JP3677871B2 - 成形用樹脂およびその組成物、それらの製造方法 - Google Patents

成形用樹脂およびその組成物、それらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種成形、特にカレンダー成形に使用可能な加工性に優れた直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂および樹脂組成物、それらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高圧法で製造される低密度ポリエチレン(LDPE)は加工性に優れており、チューブ、パイプ、シートおよびフィルムのような形状に加工され、幅広い分野に使用されている。一方、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体は、直鎖状の分子構造と0.945g/cm3以下の密度を有しており、マグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分および有機アルミニウム化合物からなるチーグラー型触媒あるいはシクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および/または有機金属化合物からなる触媒で重合される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)として知られている。このような直鎖状低密度エチレン・α−オレフィン共重合体は、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)と比較して破断強度に優れているが、同じメルトフローレート(以下MFRと略す)のLDPEに比べ、溶融剪断粘度が高く、加工性がきわめて悪い。また、伸長粘度が非常に小さく、溶融張力が小さいという問題があった。この問題を解決するために、LDPEを混合する方法が従来から用いられているが、必ずしも加工性と物性のバランスのとれた樹脂が得られるわけではなく、またブレンドによるコストアップの問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するために、従来よりラジカル発生剤、主として有機過酸化物を反応させて溶融張力を改良することが広く行われているが、従来使用されていた直鎖状低密度エチレン・α−オレフィン共重合体は分岐度分布が存在し、分子量分布もある程度広いことから、溶融張力の改良を十分に行う程度の反応を行うと、ゲルの多発による表面肌荒れが生じ、実用に耐えないものとなっていた。
【0004】
一方、カレンダー成形において、従来のポリオレフィンを使用した場合、成形時にカレンダーロールに粘着し、加工が著しく困難であることが知られている。これらロールへの粘着は、樹脂中に含まれる低分子成分が原因と考えられている。この問題を解決するために、特開平7−26077号公報に示されるようにオレフィン系樹脂に金属石鹸を添加してロールへの粘着を防止する方法が提案されている。しかしながら、金属石鹸を樹脂に添加することは、多少なりともロール汚染の原因となるばかりでなく、衛生上好ましいとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題の解決、すなわち容易にゲルを生成することなく、溶融剪断粘度および溶融張力を改良し、加工性を向上させ、さらにカレンダー成形においては粘着を防止するための金属石鹸等の添加剤を添加することなく、ロール粘着がない成形用樹脂およびその樹脂組成物、それらの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の分子量分布と分岐度分布を有する直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を、ゲルが生成しない特定の範囲でラジカル発生剤と反応させ、また酸化防止剤を添加して溶融押出し、ペレット化することにより上記の課題を解決できることを見い出し、本発明に到達した。
【0007】
即ち、本発明は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンを共重合させて得られる、密度が0.850〜0.980g/cm3の範囲で、GPCにより求められるMw/Mnが3以下で、JIS K7210条件4による190℃,2160g荷重でのメルトフローレートが0.5〜10g/10分の直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体をラジカル発生剤と反応させ、動的粘弾性の周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が0.70<S<0.90であり、160〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mol以下であるように改質したことを特徴とする成形用樹脂および酸化防止剤との樹脂組成物、それらの製造方法に関する。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明に使用される直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とは、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であって、密度が0.850〜0.980g/cm3の範囲で、GPCにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下で、JIS K7210条件4に従って、190℃,2160gの荷重下測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分のものである。
【0010】
本発明でいうMw/Mnは、具体的には以下のごとく求める。ウオーターズ社製 150C ALC/GPC(カラム:東ソー製 GMHHR−H(S)、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン)を使用して、GPC法によりMwおよびMnを測定し、Mw/Mnを算出した。なお、東ソー製標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブレーション法によりカラム溶出体積は校正した。
【0011】
このような直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、例えば、(a)遷移金属化合物、(b)イオン化化合物および/または(c)有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合用触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンを共重合させる方法によって製造することができる。
【0012】
(a)遷移金属化合物としては、例えばビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
(b)イオン化化合物としては、例えばジエチルオキソニウムテトラキス(フェニル)ボレート、ジメチルオキソニウムテトラキス(フェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(フェニル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(フェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(フェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(フェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、ジメチルオキソニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、ヒドロニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(フェニル)アルミネート、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(フェニル)ボレート、リチウムテトラキス(フェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキス(フェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(フェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(フェニル)ボレート、シルバーテトラキス(ペンタフルオレフェニル)アルミネート等の銀塩、トリチルテトラキス(フェニル)ボレート、トリチルテトラキス(フェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(フェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(フェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(メチルフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(メチルフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキス(メチルフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(メチルフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(メチルフェニル)ボレート、シルバーテトラキス(メチルフェニル)アルミネート等の銀塩、トリチルテトラキス(メチルフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(メチルフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(メチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(メチルフェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(ジメチルフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ジメチルフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、リチウムテトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(トリフルオロフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(トリフルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、シルバーテトラキス(トリフルオロフェニル)アルミネート等の銀塩、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シルバーテトラキス(ペンタフルオレフェニル)アルミネート等の銀塩、トリフェニルボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリメチルフェニルボラン、トリス(トリフルオロメチルフェニル)ボラン、フェニルビス(トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(メチルテトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(メチルテトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(トリフルオロメチルフェニル)ボラン、フェニルビス(トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリフェニルアルミネート、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミネート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)アルミネート、トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)アルミネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
(c)有機アルミニウム化合物としては、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−プロピルアルミニウムエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−ブチルアルミニウムエトキサイド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジベンジルアルミニウムハイドライド、メチルアルミニウムジエトキサイド、エチルアルミニウムジエトキサイド、イソプロピルアルミニウムジエトキサイド、n−プロピルアルミニウムジエトキサイド、イソブチルアルミニウムジエトキサイド、n−ブチルアルミニウムジエトキサイド、ベンジルアルミニウムジエトキサイド、メチルアルミニウムジハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、イソプロピルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド、n−ブチルアルミニウムジハイドライド、ベンジルアルミニウムジハイドライド等やアルミノオキサンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
上記触媒を用いて、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンを共重合させ、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を製造する条件を以下に述べる。
【0016】
炭素数3〜12のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができる。
【0017】
重合方法としては、溶液重合法、スラリー重合法、高圧重合法、気相重合法、塊状重合法等が用いられるが、以下にその条件の具体例を述べる。
【0018】
溶液重合法の重合条件は以下のように挙げられる。重合温度は、共重合体が溶液状態であることおよび生産性を上げることを考慮して120℃以上であることが好ましい。重合温度の上限は特に限定されないが、分子量低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、かつ触媒効率を低下させないために300℃以下が好ましい。また、重合時の圧力は特に限定されないが、生産性を上げるために大気圧以上が好ましい。
【0019】
高圧重合法の重合条件は以下のように挙げられる。重合温度は、共重合体が溶液状態であることおよび生産性を上げることを考慮して120℃以上であることが好ましい。重合温度の上限は特に限定されないが、分子量低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、かつ触媒効率を低下させないために300℃以下が好ましい。また、重合時の圧力は特に限定されないが、高圧法プロセスにおいて安定な重合条件が得られる500kgf/cm2以上が好ましい。
【0020】
また気相重合法は、共重合体が粉体状態であることから高温は好ましくなく、100℃以下であることが必要である。重合温度の下限は特に限定されないが、生産性を上げるために50℃以上が好ましい。
【0021】
本発明では、上記の方法で製造された直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体に、ラジカル発生剤を添加して、ラジカル発生剤を分解し反応させる。
【0022】
本発明で用いるラジカル発生剤としては、有機過酸化物、例えばハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが好ましく、中でも1分間の半減期を得るための分解温度が90℃を越えるものが好適である。
【0023】
具体的な例示として、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート等が挙げられる。
【0024】
反応させる方法は、いかなる手段を採用してもよいが、具体的な例を示すと以下のような方法が挙げられる。
【0025】
1)重合終了後、上記共重合体をペレット化する時点で、ラジカル発生剤を同時にフィードして溶融押出反応させる。
【0026】
2)ラジカル発生剤を大量に含んだマスターバッチをあらかじめ作っておき、そのマスターバッチと上記共重合体ペレットをブレンドして押出し、反応させる。
【0027】
このような方法により得られた成形用樹脂は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンからなる共重合体であり、
(a)GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下、
(b)密度が0.850〜0.980g/cm3の範囲で、
(c)190℃,2160gの荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が0.5g〜5g/10分であり、
(d)動的粘弾性の周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が0.70<S<0.90であり、
(e)160〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mol以下
の特性を有する。
【0028】
ここで、GPCにより求められるMw/Mnが3以上であると低分子量成分が増加し、ロール粘着性が増加するため加工が困難となる。また、JIS K7210条件4による190℃,2160g荷重でのメルトフローレートが0.5g/10分未満であると樹脂の粘度が高く、ロール加工が困難となり、5g/10分を越えると溶融張力が低下し、引き取りが困難となる。
【0029】
また、動的粘弾性の周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が0.70以下の場合は製品中にゲルが発生し、使用不可能となり、0.90以上の場合は溶融時の粘度低下が大きく、引き取りが困難となる。
【0030】
一方、流動の活性化エネルギーが35kJ/molを越えると溶融時の粘度の温度依存性が大きく、良好な表面状態を有する製品が得られる成形加工温度範囲が非常に狭くなる。
【0031】
さらに、このような方法で得られた成形用樹脂に酸化防止剤を添加して、溶融混練することにより樹脂組成物を得る。
【0032】
溶融混練する方法としては、いかなる手段を採用してもよいが、具体的な例を示すと以下のような方法が挙げられる。
【0033】
1)押出機、バンバリーミキサー、ロールミル等の混練機を使用して上記成形用樹脂に酸化防止剤を添加する。
【0034】
2)酸化防止剤を大量に含んだマスターバッチをあらかじめ作っておき、そのマスターバッチと上記成形用樹脂ペレットを溶融混練する。
【0035】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤および燐系酸化防止剤が使用される。フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系、チオビスフェノール系、トリスフェノール系等の酸化防止剤が挙げられ、さらに具体的に例示すると、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(日本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス565として市販されている)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(日本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス1076として市販されている)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(日本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス3114として市販されている)などが挙げられ、これらは単独または混合物として用いられる。また、燐系酸化防止剤を具体的に例示すると、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(日本チバガイギー(株)より商品名イルガフォス168として市販されている)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンフォスフォナイト(日本チバガイギー(株)より商品名イルガフォス P−EPQ FFとして市販されている)、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト(旭電化(株)より商品名MARK 1178として市販されている)などが挙げられ、単独またはこれらの混合物として用いられる。
【0036】
添加する酸化防止剤の量は、樹脂改質物100重量部に対して0.1〜5重量部であり、好ましくは0.1〜1重量部である。
【0037】
なお、本発明の成形用樹脂組成物には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で他の任意成分を添加することができる。他の任意成分としては、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、エチレン・ブテン共重合体ゴム等のエチレン系共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加物、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等の充填剤、難燃剤、発泡剤、各種の顔料などを配合することができる。
【0038】
この様にして得られる成形用樹脂組成物は、シート、フィルムに成形され、床材、壁紙、防水シート、各種の化粧合板の表皮材、マスキングフィルム、合わせガラスの中間膜等に使用される。
【0039】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明によれば、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体のロール剥離性等の優れた性質を保持したまま、ゲルを発生することなく、引き取り性を改良することが可能であり、特に、従来困難であったカレンダー加工性を向上させ、ひいては生産性の向上に寄与することができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明について実施例により説明するが、これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、流動の活性化エネルギーΔHは下記の方法により測定した。
【0041】
(動的粘弾性の測定)
非共振型強制振動法に基づく測定装置である粘弾性測定アナライザー DVE−V4(レオロジ(株)製)を使用し、スリット型冶具を用いて、測定周波数0.16〜400Hz、測定温度160℃、190℃、220℃の各温度で動的粘弾性の周波数依存性を測定し、190℃を基準温度として貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)のマスターカーブを作成した。なお、歪みは1%以下の線形領域で測定した。この測定から、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)を決定した。
【0042】
(流動の活性化エネルギー)
測定温度160〜220℃の範囲で、シフトファクター(aT)の温度依存性の曲線から活性化エネルギーを求めた。
【0043】
参考例1
溶媒として脂肪族系炭化水素(IPソルベント1620(出光石油化学社製))600mlと1−ヘキセン 100mlを撹拌装置を備えた1lのステンレス製反応器に加え、反応器の温度を140℃に設定した。そして、この反応器に圧力が20kg/cm2となるようにエチレンを供給し、備え付けの撹拌装置を1500rpmの回転数で稼動した。ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.25μmol、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.3μmol、トリイソプロピルアルミニウム62.5μmolを前記反応器に供給した。そして重合温度を140℃に設定した。エチレンを供給することによって、反応器内圧力を20kg/cm2に保ち、反応器を10分間攪拌し、共重合反応を行った。得られた重合体を減圧下、100℃で10時間乾燥した。その結果、30gのエチレン−1−ヘキセン共重合体が得られた。得られたポリマーは、密度が0.900g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによるMw/Mnは1.8であった。
【0044】
参考例2
重合温度を170℃に設定した以外は、参考例1に従って行った。得られたポリマーは、密度が0.900g/cm3、MFRが15g/10分、GPCによるMw/Mnは1.8であった。
【0045】
参考例3
重合温度を120℃に設定した以外は、参考例1に従って行った。得られたポリマーは、密度が0.900g/cm3、MFRが1g/10分、GPCによるMw/Mnは1.8であった。
【0046】
参考例4
1−ヘキセンの供給量を20mlに設定した以外は、参考例1に従って行った。得られたポリマーは、密度が0.920g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによるMw/Mnは1.8であった。
【0047】
実施例1
参考例1で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分半減期を与える分解温度176℃)を25ppm添加し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0048】
このペレットに、酸化防止剤としてイルガノックス1076を2000ppmとPEP−Qを500ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0049】
また、径8インチのロール(カレンダーロール)を用い、ロール表面温度150℃,ロール速度10m/分(速度比1:1.1),ロール間隔300ミクロンの条件で、試料150gを10分間ロールに巻き付けてシートを取り出し、ロール剥離性、表面状態、引き取り性の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0050】
得られたシートは良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られなかった。
【0051】
実施例2
参考例1で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分半減期を与える分解温度176℃)を50ppm添加し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0052】
このペレットに、酸化防止剤としてイルガノックス1076を2000ppmとPEP−Qを500ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0053】
また、ロール(カレンダーロール)加工性の評価は、実施例1と同様に行った。得られたシートは良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られなかった。
【0054】
比較例1
参考例1で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分半減期を与える分解温度176℃)を100ppm添加し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0055】
このペレットに、酸化防止剤としてイルガノックス1076を2000ppmとPEP−Qを500ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0056】
また、ロール(カレンダーロール)加工性の評価は、実施例1と同様に行った。得られたシートは表面状態が悪く、使用に耐えないものであった。
【0057】
比較例2
参考例2で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分半減期を与える分解温度176℃)を50ppm添加し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0058】
このペレットに、酸化防止剤としてイルガノックス1076を2000ppmとPEP−Qを500ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0059】
また、ロール(カレンダーロール)加工性の評価は、実施例1と同様に行った。その結果、得られたシートの表面肌は良好であり、ゲルなどの発生は見られないものの、引き取り性が悪く、加工が困難であった。
【0060】
比較例3
参考例3で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレットの物性を表1に示した。
【0061】
このペレットに、酸化防止剤としてイルガノックス1076を2000ppmとPEP−Qを500ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0062】
また、ロール(カレンダーロール)加工性の評価は、実施例1と同様に行った。得られたシートは良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られなかったが、引き取り性が悪く、加工が困難であった。
【0063】
比較例4
チーグラー型触媒を用いて重合された、密度が0.900g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによるMw/Mnが5であるエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレット(東ソー製 ルミタック22−1)に、実施例1と同様にしてラジカル発生剤を反応させた。
【0064】
このペレットに、酸化防止剤としてイルガノックス1076を2000ppmとPEP−Qを500ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0065】
また、ロール(カレンダーロール)加工性の評価は、実施例1と同様に行った。その結果、シート中にゲルが多発し、表面肌が悪く、引き取り性も悪いものであった。
【0066】
比較例5
チーグラー型触媒を用いて重合された、密度が0.900g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによるMw/Mnが5であるエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレット(東ソー製 ルミタック22−1)に、実施例2と同様にしてラジカル発生剤を反応させた。
【0067】
このペレットに、酸化防止剤としてイルガノックス1076を2000ppmとPEP−Qを500ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0068】
また、ロール(カレンダーロール)加工性の評価は、実施例1と同様に行った。その結果、シート中にゲルが多発し、表面肌が悪く、引き取り性も悪いものであった。
【0069】
比較例6
幾何拘束触媒(コンストレインド・ジオメトリー・キャタリスト)を用いて重合された主鎖に長鎖分岐が選択的に導入された、密度が0.870g/cm3、MFRが1g/10分、GPCによるMw/Mnが2であるエチレン−1−オクテン共重合体ペレット(ダウケミカル製 エンゲージEG8100)を使用して、実施例1と同様にロール加工性の評価を行った。
【0070】
その結果、加工温度範囲が狭く、良好な表面肌を有するシートを得ることは困難であった。
【0071】
【表1】
Figure 0003677871
【0072】
実施例3
参考例4で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分半減期を与える分解温度176℃)を25ppm添加し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0073】
また、スクリュー径50mmのシート成形機を用い、シリンダー先端温度220℃の条件で溶融混練後、幅300mmのT−ダイより押出し、加工速度2m/分、厚み200μmの条件でシートを作成し評価した。成形時のネックイン量が少なく、得られたシートは良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られなかった。
【0074】
実施例4
参考例4で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分半減期を与える分解温度176℃)を50ppm添加し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0075】
また、加工性の評価は、実施例3と同様に行った。その結果、成形時のネックイン量が少なく、得られたシートは良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られなかった。

Claims (3)

  1. エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンからなる共重合体であり、
    (a)GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下、
    (b)密度が0.850〜0.980g/cm3の範囲で、
    (c)190℃,2160gの荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が0.5g〜5g/10分であり、
    (d)動的粘弾性の周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が0.70<S<0.90であり、
    (e)160〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mol以下である
    ことを特徴とする成形用樹脂。
  2. 密度が0.850〜0.980g/cm 3 の範囲で、GPCにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下で、190℃,2160gの荷重下測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分であるエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンからなる直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体をラジカル発生剤と反応させて、下記(a)〜(e)の特性を有する樹脂に改質することを特徴とする成形用樹脂の製造方法。
    (a)GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下、
    (b)密度が0.850〜0.980g/cm3の範囲で、
    (c)190℃,2160gの荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が0.5g〜5g/10分であり、
    (d)動的粘弾性の周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が0.70<S<0.90であり、
    (e)160〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mol以下である
  3. エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンからなる共重合体であり、
    (a)GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下、
    (b)密度が0.850〜0.980g/cm3の範囲で、
    (c)190℃,2160gの荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が0.5g〜5g/10分であり、
    (d)動的粘弾性の周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が0.70<S<0.90であり、
    (e)160〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mol以下である
    ことを特徴とする成形用樹脂と酸化防止剤からなることを特徴とする樹脂組成物。
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