JP3750965B2 - 鋼の連続鋳造用ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造用ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術・課題】
鋼の連続鋳造用ノズルとしては、従来よりアルミナ−黒鉛質の材料が多く使用されている。即ち、連続鋳造用ノズルとしては、取鍋とタンディッシュとの間で使用される浸漬ノズルやスライドゲートと浸漬ノズルとの間で使用されるシュートノズル等があり、これらのノズルは、その使用条件から”溶鋼やスラグに対する耐食性及び耐スポーリング性”に対する要求が大変厳しいものになっている。そして、このような要求に対してアルミナ−黒鉛質の材料が多用されているのが実情である。
【0003】
ところで、アルミナ−黒鉛質材料からなるノズルを用いた場合、特に溶鋼中にAlを多く含むアルミキルド鋼の鋳造に用いると、Alが酸化して生成したアルミナ(Al)がノズル内壁に付着し、ノズル閉塞が生じ易いという問題がある。
【0004】
最近、生産性向上の点から鋳造の多連鋳化が進められているが、アルミナ付着によるノズル閉塞が生ずると、溶鋼の流量制御が不可能となり、鋳造の継続が困難となる。
また、鋳造途中に閉塞物が溶鋼の流れによって剥離する場合があり、この場合には、閉塞物がモールド内に混入し、鋳片中に取り込まれ、鋳片の欠陥を生成する要因の一つともなっている。
【0005】
溶鋼中のAlと浸漬ノズルを構成する耐火物との間には、一般に次の式(1)〜(3)に示すような反応が生じ、ノズルへのアルミナ付着が進行していると考えられる。
SiO(s)+C(s)=SiO(g)+CO(g) (1)
3SiO(g)+2Al=Al(s)+3Si (2)
3CO(g)+2Al=Al(s)+3C (3)
上記式中、(s)は固相を、(g)は気相をそれぞれ表す。
【0006】
まず、耐火物中に含まれているSiO(s)とC(s)の間で、上記式(1)で示される反応が生じ、SiO(g)とCO(g)が生成する。
次に、溶鋼中のAlとこれらのSiO(g)やCO(g)との間で、上記式(2)及び(3)で示される反応が生じ、Al(s)が生成してノズル内孔表面に付着する。そして、このようにして生成したアルミナを起点として、これに溶鋼中のアルミナが付着、堆積してノズル閉塞が進行していくと考えられる。
【0007】
このようなノズル閉塞を防止する手段として、従来より様々な方法が検討され、提案されている。例えば、ノズル閉塞を防止する効果的な方法としては、一般的にガス吹きが行われている。このガス吹き法は、浸漬ノズル等の内孔部を多孔化し、気孔を通してArガス等を流す方法であって、該ガスの流れによってアルミナの付着を防止する手法である。この方法は、ノズル閉塞防止には効果的であり、多くの製鉄所でこの手段が採用されている。
【0008】
しかし、ノズル閉塞が防止できる程度にガスを流すと、ガスの微細な気泡がモールド内に侵入して鋳片中に取り込まれ、欠陥を生成するという欠点がある。また、モールド内での湯面変動が大きくなり、介在物を巻き込み易くなるため、同様に鋳片中に欠陥が生成し易くなるという欠点もある。
【0009】
上記ガス吹き法以外の方法としては、特公平2−23494号公報に、重量比でCaOを16〜35重量%、元素周期律表のIII族及びIV族の酸化物から選ばれた一種又は二種以上を0.5〜5重量%、鉱物組成としてCaZrOを主成分とするカルシウムジルコネート系クリンカー20〜95重量%、黒鉛5〜50重量%、金属シリコン1重量%以下からなる混合物に有機質バインダーを添加し成形後、非酸化性雰囲気中で焼成することを特徴とするZrO−CaO含有連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法が開示されている。これは、ジルコニアクリンカー中に含まれるCaOと溶鋼中に析出したAl粒子とを反応させてCaO−Al系の低融点化合物を取り除き、アルミナ付着を防止しようとするものである。
【0010】
この方法は、アルミナ付着防止には効果があると考えられている。そして、このようなCaOを含有するジルコニアクリンカーを用いた耐火材料をノズル内孔部に配設した浸漬ノズルは、実際に多くの連続鋳造機で使用されているのが実状である。しかし、CaOを含有するジルコニアクリンカーは熱膨張率が大きく、しかも、このジルコニアクリンカーを使用した耐火材料は、ノズル内孔部に配設されるため、鋳造初期にノズルの外側に大きな熱応力が発生し、耐スポーリング性に劣るという欠点がある。
【0011】
一方、特開平3−246258号公報には、タンディッシュ内溶鋼を鋳型内に連続注入するための浸漬ノズル及びこの浸漬ノズルの上部に接続される中間ノズルの一方または両方の内面を、(a)5重量%を超えるSiOを含まず、Alが90重量%以上のカーボンレス高アルミナ質耐火物;(b)5重量%を超えるSiOを含まず、MgOが90重量%以上のカーボンレス高マグネシア質耐火物;(c)5重量%を超えるSiOを含まず、ZrOが90重量%以上のカーボンレス高ジルコニア質耐火物のいずれか一種または二種以上を組み合わせた耐火物材料で構成した連続鋳造用ノズルが開示されている。また、特開平5−154628号公報には、アルミナ含有量99重量%以上のアルミナクリンカーを主成分とし、アルミナ含有量が70重量%以上、カーボン含有量が1重量%未満、シリカ含有量が1重量%未満の耐火物組成を有し、かつ、0.21mm以下の粒度が20〜70%を占める粒度構成を有する連続鋳造用ノズル内孔体が開示されている。更に、特開平8−57601号公報には、本体をカーボン源を含有する耐火材料によって形成し、溶鋼が通過する部位及び溶鋼と接触する部位をカーボン源を含有しない耐火材料によって被覆した連続鋳造用ノズルにおいて、前記カーボン源を含有しない耐火材料による被覆部位が内孔直胴部、内孔下底部、吐出孔部及び溶鋼に浸漬する外周部であり、前記被覆部位がカーボン源を含有しない耐火材料の円筒状体によって形成され、且つ、前記円筒状体が前記直胴部では0.5〜2.0mm厚の目地を介して、また、前記内孔下底部及び吐出孔部では1〜5mm厚の目地を介して設けられていることを特徴とする連続鋳造用ノズルが開示されている。また、特開平8−57613号公報には、カーボン質含有耐火物によって形成したノズル本体の内孔部の不活性ガス吐出部分を、通気性を有し、且つ、カーボン源を含有しない耐火物によって積層したことを特徴とする連続鋳造用の浸漬ノズルが開示されている。これらの公報に開示されている浸漬ノズルは、アルミナやマグネシア等の酸化物をノズル内孔部や溶鋼との接触部位に配設したものであって、アルミナ付着の防止やカーボンピックアップの防止に効果があることが記載されている。
【0012】
しかし、これらの公報に記載の発明では、いずれもカーボン源を殆ど含まない耐火材料を使用したものであり、従って、その熱膨張率は必然的に大きくなり、耐スポーリング性に劣るという欠点がある。また、鋳造時間が長くなるとアルミナ付着が生じ、アルミナ付着防止の効果が少なくなるという欠点がある。
【0013】
また、上述の耐スポーリング性に劣るという欠点を解決する手段として、前記の特開平8−57601号公報及び特開平3−243258号公報には、ノズル内孔部や溶鋼との接触部位をノズル本体と別成形とすることについて記載されており、ノズル本体を完成させた後に、酸化物系材料を流し込みや圧入により施工したり、あるいはスリーブを挿入する方法が記載されている。しかし、この方法では、連続鋳造用ノズルの製造工程が大変繁雑となり、また、工程数も増え、製造コストが大変高くなるという欠点がある。更に、上記と同様に、鋳造時間が長いとアルミナ付着防止の効果が少ないという欠点がある。
【0014】
また、特開昭51−54836号公報には、浸漬ノズルの湯道表層部にAl、MnO、MgO、CaO、SiOを単独または複合して添加した耐火物を配設した連続鋳造用浸漬ノズルが開示されているが、該公報に開示されている浸漬ノズルはSiOを90%以上含むものであり、鋳造時の溶損が大きいという欠点がある。
【0015】
更に、特開昭63−203258号公報には、アルミナ−黒鉛質を主成分としたノズル本体の内周壁面に、MgO:1〜15重量%、C:20重量%以下、SiO:1重量%以下、残部が不可避不純物とZrOからなる部材を配置したことを特徴とする浸漬ノズルが開示されているが、該公報に開示されている浸漬ノズルでは、使用する原料の粒度構成やノズル内孔部の配設厚さ等については考慮されておらず、耐熱衝撃性の点で満足すべきものではない。
【0016】
上述のように、浸漬ノズルのアルミナ付着による閉塞防止対策として提案され、採用されている従来技術はいずれも前記した問題点や欠点がある。
【0017】
従って、本発明の目的は、浸漬ノズル等の鋼の連続鋳造用ノズルのアルミナ付着による閉塞を防止する手段として従来から採用されている前記した方法における問題点を解消し、耐スポール性及びノズル閉塞防止に効果がある鋼の連続鋳造用ノズルを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、ノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料が、ヘルシナイト9〜100重量%、及び残部がアルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア及びスピネルから選択される耐火原料から構成されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、FeO粉末、Fe 粉末、Fe ・FeO粉末、Fe粉末から選択される成分を含有してなることを特徴とする。
【0020】
更に、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、コーディエライト、スポージューメン、ユークリプタイト、酸化硼素、硼化ジルコニウム、ウォラストナイト、粘土、金属Si、酸化カルシウム、炭化ケイ素からなる群から選択される焼結助剤を含有してなることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、炭素原料を10重量%以下の量で含有してなることを特徴とする。
【0022】
更に、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、ノズル内孔部または溶鋼と接触する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料アルミナ10〜65重量%、FeO粉末、Fe 粉末、Fe ・FeO粉末及びFe粉末から選択されるFe成分粉末18.5〜70重量%(Fe換算量)、及シリカ、ムライト、ジルコニア及びスピネルからなる群から選択されたその他の耐火材料0〜70重量%の配合を有するものを適用し、所定の形状に成形し、乾燥の後、非酸化性雰囲気800〜1300℃で焼成して得られたFe−Al−O系化合物反応相を有するものであることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、コーディエライト、スポージューメン、ユー クリプタイト、酸化硼素、硼化ジルコニウム、ウォラストナイト、粘土、金属Si、酸化カルシウム、炭化ケイ素からなる群から選択される焼結助剤を含有してなることを特徴とする。
【0024】
更に、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、炭素原料を10重量%以下の量で含有してなることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、所定の形状に成形、乾燥することにより得られたノズルのノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも一部がAl 、FeO粉末、Fe 粉末、Al −FeO系化合物粉末、Fe ・FeO粉末及びFe粉末から選択される原料がAl 10〜95重量%及びFe成分3〜70重量%(Fe換算量)の範囲内にあり、且つ残余がムライト及び/またはシリカからなるAl 及びFe成分含有コーティングを備えてなり、非酸化性雰囲気800〜1300℃で焼成されていることを特徴とする。
【0026】
更に、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、所定の形状に成形、乾燥することにより得られたノズルのノズル内孔部や溶鋼と接する部位を構成する耐火材料がAl を含有する耐火材料より構成されているノズルのノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも一部が、FeO粉末、Fe 粉末、FeO−Al 系化合物粉末、Fe ・FeO粉末及びFe粉末から選択されるFe成分3重量%(Fe換算量)以上及び残部がアルミナ、ムライト及びシリカから選択される成分からなるFe成分含有コーティングを備えてなり、非酸化性雰囲気800〜1300℃で焼成されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、ノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料が、Fe含有量が5〜70重量%(Fe換算量)の範囲内にある電融アルミナ原料10〜100重量%及びその他の耐火材料0〜90重量%を含有してなることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明者らは使用後の浸漬ノズルに代表される鋼の連続鋳造用ノズルのノズル内孔部稼働面の組織観察を詳細に行った結果、下記のような知見を得た。
ノズル内孔部にカーボン含有量が不在または10重量%以下程度の耐火材料が適用されている浸漬ノズルにおいて、使用後の浸漬ノズルの内孔部稼働面側の表面に反応相が形成されている場合、該反応相が存在する部分にはアルミナが付着しない。また、同一浸漬ノズル内に、反応相が形成されている部分と、反応相が不在の部分が混在することもあるが、反応相が形成されている部分だけは、アルミナ付着が生じていないということが判った。
【0029】
この反応相を電子線マイクロアナライザー(以下「EPMA」と記載する)や粉末X線回折装置で解析した結果、主たる構成相はFe−Al−O系化合物であり、その他の成分としてSi、Mn、Ca等が含まれている場合もあるということが判った。
【0030】
上記知見を確認するために、本発明者らは次のような実験を行った。まず、カーボン2重量%、Al90重量%及びSiO8重量%の配合割合を有する耐火材料にバインダーとしてフェノール樹脂を外掛で6重量%添加し、混練して成形用練り土とし、所定の形状に成形した後、その表面に、FeOを主成分とする化合物(ミルスケール)を液状バインダー(フェノール樹脂)と混ぜ合わせてペースト状にしたものを塗布し、非酸化性雰囲気中1200℃で2時間焼成した。焼成後の試料について鏡面研磨試料を作製し、顕微鏡観察を行った結果、厚さ0.3mm程度の反応相が表面に生成しているのが確認できた。EPMAで、この反応相を分析した結果、Fe−Al−O系化合物であることが確認できた。また、部分的にはFe−Al−Si−O系反応相が生成していることも判った。
【0031】
次に、この試料を用いて、アルミキルド鋼を溶解した溶鋼中でのアルミナ付着実験を行ったところ、反応相表面にはアルミナ付着がほとんど生じないという結果が得られた。
【0032】
また、カーボン2重量%、Al原料50重量%、FeO粉末38重量%及びFe粉末10重量%の配合割合を有する耐火材料にバインダーとしてフェノール樹脂を外掛で5重量%添加し、混練して成形用練り土を得た。この練り土を成形後、非酸化性雰囲気中1200℃で2時間焼成した。得られた焼成体から20×20×230mmの供試体を切り出してアルミナ付着実験用試料とした。この供試体を1550℃に加熱して溶解したアルミキルド鋼中に浸漬し、アルミナ付着実験を行った。その結果、この供試体にはアルミナが付着しなかったが、比較テストしたAl単味の供試体には約1mmの厚さのアルミナが付着していた。テスト後、FeO粉末及びFe粉末を添加した供試体の溶鋼と接触した面を顕微鏡で観察すると共にEPMAで分析した結果、Fe−Al−O系化合物反応相が形成されていることが確認できた。更に、該供試体の内部にも、Fe−Al−O系化合物反応相が形成されているのが確認された。
【0033】
上述のように、Fe−Al−O系化合物反応相は、アルミキルド鋼のような溶鋼と接触してもアルミナ付着が生じないということを見出した。その理由は充分解明されてはいないが、以下のような点が考えられる。
一つは、Fe−Al−O系において、FeO−Al2成分系を考えると、液相生成温度が1400℃以下と低く、そのため鋳造時においては液相を含有する状態となっているためアルミナ付着が生じにくいと推定される。更に、生成したFe−Al−O系化合物と溶鋼との濡れ性が良いということも考えられる。そのため溶鋼中のアルミナクラスターがFe−Al−O系化合物反応相表面に付着することなく、溶鋼と一緒に流れていくことによりアルミナ付着防止が図られていることが考えられる。また、Fe−Al−O系化合物反応相が緻密質であり、耐火物内部からのガス成分(CO、SiO)の拡散が抑制され、そのため溶鋼中のAlの酸化が防止されてアルミナ付着が抑制されるということも推定される。
【0034】
このように、ノズルのノズル内孔部稼働面や溶鋼と接する部位にFe−Al−O系化合物反応相が形成された場合に、アルミナ付着が著しく抑制されることを本発明者らは見出した。
【0035】
上述のようにアルミナ付着防止効果を有する反応相は、主としてFe−Al−O系化合物であるが、他の成分としてSi、Ca、Mn等を含有してもアルミナ付着防止特性を何ら損なうものではない。これらの他の成分は、耐火物中から、あるいは溶鋼中の懸濁スラグ、介在物や溶鋼中成分そのものとして供給される。そして、このような成分を含有している場合、Fe−Al−O系化合物反応相以外に、Al−Si−O系化合物反応相やCa−Si−O系化合物反応相等が形成されることもあり、反応相全体としては複数の成分系から構成されるようになる。また、Fe−Al−O系化合物反応相は結晶相であっても、あるいは非晶質であっても付着防止効果に影響を与えるものではない。
【0036】
Fe−Al−O系化合物反応相は、ノズル内孔部表面や溶鋼と接する部位の表面に予め生成させておくこともできるが、鋳造前の予熱時の加熱や鋳造時の溶鋼からの加熱によって生成させることもできる。
【0037】
次に、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルの構成を説明する。
まず、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルの第1の態様によれば、該ノズルのノズル内孔部または溶鋼と接触する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料に、予めヘルシナイト( hercynite:Fe−Al−O系化合物を混合するか、または該耐火材料を全てヘルシナイトとする。ここで、ヘルシナイトの添加・配合量は9重量%以上、好ましくは20重量%以上である。ヘルシナイトの添加・配合量が9重量%未満であると、アルミナ付着防止効果を充分に発揮することができないために好ましくない。なお、該耐火材料を構成する他の耐火原料としてはアルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア、スピネル等を用いることができる。ここで、シリカは加熱時にヘルシナイトと反応してFe−Al−Si−O系化合物反応相を生成し、この反応相もアルミナ付着抑制に効果的であるため、他の耐火原料としてはシリカやムライト(3Al・2SiO)等を用いることが好ましい。更に、FeO粉末、Fe粉末、Fe・FeO粉末、Fe粉末等を配合することもできる。
【0038】
なお、ノズル内孔部や溶鋼と接する部位への前記耐火材料の配設方法は特に限定されるものではなく、慣用の方法を採用することができる。また、前記耐火材料には、炭素原料を10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量で配合することもできる。ここで、炭素原料の配合量が10重量%を超えると、例えば耐火材料にFeO粉末等を配合した場合に、FeO粉末の炭素原料による還元が生じ、Fe−Al−O系化合物反応相の生成が妨げられる恐れがあるために好ましくない。なお、本発明において用いる炭素原料としては、黒鉛、人造黒鉛等があるが、これら原料に限定されるものではない。また、前記耐火材料の混練には、通常有機バインダーを用いることが多いが、有機バインダーは非酸化性雰囲気中で焼成後も、その幾らかはカーボン分として残存する。炭素原料の配合量には、このような有機バインダー由来のカーボン分も含むものである。以下の第2〜第の態様においても同様である。
【0039】
また、前記耐火材料には、通常、鋼の連続鋳造用ノズルを作製する際に焼結助剤として用いられるコーディエライト、スポージューメン、ユークリプタイト、酸化硼素、硼化ジルコニウム、ウォラストナイト、粘土、金属Si、酸化カルシウム、炭化珪素等を配合することもできる。
【0040】
次に、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルの第2の態様によれば、該ノズルのノズル内孔部または溶鋼と接触する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料に、アルミナ10〜65重量%、FeO粉末、Fe 粉末、Fe ・FeO粉末及びFe粉末から選択されるFe成分粉末18.5〜70重量%(Fe換算量)及びシリカ、ムライト、ジルコニア及びスピネルからなる群から選択されるその他の耐火材料0〜70重量%以下の配合を有するものを適用し、慣用の方法により浸漬ノズルを作製し、その後非酸化性雰囲気800〜1300℃、好ましくは1000〜1200℃の温度で焼成することにより該耐火材料中のAlとFe成分粉末が反応してFe−Al−O系化合物反応相を該耐火材料を配設した部位に生成させるものである。
【0041】
ここで、アルミナの配合量が10重量%未満の場合や65重量%を超える場合には、生成するFe−Al−O系化合物反応相の生成量が少なくなり、アルミナ付着防止効果が充分に得られないために好ましくない。また、Fe成分粉末の配合量が18.5重量%未満(Fe換算量)である場合にも、生成するFe−Al−O系化合物反応相の生成量が少なくなり、アルミナ付着防止効果が充分に得られないために好ましくない。また、Fe成分粉末の配合量が70重量%を超えると、それに伴って他の耐火原料の配合量が減少し、ノズルの内孔部や溶鋼と接する部分の耐火材料としての特性を充分に付与できないために好ましくない。なお、Fe成分粉末としては例えばFeO粉末、Fe粉末、Fe・FeO粉末やFe粉末等を使用することができるが、Fe成分粉末として他のFe含有化合物の使用を限定するものではないことを理解されたい。
【0042】
また、アルミナやFe成分粉末と配合可能なその他の耐火材料としてはシリカ、ムライト、ジルコニア、スピネル等を例示することができる。ここで、シリカは加熱時にFe−Al−O化合物と反応してFe−Al−Si−O系化合物反応相を生成し、この反応相もアルミナ付着抑制に効果的であるため、他の耐火原料としてはシリカやムライト(3Al・2SiO)等を用いることが好ましい。
【0043】
また、前記耐火材料には、炭素原料を10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量で配合することもできる。ここで、炭素原料の配合量が10重量%を超えると、例えばノズルの内孔部や溶鋼と接する部分を構成する耐火材料にFeO粉末等を配合した場合に、FeO粉末の炭素原料による還元が生じ、Fe−Al−O系化合物反応相の生成が妨げられる恐れがあるために好ましくない。前記耐火材料には、通常、鋼の連続鋳造用ノズルを作製する際に焼結助剤として用いられるコーディエライト、スポージューメン、ユークリプタイト、酸化硼素、硼化ジルコニウム、ウォラストナイト、粘土、金属Si、酸化カルシウム、炭化珪素等を配合することもできる。
【0044】
本発明の鋼の連続鋳造用ノズルの第3の態様によれば、ノズルのノズル内孔部または溶鋼と接触する部位を構成する構成する耐火材料の少なくとも一部の表面に、Fe−Al−O系化合物反応相を備えてなる。この態様においては、慣用の方法により所定の形状に成形し、乾燥したノズルのノズル内孔部や溶鋼と接する部位の少なくとも1部の表面に、A及びFe成分を含有するスラリーを塗布してAl 及びFe成分含有コーティングを形成し、その後、ノズルを非酸化性雰囲気800〜1300℃、好ましくは1000〜1200℃の温度で焼成することによりFe−Al−O系化合物反応相を形成して、ノズルのアルミナ付着を防止するものである。この態様によれば、ノズルを構成するノズル本体や内孔部等の材質に関係なく、溶鋼と接する部位にFe−Al−O系化合物反応相を生成することができ、それによってアルミナ付着を抑制することができる。ただし、ノズル内孔部や溶鋼と接する部位を構成する耐火材料の炭素原料は10重量%以下、好ましくは5重量%以下とすることが好ましい。これは、炭素原料の配合量が10重量%を超えると、例えばノズルの内孔部や溶鋼と接する部分を構成する耐火材料にFeO粉末等を配合した場合に、FeO粉末の炭素原料による還元が生じ、Fe−Al−O系化合物反応相の生成が妨げられる恐れがあるためである。
【0045】
コーティングを形成するためのスラリーは、Al及びFe成分を含有してなるものである。この態様に使用するコーティング用のスラリーは、Al原料及びFe成分を有機バインダー中で混合、分散させたものである。ここで、Al含量とFe含量は、Al10〜95重量%、Fe成分3〜70重量%(Fe換算量)の範囲内である。Al含量が10重量%未満であると、Al−Si−O系化合物反応相の生成量が少なくなるために好ましくなく、また、該含量が95重量%を超える場合にも、Al−Si−O系化合物反応相の生成量が少なくなるために好ましくない。また、有機バインダーとしては例えばCMC等を使用することができる。なお、該スラリーはAl含量とFe含量が上記範囲内にあれば良く、両成分を含有するFeO・Al系化合物を用いてスラリーを調製しても、両成分をAl原料及びFe成分として別個に配合してスラリーを調製しても良い。なお、Fe成分としては例えばFeO粉末、Fe粉末、Al−FeO系化合物粉末、Fe・FeO粉末やFe粉末等を使用することができるが、Fe成分として他の化合物の使用を限定するものではないことを理解されたい。スラリーには、ムライト、シリカ等の他の成分を配合することもできる。
【0046】
上述のようなスラリーを焼成工程前のノズルのノズル内孔部や溶鋼と接する部位に塗布し、乾燥する。コーティング厚は、0.1〜2.0mm程度が好ましい。ここで、コーティング厚が0.1mm未満であると、アルミナ付着防止に効果がないために好ましくなく、また、コーティング厚が2.0mmを超えると、乾燥時の剥離の問題のために好ましくない。
【0047】
更に、鋼の連続鋳造用ノズルのノズル内孔部または溶鋼と接する部位を構成する耐火材料として、Alを含有してなる耐火材料を使用し、所定の形状に成形し、乾燥した後、該耐火材料の少なくとも一部の表面に、少なくともFe成分含有スラリーを塗布してコーティングを施し、次に、非酸化性雰囲気中800〜1300℃、好ましくは1000〜1200℃の温度で焼成することにより、前記耐火材料中のAlとスラリー中のFe成分を反応させてノズル内孔部や溶鋼と接する部位の表面にFe−Al−O系化合物反応相を形成することができる。
【0048】
即ち、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルの第4の態様によれば、該ノズルのノズル内孔部または溶鋼と接する部位を構成する耐火材料として、Alを含有してなる耐火材料を使用し、該耐火材料から構成されるノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも一部の表面にFe−Al−O系化合物反応相を備えてなるものである。この態様においては、慣用の方法により所定の形状に成形し、乾燥したノズルのノズル内孔部や溶鋼と接する部位の少なくとも一部の表面に、Fe成分含有スラリーを塗布してFe成分含有コーティングを形成し、その後、ノズルを非酸化性雰囲気800〜1300℃、好ましくは1000〜1200℃の温度で焼成することによりFe−Al−O系化合物反応相を形成して、ノズルのアルミナ付着を防止するものである。
【0049】
前記コーティングを形成するためのスラリーは、Fe成分を含有してなるものである。この態様に使用するコーティング用のスラリーは、Fe成分を有機バインダー中で混合、分散させたものである。ここで、Fe成分含量は、3重量%(Fe換算量)以上の範囲内である。Fe成分含量が3重量%未満であると、Al−Si−O系化合物反応相の生成量が少なくなるために好ましくない。また、有機バインダーとしては例えばPVA等を使用することができる。なお、該スラリーはFe含量が上記範囲内にあれば良く、Fe成分としては例えばFeO粉末、Fe粉末、FeO−Al系化合物粉末、Fe・FeO粉末やFe粉末等を使用することができるが、Fe成分として他の化合物の使用を限定するものではないことを理解されたい。また、スラリーには、アルミナ、ムライト、シリカ等の他の成分を配合することもできる。
【0050】
なお、この態様によれば、ノズル内孔部や溶鋼と接する部位を構成する耐火材料がAlを含有するものであることが必須であるが、Alの含有量は10重量%以上であることが好ましい。Al含有量が10重量%未満では、焼成の際にコーティング中のFe成分とAlが反応してFe−Al−O系化合物反応相を形成するのに充分ではない。なお、該耐火材料はAl含有量が上記範囲内にあれば他の成分は特に限定されるものではなく、慣用の公知の成分を配合することができる。ただし、炭素原料は10重量%以下、好ましくは5重量%以下とすることが好ましい。これは、炭素原料の配合量が10重量%を超えると、例えばノズルの内孔部や溶鋼と接する部分を構成する耐火材料にFeO粉末等を配合した場合に、FeO粉末の炭素原料による還元が生じ、Fe−Al−O系化合物反応相の生成が妨げられる恐れがあるためである。
【0051】
上述のようなスラリーを焼成工程前のノズルのノズル内孔部や溶鋼と接する部位に塗布し、乾燥する。コーティング厚は、0.1〜2.0mm程度が好ましい。ここで、コーティング厚が0.1mm未満であると、アルミナ付着防止に効果がないために好ましくなく、また、コーティング厚が2.0mmを超えると、乾燥時の剥離の問題のために好ましくない。
【0052】
上述のように、ノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を構成する部位の表面にFe−Al−O系化合物反応相を生成すると、アルミナ付着を著しく抑制することがてきるが、更に、本発明の鋼の連続鋳造用ノズルの第の態様によれば、ノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料が、Fe含有量〜70重量%(Fe換算量)の範囲内にある電融アルミナ原料10〜100重量%及びその他の耐火材料0〜90重量%を含有してなるものであり、該耐火材料を使用して慣用の方法によりノズルを作製し、乾燥することにより得られる。そして、Fe−Al−O系化合物反応相はノズル使用時の予熱や鋳造時の加熱により、より一層効果的にFe−Al−O系化合物反応相を生成することができる。
【0053】
ここで、耐火材料として用いられている通常の電融アルミナ原料には、耐火材料の耐食性を向上させるため、不純物成分を極力少なくすることが求められているが、本発明の第の態様においては、敢えてノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料として、Fe含有量が〜70重量%(Fe換算量)の範囲内にある電融アルミナ原料を使用する。
【0054】
電融アルミナ原料に存在するFe成分は、通常コランダムの固溶体の形態で存在するが、本発明の第の態様に使用する電融アルミナ原料においては、Feの存在形態については特に限定されるものではない。Fe成分が過剰に存在するようになると、コランダムの固溶体以外の相、例えばヘマタイトの固溶体などが存在するようになるが、本発明ではこれらの相を含めた形で電融アルミナ原料とするものである。また、電融アルミナ原料の組織形態についても特に限定されるものではない。なお、電融アルミナ原料において、Fe以外の成分が少量混入していることもあるが、本発明では、このようなFe以外の成分が混入していても、アルミナ付着防止効果を減ずるものではない。
【0055】
Fe含有量が〜70重量%(Fe換算量)の範囲内にある電融アルミナ原料を用いた場合、Fe−Al−O系化合物反応相の生成割合が高まるという点についてその理由は明確ではないが、ノズル使用時の予熱や鋳造時の加熱により前記耐火材料中のFe成分の拡散が容易になるということが考えられる。
【0056】
電融アルミナ原料に含まれるFe成分の含有量としては、Fe換算量で〜70重量%の範囲内が好ましく、〜30重量%の範囲内が更に好ましい。Fe成分の含有量が重量%未満であると、溶鋼と接した時に稼働面側でのFe−Al−O系化合物反応相の生成量が少なくなり、アルミナ付着防止効果が減少するために好ましくない。一方、Fe成分の含有量が70重量%を超えると、低融点のFe−Al−O系化合物反応相を過度に生成し、このFe−Al−O系化合物反応相が過度に存在すると溶鋼流による溶損が著しく助長されるようになるために好ましくない。
【0057】
なお、内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を形成する耐火材料には、該電融アルミナ原料を10〜100重量%の範囲で使用することができる。
【0058】
上述のように、内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を形成する耐火材料には、該電融アルミナ原料を単独で使用することも可能であるが、他の耐火材料と組み合わせて使用することも可能である。該電融アルミナ原料と組み合わせて用いることができる他の耐火原料は、特に限定されるものではないが、例えばアルミナ(Fe含有量の少ない通常のアルミナ)、ムライト、スピネル、ジルコニア、マグネシア、炭素原料等を挙げることができる。これらの他の耐火材料の配合量は0〜90重量%の範囲内である。
【0059】
なお、ノズル内孔部や溶鋼と接する部位への前記耐火材料の配設方法は特に限定されるものではなく、慣用の方法を採用することができる。また、前記耐火材料として、Fe成分の含有量が〜70重量%の範囲内にある電融アルミナ原料と炭素原料を組み合わせて使用する場合には、炭素原料の配合量は10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量である。炭素原料の配合量が10重量%を超えると、Fe−Al−O系化合物反応相の生成量が減少し、アルミナ付着防止効果が低下するために好ましくない。なお、炭素原料は特に限定されるものではなく、例えば、黒鉛、人造黒鉛等を使用することができる。また、耐火材料を混練する際には、有機バインダーを用いることが多いが、有機バインダーは非酸化性雰囲気中で焼成後もその幾らかはカーボン分として残存する。炭素原料の配合量には、このような有機バインダー由来のカーボン分も含まれるものとする。
【0060】
本発明の鋼の連続鋳造用ノズルの第の態様によれば、Fe成分の含有量が〜70重量%の範囲内にある電融アルミナ原料を内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を形成する耐火材料に使用することにより、溶鋼と接するノズル稼働面にFe−Al−O系化合物反応相を容易に生成することができる。
【0061】
更に、ノズル稼働面にFe−Al−O系化合物反応相を生成させるためには、上述のFe成分の含有量が〜70重量%の範囲内にある電融アルミナ原料を内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を形成する耐火材料に使用すると共に、その他の方法と組み合わせることにより更に容易にFe−Al−O系化合物反応相を生成させることが可能となる。例えば、溶鋼と接するノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を、Fe成分の含有量が〜70重量%の範囲内にある電融アルミナ原料を含有してなる耐火材料で構成し、その表面にFe成分含有スラリーを塗布してコーティングを形成する方法が挙げられる。使用前のバーナー加熱等による予熱や鋳造時の加熱により、コーティング層とその下に存在する前記耐火材料が反応してコーティング層にFe−Al−O系化合物反応相を鋳造前に形成させることができる。
【0062】
コーティング用のFe成分含有スラリーは、Fe成分を有機バインダー中で混合、分散させたものである。ここで、Fe成分含量は、3重量%(Fe換算量)以上の範囲内である。Fe成分含量が3重量%未満であると、Fe−Al−O系化合物反応相の生成量が少なくなるために好ましくない。また、有機バインダーとしては例えばPVA等を使用することができる。なお、該スラリーはFe含量が上記範囲内にあれば良く、Fe成分としては例えばFeO粉末、Fe粉末、FeO−Al系化合物粉末、Fe・FeO粉末や金属Fe粉末、(Fe、Mn)O粉末、CaO・Fe粉末等を使用することができるが、Fe成分として他の化合物の使用を限定するものではないことを理解されたい。また、スラリーには、アルミナ、ムライト、シリカ等の他の成分を配合することもできる。
【0063】
なお、該コーティング厚は、0.1〜2.0mm程度が好ましい。ここで、コーティング厚が0.1mm未満であると、アルミナ付着防止に効果がないために好ましくなく、また、コーティング厚が2.0mmを超えると、乾燥時の剥離の問題のために好ましくない。
【0064】
ところで、図1に示すように、連続鋳造用ノズルのアルミナ付着が生じる部位としては浸漬ノズル(1)のノズル内孔部が一般的であるが、それ以外にも、ストッパー(5)を用いて流量制御する構成の場合には、ストッパー(5)とインサートノズル(4)の嵌合部や、浸漬ノズル(1)とスライドゲート(3)の間に使用されるシュートノズル(2)近傍等がある。
【0065】
本発明の鋼の連続鋳造用ノズルは、アルミナ付着が生じ易い浸漬ノズル、シュートノズル、インサートノズル等として提供することができる。例えばインサートノズルはハイアルミナ質やAl−C質の材料で構成されることが多いが、本発明によりノズル内孔部や溶鋼と接する部位にFe−Al−O系化合物反応相を配設することができる。また、シュートノズルの場合でも同様である。特にストッパーによる流量制御の場合、インサートノズルのストッパーヘッドとの嵌合面への多量のアルミナ付着を生じることが多く、連鋳操業を阻害する大きな要因となっているが、インサートノズルを本発明のノズル構成とすることによってアルミナ付着を大きく低減することができる。
【0066】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではないことを理解されたい。
実施例1
耐火性材料としてアルミナ80重量%及びムライト20重量%よりなる原料混合物に対してバインダーとしてフェノール樹脂を外掛で6重量%用い、ウェットパンを用いて混練を行い、浸漬ノズルの内孔部成形用練り土を得た。
次に、得られた練り土を図2に示す配材パターンを有する浸漬ノズルのノズル内孔部(11)に配設するようにして浸漬ノズルをCIP成形法により成形した。なお、浸漬ノズルのノズル本体(10)の材質は、アルミナ−シリカ−黒鉛質からなるものであり、また、パウダーライン部(12)の材質は、ジルコニア−黒鉛質からなるものである。なお、図2中、(13)は溶鋼の吐出孔を示す。
次に、FeOとFeを重量比で5:1となるように有機バインダー(糖蜜)中で混ぜ合わせたスラリー(固形分50重量%)を作製し、このスラリーをノズル内孔部(11)表面へ塗布し、乾燥することによりコーティングを施した(本発明品1)。 更に、FeO・Al(hercynite)粉末を使用した以外は上記と同様の方法にてスラリーを調製し、上記と同様にノズル内孔部(11)表面へ塗布し、乾燥してコーティングを施した(本発明品2)。なお、コーティング厚は本発明品1、2とも約0.3mmとなるようにした。
また、ノズル内孔部(11)表面へ上記スラリーを塗布しない浸漬ノズルも調製した(比較品1)。
その後、浸漬ノズルを非酸化性雰囲気中1200℃で3時間焼成した。焼成後のコーティングを有する浸漬ノズルは、そのノズル内孔部(11)表面にFe−Al−O系化合物反応相が平均的に約0.3mmの厚さで生成していることが確認された。
このようにして調製した浸漬ノズルを用いて実炉での鋳造試験を2回行った。鋳造に用いた連鋳機は2ストランドタイプであり、1ストランドに本発明品の浸漬ノズル、2ストランドに比較品の浸漬ノズルを取り付けてテストを行った。鋳造した鋼種は2回のテストともC:0.01重量%、Al:0.03重量%の平均組成を有するアルミキルド鋼であった。
使用後の浸漬ノズルは全て回収し、切断した後、内孔部へのアルミナ付着量を調査した。表1に鋳造条件及びアルミナ付着量の測定結果を示す。
【0067】
【表1】
Figure 0003750965
注:アルミナ付着厚さは、吐出孔上部50mmの位置での内孔部付着厚さ(mm)を示す。
【0068】
上記結果から明らかなように、本発明品の浸漬ノズルは、ノズル内孔部へのアルミナ付着防止効果が大変優れていることが判る。
【0069】
実施例2
表2に記載する配合割合にて原料粉末を使用し、更に、バインダーとしてフェノール樹脂を外掛でそれぞれ5重量%配合して得られた混合物を混練して浸漬ノズル内孔部形成用混練物を得た。
【0070】
【表2】
Figure 0003750965
【0071】
得られた混練物を図2に示す配材パターンを有する浸漬ノズルのノズル内孔部(11)へ配設し、CIP成形法により1.0トン/cmで成形した。なお、ノズル本体(10)の材質は、アルミナ−シリカ−黒鉛質からなるものであり、パウダーライン部(12)の材質は、ジルコニア−黒鉛質からなるものである。成形した浸漬ノズルを次に非酸化性雰囲気中1200℃で3時間焼成した。焼成後の本発明品の浸漬ノズルは、そのノズル内孔部(11)表面にいずれもFe−Al−O系化合物反応相が生成されていることが確認された。
このようにした得られた浸漬ノズルを用いて実炉での鋳造テストを行った。鋳造に用いた連鋳機は2ストランドタイプであり、1ストランドに本発明品3〜7を、2ストランドに比較品2〜3を取り付けてテストを行った。また、本発明品8〜9及び10〜11はそれぞれ1ストランド、2ストランドに取り付けてテストを行った。鋳造した鋼種はC:0.01重量%、Al:0.04重量%の平均組成を有するアルミキルド鋼であった。
使用後の浸漬ノズルは全て回収し、切断した後、ノズル内孔部へのアルミナ付着量を調査した。表3に鋳造条件及びアルミナ付着量の測定結果を示す。
【0072】
【表3】
Figure 0003750965
注:アルミナ付着厚さは、吐出孔上部50mmの位置での内孔部付着厚さ(mm)を示す。
【0073】
本発明品の浸漬ノズルは、アルミナ付着量が大変少なく、ノズル内孔部(11)を構成する耐火材料へFeO粉末、Fe粉末、Fe粉末、FeO・Al粉末等を添加した場合においても、アルミナ付着防止効果に優れるということが判る。
【0074】
実施例3
図3に示す構成のAlが80重量%で、残部が主としてSiOからなるインサートノズルのノズル内孔部表面に、実施例1で用いたと同様のFeO及びFe含有スラリーを塗布し、乾燥してコーティングを施した後、非酸化性雰囲気中1200℃で3時間熱処理を行った。熱処理後、ノズルを切断して内孔部表面を調査した結果、Fe−Al−O系化合物反応相が生成していることが確認された。
【0075】
次に、このインサートノズル(4)を図4に示すように浸漬ノズル(1)上部にセットし、タンディッシュ(6)内に該インサートノズル(4)を取り付けた。溶鋼の流量制御はストッパー(5)によって行う方式である。鋳造を行った連鋳機は4ストランドタイプであり、1、2ストランドには本発明品を、3、4ストランドには比較品のインサートノズルを取り付けた浸漬ノズルをセットした。なお、テストを行った連鋳機において、3、4ストランドの比較品のインサートノズルを用いたものにあっては、インサートノズルのストッパーとの嵌合面にアルミナが多量に付着し操業阻害の問題を生じていた。
テスト後の浸漬ノズルは全て回収し、インサートノズルへのアルミナ付着量を調査した。表4に鋳造条件及びアルミナ付着厚さの測定結果を示す。なお、アルミナ付着厚さについては、嵌合面で最も付着厚さが厚かった部分の測定結果を示す。
【0076】
【表4】
Figure 0003750965
【0077】
実施例4
Feを5重量%及び30重量%含有する電融アルミナ原料2種と、ムライト及び通常のアルミナ原料を用いて表5に記載する配合割合にて原料粉末を用意し、更に、バインダーとしてフェノール樹脂を外掛でそれぞれ5重量%配合し、得られた混合物を混練して浸漬ノズルの内孔部形成用混練物を得た。
得られた混練物を図2に示す配材パターンを有する浸漬ノズルの内孔部(11)へ配設し、CIP成形法により1.0トン/cmで成形した。なお、ノズル本体(10)の材質はアルミナ−シリカ−黒鉛質からなるものであり、パウダーライン部(12)の材質はジルコニア−黒鉛質からなるものである。成形した浸漬ノズルを次に非酸化性雰囲気中1200℃で3時間焼成した。
【0078】
【表5】
Figure 0003750965
【0079】
このようにして得られた浸漬ノズルを次に実炉での鋳造テストを行った。鋳造に用いた連鋳機は2ストランドタイプであり、1ストランドに本発明品12または13を、2ストランドに比較品4または5を取り付けて行った。鋳造した鋼種はC:0.01重量%、Al:0.04重量%の平均組成を有するアルミキルド鋼であった。
使用後の浸漬ノズルは全て回収し、切断した後、ノズル内孔部へのアルミナ付着量を調査した。表6に鋳造条件及びアルミナ付着量の測定結果を示す。
【0080】
【表6】
Figure 0003750965
注:アルミナ付着厚さは、吐出孔上部50mmの位置での内孔部付着厚さを示す。
【0081】
上記結果から明らかなように、本発明品の浸漬ノズルは、アルミナ付着量が大変少なく、Feを含有する電融アルミナ原料を用いた場合においても、アルミナ付着防止効果に優れていることが判る。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、連続鋳造用ノズルのアルミナ付着を大幅に低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 連続鋳造用ノズルにおいて、アルミナ付着を生じ易い部位を説明する図である。
【図2】 実施例1及び2で作製した浸漬ノズルの配材パターンを示す図である。
【図3】 実施例3で作製したインサートノズルの概略図である。
【図4】 実施例3で作製したインサートノズルの適用例を示す図である。
【符号の説明】
1 浸漬ノズル
2 シュートノズル
3 スライドゲート
4 インサートノズル
5 ストッパー
6 タンディッシュ
10 ノズル本体
11 ノズル内孔部
12 パウダーライン部
13 溶鋼の吐出部

Claims (11)

  1. 鋼の連続鋳造用ノズルにおいて、ノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料が、ヘルシナイト9〜100重量%、及び残部がアルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア及びスピネルから選択される耐火原料から構成されることを特徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。
  2. 更に、FeO粉末、Fe 粉末、Fe ・FeO粉末、Fe粉末から選択される成分を含有してなる、請求項1記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
  3. 更に、コーディエライト、スポージューメン、ユークリプタイト、酸化硼素、硼化ジルコニウム、ウォラストナイト、粘土、金属Si、酸化カルシウム、炭化ケイ素からなる群から選択される焼結助剤を含有してなる、請求項1または2記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
  4. 更に、炭素原料を10重量%以下の量で含有してなる、請求項1ないし3のいずれか1項記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
  5. 鋼の連続鋳造用ノズルにおいて、ノズル内孔部または溶鋼と接触する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料に、アルミナ10〜65重量%、FeO粉末、Fe 粉末、Fe ・FeO粉末及びFe粉末から選択されるFe成分粉末18.5〜70重量%(Fe換算量)、及シリカ、ムライト、ジルコニア及びスピネルからなる群から選択されたその他の耐火材料0〜70重量%の配合を有するものを適用し、所定の形状に成形し、乾燥の後、非酸化性雰囲気800〜1300℃で焼成して得られたFe−Al−O系化合物反応相を有するものであることを特徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。
  6. 更に、コーディエライト、スポージューメン、ユークリプタイト、酸化硼素、硼化ジルコニウム、ウォラストナイト、粘土、金属Si、酸化カルシウム、炭化ケイ素からなる群から選択される焼結助剤を含有してなる、請求項5記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
  7. 更に、炭素原料を10重量%以下の量で含有してなる、請求項5または6記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
  8. 鋼の連続鋳造用ノズルにおいて、所定の形状に成形、乾燥することにより得られたノズルのノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも一部、Al 、FeO粉末、Fe 粉末、Al −FeO系化合物粉末、Fe ・FeO粉末及びFe粉末から選択される原料がAl 10〜95重量%及びFe成分3〜70重量%(Fe換算量)の範囲内にあり、且つ残余がムライト及び/またはシリカからなるAl及びFe成分含有コーティングを備えてなり、非酸化性雰囲気800〜1300℃で焼成されていることを特徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。
  9. 鋼の連続鋳造用ノズルにおいて、所定の形状に成形、乾燥することにより得られたノズルのノズル内孔部や溶鋼と接する部位を構成する耐火材料がAlを含有する耐火材料より構成されているノズルのノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも一部FeO粉末、Fe 粉末、FeO−Al 系化合物粉末、Fe ・FeO粉末及びFe粉末から選択されるFe成分3重量%(Fe換算量)以上及び残部がアルミナ、ムライト及びシリカから選択される成分からなるFe成分含有コーティングを備えてなり、非酸化性雰囲気800〜1300℃で焼成されていることを特徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。
  10. 鋼の連続鋳造用ノズルにおいて、ノズル内孔部または溶鋼と接する部位の少なくとも1部を構成する耐火材料が、Fe含有量が〜70重量%(Fe換算量)の範囲内にある電融アルミナ原料10〜100重量%及びその他の耐火材料0〜90重量%を含有してなることを特徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。
  11. 鋼の連続鋳造用ノズルが、浸漬ノズル、インサートノズルまたはシュートノズルである、請求項1ないし10のいずれか1項記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
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