JP3165486B2 - 難燃性樹脂組成物及び該組成物を被覆してなる電線 - Google Patents

難燃性樹脂組成物及び該組成物を被覆してなる電線

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JP3165486B2
JP3165486B2 JP29798591A JP29798591A JP3165486B2 JP 3165486 B2 JP3165486 B2 JP 3165486B2 JP 29798591 A JP29798591 A JP 29798591A JP 29798591 A JP29798591 A JP 29798591A JP 3165486 B2 JP3165486 B2 JP 3165486B2
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淳一 松本
浩士 前澤
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた難燃性及び機械
的特性を有し、土木・建築分野、電気通信分野、自動車
・機械分野等における各種材料として好適に使用するこ
とのできる難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】合成樹
脂からなる電気絶縁材、各種部材あるいは外被材を使用
する分野において、使用している材料の難燃特性を向上
させる手段としては、すでに種々の方法が知られてい
る。具体的には、使用する材料がポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィンである場合では、ハロゲ
ン、リンあるいは無機系の難燃剤を添加することが知ら
れている。しかしながら、より高度の難燃化を行なおう
とするときには、一般的には単に難燃剤の使用量を多く
するというだけで抜本的な対策はなく、その結果、最終
的に取得される難燃性樹脂組成物に対しては、機械的強
度、加工性、可撓性、耐水性などの各特性の一つないし
は二つ以上の特性を著しく低下させるという現象を招来
する。
【0003】本願出願人は、特定構造を有するエチレン
系共重合体と難燃性充填剤とからなり、機械的強度特性
を高度に維持したまま、高い難燃性を実現した難燃性樹
脂組成物について、先に出願を行なっている(特開昭6
4−65148号)。しかし、この組成物は、弾性、低
温特性が必ずしも十分でない。
【0004】また、特開平2−255848号には、環
状オレフィンランダム共重合体(軟化温度70℃以上の
エチレン−環状オレフィン共重合体)、ハロゲン系難燃
剤、アンチモン系難燃剤及びポリテトラフルオロエチレ
ンを配合してなる難燃性環状オレフィン系重合体組成物
が開示されており、この組成物は機械的諸特性及び難燃
性に優れているとしている。しかし、この組成物はガ
ラス転移温度(Tg)が高く低温特性が不良である、
曲げ弾性率が高く用途に制限がある、無機系の添加剤
を多量に加えられない、という問題がある。
【0005】本発明は上記事情にかんがみてなされたも
ので、優れた難燃性及び機械的特性を有するとともに、
難燃剤の受容性に優れ、土木・建築分野、電気通信分
野、自動車・機械分野等における各種材料(例えば電
線)等として好適に使用することができる難燃性樹脂組
成物及び難燃性樹脂被覆電線の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は(A)環状オレフィンとα−オレフィンと
を共重合して得られる引張弾性率(JIS K7113
準拠)が2,000kg/cm未満の値である共重合
体であって、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下であ
る環状オレフィン系共重合体100重量部と、(B)難
燃剤5〜250重量部とからなる難燃性樹脂組成物を提
供する。この場合、上記組成物中に(C)熱可塑性エラ
ストマー1〜100重量部を配合し、(D)ポリオレフ
ィン系樹脂を配合した難燃性樹脂組成物とすることが好
ましい。また本発明は、上記難燃性樹脂組成物を被覆し
てなる電線を提供する。
【0007】以下、本発明につき更に詳しく説明する。(A)成分 本発明組成物の(A)成分である環状オレフィン系共重
合体の共重合に用いられるα−オレフィンとしては、必
ずしも限定されないが、下記一般式[X]
【化1】 (式[X]中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の炭
化水素基を示す。)で表わされる繰り返し単位が挙げら
れる。上記一般式[X]で示される繰り返し単位におい
て、Raは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を
示している。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基とし
て、具体的には、例えばメチル基,エチル基,イソプロ
ピル基,イソブチル基,n−ブチル基,n−ヘキシル
基,オクチル基,オクタデシル基等を挙げることができ
る。また、一般式[X]で示される繰り返し単位を与え
るα−オレフィンの具体例としては、例えば、エチレ
ン,プロピレン,1−ブテン,3−メチル−1−ブテ
ン,4−メチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,1−オ
クテン,デセン,エイコセン等を挙げることができる。
【0008】また、本発明で用いる環状オレフィン系共
重合体の共重合に用いられる環状オレフィンとしては、
必ずしも限定されないが、下記一般式[Y]
【化2】 (式[Y]中、Rb〜Rmはそれぞれ水素原子、炭素数1
〜20の炭化水素基又はハロゲン原子,酸素原子もしく
は窒素原子を含む置換基を示し、nは0以上の整数を示
す。Rj又はRkとRl又はRmとは互いに環を形成しても
よい。また、Rb〜Rmはそれぞれ互いに同一でも異なっ
ていてもよい。)で表わされる環状オレフィンが挙げら
れる。上記一般式[Y]で表わされる環状オレフィンに
おいて、Rb〜Rmは、それぞれ水素原子、炭素数1〜2
0の炭化水素基又はハロゲン原子,酸素原子もしくは窒
素原子を含む置換基を示している。ここで、炭素数1〜
20の炭化水素基として、具体的には、例えばメチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,t−ブチル基,ヘキシル基な
どの炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基,トリル
基,ベンジル基などの炭素数6〜20のアリール基,ア
ルキルアリール基もしくはアリールアルキル基、メチリ
デン基,エチリデン基,プロピリデン基などの炭素数1
〜20のアルキリデン基、ビニル基,アリル基などの炭
素数2〜20のアルケニル基等を挙げることができる。
但し,Rb,Rc,Rf,Rgはアルキリデン基を除く。な
お、Rd,Re,Rh〜Rmのいずれかがアルキリデン基の
場合、それが結合している炭素原子は他の置換基を有さ
ない。
【0009】また、ハロゲン原子を含む置換基として具
体的には、例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素などの
ハロゲン基、クロロメチル基,ブロモメチル基,クロロ
エチル基などの炭素数1〜20のハロゲン置換アルキル
基等を挙げることができる。酸素原子を含む置換基とし
て具体的には、例えば、メトキシ基,エトキシ基,プロ
ポキシ基,フェノキシ基などの炭素数1〜20のアルコ
キシ基、メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基
などの炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基等を挙
げることができる。窒素原子を含む置換基として具体的
には、例えば、ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基な
どの炭素数1〜20のアルキルアミノ基やシアノ基等を
挙げることができる。
【0010】一般式[Y]で示される環状オレフィンの
具体例としては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノ
ルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノ
ルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチ
ルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6
−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネ
ン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボ
ルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン、2,3−ジメチル−1、4、5、8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−
ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネ
ン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノル
ボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオ
ロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネ
ン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシ
ルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノ
ノルボルネン、5−シアノノルボルネンなどを挙げるこ
とができる。
【0011】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、基本的には、上述したようなα−オレフィン成分と
環状オレフィン成分とを共重合してなるものであるが、
本発明の目的を損なわない範囲で、これら必須の2成分
の他に、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成
分を用いていてもよい。このような任意に共重合されて
もよい不飽和単量体として、具体的には、前記したα
−オレフィン成分のうち、先に使用されていないもの、
前記した環状オレフィン成分のうち、先に使用されて
いないもの、ジシクロペンタジエン,ノルボルナジエ
ンなどの環状ジエン類、ブタジエン,イソプレン,
1,5−ヘキサジエンなどの鎖状ジエン類、シクロペ
ンテン,シクロヘプテンなどの単環オレフィン類等が挙
げられる。
【0012】環状オレフィン系共重合体は、ガラス転移
温度(Tg)が30℃以下であることが必要である。こ
のような共重合体を用いれば、低温でも好適に使用でき
る成形品や被覆材が得られる。より好ましいガラス転移
温度(Tg)は20℃以下、特に10℃以下である。こ
のガラス転移温度(Tg)は、目的とする用途、要求さ
れる物性に応じて共重合体の単量体の種類、組成を変更
することにより、任意に変えることができる。
【0013】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
において、α−オレフィン繰り返し単位の含有率[x]
と環状オレフィン繰り返し単位の含有率[y]の割合
([x]:[y])は、α−オレフィン、環状オレフィ
ンの種類及び組合わせにより異なり、一般的に規定する
ことは必ずしもできないが、通常80〜99.9モル
%:20〜0.1モル%、好ましくは82〜99.5モ
ル%:18〜0.5モル%、特に好ましくは85〜98
モル%:15〜2モル%のものである。α−オレフィン
繰り返し単位の含有率[x]が80モル%未満である
と、共重合体のガラス転移点,引張弾性率が高くなり、
成形品の耐衝撃性、弾力性が不充分となる。一方、α−
オレフィン繰り返し単位の含有率[x]が99.9モル
%を超えると、環状オレフィン成分の導入効果が不充分
となる。
【0014】また、環状オレフィン系共重合体として
は、α−オレフィン繰り返し単位と環状オレフィン繰り
返し単位とがランダムに配列した実質上線状の共重合体
であり、ゲル状架橋構造を有さないものであることが好
ましい。ゲル状架橋構造を有さないことは、共重合体が
135℃のデカリン中に完全に溶解することによって確
認できる。
【0015】環状オレフィン系共重合体は、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.005〜2
0dl/gであることが好ましい。極限粘度[η]が
0.005dl/g未満であると成形品の強度が低下す
ることがあり、20dl/gを超えると共重合体の成形
性が悪くなることがある。より好ましい極限粘度[η]
は0.05〜10dl/gである。
【0016】また、環状オレフィン系共重合体の分子量
は特に制限されるものではないが、ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量
平均分子量Mwが1,000〜2,000,000、特
に5,000〜1,000,000、数平均分子量Mn
が500〜1,000,000、特に2,000〜80
0,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.3
〜4、特に1.4〜3であることが好ましい。分子量分
布(Mw/Mn)が4より大きくなると低分子量体の含
有量が多くなり、成形品に成形したときに表面のべたつ
きの原因となることがある。
【0017】また、環状オレフィン系共重合体は、X線
回折法により測定した結晶化度が0〜40%であること
が好ましい。結晶化度が40%を超えると、成形品の弾
性回復性,透明性が低下することがある。より好ましい
結晶化度は0〜30%、特に0〜25%である。
【0018】さらに、環状オレフィン系共重合体は、D
SCによるブロードな融解ピークが90℃未満であるこ
とが好適である。DSCによるシャープな融解ピークが
90℃以上にあるような共重合体は、環状オレフィンと
α−オレフィンとの配列のランダム性が不充分で、成形
品に成形したときに弾性が不充分になることがある。な
お、DSCによるブロードな融解ピークは、10〜85
℃の範囲にあることがより好ましい。DSC測定おい
て、本発明で用いる環状オレフィン系共重合体の融点
(融解)ピークはシャープにはみられず、特に低結晶化
度のものにあっては、通常のポリエチレンの測定条件レ
ベルではほとんどピークがでない。
【0019】また、本発明で用いる環状オレフィン系共
重合体は、引張弾性率が2000Kg/cm2未満であ
ることが好ましい。引張弾性率が2000Kg/cm2
以上であると、成形品に用いた場合、耐衝撃性が不充分
となることがある。より好ましい引張弾性率は50〜
1,500Kg/cm2である。
【0020】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
としては、上述した範囲の物性を有するもののみからな
る共重合体であってもよく、上記範囲外の物性を有する
共重合体が一部含まれているものであってもよい。後者
の場合には、全体の物性値が上記範囲に含まれていれば
よい。
【0021】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
の製造方法に限定は無いが、下記化合物(a)及び
(b)を主成分とする触媒又は下記化合物(a)、
(b)及び(c)を主成分とする触媒を用いてα−オレ
フィンと環状オレフィンとの共重合を行なうことによ
り、効率的に製造することができる。 (a)遷移金属化合物 (b)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する化合物 (c)有機アルミニウム化合物
【0022】この場合、上記遷移金属化合物(a)とし
ては、周期律表のIVB族,VB族,VIB族,VIIB族,VI
II族に属する遷移金属を含む遷移金属化合物を使用する
ことができる。上記遷移金属として、具体的には、チタ
ニウム、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、マンガ
ン、ニッケル、パラジウム、白金などが好ましく、中で
もジルコニウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、パラ
ジウムが好ましい。
【0023】このような遷移金属化合物としては、種々
のものが挙げられるが、特にIVB族、VIII族の遷移金属
を含む化合物、中でも周期律表のIVB族から選ばれる遷
移金属、すなわちチタニウム(Ti)、ジルコニウム
(Zr)又はハフニウム(Hf)を含有する化合物を好
適に使用することができ、特に下記一般式(I),(II)又
は(III)で示されるシクロペンタジエニル化合物又はこ
れらの誘導体あるいは下記一般式(IV)で示される化合
物又はこれらの誘導体が好適である。 CpM11 a2 b3 c …(I) Cp211 d2 e …(II) (Cp−Af−Cp)M11 d2 e …(III) M11 g2 h3 i4 j …(IV)
【0024】[(I)〜(IV)式中、M1 はTi,Zr
又はHf原子を示し、Cpはシクロペンタジエニル基,
置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換イン
デニル基,テトラヒドロインデニル基,置換テトラヒド
ロインデニル基,フルオレニル基又は置換フルオレニル
基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化水素
基を示す。R1 ,R2 ,R3及びR4はそれぞれ水素原
子,酸素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキ
ル基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20
のアリール基,アルキルアリール基もしくはアリールア
ルキル基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,アリル
基,置換アリル基,けい素原子を含む置換基などのσ結
合性の配位子,アセチルアセトナート基,置換アセチル
アセトナート基などのキレート性の配位子又はルイス塩
基等の配位子を示し、Aは共有結合による架橋を示す。
a,b及びcはそれぞれ0〜3の整数、d及びeはそれ
ぞれ0〜2の整数、fは0〜6の整数、g,h,i及び
jはそれぞれ0〜4の整数を示す。R1 ,R2 ,R3
びR4はその2以上が互いに結合して環を形成していて
もよい。上記Cpが置換基を有する場合には、当該置換
基は炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。(II)式
及び(III)式において、2つのCpは同一のものであ
ってもよく、互いに異なるものであってもよい。]
【0025】上記(I)〜(III)式における置換シクロ
ペンタジエニル基としては、例えば、メチルシクロペン
タジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,イソプ
ロピルシクロペンタジエニル基,1,2−ジメチルシク
ロペンタジエニル基,テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基,1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基,1,
2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基,1,2,
4−トリメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチル
シクロペンタジエニル基,トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基などが挙げられる。R1〜R4の具体例とし
ては、例えば、ハロゲン原子としてフッ素原子,塩素原
子,臭素原子,ヨウ素原子;炭素数1〜20のアルキル
基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,iso
−プロピル基,n−ブチル基,オクチル基,2−エチル
ヘキシル基;炭素数1〜20のアルコキシ基としてメト
キシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェ
ノキシ基;炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリ
ール基もしくはアリールアルキル基としてフェニル基,
トリル基,キシリル基,ベンジル基;炭素数1〜20の
アシルオキシ基としてヘプタデシルカルボニルオキシ
基;けい素原子を含む置換基としてトリメチルシリル
基,(トリメチルシリル)メチル基:ルイス塩基として
ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、テトラヒドロチオフェン等のチオ
エーテル類、エチルベンゾエート等のエステル類、アセ
トニトリル,ベンゾニトリル等のニトリル類、トリメチ
ルアミン,トリエチルアミン,トリブチルアミン,N,
N−ジメチルアニリン,ピリジン,2,2’−ビピリジ
ン,フェナントロリン等のアミン類、トリエチルホスフ
ィン,トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;鎖状
不飽和炭化水素としてエチレン,ブタジエン,1−ペン
テン,イソプレン,ペンタジエン,1−ヘキセン及びこ
れらの誘導体;環状不飽和炭化水素としてベンゼン,ト
ルエン,キシレン,シクロヘプタトリエン,シクロオク
タジエン,シクロオクタトリエン,シクロオクタテトラ
エン及びこれらの誘導体などが挙げられる。Aの共有結
合による架橋としては、例えばメチレン架橋,ジメチル
メチレン架橋,エチレン架橋,1,1’−シクロヘキシ
レン架橋,ジメチルシリレン架橋,ジメチルゲルミレン
架橋,ジメチルスタニレン架橋等が挙げられる。
【0026】このような化合物として、例えば下記のも
の及びこれら化合物のジルコニウムをチタニウム又はハ
フニウムで置換した化合物が挙げられる。(I)式の化合物 (ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチルジル
コニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリ
フェニルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)トリベンジルジルコニウム、(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム、(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニ
ウム、(シクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリクロロジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジ
ルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチ
ルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリ
フェニルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニ
ル)トリベンジルジルコニウム、(メチルシクロペンタ
ジエニル)トリクロロジルコニウム、(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウム、
(ジメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニ
ウム、(トリメチルシクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム、(トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)トリメチルジルコニウム、(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)トリクロロジルコニウム、
【0027】(II)式の化合物 ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニ
ウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキシジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジル
コニウム、ビス(シクロペンタジエニル)モノクロロモ
ノヒドリドジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジメチルジルコニウム、ビス(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
クロロジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)クロロメチルジルコニウム、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒドリドメ
チルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、
【0028】(III)式の化合物 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、エチ
レンビス(テトラヒドロインデニル)ジメチルジルコニ
ウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジクロ
ロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、イ
ソプロピル(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニ
ル)ジメチルジルコニウム、イソプロピル(シクロペン
タジエニル)(9−フルオレニル)ジクロロジルコニウ
ム、[フェニル(メチル)メチレン](9−フルオレニ
ル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フ
ルオレニル)ジメチルジルコニウム、エチリデン(9−
フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム、シクロヘキシル(9−フルオレニル)(シク
ロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、シクロペン
チル(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジ
メチルジルコニウム、シクロブチル(9−フルオレニ
ル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(シクロペンタ
ジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビ
ス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジ
クロロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(2,3,
5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、ジメチルシリレンスビス(インデニル)ジクロ
ロジルコニウム
【0029】上記一般式(I),(II),(III)で示さ
れるシクロペンタジエニル化合物以外のものも効果を損
なうものではない。そのような化合物の例としては前記
(IV)式の化合物が挙げられ、例えば、テトラメチルジ
ルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラメト
キシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テト
ラブトキシジルコニウム、テトラクロロジルコニウム、
テトラブロモジルコニウム、ブトキシトリクロロジルコ
ニウム、ジブトキシジクロロジルコニウム、ビス(2,
5−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジメチルジルコニウ
ム、ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジクロ
ロジルコニウム、ジルコニウムビス(アセチルアセトナ
ート)、あるいはこれらのジルコニウムをハフニウム、
チタニウムに置き換えた化合物などのアルキル基、アル
コキシ基及びハロゲン原子の1種又は2種以上を持つジ
ルコニウム化合物、ハフニウム化合物、チタニウム化合
物が挙げられる。
【0030】また、VIII族の遷移金属を含む遷移金属化
合物としては特に制限はなく、クロム化合物の具体例と
しては、例えば、テトラメチルクロム、テトラ(t−ブ
トキシ)クロム、ビス(シクロペンタジエニル)クロ
ム、ヒドリドトリカルボニル(シクロペンタジエニル)
クロム、ヘキサカルボニル(シクロペンタジエニル)ク
ロム、ビス(ベンゼン)クロム、トリカルボニルトリス
(ホスホン酸トリフェニル)クロム、トリス(アリル)
クロム、トリフェニルトリス(テトラヒドロフラン)ク
ロム、クロムトリス(アセチルアセトナート)等が挙げ
られる。
【0031】マンガン化合物の具体例としては、例え
ば、トリカルボニル(シクロペンタジエニル)マンガ
ン、ペンタカルボニルメチルマンガン、ビス(シクロペ
ンタジエニル)マンガン、マンガンビス(アセチルアセ
トナート)等が挙げられる。
【0032】ニッケル化合物の具体例としては、例え
ば、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッ
ケル、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ル、二窒素ビス(ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ニッケル)、クロロヒドリドビス(トリシクロヘキ
シルホスフィン)ニッケル、クロロ(フェニル)ビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジメチルビス
(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジエチル(2,
2’−ビピリジル)ニッケル、ビス(アリル)ニッケ
ル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル、アリル(シクロ
ペンタジエニル)ニッケル、(シクロペンタジエニル)
(シクロオクタジエン)ニッケルテトラフルオロ硼酸
塩、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、ニッケルビ
スアセチルアセトナート、アリルニッケルクロライド、
テトラキス(トリフェニルフォスフィン)ニッケル、塩
化ニッケル、 (C6H5)Ni{OC(C6H5)CH=P(C6H5)2}{P(C6H5)3}、 (C6H5)Ni{OC(C6H5)C(SO3Na)=P(C6H5)2}{P(C6H5)3} 等が挙げられる。
【0033】パラジウム化合物の具体例としては、例え
ば、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カル
ボニルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、
ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ビ
ス(イソシアン化t−ブチル)パラジウム、パラジウム
ビス(アセチルアセトナート)、ジクロロ(テトラフェ
ニルシクロブタジエン)パラジウム、ジクロロ(1,5
−シクロオクタジエン)パラジウム、アリル(シクロペ
ンタジエニル)パラジウム、ビス(アリル)パラジウ
ム、アリル(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム
テトラフルオロ硼酸塩、(アセチルアセトナート)
(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムテトラフル
オロ硼酸塩、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム
二テトラフルオロ硼酸塩等が挙げられる。
【0034】次に、化合物(b)としては、遷移金属化
合物(a)と反応してイオン性の錯体を形成する化合物
であればいずれのものでも使用できるが、カチオンと複
数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合物、特
にカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとから
なる配位錯化合物を好適に使用することができる。この
ようなカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンと
からなる化合物としては、下記式(V)あるいは(VI)
で示される化合物を好適に使用することができる。 ([L1−R7]k+)p([M312…Zn](n-m)-)q …(V) ([L2]k+)p([M412…Zn](n-m)-)q …(VI) (但し、L2 はM5,R896,R10 3C又はR116
ある)
【0035】[(V),(VI)式中、L1 はルイス塩
基、M3及びM4はそれぞれ周期律表のVB族,VIB族,V
IIB族,VIII族,IB族,IIB族,IIIA族,IVA族及び
VA族から選ばれる元素、M5及びM6はそれぞれ周期律
表のIIIB族,IVB族,VB族,VIB族,VIIB族,VIII
族,IA族,IB族,IIA族,IIB族及びVIIA族から選
ばれる元素、Z1〜Zn はそれぞれ水素原子,ジアルキ
ルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6
〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアルキル
基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール
基,アリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置
換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機
メタロイド基又はハロゲン原子を示し、Z1〜Znはその
2以上が互いに結合して環を形成していてもよい。R7
は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜
20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールア
ルキル基を示し、R8及びR9はそれぞれシクロペンタジ
エニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基
又はフルオレニル基、R10は炭素数1〜20のアルキル
基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアル
キル基をを示す。R11はテトラフェニルポルフィリン、
フタロシアニン等の大環状配位子を示す。mはM3 ,M
4の原子価で1〜7の整数、nは2〜8の整数、kは
[L1−R7],[L2] のイオン価数で1〜7の整数、
pは1以上の整数、q=(p×k)/(n−m)であ
る。]
【0036】上記ルイス塩基の具体例としては、アンモ
ニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエ
チルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,
トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチ
ルアミン,N,N−ジメチルアニリン,メチルジフェニ
ルアミン,ピリジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルア
ニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン等のア
ミン類、トリエチルフォスフィン,トリフェニルフォス
フィン,ジフェニルフォスフィン等のフォスフィン類、
ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン,ジオキサン等のエーテル類、ジエチルチオエーテ
ル,テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、エチ
ルベンゾエート等のエステル類等が挙げられる。M3
びM4の具体例としてはB,Al,Si,P,As,S
b等,M5の具体例としてはLi,Na,Ag,Cu,
Br,I,I3等,M6の具体例としてはMn,Fe,C
o,Ni,Zn等が挙げられる。Z1〜Znの具体例とし
ては、例えば、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミ
ノ基,ジエチルアミノ基;炭素数1〜20のアルコシキ
基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基;炭
素数6〜20のアリールオキシ基としてフェノキシ基,
2,6−ジメチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基;炭
素数1〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,
n−プロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,
n−オクチル基,2−エチルヘキシル基;炭素数6〜2
0のアリール基,アルキルアリール基もしくはアリール
アルキル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル
基,4−ターシャリ−ブチルフェニル基,2,6−ジメ
チルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基,2,4
−ジメチルフェニル基,2,3−ジメチルフェニル基;
炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基としてp−フ
ルオロフェニル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペ
ンタクロロフェニル基,3,4,5−トリフルオロフェ
ニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)フェニル基;ハロゲン原子として
F,Cl,Br,I;有機メタロイド基として五メチル
アンチモン基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミ
ル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチ
モン基,ジフェニル硼素基が挙げられる。R7,R10
具体例としては、先に挙げたものと同様なものが挙げら
れる。R8及びR9の置換シクロペンタジエニル基の具体
例としては、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシ
クロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル基等のアルキル基で置換されたものが挙げられる。
ここで、アルキル基は通常炭素数が1〜6であり、置換
されたアルキル基の数は1〜5の整数で選ぶことができ
る。(V),(VI)式の化合物の中では、M3,M4が硼素
であるものが好ましい。
【0037】(V),(VI)式の化合物の中で、具体的
には、下記のものを特に好適に使用できる。(V)式の化合物 テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフ
ェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テトラフ
ェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼
酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチ
ルトリ(n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼
酸ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウム,テトラフ
ェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフ
ェニル硼酸メチルトリフェニルアンモニウム,テトラフ
ェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼
酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピ
リジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピ
リジニウム),テトラフェニル硼酸トリメチルスルホニ
ウム,テトラフェニル硼酸ベンジルジメチルスルホニウ
ム,
【0038】テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル
アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸テトラブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(テトラエチルアンモニウム),
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(メチルト
リ(n−ブチル)アンモニウム),テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸(ベンジルトリ(n−ブチル)
アンモニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルトリフェニルア
ンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸アニリニウム,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリ
ニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ト
リメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸ジメチル(m−ニトロアニリニウム),テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチル(p
−ブロモアニリニウム),テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸ピリジニウム,テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸(p−シアノピリジニウム),テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−メチルピ
リジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸(N−ベンジルピリジニウム),テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸(o−シアノ−N−メチルピ
リジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸(p−シアノ−N−メチルピリジニウム),テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(p−シアノ−N
−ベンジルピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリメチルスルホニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルジメチルスル
ホニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
テトラフェニルホスホニウム,テトラキス(3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)フェニル)硼酸ジメチルアニ
リニウム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウ
【0039】(VI)式の化合物 テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼
酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼
酸(テトラフェニルポルフィリンマンガン),テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−
ジメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミ
ルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸シアノフェロセニウム,テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸銀,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸(テトラフェニルポルフィリンマンガ
ン),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テ
トラフェニルポルフィリン鉄クロライド),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テトラフェニルポル
フィリン亜鉛),テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオ
ロ砒素酸銀,ヘキサフルオロアンチモン酸銀,
【0040】また、(V),(VI)式以外の化合物、例
えばトリス(ペンタフルオロフェニル )硼素,トリス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)硼
素,トリフェニル硼素等も使用可能である。
【0041】(c)成分である有機アルミニウム化合物
としては、下記一般式(VII),(VIII)又は(IX)で
表わされるものが挙げられる。 R12 rAlQ3-r …(VII) (R12は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキ
ル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基
等の炭化水素基、Qは水素原子、炭素数1〜20のアル
コキシ基又はハロゲン原子を表わす。rは1≦r≦3の
範囲のものである。) 式(VII)の化合物として、具体的には、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニ
ウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ド,ジエチルアルミニウムハイドライド,エチルアルミ
ニウムセスキクロリド等が挙げられる。
【0042】
【化3】 (R12は式(VII)と同じものを示す。sは重合度を表
わし、通常3〜50である。)で表わされる鎖状アルミ
ノキサン。
【0043】
【化4】 (R12は式(VII)と同じものを示す。また、sは重合
度を表わし、好ましい繰り返し単位数は3〜50であ
る。)で表わされる繰り返し単位を有する環状アルキル
アルミノキサン。(VII)〜(IX)式の化合物の中で、
好ましいのは(VII)式の化合物で、特に好ましいのは
(VII)式の化合物でr=3のもの、なかでもトリメチ
ルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソブ
チルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムであ
る。
【0044】上記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方
法が挙げられるが、その手段に特に限定はなく、公知の
方法に準じて反応させればよい。例えば、有機アルミ
ニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接
触させる方法、重合時に当初有機アルミニウム化合物
を加えておき、後に水を添加する方法、金属塩などに
含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有
機アルミニウム化合物と反応させる方法、テトラアル
キルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反
応させ、さらに水を反応させる方法などがある。
【0045】環状オレフィン系共重合体の製造に用いる
触媒は、上記(a)成分と(b)成分あるいは上記
(a)成分と(b)成分と(c)成分とを主成分とする
ものである。この場合、(a)成分と(b)成分との使
用条件は限定されないが、(a)成分:(b)成分の比
(モル比)を1:0.01〜1:100、特に1:0.
5〜1:10、中でも1:1〜1:5とすることが好ま
しい。また、使用温度は−100〜250℃の範囲とす
ることが好ましく、圧力,時間は任意に設定することが
できる。
【0046】また、(c)成分の使用量は、(a)成分
1モルに対し通常0〜2,000モル、好ましくは5〜
1,000モル、特に好ましくは10〜500モルであ
る。(c)成分を用いると重合活性の向上を図ることが
できるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が重合
体中に多量に残存し好ましくない。なお、触媒の使用態
様には制限はなく、例えば(a),(b)成分を予め接
触させ、あるいはさらに接触生成物を分離,洗浄して使
用してもよく、重合系内で接触させて使用してもよい。
また、(c)成分は、予め(a)成分、(b)成分ある
いは(a)成分と(b)成分との接触生成物と接触させ
て用いてもよい。接触は、あらかじめ接触させてもよ
く、重合系内で接触させてもよい。さらに、触媒成分
は、モノマー、重合溶媒に予め加えたり、重合系内に加
えることもできる。
【0047】重合方法としては、塊状重合、溶液重合、
懸濁重合などのいずれの方法を用いてもよい。また、バ
ッチ法でも連続法でもよい。重合条件に関し、重合温度
は−100〜250℃、特に−50〜200℃とするこ
とが好ましい。また、反応原料に対する触媒の使用割合
は、原料モノマー/上記(a)成分(モル比)あるいは
原料モノマー/上記(b)成分(モル比)が1〜1
9、特に100〜107となることが好ましい。さら
に、重合時間は通常1分〜10時間、反応圧力は常圧〜
100Kg/cm2G、好ましくは常圧〜50Kg/c
2Gである。重合体の分子量の調節方法としては、各
触媒成分の使用量,重合温度の選択、さらには水素存在
下での重合反応によることができる。
【0048】重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族
炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシ
クロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサ
ン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロ
ホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等を用
いることができる。これらの溶媒は1種を単独で用いて
もよく、2種以上のものを組合せてもよい。また、α−
オレフィン等のモノマーを溶媒として用いてもよい。
【0049】(B)成分 本発明組成物の(B)成分である難燃性(充填)材とし
ては、通常の場合には公知の難燃剤を使用することがで
き、例えば、無機金属化合物系、ハロゲン系、リン系に
大別することができる。先ず、無機金属化合物系難燃剤
として水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基
性炭酸マグネシウム、ドロマイト、水酸化ジルコニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化スズ水和
物、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、三塩基性硫
酸鉛、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、
酸化モリブデン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭
酸カルシウム、炭酸亜鉛、塩基性亜硫酸鉛などを例示す
ることができる。
【0050】また、ハロゲン系難燃剤としては、テトラ
ブロムエタン、テトラブロムブタン、テトラブロモビス
フェノールA(TBA)、ヘキサブロモベンゼン、デカ
ブロモジフェニルエーテル、テトラブロモエタン(TB
E)、テトラブロモブタン(TBB)、ヘキサブロモシ
クロデカン(HBCD)などの臭素系及び塩素化パラフ
ィン、塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化
ジフェニル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナ
フタレンなどの塩素系が挙げられ、三酸化アンチモンな
どと併用することによって、より一層の効果を発揮す
る。さらに、リン系難燃剤としては、一般的にはフォス
フェート系、フォスファイト系、フォスフォネート系が
あり、具体的にはトリメチルフォスフェート、トリエチ
ルフォスフェート、トリブチルフォスフェートトリオク
チルフォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェー
ト、オクチルジフェニルフォスフェート、トリクレジル
フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、
トリフェニルフォスフェート、トリ(β−クロロエチ
ル)フォスフェート、トリス−(クロロエチル)フォス
フェート、トリス−(2−クロロプロピル)フォスフェ
ート、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)フェスフ
ェート、トリス−(2,3−ジプロピル)フォスフェー
ト、トリス−(ブロモクロロプロピル)フォスフェー
ト、ビス−(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジ
クロロプロピレフォスフェート、ビス−(クロロプロピ
ル)−モノオクチルフォスフェートポリフォスフェー
ト、芳香族フォスフェートなどのリン酸エステルもしく
はハロゲン化リン酸エステルなどが主として挙げられ
る。
【0051】本発明において、環状オレフィン系共重合
体(A)に難燃剤(B)を配合させるにあたっては、前
記環状オレフィン系共重合体100重量部に対して5〜
250重量部、特に無機金属化合物系難燃剤を主体とす
るときは、10〜200重量部の難燃剤量とするのが望
ましい。この量の範囲を外れて、例えば、難燃剤(B)
の配合量が少なすぎるときには、難燃剤の添加効果が十
分に発揮されず、反対に使用量が多すぎる時には、合成
樹脂として本来有している機械的強度の低下を起こす傾
向が現われるようになり、好ましくなかった。
【0052】ここで使用する難燃剤は、前述のような各
種の物質の中から目的に応じて任意に選択して使用す
る。なお、ここで使用する難燃剤は、前述のような各種
のタイプの中から適宜に選択して使用するのであるが、
このときステアリン酸、バルミチン酸、オレイン酸また
はそれらの金属塩、ワックス、有機シラン化合物、有機
ボロン化合物、有機チタネート化合物などの中から選ば
れた材料によって表面処理されているものを使用する
と、より好ましい結果を奏することができる。また、難
燃性を向上させるためにカーボンブラック等を添加して
も良い。
【0053】(C)成分 本発明の組成物には、(I)α−オレフィン系共重合体
及びスチレン系共重合体からなる熱可塑性エラストマー
及び/又は(II)1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エ
ラストマーを配合することが好ましい。これによって、
成形品の伸びや低温強度を保持することができる。
【0054】(I)熱可塑性エラストマー 熱可塑性エラストマー(I)におけるα−オレフィン系
重合体としては、少なくとも二種のα−オレフィンから
成形される非晶性ないし低結晶性のα−オレフィン系共
重合体、例えば、エチレン・プロピレン共重合体、プロ
ピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・イソブチレ
ン共重合体、エチレン及びプロピレンとジエンの共重合
体、または、これらの重合体のブレンド物、不飽和カル
ボン酸またはその誘導体等をグラフトしたグラフト重合
体、ブロック共重合体などが挙げられる。α−オレフィ
ン系重合体は軟質の樹脂ないしゴム状樹脂となるようコ
モノマーのモル比を調節したものであることが好まし
い。また、スチレンまたはその誘導体をモノマー構成成
分の一つとし、少なくともガラス転移温度の一つが0℃
以下である非晶性ないし低結晶性共重合体、具体的には
スチレン・イソブチレン共重合体、スチレン・ブタジエ
ン共重合体など、スチレン・ブタジエンブロック共重合
体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重
合体ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン・イソプロレン・スチレンブロック共重合
体ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロ
ック共重合体ゴム、水素添加スチレン・イソプレン・ス
チレンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンラ
ンダム共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0055】(II)1,2−ポリブタジエン系熱可塑性
エラストマー 1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーとして
は、1,2−結合が90%以上で、分子量が10万〜数
十万、結晶化度が15〜35%のシンジオクタチック構
造を有する低結晶性の熱可塑性エラストマー、特に、伸
びが300%以上のゴム的性質を有するものが用いられ
る。このエラストマーの具体的なものとしては、「JS
R RB805」、「JSR RB810」、「JSR
RB820」、「JSR RB830」、「JSR
RB840」、(商品名、日本合成ゴム製)などがあ
る。このエラストマーは上述の環状ポリオレフィン系共
重合体と相溶性が良好であり、均一な組成物を形成す
る。上記熱可塑性エラストマー(I)及び/又は(II)
の配合量は環状オレフィン系共重合体100重量部に対
して1〜100重量部とされる。1重量部未満では難燃
性の改善が見られず、100重量部を越えるとベースと
なる環状オレフィン系共重合体の特性をそこなうことに
なる。
【0056】(D)成分 本発明の樹脂組成物は、さらに、上述の(A)〜(C)
成分とは別にポリオレフィン系樹脂(D)を配合しても
よい。このポリオレフィン系樹脂としては、エチレン
/酢酸ビニル系樹脂などのエチレン/不飽和カルボン酸
エステル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、
エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン−
1などの群から選ばれた共重合体、不飽和カルボン酸
またはその誘導体で変性した前記またはの重合体、
などが挙げられる。(D)成分であるポリオレフィン系
樹脂の配合量は、環状オレフィン系共重合体100重量
部に対して1〜100重量部、好ましくは2〜80重量
部、さらに好ましくは3〜50重量部である。
【0057】任意成分 また、そのほかの添加剤としては、2,6−ジ−t−ブ
チルパラクレゾール、フェニル−β−ナフチルアミン、
ラウリルステアリルチオジプロピオネート、トリデシル
フォスファイト、N−サリシロイル−N’−アルデヒド
ヒドラジン、N,N’−ジフェニルオキサイドなどで代
表される酸化防止剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン、
フェニルサリシレート、2−ヒドキシフェニルベンゾト
リアゾール、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニ
ルアクリレート、ニッケルジブチルジチトカーバメー
ト、その他ヒンダードアミン系として知られているビス
(2,2,6,6,−テトラメチルピペリジニル−4)
−セバケートなどで代表される紫外線吸収剤、各種安定
剤、顔料、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、核剤などがあ
る。
【0058】本発明の難燃性樹脂組成物を得るには、前
述のような各材料をバンバリーミキサ、単軸あるいは二
軸混練機、ニーダなどの通常混合手段として知られてい
る装置により混練することにより取得することができ
る。
【0059】このようにして得られた難燃性樹脂組成物
は、その後、押出し成形によりチューブ、シートとした
り、インフレーションやTダイ法を用いてフィルム押出
しを行なってもよく、またその他、中空成形、射出成
形、回転成形、圧縮成形、押出しコーティング、プレス
成形などを利用するなどして必要な形状に成形を行なう
ことができる。
【0060】このような成形の可能な本発明に係る難燃
性樹脂組成物には、可撓性及び難燃性の要求される、電
線、ケーブル、シール材、マスターバッチ、パッキン
グ、ホース類、シート、フィルム等各種の用途がある。
【0061】より具体的な用途の例を下記に示す。 電線ケーブル:自動車ケーブル,ブースターケーブル,
ポンプケーブル,通信ケーブル 土木・建材:止水材,目地材 家電部品:ホース類(洗濯機,ふとん乾燥機,エアコ
ン),プロテクター類,コネクター,あてゴム,絶縁体 自動車部品: 外装部品 バンパー,エアダムスカート,サイドモール,泥よけ,
ネッキングプレート,エアスポイラ 内装部品 天井材表皮,インパネパッド,ドアトリム表皮 その他 エアダクトホース,アクチュエータ,ランプハウジン
グ,ウェザーストリップ,索導管被覆
【0062】次に、本発明の電線について説明する。本
発明の電線は上記本発明の難燃性樹脂を被覆してなる。
電線被覆の方法は特に制限されないが、通常、押出機が
使用される。また、電線には単線、複線のいずれもが含
まれる。押出機本体としては一般に単軸スクリュー形押
出機が用いられている。この押出機による電線の被覆加
工の手順について説明する。まず、樹脂被覆を施すべき
導体または素線を押出機のクロスヘッドに導入する。一
方、被覆用樹脂(組成物)は、ホッパからシリンダー内
に供給され、スクリューによって前に押し運ばれながら
シリンダ周囲から加えられる熱によって溶融し、クロス
ヘッドに送られる。クロスヘッドの先端には所定の肉厚
に被覆を施すための肉厚規制の金型としてのダイ(雌
型)及びニップル(雄型)が設けられており、このニッ
プル、ダイまたの間に押出されて導体または素線上に樹
脂が被覆される。
【0063】上記樹脂被覆電線の用途は極めて多岐にわ
たるが、例えば、通信ケーブルや電力ケーブル、屋内外
被覆線などが挙げられる。
【0064】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。以
下の実施例及び比較例において、物性測定は次のように
行なった。Mw,Mn,Mw/Mn ウォーターズ社製ALC/GPC−1[カラム;東ソー
製TSK GMH−6×2],溶媒;1,2,4−トリ
クロロベンゼン,温度;135℃、ポリスチレン換算で
求めた。極限粘度[η] 135℃のデカリン中で測定した。ノルボルネン含量 13 C−NMRの30ppm付近に現れるエチレンに基
づくピークとノルボルネンの5及び6位のメチレンに基
づくピークの和と32.5ppm付近に現れるノルボル
ネンの7位のメチレンに基づくピークとの比から求め
た。ガラス転移温度(Tg) 測定装置として、東洋ボールディング社製バイブロンII
−EA型を用い、巾4mm,長さ40mm,厚さ0.1
mmの測定片を昇温速度3℃/分、周波数3.5Hzで
測定し、この時の損失弾性率(E”)のピークから求め
た。融点(Tm) パーキンエルマー社製7シリーズのDSCによって、1
0℃/分の昇温速度で、−50℃〜150℃の範囲で測
定した。参考例1 (1)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェ
ロセニウムの調製 フェロセン(CpFe)20ミリモルと、濃硫酸40
ミリリットルとを室温で1時間反応させ、濃紺色溶液を
得た。この溶液を1リットルの水に投入、攪拌し、得ら
れた深青色の水溶液をテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸リチウム20ミリモルの水溶液500ミリリ
ットルに加えた。沈殿してきた淡青色固体を濾取し、水
500mlを用いて5回洗浄した後、減圧乾燥したとこ
ろ、目的とした生成物テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸フェロセニウム([CpFe][B(C
])17ミリモル得た。
【0065】(2)エチレンと2−ノルボルネンとの共
重合 窒素雰囲気下、室温において30リットルのオートクレ
ーブにトルエン15リットル、トリイソブチルアルミニ
ウム(TIBA)23ミリモル、ビスシクロペンタジエ
ニルジルコニウムジクロライド0.075ミリモル、上
記(1)で調製したテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸フェロセニウム0.15ミリモルをこの順番に
入れ、続いて2−ノルボルネンを70重量%含有するト
ルエン溶液1.5リットル(2−ノルボルネンとして1
0モル)を加え、90℃に昇温したのち、エチレン分圧
が7kg/cmになるように連続的にエチレンを導入
しつつ110分間反応を行った。反応終了後、ポリマー
溶液を15リットルのメタノール中に投入してポリマー
を析出させ、このポリマーを濾取して乾燥して、環状オ
レフィン系共重合体(a1)を得た。環状オレフィン系
共重合体(a1)の収量は2.84kgであった。重合
活性は415kg/gZrであった。
【0066】得られた環状オレフィン系共重合体(a
1)の物性は下記の通りであった。13C−NMRの30
ppm付近に現れるエチレンに基づくピークとノルボル
ネンの5及び6位のメチレンに基づくピークの和と3
2.5ppm付近に現れるノルボルネンの7位のメチレ
ン基に基づくピークとの比から求めたノルボルネン含量
は7.0モル%であった。135℃のデカリン中で測定
した極限粘度[η]は1.23dl/g、X線回折法に
より求めた結晶化度は1.0%であった。測定装置とし
て東洋ボールディング社製バイバロン11−EA型を用
い、巾4mm,長さ40mm,厚さ0.1mmの測定片
を昇温速度3℃/分、周波数3.5Hzで測定し、この
時の損失弾性率(E”)のピークからガラス転移温度
(Tg)求めたところ、Tgは3℃であった。測定装置
としてウォーターズ社製ALC/OPC150Cを用
い、1,2,4−トリクロルベンゼン溶媒、135℃
で、ポリエチレン換算で重量平均分子量Mw、数平均分
子量Mn,分子量分布(Mw/Mn)を求めたところ、
Mwは54,200、Mnは28,500、Mw/Mn
=1.91であった。パーキンエルマー社製7シリーズ
のDSCによって10℃/分の昇温速度で、−50℃〜
150℃の範囲で融点(Tm)を測定したところ、Tm
は73℃(ブロードなピーク)℃であった。
【0067】参考例2 参考例1の(2)において、2−ノルボルネンの使用量
を7.5モルとした以外は、参考例1と同様にして環状
オレフィン系共重合体(a2)を得た。環状オレフィン
系共重合体(a2)の収量は2.93Kg、重合活性は
428Kg/gZrであった。また、参考例1と同様に
して求めたノルボルネン含量は4.9モル%、極限粘度
[η]は1.22dl/g、ガラス転移温度(Tg)は
−7℃、Mwは72,400、Mnは36,400、M
w/Mnは1.99、融点(Tm)は84℃(ブロード
なピーク)であった。
【0068】参考例3 参考例1の(2)において、ビスシクロペンタジエニル
ジルコニウムジクロライドの使用量を0.064ミリモ
ル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロ
セニウムの使用量を0.11ミリモル、2−ノルボルネ
ンの使用量を7.5モル、重合温度を70℃、エチレン
分圧を9Kg/cmとした以外は、参考例1と同様に
して環状オレフィン系共重合体(a3)を得た。環状オ
レフィン系共重合体(a3)の収量は2.36kg、重
合活性は460Kg/gZrであった。また、参考例1
と同様にして求めたノルボルネン含量は4.5モル%、
極限粘度[η]は3.07dl/g、ガラス転移温度
(Tg)は−8℃、Mwは213,000、Mnは11
4,000、Mw/Mnは1.87、融点(Tm)は8
1℃(ブロードなピーク)であった。
【0069】実施例1〜7,比較例1〜2 表1に示すように、上記参考例1〜3で得られた環状オ
レフィン系共重合体(a1)〜(a3)100重量部
と、難燃剤(水酸化マグネシウム:Mg(OH)2:神島
化学工業製N−1)とを配合し、下記混練条件で混練し
て難燃性樹脂組成物のペレットを得た。混練条件 (1)混練機:二軸押出機(池貝鉄工社製) (2)スクリュー形状:逆型2ケ,L/D=31.30
φ,二条ねじ (3)スクリュー回転方向:同方向,回転数:150r
pm (4)樹脂温度:185℃ 樹脂圧 :23kg/cm2 吐出量 :4.3kg/hr 次いで、上記難燃性樹脂組成物からなるペレットを用
い、射出成形機(東芝機械(株)社製:IS80EP)
により、設定温度280℃、金型温度50℃、射出圧力
1040Kg/cm2の条件で射出成形を行ない、成形
品(70mm×70mm×2mm)を得た。また、上記
ペレットを用い押出機(L/D=22)により、芯線外
径1.8mmφの導体上に10μm紙セパレーターを縦
添えしながら1.8mmの厚さで押出し被覆し、被覆電
線を得た。得られた成形品の難燃性(酸素指数、垂直燃
焼試験)及び、引張破断伸び、引張破断強度、引張弾性
率及びショア硬度等の機械的物性を測定した結果を表1
に示す。
【0070】なお、各項目の測定は下記のように行なっ
た。 引張弾性率:オートグラフを用いてJIS−K7113
に従って行なった。 引張破断強度:オートグラフを用いてJIS−K711
3に従って行なった。 引張破断伸び:オートグラフを用いてJIS−K711
3に従って行なった。 酸素指数:JIS−K7201に従って行なった。 ショアー硬度(D):JIS−K7215に従って行な
った。 垂直燃焼試験:uL44に準拠して行ない、燃焼時間が
60秒以内のものを合格、60秒を超えるものを不合格
と判定した。 表1から明らかなように、本発明の難燃性樹脂組成物
(実施例1〜5)は、難燃性を向上させるために環状オ
レフィン系共重合体に難燃剤を配合しても、その成形品
の引張破断伸び等の機械的特性を保持できることが判
る。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の難燃性樹
脂組成物は、優れた難燃性及び機械的特性を有し、土木
・建築分野、電気通信分野における屋外用資材等の材料
として好適に使用することができる。また、上記難燃性
樹脂組成物を被覆してなる電線は優れた特性を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // H01B 7/295 H01B 7/34 B (56)参考文献 特開 平3−172308(JP,A) 特開 昭62−252407(JP,A) 特開 昭62−252406(JP,A) 特開 平1−156308(JP,A) 特開 平5−51413(JP,A) 特開 平3−188145(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 3/40 C08K 5/02 - 5/03 C08K 5/49 - 5/5399 H01B 3/44 H01B 7/295

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)環状オレフィンとα−オレフィン
    とを共重合して得られる引張弾性率(JIS K711
    3準拠)が2,000Kg/cm2未満の値である共重
    合体であって、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下で
    ある環状オレフィン系共重合体100重量部と、 (B)難燃剤5〜250重量部と、 からなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)環状オレフィン系共重合体1
    00重量部に対して、(C)熱可塑性エラストマー1〜
    100重量部を配合したことを特徴とする請求項1に記
    載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(A)環状オレフィン系共重合体1
    00重量部に対して、(D)ポリオレフィン系樹脂(前
    記(A)成分および(C)成分を除く。)1〜100重
    量部を配合したことを特徴とする請求項1または2に記
    載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜3のいずれか一項に記載
    の難燃性樹脂組成物を被覆してなることを特徴する電
    線。
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