WO2004002836A1

WO2004002836A1 - 環境に優しいプラスチック容器

Info

Publication number: WO2004002836A1
Application number: PCT/JP2002/006515
Authority: WO
Inventors: Masato Suzuki
Original assignee: Yoshino Kogyosho Co., Ltd.
Priority date: 2001-03-16
Filing date: 2002-06-27
Publication date: 2004-01-08
Also published as: EP1591365A4; EP1591365A1; CN1628057A; JP2002274521A; AU2002313282A1; US20050271846A1; US7422780B2; CA2490711A1

Description

明細書環境に優しレ、プラスチック容器背景技術

技術分野

[0001] 本発明は、環境に優しいプラスチック容器に関し、内容物の品質を安定的に保持するとともに、使用済み容器を、自然環境に悪影響を与えることなしに簡便に処理しようとするものである。

従来技術

[0002] プラスチック製の容器は、ガラスや金属製の容器に比較して軽量であり、その成形が容易であること、し力も低コストである等の理由から、近年、食品や飲料、薬剤あるいは洗剤等の包装、充てん用の容器として様々な分野で広く使用されている。

[0003] ところで、プラスチックの中には、その廃棄に際してはダイォキシン等の有害ガスが発生したり、発熱量が高いため焼却炉の炉壁を傷める等の問題力焼却処分が困難であり、その再利用化を図るベぐ衣服等の繊維や建材等の構成部材の一部として利用されてはいるものの用途範囲を拡大するまでには至っていない。

[0004] また、プラスチックは酸素等のガスを透過させたり、香気成分を吸収する特性を有する材料も存在することから、内容物の品質を安定的に保持するのが難しぐその改善が求められる容器も存在している。

発明の開示

[0005] 本発明の課題は、内容物の品質の安定的な保持を可能とするとともに、使用済みの容器を環境に悪影響を与えることなしに簡単に処理できる新規なプラスチック容器を提案するところにある。

[0006] 本発明は、中空状の予備成形体をブロー成形して得た容器であって、前記容器はその本体が生分解性のプラスチックよりなる、ことを特徴とする環境に優しいプラスチック容器である。

[0007] 上記の構成になる容器は、その本体の少なくも内表面にガスまたは水分の透過を防止するコーティング層を有するものとするのが望ましレ、。

[0008] コーティング層は、ダイヤモンドライクカーボン (DLC)、Si0₂、SiC若しくは SiN 等の蒸着膜がとくに有利に適合する。

[0009] 生分解性のプラスチックとしては微生物系、化学合成系、ポリ乳酸'化学合成系若しくは天然高分子系のポリマーを適用することができる。

図面の簡単な説明

[0010] 以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。

[0011] 図 1は本発明に従うプラスチック容器の外観を示した図である。

[0012] 図 2はプリフォームの外観を示した図である。

発明を実施するための最良の形態

[0013] 図 1は本発明に従うボトル型のプラスチック容器の構成を示したものである。

[0014] 図において 1は生分解性のプラスチックからなる容器本体、 2は容器の口部、 3 は容器本体 1の内表面に形成した例で示したコーティング層である。

[0015] 上記の構成になる容器を作製するには、図 2に示すような中空状の予備成形体、いわゆるプリフォームを押出しあるいはインジェクション法を適用して成形し、これを、ダイレクトブロー、 2軸延伸ブロー等のブロー成形法によって所望の外観形状を有する容器に仕上げ、さらに、蒸着技術を利用して常法に従い容器の内面にガスの透過や水分の浸透を防止する、使用目的に応じたコーティング層を成形する。

[0016] プラスチックは、酸素や二酸ィ匕炭素のような低分子ガスを透過する性質を有してレヽるため、容器の本体部分を通して酸素等が透過すると内容物の品質に影響を与えるおそれがあるが、コーティング層 3を設けることによって容器のノリャ性を改善することが可能であり、内容物の品質を安定的に保持することができる。

[0017] 生分解性のプラスチックとしては、微生物系として、ヒドロキシブチレート'バリレート（PHB/V)やマルトトリオース等のポリマーが、また、化学合成系として、ポリブチレンサクシネート (PBS)、ポリブチレンサクシネート'アジペート (PBSA)、ポリブチレンサクシネート ·カーボネート、ポリ力プロラタトン系（PCL)、酢酸セルロース系（PH)、芳香族'脂肪族コポリエステル、 PET 改質タイプ等のポリマーが、ポリ乳酸'化学合成系として、ポリ乳酸（PLA)、乳酸系ポリエステル（CPLA)等のポリマー力さらに、天然高分子系として、デンプン +変性 PVA+脂肪族ポリエステル、コーンスターチ等のポリマ一が適用できる。

[0018] 生分解性のプラスチックは、 0₂あるいは 0₃との反応、光化学反応、加水分解あるいは微生物による分解形態をとるので、焼却等の人的な行為を加えることなしに崩壊 (分解)していく。この時、 DLCや Si0₂の薄膜は、プラスチックの崩壌とともに自然界に戻ることになる。

[0019] ノリャ性を改善するコーティング層としては、 DLCや Si0₂の薄膜を適用する場合について説明した力本発明では、プラスチックの分解を妨げることがなレ、ものであればこれにのみ限定されるものではない。

[0020] コーティング層を設けることによりァセトアルデヒドの溶出量が抑制されるとともに内容物の保香性が改善され、とくに DLCに関しては容器自体を不透明とすることが可能であることから、遮光性を高めることができる利点がある。

[0021] 本発明に適合し得るその他のコーティング層としては、 sic、 siN等があり、に関しては、何れのものも、 0.01〜0.2 m 程度とするのがよい。また、コーティング層は、図 1では内表面に形成した例で示したが、本発明はこれにのみ限られるわけではなぐ外表面に形成することも可能である。

[0022] 生分解性プラスチックの分解性に関する調査結果を表 1に示す。なお、表中◎ は良好、〇は良、△は適用可を表示するものとする。 [0023]

表 1

[0024] また、充てん容量が 500 になる PLA (ポリ乳酸)製のボトルにつき、その内面に種々の厚さになる DLCの蒸着膜を形成した場合と、その外面に SiO_xの蒸着膜を形成した場合の 0₂バリヤ性の改善効果に関する調査結果を、 PLAの単体力なるボトルを基準とした場合における値と比較して表 2に示す。膜厚については、容器の胴部 1ポイントにマスキングして、原子間力顕微鏡 (AFM)(TOPOMETRIXエクスプローラ 2100 型走査プローグ顕微鏡)にて測定した値を示したものである。

[0025]

番号酸素透過量（cc/day/bottle) 改善率備考

1 0.45 1 PLA単体

2 , 0.266 X 1.7 DLC膜厚 150A(0.015 m)

3 0.220 X 2.0 DLC膜厚 230 Α(0.023 β m)

4 0.192 X 2.3 DLC膜厚 470 A(0.047 m)

5 0.370 X 1.2 SiOx膜厚⁴00A(0.0⁴0 m) [0026] 表 2において DLCの蒸着膜あるいは SiO_xの蒸着膜を形成したものにおいては、 PLA単体のボトルに比較して酸素の透過が極めて小さいことがわかる。

産業上の利用可能性

[0027] 本発明によれば、内容物の品質を安定的に保持できるだけでなぐ容器の廃棄に際しては何らの人的な行為を加えることなく自然に分解してレ、くので、環境の保全に極めて有用である。

Claims

請求の範囲

1. 中空状の予備成形体をブロー成形して得た容器であって、

前記容器はその本体が生分解性のプラスチックよりなる、ことを特徴とする環境に優しいプラスチック容器。

2. 容器が、その本体の少なくも内表面にガスの透過あるいは水分の浸透を防止するコーティング層を有する、請求項 1記載のプラスチック容器。

3. コーティング層が、ダイヤモンドライクカーボン (DLC)、 Si0₂、 SiC若しくは SiN等の蒸着膜である、請求項 2記載のプラスチック容器。

4. 生分解性のプラスチック力微生物系、化学合成系、ポリ乳酸 '化学合成系若しくは天然高分子系のポリマーである、請求項 1〜3の何れかに記載のプラスチック容器。