JP3137939B2 - 鋼の連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

鋼の連続鋳造用浸漬ノズル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造用浸
漬ノズル、特に、高酸素含有鋼、高Mn含有鋼、Ca処理
鋼、ステンレス鋼等の鋼種の鋳造に用いられる連続鋳造
用浸漬ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造に際しては、従来から耐ス
ポーリング性に優れたAl2O3-SiO2-C質(以下、「AG質」と
いう)浸漬ノズルが最も広く用いられている。しかしな
がら、このAG質浸漬ノズルを高酸素含有鋼、高Mn含有
鋼、Ca処理鋼やステンレス鋼などの鋼種の鋳造に用いる
場合は、ノズルの異常溶損が生じる。ノズルの溶損は、
耐火物の使用寿命の低下を招くばかりではなく、製鋼工
程操業上の支障となったり、鋼材の品質にも悪影響を与
えたりする。それゆえ、耐溶損性ノズルの開発が、急務
となっている。
【0003】このような状況に対して、特開平3-243258
号公報には、5重量%を超えるSiO2を含まず、a)Al2O3
を90重量%以上含有、b)MgOを90重量%以上含有、c)Z
rO2を90重量%以上含有、したカーボンレスの各材料を
円筒状スリーブとして1種又は2種以上組み合わせて内
挿使用するノズルが開示されている。しかしながら、こ
のノズルにおいても同様にノズルの溶損は避けられな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、高酸素含有鋼、高Mn含有鋼、ステンレス鋼やCa処理
鋼などの鋼種の鋳造におけるAG質浸漬ノズルの溶損機構
について研究し、次のような機構を見いだした。
【0005】まず、耐火物が溶鋼と接触すると、その稼
働面中の黒鉛が溶鋼に速やかに溶解し、すなわち、 C(s)=C (1) その結果、稼働面は、Al2O3-SiO2系酸化物のみとなる。
その後、高酸素含有鋼、高Mn含有鋼及びステンレス鋼の
場合は、溶鋼中の溶解状態元素であるMnOおよびFeがM
nO、FeO状態で稼働面に浸透する。すなわち、MnO =(MnO) (2) Fe + O =(FeO) (3) さらに、溶鋼中のMnO-FeO系の介在物が稼働面へ衝突、
付着する。この2つの現象で浸透してきたMnO、FeOは、
稼働面中のAl2O3、SiO2と反応して、Al2O3-SiO2-MnO-Fe
O系の液体スラグを生成する。スラグは、溶鋼流れに流
失しやすいので、その結果として、ノズル耐火物の溶損
が生じる。
【0006】また、Ca処理鋼の場合は、溶鋼中のCaが稼
働面中のAl2O3やSiO2を還元し、CaOを生成させる。すな
わち、 SiO2(s) + 2Ca = 2(CaO) + Si (4) Al2O3(s) + 3Ca = 3(CaO) + 2Al (5) このようなCaOは稼働面に浸透する。さらに、溶鋼中のC
aO-Al2O3系の介在物も稼働面へ衝突、付着する。その結
果、稼働面ではCaO-Al2O3-SiO2系の液体スラグが生じ、
ノズル耐火物の溶損が発生する。
【0007】このような知見によれば、前記の特開平3-
243258号公報に記載のノズルには、次のような問題があ
ることがわかる。すなわち、 1) 耐火物が90重量%以上のAl2O3あるいはZrO2を含有し
ているものであっても、上記の(2)〜(5)式の反応が起こ
り、また溶鋼中の介在物も同様に付着し、結果として、
稼働面での液体スラグの生成、およびこれに起因するノ
ズル耐火物の溶損が不可避であること。 2) Al2O3あるいはZrO2を90重量%以上含有している耐火
物を、吐出口を含むノズルの内部に配置する場合は、本
体材であるAG質材よりも膨張率が大きいので、ノズル耐
火物の耐スポーリング性が劣化しやすくなること。 特に、使用中、亀裂がノズル吐出口の付近に発生しやす
いが、このことは、このあたりには熱衝撃を受ける稼働
面の数が多く、また応力集中しやすい形状となっている
からである。
【0008】そこで、本発明は、上記の知見に基づき、
上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的
とするところは、「高酸素含有鋼、高Mn含有鋼、ステン
レス鋼やCa処理鋼などの鋼種を鋳造する際に使用する、
耐溶損性および耐スポーリング性の連続鋳造用浸漬ノズ
ル」を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋼の連続鋳
造用浸漬ノズルは、「溶鋼と接触するノズルの内孔部の
少なくとも一部がスピネル系又はスピネル−ペリクレー
ス系の耐火物であり、吐出口周りの部分の少なくとも一
部がスピネル−黒鉛系又はスピネル−ペリクレース−黒
鉛系の耐火物であることを特徴とする鋼の連続鋳造用浸
漬ノズル。」(請求項1)、を要旨(発明を特定する事
項)とする。
【0010】また、本発明に係る鋼の連続鋳造用浸漬ノ
ズルは、「上記のスピネル−黒鉛系又はスピネル−ペリ
クレース−黒鉛系の耐火物中の黒鉛含有量を 5〜20重量
%とする」(請求項2)、ことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る鋼の連続鋳
造用浸漬ノズル(以下、「本発明のノズル」という)を詳
細に説明する。本発明のノズルは、溶鋼と接触するノズ
ルの内孔部にはスピネル系又はスピネル−ペリクレース
系の耐火物を使用し、吐出口周りの部分にはスピネル−
黒鉛系又はスピネル−ペリクレース−黒鉛系の耐火物を
使用するところに特徴がある。
【0012】このような構成とするのは、スピネル中の
Al2O3とMgOが、MgO・Al2O3の複合酸化物の形態で存在
し、両方とも熱力学的活量が低下するので、(2)〜(5)式
の反応が発生し難くなり、また、ペリクレースは溶鋼中
の元素と反応しても、低融点の液体スラグを生成しない
ことを、本発明者らが、見出したことによるものであ
る。
【0013】このように、内孔部が、スピネル又はスピ
ネル−ペリクレースの鉱物相からなるノズルは、高酸素
含有鋼、高Mn含有鋼、ステンレス鋼やCa処理鋼の鋳造に
使用しても、溶損が生じなかった。また、吐出口周りの
部分にはスピネル−黒鉛系又はスピネル−ペリクレース
−黒鉛系の耐火物を使用するので、ノズルの耐スポーリ
ング性が確保され、使用中割れが生じることはなかっ
た。
【0014】さらに、本発明のノズルは、ノズルの吐出
口周りの部分に使用するスピネル−黒鉛系又はスピネル
−ペリクレース−黒鉛系の耐火物中の黒鉛含有量を5〜
20重量%とする点にも特徴がある。このことによって、
ノズルの耐スポーリング性が確保されると同時に、吐出
口周りの部分の耐溶損性も保つことができるのである。
すなわち、黒鉛含有量が5重量%以下の場合、耐スポー
リング性が確保できない恐れがあり、また、黒鉛含有量
が20重量%以上の場合は、黒鉛の溶鋼への溶解による耐
火物の損傷が大きすぎるからである。
【0015】また、スピネル−ペリクレース−黒鉛系の
耐火物を用いる場合は、ペリクレースの含有量を40重量
%以下にするのが望ましい。これは、ペリクレースの含
有量が40重量%以上になると、ノズルの耐スポーリング
性が少々低下する傾向にあるからである。
【0016】本発明のノズルにおいては、使用する耐火
材料の鉱物組成を制御することも重要なことの一つであ
る。すなわち、類似の化学成分であっても構成鉱物(結
晶構造)が違うと自ずから溶鋼との反応性が異なり、ひ
いては耐溶損性に大きな差が生じるからである。
【0017】本発明では、溶鋼と接触するノズルの内孔
部の耐火物が、Al2O3とMgOとの複合酸化物であるスピネ
ル結晶、又はスピネル結晶及びMgOからなるペリクレース
結晶で構成されるものである。しかしながら、通常使用
されている耐火原料を使用して本発明のノズル用耐火物
を得る場合には、不可避の不純成分に伴う不可避の不純
鉱物が存在することもある。可能な限り不可避不純鉱物
を抑制することが好ましく、そのためには、スピネルお
よびペリクレースを構成するためのAl2O3及びMgO以外の
不純成分含有量は、3量%以下であることが好ましい。
3重量%を越えると、不純成分に伴う不純鉱物部分の耐
溶損性が低いため、スピネルやペリクレースより先に不
純鉱物部分が溶損してしまうので、好ましくない。
【0018】次ぎに、本発明のノズルの成形方法につい
て詳細に説明する。ノズルの成形方法としては、ノズル
の内孔部および吐出口周りの部分を構成する本発明のノ
ズル用耐火物の原料配合物と、ノズル本体を構成する耐
火物の原料配合物とを同時に加圧成形して所定のノズル
形状に成形する方法(同時成形法)が使用できる。ノズ
ル本体を構成する耐火物としては、従来使用されている
AG質耐火物等を適宜用いることができる。
【0019】この同時成形法によりノズルを成形する場
合には、フェノール樹脂や多糖類をバインダーとして混
練したAG質耐火材料等のノズル本体を構成する耐火物の
原料配合物と、内孔部および吐出口周りの部分を構成す
る本発明のノズル用耐火物の原料配合物を、型枠の所定
の位置に充填、CIP 法等により成形し、乾燥後、不焼成
品とするか、または焼成して製造することができる。な
お、ノズル本体を構成する耐火材料と内孔部及び吐出口
周りの部分を構成する本発明のノズル用耐火材料とは同
類のバインダーで混練するのが良い。同類のバインダー
を使用すれば、なじみが良く接着性を安定させることが
できるからである。
【0020】浸漬ノズルのパウダーライン部は、浸漬ノ
ズル使用中に侵食性の大きいモールドパウダーと接する
帯域であり、このため浸漬ノズル本体を構成するAG質耐
火物を耐食性に優れたZrO2-C質耐火物でこのパウダーラ
イン部を補強した構成としたものである。AG質やZrO2-C
質耐火物は、慣用の組成のものを使用することができ
る。AG質耐火物にあっては、例えば、Al2O3:30〜90重量
%、SiO2:0〜35重量%、C:10〜35重量%の組成を有する
ものを使用することができ、また、ZrO2-C質耐火物にあ
っては、CaO安定化ZrO2を使用する場合、例えば、ZrO2:
66〜88重量%、CaO:2〜4重量%及びC:10〜30重量%の組
成を有するものを使用することができる。なお、ZrO2
料としては、通常CaO安定化ZrO2が広く使用されている
が、この他にMgO安定化ZrO2、Y2O3安定化ZrO2、バデラ
イト等を用いることができる。
【0021】一方、本発明のノズル用耐火物の出発原料
としては、スピネル原料及び/又はペリクレースからな
るマグネシア原料を用いることが望ましい。出発原料と
してマグネシア原料とアルミナ原料を同時に用いると、
耐火材料の焼成あるいは使用中においては、マグネシア
とアルミナとが反応して、スピネルを生成するが、この
反応の進行に伴って耐火材料が膨張し、割れる恐れがあ
るからである。また、スピネル原料はスピネルを構成す
るMgO:Al2O3の比が必ずしも理論組成のものでなく、Mg
O過剰でスピネルとペリクレースが共存するもの、又
は、Al2O3過剰でもフリーのアルミナとしてのコランダ
ム結晶のないもの、でも良い。なお、スピネル原料とマ
グネシア原料は、電融品か焼成品かを問わず、何れも使
用することができる。
【0022】本発明のノズル用耐火物を形成するための
スピネルおよびマグネシアなどの出発原料の粒度につい
ては、1000μm以下、且つ、500μm以下の粒度割合が60重量
%以上とすることが好ましい。1000μmを超える粒子が
多いと、例えば20重量%を越えると、ノズル肉厚に対す
る粒径が大きすぎ、使用時に耐火組織の脆化、粒子の抜
け落ち等の原因となる。500μm以下の粒度割合が60重量
%未満であると、特に同時成形を行う際に成形性が劣り
満足な成形体が得られないことが多い。また、粒径が0.
5μm未満の原料が20重量%を超えると、耐火物の耐スポ
ーリング性が劣化し、割れが発生するので望ましくな
い。
【0023】さらに、ノズルの内孔部の厚みは、1〜10
mmの範囲が望ましい。該耐火物の厚みが1 mm未満の場合
には、その強度が小さいので、溶鋼流れの衝撃に耐え
ず、本体から脱落する恐れがある。また、10 mmを超え
ると、ノズル本体を構成する耐火物との熱膨張差が大き
いので、これに由来する亀裂が発生する恐れがあり(耐
スポーリング性が劣化)、望ましくない。
【0024】以下に本発明の実施の形態について、図面
を参照して説明するが、本発明は、以下の実施の形態に
限定されるものではなく、前記“発明を特定する事項”
の範囲内で適宜変更、変形することができるものであ
る。
【0025】(第1〜3の実施の形態)図1〜3は、本
発明のノズルの3つの実施の形態を示す図(配材パター
ン1〜3)であって、11は、本発明のノズル用耐火物で
あるスピネル系又はスピネル−ペリクレース系耐火物で
構成された内孔部を示し、12は、本発明のノズル用耐火
物であるスピネル−C系又はスピネル−ペリクレース−C
系耐火物で構成された吐出口周りの部分を示し、13は、
AG質の耐火物で構成されている本体材部分を示し、そし
て、14は、ZrO2-C系耐火物で構成されているパウダーラ
イン部を示している。
【0026】(第4の実施の形態)図4は、本発明のノ
ズルの1つの実施の形態を示す図(配材パターン4)で
あって、11は、本発明のノズル用耐火物であるスピネル
系又はスピネル−ペリクレース系耐火物で構成された内
孔部を示し、11aは、AG質の耐火物で構成されている本体
材内孔部を示し、 12は、本発明のノズル用耐火物である
スピネル−C系又はスピネル−ペリクレース−C系耐火物
で構成された吐出口周りの部分を示し、13は、AG質の耐
火物で構成されている本体材部分を示し、そして14は、
ZrO2-C系耐火物で構成されているパウダーライン部を示
している。
【0027】また、本発明をより明らかにするために、
以下に、比較のための配材パターンを示す。図5,6
は、上記本発明の第1〜3の実施の形態における配材パ
ターン1〜3とは異なる配材パターン5,6を示す図で
あって、(上記配材パターン1〜3においては、内孔部1
1と吐出口周りの部分12とに用いられる耐火物が異なっ
ているのに対し)、内孔部51,61と吐出口周りの部分52,6
2とに用いられる耐火物が同じ耐火物で構成されている
こと、即ち、配材パターン5においては、内孔部51と吐
出口周りの部分52とが同じ耐火物のスピネル系又はスピ
ネル−ペリクレース系耐火物で構成され、又、配材パタ
ーン6においては、内孔部61と吐出口周りの部分62とが
同じ従来のAG質の耐火物で構成されていること、を示し
ている。そして54,64は、ZrO2-C系耐火物で構成されて
いるパウダーライン部を示している。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を具体的に説明するが、その前に各種試験例を示
す。
【0029】[試験例]表1に示した鉱物相の原料を表
1に示した成分割合になるように配合した原料配合物を
用いて、本発明用試料1〜5、比較用試料1〜6を得
た。そして、本発明用試料1〜5及び比較用試料1〜6
の各試料を用い、各種の評価試験を行った。
【0030】1.耐溶損性試験 本発明用試料1〜5及び比較用試料1〜6の各試料を用
い溶鋼に浸漬して、耐溶損性についての評価試験を行っ
た。高周波炉にてアルゴン雰囲気下で高酸素含有鋼を溶
かし1580℃で保持した後、直径が40 mm、高さが230 mm
の試料を溶鋼に浸漬し、さらに100 rpmの速度で60分間
回転させた。その後、各試料の直径の溶損量を測り、比
較用試料のAG質耐火物の溶損量を1とした溶損指数にて
各試料の耐溶損性を評価した。溶損指数が小さいほど、
耐溶損性は良い。また、高Mn含有鋼、ステンレス鋼及び
Ca処理鋼についても同じ試験を行なった。各試験結果を
表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】上記の表から次のことが明かとなった。す
なわち、 1)いずれの溶鋼の場合でも、本発明用試料1のスピネ
ル、本発明用試料2と3の(スピネル+ペリクレース)は
溶損が非常に小さかった。 2)いずれの溶鋼の場合でも、常用されている比較用試料
1のAG質耐火物の溶損は最も大きかった。次いで、比較
用試料2のZrO2、比較用試料3のAl2O3および比較用試
料5の(Al2O3+MgO)の順となっている。また、比較用
試料4及び5は、溶損がとくになかった。(但し、比較
用試料4には亀裂が多く出ていたし、比較用試料5にも
亀裂は出ていた。) 3)溶損に及ぼす黒鉛の含有量の影響については、20重量
%以上であれば、影響が大きかったが、それ以下であれ
ば、黒鉛含有量の増加につれて溶損傾向が増加したが、
溶損はそれほど大きくなかった。
【0033】2.耐スポーリング性試験 表1に示した各試料をノズルの内孔部あるいは吐出口周
りの部分に用いて、本発明のノズルを製作し、ノズルの
耐スポーリング性を評価した。ノズルの配材として、本
発明のノズルは、図1に示した配材パターン1、比較例
のノズルは、図5に示す配材パターン5を使用した。ノ
ズルの本体として、いずれもAG質耐火物を用いた。その
組成は、Al2O3:55重量%、SiO2:25重量%、C:20重量%
であった。これらのノズルを100 Kgの溶鋼に60秒浸漬し
た後、引き上げ空冷して、亀裂発生の有無を調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】上記の表から、次ぎのことが明かとなっ
た。吐出口周りの部分にスピネル−C系又はスピネル−
ペリクレース−C系耐火物を用いた本発明のノズルは、
いずれも亀裂が出ていなかったが、吐出口周りの部分に
黒鉛が含まれていない材質を用いた比較例のノズルは、
いずれも吐出口の付近に亀裂が発生していた。
【0036】[実施例1〜3、比較例1〜4]本発明の
実施例1〜3は、表2に示したように、本発明用試料1
〜3を内孔部用、本発明用試料4を吐出口周りの部分用
とし、図1に記載のような配材パターンとして本発明の
各連続鋳造用浸漬ノズルを得た。また、比較例1〜3
は、表2に示したように、本発明用試料1〜3を内孔部
用と吐出口周りの部分用との両方に使用し、図5に記載
のような配材パターンとして、比較例の各連続鋳造用浸
漬ノズルを得た。更に、比較例4は、表2に示したよう
に、比較用試料1を内孔部用と吐出口周りの部分用との
両方に使用し、図6に記載のような配材パターンとし
て、従来のAG質ノズルノズルを得た。
【0037】そこで、本発明のノズルと比較例のノズル
を用いて、高酸素含有鋼、高Mn含有鋼、ステンレス鋼、
Ca処理鋼の各連続鋳造に用いた場合の実施テストを行っ
た。 i) 高酸素含有鋼用の連続鋳造用浸漬ノズルとして テストは表2に示した実施例1の浸漬ノズルと、比較例
4のAG質ノズルを、高酸素含有鋼[組成(重量%)はC:
30 ppm、Si:20 ppm、Mn:0.3、P:0.01、S:0.01、Al:10 p
pm、O:600ppm]の連続鋳造に用いて行なった。テストの
結果、230分間鋳造した後の内管の最大損傷厚みは、比較
例4のノズルが12 mmであるのに対して、実施例1のノ
ズルではわずか2 mmであり、ノズルの損傷が著しく低減
した。また、ノズル内孔部の割れや脱落は全くなく、安
全に操業することができた。
【0038】ii) 高Mn含有鋼用の連続鋳造用浸漬ノズ
ルとして 上記i)で使用したものと同様な2つの浸漬ノズルを、高
Mn含有鋼[組成(重量%)はC:0.04、Si:0.02、Mn:1.
5、P:0.01、S:0.01、O:100 ppm]の連続鋳造に用いて行
った。テストの結果、210分間鋳造した後の内管の最大
損傷厚みは、比較例4のノズルが13 mmであるのに対し
て、実施例1のノズルではわずか2.5 mmであり、ノズル
の損傷が顕著に小さくなった。また、ノズル内孔部の割
れや脱落もなかった。
【0039】iii) ステンレス鋼用の連続鋳造用浸漬ノ
ズルとして 上記i)で使用したものと同様な2つの浸漬ノズルを、ス
テンレス鋼[組成(重量%)はC:0.05、Si:0.5、Mn:1.0、
P:0.04、S:0.02、Ni:8.0、Cr:18.0、O:50 ppm]の連続鋳
造に用いて行った。テストの結果、260分間鋳造した後
の内管の最大損傷厚みは、比較例4のノズルが9 mmであ
るのに対して、実施例1のノズルでは1 mmであり、ノズ
ルの損傷が遥かに低減した。また、ノズル内孔部の割れ
や脱落はなかった。
【0040】iv) Ca処理鋼用の連続鋳造用浸漬ノズ
ルとして 上記i)で使用したものと同様な2つの浸漬ノズルを、Ca
処理鋼[組成(重量%)は C:0.05、Si:0.3、Mn:0.8、P:
0.01、S:0.01、Al:0.02、Ca:30 ppm、O:20ppm]の連続
鋳造に用いて行った。テストの結果、200分間鋳造した
後の内管の最大損傷厚みは、比較例4のノズルが8 mmで
あるのに対して、実施例1のノズルでは1 mmであり、ノ
ズルの損傷が大幅に低減した。また、ノズル内孔部の割
れや脱落はなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明のノズルは、溶鋼と接触するノズ
ルの内孔部の少なくとも一部がスピネル系又はスピネル
−ペリクレース系の耐火物であり、吐出口周りの部分の
少なくとも一部がスピネル−黒鉛系又はスピネル−ペリ
クレース−黒鉛系の耐火物で構成されることにより、高
酸素含有鋼、高Mn含有鋼、ステンレス鋼やCa処理鋼の鋳
造に使用された場合、ノズルの損傷は顕著に低減し、ま
た、ノズルが割れる恐れが全くないため、安全に操業す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノズルの第1の実施の態様を示す図で
ある。
【図2】本発明のノズルの第2の実施の態様を示す図で
ある。
【図3】本発明のノズルの第3の実施の態様を示す図で
ある。
【図4】本発明のノズルの第4の実施の態様を示す図で
ある。
【図5】比較例のノズルの配材パターンを示す図であ
る。
【図6】従来のAG質ノズルの配材パターンを示す図で
ある。
【符号の説明】
11,51 内孔部 11a,61 本体材内孔部 12,52,62 吐出口周りの部分 13,53,63 本体材部分 14,54,64 パウダーライン部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−220652(JP,A) 特開 平8−57601(JP,A) 特開 平5−309457(JP,A) 特開 平5−237610(JP,A) 特開 平3−257061(JP,A) 特開 昭61−172659(JP,A) 特開 昭59−18158(JP,A) 特開 平5−170558(JP,A) 特開 平3−243258(JP,A) 特開 平10−305355(JP,A) 実開 昭50−53415(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/10 330 B22D 41/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、溶
    鋼と接触するノズルの内孔部の少なくとも一部がスピネ
    ル系又はスピネル−ペリクレース系の耐火物であり、吐
    出口周りの部分の少なくとも一部がスピネル−黒鉛系又
    はスピネル−ペリクレース−黒鉛系の耐火物であること
    を特徴とする鋼の連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 【請求項2】 上記のスピネル−黒鉛系又はスピネル−
    ペリクレース−黒鉛系の耐火物中の黒鉛含有量を 5〜20
    重量%とする請求項1の鋼の連続鋳造用浸漬ノズル。
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