JPH09100324A - 成形用樹脂およびその組成物、それらの製造方法 - Google Patents

成形用樹脂およびその組成物、それらの製造方法

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JPH09100324A
JPH09100324A JP15386596A JP15386596A JPH09100324A JP H09100324 A JPH09100324 A JP H09100324A JP 15386596 A JP15386596 A JP 15386596A JP 15386596 A JP15386596 A JP 15386596A JP H09100324 A JPH09100324 A JP H09100324A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体の
引き取り性を改良することにより、カレンダー加工性を
向上させる。 【解決手段】 エチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
ィンからなる共重合体であり、(a)Mw/Mnが3以
下、(b)密度が0.850〜0.980g/cm3
範囲、(c)MFRが0.5g〜5g/10分、(d)
貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致
する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域にお
けるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が
0.70<S<0.90、(e)160〜220℃の範
囲で求めた流動の活性化エネルギーΔHが35kJ/m
ol以下である成形用樹脂を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種成形、特にカ
レンダー成形に使用可能な加工性に優れた直鎖状エチレ
ン・α−オレフィン共重合体樹脂および樹脂組成物、そ
れらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧法で製造される低密度ポ
リエチレン(LDPE)は加工性に優れており、チュー
ブ、パイプ、シートおよびフィルムのような形状に加工
され、幅広い分野に使用されている。一方、エチレンと
炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体は、直鎖
状の分子構造と0.945g/cm3以下の密度を有し
ており、マグネシウムとチタンを含有する固体触媒成分
および有機アルミニウム化合物からなるチーグラー型触
媒あるいはシクロペンタジエニル誘導体を含有する有機
遷移金属化合物と、これと反応してイオン性の錯体を形
成する化合物および/または有機金属化合物からなる触
媒で重合される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)として知られている。このような直鎖状低密度エチ
レン・α−オレフィン共重合体は、高圧法低密度ポリエ
チレン(LDPE)と比較して破断強度に優れている
が、同じメルトフローレート(以下MFRと略す)のL
DPEに比べ、溶融剪断粘度が高く、加工性がきわめて
悪い。また、伸長粘度が非常に小さく、溶融張力が小さ
いという問題があった。この問題を解決するために、L
DPEを混合する方法が従来から用いられているが、必
ずしも加工性と物性のバランスのとれた樹脂が得られる
わけではなく、またブレンドによるコストアップの問題
があった。
【0003】これらの問題を解決するために、従来より
ラジカル発生剤、主として有機過酸化物を反応させて溶
融張力を改良することが広く行われているが、従来使用
されていた直鎖状低密度エチレン・α−オレフィン共重
合体は分岐度分布が存在し、分子量分布もある程度広い
ことから、溶融張力の改良を十分に行う程度の反応を行
うと、ゲルの多発による表面肌荒れが生じ、実用に耐え
ないものとなっていた。
【0004】一方、カレンダー成形において、従来のポ
リオレフィンを使用した場合、成形時にカレンダーロー
ルに粘着し、加工が著しく困難であることが知られてい
る。これらロールへの粘着は、樹脂中に含まれる低分子
成分が原因と考えられている。この問題を解決するため
に、特開平7−26077号公報に示されるようにオレ
フィン系樹脂に金属石鹸を添加してロールへの粘着を防
止する方法が提案されている。しかしながら、金属石鹸
を樹脂に添加することは、多少なりともロール汚染の原
因となるばかりでなく、衛生上好ましいとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題の解決、すなわち容易にゲルを生成することなく、
溶融剪断粘度および溶融張力を改良し、加工性を向上さ
せ、さらにカレンダー成形においては粘着を防止するた
めの金属石鹸等の添加剤を添加することなく、ロール粘
着がない成形用樹脂およびその樹脂組成物、それらの製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の分子量分布と分岐度分布を有する直鎖
状エチレン・α−オレフィン共重合体を、ゲルが生成し
ない特定の範囲でラジカル発生剤と反応させ、また酸化
防止剤を添加して溶融押出し、ペレット化することによ
り上記の課題を解決できることを見い出し、本発明に到
達した。
【0007】即ち、本発明は、エチレンと炭素数3〜1
2のα−オレフィンを共重合させて得られる、密度が
0.850〜0.980g/cm3の範囲で、GPCに
より求められるMw/Mnが3以下で、JIS K72
10条件4による190℃,2160g荷重でのメルト
フローレートが0.5〜10g/10分の直鎖状エチレ
ン・α−オレフィン共重合体をラジカル発生剤と反応さ
せ、動的粘弾性の周波数依存性から得られる、貯蔵弾性
率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致する周波
数(fc)からfc/10までの周波数領域におけるG’
の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が0.70
<S<0.90であり、160〜220℃の範囲で求め
た流動の活性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35
kJ/mol以下であるように改質したことを特徴とす
る成形用樹脂および酸化防止剤との樹脂組成物、それら
の製造方法に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明に使用される直鎖状エチレン・α−
オレフィン共重合体とは、エチレンと炭素数3〜12の
α−オレフィンとの共重合体であって、密度が0.85
0〜0.980g/cm3の範囲で、GPCにより求め
られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比(Mw/Mn)が3以下で、JIS K7210条
件4に従って、190℃,2160gの荷重下測定され
たメルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/1
0分のものである。
【0010】本発明でいうMw/Mnは、具体的には以
下のごとく求める。ウオーターズ社製 150C AL
C/GPC(カラム:東ソー製 GMHHR−H
(S)、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン)を使
用して、GPC法によりMwおよびMnを測定し、Mw
/Mnを算出した。なお、東ソー製標準ポリスチレンを
用いて、ユニバーサルキャリブレーション法によりカラ
ム溶出体積は校正した。
【0011】このような直鎖状エチレン・α−オレフィ
ン共重合体は、例えば、(a)遷移金属化合物、(b)
イオン化化合物および/または(c)有機アルミニウム
化合物からなるオレフィン重合用触媒を用いて、エチレ
ンとα−オレフィンを共重合させる方法によって製造す
ることができる。
【0012】(a)遷移金属化合物としては、例えばビ
ス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロラ
イド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタ
ニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、
ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニ
ル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジク
ロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チ
タニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロイ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス
(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、
エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウ
ムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−イン
デニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2
−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジ
エニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ
メチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ
メチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7
−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライ
ド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−
フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメ
チレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロ
ペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロ
ライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−
2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジク
ロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル
−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウム
ジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエ
ニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウ
ムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシラ
ンジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタ
ジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジ
イルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチル
シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフ
ニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペ
ンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)
チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シク
ロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル
(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フル
オレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジ
イルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロ
ライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロイン
デニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジ
イルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロ
ライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−イン
デニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイ
ルビス(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−イン
デニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジ
イルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジフ
ェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニ
ル)ハフニウムジクロライド等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0013】(b)イオン化化合物としては、例えばジ
エチルオキソニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
ジメチルオキソニウムテトラキス(フェニル)ボレー
ト、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(フェニ
ル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(フェニル)ボ
レート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(フ
ェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテト
ラキス(フェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテ
トラキス(フェニル)アルミネート、ジメチルオキソニ
ウムテトラキス(フェニル)アルミネート、テトラメチ
レンオキソニウムテトラキス(フェニル)アルミネー
ト、ヒドロニウムテトラキス(フェニル)アルミネー
ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(フェニ
ル)アルミネート、トリ−n−ブチルアンモニウムテト
ラキス(フェニル)アルミネート、ジエチルオキソニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ
メチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヒドロニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N
−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジエチル
オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ア
ルミネート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アルミネート、テトラメチレンオキ
ソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミ
ネート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)アルミネート、N,N−ジメチルアニリニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ト
リ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(フェ
ニル)ボレート、リチウムテトラキス(フェニル)アル
ミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フ
ェロセニウムテトラキス(フェニル)ボレート、フェロ
セニウムテトラキス(フェニル)アルミネート等のフェ
ロセニウム塩、シルバーテトラキス(フェニル)ボレー
ト、シルバーテトラキス(ペンタフルオレフェニル)ア
ルミネート等の銀塩、トリチルテトラキス(フェニル)
ボレート、トリチルテトラキス(フェニル)アルミネー
ト、トロピリウムテトラキス(フェニル)ボレート、ト
ロピリウムテトラキス(フェニル)アルミネート、リチ
ウムテトラキス(メチルフェニル)ボレート、リチウム
テトラキス(メチルフェニル)アルミネート等のリチウ
ム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラ
キス(メチルフェニル)ボレート、フェロセニウムテト
ラキス(メチルフェニル)アルミネート等のフェロセニ
ウム塩、シルバーテトラキス(メチルフェニル)ボレー
ト、シルバーテトラキス(メチルフェニル)アルミネー
ト等の銀塩、トリチルテトラキス(メチルフェニル)ボ
レート、トリチルテトラキス(メチルフェニル)アルミ
ネート、トロピリウムテトラキス(メチルフェニル)ボ
レート、トロピリウムテトラキス(メチルフェニル)ア
ルミネート、リチウムテトラキス(ジメチルフェニル)
ボレート、リチウムテトラキス(ジメチルフェニル)ア
ルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、
リチウムテトラキス(トリフルオロフェニル)ボレー
ト、リチウムテトラキス(トリフルオロフェニル)アル
ミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フ
ェロセニウムテトラキス(トリフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラキス(トリフルオロフェニ
ル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテト
ラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、シルバーテ
トラキス(トリフルオロフェニル)アルミネート等の銀
塩、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル
錯体、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、
シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、シルバーテトラキス(ペンタフルオレフェニル)ア
ルミネート等の銀塩、トリフェニルボラン、トリス
(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニ
ルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス
(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、
トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)ボ
ラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリ
メチルフェニルボラン、トリス(トリフルオロメチルフ
ェニル)ボラン、フェニルビス(トリフルオロメチルフ
ェニル)ボラン、トリス(メチルテトラフルオロフェニ
ル)ボラン、トリス(メチルテトラフェニルフェニル)
ボラン、トリス(トリフルオロメチルフェニル)ボラ
ン、フェニルビス(トリフルオロメチルフェニル)ボラ
ン、トリフェニルアルミネート、トリス(3,4,5−
トリフルオロフェニル)アルミネート、フェニルビス
(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリス
(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)アルミネ
ート、トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニ
ル)アルミネート等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0014】(c)有機アルミニウム化合物としては、
例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−
n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、ト
リベンジルアルミニウム、ジメチルアルミニウムエトキ
サイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプ
ロピルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−プロピルア
ルミニウムエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエ
トキサイド、ジ−n−ブチルアルミニウムエトキサイ
ド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアル
ミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハ
イドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−
ブチルアルミニウムハイドライド、ジベンジルアルミニ
ウムハイドライド、メチルアルミニウムジエトキサイ
ド、エチルアルミニウムジエトキサイド、イソプロピル
アルミニウムジエトキサイド、n−プロピルアルミニウ
ムジエトキサイド、イソブチルアルミニウムジエトキサ
イド、n−ブチルアルミニウムジエトキサイド、ベンジ
ルアルミニウムジエトキサイド、メチルアルミニウムジ
ハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、イ
ソプロピルアルミニウムジハイドライド、n−プロピル
アルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウム
ジハイドライド、n−ブチルアルミニウムジハイドライ
ド、ベンジルアルミニウムジハイドライド等やアルミノ
オキサンが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0015】上記触媒を用いて、エチレンと炭素数3〜
12のα−オレフィンを共重合させ、直鎖状エチレン・
α−オレフィン共重合体を製造する条件を以下に述べ
る。
【0016】炭素数3〜12のα−オレフィンとして
は、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げるこ
とができる。
【0017】重合方法としては、溶液重合法、スラリー
重合法、高圧重合法、気相重合法、塊状重合法等が用い
られるが、以下にその条件の具体例を述べる。
【0018】溶液重合法の重合条件は以下のように挙げ
られる。重合温度は、共重合体が溶液状態であることお
よび生産性を上げることを考慮して120℃以上である
ことが好ましい。重合温度の上限は特に限定されない
が、分子量低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、かつ
触媒効率を低下させないために300℃以下が好まし
い。また、重合時の圧力は特に限定されないが、生産性
を上げるために大気圧以上が好ましい。
【0019】高圧重合法の重合条件は以下のように挙げ
られる。重合温度は、共重合体が溶液状態であることお
よび生産性を上げることを考慮して120℃以上である
ことが好ましい。重合温度の上限は特に限定されない
が、分子量低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、かつ
触媒効率を低下させないために300℃以下が好まし
い。また、重合時の圧力は特に限定されないが、高圧法
プロセスにおいて安定な重合条件が得られる500kg
f/cm2以上が好ましい。
【0020】また気相重合法は、共重合体が粉体状態で
あることから高温は好ましくなく、100℃以下である
ことが必要である。重合温度の下限は特に限定されない
が、生産性を上げるために50℃以上が好ましい。
【0021】本発明では、上記の方法で製造された直鎖
状エチレン・α−オレフィン共重合体に、ラジカル発生
剤を添加して、ラジカル発生剤を分解し反応させる。
【0022】本発明で用いるラジカル発生剤としては、
有機過酸化物、例えばハイドロパーオキサイド類、ジア
ルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが
好ましく、中でも1分間の半減期を得るための分解温度
が90℃を越えるものが好適である。
【0023】具体的な例示として、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,3−ビ
ス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパ
ーオキシフタレート等が挙げられる。
【0024】反応させる方法は、いかなる手段を採用し
てもよいが、具体的な例を示すと以下のような方法が挙
げられる。
【0025】1)重合終了後、上記共重合体をペレット
化する時点で、ラジカル発生剤を同時にフィードして溶
融押出反応させる。
【0026】2)ラジカル発生剤を大量に含んだマスタ
ーバッチをあらかじめ作っておき、そのマスターバッチ
と上記共重合体ペレットをブレンドして押出し、反応さ
せる。
【0027】このような方法により得られた成形用樹脂
は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンからな
る共重合体であり、(a)GPC(ゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフィー)により求められる重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)が3以下、(b)密度が0.850〜0.980g
/cm3の範囲で、(c)190℃,2160gの荷重
で測定したメルトフローレート(MFR)が0.5g〜
5g/10分であり、(d)動的粘弾性の周波数依存性
から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率
(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/10
までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=Δlog
G’/Δlogf)が0.70<S<0.90であり、
(e)160〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エ
ネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mol以下
の特性を有する。
【0028】ここで、GPCにより求められるMw/M
nが3以上であると低分子量成分が増加し、ロール粘着
性が増加するため加工が困難となる。また、JIS K
7210条件4による190℃,2160g荷重でのメ
ルトフローレートが0.5g/10分未満であると樹脂
の粘度が高く、ロール加工が困難となり、5g/10分
を越えると溶融張力が低下し、引き取りが困難となる。
【0029】また、動的粘弾性の周波数依存性から得ら
れる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値
が一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領
域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlog
f)が0.70以下の場合は製品中にゲルが発生し、使
用不可能となり、0.90以上の場合は溶融時の粘度低
下が大きく、引き取りが困難となる。
【0030】一方、流動の活性化エネルギーが35kJ
/molを越えると溶融時の粘度の温度依存性が大き
く、良好な表面状態を有する製品が得られる成形加工温
度範囲が非常に狭くなる。
【0031】さらに、このような方法で得られた成形用
樹脂に酸化防止剤を添加して、溶融混練することにより
樹脂組成物を得る。
【0032】溶融混練する方法としては、いかなる手段
を採用してもよいが、具体的な例を示すと以下のような
方法が挙げられる。
【0033】1)押出機、バンバリーミキサー、ロール
ミル等の混練機を使用して上記成形用樹脂に酸化防止剤
を添加する。
【0034】2)酸化防止剤を大量に含んだマスターバ
ッチをあらかじめ作っておき、そのマスターバッチと上
記成形用樹脂ペレットを溶融混練する。
【0035】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤および燐系酸化防止剤が使用される。フェノール系
酸化防止剤としては、モノフェノール系、チオビスフェ
ノール系、トリスフェノール系等の酸化防止剤が挙げら
れ、さらに具体的に例示すると、2,4−ビス(n−オ
クチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(日本チ
バガイギー(株)より商品名イルガノックス565とし
て市販されている)、オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト(日本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス
1076として市販されている)、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(日本チ
バガイギー(株)より商品名イルガノックス3114と
して市販されている)などが挙げられ、これらは単独ま
たは混合物として用いられる。また、燐系酸化防止剤を
具体的に例示すると、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト(日本チバガイギー(株)よ
り商品名イルガフォス168として市販されている)、
テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンフォスフォナイト(日本チバガイギ
ー(株)より商品名イルガフォス P−EPQ FFと
して市販されている)、トリス(ノニルフェニル)フォ
スファイト(旭電化(株)より商品名MARK 117
8として市販されている)などが挙げられ、単独または
これらの混合物として用いられる。
【0036】添加する酸化防止剤の量は、樹脂改質物1
00重量部に対して0.1〜5重量部であり、好ましく
は0.1〜1重量部である。
【0037】なお、本発明の成形用樹脂組成物には、本
発明の効果を著しく損なわない範囲で他の任意成分を添
加することができる。他の任意成分としては、エチレン
・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジ
エン共重合体ゴム、エチレン・ブテン共重合体ゴム等の
エチレン系共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、
スチレン・ブタジエンブロック共重合体またはその水素
添加物、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフ
ィン樹脂、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、
硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等の充填剤、難燃
剤、発泡剤、各種の顔料などを配合することができる。
【0038】この様にして得られる成形用樹脂組成物
は、シート、フィルムに成形され、床材、壁紙、防水シ
ート、各種の化粧合板の表皮材、マスキングフィルム、
合わせガラスの中間膜等に使用される。
【0039】
【発明の効果】以上のごとく、本発明によれば、直鎖状
エチレン・α−オレフィン共重合体のロール剥離性等の
優れた性質を保持したまま、ゲルを発生することなく、
引き取り性を改良することが可能であり、特に、従来困
難であったカレンダー加工性を向上させ、ひいては生産
性の向上に寄与することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明について実施例により説明する
が、これら実施例に限定されるものではない。なお、実
施例および比較例中の貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率
(G’’)、流動の活性化エネルギーΔHは下記の方法
により測定した。
【0041】(動的粘弾性の測定)非共振型強制振動法
に基づく測定装置である粘弾性測定アナライザー DV
E−V4(レオロジ(株)製)を使用し、スリット型冶
具を用いて、測定周波数0.16〜400Hz、測定温
度160℃、190℃、220℃の各温度で動的粘弾性
の周波数依存性を測定し、190℃を基準温度として貯
蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)のマスターカ
ーブを作成した。なお、歪みは1%以下の線形領域で測
定した。この測定から、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性
率(G’’)を決定した。
【0042】(流動の活性化エネルギー)測定温度16
0〜220℃の範囲で、シフトファクター(aT)の温
度依存性の曲線から活性化エネルギーを求めた。
【0043】参考例1 溶媒として脂肪族系炭化水素(IPソルベント1620
(出光石油化学社製))600mlと1−ヘキセン 1
00mlを撹拌装置を備えた1lのステンレス製反応器
に加え、反応器の温度を140℃に設定した。そして、
この反応器に圧力が20kg/cm2となるようにエチ
レンを供給し、備え付けの撹拌装置を1500rpmの
回転数で稼動した。ジフェニルメチレン(シクロペンタ
ジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド0.25μmol、N,N−ジメチルアニリニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.3μ
mol、トリイソプロピルアルミニウム62.5μmo
lを前記反応器に供給した。そして重合温度を140℃
に設定した。エチレンを供給することによって、反応器
内圧力を20kg/cm2に保ち、反応器を10分間攪
拌し、共重合反応を行った。得られた重合体を減圧下、
100℃で10時間乾燥した。その結果、30gのエチ
レン−1−ヘキセン共重合体が得られた。得られたポリ
マーは、密度が0.900g/cm3、MFRが2g/
10分、GPCによるMw/Mnは1.8であった。
【0044】参考例2 重合温度を170℃に設定した以外は、参考例1に従っ
て行った。得られたポリマーは、密度が0.900g/
cm3、MFRが15g/10分、GPCによるMw/
Mnは1.8であった。
【0045】参考例3 重合温度を120℃に設定した以外は、参考例1に従っ
て行った。得られたポリマーは、密度が0.900g/
cm3、MFRが1g/10分、GPCによるMw/M
nは1.8であった。
【0046】参考例4 1−ヘキセンの供給量を20mlに設定した以外は、参
考例1に従って行った。得られたポリマーは、密度が
0.920g/cm3、MFRが2g/10分、GPC
によるMw/Mnは1.8であった。
【0047】実施例1 参考例1で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分
半減期を与える分解温度176℃)を25ppm添加
し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0048】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0049】また、径8インチのロール(カレンダーロ
ール)を用い、ロール表面温度150℃,ロール速度1
0m/分(速度比1:1.1),ロール間隔300ミク
ロンの条件で、試料150gを10分間ロールに巻き付
けてシートを取り出し、ロール剥離性、表面状態、引き
取り性の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0050】得られたシートは良好な表面肌を有してお
り、ゲルなどの発生も見られなかった。
【0051】実施例2 参考例1で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分
半減期を与える分解温度176℃)を50ppm添加
し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0052】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0053】また、ロール(カレンダーロール)加工性
の評価は、実施例1と同様に行った。得られたシートは
良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られな
かった。
【0054】比較例1 参考例1で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分
半減期を与える分解温度176℃)を100ppm添加
し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0055】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0056】また、ロール(カレンダーロール)加工性
の評価は、実施例1と同様に行った。得られたシートは
表面状態が悪く、使用に耐えないものであった。
【0057】比較例2 参考例2で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分
半減期を与える分解温度176℃)を50ppm添加
し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0058】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0059】また、ロール(カレンダーロール)加工性
の評価は、実施例1と同様に行った。その結果、得られ
たシートの表面肌は良好であり、ゲルなどの発生は見ら
れないものの、引き取り性が悪く、加工が困難であっ
た。
【0060】比較例3 参考例3で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レットの物性を表1に示した。
【0061】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0062】また、ロール(カレンダーロール)加工性
の評価は、実施例1と同様に行った。得られたシートは
良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られな
かったが、引き取り性が悪く、加工が困難であった。
【0063】比較例4 チーグラー型触媒を用いて重合された、密度が0.90
0g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによるM
w/Mnが5であるエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レット(東ソー製 ルミタック22−1)に、実施例1
と同様にしてラジカル発生剤を反応させた。
【0064】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0065】また、ロール(カレンダーロール)加工性
の評価は、実施例1と同様に行った。その結果、シート
中にゲルが多発し、表面肌が悪く、引き取り性も悪いも
のであった。
【0066】比較例5 チーグラー型触媒を用いて重合された、密度が0.90
0g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによるM
w/Mnが5であるエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レット(東ソー製 ルミタック22−1)に、実施例2
と同様にしてラジカル発生剤を反応させた。
【0067】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。このときのペレットの物性を表1に示した。
【0068】また、ロール(カレンダーロール)加工性
の評価は、実施例1と同様に行った。その結果、シート
中にゲルが多発し、表面肌が悪く、引き取り性も悪いも
のであった。
【0069】比較例6 幾何拘束触媒(コンストレインド・ジオメトリー・キャ
タリスト)を用いて重合された主鎖に長鎖分岐が選択的
に導入された、密度が0.870g/cm3、MFRが
1g/10分、GPCによるMw/Mnが2であるエチ
レン−1−オクテン共重合体ペレット(ダウケミカル製
エンゲージEG8100)を使用して、実施例1と同
様にロール加工性の評価を行った。
【0070】その結果、加工温度範囲が狭く、良好な表
面肌を有するシートを得ることは困難であった。
【0071】
【表1】
【0072】実施例3 参考例4で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分
半減期を与える分解温度176℃)を25ppm添加
し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0073】また、スクリュー径50mmのシート成形
機を用い、シリンダー先端温度220℃の条件で溶融混
練後、幅300mmのT−ダイより押出し、加工速度2
m/分、厚み200μmの条件でシートを作成し評価し
た。成形時のネックイン量が少なく、得られたシートは
良好な表面肌を有しており、ゲルなどの発生も見られな
かった。
【0074】実施例4 参考例4で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体ペ
レットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1分
半減期を与える分解温度176℃)を50ppm添加
し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
【0075】また、加工性の評価は、実施例3と同様に
行った。その結果、成形時のネックイン量が少なく、得
られたシートは良好な表面肌を有しており、ゲルなどの
発生も見られなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
    ンからなる共重合体であり、(a)GPC(ゲル・パー
    ミエーション・クロマトグラフィー)により求められる
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
    (Mw/Mn)が3以下、(b)密度が0.850〜
    0.980g/cm3の範囲で、(c)190℃,21
    60gの荷重で測定したメルトフローレート(MFR)
    が0.5g〜5g/10分であり、(d)動的粘弾性の
    周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失
    弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc
    /10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=Δ
    logG’/Δlogf)が0.70<S<0.90で
    あり、(e)160〜220℃の範囲で求めた流動の活
    性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mo
    l以下であることを特徴とする成形用樹脂。
  2. 【請求項2】エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
    ンからなる直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を
    ラジカル発生剤と反応させて、下記(a)〜(e)の特
    性を有する樹脂に改質することを特徴とする成形用樹脂
    の製造方法。 (a)GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラ
    フィー)により求められる重量平均分子量(Mw)と数
    平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下、
    (b)密度が0.850〜0.980g/cm3の範囲
    で、(c)190℃,2160gの荷重で測定したメル
    トフローレート(MFR)が0.5g〜5g/10分で
    あり、(d)動的粘弾性の周波数依存性から得られる、
    貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が一致
    する周波数(fc)からfc/10までの周波数領域にお
    けるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlogf)が
    0.70<S<0.90であり、(e)160〜220
    ℃の範囲で求めた流動の活性化エネルギーΔH(kJ/
    mol)が35kJ/mol以下である
  3. 【請求項3】エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
    ンからなる共重合体であり、(a)GPC(ゲル・パー
    ミエーション・クロマトグラフィー)により求められる
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
    (Mw/Mn)が3以下、(b)密度が0.850〜
    0.980g/cm3の範囲で、(c)190℃,21
    60gの荷重で測定したメルトフローレート(MFR)
    が0.5g〜5g/10分であり、(d)動的粘弾性の
    周波数依存性から得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失
    弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc
    /10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=Δ
    logG’/Δlogf)が0.70<S<0.90で
    あり、(e)160〜220℃の範囲で求めた流動の活
    性化エネルギーΔH(kJ/mol)が35kJ/mo
    l以下であることを特徴とする成形用樹脂と酸化防止剤
    からなることを特徴とする樹脂組成物。
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