JP2005010004A - バイオチップ - Google Patents
バイオチップ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005010004A JP2005010004A JP2003174149A JP2003174149A JP2005010004A JP 2005010004 A JP2005010004 A JP 2005010004A JP 2003174149 A JP2003174149 A JP 2003174149A JP 2003174149 A JP2003174149 A JP 2003174149A JP 2005010004 A JP2005010004 A JP 2005010004A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- biochip
- solid phase
- physiologically active
- active substance
- phase substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【解決手段】固相基板の表面の一部に生理活性物質を固定化してなるバイオチップであって、固相基板がプラスチックからなるバイオチップであり、好ましくは、固相基板の表面を酸化した後に固相基板の表面の一部に生理活性物質を固定化してなり、プラスチックがポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和環状ポリオレフィン、ポリペンテン、ポリアミド、及びそれらの共重合体よりなる群より選択された少なくとも1種であり、前記生理活性物質が核酸、蛋白質、脂質、糖質、細胞及びこれらの複合体よりなる群より選択された少なくとも1種であるバイオチップ。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体試料中の多数の蛋白質、核酸等の並列検出および分析に用いられるバイオチップに関する。より詳細には、本発明は、プロテオミクス、ならびに遺伝子活性の細胞内蛋白質レベルでの測定に用いられるバイオチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子活性の評価や疾患プロセス、薬物効果の生物学的プロセスを含む生物学的プロセスを解読するための試みは、伝統的に、ゲノミクスに焦点が当てられてきたが、プロテオミクスは、細胞の生物学的機能についてより詳細な情報を提供する。プロテオミクスは、遺伝子レベルというよりもむしろ、蛋白質レベルでの発現を検出しそして定量することによる、遺伝子活性の定性的かつ定量的な測定を含む。また、蛋白質の翻訳後修飾、蛋白質間の相互作用など遺伝子にコードされない事象の研究を含む。
膨大なゲノム情報の入手が可能となった今日、プロテオミクス研究はますます迅速高効率(ハイスループット)化が求められている。この目的の分子アレイとしてDNAチップが実用化されてきた。一方、生体機能において最も複雑で多様性の高い蛋白質の検出に関してはプロテインチップが提唱され、最近研究が進められている。プロテインチップとは、蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ(微小な基板)表面に固定化したものを総称する。
しかし、現状のプロテインチップは一般にDNAチップの延長線上に位置付けられて開発がなされている為、ガラス基板上に蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ表面に固定化する検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ガラス基板は割れやすい上に生産してから品質が安定するまでに時間がかかるなど種々問題があり、特に臨床検査では避けられる場合が多い。
【0003】
【特許文献1】特開2001−116750号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、蛋白質、またはそれを捕捉する分子等の生理活性物質を基板表面に固定化したバイオチップにおいて、よりハイスループットな生理活性物質の検出を可能にするバイオチップを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)固相基板の表面の一部に生理活性物質を固定化してなるバイオチップで あって、固相基板がプラスチックからなることを特徴とするバイオチッ プ、
(2)固相基板の表面を酸化した後に固相基板の表面の一部に生理活性物質を 固定化してなるバイオチップであって、固相基板がプラスチックからなるこ とを特徴とするバイオチップ、
(3)プラスチックがポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ スチレン、飽和環状ポリオレフィン、ポリペンテン、ポリアミド、及びそれ らの共重合体よりなる群より選択された少なくとも1種である(1)又は( 2)項記載のバイオチップ、
(4)前記生理活性物質が核酸、蛋白質、脂質、糖質、細胞及びこれらの複合体 よりなる群より選択された少なくとも1種である(1)〜(3)項いずれか 記載のバイオチップ、
である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するバイオチップは、固相基板がプラスチックからなり該表面の一部に生理活性物質が固定化されていることを特徴とする。
本発明のバイオチップの作製工程は、基板作製工程、基板表面修飾工程、生理活性物質固定工程を含む。
基板表面処理工程は省いても使用可能であるが、より強固に生理活性物質を固定化する為に用いる事が好ましい。
【0007】
(基板の素材)
バイオチップ用基板の素材は、通常ガラス、金属その他を用いることができるが、本発明に使用する基板の素材としては、表面処理の容易性、量産性の観点から、プラスチックを使用し、特に熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものが好ましい。たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリペンテン等の直鎖状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、飽和環状ポリオレフィン、含フッ素樹脂等を用いることが好ましく、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、成形性に特に優れる飽和環状ポリオレフィンを用いることがより好ましい。ここで飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体等をさす。
【0008】
(基板の表面修飾)
本発明に使用する基板の表面修飾方法としては、種々の方法が用いられるが、アルデヒド基を導入すると生理活性物質が基板上で共有結合し、より強固に固定されるので該基を導入することが好ましい。アルデヒド基の導入方法として好適に用いられるのは、アミノ基導入の後に多官能性アルデヒドを反応させる方法である。アミノ基の導入手段としては、アミノ基含有シランカップリング剤による処理、窒素雰囲気下でのプラズマ処理、アミノ基含有高分子物質のコーティングなどが挙げられるが、処理の簡便性、均一性の観点から、アミノ基含有シランカップリング剤による処理が好ましい。多官能性アルデヒドとしてはグルタルアルデヒドが好ましい。
【0009】
(生理活性物質の固定化)
本発明に使用する生理活性物質は、アルデヒド基との反応性を高めるため、予めアミノ基を導入しておくことが好ましい。生理活性物質が核酸の場合はアミノ基の導入位置は核酸の分子鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端に導入されていることが好ましい。蛋白質、ポリペプチドの場合はアミノ基を具備している為、アミノ基導入の必要性はない。固定化は通常、生理活性物質を溶解した溶液を基板上に点着した後、適宜処理を施すことにより行う。
【0010】
【実施例】
(実施例1)
飽和環状ポリオレフィン樹脂をスライドガラス形状(寸法:76mm×26mm×1mm)に加工した。表面に親水化処理を施したのち、アミノ基含有アルキルシランの2%水溶液中に浸漬後、熱処理を施して表面にアミノ基を導入した。これを1%グルタルアルデヒド水溶液中に浸漬することにより、表面のアミノ基とグルタルアルデヒドを反応させ、アルデヒド基を導入した。
次に該基板上でサンドイッチ法を実施した。詳細はまず、該基板に自動スポッターにより表1に示した希釈倍率で調製された一次抗体、抗マウスIgG2aをスポット後、室温4℃の環境下に24時間静置した。その後、不特異吸着防止の為に5%スキムミルクを懸濁させた9.6g/リットルのPBS緩衝溶液に該基板を浸し室温で2時間静置した。その後、抗原、マウス IgG2aと抗原抗体反応を実施後、二次抗体、ビオチン標識抗マウス IgG2aと抗原抗体反応を実施した。最後にCy5標識されたストレプトアビジンと反応させ、各スポットについて蛍光量測定を行った。結果を表1に示す。
【0011】
(比較例1〜3)
表1に示した市販のDNAチップ用スライドガラス、3種類について実施例同様のサンドイッチ法を実施し蛍光量測定を行った。結果を表1に示す。
【0012】
実施例および比較例における蛍光量の測定には、Packard BioChip Technologies社製マイクロアレイスキャナー「ScanArray」を用いた。測定条件は、レーザー出力90%、PMT感度60%、励起波長649nm、測定波長670nm、解像度50μmであった。
実施例は、いずれの比較例よりも蛍光量が強い結果になった。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】
本発明のバイオチップによれば、蛋白質、核酸等の並列検出および分析に用いられる際に、検出精度が高く、かつ操作時に割れにくいものが得られる。
Claims (4)
- 固相基板の表面の一部に生理活性物質を固定化してなるバイオチップであって、固相基板がプラスチックからなることを特徴とするバイオチップ。
- 固相基板の表面を酸化した後に固相基板の表面の一部に生理活性物質を固定化してなるバイオチップであって、固相基板がプラスチックからなることを特徴とするバイオチップ。
- プラスチックがポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和環状ポリオレフィン、ポリペンテン、ポリアミド、及びそれらの共重合体よりなる群より選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載のバイオチップ。
- 前記生理活性物質が核酸、蛋白質、脂質、糖質、細胞及びこれらの複合体よりなる群より選択された少なくとも1種である請求項1〜3いずれか記載のバイオチップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174149A JP2005010004A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | バイオチップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174149A JP2005010004A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | バイオチップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005010004A true JP2005010004A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34097712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003174149A Pending JP2005010004A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | バイオチップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005010004A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123737A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | 医療材料用高分子化合物及び該高分子化合物を用いたバイオチップ用基板 |
JP2010117189A (ja) * | 2008-11-12 | 2010-05-27 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 生理活性物質固定化用基板 |
US20120070474A1 (en) * | 2005-03-15 | 2012-03-22 | Sumalogic, Inc. | Polymer compound for biomedical use and biochip substrate using such a polymer compound |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174149A patent/JP2005010004A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120070474A1 (en) * | 2005-03-15 | 2012-03-22 | Sumalogic, Inc. | Polymer compound for biomedical use and biochip substrate using such a polymer compound |
US8293190B2 (en) * | 2005-03-15 | 2012-10-23 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | Polymer compound for biomedical use and biochip substrate using such a polymer compound |
WO2006123737A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | 医療材料用高分子化合物及び該高分子化合物を用いたバイオチップ用基板 |
US9046515B2 (en) | 2005-05-19 | 2015-06-02 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | Polymer compound for medical material, and biochip substrate using the polymer compound |
JP2010117189A (ja) * | 2008-11-12 | 2010-05-27 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 生理活性物質固定化用基板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Cretich et al. | Protein and peptide arrays: recent trends and new directions | |
Ladd et al. | DNA-directed protein immobilization on mixed self-assembled monolayers via a streptavidin bridge | |
JP2004536290A (ja) | 安定した、再生可能な抗体アレイの作製方法 | |
KR101126845B1 (ko) | 선택 결합성 물질 고정화 담체 | |
JP5538726B2 (ja) | 表面処理されていない基質にプローブを固定するためのゾル−ゲルバイオチップ用のゾル組成物及びそのスクリーニング方法 | |
US20200271643A1 (en) | Methods and systems for the detection of analyte molecules | |
JP3899831B2 (ja) | 生化学センサ及びこれを用いた生化学検査装置 | |
JP2009150708A (ja) | 標的物質の検出方法及び検査キット | |
JP2007285835A (ja) | バイオプレート用プレート及びその製造方法並びにバイオプレート | |
JP4534817B2 (ja) | 蛋白質の検出方法及びペプチドの検出方法 | |
JP4197279B2 (ja) | 生体由来物検出用基板及びその製造方法 | |
JP4207528B2 (ja) | 選択結合性物質の結合方法 | |
US20050003360A1 (en) | Array systems and methods | |
JP2005010004A (ja) | バイオチップ | |
JP2006208012A (ja) | 選択結合性物質固定化担体 | |
JP2005030913A (ja) | バイオチップ | |
JP4862412B2 (ja) | バイオチップの製造方法 | |
EP1258731A2 (en) | Reactive solid support for DNA fragment detection | |
JP2005069788A (ja) | リン酸化蛋白質の検出方法 | |
JP4347211B2 (ja) | バイオチップ用基板およびバイオチップ | |
JP4352849B2 (ja) | プラスチックの表面処理方法、プラスチック基板およびプラスチック製バイオチップ | |
JP2003021633A (ja) | 生物学的素材チップ | |
JP4353091B2 (ja) | 蛋白質及びペプチドの検出方法 | |
US20150369802A1 (en) | Biomolecule Binding Composite Surfaces, Methods Of Making Such Surfaces, Devices Incorporating Such Surfaces, And Methods Of Using Such Surfaces In Biomolecule Binding Assays, And Devices Therefor | |
JP4353073B2 (ja) | バイオチップおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070828 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070904 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071022 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080513 |