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3 June, 1997 ( 03 , 06, 97 )
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A JP, 10-52292 , A (Nitto Chemical Industry Co., Ltd, )
24 February, 1998 ( 24. 02. 98)
& EP, 805211, A2
PA JP, 10-271999, A (Nitto Chemical Industry Co. ,
Ltd. ) ,
13 October, 1998 ( 13. 10. 98)
& EP, 805211 , A2
PA JP, 11-9294, A (Nitto Chemical Industry Co. , Ltd. ) L-5
19 January, 1999 ( 19. 01. 99) (Family: none)
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14 June, 1999 ( 14. 06. 99) 29 June, 1999 ( 29. 06. 99 )
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1 明 細 書
〔S, S〕 一エチレンジァミン一 N, N' —ジコハク酸アルカリ金属塩の製造方 法 技術分野
本発明は微生物由来のエチレンジァミン一N, N' ージコハク酸エチレンジァ ミンリアーゼの作用により 〔S, S〕 一エチレンジァミン一N, N' ージコハク 酸アルカリ金属塩を製造する方法に関する。 また、 本発明は、 その際に、 反応収 率を高める目的で反応液に添加する金属イオンを回収し、 これを再利用する上記 方法に関するものである。
背景技術
本発明者らは、 先に、 フマル酸とエチレンジァミンとを 〔s, s〕 一エチレン ジァミン一 N, N' —ジコハク酸 (以下、 S S— EDDSと略記する) に変換す る反応等を触媒する微生物由来の新規なリアーゼ (以下、 本リア一ゼをエチレン ジァミン一 N, N' —ジコハク酸エチレンジァミンリアーゼと呼び、 EDDSァ ーゼと略記する) を見い出し、 種々の微生物について本酵素の触媒作用を利用し たフマル酸と各種ァミンからの効率的な光学活性ァミノポリカルボン酸の製造方 法を提案している (特開平 9 _ 140390号公報参照) 。
しかしながら、 EDDSァーゼによる S S— EDDS等の光学活性アミノポリ 力ルポン酸の生産反応における副反応は極めて少ないものの、 平衡反応であるた め原料が残存してしまうことが判明した。 そこで、 本発明者らは、 反応液に多価 の金属ィオンを共存させることにより反応平衡を生成側へ傾け、 反応をほぼ完結 させ、 大幅な収率向上を達成できることを見い出した (特開平 10— 52292 号公報及び特開平 10— 271 999号明細書参照) 。
さらに、 本発明者らは、 生成した S S— EDDSは、 上記反応終了後の反応液 (以下、 反応終了液という) 中では共存する多価金属イオンと錯体を形成して溶 解している力 鉱酸を用いた晶析により金属イオンを含まない S S— EDDSの 結晶として容易に回収できることも確認している。 し力 し、 酸析させた S S— E
W
2
DDSは水に溶解し難く、 これを易溶解性として適用場面を拡大していくために は、 一価の金属塩とすることが必要とされる。 一価の金属塩は、 反応後、 酸析に より回収した S S— EDDSに水酸化ナトリゥム等のアル力リを添加することに より得ることができる力 この方法は工程が多くなり煩雑である。
また、 酸析により金属化合物を鉱酸の塩として回収しても、 これを再利用する 場合にはアル力リによる中和が必要なため高塩濃度となり、 リサイクルを繰り返 す毎に塩が蓄積してしまうという問題がある。 さらに、 この高濃度液を金属ィォ ン源として、 フマル酸、 エチレンジァミン、 アルカリ等からなる反応液に添加す ると、 フマル酸塩と思われる沈殿が生じやすいことを確認しており、 実用的な金 属塩の再利用法とはなり難い。
その他、 前記反応平衡を充分に生成物側に傾け、 満足できる収率を得るために は、 生成する S S— EDDSと等モルに近い量の金属化合物が必要であるが、 こ れら金属化合物には金属化合物以外の不溶解分を多く含むのが普通であり、 その 実用化に当たっては精製して使用するか、 高価な精製品を使用する必要がある。 しかがつて、 本発明は、 反応速度、 収率、 操作及びコスト等を考慮し、 S S— EDDSのアルカリ金属塩を効率よく生産することを課題とする。
発明の開示
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、 特定の金属イオン の存在下に反応を行うこと、 及び反応後、 反応終了液に S S— EDDS ·金属錯 体として存在する金属イオンが水酸化アルカリを添加することにより、 不溶性の 沈殿として分離回収され、 容易に S S— EDDSアルカリ金属塩が得られること、 さらに、 該沈殿を S S— EDDSアルカリ金属塩の生産反応に利用できることを 見い出し、 本発明に到達した。
すなわち、 本発明は、 微生物由来のエチレンジアミンジコハク酸エチレンジァ ミンリア一ゼの作用により、 水性媒体中でフマル酸とエチレンジァミンとを、 ァ ルカリ土類金属及び遷移金属から選ばれる少なくとも 1種の金属のイオンの存在 下に反応させ、 反応終了液に水酸化アル力リを添加して前記金属ィオンを不溶性 の沈殿として分離回収し、 S, S—エチレンジァミン一 N, N' —ジコハク酸ァ ルカリ金属塩を得ることを含む 〔S, S] 一エチレンジァミン一 N, N' ージコ
3 ハク酸アルカリ金属塩の製造方法、 である。
S S— E D D Sは、 アルカリ性条件下では、 より強固な錯体を形成する性質を 示すアミノ基を分子構造の中心に持つにもかかわらず、 S S—EDDS ·金属錯 体の溶液中にアル力リを添加することにより、 金属イオンが速やかに脱離し水酸 化物又は酸化物と思われる沈殿が生じ、 容易に S S— EDDSアルカリ金属塩が 生成することは驚くべきことである。 この沈殿は容易に高収率で回収することが でき、 さらに、 脱塩や精製を行うことなく S S— EDDS生産反応に再利用する ことができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る微生物及びその培養方法は後述する。
本発明で使用する金属イオンとしては、 S S— EDDSに配位し、 かつ水酸化 アル力リを添加することにより不溶性となり沈殿するものであれば特に制限はな く、 アルカリ土類金属及び遷移金属等のイオンが挙げられる。 具体的には、 F e (11)、 F e (III) 、 Μη(Π)、 Mg (II)等のイオン (錯イオンを含む) を挙げる ことができる。 これらの金属のイオン源としては、 これらの金属の水酸化物、 酸 化物ならびに硫酸、 塩酸、 硝酸、 リン酸、 炭酸及び酢酸等の無機又は有機酸塩、 さらにこれら金属化合物を含む鉱物や本発明の基質であるフマル酸やエチレンジ ァミンとの化合物等を挙げることができる。 さらに、 これらの化合物は 2種以上 混合して用いることも可能である。
また、 これら金属化合物の中には、 水に対して溶解度の低いもの又は難溶性の ものもあるが、 これらは飽和量以上に、 例えば、 懸濁状態として存在させた場合 でも、 S S— EDDSの配位能により相当量が可溶化されるため、 使用可能であ る。
一般に、 S S— EDDSは、 前記の金属化合物、 及びフマル酸とエチレンジァ ミンを、 水性媒体 (水、 緩衝液等) 中で、 後述の微生物の菌体又は該菌体処理物 (菌体破砕物、 菌体抽出液、 抽出した粗製又は精製酵素、 固定化した菌体又は酵 素、 薬剤処理 (安定化処理等) を施した菌体又は酵素等) と接触させることによ り製造されるが、 菌体培養液に、 金属化合物及びフマル酸とエチレンジァミンと を直接添加しても製造することができる。
4 なお、 本発明に係る EDDSァーゼを反応に供する場合、 通常、 細胞内に存在 するフマラーゼ活性を除去するための処理を行う。 処理 pHは 8〜10. 5、 好 ましくは 8. 5〜1 0の範囲、 処理温度は通常、 氷結温度〜 55 °Cの範囲であり、 処理時間に特に制限はない (特願平 9一 3 1 1046号明細書参照) 。
反応は、 通常、 5〜60°C、 好ましくは 10〜55°Cの範囲で行う。 反応時の pt^i4〜l l、 好ましくは p H6〜l 0の範囲である。 反応で用いるフマル酸 の濃度は反応温度や pHにより異なるが、 通常、 0. 01〜3Mであり、 反応液 中に飽和溶解度以上の沈殿物として存在させても反応の進行と共に溶解するため 差し支えない。 エチレンジァミンの濃度は、 通常、 0. 0 1〜2Mである。 反応 液中への金属化合物の添加量は生成する S S— EDDSに対して、 通常、 0. 0 1〜2倍モルである。 また、 微生物などの使用量は基質に対する乾燥菌体換算で、 通常、 0. 01〜5重量。 /。である。
反応終了後、 菌体又は菌体処理物をろ過又は遠心分離等で除去し、 これに水酸 化ナトリウム、 水酸化力リゥム等の水酸化アル力リを金属イオンが不溶化するま で添加する。 S S— EDDSアルカリ金属塩は、 不溶化した沈澱をろ過又は遠心 分離などの通常の固液分離手段により、 母液として得ることができる。
水酸化アルカリの使用量は、 反応に使用した金属イオンの種類によっても異な るが、 反応液中に含まれる S S— EDDSに対して、 2〜 6倍モル、 好ましくは 3〜4. 5倍モル相当量である。 水酸化アルカリは単独で若しくは二種類以上の ものを混合して使用するか、 又は他のアルカリと併用することも可能である。 水酸化アルカリを添加する際、 短時間で一度に加えると、 析出する不溶化物が 微細粒子となり分離し難くなるが、 十分に時間をかけて添加すると、 沈降性の良 い粒子が得られるので好ましい。 また、 反応終了液にアルカリを添加しても、 又 はその逆にアル力リに反応終了液を添加しても、 添加した液滴が他方の液に接触 した瞬間に固化するため、 槽内の均一性を保つのは難しく、 粒径も不均一となり 微細粒子が生じやすい。 そのような場合には、 反応終了液と水酸化アルカリとを 適当な晶析槽内に共に供給し、 好ましくは、 共に供給及び槽内のスラリー抜き出 しを連続的に行えば、 分離性の改善された比較的粗大な粒子を得ることができる c かくして、 上記操作により、 S S—EDDSのアルカリ金属塩水溶液を得るこ
5
とができる。 本発明で得られる S S— EDDSのアルカリ金属塩水溶液は、 その 製造のための反応が高収率、 高選択的で有機不純物が少ないため、 金属の沈澱を 除去した後の母液をそのまま工業的に有用な S S— EDDSアルカリ金属塩とし て利用できるが、 必要により、 イオン交換樹脂等により精製することもできる。 さらに必要に応じ、 該水溶液を濃縮、 固化、 又は噴霧乾燥することにより S S— EDDSのアルカリ金属塩の結晶を、 また、 鉱酸を添加すれば S S— EDDSの 結晶を得ることができる。
回収した金属化合物の沈澱は、 再びフマル酸とエチレンジァミンを含む反応液 に混合して、 S S— EDDSの製造のための反応に利用することができる。 この 際、 例えばマグネシウムイオンの存在下で反応を行った場合、 反応中 pHが低下 するが、 この場合、 上記操作により回収したマグネシウムの沈殿 (水酸化物又は 酸化物と推定される) は、 反応中の pHを一定に保っためのアルカリとして使用 することもできる。
これらの反応及び回収操作は、 回分又は連続のいずれの方法でも行うことがで きる。
本発明に係る微生物としては E DD Sァーゼ活性を有する微生物であればいず れも対象となる。
例えば、 バークホルデリ ア ( Burkholderia ) 属、 ァシ ドボラ ッ ク ス ( Acidovorax ) 属、 シュ一 ドモナス ( Pseudomonas)属、 ハラ コ ッカス (Paracoccus) 属、 スフインゴモナス (Sphingomonas) 属及びブレブンジモナス ( Brevundimonas)属に属する細菌、 さ らに宿主と してのェシェ リ ヒ ア (Esherichia) 属又はロドコッカス (Rhodococcus)属に属する細菌に E D D Sァ ーゼをコ一ドする遺伝子 DN Aを導入した形質転換体などを挙げることができる。 具体的には、 Burkholderia sp. KK— 5株 (FERM BP_541 2) 、 同 KK— 9株 (FERM B P— 5413 ) 、 Acidovorax sp. TN— 51株 (F E RM B P - 54 16 ) , Pseudomonas sp. TN— 13 1株 (FERM BP— 541 8) 、 Paracoccus sp. KK— 6株 (FERM BP— 541 5) 、 同 TN O— 5株 (F ERM B P— 6547) 、 Sphingomonas sp. TN— 28株 (F E RM B P - 541 9 ) , Brevundimonas sp. TN— 30株 (FERM BP—
541 7) 及び同 TN— 3株 (FERM BP— 5886) 、 さらに、 宿主とし て大腸菌 JM109株 [Esherichia coli ATCC53323 株〕 又は Rhodococcus rhodochrous ATCC17895株を用いて得られた形質転換体を挙げることができる。 上記微生物のうち、 KK一 5株、 KK— 9株、 TN— 5 1株、 TN— 1 3 1株、 KK— 6株、 TN—28株、 TN— 30株及び TN— 3株は、 本発明者らにより 自然界から新たに分離され、 上記受託番号にて通産省工業技術院生命工学工業技 術研究所 (日本国茨城県つくば巿東一丁目 1番 3号 (郵便番号 305— 856 6) ) に、 特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約 (以下、 ブダペスト条約と言う) に基づいて寄託されている。 これらの菌株の菌 学的性質は、 前記特開平 9一 140390号公報、 特開平 10— 52292号公 報等に記載されている。
また、 TNO— 5株も、 本発明者らにより自然界から新たに分離され、 上記受 託番号にて上記通産省工業技術院生命工学工業技術研究所にブダぺスト条約に基 づいて寄託されている。 その菌学的性質は下記のとおりである。
TNO- 5株の菌学的性質
形態 球〜短桿菌
グラム染色性 一
胞子 一
運動性 一
酸素に対する態度 好気性
ォキシダーゼ +
カタラーゼ +
OFテスト
集落の色調 特徴的色素を形成せず
PHBの蓄積 +
硝酸塩還元
亜硝酸塩還元
キノン系 Q— 10
DNAのGC含量 (モ 65 (HP LC法)
7 上言己菌学的性質を、 Bergey' s Manual of Systematic Bacteriology Vol. 1 (1984)の記載に記載によ り分類する と、 T N O— 5株はパラコ ッカス (Paracoccus) 属に属する細菌と同定された。 なお、 TN— 3株はディミヌタ (diminuta) 種であることが確認されている。
大腸菌 JM109株 (Esherichia coli ATCC53323 株) 及び Rhodococcus
rhodochrous ATCC17895株は公知であり、 ァメリカンタイプカルチャーコレクシ ヨン (ATCC) から容易に入手することができる。 これらの菌株を宿主として、 T N— 3株の EDDSァ一ゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子 DNAを 含むプラスミ ド pEDS020及び pSEOOl を導入した形質転換体が、 E. coli JM109/ pEDS020 (FERM B P— 6 1 6 1 ) 及び Rhodococcus rhodochrous
ATCC17895/pSE001 (FERM B P— 6 54 8) と して、 それぞれ上記受託番 号にて上記通産省工業技術院生命工学工業技術研究所にブダぺスト条約に基づい て寄託されている。 これら形質転換体の作製方法は、 本出願人の出願に係る特開 平 1 0— 2 1 0 9 84号公報に詳細に記載されている。
本発明で使用される微生物の培地の種類には何ら特別の制限がなく、 資化しう る炭素源、 窒素源、 無機塩、 さらに微量の有機栄養物などを適当に含有するもの であれば、 合成培地又は天然培地のいずれでもよい。 また、 培養にあたっては、 エチレンジァミン一N, N' ージコハク酸、 エチレンジァミン一 N—モノコハク 酸、 ァスパラギン酸、 グルタミン酸、 ヒスチジンなどのアミノ酸ゃフマル酸等を 培地に添加することは、 目的とする活性の高い菌体が得られることがあるので好 ましい。 培養条件は菌体ゃ培地により異なるが、 培地の p Hは 4〜1 0、 好まし くは 6〜 9の範囲、 培養温度は 20〜 4 5 °C、 好ましくは 25〜 3 5°Cの範囲で、 活性が最大となるまで 1〜1 0日間好気的に培養すればよい。
次に、 本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例 1
(1) 菌体触媒の調製
Esherichia coli JM109/pEDS020 を斜面培地から 1白金耳取り、 5 Omg / 1 アンピシリンを含有する L B培地 (1 %バク トトリプトン、 0. 5%バク トイ一 ストエキス、 0. 5%N a C l ) に接種して 3 7 °Cにて 8時間振とう培養した。
8 これを、 L B培地 (5 OmgZ 1アンピシリン、 1 mM イソプロピル一 ーチ ォガラタ トシドを含有) に、 2. 5%量接種し、 37°C、 30時間、 好気的に振 とう培養した。 培養液 1000 m 1から、 菌体を遠心分離 ( 7, 000 r p m、
20分) により集菌し、 l O OmM 1, 4—ジァミノブタンを含む 50 mMホ ゥ酸緩衝液 (pH 7. 75) 50 Om 1で 1回洗浄した。 500m lの同様の緩 衝液に菌体を再懸濁した後、 氷中において 25 %グルタルアルデヒ ドを 25 mM となるように徐々に添加した。 pHが低下するので6NNaOHにてpHを7. 75に調整した後、 液を撹拌しながら 2時間放置した。 この液にエチレンジアミ ンを 5 OmMとなるように添加し、 6NNa OHでpH9. 0とした後、 2時間 放置した。 次に水素化ホウ素ナトリウムを 25 mMとなるように添加して撹拌し ながら、 さらに 2時間放置した。 さらに、 6NNaOHにてpH9. 2に調整し た後、 水浴中で 45°C、 4時間、 加熱処理を行い、 フマラーゼ活性を除去した菌 体懸濁液を調製した。
(2) 反応液の調製と反応
反応開始時の各成分の濃度がフマル酸 1, 027mM、 エチレンジァミン 51
3 mM及び水酸化マグネシウム 77 OmMとなるように、 水に、 フマル酸、 水酸 化マグネシゥム及びェチレンジアミンをこの順に、 激しく攪拌しながら添加し、 透明な反応液を得た。 これに対して上記菌体懸濁液を加え、 40°Cで撹拌しなが ら反応を行った。
反応の進行に伴い pHが低下するので p Hコント口一ラーで 7· 5N
N a OH溶液を供給しながら pHを 8. 5に保持した。 反応進行に伴う S S— ED DSの生成量を経時的に測定した。 その結果、 24時間後の S S— EDDS生成 濃度は 468mMであった。
なお、 S S— EDDS濃度の測定法は、 次のとおりである。
液中の不溶物を 1 5, 000 r pm、 5°C、 5分間の遠心分離にて除去した後、 液体クロマトグラフィ一にて S S— EDDSを定量した。 定量用カラムとしては WAKOSIL 5C8 (和光純薬) (溶出液: 10 mM 水酸化テトラー n—ブチルアン モニゥムと 0. 4mM Cu S〇 を含む 50mMリン酸、 pH2) を、 また 光学分割カラムとして MCI GEL CRS 10W (三菱化学社製) (溶出液: 10 mM
9
Cu SO. ) を使用した。
(3) マグネシウムイオンの不溶化及び回収
遠心分離 (1 5, O O O r pm, 5分) により菌体を除去した透明な反応終了 液に 7. 5 NN a OHを S S— E D D S濃度に対して 3倍モル及び 4倍モルとな るように添加し、 撹拌しながら 1時間室温に放置した。 生成したマグネシゥムィ オン由来の沈殿を遠心分離 (1 5, O O O r pm, 5分) により除去したところ、 マグネシウムイオンの除去率は各々 61 %及び 95 %であり、 粒径はいずれも 7 μ m以下、 平均粒径はそれぞれ 1. 3及び 1. 6 //mであった。
(4) 回収マグネシウムの再利用
回収したマグネシウムの沈殿を用いて、 上記 (2) に従って反応液を調製した。 反応開始時の各成分の濃度はフマル酸 1, 027mM、 エチレンジァミン 51 3 mM、 回収マグネシウム 77 OmM (マグネシウムとしての濃度) 、 S S— ED DS 72 mM、 菌体は乾燥重量換算で 10 g 1、 実測した p Hは約 8. 8であ り、 上記 (2) と同様に反応を行った。
その結果、 反応速度に有意差は見られず、 24時間後の S S— EDDS濃度は 540 mMであった。
実施例 2
(1) 菌体触媒の調製
実施例 1と同様にして菌体懸濁液を調製した。
(2) 反応液の調製と反応
水酸化マグネシウムの代わりに水酸ィヒ鉄(III) を用いて実施例 1と同様に反応 液を調製し、 7. 5NNa〇Hを用いて ρΗ7· 5とした。 反応開始時のフマル 酸、 エチレンジァミン、 菌体の濃度は実施例 1と同様とし、 水酸化鉄 (III) の濃 度は 51 3mMとした。 この際、 水酸化鉄(III) は反応液に部分的に溶解するの みであった。
反応時は水酸化マグネシゥムの場合と異なり反応の進行に伴レヽ p Hが上昇した ので 5 N硫酸を用いて pH調整を行った。 その結果、 24時間後の33— £00 S生成濃度は 449mMであった。
(3) 鉄(ΙΠ).イオンの不溶化及び回収
10 遠心分離により菌体を除去した透明な遠心上清に対し、 実施例 1と同様に 7. 5 N Na OHを S S— E D D S濃度に対して 4倍モルとなるように添加して鉄 (III) イオンを不溶化させ回収した。 鉄(III) イオンの除去率は 98%であった。 (4) 回収鉄(ΠΙ) の再利用
回収した沈殿を用いて、 上記 (2) に従って反応液を調製した。 反応開始時の 各成分の濃度はフマル酸 1, 027mM、 エチレンジァミン 51 3mM、 回収鉄 (III) 51 3 mM (鉄としての濃度) 、 S S— EDDS 86mM、 菌体は乾燥重 量換算で 10 gZl として、 上記 (2) と同様に反応を行った。
その結果、 反応速度に有意差は見られず、 24時間後の S S— EDDS濃度は 530 mMであった。
実施例 3
(1) 菌体触媒の調製
実施例 1と同様にして菌体懸濁液を調製した。
(2) 反応液の調製と反応
水酸化鉄(ΠΙ) の代わりに同モル濃度の水酸化マンガン(II)を用いた他は実施 例 2と同様に反応液を調製し、 反応を行った。 その結果、 24時間後の33— £ DDS生成濃度は 428mMであった。
(3) マンガン(II)の不溶化及び回収
実施例 2と同様にマンガン(Π)を不溶化させ回収した。 マンガン(Π)イオンの 除去率は 97 %であった。
(4) 回収マンガン(Π)の再利用
回収した沈殿を用いて、 上記 (2) に従って反応液を調製した。 反応開始時の 各成分の濃度はフマル酸 1, 027mM、 エチレンジァミン 51 3 mM、 回収マ ンガン(Π) 51 3 mM (マンガンとしての濃度) 、 S S— EDDS 52 mM、 菌 体は乾燥重量換算で 1 O g/1 として、 上記 (2) と同様に反応を行った。
その結果、 反応速度に有意差は見られず、 24時間後の S S— EDDS濃度は 480 mMであった。
実施例 4
(1) 菌体触媒の調製
W
11 実施例 1と同様にして菌体懸濁液を調製した。
(2) 反応液の調製と反応
pHコント口一ル用のアルカリを 7. 5 N Na〇Hの代わりに 7. 5 N K OHを用いた他は、 実施例 1と同様の操作を行った。 24時間後の S S— EDD S生成濃度は 472mMであった。
(3) マグネシウムイオンの不溶化及び回収
遠心分離 (1 5, 000 r pm, 5分) により菌体を除去した透明な反応終了 液に 7. 5 N KOHを S S— EDDS濃度に対して 4倍モルとなるように添加 し、 撹拌しながら 1時間室温に放置した。 生成したマグネシウムイオン由来の沈 殿を遠心分離 (1 5, 000 r pm、 5分) により除去したところ、 マグネシゥ ムイオンの除去率は 95%であった。
(4) 回収マグネシウムの再利用
回収したマグネシウムの沈殿を用いて、 上記 (2) に従って反応液を調製した。 反応開始時の各成分の濃度はフマル酸 1, 027mM、 エチレンジァミン 513 mM、 回収マグネシウム 77 OmM (マグネシウムとしての濃度) 、 S S—ED DS 82 mM、 菌体は乾燥重量換算で 10 g Z 1 とし、 実測した P Hは約 8. 9 であり、 上記 (2) と同様に反応を行った。
その結果、 反応速度に有意差は見られず、 24時間後の S S— EDDS濃度は 5 46 mMであった。
実施例 5
(1) 菌体触媒の調製
実施例 1と同様にして菌体懸濁液を調製した。
(2) 反応液の調製と反応
実施例 1と同様にして反応を行った。
(3) マグネシウムイオンの不溶化及び回収
遠心分離 (1 5, 000 r pm, 5分) により菌体を除去した透明な反応終了 液 (pH8. 7) に 7. 5NN&OHを S S— EDDS濃度に対して 2、 2. 5、 3、 3. 5、 及び 4倍モルとなるように添加し、 それぞれ pH 10. 6、 1 1. 7、 1 1. 9、 1 2. 1及び 1 2. 5として、 撹拌しながら一晩 40° Cで放置
12 した。 生成したマグネシウムイオン由来の沈殿を遠心分離 (6, 000 r pm、 5分) により除去したところ、 マグネシウムイオンの除去率はそれぞれ 1 1 %、 29%、 50、 74%、 及び 96 %であった。
実施例 6
(1) 菌体触媒の調製
実施例 1と同様にして菌体懸濁液を調製した。
(2) 反応液の調製と反応
実施例 1と同様にして反応を行った。
(3) マグネシウムイオンの不溶化及び回収
遠心分離 (1 5, 000 r pm, 5分) により菌体を除去した透明な反応終了 液 (pH8. 9) に 7. 5 NN a OHを S S— EDDS濃度に対して 2、 2. 5、 3、 3. 5、 及び 4倍モルとなるように添カ卩し、 それぞれ p HI 0. 9、 1 1· 9、 1 2. 1、 1 2. 3及び 1 2. 7として、 撹拌しながらー晚 20 ° Cで放置 した。 生成したマグネシウムイオン由来の沈殿を遠心分離 (6, 000 r pm 5分) により除去したところ、 マグネシウムイオンの除去率はそれぞれ 8%、 2 9 %、 49%、 74 %、 及び 97。/。であった。
実施例 7
(1) 菌体触媒の調製
実施例 1と同様にして菌体懸濁液を調製した。
(2) 反応液の調製と反応
実施例 1と同様にして反応を行った。
(3) マグネシウムイオンの不溶化及び回収
40。Cの水 68 Om 1に、 遠心分離 (1 5, 000 r pm, 5分) により菌体 を除去した透明な反応終了液、 及び S S— EDDS濃度に対して 4. 2倍モルと なるように 7. 5 NNa OHを共に供給した。 それと同時に、 生成した沈殿のス ラリ一を滞留時間 2時間となるように連続的に抜き出した。 供給及び抜き出しを 始めてから 14時間経過した後、 スラリーの一部を取り遠心分離 (6, 000 r pm, 5分) で沈殿を除去したところ、 マグネシウムイオンの除去率は 99. 3%であった。 このときスラリ一の pHは 13. 1であり、 スラリー濃度は 2.