明 細 書 傾斜角センサ、 並びに傾斜角センサの製造方法および傾斜角測定方法 技術分野
本発明は、 傾斜角センサおよびその製造方法に係り、 特に、 ピエゾ抵抗が形成 された基板を選択的にェツチングすることなく、 ピエゾ抵抗効果を利用して傾斜 角を測定することが可能な傾斜角センサ、 並びに傾斜角センサの製造方法および 傾斜角測定方法に関する。
^冃景 . 技術
従来の傾斜角センサとしては、 傾斜時の応力に起因するピエゾ抵抗の抵抗変化 に基づいて、 傾斜角を測定する方法があった。
図 76 (a) は、 従来の傾斜角センサの概略構成を示す斜視図、 図 76 (b) は、 従来の傾斜角センサの概略構成を示す断面図、 図 76 (c) は、 従来の傾斜 角センサのピエゾ抵抗の部分を拡大して示す断面図である。
図 76において、 シリコン基板 201上には、 ピエゾ抵抗 Rが形成され、 ピエ ゾ抵抗 Rの配置領域には、 ピエゾ抵抗 Rが応力を受け易くするために、 シリコン 基板 201を裏面からエッチングして形成された変位部 20 1 cが設けられてい る。
また、 シリコン基板 201の周囲には、 変位部 20 1 cを支持するための支持 部 20 1 aが形成されるとともに、 シリコン基板 20 1の中央には、 変位部 20 1 cを変形させるための錘部 20 1 bが形成されている。
ここで、 支持部 20 1 a、 錘部 20 1 bおよび変位部 20 1 cは、 500 μπι 程度の厚みのシリコン基板 201を、 裏面から選択的にエッチングすることによ り形成され、 支持部 20 1 aと錘部 20 1 bとの間が変位部 201 cで架橋され るように構成される。
すると、 錘部 20 1 bにかかる重力によって、 図 76 (c) に示すように、 変 位部 2 O l cが変形し、 ピエゾ抵抗 Rに応力が加わる。 そして、 シリコン基板 2
01が傾くと、 錘部 201 bにかかる重力の方向が変化し、 ピエゾ抵抗 Rに加わ る応力も変化するので、 ピエゾ抵抗 の抵抗値が変化する。
このため、 ピエゾ抵抗 Rの抵抗値の変化を検出することにより、 傾余斗角センサ の傾きを求めることができる。
図 77 (a) は、 従来の傾斜角センサの X、 Y方向への加速時における各ピエ ゾ抵抗の増減を示す図、 図 77 (b) は、 従来の傾斜角センサの Z方向への加速 時における各ピエゾ抵抗の増減を示す図である。
図 77 (a) において、 傾斜角センサが X、 Y方向へ加速されると、 X、 Y方 向への力 FX、 FYが錘部 201 bにかかり、 錘部 201 bが X、 Y方向に移動 しょうとする。 このため、 変位部 201 cが変形し、 ピエゾ抵抗 Rl、 R3には 引張応力、ピエゾ抵抗 R 2、 R 4には圧縮応力が加わり、これらの応力に従って、 ピエゾ抵抗 R 1-R4の抵抗値が増減する。
一方、 図 77 (b) において、 傾斜角センサが Z方向へ加速されると、 Z方向 への力 FZが錘部 201 bに力、力 り、錘部 201 bが Z方向に移動しようとする。 このため、 変位部 201 cが変形し、 ピエゾ抵抗 R 2、 R 3には引張応力、 ピエ ゾ抵抗 R l、 R4には圧縮応力が加わり、 これらの応力に従って、 ピエゾ抵抗 R 1〜R 4の抵抗値が増減する。
従って、 これらのピエゾ抵抗 R 1〜R 4からなるホイートストンブリッジ回路 を形成することにより、 傾斜角センサの傾きを求めることができる。
また、 従来の傾斜角センサとしては、 四隅をシリコンのばねで吊るした可動部 分を持ち、 固定部分との間にコンデンサを形成して、 可動部分の移動による容量 変化を測定する方法もある。
しかしながら、図 76の傾斜角センサでは、変位部 201 cを形成するために、 500 / m程度の厚みのシリコン基板を数 +μ ΐΏ程度にまで選択的にエッチング する必要があり、 製造工程が »ィ匕して、 コストアップになるという問題があつ た。
また、 図 76の傾斜角センサでは、 シリコン基板の裏面を選択的にエッチング して、 支持部 201 a、 錘部 201 bおよび変位部 201 cが形成されるため、 傾斜角センサの構成が複雑化し、 傾斜角センサが衝撃に弱くなるという問題もあ
つた。
また、 シリコンのばねを用いる方法では、 ばねおよびコンデンサを 1〜2 μ πι 程度の微細加工で形成する必要があり、 コストアップになるとともに、 衝撃にも 弱くなるという問題もあった。
そこで、 本発明は、 このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してな されたものであって、 ピエゾ抵抗が形成された基板を選択的にェッチングするこ となく、ピエゾ抵抗効果を利用して傾斜角を測定することが可能な傾斜角センサ、 並びに傾斜角センサの製造方法およ 頃斜角測定方法を«することを第 1の目 的としている。 また、 ピエゾ抵抗が形成された基板の裏面を選択的にエッチング することなく、 錘部材を形成することが可能な傾斜角センサ、 並びに傾斜角セン サの製造方法およ 頃斜角測定方法を ffittすることを第 2の目的としている。 発明の開示
上記目的を達成するために、 本発明に係る請求の範囲第 1項記載の傾斜角セン サは、 表面にピエゾ抵抗が形成され、 橈み可能な厚みまで裏面全体が均一に研削 された基板と、 前記基板の少なくとも一端で前記基板を支持する支持部材とを備 る。
これにより、 ピエゾ抵抗が形成された基板の裏面全体を単に研削するだけで、 変位部を形成することが可能となり、 変位部を形成するために、 フォトリソダラ フィー技術を用いた選択的なエッチングを行なう必要がなくなる。
このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの コストを下げることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上させること が可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲第 1項記載の傾斜角センサにおいて、 前記ピエゾ抵抗形成面の変位可能領域に配置 された錘部材をさらに備える。
これにより、ピエゾ抵抗が形成された基板を選択的にェツチングすることなく、 ピエゾ抵抗が形成された基板上に錘部材を設けることができ、 傾斜角センサの製 造工程の複雑化を抑制しつつ、 傾斜角センサの検出感度を向上させることができ
る。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 3項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲第 1および第 2項のいずれかに記載の傾斜角センサにおいて、 前記ピエゾ抵抗は、 前記基板の表面に 2次元的に配置されている。
これにより、 厚みが均一な基板を用いた場合においても、 異なる方向の傾斜角 を 1つの傾斜角センサで検出することや、 ブリツジ回路を構成して検出精度を向 上させることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 4項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲第 3項記載の傾斜角センサにおレ、て、 前記ピエゾ抵抗は、 前記基板の橈み量を検出 するよう前記基板の表面に配置されたピエゾ抵抗と、 前記基板の捻れ量を検出す るよう前記基板の表面に配置されたピエゾ抵抗とを備える。
これにより、 厚みが均一ィヒされた基板を用いた場合においても、 同一面上にピ ェゾ抵抗を配置することで、 2軸方向の傾斜角を検出することが可能となり、 2 軸傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 2軸傾斜角センサのコスト ダウンを図ることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 5項記載の傾斜角センサは、 変位可能な自 由表面を有する 6面体短冊形弾性体と、 前記 6面体短冊形弾性体の同一面上の長 手方向に少なくとも 2個所以上設けられ、 少なくとも 1つは前記自由表面上に配 置されたピエゾ抵抗と、 前記 6面体短冊形弾性体の長手方向の両端を支持する支 持部材と、 前記 6面体短冊形弾性体の変位可能領域の長手方向のほぼ中央に設け られた錘部材とを備える。
これにより、 6面体短冊形弾性体に支持部材および錘部材を後付けすることで、 傾斜角センサを製造することができ、 ピエゾ抵抗が形成された基板を選択的にェ ツチングする必要がなくなることから、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡 易化して、 傾斜角センサのコストを下げることが可能となるとともに、 衝撃に対 する耐性も向上させることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 6項記載の傾斜角センサは、 変位可能な自 由表面を有する 6面体短冊形弾性体と、 前記 6面体短冊形弾性体の同一面上の長 手方向に少なくとも 2個所以上設けられ、 少なくとも 1つは前記自由表面上に配
置されたピエゾ抵抗と、 前記 6面体短冊形弾性体の長手方向の一端を支持する支 持部材と、 前記 6面体短冊形弾性体の長手方向の他端に設けられた錘部材とを備 る。
これにより、 6面体短冊形弾性体に支持部材および錘部材を後付けすることで、 傾斜角センサを製造することが可能となるとともに、 支持部材と錘部材との距離 を大きくして、 検出感度を上げることが可能となり、 傾斜角センサの構成および 製造工程を簡易化して、 傾斜角センサのコストを下げることが可能となるととも に、 傾斜角センサの特性を向上させて、 傾斜角センサの小型化を図ることが可能 となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 7項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲第 5および第 6項のいずれかに記載の傾斜角センサにおいて、 前記支持部材および 前記錘部材の少なくとも一方は、 前記 6面体短冊形弾性体と長さおよび幅の少な くとも一方が同一である。
これにより、 支持部材または前記錘部材と、 6面体短冊形弾性体とを一括して 切断することが可能となり、 支持部材または前記錘部材と、 6面体短冊形弾性体 とをウェハ状態のまま貼り合わせ、 これらの部材を一体的にペレツト化すること が可能となることから、 傾斜角センサの生産性を向上させて、 傾斜角センサのコ ストを下げることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 8項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲第 5ないし第 7項のいずれかに記載の傾斜角センサにおいて、 前記 6面体短冊形弾 性体はシリコン基板であり、 前記ピエゾ抵抗は前記シリコン基板に形成された不 純物拡散層である。
これにより、 ィオン注入を選択的に行なうだけで、 複数のピエゾ抵抗を一括し てシリコン基板に形成することができ、 傾斜角センサの製造工程を簡易化して、 頃斜角センサのコストを下げることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 9項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲第 8項記載の傾斜角センサにぉレヽて、 前記 6面体短冊形弾性体はシリコン基板であ り、 前記支持部材は、 凹部が形成され、 前記シリコン基板と陽極接合可能な材料 で構成されたガラス基板と、 前記凹部に埋め込まれ、 前記シリコン基板との陽極
接合を妨げる埋め込み部材とを備える。
これにより、 シリコン基板との間に電圧をかけるだけで、 シリコン基板と支持 部材とを強固に接合することができ、 過酷な環境で使用した場合においても、 支 持部材がシリコン基板から脱落することを防止することが可能となるとともに、 接着剤を用いることなく、 支持部材とシリコン基板とを接合することが可能とな ることから、 接合時に接着剤がはみ出すことを防止して、 高精度の傾斜角センサ を容易に製造することができる。
また、 支持部材の表面を平坦化することができ、 シリコン基板の裏面に空洞が 形成されることを防止することが可能となることから、 シリコン基板上に加重が かかったり、 シリコン基板に衝撃が加わったりした場合においても、 シリコン基 板の裏面全体を支持部材で支えることができる。
このため、 シリコン基板上に錘を設ける際のシリコン基板の割れを防止して、 傾斜角センサの製造コストを低下させることが可能となるとともに、 傾斜角セン サの耐衝撃性を向上させて、 傾斜角センサの使レ、勝手を向上させることが可能と なる。
また、 6面体短冊形弾性体と支持部材とを接合する場合においても、 シリコン 基板との間に ¾Ξをかけるだけで、 シリコン基板と支持部材とを部分的に接合す ることができ、 シリコン基板と支持部材とが埋め込み部材の位置で離れることを 可能とすることができる。
このため、 支持部材の表面を平坦化した場合においても、 傾斜角センサの傾き に応じて、 シリコン基板に応力を発生させることができ、 傾斜角センサとして機 能させることができる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 0項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲 第 5ないし第 9項のいずれかに記載の傾斜角センサにおいて、 前記 6面体短冊形 弾性体の同一平面上に、 前記 6面体短冊形弾性体の橈み量を検出するよう配置さ れたピエゾ抵抗と、 前記 6面体短冊形弾性体の捻、れ量を検出するよう配置された ピエゾ抵抗とを備える。
これにより、 6面体短冊形弾性体の 2軸方向の撓み量を検出することが可能と なり、 厚みが均一な基板を用いた場合においても、 2軸方向の傾斜角を検出する
ことが可能となるとともに、 ピエゾ抵抗をブリッジ回路構成として、 傾斜角の検 出精度を向上させることが可能となる。
一方、 上記目的を達成するために、 本発明に係る請求の範囲第 1 1項記載の傾 斜角センサの製造方法は、 ウェハ表面上に 2個所以上のピエゾ抵抗を形成するェ 程と、 前記ウェハの裏面全体を均一に研削する工程と、 凹部の形成された支持基 板を、 前記ピエゾ抵抗の形成領域が凹部エッジ近傍で凹部内側になるように、 前 記ウェハの裏面に貼り合わせる工程と、 前記ピエゾ抵抗形成面の変位可能領域が 前記凹部の両側で支えられるように、 前記ウェハおよび前記支持基板を一括して チップ状に切断する工程とを備える。
これにより、ピエゾ抵抗が形成された基板を選択的にエッチングすることなく、 ピエゾ抵抗を支持するための支持部を形成することが可能となるとともに、 支持 基板の貼り合わせを 1回行なうだけで、 ピエゾ抵抗を支持するための支持部を複 数のチップに対して一括して形成することができ、 傾斜角センサの製造工程を簡 易化して、 傾斜角センサのコストを下げることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 2項記載の傾斜角センサの製造方法は、 請求の範囲第 1 1項記載の傾斜角センサの製造方法において、 凸部の形成された 錘基板を、 前記凸部が前記ピエゾ抵抗形成面の変位可能領域のほぼ中央に配置さ れるように、 前記ウェハの表面に貼り合わせる工程をさらに備え、 前記錘基板、 前記ウェハおよび前記支持基板は、 チップ状に一括して切断される。
これにより、 錘基板の貼り合わせを 1回行なうだけで、 ピエゾ抵抗を変形させ るための錘を複数のチップに対して一括して形成することができ、 傾斜角センサ の製造工程を簡易化して、 傾斜角センサのコストをより一層下げることが可能と なる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 3項記載の傾斜角センサの製造方法は、 ウェハ表面上に 2個所以上のピエゾ抵抗を形成する工程と、 前記ウェハの裏面全 体を均一に研削する工程と、 凹部の形成された支持基板を、 前記ピエゾ抵抗の形 成領域が凹部ェッジ近傍で凹部内側になるように、 前記ウェハの裏面に貼り合わ せる工程と、 前記ピエゾ抵抗形成面の変位可能領域のほぼ中央に台座を配置する 工程と、 前記ピエゾ抵抗形成面の変位可能領域が前記凹部の両側で支えられるよ
うに、 前記台座が配置されたウェハおよび前記支持基板を一括してチップ状に切 断する工程と、 前記台座上に錘部材を配置する工程とを備える。
これにより、ピエゾ抵抗が形成された基板を選択的にェツチングすることなく、 ピエゾ抵抗を支持するための支持部を形成することが可能となるとともに、 支持 基板の貼り合わせを 1回行なうだけで、 ピエゾ抵抗を支持するための支持部を複 数のチップに対して一括して形成することができ、 傾斜角センサの製造工程を簡 易化して、 ィ頃斜角センサのコストを下げることが可能となるとともに、 錘部材を 大きくして検出感度を向上させたり、 各チップごとに錘部材の配置位置を調整す ることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 4項記載の傾斜角センサの製造方法は、 ウェハ表面上に 2個所以上のピエゾ抵抗を形成する工程と、 前記ウェハの裏面全 体を均一に研削する工程と、 凹部の形成された支持基板を、 前記凹部の一方の位 置が前記ピエゾ抵抗形成領域のェッジ近傍で前記凹部の内側であり、 前記凹部の 他方が前記ウェハのスクライブラインにかかるように、 前記ウェハの裏面に貼り 合わせる工程と、前記ピエゾ抵抗形成面の変位可能領域に台座を配置する工程と、 前記ピエゾ抵抗形成面が前記凹部の片側で支えられるように、 前記台座が配置さ れたウェハおよび前記支持基板を一括してチップ状に切断する工程と、 前記台座 上に錘部材を配置する工程とを備える。
これにより、ピエゾ抵抗が形成された基板を選択的にェツチングすることなく、 ピエゾ抵抗を支持するための支持部を形成することが可能となるとともに、 支持 基板の貼り合わせを 1回行なうだけで、 ピエゾ抵抗を支持するための支持部を複 数のチップに対して一括して形成することができ、 傾斜角センサの製造工程を簡 易化して、 ί頃斜角センサのコストを下げることが可能となるとともに、 支持基板 と錘部材との間の距離を大きくして、 検出感度を向上させることが可能となる。 さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 5項記載の傾斜角センサの製造方法は、 ウェハ表面上に 2個所以上のピエゾ抵抗を形成する工程と、 前記ウェハの裏面全 体を均一に研削する工程と、 凹部の形成された支持基板を、 前記ピエゾ抵抗の形 成領域が凹部エッジ近傍で凹部内側になるように、 前記ウェハの裏面に貼り合わ せる工程と、 凸凹の形成された錘基板を、 凸部が 2チップ間隔で
ンに跨るように、 前記ウェハの表面に貼り合わせる工程と、 前記錘基板の凹部の 一部を前記スクライブラインと平行に切り落とす工程と、 前記ピエゾ抵抗形成面 の一端が前記支持基板の凹部の片側で支えられるとともに、 前記錘基板の凸部が 前記ピエゾ抵抗形成面に配置されるように、 前記錘基板、 前記ゥェハぉよび前記 支持基板を一括してチップ状に切断する工程とを備える。
これにより、 片持ち型の傾斜角センサを製造する場合においても、 ピエゾ抵抗 を支持するための支持部のみならず、 ピエゾ抵抗に応力を加える錘部材も、 複数 のチップに対して一括して形成することができ、 傾斜角センサの検出感度を向上 させつつ、 傾斜角センサの製造工程を簡易化して、 傾斜角センサのコストを下げ ることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 6項記載の傾斜角センサの製造方法は、 請求の範囲第 1 1ないし第 1 5項のいずれかに記載の傾斜角センサの製造方法に おいて、 前記研削は、 研磨またはエッチング、 あるいはそれらの組み合わせであ る。
これにより、 研削時間を低減しつつ、 基板の厚み制御を制度良く行なうことが 可能となる。
一方、 上記目的を達成するために、 本発明に係る請求の範囲第 1 7項記載の傾 斜角センサは、 表面にピエゾ抵抗が形成された橈み板と、 前記撓み板の一端で前 記撓み板を支持する支持部材と、 前記橈み板の変位可能領域に配置された金属錘 部材とを備える。
これにより、 ピエゾ抵抗が形成された基板の裏面を選択的にエッチングするこ となく、 撓み可能な状態でピエゾ抵抗を支持することが可能となるとともに、 撓 み板上に錘部材を設けた場合においても、 錘部材の比重が大きくなるので、 錘部 材の体積の増大を抑制しつつ、 既存のフリップチップ実装技術と容易に整合性を とることが可能となる。
このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型 ·低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 8項記載の傾斜角センサは、 絶縁層上に
シリコン層が形成された S O I基板と、 前記シリコン層下の絶縁層に形成された 隙間領域と、 前記隙間領域上の前記シリコン層に形成されたピエゾ抵抗と、 前記 隙間領域上の前記シリコン層上に配置された金属錘部材とを備える。
これにより、 ピエゾ抵抗が形成された基板の裏面を選択的にェツチングするこ となく、 錘部材を設けることが可能となるとともに、 ピエゾ抵抗に応力が加わる ように、 ピエゾ抵抗が形成されたシリコン層を支持する場合においても、 シリコ ン層を薄板化した後に、 シリコン層を支持部材に貼り合わせる必要がなくなる。 このため、 支持部材に貼り合わせるための強度を確保するために、 シリコン層 の厚みを厚くする必要がなくなることから、 シリコン層を効率よく撓ませて、 ピ ェゾ抵抗に効率よく応力がかかるようにすることが可能となるとともに、 ί頃斜角 センサの構成を簡易化して、 衝撃に対する耐性も容易に向上させることが可能と なる。
さらに、 シリコン層上に配置される錘部材の比重を大きくすることが可能とな ることから、 錘部材の大きさを小さくして、 傾斜角センサの小型化を図ることが 可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 1 9項記載の傾斜角センサは、 請求の範囲 第 1 7および第 1 8項のいずれかに記載の傾斜角センサにおいて、 前記撓み板ま たは前記シリコン層は、 前記ピエゾ抵抗の形成領域にかけてくびれている。
これにより、 撓み板の厚みを均一化した場合においても、 橈み板を効率よく撓 ませることが可能となり、 傾斜角センサの小型 ·低コスト化を図りつつ、 傾斜角 センサの検出精度を容易に向上させることが可能となる。
一方、 上記目的を達成するために、 本発明に係る請求の範囲第 2 0項記載の傾 斜角センサの製造方法は、 ウェハ表面上の各チップ領域にピエゾ抵抗を 2箇所以 上形成する工程と、前記ウェハ表面上の各チップ領域にパッドを形成する工程と、 前記ピエゾ抵抗およびパッドが形成されたウェハの裏面全体を均一に研削するェ 程と、 凹部の形成された支持基板を、 前記ピエゾ抵抗の形成領域が前記凹部エツ ジ近傍に位置するとともに、 前記パッドが前記凹部内側に位置するように、 前記 ゥェハの裏面に貼り合わせる工程と、 前記支持基板に貼り合わされた前記ゥェハ の各パッド上に金属錘部材を形成する工程と、 前記ピエゾ抵抗の形成領域がくび
れるように、 前記ウェハに開口部を形成する工程と、 前記開口部が形成されたゥ ェハをチップ状に切断する工程とを備える。
これにより、 ピエゾ抵抗が形成されたウェハの裏面を選択的にエッチングする ことなく、 ピエゾ抵抗を支持するための支持部を形成することが可能となるとと もに、 ウェハと支持基板の貼り合わせを 1回行なうだけで、 ピエゾ抵抗を支持す るための支持部を複数のチップに対して一括して形成することができる。
また、 ピエゾ抵抗が形成されたゥェハの裏面を選択的にェッチングすることな く、 比重の大きな錘部材をウェハ上に形成することが可能となるとともに、 ピエ ゾ抵抗の形成領域にくびれを設けることが可能となり、 ウェハの厚みを均一化し たまま、 ピエゾ抵抗の形成領域を効率よく撓ませることが可能となる。
このため、錘部材の小型化を図りつつ、傾斜角センサの製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの小型 ·低コスト化を図ることが可能となるとともに、 傾斜角セン サの検出精度を容易に向上させることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 1項記載の傾斜角センサの製造方法は、 シリコン酸化膜を介してシリコンウェハ上に形成されたシリコン層上の各チップ 領域にピエゾ抵抗を 2箇所以上形成する工程と、 前記シリコン層上の各チップ領 域にパッドを形成する工程と、 前記シリコン層上に形成された各パッド上に金属 錘部材を形成する工程と、 前記ピエゾ抵抗の形成領域がくびれるように、 前記シ リコン層に開口部を形成する工程と、 前記シリコン層に形成された開口部を介し て前記シリコン酸化膜の一部をェツチングすることにより、 前記ピエゾ抵抗の形 成領域下および前記金属錘部材の形成領域下の前記シリコン酸化膜を除去するェ 程と、 前記シリコン酸ィヒ膜が除去されたウェハをチップ状に切断する工程とを備 える。
これにより、 薄板化されたシリコン層を支持部材に貼り合わせることなく、 薄 板化されたシリ,コン層を支持することが可能となり、 ピエゾ抵抗が形成されたシ リコン層を効率よく撓ませることが可能となる。
また、 ピエゾ抵抗が形成されたゥェハの裏面を選択的にェッチングすることな く、 比重の大きな錘部材をウェハ上に形成することが可能となり、 錘部材の小型 化を図りつつ、 錘部材を容易に形成することが可能となる。
このため、 傾斜角センサの製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの小型 '低コ スト化を図ることが可能となるとともに、 傾斜角センサの検出精度を容易に向上 させることが可能となる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 2項記載の傾斜角センサの製造方法は、 請求の範囲第 2 0および第 2 1項のいずれかに記載の傾斜角センサの製造方法に おいて、 前記金属錘部材の形成は、 電解メツキである。
これにより、 錘部材をウェハから剥がれにくくすることができ、 衝撃に対する 耐性を向上させることが可能となる。
また、 比重の大きな錘部材を複数のチップに対して一括して形成することが可 能となり、 傾斜角センサの製造工程を簡易化して、 コストを下げることが可能と なる。
一方、 上記目的を達成するために、 本発明に係る請求の範囲第 2 3項記載の傾 斜角センサは、 表面にピエゾ抵抗が形成された橈み板と、 前記撓み板の一端で前 記撓み板を支持する支持部材と、 前記橈み板の変位可能領域に配置された錘部材 とを備える傾斜角センサであって、 前記ピエゾ抵抗は、 前記撓み板の変位可能領 域のうち前記撓み板の幅の中点を通る中心線を軸として線対称の位置に配置され た 2対のピエゾ抵抗を含む第 1ピエゾ抵抗群と、 前記橈み板の変位可能領域のう ち前記中心線を軸として線対称の位置に配置されかつ前記第 1ピエゾ抵抗群とは 異なる位置に配置された 2対のピエゾ抵抗を含む第 2ピエゾ抵抗群とを有し、 前 記第 1ピエゾ抵抗群により第 1フルブリッジ回路を構成するとともに、 前記第 2 ピエゾ抵抗群により第 2フルブリッジ回路を構成し、 さらに、 前記第 1フルブリ ッジ回路の出力に基づレ、て前記橈み板の長手方向を回転軸とする傾斜角を算出す る第 1傾斜角算出手段と、 前記第 2フルブリッジ回路の出力および前記第 1傾斜 角算出手段で算出した傾斜角に基づレ、て前記撓み板の短手方向を回転軸とする傾 斜角を算出する第 2傾斜角算出手段とを備える。
このような構成であれば、 ピエゾ抵抗が形成された基板の裏面を選択的にェッ チングすることなく、 橈みおよびねじれ可能な状態でピエゾ抵抗を支持すること が可能となるとともに、 撓み板上に錘部材を設けた場合においても、 錘部材の比 重が大きくなるので、 錘部材の体積の増大を抑制しつつ、 既存のフリ
実装技術と容易に整合性をとることが可能となる。 - このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型 ·低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
さらに、 傾斜角センサを橈み板の長手方向回りに傾斜させると、 錘部材の重力 方向が変化して変位可能領域にねじりモーメントが発生し、 橈み板がねじれる。 これにより、 各ピエゾ抵抗の抵抗 が変化し、 これに伴って第 1フルブリッジ回 路の出力も変化する。 第 1フルブリッジ回路の出力は、 ねじれモーメントにより 生じる応力に応じて変化する。 また、 ねじれモーメントにより生じる応力は、 長 手方向を回転軸とする傾斜角の正弦値に比例する。 したがって、 第 1傾斜角算出 手段により、 第 1フルブリッジ回路の出力に基づいて長手方向を回転軸とする傾 斜角を算出することができる。
また、 傾斜角センサを橈み板の長手方向または短手方向回りに傾斜させると、 錘部材の重力方向が変化して変位可能領域に曲げモーメントが発生し、 撓み板が 橈む。 これにより、 各ピエゾ抵抗の抵抗^ Sが変化し、 これに伴って第 2フルブリ ッジ回路の出力も変化する。 第 2フルブリッジ回路の出力は、 曲げモーメントに より生じる応力に応じて変化する。 また、 曲げモーメントにより生じる応力は、 長手方向を回転軸とする傾斜角の余弦値と短手方向を回転軸とする傾斜角の余弦 値の積に比例する。 したがって、 第 2傾斜角算出手段により、 第 2フルブリッジ 回路の出力および算出された長手方向を回転軸とする傾斜角に基づレ、て短手方向 を回転軸とする傾斜角を算出することができる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 4項記載の傾斜角センサは、 表面にピエ ゾ抵抗が形成された撓み板と、 前記橈み板の一端で前記撓み板を支持する支持部 材と、 前記撓み板の変位可能領域に配置された錘部材とを備える傾斜角センサで あって、 前記ピエゾ抵抗は、 前記撓み板の変位可能領域のうち前記撓み板の幅の 中点を通る中心線を軸として線対称の位置に配置された 2対のピエゾ抵抗を含む 第 1ピエゾ抵抗群と、 前記撓み板の変位可能領域のうち前記中心線上に配置され た複数のピエゾ抵抗を含む第 2ピエゾ抵抗群とを有し、 前記第 1ピエゾ抵抗群に より第 1フルブリッジ回路を構成するとともに、 前記第 2ピエゾ抵抗群により第
2ハーフブリッジ回路を構成し、 さらに、 前記第 1フルブリッジ回路の出力に基 づいて前記撓み板の長手方向を回転軸とする傾斜角を算出する第 1傾斜角算出手 段と、 前記第 2ハーフブリッジ回路の出力および前記第 1傾斜角算出手段で算出 した傾斜角に基づいて前記撓み板の短手方向を回転軸とする傾斜角を算出する第 2傾斜角算出手段とを備える。
このような構成であれば、 ピエゾ抵抗が形成された基板の裏面を選択的にェッ チングすることなく、 撓みおよびねじれ可能な状態でピエゾ抵抗を支持すること が可能となるとともに、 橈み板上に錘部材を設けた場合においても、 錘部材の比 重が大きくなるので、 錘部材の体積の増大を抑制しつつ、 既存のフリップチップ 実装技術と容易に整合性をとることが可能となる。
このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型 ·低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
さらに、 傾斜角センサを撓み板の長手方向回りに傾斜させると、 錘部材の重力 方向が変化して変位可能領域にねじりモーメントが発生し、 橈み板がねじれる。 これにより、 各ピエゾ抵抗の抵抗^ tが変化し、 これに伴って第 1フルブリッジ回 路の出力も変化する。 索 1フルブリッジ回路の出力は、 ねじれモーメントにより 生じる応力に応じて変化する。 また、 ねじれモーメントにより生じる応力は、 長 手方向を回転軸とする傾斜角の正弦値に比例する。 したがって、 第 1傾斜角算出 手段により、 第 1フルブリッジ回路の出力に基づいて長手方向を回転軸とする傾 斜角を算出することができる。
また、 傾斜角センサを橈み板の長手方向または短手方向回りに傾斜させると、 綞部材の重力方向が変化して変位可能領域に曲げモーメントが発生し、 橈み板が 撓む。 これにより、 各ピエゾ抵抗の抵抗値が変化し、 これに伴って第 2ハーフブ リッジ回路の出力も変化する。 第 2ハーフブリッジ回路の出力は、 曲げモーメン トにより生じる応力に応じて変化する。 また、 曲げモーメントにより生じる応力 は、 長手方向を回転軸とする傾斜角の余弦値と短手方向を回転軸とする傾斜角の 余弦値の積に比例する。 したがって、 第 2傾斜角算出手段により、 第 2ハーフブ リッジ回路の出力および算出された長手方向を回転軸とする傾斜角に基づレ、て短
手方向を回転軸とする傾斜角を算出することができる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 5項記載の傾斜角センサは、 表面にピエ ゾ抵抗が形成された撓み板と、 前記橈み板の一端で前記橈み板を支持する支持部 材と、 前記橈み板の変位可能領域に配置された錘部材とを備える傾斜角センサで あって、 前記ピエゾ抵抗は、 前記撓み板の変位可能領域のうち前記橈み板の幅の 中点を通る中心線を軸として線対称の位置に配置された 2対のピエゾ抵抗を含む 第 1ピエゾ抵抗群を有し、 前記第 1ピエゾ抵抗群により第 1フルブリッジ回路を 構成するとともに、 前記第 1ピエゾ抵抗群により前記第 1フルブリッジ回路とは 接続が異なる第 2フルブリッジ回路を構成し、 さらに、 前記第 1フルブリッジ回 路の出力に基づいて前記撓み板の長手方向を回転軸とする傾斜角を算出する第 1 傾斜角算出手段と、 前記第 2フルブリッジ回路の出力および前記第 1傾斜角算出 手段で算出した傾斜角に基づレヽて前記橈み板の短手方向を回転軸とする傾斜角を 算出する第 2傾斜角算出手段とを備える。
このような構成であれば、 ピエゾ抵抗が形成された基板の裏面を選択的にェッ チングすることなく、 撓みおよびねじれ可能な状態でピエゾ抵抗を支持すること が可能となるとともに、 撓み板上に錘部材を設けた場合においても、 錘部材の比 重が大きくなるので、 錘部材の体積の増大を抑制しつつ、 既存のフリップチップ 実装技術と容易に整合性をとることが可能となる。
このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型 ·低コス ト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
さらに、 傾斜角センサを撓み板の長手方向回りに傾斜させると、 錘部材の重力 方向が変化して変位可能領域にねじりモーメントが発生し、 撓み板がねじれる。 これにより、 各ピエゾ抵抗の抵抗 が変ィヒし、 これに伴って第 1フルブリッジ回 路の出力も変化する。 第 1フルブリッジ回路の出力は、 ねじれモーメントにより 生じる応力に応じて変化する。 また、 ねじれモーメントにより生じる応力は、 長 手方向を回転軸とする傾斜角の正弦値に比例する。 したがって、 第 1傾斜角算出 手段により、 第 1フルブリッジ回路の出力に基づいて長手方向を回転軸とする傾 斜角を算出することができる。
また、 傾斜角センサを撓み板の長手方向または短手方向回りに傾斜させると、 錘部材の重力方向が変化して変位可能領域に曲げモーメントが発生し、 撓み板が 撓む。 これにより、 各ピエゾ抵抗の抵抗値が変化し、 これに伴って第 2フルブリ ッジ回路の出力も変化する。 第 2フ Λ ^ブリッジ回路の出力は、 曲げモーメントに より生じる応力に応じて変化する。 また、 曲げモーメントにより生じる応力は、 長手方向を回転軸とする傾斜角の余弦値と短手方向を回転軸とする傾斜角の余弦 値の積に比例する。 したがって、 第 2傾斜角算出手段により、 第 2フルブリッジ 回路の出力および算出された長手方向を回転軸とする傾斜角に基づレ、て短手方向 を回転軸とする傾斜角を算出することができる。
一方、 上記目的を達成するために、 本発明に係る請求の範囲第 2 6項記載の傾 斜角測定方法は、 表面にピエゾ抵抗が形成された撓み板と、 前記橈み板の一端で 前記橈み板を支持する支持部材と、 前記撓み板の変位可能領域に配置された錘部 材とを備え、 前記ピエゾ抵抗は、 前記撓み板の変位可能領域のうち前記橈み板の 幅の中点を通る中心線を軸として線対称の位置に配置された 2対のピエゾ抵抗を 含む第 1ピエゾ抵抗群と、 前記撓み板の変位可能領域のうち前記中心線を軸とし て線対称の位置に配置されかつ前記第 1ピエゾ抵抗群とは異なる位置に配置され た 2対のピエゾ抵抗を含む第 2ピエゾ抵抗群とを有する傾斜角センサを用いて傾 斜角を測定する方法であって、 前記第 1ピエゾ抵抗群により第 1フルブリッジ回 路を構成し出力する第 1プリッジ回路出力ステップと、 前記第 2ピエゾ抵抗群に より第 2フルブリッジ回路を構成し出力する第 2プリッジ回路出力ステップと、 前記第 1フルブリッジ回路の出力に基づいて前記撓み板の長手方向を回転軸とす る傾斜角を算出する第].傾斜角算出ステップと、 前記第 2フルブリッジ回路の出 力および前記第 1傾斜角算出ステップで算出した傾斜角に基づレ、て前記橈み板の 短手方向を回転軸とする傾斜角を算出する第 2傾斜角算出ステップとを含む。 さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 7項記載の傾斜角測定方法は、 表面にピ ェゾ抵抗が形成された撓み板と、 前記撓み板の一端で前記撓み板を支持する支持 部材と、 前記撓み板の変位可能領域に配置された錘部材とを備え、 前記ピエゾ抵 抗は、 前記撓み板の変位可能領域のうち前記橈み板の幅の中点を通る中心線を軸 として線対称の位置に配置された 2対のピエゾ抵抗を含む第 1ピエゾ抵抗群と、
前記撓み板の変位可能領域のうち前記中心線上に配置された複数のピエゾ抵抗を 含む第 2ピエゾ抵抗群とを有する傾斜角センサを用いて傾斜角を測定する方法で あって、 前記第 1ピエゾ抵抗群により第 1フルブリッジ回路を構成し出力する第 1プリッジ回路出力ステップと、 前記第 2ピエゾ抵抗群により第 2ハーフブリッ ジ回路を構成し出力する第 2ブリッジ回路出力ステップと、 前記第 1フルブリツ ジ回路の出力に基づレ、て前記撓み板の長手方向を回転軸とする傾斜角を算出する 第 1ィ頃斜角算出ステップと、 前記第 2ハーフブリッジ回路の出力および前記第 1 傾斜角算出ステップで算出した傾斜角に基づいて前記撓み板の短手方向を回転軸 とする傾斜角を算出する第 2傾斜角算出ステップとを含む。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 8項記載の傾斜角測定方法は、 表面にピ ェゾ抵抗が形成された橈み板と、 前記撓み板の一端で前記橈み板を支持する支持 部材と、 前記橈み板の変位可能領域に配置された錘部材とを備え、 前記ピエゾ抵 抗は、 前記橈み板の変位可能領域のうち前記橈み板の幅の中点を通る中心線を軸 として線対称の位置に配置された 2対のピエゾ抵抗を含む第 1ピエゾ抵抗群を有 する傾斜角センサを用いて傾斜角を測定する方法であって、 前記第 1ピエゾ抵抗 群により第 1フルブリッジ回路を構成し出力する第 1プリッジ回路出力ステップ と、 前記第 1ピエゾ抵抗群により前記第 1フルブリッジ回路とは接続が異なる第 2フノレプリッジ回路を構成し出力する第 2プリッジ回路出力ステップと、 前記第 1フルブリッジ回路の出力に基づいて前記橈み板の長手方向を回転軸とする傾斜 角を算出する第 1傾斜角算出ステップと、 前記第 2フルブリッジ回路の出力およ び前記第 1傾斜角算出ステップで算出した傾斜角に基づいて前記撓み板の短手方 向を回転軸とする傾斜角を算出する第 2傾斜角算出ステップとを含む。
一方、 本発明に係る請求の範囲第 2 9項記載の方位角センサは、 請求の範囲第 1項ないし第 1 0項、 請求の範囲第 1 7項ないし第 1 9項、 または請求項第 2 3 項ないし第 2 5項記載の傾斜角センサと、 互いに直交する方向の地磁気成分を検 出する 2軸以上の地磁気検出手段と、 前記傾斜角センサで取得した傾斜角データ および前記地磁気検出手段で取得した地磁気データに基づレヽて方位角を算出する 方位角算出手段とを有する。
これにより、 方位角センサの大型化およびコストアップを抑えつつ、 方位角セ
ンサを水平面に置くことなく方位角を比較的正確に計測することが可能となる。 一方、 本発明に係る請求の範囲第 3 0項記載の携帯電話は、 請求の範囲第 2 9 項記載の方位角センサを内蔵している。
これにより、 携帯電話の大型化およびコストアップを抑えつつ、 携帯電話を水 平に保つことなくユーザーが普段使う姿勢のままで方位角を比較的正確に計測す ることが可能となる。 図面の簡単な説明
図 1は、本発明の一実施の形態に係る傾斜角センサの動作を示す断面図である。 図 2は、 本発明の第 1の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示す断面図 である。 図 3は、 本発明の第 1の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示 す断面図である。 図 4 ( a ) は、 本発明の第 1の実施の形態に係るガラスウェハ の構成を示す平面図、 図 4 ( b ) は、 本発明の第 1の実施の形態に係るガラスゥ ェハの構成を示す断面図である。 図 5 ( a ) は、 本発明の第 1の実施の形態に係 る錘ウェハの構成を示す断面図、 図 5 ( b ) は、 本発明の第 1の実施の形態に係 る錘ウェハの構成を示す平面図である。
図 6は、 本発明の第 1の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示す断面 図である。 図 7は、 本発明の第 2の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を 示す断面図である。 図 8は、 本発明の第 3の実施の形態に係る傾斜角センサの製 造工程を示す断面図である。 図 9は、 本発明の第 3の実施の形態に係る ί頃斜角セ ンサの製造工程を示す断面図である。 図 1 0 ( a ) は、 本発明の第 3の実施の形 態に係るガラスウェハの構成を示す平面図、 図 1 0 ( b ) は、 本発明の第 3の実 施の形態に係るガラスウェハの構成を示す断面図である。
図 1 1は、 本発明の第 3の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示す断 面図である。 図 1 2は、 本発明の第 3の実施の形態に係る傾斜角センサの製造ェ 程を示す断面図である。 図 1 3は、 本発明の第 4の実施の形態に係る傾斜角セン サの構成を示す断面図である。 図 1 4は、 本発明の第 5の実施の形態に係る傾斜 角センサの製造工程を示す断面図である。 図 1. 5は、 本発明の第 5の実施の形態 に係る傾斜角センサの製造工程を示す断面図である。 図 1 6 ( a ) は、 本発明の
第 5の実施の形態に係るガラスウェハの構成を示す平面図、 図 16 (b) は、 本 発明の第 5の実施の形態に係るガラスウェハの構成を示す断面図である。
図 17 (a) は、 本発明の第 5の実施の形態に係る錘ウェハの構成を示す断面 図、 図 17 (b) は、 本発明の第 5の実施の形態に係る錘ウェハの構成を示す平 面図である。 図 18は、 本発明の第 5の実施の形態に係る傾斜角センサの製造ェ 程を示す断面図である。 図 19 (a) は、 本発明の第 6の実施の形態に係る傾斜 角センサの概略構成を示す斜視図、 図 19 (b) は、 本宪明の第 6の実施の形態 に係る傾斜角センサのシリコン基板表面の構成を示す平面図である。
図 20は、 本発明の第 6の実施の形態に係る傾斜角センサの動作を示す斜視図 である。 図 21は、 図 19 (b) のピエゾ抵抗 R 1 1、 R12の結線構成を示す 回路図である。 図 22 (a) は、 本発明の第 6の実施の形態に係る傾斜角センサ の動作を示す斜視図、 図 22 (b) および図 22 (c) は、 本発明の第 6の実施 の形態に係る傾斜角センサの動作を示す断面図である。 図 23は、 図 19 (b) のピエゾ抵抗 R 23〜R 26の結線構成を示す回路図である。 図 24 (a) は、 本発明の第 7の実施の形態に係る傾斜角センサの概略構成を示す断面図、 図 24 (b) は、 本宪明の第 7の実施の形態に係る傾斜角センサのシリコン基板表面の 構成を示す平面図である。
図 25は、 図 24 (b) のピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R27、 R 28の結線 構成を示す回路図である。 図 26は、 図 24 (b) のピエゾ抵抗 R 23〜R 26 の結線構成を示す回路図である。 図 27 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に 係る傾斜角センサの構成を示す平面図、 図 27 (b) は、 図 27 (a) の A1— A 1線で切断した断面図である。 図 28 (a) 、 (b) は、 本発明の第 8の実施 の形態に係る傾斜角センサの動作を示す断面図、 図 28 (c) は、 図 27 (a) のピエゾ抵抗 R 1、 R 2の結線構成を示す回路図である。
図 29 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を 示す平面図、 図 29 (b) は、 図 29 (a) の A 2— A 2線で切断した断面図で ある。 図 30 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製造ェ 程を示す平面図、 図 30 (b) は、 図 30 (a) の A 3— A 3線で切断した断面 図である。 図 31 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製
造工程を示す平面図、 図 31 (b) , (c) は、 図 31 (a) の A4— A4線で 切断した断面図である。
図 32 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を 示す平面図、 図 32 (b) は、 図 32 (a) の A 5— A 5線で切断した断面図で ある。 図 33 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製造ェ 程を示す平面図、 図 33 (b) は、 図 33 (a) の A 6— A 6線で切断した断面 図である。 図 34 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製 造工程を示す平面図、 図 34 (b) は、 図 34 (a) の A 7— A 7線で切断した 断面図である。
図 35 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を 示す平面図、 図 35 (b) は、 図 35 (a) の A 8— A 8線で切断した断面図で ある。 図 36は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示 す断面図である。 図 37は、 本発明の一実施の形態に係る傾斜角センサの半田バ ンプの製造工程の一例を示す断面図である。 図 38は、 本発明の一実施の形態に 係る傾斜角センサの半田バンプの製造工程の一例を示す断面図である。
図 39は、 本発明の一実施の形態に係る傾斜角センサの半田バンプの製造工程 の一例を示す断面図である。 図 40 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る 傾斜角センサの構成を示す平面図、 図 40 (b) は、 図 40 (a) の B l— B 1 線で切断した断面図である。 図 41 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る 傾斜角センサの製造工程を示す平面図、 図 41 (b) は、 図 41 (a) の B2— B 2線で切断した断面図である。 図 42 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に 係る傾斜角センサの製造工程を示す平面図、 図 42 (b) は、 図 42 (a) の B 3 _ B 3線で切断した断面図である。
図 43 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を 示す平面図、 図 43 (b) は、 図 43 (a) の B 4—B 4線で切断した断面図で ある。 図 44 (a) は、 本宪明の第 9の実施の形態に係る傾斜角センサの製造ェ 程を示す平面図、 図 44 (b) は、 図 44 (a) の B 5— B 5線で切断した断面 図である。 図 45 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る傾斜角センサの製 造工程を示す平面図、 図 45 (b) は、 図 45 (a) の B 6 _B 6線で切断した
断面図である。
図 46 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を 示す平面図、 図 46 (b) は、 図 4 6 (a) の B 7— B 7線で切断した断面図で ある。 図 4 7 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る傾斜角センサの製造ェ 程を示す平面図、 図 4 7 (b) は、 図 47 (a) の B 8— B 8線で切断した断面 図である。 図 48は、 本発明の第 9の実施の形態に係る ί頃斜角センサの製造工程 を示す断面図である。
図 4 9 (a) は、 本発明の第 1 0の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示 す平面図であり、 図 4 9 (b) は、 図 4 9 (a) の A 1—A 1線で切断した断面 図である。 図 50 (a) は、 シリコン基板 1 0 2を長手方向に切断した断面から みたときのィ頃斜角センサの座標系を定義した図であり、 図 50 (b) は、 シリコ ン基板 1 0 2を短手方向に切断した断面からみたときの傾斜角センサの座標系を 定義した図である。
図 5 1 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 1 2、 R 1 3および R 14の結線構成 を示す回路図であり、 図 5 1 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 22、 R 2 3およ び R 24の結線構成を示す回路図である。 図 5 2は、 シリコン基板 1 0 2および ピエゾ抵抗の寸法条件を示す図である。 図 5 3 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 1 2、 R 1 3および R 1 4の結線構成を示す回路図であり、 図 5 3 (b) は、 ピ ェゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2、 R 2 3および R 24の結線構成を示す回路図である。 図 54 (a ) は、 傾斜角 ψを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 mi£ V o 1の変化を示すグラフであり、 図 54 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 Ψを変化させたときの出力 V o 1の変化を示すグラフである。図 5 5 (a) は、 傾斜角 Φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 lEV o 2の変化を 示すグラフであり、 図 5 5 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜角 φを変化させ たときの出力電圧 Vo 2の変化を示すグラフである。
図 5 6は、 本発明の第 1 1の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示す平面 図である。 図 5 7 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 3 1、 R 3 2、 R 3 3および R 34の 結線構成を示す回路図であり、 図 5 7 ( b ) は、 ピエゾ抵抗 R 4 1および R 42 の結線構成を示す回路図である。 図 5 8は、 シリコン基板 1 0 2およびピエゾ抵
抗の寸法条件を示す図である。
図 5 9 (a ) は、 ピエゾ抵抗 R 3 1、 R 3 2、 R 3 3および R 34の結線構成 を示す回路図であり、 図 5 9 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 4 1および R 4 2の結線構 成を示す回路図である。 図 60 (a ) は、 傾斜角 φを一定にして傾斜角 ηを変化 させたときの出力 mEEV o 3の変化を示すグラフであり、 図 60 (b) は、 頃斜 角 ηを一定にして傾斜角 φを変化させたときの出力電圧 V ο 3の変化を示すダラ フである。
図 6 1 (a) は、 傾斜角 φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力電圧 V ο 4の変化を示すダラフであり、 図 6 1 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 φを変化させたときの出力電圧 V o 4の変化を示すグラフである。 図 6 2は、 本発明の第 1 2の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示す平面図である。 図 6 3 (a ) は、 ピエゾ抵抗 R 5 1、 R 5 2、 R 5 3および R 54の結線構成 を示す回路図であり、 図 6 3 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 5 1、 R 5 2、 R 5 3およ び R 54の他の結線構成を示す回路図である。 図 6 4は、 シリコン基板 1 0 2お よびピエゾ抵抗の寸法条件を示す図である。図 6 5 ( a )は、 ピエゾ抵抗 R 5 1、 R 5 2、 R 5 3および R 54の結線構成を示す回路図であり、 図 6 5 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 5 1、 R 5 2、 R 5 3および R 54の他の結線構成を示す回路図で ある。
図 6 6 (a ) は、 傾斜角 φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 ¾Ξ Vo 5の変化を示すダラフであり、 図 6 6 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 Φを変化させたときの出力電圧 V o 5の変化を示すグラフである。図 6 7 (a) は、 傾斜角 Φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力電圧 V ο 6の変化を 示すグラフであり、 図 6 7 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜角 φを変化させ たときの出力電圧 V o 6の変化を示すグラフである。
図 6 8 ( a ) は、 錘部材 1 04の材質を変化させた場合において傾斜角 φを一 定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力電圧 V ο 5の変化を各材質ごとに示す グラフであり、 図 6 8 ( b ) は、 錘部材 1 04の材質を変化させた場合にぉレ、て 傾斜角 を一定にして傾斜角 φを変化させたときの出力電圧 V o 5の変化を各材 質ごとに示すグラフである。 図 6 9 (a ) は、 錘部材 1 04の材質を変化させた
場合において傾斜角 φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力電圧 V Ο 6 の変化を各材質ごとに示すグラフであり、 図 69 (b) は、 錘部材 104の材質 を変化させた場合において傾斜角 を一定にして傾斜角 φを変化させたときの出 力電圧 Vo 6の変化を各材質ごとに示すグラフである。
図 70は、 本発明に係る方位角センサの構成を示すプロック図であり、 図 71 は、 ピエゾ抵抗 R 11、 R 12、 R 13および R 14の配置を示す図であり、 図 72は、ピエゾ抵抗 R 21、 R 22、 R 23および R 24の配置を示す図である。 図 73は、 ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R33および R34の配置を示す図であ り、図 74は、ピエゾ抵抗 R 41および R 42の配置を示す図であり、図 75は、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R 53および R 54の配置を示す図である。
図 76 (a) は、 従来の傾斜角センサの概略構成を示す斜視図、 図 76 (b) は、 従来の傾斜角センサの概略構成を示す断面図、 図 76 (c) は、 従来の傾斜 角センサのピエゾ抵抗の部分を拡大して示す断面図である。 図 77 (a) は、 従 来の傾斜角センサの X、 Y方向への加速時における各ピエゾ抵抗の増減を示す図、 図 77 (b) は、 従来の傾斜角センサの Z方向への加速時における各ピエゾ抵抗 の増減を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
〔第 1の実施の形態〕
以下、 本発明の第 1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 1ないし 図 6は、 本発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角センサの製造方法の第 1の実施 の形態を示す図である。
図 1は、本発明の一実施の形態に係る傾斜角センサの動作を示す断面図である。 なお、 図 1の実施の形態では、 両持ち型の傾斜角センサであって、 シリコン基板 1上にピエゾ抵抗 R 1〜R 4を 4個設けた構成を示す。
図 1において、 シリコン基板 1の表面上には、 ピエゾ抵抗 R 1〜R 4が形成さ れるとともに、 撓み可能な厚みまで裏面が均一に研削され、 シリコン基板 1の中 央には、 凸部 3 aを介して錘部材 3が設けられている。
また、 シリコン基板 1の裏面には、 凹部 2 aを有する支持部材 2が設けられ、
支持部材 2によりシリコン基板 1の両端が支持されている。
これにより、 ピエゾ抵抗 R 1〜R 4の形成面の変位可能領域が形成される。 そして、 図 1 ( a ) において、 傾斜角センサが Z方向への重力の分力を受ける と、 Z方向への力 F Zが錘部材 3にかかり、 錘部材 3が Z方向に移動しようとす る。
ここで、 シリコン基板 1は、 橈み可能な厚みまで裏面が均一に研削され、 シリ コン基板 1の裏面には凹部 2 aが設けられているので、シリコン基板 1が変形し、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 4には圧縮応力、 ピエゾ抵抗 R 2、 R 3には引張応力が加わ る。そして、これらの応力に従って、 ピエゾ抵抗 R 1〜R 4の抵抗値が増減する。 また、図 1 ( b )において、傾斜角センサが X方向への重力の分力を受けると、 X方向への力 F Xが錘部材 3にかかり、 錘部材 3が X方向に移動しょうとする。 このため、 シリコン基板 1が変形し、 ピエゾ抵抗 R l、 R 3には圧縮応力、 ピエ ゾ抵抗 R 2、 R 4には引張応力が加わり、 これらの応力に従って、 ピエゾ抵抗 R 1〜R 4の抵抗値が増減する。
—方、 図 1 ( c ) において、 傾斜角センサが傾くと、 錘部材 3は鉛直方向に重 力 Wで引っ張られるため、 シリコン基板 1の平行方向に力成分 WXがかかり、 シ リコン基板 1の垂直方向に力成分 W Zがかかる。 このため、 シリコン基板 1が変 形し、 ピエゾ抵抗 R 2、 R 4には引張応力、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 3には圧縮応力 が加わり、 これらの応力に従って、 ピエゾ抵抗 R 1〜R 4の抵抗値が増減する。 従って、 これらのピエゾ抵抗 R 1〜R 4からなるホイートストンブリッジ回路 を形成することにより、 傾斜角センサの傾きを求めることができる。
このように、 裏面を橈み可能な厚みまで均一に研削し、 凹部 2 aを有する支持 部材 2によりシリコン基板 1の両端を支えることにより、 傾斜角センサの構成お よび製造工程を簡易化して、 傾斜角センサのコストを下げることが可能となると ともに、 衝撃に対する耐性も向上させることが可能となる。
なお、 シリコン基板 1は 6面体短冊形状を有し、 シリコン基板 ].の長さと幅の 比率が 4倍以上 4 0倍以下で、 厚さが 2 0 m以上 2 0 0 以下であることが 好ましい。
これにより、 シリコン基板 1を変位部としてそのまま用いた場合においても、
必要な検出感度を得ることが可能となるとともに、 支持部材 2および錘部材 3を シリコン基板 1に結合させるために必要な強度を確保することができる。
図 2、 3、 6は、 本発明の第 1の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を 示す断面図である。 なお、 第 1の実施の形態は、 両持ち型の傾斜角センサの製造 工程を示す。
図 2 ( a ) において、 例えば、 厚みが 5 5 0 /i m程度で 6ィンチ径のシリコン ウェハ 1 1を用意する。
次に、 図 2 ( b ) に示すように、 フォトリソグラフィー技術を用いて、 不純物 を選択的にイオン注入することにより、 シリコンウェハ 1 1上にピエゾ抵抗 1 2 (ピエゾ抵抗形成領域) を形成する。 なお、 ピエゾ抵抗 1 2は、 実際には、 主に 2個以上のピエゾ抵抗素子から構成するようにしてもよい。
そして、 スパッタまたは蒸着などにより導電層をシリコンウェハ 1 1全面に形 成し、 フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて導電層のパター ユングを行なうことにより、 酉線やボンディングパットなどの回路パターン 1 3 を形成する。
次に、 図 2 ( c ) に示すように、 C V D (化学気相成長法) またはスパッタな どにより、 窒化珪素膜または酸化珪素膜などの保護膜 1 4を形成する。
次に、 図 2 ( d ) に示すように、 保護膜 1 4が形成されたシリコンウェハ 1 1 上に保護フィルム 1 5を貝占り付ける。なお、保護フィルム 1 5としては、例えば、 占着シートなどを用いることができる。
次に、 図 2 ( e ) に示すように、 シリコンウェハ 1 1の裏面全体を研削する。 ここで、 研削方法としては、 研磨やエッチングを用いることができ、 例えば、 最 初 5 5 0 μ πιの厚みがあったシリコンウェハ 1 1を 1 5 0 mの残厚まで研磨し、 さらに、 シリコンウェハ 1 1が 5 0 μ πιの残厚になるまでエッチングにより研削 してもよレヽ。
また、 CM P (化学的機械的研磨) により、 シリコンウェハ 1 1の裏面を研削 するようにしてもよい。
次に、 図 3 ( a ) に示すように、 溝 2 1 aが形成されたガラスウェハ 2 1をシ リコンウェハ 1 1の裏面に貼り合わせる。 ここで、 ガラスウェハ 2 1をシリコン
ウェハ 1 1に貼り合わせる場合、 溝 2 1 aがシリコンウェハ 1 1側に向くととも に、 溝 2 1 aの位置がピエゾ抵抗 1 2の形成領域に対応するように配置する。 この際、 ガラスウェハ 2 1として、 ナトリウムガラスのようなイオン移動度に 高いガラスを用い、 シリコンウェハ 1 1との間に 1 K V程度の高電圧を加える陽 極接合を行なうことによって、 選択的に強い接合力を得ることができる。
従って、 溝 2 l aは、 空洞のままの状態でもよいが、 陽極接合しない通常のガ ラスや樹脂などの埋め込み部材 2 2を充填し、 ガラスウェハ 2 1の表面を平坦化 してもよレ、。
なお、 溶剤などによって選択的に除去可能な樹脂などの材料を充填した場合に は、 シリコンウェハ 1 1をチップ状に切断した後に、 溝 2 1 aを空洞にすること もできる。
図 4 ( a ) は、 本発明の第 1の実施の形態に係るガラスウェハの構成を示す平 面図、 図 4 ( b ) は、 本発明の第 1の実施の形態に係るガラスウェハの構成を示 す断面図である。
図 4において、 ガラスウェハ 2 1には、 シリコンウェハ 1 1から切り出される チッフ。 E列に対応した溝 2 1 aが形成され、 溝 2 1 aの幅は、 1チップ分のピエ ゾ抵抗 1 2の形成領域の大きさに対応するように設定される。 例えば、 傾斜角セ ンサの 1チップ分の長さが 3 mmであるとすると、 溝 2 1 aの幅は 2 mmに設定 される。
なお、 D 1〜D 6はダイシングラインであり、 シリコンウェハ 1 1に貼り合わ されたガラスウェハ 2 1は、 ダイシングライン D 1〜D 6に沿ってチップ状に切 断される。このため、例えば、ダイシングライン D 1〜D 3で囲まれた領域から、 1個分の ί頃斜角センサを切り出すことができる。
ここで、 縦方向のダイシングライン D 1、 D 2を溝 2 1 aの間の中央に設定す ることにより、 各チップに対して溝 2 1 aの両側に支持部材を残すことが可能と なり、 両持ち型の傾斜角センサを構成することができる。
次に、 図 3 ( b ) に示すように、 ガラスウェハ 2 1がシリコンウェハ 1 1に貼 り合わされると、 シリコンウェハ 1 1上に貼り付けられていた保護フィルム 1 5 を剥がす。
次に、 図 3 ( c ) に示すように、 凸部 3 1 aの設けられた錘ウェハ 3 1をシリ コンウェハ 1 1上に接着する。 ここで、 凸部 3 l aは、 シリコンウェハ 1 1から 切り出される各チップに対応して設けられている。 そして、 錘ウェハ 3 1をシリ コンウェハ 1 1上に接着する場合、 凸部 3 1 aがシリコンウェハ 1 1側を向くと ともに、 凸部 3 1 aが各チップの長手方向中央に位置するように、 錘ウェハ 3 1 を配置する。
図 5 ( a )は、本発明の第 1の実施の形態に係る錘ウェハの構成を示す断面図、 図 5 ( b ) は、 本発明の第 1の実施の形態に係る錘ウェハの構成を示す平面図で ある。
図 5において、 錘ウェハ 3 1には、 シリコンウェハ 1 1から切り出されるチッ :7¾己列に対応した凸部 3 1 aが形成され、 各凸部 3 1 aの間には、 開口部 3 1 b が形成されている。
なお、 D 1〜D 8はダイシングラインであり、 シリコンウェハ 1 1に貼り合わ された錘ウェハ 3 1は、 シリコンウェハ 1 1に貼り合わされたガラスウェハ 2 1 とともに、 ダイシングライン D 1〜D 8に沿ってチップ状に切断される。
ここで、錘ウェハ 3 1に開口部 3 1 bを設け、縦方向のダイシングライン D 1、 D 2を開口部 3 1 bの中央に設定することにより、 錘ウェハ 3 1で覆われていな レ、領域を各チップの両側に設けることが可能となり、 各チップに対してワイャボ ンディングを容易に行なうことが可能となる。
次に、 図 3 ( d ) に示すように、 ガラスウェハ 2 1および錘ウェハ 3 1が貼り 合わされたシリコンウェハ 1 1をダイシングすることにより、 シリコン基板 1 1, を支持部材 2 1 ' および錘部材 3 1 ' とともに、 チップ状に一体的に切り出 す。 ここで、 1チップ分の長さは、 例えば、 3 mmとすることができる。
次に、 図 6 ( a ) に示すように、 支持部材 2 1 ' 内に充填されている埋め込み 部材 2 2を除去することにより、 シリコン基板 1 1 ' の両端が支持部材 2 1 ' で 支えられるようにして、 シリコン基板 1 1. ' と支持部材 2 1 ' との間に隙間を形 成し、 シリコン基板 1 1 ' が支持部材 2 1 ' の間で撓み可能とする。
次に、 図 6 ( b ) に示すように、 支持部材 2 Γ および錘部材 3 1 ' とともに 切り出されたシリコン基板 1 1 ' を、 リードフレーム 4 1上にダイボンドする。
次に、 図 6 (c) に示すように、 シリコン基板 1 1 ' にワイヤボンディングを 行なうことにより、 シリコン基板 1 1 ' とリードフレーム 4 1とをワイヤ 42 a、 42 bで接続する。
ここで、 錘ウェハ 3 1には開口部 3 1 bが設けられ、 錘ウェハ 3 1から切り出 された錘部材 3 1 ' の長さは、 シリコン基板 1 1 ' の長さよりも短くなる。 この ため、 シリコン基板 1 1' の両端を錘部材 3 1 ' から露出させることができ、 錘 部材 3 1 ' が邪魔になってシリコン基板 1 1 ' 上にワイヤボンディングができな くなることを防止することができる。
このように、 第 1の実施の形態によれば、 シリコン基板 1 1 ' 自体に凹凸を設 けることなく、 両持ち型の傾斜角センサを製造することが可能となるとともに、 支持部材 2 1 ' および錘部材 3 1 ' を複数のチップに一括形成することを可能と して、 支持部材 21 ' および錘部材 3 1 ' を各チップごとに配置する必要がなく なる。
このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの コストを下げることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上させること が可能となる。 .
〔第 2の実施の形態〕
次に、 本発明の第 2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 7は、 本 発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角センサの製造方法の第 2の実施の形態を示 す図である。
図 7は、 本発明の第 2の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示す断面 図である。なお、第 2の実施の形態は、両持ち型の傾斜角センサの錘部材 33を、 台座 32を介して配置するようにしたものである。
図 7 (a) において、 図 2 (a) 〜図 3 (b) の工程が終わると、 台座 32を シリコンウェハ 1 1上に接着する。 ここで、 台座 3 2は、 シリコンウェハ 1 1力、 ら切り出される各チップごとに設けられ、 各チップの長手方向中央に位置するよ うに配置する。
また、 台座 32の高さは、 台座 32の表面が、 ワイヤ 42 a、 42 bのアーチ の頂点よりも高レ、位置にくるように設定する。
次に、図 7 (b)に示すように、ガラスウェハ 2 1が貼り合わされるとともに、 台座 32が接着されたシリコンウェハ 1 1をダイシングすることにより、 台座 3 2が接着されたシリコン基板 1 1 ' を支持部材 2 1 ' とともに、 チップ状に一体 的に切り出す。
次に、 図 7 (c) に示すように、 支持部材 2 1 ' および台座 32が設けられた シリコン基板 1 1 ' を、 リードフレーム 4 1上にダイボンドする。
次に、 図 7 (d) に示すように、 シリコン基板 1 1 ' にワイヤボンディングを 行なうことにより、 シリコン基板 1 1 ' とリードフレーム 4 1とをワイヤ 42 a、 42 bで接続する。
次に、 図 7 (e) に示すように、 台座 32上に錘部材 33を接着する。
このように、 第 2の実施の形態によれば、 シリコン基板 1 1 ' のワイヤボンデ イングを行なった後に、 台座 32上に錘部材 33を接着することにより、 ワイヤ ボンディングを行なう際に、錘部材 33が邪魔になることを防止することができ、 錘部材 33を大きくして、 傾斜角センサの検出感度を向上させることができる。 また、 錘部材 33を各チップごとに個々に配置することができ、 錘部材 33が チップからはみ出すことを可能として、 锤部材 33の配置の自由度を向上させる ことが可能となる。
〔第 3の実施の形態〕
次に、 本発明の第 3の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 8ないし 図 1 2は、 本発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角センサの製造方法の第 3の実 施の形態を示す図である。
図 8〜 1 2は、 本発明の第 3の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示 す断面図である。 なお、 第 3の実施の形態は、 片持ち型の傾斜角センサの製造ェ 程を示す。
図 8 (a) において、 例えば、 厚みが 5 50 ^ιη程度で 6インチ径のシリコン ウェハ 5 1を用意する。
次に、 図 8 (b) に示すように、 フォトリソグラフィー技術を用いて、 不純物 を選択的にイオン注入することにより、 シリコンウェハ 5 1上にピエゾ抵抗 52 を形成する。 なお、 ピエゾ抵抗 52は、 実際には、 主に 2個以上のピエゾ抵抗素
子から構成するようにしてもよい。
そして、 スパッタまたは蒸着などにより導電層をシリコンウェハ 5 1全面に形 成し、 フォトリソグラフィ一技術およびェッチング技術を用レ、て導電層のパタ一 ニングを行なうことにより、 酉 B/镍ゃボンディングパットなどの回路パターン 5 3 を形成する。
次に、 図 8 ( c ) に示すように、 C V D (化学気相成長法) またはスパッタな どにより、 窒化珪素膜または酸化珪素膜などの保護膜 5 4を形成する。
次に、 図 8 ( d ) に示すように、 保護膜 5 4が形成されたシリコンウェハ 5 1 上に保護フィルム 5 5を貼り付ける。なお、保護フィルム 5 5としては、例えば、 粘着シートなどを用いることができる。
次に、 図 8 ( e ) に示すように、 シリコンウェハ 5 1の裏面全体を研削する。 ここで、 研削方法としては、 研磨やエッチングを用いることができ、 例えば、 最 初 5 5 0 μ πιの厚みがあったシリコンウェハ 5 1を 1 5 0 // mの残厚まで研磨し、 さらに、 シリコンウェハ 5 1力 5 0 / mの残厚になるまでエッチングにより研削 してもよレ、。
また、 CM P (化学的機械的研磨) により、 シリコンウェハ 5 1の裏面を研削 するようにしてもよい。
次に、 図 9 ( a ) に示すように、 溝 6 1 aが形成されたガラスウェハ 6 1をシ リコンウェハ 5 1の裏面に貼り合わせる。 ここで、 ガラスウェハ 6 1をシリコン ウェハ 5 1に貼り合わせる場合、 溝 6 1 a力、 シリコンウェハ 5 1側に向くとと もに、 ピエゾ抵抗 5 2の形成領域およびスクライブラインにかかるように、 ガラ スウェハ 6 1をシリコンウェハ 5 1の裏面に配置する。
この際、 ガラスウェハ 6 1として、 ナトリウムガラスのようなイオン移動度に 高いガラスを用い、 シリコンウェハ 5 1との間に 1 K V程度の高電圧を加える陽 極接合を行なうことによって、 選択的に強い接合力を得ることができる。
従って、 溝 6 l aは、 空洞のままの状態でもよいが、 陽極接合しない通常のガ ラスや樹脂などの埋め込み部材 6 2を充填し、 ガラスウェハ 6 1の表面を平坦ィ匕 してもよレ、。
なお、 溶剤などによって選択的に除去可能な樹脂などの材料を充填した場合に
は、 シリコンウェハ 5 1をチップ状に切断した後に、 溝 6 1 aを空洞にすること もできる。
図 10 (a) は、 本発明の第 3の実施の形態に係るガラスウェハの構成を示す 平面図、 図 1 0 (b) は、 本発明の第 3の実施の形態に係るガラスウェハの構成 を示す断面図である。
図 10において、 ガラスウェハ 6 1には、 シリコンウェハ 5 1から切り出され るチップ配列に対応した溝 6 1 aが形成され、 溝 6 1 aが 1チップ分のピエゾ抵 抗 52の形成領域およびスクライブラインにかかるように、 溝 6 1 aの幅が設定 される。 例えば、 傾斜角センサの 1チップ分の長さが 3 mmであるとすると、 溝 2 l aの幅は 2. 5 mmに設定される。
なお、 D 1 1〜D 1 7はダイシングラインであり、 シリコンウェハ 5 1に貼り 合わされたガラスウェハ 6 1は、 ダイシングライン D l 1〜D 1 7に沿つでチッ プ状に切断される。 このため、 例えば、 ダイシングライン D l 1〜D 1 2〜D 1 5で囲まれた領域から、 1個分の傾斜角センサを切り出すことができる。
ここで、 ガラスウェハ 6 1の溝 6 1 aがシリコンウェハ 5 1の縦方向のスクラ イブラインにかかるように配置するとともに、 縦方向のダイシングライン D 1 1 〜D 1 3を溝 6 1 aの端に設定することにより、 各チップに対して溝 6 1 aの片 側に支持部材を残すことが可能となり、 片持ち型の傾斜角センサを構成すること ができる。
次に、 図 9 (b) に示すように、 ガラスウェハ 6 1がシリコンウェハ 5 1に貼 り合わされると、 シリコンウェハ 5 1上に貼り付けられていた保護フィルム 55 を剥がす。
次に、 図 9 (c) に示すように、 シリコンウェハ 5 1から切り出される各チッ プごとに、 台座 7 1を接着する。 ここで、 台座 7 1の配置位置は、 各チップがガ ラスウェハ 6 1で支えられる位置に対して、 長手方向反対側になるように設定す る。
次に、図 9 (d)に示すように、ガラスウェハ 6 1が貼り合わされるとともに、 台座 7 ].が接着されたシリコンウェハ 5 1をダイシングすることにより、 台座 7 1が接着されたシリコン基板 5 1 ' を支持部材 6 1 ' とともに、 チップ状に一体
的に切り出す。 ここで、 1チップ分の長さは、 例えば、 3 mmとすることができ る。
次に、 図 1 1 (a) に示すように、 台座 7 1上に錘部材 7 2を接着する。 次に、 図 1 1 (b) に示すように、 支持部材 6 1 ' 内に充填されている埋め込 み部材 62を除去することにより、 シリコン基板 5 1 ' の片側が支持部材 6 1 ' で支えられるようにして、 シリコン基板 5 1 ' と支持部材 6 1 ' との間に隙間を 形成し、 シリコン基板 5 1 ' が支持部材 6 1 ' を支点として撓み可能とする。 次に、 図 1 1 (c) に示すように、 支持部材 6 1 ' および錘部材 72が設けら れたシリコン基板 5 を、 リードフレーム 8 1上にダイボンドする。
次に、 図 1 2に示すように、 シリコン基板 5 1' にワイヤボンディングを行な うことにより、 シリコン基板 5 1' とリードフレーム 8 1とをワイヤ 82で接続 する。
なお、 第 3の実施の形態では、 台座 7 1上に錘部材 72を接着した後、 シリコ ン基板 5 1 ' のワイヤボンディングを行なう方法について説明したが、 シリコン 基板 5 1, のワイヤボンディングを行なった後に、 台座 7 1上に錘部材 72を接 着するようにしてもよく、 これにより、 ワイヤボンディングを行なう際に、 錘部 材 72が邪魔になることを防止することができる。
このように、 第 3の実施の形態によれば、 製造工程を «化させることなく、 片持ち型の傾斜角センサを製造することができ、 シリコン基板 5 が支持部材 6 1 ' で支えられる位置と、 錘部材 72がシリコン基板 5 1 ' で支えられる位置 との距離を大きくして、 シリコン基板 5 をより効率よく撓ませることができ る。
このため、 傾斜角センサの長手方向の長さを大きくすることなく、 傾斜角セン ザの検出感度を向上させることができ、 ィ頃斜角センサの小型化を図ることが可能 となる。
〔第 4の実施の形態〕
次に、 本発明の第 4の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 1 3は、 本発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角センサの製造方法の第 4の実施の形態を 示す図である。
図 1 3は、 本発明の第 4の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示す断面図 である。
図]. 3において、 シリコン基板 9 1の表面上には、 ピエゾ抵抗 9 2および回路 パターン 9 3が形成されるとともに、 シリコン基板 9 1の裏面は橈み可能な厚み まで均一に研削されている。
また、 シリコン基板 9 1の裏面には、 凹部 9 5 aを有する支持部材 9 5が設け られ、 支持部材 9 5によりシリコン基板 9 1の一端が支持されるとともに、 シリ コン基板 9 1の表面には、台座 9 6を介して錘部材 9 7が設けられ、台座 9 6は、 シリコン基板 9 1の他端に配置されている。
支持部材 9 5の裏面はリードフレーム 9 8に接着され、 リードフレーム 9 8と 回路パターン 9 3のボンディングパットとは、ワイヤ 9 9により接続されている。 ここで、 台座 9 6の高さは、 台座 9 6の表面が、 ワイヤ 9 9のアーチの頂点よ りも高い位置にくるように設定されるとともに、 台座 9 6は、 錘部材 9 7の端で 錘部材 9 7を保持する。
これにより、 錘部材 9 7平面の大きさをシリコン基板 9 1平面の大きさと同等 にした場合においても、 錘部材 9 7がシリコン基板 9 1からはみ出すことを防止 することが可能となるとともに、 錘部材 9 7がワイヤ 9 9と接触することを防止 することが可能となり、 傾斜角センサの検出感度を向上させつつ、 傾斜角センサ のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、 支持部材 9 5は、 ナトリウムガラスのようなイオン移動度に高いガラス により構成され、 支持部材 9 5の凹部 9 5 aには、 陽極接合しない通常のガラス や樹脂などの埋め込み部材 1◦ 0が充填され、 支持部材 9 5の表面が平坦化され ている。
そして、 支持部材 9 5とシリコン基板 9 1とを接合する場合、 シリコン基板 9 1との間に 1 KV程度の高 ffを加える陽極接合を行なう。
これにより、 支持部材 9 5とシリコン基板 9 1とを強固に結合することが可能 となるとともに、 支持部材 9 5とシリコン基板 9 1とが埋め込み部材 1 0 0の位 置で離れることが可能となる。
この結果、 シリコン基板 9 1が支持部材 9 5の下に位置するようなレイアウト
をとることにより、 シリコン基板 9 1を水平にした時に、 シリコン基板 9 1は、 重力による錘部材 9 7の静的加重で埋め込み部材 1 0 0から離れる方向に応力を 受けることができる。
このため、 埋め込み部材 1 0 0がシリコン基板 9 1の変位を妨げることを阻止 しつつ、 支持部材 9 5の表面を平坦ィ匕することができ、 傾斜角センサとして水平 から ± 9 0度程度の範囲で十分に機能させることができる。
また、埋め込み部材 1 0 0を支持部材 9 5の凹部 9 5 aに充填することにより、 シリコン基板 9 1上に錘部材 9 7を設ける時に、 シリコン基板 9 1に加重がかか つても、 シリコン基板 9 1を埋め込み部材 1 0 0で支えることができ、 シリコン 基板 9 1の割れを防止して、 傾斜角センサの製造コストを下げることが可能とな る。
さらに、 埋め込み部材 1 0 0を支持部材 9 5の凹部 9 5 aに残したままにする ことにより、 埋め込み部材 1 0 0を除去する工程を不要として、 製造工程を簡略 化することが可能となり、 傾斜角センサの製造コストをより一層下げることが可 能となるとともに、 傾斜角センサの落下時などに、 傾斜角センサに衝撃が加わつ た場合においても、 シリコン基板 9 1を埋め込み部材 1 0 0で支えて、 シリコン 基板 9 1の破壊を防止することが可能となる。
〔第 5の実施の形態〕
次に、 本発明の第 5の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 1 4ない し図 1 8は、 本発明に係る傾斜角センサおよ Ό«ί頃斜角センサの製造方法の第 5の 実施の形態を示す図である。
図 1 4、 1 5、 1 8は、 本発明の第 5の実施の形態に係る傾斜角センサの製造 工程を示す断面図である。 なお、 第 5の実施の形態は、 片持ち型の傾斜角センサ の製造工程を示す。
図 1 4 ( a ) において、 例えば、 厚みが 5 5 0 μ πι程度で 6インチ径のシリコ ンウェハ 1 1 ].を用意する。
次に、 図 1 4 ( b ) に示すように、 フォトリソグラフィー技術を用いて、 不純 物を選択的にイオン注入することにより、 シリコンウェハ 1 ]. 1上にピエゾ抵抗 1 1 2を形成する。
そして、 スパッタまたは蒸着などにより導電層をシリコンウェハ 1 1 1全面に 形成し、 フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて導電層のパタ 一ユングを行なうことにより、 酉纖やボンディングパットなどの回路パターン 1 1 3を形成する。
次に、 図 14 (c) に示すように、 CVD (化学気相成長法) またはスパッタ などにより、 窒化珪素膜または酸ィヒ珪素膜などの保護膜 1 1 4を形成する。 次に、 図 14 (d) に示すように、 保護膜 1 14が形成されたシリコンウェハ 1 1 1上に保護フィルム 1 1 5を貝占り付ける。 なお、 保護フィルム 1 1 5として は、 例えば、 粘-着シートなどを用いることができる。
次に、 図 14 (e) に示すように、 シリコンウェハ 1 1 1の裏面全体を研削す る。 ここで、研削方法としては、研磨やエッチングを用いることができ、例えば、 最初 550 /imの厚みがあったシリコンウェハ 1 1 1を 1 50 /imの残厚まで研 磨し、 さらに、 シリコンウェハ 1 1 1が 50 /imの残厚になるまでエッチングに より研削してもよい。
また、 CMP (化学的機械的研磨) により、 シリコンウェハ 1 1 1の裏面を研 削するようにしてもよい。
次に、 図 1 5 (a) に示すように、 溝 1 2 1 a、 1 2 1 bが形成されたガラス ウェハ 1 21をシリコンウェハ 1 1 1の裏面に貼り合わせる。 ここで、 ガラスゥ ェハ 1 21をシリコンウェハ 1 1 1に貼り合わせる場合、 溝 1 2 1 a、 1 21 b がシリコンウェハ 1 1 1側に向くとともに、 各溝 1 21 a、 1 2 l bが各チップ のピエゾ抵抗 1 1 2の形成領域を含むとともに、 各溝 1 2 1 a、 1 2 1 bの一方 のラインがシリコンウェハ 1 1 1のスクライブラインにかかり、 各溝 1 2 1 a、 1 2 1 bの他方のラインがシリコンウェハ 1 1 1のスクライブラインにかからな いように配置する。
この際、 ガラスウェハ 1 2 1として、 ナトリウムガラスのようなイオン移動度 に高いガラスを用いた場合、 シリコンウェハ 1 1 1との間に 1 KV程度の高電圧 を加える陽極接合を行なうことによって、 選択的に強い接合力を得ることができ る。
従って、 溝 1 21 a、 1 2 1 bは、 空洞のままの状態でもよいが、 陽極接合し
ない通常のガラスや樹脂などの埋め込み部材 122 a、 122 bを充填し、 ガラ スウェハ 121の表面を平坦ィ匕してもよい。
なお、 溶剤などによつて選択的に除去可能な樹脂などの材料を充填した場合に は、 シリコンウェハ 1 1 1をチップ状に切断した後に、 溝 121 a、 121 bを 空洞にするようにしてもよい。
図 16 (a) は、 本発明の第 5の実施の形態に係るガラスウェハの構成を示す 平面図、 図 16 (b) は、 本発明の第 5の実施の形態に係るガラスウェハの構成 を示す断面図である。
図 16において、 ガラスウェハ 121には、 シリコンウェハ 1 1 1から切り出 されるチップ配列に対応した溝 121 a、 121 bが形成され、 溝 121 a、 1 21 bの幅は、 各溝 121 a、 121 b力 S、 1チップ分のピエゾ抵抗 1 12の形 成領域を含むとともに、 各溝 121 a、 121 bの一方のラインがシリコンゥェ ノヽ 1 11のスクライブラインにかかり、 各溝 121 a、 121 bの他方のライン がシリコンウェハ 1 1 1のスクライブラインにかからないように設定される。 なお、 D21〜D28および D31〜D34はダイシングラインであり、 シリ コンウェハ 1 1 1に貼り合わされたガラスウェハ 1 21は、 ダイシングライン D 21 ~D 28および D 31〜D 34に沿ってチップ状に切断される。 このため、 例えば、ダイシングライン1321、 025、 031、 032で囲まれた領域から、 1個分の ί頃斜角センサを切り出すことができる。
ここで、 縦方向のダイシングライン D 21、 D 22をガラスウェハ 121の凸 部の中央に設定するとともに、 縦方向のダイシングライン D 23〜D 28を各溝 121 a, 121 bの端にかかるように設定することにより、 各チップに対して 溝 121 a、 121 bの片側に支持部材を残すことが可能となり、 片持ち型の傾 斜角センサを構成することができる。
次に、 図 15 (b) に示すように、 ガラスウェハ 121がシリコンウェハ 1 1 1に貼り合わされると、 シリコンウェハ 1 1 1上に貼り付けられていた保護フィ ルム 1 15を剥がす。
次に、 図 15 (c) に示すように、 凸部 131 aの設けられた錘ウェハ 131 をシリコンウェハ 1 1 1上に接着する。 ここで、 凸部 131 aは、 シリコンゥェ
ノヽ 1 1 1から切り出される 2列分のチップに対応して設けられている。 そして、 錘ウエノ、 1 3 1をシリコンウェハ 1 1 1上に接着する場合、 凸部 1 3 1 aがシリ コンウェハ 1 1 1側を向くとともに、凸部 1 3 1 aがスクライブラインを跨いで、 その両側のチップの端部にかかるように、 錘ウェハ 1 3 1を酉己置する。
図 1 7 ( a ) は、 本発明の第 5の実施の形態に係る錘ウェハの構成を示す断面 図、 図 1 7 ( b ) は、 本発明の第 5の実施の形態に係る錘ウェハの構成を示す平 面図である。
図 1 7において、 錘ウェハ 1 3 1には、 シリコンウェハ 1 1 1から切り出され る 2列分のチッ 7¾己列に対応した凸部 1 3 1 aが形成されている。
なお、 D 2 1〜D 2 8および D 3 1〜D 3 4はダイシングラインであり、 シリ コンウェハ 1 1 1に貼り合わされた錘ウェハ 1 3 1は、 シリコンウェハ 1 1 1に 貼り合わされたガラスウェハ 1 2 1とともに、 D 2 1〜D 2 8および D 3 1〜D 3 4に沿ってチップ状に切断される。
また、 H 1〜H 4はハーフダイシングラインであり、 錘ウェハ 1 3 1は、 シリ コンウェハ 1 1 1に貼り合わされた状態で、 ハーフダイシングライン H 1〜H 4 に沿ってハーフダイシングされることにより、 錘ウェハ 1 3 1の各凸部 1 3 1 a 間の凹部の中央部分が切り落とされる。
ここで、 錘ウエノ、 1 3 1のハーフダイシングを行なうことにより、 錘ウェハ 1 3 1がシリコンウェハ 1 1 1に貼り合わされた状態で、 錘ウエノ、 1 3 1で覆われ ていない領域を各チップの片側に設けることが可能となり、 各チップに対してヮ ィャボンディングを容易に行なうことが可能となる。
また、 凸部 1 3 1 a力 \ シリコンウェハ 1 1 1のスクライブラインを跨ぐよう に錘ウェハ 1 3 1を配置することにより、 錘ウェハ 1 3 1およびシリコンウェハ 1 1 1を凸部 1 3 1 aの位置で切断するだけで、 各チップの端部に錘部材 1 3 1 ' ' を設けることが可能となる。
次に、 図 1 5 ( d ) に示すように、 シリコンウェハ 1 1 1に貼り合わされた状 態で、 ハーフダイシングライン H 1〜H 4に沿って、 錘ウェハ 1 3 1のハーフダ イシングを行なうことにより、 錘ウェハ 1 3 1の各凸部 1 3 1 a間の凹部の中央 部分を切り落とす。
このため、 錘バー 131' が 2列分のチップごとに形成される。
次に、 図 18 (a) に示すように、 ガラスウェハ 121および錘バー 131 ' が貼り合わされたシリコンウェハ] 11を、 ダイシングライン D 21〜D 28お よび D 31〜D 34に沿ってダイシングすることにより、 シリコン基板 111' を支持部材 121' および錘部材 131' ' とともに、 チップ状に一体的に切り 出す。 ここで、 1チップ分の長さは、 例えば、 3 mmとすることができる。
次に、 図 18 (b) に示すように、 支持部材 121' 内に充填されている埋め 込み部材 122 a、 122bを除去することにより、 シリコン基板 11 1' の一 端が支持部材 121' で支えられるようにして、 シリコン基板 111' と支持部 材 121 ' との間に隙間を形成し、 シリコン基板 111' が支持部材 121 ' を 支点として橈み可能とする。
次に、 図 18 (c) に示すように、 支持部材 121' および錘部材 131' ' とともに切り出されたシリコン基板 11 を、 リードフレーム 141上にダイ ボンドする。
次に、 図 18 (d) に示すように、 シリコン基板 111' にワイヤボンディン グを行なうことにより、 シリコン基板 111' とリードフレーム 141とをワイ ャ 142で接続する。
ここで、 錘ウエノ、 131のハーブダイシングを行なうことにより、 シリコン基 板 111' の片端を錘部材 131' ' から露出させることができ、 錘部材 13 1' ' が邪魔になってシリコン基板 111 ' 上にワイヤボンディングができなく なることを防止することができる。
このように、 第 5の実施の形態によれば、 シリコン基板 111 ' 自体に凹凸を 設けることなく、片持ち型の傾斜角センサを製造することが可能となるとともに、 支持部材 121' および錘部材 131, ' を複数のチップに一括形成することを 可能として、 支持部材 121' および鍾部材 131' ' を各チップごとに配置す る必要がなくなる。
このため、 傾斜角センサの検出感度を向上させつつ、 傾斜角センサの構成およ び製造工程を簡易化して、 傾斜角センサのコストを下げることが可能となる。 なお、 第 5の実施の形態では、 各溝 121. a、 121 bが各チッ 7¾S列ごとに
分離する方法について説明したが、 2本の溝 121 a、 12 l bが互いに繋がる ようにして、 1本の溝で 2列分のチッフ ¾己列を受け持つようにしてもよく、 これ により、 ダイシング時に無駄な廃材 (例えば、 ダイシングライン D 23とダイシ ングライン D 24との間の部分) が出ることを防止して、 1枚のウェハから採れ る傾斜角センサの個数を増やすことができる。
〔第 6の実施の形態〕
次に、 本発明の第 6の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 19ない し図 23は、 本発明に係る傾斜角センサの第 6の実施の形態を示す図である。 図 19 (a) は、 本発明の第 6の実施の形態に係る傾斜角センサの概略構成を 示す斜視図、 図 19 (b) は、 本発明の第 6の実施の形態に係る傾斜角センサの シリコン基板表面の構成を示す平面図である。 なお、 第 6の実施の形態は、 厚み が均一な一枚のシリコン基板を用いて、 2軸の傾斜角センサを構成するようにし たものである。
図 19において、 シリコン基板 151の表面 151 a上には、 ピエゾ抵抗 R 1 1〜R 16および端子 P 1〜P 9が形成されるとともに、 ピエゾ抵抗 R 11〜R 16と端子 P 1〜P 9とを接続する配線 L 1が形成され、 さらに、 シリコン基板 15 1の裏面 151 bは、 シリコン基板 151が橈み可能な厚みまで均一に研削 されてレ、る。
また、 シリコン基板 151の長手方向の一端には支持部材接合領域 J 1が設け られ、 シリコン基板 151の長手方向の他端には台座接^ 域 J 2が設けられ、 支持部材接合領域 J 1には、 凸部 152 aを介して支持部材 152が接合され、 台座接 域 J 2には、 台座 153を介して錘部材 154が接合されている。 なお、 支持部材 152は、 シリコン基板 151の裏面に配置され、 錘部材 15 4は、 シリコン基板 151の表面に配置される。
ここで、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 13、 R 15は、 台座接合領域 J 2の近傍に配 置され、 ピエゾ抵抗 R 12、 R 14、 R 16は、 支持部材接合領域 J 1の近傍に 配置される。
また、 ピエゾ抵抗 R l ].、 R 12は、 長手方向に設定される中央ラインに沿つ て配置され、 ピエゾ抵抗 R 13〜R 16は、 中央ラインの両側の平行ラインに沿
つて、 それぞれ 2個づっ等間隔で配置される。
そして、 シリコン基板 151の表面 151 aを下に向けた状態では、 錘部材 1 54が重力 Wで下向きに引っ張られるが、 支持部材 152を水平に保つと、 重力 Wは、 錘部材 154にかかる Z軸方向成分の力 F z =Wと一致する。
このため、 シリコン基板 151の端部には、 台座 153を介して Z軸方向成分 の力 F z=Wがかかり、 シリコン基板 151は Z軸方向に橈んだ状態になる。 図 20は、 図 19の傾斜角センサが Y軸回りに傾いた場合の動作を示す斜視図 である。
図 20において、 支持部材 152が Y軸回りに傾くと、 錘部材 154にかかる Z軸方向成分の力 F zが減少する一方で、 X軸方向成分の力 F Xが生じ、 結果と して、 支持部材 152とシリコン基板 151との間の間隔がより広がることにな り、 シリコン基板 151の Z軸方向の撓み量が大きくなる。
この結果、 ピエゾ抵抗 R 1 1の引張応力、 ピエゾ抵抗 R 12の圧縮応力がそれ ぞれ増加し、 これらの応力の変動に従って、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12の抵抗ィ直 が増減する。
図 21は、 図 19 ( b ) のピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12の結線構成を示す回路図 である。
図 21において、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12は直列接続され、 端子 P4は、 ピ ェゾ抵抗 R l l、 R 12をそれぞれ介して端子 P 6、 P 5に接続されている。 そして、 端子 P 5、 P 6間に電圧 Eを印加し、 端子 P 4、 P6間の電圧 VIを 検出することにより、 Y軸回り ί頃斜角を求めることができる。
図 22 (a) は、 図 19の傾斜角センサが X軸回りに傾いた場合の動作を示す 斜視図、 図 22 (b) は、 図 19 (b) の E 2— E 2線で切断した断面図、 図 2 2 (c) は、 図 19 (b) の E 3— E 3線で切断した断面図である。
図 22において、 持部材 152が X軸回りに傾くと、 錘部材 154には Y方向 成分の力 Fyが生じるため、 シリコン基板 151が X軸回りに捻られる。
この結果、 ピエゾ抵抗 R 13にかかっている引張応力およびピエゾ抵抗 R 14 にかかっている圧縮応力は減少し、 ピエゾ抵抗 R 15にかかっている引張応力お よびピエゾ抵抗 R 16にかかっている圧縮応力は増加する。
このため、 これらの応力の変動に従って、 ピエゾ抵抗 R 13〜R 16の抵抗ィ直 が増減する。
図 23は、 図 19 (b) のピエゾ抵抗 R 13〜R 16の結線構成を示す回路図 である。
図 23において、 ピエゾ抵抗 R 13〜R 16はブリッジ回路を構成している。 すなわち、 端子 P 1、 P 2間にはピエゾ抵抗 R 14が接続され、 端子 P 2、 P 3 間にはピエゾ抵抗 R 13が接続され、 端子 P 7、 P 8間にはピエゾ抵抗 R 15が 接続され、 端子 P8、 P 9間にはピエゾ抵抗 R 16が接続され、 端子 P l、 P 9 間は短絡され、 端子 P3、 P 7間は短絡されている。
そして、 端子 P 2、 P 8間に電圧 Eを印加し、 端子 P l、 P 3間の電圧 V 2を 検出することにより、 X軸回りの傾斜角を求めることができる。
〔第 7の実施の形態〕
次に、 本発明の第 7の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 24ない し図 26は、 本発明に係る傾斜角センサの第 7の実施の形態を示す図である。 図 24 (a) は、 図 24 (b) の F— F線で切断した断面図、 図 24 (b) は、 本発明の第 7の実施の形態に係る傾斜角センサのシリコン基板表面の構成を示す 平面図である。 なお、 第 7の実施の形態は、 厚みが均一な一枚のシリコン基板を 用いて、 両持型の 2軸の傾斜角センサを構成するようにしたものである。
図 24において、 シリコン基板 161の表面上には、 ピエゾ抵抗 R21~R2 8および端子 P 1 1〜P 22が形成されるとともに、 ピエゾ抵抗 R 21〜R 28 と端子 P I 1〜P 22とを接続する酉 B^L 2、 L3が形成され、 さらに、 シリコ ン基板 161の裏面は、 シリコン基板 161が撓み可能な厚みまで均一に研削さ れている。
また、 シリコン基板 161の長手方向の両端には支持部材接合領域 J 1 1、 J 12が設けられ、 シリコン基板 161の長手方向の中央には台座接合領域 J 13 が設けられ、 支持部材接合領域 J 1 1、 J 1 2には、 凸部 162 aを介して支持 部材 162が接合され、 台座接合領域 J 13には、 台座 163を介して錘部材 1 64が接合されている。
なお、 支持部材 162は、 シリコン基板 161の裏面に配置され、 錘部材 16
4は、 シリコン基板 161の表面に配置される。
ここで、 ピエゾ抵抗 R 21、 R23、 R25、 R27は、 台座接^ 域 J 13 の近傍に配置され、 ピエゾ抵抗 R 22、 R24、 R26、 R 28は、 支持部材接 ^ l域 J 1 1、 J 12の近傍に配置される。
また、 ピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R27、 R 28は、 長手方向に設定される 中央ラインに沿って配置され、 ピエゾ抵抗 R 23〜R 26は、 中央ラインの両側 の平行ラインに沿って、 それぞれ 2個づっ等間隔で配置される。
そして、 錘部材].64がぶら下がった状態で、 支持部材 162を Y軸回りに傾 けると、 シリコン基板 161の撓みが変化する。 そして、 この時のピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R27、 R28の抵抗値の変化量を計測することにより、 Y軸回 りの傾斜角を求めることができる。
また、 錘部材 164がぶら下がった状態で、 支持部材 162を X軸回りに傾け ると、 シリコン基板 161に捻れが発生する。 そして、 この時のピエゾ抵抗 R2 3〜 R 26の抵抗値の変化量を計測することにより、 X軸回りの傾斜角を求める ことができる。
図 25は、 図 24 (b) のピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R27、 R 28の結線 構成を示す回路図である。
図 25において、 ピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R27、 R 28はブリッジ回路 を構成している。 すなわち、 端子 P 14、 P 15間にはピエゾ抵抗 R 22が接続 され、 端子 P 14、 P 16間にはピエゾ抵抗 R 21が接続され、 端子 P 20、 P 21間にはピエゾ抵抗 R 28が接続され、 端子 P 20、 P 22間にはピエゾ抵抗 R 27が接続され、 端子 P 15、 P 21間は短絡され、 端子 P 16、 P 22間は 短絡されている。
そして、 端子 P 14、 P 20間に電圧 Eを印加し、 端子 P 15、 P 16間の電 圧 V 3を検出することにより、 Y軸回りの傾斜角を求めることができる。
なお、 Y軸回りの傾斜角を求める場合、 必ずしも 4個のピエゾ抵抗 R 21、 R 22、 R27、 R 28を設ける必要はなく、 ピエゾ抵抗 R 21、 R 22またはピ ェゾ抵抗 R 27、 R 28を省略し、 図 21のような分圧回路を構成するようにし てもよい。
図 2 6は、 図 2 4 ( b ) のピエゾ抵抗 R 2 3〜 R 2 6の結線構成を示す回路図 である。
図 2 6において、 ピエゾ抵抗 R 2 3 -R 2 6はブリッジ回路を構成している。 すなわち、端子 P 1 1、 P 1 2間にはピエゾ抵抗 R 2 4が接続され、端子 P 1 2、 P 1 3間にはピエゾ抵抗 R 2 3が接続され、 端子 P 1 8、 P 1 9間にはピエゾ抵 抗 R 2 6が接続され、 端子 P 1 7、 P 1 8間にはピエゾ抵抗 R 2 5が接続され、 端子 P 1 1、 P 1 9間は短絡され、 端子 P 1 3、 P 1 7間は短絡されている。 そして、 端子 P 1 2、 P 1 8間に mjlEを印加し、 端子 P 1 1、 P 1 3間の電 圧 V 4を検出することにより、 X軸回りの傾斜角を求めることができる。
〔第 8の実施の形態〕
次に、 本発明の第 8の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 2 7ない し図 3 9は、 本発明に係る傾斜角センサぉよび ί頃斜角センサの製造方法の第 8の 実施の形態を示す図である。
図 2 7 ( a ) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示す 平面図、図 2 7 ( b ) は、 図 2 7 ( a ) の A 1— A 1線で切断した断面図である。 図 2 7において、 シリコン基板 2の表面上には、 ピエゾ抵抗 R l、 R 2および A 1パッド P 1〜P 3が形成されるとともに、 ピエゾ抵抗 R l、 2と 1パッ ド P 1〜P 3を接続する酉 fi^H lが形成されている。
また、 シリコン基板 2の表面上には、 A 1パッド 3を介して半田バンプ 4が形 成されるとともに、 シリコン基板 2は、 橈み可能な厚みまで裏面が均一に研削さ れ、 さらに、 ピエゾ抵抗 R l、 R 2の配置領域に対応して、 くびれ 2 aが形成さ れている。
また、 シリコン基板 2の裏面には、 凹部 1 aが形成された支持部材 1が設けら れ、 シリコン基板 2の一端が裏面から支持されるともに、 支持部材 1は、 ピエゾ 抵抗 R l、 R 2の形成領域が凹部 1 aのエッジ近傍に位置し、 半田バンプ 4が凹 部 1 a上に位置するように配置されている。
これにより、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 2が形成されたシリコン基板 2の裏面を選択 的にェツチングすることなく、 撓み可能な状態でシリコン基板 2を支持すること が可能となるとともに、 既存のフリップチップ実装技術との整合性をとりつつ、
錘部材の比重を容易に増大させて、 錘部材の縮小ィヒを図ることが可能となる。 このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型 ·低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
図 28 (a) 、 (b) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの動' 作を示す断面図、 図 28 (c) は、 図 27 (a) のピエゾ抵抗 Rl、 R 2の結線 構成を示す回路図である。
図 28 (a) において、 図 27のイ頃斜角センサを動作させる場合、 半田バンプ
4が下側に向くように、 傾斜角センサを配置する。
そして、 半田バンプ 4を下に向けた状態では、 半田バンプ 4が重力 Wで下向き に引っ張られる力 支持部材 1を水平に保つと、 重力 Wは、 半田バンプ 4にかか る Z軸方向成分の力 F Zと一致する。
このため、 シリコン基板 2の端部には、 半田バンプ 4を介して Z軸方向成分の 力 F z =Wがかかる。
ここで、 シリコン基板 2は、 橈み可能な厚みまで裏面が均一に研削されている ので、 Z軸方向成分の力 F z=Wがシリコン基板 2の端部にかかると、 シリコン 基板 2は Z軸方向に橈んだ状態で安定する。
次に、 図 28 (b) において、 支持部材 1が Y軸回りに傾くと、 半田バンプ 4 にかかる Z軸方向成分の力 F zが減少する一方で、 X軸方向成分の力 F Xが生じ、 結果として、支持部材 1とシリコン基板 2との間の間隔がより広がることになり、 シリコン基板 2の Z軸方向の橈み量が大きくなる。
この結果、 ピエゾ抵抗 Rl、 R 2にかかる応力が変動し、 この応力の変動に従 つて、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 2の抵抗値が増減する。
ここで、 図 28 (c) に示すように、 ピエゾ抵抗 R l、 R 2は直列接続され、 端子 P 2は、 ピエゾ抵抗 Rl、 R 2をそれぞれ介して端子 P 1、 P 3に接続され ている。
そして、 端子 P ].、 P 3間に電圧 Eを印加し、 端子 P 2、 P 3間の電圧 VIを 検出することにより、 Y軸回りの傾斜角を求めることができる。
図 29 (a) 〜図 35 (a) は、 本発明の第 8の実施の形態に係る傾斜角セン
サの製造工程を示す平面図、 図 2 9 (ヒ) 〜図3 5 ( b ) および図 3 6は、 本発 明の第 8の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示す断面図である。
図 2 9において、 例えば、 厚みが 5 5 0 / m程度で 5ィンチ径のシリコン基板 2を用意する。
そして、 フォトリソグラフィー技術を用いて、 ホウ素などの不純物をシリコン 基板 2に選択的にィオン注入することにより、 シリコン基板 2上の各チップ領域 にピエゾ抵抗 R 1、 R 2を形成する。
そして、 スパッタまたは蒸着などにより、 A 1膜をシリコン基板 2全面に形成 し、 フォトリソグラフィ一技術およびエッチング技術を用いて A 1膜のパター二 ングを行なうことにより、 シリコン基板 2上の各チップ領域に A 1パッド 3、 P 1〜P 3および酉 d^H 1を形成する。
ここで、 シリコン基板 2の各チップ領域の幅 W 1は、 例えば、 1 . 4 mm、 長 さ L 1は、 例えば、 2 . 8 mmとすることができ、 これにより、 5インチ径の 1 枚のシリコン基板 2から、 約 3 0 0 0個の傾斜角センサチップを得ることが可能 となる。
次に、 図 3 0に示すように、 ネ占着シートなどの保護フィルムをシリコン基板 2 上に貼り付け、 シリコン基板 2の厚みが T 1になるまで、 シリコン基板 2の裏面 全体を研削する。 ここで、 シリコン基板 2の研削方法としては、 例えば、 CM P (化学的機械的研磨) やエッチングを用いることができる。 また、 シリコン基板 2の厚み T 1は、 例えば、 1 0 0 mとすることができ、 これにより、 シリコン 基板 2の橈みを可能としつつ、 シリコン基板 2が割れないような強度を維持する ことができる。
次に、 図 3 1に示すように、 凹部 1 aが形成されたガラス基板 1をシリコン基 板 2の裏面に貼り合わせる。 ここで、 ガラス基板 1をシリコン基板 2に貼り合わ せる場合、 凹部 l aを、 シリコン基板 2側に向き合わせる。 そして、 ピエゾ抵抗 R l、 R 2の形成領域が凹部 1 aのエッジ近傍に位置し、 半田バンプ 4が凹部 1 a上に位置するように、 ガラス基板 1を配置する。
この際、 ガラス基板 1として、 ナトリウムガラスのようなイオン移動度に高い ガラスを用いることができ、シリコン基板 2との間に 1 KV程度の高電圧を加え、
ガラス基板 1とシリコン基板 2との陽極接合を行なうことにより、 選択的に強 ヽ 接合力を得ることができる。
このため、 凹部 l aは、 空洞のままの状態でもよいが、 陽極接合されない通常 のガラスや樹脂などの埋め込み部材を充填し、 ガラス基板 1の表面を平坦ィ匕して ちょレヽ。
次に、 図 3 2に示すように、 ガラス基板 1がシリコン基板 2の裏面に貼り合わ されると、 シリコン基板 2上に貼り付けられていた保護フィルムを剥がす。
そして、 シリコン基板 2上の各チップ領域に形成された A 1パッド 3上に半田 バンプ 4を形成する。
ここで、 半田バンプ 4の大きさ C 1は、 例えば、 0 . 6〜1 . 2 mm程度とす ることができ、 半田バンプ 4の高さ H Iは、 例えば、 0 . 1〜0 . 4 mm程度と することができる。
また、 半田バンプ 4の形成方法としては、 例えば、 電解メツキまたはスクリー ン印刷を用いることができ、 これにより、 シリコン基板 2から取り出される全て のチップに対して、 半田バンプ 4を一括して形成することができ、 製造工程を簡 略化することができる。
また、半田バンプ 4の比重は、ガラスゃシリコンに比べて 3倍以上度あるので、 同じ錘効果を得る場合、 半田バンプ 4の体積を 1 3以下にすることができ、 半 田バンプ 4の小型化を図ることが可能となる。
次に、 図 3 3に示すように、 フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術 を用いて、 半田バンプ 4が形成されたシリコン基板 2を選択的にエッチングする ことにより、 シリコン基板 2にくびれ 2 aを形成するとともに、 凹部 l a上のシ リコン基板 2が各チップごとに切り離されるようにする。
なお、 シリコン基板 2のエッチング方法としては、 例えば、 KO Hを用いたゥ エツトエッチングを用いることができる。
次に、 図 3 4に示すように、 ガラス基板 1に接合されたシリコン基板 2をダイ シングライン L l、 L 2に沿ってダイシングすることにより、 半田バンプ 4が表 面に形成されるとともに、 ガラス基板 1で裏面が支持されたシリコン基板 2をチ ップ状に切り出す。
次に、 図 3 5に示すように、 半田バンプ 4が表面に形成されるとともに、 ガラ ス基板 1で裏面が支持されたシリコン基板 2を、 パッケージ 6内にダイボンドす る。
そして、 ワイヤボンディングを行なうことにより、 パッケージ 6に設けられた 端子 7とシリコン基板 2上に形成された A 1パッド P 1〜P 3とを金ワイヤ 5で 接続する。
次に、 図 3 6に示すように、 パッケージ 6に蓋 8を接着することにより、 傾斜 角センサを封止する。
これにより、 シリコン基板 2とガラス基板 1との貝占り合わせを 1回行なうだけ で、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 2が形成されたシリコン基板 2の裏面を選択的にェツチ ングすることなく、 撓み可能な状態でピエゾ抵抗 R 1、 R 2を支持するための支 持部を複数のチップに対して一括して形成することが可能となる。
また、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 2が形成されたシリコン基板 2の裏面を選択的にェ ツチングすることなく、 比重の大きな半田バンプ 4をシリコン基板 2上に形成す ることが可能となるとともに、 ピエゾ抵抗 R l、 R 2の形成領域にくびれ 2 aを 設けることが可能となり、 シリコン基板 2の厚みを均一化したまま、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 2の形成領域を効率よく撓ませることが可能となる。
このため、 半田バンプ 4の小型ィ匕を図りつつ、 傾斜角センサの製造工程を簡易 ィ匕して、 傾斜角センサの小型-低コスト化を図ることが可能となるとともに、 傾 斜角センサの検出精度を容易に向上させることが可能となる。
なお、 第 8の実施の形態では、 ピエゾ抵抗 R 1、 R 2、 A 1パッド 3、 P 1〜 P 3および配線 H 1をシリコン基板 2上に形成してから、 シリコン基板 2の裏面 を研削し、 そのシリコン基板 2を凹部 1 aが形成されたガラス基板 1に接合する 方法について説明したが、 研削する前のシリコン基板 2を凹部 1 aが形成された ガラス基板 1に接合し、 そのシリコン基板 2の表面を研削してから、 ピエゾ抵抗 R l、 R 2、 A 1パッド 3、 P 1〜P 3および酉 Η 1をシリコン基板 2上に形 成するようにしてもよい。
これにより、 シリコン基板 2の厚み Τ 1が 1 0 0 / mと薄い状態で、 シリコン 基板 2をガラス基板 1に接合する必要がなくなり、 シリコン基板 2の取り扱いを
容易に行うことが可能となる。
また、 第 8の実施の形態では、 シリコン基板 2が撓みやすくするために、 くび れ 2 aを設けた例について説明した力 くびれ 2 aは必ずしも設けなくてもよレ、。 また、 第 8の実施の形態では、 半田バンプ 4の周囲のシリコン基板 2を各チッ プごとに切り離すために、 シリコン基板 2をエッチングする方法について説明し たが、 ダイシングにより、 半田バンプ 4の周囲のシリコン基板 2を各チップごと に切り離すようにしてもよい。
また、 第 8の実施の形態では、 半田バンプ 4を各チップごとに 1個づっ設ける 方法について説明したが、 半田バンプ 4を各チップごとに複数設けるようにして もよい。
図 37〜図 39は、 本発明の一実施の形態に係る傾斜角センサの半田バンプの 製造工程の一例を示す断面図である。
図 37 (a) において、 フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用 いることにより、 シリコン基板 1 1上に A 1パッド 12 a、 12 bを形成する。 次に、 図 37 (b) に示すように、 スパッタまたは蒸着により、 A 1パッド 1 2 a、 12 bが形成されたシリコン基板 1 1上に UBM (Un d e r Bump Me t a 1 ) 膜 13を形成する。
次に、 図 37 (c) に示すように、 UBM膜 13が形成されたシリコン基板 1 1上にレジスト 14を塗布し、 フォトリソグラフィー技術を用いることにより、 半田バンプを形成する領域に開口部 14 aを形成する。
次に、 図 37 (d) に示すように、 UBM膜 13を力ソード電極として、 電解 銅メツキを行うことにより、 開口部 14 aが形成された UBM膜 13上に電解銅 メツキ層 15を形成する。
次に、 図 38 (a) に示すように、 UBM膜 13を力ソード電極として、 電解 半田メツキを行うことにより、 解銅メツキ層 15上に電解半田メツキ層 16を形 成する。
次に、 図 38 (b) に示すように、 酸素プラズマ処理を行うことにより、 シリ コン基板 1 1上に形成されたレジスト 14を除去する。
次に、 図 38 (c) に示すように、 電解半田メツキ層 16が形成されたシリコ
ン基板 1 1の熱処理を行うことにより、 電解半田メツキ層 1 6を丸める。
次に、 図 3 9に示すように、 ドライエッチングまたはウエットエッチングによ り、 電解半田メツキ層 1 6の周りの U BM膜 1 3を除去する。
これにより、 シリコン基板 1 1の裏面を選択的にエッチングすることなく、 比 重の大きな電解半田メツキ層 1 6を複数のチップに対して一括して形成すること が可能となり、 傾斜角センサの製造工程を簡易化して、 傾斜角センサのコストを 下げることが可能となるとともに、 錘部材を小型ィヒして、 傾斜角センサを小型ィ匕 することが可能となる。
〔第 9の実施の形態〕
次に、 本発明の第 9の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 4 0ない し図 4 8は、 本発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角センサの製造方法の第 9の 実施の形態を示す図である。
図 4 0 ( a ) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示す 平面図、 図 4 0 ( b ) は、図 4 0 ( a ) の B 1 _ B 1線で切断した断面図である。 図 4 0において、 シリコン基板 2 1上には、 シリコン酸ィヒ膜 2 0を介して単結 晶シリコン層 2 2が形成されている。
そして単結晶シリコン層 2 2の表面上には、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2および
A 1パッド P 2 1〜P 2 3が形成されるとともに、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2と
A 1パッド P 2 1〜P 2 3を接続する酉線 H 2 1が形成されている。
また、 単結晶シリコン層 2 2の表面上には、 A 1パッド 2 3を介して半田バン プ 2 4が形成されるとともに、 単結晶シリコン層 2 2には、 ピエゾ抵抗 R 2 1、
R 2 2の配置領域に対応して、 くびれ 2 2 aが形成されている。
また、半田バンプ 2 4およびピエゾ抵抗 R 2 1、R 2 2の配置領域に対応して、 単結晶シリコン層 2 2下のシリコン酸化膜 2 0が部分的に除去され、 残存するシ リコン酸化膜 2 0を支点として、 単結晶シリコン層 2 2が橈み可能な状態に保持 されている。
これにより、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2を保持するシリコン基板 2 1の裏面を 選択的にェツチングすることなく、 撓み可能な状態でピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2 を保持しつつ、 錘部材を設けることが可能となる。
また、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 22に応力が加わるように、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 22が形成された単結晶シリコン層 22を支持する場合においても、 単結晶シ リコン層 22を薄く加工した後に、 単結晶シリコン層 22をシリコン基板 2 1に 貼り合わせる必要がなくなる。
このため、 シリコン基板 2 1に貼り合わせるための強度を確保するために、 単 結晶シリコン層 22の厚みを厚くする必要がなくなることから、 単結晶シリコン 層 22の厚みが均一化されている場合においても、 単結晶シリコン層 22を効率 よく橈ませて、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 22に効率よく応力をかけることが可能と なるとともに、 傾斜角センサの構成を簡易化して、 衝撃に対する耐性も容易に向 上させることが可能となる。
図 41 (a) 〜図 47 (a) は、 本発明の第 9の実施の形態に係る傾斜角セン サの製造工程を示す平面図、 図 4 1 (b) 〜図 47 (b) および図 48は、 本発 明の第 9の実施の形態に係る傾斜角センサの製造工程を示す断面図である。 図 4 1におレ、て、 例えば、 シリコン酸化膜 20を介し単結晶シリコン層 22が シリコン基板 2 1上に形成された 5インチ径の S〇 I基板を用意する。 ここで、 単結晶シリコン層 22の厚み T 2は、 例えば、 50 m程度、 シリコン酸化膜 2 0の厚み T3は、 例えば、 2 μπι程度とすることができる。
なお、 SO I基板としては、 例えば、 S I MOX基板またはレーザァニール基 板などを用いることができる。
次に、 図 42に示すように、 フォトリソグラフィー技術を用いて、 ホウ素など の不純物を単結晶シリコン層 22に選択的にィオン注入することにより、 単結晶 シリコン層 22上の各チップ領域にピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2を形成する。 そして、 スパッタまたは蒸着などにより、 A 1膜を単結晶シリコン層 22全面 に形成し、 フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて A 1膜のパ ターニングを行なうことにより、 単結晶シリコン層 22上の各チップ領域に A 1 パッド 23、 P 2 1〜P 23および酉 H 2 1を形成する。
ここで、 単結晶シリコン層 22の各チップ領域の幅 W2は、 例えば、 1. Om m、 長さ L2は、 例えば、 2. 2mmとすることができ、 これにより、 5インチ 径の 1枚の S O I基板から、 約 5000個の傾斜角センサチップを得ることが可
能となる。
次に、 図 4 3に示すように、 単結晶シリコン層 2 2上の各チップ領域に形成さ れた A 1パッド 2 3上に半田バンプ 2 4を形成する。
ここで、 半田バンプ 2 4の大きさ C 2は、 例えば、 0 . 6〜1 . 2 mm程度と することができ、 半田バンプ 2 4の高さ H 2は、 例えば、 0 . 1〜0 . 4 mm程 度とすることができる。
また、 半田バンプ 2 4の形成方法としては、 例えば、 電 メツキまたはスクリ ーン印刷を用いることができ、 これにより、 S O I基板から取り出される全てチ ップに対して、 半田バンプ 2 4を一括して形成することができ、 製造工程を簡略 化することができる。
また、 半田バンプ 2 4の比重は、 ガラスやシリコンに比べて 3倍以上度あるの で、 同じ錘効果を得る場合、 半田バンプ 2 4の体積を 1 Z 3以下にすることがで き、 半田バンプ 2 4の小型ィヒを図ることが可能となる。
次に、 図 4に示すように、 フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術 を用いて、 半田バンプ 2 4が形成された単結晶シリコン層 2 2を選択的にエッチ ングすることにより、単結晶シリコン層 2 2にくびれ 2 2 aを形成するとともに、 半田バンプ 2 4の周囲の単結晶シリコン層 2 2が各チップごとに切り離されるよ うにする。
なお、 単結晶シリコン層 2 2のエッチング方法としては、 例えば、 K O Hを用 いたゥエツトエッチングを用いることができる。
次に、 図 4 5に示すように、 単結晶シリコン層 2 2にくびれ 2 2 aが形成され た S O I基板を弗酸などの薬液に浸し、 単結晶シリコン層 2 2が選択的に除去さ れた部分を介して、 シリコン酸化膜 2 0を薬液に接触させる。
そして、 薬液によりシリコン酸化膜 2 0をェツチングしながら、 単結晶シリコ ン層 2 2の下方に薬液を回り込ませ、 パット P 2 1〜 P 2 3が形成された単結晶 シリコン層 2 2の下方のシリコン酸化膜 2 0を残しつつ、 半田バンプ 2 4が形成 された単結晶シリコン層 2 2の下方のシリコン酸ィヒ膜 2 0を除去する。
これにより、 半田バンプ 2 4が形成された単結晶シリコン層 2 2の下方に隙間 2 0 aを形成することができ、 残存するシリコン酸化膜 2 0を支点として単結晶
シリコン層 2 2が撓み可能な状態に、 単結晶シリコン層 2 2を保持することがで さる。
次に、 図 4 6に示すように、 単結晶シリコン層 2 2の下方に隙間 2 0 aが形成 された S O I基板をダイシングライン L 1 1、 L 1 2に沿ってダイシングするこ とにより、 半田バンプ 2 4が表面に形成されるとともに、 シリコン酸化膜 2 0で 裏面が支持された単結晶シリコン層 2 2をチップ状に切り出す。
次に、 図 4 7に示すように、 半田バンプ 2 4が表面に形成されるとともに、 シ リコン酸化膜 2 0で裏面が支持された単結晶シリコン層 2 2を、 パッケージ 2 6 内にダイボンドする。
そして、 ワイヤボンディングを行なうことにより、 パッケージ 2 6に設けられ た端子 2 7と単結晶シリコン層 2 2上に形成された A 1パッド P 2 1〜 P 2 3と を金ワイヤ 2 5で接続する。
次に、 図 4 8に示すように、 パッケージ 2 6に蓋 2 8を接着することにより、 傾斜角センサを封止する。
これにより、薄膜ィ匕された単結晶シリコン層 2 2の貼り合わせを行うことなく、 薄膜ィ匕された単結晶シリコン層 2 2を支持することが可能となり、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2が形成された単結晶シリコン層 2 2を効率よく撓ませることが可能 となる。
また、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2を支持するシリコン基板 2 1の裏面を選択的 にエッチングすることなく、 比重の大きな半田バンプ 2 4を単結晶シリコン層 2 2上に形成することが可能となり、 半田バンプ 2 4の小型化を図りつつ、 半田バ ンプ 2 4を容易に形成することが可能となる。
このため、 傾斜角センサの製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの小型 '低コ スト化を図ることが可能となるとともに、 傾斜角センサの検出精度を容易に向上 させることが可能となる。
なお、 第 9の実施の形態では、 単結晶シリコン層 2 2をシリコン酸化膜 2 0で 支持するために、 S O I基板を用いる方法について説明したが、 貼り合わせ基板 を用いるようにしてもよい。
また、第 9の実施の形態では、単結晶シリコン層 2 2が撓みやすくするために、
くびれ 2 2 aを設けた例について説明したが、 くびれ 2 2 aは必ずしも設けなく てもよい。
また、 第 9の実施の形態では、 半田バンプ 2 4の周囲の単結晶シリコン層 2 2 を各チップごとに切り離すために、 単結晶シリコン層 2 2をエッチングする方法 について説明したが、 ダイシングにより、 半田バンプ 2 4の周囲の単結晶シリコ ン層 2 2を各チップごとに切り離すようにしてもよい。
また、 第 9の実施の形態では、 半田バンプ 2 4を各チップごとに 1個づっ設け る方法について説明したが、 半田バンプ 2 4を各チップごとに複数設けるように してもよレ、。
〔第 1 0の実施の形態〕
次に、 本発明の第 1 0の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 4 9な いし図 5 5は、 本発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角測定方法の第 1 0の実施 の形態を示す図である。
本実施の形態は、傾斜角センサおよび傾斜角測定方法を、図 4 9に示すように、 複数のピエゾ抵抗により異なる方向の傾斜角 η、 φを検出する場合について適用 したものである。
図 4 9 ( a ) は、 本発明の第 1 0の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示 す平面図であり、 図 4 9 ( b ) は、 図 4 9 ( a ) の A l—A 1線で切断した断面 図である。
図 4 9において、 支持部材 1 0 1 aの上には、 支持部材 1 0 1 bが形成されて おり、 支持部材 1 0 1 bがシリコン基板 1 0 2の端部 1 0 2 aの裏面に接合して シリコン基板 1 0 2の端部 1 0 2 aを裏面から支持している。 また、 シリコン基 板 1 0 2の端部 1 0 2 bの上には、 錘部材 1 0 4が形成されている。
シリコン基板 1 0 2の端部 1 0 2 aと端部 1 0 2 bとの間には、 くびれ状の梁 部 1 0 2 cが形成されている。 このように、 支持部材 1 0 1 bで端部 1 0 2 aを 固定し端部 1 0 2 bに錘部材 1 0 4を形成したことにより、 傾斜角センサを傾け た場合、錘部材 1 0 4の重力方向が変化し、梁部 1 0 2 cが橈みまたはねじれる。 したがって、 梁部 1 0 2 cが変位可能領域となるので、 梁部 1 0 2 cの橈み度合 レ、またはねじれ度合いを測定することにより傾斜角センサの傾斜角を測定するこ
とができる。 なお、 図 49の場合において、 シリコン基板 102の撓み方向は、 シリコン基板 102の厚さ方向となり、 シリコン基板 102のねじれ方向は、 シ リコン基板 102の幅の中点を通る中心線 A 1 -A 1を軸とする回転方向となる。 シリコン基板 102は、 n型シリコン基板であり、 錘部材 104の重力方向の 変化によって撓みおよびねじれ可能となるまで薄く形成されている。 また、 結晶 面 (100) が表面となり、 < 1 10>方向がシリコン基板 102の長手方向と 一致するように形成されている。
錘部材 104は、 バンプ実装技術を用いて Auまたは半田等の金属塊をシリコ ン基板 102の表面に形成することにより形成されている。
梁部 102 cの上には、 ピエゾ抵抗 R ]. 1、 R 1 2、 R 13、 R 14、 R21、 R22、 R 23および R 24が形成されている。 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12、 R 13、 R 14、 R21、 R22、 R 23および R 24は、 シリコン基板 102の 表面にボロン等の p型不純物を拡散させまたはィォン注入することにより形成さ れている。
ピエゾ抵抗 R 1 1および R 14は、 梁部 102 cのうちシリコン基板 102の 短手方向の中点を通る中心線 A 1一 A 1を軸として線対称の位置に配置されてい る。 ピエゾ抵抗 R 21および R 24は、 中心線 A 1—A 1を軸として線対称の位 置に配置され、 かつ、 ピエゾ抵抗 R 1 1および R 14よりも中心線 A 1—A 1寄 りに配置されている。
ピエゾ抵抗 R 12および R 13は、 中心線 A 1— A 1を軸として線対称の位置 に配置され、 かつ、 ピエゾ抵抗 R 1 1および R 14とシリコン基板 102の短手 方向の位置が同一でピエゾ抵抗 R 1 1および R 14よりも錘部材 104寄りに配 置されている。 ピエゾ抵抗 R 22および R 23は、 中心線 A 1— A 1を軸として 線対称の位置に配置され、 かつ、 ピエゾ抵抗 R 21および R 24とシリコン基板 2の短手方向の位置が同一でピエゾ抵抗 R21および R24よりも錘部材 104 寄りに配置されている。
これにより、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12、 R 13、 R 14、 R21、 R22、 R 23および R 24が形成されたシリコン基板 102の裏面を選択的にエツチン グすることなく、 撓みおよびねじれ可能な状態でシリコン基板 102を支持する
ことが可能となるとともに、 既存のフリツプチップ実装技術との整合性をとりつ つ、 錘部材 104の比重を容易に増大させて、 錘部材 104の縮小化を図ること が可能となる。
このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型 ·低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
図 50 (a) は、 シリコン基板 102を長手方向に切断した断面からみたとき の傾斜角センサの座標系を定義した図であり、 図 50 (b) は、 シリコン基板 1 02を短手方向に切断した断面からみたときの傾斜角センサの座標系を定義した 図である。
図 50 (a) において、 シリコン基板 102の長手方向を X軸、 シリコン基板 102の短手方向の軸を y軸、 X軸および y軸に垂直な方向の軸を z軸と定義す る。 また、 錘部材 104の重力 Wの X軸方向成分を G X、 錘部材 104の重力 W の z軸方向成分を G zと定義する。 また、 水平面しと X軸とのなす角度を傾斜角 φ (y軸回りの傾斜角) と定義する。
図 50 ( b )において、錘部材 104の重力 Wの y軸方向成分を G yと定義し、 水平面 Lと y軸とのなす角度を傾斜角 η ( X軸回りの傾斜角) と定義する。 図 51 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12、 R 13および R 14の結線構成 を示す回路図であり、 図 51 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R23およ び R 24の結線構成を示す回路図である。
図 51 (a) において、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R12、 R 13および R 14は、 フルブリッジ回路 C 1を構成している。 フルブリッジ回路 C 1では、 ピエゾ抵抗 R 1 1の一端とピエゾ抵抗 R 13の一端を接続してピエゾ抵抗 R 1 1および R 1 3を直列に接続し、 ピエゾ抵抗 R 12の一端とピエゾ抵抗 R 14の一端を接続し てピエゾ抵抗 R 12および R 14を直列に接続している。 また、 ピエゾ抵抗 R 1 1の他端およびピエゾ抵抗 R 14の他端を電源 V iのプラス電位側に接続し、 ピ ェゾ抵抗 R 12の他端およびピエゾ抵抗 R 13の他端を電源 V iのマイナス電位 側に接続している。 ここで、 ピエゾ抵抗 R 1 1 (R 13) の一端とピエゾ抵抗 R 12 (R 14) の一端との電位差をフルブリッジ回路 C 1の出力 Vo 1とす
る。
図 5 1 (b ) において、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2、 尺 2 3ぉょび11 2 4は、 フルブリッジ回路 C 2を構成している。 フルブリッジ回路 C 2では、 ピエゾ抵抗 R 2 1の一端とピエゾ抵抗 R 2 3の一端を接続してピエゾ抵抗 R 2 1および R 2 3を直列に接続し、 ピエゾ抵抗 R 2 2の一端とピエゾ抵抗 R 2 4の一端を接続し てピエゾ抵抗 R 2 2および R 2 4を直列に接続している。 また、 ピエゾ抵抗 R 2 1の他端およびピエゾ抵抗 R 2 4の他端を電源 V iのプラス電位側に接続し、 ピ ェゾ抵抗 R 2 2の他端およびピエゾ抵抗 R 2 3の他端を電源 V iのマイナス電位 側に接続している。 ここで、 ピエゾ抵抗 R 2 1 (R 2 3) の一端とピエゾ抵抗 R 2 2 (R 2 4) の一端との電位差をフルブリッジ回路 C 2の出力 ¾EV o 2とす る。
次に、 傾斜角センサの傾斜角 Φ , ηを測定する場合を説明する。
錘部材 1 0 4の重力 Wの ζ軸方向成分 G ζにより梁部 1 0 2 cに曲げモーメン トが発生し、 梁部 1 0 2 cが撓むが、 傾斜角センサを X軸回りまたは y軸回りに 傾斜させると、 Wの方向が変化するため G zが変化し、 撓み量も変化する。 曲げ モーメントによる梁部 1 0 2 c上の X軸方向の応力 σ X 1は、 G zに比例し、 G zが下式 (1 ) の関係を満たすことから、 下式 (2) として表すことができる。
σχι OCCOS COS77 (2)
次に、 傾斜角センサを X軸回りに傾斜させると、 錘部材 1 0 4の重力方向が変 ィ匕して G yにより梁部 1 0 2 cにねじりモーメントが発生し、 梁部 1 0 2 がね じれる。 ねじりモーメントによる梁部 1 0 2 c上の X軸方向の応力 σ X 2は、 G yに比例し、 G yが下式 (3) の関係を満たすことから、 下式 (4) として表す ことができる。
なお、 G xは梁部 1 0 2 cに曲げモーメントを発生させるが、 G zによる曲げ モーメントと比較して小さレ、ので無視することができる。
ピエゾ抵抗が p型 S iであり、 シリコン基板 1 0 2の結晶面 (1 0 0) が表面
となり、 かつ、 ピエゾ抵抗の方向がシリコン基板 102の結晶方向く 1 10〉と 平行である場合、 ピエゾ抵抗の抵抗変化率 |3は、 下式 (5) により表すことがで さる。
^ = 7r44(al-at) …… (5) 上式 (5) において、 π 44は、 ピエゾ抵抗係数と呼ばれるもので、 不純物濃 度が 1018[cm3]の ρ型 S iである場合は約 1. 3 X 1 O Pa—1]となる。 また、 ひ 1は、 ピエゾ抵抗にかかる縦方向の応力、 σ tは、 ピエゾ抵抗にかかる横方向の 応力である。
ピエゾ抵抗が X軸方向を向いている場合、 σ 1は、 下式 (6) により表すこと ができる。
σΐ = σχι + σΧ2 (6) また、 a tは、 ピエゾ抵抗にかかる y軸方向の応力になるが、 σ χ 1 + σ χ 2 と比較して小さいので無視することができる。 これにより、 βは、 下式 (7) に より表すことができる。
上式 (7) において、 A, Bは、 比例定数である。
図 49に示すように、 ピエゾ抵抗が中心線 A 1— A 1を軸として線対称の位置 に配置されている場合、 対称の位置にあるピエゾ抵抗の対については、 σ χ ΐは 同一またはほぼ同一の値となり、 σ χ 2は、 絶対ィ直が同一またはほぼ同一となり 符号が逆になる。 したがって、 各ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12、 R 13、 R 14、 R21、 R22、 R 23および R 24の抵抗変化率 ]31 1、 ]312、 ]313、 β 14、 ]321、 ]322、 β 23および324は、 下式 (8) 〜 (15) により表す ことができる。
1¾12の抵抗変化率^12=(:100500)377 +015 77 (9)
R13の抵抗変化率/? 13=C1cos0cos?7— D1sin?? …… (10)
— B1sin?7 …… (11)
+B2sinT? …… (12)
(¾22の抵抗変化率 322=02<:050(:0577 +025 7 …… (13)
1^3の抵抗変化率/523=じ2(:050(:0577—025 7 …… (14)
R24の抵抗変化率^
— B2sin;? …… (15) 上式 (8) 〜 (15) において、 Al、 B l、 C l、 D l、 A2、 B 2、 C2お よび D2は、 比例定数である。
さらに、 σ X 1= σ X 2 = 0における各ピエゾ抵抗 R 1 1、 R12、 R13、 R 14、 R21、 R22、 R 23および R 24の値がすべて等しい場合、 フルブ リッジ回路 C 1の出力電圧 Vo 1およびフルブリッジ回路 C 2の出力電圧 Vo 2 は、 近似的に下式 (16) , (17) により表すことができる。
Vo1=E1sin77 …… (16)
Vo2 = E2cos cos77 …… (17) 上式 (16) , (17) において、 E l、 E2は、 下式 (18) , (19) により表す ことができる。
E1=— xVi …-. (18) r A2-C2 、,.
£2= ~ xVi (19)
すなわち、 Vo lは S i n に、 Vo 2は c o s <i> c o s にそれぞれ比例し た ί直となる。
傾斜角センサは、 出力電圧 Vo l、 V o 2に基づいて傾斜角 、 ηを算出する 斜角算出部を有している。
傾斜角算出部は、 傾斜角 < ηを測定するときは、 まず、 ステップ S 100に するようになっている。
ステップ S 100では、 E l、 Ε 2を算出する。 これには、 種々の方法がある 力 例えば、 75 = 90° および η =- 90° における V ο 1をそれぞれ測定して Vo l l、 Vo l 2とし、 また、 η =0° 、 φ = 0。 および η =0° 、 ψ = 18 0° における Vo 2をそれぞれ測定して Vo 21、 Vo 22とすれば、 E l、 E 2は、 下式 (20) , (21) により算出することができる。
E1=Vo11-Vo12 (20)
E2 = Vo21-Vo22 …… (21) なお、 ステップ S I 00は、 例えば、 工場出荷時に実施して、 算出結果を不揮 発性メモリに記憶しておけばよい。
次いで、 ステップ S 102に移行して、 Vo 1および Vo 2を算出し、 ステツ プ S 104に移行して、 下式 (22) により傾斜角 ηを算出し、 ステップ S 106 に移行して、 下式 (23) により傾斜角^を算出し、 一連の処理を終了して元の処 理に復帰させる。
0=cos-' (Vo2/(E2xcos77)) …… (23)
[実施例]
次に、 本実施の形態の実施例を説明する。
図 52は、 シリコン基板 102およびピエゾ抵抗の寸法条件を示す図である。 図 52において、 端部 102 aの長手方向 (シリコン基板 102の短手方向) の長さは 800[μηι]、端部 102 aの短手方向(シリコン基板 102の長手方向) の長さは 200 [ ιη]である。 また、梁部 102 cの長手方向 (シリコン基板 10 2の長手方向) の長さは 800[ itn]、梁部 102 cの短手方向 (シリコン基板 1 02の短手方向) の長さは 200 [/im]である。 また、 シリコン基板 102の厚さ は、 20[μπι]である。
錘部材 104の長手方向 (シリコン基板 102の短手方向) の長さは 600 [/im]、
04の短手方向 (シリコン基板 102の長手方向) の長さは 50 0[/itn]であり、 錘部材 104の厚さは 30 [μπι]である。 また、 錘辦才 104の 材質は金である。
ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 21、 R 24および R 14は、 端部 102 a力 らシリコ ン基板 102の長手方向に 150[μπι]離れたところに配置されており、ピエゾ抵 抗 R 12、 R22、 1^23ぉょび1 13は、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R21、 R 24 および R 14力 らシリコン基板 102の長手方向に 200 [/xm]離れたところに 配置されている。 また、 ピエゾ抵抗 R 24および R 23は、 ピエゾ抵抗 14およ び R 13からシリコン基板 102の短手方向に 60 m]離れたところに配置さ れており、 ピエゾ抵抗 R 21および R 22は、 ピエゾ抵抗 R 24および R 23か
らシリコン基板 102の短手方向に 40 [; um]離れたところに配置されている。ま た、 ピエゾ抵抗 R 11および R 12は、 ピエゾ抵抗 R 21および R 22からシリ コン基板 102の短手方向に 60 [μιπ]離れたところに配置されている。
各ピエゾ抵抗 R 11、 R12、 R 13、 R 14、 R21、 R22、 R23およ び R 24の長さ、幅、表面不純物濃度および拡散深さは、 それぞれ 50 [ μ m]、 1 0[μπι]、 1018[cm3]および 0. 45[μπι]である。
図 53 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 12、 R 13および R 14の結線構成 を示す回路図であり、 図 53 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R23およ び R 24の結線構成を示す回路図である。
結線構造は、 図 51と同様である。 ただし、 電源電圧 V iは、 フルブリッジ回 路 C l、 C 2ともに 5 [V]に設定した。
図 54 (a) は、 傾斜角 を一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 ff Vo lの変化を示すダラフであり、 図 54 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 φを変化させたときの出力 IffV o 1の変化を示すグラフである。
傾斜角 φ = 0に固定して傾斜角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力 «i£V 01は、図54 (a)に示すように、 s i η にほぼ比例していることが分かる。 また、 傾斜角 η =0に固定して傾斜角センサを X軸回りに傾斜させると、 出力電 圧 Vo lは、 図 54 (b) に示すように、 傾斜角 φの増減にかかわらずほぼゼロ となることが分かる。
図 55 ( a ) は、 傾斜角 φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 ff Vo 2の変化を示すグラフであり、 図 55 (b) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 φを変化させたときの出力 ff V o 2の変化を示すグラフである。
傾斜角 Φ = 0に固定して傾斜角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力 IU£ V o 2は、図 55 (a)に示すように、 c o s ηにほぼ比例していることが分かる。 また、 傾斜角 =0に固定して傾斜角センサを X軸回りに傾斜させると、 出力電 圧 Vo 2は、 図 55 (b) に示すように、 c o s φにほぼ比例していることが分 かる。
このようにして、 本実施の形態では、 表面にピエゾ抵抗が形成されたシリコン 基板 102と、 シリコン基板 102の一端でシリコン基板 102を支持する支持
部材 1 0 1 bと、 シリコン基板 1 0 2の端部 1 0 2 bに配置された錘部材 1 0 4 と、 傾斜角 Φ、 ηを算出する傾斜角算出部とを備え、 ピエゾ抵抗 R 1 1および R 1 4、 ピエゾ抵抗 R 2 1および R 2 4、 ピエゾ抵抗 R 1 2および R 1 3、 並びに ピエゾ抵抗 R 2 2および R 2 3を、 中心線 A 1— A 1を軸として線対称の位置に 配置し、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 1 2、 R 1 3および R 1 4によりフルブリッジ回 路 C 1を構成するとともに、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2、 R 2 3および R 2 4に よりフルブリッジ回路 C 2を構成し、 傾斜角算出部は、 フルブリッジ回路 C 1の 出力電圧 V o 1に基づいて傾斜角 ηを算出し、 フルブリッジ回路 C 2の出力電圧 V o 2および算出した傾斜角 ηに基づいて傾斜角 φを算出するようになっている。 これにより、 比重の大きな金バンプを錘部材 1 0 4として用いることにより、 錘部材 1 0 4の小型化を図りつつ、 既存のフリップチップ実装技術と容易に整合 性をとることが可能となり、 傾斜角センサの小型 '低コスト化を図ることが可能 となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上させることが可能となる。 また、 厚み が均一なシリコン基板 1 0 2を用いた場合においても、 異なる方向の傾斜角 η、 φを 1つの傾斜角センサで検出することができる。 また、 複数のピエゾ抵抗によ りブリツジ回路 C 1、 C 2を構成しているので、 傾斜角 η、 φの検出精度を比較 的向上させることができる。
上記第 1 0の実施の形態において、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R 1 2、 R 1 3および R 1 4は、 請求の範囲第 2 3または第 2 6項記載の第 1ピエゾ抵抗群に対応し、 ピエゾ抵抗 R 2 1、 R 2 2、 R 2 3および R 2 4は、 請求の範囲第 2 3または第 2 6項記載の第 2ピエゾ抵抗群に対応し、 フルブリッジ回路 C 1は、 請求の範囲 第 2 3または第 2 6項記載の第 1フルブリッジ回路に対応している。 また、 フル ブリッジ回路 C 2は、 請求の範囲第 2 3または第 2 6項記載の第 2フルブリッジ 回路に対応し、傾斜角算出部は、請求の範囲第 2 3項記載の第 1傾斜角算出手段、 または請求の範囲第 2 3項記載の第 2傾斜角算出手段に対応し、 傾斜角算出部に よる算出は、 請求の範囲第 2 6項記載の第 1傾斜角算出ステップ、 または請求の 範囲第 2 6項記載の第 2傾斜角算出ステップに対応してレ、る。
〔第 1 1の実施の形態〕
次に、 本発明の第 1 1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 5 6な
いし図 61は、 本発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角測定方法の第 1 1の実施 の形態を示す図である。
本実施の形態は、傾斜角センサおよび傾斜角測定方法を、図 56に示すように、 複数のピエゾ抵抗により異なる方向の傾斜角 η、 φを検出する場合について適用 したものであり、 上記第 10の実施の形態と異なるところは、 ピエゾ抵抗の配置 数および配置位置にある。 なお、 以下、 上記第 10の実施の形態と異なる部分に ついてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。 図 56は、 本発明の第 11の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示す平面 図である。
図 56において、梁部 102 cの上には、ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R33、 R34、 R 41および R 42が形成されている。
ピエゾ抵抗 R 31および R 34は、 中心線 A 1— A 1を軸として線対称の位置 に配置されている。ピエゾ抵抗 R 41は、中心線 A 1— A 1上に配置されている。 ピエゾ抵抗 R 32および R 33は、 中心線 A 1—A 1を軸として線対称の位置 に配置され、 かつ、 ピエゾ抵抗 R 31および R 34とシリコン基板 102の短手 方向の位置が同一で、 ピエゾ抵抗 R 31および R 34よりも錘部材 104寄りに 配置されている。 ピエゾ抵抗 R 42は、 中心線 A 1— A 1上に配置され、 かつ、 ピエゾ抵抗 R 41よりも錘部材 104寄りに配置されている。
これにより、 ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R33、 R34、 R41および R4 2が形成されたシリコン基板 102の裏面を選択的にェツチングすることなく、 撓みおよびねじれ可能な状態でシリコン基板 102を支持することが可能となる とともに、 既存のフリップチップ実装技術との整合性をとりつつ、 錘部材 104 の比重を容易に増大させて、 錘部材 104の縮小ィ匕を図ることが可能となる。 このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型-低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
図 57 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R 33および R 34の結線構成 を示す回路図であり、 図 57 ( b ) は、 ピエゾ抵抗 R 41および R 42の結線構 成を示す回路図である。
図 57 (a) において、 ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R 33および R 34は、 フルブリッジ回路 C 3を構成している。 フルブリッジ回路 C 3では、 ピエゾ抵抗 R 31の一端とピエゾ抵抗 R 33の一端を接続してピエゾ抵抗 R 31および R 3 3を直列に接続し、 ピエゾ抵抗 R 32の一端とピエゾ抵抗 R 34の一端を接続し てピエゾ抵抗 R 32および R 34を直列に接続している。 また、 ピエゾ抵抗 R 3 1の他端およびピエゾ抵抗 R 34の他端を電源 V iのプラス電位側に接続し、 ピ ェゾ抵抗 R 32の他端およびピエゾ抵抗 R 33の他端を電源 V iのマイナス電位 側に接続している。 ここで、 ピエゾ抵抗 R 31 (R 33) の一端とピエゾ抵抗 R 32 (R 34) の一端との電位差をフルブリッジ回路 C 3の出力 ffiVo 3とす る。
図 57 (b) において、 ピエゾ抵抗 R 41および R 42は、 ハーフブリッジ回 路 C4を構成している。 ハーフブリッジ回路 C 4では、 ピエゾ抵抗 R41の一端 とピエゾ抵抗 R 42の一端を接続してピエゾ抵抗 R 41および R 42を直列に接 続している。また、ピエゾ抵抗 R 41の他端を ¾ V iのプラス電位側に接続し、 ピエゾ抵抗 R 42の他端を電源 V iのマイナス電位側に接続している。 ここで、 ピエゾ抵抗 R 42の電位差をハーフブリッジ回路 C 4の出力電圧 Vo 4とする。 次に、 傾斜角センサの 斜角 Ψ, ηを測定する場合を説明する。
各ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R33、 R34、 R 41および R 42の抵抗変 化率 ]331、 032、 J333、 β 34、 ]341および342は、下式(24) 〜(29) により表すことができる。 なお、 下式 (24) 〜 (29) は、 上式 (1) 〜 (7) を 用いて上記第 10の実施の形態と同じ要領で導出することができる。
1^32の抵抗変化率 332 = 030)50(:0577 +035 77 (25)
(¾33の抵抗変化率533 = 03<;050(:0577—035 77 (26)
1^34の抵抗変化率 334=^3(:050(;0577—835 77 (27) 1¾41の抵抗変化率)541= 40)50(:0577 …… (28)
1^2の抵抗変化率;542 =じ4(050(:0377 (29) 上式 (24) 〜 (29) において、 A3、 B3、 C3、 D3、 A 4および C 4は、 比例定数である。
さらに、 σ x 1 =σ x 2 = 0における各ピエゾ抵抗 R3 1、 R 32、 R 33、 R 34、 R 4 1および R 42の値がすべて等しい場合、 フルブリッジ回路 C 3の 出力電圧 Vo 3およびハーフブリッジ回路 C 4の出力電圧 Vo 4は、 近似的に下 式 (30) , (31) により表すことができる。
Vo3 = E3sin?7 (30)
Vi
Vo4 = -γ- + E4cos φ cos 77 1 ) 上式 (30) , (31) において、 E 3、 E4は、 下式 (32) , (33) により表す .とができる。
B3 + D3
E3=—— - ~ xVi '-… (32)
c, A4-C4 、,·
E4= ~ xVi (33) すなわち、 Vo 3は s i n rjに、 Vo 4_V iZ2は c o s (f> c o s にそれ ぞれ比例した値となる。 したがって、 傾斜角算出部は、 上記第 10の実施の形態 と同じ要領で傾斜角 Φ、 ηを算出することができる。
[実施例]
次に、 本実施の形態の実施例を説明する。
図 58は、 シリコン基板 102およびピエゾ抵抗の寸法条件を示す図である。 図 58において、 端部 102 aの長手方向 (シリコン基板 102の短手方向) の長さは 800[μπι]、端部 102 aの短手方向(シリコン基板 102の長手方向) の長さは 200[ im]である。 また、梁部 102 cの長手方向 (シリコン基板 10 2の長手方向) の長さは 800 [/im]、梁部 102 cの短手方向 (シリコン基板 1 02の短手方向) の長さは 200 [/im]である。 また、 シリコン基板 102の厚さ は、 20 [μπι]である。
錘部材 104の長手方向 (シリコン基板 1 02の短手方向) の長さは 600 [ μ m]、錘部材 104の短手方向 (シリコン基板 102の長手方向) の長さは 50
0 [;um]であり、 錘部材 1 04の厚さは 3 0 [μιη]である。 また、 錘部材 1 04の 材質は金である。
ピエゾ抵抗 R 3 1、 R 4 1および R 3 4は、 端部 1 0 2 aからシリコン基板 1 0 2の長手方向に 1 5 0 m]離れたところに配置されており、ピエゾ抵抗 R 3 2、 4 2ぉょび1 3 3は、 ピエゾ抵抗 R 3 1、 R 4 1および R 3 4からシリコン基 板 1 0 2の長手方向に 5 0 0 [ /m]離れたところに配置されている。また、 ピエゾ 抵抗 R 4 1および R 4 2は、 ピエゾ抵抗 R 3 4および R 3 3力 らシリコン基板 1 0 2の短手方向に 8 0 [ μ m]離れたところに配置されており、ピエゾ抵抗 R 3 1お よび R 3 2は、 ピエゾ抵抗 R 4 1および R 4 2力、らシリコン基板 1 0 2の短手方 向に 8 0 [Aim]離れたところに配置されている。
各ピエゾ抵抗 R 3 1、 R 3 2、 R 3 3、 R 3 4、 R 4 1および R 4 2の長さ、 幅、表面不純物濃度および拡散深さは、それぞれ 5 0 [/im]、 1 0 [/im]、 1 018[cm3] および 0. 4 5 [/xm]である。
図 5 9 (a ) は、 ピエゾ抵抗 R 3 1、 R 3 2、 R 3 3および R 3 4の結線構成 を示す回路図であり、 図 5 9 ( b ) は、 ピエゾ抵抗 R 4 1および R 4 2の結線構 成を示す回路図である。
結線構造は、 図 5 7と同様である。 ただし、 ¾¾¾¾ϊν iは、 フルブリッジ回 路 C 3、 C 4ともに 5 [V]に設定した。
図 6 0 (a ) は、 傾斜角 φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 ¾J3E V o 3の変化を示すダラフであり、 図 6 0 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 φを変化させたときの出力 βΐίν o 3の変化を示すグラフである。
傾斜角 Φ = 0に固定して傾斜角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力 HffV o 3は、図 6 0 (a)に示すように、 s i η ηにほぼ比例していることが分かる。 また、 傾斜角 η = 0に固定して傾斜角センサを X軸回りに傾斜させると、 出力電 圧 V o 3は、 図 6 0 (b) に示すように、 傾斜角 φの増減にかかわらずほぼゼロ となることが分かる。
図 6 1 (a ) は、 傾斜角 ψを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 ¾1Ξ V o 4の変化を示すグラフであり、 図 6 1 (b) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 Φを変化させたときの出力 ffV o 4の変化を示すグラフである。
傾斜角 Φ =。に固定して傾斜角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力電圧 V o 4は、 図 6 1 ( a ) に示すように、 V i 2をオフセットとして c o s ηにほ ぼ比例していることが分かる。 また、 ί頃斜角 η = 0に固定して傾斜角センサを X 軸回りに傾斜させると、 出力 ®EV o 4は、 図 6 1 ( b ) に示すように、 V i Z 2をオフセットとして c o s φにほぼ比例していることが分かる。
このようにして、 本実施の形態では、 表面にピエゾ抵抗が形成されたシリコン 基板 1 0 2と、 シリコン基板 1 0 2の一端でシリコン基板 1 0 2を支持する支持 部材 1 0 1 bと、 シリコン基板 1 0 2の端部 1 0 2 bに配置された錘部材 1 0 4 と、 傾斜角 Φ、 ηを算出する傾斜角算出部とを備え、 ピエゾ抵抗 R 3 1および R 3 4、 並びにピエゾ抵抗 R 3 2および R 3 3を、 中心線 A 1— A 1を軸として線 対称の位置に配置し、 ピエゾ抵抗 R 4 1および R 4 2を、 中心線 A 1— A 1上に 配置し、 ピエゾ抵抗 R 3 1 、 R 3 2、 R 3 3および R 3 4によりフルブリッジ回 路 C 3を構成するとともに、 ピエゾ抵抗 R 4 1および R 4 2によりハーフブリッ ジ回路 C 4を構成し、 傾斜角算出部は、 フルブリッジ回路 C 3の出力電圧 V o 3 に基づいて傾斜角 ηを算出し、 ハーフブリッジ回路 C 4の出力電圧 V o 4および 算出した傾斜角 ηに基づいて傾斜角 φを算出するようになっている。
これにより、 比重の大きな金バンプを錘部材 1 0 4として用いることにより、 錘部材 1 0 4の小型ィヒを図りつつ、 既存のフリップチップ実装技術と容易に整合 性をとることが可能となり、 傾斜角センサの小型■低コスト化を図ることが可能 となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上させることが可能となる。 また、 厚み が均一なシリコン基板 1 0 2を用いた場合においても、 異なる方向の傾斜角 η 、 ψを 1つの傾斜角センサで検出することができる。 また、 複数のピエゾ抵抗によ りブリッジ回路 C 3、 C 4を構成しているので、 傾斜角 η 、 φの検出精度を比較 的向上させることができる。 また、 上記第 1 0の実施の形態に比して、 検出に必 要なピエゾ抵抗の数を低減することができる。
上記第 1 1の実施の形態において、 ピエゾ抵抗 R 3 1 、 R 3 2、 R 3 3および R 3 4は、 請求の範囲第 2 4または第 2 7項記載の第 1ピエゾ抵抗群に対応し、 ピエゾ抵抗 R 4 1および R 4 2は、 請求の範囲第 2 4または第 2 7項記載の第 2 ピエゾ抵抗群に対応し、 フルブリッジ回路 C 3は、 請求の範囲第 2 4または第 2
7項記載の第 1フルブリッジ回路に対応している。 また、 ハーフブリッジ回路 C 4は、請求の範囲第 2 4または第 2 7項記載の第 2ハーフブリッジ回路に対応し、 傾斜角算出部は、 請求の範囲第 2 4項記載の第 1傾斜角算出手段、 または請求の 範囲第 2 4項記載の第 2傾斜角算出手段に対応し、 傾斜角算出部による算出は、 請求の範囲第 2 7項記載の第 1傾斜角算出ステップ、 または請求の範囲第 2 7項 記載の第 2傾斜角算出ステップに対応している。
〔第 1 2の実施の形態〕
次に、 本発明の第 1 2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図 6 2な いし図 6 9は、 本発明に係る傾斜角センサおよび傾斜角測定方法の第 1 2の実施 の形態を示す図である。
本実施の形態は、傾斜角センサおよび傾斜角測定方法を、図 6 2に示すように、 複数のピエゾ抵抗により異なる方向の傾斜角 η、 φを検出する場合について適用 したものであり、 上記第 1 0の実施の形態と異なるところは、 ピエゾ抵抗の配置 数および配置位置にある。 なお、 以下、 上記第 1 0の実施の形態と異なる部分に ついてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。 図 6 2は、 本発明の第 1 2の実施の形態に係る傾斜角センサの構成を示す平面 図である。
図 6 2において、 梁部 1 0 2 cの上には、 ピエゾ抵抗 R 5 1、 R 5 2、 R 5 3 および R 5 4が形成されている。
ピエゾ抵抗 R 5 1および R 5 4は、 中心線 A 1— A 1を軸として線対称の位置 に配置されている。 ピエゾ抵抗 R 5 2および R 5 3は、 中心線 A 1— A 1を軸と して線対称の位置に配置され、 かつ、 ピエゾ抵抗 R 5 1および R 5 4とシリコン 基板 1 0 2の短手方向の位置が同一でピエゾ抵抗 R 5 1および R 5 4よりも錘部 材 1 0 4寄りに配置されている。
これにより、 ピエゾ抵抗 R 5 1、 R 5 2、 R 5 3および R 5 4が形成されたシ リコン基板 1 0 2の裏面を選択的にエッチングすることなく、 橈みおよびねじれ 可能な状態でシリコン基板 1 0 2を支持することが可能となるとともに、 既存の フリップチップ実装技術との整合性をとりつつ、 錘部材 1 0 4の比重を容易に増 大させて、 錘部材 1 0 4の縮小化を図ることが可能となる。
このため、 傾斜角センサの構成および製造工程を簡易化して、 傾斜角センサの 小型 ·低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上さ せることが可能となる。
図 63 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R53および R54の結線構成 を示す回路図であり、 図 63 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R53およ び R 54の他の結線構成を示す回路図である。
図 63 (a) において、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 1¾53ぉょび1¾54は、 フルブリッジ回路 C 5を構成してレ、る。 フルブリッジ回路 C 5では、 ピエゾ抵抗 R 51の一端とピエゾ抵抗 R 53の一端を接続してピエゾ抵抗 R 51および R 5 3を直列に接続し、 ピエゾ抵抗 R 52の一端とピエゾ抵抗 R 54の一端を接続し てピエゾ抵抗 R 52および R 54を直列に接続している。 また、 ピエゾ抵抗 R 5 1の他端およびピエゾ抵抗 R 54の他端を電源 V iのプラス電位側に接続し、 ピ ェゾ抵抗 R 52の他端およびピエゾ抵抗 R 53の他端を電源 V iのマイナス電位 側に接続している。 ここで、 ピエゾ抵抗 R 51 (R 53) の一端とピエゾ抵抗 R 52 (R 54) の一端との電位差をフルブリッジ回路 C 5の出力 ffVo 5とす る。
図 63 (b) において、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 尺53ぉょび!^54は、 フルブリッジ回路 C 5とは接続が異なるフルブリッジ回路 C 6を構成している。 フルブリッジ回路 C 6では、 ピエゾ抵抗 R 51の一端とピエゾ抵抗 R 53の一端 を接続してピエゾ抵抗 R 51および R 53を直列に接続し、 ピエゾ抵抗 R 52の 一端とピエゾ抵抗 R 54の一端を接続してピエゾ抵抗 R 52および R 54を直列 に接続している。 また、 ピエゾ抵抗 R 51の他端およびピエゾ抵抗 R 52の他端 を電源 V iのプラス電位側に接続し、 ピエゾ抵抗 R 53の他端およびピエゾ抵抗 R 54の他端を電源 V iのマイナス電位側に接続している。 ここで、 ピエゾ抵抗 R 51 (R 53) の一端とピエゾ抵抗 R 52 (R 54) の一端との電位差をフル ブリッジ回路 C 6の出力電圧 Vo 6とする。 なお、 フルブリッジ回路 C6は、 フ ルブリッジ回路 C 5の接続をスィツチング等により切り換えることにより構成す る。
次に、 傾斜角センサの傾斜角 Φ, ηを測定する場合を説明する。
各ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R 53および R 54の抵抗変化率 |351、 β 5 2、 /353および ]354は、下式(34) 〜 (37) により表すことができる。 なお、 下式 (34) 〜 (37) は、 上式 (1) 〜 (7) を用いて上記第 10の実施の形態と 同じ要領で導出することができる。
1^51の抵抗変化率^51= 5(;050(:0377+855 77 …… (34)
1¾52の抵抗変化率 352 = 05(:050(:0577 +0531'1177 …… (35)
1¾53の抵抗変化率^53 =じ50)5?5(:0577—053 77 …… (36)
1^54の抵抗変化率 354 =八5(:030(:0577—855 77 (37) 上式 (34) 〜 (37) において、 A 5、 B 5、 C 5および D 5は、 比例定数であ る。
さらに、 σ X 1 = σ X 2 = 0における各ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R53お よび R 54の値がすべて等しい場合、 フルブリッジ回路 C 5の出力電圧 Vo 5お よびフルブリッジ回路 C 6の出力電圧 Vo 6は、 近似的に下式 (38) , (39) に より表すことができる。
上式 (38) , (39) において、 E5、 E6は、 下式 (40) , (41) により表す ことができる。
E5=__B5 + D5_xV. … (40)
「。 A5-C5 .
E6= ~ xVi (41)
すなわち、 Vo 5は s ί η ηに、 Vo 6は c o s ^ c o s r]にそれぞれ比例し た値となる。 したがって、 傾斜角算出部は、 上記第 10の実施の形態と同じ要領 で傾斜角 < ηを算出することができる。
[実施例]
次に、 本実施の形態の実施例を説明する。
図 64は、 シリコン基板 102およびピエゾ抵抗の寸法条件を示す図である。
図 64において、 端部 102 aの長手方向 (シリコン基 fe 102の短手方向) の長さは 800 [/im]、端部 102 aの短手方向(シリコン基板 102の長手方向) の長さは 200 [/itn]である。 また、梁部 102 cの長手方向 (シリコン基板 10 2の長手方向) の長さは 800 [ /m]、梁部 102 cの短手方向 (シリコン基板 1 02の短手方向) の長さは 200 [/im]である。 また、 シリコン基板 102の厚さ は、 20[μηι]である。
錘部材 104の長手方向 (シリコン基板 102の短手方向) の長さは 600 [ μ m]、錘部材 104の短手方向 (シリコン基板 102の長手方向) の長さは 50 0 [/im]であり、 錘部材 104の厚さは 30 [μηι]である。 また、 錘部材 104の 材質は金である。
ピエゾ抵抗 R 51および R 54は、 端部 102 aからシリコン基板 102の長 手方向に 50 [μιη]離れたところに配置されており、ピエゾ抵抗 R 52および R 5 3は、 ピエゾ抵抗 R 51および R 54力 らシリコン基板 102の長手方向に 20 0[/im]離れたところに配置されている。また、ピエゾ抵抗 R 51および R52は、 ピエゾ抵抗 R 53および R 54からシリコン基板 102の短手方向に 160 [μηι]ϋれたところに配置されている。
各ピエゾ抵抗 R 51、 R 52、 R 53および R 54の長さ、 幅、 表面不純物濃 度および拡散深さは、 それぞれ 50 [/im]、 10[/im]、 1018[cm3]および 0. 4 5 [/zm]である。
図 65 (a) は、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R 53および R 54の結線構成 を示す回路図であり、 図 65 (b) は、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R53およ び R 54の他の結線構成を示す回路図である。
結線構造は、 図 63と同様である。 ただし、 源 ¾3EV iは、 フルブリッジ回 路 C5、 C 6ともに 5 [V]に設定した。
図 66 (a) は、 傾斜角 ψを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力
V o 5の変化を示すダラフであり、 図 66 ( b ) は、 ィ頃斜角 を一定にして ί頃斜 角 φを変化させたときの出力 SffV o 5の変化を示すグラフである。
傾斜角 φ = 0に固定して傾斜角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力 ff V o 5は、図 66 (a)に示すように、 s i η にほぼ比例していることが分かる。
また、 傾斜角 η =0に固定して傾斜角センサを x軸回りに傾斜させると、 出力電 圧 Vo 5は、 図 66 (b) に示すように、 傾斜角 の増減にかかわらずほぼゼロ となることが分かる。
図 67 (a) は、 傾斜角 φを一定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力 Sff Vo 6の変化を示すダラフであり、 図 67 ( b ) は、 傾斜角 ηを一定にして傾斜 角 φを変化させたときの出力 o 6の変化を示すグラフである。
傾斜角 Φ = 0に固定して傾^ ^角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力 v o 6は、図 67 (a)に示すように、 c o s ηにほぼ比例していることが分かる。 また、 傾斜角 η =0に固定して傾斜角センサを X軸回りに傾斜させると、 出力電 圧 Vo 6は、 図 67 (b) に示すように、 c o s φにほぼ比例していることが分 かる。
図 68 (a) は、 錘部材 104の材質を変化させた場合において傾斜角 φを一 定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力電圧 V o 5の変化を各材質ごとに示す グラフであり、 図 68 ( b ) は、 錘部材 104の材質を変化させた場合にぉレ、て 傾斜角 ηを一定にして傾斜角 φを変化させたときの出力 ¾£V o 5の変化を各材 質ごとに示すグラフである。
傾斜角 φ = 0に固定して傾斜角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力 miiv o 5は、図 68 (a)に示すように、 s i η ηにほぼ比例していることが分かる。 錘部材 104を設けない場合は、 変化がほとんどなレ、。 錘部材 104を S iで構 成した場合は、 錘部材 104を設けない場合に比して変ィ匕がやや大きレヽ。 錘部材 104を半田 ( S n 63 %、 Pb 3 7 %) で構成した場合は、 S iで構成した場 合に比して変化がやや大きレ、。 錘部材 104を A uで構成した場合は、 錘部材 1 04を半田で構成した場合に比して変化がやや大きレ、。 図 66 (a) は、 錘部材 104を A uで構成した場合である。
また、 傾斜角 = 0に固定して傾斜角センサを X軸回りに傾斜させると、 出力 電圧 Vo 5は、 図 68 (b) に示すように、 傾斜角 φの増減および材質にかかわ らずほぼゼロとなることが分かる。
図 69 (a) は、 錘部材 104の材質を変化させた場合において傾斜角 φを一 定にして傾斜角 ηを変化させたときの出力電圧 Vo 6の変化を各材質ごとに示す
グラフであり、 図 69 (b) は、 錘部材 104の材質を変ィ匕させた場合において 傾斜角 ηを一定にして傾斜角 Φを変化させたときの出力 mj£V o 6の変化を各材 質ごとに示すグラフである。
傾斜角 φ = 0に固定して傾斜角センサを y軸回りに傾斜させると、 出力 ®3EV o 6は、図 69 (a)に示すように、 c o s ηにほぼ比例していることが分かる。 錘部材 104を設けない場合は、 変化がほとんどなレ、。 錘部材 104を S iで構 成した場合は、 錘部材 104を設けない場合に比して変ィ匕がやや大きレヽ。 錘部材 104を半田 (S n 63 %、 P b 37%) で構成した場合は、 S iで構成した場 合に比して変化がやや大きレ、。 錘部材 104を A uで構成した場合は、 錘部材 1 04を半田で構成した場合に比して変化がやや大きレ、。 図 67 (a) は、 錘部材 104を A uで構成した場合である。
また、 傾斜角 =0に固定して傾斜角センサを X軸回りに傾斜させると、 出力 ¾王 Vo 6は、 図 69 (b) に示すように、 c o s φにほぼ比例していることが 分かる。 各材質ごとの変化については図 69 (a) と同様である。
このようにして、 本実施の形態では、 表面にピエゾ抵抗が形成されたシリコン 基板 102と、 シリコン基板 102の一端でシリコン基板 102を支持する支持 部材 101 bと、 シリコン基板 102の端部 102 bに配置された錘部材 104 と、 傾斜角 Φ、 を算出する傾斜角算出部とを備え、 ピエゾ抵抗 R 51および R 54、 並びにピエゾ抵抗 R 52および R 53を、 中心線 A 1— A 1を軸として線 対称の位置に配置し、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R53および R54によりフ ルブリッジ回路 C 5を構成するとともに、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R53お よび R 54によりフルブリッジ回路 C 5とは接続が異なるフルブリッジ回路 C 6 を構成し、 傾斜角算出部は、 フルブリッジ回路 C 3の出力電圧 Vo 3に基づいて 傾斜角 ηを算出し、 ハーフブリッジ回路 C 4の出力電圧 Vo 4および算出した傾 斜角 ηに基づいて傾斜角 φを算出するようになっている。
これにより、 比重の大きな金バンプを錘部材 104として用いることにより、 錘部材 104の小型化を図りつつ、 既存のフリップチップ実装技術と容易に整合 性をとることが可能となり、 傾斜角センサの小型 '低コスト化を図ることが可能 となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上させることが可能となる。 また、 厚み
が均一なシリコン基板 1 0 2を用いた場合においても、 異なる方向の傾斜角 η、 φを 1つの傾斜角センサで検出することができる。 また、 複数のピエゾ抵抗によ りブリッジ回路 C 5、 C 6を構成しているので、 傾斜角 η、 φの検出精度を比較 的向上させることができる。 また、 上記第 1 0の実施の形態に比して、 検出に必 要なピエゾ抵抗の数を低減することができる。 また、 出力電圧 V o 6にオフセッ トを含まないので、 上記第 1 1の実施の形態に比して、 傾斜角 η、 φの検出精度 を向上させることができる。
上記第 1 2の実施の形態において、 ピエゾ抵抗 R 5 1、 R 5 2、 R 5 3および R 5 4は、 請求の範囲第 2 5または第 2 8項記載の第 1ピエゾ抵抗群に対応し、 フルブリッジ回路 C 5は、 請求の範囲第 2 5または第 2 8項記載の第 1フルブリ ッジ回路に対応し、 フルブリッジ回路 C 6は、 請求の範囲第 2 5または第 2 8項 記載の第 2フルブリッジ回路に対応している。 また、 傾斜角算出部は、 請求の範 囲第 2 5項記載の第 1傾斜角算出手段、 または請求の範囲第 2 5項記載の第 2傾 斜角算出手段に対応し、 傾斜角算出部による算出は、 請求の範囲第 2 8項記載の 第 1傾斜角算出ステップ、 または請求の範囲第 2 8項記載の第 2傾斜角算出ステ ップに対応している。
〔第 1 3の実施の形態〕
次に、本発明の第 1 3の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図 7 0は、 本発明に係る方位角センサの第 1 3の実施の形態を示す図である。
図 7 0は、 本発明に係る方位角センサの構成を示すプロック図である。
図 7 0において、 方位角センサには、 3軸磁気センサ 1 0 1、 磁気センサ駆動 電源部 1 0 2、 チヨッパ部 1 0 3、 磁気センサ増幅部 1 0 4、 磁気センサ A/D 変換部 1 0 5、 感度 'オフセット補正部 1 0 6、 傾斜角センサ 1 0 7、 傾斜角セ ンサ増幅部 1 0 8、 傾斜角センサ AZD変換部 1 0 9、 傾斜補正部 1 1 0および 方位角計算部 1 1 1が設けられている。
3軸磁気センサ 1 0 1には、 方位角センサの縦方向を X軸として X軸方向の地 磁気成分を検出する X軸地磁気センサ H E χ、 方位角センサの横方向を y軸とし て y軸方向の地磁気成分を検出する y軸地磁気センサ H E yおよび方位角センサ の厚さ方向を z軸として Z軸方向の地磁気成分を検出する z軸地磁気センサ H E
zが設けられている。
チヨッパ部 1 0 3は、 X軸地磁気センサ H E x、 y軸地磁気センサ H E yおよ び z軸地磁気センサ H E zをそれぞれ駆動する端子を切り換えるためのもので、 磁気センサ駆動電源部 1 0 2から出力された駆動電圧を、 X軸«気センサ H E x、 y軸地磁気センサ H E yおよび z軸地磁気センサ H E zにそれぞれ印加し、 X軸地磁気センサ H E X、 y軸地磁気センサ H E yおよび z軸地磁気センサ H E zから出力されたセンサ信号を時分割的に磁気センサ増幅部 1 0 4に出力するよ うになっている。
磁気センサ A/D変換部 1 0 5は、 X軸地磁気センサ H E x , y軸地磁気セン サ H E yおよび z軸地磁気センサ H E zからのセンサ信号を A/D変換し、 変換 したデジタルデータをそれぞれ X軸地磁気測定データ、 y軸地磁気測定データお よび z軸地磁気測定データとして感度 ·オフセット補正部 1 0 6に出力するよう になっている。
感度 ·オフセット補正部 1 0 6は、 磁気センサ A/D変換部 1 0 5からの X軸 地磁気測定データ、 y軸地磁気測定データおよび z軸地磁気測定データに基づレヽ て、 X軸地磁気センサ H E x、 y軸地磁気センサ H E yおよび z軸地磁気センサ
H E zのオフセットおよび感度補正係数を算出し、 算出したオフセットおよび感 度補正係数に基づいて、 X軸地磁気測定データ、 y軸地磁気測定データおよび z 軸地磁気測定データを補正するようになっている。
傾斜角センサ 1 0 7は、 X軸を回転軸とする傾斜角 ηおよび y軸を回転軸とす る傾斜角 Ψを検出し、 出力されたセンサ信号を傾斜角センサ増幅部 1 0 8へ出力 するようになつている。
傾斜角センサ A/D変換部 1 0 9は、 傾斜角センサ 1 0 7からのセンサ信号を
AZD変換し、 変換したデジタルデータを傾斜角 η測定データおよび傾斜角 Φ測 定データとして傾斜補正部 1 1 0へ出力するようになっている。
傾斜補正部 1 1 0は、 傾斜角センサ AZD変換部 1 0 9からの傾斜角 η測定デ ータおよび傾斜角 Φ測定データに基づいて、 感度 'オフセット補正部 1 0 6から の X軸地磁気測定データ、 y軸地磁気測定データおよび z軸地磁気測定データを 補正するようになっている。
方位角計算部 1 1 1は、 傾斜補正部 1 1 0からの X軸地磁気測定データ、 y軸 地磁気測定データおよび Z軸地磁気測定データに基づレ、て方位角を算出するよう になっている。
これにより、 方位角センサの大型化およびコストアップを抑えつつ、 方位角セ ンサを水平面に置くことなく方位角を比較的正確に計測することが可能となる。 上記第 1 3の実施の形態において、 X軸方向の地磁気成分、 y軸方向の地磁気 成分および z軸方向の地磁気成分は、 請求の範囲第 2 9項記載の地磁気成分に対 応し、 3軸磁気センサ 1 0 1は、 請求の範囲第 2 9項記載の地磁気検出手段に対 応し、 X軸地磁気測定データ、 y軸地磁気測定データおよび∑軸¾¾気測定デー タは請求の範囲第 2 9項記載の地磁気データに対応し、 傾斜角センサ 1 0 7は、 請求の範囲第 2 9項記載の傾斜角センサに対応し、 傾斜角 η測定データおよ 頃 斜角 Φ測定データは、 請求の範囲第 2 9項記載の傾斜角データに対応し、 傾斜捕 正部 1 1 0および方位角計算部 1 1 1は、 請求の範囲第 2 9項記載の方位角算出 手段に対応している。
〔第 1 4の実施の形態〕
次に、 本発明の第 1 4の実施の形態を説明する。
本発明に係る携帯電話は、 第 1 3の実施の形態における方位角センサを携帯電 話に内蔵したものである。
これにより、 携帯電話の大型ィ匕およびコストアップを抑えつつ、 携帯電話を水 平に保つことなくユーザーが普段使う姿勢のままで方位角を比較的正確に計測す ることが可能となる。
なお、 上記第 1ないし第 1 2の実施の形態においては、 シリコン基板上にピエ ゾ抵抗を形成する方法について説明したが、 G e基板や I n S b基板を用いるよ うにしてもよレ、。
また、上記第 1ないし第 1 2の実施の形態にぉレ、て、傾斜角センサは、例えば、 電子ペット、 ロボット、 ゲームコントローラなどのモーションセンサ、 ゲーム機 などの携帯端末の傾斜による画面操作装置、携帯端末用ナビグ一シヨンシステム、 傾斜 ·振動 ·感振などのモニタ装置などに利用することができる。
また、 上記第 1ないし第 1 2の実施の形態においては、 傾斜角センサについて
説明したが、 加速度センサに適用してもよい。
また、 上記第 8および第 9の実施の形態においては、 金属錘部材として半田バ ンプを例にとつて説明したが、 金バンプを用いるようにしてもよい。
また、 上記第 8および第 9の実施の形態においては、 1軸の傾斜角センサを例 に取って説明したが、 2軸の傾斜角センサに適用するようにしてもよい。
また、 上記第 10の実施の形態においては、 ピエゾ抵抗 R 1 1、 R12、 R 1 3および R 14の向きをシリコン基板 102の長手方向とした力 これに限らず、 対となるピエゾ抵抗の向きが同一であるならば、 それらの向きをシリコン基板 1 02の短手方向としてもよい。
図 71は、 ピエゾ抵抗 R 11、 R 12、 R 13および R 14の配置を示す図で ある。
図 71 (a) において、 ピエゾ抵抗 R 11および R 14は、 シリコン基板 10 2の長手方向を向いて配置されており、 ピエゾ抵抗 R 12および R 13は、 シリ コン基板 102の短手方向を向いて配置されている。
図 71 (b) において、 ピエゾ抵抗 R 11、 R 12、 R 13および R 14はい ずれも、 シリコン基板 102の短手方向を向いて配置されている。
また、 上記第 10の実施の形態においては、 ピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R 2 3および R 24の向きをシリコン基板 102の長手方向としたが、これに限らず、 対となるピエゾ抵抗の向きが同一であるならば、 それらの向きをシリコン基板 1 02の短手方向としてもよレ、。
図 72は、 ピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R23および R24の配置を示す図で ある。
図 72 (a) において、 ピエゾ抵抗 R 21および R 24は、 シリコン基板 10 2の長手方向を向いて配置されており、 ピエゾ抵抗 R 22および R 23は、 シリ コン基板 102の短手方向を向いて配置されている。
図 72 (b) において、 ピエゾ抵抗 R 21、 R22、 R 23および R 24はい ずれも、 シリコン基板 102の短手方向を向いて配置されている。
また、 上記第 11の実施の形態においては、 ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R3 3および R 34の向きをシリコン基板 102の長手方向としたが、これに限らず、
対となるピエゾ抵抗の向きが同一であるならば、 それらの向きをシリコン基板 1 02の短手方向としてもよレ、。
図 73は、 ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R 33および R 34の配置を示す図で ある。
図 73 (a) において、 ピエゾ抵抗 R 31および R 34は、 シリコン基板 10 2の長手方向を向いて配置されており、 ピエゾ抵抗 R 32および R 33は、 シリ コン基板 102の短手方向を向いて配置されている。
図 73 (b) において、 ピエゾ抵抗 R 31、 R32、 R 33および R 34はい ずれも、 シリコン基板 102の短手方向を向いて配置されている。
また、 上記第 1 1の実施の形態においては、 ピエゾ抵抗 R 41および R 42の 向きをシリコン基板 102の長手方向としたが、 これに限らず、 対となるピエゾ 抵抗の向きが同一であるならば、 それらの向きをシリコン基板 102の短手方向 としてもよレ、。
図 74は、 ピエゾ抵抗 R 41および R 42の配置を示す図である。
図 74において、 ピエゾ抵抗 R 41および R 42はいずれも、 シリコン基板 1 02の短手方向を向いて配置されている。
また、 上記第 12の実施の形態においては、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R5 3および R 54の向きをシリコン基板 102の長手方向とした力 これに限らず、 対となるピエゾ抵抗の向きが同一であるならば、 それらの向きをシリコン基板 1 02の短手方向としてもよレ、。
図 75は、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R53および R54の配置を示す図で ある。
図 75 (a) において、 ピエゾ抵抗 R 51、 R52、 R 53および R 54はい ずれも、 シリコン基板 102の短手方向を向いて配置されている。
図 75 (b) において、 ピエゾ抵抗 R 51および R 54は、 シリコン基板 10 2の長手方向を向いて配置されており、 ピエゾ抵抗 R 52および R 53は、 シリ コン基板 102の短手方向を向いて配置されている。 産業上の利用可能性
以上説明したように、 本発明に係る請求の範囲第 1ないし第 1 0項記載の傾斜 角センサ、 または請求の範囲第 1 1ないし第 1 6項記載の傾斜角センサの製造方 法によれば、 変位部を形成するために、 フォトリソグラフィー技術を用いた選択 的なェツチングを行なう必要がなくなり、 傾斜角センサの構成および製造工程を 簡易化して、 傾斜角センサのコストを下げることが可能となるとともに、 衝撃に 対する耐性も向上させることが可能となるという効果が得られる。
一方、 本発明に係る請求の範囲第 1 7ないし第 1 9項記載の傾斜角センサ、 ま たは請求の範囲第 2 0ないし第 2 2項記載の傾斜角センサの製造方法によれば、 変位部を形成するために、基板の裏面を選択的にェツチングする必要がなくなる。 また、 比重の大きな金属バンプを錘部材として用いることにより、 錘部材の小型 化を図りつつ、 既存のフリップチップ実装技術と容易に整合性をとることが可能 となる。 したがって、 傾斜角センサの小型'低コスト化を図ることが可能となる とともに、 衝撃に対する耐性も向上させることが可能となるという効果が得られ る。
一方、 本発明に係る請求の範囲第 2 3項記載の傾斜角センサによれば、 変位部 を形成するために、基板の裏面を選択的にエッチングする必要がなくなる。また、 比重の大きな金属バンプを錘部材として用いることにより、 錘部材の小型化を図 りつつ、既存のフリツプチップ実装技術と容易に整合性をとることが可能となる。 したがって、傾斜角センサの小型'低コスト化を図ることが可能となるとともに、 衝撃に対する耐性も向上させることが可能となるという効果が得られる。 また、 厚みが均一な橈み板を用いた場合においても、 2軸の傾斜角を 1つの傾斜角セン サで検出することができるという効果も得られる。 また、 複数のピエゾ抵抗によ りプリッジ回路を構成しているので、 2軸の傾斜角の検出精度を比較的向上させ ることができるという効果も得られる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 4項記載の傾斜角センサによれば、 変位 部を形成するために、 基板の裏面を選択的にエッチングする必要がなくなる。 ま た、 比重の大きな金属バンプを錘部材として用いることにより、 錘部材の小型化 を図りつつ、 既存のフリップチップ実装技術と容易に整合性をとることが可能と なる。 したがって、 傾斜角センサの小型'低コスト化を図ることが可能となると
ともに、衝撃に対する耐性も向上させることが可能となるという効果が得られる。 また、 厚みが均一な撓み板を用いた場合においても、 2軸の傾斜角を 1つの傾斜 角センサで検出することができるという効果も得られる。 また、 複数のピエゾ抵 抗によりプリッジ回路を構成しているので、 2軸の傾斜角の検出精度を比較的向 上させることができるという効果も得られる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 5項記載の傾斜角センサによれば、 変位 部を形成するために、 基板の裏面を選択的にエッチングする必要がなくなる。 ま た、 比重の大きな金属バンプを錘部材として用いることにより、 錘部材の小型ィ匕 を図りつつ、 既存のフリップチップ実装技術と容易に整合性をとることが可能と なる。 したがって、 傾斜角センサの小型'低コスト化を図ることが可能となると ともに、衝撃に対する耐性も向上させることが可能となるという効果が得られる。 また、 厚みが均一な橈み板を用いた場合においても、 2軸の傾斜角を 1つの傾斜 角センサで検出することができるという効果も得られる。 また、 複数のピエゾ抵 抗によりプリッジ回路を構成しているので、 2軸の傾斜角の検出精度を比較的向 上させることができるという効果も得られる。
一方、 本発明に係る請求の範囲第 2 6項記載の傾斜角測定方法によれば、 請求 の範囲第 2 3項記載の傾斜角センサと同等の効果が得られる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 7項記載の傾斜角測定方法によれば、 請 求の範囲第 2 4項記載の傾斜角センサと同等の効果が得られる。
さらに、 本発明に係る請求の範囲第 2 8項記載の傾斜角測定方法によれば、 請 求の範囲第 2 5項記載の傾斜角センサと同等の効果が得られる。
一方、 本発明に係る請求の範囲第 2 9項記載の方位角センサによれば、 請求の 範囲第 1項ないし第 1 0項、 請求の範囲第 1 7項ないし第 1 9項、 または請求項 第 2 3項ないし第 2 5項記載の傾斜角センサを用いて地磁気データの傾斜補正を 行うことにより、 方位角センサの大型ィ匕およびコストアップを抑えつつ、 方位角 センサを水平面に置くことなく方位角を比較的正確に計測することが可能となる。 —方、 本発明に係る請求の範囲第 3 0項記載の携帯電話によれば、 請求の範囲 第 2 9項記載の方位角センサを用いることにより、 携帯電話の大型ィ匕およびコス トアツプを抑えつつ、 携帯電話を水平に保つことなくユーザーが普段使う姿勢の
ままで方位角を比較的正確に計測することが可能となる。