明細 : 管状成形体、 電線保護用被覆材料およぴ異型押出成形用樹脂 技術分野
- 本発明は、 (j ) 特定のプロピレン重合体含有樹脂組成物を用いた単 層又は多層からなり、 柔軟性、 可撓性、 耐折れ曲げ性などの特性に加 え、 透明性の確保も可能な柔軟性を有するホース、 チューブなどの管 状成形体、 (i i )成形性に優れ、 リサイクルが容易であり、 廃棄時や焼 却時に塩化水素ガスやダイォキシンなどの有毒ガス等の発生する恐れ が少なく地球環境に優しく、 かつべたつきが少なく、 軟質性及び透明 性にも優れる新規な電線保護用被覆材料および、 (H i ) 複雑な断面形 状を有し、 土木 · 建築分野、 家具、 機械部品、 自動車部品などに用い ることが可能な異形押出成形用樹脂及びその成形体に関する。 背景技術
従来、 ホース、 チューブなどの柔軟性を有する管状成形体は各種給 排水用、 各種給排液 (オイル等) 用、 給排気用、 給排粉粒用、 電気, 通信配線用、 医療用、 農業用、 土木用などそれぞれの用途に適した、 各種サイズ、 形状、 構造のものが用いられている。 これらの管状成形 体の素材としては、 天然ゴムゃェチレン一プロピレン共重合体ゴム、 スチレン系共重合体ゴムなどの合成ゴム、 ポリ塩化ビニル樹脂、 低密 度ポリエチレン、 ェチレン一酢酸ビュル共重合体などが用いられてい る。
中でも、 ポリ塩化ビュル樹脂は、 すぐれた機械的特性、 成形性、 可 塑剤による柔軟性の制御、 比較的安価に大量生産されていることなど から広く用いられてきている。 しかし、 ポリ塩化ビュル樹脂は、 比重 が大きく軽量性に劣ること、 耐寒性が十分でないことに加えて、 燃焼
時に有毒ガスを発生するという重大な問題点を有している。 さ らに、 環境ホルモンとして問題視されている可塑剤が長期間の使用によ りブ リードアウ ト し、 環境悪化の問題と共に柔軟性、 可撓性が著しく低下 する問題点を有している。
また、 低密度ポリエチレンは、 耐薬品性、 耐候性、 成形性にすぐれ た安価な樹脂ではあるが、 柔軟性、 弾力性、 変形回復性、 耐環境応力 破壊性、 耐衝擊性が十分でなく柔軟性が求められる分野への適用は困 難であるなどの問題点を有している。 さらに、 エチレン一酢酸ビュル 共重合体は、 柔軟性、 耐衝擊性にすぐれているものの、 柔らかすぎて 弾力性に乏しく形状保持性に劣る問題点があり、 耐磨耗性も低く傷つ き易く、 耐熱性も低いという問題点を有している。 ·
このように、 前記素材にはそれぞれの問題点がある。 このため、 結 晶性ポリプロピレン系樹脂にェチレン一プロピレン共重合体ゴムを配 合し、 有機過酸化物を用いて溶融混練して得られる熱可塑性エラスト マ一などを用いることが提案されてきている。 しかし、 複雑な組成、 架橋構造の管理などから高価になること、 ゴム成分や架橋構造により 、 成形性が低下するとともに、 回収リサィクルが困難であるという新 たな問題点がある。
このため、 さ らなる改良方法として、 ①低齊度ポリエチレンにポリ 塩化ビニル樹脂またはェチレンー酢酸ビニル共重合体、 および塩素化 ポリエチレンを混合することによ り、 強靭で柔軟性のある薄肉小嵩ホ
—スを製造する方法 (特開昭 4 9 - 7 6 1 1 8号公報) 、 ②結晶性ポ リプロピレン 3 0〜 6 0.質量%およびにエチレン一プロピレンージェ ン 3元共重合体 4 0〜 7 0質量%とからなる組成物でホース壁を形成 したホース (特開昭 5 1 — 1 2 6 5 1 8号公報) 、 ③断面を偏平だ円 状に構成し、 肉厚 0 . 3〜 1 . 5 m mの軟質プラスチックからなる洗 たく機用ホースで、 樹脂として軟質ポリエチレン、 軟質ポリプロピレ ンなどの樹脂の例示があるもの (特開昭 5 2— 5 5 2 6 7号公報) 、
④プロピレン単独重合部、 プロピレンと炭素数 5〜 1 2の直鎖状また は分岐 α—才レフィ ンとのランダム共重合体部およぴェチレンと炭素 数 5〜 1 2の直鎖状または分岐 α—才レフイ ンとのランダム共重合体 部からなるブロック共重合体によって形成されている自動車用ダク ト ホース (特開昭 5 6 - 7 2 0 4 3号公報) が提案されている。
しかしながら、 前記①〜④の方法は、 いずれにおいても、 柔軟性、 可撓性、 適度の弾性、 機械的特性、 表面特性などの柔軟性を有する管 状成形体として要求される特性上のバランスを欠く ものであったり、 製造方法が複雑であったり、 架橋構造を有するためにリサイクルでき ないなどの問題点を残している。
さらなる、 改良方法として、 ⑤特開平 1 0— 1 1 0 0 1 6号公報に は、 「少なく とも共役二重結合を持つ有機環状化合物および周期律表 第 I V族の遷移金属化合物の存在下に、 ェチレンと炭素数 3〜 2 0の α—ォレフィ ンを共重合させることにより得られる下記 (ィ) 〜 (へ ) の要件を満足するエチレン一 α—才レフイ ン共重合体、
(ィ) メルトフローレ一ト 0. 0 1〜 2 0 g / 1 0分
(口) 密度 0. 8 6〜 0. 9 1 g/ c m3
(ハ) 分子量分布 (Mw/Mn) 1 . 1 5〜 5. 0
(二) 組成分布パラメ一夕一 ( C b ) 1 . 0 8〜 2. 0 0
(ホ) 2 5 °Cにおけるォルソジクロルべンゼン (〇 I) C B ) 可溶分の 量 (X) (質量%) と密度 ( d) およびメルトフローレート (MF R ) の関係が、 ( 1 ) d— 0. 0 0 8 X 1 o g MF R≥ 0. 9 3の場合 には、 Xく 2 . 0であり、 ( 2 ) d— 0. 0 0 8 x l o g MF R< 0 . 9 3の場合には、 Xく 9. 8 X 1 03 X ( 0. 9 3 0 0 - d + 0. 0 0 8 x l o g MF R) 2 + 2. 0であり、
(へ) 連続昇温溶出分別法 (TR E F ) による溶出温度一溶出量曲線 のピークが複数個存在する。 」 からなる柔軟性ホース用樹脂組成物お よび柔軟性ホ一スが提案されている。
要約すれば、 メ タロセン系触媒を用いて製造されたェチレン一 α— ォレフィ ン共重合体であって、 特定のパラメータを満足し、 特に密度 が 0 . 8 6〜 0 . 9 1 g / c m 3 である共重合体を少なく とも含む樹 脂組成物からなる柔軟性ホースが開示されている。 この共重合体は、 旧来のチタン系触媒で得られた同様の密度を有するェチレン一 α—ォ レフィ ン共重合体からなる柔軟性ホースの有するベたつきや耐熱性を 改良しようとするものである。
また、 ⑥特開 2 0 0 0— 6 3 5 8 5号公報には、 ( Α ) エチレン一 と炭素数 6〜 1 2 のび一才レフインからなる、 メタ口セン系触媒を用 いて製造したエチレン一 α—ォレフィ ン共重合体 1 〜 9 9質量部と ( Β ) プロピレン系樹脂 1 〜 9 9質量部 〔 (Α ) と (Β ) の合計が 1 0 0質量部〕 とからなる部分的または完全に架橋された組成物から なる管状材料が開示されている。
しかしながら、 ⑤、 ⑥で用いられるェチレン一 α—才レフィ ン共重 合体中の α—ォレフィ ン量は比較的高く、 改良はされているものの依 然としてベたつき性を有するものである。 このため、 成形性が低下す るとともに、 管状成形体の取り扱い、 よごれ発生などの問題点がある 。 また、 ⑥のプロピレン系樹脂との混合物の架橋物を用いる場合は、 製造方法や物性の安定化などが難しく、 両樹脂の相溶性が低く透明性 にすぐれた管状材料を得ることは難しい場合があり、 用途は大きく制 限されるという問題点がある。
したがって、 これらのエチレン一 a—才レフイン共重合体は、 旧来 のチタン系触媒を用いたもの、 メ タロセン系触媒を用いたものであつ ても、 柔軟性の範囲が狭く、 また、 柔軟性を確保するためには、 ベた つきを避けることができず、 変形回復性による耐折れ曲げ性などを両 立させることは困難な状況にある。 さらに、 透明性が十分でなく、 使 用分野によっては、 ポリ塩化ビュルの代替ができないなどの大きな問 題点を依然として残している。
従って、 本発明の第一の目的は、 管状成形体としての柔軟性のホー ス、 チュ一ブなどとして要求される良好な柔軟性、 風合い (やわらか く、 ベとつき感がない) を有し、 機械的強度にすぐれ、 透明性、 ベた つき感がなく成形性にすぐれると共に、 塩素を含有せず、 廃棄焼却時 に塩化水素、 ダイォキシンなどの有害物質の発生の恐れのない地球環 境に優しいォレフィ ン系樹脂からなる管状成形体を提供することであ る。 また、 シ一スやジャケッ ト等の電線保護用被覆材料としては、 ポリ 塩化ビュル樹脂やポリエチレン樹脂が使用されている。 ところが、 ポ リ塩化ビニル樹脂には加ェ性を高めたり、 柔軟性を付与するために多 量の可塑剤が添加されているのが現状である。 そのため、 ポリ塩化ビ ニル樹脂製の電線保護被覆材料には可塑剤のブリードアウ トにより、 機械特性が変化するという欠点や、 電気的な悪影響を来す恐れなどが ある。 さらには、 ポリ塩化ビュル樹脂は焼却時に、 塩化水素ガスゃダ ィォキシン等を発生させるとして、 環境衛生面での問題が指摘されて いる。 また、 可塑化に用いられている可塑剤が環境ホルモンとして人 体に悪影響を及ぼすという懸念も指摘されている。 一方、 ポリエチレ ン樹脂には耐環境応力破壊特性が劣つたりする欠点があった。 このた め近年では、 代替材料として、 ポリオレフイン系樹脂の開発が盛んに 行われている。 しかしながら、 ポリオレフイン系樹脂を用いる場合に は、 柔軟性を発現させるために共重合させたり、 ゴム成分を配合した りする必要がある。 このため、 低分子量成分や、 共重合成分によるべ たつきが生じるといつた問題があつた。
従って本発明の第二の目的は、 成形性に優れ、 地球環境に優しく、 かつべたつきが少なく、 軟質性及び透明性にも優れる電線保護用被覆 材料を提供することである。
更に、 複雑な断面形状を有する異形押出成形体は、 土木 ·建築分野 や、 家具、 機械部品、 自動車部品などの多くの分野において使用され ている。 そしてそれらの素材としては主にポリ塩化ビュル系樹脂が使 用されてきた。 しかし、 ポリ塩化ビニル樹脂は焼却時に、 塩化水素ガ スゃダイォキシン等を発生させるとして、 環境衛生面での問題が指摘 されている。 また、 可塑化に用いられている可塑剤が環境ホルモンと して人体に悪影響を及ぼすという懸念も指摘されている。 このため近 年、 代替材料として、 ポリオレフィ ン系樹脂の開発が盛んに行われて いる。 しかしながら、 従来のポリエチレンやポリプロピレンなどのポ リオレフィ ン系樹脂は、 柔軟性を発現させるために共重合させたり、 ゴム成分を配合したりする必要がある。 このため、 低分子量成分や、 共重合成分によるべたつきが生じるといった問題があった。 さらに、 ポリ塩化ビニル系樹脂に比べ成形収縮率が 1 0〜 2 0倍と非常に大き く、 したがって、 異形押出法によつて成形しようとすると、 得られた 成形体は反りや変形を生じ、 寸法精度の良好なものを得ることができ ないという欠点があった。 また、 特開平 7— 2 4 7 3 1 8号公報には 特殊なポリプロピレンを用いる方法が提案きれているが、 柔軟性や透 明性の点では満足のいく ものではなかった。
従って本発明の第三の目的は、 異形押出成形体における前記のよう な問題点を改良し、 成形性に優れ反りや変形が小さく、 地球環境に優 しく、 かつべたつきが少なく、 軟質性及び透明性にも優れる異形押出 成形用樹脂及びその成形体を提供することである。 発明の開示
本発明者らは、 ポリ塩化ビニル樹脂が多用されている柔軟性ホース などの管状成形体の用途、 各種要求特性および要求レべルなどについ て鋭意検討を重ねた。 その結果、 特定のプロピレン重合体とォレフィ ン系重合体からなる樹脂組成物を用いる場合に、 ポリ塩化ビ二ル樹脂
の有する諸特性に匹敵すると共に、 塩素を含まず廃棄焼却時に塩化水 素、 ダイォキシンなどの有害物質の発生がなく、 さ らに環境ホルモン と して問題視されている可塑剤の問題もなく、 環境を汚染することの 少ない管状成形体が得られることを見い出した。
更に本発明者らは、 該樹脂組成物が電線保護用被覆材料および異形 押出成形用樹脂について上記の目的をも達成できることを見出し、 本 発明を完成するに至った。
本発明は、 これらの知見をもとになされたものである。 即ち、 本発明は、 以下の管状成形体、 電線保護用被覆材料および異 形押出成形用樹脂を提供するものである。
. 〔 1〕 下記 ( 1 ) 及び ( 2 ) を満たすプロピレン重合体 [ I ] 1〜 9 9質量%、
( 1 ) メ ソペンタツ ド分率 (mmmm) が 0. 2〜 0. 6である
( 2 ) ラセミペンタッ ド分率 (r r r r ) と ( 1一 mmmm) が下記 の関係を満たす
L r r r r / 一 mmmm) ] ≤ 0. 1
およびォレフィ ン系重合体 [ I I ] 9 9 ~ 1質量0 /oからなる樹脂組成 物から形成される管状成形体。
〔 2〕 プロピレン重合体 [ I ] が下記の ( 3 ) を満たすプロピ レン重合体である上記 〔 1〕 記載の管状成形体。
( 3 ) テ トラ リ ン中 1 3 5 °Cにて測定した極限粘度 [ ] が 1. 0〜 3. 0デシリ ッ トル / gである
〔 3〕 プロピレン重合体 [ I ] が下記の ( 4 ) を満たすプロピ レン重合体である上記 〔 1〕 又は 〔 2〕 に記載の管状成形体。
( 4 ) 昇温ク口マトグラフィ一における 2 5 °C以下で溶出する成分量 (W 2 5 ) が 2 0〜 1 0 0質量%である '
〔 4〕 プロピレン重合体 [ I ] が 2個の架橋基を介して架橋構
造を形成してなる遷移金属化合物と助触媒からなるメ タロセン触媒を 用いて重合させたも'のである上記 〔 1 〕 〜 〔 3〕 のいずれかに記載の 管状成形体。
〔 5〕 ォレフィ ン系重合体 [ I I ] がプロピレン系重合体であ る 〔 1 〕 〜 〔 4〕 のいずれかに記載の管状成形体。
〔 6〕 上記 〔 1 〕 に記載の樹脂組成物からなる層を少なく とも 1層有する多層管状成形体。
〔 7〕 ' 上記 〔 1.〕 〜 〔 4〕 のいずれかに記載の樹脂組成物から なる電線保護用被覆材料。
〔 8〕 上記 〔 1 〕 〜 〔 4〕 のいずれかに記載の樹脂組成物から なる異形押出成形用樹脂。
〔 7〕 上記 〔 8〕 に記載の異形押出成形用樹脂を異形押出成形 して得られる成形体 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の実施例 9 〜 1 1及び比較例 5〜 6で用いた押出機 におけるダイスの断面図である。
図 2は、 同実施例及び比較例で用いた異形成形体の反りを評価する ための説明図である。
符号の説明
図 2において、 Aは試験片を平面状に置いて両端を結ぶ線分、 Pは その中間点、 Bはその垂線、 Qは試験片内面との交点、 hは長さ P Q を反りの目安である。 発明を実施するための最良の形態
本発明は、 特定のプロピレン重合体 [ I ] 1 〜 9 9質量0 /0及びォレ フィ ン系重合体 [ I I ] 9 9〜 1質量%からなる樹脂組成物から形成 されてなる管状成形体、 該樹脂組成物からなる電線保護用被覆材料お
よび異形押出成形用樹脂並びにその成形体である。
本発明の管状成形体は、 この特定のプロピレン重合体 〔 I〕 を必須 成分として含有する樹脂組成物を押出成形、 ブロー成形などを採用し て成形して得られるホ一ス、 チューブ、 特定形状、 チューブ状容器用 素材となる柔軟性を有する管状成形体である。
また、 本発明における電線保護用被覆材料とは、 主として銅やアル ミ · アルミ合金からなる導体 (電線) を、 機械的物理的 · 化学的 ·磁 気的及びねずみや虫等の外的要因から保護する為に用いられるもので あり、 目的と用途により、 繊維、 ゴム、 プラスチック、 紙、 金属等の 他の材料と適宜組み合わせて用いてもよい。
以下、 本発明について詳しく説明する。
(樹脂組成物)
本発明に用いられる特定のプロピレン重合体 [ I ] は下記の ( 1 ) 及び ( 2 ) を満たすプロピレン重合体である。
( 1 ) メソペンタッ ド分率 ( m m m m ) が 0. 2〜 0. 6である
( 2 ) ラセミペンタッ ド分率 ( r r r r ) と ( 1— mmmm) が下言己 の関係を満たす
[ r r r r / ( 1—mmmm) ] ≤ 0. 1
本発明におけるプロピレン重合体としては、 前記 ( 1 ) 及び,( ) を満たせばよいが、 メソペン夕ッ ド分率 (mmmm) が 0. 3〜 0. 6が好ましく、 0. 4〜 0. 5がさらに好ましく、 ラセミペンタッ ド 分率 ( r r r r ) と ( 1一 mmmm) が [r r r r/ 1—mmmm ) ] ≤ 0. 0 8であることが好ましく、 [ r r r r / ( 1 -mmmm ) ] ≤ 0. 0 6であることがさらに好ましく、 [ r r r r / ( 1— m mmm) ] ≤ 0. 0 5であることが特に好ましい。
プロピレン重合体 〔 I〕 の、 ( 1 ) メ ソペンタツ ド分率 (mmmm ) が 0. 6を超える場合、 及び ( 2 ) ラセミペンタッ ド分率 ( r r r
r ) と ( 1一 mmmm) の関係が満たされない場合は、 管状成形体の 柔軟性、 透明性が十分でなくなる場合がある。 また、 ( 1 ) メソペン タツ ド分率 (mmmm) が 0. 2未満の場合は成形性、 添加剤のプリ —ドによる トラブル発生、 強度の低下などから管状成形体として適当 でなくなる。
また、 前記プロピレン重合体 [ I ] が、 上記の関係を満たすと、 得 られる電線保護用被覆材料や異形押出成形用樹脂でのぺたつき成分の 量と弾性率の低さと透明性のバランスが優れる。 すなわち、 弾性率が 低く軟質性 (柔軟性とも言う) に優れ、 ベたつき成分が少なく表面特 性 (例えば、 ブリードや他の製品へのベたつき成分の移行が少ない等 に代表される) にも優れ、 かつ透明性にも優れるという利点がある。 前記プロピレン重合体のメソペンタッ ド分率 (mmmm) が 0. 2 未満では、 ベたつきの原因となる。 0. 6を越えると弾性率が高くな り好ましくない。 前記プロピレン重合体の [r r r r/ ( l— mmm 11 ) ] が 0. 1 を越えるとべたつきの原因となる。
なお、 本発明で用いられるメソペンダッ ド分率 (mmmm分率) と は、 エイ ' ザンベリ (A. Z amb e l 1 i ) 等により 「 Ma c r o mo l e c u l e s , 6, 9 2 5 ( 1 9 7 3 ) 」 で提案された方法に 準拠し、 13C— NMRスぺク トルのメチル基のシグナルにより測定さ れるポリプロピレン分子鎖中のペンタッ ド単位でのメソ分率である。 これが大きくなると、 立体規則性が高くなることを意味する。 同じく ラセミペンダッ ド分率 ( r r r r分率) とは、 ポリプロピレン分子鎖 中のペン夕ッ ド単位でのラセミ分率である。 [ r r r r / ( 1一 mm mm) ] は、 上記のペンタツ ド単位の分率から求められ、 プロピレン 重合体の立体規則性分布の均一さを表わす指標である。 この値が大き くなると立体規則性分布が広がり、 既存触媒系を用いて製造される従 来のポリプロピレンのように高立体規則性 P Fと AP Pの混合物とな り、 ベたつきが増し、 透明性が低下することを意味する。 なお、 13C
一 NMRスぺク トルの測定は、 エイ ' ザンベリ (A. Z amb e 1 1 i ) 等により 「M a c r o m o l e c u l e s , 8, 6 8 7 ( 1 9 7 5 ) 」 で提案されたピークの帰属に従い、 下記の装置及び条件にて行 う。
装置: 日本電子 (株) 製 J NM— E X 4 0 0型13 C— NMR装置 方法: プロ トン完全デカップリ ング法
濃度: 2 2 0 m g /ミ リ リ ッ トル
溶媒: 1 , 1 , 4— ト リ クロ口ベンゼンと重ベンゼンの 9 0 : 1 0
(容量比) 混合溶媒
温度: 1 3 0 °C
パルス幅: 4 5 °
パルス繰り返し時間: 4秒
積算: 1 0 , 0 0 0回
本発明におけるプロピレン重合体としては、 前記の要件の他に、 ( 3 ) テ トラ リ ン中 1 3 5 °Cにて測定した極限粘度 [ ?7 ] がし 0〜 3. 0デシリ ッ トル Z gであるものが好ましい。 なかでもより好まし くは 1 . 0〜 2. 5デシリ ッ トル/ g、 特に好ましくは 1 . 1 ~ 2. 2デシリ ッ トル / gである。 極限粘度 〔??〕 が 1 . 0デシリッ トル / g未満では、 ベたつきが発生することがある。 また 3. 0デシリッ ト ル /gを越えると、 流動性が低下するため成形性が不良となることが める。
さ らに、 本発明におけるプロピレン重合体としては、 前記 ( 1 ) 、 ( 2 ) 、 ( 3 ) の要件の他に、
( 4 ) 昇温ク口マトグラフィ一における 2 5 °C以下で溶出する成分量 (W 2 5 ) が 2 0 ~ 1 0 0質量%であるものが好ましく、 3 0〜 1 0 0質量0 /0がさらに好ましく、 5 0〜 1 0 0質量%が特に好ましく、 6 0〜 1 0 0質量%が最も好ましい。 W 2 5 とは、 実施例において述べ る操作法、 装置構成及び測定条件の昇温クロマトグラフィ一によ り測
定して求めた溶出曲線における T R E Fのカラム温度 1 5 °Cにおいて 充填剤に吸着されないで溶出する成分の量 (質量%) である。 Ψ 2 5 は、 プロピレン重合体が軟質であるか否かを表す指標である。 この値 が大きくなると弾性率の低い成分が多くなつたり、 及び/又は立体規 則性分布の不均一さが広がっていることを意味する。 本発明において は、 W 2 5が 2 0 %未満では、 柔軟性がなくなり好ましくないことが める。
本発明におけるプロピレン重合体としては、 さらに下記の①〜④の
①ゲルパ一ミエイショ ン (GF C ) 法により測定した分子量分布 (M w/M n ) が 4以下、 さらに好ましくは 3 . 5以下、 特に好ましくは 3以下である。 分子量分布 (Mw/M n ) が 4 を越えるとべたつきが 発生したりすることがある。 なお、 管状成形体の場合は、 Mw/Mn が 3 . 5〜 1 . 5の範囲がより好ましい。 上記 Mw/M nは、 実施例 において述べるゲルパ一ミェ一シヨ ンクロマトグラフ ( G P C ) 法に よ り求められる。
② D S C測定による融解吸熱量 Δ Ηが 3 0 J / g以下であると柔軟性 が優れ好ましい。 ΔΗは、 軟質であるかないかを表す指標でこの値が 大きくなると弾性率が高く、 軟質性が低下していることを意味する。
③融点 (Tm) 及び結晶化温度 (T c ) があってもなくてもよいが、 軟質性の点からないこと或いは低い値、 特に Tmについては 1 0 0 °C 以下であることが好ましい。 なお、 ΔΗ、 Tm及び T cは、 実施例に おいて述べる D S C測定により求める。
④引張弾性率が 1 0 0 MP a以下であることが好ましく、 より好まし くは 7 0 MP a以下である。 なお、 管状成形体の場合は、 より好まし くは 2 0〜 1 O O MP a、 特に好ましくは 2 0〜 7 0 M P aである。 本発明に用いられるプロピレン重合体 [ I ] としては、 前記 ( 1 ) 及び ( 2 ) を満たすものであればよく、 本発明の目的を損なわない範
囲で、 プロピレン以外のコモノマ一を 2質量0 /0以下共重合させたもの であっても構わない。 コモノマーと しては、 エチレン, 1 ーブテン, 1 一ペンテン, 4 ーメチルー 1 一ペンテン, 1 —へキセン, 1 ーォク テン, 1 ーデセン, 1 ー ドデセン, 1 —テ トラデセン, 1 —へキサデ セン, 1 ーォクタデセン, 1 一エイコセンなどが挙げられ、 本発明に おいては、 これらのうち一種又は二種以上を用いることができる。 本発明に用いられるプロピレン重合体 [ I ] の製造方法としては、 ( A ) 2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物 と (B ) 助触媒を組み合わせて得られるメ タロセン触媒を用いてプロ ピレンを重合又は共重合する方法が好ましい。 具体的に例示すれば、 一般式
〔式中、 Mは周期律表第 3〜 1 0族又はランタノィ ド系列の金属元素 を示し、 E 1 及び E 2 はそれぞれ置換シクロペンタジェニル基, イ ン デュル基, 置換インデニル基, ヘテロシクロペンタジェニル基, 置換 ヘテロシクロペンタジェニル基, ァミ ド基, ホスフィ ド基, 炭化水素 基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、 A 1 及び A 2 を 介して架橋構造を形成しており、 またそれらはたがいに同一でも異な つていてもよく、 Xはび結合性の配位子を示し、 Xが複数ある場合、 複数の Xは同じでも異なっていてもよく、 他の X , E 1 , E 2 又は Y と架橋していてもよい。 Yはルイス塩基を示し、 Yが複数ある場合、 複数の Yは同じでも異なっていてもよく、 他の Y, E 1 , E 2 又は X と架橋していてもよく、 A 1 及び A 2 は二つの配位子を結合する二価
の架橋基であって、 炭素数 1〜 2 0の炭化水素基、 炭素数 1〜 2 0の ハロゲン含有炭化水素基、 珪素含有基、 ゲルマニウム含有基、 スズ含 有基、 一〇一、 一 C O—、 一 S—、 - S 02 ―、 — S e―、 - N R 1 一、 - P R 1 ―、 - P (〇) R 1 ―、 - B R 1 —又は一 A 1 R 1 —を 示し、 R 1 は水素原子、 ハロゲン原子、 炭素数 1〜 2 0の炭化水素基 又は炭素数 1〜 2 0のハロゲン含有炭化水素基を示し、 それらはたが いに同一でも異なっていてもよい。 qは 1〜 5の整数で 〔 (Mの原子 価) 一 2〕 を示し、 rは 0〜 3 の整数を示す。 〕
で表される遷移金属化合物 (A) 、 及ぴ該 (A) 成分の遷移金属化合 物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物 (B 一 1 ) 及びアルミノキサン (B— 2 ) から選ばれる助触媒成分 (B ) を含有する重合用触媒の存在下、 プロピレンを重合又は共重合させる 方法が挙げられる。
一般式 ( I ) で表される遷移金属化合物の具体例としては、 ( 1, 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2, 1 , 一ジメチルシリ レン) ビス ( 3 — n—ブチルイ ンデュル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1, 1 , ージ メチルシリ レン) ( 2, 1 , —ジメチルシリ レン) ビス ( 3— ト リ メ チルシリルメチルイ ンデニル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1 , 2, 一ジメチルシリ レン) ( 1 , 1 , 一ジメチルシリ レン) ビス ( 3 -7 ェニルイ ンデュル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1 , 2, 一ジメチル シリ レン) ( 2, 1, 一ジメチルシリ レン) ビス ( 4, 5―ベンゾィ ンデュル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1 , 2, 一ジメチルシ リ レン ) ( 2 , 1 , 一ジメチルシリ レン) ビス ( 4一イソプロピルイ ンデニ ル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1, 2 ' 一ジメチルシリ レン) ( 2 , 1 , 一ジメチルシリ レン) ビス ( 5, 6—ジメチルイ ンデニル) ジ ルコニゥムジクロリ ド, ( 1 , 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2 , 1, 一ジメチルシリ レン) ビス'( 4, 7―ジ一 i 一プロピルイ ンデニル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1, 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2 , 1
Γ 4
, 一ジメチルシリ レン) ビス ( 4一フエニルイ ンデュル) ジルコユウ ムジクロ リ ド, ( 1 , 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2, 1 ' 一ジメチ ルシリ レン) ビス ( 3 —メチル一 4一 i 一プロピルイ ンデュル) ジル コニゥムジクロ リ ド, ( し 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2 , 1 ' 一 ジメチルシリ レン) ビス ( 5, 6—ベンゾイ ンデュル) ジルコニウム ジクロ リ ド, ( 1 , 2 ' —ジメチルシリ レン) ( 2 , 1 , 一イ ソプロ ピリデン) '一ビス (イ ンデニル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1 , 2 , 一ジメチルシリ レン) ( 2, 1 ' —イ ソプロピリデン) 一ビス ( 3 一メチルインデュル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1 , 2, 一ジメチ ルシリ レン) ( 2 , 1 ' 一イ ソプロピリデン) 一ビス ( 3— i —プロ ピルイ ンデュル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1 , 2, ージメチルシ リ レン) ( 2 , 1, 一イソプロピリデン) 一ビス ( 3— n—プチルイ ンデニル) ジルコニウムジクロ リ ド, ( 1 , 2, 一ジメチルシリ レン ) ( 2 , 1 , 一イソプロピ.リデン) 一ビス ( 3—ト リメチルシリルメ チルイ ンデニル) ジルコニウムジクロ リ ド, など及ぴこれらの化合物 におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げ ることができる。
次に、 (B ) 成分のうちの ( B— 1 ) 成分としては、 テ トラフユ二 ル硼酸ト リエチルアンモニゥム, テ トラフエ二ル硼酸ト リ一 η—ブチ ルアンモニゥム, テ トラフエ二ル硼酸ト リメチルアンモニゥム, テト ラフェニル硼酸テトラエチルアンモニゥム, テ トラフェニル硼酸メチ ル (ト リ一 η—プチル) アンモニゥム, テトラフヱニル硼酸べンジル ( ト リ ー η—ブチル) アンモニゥムなどを挙げることができる。
( Β - 1 ) は一種用いてもよく、 また二種以上を組み合わせて用い てもよい。
—方、 ( Β - 2 ) 成分のアルミ ノキサンとしては、 メチルアルミ ノ キサン、 ェチルアルミ ノキサン、 ィソブチルアルミ ノキサン等が挙げ られる。 これらのアルミ ノキサンは一種用いてもよく、 二種以上を組
み合わせて用いてもよい。
前記重合用触媒としては、 上記 (A ) 成分及び (B ) 成分に加えて ( C ) 成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。 ここで、 ( C ) 成分の有機アルミニウム化合物としては、 ト リメチ ルアルミニウム, ト リェチルアルミニウム, ト リイ ソプロピルアルミ 二ゥム, ト リイソブチルアルミニウム, ジメチルアルミニウムクロ リ ド, ジェチルアルミニウムクロ リ ド, メチルアルミニウムジクロ リ ド , ェチルアルミニウムジクロ リ ド, ジメチルアルミニウムフルォリ ド , ジイソブチルアルミニウムヒ ドリ ド, ジェチルアルミニウムヒ ドリ ド, ェチルアルミニウムセスキクロ リ ド等が挙げられる。
これらの有機アルミニゥム化合物は一種用いてもよく、 二種以上を 組合せて ¾いてもよい。
ここで、 プロピレンの重合に際しては、 触媒成分の少なく とも一種 を適当な担体に担持して用いることができる。
重合方法は特に制限されず、 スラ リー重合法, 気相重合法, 塊状重 合法, 溶液重合法, 懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが 、 塊状重合法, 溶液重合法が特に好ましい。
重合温度は通常一 1 0 0〜 2 5 0 ° (:、 反応原料に対する触媒の使用 割合は、 原料モノマーノ上記 (A ) 成分 (モル比) が好ましくは 1 〜 1 0 8 、 特に 1 0 0〜 1 0 5 となることが好ましい。 さらに、 重合時 間は通常 5分〜 1 0時間、 反応圧力は通常、 常圧〜 2 0 M P a ( g a u g e ) で る。 次に、 本発明の管状成形体、 電線保護用被覆材料および異形押出成 形用樹脂の樹脂組成物に用いられるォレフィ ン系重合体 〔 I I ] につ いて説明する。
管状成形体に用いられるォレフィ ン系重合体 〔 I I 〗 としては、 特 に制限はなく公知のォレフィ ン系樹脂である。 例えば、 高圧法低密度
ポリェチレン、 ェチレン一 1ーブテン共重合体、 ェチレン一 4ーメチ ルー 1—ペンテン共重合体、 エチレン一 1一へキセン共重合体、 ェチ レン一 1ーォクテン共重合体などの密度が 8 5 0〜 9 4 0 k g/m3 の直鎖状低密度ポリエチレン (LL DP Eとも言われる) 、 高密度ポ リエチレン樹脂、 ポリプロピレン樹脂、 ランダムポリプロピレン樹脂 、 ブロッ クポリプロピレン樹脂、 シンジオタクチッ クポリプロピレン 樹脂、 低結晶性ポリプロピレン樹脂、 ポリブテン樹脂、 エチレン一酢 酸ビュル共重合体、 エチレン一環状ォレフィ ン共重合体、 エチレン一 ァク リル酸共重合体及びアイォノマ一樹脂、 エチレン一プロピレンゴ ムなどが挙げられる。 これらの樹脂は、 一種単独で用いてもよく、 或 いは二種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
中でもプロピレン系重合体やエチレン一 α—才レフィン共重合体が 好ましく用いられる。 本発明にあっては、 管状成形体を形成する樹脂 組成物の主要成分は特定のプロピレン重合体 〔 I〕 であり、 通常のポ リプロピレン樹脂との相溶性が良いことは勿論であるが、 エチレン一 α—才レフィ ン共重合体との組成物であっても透明性がやや低下する 場合があるが優れた相溶性を有するという大きな特徴を有する。
本発明の管状成形体を形成する樹脂組成物は前記プロピレン重合体 [ I ] 1〜 9 9質量0 /0とォレフィン系重合体 [ I I ] 9 9 ~ 1質量0 /0 [ 〔 I〕 と 〔 1 I〕 の合計量が 1 0 0質量%] からなるものである。 好ましくは、 前記プロピレン重合体 [ I ] 2 0〜 9 6質量0 /0とォレフ ィ ン系重合体 [ I I ] 8 0〜 4質量%からなるものである。 さらに好 ましくは、 前記プロピレン重合体 [ I ] 3 0〜 9 4質量%とォレフィ ン系重合体 [ I I ] 7 0〜 6質量%、 最も好ましくは、 前記プロピレ ン重合体 [ I ] 4 0〜 9 2質量0 /0とォレフィ ン系重合体 [ I I ] 6 0 〜 8質量%からなるものである。
ここで、 前記プロピレン重合体 [ I ] の組成比が少ない場合は、 管 状成形体の柔軟性、 透明性などの性能が低下し、 また、 逆に多い場合
には、 成形性に劣り生産性よく安定して管状成形体の製造が困難とな る場合がある。 したがって、 その配合比率は、 用いるプロピレン重合 体 [ I ] の、 たとえばメソペンタッ ド分率、 極限粘度 〔?7〕 などや、 ォレフィ ン系重合体 〔 I I 〕 の種類、 分子量、 溶融粘度などを考慮し て、 主として成形性、 柔軟性、 透明性を基に適宜選定することができ る。
電線保護用被覆材料および異形押出成形用樹脂に用いられるォレフ ィ ン系重合体 [ I I ] としては、 ポリプロピレン、 プロピレン一ェチ レン共重合体、 プロピレン一エチレン一ジェン共重合体、 ポリェチレ ン、 エチレン/ α—才レフィ ン共重合体、 エチレン一酢酸ビュル共重 合体、 水素添加スチレン系エラストマ一等が挙げられる。 これらは、 一種単独で用いても、 二種以上を組み合わせて用いてもよい。
電線保護用被覆材料およぴ異形押出成形用樹脂に用いられる樹脂組 成物は、 前記プロピレン重合体 [ I ] 1 〜 9 9質量0 /0とォレフィ ン系 重合体 [ I I ] 9 9〜 1質量%からなる。 好ましくは、 前記プロピレ ン重合体 [ I ] 1 0〜 8 0質量%とォレフィン系重合体 [ I I ] 9 0 〜 2 0質量%からなる。 さらに好ましくは、 前記プロピレン重合体 [
I ] 2 5〜 7 5質量0 /0とォレフィ ン系重合体 [ I I ] 7 5〜 2 5質量 %からなる。 特に好ましくは、 前記プロピレン重合体 [ I ] 4 0〜 7
5質量%とォレフィン系重合体 [ I I ] 6 0〜 2 5質量0 /0からなる。 なお、 .本発明の管状成形体の製造にあっては、 樹脂組成物に必要に よ り、 公知の各種添加剤を配合することができる。
. 管状成形体の原料樹脂である特定のプロピレン重合体'〔 I〕 には、 必要によ りォレフィン系樹脂に常用されている種々の添加剤や、 有機 または無機のフィラー、 さらに.は他の熱可塑性樹脂やゴム類を添加す ることもできる。 添加剤としては、 帯電防止剤、 防曇剤などの表面機 能改善添加剤、 酸化防止剤、 耐候剤、 熱安定剤、 中和剤、 滑剤、 造核
剤、 着色剤、 難燃剤、 金属不活性化剤、 架橋剤などが挙げられる。 ま た、 無機または有機充填剤としてはガラス粉、 ガラス繊維、 タルク、 マイ力、 セルロース、 架橋ポリァク リル酸粉末、 カーボンブラッ クな どが挙げられる。 これらの添加剤や充填剤は、 1種用いてもよく、 2 種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、 酸化防止剤と しては、 リ ン系酸化防止剤、 フヱノ一ル系酸 化防止剤及びィォゥ系酸化防止剤等が挙げられる。
リ ン系酸化防止剤の具体例と しては、 ト リスノニルフヱニルホスフ アイ ト、 ト リス ( 2 , 4—ジ一 t—ブチルフエニル) ホスフアイ ト、 ジステア リルペン夕エリスリ トールジホスファイ ト、 ビス ( 2 , 4 - ジー t 一ブチルフエニル) ペン夕エリスリ ト一ルホスフアイ ト、 ビス ( 2, 6 —ジ一 tーブチルー 4 —メチルフエニル) ペンタエリス リ ト —ルホスファイ ト、 1 、 2—メチレンビス ( 4, 6—ジ一 t一ブチル フエニル) ォクチルホスファイ ト、 テトラキス ( 2 , 4 —ジー t —ブ チルフエニル) 一 4 , 4 ービフエ二レンージーホスホナイ ト、 アデ力 スタブ 1 1 7 8 (旭電化 (製) ) 、 スミライザ一 T N P (住友化学 ( 製) ) 、 J P— 1 3 5 (城北化学 (製) ) 、 アデカスタブ 2 1 1 2 ( 旭電化 (製) ) 、 J F P— 2 0 0 0 (城北化学 (製) ) 、 W e s t o n 6 1 8 ( G E (製) ) 、 アデカスタブ P E P— 2 4 G (旭電化 (製 ) ) 、 アデカスタブ F E F— 3 6 (旭電化 (製) ) 、 アデカスタブ H P— 1 0 (旭電化 (製) ) 、 S a n d s t a b P— E F Q (サン ド ( 製) ) 、 ィルガホォス 1 6 8 (チバ · スペシャルティ · ケミカルズ ( 製) ) 等が挙げられる。
フヱノール系酸化防止剤の具体例としては、 2 , 6—ジ— t 一プチ ルー 4 一メチルフエノール、 n—ォクタデシルー 3— ( 3 ' , 5 , 一 ジー t 一ブチル一 4, 一ヒ ドロキシフヱニル) プロピオネート、 テ ト ラキス 〔メチレン一 3 — ( 3 , 5 —ジ一 t一ブチル _ 4 ーヒ ドロキシ フエニル) プロピオネート〕 メ タン、 ト リス ( 3, 5 —ジー t ーブチ
ルー 4 ーヒ ドロキシベンジル) イソシァヌ レート、 4 , 4 ' ープチリ デンビスー ( 3—メチル一 6— t—ブチルフエノール) 、 ト リエチレ ングリ コール一ビス 〔 3— ( 3— t—プチルー 4ーヒ ドロキシー 5— メチルフエニル) プロピオネート〕 、 3 , 9—ビス { 2— 〔 3— ( 3 一 t一プチルー 4—ヒ ドロキシ一 5—メチルフェニル) プロピオニル ォキシ〕 一 1, 1 —ジメチルェチル} 一 2 , 4, 8 , 1 0—テ トラオ キサスピロ 〔 5, 5〕 ゥンデカン、 スミライザ一 B HT (住友化学 ( 製) ) 、 ヨシノッ クス B HT (吉富製薬 (製) ) 、 アンテ一ジ B HT
(川口化学 (製) ) 、 ィルガノッ クス 1 0 7 6 (チバ · スぺシャルテ ィ ' ケミ カルズ (製) ) 、 ィルガノッ クス 1 0 1 0 (チバ ' スぺシャ ルティ · ケミカルズ (製) ) 、 アデカスタブ AO— 6 0 (旭電化 (製 ) ) 、 スミライザ一 B P— 1 0 1 (住友化学 (製) ) 、 ト ミ ノッ クス TT (吉富製薬 (製) ) 、 TTH P (東レ (製) ) 、 ィルガノッ クス 3 1 1 4 (チノ · スペシャルティ ' ケミカルズ (製) ) 、 アデカス夕 ブ AO— 2 0 (旭電化 (製) ) 、 アデカスタブ AO— 4 0 (旭電化 ( 製) ) 、 スミ ライザ一 B BM— S (住友化学 (製) ) 、 ヨシノッ クス B B (吉富製薬 (製) ) 、 アンテ一ジ W— 3 0 0 (川口化学 (製) ) 、 ィルガノッ クス 2 4 5 (チバ · スペシャルティ ' ケミカル (製) ) 、 アデカスタブ AO— 7 0 (旭電化 (製) ) 、 ト ミ ノッ クス 9 1 7 ( 吉富製薬 (製) ) 、 アデカスタブ AO— 8 0 (旭電化 (製) ) 、 スミ ライザ一 GA— 8 0 (住友化学 (製) ) 等が挙げられる。
ィォゥ系酸化防止剤の具体例としては、 ジラウ リル一 3 , 3 ' —チ ォジプロピオネート、 ジミ リ スチルー 3 , 3 ' 一チォジプロビオネ一 ト、 ジステア リル一 3 , 3, 一チォジプロピオネート、 ペンタエリス リ トールテトラキス ( 3—ラウ リルチオプロビオネ一ト) 、 スミライ ザ一 T P L (住友化学 (製) ) 、 ヨシノッ クス D L TP (吉富製薬 ( 製) ) 、 アンチオッ クス L (日本油脂 (製) ) 、 スミライザ一 TF M
(住友化学 (製) ) 、 ヨシノッ クス DMTP (吉富製薬 (製) ) 、 ァ
ンチォッ クス M (日本油脂 (製) ) 、 スミライザ一 T P S (住友化学 (製) ) 、 ヨシノッ クス D S T F (吉富製薬 (製) ) 、 ァンチォック ス S (日本油脂 (製) ) 、 アデカスタブ A O— 4 1 2 S (旭電化 (製 ) ) 、 S E E N O X 4 1 2 S (シプロ化成 (製) ) 、 スミライザ一 T D P (住友化学 (製) ) 等が挙げられる。
これらの中でも、 ィルガノッ クス 1 0 1 0 :物質名 ペン夕エリス リチルーテ トラキス [ 3 — ( 3, 5 —ジー t 一ブチル 4 ーヒ ドロキ シフエ二ル) プロピオネート] 、 ィルガフォス 1 6 8 物質名 : ト リ ス ( 2 , 4 —ジ一 t —ブチルフエニル) フォスファイ ト、 ィルガノヅ クス 1 0 7 6 :物質名 : ォク タデシル一 3— ( 3, 5 —ジー t —プチ ル一 4ーヒ ドロキシフエニル) プロピオネート、 ィルガノッ クス 1 3 3 0 :物質名 : 1 , 3, 5 — ト リメチル一 2, 4 , 6 — ト リス ( 3, 5 —ジー t —ブチルー 4 ーヒ ドロキシベンジル) ベンゼン、 ィルガノ ッ クス 3 1 1 4 :物質名 : ト リ ス ( 3, 5 —ジ一 t 一プチルー 4 —ヒ ドロキシベンジル) イソシァヌ レイ ト、 P— E P Q :物質名 : テ トラ キス ( 2 , 4 ージ一 t —ブチルフエニル) 4, 4, ービフエ二レン一 ジーフォスフアイ 卜が特に好ましい。
本発明の管状成形体において酸化防止剤を用いる場合は、 前記重合 体樹脂組成物 1 0 0重量部に対し酸化防止剤を 0 . 0 0 1 〜 1重量部 程度添加すればよい。 これによ り、 黄変等を防ぐことができて好まし い。
上記の酸化防止剤の具体的な使用例を挙げれば、
例 1 : ィルガノッ クス 1 0 1 0 1 0 0 0 p p m
P E P - Q 0 0 0 ρ p m
例 2 : ィルガノッ クス 1 0 7 6 2 0 0 ρ ρ m
P E P - Q 6 0 0 ρ ρ m
ィルガフォス 1 6 8 8 0 0 ρ ρ m
例 3 : ィルガノ、ソ クス 1 0 1 0 4 0 0〜 1, O O O p p m
ィルガフォス 1 6 8 7 5 0〜 1 , 5 0 0 p p m 等があげられる。
また、 中和剤としては、 ステアリ ン酸カルシウム、 ステアリ ン酸亜 鉛、 ステアリ ン酸マグネシウム、 ハイ ドロタルサイ ト (D HT— 4 A ) : 組成式: M g 4.5 A 1 2 (O H) 13C 03 - 3. 5 H2 ◦、 〔水 沢化学 (製) のミズ力ラック H— 1 〕 : 組成式: L i 2 A 1 4 (O H ) 12C 03 · 3 H2 0等が特に好ましい。
ァンチブ口ッキング剤と しては、 富士シリシァ (製) の 「サイ リシ ァ」 : 合成シ リカ系ゃ水澤化学工業 (製) の 「ミズ力シル」 : 合成シ リ力系等が特に好ましい。
ス リ ップ剤としては、 エルカ酸ァミ ド、 ォレイ ン酸ァミ ド、 ステア リ ン酸ァミ ド、 ベへニン酸ァミ ド、 ェチレンビスステア リ ン酸ァミ ド 、 エチレンビスォレイ ン酸アミ ド、 ステアリルエル力アミ ド、 ォレイ ルパルミ トアミ ドが特に好ましい。
防曇剤としては、 (ジ) グリセリ ンモノ (ジ、 ト リ) ォレート、 ( ジ) グリセリ ンモノ (ジ、 ト リ) ステアレート、 (ジ) グリセリ ンモ ノ (ジ) パルミテート、 (ジ) グリセリ ンモノ (ジ) ラウレ一トなど のグリセリ ン脂肪酸エステル化合物、 ソルビタンラウレート、 ソルビ タンパルミテート、 ソルビタン ( ト リ) スチアレート、 ソルビ夕ン ( ト リ) ォレー トなどのソルビ夕ン脂肪酸エステル化合物、 ポリオキシ エチレンアルキル (フヱニル) エーテル、 ポリオキシエチレンソルビ タンモノォレート、 ポリオキシエチレングリセリ ンモノステアレート などのエチレンオキサイ ド付加物などを挙げることができる。
造核剤を用いる場合、 造核剤の添加量は、 通常、 プロピレン重合体 〔 I 〕 とォレフィ ン系重合体からなる樹脂組成物に対して 1 0 p p m 以上であり、 好ましく は 1 0〜 1 0 , O O O p p mの範囲であり、 よ り好ましくは 1 0〜 5, 0 0 O p p mの範囲であり、 さ らに好ましく は 1 0〜 2, 5 0 O p p mである。
本発明の管状成形品を形成する樹脂組成物は、 前記特定のプロピレ ン重合体 〔 I 〕 とォレフィン系重合体 〔 I I 〕 および必要によ り加え られる各種添加剤を所定量加えて、 通常の方法、 たとえば押出成形機 、 バンバリ一ミキサーなどの溶融混練機によりペレツ ト化する方法で 製造することができる。 ついで、 この樹脂組成物ペレッ トを溶融成形 することによ り管状成形体を得ることができる。
本発明の管状成形体の第一発明は、 前記プロピレン重合体 〔 I 〕 と ォレフィン系重合体 〔 I I 〕 からなる樹脂組成物を用いたものであれ ばよく、 管状成形体の使用目的に応じて、 前記の 〔 I 〕 又は 〔 I I 〕 の特性の範囲内において、 たとえば、 プロピレン重合体 〔 I 〕 のアイ ソ夕クチックペンタツ ト分率、 極限粘度 〔?7〕 などの異なつた特性を 有する、 即ち柔軟性の異なる 2種以上の重合体を用いた複数の層から なる管状成形体とすることができることは勿論である。
また.、 本発明の管状成形体の第二発明は、 多層'管状成形体に関する ものである。 プロピレン重合体 〔 I 〕 とォレフィ ン系重合体 〔 I I 〕 からなる樹脂組成物からなる層と他の熱可塑性樹脂層からなる管状成 形体に関するものである。
ここで、 他の熱可塑性樹脂としては、 特に制限はなく各種用途、 要 求特性に基づいて適宜選択できる。 具体的には、 高圧法低密度ポリエ チレン、 ェチレン一 1 —ブテン共重合体、 エチレン— 4 —メチル一 1 —ペンテン共重合体、 エチレン一 1 一へキセン共重合体、 ェチレン— 1 ーォクテン共重合体などの直鎖状低密度ポリエチレン (L L D P E とも言われる) 、 高密度ポリエチレン樹脂、 超低密度エチレン一 α — ォレフィ ン共重合体、 ポリプロピレン樹脂、 ランダムポリプロピレン 樹脂、 ブロッ クポリプロピレン樹脂、 シンジオタクチッ クポリプ口ピ レン樹脂、 低結晶性ポリプロピレン樹脂、 ポリブテン樹脂、 エチレン —酢酸ビニル共重合体、 エチレン—ビュルアルコール共重合体、 他の び一ォレフィ ン一環状ォレフィン共重合体、 ひーォレフィ ンースチレ
ン共重合体、 エチレン一ァクリル酸共重合体及びアイオノマ一樹脂、 エチレン一プロピレンゴム、 エチレン一プロピレン一ジェンゴムなど のポリオレフィ ン系樹脂、 ポリアミ ド系樹脂、 ポリエチレンテレフタ レ一ト樹脂、 ポリブチレンテレフタレ一ト樹脂、 ポリ力一ボネ一ト樹 脂などが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、 ポリオレフィ ン系樹脂が好ましく
、 特に、 ポリプロピレン系樹脂や密度が 8 5 0〜 9 4 0 k g / m 3 の エチレン一 α—ォレフィ ン共重合体が用いられる。 これらの多層管状 成形体の各層樹脂には、 目的に応じて異なった添加剤処方をすること もできる。
この多層管状成形体は、 内外層において硬度 (傷つき性) 、 耐熱性 、 耐薬品性、 ガスバリヤ一性、 水蒸気バリヤ一性、 光遮断性、 透明性 、 可撓性、 耐折れ曲げ性、 耐ピンホール性、 耐ブロッキング性、 添加 剤移行性、 生体適性、 その他機械特性と安全性のバランスなどをもと に樹脂が選定される。 また、 層厚比としては、 管状成形体の用途など を考慮して適宜選定できるが、 通常、 樹脂組成物 :他の熱可塑性樹脂 (厚み比) として 5 0 : 5 0〜〜9 7 : 3、 好ましくは 6 0 : 4 0〜 9 5 : 5である。 なお、 多層管状成形体は必要により 3層以上とする こともできる。
本発明の管状成形体は、 特定のプロピレン重合体 〔 I 〕 とォレフィ ン系重合体 〔 I I 〕 からなる樹脂組成物を用いる実質的に単層管状成 形体、 あるいは他の熱可塑性樹脂と組み合わせて多層管状成形体を成 形することにより得られる。 管状成形体の成形方法としては、 成形体 の形状、 長さなどにより適宜選択することができるが、 長尺成形体の 製造のためには押出成形方法が一般に採用される。 しかし、 特定長さ の成形体類、 あるいは複雑断面形状、 長手方向において一定曲率でな 'かったり、 断面形状が異なったりする例えばダク トホースなどの場合 には、 ブロー成形方法が好ましく採用される。 また射出成形方法で製
造することもできる。 このような比較的長さが特定された用途の管状 成形体 (ホース · チューブ) は、 成形体末端部に取り付け部などを同 時に成形することもできる。
管状成形体 (ホース ' チューブ) の形状としては特に制限はなく、 一般の形状である筒状ホースに加えて柔軟性、 強度、 剛性、 屈曲性、 卷き取り性などの点からコルゲート (波形) ホース、 スパイラル (螺 旋) ホース等であってもよい。 また、 このコルゲートやスパイラルは 、 ホースの外面のみ、 内面のみ、 内外両面に形成されていてもよい。 また、 ホースの強度、 耐熱性、 耐屈曲性などの向上のために、 金属線 、 金属繊維、 合 繊維あるいはこれらの繊維からなる織布、 編布など で補強することもできる。
本発明の管状成形体の外径としては、 特に制限はなく、 その用途に より異なるが、 一般に、 0 . 2 m m〜 2, 0 0 O m m、 その肉厚は 0 . 0 1 m m ~ 2 0 m mである。
以上詳述したように、 本願発明の管状成形体は、 柔軟性、 可撓性、 透明性など従来多用されてきたポリ塩化ビニル樹脂の特徴を保持しな がら、 地球環境保護の点から問題視されている塩素を含有せず、 また 可塑剤を含有しないものであり、 耐環境性にすぐれた管状成形体であ る。
したがって、 ポリ塩化ビニル樹脂の代替として、 さらには、 可塑剤 の溶出、 耐折り曲げ性、 耐久性などでポリ塩化ビニル樹脂の使用が実 質的に困難であった分野への展開を可能にするものである。 具体的に は、 家庭用、 農業用としての散水ホース、 灌溉ホース、 空気用 ·粉粒 体用ホース、 洗濯機の給排水ホース、 空調機のドレンホース、 住宅、 自動車などのダク ト用ホース、 電気掃除機の吸引ホース、 住宅、 地下 埋設、 自動車用などの電気 ·通信配線内蔵用ホース、 光ファイバ一配 線内蔵用ホース、 自動車用のオイルやウォッシャー液用ホース (チュ ーブ) 、 輸血などの輸液用、 酸素吸入用、 カテーテルなどの医療用ホ
—ス (チューブ) 、 食品包装や化粧品 · サ二タリ一用チューブ容器、 繙跳び用纏などの運動具、 フレコン用ロープなどの梱包用ロープなど を挙げることができる。
(電線保護用被覆材料の製造方法)
本発明の電線保護用被覆材料は、 前記プロピレン重合体 [ I ] 1 ~ 9 9質量%とォレフィ ン系重合体 [ I I ] 9 9〜 質量0 /0、 及び所望 に応じて用いられる各種添加剤とをヘンシェルミキサー等を用いてド ライブレンドし、 単軸又は 2軸押出機、 バンバリ一ミキサー等により 、 溶融混練したものでる。 所望に応じて用いられる各種添加剤として は、 軟化剤、 無機フイラ一、 顔料、 発泡剤、 難燃剤等が挙げられる。 本発明の電線保護用被覆材料は、 ベたつきが少なく、 軟質性及び透明 性に優れ、 電線保護用被覆材としてシースゃジャケッ ト等に好適に用 いられる。 又、 得られる被覆電線は、 軟質性が優れ、 折り曲げたり し ても白化しにくいという特徴がある。 (異形押出成形用樹脂の製造方法)
本発明の異形押出成形用樹脂は、 前記プロピレン重合体 [ I ] 1〜 9 9質量%とォレフィ ン系重合体 [ I I ] 9 9〜 1質量0 /0、 及び所望 に応じて用いられる各種添加剤とをヘンシェルミキサー等を用いてド ライブレンドし、 単軸又は 2軸押出機、 バンバリ一ミキサー等により 、 溶融混練したものでる。 所望に応じて用いられる各種添加剤として は、 軟化剤、 無機フイラ一、 顔料、 発泡剤、 難燃剤、 その他核剤等が 挙げられる。 本発明の異形押出成形用樹脂は、 成形性に優れ反りや変 形が小さ く、 ベたつきが少なく、 軟質性及び透明性に優れ、 異形押出 成体に好適である。
次に、 この異形押出成形用樹脂を異形押出成形して成形体が得られ る。 この異形押出成形としては、 特に制限はなく、 公知の異形押出成
形装置を用いて行うことができる。 一般的に、 異形押出成形装置とし ては、 押出機、 ダイス、 サイジング装置、 冷却装置、 引取装置及び切 断装置からなるものが挙げられる。 このようなものとして一例を挙げ れば、 特開平 7— 2 4 7 3 1 8号公報に記載の 「異形押出成形装置」 が挙げられる。 本発明の異形押出成形体は、 反りや変形が小さく優れ た機械特性と触感 (柔軟性) を有し、 かつ、 ベた付きが少ないため、 自動車部品、 家電部品、 医療用品、 家具類、 住宅 ·建材部品、 玩具、 雑貨等などに好適に用いられる。 また、 有害性が懸念される可塑剤を 含まず、 廃棄する際にも焼却やリサイクルが容易である。
(実施例)
以下に、 実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、 本 発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
〔プロピレン重合体 (P 1 ) の製造〕
( 1 ) 錯体の合成
( 1 , 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2, 1, 一ジメチルシリ レン) 一 ビス ( 3— ト リ メチルシリルメチルイ ンデュル) ジルコニウムジクロ ライ ドの合成
シュレンク瓶に ( し 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2 , 1 , ージメ チルシリ レン) 一ビス (イ ンデン) のリチウム塩の 3. 0 g ( 6. 9 7 mm o l ) を THF 5 0 mLに溶解し一 7 8 °Cに冷却した。 ョ一ド メチルト リメチルシラン 2. 1 m L ( 1 4. 2 mm o l ) をゆっ く り と滴下し室温で 1 I時間攪拌する。 溶媒を留去しエーテル 5 0 mLを 加えて飽和塩化アンモニゥム溶液で洗浄した。 分液後、 有機相を乾燥 し溶媒を除去して ( し 2 ' —ジメチルシリ レン) ( 2 , 1 ' ージメ チルシリ レン) —ビス ( 3— ト リ メチルシリルメチルイ ンデン) を、 3. 0 4 g ( 5. 8 8 mm o 1 ) を得た。 (収率 8 4 %)
次に窒素気流下においてシュレンク瓶に前記で得られた ( 1 , 2,
—ジメチルシリ レン) ( 2 , 1 ' —ジメチルシリ レン) 一ビス ( 3 — ト リメチルシ、リルメチルインデン) を 3. 0 4 g ( 5 . 8 8 mm o 1 ) とエーテル 5 0 mLを入れた。 一 7 8 °Cに冷却し n— B u L i (へ キサン溶液 1 . 5 41 ) を 7. 6111し ( 1 1 . 7 mm o 1 ) 加えた後 、 室温で 1 2時間攪拌した。 溶媒を留去し、 得られた固体をへキサン 4 0 mLで洗浄することにより リチゥム塩をエーテル付加体として 3 . 0 6 g ( 5. 0 7 mm o 1 ) を得た。 (収率 7 3 %)
1 H-NMR ( 9 0 MH z, TH F - d8 ) による測定の結果は、 δ 0. 0 4 ( s , 1 8 Η, ト リメチルシリル) , 0. 4 8 ( s, 1 2 H, ジメチルシリ レン) , 1 . 1 0 ( t , 6 H, メチル) , 2. 5 9 ( s , 4 H, メチレン) , 3. 3 8 ( q , 4 H, メチレン) , 6. 2 — 7. 7 (m, 8 H , A r - H) であった。
窒素気流下で前記で得られたリチウム塩をトルエン 5 0 mLに溶解 する。 一 7 8 °Cに冷却し、 ここへ予め一 7 8 °Cに冷却した四塩化ジル コニゥム 1 . 2 g ( 5 . 1 mm o l ) のトルェン ( 2 0 m L ) 懸濁液 を滴下する。 滴下後、 室温で 6時間攪拌する。 その反応溶液の溶媒を 留去する。 得られた残渣をジクロロメ タンより再結晶化することによ り ( 1 , 2, 一ジメチルシリ レン) ( 2, 1 ' 一ジメチルシリ レン) —ビス ( 3— ト リ メチルシリルメチルイ ンデュル) ジルコニウムジク 口ライ ドを 0 . 9 g ( 1 . 3 3 mm 0 1 ) を得た。 (収率 6 )
1 H-NMR ( 9 0 MH z, C D C 1 3 ) による測定の結果は、 : δ 0. 0 ( s , 1 8 Η , ト リメチルシリル) , 1 . 0 2, 1 . 1 2 ( s, 1 2 Η, ジメチルシリ レン) , 2. 5 1 ( d d , 4 H, メチ レン) , 7. 1 — 7. 6 (m, 8 H, A r— H) であった。
( 2 ) プロピレンの重合
攪拌機付き、 内容積 1 0 リツ トルのステンレス製ォートクレーブに n一ヘプ夕ン 4 リ ッ トル、 ト リイソブチルアルミニゥム 2 ミ リモル、 さ らに、 メチルアルミ ノキサン (アルべマール社製) 2 ミ リモルと、
前記で得た ( 1 , 2 ' ―ジメチルシリ レン) ( 2, 1 ' —ジメチルシ リ レン) 一ビス ( 3 —ト リ メチルシリルメチルイ ンデュル) ジルコ二 ゥムジクロライ ド 2マイクロモルを、 順次投入した。 次いで、 水素を
0. 0 3 MP a ( g a u g e ) 導入した後、 6 0 °Cまで温度を上昇さ せながら、 全圧で 0. 8 M P a ( g a u g e ) までプロピレンガスを 導入した。 重合中、 全圧が 0. 8 MP a ( g a u g e ) になるように 調圧器によりプロピレンを供給した。 重合温度 6 0 °Cで、 3 0分間重 合を行なった後、 内容物を取り出し、 減圧下、 乾燥することにより、 プロピレン重合体 ( P 1 ) を得た。
( 3 ) プロピレン重合体の造粒
前記 ( 2 ) で得られたプロピレン重合体 〔 I 〕 に下記の添加剤処方に て配合を行、 単軸押出機 (塚田樹機製作所製: T L C 3 5— 2 0型 ) にて押し出し造粒し、 ペレッ トを得た。
(添加剤処方)
• フヱノール系酸化防止剤 : チバ ' スペシャルティ ' ケミカルズ社製 ィルガノッ クス 1 0 1 0 : 5 0 0 p p m
• リ ン系酸化防止剤 : チバ · スペシャルティ ' ケミカルズ社製
ィルガフォス 1 6 8 : 1 , 0 0 0 p ρ m
-以下に示す 「プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法」 によ り得ら れた結果を第 1'表に示す。
「プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法」
( 1 ) [ ??] の測定,
(株) 離合社の V.MR— 0 5 3型自動粘度計を用い、 テトラリ ン溶 媒中 1 3 5 °Cにおいて測定した。
( 2 ) ペンタツ ド分率の測定
明細書本文中に記載した方法により測定した。
( 3 ) メルトフローレート (MF R) の測定
J.I S K 7 2 1 0に準拠し、 2 3 0 °C、 荷重 2 1. 1 8 Nで測 定した。
( 4 ) 分子量分布 (Mw/Mn) の測定
Mw/Mnは、 以下に述べる装置により測定した。
G PC測定装置
カラム : TO S O GMHHR-H (S) HT
検出器 :液体クロマトグラム用 R I検出器
WAT E R S 1 5 0 C
測定条件
1 , 2 , 4一ト リ クロ口ベンゼン
測定温度 1 4 5 °C
流速 1. 0ミ リ リ ッ トル /分
試料濃度 2. 2 m g /ミ リ リ ッ トル
注入量 1 6 0マイクロリ ッ トル
検量線 Un i v e r s a l C a l i b r a t i o n 解析プログラム HT-GP C ( V e r . 1. 0 )
( 5 ) D S C測定
示差走査型熱量計 (パーキン ' エルマ一社製, D S C— 7) を用い て、 試料 1 0 m gを窒素雰囲気下 2 2 0 °Cで 3分間溶融した後、 1 °C /分で一 4 0 °Cまで降温したとき得られる結晶化発熱カーブの最大ピ ークのピーク トツプを結晶化温度: T cとした。 さらに、 一 4 0 °Cで 3分間保持した後、 1 0°C/分で昇温させることにより得られる融解 吸熱量を ΔΗとした。 また、 このときに得られる融解吸熱カーブの最 大ピ一クのピーク トップを融点: Tmとした。
( 6 ) 昇温分別クロマトグラフ
以下のようにして、 溶出曲線における T R E Fのカラム温度 2 5 °C において充填剤に吸着されないで溶出する成分の量 W 2 5 (質量0 /0) を求めた。
( a ) 操作法
試料溶液を温度 1 3 5 °Cに調節した TR E Fカラムに導入し、 次い で降温速度 5 °C/時間にて徐々に 0 °Cまで降温し、 3 0分間ホールド し、 試料を充填剤に吸着させる。 その後、 昇温速度 4 0 °C/時間にて カラムを 1 3 5 °Cまで昇温し、 溶出曲線を得た。
(b ) 装置構成
TR E Fカラム : GLサイエンス社製 シリカゲルカラム
フロ一セル : G Lサイエンス社製 光路長 1 mm KB rセル 送液ポンプ : センシユウ科学社製 S S C— 3 1 0 0ポンプ バルブオーブン : G Lサイエンス社製 MO D E L 5 5 4オーブン
(高温型)
TR E Fオーブン : G Lサイェンス社製
二系列温調器 :理学工業社製 R E X— C 1 0 ()温調器 検出器 :液体クロマトグラフィ一用赤外検出器
F OXB ORO社製 M I RAN 1 A C V F
1 0方バルブ :パルコ社製 電動バルブ
ル一プ :バルコ社製 5 0 0マイクロリ ッ トルル一プ
( c ) 測定条件
0—ジクロ口ベンゼン
試料濃度 7· 5 g /リ ッ トル
注入里 5 0 0マイ クロ リ ッ トル
ポンプ流量 2. 0 ミ リ リッ トル /分
検出波数 3. 4 1 m
カラム充填剤 クロモソルブ P ( 3 0〜 6 0メ ッシュ) 力ラム温度分布 ±0. 2 °C以内
〔プロピレン重合体 (P 2 ) の製造〕
( 1 ) マグネシウム化合物の調製
内容積約 6 リ ッ トルのかきまぜ機付きガラス反応器を窒素ガスで十 分に置換したのち、 これにエタノール約 2 4 3 0 g、 ヨウ素 1 6 g及 び金属マグネシウム 1 6 0 gを/士込み、 かきまぜながら加熱して、 還 流条件下で系内からの水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、 固体 状応生成物を得た。 この固体状生成物を含む反応液を減圧下で乾燥さ せることにより、 マグネシウム化合物を得た。
( 2 ) 固体触媒成分 (A) の調製
窒素ガスで十分置換した内容積 5 リ ッ トルのガラス製反応器に、 上 記 ( 1 ) で得られたマグネシウム化合物 (粉砕していないもの) 1 6
0 g、 精製ヘプ夕ン 8 0 m 1 、 四塩化ゲイ素 1 4 m 1及びフタル酸ジ ェチル 2 3 m l を仕込み、 系内を 8 0 °Cに保ち、 かきまぜながら四塩 化チタン 7 7 0 m 1 を加えて 1 1 0 °Cで 2時間反応させたのち、 固体 成分を分離して 9 0 °Cの精製へプタンで洗浄した。 さらに、 四塩化チ タン 1220mlを加え、 1 1 0 °Cで 2時間反応させたのち、 精製ヘプタン で十分に洗浄して固体触媒成分 (A) を得た。
( 3 ) プロピレンの気相重合
内容積 2 0 0 リ ッ トルの重合槽に、 上記 ( 2 ) で得られた固体触媒 成分 6. O gZ時間、 ト リイソブチルアルミニウム (T I BA) 0.
2モル/時間、 1 —ァリル一 3 , 4—ジメ トキシベンゼン (AD MB ) 0. 0 1 2モル/時間、 シクロへキシルメチルジメ トキシシラン ( C HM DM S ) 0. 0 1 2モル/時間、 プロピレン 3 7 k g /時間で 供給し、 7 0 ° (:、 2. 8 MP a ( g a u g e ) で重合を行ない、 プロ ピレン重合体を製造した。 得られたプロピレンパウダーに、 2 , 5— ジメチルー 2 , 5—ジー ( t—ブチルバ一ォキシ) 一へキサンを混合 し、 さ らに下記の添加剤処方を行い、 単軸押出機 (塚田樹機製作所製
: TL C 3 5— 2 0型) にて押し出し造粒しペレッ トを製造した。 得られたペレツ ト (F 2 ) について、 前記 「プロピレン重合体の樹脂
特性の評価方法」 により得られた結果を第 1表に示す
(添加剤処方)
• フヱノール系酸化防止剤 : チバ · スペシャルティ · ケミカルズ社製 ィルガノッ クス 1 0 1 0 : 1 , 0 0 0 p p m • リ ン系酸化防止剤 : P— E P Q : 5 0 0 p p m
' 中和剤 : ステアリ ン酸カルシウム : 5 0 0 p p m
• 中和剤 : D HT— 4 A : 5 0 0 p p m
〔プロピレン重合体 (P 3 ) の製造〕
内容積 1 リ ツ トルのステンレス製ォ一トクレーブにヘプタン 4 0 0 m L, ト リイ ソブチルアルミニウム 0. 5 ミ リモル、 さ らに、 ジメチ ルァニリニゥム (ペン夕フルオロフヱニル) ボレート 2マイ クロモル と、 特開平 3 - 1 6 3 0 8 8号公報の実施例 1 と同様にして製造した
(第 3級プチ〗レアミ ド) ジメチル (テトラメチルー? 75 —シクロペン 夕ジェニル) シランチタンジクロライ ド 1マイ クロモルを トルエン中 5分間予備接触させた触媒成分を投入した。 ここで、 水素 0. 0 3 M P a ( g a u g e ) を導入した後、 全圧で 0. 8 MF a ( g a u g e ) までプロピレンガスを導入し重合中圧力が一定になるように調圧器 によ りプロピレンを供給した。 重合温度 7 0 °Cで、 1時間重合を行な つた後、 内容物を取り出し、 減圧下、 乾燥することにより、 プロピレ ン重合体 (P 3 ) を得た。
前記 「プロピレン重合体の樹脂特性の評価方法」 を行い、 得られた結 果を第 1表に示す。
1
〔実施例 1〜 4、 比較例 1、 2〕
(ィ) ペレツ トの製造
プロピレン重合体 〔 I〕 として上記で得られたプロピレン重合体 ( F 1、 F 2、 P 3 ) およぴォレフィン系重合体 〔 I I〕 として結晶性 ポリプロピレンの出光石油化学 (株) 製 I D EM I T SU P P F - 7 0 4 N P !: MF R= 7 g/ 1 0分〕 、 F - 7 7 4 NP CMF R = 7 g / 1 0分〕 、 エチレン一 1一ォクテン共重合体のダウケミ力ル 曰本社製、 ァフィ二ティ PL 1 8 8 0を第 2表に示す配合比 〔質量 %] で混合し二軸混練押出成形機で造粒してペレツ トを得た。
このペレツ トを単軸押出成形機により、 管状ダイよ り押出成形する ことにより内径 2. 6mm、 外径 4. 0 m mのチューブを成形した。 チューブの評価、 2 3 0 °Cでのプレス成形シート ( 1 mm厚み).の評 価を下記評価方法に基づいて行った。 結果を第 2表に示す。
〔評価方法〕
( 1 ) プレスシート評価
①ヘーズ (透明性) : J I S K 7 1 0 5に準拠して測定した。
②引張弾性率は、 J I S K 7 1 2 7に準拠した引張試験により測 定した。
P T/JP01/04609
( 2 ) 管状成形体評価 .
③風合い (やわらかくて、 ベたつき感のない感触)
◎ : 極めて良好、 〇 : 良好、 △: やや劣る、 X : 不十分
④透明性 ◎ :極めて透明、 〇 :透明
△: やや曇りがある、 X :曇りが激しい
⑤総合評価 ◎ :極めて良好、 〇 : 良好
Δ: やや劣る、 X : 不十分
第 2表 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 比較例 1 比較例 2
P 1 70 70 50 50
合
体 P2 70
組
成 P 3 50
物
へ F- 704 NP 30 30 50
質
量 F- 744 NP 30 50
PL 1880 50
プ 引張弾性率 120 1 05 200 62 520 80
レ (MP a)
ス
シ
1
卜 ヘーズ 9. 5 7. 0 23 33 60 60
評 (¾)
価
管 風合い ◎ © 〇 ◎ X 〇
状
成 透明性 ◎ 〇 △ X X
形
体 総合評価 ◎ ◎ o 〇 X X
の
評 備考 総合的に 総合的に 総合的に 総合的に 柔軟性、 透明性、 価 極めて良 極めて良 良好 良好 透明性な ベた付き
好 好 どで不十 感などで
分 不十分
〔実施例 5〕
前記で得た P 1のペレッ トを 7 0質量%、 出光石油化学製 I D E M I T S U P P - 7 0 4 N P (以下、 B 1 とも記す) を 3 0質量0 /0 の割合で配合し、 前記と同様の単軸押出し機 (TL C 3 5— 2 0型、 塚田樹機製作所製) にて押出し造粒し、 電線保護用被覆材料としての ペレッ トを製造した。 このペレツ トをプレス成形機 (Y S— 1 0型、 神藤金属工業社製) を用いてプレス成形 (プレス温度: 2 3 0 °C、 プ レス圧: 5 0 k g/cm2 、 冷却温度: 3 0°C ) し、 電線保護用被覆 材料評価用の成形体 (試験片 : 1 mm厚) を成形した。
以下に述べる 「電線保護用被覆材料の評価方法」 に従い、 成形体を 評価した結果を第 3表に示す。
次に得られたペレツ トを用い、 押出し機 (L/D = 2 2 ) により、 芯線外径 1. 8πιπιΦの導体上に 1 0 m紙セパレ一タ一を縦添えし ながら 1. 8 mmの厚さで押出し被覆し、 被覆電線を製造した。 以下 に述べる 「被覆電線の評価」 方法に従い、 評価した結果を第 3表に示 す。
「電線保護用被覆材料の評価方法」
1. プレス成形体の評価
( 1 ) 引張弾性率
J I S K 7 1 2 了に準拠した引張試験により測定した。
• クロスへッ ド速度: 5 Omm/m i n
• ロー ドセル : 1 0 0 k g
( 2 ) ヘイズ
J I S K 7 1 0 5に準拠した試験により測定した。
なお、 この値が小さいほど透明性に優れる。
2. 被覆電線の評価
( 1 ) 成形性
被覆電線の外観を評価した。
◎ :厚みムラがなく均一に被覆されてる、
〇 : やや厚みムラがある、
△ :厚みムラがあり均一性に劣る
( 2 ) ベたつき性
被覆電線を手で触り、 その感触で評価した。 ' ◎ : まったくべたつきなし、
〇 : ベたつきなし、
△ : ややべたつきが激しい
( 3 ) 折り曲げ白化性
被覆電線を折り曲げ、 白化状態を目視で判断した。
〇 : まったく 白化しない、 X : 白化する
〔実施例 6〕
実施例 5の電線保護用被覆材料の製造において、 (P 1 ) を 5 0質 量%に変えたこと、 及び (B 1 ) を 5 0質量%に変えたこと以外は実 施例 1 と同様に行った。.得られた結果を第 3表に示す。
〔実施例 7〕
実施例 5の電線保護用被覆材料の製造において、 (P 1 ) を 5 0質 量0 /0に変えたこと、 及び (B 1 ) 3 0質量%を出光石油化学製 I D E M I T S U' P P F - 7 4 4 N P (以下、 B 2 とも記す) 5 0質 量%に変えたこと以外は実施例 1 と同様に行った。 得られた結果を第 3表に示す。
〔比較例 3〕
実施例 5において、 P 1のペレツ トを P 2のペレツ トに変えたこと 以外は実施例 1 と同様に行った。 得られた結果を第 3表に示す。
〔比較例 4〕
実施例 6の電線保護用被覆材料の製造における P 1 を、 前記で得た P 3に変えたこと以外は実施例 2 と同様に行った。 得られた結果を第 ό ¾に不す。
〔実施例 8〕
前記で得た Ρ 1のペレッ トを 7 0質量%、 出光石油化学製 I D Ε M I T S U P P F— 7 0 4 Ν Ρ (以下、 Β 1 とも記す) を 3 0質 量%の割合で配合し、 前記と同様の単軸押出機 (TL C 3 5— 2 0型 、 塚田樹機製作所製) にて押出造粒し、 異形押出成形用樹脂としての ペレツ トを製造した。 このペレツ トをプレス成形機 (Y S— 1 0型、 神藤金属工業社製) を用いてプレス成形 (プレス温度: 2 3 0 °C、 プ レス圧 : 5 0 k g/cm2 、 冷却温度: 3 0°C) し、 異形押出成形用 樹脂評価用の成形体 (試験片 : 1 mm厚) を成形した。 また、 このべ レツ トを 4.0 πιιηΦ押出機 (田辺プラスチックス機械社製) を用い、 図 1 に示すような異形断面を有するダイスから、 設定温度 2 1 0 °Cに て押出して成形体を得、 1 0 0 c mの長さに切断して試験片を得た。 以下に述べる 「評価方法」 に従い評価した結果を第 4表に示す。 「評価方法」
1. プレス成形体の評価
( 1 ) 引張弾性率
J I S K 7 1 2 7に準拠した引張試験によ り測定した。
• クロスへッ ド速度: 5 O mm/m i n
• ロードセル: 1 0 0 k g
( 2 ) ヘイズ
J I S K 7 1 0 5に準拠した試験により測定した。
なお、 この値が小さいほど透明性に優れる。
2. 異形押出し成形品の評価
( 1 ) 反りの評価
図 2に示すように、 試験片を平面状に置き、 両端を結ぶ線分 (A) の中間点 (F) を通る垂線 (B) と試験片内面との交点 (Q) を決め る。 長さ FQを反りの目安 hとする。 反りが大きいほど hは大きな値 となる。
(判断基準)
◎ :極めて良好 ( h = 0 ) 、 〇 : 良好 ( 0 < h≤ 5 mm) 、
Δ: やや不良 ( 5 < h≤ 1 0mm) 、 x :不良 ( 1 0 < h )
( 2 ) ベたつき感
押出し成形体を手で触れて、 その感触によって判断した。
(判断基準)
◎ : まったくベた f付きなし、 〇 : ほとんどベた付きなし
△ : ややべた付く、 X : ベた付きが激しい
〔実施例 9〕
実施例 8の異形押出成形用樹脂の製造において、 B 1 を出光石油化 学製 I D EM I TS U P P F— 7 4 4 N P (以下、 B 2とも記 す) に変えたこと以外は実施例 8と同様に行った。 得られた結果を第 2表に示す。
〔実施例 1 0〕
実旌例 9の異形押出成形用樹脂の製造において、 P 1 を 5 0質量0 /0 に変えたこと及び B 2を 5 0質量%に変えたこと以外は実施例 9と同
様に行った。 得られた結果を第 4表に示す。
〔実施例 1 1 〕
実施例 1 0の異形押出成形用樹脂の製造において、 B 2をダウケミ カル日本社製ァフィ二ティ P L 1 8 8 0 (以下、 B 3 とも記す) に変えたこと以外は実施例 1 0 と同様に行った。 得られた結果を第 4 表に示す。
〔比較例 5〕
実施例 8において、 F 1のべレツ トを P 2のペレッ トに変えたこと 以外は実施例 8 と同様に行った。 得られた結果を第 4表に示す。
〔比較例 6〕
実施例 8の異形押出成形用樹脂の製造における Ρ 1 を、 前記で得た Ρ 3 の 5 0質量%に変えたこと及び Β 1 の割合を 5 0質量%に変えた こと以外は実施例 8 と同様に行った。 得られた結果を第 4表に示す。
第 4表
実施例 8 実施例 9 実施例 10実施例 1 1 比較例 5 比較例 6
[。成分 Ρ1 (質量%) . 70 70 50 50
Ρ2 (質量%) 80
Ρ3 (質量0 /ο) 40
[職分 Β1 (質量%) 30 20 60 曰2(質量%) 30 50
Β3 (質量%) 50
評価結果 120 105 200 62 420 120
ヘイズ(%) 9.5 7.0 23 33 60 61 反り ◎ ◎ ◎ ◎ Ο ◎ ベたつき感 ◎ ◎ 〇 ο © X 総合評価 ◎ ◎ ο 〇 X X コメン卜 総合的に 総合的に 総合的に 総合的に柔軟性、 透明性、 極めて良 極めて良 良好 良好 透明性な ベたつき 好 好 どで不十 感などで 分 不十分
産業上の利用可能性
本発明の管状成形体は、 塩素を含まないため、 廃棄焼却時に塩素由 来の塩化水素、 ダイォキシンなどの有毒物質等が発生する恐れがなく 、 また、 可塑剤を用いないため使用時の可塑剤の溶出によるトラブル 発生もなく、 安全性、 地球環境に優しい。 また、 管状成形体としての 柔軟性ホース、 チューブとして要求される良好な風合い (やわらかく て、 ベたつき感がない) を有し、 機械的強度、 透明性にすぐれ、 ベた つきがなく成形性にもすぐれ、 その使用分野の拡大が期待できる。
また、 本発明によれば、 成形性に優れ反りや変形が小さく、 リサイ クルが容易であり、 廃棄時や焼却時に有毒ガス等の発生する恐れが少 なく地球環境に優しく、 ベたつきが少なく、 軟質性及び透明性にも優 れる電線保護用被覆材料や異形押出成形用樹脂及びその成形体が得ら れる。