JP6315927B2 - コネクタ及び輸液セット - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタ及び輸液セットに関し、特に、例えば各種医療機器や輸液容器等のオスコネクタを接続可能なコネクタ及び当該コネクタを備える輸液セットに関する。
従来から、輸液、輸血、人工透析などを行う場合は、医療用チューブを用いて液体を体内へ送る。そして、チューブ内の液体に薬液などの別の液体を合流させる場合には、シリンジやルアーテーパ部材等のオスコネクタと医療用のチューブとを液密に接続可能なコネクタが用いられる。なお、シリンジやルアーテーパ部材等のオスコネクタをオスルアーと呼称し、このオスルアーに接続されるコネクタをメスルアーと呼称することがある。
このような、オスコネクタを接続可能なコネクタは、例えば特許文献1に開示されている。具体的に特許文献1には、中央部に挿入孔の形成されたディスク状の弁と、弁の裏側面の中央部を残して周縁下部を担持する台座と、弁の表側面の中央部を残し少なくとも弁の周縁上部を覆って弁を拘持するカバーと、を有するコネクタとしての医療用混注ポートが開示されている。
特許文献1に開示の医療用混注ポートは、不注意や誤操作等によって弁上部に薬液や血液が漏れだした場合であっても容易にふき取ることができるようにするため、弁の表側面における中央部と周縁部の境界に形成された弁切り欠き部と、カバーに形成された環状の鉤部とを係合させる構成とすると共に、弁の表側面のうち弁切り欠き部の内側を、弁切り欠き部の外側よりも突出させて、弁の中央部における肉厚が、弁の周縁部における肉厚より厚い構成とし、カバーの内側縁端部に生じていたカバーと弁との間の段差を解消する構成としている。
特許第4016313号公報
しかしながら、使用者が弁上部をふき取る際に、弁は、コネクタとしての医療用混注ポートの内方へと押圧されながらふき取られることがある。かかる場合に、特許文献1に開示の構成では、弁が混注ポートの内方に押し込まれ、弁上部が、カバーの内側縁端部よりも混注ポートの内方に移動してしまい、カバーと弁との間で段差が生じ、薬液等を容易にふき取ることができない場合がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、使用者が弁としての弾性弁体の外壁をふき取る際に、弾性弁体がコネクタの内方に押し込まれたとしても、この押し込みによって弾性弁体の外壁とこの弾性弁体の外壁と共にコネクタ外表面を構成する部材との間に段差が形成されること、を抑制するコネクタ、及び当該コネクタを備える輸液セットを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様としてのコネクタは、外方から挿入されるオスコネクタの挿入口を区画するハウジングと、スリットを有し、前記挿入口に位置する弾性弁体と、を備え、前記弾性弁体の外壁は、前記ハウジングの内壁のうち前記挿入口を区画する内壁の、前記オスコネクタの挿入方向と逆方向側の端部に位置する縁と接触する接触部と、当該接触部と連続して延在し、前記縁よりも前記逆方向側へ突出する突出部と、を備え、前記接触部から前記突出部の頂点までの前記逆方向における高さHは、0mm<H≦0.4mmであり、前記縁のうち前記挿入口を挟んで対向する2点の縁を含み、前記挿入方向に沿う一断面において、前記突出部は、前記接触部から、前記挿入方向と直交する方向において前記挿入口の中心側に向かうにつれて、前記接触部に対する前記逆方向側への突出量が漸増する、前記接触部と隣接する隣接部を有し、前記弾性弁体は、前記挿入方向と直交する断面形状が、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されていない状態において、前記スリットの長手方向側に短軸を有し、前記スリットの長手方向と直交する方向に長軸を有する楕円形状であり、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されている状態では、前記挿入口を区画する内壁に押されることにより略円形を呈すると共に、前記接触部を構成する、側壁部と、前記側壁部と連続し、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されている状態で前記隣接部を構成する曲面部と、を備え、前記曲面部は、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されていない状態において、前記側壁部の長軸方向において前記スリットからの距離が遠い位置にあるほど、前記長軸方向の長さが長い構成である。
本発明の1つの実施形態として、前記挿入方向に沿う前記一断面において、前記隣接部は、円弧形状であることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記挿入方向に沿う前記一断面において、前記接触部は、前記2点の縁の一方と接触する第1接触部、及び他方と接触する第2接触部を有すると共に、前記隣接部は、前記第1接触部と隣接する第1隣接部、及び前記第2接触部と隣接する第2隣接部を有し、前記挿入方向に沿う前記一断面において、前記突出部は、前記第1隣接部と、前記第2隣接部と、前記第1及び前記第2隣接部の間で前記第1及び前記第2隣接部に隣接して位置し、前記挿入方向と直交する方向に延びる、前記スリットが形成された平面状の平面部と、を備えることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記弾性弁体を前記平面部側から見た場合に、前記隣接部は、少なくとも前記スリットの長手方向と直交する方向に設けられていることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記ハウジングは、前記縁を含み、前記挿入方向と直交する方向に延在する平面状の延在部を有することが好ましい。
本発明の第2の態様は、前記コネクタを備える輸液セットである。
本発明によると、使用者が弾性弁体の外壁をふき取る際に、弾性弁体がコネクタの内方に押し込まれたとしても、この押し込みによって弾性弁体の外壁とこの弾性弁体の外壁と共にコネクタ外表面を構成する部材との間に段差が形成されること、が抑制される。
本発明の一実施形態としてのコネクタ1を示す断面図である。 図2Aはコネクタ1に用いる弾性弁体の天面を示し、図2Bは底面を示すものである。 図3Aは図2BのI方向から見た弾性弁体の側面図を示し、図3Bは図2BのII方向から見た側面図を示すものである。 図4Aは、図2Bの弾性弁体のIII−III断面図を示し、図4Bは図2BのIV−IV断面図を示すものである。 図1における断面の一部を拡大した拡大断面図である。 本発明に適用可能なホルダのうち、図1、図5に示すホルダ7とは異なる形状のホルダ70を示す図である。 本発明に適用可能なホルダのうち、図1、図5に示すホルダ7とは異なる形状のホルダ80を示す図である。 図5における断面の一部を拡大した拡大断面図である。 実験結果を示すグラフである。 コネクタ1にオスコネクタ100が挿入されている状態を示す図である。 本発明の一実施形態としての、コネクタ1を備えた輸液セット90を示す図である。
以下、本発明に係るコネクタ及び輸液セットの実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
まず、本発明に係るコネクタの1つの実施形態について説明する。図1は本実施形態におけるコネクタ1を示す断面図である。
図1に示すように、コネクタ1は、ハウジング2と、このハウジング2に取り付けられる弾性弁体3と、を備えている。
ハウジング2は、外方から挿入されるオスコネクタ100(図10参照)の挿入口4を区画しており、スリット5を有する弾性弁体3がこの挿入口4に位置している。そして、ハウジング2は、弾性弁体3の外壁と共にコネクタ外表面を構成している。なお、挿入口4は、外方からオスコネクタ100の先端部101を挿入可能な中空部であり、この中空部に弾性弁体3が位置するように、ハウジング2は弾性弁体3を保持している。つまり、挿入口4は、ハウジング2に弾性弁体3が取り付けられた状態で、弾性弁体3が位置する部分の中空部を意味する。
具体的に、本実施形態におけるハウジング2は、挿入口4を区画するキャップ6と、このキャップ6を支持するホルダ7と、を備えている。
キャップ6は、天面キャップ8と、底面キャップ9と、を備えており、挿入口4は、天面キャップ8の一部と、底面キャップ9の一部とにより区画されている。弾性弁体3は、天面キャップ8と底面キャップ9とにより、周囲を圧縮、挟持されて挿入口4内での位置が固定されている。弾性弁体3については後述する。
ホルダ7は、キャップ6としての天面キャップ8及び底面キャップ9を支持している。本実施形態では、天面キャップ8及び底面キャップ9の両方がホルダ7に接触して支持される構成であるが、底面キャップ9を天面キャップ8に保持させて、天面キャップ8のみをホルダ7に接触させてホルダ7に支持させる構成を採用してもよい。また逆に天面キャップ8を底面キャップ9に保持させて、底面キャップ9のみをホルダ7に接触させてホルダ7に支持させる構成であってもよい。
ハウジング2を構成するホルダ7、並びにキャップ6としての天面キャップ8及び底面キャップ9の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリ−(4−メチルペンテン−1);アイオノマー;アクリル樹脂;ポリメチルメタクリレート;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂);ブタジエン−スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル;ポリエーテル;ポリエーテルケトン(PEK);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンオキシド;変性ポリフェニレンオキシド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリアリレート;芳香族ポリエステル(液晶ポリマー);ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂;などの各種樹脂材料が挙げられる。また、これらのうちの1種以上を含むブレンド体やポリマーアロイなどでもよい。その他に、各種ガラス材、セラミックス材料、金属材料であってもよい。
弾性弁体3は、オスコネクタ100(図10参照)がコネクタ1に着脱される際に弾性変形して開閉することができるようにスリット5が設けられており、キャップ6としての天面キャップ8及び底面キャップ9により形成された挿入口4を閉塞するように配置されている。具体的に、弾性弁体3は、天面キャップ8と底面キャップ9とで構成される挟持部により挟持されて位置が固定される。
弾性弁体3は、金型成形され、弾性変形可能に形成される。この弾性弁体3の材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合したものであってもよい。
また、弾性弁体3の硬度は、20〜60°(A硬度)であることが好ましい。これにより、弾性弁体3に適度な弾性力を確保することができるため、弾性弁体3に後述する弾性変形を生じさせることができる。
以下に本実施形態における各部材及び各部材により構成される特徴部の詳細について説明する。
[弾性弁体3]
図2A及び図2Bは、弾性弁体3単体の天面10及び底面11をそれぞれ示した図であり、図3A及び図3Bは、図2Bで示すI及びIIからそれぞれ見た弾性弁体3の側面図を示している。また、図4A及び図4Bは、図2Bにおける弾性弁体3のIII−III及びIV−IV断面図をそれぞれ示した図である。
図2〜4に示すように、弾性弁体3は、ディスク状の外形を有するディスク状弁体であって、弾性弁体3の外壁の一部である天面10は、天面中心部領域12と、当該天面中心部領域12よりも半径方向外側に位置する天面外部領域13と、により構成されている。
図2〜4に示すように、天面中心部領域12は、天面外部領域13よりも外方(図3、4において上方)に位置する平面状の天面平面部14と、この天面平面部14と直交する方向に延在する側壁部15と、を有する。
天面平面部14の中央には一文字状のスリット5が形成されている。このスリット5は金型成形されるものであり、成形時には底面11まで貫通しておらず、金型成形後の例えば最初のオスコネクタ100の挿入時において、底面11まで貫通する構成としている。なお、スリット5を貫通させる工程を金型成形が完了した後に製造工程の一部として実行することも可能である。
また、図2Aに示すように、天面中心部領域12の天面平面部14は、弾性弁体3が挿入口4(図1参照)に収容されていない状態で、スリット5の長手方向(図2Aにおいて上下方向)側に短軸を有し、スリット5の長手方向と直交する方向(図2Aにおいて左右方向)に長軸を有する楕円形状に形成されている。しかしながら、この天面中心部領域12の天面平面部14は、弾性弁体3が挿入口4に収容されると、楕円の長軸側で天面中心部領域12の側壁部15が天面キャップ8の内壁31(図1参照)に押されることにより円形を呈し、これに伴いスリット5の内面同士が密着して閉じられる。なお、図1及び後に参照する図5においては、スリット5を、構成の理解を容易にするため、密着して閉じられた状態として描いていないが、実際は内面同士が密着して閉じた状態となっている。
ここで、図2〜図4に示すように、天面中心部領域12は、上述の天面平面部14及び側壁部15以外に、天面平面部14の外縁と側壁部15とを接続する曲面部24を有する。具体的に、曲面部24は、スリット5の長手方向と直交する断面(例えば図4Aに示す断面)の断面視で円弧形状を有しており、この曲面部24を介して天面平面部14と側壁部15とが接続されている。このように曲面部24を設けることにより、弾性弁体3がハウジング2に取り付けられた状態で、挿入されていたオスコネクタ100(図10参照)が抜去され、コネクタ1(図1参照)内に押し込まれていた弾性弁体3が復元力により所定の位置に戻る際に、弾性弁体3の天面10がハウジング2の内壁31(図1参照)に引っかかりにくくなる。更に、本実施形態では、図2Aに示すように、楕円形の天面平面部14の長軸方向(図2Aにおいてスリット5の長手方向と直交する方向)において、スリット5からの距離が遠い位置にある曲面部24ほど、同方向における曲面部24の長さLが長い構成となっている。これは、天面中心部領域12の天面平面部14の外縁のうち、楕円形の天面平面部14の長軸方向において、スリット5からの距離が遠い位置にある外縁ほど、弾性弁体3が復元力により所定の位置に戻る際に、ハウジング2の内壁と引っかかりやすいためである。
なお、図4Bに示すように、本実施形態では、スリット5を含む、スリット5の長手方向に平行な断面で弾性弁体3を見た場合、天面平面部14の両端には円弧形状の曲面部24が設けられておらず、天面平面部14と側壁部15とが、略直角の角度で直接接続されているが、曲面部24を、天面平面部14の外縁全域に亘って設ける、すなわち弾性弁体3を天面10側から見た場合に天面平面部14の周囲を取り囲むように設けるようにしてもよい。
図2及び図4に示すように天面外部領域13には、天面中心部領域12を取り囲むように天面環状溝16が形成されており、後述する天面キャップ8の係止突起30(図5参照)がこの天面環状溝16に入り込み弾性弁体3を圧縮して挟持部の一部を構成する。また、本実施形態の天面環状溝16は、図4の断面視において天面中心部領域12側の溝壁が円弧状に形成されている。このような構成とすることにより、弾性弁体3の復元性能を向上させることができる。なお、本実施形態では天面環状溝16が天面中心部領域12と隣接する位置に設けられている、すなわち図4の断面視において、天面中心部領域12を構成する側壁部15が、天面環状溝16の溝壁をも構成しているが、天面キャップ8の係止突起30の位置や形状に応じて適宜変更することが可能である。
弾性弁体3の天面10とは反対側の面であって、天面10と同様、弾性弁体の外壁の一部を構成する底面11は、平面状の底面中心部領域17と、この底面中心部領域17よりも半径方向外側に位置する底面外部領域18と、半径方向において底面中心部領域17と、底面外部領域18との間に位置する底面中間部領域19と、で構成されている。
底面中心部領域17は、天面平面部14と平行な面である底面平面部20により構成されている。底面平面部20には、スリット5は形成されていないが、上述したとおり、例えば最初のオスコネクタ100(図10参照)の挿入時において、弾性弁体3の天面10の天面平面部14に形成されているスリット5の先端部と底面平面部20との間の部分が裂けることによって、スリット5は天面平面部14から底面平面部20まで連通する。なお、図2Bには、説明の便宜上、天面10側にあるスリット5の位置を破線で示している。
底面中間部領域19は、底面中心部領域17及び底面外部領域18よりも外方(図3、4において下方)に突出する底面突出部21により構成されている。底面突出部21は、底面中心部領域17における弾性弁体3の肉厚よりも、底面中間部領域19における弾性弁体3の肉厚の方が厚くなるように形成されている。底面突出部21を設けない構成の場合には、オスコネクタ100の挿入時や抜去時などに弾性弁体3に過剰な負荷がかかってしまう時や、オスコネクタ100が繰り返し挿入及び抜去される時に、連通したスリット5の底面11側の長手方向端部が裂けてしまうという問題があるが、底面突出部21を設けることによりスリット5の長手方向端部が補強されて上記問題の発生を抑制することが可能である。なお、本実施形態では、弾性弁体3を底面11側から見た場合に、底面中心部領域17を取り囲むように環状の底面突出部21が形成され、その中でも天面10に形成されたスリット5の長手方向の両側に対応する部分の肉厚が最も厚く形成されている。このような構成とすることにより、貫通したスリット5の長手方向における端部が裂けることを抑制すると共に、弾性弁体3のオスコネクタ挿入性の良さと弾性復元力の維持とを両立することが可能となる。
底面外部領域18には、底面中間部領域19を取り囲むように底面環状溝22が形成されており、後述する底面キャップ9の係止突起34がこの底面環状溝22に入り込み弾性弁体3を圧縮して、天面キャップ8の係止突起30と共に挟持部を構成する(図5参照)。
なお、図3及び図4に示すように、弾性弁体3の天面10における天面外部領域13の外縁と、底面11における底面外部領域18の外縁とは、天面10及び底面11と共に弾性弁体の外壁を構成する略円筒状の側壁部23により接続されている。
[天面キャップ8]
図5は、上述した弾性弁体3が、天面キャップ8と底面キャップ9とに挟持されている状態を示す拡大断面図である。図1及び図5を参照しながら天面キャップ8、底面キャップ9、ホルダ7の構成を以下に説明する。
図1に示すように、天面キャップ8は、略円筒状の中空筒部25と、中空筒部25の一端側に設けられたフランジ部26により構成されている。図5に示すように中空筒部25の他端側である上面(図5における上面)は、オスコネクタ100の挿入方向A(本実施形態では弾性弁体3の天面平面部14に垂直な方向のうちの一方向)と直交する方向Bに延在する平面状の延在部27である。この延在部27には、オスコネクタ100が外方より挿入される挿入口4の一端を区画する略円形の縁28が含まれる。中空筒部25の外周面にはISO594で規定されたロックコネクタと螺合することができるようにねじ山29が形成されている。フランジ部26は、中空筒部25と一体で型成形された部位であり、フランジ部26が後述するホルダ7と係合することにより天面キャップ8がホルダ7に保持される構成である。
図5に示すように、中空筒部25の内壁のうち縁28の近傍には、オスコネクタ100の挿入方向Aに向かって突出し、上述した弾性弁体3の天面環状溝16(図2、図4参照)に入り込んで弾性弁体3を圧縮する係止突起30が設けられている。縁28と係止突起30の間に形成される、天面キャップ8の内壁31は、オスコネクタ100が挿入されていない状態では上述した弾性弁体3の側壁部15(図2〜図4参照)と接触し、オスコネクタ100が挿入されている状態(図10参照)ではオスコネクタ100と接触するように構成されている。つまり、オスコネクタ100が挿入されていない状態では、弾性弁体3の天面中心部領域12(図2〜図4参照)が内壁31により囲まれる略円柱状の空間に嵌り込み、オスコネクタ100が挿入されている状態ではオスコネクタ100が円筒状の内壁31により天面キャップ8と嵌合する。なお、本実施形態における内壁31は、挿入方向Aに対して平行な円筒状であるが、オスコネクタ100の外形に応じて、挿入方向Aに向かって漸減的に内径が小さくなるテーパー状としてもよい。
また、図5に示すように、オスコネクタ100が挿入されていない状態では、弾性弁体3の天面中心部領域12のうち、オスコネクタ100の挿入方向Aと直交する方向Bに延在する天面平面部14は、中空筒部25の内壁のうち挿入口4を区画する内壁31の、オスコネクタの挿入方向Aと逆方向C側に位置する縁28(上述したように本実施形態における縁28は、延在部27にも含まれる)よりも、更に逆方向C側に位置している。すなわち、天面中心部領域12の一部が、縁28よりも逆方向C側に突出している。この点の詳細は後述する。
[底面キャップ9]
図1に示すように、底面キャップ9は、天面キャップ8と同様、略円筒状の中空筒部32と、中空筒部32の一端側に設けられたフランジ部33とを備える構成である。中空筒部32の他端側には、オスコネクタ100の挿入方向Aとは逆方向Cに向かって突出し、上述した弾性弁体3の底面環状溝22(図2B、図4参照)に入り込んで弾性弁体3を圧縮し、挟持する係止突起34が設けられている(図5参照)。
底面キャップ9は、天面キャップ8の中空筒部25の内面及び/又はフランジ部26の下面(図1における下面)に超音波接着されることにより天面キャップ8により保持され、更に底面キャップ9のフランジ部33を後述するホルダ7により支持することにより位置が固定されている。
[ホルダ7]
図1に示すように、ホルダ7は、天面キャップ8及び底面キャップ9を支持し、その内部に略円柱状の液体流路35を区画している。本実施形態のホルダ7は、天面キャップ8及び底面キャップ9と直接接触することにより両者を支持しているが、例えばホルダ7が天面キャップ8とは接触せずに底面キャップ9のみと直接接触し、天面キャップ8は底面キャップ9に接触、支持させる構成としてもよい。すなわちホルダ7が天面キャップ8と底面キャップ9のいずれか一方と直接接触して支持し、他方とは直接接触しない構成としてもよい。なお、直接接触する部材同士は、例えば超音波接着などにより接着するようにすることが好ましい。
また、オスコネクタ1が挿入されていない状態では、天面キャップ8の一部の内壁と底面キャップ9の一部の内壁とで区画され、弾性弁体3が位置する挿入口4は、液体流路35と連通している。ここで、挿入口4と液体流路35が「連通する」とは、両空間が繋がっていることを意味しており、両空間が直接繋がっていることのみならず、別の空間を介して繋がっていることも含む意味であり、図1に示す本実施形態における挿入口4と液体流路35とは、底面キャップ8が区画する中空部を介して繋がっている構成である。
また、詳細は後述するが、コネクタ1にオスコネクタ100が挿入されるときは、オスコネクタ100の先端部101が挿入口4を通って液体流路35内或いはその近傍まで入り込み、オスコネクタ100内の液体流路とホルダ7の液体流路35とが連通する(図10参照)。
更に図1に示すように、本実施形態におけるホルダ7は、内周面にロックコネクタ用のねじ山が設けられた略円筒状の外筒部36と、この外筒部36が区画する中空部に設けられたオスルアー部37と、を備えたものを用いているが、このホルダ7の形状に限定されるものではなく各種ホルダが使用可能であり、ユーザーの使用用途等に応じて適宜変更可能である。例えば、図6に示すようなホルダ70が挙げられる。ホルダ70は、中空部を内部に有する略円筒状の筐体からなるホルダ本体71と、ホルダ本体71の外周面から突出した円筒状の上流ポート部72及び下流ポート部73とを備える。ホルダ本体71内部の中空は、上流ポート部72から下流ポート部73に達する液体流路74の一部を担っている。またホルダ70の外壁上に天面キャップ8及び底面キャップ9が支持されている。図6に示すホルダ70は、内部の液体流路の形状や液体流路の形状に伴う外形がホルダ7とは異なるが、弾性弁体3、天面キャップ8、底面キャップ9は上述したものと同一のものが使用可能である。
また、上述のホルダ70の他に、図7に示すような、ホルダ80を、ホルダ7に代えて用いることも可能である。ホルダ80は、コック81を内部に収容する略円筒状のホルダ本体82と、ホルダ本体82の外壁に設けられた、略円筒状の上流ポート部83と、ホルダ本体82を挟み、上流ポート部83とは反対側の位置でホルダ本体82の外壁に設けられた、略円筒状の下流ポート部84と、上流ポート部83及び下流ポート部84の位置とは異なる位置で、ホルダ本体82の外壁に設けられた分岐ポート部85と、を備える三方活栓用のものである。ホルダ80の内部には、図7において矢印で示すような液体流路86を形成することができる。弾性弁体3、天面キャップ8、及び底面キャップ9は、図7に示すホルダ80の分岐ポート部85の端部に設けられ、ホルダ80により支持される。
ここで、本実施形態では、弾性弁体3を、キャップ6を構成する天面キャップ8と底面キャップ9とにより挟持する構成としているが、例えば、底面キャップ9とホルダ7とを単一の部材で構成し、ホルダ7自体に底面キャップ9の機能を持たせ、キャップ6を構成する天面キャップ8と、ホルダ7と、で弾性弁体3を挟持するようにしてもよい。また、ホルダ7の形状の代わりにホルダ70の形状を用いて、底面キャップ9とホルダ70とを単一の部材で構成するようにしてもよいし、ホルダ7の形状の代わりにホルダ80の形状を用いて、底面キャップ9とホルダ80とを単一の部材で構成するようにしてもよい。
[弾性弁体3と天面キャップ8との位置関係]
上述したように、オスコネクタ100が挿入されていない状態では、弾性弁体3の天面中心部領域12の一部が、天面キャップ8の縁28よりも、オスコネクタ100の挿入方向Aと逆方向C側に突出している。図5は、略円形の縁28のうち挿入口4を挟んで対向する2点の縁を含み、オスコネクタ100の挿入方向Aに沿う断面図であり、図8は、図5に示す断面における延在部27の周囲を示す拡大断面図である。以下、図5及び図8を参照して、この点について詳しく説明する。
図5に示すように、弾性弁体3の天面10のうち天面中心部領域12は、天面キャップ8の内壁31で区画される略円柱状の空間(挿入口4の一部)に嵌り込み、側壁部15が内壁31と接触すると共に、天面平面部14が縁28よりも逆方向C側に突き出している。
具体的は、弾性弁体3の外壁は、挿入口4を区画する内壁31の、オスコネクタ100の挿入方向Aと逆方向C側の端部に位置する縁28と接触する接触部38と、この接触部38と連続して延在し、縁28よりも逆方向C側へ突出する突出部39と、を有している。
接触部38は、図2〜図4に示す弾性弁体3の側壁部15の一部であり、略円形の縁28の周方向全域で縁28と接触し、弾性弁体3の弾性力により内壁31を押圧している。
突出部39は、接触部38と隣接する隣接部40としての曲面部24と、突出部39の頂部に位置する平面部41としての天面平面部14とにより構成されている。隣接部40は、図5及び図8の断面視において、接触部38から、挿入方向Aと直交する方向Bにおいて挿入口4側に向かうにつれて、接触部38に対する逆方向C側への突出量が漸増する形状で構成され、本実施形態における隣接部40は、同断面視において円弧形状を有する曲面部24である。なお、この円弧形状を一部とする円を想定した場合に、この円の半径Rは、0mm<R≦0.5mmとしている。また、接触部38と隣接する隣接部40とは、接触部38と連続して延在する突出部39のうち、接触部38と直接連続する部分を意味している。
このような突出部39を設けることにより、医療従事者などの使用者が弾性弁体3の外壁である天面10付近に付着した薬液等をふき取る際に、弾性弁体3がコネクタ1の内方(オスコネクタ100の挿入方向A)に多少押し込まれたとしても、この押し込みによって弾性弁体3の天面中心部領域12と、この弾性弁体3の天面中心部領域12と共にコネクタ1の外表面を構成する天面キャップ8における縁28と、の間に段差(内壁31が外部に露出するような段差)が形成されにくくなる。
また、コネクタ1が繰り返し使用され、オスコネクタ100の挿入が何度も行われると、弾性弁体3が、当初固定されていた位置から若干移動し、オスコネクタ100が挿入されていない状態であるにも関わらず、弾性弁体3の天面10の位置が、当初固定されていた位置まで復元しなくなることがある。しかしながら、本実施形態のような突出部39を有する構成とすれば、コネクタ1の繰り返しの使用によって、弾性弁体3の固定位置が多少移動したとしても、弾性弁体3の天面と縁28との間に上述の段差が生じにくくなる。
更に、本実施形態では、図5及び図8の断面視において、接触部38から、挿入方向Aと直交する方向Bにおいて挿入口4側に向かうにつれて、接触部38に対する逆方向C側への突出量が漸増する隣接部40を備える構成であるため、このような隣接部40を備えない構成(隣接部40が側壁部15の一部である構成)と比較して、使用者が弾性弁体3の天面10付近に付着した薬液等をふき取り易い。
また更に、本実施形態における接触部38は、図5及び図8の断面視における2点の縁の一方の縁28aと接触する第1接触部38aと、他方の縁28bと接触する第2接触部38bとを有する。また、本実施形態における突出部39の隣接部40は、第1接触部38aと隣接する第1隣接部40aと、第2接触部38bと隣接する第2隣接部40bとを有する。従って、図5及び図8の断面における突出部39は、第1隣接部40aと、第2隣接部40bと、第1隣接部40a及び第2隣接部40bの間でこれら第1及び第2隣接部40a、40bに隣接して位置し、オスコネクタ100の挿入方向Aと直交する方向Bに延びる平面状の平面部41と、で構成されている。
つまり、本実施形態の突出部39は、図5及び図8の断面視において、縁28から挿入方向Aの逆方向C側へ突出する1つの突起により構成されているが、同断面視において複数の突起で構成される突出部39とすることも可能である。但し、本実施形態のような1つの突起により突出部39を構成すれば、天面キャップ8の縁28近傍における薬液等のふき取り易さに加えて、弾性弁体3の天面中心部領域12のうちスリット5近傍についてもふき取り易い構成とすることができるため有益である。
なお、本実施形態では、隣接部40として、図5の断面視において円弧形状を有する曲面部24を用いたが、これに限られるものではなく、例えば、図5の断面視において、接触部38から、挿入方向Aと直交する方向Bにおいて挿入口4側に向かうにつれて、接触部38に対する逆方向C側への突出量が漸増する直線状の隣接部40とすることも可能である。但し、隣接部40を、本実施形態のように、図5の断面視において円弧形状を有する曲面部24とすることにより、直線状の隣接部40とするよりも弾性弁体3がハウジング2に取り付けられた状態で、挿入されていたオスコネクタ100(図10参照)が抜去され、コネクタ1(図1参照)内に押し込まれていた弾性弁体3が復元力により所定の位置に戻る際に、弾性弁体3の天面10がハウジング2の内壁31(図1参照)に引っかかりにくくなる。
ここで、本実施形態では、オスコネクタ100の挿入方向Aの逆方向Cにおいて、接触部38から突出部39の頂点までの高さHを、0mm<H≦0.4mmの範囲としている。なお、「突出部の頂点」とは、挿入方向Aの逆方向Cにおいて、突出部のうち最も端部に位置する点であり、本実施形態の突出部39のように、突出部の頂部が挿入方向Aと直交する方向Bに延在する平面で構成される場合には、頂部を構成する無数の点の中の任意の1点を意味する。実際には、オリンパス社製の3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS4000」の段差測定モードを用いて、接触部38と突出部の頂点との差を測定し、高さHとしている。
図9は、弾性弁体3の天面10に付着した薬液等のふき取り易さが、突出部39の高さHによって異なることを示す実験結果である。
この実験は、高さHが異なる複数のコネクタを用意し、これらコネクタの弾性弁体天面の付近に、例えば赤色などの色素を付着させ、次いでこの色素をふき取り、最後に、ふき取った後のコネクタに残った色素の量を比較することにより行なわれる。なお、コネクタに付着させた色素は、医療従事者が通常行うように、消毒用アルコールを含浸させた脱脂綿を親指の腹で押し当てて、手作業でふき取った。
図9に示すグラフは、横軸に高さH(mm)をとり、縦軸に、コネクタに残った色素を溶かした水における色素濃度(ppm)をとっている。つまり、色素濃度(ppm)の値が大きいほどコネクタに残った色素の量が多いことを意味している。なお、横軸の高さHが負の値となる部分は、弾性弁体の天面が天面キャップの縁より突出しておらず、天面キャップの、挿入口を区画する内壁が外部に露出するような段差が形成されている状態を意味している。
図9に示すように、高さHが負の値をとると、高さHの値のみならず、固体差や拭き方等によって、コネクタ表面に残ってしまう色素の量が大きく変動し、ばらついてしまうことがわかる。これに対して、高さHが正の値、すなわち、弾性弁体3の一部の外壁を、挿入口4の一端を区画する縁28よりも外方に突出させる構成の場合には、固体差や拭き方等によるばらつきが抑えられると共に、コネクタ表面に残ってしまう色素の量も十分に低減できていることがわかる。
図9に示す実験結果から、突出部39の高さHは、個体差等によらず色素濃度を低く抑えることが可能な、0mm<H≦0.4mm以下とすることが好ましく、更には、固体差等によらず色素濃度をほぼ0(ppm)に近い値に抑えることが可能な0mm<H≦0.2mm以下とすることが特に好ましい。
なお、図5及び図8に示す弾性弁体3は、スリット5の長手方向と直交する断面を示しているため、突出部39は、隣接部40としての曲面部24と、平面部41としての天面平面部14とにより構成されているが、弾性弁体3を、スリット5を含み、スリット5の長手方向と平行な断面(図4Bに示す断面)で見た場合には、突出部39は、接触部38からオスコネクタ100の挿入方向Aとは逆方向Cに延在する側壁部15の一部と、この側壁部15と直接接続する天面平面部14と、により構成されている。つまり、この断面においては、隣接部40が存在しない。言い換えれば、弾性弁体3を平面部41側から見た場合に、隣接部40は、少なくともスリット5の長手方向と直交する方向に設けられていることが好ましい。少なくともこの位置に隣接部40が設けられていれば、上述したように、弾性弁体3がハウジング2に取り付けられた状態で、コネクタ1内に押し込まれた弾性弁体3が復元力により所定の位置に戻る際に、弾性弁体3の天面中心部領域12の一部が天面キャップ8の内壁31に引っかかってしまうことを抑制することができる。
[オスコネクタ100が挿入されている状態でのコネクタ1]
ここまでは、主にオスコネクタ100が挿入されていない状態でのコネクタ1について説明してきた。以下に、オスコネクタ100が挿入されている状態におけるコネクタ1の各部材について説明する。
図10は、オスコネクタ100がコネクタ1に挿入されている状態を示すものである。なお、図10は、ホルダ7の代わりに上述したホルダ80(図7参照)を用いた構成を示しているが、ホルダ7やホルダ70(図6参照)を用いることも可能である。弾性弁体3、天面キャップ8、底面キャップ9については、上述したコネクタ1の構成と同一のものである。
オスコネクタ100がコネクタ1に挿入されると、オスコネクタ100の先端部101が弾性弁体3をコネクタ1内へと押し込むように弾性変形させ、貫通したスリット5を通じてホルダ80の分岐ポート部85が区画する液体流路87に到達する。
弾性弁体3は、オスコネクタ100の挿入により弾性変形し、底面キャップ9の内壁とオスコネクタ100の外壁との間に入り込み、オスコネクタ100の外面に密着した状態となる。これにより、コネクタ1の挿入口4から外部へ液体が漏れることが抑制される。
オスコネクタ100の先端部101は、ホルダ80の分岐ポート部85の上面に形成された位置決め部88に対して弾性弁体3を挟んだ状態で突き当たり、挿入方向Aでの位置決めがされる。なお、弾性弁体3を挟んだ状態ではあるが、弾性弁体3には貫通したスリット5(図7参照)が設けられているため、オスコネクタ100内の液体流路はスリット5を通じて液体流路87と連通した状態となっている。
[コネクタ1を用いた輸液セット90]
最後に、本発明の1つの実施形態としての、コネクタ1を備える輸液セット90について説明する。図11は輸液セット90を示す図である。なお、図11で示す輸液セット90は、ホルダ80(図7参照)を用いたコネクタ1を備えるものであるが、図1に示すホルダ7や、図6に示すホルダ70を用いたコネクタ1を備える輸液セットとしてもよい。
輸液セット90は、図11において図示しない輸液バッグから、図11において同じく図示しない留置針までを接続する輸液ラインを形成するものである。具体的に、輸液セット90は、複数の輸液チューブ91と、輸液バッグから供給される輸液剤の流量を視認可能な点滴筒92と、輸液チューブ91内の輸液剤の流量を調整するクレンメ93と、輸液ラインに存在する空気を排出(又は供給)するエアベントフィルタ94と、輸液チューブ91を閉塞するクランプ95と、を備える。
本実施形態では、コネクタ1が、クレンメ93とエアベントフィルタ94との間に設けられている。コネクタ1は、点滴筒92から下流側に延在する第1輸液チューブ91aと、エアベントフィルタ94の上流側に延在する第2輸液チューブ91bとの間を流通可能に接続することで輸液ラインのメインラインの流路の一部を構成する。
また、ホルダ80の分岐ポート部85には、弾性弁体3(図7参照)、天面キャップ8(図7参照)、及び底面キャップ9(図7参照)が取り付けられており、オスコネクタ100を挿入可能な挿入口4(図7参照)が区画されている。この挿入口4に、オスコネクタ100を先端に備える第3輸液チューブ91cが接続され、輸液ラインのサブラインが構成されている。従って、コネクタ1内において、輸液ラインのメインラインとサブラインとが繋がっている。
なお、本実施形態では、コネクタ1を、クレンメ93とエアベントフィルタ94との間に設けたが、この位置に限られるものではなく、所望の位置に設けることが可能である。また、本実施形態の輸液セット90は、コネクタ1を1つのみ備える構成であるが、複数設ける構成としてもよい。
本発明は、上述した実施形態で特定された構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
なお、ここで用いられている弾性弁体3の「天面」とは、弾性弁体3がハウジング2に取り付けられた状態において、弾性弁体3のうち少なくとも一部が外方に露出される面を意味するものであり、「天面キャップ」とは、弾性弁体3の「天面」に接触するキャップを意味している。同様に、弾性弁体3の「底面」とは、天面と反対側の面を意味し、「底面キャップ」とは、弾性弁体3の底面に接触するキャップを意味するものである。
本発明は、コネクタ及び輸液セットに関し、特に、例えば各種医療機器や輸液容器等のオスコネクタを接続可能なコネクタ及び当該コネクタを備える輸液セットに関する。
1:コネクタ
2:ハウジング
3:弾性弁体
4:挿入口
5:スリット
6:キャップ
7、70、80:ホルダ
8:天面キャップ
9:底面キャップ
10:弾性弁体の天面
11:弾性弁体の底面
12:天面中心部領域
13:天面外部領域
14:天面平面部
15:側壁部
16:天面環状溝
17:底面中心部領域
18:底面外部領域
19:底面中間部領域
20:底面平面部
21:底面突出部
22:底面環状溝
23:側壁部
24:曲面部
25:天面キャップの中空筒部
26:天面キャップのフランジ部
27:延在部
28:縁
28a:一方の縁
28b:他方の縁
29:ねじ山
30:天面キャップの係止突起
31:内壁
32:底面キャップの中空筒部
33:底面キャップのフランジ部
34:底面キャップの係止突起
35、86、87:液体流路
36:外筒部
37:オスルアー部
38:接触部
38a:第1接触部
38b:第2接触部
39:突出部
40:隣接部
40a:第1隣接部
40b:第2隣接部
41:平面部
71、82:ホルダ本体
72、83:上流ポート部
73、84:下流ポート部
74:液体流路
81:コック
85:分岐ポート部
88:位置決め部
90:輸液セット
91:輸液チューブ
91a:第1輸液チューブ
91b:第2輸液チューブ
91c:第3輸液チューブ
92:点滴筒
93:クレンメ
94:エアベントフィルタ
95:クランプ
100:オスコネクタ
101:オスコネクタの先端部
A:オスコネクタの挿入方向
B:オスコネクタ挿入方向に直交する方向
C:オスコネクタの挿入方向の逆方向
H:接触部から突出部の頂点までの高さ
L:楕円形の天面平面部の長軸方向における曲面部の長さ

Claims (6)

  1. 外方から挿入されるオスコネクタの挿入口を区画するハウジングと、
    スリットを有し、前記挿入口に位置する弾性弁体と、を備え、
    前記弾性弁体の外壁は、前記ハウジングの内壁のうち前記挿入口を区画する内壁の、前記オスコネクタの挿入方向と逆方向側の端部に位置する縁と接触する接触部と、当該接触部と連続して延在し、前記縁よりも前記逆方向側へ突出する突出部と、を備え、
    前記接触部から前記突出部の頂点までの前記逆方向における高さHは、0mm<H≦0.4mmであり、
    前記縁のうち前記挿入口を挟んで対向する2点の縁を含み、前記挿入方向に沿う一断面において、前記突出部は、前記接触部から、前記挿入方向と直交する方向において前記挿入口の中心側に向かうにつれて、前記接触部に対する前記逆方向側への突出量が漸増する、前記接触部と隣接する隣接部を有し、
    前記弾性弁体は、
    前記挿入方向と直交する断面形状が、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されていない状態において、前記スリットの長手方向側に短軸を有し、前記スリットの長手方向と直交する方向に長軸を有する楕円形状であり、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されている状態では、前記挿入口を区画する内壁に押されることにより略円形を呈すると共に、前記接触部を構成する、側壁部と、
    前記側壁部と連続し、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されている状態で前記隣接部を構成する曲面部と、を備え、
    前記曲面部は、前記弾性弁体が前記挿入口に収容されていない状態において、前記側壁部の長軸方向において前記スリットからの距離が遠い位置にあるほど、前記長軸方向の長さが長い構成であることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記挿入方向に沿う前記一断面において、前記隣接部は、円弧形状であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記挿入方向に沿う前記一断面において、前記接触部は、前記2点の縁の一方と接触する第1接触部、及び他方と接触する第2接触部を有すると共に、前記隣接部は、前記第1接触部と隣接する第1隣接部、及び前記第2接触部と隣接する第2隣接部を有し、
    前記挿入方向に沿う前記一断面において、前記突出部は、前記第1隣接部と、前記第2隣接部と、前記第1及び前記第2隣接部の間で前記第1及び前記第2隣接部に隣接して位置し、前記挿入方向と直交する方向に延びる、前記スリットが形成された平面状の平面部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
  4. 前記弾性弁体を前記平面部側から見た場合に、前記隣接部は、少なくとも前記スリットの長手方向と直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
  5. 前記ハウジングは、前記縁を含み、前記挿入方向と直交する方向に延在する平面状の延在部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のコネクタ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のコネクタを備える輸液セット。
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