WO2002000160A1

WO2002000160A1 - Dispositif de sortie de liquide, et raccord pour contenant de liquide faisant appel a ce dispositif

Info

Publication number: WO2002000160A1
Application number: PCT/JP2001/005398
Authority: WO
Inventors: Hideshi Okamoto; Keiichi Kawakami; Fujio Inoue
Original assignee: Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc.
Priority date: 2000-06-28
Filing date: 2001-06-25
Publication date: 2002-01-03
Also published as: TW503105B; AU2001274608A1

Description

明細書液体導出具およびそれを用いた液体容器連結体技術分野

本発明は、プラスチック製液体容器に充填された水溶液を排出する際に気泡が混入するのを高度に抑制することのできる液体導出具と、それを用いた液体容器連結体とに関する。

背景技術

通常、薬液容器の口部や輸液ラインの混注部はゴム栓ゃキャップ等によって封止されており、当該口部や混注部から他の薬液等を注入、混合するには、金属製の注射針等を備えたガラス製の注射器が用いられている。

一方、ガラス製の注射器に代えて、あらかじめ薬剤を密封充填した可撓性プラスチックの容器を使用することが提案されている（特公昭 6 1— 2 3 8 0号公報）。この公報に開示の容器（注射器）は、図 1 1 (a) に示すように、薬剤が充填 ·密封された軟質プラスチック材製の容器部分 8 1と、中空細長針 8 2と、キャップ 8 3とを備え、容器部分 8 1の先端に設けられた中空円筒状首部 8 4に中空細長針 8 2の金属カラー 8 5を嵌装したものであって、容器部分 8 1 に充填された薬剤は、図 1 1 (b) に示すように、隔壁 8 6を中空細長針 8 2で突き通して容器部分 8 1と中空細長針 8 2とを連通させることにより、排出される。

しかしながら、上記公報に開示の容器では、金属カラー 8 5を中空円筒状首部 8 4内に摺動自在に嵌合しただけであるため、中空細長針 8 2が容器部分 8 1から外れ易い問題がある。

また、医療分野においては、使用時に容器を押圧するなどして、容器内の空気を抜く操作が必要であるものの、上記公報に開示の容器では押圧が強いと内容液の損失が多くなり過ぎてしまい、押圧が弱いと空気の排出が不十分になつてしまう。従って、指先で押圧を微妙に調節する必要が生じ、煩わしさがあつた。そこで、近年、空気の排出の操作を容易にすることを目的として、過剰充填室を設けた容器（注射器）が提案されている（特開平 8— 2 9 9 4 3 7号公報：)。この公報に開示の容器（注射器）は、図 1 2に示すように、薬剤が充填-密封された軟質プラスチック材製の蛇腹ポンプ部分 9 4と、蛇腹ポンプ部分 9 4 に連通した筒状の力二ュ一レ部分 9 1と、力ニューレ部分 9 1の先端に覆設されて、蛇腹ポンプ部分 9 4および力ニューレ部分 9 1に過剰に充填された薬液を収納する過剰充填室 9 3を備えた夕ブ部材 9 2とからなるものであって、夕ブ部材 9 2を取り外し、蛇腹ポンプ部分 9 4を押圧することによって薬液が排出される。

しかしながら、上記公報に開示の容器は、力ニューレ部分 9 1から夕ブ部材 9 2を取り外すときに内容液が手につき易い問題や、力ニューレ部分 9 1の内壁についた気泡が出にくい問題があり、使い勝手は十分に満足の行くものではなかった。

発明の開示

そこで、本発明の目的は、簡易な操作で空気の排出を行うことのできる液体導出具と、当該液体導出具を備えた液体容器連結体とを提供することである。上記課題を解決するための本発明に係る液体導出具は、

水溶液が封入されたプラスチック製液体容器の導出部を摺動自在に嵌着する略筒状の導出具本体と、

当該導出具本体の内部にあって、その尖端を導出具本体の開口端部側に向けて導出具本体の他方の端部から配置された中空針と、

当該中空針よりも下流側に配置された円筒状または中空針状の吐出口と、前記中空針よりも下流側でかつ前記吐出口よりも上流側に配置された、液体導出具の外部に連通する排気孔と、

当該排気孔を塞ぐ空気排出用フィル夕と、

前記排気孔よりも下流側でかつ前記吐出口よりも上流側に配置された液体排出用フィル夕と、

を備えることを特徴とする。

上記課題を解決するための本発明に係る液体容器連結体は、水溶液が封入されたプラスチック製の液体容器と、当該液体容器の導出部を摺動自在に接続した液体導出具と、を含むものであって、

前記液体容器は、可撓性を有する収容部と、当該収容部と連通する円筒状の導出部と、当該導出部の両側に設けられたひれ状の保持部とを備えており、前記液体導出具は、前記液体容器の導出部を摺動自在に嵌着する略筒状の導出具本体と、当該導出具本体の内部にあって、その尖端を導出具本体の開口端部側に向けて導出具本体の他方の端部から配置された中空針と、当該中空針よりも下流側に配置された円筒状または中空針状の吐出口と、前記中空針よりも下流側でかつ前記吐出口よりも上流側に配置された、液体導出具の外部に連通する排気孔と、当該排気孔を塞ぐ空気排出用フィル夕と、前記排気孔よりも下流側でかつ前記吐出口よりも上流側に配置された液体排出用フィル夕とを備えている

ことを特徴とする。

上記本発明の液体導出具および当該液体導出具を備えた液体容器連結体によれば、液体容器に充填された水溶液を押圧により排出する際に、空気排出用フィル夕から空気を排出することができる。従って、たとえ液体容器内に気泡を含んだままで使用したとしても、気泡を含んだ状態で内容液が液体容器から排出されることがない。

すなわち、本発明の液体導出具を用いて液体容器から内容液を排出する場合、ならびに本発明の液体導出具を備えた液体容器連結体を用いる場合には、液体容器の使用前に格別厳密な気泡の排出操作を行う必要がなく、液体容器の操作性が各段に向上する。

また、例えば輸液ラインの混注部への薬液の注入 ·混合処理は、輸液ライン内の輸液が直接に血管内に投与されるものであることから空気の混入を確実に防止する必要があるが、上記本発明の液体導出具および液体容器連結体を用いて薬液の注入 ·混合処理を行った場合には、輸液ライン等への気泡の混入をも高度に防止することができる。それゆえ、本発明の液体導出具および液体容器連結体は、輸液ラインへの薬液の注入 ·混合処理のように気泡の混入が厳しく制限される用途にも好適に用いることができる。なお、空気排出用フィル夕と液体排出用フィルタを組み合わせた液中気泡除去装置としては、ァメリカ特許 3 6 3 1 6 5 4公報、特公昭 6 1 - 4 4 5 0 9 号公報、特開平 5— 7 6 7 3 3号公報等に開示のものが知られている。しかし、いずれも輸液ラインに組み込むものであり、本発明のような液体容器に連結する導出具に採用ことを容易に着想させるものではない。

本発明において「下流側」および「上流側」とは、液体導出具を用いて液体容器内の水溶液を排出する際の、当該液体が排出される方向に対応して、相対的な位置関係を示すものである。従って、「下流側」とは液体容器の吐出口側を指し、「上流側」とは液体導出具本体の開口端部側を指す。

上記本発明の液体容器連結体において、液体導出具の導出具本体は、その開口端部側の外周面にフランジ部と、開口端部側の内周面に前記液体容器の導出部と係合する係止部とを備え、

前記液体容器の導出部はその外周面に凸部を備え、

前記液体容器の保持部はその導出部先端側にフック部を備えており、液体容器の導出部を、その外周面の凸部と導出具本体の係止部との係合によつて区画される係止位置よりもさらに導出具本体の底部側に摺動させると、導出部の先端が導出具本体内に備えられた中空針によって貫穿されるとともに、前記フランジ部と前記フック部とが係合して導出部が導出具本体内に繋止されるものであるのが好ましい。

かかる好適態様では、液体容器を本発明の液体導出具に接続して、液体容器の保持部に備えられたフック部と、液体導出具に備えられたフランジ部とを互いに係合させることによって、液体容器を液体導出具内に確実に繋ぎ止めることができる。従って、上記好適態様によれば、液体容器の使用時に液体導出具との接続が解かれたり、接続部の安定性が損なわれたりするのを防止することができ、その操作性や使い勝手がより一層向上する。

上記本発明の液体容器連結体において、導出具本体は、その内周面に熱可塑性ェラストマ—製のパツキンを備えたものであるのが好ましい。

かかる好適態様によれば、液体容器の先端が中空針によって穿刺される前の状態であっても、すなわち液体容器の導出部が液体導出具の導出具本体内における係止位置にて形成された状態であっても、液体容器を導出具本体内にて安定に保持させることができる。また、前記導出部と、前記液体導出具本体との密閉性を著しく向上させることができることから、液体導出具本体内に空気が誤って混入するのを確実に防止することができる。

上記本発明の液体容器連結体において、導出具本体の中空針と吐出口との間には、吐出口側からの逆流を防止する弁が設けられているのが好ましい。

また、前記逆止弁の好適態様としては、連通孔を有する弁座と、当該弁座の下流側に配置された弁体と、当該弁体の下流側に当接する掛止部材とを備え、前記弁体は弾性体からなり、上流側から流体圧を受けると容易に圧縮変形し、前記連通孔を開放して弁座との間に空隙部を形成するとともに、前記流体圧を受けていないときは前記連通孔を閉鎖するものであって、前記弁体と前記弁座とは、弁体に流体圧がかかる方向と、弁体の圧縮変形によって生じる前記空隙部に液体が流入する方向とが交差するように配置されているものが挙げられる上記好適態様によれば、液体導出具内に逆止弁が備えられていることによつて、液体容器への液体や気泡の逆流を確実に防止することができる。

特に、逆止弁が上記好適態様に係るものである場合には、逆止弁の弁体が圧縮変形を受けた後の戻り動作（復元動作）の方向と、導出具本体内での液体の逆流方向とが交差することから、弁体の戻り動作に伴って液体や気泡が液体容器側に移動するのを高度に抑制することができる。

上記本発明の液体容器連結体において、液体容器の保持部は、中空の板状部材であるのが好ましい。また、前記液体容器は、前記導出部の表面と前記保持部の表面とが略同一平面となるように形成されたものであるのが好ましい。液体容器の保持部を中空の板状部材とすることにより、保持部が柔軟になり、液体容器を実際に手で持った場合に手の当たりが柔らかくなる。それゆえ、液体容器連結体の使用時に手が痛くなつてしまうのを防止することができる。一方、液体容器の導出部の表面と保持部の表面とを略同一平面となるように形成することによって、当該導出部と保持部との表面を、液体容器の内容物や商品名等を表示したラペルの貼付スペースとして活用することができる。さらにこの場合には、液体容器に充填された内容液の確認が容易になり、使用する液体容器を取り違えるといったミスが生じるおそれを低減させることができる。上記本発明の液体容器連結体において、液体容器の収容部は、前記導出部の軸方向における断面形状が略ひし形であり、前記軸方向と直交する方向における断面形状が略楕円形であって、かつ、平面状の底部を有するものであるのが好ましい。

液体容器の収容部を上記の形状にすることによって、液体容器の内容液を排出するために収容部を手で押し潰す操作が容易になる。とりわけ、収容部の底面を平面状とすることにより、収容部を親指で押し潰す際の指の当たりが柔らかくなり、操作性がより一層向上する。

上記本発明の液体容器連結体において、液体容器は、収容部、導出部および保持部の成形と、収容部および導出部への水溶液の充填 ·密封とが同一の工程で行われたものであるのが好ましい。

液体容器の成形と液体の充填 '密封とを同一の工程で、すなわち同一金型内で行われることにより、液体容器を少ない工程で製造できるようになり、液体容器の製造コストを低減させることができる。また、液体容器中への液体の充填操作をより一層無菌的に行うことができる。

図面の簡単な説明

図 1は、明に係る液体導出具および液体容器連結体の一実施形態を示す分解斜視図である。

図 2 ( a) は、 1に示す液体導出具 2 0の断面図であって、（b)はその A— A矢視断面図である。

図 3は、図 2 (a) に示す液体導出具 2 0の使用状態を示す断面図である。図 4は、本発明に係る液体導出具の他の実施形態を示す断面図である。図 5 ( a)は、 4の液体導出具 5 0における逆止弁 4 0を示す要部拡大図であつて、（b)はその B— B矢視断面図である。

図 6は、明に係る液体導出具のさらに他の実施形態を示す断面図である。図 7 ( a)は、体導出具に連結される液体容器の一例を示す正面図、（b)はその側面図、（c )はその C— C矢視断面図である。図 8は、液体容器 1 0の内容液を排出する操作を示す模式図であって、（a) はその正面図、（b)はその側面図である。

図 9は、液体容器 1 0から内容液を排出した後の状態を示す正面図である。図 1 0は、液体容器 1 0の導出部 1 2および保持部 1 3にラベル 1 7を貼付した状態を示す模式図である。

図 1 1 (a)は、公昭 6 1— 2 3 8 0号公報に開示の容器（注射器）を示す分解斜視図であって、（b)は中空細長針 8 2を隔壁 8 6に突き刺した後の状態を示す —部欠截正面図である。

図 1 2は、特開平 8— 2 9 9 4 3 7号公報に開示の容器（注射器）を示す側面図である。

符号の説明

1 液体容器連結体

1 0 液体容器， 1 1 収容部， 1 2 導出部， 1 3 保持部

2 0 液体導出具， 2 1 導出具本体， 2 1 a 開口端

2 6 空気排出部， 2 7 排気孔， 2 8 空気排出用フィル夕， 2 9 液体排出用フィル夕

3 0 中空針， 3 0 a 尖端

3 6 吐出口

4 0 逆止弁

U 上流， D 下流発明を実施するための最良の形態

次に、本発明の液体導出具および液体容器連結体について詳細に説明する。図 1は、本発明に係る液体導出具 2 0および液体容器連結体 1の一実施形態を示す分解斜視図であって、液体容器連結体 1を構成する液体容器 1 0および液体導出具 2 0と、吐出口 3 6に取り付けられるキャップ 2を示している。図 2 (a)は、本発明に係る液体導出具 2 0の一実施形態を示す断面図であって

、図 2 (b)はその A— A矢視断面図を示す断面図、図 3はその使用状態を示す断面図である。図 4は、本発明に係る液体導出具 5 0の他の実施形態を示す断面図であって、図 5 (a), (b)は、液体導出具 5 0の逆止弁 4 0部分を示す図である。

図 6は、本発明に係る液体導出具 6 0のさらに他の実施形態を示す断面図である。

〔液体導出具〕

本発明の液体導出具は、例えば図 2および図 3に示す実施形態（以下、「第 1 の実施形態」という。）に表されるように、

( i ) 内部に中空針 3 0を備えた導出具本体 2 1と、

( ϋ ) 中空針 3 0よりも下流 D側に配置された吐出口 3 6と、

(iii) 中空針 3 0よりも下流 D側でかつ吐出口 3 6よりも上流 U側に配置された空気排出部 2 6と、

( iv ) 空気排出部 2 6よりも下流 D側でかつ吐出口 3 6よりも上流 U側に配置された液体排出用フィル夕 2 9と、

を備えたものである。

ここで空気排出部 2 6とは、液体導出具 2 0の外部に連通する排気孔 2 7と、当該排気孔 2 7を塞く、空気排出用フィル夕 2 8とを含んだ部分を指す。下記の第 2の実施形態、および第 3の実施形態においても同様である。

図 4に示す実施形態（以下、「第 2の実施形態」という。）の液体導出具 5 0 においては、第 1の実施形態における導出具本体 2 1と、空気排出部 2 6との間に逆止弁 4 0が配置されている。

また、図 6に示す実施形態（以下、「第 3の実施形態」という。）の液体導出具 6 0では、空気排出部 6 6における空気排出用フィル夕 6 8と液体排出用フィル夕 6 9との配置が第 1の実施形態とは異なる。この第 3の実施形態では、液体導出具 6 0の排気孔 6 7をキャップ 2 aによって閉鎖することができる。

(導出具本体）

導出具本体 2 1は有底略筒状の部材であって、その開口端 2 l aおよび導出具本体 2 1の内表面は、液体容器 1 0の導出部 1 2を摺動自在に嵌着する嵌着口を区画する。

また、導出具本体 2 1は、その開口端 2 1 a側の内周面 2 2 bに液体容器の導出部 1 2における凸部 1 5と係合する係止部 2 4とを備える。この係止部 2 4は、図 2 (a) に示すように、本発明に係る液体容器の導出部 1 2を導出具本体 2 1の嵌着口に挿入した場合に、当該導出部 1 2を導出具本体 2 1内に軽く固定するために設けられたものであって、前記導出部の凸部 1 5と十分に係合することができる程度の突起である。

係止部 2 4の形状は特に限定されるものではなく、液体容器の導出部 1 2に設けられた凸部 1 5の形状に応じて設計すればよい。

第 1〜第 3の実施形態に係る液体導出具 2 0 , 5 0 , 6 0において、導出具本体の係止部 2 4はエラストマ一製のパヅキンからなる部材であって、内周面 2 2 bに沿って周方向に形成された突起により構成されている。この場合、例えば図 2 (a)に示すように、液体容器の導出部の先端 1 2 aが導出具本体 2 1の係止位置 2 5にて係止された状態であって、液体容器 1 0のフック部 1 4と液体導出具のフランジ部 2 3とが係合していない状態であっても、液体導出具 2 0を導出具本体 2 1内にて安定に保持させることができる。また、導出部 1 2 と導出具本体 2 1との密閉性を著しく向上させることができることから、液体導出具 2 0内への気体の混入や、液体導出具 2 0からの液体の漏出等を十分に防止することができる。

導出具本体 2 1は、さらにその開口端 2 1 a側の外周面 2 2 aにフランジ部 2 3を備えている。このフランジ部 2 3は、例えば図 3に示すように、液体容器の導出部 1 2を導出具本体の係止位置 2 5よりもさらに底部 2 1 b側に押し込んだときに、液体容器 1 0の保持部 1 3に設けられたフック部 1 4と係合するものであって、液体容器 1 0と液体導出具 2 0とを強固に繋ぎ止めるものである。液体容器と液体導出具とが強固に繋ぎ止められたことによって得られる効果は前述のとおりである。

(中空針）

導出具本体 2 1の内部に設けられた中空針 3 0は、その尖端 3 0 aを導出具本体の開口端 2 1 a側に向けて、導出具本体の内周面 2 2 bまたは底部 2 1 b に取り付けたものである。

この中空針 3 0は、例えば図 3に示すように、液体容器の導出部 1 2を導出具本体の係止位置 2 5よりもさらに底部 2 1 b側に押し込むことによって、導出部の先端 1 2 aを貫穿して、液体容器 1 0と液体導出具とを連通させる。これにより、液体容器 1 0に充填 ·密封された液体を液体導出具 2 0の吐出口 3 6を通じて外部に排出することが可能になる。

(吐出口）

液体導出具の吐出口 3 6は、例えば図 1に示すような円筒状の部材であるほか、中空針状の部材（中空の穿刺針）であってもよい。

点滴液等を収容する薬剤容器の口部は一般にゴム栓等で封じられていることから、当該薬剤容器内に他の薬液等を注入する場合には、液体容器連結体 1における液体導出具 2 0に中空針状の（中空の穿刺針状の）吐出口を設ける必要がある。一方、輸液ラインの混注部にはスリットが設けられるか、あるいは先端が鋭利でない針であっても容易に挿入することのできる弾性体の栓で封じられている。このような場合には、液体導出具の吐出口として穿刺針を設ける必要がなく、先端が鋭利ではない円筒状の吐出口 3 6で十分である。

(空気排出部）

第 1の実施形態に係る液体導出具 2 0において、空気排出部 2 6は、図 2 (a ) に示すように、導出具本体 2 1よりも直径の大きな筒状の部材である。

この空気排出部 2 6の中空針 3 0と連通する側の面には、図 2 (b)に示すように排気孔 2 7が設けられており、この排気孔 2 7は空気排出用フィル夕 2 8によって塞がれている。一方、空気排出部 2 6の吐出口 3 6に隣接する部分には、吐出口 3 6を塞ぐようにして液体排出用フィル夕 2 9が設けられている。第 2の実施形態の液体導出具 5 0における空気排出部 5 6は、図 4に示すように、中空針 3 0との間に逆止弁 4 0を介して設置されているほかは、第 1の実施形態における空気排出部 5 6と同様の構造からなる。すなわち、逆止弁 4 0に隣接する側の面には、図 4に示すように排気孔 5 7が設けられており、この排気口 5 7は空気排出用フィル夕 5 8によって塞がれている。一方、空気排出部 5 6の吐出口 3 6に隣接する部分には、吐出口を塞く、ようにして液体排出用フィルタ 5 9が設けられている。

第 3の実施形態の液体導出具 6 0における空気排出部 6 6は、図 6に示すように、その側面に空気排出口 6 7を備えており、さらに液体排出用フィル夕 6 9は液体の流れ方向に対して斜めに配置されている。

この第 3の実施形態によれば、吐出口 3 6にキャップ 2 aを被せるのと同時に、空気排出口 6 7を被覆することもできる。従って、液体容器連結体を使用せずに、保存 '保管する際において、空気排出口 6 7から空気や異物が誤って混入したり、液体容器の内容物が漏出してしまったりするのを防止することができる。

-空気排出用フィル夕

上記第 1〜第 3の実施形態に係る液体導出具 2 0 , 5 0 , 6 0において、空気排出部 2 6 , 5 6 , 6 6の排気孔 2 7 , 5 7 , 6 7を塞く、空気排出用フィル夕 2 8 , 5 8 , 6 8には、優れたガス透過性および疎水性を有する樹脂フィルムが用いられる。

この空気排出用フィル夕は、液体容器 1 0内などに含まれている気泡が吐出口 3 6から排出される前に液体導出具の外部に放出するために設けられているものであって、かかる目的で液体導出具に設けられた排気口を塞いで、液体の漏出を防止するものである。それゆえ、前述のように優れたガス透過性が求められる一方で、疎水性が高く、透水性や透湿性に乏しいことも求められる。空気排出用フィルタの素材としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルォロエチレン、ポリビニリデンジフロライド等が挙げられる。

かかる樹脂フィルムは、疎水性を有することから透水性および透湿性が極めて低く、それゆえ、液体容器の内容物を誤って外部に漏出させるおそれが極めて低い。また、樹脂フィルム中に微細な孔を無数に有していることから、液体容器の内容物で負荷をかけることにより、当該内容物中に溶存する気泡を通過させることができる。

空気排出用フィル夕を構成する樹脂フィルムの孔は、直径 0 . 2〜2 0 111 の微細孔であるのが適当であり、直径が 0 . 5〜1 5〃mであるのがより好ましい。微細孔の直径が前記範囲を下回ると空気の排出が困難になり、逆に直径が前記範囲を超えると液体容器の内容物が漏出するおそれが生じる。空気排出用フィル夕を構成する樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用いる素材にもよるが、通常、 1 0〜2 0 0 0 mの範囲で設定される。樹脂フィルムが厚すぎると、空気の排出性が悪くなる。一方、厚みが上記範囲を下回ると、強度が低下して製造に支障を来たしたり、液体の排出操作時に破損が生じたりするおそれがある。その場合でも、樹脂フィルムに適当な不織布等をラミネートして強度アップを図れば、使用することができる。

'液体排出用フィル夕

上記第 1〜第 3の実施形態に係る液体導出具 2 0 , 5 0 , 6 0において、空気排出用フィルタ 2 8 , 5 8 , 6 8よりも下流側に設けられる液体排出用フィル夕 2 9 , 5 9 , 6 9には、優れた透水性およびガス遮蔽性を有する樹脂フィルムが用いられる。 - この液体排出用フィル夕は、液体容器 1 0内などに含まれている気泡が液体容器 1 0の内容物とともに排出されるのを防止するために設けられているものである。それゆえ、前述のように優れた透水性が求められる一方で、ガス遮蔽性に優れること（ガス透過性に乏しいこと）も求められる。

液体排出用フィル夕の素材としては、例えば酢酸セルロース等のセルロース系フィル夕、ポリスルホン、親水処理したポリテトラフルォロエチレン（例えば、ゴァテヅクス社の商品名「ゴァテックス」等)、親水処理したポリビニリデンジフロラィド（例えば、ミリポア社の商品名「デユラポア」）等が挙げられるかかる樹脂フィルムは分子中に親水基を数多く有するものであって、しかも微細な孔を無数に有していることから、液体容器の内容物で負荷をかけることにより、当該内容物を容易に通過させることができる。

液体排出用フィル夕を構成する樹脂フィルムの孔は、直径 0 . 2〜2 0〃m の微細孔であるのが適当であり、直径が 0 . 5〜 1 5〃mであるのがより好ましい。微細孔の直径が前記範囲を下回ると液体の排出が困難になり、逆に直径が前記範囲を超えると空気も通過するおそれが生じる。

液体排出用フィル夕を構成する樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用いる素材にもよるが、通常、 1 0〜2 0 0 0〃mの範囲で設定される。樹脂フィルムが厚すぎると、液体の排出性が悪くなる。一方、厚みが上記範囲を下回ると、強度が低下して製造に支障を来たしたり、液体の排出操作時に破損が生じたりするおそれがある。その場合でも、樹脂フィルムに適当な不織布等をラミネートして強度アップを図れば、使用することができる。

なお、上記空気排出用および液体排出用の両フィル夕については、特に限定されるものではないが、気泡除去と液体排出性能を良好なものとする上で、前者の方の透気度を相対的に高くし、後者の方のバプリングボイントを高くするのが好ましい。

(逆止弁）

第 2の実施形態に係る液体導出具 5 0において、中空針 3 0と空気排出部 5 6との間に設けられる逆止弁 4 0の形状は特に限定されるものではないが、例えば図 5 (a) に示すように、逆止弁 4 0は、連通孔 4 1 aを有する弁座 4 1と、当該弁座 4 1の上流 U側（吐出口 3 6側）に配置された弁体 4 2と、当該弁体 4 2の上流 U側（吐出口 3 6側）に当接する掛止部材 4 3とを備えたものであって、弁体 4 2が弾性体からなり、下流 D側（中空針 3 0側）から流体圧 P を受けると容易に圧縮変形するものであるのが好ましい。なお、図 5 (a) では、弁体 4 2が圧縮変形したときの状態を点線で示している。

かかる逆止弁では、逆止弁 4 0の上流 U側である導出具本体の開口端（嵌着口，図示せず）に液体容器（図示せず）を接続して、当該液体容器から弁体 4 2に流体圧： Pをかけると、弁体 4 2に圧縮変形が生じて、連通孔 4 1 aが開放される。その結果、弁座 4 1と弁体 4 2との間に空隙部 4 4を形成されて、当該空隙部 4 4を通過して逆止弁 4 0の下流 D側へ液体が導出される。

一方、流体圧 Pの負荷を止めると、圧縮変形を受けていた弁体 4 2が元の形状に戻って連通孔 4 1 aを閉鎖し、空隙部 4 4が消滅する。この際、弁体 4 2 が元の形状に戻ろうとする方向（流体圧 Pの方向と同軸上にあって、流体圧 P とは逆向きの方向）と、液体が逆流する際に通過する経路（図中に矢印で示す。）とは、交差（好ましくは、直交）する。従って、弁体 4 2の戻り動作（復元動作）に伴って液体が押し戻されることがなく、それゆえ、液体の逆流を極めて高度に防止することができる。なお、従来の逆止弁においては、流体が流れる方向と同一の方向に弁体が移動し、弁の復元動作とともに流体が移動（すなわち、逆流）する現象が生じるため、液体の逆流を高度に抑制することができなかった。これに対し、上記構造の逆止弁を用いることで、液体の逆流が極めて高度に防止され、たとえ逆流が生じたとしても、その量を極めて微量なものにまで抑制することができる。従って、液体容器内や液体導出具の導出具本体 21内に気泡が混入するといつた問題を引き起こすおそれも、十分に抑制することができる。

逆止弁 40における掛止部材 43は、流体圧 Pに伴って弁体 42がずれ動くのを防止するものであって、図 5(a), (b)に示すように、弁体 42に引つかかつて、当該弁体 42の移動を止めるものである。

弁体 42の材料は特に限定されるものではなく、液体の流体圧 Pによって容易に変形可能な程度に柔らかく、かつ、流体圧 Pを負荷しない状態ではその形状が維持されるものであればよい。具体的には、天然ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等のゴム；ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック；各種熱可塑性エラストマ一のうち、硬度が十分に低く、液体の流体圧 Pによつて容易に変形可能な程度に柔らかいものが挙げられる。

中でも、上記熱可塑性エラストマ一、さらに詳しくは、例えばスチレンーェチレン Zブチレン一スチレンブロヅク共重合体 (S EB S)_sスチレン一ブ夕ジェンースチレンブロック共重合体（SB S)、スチレン一イソプレン一スチレンブロック共重合体（S I S)、マレイン酸変性等の変性 SEBS、スチレンーェチレン Zプロピレン一スチレンプロヅク共重合体（SEP S)、スチレン一ェチレン /プチレンプロヅク共重合体 (S EB)、スチレンーェチレン /プロピレンブロック共重合体 (SEP)等のスチレン系エラストマ一；エチレン一プロピレンプロヅク共重合体等のォレフィン系エラストマ一；ポリウレタン系エラストマ一等、およびこれらの混合物が、弁体 42の材料として好適である。

弁体 42の硬さは、 J IS A硬度（； J I S K 6301— 5. 2 「スプリング式硬さ試験」に記載の方法にて測定したスプリング硬さ H s (Α形)〕が 0〜20であるのが好ましく、 0〜10であるのがより好ましい。 (液体導出具の素材、製造方法）

液体導出具 2 0の各部分はプラスチックから形成されているのが好ましい。この場合、液体導出具 2 0を一体成形により形成できるほか、中空針 3 0や中空針状の吐出口をもプラスチックから形成することで、液体導出具 2 0を使用した後の廃棄処理を簡易なものとすることができる。

前記各部分を形成するためのプラスチックは特に限定されるものではなく、医療器具用として許容された従来公知の種々のプラスチヅク（ポリマー、エラストマーを含む）が挙げられる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ 4ーメチルペンテン〔例えば、三井化学（株）の商品名「T P X」〕、ポリテトラフルォロェチレン等のポリオレフィン；エチレンーテトラシクロドデセン共重合体〔例えば、三井化学（株）の商品名「ァペル」〕等のポリ環状ォレフィン

；ポリァセ夕一ル（P O M)；ァクリロニトリル一ブタジエン一スチレン共重合体（A B S )；ポリエチレンナフ夕レート ( P E N)ヽポリエチレンテレフタレ —ト（P E T )、ポリアリレート等のポリエステル；ポリフエ二レンサルフアイド（P P S ) 等のベンゼン系重合体などが挙げられる。

液体導出具 2 0の製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を採用することができるが、液体導出具 2 0全体がプラスチックからなる場合には、射出成形等によって形成するのが好ましい。

本発明の液体導出具 2 0 , 5 0 , 6 0における吐出口 3 6には、その汚染防止を目的として、例えば図 1に示すキャップ 2や、図 6に示すキャップ 2 aを取りつけるのが好ましい。

〔液体容器〕

本発明の液体容器連結体に用いられる液体容器 1 0は、例えば図 7に示すように、可撓性を有する収容部 1 1と、収容部 1 1と連通する円筒状の導出部 1 2と、導出部 1 2の両側に設けられたひれ状の保持部 1 3と、を備えたもので

¾) o

前記収容部 1 1と連通する円筒状の導出部 1 2は、さらにその外周面に凸部 1 5を備えている。この凸部 1 5は、例えば図 2に示すように、液体容器 1 0 を後述する本発明の液体導出具 2 0に接続した場合に、液体導出具 2 0の導出具本体 2 1内に液体容器 1 0を係止させる、すなわち液体容器 1 0を導出具本体 2 1内の係止位置 2 5にて軽く固定するために設けられたものであって、前記導出具本体の開口端 2 1 a側の内周面 2 2 bに設けられた係止部 2 4と十分に係合することができる程度の突起である。

前記凸部 1 5と前記係止部 2 との係合の程度は、液体容器 1 0と液体導出具 2 0とが互いに強固に固定される程度の強いものではなく、液体容器連結体 1の保存時等において液体容器； L 0の導出具の先端 1 2 aが導出具本体 2 1内の中空針 3 0によって誤って突き破られることのない程度であればよい。また、前記凸部 1 5と前記係止部 2 4との係合は、液体容器連結体 1の使用時に、液体容器 1 0を液体導出具 2 0内に押し込むことで、容易に、導出具本体の底部 2 1 b側に摺動させることができる程度であることが求められる。

凸部 1 5の形状は特に限定されるものではなく、前述の導出具本体 2 1における係止部 2 4の形状に応じて設計すればよい。例えば図 2に示す液体容器 1 0において、凸部 1 5は、導出部 1 2の外周面に沿って周方向に形成された 2 本の凸条によって構成されている。

液体容器 1 0の導出部の先端 1 2 aは、例えば図 3に示すように、液体容器 1 0を導出具本体 2 1の係止位置 2 5よりさらに底部 2 l b側に侵入させたときに、導出具本体 2 1に備えられた中空針 3 0によって容易に貫穿させる程度の柔らかさを持ったものであることが求められる。

液体容器 1 0の保持部 1 3は、導出部の先端 1 2 a側にさらにフック部 1 4 を備えている。このフック部 1 4は、例えば図 3に示すように、液体容器連結体 1の使用時に液体導出具 2 0に設けられたフランジ部 2 3と係合するものであって、液体容器 1 0と液体導出具 2 0とを強固に繋止させるためのものである。

前記フック部 1 4と前記フランジ部 2 3とを係合させ、液体容器 1 0と液体導出具 2 0とを強固に繋ぎ止めることによって、液体容器 1 0の使用時に液体導出具 2 0との接続部が動いたり、液体導出具 2 0との接続が外れたりするのを防止することができる。

本発明の液体容器 1 0の各部、すなわち収容部 1 1、導出部 1 2および保持部 1 3は、凸部 1 5やフック部 1 4を含めて、プラスチックから一体的に形成されたものである。液体容器 1 0の各部を一体的に形成することにより、液体容器 1 0の製造が簡易なものとなり、製造コストの低減を図ることができる。上記各部を形成するためのプラスチックは特に限定されるものではなく、医療器具用として許容された従来公知の種々のプラスチック（ポリマ一、エラストマ一を含む）が挙げられる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ 4 ーメチルペンテン〔例えば、三井化学（株）の商品名「T P X」〕、ポリテトラフルォロェチレン等のポリオレフィン；エチレンーテトラシクロドデセン共重合体〔例えば、三井化学（株）の商品名「ァペル」〕等のポリ環状ォレフィン；ポリエチレンナフ夕レート（Ρ Ε Ν)、ポリエチレンテレフ夕レート（P E T ) 、ポリアリレート等のポリエステルなどが挙げられる。

また、液体容器 1 0に充填される液体が、酸素等のガスや光によって劣化しやすいものである場合には、当該容器を構成するプラスチックとして、ガスバリア性や遮光性を付与したものを用いればよい。

本発明の液体容器 1 0における保持部 1 3は、導出部 1 2の両側に設けられた一対のひれ状部材である。保持部 1 3を一対とすることにより、図 8 (a) に示すように、液体容器 1 0の収容部 1 1および導出部 1 2内に収容されている液体を外部に導出する際において、液体容器 1 0を手で保持し易くなる。

前記保持部 1 3は、図 7 ( に示すように、中空の板状部材に形成されたものであるのが好ましい。保持部 1 3を中空状とすることにより、保持部 1 3が柔軟になり、液体容器 1 0を実際に手で持った場合に手の当たりが柔らかくなることから、液体容器 1 0の使用時に手が痛くなつてしまうのを防止することができる。さらに、保持部 1 3を中空状にすることで保持部 1 3の厚みを容易に調整することができ、前記導出部の表面 1 2 bと保持部の表面 1 3 aとが略同一平面となるように設計した場合においても、保持部 1 3の形成に過剰のブラスチックを使用する必要がなくなるため、経済的である。

本発明の液体容器 1 0における導出部の表面と保持部の表面とは略同一平面となるように形成されているのが好ましい。この場合、図 8 (a)に示すように、液体容器 1 0の収容部 1 1および導出部 1 2内に収容されている液体を外部に導出する際において、液体容器 1 0の把持性がより一層良好なものとなる。さらに、図 1 0に示すように、導出部の表面 1 2 aと保持部の表面 1 3 aとに亘つて容易にラベル 1 7を添付することができるようになる。これにより、液体容器 1 0に充填された内容液の確認を容易に行うことができ、液体容器 1 0を取り違えて使用するといつたミスが生じるおそれを低減させることができる。

図 1 0に示すラベル 1 7として、筒状シュリンクラベル等の筒状に成形されたラベルを採用する場合には、保持部 1 3の側面に若干の凹凸（図示せず）を設けて、ラベルの抜け落ちを防止することができる。

前記導出部 1 2は、収容部 1 1との接続部 1 6が近づくにつれてその径が大きくなる断面略円錐台状であってもよい。この場合、液体容器 1 0の導出部 1 2と収容部 1 1との接続部 1 6における断面形状は、当該接続部 1 6に近づくにつれて導出部 1 2の内径および外形が大きくなる漏斗状となる。

前記接続部 1 6が近づくにつれて導出部 1 2の内径が拡がることにより、収容部 1 1に溜まった気泡を導出部の先端 1 2 a側に追い出すのが容易になり、気泡を誤つて輸液ライン等に混入させてしまうおそれを低減させることができる。

—方、前記接続部 1 6が近づくにつれて導出部 1 2の外径が拡がることにより、液体容器 1 0の内容物を外部に導出する際において、液体容器 1 0と手とのフィヅト感が良好なものとなる。

本発明の液体容器 1 0における収容部 1 1は、液体容器 1 0の収容部 1 1および導出部 1 2内に収容されている液体を外部に導出する際に、手で容易に押し潰すことができる程度の可撓性を有するものである。

前記収容部 1 1は、前記導出部 1 2の軸方向 Xにおける断面形状が図 7 (a), (b)に示すように略ひし形であり、前記軸方向 Xと直交する方向 yにおける断面形状が図 7 (c)に示すように略楕円形であって、かつ、その底部 1 1 aが平面状に形成されているものであるのが好ましい。

収容部 1 1の前記軸方向 Xにおける断面形状を略ひし形とすることによって、図 9に示すように、収容部 1 1を手で押し潰した場合に収容部 1 1の導出部先端 1 2 a側と収容部の底部 1 1 a側とが重なり合う。従って、収容部 1 1内に充填されていた液体を液体容器 1 0の外部に無駄なく導出させることができる。

収容部 1 1の前記軸方向 Xと直交する方向 yにおける断面形状を略楕円形とすることによって、液体容器 1 0を把持し易くなり、かつ、机上等に載置した場合に転がりにくくなる。

また、収容部の底部 1 1 aを平面状とすることにより、図 8 (a),(b)に示すように、収容部 1 1を手で押し潰す際の指の当たりが柔らかくなり、操作性も良好なものとなる。

本発明の液体容器 1 0は、収容部 1 1、導出部 1 2および保持部 1 3の成形と、収容部 1 1および導出部 1 2への液体の充填 ·密封とが同一の工程で行われたものであるのが好ましい。

前記各部の成形と、液体の充填 '密封とを同一工程で（すなわち、同一金型内で）行うことにより、液体容器 1 0を少ない工程で得ることができ、液体容器 1 0の製造コストを低減させることができる。また、液体容器 1 0への液体の充填をより一層無菌的に行うことができる。

本発明の液体容器に封入される液体は特に限定されるものではなく、例えばビタミン剤（総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、へパリンのような抗血栓剤、ィンシュリン、抗生物質、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質等の薬剤が挙げられる。液体容器 1 0を薬液容器や輸液ラインへの薬剤の注入、混合の用途に用いる場合において、液体容器 1 0内に封入される液体の量は、液体容器 1 0の容量や液体の種類等に応じて異なるが、一般的に 1〜2 0 O m Lの範囲に設定するのが好ましい。

液体容器 1 0の製造方法は特に限定されるものではなく、液体容器 1 0に関する従来公知の種々の方法を採用することができる。中でも、ブロー成形によつて液体容器 1 0を形成すれば、さらに同一の工程内（同一の金型内）において液体の充填 .密封（容器の溶閉）を連続して行うことができる。その結果、液体容器 1 0の製造を簡易なものとすることができ、かつ液体の無菌的な充填を実現することができる。

産業上の利用可能性

本発明の液体導出具および液体容器連結体は、輸液ラインへの薬液の注入 · 混合処理に用いることができる。これらの処理において、気泡の混入が厳しく制限される場合においても、輸液ライン等への気泡の混入を高度に防止することができる。本発明の液体導出具を用いて液体容器から内容液を排出するとき、さらには本発明の液体導出具を備えた液体容器連結体の使用においては、液体容器の使用前に格別厳密な気泡の排出操作を行う必要がなく、液体容器の操作性が各段に向上する。

Claims

請求の範囲

1 . 水溶液が封入されたプラスチック製液体容器の導出部を摺動自在に嵌着する略筒状の導出具本体と、

当該排気孔を塞く、空気排出用フィル夕と、

を備える液体導出具。

2 . 水溶液が封入されたプラスチック製の液体容器と、当該液体容器の導出部を摺動自在に接続した液体導出具と、を含む液体容器連結体であって、前記液体容器は、可撓性を有する収容部と、当該収容部と連通する円筒状の導出部と、当該導出部の両側に設けられたひれ状の保持部とを備えており、前記液体導出具は、前記液体容器の導出部を摺動自在に嵌着する略筒状の導出具本体と、当該導出具本体の内部にあって、その尖端を導出具本体の開口端部側に向けて導出具本体の他方の端部から配置された中空針と、当該中空針よりも下流側に配置された円筒状または中空針状の吐出口と、前記中空針よりも下流側でかつ前記吐出口よりも上流側に配置された、液体導出具の外部に連通する排気孔と、当該排気孔を塞く、空気排出用フィル夕と、前記排気孔よりも下流側でかつ前記吐出口よりも上流側に配置された液体排出用フィル夕とを備えている

ことを特徴とする液体容器連結体。

3 . 前記液体導出具の導出具本体は、その開口端部側の外周面にフランジ部と、開口端部側の内周面に前記液体容器の導出部と係合する係止部とを備え、前記液体容器の導出部はその外周面に凸部を備え、前記液体容器の保持部はその導出部先端側にフック部を備えており、液体容器の導出部を、その外周面の凸部と導出具本体の係止部との係合によつて区画される係止位置よりもさらに導出具本体の底部側に摺動させると、導出部の先端が導出具本体内に備えられた中空針によって貫穿されるとともに、前記フランジ部と前記フック部とが係合して導出部が導出具本体内に繋止される請求項 2記載の液体容器連結体。

4 . 前記導出具本体の内周面に熱可塑性エラストマ一製のパッキンを備えた請求項 3記載の液体容器連結体。

5 . 前記導出具本体の中空針と吐出口との間に、吐出口側からの逆流を防止する弁が設けられている請求項 3または 4記載の液体容器連結体。

6 . 前記逆止弁は、連通孔を有する弁座と、当該弁座の下流側に配置された弁体と、当該弁体の下流側に当接する掛止部材とを備え、

前記弁体は弾性体からなり、上流側から流体圧を受けると容易に圧縮変形し、前記連通孔を開放して弁座との間に空隙部を形成するとともに、前記流体圧を受けていないときは前記連通孔を閉鎖するものであって、

前記弁体と前記弁座とは、弁体に流体圧がかかる方向と、弁体の圧縮変形によって生じる前記空隙部に液体が流入する方向とが交差するように配置されている請求項 5記載の液体容器連結体。

7 . 前記液体容器の保持部は、中空の板状部材である請求項 2記載の液体容器連結体。

8 . 前記液体容器は、前記導出部の表面と前記保持部の表面とが略同一平面となるように形成されたものである請求項 2記載の液体容器連結体。

9 . 前記液体容器の収容部は、前記導出部の軸方向における断面形状が略ひし形であり、前記軸方向と直交する方向における断面形状が略楕円形であって、かつ、平面状の底部を有するものである請求項 2記載の液体容器連結体。

1 0 . 前記液体容器は、収容部、導出部および保持部の成形と、収容部および導出部への水溶液の充填 ·密封とが同一の工程で行われたものである請求項 2載の液体容器連結体。