明 細 書 網の連続鎊造用浸漬ノズル 技術分野
本発明は、 ノズルの閉塞を抑制し、 ノズルの損傷を顕著に減少し、 またノズル の割れを心配すること無しに、 安全に操業することができる鋼の連続铸造用浸漬 ノズルに関し、 A1キルド鑭铸造の際は勿論のこと、 高酸素含有鑭, 高 Mn含有鋼, C a処瑭網, ステンレス鍋等の铸造にも適した連続铸造用ノズルに関する。 背景技術
鋼を連続铸造するに際して、 従来から耐スポーリング性に優れた Al 203-S i02-C 質 (以下、 「AG質」 という) 浸漬ノズルが最も広く用いられている。
しかしながら、 この AG質ノズルを A1キルド綱の铸造に用いる場合には、 溶鑭中 の A1203 介在物の付着に起因するノズル閉塞の問題が生じる。 また、 高酸素含有 鑭, 高 Mn含有鑭, Ca処理鑭, ステンレス鋼等の铸造に用いる場合には、 逆にノズ ル溶損の問題が生じる。
ノズルの閉塞や溶損は、 耐火物の使用寿命の低下を招くばかりではなく、 製鑭 操業上の支障となり、 また鑭材の品質にも悪影響を与える。 そこで、 耐閉塞性と 耐溶損性を兼備している鋼の連続鎵造用ノズルの開発が、 頊在では急務となって いる。
このような状況に対して、 特開平 3— 243258号公報には、 a ) A1203を 90重量% 以上含有, b ) MgOを 90重量%以上含有, C ) 2【02を!) ()重量%以上含有、 した力一 ボンレスの各材料を円筒状スリーブとして 1種又は 2種以上組み合わせて内挿使 用するノズルが開示されている。
しかしながら、 このノズルにおいても同様にノズルの溶損は避けられない。 また、 ノズルの閉塞を低減する目的で、 浸漬ノズルの内孔体として、 力一ボン や S i 02含有量が、 いずれも 1重量%未満, スピネル: 1〜40重量%, MgO: 0. 5〜15 重量%, 残りは A1203である耐火材料を使用することが、 特開平 5— 号公報
に提案されているが、 十分な効果をあげていない。
ところで、 A1キルド鋼の铸造における AG質ノズル閉塞の主な機構については、 次のように考えられている。
まず、 高温での耐火物中において、 耐火原料として使用されている Si02と Cと の間に (1) 式の反応が起こる。
そして、 生成した SiO (気体、 以下 「 (g) 」 と記載する) 及び CO (g) が、 ノ ズルと溶鑭の界面に拡散し、 溶鑭中の A1と (2) 式, (3) 式の反応を起こして、 ノズルの稼働面に網み目状の A1203層を生成する。
組織的には網目状の A1203層が非常に粗いので、 溶鑭中の A1203介在物がその上 に衝突 ·付着しやすくなる。 A1203介在物の付着が進行すると、 ノズルの閉塞が 進行する。
Si02 (s) +C (s) →SiO (g) + CO (g) (1)
3SiO (g) +2A1 →A1203 (s) + 3— S」 (2)
3C0 (g) +2A1 →A1203 (s) + 3C (3)
なお、 上記式において、 (s) は固相, (g) は気相を表し、 41, Si, は, 溶 鋼中の溶解状態の Al, Si及び Cをそれぞれ表す。
一方、 高酸素含有鑭, 高 Mn含有鑭ゃステンレス鑭などの鎵造における AG 質ノ ズルの溶損機構については、 本発明者の検討により次のことが明らかになった。 まず、 耐火物稼働面中のカーボンが溶鋼に溶解し、 すなわち、
C (s) → C (4)
稼働面が A1203— Si02系の酸化物になる。 その後、 溶鑭中の Mn, 0. Feが ΜηΟ, FeO 状態で稼働面に浸透し、 すなわち、
Mn + 0→ ( ηΟ) (5)
Fe (1) +0 → (FeO) (6)
なお、 上記式において、 (1)は液相、 は溶鋼中の溶解状態の Mnをそれぞれ表 わす。
さらに溶鑭中 MnO— FeO系介在物が稼働面へ衝突 -付着する。 この 2つの原因で 浸透してきた Mn0, FeOは, 稼働面中 A1203および Si02と反応して、 A1203— Si02— MnO— FeO系の液体スラグを生成する。 このスラグが溶鋼の流れに流失すると、 耐
火物の溶損が生じる。
また、 Ca処理鋼の場合は、 溶鑭中の が稼働面中の A 1 203や S i 02を還元し、 CaO を生成させる。 すなわち、
S i02 (s) + 2Ca → 2 (CaO) + S」 (7) Ai 203 (s) + 3Ca_→ 3 (CaO) + 2A.1 (8) このような CaOは稼働面に浸透する„
さらに、 溶鑭中の CaO- A1203系の介在物も稼働面へ衝突、 付着する。
その結果、 稼働面では CaO- A1 203- S i 02系の液体スラグが生じ、 ノズル耐火物の 溶損が発生する。
ところで、 前記特開平 3— 243258号公報又は特開平 5— Π7610号公報に提案され たノズルには、 次のような問題がある。
1 ) 溶鋼と接触するノズルの内挿又は内孔体には S i 02及び黒鉛がほぼ含有されて いないので、 A1キルド鑭を铸造する場合、 (1 ) 〜 (3 ) 式の反応により網目状 の A1203 層を生ぜず、 ノズル閉塞の抑制に対してある程度の効果があるが、 そ れほど有効ではない。 それは、 通常、 耐火物の中に十数%以上の気孔率が存在 し、 その組織が網目状の A1203 層より比較的緻密であるが、 やはり粗いので、 その稼働面に溶鑭中の A1203 介在物が速やかに付着することが避けられないか らである。
2 ) また、 高酸素含有鋼, 高 Mn含有鑭, Ca処理鑭, ステンレス鑭等を鎵造する場 合には、 上記の(5)〜(8)式の反応が起こり、 また溶鋼中の介在物も同様に付着 し、 結果として、 稼働面での液体スラグの生成、 およびこれに起因するノズル 耐火物の溶損が避けられない。
3 ) —方、 もしノズルの内挿または内孔体として、 気孔率が数%以下のセラミツ クのような緻密なものを用いるとすれば、 耐スポーリング性が低下するので、 予熱ぁるいは使用中にノズルが割れる恐れがある。
即ち、 A 1203あるいは Zr02を 90 重量%以上含有している耐火物を、 吐出口を 含むノズルの内部に配置する場合は、 ノズル本体材である AG質材よりも膨張率 が大きいので、 ノズル耐火物の耐スボーリング性が劣化しやすくなる。
特に、 使用中、 亀裂がノズル吐出口の付近に発生しやすいが、 このことは、
このあたりには熱衝撃を受ける稼働面の数が多く、 また応力集中しやすい形状 となっているからである。
本発明は、 上記問題点に鑑みてなされたものであって、 その目的とするところ は、 A1キルド鑭の鎵造の際は勿論のこと、 高酸素含有鋼. 高 Mn含有鑭, Ca処理網, ステンレス鑭等の铸造にも適した、 耐 A1203付着性, 耐溶損性及び耐スポーリン グ性を兼備している鑭の連続铸造用浸漬ノズルを提供することにある。
そこで、 本発明者らは、 種々の耐火物について調査研究し、 特に、 スピネル一 ペリクレース系の耐火物, スピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐火物について調 査研究した結果、 以下に記載するようなことを見いだし、 本発明を完成したもの である。
なお、 本発明において、 「スピネル一べリクレース系耐火物」 、 「スピネル一 ペリクレ一スー黒鉛系耐火物」 というときには、 ペリクレ一スの含有量がゼロで ある場合を含むものとする。
即ち、 高温では、 スピネル一ペリクレースー黒鉛系の耐火物の内部においてス ピネル中の MgOまたはべリクレースと黒鉛との間に次の反応が起こる。
MgO (s) +C (s) → Mg (g) +C0 (g) (9)
生成した Mgガスおよび COガスが耐火物と溶鑭の界面に拡散し、 そこで次の 2つの 反応の何れかによって、 耐火物の表面に緻密な MgO層が生成する。
反応 1: Mgガスと溶鑭中の溶解酸素 (—0) との反応、 即ち、
Mg (g) + 0 → MgO (s) (10)
反応 2: Mgガスと COガスとの反応、 即ち、
Mg (g) +C0 (g)→ MgO (s) + C (11)
この MgO層が生成されると、 A1キルドを錶造する場合、 (1) 〜 (3)式のよう な反応に起因して、 稼働面で網目状の A1203 層が生成することはない。 また、 こ の MgO層の気孔率が零に近く、 組織的に非常に緻密なので、 溶鋼中の A1203介在物 がその上に衝突 '付着する可能性が非常に小さい。 すなわち、 A1203介在物の付 着によるノズルの閉塞を抑制する。
また、 この緻密な MgO層は、 高酸素含有鋼, 高 Mn含有鑭, Ca処理鋼, ステンレ ス鑭等の鋼種を铸造する場合、 溶鑭によるノズルの溶損を抑制する。 そのメカ二
ズムとしては、 次のように考えられる。
1 ) MgOと溶鋼の反応性が小さく、 MgOに溶鋼から MnO及び FeOが浸透しにくい。
2 ) MgO—スピネル二元系の固相線温度が iiOfl C以上で非常に高いので、 MnO及 び F eOが浸透して入っても、 液体のスラグ相が生じない。
3 ) MgO層が緻密なので、 溶鑭中の MnO— FeO系介在物がノズルの内部まで侵入で きない。
なお、 ) 〜 (1 1 ) 式の反応は、 緻密な MgO層が形成され、 耐火物内の CO分圧 が高くなれば進まなくなる。
そのとき、 生成される MgO 層は厚みがわずか数 10 mであるので、 ノズルの耐 スポーリング性に対して悪影響を与えないからである。
また、 スピネル中の A1203と MgOが、 MgO · A i 203の複合酸化物の形態で存在し、 両方とも熱力学的活量が低下するので、 (5)〜(8)式の反応が発生し難くなり、 ま た、 ペリクレ一スは溶鑭中の元素と反応しても、 低融点の液体スラグを生成しな いことを、 本発明者らは、 見出した。
以上のような知見をもとにして本発明の鋼の連続铸造用浸漬ノズルが完成され たのである。 発明の開示
本発明の鋼の連続铸造用浸漬ノズルは、 ノズル全体または溶鋼と接するノズル の内孔部の全部もしくは一部が、 スピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐火物であ ることを特徴とする鋼の連続銬造用浸漬ノズルである。
また、 本発明の鑭の連続铸造用浸漬ノズルは、 ノズル全体または溶鋼と接する ノズルの内孔部の全部もしくは一部が、 スピネル: 5(!〜 95重量%, ペリクレース : 0〜20重量%, 黒鉛: 5〜30重量%, 不可避の不純物: 3重量%以下のスピネ ルーペリクレ一スー黒鉛系の耐火物であることを特徴とする鋼の連続鎵造用浸漬 ノズルである。
また、 本発明の鑭の連続铸造用浸漬ノズルは、 溶鋼と接触するノズルの内孔部 の少なくとも一部がスピネル一ペリクレース系の耐火物であり、 吐出口周りの部 分の少なくとも一部が、 スピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐火物であることを
特徴とする鋼の連続铸造用浸漬ノズルである。
また、 本発明の鋼の連続铸造用浸漬ノズルは、 溶鋼と接触するノズルの内孔部 の少なくとも一部がスピネル一ペリクレース系の耐火物であり、 吐出口周りの部 分の少なくとも一部が、 黒鉛含有量が 5〜20重量%であるスピネル一ペリクレ一 スー黒鉛系の耐火物であることを特徴とする鋼の連続铸造用浸漬ノズルである。 即ち、 本発明のノズルは、 上記のスピネル一ペリクレ一ス一黒鉛系の耐火物を ノズルの全体に使っても良いし、 必要に応してノズルの局部、 例えば、 溶鋼と接 するノズルの内孔部に使っても良い。
このように、 ノズルの全体又は吐出口周りの部分を含む内孔部が、 スピネル一 ペリクレ一ス一黒鉛系の耐火物からなるノズルは、 溶損が生ぜず、 また、 耐スポ —リング性が確保され、 使用中割れが生じることはなかった。
また、 溶鋼と接するノズルの吐出口周りの部分以外の内孔部の少なくとも一部 に、 スピネル系又はスピネル一ペリクレ一ス系の耐火物を使用し、 内孔部の吐出 口周りの部分の少なくとも一部に上記のスピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐火 物を使用することもできる。
このように、 内孔部が、 スピネル又はスピネル--ペリクレ一ス系の耐火物から なり、 吐出口周りの部分がスピネル一黒鉛系又はスピネル一べリクレース一黒鉛 系の耐火物からなるノズルは、 高酸素含有鑭, 高 Mn含有鑭, C a処理鋼, ステンレ ス鑭等の铸造に使用した場合、 内孔部において溶損が生じなかったし、 また、 吐 出口周りの部分においてもノズルの耐スポーリング性が確保され、 使用中割れが 生じることはなかった。
ノズル用耐火物の出発原料としては、 スピネル原料及び/又はペリクレースか らなるマグネシア原料を用いることが望ましい。 出発原料としてマグネシア原料 とアルミナ原料を同時に用いると、 耐火材料の焼成あるいは使用中においては、 マグネシアとアルミナとが反応して、 スピネルを生成するが、 この反応の進行に 伴つて耐火材料が膨張し、 割れる恐れがあるからである。
スピネル一ペリクレース一黒鉛系耐火物中の黒鉛含有量は、 5〜30重量%とす る必要がある。 もし、 黒鉛含有量が 5重量%以下であれば、 ノズルの耐スポーリ ング性が悪くて、 予熱ゃ使用中割れる恐れがある。 また, 黒鉛含有量が 30重量%
以上であれば、 (7 ) 〜 ( 9 ) 式によって稼働面に MgO層が生じても、 MgO層と本体 間の結合が悪いので、 MgO層が本体から剥離しやすくなり、 その結果、 要求され る機能を持たせることができなくなる。
また、 スピネル一ペリクレ一スー黒鉛系耐火物を、 高酸素含有鑭, 高 Mn含有鑭, Ca処理鑭, ステンレス鋼等の铸造の際のノズルの吐出口周りの部分に使用する場 合には、 その含有量は、 5〜20重量%とするのが好ましい。
黒鉛含有量が 5重量%以下であれば、 同様に、 ノズルの耐スポーリング性が悪 くて、 予熱ゃ使用中割れる恐れがある。 また、 黒鉛含有量が 20重量%以上の場合 は、 黒鉛の溶綱への溶解による耐火物の損傷が大きすぎるからである。
スピネル一ペリクレース系、 スピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐火物中のぺ リクレースの含有量は、 40重量%以下にするのが望ましい。 これは、 ペリクレ一 スの含有量が 40重量%以上になると、 ノズルの耐スポーリング性が少々低下する 傾向にあるからである。 そして、 ペリクレースの含有量が 20重量%を越えると、 あるいは、 スピネルの含有量が 95重量%を越えると、 ノズルの耐スポ一リング性 が悪くなる。
なお、 スピネルの含有量が 50重量%未満であれば、 ペリクレ一ス及び黒鉛の割 合が必要な範囲を越えるので、 生成する MgO層が本体から剥離したり、 ノズルの 耐スポーリング性が悪くなつたりする。
本発明のノズルにおいては、 使用する耐火材料の鉱物組成を制御することも重 要なことの一つである。
すなわち、 類似の化学成分であっても構成鉱物 (結晶構造) が違うと自ずから 溶網との反応性が異なり、 ひいては耐溶損性に大きな差が生じるからである。 本発明では、 溶鋼と接触するノズルの内孔部の耐火物が、 Ai 203と MgOとの複合 酸化物であるスピネル結晶 >又はスピネル結晶及び MgOからなるペリクレ一ス結晶 で構成されても良い„
上記スピネル一ペリクレース系、 スピネル一ペリクレ一スー黒鉛系の耐火物に 使用する A1203の成分としては、 フリーの A1203を含有している原料を使わず、 スピネル (MgO - Ai 203 ) 原料を用いることが望ましい。
スピネル原料は、 スピネルを構成する MgO: A1203の比が必ずしも理論組成のも
のでなく、 MgO過剰でスピネルとペリクレースが共存するもの、 又は、 A 1 203過剰 でもフリーのアルミナとしてのコランダム結晶のないもの、 でも使用することは 可能である。
ただし、 フリー A1203含有原料を使うと、 高温のノズルの内部で M 203とぺリク レースの間でスピネルを生成する反応が起こる。 この反応に伴ってノズルの局部 がところどころに膨張したり、 収縮したりして、 ノズルが割れる恐れがある。 なお、 スピネル原料とマグネシア原料は、 電融品か焼成品かを問わず、 何れも 使用することができる。
また、 上記スピネル一べリクレース系、 スピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐 火物に使用する耐火原料として、 実用的な耐火原料を使用する場合には、 不可避 の不純物が存在することがある。
そのような不可避の不純物は、 3重量%以下に抑制することが好ましい。 3重量%を越えると、 Π ) 〜 ) 式の反応による緻密な MgO層の生成ができな くなり、 ノズルが閉塞するか溶損する。
本発明の鋼の連続鎵造用浸漬ノズルの製造は、
上記スピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐火物をノズルの内孔部に使う場合、 -ノズルの内孔部を構成する上記スピネル一ペリクレース一黒鉛系の耐火物の原 料 ffi合物と、 ノズル本体を構成する耐火物の原料配合物と、 必要に応じ、 吐出 口周りの部分以外の内孔部の少なくとも- 部を構成するスピネル系の耐火物の 原料 ffi合物とを同時に加圧成形して所定のノズル形状に成形する方法 (同時成 形法) ,
•予め成形されたノズル本体に、 内孔部を構成する上記スピネル一ペリクレ一ス 一黒鉛系の耐火物を形成する耐火原料を混練した配合物を流し込み成形または 圧入成形した後、 乾燥、 場合によっては焼成し、 製造する方法 (内装法) 、 などがある,,
同時成形する場合には、 フエノール樹脂や多糖類からなるバインダーと混練し た本発明の耐火物の原料配合物とからなるもの、 又は、 バイングーと混練した AG 等のノズル本体を構成する耐火物の原料配合物と、 内孔部を構成する本発明の耐 火物の原料 ffi合物とからなるものを、 型枠の所定の位置に充填、 CI P 等により成
形し、 乾燥後、 不焼成品とするか、 または焼成して製造することができる。
なお、 ノズル本体を構成する耐火物と内孔部を構成する本発明の耐火物とは同 類のバィンダ一で混練するのが良い。
内装法による場合、 慣用の方法により予め作成されたノズル本体に、 本体と同 類のバインダーまたは珪酸塩, リン酸塩のようなバインダーを用い、 混練した原 料配合物を流し込み成形または圧入成形した後、 乾燥、 場合によっては焼成し、 製造できる。
しかしながら、 慣用の方法により予め作成したノズル本体に、 加圧成形、 流し 込みあるいは圧入成形により、 別に作成した内装部を挿入、 装填する方法では、 ノズル本体を構成する耐火物とのなじみ (接着安定性) が悪いので好ましくない。 特に本発明の内孔部を構成する耐火物が、 上記スピネル一ペリクレース一黒鉛 系耐火物からなるため、 本体の A1203— C質や AG質耐火物より膨張性が大きく、 使用時に高温に加熱されたとき安定して接着性を持続させるためには、 前記の同 時成形法または内装法が良い。
同様に、 本体の耐火物と内孔部を構成する耐火物は、 前記したように同類のパ インダ一で混練するほうがなじみが良く、 接着性を安定させることができる。 本発明の耐火材料を形成するための出発原料配合物の粒度については、 1000 m以下、 且つ 500 / m以下の粒度割合が 60重量%以上とすることが好ましい。
1000 / mを超える粒子が多いと、 例えば 20重量%を越えると、ノズル肉厚に対す る粒径が大きすぎ、 使用時に耐火組織の脆化、 粒子の抜け落ち等の原因となる。
500 m以下の粒度割合が 60重量%未満であると、 特に同時成形を行う際に成形性 が劣り満足な成形体が得られないことが多い。
また、 粒径が 0. 5 m未満の原料が 20重量%を超えると、 耐火物の耐スポーリン グ性が劣化し、 割れが発生するので望ましくない。
さらに、 ノズル本体に対して本体の耐火物とは別の耐火物からなる内孔部を設 ける場合には、 ノズルの内孔部の厚みは、 1〜10 龍の範囲が望ましい。 該耐火物 の厚みが 1 腿未満の場合には、 その強度が小さいので、 溶鑭流れの衝撃に耐えず、 本体から脱落する恐れがある。 また、 10 nunを超えると、ノズル本体を構成する耐 火物との熱膨張差が大きいので、 これに由来する亀裂が発生する恐れがあり (耐
スポ一リング性が劣化) 、 望ましくない
ノズル本体のパウダーライン部には、 Zr02— C 系耐火物等の慣用の組成の耐火 物を S置することができる。
ノズル本体を構成する耐火物としては、 従来使用されている AG質耐火材料等を 適宜用いることができる。
AG質耐火材料としては、 慣用の組成のものを使用することができる。 例えば、 A1203: 3(!〜 90重量%, Si02: (!〜 35重量%, C: 10〜35重量%の組成を有するも のを使用することができる。
また、 Zr02— C系耐火物にあっては、 CaO安定化 Zr02を使用する場合、 例えば、 Zr02 66〜88重量%, CaO 2〜4重量%及び C 10〜30重量%の組成を有するものを 使用することができる。 なお、 Zr02原料としては、 通常 CaO安定化 Zr02が広く使 用されているが、 この他に MgO安定化 Zr02, Y203安定化 Zr02, バデライ卜等を用 いることができる。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明のノズルの第 1の実施の態様 (配材パターン 1 ) を示す図で あり、 第 2図は、 本発明のノズルの第 2の実施の態様 (K材パターン 2) を示す 図であり、 第 3図は、 本発明のノズルの第 3の実施の態様 (配材パターン 3 ) を 示す図であり、 第 4図は、 本発明のノズルの第 4の実施の態様 (配材パターン 4) を示す図であり、 第 5図は、 本発明のノズルの第 5の実施の態様 (配材パターン 5) を示す図であり、 第 6図は、 本発明のノズルの第 6の実施の態様 (配材パタ —ン 6) を示す図であり、 第 7図は、 本発明のノズルの第 7の実施の態様 (配材 パターン 7 ) を示す図であり、 第 8図は、 本発明のノズルの第 8の実施の態様
(配材パターン 8) を示す図であり、 第 9図は、 従来のノズル (比較例 1 ) の配 材パターン 9を示す図であり、 第 10図は、 従来のノズル (比較例 2) の 材パ ターン 10を示す図であり、 第 1 1図は、 比較例 3〜 5のノズルの配材パターン
11を示す図であり、 第 12図は、 従来の AG質ノズル (比較例 6 ) の配材パタ —ン 12を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下に、 本発明を添付の図面にしたがって詳細に説明するが、 本発明は以下の 実施の形態に限定されるものではない。
(第 1の実施の形態)
図 1は、 本発明のノズルの第 1の実施の形態を示す図 (配材パターン 1 ) であ る。 10は、 全体がスピネル一ペリクレース一黒鉛系耐火物 (スピネル: 5!)〜 95重 量%, ペリクレース: O〜20重量%, 黒鉛: 5〜30重量%, 不可避の不純物: 3 重量%以下) で構成されているノズル本体を示し、 1 1 a は、 そのノズル本体 10の 内孔部を示している。
(第 2の実施の形態)
図 2は、 本発明のノズルの第 2の実施の形態を示す図 (配材パターン 2 ) であ る。 10は、 AG質耐火物で構成したノズル本体を示し、 1は、 上記スピネル一ペリ クレース一黒鉛系耐火物で構成した内孔部を示し、 2は、 ノズル本体 10内孔部 1 の吐出口周りの部分を示し、 3は、 Z r 02— C系耐火物で構成したパウダーライン 部を示している。
(第 3の実施の形態)
図 3は、 本発明のノズルの第 3の実施の形態を示す図 (配材パターン 3 ) であ る。 10は、 AG質耐火物で構成されノズル本体を示し、 2は、 上記スピネル一ペリ クレース一黒鉛系耐火物で構成した内孔部の内の吐出口周りの部分を示し、 3は、
Z i02 -C 系耐火物で構成したパウダーライン部を示している。
(第 4の実施の形態)
図 4は、 本発明のノズルの第 4の実施の形態を示す図 (配材パターン 4 ) であ る。 10は、 AG質耐火物で構成したノズル本体を示し、 1は、 上記スピネル一ペリ クレース一黒鉛系耐火物で構成した内孔部を示し、 3は、 Z r02— C 系耐火物で構 成されパウダーライン部を示している。
また、 本発明をより明らかにするために、 以下に、 比較のための配材パターン を示す。
図 9 , 1 0は、 本発明のノズルの第 1〜4の実施の形態における配材パターン :!〜 4とは異なる配材パターン 9 , 1 0を示す図であって、 10は、 AG 質耐火物
で構成したノズル本体を示し、 13は、 Zr02— C 系耐火物で構成されパウダーライ ン部を示し、 また、 11は、 高純度アルミナ耐火物で構成した内孔部を示している。
(第 5〜7の実施の形態)
図 5〜7は、 本発明のノズルの更に 3つの実施の形態を示す図 (配材パターン 5〜7 ) であって、 1は、 本発明のノズル用耐火物であるスピネル一ペリクレ一 ス系耐火物で構成された内孔部を示し、 2は、 本発明のノズル用耐火物であるス ピネル一ペリクレ一スー C系耐火物で構成された吐出口周りの部分を示し、 10は、 AG質の耐火物で構成されている本体材部分を示し、 そして、 3は、 Zr02-C系耐火 物で構成されているパウダーライン部を示している。
(第 8の実施の形態)
図 8は、 本発明のノズルの 1つの実施の形態を示す図 (配材パターン 8 ) であ る。 10は、 AG質の耐火物で構成されている本体材部分を示し、 1は、 本発明のノ ズル用耐火物であるスピネル一ペリクレース系耐火物で構成された内孔部を示し、 10a は、 AG質の酎火物で構成されている本体材内孔部を示し、 2は、 本発明のノ ズル用耐火物であるスピネル一ペリクレ一ス一 C 系耐火物で構成された吐出口周 りの部分を示し、 そして 3は、 Zr02— C 系耐火物で構成されているパウダーライ ン部を示している。
また、 本発明をより明らかにするために、 以下に、 この場合の比較のための配 材パターンを示す。
図 11, 12は、 上記本発明の第 5〜 7の実施の形態における配材パターン 5〜7 とは異なる配材パターン 11, 12を示す図であって、 (上記配材パターン 5〜7に おいては、 内孔部 1と吐出口周りの部分 2とに用いられる耐火物が異なっている のに対し)、 内孔部 11と吐出口周りの部分 12とに用いられる耐火物が同じ耐火物 で構成されていること、 即ち、 配材パターン 11においては、 内孔部 11と吐出口周 りの部分 12とが同じ耐火物のスピネル一ペリクレ一ス系耐火物で構成され、 又、 K材パターン 12においては、 内孔部 11と吐出口周りの部分 Πとが同じ従来の AG質 の耐火物で構成されていること、 を示している。 そして 13は、 Zr02- C系耐火物で 構成されているパウダーライン部を示している。
【実施例】
先ず、 上記第 1〜4の実施の形態のノズルを使用する場合の実施例を比較例と 共に挙げ、 本発明を具体的に説明する。
[実施例 1〜 5 ]
ノズルの配材パターンとして、 図 2に示したものを用いた。 パウダーライン部 3は、 Z r02— C系耐火物 (CaO安定化 Z rO 80重量%, 黒鉛 20重量%) で構成し、 ノ ズル本体 10は、 常用の AG質耐火物 (S i 02: 25重量%, C: 28重量%, 残りは A1203 ) で構成した。 内孔部 1の耐火物としては、 スピネル一ペリクレ一スー黒鉛系耐火 物を用いた。
その原料配合を表 1に示す。
なお、 内孔部 1の酎火物の厚みは、 8mmである。
【表 1】
[比較例 1 ]
ノズルの配材パターンとして、 図 9に示した配材パターン 9を用いた。
パウダーライン部 13は、 Z r02— C系耐火物 (CaO安定化 ZrO 80重量%, 黒鉛 20重量 % ) で構成し、 ノズル本体 10は、 常用の AG質耐火物( S i02: 25重量%, C: 28重 量%, 残りは A1203 ) で構成した。
[比較例 2 ]
ノズルの配材パターンとして、 図 10に示した配材パターン 10を用いた。
パウダーライン部 13は、 Z i02— C系耐火物 (CaO安定化 Z r02: 80重量%, 黒鉛: 20 重量%) で構成し、 ノズル本体 10は、 常用の AG質耐火物(S i02 : 25重量%, C: 28重量%, 残りは A1203 ) で構成した。 内孔部 11の耐火物として高純度 A1203 (厚 みが 8mm) を使用した。
本発明のノズルの効果を評価するため、 実機テストを行った。
[テス卜 1 ]
本テストは、 低炭素 A1キルド鑭 [組成 (重量%) は C: Q.08, Si: 0.03, n: 0.2, P: 0.01, S: 0.01, A1 : 0.05, 0: 0.003] を铸造した場合のテストである。 铸造温度は 158Q°Cで、 鎵造時間は 250分間であった。
テストの結果、 比較例 1及び比較例 2のノズルの稼働面にそれぞれ厚みが 12匪, 15龍の A1203付着層があつたのに対して、 実施例 1〜5のノズルは、 何れも A1203 付着層がわずか 2〜4 讓であり、 大幅な A1203付着低減効果が見られた。 また、 ノ ズルの割れや脱落もまったくなく、 安全に操業することができた。
しかし、 比較例 2のノズルを用いた場合は、 4本の中で 1本が使用中割れてしま つた。
[テス卜 2]
本テストは、 高酸素含有鋼 [組成 (重量%) は : 0.003, Si : 0.002, Mn: 0.3, P: 0.01, S: 0.01, A1: 0. OOlppm. 0: 0.06] を铸造した場合のテストである。 铸造温度は 156(TCで、 铸造時間は 230分間であった。
テストの結果、 内管の最大損傷厚みは、 比較例 1及び比較例 2のノズルがそれ ぞれ 8腿, 11mmであるのに対して、 実施例 1〜5のノズルは何れもわずかに 1〜 3 mmであり、 ノズルの溶損が顕著に小さかった。 また、 この場合でも、 ノズルの割 れゃ脱落はまったくなく、 安全に操業することができた。
[テス卜 3]
本テストは、 高 Mn含有鋼 [組成 (重量%) は : 0.04, Si : 0.02, Mo: 1.5, P: 0.01, S: 0.01, 0: 0.01] を铸造した場合のテス卜である。
テストの結果、 60°Cで 210分間铸造した後の内管の最大損傷厚みは、 比較例 1及び比較例 2のノズルがそれぞれ lOfflin, 13minであるのに対して、 実施例 1〜 5 のノズルは何れもわずか l〜4mmであり、 ノズルの溶損が遥かに低減した。 また、 ノズルの割れや脱落はなかった。
[テス卜 4]
本テストは、 ステンレス鋼 [組成 (重量%) は : 0.05. Si : 0.5, Mn: 1.0, P: 0.04, S: 0.02, Ni : 8.0, Cr: 18.0, 0: 0.005] を鎊造した場合のテスト である。
テストの結果、 155Q°C260分間铸造した後の内管の最大損傷厚みは、 比較例 1 及び比較例 2のノズルがそれぞれ 8nim, 9mmであるのに対して、 実施例 1〜5のノ ズルは何れもわずか 0. 5〜2nraであり、 ノズルの溶損が大幅に低減した。 また、 ノ ズルの割れや脱落はなかった。
[テスト 5 ]
本テストは、 Ca処理鋼 [組成 (重量%) は C: 0. 05, S i : 0. 3, n: 0. 8 , P:
0. 01. 5: 0. 01 , A1 : 0. 02 , Ca: 0. 003 , 0: 0. 002] を鏵造した場合のテスト である。
テストの結果、 1581TCで 2QQ分間铸造した後の内管の最大損傷厚みは、 比較例 1及び比較例 2のノズルがそれぞれ 8舰, 10腿であるのに対して、 実施例 1〜5 のノズルは何れもわずか 2 mmであり、 浸漬ノズルの溶損が著しく減少した。 また 、 ノズルの割れや脱落はなかった。
次に、 上記第 5〜 8の実施の形態のノズルを使用する場合の実施例を比較例と 共に挙げ、 本発明を具体的に説明するが、 その前に各種試験例を示す。
[試験例]
表 2に示した鉱物相の原料を表 2に示した成分割合になるように配合した原料 配合物を用いて、 本発明用試料 1〜5、 比較用試料 1〜6を得た。
そして、 本発明用試料 1〜5及び比較用試料 1〜6の各試料を用い、 各種の評 価試験を行った。
1 . 耐溶損性試験
本発明用試料 1〜5及び比較用試料 1〜 6の各試料を用い溶鑭に浸漬して、 耐 溶損性についての評価試験を行った。
高周波炉にてアルゴン雰囲気下で高酸素含有鋼を溶かし 1580°Cで保持した後、 直径が 40 腿、 高さが 230 删の試料を溶鋼に浸漬し、 さらに 100 f pmの速度で 60分 間回転させた。 その後、 各試料の直径の溶損量を測り、 比較用試料の AG質耐火物 の溶損量を 1とした溶損指数にて各試料の耐溶損性を評価した。
溶損指数が小さいほど、 耐溶損性は良い。
また、 高 Mn含有鍋、 ステンレス鋼及び Ca処理鑭についても同じ試験を行なった。 各試験結果を表 2に示した。
【表 2】
注) i CaO 5 %含有、 * :試料は亀裂が生じ脱落した。 S:スピネル、 P:ペリ クレース、 M:ムライ ト、 ·Ζ:ジルコニァ、 C:コランダム、 G:黒鉛。
上記の表から次のことが明かとなった。 すなわち、
1)いずれの溶鑭の塲合でも、 本発明用試料 1のスピネル、 本発明用試料 2と 3の (スピネル +ペリクレ一ス)は溶損が非常に小さかった。
2)いずれの溶鋼の場合でも、 常用されている比較用試料 1の AG質耐火物の溶損は 最も大きかった。 次いで、比較用試料 2の Zr02、 比較用試料 3の A1203および比較 用試料 5の (AlzOs+MgO) の頤となっている。 また、 比較用試料 4及び 5は、 溶 損がとくになかった。 (但し、 比較用試料 4には亀裂が多く出ていたし、 比較用 試料 5にも亀裂は出ていた。 )
3)溶損に及ぼす黒鉛の含有量の影響については、 20重量%以上であれば、 影響が 大きかったが、 それ以下であれば、 黒鉛含有量の增加につれて溶損傾向が増加し たが、 溶損はそれほど大きくなかった。
2. 耐スポ一リング性試験
表 2に示した各試料をノズルの内孔部あるいは吐出口周りの部分に用いて、 本 発明のノズルを製作し、 ノズルの耐スポ一リング性を評価した。
ノズルの配材として、 本発明のノズルは、 図 5に示した配材パターン 5、 比較 例のノズルは、 図 11に示す配材パターン 11を使用した。
ノズルの本体として、 いずれも AG質耐火物を用いた。 その組成は、 Al203:55重 量%、 Si02:25重量%、 C:20重量%であった。
これらのノズルを 10Q Kgの溶網に 60秒浸漬した後、 引き上げ空冷して、 亀裂発 生の有無を調べた。 その結果を表 3に示す。
【表 3】
[実施例 6〜8、 比較例 3〜5 ]
本発明の実施例 6〜8は、 表 3に示したように、 本発明用試料 1〜3を内孔部 用、 本発明用試料 4を吐出口周りの部分用とし、 図 5に記載のような配材パター ンとして本発明の各連続铸造用浸漬ノズルを得た。
また、 比較例 3〜5は、 表 3に示したように、 本発明用試料 1〜3を内孔部用 と吐出口周りの部分用との両方に使用し、 図 11に記載のような配材パターン 11と して、 比較例の各連続铸造用浸漬ノズルを得た。
更に、 比較例 6は、 表 3に示したように、 比較用試料 1を内孔部用と吐出口周 りの部分用との両方に使用し、 図 12に記載のような配材パターン 12として、 従来 の AG質ノズルを得た。
そこで、 本発明のノズルと比較例のノズルを用いて、 高酸素含有鋼、 高 Mn含有 鋼、 ステンレス鋼、 Ca処理鋼の各連続铸造に用いた場合の実施テストを行った。 i) 高酸素含有鋼用の連続铸造用浸漬ノズルとして
テストは表 3に示した実施例 6の浸漬ノズルと、 比較例 6の AG質ノズルを、 高 酸素含有鑲 [組成 (重量%) は C:30 ppm、 Si :20 、 Mn:0.3、 P:0.01、 S:0. OK Al :10 Dpm、 O:600ppm] の連続铸造に用いて行なった。
8
テス卜の結果、 230分間鎊造した後の内管の最大損傷厚みは、比較例 6のノズル が 12 mmであるのに対して、 実施例 6のノズルではわずか 2 腿であり、ノズルの損 傷が著しく低減した。 また、 ノズル内孔部の割れや脱落は全くなく、 安全に操業 することができた。
ii) 高 Mn含有鑭用の連続铸造用浸漬ノズルとして
上記 i)で使用したものと同様な 2つの浸漬ノズルを、 高 Mn含有鋼 [組成 (重量 %) は C:0.04、 Si:0.02、 n:l.5. P:0.01、 S:0.01、 0:100 ppm] の連続鏵造に用 いて行った。
テストの結果、 Π0分間铸造した後の内管の最大損傷厚みは、比較例 6のノズル が 13 mmであるのに対して、 実施例 6のノズルではわずか 2.5 龍であり、ノズルの 損傷が顕著に小さくなつた。 また、 ノズル内孔部の割れや脱落もなかった。 iii) ステンレス鋼用の連続銬造用浸漬ノズルとして
上記 i)で使用したものと同様な 2つの浸漬ノズルを、 ステンレス鋼 [組成 (重量 %)は C:0.05、 Si:0.5、 Mn:1.0、 P:0.04、 S:0.02、 Ni:8.0、 Cr:18.0、 0:50 ppm] の連続铸造に用いて行った。
テス卜の結果、 260分間铸造した後の内管の最大損傷厚みは、比較例 6のノズル が 9 mmであるのに対して、 実施例 6のノズルでは 1 nunであり、 ノズルの損傷が遥 かに低減した。 また、 ノズル内孔部の割れや脱落はなかった。
iv) C a処理鑭用の連続铸造用浸漬ノズルとして
上記 i)で使用したものと同様な 2つの浸漬ノズルを、 Ca処理鋼 [組成(重量%) は C:0.05、 Si:0.3、 Mn:0.8、 P:0.01、 S:0.01、 Α1:0·02、 Ca:30 ppm, O:20ppm] の連続铸造に用いて行った。
テス卜の結果、 200分間銪造した後の内管の最大損傷厚みは、比較例 6のノズル が 8 匪であるのに対して、 実施例 6のノズルでは 1 讓であり、 ノズルの損傷が大 幅に低減した。 また、 ノズル内孔部の割れや脱落はなかった。
上記の表 3から、 次ぎのことが明かとなった。
吐出口周りの部分にスピネル一ぺリクレース一 C系耐火物を用いた本発明のノ ズルは、 いずれも亀裂が出ていなかつたが、 吐出口周りの部分に黒鉛が含まれて いない材質を用いた比較例のノズルは、 いずれも吐出口の付近に亀裂が発生して
いた' 産業上の利用分野
以上詳記したとおり、 本発明の鋼の連続铸造用浸漬ノズルは、 ノズル全体又は 少なくとも溶鋼と接するノズルの内孔部の一部が、 スピネル一ペリクレ一スー C 系耐火物、 特に、 スピネル: 5(!〜 95重量%, ペリクレース:(!〜 20重量%, 黒鉛: 5〜30重量%, 不可避の不純物: 3重量%以下のスピネル一ペリクレ一スー黒鉛 系の耐火物からなることにより、 鑭中の A1203付着によるノズルの閉塞は大幅に 抑制され、 ノズルの溶損は顕著に低減し、 また、 ノズルが割れる恐れも無く、 安 全に操業することができることから、 A1キルド鋼鏵造に適しているばかりでなく、 高酸素含有網, 高 Mn含有鋼, Ca処理鑭, ステンレス鋼等の铸造にも適している。