JP3729149B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内装材や掲示板表面材等として好適な、木粉及び発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂組成物、該組成物を成形してなる発泡シート、該発泡シートを用いた積層体及び掲示板表面材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築物の内装材や掲示物を掲示する掲示板表面材には、ピンを刺した際ピン穴の痕が目立たない等表面性能が優れ、また難燃性、耐久性にも優れ、価格も安価なことから、塩化ビニル系樹脂製発泡シートが広く用いられている。
しかしながら、塩化ビニル系樹脂製発泡シートは、使用後該シートを焼却処分する場合には、耐酸性のある焼却炉を使用する等の処置が必要であり、分別と処理に手間と費用がかかるという問題があった。またシート中に含まれる可塑剤が噴き出して、シートの表面やシートと接触する他の物品を汚染しやすい等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
成形性に優れ、またシート等に成形した際の諸物性に優れる発泡剤及び木粉を含有するポリオレフィン系樹脂組成物、該組成物からなる表面性能、引っ張り物性等に優れる成形品の提供。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
(1)メタロセン触媒を用いて重合して得られた、(a)エチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であって、(b)密度が0.86 〜0.92g/cm3、(c)メルトフローレートが0.5〜40g/10分、かつ(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5であるエチレン−α−オレフィン共重合体100〜70重量部、
(2)オレフィン系エラストマー0〜30重量部、
(3)上記エチレン−α−オレフィン共重合体とオレフィン系エラストマーの合計量100重量部当たり、平均粒子径200〜10000μmの木粉5〜70重量部、発泡剤0.5〜10重量部及び酸化防止剤0.1〜10重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物、オレフィン系エラストマーがエチレン−プロピレン系エラストマーである該ポリオレフィン系樹脂組成物、該ポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる発泡シート、該発泡シートの発泡倍率が1.1〜10倍、厚みが0.3〜15mmである発泡シート、該発泡シートの片面に坪量10〜200g/m2の繊維質層を積層してなる積層体及び該積層体からなる掲示板表面材に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂はメタロセン触媒を用いて重合して得られた特定のエチレン−α−オレフィン共重合体である。
【0007】
エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、炭素原子数が3〜12のものを用いる。このようなものとしては例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物が用いられる。エチレンに対するα−オレフィンの混合割合は5〜40重量%とするのが好ましい。 本発明においては、上記のエチレン−α−オレフィン共重合体のうち、密度が0.86〜0.92g/cm3で、メルトフローレートが0.5〜40g/10分、より好ましくは0.8〜30g/10分、かつゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5、好ましくは2〜4であるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用する。
【0008】
メタロセン触媒(シングルサイト触媒、カミンスキー触媒ともいう)とは、特開平3−163088号公報、 特開平7−118431号公報、特開平7−148895号公報等に示されているような、メタロセン系遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されて使用されることもある。
【0009】
メタロセン系遷移金属錯体としては、例えば4B族から選ばれる遷移金属(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)にシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、ジシクロペンタジエニル基、置換ジシクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基又は置換フルオニル基が配位子として1個または2個配位しているか、またはこれらのうちの2つの基が共有結合で架橋したものが配位しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基等の配位子を有するものがあげられる。
【0010】
また、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウムや鎖状もしくは環状のアルミノキサンが挙げられ、アルキルアルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムフロライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等が例示でき、また鎖状もしくは環状のアルミノキサンは上記のアルキルアルミニウムと水とを接触させて生成させることができ、例えば、重合時にアルキルアルミニウムを加えておき、後で水を添加するか、あるいは錯塩の結晶水または有機もしくは無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることによって得ることができる。
【0011】
メタロセン触媒を担持させるための担体としては、シリカゲル、ゼオライト、あるいは珪藻土等が例示できる。
【0012】
メタロセン触媒を用いて重合して得られた上記のエチレン−α−オレフィン共重合体(以下、「メタロセン系エチレン−α−オレフィン共重合体」と記す)は、チーグラー触媒や、固体触媒等を用いて重合したものに比べ、柔軟性や機械的強度等が優れている。
【0013】
本発明の組成物には、メタロセン系エチレン−α−オレフィン共重合体に更にオレフィン系エラストマー等のエラストマーを配合することができる。該オレフィン系エラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン、エチレン−プロピレン−メチレンノルボルネン、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン、エチレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエン、エチレン−プロピレン−メチルオクタジエン、エチレン−プロピレン−ビニルノルボルネン等)等のエチレン−プロピレン系エラストマーやエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン−ジエン共重合体(エチレン−1−ブテン−エチリデンノルボルネン、エチレン−1−ブテン−メチレンノルボルネン、エチレン−1−ブテン−ジシクロペンタジエン、エチレン−1−ブテン−1,4−ヘキサジエン、エチレン−1−ブテン−メチルオクタジエン、エチレン−1−ブテン−ビニルノルボルネン等)等、エチレンまたは炭素数が3〜12のα−オレフィンの共重合体等が挙げられる。中でも特にエチレン−プロピレン系エラストマーが好ましい。
【0014】
オレフィン系エラストマーの配合量は重量比で、メタロセン系エチレン−α−オレフィン共重合体/オレフィン系エラストマー=100〜70/0〜30、好ましくはメタロセン系エチレン−α−オレフィン共重合体/オレフィン系エラストマー=85〜75/15〜25である。オレフィン系エラストマーを配合することによりシートの発泡性や引張強度が更に良好となる。オレフィン系エラストマーの配合割合が30重量部を超える場合は、シート成形時にシート表面が凹凸になり、外観が劣る。
【0015】
木粉は、エチレン−α−オレフィン共重合体とオレフィン系エラストマーの合計量100重量部当たり、5〜70重量部配合する。配合する木粉の量が5重量部未満では、シート表面の意匠性が劣る等、木粉添加による効果が少ない。一方、木粉の配合量が70重量部を超えると、シートの表面が粗くなったり、シート端部の耳切れを生じやすくなったりするため、生産性が悪化し、またシートの物性も低下する傾向となる。より好ましい木粉の添加量は、7〜50重量部である。
【0016】
本発明に使用する木粉の原料となる木材の樹種は特に限定されないが、マツ、モミ、ツガ等の針葉樹やポプラ等の広葉樹から選べばよい。これらの木粉は、鋸屑(ソーダスト)としての切削粉等を、乾式または湿式粉砕または篩粉により粉末としたものを用いてもよく、あるいは、パーティクルボードの原料チップ、あるいはパーティクルボード成形時の表面研磨粉などを用いるのがよい。
【0017】
これらの木粉としては、平均粒子径が200〜10000μmのもの、好ましくは500〜7000μmのものを使用する。
【0018】
平均粒子径が200μm未満の微細な木粉は、粉砕に手間を要する上、樹脂成分等との混合時に粉立ちが起きやすくなり、周辺を汚染する恐れがある。また、木粉の平均粒子径が10000μmを超える場合には、シート成形時にシートが破断したり、木粉の摩擦抵抗による発熱が大きくなり、木粉の分解によるガスの発生に伴う発泡や着色を生じ、シート成形が困難となる。
【0019】
なお、木粉の平均粒子径はJIS篩によって測定した各分画毎の重量の積算値が全体の50%となる点の粒子径として表したものである。
【0020】
また、木粉としては平均粒子径が上記の特定の範囲内にあり、かつ全体の70重量%以上、好ましくは80重量%以上の木粉が上記の粒子径範囲内にあるものが好適である。
【0021】
木粉中に含まれる水分は、木粉が著しく吸湿していない限り特に問題とはならないが、例えば10重量%を超えるような含水率のものでは、成形時の発泡が激しくなるので成形上の問題が出やすくなる。このような場合は、例えばオーブンやホッパードライヤー等により予め水分を低くしてから使用したり、樹脂との混合に先立って、使用する混合機内で木粉だけを加熱しながら攪拌して乾燥処理をしてから樹脂を添加する、等の方法を用いればよい。木粉の含水率は3重量%以下であるのが好ましい。
【0022】
発泡剤としては、熱分解型発泡剤を使用するとよい。熱分解型発泡剤としては、一般に用いられる有機系発泡剤や無機系発泡剤が挙げられる。有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物等が例示できる。無機系発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等が例示できる。
【0023】
発泡剤の配合量は、エチレン−α−オレフィン共重合体とオレフィン系エラストマーの合計量100重量部当たり0.5〜10重量部である。発泡剤の配合量が0.5重量部未満では充分な発泡倍率が得られず、シートの充分なクッション性が得られない。配合量が10重量部より多くなると、シート成形性が低下したり、シートが着色する。
【0024】
酸化防止剤は、樹脂が成形時や使用時に酸化劣化を受け、品質低下を起こすことを抑制、防止する目的で添加使用されるが、特に、木粉添加でシートを高温で発泡成形する場合、木粉から酸性物質が発生するために、樹脂が著しく劣化するのを防止する目的で、添加するものである。
【0025】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤のモノフェノール系として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビスフェノール系としては、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、高分子型フェノールとして、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス−(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロールが例示され、硫黄系酸化防止剤として、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネー ト、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3'−チオジプロピオネートが例示され、リン酸系酸化防止剤として、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4'ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)フォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(モノおよび/あるいはジノニルフェニル)フォスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト等が例示できる。特に、ポリオレフィン系樹脂の場合は、高分子型フェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0026】
酸化防止剤の配合量は、エチレン−α−オレフィン共重合体とオレフィン系エラストマーの合計量100重量部当たり、0.1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部である。酸化防止剤の配合量が0.1重量部未満では発泡成形時に木粉からの酸性ガスにより、シート表面のべた付きを生じ好ましくない。また、配合量が10重量部を超える場合は、シート成形性が低下したり、シート表面に酸化防止剤がブリードアウトするので好ましくない。
【0027】
更に本発明の組成物には、難燃性を付与するために難燃剤を添加するのが好ましい。該難燃剤としては、一般に使用される有機難燃剤や無機難燃剤が挙げられる。有機難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム等のポリリン酸塩系やリン酸ステル系等のリン系難燃剤や、窒素系、ハロゲン系、臭素系の難燃剤が挙げられ、無機難燃剤としては、ホウ素化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ジルコニウム化合物、硼砂、硼酸亜鉛、三酸化モリブデン、あるいはこれら化合物の錯体である複合無機物が挙げられる。中でも特に、火災時や使用後の焼却処分時に有害なハロゲン系ガスを発生しない非ハロゲン系の難燃剤、特にポリリン酸塩系難燃剤が好ましい。
【0028】
難燃剤の添加量は、エチレン−α−オレフィン共重合体とオレフィン系エラストマーの合計量100重量部当たり1〜50重量部であるのが好ましい。添加量が1重量部未満では充分な難燃性が得られず、一方、難燃剤の添加量が50重量部より多くなると、成形性が悪くなり、またシートの物性が低下する。
【0029】
本発明の組成物には、上記の成分以外に本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じ、他の樹脂や無機フィラー、発泡分解促進剤、滑剤、界面活性剤、粘着防止剤、顔料、抗菌剤等を添加してもよい。
【0030】
本発明のシートは、例えばメタロセン系エチレン−α−オレフィン共重合体とオレフィン系エラストマー樹脂のペレットと木粉と発泡剤、酸化防止剤とをバンバリーミキサーで混練した後、加熱ロールやカレンダーロール等でシート状に成形することにより得られる。あるいは、ホットカット装置を備えた二軸押出混練機を用いて、前記組成物を混合・ペレット化しTダイ付の押出成形機にてシート成形を行ってもよい。成形温度は150〜200℃が好ましく、特に木粉の熱による着色を防ぐためには、160〜180℃であるのがより好ましい。
【0031】
該シートの発泡は、電気、ガス等による加熱炉の設備で、枚葉、あるいは連続的に行えばよい。加熱炉の温度は160〜250℃が好ましい。特に木粉の熱による着色を防ぐためには、160〜210℃であるのがより好ましい。シートの発泡倍率は1.1〜10倍であるのが好ましく、特に2〜5倍が好ましい。発泡倍率が1.1倍未満では発泡シートのクッション性が劣り、掲示板用表面材とした場合のピン刺し痕が目立ち易く好ましくない。また、発泡倍率が10倍を超える場合は、発泡シートの機械的強度が低下し好ましくない。このようにして得られた発泡シートの厚みは、0.3〜15mmであるのが好ましい。厚みが0.3mm未満では、シート成形時に破断が起こりやすく、一方厚さが15mmを超えるような場合は成形速度が低下し、シートの生産性が著しく低下したり、発泡成形の際の加工性も悪化する傾向となるので好ましくない。より好ましい発泡シートの厚みは0.7〜3mmである。
【0032】
このようにして得られた発泡シートの少なくとも片面に、シボを形成してもよい。シボの形状は梨地状、ストライプ状、格子状、水玉状等いずれでもよい。
【0033】
発泡シートにシボを施すには、発泡シート製膜時にシボを刻印したエンボスロール等を用いインラインにてエンボス加工するか、もしくは一旦冷却されている発泡シートを加圧変形し得る状態に加熱軟化させ、凹凸模様が設けられた面に押圧して凹凸模様をオフラインにて転写してもよい。
【0034】
更に、発泡シートの片面に、繊維質層を積層することにより本発明の積層体が得られる。発泡シートと繊維質層の積層は、シートを成形すると同時に繊維質層を積層しても、あるいは、シートを成形した後、ラミネータ装置等で繊維質層を積層してもよい。前者の場合はシートの発泡は積層体とした後に行えばよい。後者の場合はシートを発泡させた後、得られた発泡シートと繊維質層を積層してもよく、またシートと繊維質層を積層した後、発泡させてもよい。これらの製造方法のうち、シートと繊維質層を積層した後発泡させる方法が、発泡成形が安定して行えるので好ましい。
繊維質層としては、天然繊維、合成繊維からなる物が挙げられ、このようなものとしては、紙、織布、不織布等が挙げられるが、これらの中でも天然繊維からなる紙が好ましい。紙の種類としては印刷用の上質紙、中質紙、クラフト紙、グラシン紙、板紙、和紙、難燃紙、不燃紙等が挙げられる。繊維質層の坪量は、10〜200g/m2が好ましい。坪量が10g/m2未満では、積層加工時にシワが入りやすく、200g/m2を超える場合は、積層体とした際、積層体に剛性が出て、施工性に問題を生じたり、コストアップにもなるので好ましくない。より好ましい坪量は50〜150g/m2である。
本発明の積層体においては更に、発泡シートと繊維質層との接着性を向上させるために、発泡シートと繊維質層との間に接着層を形成してもよい。接着層としては、合成樹脂からなるものが好ましい。該合成樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、特にポリオレフィン系樹脂が好ましい。中でもポリエチレン系樹脂がより好ましい。このようにして得られた積層体は、そのままでも掲示板や建築物の内装材として用いることが出来る。また、インシュレーションボードや合板等の木質系材料に接着剤で貼り合わせ、適当なサイズに裁断し、枠材を取り付けた掲示板としてもよい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
<ポリオレフィン系樹脂の物性>
(1)密度:ASTM D1505に従って、メタノール/ベンジルアルコール混合液を用いた密度勾配管法により測定した。
(2)メルトフローレート(MFR):ASTM D1238に従って測定した。
(3)Mw/Mn:トリクロルベンゼンを溶媒としたゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて検量線(標準ポリスチレンによる)よりMw及びMnを測定し、これより算出した。
<シート及び積層体の評価>
(1)シート成形性:シートを成形機により作成した際に、成形のし易さを評価した。評価基準は次の通り。
○・・・問題なくシートが作成でき、巻きとることができた。
【0036】
△・・・シートは作成できたが、外観が劣っていた。
【0037】
×・・・シートが成形できなかった。
(2)シート発泡後のべた付き性:シートを加熱発泡炉にて発泡成形した際に、発泡後のシート表面のベタ付を指触によって評価した。
【0038】
○・・・シート表面のべた付きがなく良好であった。
【0039】
△・・・シート表面がややべた付きがある。
【0040】
×・・・シート表面が著しくべた付く。
(3)積層体表面ピン刺し性能(表面性能):下地基材として5mm厚みの合板を用い、これに積層体を固定し、積層体の発泡シート側表面に直径1cmの円を描き、この円内において掲示板用ピンの抜き差しを50回繰り返し、ピン痕の発生状況を目視にて評価した。評価基準は次の通り。
【0041】
○・・・ピン刺しの抵抗が小さい。ピン穴の痕があまり目立たない。
【0042】
△・・・ピン刺しの抵抗がわずかにある。ピン穴の痕がやや目立つ。
【0043】
×・・・ピン刺しの抵抗大。ピン穴の痕が非常に目立つ。
(4)積層体の物性:積層体の引張破断強度、引張破断伸びをJIS K 7127に従って測定した。
<実施例1>
メタロセン系エチレン−α−オレフィン共重合体(デュポンダウエラストマー(株)製 EG8100)80重量部及びエチレン−プロピレン系エラストマー(日本合成ゴム(株)製 EP57P)20重量部に表−1に示す組成比で、木粉、発泡剤(永和化成工業(株)製 AC#3)、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 Irganox1010)を加え、インターナルミキサー((株)南千住製作所製 MS−3600)にて温度160℃、ロータ回転数50rpm、混練時間7分間の条件で混練した後、加熱ロール(石川島播磨重工業(株)製)で温度160℃の条件で、厚み0.5mmのシートを作成した。次に、坪量40g/m2の木綿不織布(ユニチカ(株)製 エスコット)の片面に、上記シートを表面温度170℃のラミネータで積層した。この積層シートを温度230℃の加熱炉で2分間加熱し発泡させ、ポリオレフィン系樹脂製発泡シートを得た。このシートについて表面性能及び物性等について評価した。結果を表−1にまとめて示す。
<実施例2>
シートの組成を表−1に記す通りにした以外は、実施例1と同様にして積層体を作成し、更に実施例1と同様にして加熱発泡成形を施し、得られたシートについて実施例1と同様に評価した。結果を表−1にまとめて示す。
<比較例1>
ポリオレフィン系樹脂として表−1に示すものを使用したこと以外は実施例1と同様にしてシートを作成し、評価を行った。結果を表−1にまとめて示す。
<比較例2>
シートの組成を表−1に記す通りにした以外は、実施例1と同様にして積層体を作成し、更に実施例1と同様にして加熱発泡成形を施し、得られたシートについて実施例1と同様に評価した。結果を表−1にまとめて示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003729149
【0045】
Figure 0003729149
【0046】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン系樹脂製発泡シートはピンを刺した際、表面がべたつかず、またピン穴の痕がめだたない等の表面性能に優れ、更に引張物性や意匠性等の諸性質に優れるので、建築物の内装材や掲示板等に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. (1)メタロセン触媒を用いて重合して得られた、(a)エチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であって、(b)密度が0.86〜0.92g/cm3、(c)メルトフローレートが0.5〜40g/10分、かつ(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5であるエチレン−α−オレフィン共重合体100〜70重量部、
    (2)オレフィン系エラストマー0〜30重量部、
    (3)該エチレン−α−オレフィン共重合体とオレフィン系エラストマーの合計量100重量部当たり、平均粒子径200〜10000μmの木粉5〜70重量部、発泡剤0.5〜10重量部及び酸化防止剤0.1〜10重量部
    を含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. オレフィン系エラストマーがエチレン−プロピレン系エラストマーである請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる発泡シート。
  4. 発泡倍率が1.1〜10倍、厚みが0.3〜15mmである請求項3に記載の発泡シート。
  5. 請求項3または4に記載の発泡シートの片面に坪量10〜200g/m2の繊維質層を積層してなる積層体。
  6. 請求項5に記載の積層体からなる掲示板表面材。
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