WO2004005004A1 - ハウジングの成形方法及びハウジング構造 - Google Patents

Description

明 細 書 ハゥジングの成形方法及ぴノ、ゥジング構造 <技術分野 >

本究明は、 ハウジングの成形方法とハウジング構造に関するもので、 特に車両 のヘッドランプ等に用いられるランプハウジングの成形方法とランプハウジング 構造に関する。

<背景技術 >

車両における従来のへッドランプの一例は、 図 9及び図 1 0に例示されている ように、 樹脂製のランプノヽゥジング 1の内部にバルブ 2やリフレクタ 3等が配置 されており、 ランプハゥジング 1の車両前方側に形成された開口部 4にランプレ ンズ 5が組み合わされている。 この開口部 4が形成されたランプノ、ウジング 1の 端縁 6と、 ランプレンズ 5の端縁 7との間には、 パッキン 8が介装されており、 ランプハウジング 1とランプレンズ 5とは、 その外周方向に沿って適宜の間隔を ぉレヽて配設されたばね鋼板製のクリップ 9により係止されている。

このクリップ 9による係止を確実なものとするには、 次のようにする必要があ る。

まず、 ランプノ、ウジング 1の端縁 6に車両前後方向の後方へ張り出す突起 1 0 を形成し、 ランプレンズ 5の端縁 7に車両前後方向における前方へ張り出す突起 1 1を形成する。 そしてこれら突起 1 0， 1 1へクリップ 9を係合させる。 これ によりタリップ 9による係止を確実なものにすることができる。

ところで、 ランプハウジング 1の成形時には、 パッキン 8を配置するための凹 部を端縁 6の車両前方側に形成するため、 2点鎖線で示す成形型 1 2を矢印 Aの ように車両前方側 （図 1 0中左方） へ抜く必要がある。 また一方で、 端縁 6の車 両後方側に突起 1 0を形成するためには、 2点鎖線で示す成形型 1 3を矢印 Bの ように車両後方側 （図 1 0中右方） へ抜く必要がある。

ここで、 端縁 6における突起 1 0の車両後方側に近接したランプハゥジング 1 の外壁面に、 ランプハゥジング 1の取付座面または補強リブ 14等 (以下、単にリ プ 14という）を設けることもある。 この場合、突起 10及びリブ 14は同時に形 成したいが、 成形型 13の引き抜き経路上 （矢印 B方向） にリブ 14が位置する ため、 成形型 13を引き抜けないこととなり、 突起 10と同時にリブ 14を設け ることは、 実際上極めて困難である。 このため、 ランプハウジング 1の設計自由 度に大きな制約を受け、 また、 リブ 14を設けるため成形型数が増大しランプ/、 ゥジング 1の製造コストがかさむという問題があつた。

本発明は、ハゥジング開口部の端縁に、その開口部と反対側へ張り出す突起を、 容易に成形する方法を提示することを目的とし、 またこれに関するハウジング構 造を提示することを目的とするものである。

<発明の開示 >

このため、 本発明にかかるハウジングの成形方法は、 格子状部を有する第一成 形型 （30) と上記第一成形型 （30) の格子状部と交互に嚙み合わされる第二 成形型 （40) とを使用して、 ハウジング （1) の開口部 （4) の外方側へ延び て、 当該開口部 （4) を閉鎖する閉鎖部材 （5) 力係止される端縁 （6) を成形 するとともに、 上記端縁 （6) を貫通する上記第一成形型 (30) の格子状部を 当該格子状部の端部と反対側の上記開口部 （4) 側へ抜き出し、 上記第二成形型

(40) を上記端縁 (6)位置から上記ハウジング（1)の外方側へ抜き出して、 上記端縁 (6) の外方側に、 上記開口部 （4) と反対側へ張り出す突起 （28) を形成している。

従って、 本発明にかかるハウジング成形方法によれば、 上記突起を形成する第 二成形型はハゥジングの端縁位置からハゥジングの外方側へ抜き出される。 つま り、 開口部と反対側へ抜き出すことがなくなるので、 突起の形成に加えハゥジン グの «面に上記突起から開口部と反対側へ近接してリブ等の延出部材も容易に 設けることが可能となる。

また本発明にかかるハウジング構造は、 閉鎖部材 (5) が係合部材 (9) によ り係合されたハウジング （1) において、 上記閉鎖部材 (5) により閉鎖される 開口部 （4) と、 同開口部 （4) から上記ハウジング （1) 外方側へ延びた端縁 (6) と、 同端縁 （6) に形成された係止部 （20) とを有し、 上記係止部 （2 0) は、 当該係止部 （20) の上記開口部側と反開口部側とを貫通する複数の貫 通孔（22) と、 隣り合う上記貫通孔を仕切る複数の縦壁 (23> と、 同縦壁（2 3) の一端側を連結する横壁 (24) とを備え、 上記縦壁 (23) は、 上記反開 口部側が上記横壁 （.24) よりも短く形成され、 上記横壁 (24) は、 上記反開 口部側で且つ上記縦壁 （23) に対応する箇所に切欠き （27) 力 上記反開口 部側で且つ上記貫通孔 （22) に対応する箇所に突起 （28) が夫々形成されて いる。

従って、 本発明にかかるハウジング構造によれば、 反開口部側へ張り出す突起 (28) が端縁 (6) に形成されるので、 当該突起 （28) に係合部材 （9) を 係合させることでハウジングの端縁 (6) に閉鎖部材 (5) を確実に係止させる ことができる。

<図面の簡単な説明 >

図 1は、 本発明の実施形態例を使用したランプハゥジングの要部縦断面図であ る。 （図 9中、 X指示部に相当）

図 2は、 図 1の II一 II矢視展開 大図である。

図 3は、 図 2の ΙΙΙ—ΙΠ矢視縦断面拡大図である。

図 4は、 図 2の IV— IV矢視縦断面拡大図である。

図 5は、 図 1の V— V縦断面拡大図である。

図 6は、 上記ランプハウジングの要部斜視拡大図である。

図 7は、 図 5の VII— VIIに沿った上記実施形態例の説明図である （成形型の 組み合わせ状態を示す)。

図 8は、図 5の VIII— VIIIに沿った上記実施形態例の説明図である （成形型の 組み合わせ状態を示す)。

図 9は、 従来のランプハウジングの概略縦断面図である。

図 10は、 図 9の X部拡大図である。 く発明を実施するための最良の形態〉 以下、 本発明の実施形態について、 前記従来のハウジング例との同等部分には それぞれ同一符号を付けて説明する。

まず図 1に沿ってハウジングをなすランプハウジング 1の概要を説明する。 車両用へッドランプの樹脂製のランプノヽウジング 1には、 車両前方側に形成さ れた開口部 4の端縁 6の外方側に、 周方向に適宜の幅を持った係止部 2 0が形成 されている。 この係止部 2 0は、 互いに適当な間隔を置いてランプハウジング 1 の外周に沿って設けられている。 ランプハウジング 1の下面には、 係止部 2 0の 反開口部側である車両後方側 (図 1中右側)に近接して、 ランプハウジング 1の取 付け用リブ （延出部材） 2 1が形成されている。

次に、 係止部 2 0について図 2〜図 6に基づいて説明する。

各係止部 2 0は、 端縁 6の外方側で当該係止部 2 0の開口部側と反開口部側と を貫通する複数の貫通孔をなす 4個の角孔 2 2を有している。 これにより、 並設 された各角孔 2 2間を仕切る複数の縦壁をなす縦壁部 2 3と、 各縦壁部 2 3の下 端を連結する横壁をなす横壁部 2 4と、 横壁部 2 4の両側縁とランプハウジング 1の外周面とを結合する側壁部 2 5とを有する。

縦壁部 2 3は横壁部 2 4よりも反開口部側が短く設定されており、 各縦壁部 2 3の反開口部側 （車両後方側） には略直方体の空間 2 6が形成される。 また、 空 間 2 6の下方に位置して縦壁部 2 3に対応する横壁部 2 4には切欠き 2 7が設け られ、 それによつて各角孔 2 2に対応する反開口部側下方の位置にはそれぞれ反 開口部側へ張り出す複数の突起 2 8が断続的に形成される。

このように、 本発明の一実施形態にかかるハウジング構造によれば、 閉鎖部材 をなすランプレンズ 5の端縁 7に形成された突起 1 1と、 ランプハウジング 1に おける端縁 6の外方側に設けられた係止部 2 0に形成された突起 2 8とに跨がつ て、 係合部材をなすクリップ 9を係合させることにより、 ランプハウジング 1の 端縁 6にパッキン 8を挟んでランプレンズ 5の端縁 7を確実、 つ、 容易に係止 させることができるようになる。

次に、 端縁 6に係止部 2 0を成形する方法を図 7及び図 8により説明する。 第一成形型をなす成形型 3 0は、 ランプハウジング 1の内面を成形する中央部 3 1と、 ランプハウジング 1における端縁 6の開口側端面を成形する端面部 3 2 と、 この端面部 3 2から突出して角孔 2 2の成形形状に対応する柱状部をなす複 数の角柱部 3 3と、 各縦壁部 2 3の成形形状に対応する空所 3 4と、 型合せ面 3 5とを有している。

そして、 角柱部 3 3と空所 3 4とが交互に並列配置されており、 4本の角柱部 3 3が櫛の歯のような格子状部をなす。

第二成形型をなす成形型 4 0は、 縦壁部 2 3後方の空間 2 6及び横壁部 2 4の 切欠き 2 7の成形形状に対応する角柱部 4 1と、 ランプハウジング 1の車両前方 側外周面を成形する端面 4 2と、 取付け用リブ 2 1の車両前方側側面及び下面を 成形する端面 4 3と、 型合せ面 4 4 , 4 5とを有している。

成形型 5 0は、 ランプハゥジング 1の車両後方側外面を成形する端面 5 1と、 取付け用リブ 2 1の車両後方側側面を成形する端面 5 2と、 型合せ面 5 3とを有 している。

ランプノヽウジング 1を成形する際には、 これら成形型 3 0， 4 0 , 5 0を図 7 及び図 8のように組み合わせて型締めされるが、 このとき成形型 4 0の角柱部 4 1は成形型 3 0の角柱部 3 3の端部と交互に嚙み合わされている。 つまり、 突条 部をなす角柱部 4 1が、 隣り合う角柱部 3 3の間に形成された空所 3 4内に突出 するよう、 成形型 3 0と成形型 4 0とが組み合わされている。

この状態からランプハウジング 1を成形する場合、 係止部 2 0の主要部分は、 主に次のように成形されることになる。 即ち、 角孔 2 2は角柱部 3 3により成形 される。 縦壁部 2 3は空所 3 4と角柱部 4 1とにより成形される。 横壁部 2 4、 突起 2 8、 及び切欠き 2 7は、 角柱部 3 3、 空所 3 4、 及び角柱部 4 1とにより 成形される。

また、 各成形型の型開き方向は次の通りである。 即ち、 端縁 6の外方側で係止 部 2 0の開口部側と反開口部側とを貫通する角柱部 3 3を有する成形型 3 0は、 当該角柱部 3 3の端部と反対側（矢印 A方向）の開口部側へ抜き、成形型 5 0は、 反開口部側 （矢印 B方向） へ抜き、 成形型 4 0は、 上記端縁 6を成形する位置か ら矢印 Cのように矢印 A方向と直交する前記ランプハウジング 1の外方側 （図中 下方側） へ抜く。 ここで、 成形型 4 0の角柱部 4 1は、 図 8に示す如く、 成形型 3 0の空所からランプハウジング 1における係止部 2 0の横壁部 2 4をなす部位 にまで直下に延設されているので、 突起 2 8が成形されていても、 これが邪魔に なることなく下方へ引き抜くことができる。

これにより、 反開口部側に張り出した複数の突起 2 8を備えた係止部 2 0を端 縁 6に容易に成形することができる。 また、 ランプハウジング 1の外方側へ延び る取付け用リブ 2 1の成形には特に支障が生じることはないので、 係止部 2 0と 同時に成形することができる。

即ち、 このように、 本発明の一実施形態にかかるハウジングの成形方法によれ ば、 係止部 2 0に反開口部側へ張り出す突起 2 8を成形しても、 突起 2 8を成形 するための成形型 4 0は成形型 3 0に対して直交する下方へ引き抜力れる、 つま り反開口部側へ抜き出すことがな 、ため、 係止部 2 0の車両後方側に近接して、 ランプハウジング 1の取付け用リブ 2 1のような延出部材を容易且つ同時に形成 することが可能となる。

従って、 ランプハウジング 1の設計自由度を大幅に確保することができると同 時に、 ヘッドランプのレイアウトに対する自由度も増大させることができる。 ま た、 成形型数の増加を抑えることができ、 ランプハウジング 1の製造コストを簡 単に軽減させることが可能となる。 し力も、 従来から使用されていたクリップ 9 をそのまま使用することもできて、 実用上の利点が非常に大きいという特色があ る。

なお、 上記実施形態例は、 ランプノ、ゥジング 1の端縁 6における下方に係止部 • 2 0を形成する場合について説明したが、 上記下方の他にランプハウジング 1の 端縁 6における側方や上方等の外方側に係止部 2 0を形成する場合にも同様に成 立するものである。

また、 係止部 2 0における角孔 2 2及び縦壁部 2 3の数は、 突起 2 8に係合す るタリップ 9の幅に応じて適宜選定することができる。

さらに、 ヘッドランプにおけるランプハウジングの他に、 車両における他のラ ンプ、 例えば、 リャストップランプ、 コンビネーションランプ等にも上記各実施 形態例と同様に適用すれば、 上記各実施形態例と同等の作用効果を奏することが できるのはいうまでもない。

さらに、 ランプハウジングに限らず一般的なハウジングの成形にも適用するこ とができる。

<産業上の利用可能性 >

以上のように、 本発明は、 特に車両のヘッドランプに用いられるランプハウジ ングの成形方法とランプハウジング構造として有用である。

Claims

請 求 の 範 囲

1. 格子状部を有する第一成形型 （30) と、 前記第一成形型 （30) の 格子状部と交互に嚙み合わされる第二成形型 （40) と、 を使用して、

ハウジング （1) の開口部 （4) の外方側へ延びて、 当該開口部 （4) を閉鎖 する閉鎖部材 （5) が係止される端縁 (6) を成形するとともに、

前記端縁 (6) を貫通する上記第一成形型 （30) の格子状部を当該格子状部 の端部と反対側の前記開口部 （4) 側へ抜き出し、

上記第二成形型 (40) を前記端縁 (6) 位置から上記ハウジング （1) の外 方側へ抜き出して、

上記端縁 （6) の外方側に、 上記開口部 （4) と反対側へ張り出す突起 （28) を形成するハウジングの成形方法。

2. クレーム 1において、

前記第一成形型 （30) は、 上記端縁 （6) を貫通する複数の柱状部 （33) と、 これら柱状部間に形成された空所 (34) と、 を有しており、

且つ、 上記格子状部は、 上記柱状部 （33) と上記空所 (34) とが交互に配 置されて形成され、

上記第二成形型 （40) は、 上記空所 （34) 内へ突出する複数の突状部 （4 1) を有することを特徴とするハウジングの成形方法。 .

3. クレーム 2において、

上記突起 （28) は、 上記第一成形型 （30) の柱状部 （33) と、 上記第二 成形型 （40) の突状部 （41) と、 で囲まれた空間により形成されることを特 徴とするハウジングの成形方法。

4. クレーム 1において、

上記開口部 （4) の反対側で上記第二成形型 (40) に組み合わされる第三成 形型 （50) を有し、 前記第三成形型 （50) を前記開口部 （4) と反対側へ抜き出すことにより、 上記ハウジング (1) の外方側へ延びる延出部材 (21) を形成することを特徴 とするハウジングの成形方法。

5. クレーム 1〜4において、

上記ハウジング (1) はランプハウジングであり、

上記閉鎖部材 (5) はランプレンズであることを特徴とするハウジングの成形 方法。

6. 閉鎖部材 （5) が係合部材 （9) により係合されたハウジング （1) に おいて、

上記閉鎖部材 (5) により閉鎖される開口部 （4) と、

該開口部 （4) 力 ら上記閉鎖部材 (5) へ延びた端縁 （6) と、

該端縁 ( 6 ) に形成された係止部 (20) と、

を有し、

上記係止部 （20) は、 当該係止部 （20) の上記開口部側と反開口部側とを 貫通する複数の貫通孔 （22) と、 隣り合う上記貫通孔を仕切る複数の縦壁 (2 3) と、 これら縦壁の一端側を連結する横壁 (24) と、

を備え、

上記縦壁（23) は、上記反開口部側が上記横壁（24) よりも短く形成され、 上記横壁 (24) は、 上記反開口部側で且つ上記縦壁 （23) に対応する箇所 に切欠き （27) 力 上記反開口部側で且つ上記貫通孔 （22) に対応する箇所 に突起 （28) が夫々形成されていることを特徴とするハウジング構造。

7. クレーム 6において、

上記端縁 (6) の上記開口部 （4) と反対側に、 上記ハウジング （1) の外方側 へ延びた延出部材 （21) を有することを特徴とするノヽゥジング構造。

8. クレーム 6， 7において、

上記ハウジング (1) は、 ランプハウジングであり、 上記閉鎖部材 (5) は、 ランプレンズであることを特徴とするハウジング構造。