WO2003077824A1

WO2003077824A1 - Instillateur, sterilisable a haute temperature

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Publication number: WO2003077824A1
Application number: PCT/JP2003/003036
Authority: WO
Inventors: Yukio Kusu
Original assignee: Santen Pharmaceutical Co., Ltd.
Priority date: 2002-03-18
Filing date: 2003-03-13
Publication date: 2003-09-25
Also published as: KR101014638B1; CA2477418A1; TW200304805A; KR20040093056A; TWI287980B; CN1642511A; US20050159715A1; EP1486192A1; AU2003221379A1; EP1486192A4; CN100475175C

Description

明細書高温滅菌可能点眼容器技術分野

本発明は、医療用点眼液を点眼自在に収容する医療用点眼容器（以下単に点眼容器と称する）及び点眼具に関する。背景技術

医療用点眼液を充填する点眼容器としては、例えば、第 6図あるいは第 7図に示すようなものがある。即ち、中空円筒状に形成された容器本体 1 0に中栓 1 1 を装着し、キャップも含めると点眼具全体として 3部材から形成される、いわゆる 3ピース型点眼容器（第 6図）や、プロ一成型技術により注液筒部と容器本体とを一体に形成してある一体成形型容器（第 7図）、いわゆるボトルパック点眼容器が汎用されている。このボトルパック点眼容器にあっては、プロ一成形又は真空成形と同時に所定量の薬液が充填 ·密封される。特に第 7図の容器は、可撓性のある熱可塑性材料製の容器本体 Aの雄ネジ 5 aに、容器本体 Aの先端部に注液孔を貫通形成するための針状突起 9を一体形成したキャップ Bを脱着自在に螺合させる構造である。この容器は、該キャップ Bの通常の閉止位置よりも一段深い締込み側への螺合操作により、キャップ Bの針状突起 9で容器本体 Aの先端の注液部に注液孔 6 cを形成するものである。さらに、このほかの点眼容器として、たとえば特開 2 0 0 1— 1 2 0 6 3 9号公報に示すように上記ポトルパック点眼容器の先端部分を、中栓機能を有する先端形状にするとともに、ここにあらかじめ注液孔 6 cを形成した、いわゆる開ロボトルパック点眼容器が考えられている。点眼薬は、人体における特に鋭敏な器官である目に直接投与されるために、点眼時まで無菌状態に保つことが厳しく求められている。そのため、前記 3ピース型点眼容器などでは、各部材を E Oガス、電子線または γ線にて滅菌した後薬液を充填して作製される。

一方ボトルパック点眼容器や、開口ボトルパック点眼容器の場合は、プロ一成型法等により加熱条件下に一体成形されるので、特に容器の滅菌を必要とせずに薬液の充填が可能となる。

しかしながら、いずれの場合であっても、薬液は滅菌してある状態で前記点眼容器に充填される必要があるので、蒸気滅菌法ゃメンプレンフィルタを用いた濾過滅菌法等により滅菌した後、厳格な条件の整った無菌室で無菌充填する。ただし、このような充填法によると、充填作業が繁雑で作業効率が低くなり、また、高額な設備投資が必要となる。

上述の技術に対しては、もし、薬液を充填した後、点眼容器ごとまとめて加熱滅菌できれば、滅菌操作は、一度に集約でき、かつ、無菌充填の必要が無くなる。この場合、上述の高額な設備投資も省略できることになる。また、従来は各滅菌操作毎の滅菌状態の点検も入念に行う必要があつたが、まとめて加熱滅菌することとすると、このような点検作業も最終滅菌作業後に行うだけでよいことになるから、作業性が向上することになる。

そこで、長年にわたり点眼容器を薬液とともにまとめて滅菌する技術が研究されているが未だ成功にいたっておらず、このような技術を可能とする点眼容器が嘱望されている。

前記 3ピース型点眼容器では、一般に、容器本体と、中栓とが異なる材質の榭脂から形成されている。即ち、前記容器本体は、薬液の押出吐出を容易にするために軟質の樹脂で成型されている。前記中栓は、薬液の定量吐出を確実にするために、比較的硬質な樹脂から形成される。

このように、前記容器本体と前記中栓とが異なる材質で形成され、樹脂材料相互に熱収縮率が異なるために、一体に組み立てた後に加熱滅菌しようとすると、中栓が容器本体に脱落したり、組み立てしろがゆるくなつたりして、液密性が確保しにくくなる。また、前記容器本体と、前記中栓とを比較的硬質な材料で成型すると、両者を嵌合組み立てする際の寸法精度が問題になりやすく、やはり、液密性の確保に問題が生じやすかつた。さらに容器本体が硬質であると、薬液の押出吐出に大きな力を要することになり、操作性の低下する要因となる。

一方、前記ポトルパック点眼容器や開口ポトルパック点眼容器のように一体成形されるものの場合には、中栓が無いので、中栓の脱落の問題は無いが、薬液の押出吐出を容易にしたり、成型性を維持したりするために、通常、軟質の樹脂で形成される。

しかし、軟質樹脂で成型した容器は、加熱滅菌の際に溶融変形を起こしやすい。そのため、注液孔 6 cの形状が不安定になり、薬液の点眼吐出量が変動するなど、医療用等の用途に不向きになるという問題点があった。

従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑み、製造容易かつ滅菌容易で、無菌保証をより確実にでき、しかも、点眼操作性に優れた点眼容器を提供することにある。発明の開示

本発明者らは、 1 2 1 °Cで 2 0分間加熱するとすベての菌が死滅することに着目し、鋭意研究を行った結果、この条件に耐え、かつ溶融、変形を起こさない樹脂材料を用いて一体成形することにより所望の点眼容器が得られるのではないかと考え、本発明に想到した。

本発明の点眼容器の特徴構成は、

1 2 1 °C条件下で 2 0分間維持して滅菌した時に、実質的に溶融、変形しない樹脂材料から一体成形された点にある。

前記樹脂材料がポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマーであることが好ましく、

さらに、前記ポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマーのポリエチレン含有率が 1〜 1 0 %であることが好ましく、特に 3〜 5 %である事が好ましい。尚、可撓性のある中空円筒状の胴部に、二本の指先で把持可能な窪み部が形成されていることが好ましい。

さらに、このような医療用点眼容器を用いた点眼具としては、医療用点眼容器に螺合装着可能なキャップを備え、

前記医療用点眼容器の先端部に備えられる注液筒部に、先端側ほど内径が大となる有底円錐状の凹部を窪み形成し、この凹部の底部に注液部を設けていることを特徴とする。

上述したように、従来の点眼容器は、たとえば容器本体と、中栓とを別途滅菌し、さらにそれらを無菌条件下で組み立て、滅菌済みの薬液を無菌充填しなければならなかった。この点、本発明の点眼容器は、 1 2 1 °C条件下で 2 0分間維持して滅菌した時に、実質的に溶融、変形しない樹脂材料で一体成形してあるから、薬液を充填した後、 1 2 1 °C、 2 0 ^間の条件下で滅菌することができる。従つて従来の煩雑な作業工程を、点眼容器の作製、薬液の充填を行った後の一度の滅菌作業ですませる事ができるようになり、製造作業工程の簡略化を果たすことができた。また、このような滅菌処理は、通常の細菌類がすべて死滅すると言われている厳格な滅菌処理であるので、一回の滅菌操作で無菌保証を確実に行える。尚、前記樹脂材料としては、ポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマ一としてあれば、耐熱性が高く、上述の滅菌処理が可能になるばかりではなく、硬質といえども比較的点眼操作容易な程度に柔軟な材料であるから、加工性が高く、容器本体と中栓とを一体形成してある点眼容器を作業性よく製造でき、また、点眼操作性も良好に維持することができる。

さらに、前記ポリプロピレンーポリエチレンランダムコポリマーのポリエチレン含有率は、 1〜 1 0 %、特に 3〜5 %としてあることにより、上述の耐熱性を損なわずに、加工性、点眼作業性を両立できる硬さの樹脂材料とすることができる。

尚、前記点眼容器を可撓性のある中空円筒状の胴部に、二本の指先で把持可能な窪み部が形成されているものとしてあれば、容器内の薬液を投与する際、容器の胴部に形成された窪み部を、二本の指先で把持するから、指先の把持位置が安定する。しかも、容器の胴部を押圧操作するとき、その指先に接触している胴部の一部が既に窪み形成されているから、円筒状の胴部の一部を弾性復元力に抗して窪み変形させる場合に比して、その押圧操作力を軽減することができる。従って、中空円筒状の胴部に窪み部を形成するだけの簡単かつ安価な改造でありながら、従来の点眼容器に比して持ち易く、しかも、押圧操作力の軽減化によつて点眼操作性を改善することができるから、容器内の薬液を正確、容易に投与することができるようになる。

さらに、前記点眼容器を用いた点眼具としては、その点眼容器に螺合装着可能なキャップを備えると、前記点眼容器に前記キャップを螺合装着して衛生的に保存できる装着状態と、前記キャップをはずして点眼操作可能にする非装着状態とに切り替えられる。

前記医療用点眼容器の先端部に備えられる注液筒部に、先端側ほど内径が大となる有底円錐状の凹部を窪み形成し、この凹部の底部に注液部を設けることにより、中栓機能を持たせ、点眼時の一滴量を一定に調整できるようになる。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の点眼具の概略構成を示す図であり、

第 2図は、キヤップと点眼容器が分離した状態での点眼容器先端近傍の正面断面図であり、

第 3図は、キヤップを点眼容器に螺合した状態での点眼容器先端近傍の正面断面図であり、

第 4図は、点眼容器の全体側面図であり、

第 5図は、滴下投与時の使用状態を示す図であり、

第 6図は、中栓を備えた点眼容器を有する点眼具を示す図であり、

第 7図は、注液孔を貫通形成可能に構成される点眼容器の側断面図であり、第 8図は、点眼容器のプロ一成形又は真空成形による成形工程図であり、第 9図は、点眼具の製造方法を示す工程説明図である。発明を実施するための最良の形態

以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

第 1図〜第 5図は、主として医療用に用いられる本発明の点眼具を示し、この点眼具は、ブロー成形又は真空成形と同時に所定量の薬液が充填ざれた、可撓性のある熱可塑性材料製の点眼容器 Aと、該点眼容器 Aのネジ筒部 5に形成された雄ネジ 5 aに着脱自在に螺合されるキャップ Bとから構成されている。

ここで、第 1図は本発明の点眼具の概略構成を示す図、第 2図はキャップと点眼容器が分離した状態での点眼容器先端近傍の状態を示す図、第 3図は螺合一体化した状態を示す図、第 4図は点眼容器の全体側面図、第 5図は滴下投与時の状態を示す図である。前記点眼容器 Aは、内側に彎曲する円形状の底部 1と、これの周縁に連なる中空円筒状の胴部 2と、該胴部 2の肩部分 2 aに連続する円筒状の首部 3と、該首部 3の上側位置から直径方向外方に膨出する円環状段部 4と、これの上側に連続する雄ネジ 5 aを備えたネジ筒部 5と、これの上側に連続する注液口 6 aを備えた注液筒部 6とから構成されている。

この点眼容器 Aの構成材料である 1 2 1 °C条件下で 2 0分間維持して滅菌した時に、溶融、変形しない樹脂材料としては、ポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマー、ポリプロピレン等があり、成形された点眼容器 A全体が弾性変形可能に構成される。

これらの材料特性として、 M Iが挙げられ、好ましい M Iは 0 . 2〜2 . 5でより好ましくは 0 . 3〜1 . 5である。

また、ポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマーとしては、エチレンを 1 ~ 1 0 %、特に 3〜 5 %含有するプロピレンのランダム重合体を適用することができ、成形加工性が十分であり、上述の滅菌条件にも十分耐えるので、点眼容器の製造に適している。

また、ポリプロピレンを適用する際には、上述の滅菌条件には十分耐えるが、点眼容器の形状によっては成形が困難な場合があるため、単純形状の点眼容器の成形に適する。

第 2図に示すように、前記点眼容器 Aの注液筒部 6には、注液口 6 a側（先端側）ほど内径が大となる有底円錐状の凹部 6 bが窪み形成され、この凹部 6わの底部に形成される注液部には小径の注液孔 6 cが形成されている。

前記凹部 6 bの深さは 2〜7 m :nの範囲、好ましくは、 5〜 7 mmの範囲、最も好ましくは 6 m mに構成するとともに、前記注液口 6 aの口径（口元径）は、薬液の液性に合わせて f 2 »1 ^1〜£ 4 111 ^1の範囲で調整する。

1滴量を一定化（目的に合わせて 1滴量当たり 2 5〜5 O p Lの範囲内に調整）するため、表面張力が大きい液性の場合は、前記注液口 6 aの口径を小さくし、表面張力が小さい液性の場合は、前記注液口 6 aの口径を大きくする。

更に、前記注液孔 6 cは、 f 0 . 1 mm ~f 0 . 8 m mの範囲の怪の針を用いて形成する。この針の径は、小さい方が好ましく、 f 0 . 2 m m程度が最も好ましいが、あまり小さいと技術的に困難となるので、実際には、 f 0 . 4 m m〜： f O . 6 m mの範囲の針を用いる。

従って、前記注液口 6 aの口径、前記凹部 6 bの深さ、さらに、前記注液孔 6 cの孔径を適切に設定することで、前記胴部 2の指による押圧操作に連れて点眼容器 Aから押出される液滴量を設定量に制御可能である。

第 1図、第 4図に示すように、前記点眼容器 Aの胴部 2には、二本の指先で把持可能な窪み部 7が形成されており、更に、この窪み部 7は、胴部 2の円周方向二箇所で、かつ、容器軸線 Xを挟んで相対向する部位の各々に窪み形成された偏平又はほぼ偏平な一対の挟持面 7 aから構成されている。

前記各挟持面 7 aは、容器軸線 X方向視においては胴部 2の他の部位の曲率よりも小さな曲率で緩やかに彎曲形成されているとともに、容器軸線 X方向と直行する径方向視（正面視）では、その容器軸線 X方向の両端部分を除く中間部分が容器軸線 Xと平行な直線状に構成されている。もちろん、この面を全体彎曲形成しても良い。

前記キャップ Bには、点眼容器 Aの雄ネジ 5 aに螺合したとき、該点眼容器 A の凹部 6 bに内嵌して密封する第一密封凸部 1 5がー体形成されている。

この第一密封凸部 1 5の突出量は、 0 . 6〜 1 . 0 m m程度である。

以上の構成を有することにより、キャップ Bを点眼容器 Aに良好に螺合させて一体化することができる。

このキャップ Bの材料は、ポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマーである。

[点眼具の製造方法]

以下、本願の点眼具の製造方法について、点眼容器の製造、キャップとの一体化の順に説明する。

前記凹部 6 b及ぴ注液孔 6 cが形成される前の点眼容器 Aの製造方法については、当該技術分野において周知であるので、第 8図に基づいて簡単に説明する。第 8図（a ) に示すように、前記点眼容器 Aの円環状段部 4から底部 1までの範囲の部分を成形するための第 1キヤビティ 2 0を備えた一対の主成形金型 2 1 と、点眼容器 Aのネジ筒部 5及び注液筒部 6を成形するための第 2キヤビティ 2 2を備えた一対の副成形金型 2 3とを開き作動させた状態で、それらの上部に配置した押出し機ヘッド 2 4から、両金型 2 1， 2 3間を通して垂直方向に沿って細長く中空チューブ状の半溶融熱可塑性材料である所定長さのパリソン 2 5を押出す。

次に、第 8図（b ) に示すように、前記主成形金型 2 1を閉じ作動させるとともに、圧縮空気の吹き込み作用又は真空作用によって、主成形金型 2 1の成形面 2 1 aに沿ってパリソン 2 5を膨張させながら成形する。この状態で、第 8図（b ) に示すように、薬剤供給管 2 6から所定量の液体（薬液）を充填する。

この液体充填工程が終了すると、第 8図（c ) に示すように、前記副成形金型 2 3を閉じ作動させるとともに、圧縮空.気の吹き込み作用又は真空作用によって、副成形金型 2 3の成形面に沿ってパリソン 2 5を膨張させながら成形し、成形と同時に充填された液体を密封（封入）する。そして、第 8図（d ) の工程で作業を完了する。

次に、上述の如くブロー成形又は真空成形された点眼容器 Aの先端部である注液筒部 6に有底円錐状の凹部 6 b及び小径の注液孔 6 cを形成する製造方法について説明する。

第 9図（a ) 〜 ( d ) に示す第 1方式の製造方法では、前記有底円錐状の凹部 6 bを成形する金属製の凸状成形型 3 0と、前記注液孔 6 cを形成する金属製の針状成形型 3 1とを用いる。

前記凸状成形型 3 0は、取付け軸 3 0 Aの先端部に、有底円錐状の凹部 6 bを成形する円錐状成形突起 3 0 Bと、点眼容器 Aの注液筒部 6の外周面を成形する椀状（釣り鐘状）の成形面 3 0 Cとを形成して構成されており、また、前記針状成形型 3 1は、取付け軸 3 1 Aの先端部に、小径の注液孔を形成する針状成形突起 3 1 Bを形成して構成されている。

そして、この第 1方式の製造方法では、第 9図（a ) に示すように、点眼容器 Aの先端部である注液筒部 6の一部を、温風若しくはハロゲンランプ、 'レーザー光線等の第 1加熱手段 Cで室温又は 7 0 °C ~ 1 5 0 °Cに加熱する。加熱温度は、点眼容器 Aの材質、形状にもよるが、点眼容器 Aの先端が少し軟化する温度が望ましい。点眼容器 Aの熱可塑性材料が、ポリエチレンのように柔らかい樹脂材料である場合では、加熱しないと先端部が座屈するので、少なくとも前記凸状成形型 3 0 で成形される部位を、成形前に第 1加熱手段 Cで座屈しない温度に加熱する必要がある。しかし、座屈に耐え得る樹脂材料や形状の場合、即ち、凸状成形型 3 0 の容器軸線 X方向からの押圧に耐え得る場合では、室温でも成形が可能である。次に、第 9図（b ) に示すように第 1加熱手段 Cで加熱された点眼容器 Aの注液筒部 6の一部が冷えないうちに、前記凸状成形型 3 0を容器軸線 X方向から押し当て、点眼容器 Aの注液筒部 6に、注液孔 6 a側ほど内径が大となる有底円錐状の凹部 6 bを成形する。

このとき、前記凸状成形型 3 0の椀状成形面 3 0 Cにより、点眼容器 Aの注液筒部 6の外周面に突出しているブロー成形時のパリを除去することができる。前記凸状成形型 3 0自体は、成形される点眼容器 Aの注液筒部 6の形状と肉厚に合わせ、室温から 1 5 0 °Cの範囲で温度制御する。加熱温度として注液筒部 6 の先端の冷却固化を考慮し、できるだけ低い温度が望ましい。

この凸状成形型 3 0は、充填される液体の液性に合わせて簡単に交換できるようにする。

次に、第 9図（c )、 ( d ) に示すように、前記点眼容器 Aの注液筒部 6に形成された凹部 6 bの底部中央位置に対して、針状成形型 3 1を容器軸線 X方向から押し当て、胴部 2の指先による押圧操作に連れて点眼容器 Aから押出される液滴量を設定量に制御可能な小径の注液孔を形成する。

この針状成形型 3 1の針状突起 3 1 Bによる注液孔 6 cの形成工程において、針状突起 3 1 Bを室温のままで作業する方法と、針状突起 3 1 Bを加熱してから作業する方法が提案される。採用すべき方法は、形成する注液孔 6 cの形状や凹部 6 bの形状、されには容器のその他の形状や材質、製造コストなどの条件に応じて選択される。加熱を要する場合の加熱温度としては、針状成形型 3 1の少なくとも針状突起 3 1 Bを、容器材質の樹脂が溶融する温度、 1 3 0 °C〜 1 8 0 °C の範囲に加熱すると好適である。

針状成形型 3 1の加熱は、高周波誘導加熱、ハロゲンランプ、温風等の第 2加熱手段 Dにより行い、針状成形型 3 1の付根である取付け軸 3 1 Aは、ウォータージャケット、圧縮空気等の冷却手段 Eで冷却するように構成する。

そして、前記針状成形型 3 1が所定温度にまで冷却された時点で、該針状成形型 3 1を所定形状に成形された点眼容器 Aの注液筒部 6から容器軸線 X方向に沿つて抜き取る。

前記針状成形型 3 1は、樹脂の剥離性、離型性を良くするため、表面にメツキ若しくはフッ素樹脂コーティング、特殊メツキの表面処理を施しても良い。この表面処理は、高温に耐えられ、かつ、簡単に剥離しないものが望ましい。

上記のようにして、容器本体 Aを得ることができるが、他方、本願に使用するキャップ Bを、予め、これまで説明してきた所定の形状に成形して得ておく。さて、上記のようにして容器本体 Aの製造を終了して後、容器本体 Aに対してキヤップを最初に装着する初期装着時にあっては、前記容器本体 Aの熱可塑性材料がその可塑性を保持し、且つ、キャップ Bの螺合を行っても、容器本体 Aの外形概略形状が崩れないある程度の可塑性を有する状態において、キャップ Bを容器本体 Aに螺合させる。

この時、キャップ B側には、前記第一密封凸部 1 5を備えた構成が採用されるため、前記第一密封凸部 1 5が凹部 6 bに密着る状態とされ、その気密状態が確保される。

以上の構成を採用することにより、密封性の優れた、使用勝手のよい点眼容器を得ることができた。

〔実施例〕

上述の実施の形態に従って、種々の成型条件、滅菌温度条件下で容量 5 m 1の点眼容器を得たところ、前記窪み部 7において表 1に記載の薬液押出性能が得られた。 PP樹脂

2. 2g 18. 73

12it

2. O g 13. 82 20分

1. 8 g 12. 11

2, 2g 17. 79

115t

： ppランダムコポリマ一 2. O g 13. 23

20分

(サンァロマ PB 222A) 1. 8g 11. 30

2. 2 g 18. 17 PE4%含有 110t

2. O g 13. 08 20分

1. 8 g 10. 87

2. 2 g 17. 09

105¾

2. O g 13. 22 20分

1. 8 g 12. 54

2. 2 g 14. 96

121。C

2. O g 13. 90 20分

i. 8 g 11, 09

2. 2g 14. 58

115t

PPランダムコポリマー 2. O g 14. 95

20分

(ノバテック PP EG8) 1. 8 g 10. 64

2. 2g 15. 31

PE3%含有 not

2. O g 14. 87

20分

Ϊ. 8 g 11. 5

2. 2 g 15. 68

105°C

2. Og 14. 06 20分

1. 8g 10. 36 この表から、上述の樹脂材料を用いて点眼容器を一体成形すると、 1 . 8 gの樹脂で 5 m 1容器を成型した場合であっても、 1 2 1 °C、 2 0分の滅菌操作にも耐えるものが容易に成型でき、また、その場合の薬液押出操作性についても 1 0 〜1 2 N程度の良好な値に設定できることが判った。尚、押出操作性は、以下のようにして測定する。：

水を収容した点眼容器 Aを、前記注液筒部 6を下向きにして、この点眼容器 A の窪み部 7の外側面中央部分を押圧可能に挟持する、前記注液筒部 6の凹部 6 b を除く内部に水が充満していないこと（前記注液口 6 a付近に空気が滞留していないこと）を確認してから、前記点眼容器を挟持する間隔を狭めて前記窪み部 7 を押圧し、前記製点眼容器の注液口 6 aから 1滴の水が滴下するのに要する押圧操作力を、デジタルフォースゲージで測定した。

押出応力に関して言えば、押出応力が 2 O N以上になると、点眼操作時に使用者が指先に強い抵抗を感じることになるので、 1 5 N以下に設定しておくことが好ましい。尚、上述と同じ樹脂材料で、同様の滅菌条件に耐える窪み部を有さない点眼容器を形成したところ、押出応力が 3 5 . 3 N ( 3 . 6 4 k g f ) 程度になり、本発明のものはきわめて点眼操作性に優れていることがわかった。

〔別実施形態〕

上述の各実施形態では、ブロー成形又は真空成形された容器本体 Aの注液筒部 6に、注液口 6 a側ほど内径が大となる有底円錐状の凹部 6 bと、胴部 2の指先による押圧操作に連れて容器本体 Aから押出される液滴量を設定量に制御可能な小径の注液孔 6 c とを予め形成してある点眼容器について説明したが'、本願発明は、このような点眼容器に限定されるものではなく、第 6図に示すように、プロ一成形又は真空成形と同時に所定量の薬液が充填 ·密封された可撓性のある熱可塑性材料製の容器本体 Aの雄ネジ 5 aに、容器本体 Aの先端部に注液孔を貫通形成するための針状突起 9を一体形成してあるキヤップ Bを脱着自在に螺合して、該キャップ Bの通常の閉止位置よりも一段深い締込み側への螺合操作により、キヤップ Bの針状突起 9で容器本体 Aの先端の注液部に注液孔 6 cを形成するように構成してある。

尚、その他の構成は、実施の形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、実施の形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。

また、上述の実施の形態においては、窪み部の形成されている点眼容器について説明したが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、窪み部の形成されていないものにも適用することができ、さらには、円筒形のものに限らず、楕円状であってもよく、種々の形態を採用でき、用いられる樹脂材料、用途、等に基づいて適宜設定される。産業上の利用可能性

製造容易かつ滅菌容易で、無菌保証をより確実にでき、しかも、点眼操作性に優れた点眼容器を提供することができる。

Claims

請求の範囲

1. 121°C条件下で 20分間維持して滅菌した時に、溶融、変形しない樹脂材料から一体成形された医療用点眼容器。

2. 前記樹脂材料がポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマーである請求項 1に記載の医療用点眼容器。 -

3. 前記ポリプロピレン一ポリエチレンランダムコポリマーのポリエチレン含有率が 3〜 5 %である請求項 2に記載の医療用点眼容器。

4. 可撓性のある中空円筒状の胴部に、二本の指先で把持可能な窪み部が形成されている請求項 1に記載の医療用点眼容器。

5. 請求項 1〜 4のいずれかに記載の医療用点眼容器 Aに螺合装着可能なキヤップ Bを備え、

前記医療用点眼容器の先端部に備えられる注液筒部（6) に、先端側（6 a) ほど内径が大となる有底円錐状の凹部（6 b) を窪み形成し、この凹部（6 b) の底部に注液部を設けてある点眼具。