明 細 書 携帯端末を用いた近距離無線通信システム及びその無線通信装置 技術分野
この発明は、 携帯端末を用いた近距離無線通信システム及びその無線 通信装置に関し、 詳しくは携帯端末と無線通信装置との間で近距離無線 通信を確立するためのパラメ一夕設定の省力化に関する。 背景技術
近年、 携帯電話や個人情報端末 (PDA) のような携帯端末において、 ブルートゥース (B l u e t o o t h) や無線 LAN (例えば I EEE 802. l i b) の規格に準拠した近距離無線通信機能を備えたものが 実用化され、 そのような携帯端末を用いた種々のサービスが可能になつ てきている。
例えば、 イベント会場やデパ一ト等において、 展示品や商品に関する 情報を会場又は店内に設置したアクセスポイントから近距離無線通信に よって送信する情報提供サービスが検討されている。 このようなサーピ スを利用すれば、 来客である携帯端末のユーザは、 自分の所持する携帯 端末を用いて会場案内や展示品又は商品に関する情報提供サービスを受 けることができる。 それにより、 イベント会場又は店舗の中で目的の展 示品や商品に容易に迪りつくことができる。 あるいは、 関心のある展示 品や商品に関する詳しい情報を携帯端末にダウンロードし、 又は印刷出 力をすることができる。
このような近距離無線通信に使用されるブル一トゥースや無線 LAN による通信手順では、 通信を確立するために種々の通信パラメ一タを設
定する必要がある。 従来は、 このようなパラメ一夕設定を携帯端末のュ 一ザが手入力で行う必要があった。
図 6は、 従来の携帯端末を用いた近距離無線通信システムの例を示す ブロック図である。 この例では、 アクセスポイントに設置された通信中 継装置である無線通信装置 5 1は、 有線通信手段 5 1 1によって有線ネ ットワーク 5 3を介して、 サ一バ 5 4に接続されている。 また、 携帯端 末 5 2との無線通信インタ一フェイス 5 1 2を備えている。 携帯端末 5 2も無線通信インターフェイス 5 2 1を備え、 無線通信装置 5 1との近 距離無線通信によって、 ネッ卜ワーク 5 3上のサーバ 5 4にアクセスす ることができる。
携帯端末 5 2が近距離無線通信によって無線通信装置 5 1と接続する ためには、 以下の手順を経る必要がある。 まず、 ネットワーク 5 3で使 用されている通信手順 (プロトコル) をネットワーク管理者から取得す る。 例えば、 ネットヮ一ク 5 3で使用されているプロトコルが T C P Z I Pである場合は、 携帯端末 5 2が使用する I Pアドレス、 ネットマス ク、 デフォルトゲートウェイ、 及び D N Sを設定しなければならない。 更に、 携帯端末 5 2が近距離無線通信によって無線通信装置 5 1に接続 するために使用する無線周波チャンネル、 グループ名、 認証キー、 暗号 キーを設定する必要がある。 これらの通信パラメ一夕 5 5は、 携帯端末 5 2に備えられたキーパッド等を含む初期設定入力手段 5 2 2を用いて 利用者が手入力で設定する必要がある。
このように、 従来の携帯端末を用いた近距離無線通信システムでは、 アクセスポイントの無線通信装置との近距離無線通信を行うのに先立つ て、 携帯端末の通信パラメータ設定に多大の労力と時間を要する問題が あった。 前述の例において、 イベント会場やデパート等に集まる携帯端 末のユーザが自分の携帯端末をアクセスポイントの無線通信装置に接続
してサーバからの情報提供サービスを受けるためには、 自分の携帯端末 に所定の通信パラメータを設定する必要があり、 多数のユーザがそのた めに時間と労力を費やすことになる。
本発明は、 上記のような従来の課題に鑑み、 携帯端末を用いた近距離 無線通信システムにおいて、 携帯端末における近距離無線通信の確立の ためのパラメ一夕設定の省力化を可能にすることを目的とする。 発明の開示
本発明による近距離無線通信システムは、 ネットワークを介して情報 提供用のサーバに接続された通信中継用の無線通信装置と、 前記サーバ から情報提供を受けるために近距離無線通信によって前記無線通信装置 に接続する携帯端末とからなる近距離無線通信システムであって、 前記 無線通信装置は、 前記ネットワークに接続する.ためのネットワークイン ターフェイスと、 前記携帯端末との近距離無線通信を行うための無線通 信インターフェイスと、 前記携帯端末との近距離無線通信に先立って通 信確立のための接続情報を前記携帯端末との間で交換する接続情報交換 部と、 前記接続情報交換部による接続情報の交換処理及び前記接続情報 に基づく前記携帯端末との通信確立処理の制御を行う無線通信管理部と を備え、 前記携帯端末は、 前記無線通信装置との近距離無線通信を行う ための無線通信イン夕一フェイスと、 前記無線通信装置との近距離無線 通信に先立って通信確立のための接続情報を前記無線通信装置との間で 交換する接続情報交換部と、 前記接続情報交換部による接続情報の交換 処理及び前記接続情報に基づく前記無線通信装置との通信確立処理の制 御を行う無線通信管理部とを備えていることを特徴とする。
上記の接続情報の交換は、 無線通信装置と携帯端末との間で接続情報 が双方向に送受信される形態でもよいし、 無線通信装置から携帯端末へ
の一方向に接続情報が送受信される形態でもよい。
また、 前記無線通信装置の接続情報交換部と前記携帯端末の接続情報 交換部とが互いに接触する接続端子を備え、 その接続端子間の接触によ つて前記接続情報が送受信されることが好ましい。 あるいは、 前記無線 通信装置の接続情報交換部と前記携帯端末の接続情報交換部とが無線通 信、 光通信、 及び光学読み取りのような非接触の情報伝達手段によって 前記接続情報の送受信を行うように構成してもよい。 非接触の情報伝達 手段を用いる場合は、 情報伝達手段に指向性を持たせることが好ましい。 前記接続情報は、 D N S、 ゲートウェイを含むサーバ情報、 プリンタ アドレス、 メールアドレス、 ウェブァドレスを含むサービス情報、 及び 暗号情報のうちの少なくとも 1つを含むことが好ましい。 また、 接続情 報の有効期限を示す日付情報が接続情報に含まれていることも好ましい c 本発明による無線通信装置は、 ネットワークを介して情報提供用のサ —バに接続され、 近距離無線通信機能を有する携帯端末に対するサーバ の情報提供サービスを中継するためにアクセスポイントに設置される無 線通信装置であって、 前記ネットワークに接続するためのネットワーク インタ一フェイスと、 前記携帯端末との近距離無線通信を行うための無 線通信ィンターフェイスと、 前記携帯端末との近距離無線通信に先立つ て通信確立のための接続情報を前記携帯端末との間で交換する接続情報 交換部と、 前記接続情報交換部による接続情報の交換処理及び前記接続 情報に基づく前記携帯端末との通信確立処理の制御を行う無線通信管理 部とを備えていることを特徴とする。
好ましくは、 前記接続情報交換部は、 前記携帯端末との電気接続のた めの接続端子を備え、 該接続端子を介して前記接続情報の送受信を行う。 あるいは、 前記接続情報交換部は、 無線通信、 光通信、 及び光学読み取 りのような非接触の情報伝達手段によって前記接続情報の送受信を行う。
非接触の情報伝達手段を用いる場合は、 情報伝達手段に指向性を持たせ るようにすることが好ましい。
また、 無線通信装置は、 前記携帯端末との近距離無線通信に先立って、
D N S、 ゲートウェイを含むサーバ情報、 プリンタアドレス、 メ一ルァ ドレス、 ウェブアドレスを含むサービス情報、 及び暗号情報のうちの少 なくとも 1つを含む接続情報を前記接続情報交換部を介して前記携帯端 末に送信することが好ましい。
更に、 無線通信装置は、 前記携帯端末との近距離無線通信に先立って、 前記携帯端末の特定情報及び接続プロトコルを含む接続情報を前記接続 情報交換部を介して前記携帯端末から受信することが好ましい。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の実施形態に係る携帯端末を用いた近距離無線通信シ ステムの例を示すブロック図である。
図 2は、 図 1に示した近距離無線通信システムの要部を抽出して示す 第 1例のブロック図である。
図 3は、 携帯端末と無線通信装置との間の情報の送受信に関する第 1 例の説明図である。
図 4は、 図 1に示した近距離無線通信システムの要部を抽出して示す 第 2例のブロック図である。
図 5は、 携帯端末と無線通信装置との間の情報の送受信に関する第 2 例の説明図である。
図 6は、 従来の携帯端末を用いた近距離無線通信システムの例を示す ブロック図である。 発明を実施するための最良の形態
添付の図面に従って、 本発明をより詳細に説明する。
図 1は、 本発明の実施形態に係る携帯端末を用いた近距離無線通信シ ステムの例を示すブロック図である。 この例では、 イベント会場のァク セスポイントに携帯端末 1との近距離無線通信を行うための無線通信装 置 2が設置され、 情報提供用のサーバ 4と無線通信装置 2がネットヮー ク 3を介して接続されている。 ィベント会場に設置される無線通信装置 2は 1台でも複数台でもよい。 例えばイベント会場が複数の展示室 (又 はブース) からなる場合は、 展示室 (又はブース) ごとにアクセスボイ ン卜を設け、 各アクセスポイントに少なくとも 1台の無線通信装置 2を 設置する。
イベント会場を訪れた人は、 自分が所持する携帯端末 1を用いて、 ァ クセスボイントに設置された無線通信装置 2との間でブルートゥース (B l u e t o o t h) や無線 LAN (例えば I E E E 802. 1 1 b) の規格に準拠した近距離無線通信を行い、 ネットワーク 3上のサー バ 4から展示会場の案内や展示物に関する情報を取得することができる。 携帯端末 1は、 ブルートゥースや無線 L ANの規格に準拠した近距離 無線通信用の無線通信ィンターフェイス 1 1を備えた携帯電話や個人情 報端末 (PDA) 等の情報機器端末である。 無線通信インターフェイス 1 1は、 PDC (パーソナルディジタルセルラー) や CDMA (符号分 割多元接続) のような携帯電話インターフェイスであってもよい。 携帯 端末 1は、 無線通信インターフェイス 1 1の他に、 液晶表示器等を用い た表示部 1 2、 キ一パッド等を含む操作部 1 3、 無線通信管理部 14、 及び接続情報交換部 1 5を備えている。
無線通信管理部 14は、 接続情報交換部 1 5を介して行われる接続情 報の交換や無線通信インターフェイス 1 1を介して行われる通信確立処 理の制御を行う処理装置 (CPU) 141、 接続情報を一時記憶するメ
モリ 1 4 3、 及び接続情報を永続的に記憶する記憶装置 1 4 2を含む。 接続情報交換部 1 5は、 近距離無線通信に先立って無線通信装置 2と の間で通信パラメ一夕等の接続情報の交換を行うための通信手段であり, 種々の接続方式が可能である。 例えば、 接続端子による電気接続、 ケ一 ブルを用いた有線接続 (例えば U S B、 I E E E 1 3 9 4、 パラレル). 赤外線通信 (例えば I r D A方式) 又は無線電波通信 (第 2の近距離無 線通信) を用いた非接触方式のうちのいずれかを採用することができる t 表示部 1 2及び操作部 1 3は接続情報の表示及び接続情報交換のための 操作にも使用される。
アクセスポイントに設置される無線通信装置 2も、 携帯端末 1と同様 に、 無線通信インターフェイス 2 1、 表示部 2 2、 操作部 2 3、 無線通 信管理部 2 4及び接続情報交換部 2 5を備えている。 無線通信管理部 2 4は、 接続情報の交換や通信確立処理の制御を行う処理装置 (C P U) 2 4 1、 接続情報を一時記憶するメモリ 2 4 3、 接続情報を永続的に記 憶する記憶装置 2 4 2を含む。
無線通信インターフェイス 2 1には、 携帯端末 1の無線通信インター フェイス 1 1と同様に、 ブル一トゥース、 無線 L A N又は携帯電話イン ターフェイスが採用される。 接続情報交換部 2 5も携帯端末 1の接続情 報交換部 1 5と同様に、 接続端子方式、 ケーブル接続方式、 非接触方式 のいずれかの接続方式が採用される。 無線通信装置 2は更に、 情報提供 用のサーバ 4が接続されたネットヮ一クに接続するためのネットワーク インターフェイス 2 6を備えている。
携帯端末 1の接続情報交換部 1 5と無線通信装置 2の接続情報交換部 2 5とが接触方式又はケーブル接続方式で接続情報の交換を行う場合は、 混信やノイズの影響を小さくすることが容易である。 非接触方式を採用 する場合は、 混信やノイズの影響を小さくするために、 接続情報交換部
1 5 , 2 5に指向性を持たせることが好ましい。 例えば、 赤外線通信の 場合は指向性を狭くすることが容易である。 無線電波通信 (第 2の近距 離無線通信) を用いる場合は、 アンテナの形状等を工夫することにより 指向性を持たせることができる。
次に、 携帯端末 1と無線通信装置 2との間で交換される接続情報の詳 細について説明する。 無線通信装置 2から携帯端末 1に送信される接続 情報には、 D N S、 ゲートウェイを含むサーバ情報、 プリンタアドレス、 メールアドレス、 ウェブアドレスを含むサービス情報、 及び暗号情報 (鍵情報) のうちの少なくとも 1つが含まれる。 その他に、 無線通信装 置の機器 I D、 ユーザ認証用パスワード、 サーバ 4からの情報提供の対 象となる情報に関するメタ情報等^含めてもよい。 更に、 接続情報の有 効期限を示す日付情報を接続情報に含めてもよい。 これにより例えば、 イベント開催期間のみ、 あるいは開催期間のうちの特定日のみを接続可 能とすることができる。
また、 携帯端末 1から無線通信装置 2に送信される接続情報には、 携 帯端末の機器アドレス (マックアドレス、 ブル一トゥースアドレス) 及 び接続プロトコルが含まれる。 その他に、 ユーザ認証用パスワードを含 めてもよい。
接続情報の交換は、 必ずしも双方向に行う必要は無く、 少なくとも無 線通信装置 2から携帯端末 1に上記の接続情報を送信すればよい。 まず、 接続情報の交換が無線通信装置 2から携帯端末 1への一方向のみで行わ れる例を図 2及び図 3に基づいて説明する。
図 2は、 図 1に示した近距離無線通信システムの要部を抽出して示す 第 1例のブロック図である。 図 3は、 携帯端末と無線通信装置との間の 情報の送受信に関する第 1例の説明図である。
図 2に破線の矢印で示すように、 この例では、 無線通信装置 2の接続
情報交換部 2 5から携帯端末 1の接続情報交換部 1 5へ一方向に接続情 報が送受信される。 図 3において、 まず、 携帯端末 1と無線通信装置 2 との間で無手順による接続確立が行われる (# 1 0 1 )。 例えば、 展示 室 (ブース) の入口に設けられたアクセスポイントに設置された無線通 信装置 2に携帯端末 1をセットすれば自動的に接続確立が行われる。 特 定のキー操作によって接続確立が行われるようにしてもよい。
接続確立の後、 無線通信装置 2 (接続情報交換部 2 5 ) から携帯端末 1 (接続情報交換部 1 5 ) へ接続情報の送信が行われる (# 1 0 2 )。 接続情報には、 D N S、 ゲートウェイを含むサーバ情報、 プリンタアド レス、 メールアドレス、 ウェブアドレスを含むサービス情報、 及び暗号 情報 (暗号鍵) 等が含まれる。 その他に、 T C P / I Pプロトコルのた めの I Pアドレスや W I N S、 ネットマスクが含まれる場合もある。 ま た、 接続相手の認証のためのパスワードを含めてもよい。 無線通信装置 2の無線通信管理部 2 4の処理装置 2 4 1 (図 1参照) は、 このような 接続情報を記憶装置 2 4 2から読み出して接続情報交換部 2 5に与える c 携帯端末 1では、 接続情報交換部 1 5が受信した接続情報を無線通信 管理部 1 4の処理装置 1 4 1 (図 1参照) がメモリ 1 4 3に記憶させる と共に、 不揮発性の記憶装置 1 4 2に登録する。 ここまでの処理は、 接 触方式又は赤外線通信等による非接触方式の接続情報交換部 1 5及び 2 5を介して行われる。
この後、 携帯端末 1から無線通信装置 2に対して無線通信ィンタ一フ ェイス 1 1を使用してサーバ 4への接続要求が送信される (# 1 0 3 ) c このとき、 携帯端末 1の無線通信管理部 1 4は、 すでに取得しているサ ーバ情報やサービス情報を含む接続情報を使用して、 所望のサービス及 びサーバ 4を選択し、 暗号化を行う。 これにより、 所望のサ一ビスをォ ンラインで検索するといつた手順を省略することができる。 例えば、 展
示品に関する詳細情報の印刷を携帯端末 1のユーザが希望する場合は、 所望のプリンタアドレスを指定する。
無線通信装置 2は、 無線通信インターフェイス 2 1を介して携帯端末 1からの接続要求を受信し、 携帯端末 1と無線通信装置 2との間で近距 離無線通信による接続確立が行われる (# 1 04)。 この後、 携帯端末 1のユーザは、 無線通信装置 2を介してネットヮ一ク 3に接続し、 所望 の情報をサーバ 4から取得することができる。
次に、 携帯端末 1と無線通信装置 2との間で接続情報の交換が双方向 に行われる例を図 4及び図 5に基づいて説明する。
図 4は、 図 1に示した近距離無線通信システムの要部を抽出して示す 第 2例のブロック図である。 図 5は、 携帯端末と無線通信装置との間の 情報の送受信に関する第 2例の説明図である。
図 4に破線の矢印で示すように、 この例では、 無線通信装置 2の接続 情報交換部 2 5と携帯端末 1の接続情報交換部 1 5との間で双方向に接 続情報が送受信される。 図 5において、 無手順による接続確立 (# 2 0 1 ) 及び無線通信装置 2 (接続情報交換部 2 5) から携帯端末 1 (接続 情報交換部 1 5) へ接続情報の送信 (# 2 0 2) については、 図 3に示 した処理 (# 1 0 1及び # 1 0 2) と同様である。 この後、 本例では携 帯端末 1から無線通信装置 2への接続情報の送信が行われる (# 2 0 3 )。 携帯端末 1から無線通信装置 2への接続情報には、 携帯端末 1の MACアドレスやブルートゥースアドレスのような特定情報及び接続プ 口トコルの情報が含まれる。
この後の携帯端末 1から無線通信装置 2に対して無線通信ィン夕一フ ェイス 1 1を使用してサーバ 4への接続要求を送信する処理 (# 2 0 4) は、 図 3に示した処理 (# 1 0 3) と同様である。 接続要求を受信 した無線通信装置 2は、 近距離無線通信による接続確立に先立って、 携
帯端末 1から受信した接続情報 (特定情報) に基づいて接続を許可して よいか否かをチェックし、 許可してよいと判断したときのみ接続許可を 携帯端末 1に送信する。 そして、 携帯端末 1と無線通信装置 2との間で 近距離無線通信による接続確立が行われ (# 206)、 携帯端末 1のュ 一ザは無線通信装置 2を介してネットワーク 3に接続し、 所望の情報を サーバ 4から取得することができる。 この例では、 携帯端末 1の MAC アドレスやブルートゥースアドレスのような特定情報をあらかじめ無線 通信装置 2が受信して登録しておき、 接続要求があつたときにその特定 情報を参照して接続を許可してよいか否かをチェックするので、 図 3に 示した例に比べてセキュリティが高くなる。
携帯端末 1と無線通信装置 2との間の近距離無線通信について以下に 説明を加える。
携帯端末 1は、 記憶装置 142に記憶されている接続情報、 例えば、 無線 LANにおける LANカード固有の MACァドレス、 ブルートゥー スにおけるブルートゥースアドレス、 TC P/ I Pプロトコルを使用す る場合の I Pアドレス、 DNS、 WI NS, ネットマスク、 デフォルト ゲートウェイ等の情報を用いて無線通信装置 2との近距離無線通信を行 う。 また接続相手の確認のためのパスヮードのような認証情報や送受信 デー夕の暗号化に使用する鍵情報が必要となる場合もある。
無線通信管理部 14は、 これらの接続情報を記憶装置 142から読み 出し、 接続情報交換部 1 5を介して、 無線通信装置 2の接続情報交換部 ' 25に送信する。 無線通信装置 2は、 接続情報交換部 25で受信した接 続情報を、 処理装置 241に一時的に記録する。 また、 電源が切れたと きに接続情報を失わないようにするために、 取得した接続情報を記憶装 置 242にも保存する。 処理装置 241はメモリ 243に記録した接続 情報のうち、 無線 LANの場合は MACアドレス及び I Pアドレスを接
続相手デ一夕として使用し、 ブルートゥースの場合はブルートウ一スァ ドレスを接続相手データとして使用し、 ネットワーク 3の物理層の接続 を開始する。 また、 T C P Z I Pプロトコルで接続を行う場合は、 その 他の設定情報(ネットマスク、 D N S、 W I N S , デフォルトゲ一トウ エイ情報をメモリ 2 4 3内にセットする。
無線通信ィンタ一フェイス 1 1を使用して無線通信装置 2に接続する 携帯端末 1は、 接続相手の確認のためパスヮ一ドを接続相手である無線 通信装置 2に対して要求する。 その要求を無線通信装置 2の処理装置 2 4 1が解釈し、 該当するパスヮ一ドをメモリ 2 4 3に保持している接続 情報の中から検索し、 該当するパスワードが見つかれば、 処理装置 2 4 1が無線通信ィン夕一フェイス 2 1を介してその情報を携帯端末 1へ送 信する。 該当するパスワードが無い場合に、 携帯端末 1のユーザに対し て表示部 1 2を用いて問い合わせを行う。 このように事前に接続情報交 換部 1 5 , 2 5を介して取得した接続情報にしたがって、 無線通信管理 部 1 4 , 2 4が自動的に通信設定を行うので、 ユーザが手入力で通信設 定を行う必要がない。 同様に、 暗号化の指示が携帯端末 1からあれば、 無線通信装置 2は、 該当する暗号情報をメモリ 2 4 3内の接続情報から 検索し、 その暗号情報 (鍵情報) を用いて処理装置 2 4 1が送信デ一夕 の暗号化を実行するので、 暗号化に使用する鍵情報をユーザが入力する 必要がない。
また、 近距離無線による接続を確立後、 無線通信インターフェイス 1 1 , 2 1によつて構成される無線ネットワークと無線通信装置 2がネッ トワークインターフェイス 2 6を介して接続しているネットワーク 3は、 処理装置 2 4 1カ I Pパケットのヘッダを書き替える N A T機能を実行 することにより、 相互に接続することができる。
以上、 本発明を実施形態及び変形例を用いて説明したが、 本発明は上
記の実施形態に限らず、 種々の形態で実施することが可能である。 産業上の利用可能性
以上のように、 本発明による携帯端末を用いた近距離無線通信システ ム及びその無線通信装置によれば、 近距離無線通信に先立って、 その接 続確立に必要な接続情報を、 接続端子や赤外線通信 ( I r D A) 等を用 いた比較的簡単に接続可能な通信手段を用いた接続情報交換部によって 交換しておく。 そして、 近距離無線通信を開始する際に、 あらかじめ交 換しておいた接続情報を用いて近距離無線通信の接続確立を行う。 した がって、 携帯端末のユーザはそのような接続情報を手入力で設定する必 要が無くなる。 また、 近距離無線通信のための設定に関する知識の乏し いユーザであっても容易に無線通信装置を介してネットワークに接続し, サーバから所望の情報を得ることができるようになる。