核酸
溶液をスポッティングした核酸固定部位からは、Cy5
の蛍光のみが観察され、Cy3の蛍光は検出されなかっ
た。TX806の核酸溶液をスポッティングした核酸固
定部位からは、Cy3だけの蛍光が観察され、Cy5か
らの蛍光は検出されなかった。
【0078】また、このときの交流電圧を印加した核酸
固定基材から得られた蛍光強度は交流電圧を印加しない
従来の方法に比べて同等であった。このように、スライ
ドガラスを導電性とし、電界を印加すれば、わずか30
分のハイブリダイゼーションの時間でも十分であること
が分かった。
【0079】実施例3 選択結合性物質配列基材の前処理 選択結合性物質配列基材として、基材上の凹凸をサンド
ブラスト法、射出成形法、ホットエンボス法、切削加工
によって形成した4種類の基材を使用した。また、本実
施例では、選択結合性物質固定化部位が凸形状で、該選
択結合性物質固定化部位のまわりが凹んでおり、凸形状
の端面の高さが基板面と同等であり、該凸形状の端面か
らそのまわりの凹んだ部位の底面までの高さが100μ
mである基材を使用した。
【0080】前記4種類の選択結合性物質配列基材を純
水、エタノール、NaOHの混合溶液でクリーニングし
た後、純水で洗浄した。さらに、選択結合性物質固定化
部位に純水、ポリ−L−リシンの混合溶液(組成:10
% ポリ−L−リシン)を滴下し、選択結合性物質固定
化部位の表面にアミノ基を導入した。
【0081】核酸溶液2種類(宝酒造(株)製 「λC
ontrol Template& Primer S
et−A」;製品番号TX803(約1000bpのλ
DNA断片)、および、宝酒造(株)製 「Human
TFR(1kb) Template & Prim
er Set」;製品番号TX806(約1000bp
のヒトトランスフェリンレセプターDNA断片))を元
に、それぞれの核酸をPCR法により増幅した。PCR
法で用いたプライマーは、それぞれの製品に同梱されて
いるものを用いた。これを精製し、精製した核酸溶液を
えた。選択結合性物質配列基材のアミノ基を導入した選
択結合性物質固定化部位に精製した2種類の核酸溶液を
スポッティングし、空気中で乾燥後、UVクロスリンク
(120mJ)を行い、2種類の核酸が核酸固定部位に
固定された核酸固定基材を得た。次に、核酸と反応して
いない選択結合性物質配列基材表面の余分なアミノ基を
ブロックするため、ホウ酸、純水、pH調整用NaO
H、無水コハク酸、1―メチル−2−ピロリドンを混合
した溶液(無水コハク酸 3gを187ml 1―メチ
ル−2−ピロリドンに溶解し、使用直前に17ml 1
M Na−borate(pH8.0) 溶液を加えたも
の)に核酸が固定された面を浸し、振とうした。その
後、洗浄した。
【0082】RNAの処理 RNA溶液(宝酒造(株)製 「λpolyA+RNA
−A」;製品番号TX802)を用意した。これは上記
核酸の1つ(TX803)と相補的な塩基配列を有して
いる。これを、逆転写酵素「Super script
II」(GIBCO BRL社製;製品番号18064
−071)、2.5mM dATP、2.5mM dC
TP、2.5mM dGTP、1.0mM dTTP、
Cy5−dUTP(アマシャム・ファルマシア製;製品
番号PA55022)と混合し、42℃で1時間インキ
ュベートして逆転写し、Cy5色素が取り込まれたcD
NA溶液を得た。
【0083】同様にRNA溶液(宝酒造(株)製 「H
uman TFR RNA(1kb)」;製品番号TX
805)を用意し、Cy5−dUTPをCy3−dUT
P(アマシャム・ファルマシア製;製品番号PA530
22)と変えた以外は、上記と同じ条件で逆転写し、C
y3色素が取り込まれたcDNA溶液を得た。このCy
3色素の取り込まれたcDNAは上記核酸の1つ(TX
806)と相補的な塩基配列を有している。
【0084】上記の色素が取り込まれた2種類のcDN
A溶液を混合、精製し、さらにバッファー(3.4×S
SC、0.1% SDS)に溶解してハイブリタイゼー
ション溶液を得た。
【0085】ハイブリタイゼーション 2種類の核酸が選択結合性物質固定化部位に固定された
核酸固定基材をハイブリダイゼーション装置の基台上に
固定し、核酸を固定した領域の両側にハイブリダイゼー
ション装置の交流電圧印加手段に接続された導電電極を
配設した。本実施例では厚さ0.15mmの金薄板を導
電電極として用いた。導電電極の間隔は1cmとした。
2種類の核酸を固定した部位に20μlの前記ハイブリ
ダイゼーション溶液を滴下し、核酸固定部位の両側の導
電電極上にカバー基材を架設し、ハイブリダイゼーショ
ン溶液が蒸発しないように密閉した。さらに前記導電電
極間に10V、10Hzの交流電圧を印加し、65℃の
条件に30分間静置した後、カバー基材、導電電極を取
り外し、洗浄した。
【0086】交流電圧を印加しない従来法と比較する為
に、交流電圧を印加したサンプルと対応させるサンプル
として、導電電極間に電圧を印加しない状態で65℃の
条件で16時間放置したサンプルを用意した。これを、
65℃の条件で16時間放置した後、カバー基材、導電
電極を取り外し、洗浄した。
【0087】次に、前記被検試料溶液吸入/吐出口から
前記被検資料溶液を吸入、吐出することにより、前記選
択結合性物質を移動させる方法を用いて実施した。2種
類の核酸が選択結合性物質固定化部位に固定された核酸
固定基材をハイブリダイゼーション装置の基台上に固定
し、核酸を固定した領域の両側に配置されたスペーサ上
にカバー基材を架設し、ハイブリダイゼーション溶液が
蒸発しないように密閉した。本実施例ではスペーサ厚さ
は0.15mmとし、スペーサ間隔は1cmとした。さ
らに前記ポンプを起動させ、流速0.5cm/sec
で、被検試料溶液を一定方向に流動させた状態で、65
℃の条件に30分間静置した後、カバー基材、導電電極
を取り外し、洗浄した。
【0088】被検試料溶液を流動させない従来法と比較
する為に、前述の交流電圧を印加したサンプルと対応さ
せるサンプルとして、導電電極間に電圧を印加しない状
態で65℃の条件で16時間放置したサンプルを適用し
た。これを、65℃の条件で16時間放置した後、カバ
ー基材、導電電極を取り外し、洗浄した。
【0089】蛍光検出 Cy5からの蛍光を測定するために、光学系を以下のよ
うにした。まず、蛍光の励起光としてはレーザー(波長
635nm)を用いた。まず、バンドパスフィルター
(オメガオプティカル製;製品番号X1069)を光軸
と垂直に配置し、励起光以外の余計な光を取り除いた。
さらに、レーザービームの光軸と45度の角度になるよ
うに、ダイクロイックミラー(オメガオプティカル製;
製品番号XF2035)を配置し、この集光したビーム
をDNA溶液に浸した端面と反対の選択結合性物質配列
基材端面に照射した。さらに、DNA溶液に浸した端面
から戻ってきた蛍光を、励起光を照射する側の端面側で
集光し、先に述べた、ダイクロイックミラー(オメガオ
プティカル製;製品番号XF2035)を通し、さらに
バンドパスフィルター(オメガオプティカル製;製品番
号XF3076)を通して、余分な励起光をカットし
た。
【0090】Cy3からの蛍光は、ダイクロイックミラ
ーとバンドパスフィルターをCy3用のものにし(それ
ぞれオメガオプティカル製;製品番号XF1074、X
F2017、XF3083)、照射するレーザーの波長
を532nmとした以外は上記と同じ方法で検出した。
【0091】このような方法で、上記のハイブリダイゼ
ーション後の2種類核酸固定部位からの蛍光をCy5、
Cy3のそれぞれについて測定した。TX803の核酸
溶液をスポッティングした核酸固定部位からは、Cy5
の蛍光のみが観察され、Cy3の蛍光は検出されなかっ
た。TX806の核酸溶液をスポッティングした核酸固
定部位からは、Cy3だけの蛍光が観察され、Cy5か
らの蛍光は検出されなかった。
【0092】また、この結果は、前述した基材上の凹凸
をサンドブラスト法、射出成形法、ホットエンボス法、
切削加工によって形成した4種類の基材について、同等
の結果を得た。
【0093】このときの交流電圧を印加した核酸固定基
材から得られた蛍光強度は交流電圧を印加しない従来の
方法に比べて同等であった。このように、選択結合性物
質配列基材を導電性とし、電界を印加すれば、わずか3
0分のハイブリダイゼーションの時間でも十分であるこ
とが分かった。
【0094】さらに、前記被検試料溶液吸入/吐出口か
ら前記被検資料溶液を吸入、吐出することにより、前記
選択結合性物質を移動させる方法においても、核酸固定
基材から得られた蛍光強度は被検試料溶液を流動させな
い従来の方法に比べて同等であった。このように、ポン
プを用いて被検試料溶液を流動させれば、わずか30分
のハイブリダイゼーションの時間でも十分であることが
分かった。
【0095】実施例4 選択結合性物質固定基材の前処理 導電電極を選択結合性物質配列基材上に形成するため
に、10mm×5mmの開口の10mmの辺が10mm
の間隔を隔てて平行に対向するように、2つの開口部を
配置したステンレス製マスクを選択結合性物質配列基材
上に近接させて装着し、スパッタ法により前記マスクの
開口部形状に相当する金電極をスライドガラス(選択結
合性物質配列基材)上に設けた。
【0096】このように金電極を配置したスライドガラ
ス(76mm×26mm×1mm)(松浪硝子工業
(株)製)を純水、エタノール、NaOHの混合溶液で
クリーニングした後、純水で洗浄した。さらに、選択結
合性物質固定化部位に純水、ポリ−L−リシンの混合溶
液(組成:10% ポリ−L−リシン)に浸し、選択結
合性物質固定化部位の表面にアミノ基を導入した。
【0097】核酸溶液2種類(宝酒造(株)製 「λC
ontrol Template& Primer S
et−A」;製品番号TX803(約1000bpのλ
DNA断片)、および、宝酒造(株)製 「Human
TFR(1kb) Template & Prim
er Set」;製品番号TX806(約1000bp
のヒトトランスフェリンレセプターDNA断片))を元
に、それぞれの核酸をPCR法により増幅した。PCR
法で用いたプライマーは、それぞれの製品に同梱されて
いるものを用いた。これを精製し、精製した核酸溶液を
えた。選択結合性物質配列基材の前記金電極の間のアミ
ノ基を導入した面に精製した2種類の核酸溶液をスポッ
ティングし、空気中で乾燥後、UVクロスリンク(12
0mJ)を行い、2種類の核酸が核酸固定部位に固定さ
れた核酸固定基材をえた。次に、核酸と反応していない
選択結合性物質配列基材表面の余分なアミノ基をブロッ
クするため、ホウ酸、純水、pH調整用NaOH、無水
コハク酸、1―メチル−2−ピロリドンを混合した溶液
(無水コハク酸 3gを187ml 1―メチル−2−
ピロリドンに溶解し、使用直前に17ml 1M Na
−borate(pH8.0) 溶液を加えたもの)に核
酸が固定された面を浸し、振とうした。その後、洗浄し
た。
【0098】RNAの処理 RNA溶液(宝酒造(株)製 「λpolyA+RNA
−A」;製品番号TX802)を用意し、実施例2のR
NA処理と同様に行い、Cy5色素が取り込まれたcD
NA溶液、およびハイブリタイゼーション溶液を得た。
【0099】ハイブリタイゼーション 2種類の核酸が表面に固定された核酸固定基材をハイブ
リダイゼーション装置の基台上に固定し、核酸固定部位
の両側に配置された金電極とハイブリダイゼーション装
置の交流電圧印加手段を接続した。2種類の核酸を固定
した部位に2μlの前記ハイブリダイゼーション溶液を
滴下し、核酸固定部位の両側の導電電極上にカバー基材
を架設し、ハイブリダイゼーション溶液が蒸発しないよ
うに密閉した。さらに前記導電電極間に10V、10H
zの交流電圧を印加し、65℃の条件に30分間静置し
た後、カバー基材を取り外し、洗浄した。
【0100】蛍光検出 Cy5およびCy3からの蛍光を測定するために、光学
系は実施例2の光学系と同様にし、Cy5およびCy3
からの蛍光を検出した。
【0101】このような方法で、上記のハイブリダイゼ
ーション後の2種類核酸固定部位からの蛍光をCy5、
Cy3のそれぞれについて測定した。TX803の核酸
溶液をスポッティングした核酸固定部位からは、Cy5
の蛍光のみが観察され、Cy3の蛍光は検出されなかっ
た。TX806の核酸溶液をスポッティングした核酸固
定部位からは、Cy3だけの蛍光が観察され、Cy5か
らの蛍光は検出されなかった。
【0102】また、このときの交流電圧を印加した核酸
固定基材から得られた蛍光強度は交流電圧を印加しない
従来の方法に比べて同等であり、導電電極をハイブリダ
イゼーション装置側に有する場合と同等の結果が得られ
ることが分かった。
【0103】実施例5 本発明の被検試料溶液、およびそれに含まれる対応選択
結合性物質を前記選択結合性物質固定部位に対して相対
的に移動させる方法について、本発明の実施の形態に記
載した方法以外の方法で同様の実験を行った。被検試料
溶液、およびそれに含まれる対応選択結合性物質の移
動、ハイブリダイゼーション方法は、次の方法(1.加
振法、2.磁性流体法)で行った。
【0104】1.加振法:2種類の核酸を固定した部位
に20μlの前記ハイブリダイゼーション溶液を滴下
し、カバー基材を架設し、ハイブリダイゼーション溶液
が蒸発しないように密閉した。この状態で、振幅1c
m、1Hzの加振台に乗せ、65℃の条件でインキュベ
ートした後、カバー基材、導電電極を取り外し、洗浄し
た。
【0105】2.磁性流体混合法:2種類の核酸を固定
した部位に、前記ハイブリダイゼーション溶液と少量の
磁性流体を混合した溶液を20μlの滴下し、カバー基
材を架設し、ハイブリダイゼーション溶液が蒸発しない
ように密閉した。さらに、前記選択結合性物質固定領域
の両側下部に設置した電磁石により1Hzの交流磁界を
作り、磁性流体を移動させることにより、ハイブリダイ
ゼーション溶液を攪拌した。この状態で65℃の条件で
インキュベートした後、カバー基材、スペーサを取り外
し、洗浄した。
【0106】ここでは、選択結合性物質固定基材の前処
理、RNAの処理、および蛍光検出は、実施例3の方法
と同様に行った。
【0107】本実施例の蛍光検出結果、および実施例3
の結果を表1にまとめる。尚、蛍光検出強度は、実施例
3に記載した従来方法(65℃、16時間)で、ハイブ
リダイゼーションを行った結果を1とした。
【0108】
【表1】
【0109】このように、加振法、磁性流体混合法と
も、従来方法に対してはハイブリダイゼーション効率を
向上させることができた。しかしながら、本発明の交流
電界法(請求項3に規定した方法)、および本発明の試
料溶液流動法(請求項4に規定した方法)よりもハイブ
リダイゼーション効率は低い結果となった。
【0110】
【発明の効果】本発明のハイブリダイゼーション方法、
およびハイブリダイゼーション装置を用いることによ
り、ハイブリダイゼーション効率が向上し、短時間でハ
イブリダイゼーション工程を完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流電界を用いるハイブリダイゼーシ
ョン装置の断面図および平面図
【図2】本発明における選択結合性物質の動作を示す原
理図
【図3】従来のハイブリダイゼーション装置の断面図
【図4】従来のハイブリダイゼーション装置における選
択結合性物質の動作を示す原理図
【図5】本発明の水流を用いるハイブリダイゼーション
装置の断面図および平面図
【符号の説明】
1 選択結合性物質配列基材 2 導電電極 3 導電電極 4 選択結合性物質固定部位 5 カバー基材 6 交流電圧印加手段 7 被検試料溶液 8 選択結合性物質配列領域 9 基台 10 選択結合性物質 11 対応選択結合性物質 12 選択結合性物質配列基材 13 支持材 14 カバー基材 15 選択結合性物質固定部位 16 電極 17 電圧印加手段 18 被検試料溶液 19 排出口 20 吸入口 21 ポンプ 22 被検試料溶液吸入方向 23 被検試料溶液排出方向 24 被検試料溶液流動方向 25 スペーサ 26 カバー基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 C12N 15/00 A F

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に選択結合性物質を配列した選択結
    合性物質配列領域で、前記選択結合性物質と選択的に結
    合する対応選択結合性物質を含む被検試料溶液を作用さ
    せ、前記選択結合性物質と前記対応選択結合性物質をハ
    イブリダイゼーションさせる工程であって、選択結合性
    物質配列面の垂直軸に交差する方向で、且つ前記選択結
    合性物質配列領域の両端より外側に配置した導電電極間
    に交流電圧を印加する工程を有する選択結合性物質のハ
    イブリダイゼーション方法。
  2. 【請求項2】基材上の選択結合性物質配列領域に複数配
    列した選択結合性物質固定化部位において、前記選択結
    合性物質と選択的に結合する対応選択結合性物質を含む
    被検試料溶液を作用させ、前記選択結合性物質と前記対
    応選択結合性物質をハイブリダイゼーションさせる工程
    であって、前記選択結合性物質配列領域が凹凸面からな
    り、前記選択結合性物質固定化部位が凹凸面の凹部の底
    面または凸部の端面であり、前記基板上の選択結合性物
    質配列領域と対向する位置に配置した封止板との間に充
    填された被検試料溶液を、前記選択結合性物質固定化部
    位に対して相対的に移動させ、前記結合反応を行わせる
    選択結合性物質のハイブリダイゼーション方法。
  3. 【請求項3】前記選択結合性物質固定化部位の垂直軸に
    交差する方向で、且つ前記選択結合性物質配列領域の両
    端より外側に配置した導電電極間に交流電圧を印加する
    ことにより、前記選択結合性物質を移動させる工程を有
    する、請求項2記載の選択結合性物質のハイブリダイゼ
    ーション方法。
  4. 【請求項4】前記選択結合性物質固定化部位の垂直軸に
    交差する方向で、且つ前記選択結合性物質配列領域の両
    端より外側に被検試料溶液吸入/吐出口を配置し、該被
    検試料溶液吸入/吐出口に結合したポンプの吸入排出に
    より、前記被検試料溶液吸入/吐出口から前記被検資料
    溶液を吸入、吐出することにより、前記選択結合性物質
    を移動させる工程を有する、請求項2記載の選択結合性
    物質のハイブリダイゼーション方法。
  5. 【請求項5】前記選択結合性物質が、核酸、タンパク
    質、糖類、抗体又は抗原性化合物から選ばれる少なくと
    も1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイ
    ブリダイゼーション方法。
  6. 【請求項6】基材上に選択結合性物質を配列した選択結
    合性物質配列領域で、前記選択結合性物質と選択的に結
    合する対応選択結合性物質を含む被検試料溶液を作用さ
    せ、前記選択結合性物質と前記対応選択結合性物質をハ
    イブリダイゼーションさせる装置であって、選択結合性
    物質配列面の垂直軸に交差する方向で、且つ前記選択結
    合性物質配列領域の両端より外側に配置した導電電極
    と、該導電電極間に交流電圧を印加する交流電圧印加手
    段を有する選択結合性物質のハイブリダイゼーション装
    置。
  7. 【請求項7】基材上の選択結合性物質配列領域に複数配
    列した選択結合性物質固定化部位において、前記選択結
    合性物質と選択的に結合する対応選択結合性物質を含む
    被検試料溶液を作用させ、前記選択結合性物質と前記対
    応選択結合性物質をハイブリダイゼーションさせる工程
    であって、前記選択結合性物質配列領域が凹凸面からな
    り、前記選択結合性物質固定化部位が凹凸面の凹部の底
    面または凸部の端面であり、前記基板上の選択結合性物
    質配列領域と対向する位置に配置した封止板との間に充
    填された被検試料溶液を、前記選択結合性物質固定化部
    位に対して相対的に移動させる手段を有する、前記結合
    反応を行わせる選択結合性物質のハイブリダイゼーショ
    ン装置。
  8. 【請求項8】前記選択結合性物質固定化部位の垂直軸に
    交差する方向で、且つ前記選択結合性物質配列領域の両
    端より外側に配置した導電電極と、該導電電極間に交流
    電圧を印加する手段を有する、請求項7記載の選択結合
    性物質のハイブリダイゼーション装置。
  9. 【請求項9】前記選択結合性物質固定化部位の垂直軸に
    交差する方向で、且つ前記選択結合性物質配列領域の両
    端より外側に配置した被検試料溶液吸入/吐出口と、該
    被検試料溶液吸入/吐出口に結合した被検試料溶液吸入
    /吐出ポンプを有する、請求項7記載の選択結合性物質
    のハイブリダイゼーション装置。
  10. 【請求項10】基材上に選択結合性物質を配列した選択
    結合性物質配列領域で、前記選択結合性物質と選択的に
    結合する対応選択結合性物質を含む被検試料溶液を作用
    させ、前記選択結合性物質と前記対応選択結合性物質を
    ハイブリダイゼーションさせる前記基材であって、基板
    上の選択結合性物質配列領域に配設した選択結合性物質
    固定部位と、選択結合性物質配列領域の両端より外側に
    導電電極を配設する導電電極配設部位とを有する選択結
    合性物質配列基材。
  11. 【請求項11】基材上の選択結合性物質配列領域に複数
    配列した選択結合性物質固定化部位において、前記選択
    結合性物質と選択的に結合する対応選択結合性物質を含
    む被検試料溶液を作用させ、前記選択結合性物質と前記
    対応選択結合性物質をハイブリダイゼーションさせる前
    記基材であって、前記選択結合性物質配列領域が凹凸面
    からなり、前記選択結合性物質固定化部位が凹凸面の凹
    部の底面または凸部の端面である選択結合性物質配列基
    材。
  12. 【請求項12】前記選択結合性物質固定化部位の垂直軸
    に交差する方向で、且つ前記選択結合性物質配列領域の
    両端より外側に配置した導電電極間に交流電圧を印加す
    る導電電極を配設する導電電極配設部位とを有する請求
    項11記載の選択結合性物質配列基材。
  13. 【請求項13】前記導電電極の材質が、白金、金、銀、
    アルミニウム、銅、パラジウム、の金属単体あるいはそ
    れらの合金、炭素あるいは炭素化合物、または導電性ポ
    リマーから選ばれる少なくとも1種である請求項6、
    8、10、12のいずれか1項に記載のハイブリダイゼ
    ーション装置または選択結合性物質配列基材。
  14. 【請求項14】基材上の前記選択結合性物質固定化部位
    が該凹凸面の凹部の底面または凸部の端面である選択結
    合性物質配列基材であって、基材上の凹凸がサンドブラ
    スト法、または射出成形法、またはホットエンボス法、
    または切削加工によって形成された請求項11記載の選
    択結合性物質配列基材。
  15. 【請求項15】前記選択結合性物質固定部位が基材を貫
    通する孔である請求項10記載の選択結合性物質配列基
    材。
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