JP2019104030A - 鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用耐火材料および浸漬ノズル - Google Patents

鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用耐火材料および浸漬ノズル Download PDF

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宏治 森脇
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Abstract

【課題】本発明の目的は、浸漬ノズルの浸漬部の外側におけるアルミナ付着を抑制し、同時に耐スポーリング性を十分に確保できる鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用耐火材料および該耐火材料を用いた浸漬ノズルを提供することにある。【解決手段】本発明の耐火材料は、アルミナ40〜80質量%、シリカ10〜30質量%および黒鉛10〜35質量%からなる耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金をアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%含有してなることを特徴とし、本発明の浸漬ノズルは、本発明の耐火材料を少なくとも浸漬部に配設することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼の連続鋳造工程に使用される連続鋳造用浸漬ノズル用耐火材料および該耐火組成物を用いた浸漬ノズルに関するものである。
鋼の連続鋳造において、溶鋼をタンディッシュからモールドへ導入するため、耐火材料から構成される連続鋳造用浸漬ノズル(以下、「浸漬ノズル」と記載する)が用いられている。浸漬ノズルを構成する耐火材料は、通常、アルミナ、シリカのような酸化物原料と、黒鉛のような炭素質原料からなる。ここで、アルミナは、溶鋼に侵食され難く、熱膨張率が高いという特徴を有する。また、黒鉛は、アルミナとは異なり、溶鋼に侵食され易く、熱膨張率が低いという特徴を有する。更に、シリカは、溶鋼に対する耐食性がアルミナほど高くはないが、黒鉛よりは顕著に高く、また、熱膨張率は黒鉛よりも高いものの、アルミナより顕著に低いという特徴を有する。それゆえ、浸漬ノズル用耐火材料としては、一定の耐食性および耐スポーリングを兼備するアルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料が広く適用されている。
しかしながら、アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料から構成される浸漬ノズルを、Alキルド鋼の鋳造に適用すると、溶鋼が通過するノズル内孔に、アルミナ付着物が付着し易いという問題がある。この原因は、浸漬ノズル内部において、シリカが高温下でカーボンと反応し易いことにあると考えられている。シリカとカーボンの反応により発生するSiOガスおよびCOガスは、溶鋼中のAlと反応して、ノズル内孔の表面に網目状アルミナを生成する。この網目状アルミナは、アルミナ付着物の一部を構成するほか、組織が粗いために、網目状アルミナ上に、溶鋼中のアルミナ介在物粒が堆積し易い。
ノズル内孔に、アルミナ付着物が形成されると、ノズル内孔が狭くなり、溶鋼が通過し難くなるので、やむを得ず連鋳速度を低下することになる。また、アルミナ付着物が大きく成長すると、ノズル内孔が閉塞してしまい、鋳造を中断しなければならないことになる。したがって、ノズル内孔へのアルミナ付着物の生成は、連鋳操業および生産性に大きな影響を与えることとなる。
ノズル内孔へのアルミナ付着物の付着を抑制する対策の1つとして、浸漬ノズルの上方に位置する上ノズルの内孔を通して溶鋼へアルゴンなどの不活性ガスを吹き込む方法が採用されている。また、同時に、浸漬ノズルの内孔を通して溶鋼へ不活性ガスを吹き込む場合もある。しかし、この方法には、次のような欠点がある。すなわち、吹き込まれた不活性ガスによる気泡が、鋼の凝固シェルに捕捉され、鋳片中の欠陥になることがある。また、気泡は、モールド内で激しい湯面変動を引き起こし、パウダースラグの巻込みを促進させ、鋳片にパウダー性介在物を発生させることがある。
上述のような不活性ガスを吹き込む方法のほか、浸漬ノズルのノズル内孔にアルミナ付着物を生じ難い耐火材料、すなわち、アルミナ難付着性耐火材料を配設する方法も採用されている。アルミナ難付着性耐火材料としては、黒鉛不含のノンカーボン質耐火材料、シリカ含有量の低い低シリカ質耐火材料およびカルシアを含有するカルシア含有耐火材料(例えば、カルシア−ジルコニア質耐火材料、カルシア−マグネシア質耐火材料)などがある。このようなアルミナ難付着性耐火材料をノズル内孔に配設する場合、その厚みは通常、5〜10mm程度である。アルミナ難付着性耐火材料は耐スポーリング性が低いために、アルミナ難付着性耐火材料の厚みが厚くなると、ノズル割れが発生し易くなる。
アルミナ難付着性耐火材料を用いた連続鋳造用ノズルとして、例えば、特許文献1には、タンディッシュ内溶鋼を鋳型内に連続注入するための浸漬ノズルおよびこの浸漬ノズルの上部に接続される中間ノズルの一方または両方の内面を、(a)5重量%を超えるSiOを含まず、Alが90重量%以上のカーボンレス高アルミナ質耐火物;(b)5重量%を超えるSiOを含まず、MgOが90重量%以上のカーボンレス高マグネシア質耐火物;(c)5重量%を超えるSiOを含まず、ZrOが90重量%以上のカーボンレス高ジルコニア質耐火物のいずれか一種または二種以上を組み合わせた耐火物材料で構成した連続鋳造用ノズルが開示されている。
また、特許文献2には、アルミナ含有量99重量%以上のアルミナクリンカーを主成分とし、アルミナ含有量が70重量%以上、カーボン含有量が1重量%未満、シリカ含有量が1重量%未満の耐火物組成を有し、かつ0.21mm以下の粒度が20〜70%を占める粒度構成を有する連続鋳造用ノズル内孔体が開示されている。
さらに、特許文献3には、浸漬ノズルの内壁に炭素含有量が10質量%以下の炭素レス耐火物を内張りし、該内張りされた炭素レス耐火物の表面に、MgOを20〜70質量%含有するドロマイトのようなCaO含有耐火物の層を設けた難付着性の良好な連続鋳造用浸漬ノズルが開示されている。
また、特許文献4には、Ti:0.005〜0.02重量%で、Al:0.003重量%未満の溶鋼を連続鋳造する際に、少なくともノズル内孔の溶鋼接触面がZrO2:50〜90重量%、黒鉛:5〜40重量%、CaO:2〜10重量%とその他の耐火性原料よりなる浸漬ノズルを用いることを特徴とする鋼の連続鋳造方法が開示されている。
特開平3−243258号公報 特開平5−154628号公報 特開2005−270987号公報 特開平5−96348号公報
図4は、浸漬ノズル(10)がモールド(11)の溶鋼(17)に浸漬している状態を示す概略図である。ここで、浸漬ノズル(10)は、一般に、本体部(12)、スラグライン部(13)および浸漬部(14)から構成されており、浸漬部(14)には吐出口(15)が設置されており、浸漬ノズルは、本体部(12)から浸漬部(14)にわたる内孔部(図示せず)のほか、浸漬部(14)の外側も溶鋼と接触する。したがって、アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料から構成される浸漬ノズルは、浸漬部(14)の外側にも、アルミナ付着物がよく付着する。このアルミナ付着物は、タンディッシュからモールドへの溶鋼の通過に影響を及ぼすことはないが、以下のような問題を引き起こすことがある:例えば、浸漬部(14)の外側は、凝固シェル(16)のごく近傍に位置するので、アルミナ付着物からの脱落物は、モールド(11)内で浮上し難く、凝固シェル(16)に捕捉されやすい。しかも、このような脱落物は、一般的にサイズが大きいので、鋳片中の大型介在物になる。大型介在物は、鋼製品、特に高級鋼製品の欠陥発生の原因になるので、連鋳工程で極力防止することが必要となる。また、浸漬部(14)の外側にアルミナ付着物が存在すると、凝固シェル(16)前の溶鋼(17)の流れに影響を及ぼし、鋳片割れなどの問題も生じ易くなる。
一方、連続鋳造の開始時に、浸漬部(14)は、溶鋼中に速やかに浸漬された状態となるので、急速に昇温される。したがって、浸漬部(14)は、極めて高い耐スポーリング性が要求される。それゆえ、浸漬部(14)の外側へのアルミナ付着物の付着を防止するため、上記特許文献に開示されているアルミナ難付着性耐火材料(例えば、ノンカーボン質、低シリカ質、カルシア含有質など)を浸漬部(14)の外側に配設することは適用できない。これは、これらのアルミナ難付着性耐火材料を浸漬部(14)の外側に配設すると、浸漬部(14)に要求される耐スポーリング性を確保することができなくなるためである。
したがって、本発明の目的は、浸漬ノズルの浸漬部の外側におけるアルミナ付着を抑制し、同時に耐スポーリング性を十分に確保できる鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用耐火材料および該耐火材料を用いた浸漬ノズルを提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を克服するために、アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料に、種々の物質を添加した耐火材料について、溶融Alキルド鋼との作用によるアルミナ付着の発生状況、および昇温と冷却の繰返しによる割れ発生状況を系統的に検討した結果、一定量の金属アルミニウムを含有することによって、アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料のアルミナ難付着性が大幅に向上し、しかも、高い耐スポーリング性を維持できることが判明した。また、添加される金属アルミニウムの粒度が一定の条件を満足すると、アルミナ難付着性がもっと高くなることも判明した。
この理由については、次のように推定される。すなわち、浸漬ノズルが1500〜1600℃の高温の溶鋼と接触すると、温度が上昇するにしたがって、金属アルミニウム含有アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料中の金属アルミニウムからアルミニウムの蒸気が発生する。このアルミニウム蒸気はシリカ粒の周りへ拡散し、さらにシリカと反応してシリカ粒の表面に薄いアルミナコーティング層を生成する[反応(1)、(2)参照]。このアルミナコーティング層によって、前述のシリカとカーボンの反応によるSiOガスおよびCOガスの発生が抑制され、溶鋼と接触している金属アルミニウム含有アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料の表面には、アルミナ付着物が発生し難くなる。
Al(固体、液体)→Al(ガス) (1)
3SiO(固体)+4Al(ガス)→
2Al(固体)+3Si(固体、液体) (2)
シリカ粒表面に形成されるアルミナコーティング層の厚みは薄いため、反応(2)により示されるようなアルミナコーティング層の形成に消費されるシリカ量は極少量であり、金属アルミニウム含有アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料へ高い耐スポーリング性を確保するために配合されているシリカの作用に影響を殆ど及ぼすことはなく、高いレベルの耐スポーリング性を維持することができる。
なお、アルミニウム蒸気の一部は、ノズル耐火物における気孔内に最初から存在している空気と反応して、Al−O−N系化合物相(以下、「Al−O−N相」と記載する)へ変化する。このAl−O−N相は、気孔を充填し、耐火材料組織の緻密化をもたらす。その結果、たとえノズル内部においてSiOガスおよびCOガスが発生したとしても、浸漬ノズルの表面にこれらのガスが到達することを防止でき、このことによっても、アルミナ付着物は発生し難くなる。
本発明は、上記知見を基になされたものである。
すなわち、本発明は、アルミナ40〜80質量%、シリカ10〜30質量%および黒鉛10〜35質量%からなる耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金をアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%含有してなることを特徴とする鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料を提供することにある。
また、本発明は、本体部、スラグライン部および浸漬部から構成される鋼の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、少なくとも浸漬部が、アルミナ40〜80質量%、シリカ10〜30質量%および黒鉛10〜35質量%からなる耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金をアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%含有してなるアルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料から構成されることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルを提供することにある。
さらに、前記金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金は、粒度0.1mm以下の金属アルミニウムを80質量%以上含むことを特徴とする。
本発明によれば、本体部、スラグライン部および浸漬部から構成される浸漬ノズルの少なくとも浸漬部に、金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金を含むアルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料を使用することにより、浸漬ノズルの浸漬部に必要な高い耐スポーリング性を十分に確保すると同時に、浸漬部でのアルミナ付着物の発生を抑制することができ、これによって、より品質の高い鋼鋳片を安定的に生産することが可能となる。
本発明の浸漬ノズルの配材パターンの一例を示す概略図である。 本発明の浸漬ノズルの配材パターンの他の例を示す概略図である。 本発明の浸漬ノズルの配材パターンのさらに他の例を示す概略図である。 浸漬ノズルがモールド内の溶鋼に浸漬している状態を示す概略図である。
本発明の鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料(以下、「本発明の耐火材料」と記載することもある)は、アルミナ40〜80質量%、シリカ10〜30質量%および黒鉛10〜35質量%からなる耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金をアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%含有してなることを特徴とするものである。金属アルミニウムを配合することによって、極めて高い耐スポーリング性を要求される浸漬ノズルの浸漬部の耐スポーリング性を十分に確保すると同時に、浸漬部外側でのアルミナ付着物発生の問題を解消することができる。
ここで、本発明の耐火材料を構成する耐火骨材中のアルミナの配合量は、40〜80質量%、好ましくは50〜70質量%、シリカの配合量は、10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%、黒鉛の配合量は、10〜35質量%、好ましくは15〜30質量%の範囲内である。アルミナの配合量が40質量%未満であると、浸漬ノズルの耐食性が不足するため好ましくなく、また、80質量%を超えると、耐スポーリング性が不足するため好ましくない。また、シリカの配合量が10質量%未満であると、耐スポーリング性が不足するため好ましくなく、また、30質量%を超えると、耐食性が不足するため好ましくない。さらに、黒鉛の配合量が10質量%未満であると、耐スポーリング性が不足するため好ましくなく、また、85質量%を超えると、耐食性が不足するため好ましくない。
上記配合を有する耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムを外掛で1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%配合する。ここで、金属アルミニウムの配合量が耐火骨材100質量%に対して外掛で1質量%未満であると、アルミナ付着物の抑制効果は不十分であるために好ましくない。また、10質量%を超えると、上述した反応の後に多量の金属アルミニウムが残存し、浸漬ノズルの当該アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料を配設した部位の強度が低くなり、折れなどのトラブルが生じることがあるために好ましくない。
なお、配合される金属アルミニウムは、粒度0.1mmの金属アルミニウムを80質量%以上、好ましくは90質量%以上を含むものが特に好ましい。粒度0.1mm以下の金属アルミニウムが80質量%未満であると、粒度0.1mmを超える金属アルミニウムが多くなりすぎ、上記反応が遅延するため、アルミナ付着物の抑制効果が小さくなるために好ましくない。なお、本明細書に記載する金属アルミニウムの粒度は、JIS Z8801−1:試験用ふるい−第1部:金属製網ふるいによる篩分けで測定したものである。
また、上記耐火原料の粒度は、成形性などを勘案して3mm程度以下にコントロールされているのが一般的であり、金属アルミニウムの最大粒度は、3mm程度以下である。
なお、金属アルミニウムとしては、アルミニウム単体は勿論のこと、他の成分(例えば、シリコン、クロム、鉄、マンガンやマグネシアなど)を含む2元系以上のアルミニウム含有合金を使用することもできる。アルミニウム含有合金を用いる場合、その配合量は、前記耐火骨材100質量%に対してアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%の範囲内である。
また、酸化防止や熱間強度向上などの目的で、炭化物、窒化物、ホウ化物や他の金属を配合することができる。
次に、本発明の浸漬ノズルは、本体部、スラグライン部および浸漬部から構成される浸漬ノズルであり、浸漬ノズルの少なくとも浸漬部に、アルミナ40〜80質量%、シリカ10〜30質量%および黒鉛10〜35質量%からなる耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムをアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%含有してなるアルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料(本発明の耐火材料)を適用することを構成上の特徴とするものである。本発明の耐火材料を使用することによって、極めて高い耐スポーリング性を要求される浸漬ノズルの浸漬部の耐スポーリング性を十分に確保すると同時に、浸漬部外側でのアルミナ付着物発生の問題を解消することができる。
上記構成を有する本発明の耐火材料は、浸漬ノズルの少なくとも浸漬部に配設することにより、上記のような効果を得られるが、浸漬ノズルの本体部や本体部から浸漬部にわたる浸漬ノズルの内孔部にも効果的に配設することができ、例えば、図1ないし3に示すような浸漬ノズルの配材パターンとすることができる:
図1は、浸漬部に、本発明の耐火材料(1)を、スラグラインに、ジルコニア−黒鉛質耐火材料(3)を、本体部に、アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料(2)を配設した浸漬ノズルを示す;
図2は、浸漬部から本体部にわたる内孔部に、本発明の耐火材料(1)を、スラグラインの内孔部を除く部位に、ジルコニア−黒鉛質耐火材料(3)、本体部の内孔部を除く部位に、アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料(2)を配設した浸漬ノズルを示す;
図3は、スラグラインに、ジルコニア−黒鉛質耐火材料(3)を、浸漬部および本体部に、本発明の耐火材料(1)を配設した浸漬ノズルを示す。
本発明の浸漬ノズルは、本発明の耐火材料並びに慣用のアルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料、慣用のジルコニア−黒鉛質耐火材料を用いて所定の配材パターンに成形、乾燥、焼成および加工などという慣用の浸漬ノズル製造プロセスにて製造することができる。なお、本発明の耐火材料並びに慣用のアルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料、慣用のジルコニア−黒鉛質耐火材料のバインダーには、フェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチやタールなどの有機質バインダーまたは珪酸ソーダ、珪酸アルカリなどの無機バインダーを使用することが可能である。また、成形には冷間静水等方圧プレス(CIP成形)を利用することもできる。さらに、焼成工程において、雰囲気が特に限定されず、大気雰囲気、還元雰囲気、不活性雰囲気などから耐火材質に合わせて選択することができる。なお、焼成の温度は、700〜1200℃、好ましくは800〜1100℃とすることができる。
以下、実施例により本発明の浸漬ノズルを更に説明する。
実施例1
以下の表1に記載する配合割合にしたがってアルミナ、シリカ、黒鉛及び金属アルミニウムを混合し、成形し、還元雰囲気中、1000℃で5時間にわたり焼成することにより得られた焼成体を30×30×200mmの寸法に切り出すにとによって本発明品の供試体および比較品の耐火材料の供試体を作製した。なお、金属アルミニウムとして、粒度が0.1mm以下の金属アルミニウムを用い、バインダーとしては、フェノール樹脂を耐火材料100質量%に対して外掛けで10質量%用いた。
これらの供試体を用いて、それぞれアルミナ難付着性および耐スポーリング性を評価した。
・アルミナ難付着性の評価試験は、高周波炉で、30kgのAlキルド鋼(C:0.003質量%;Si:0.01質量%;Mn:0.15質量%;Al:0.04質量%;Ti:0.02質量%)をアルゴン雰囲気中で溶解し、1570℃に保持後、供試体を100mmの深さで1時間浸漬した後、供試体を引き上げ、冷却した後、供試体を切断し、供試体表面の付着物層の厚み(mm)を測定することによって行った。なお、付着物層の厚み(mm)が薄いほど、アルミナ付着物の付着抑制効果が大きくなると判断した。
・耐スポーリング性評価試験は、1560℃に保持されたAlキルド鋼に浸漬(15分)および空冷(15分)を1サイクルとして反復し、供試体に割れが生じ始めた時の反復回数を記録することにより測定した。なお、反復回数が多いほど、耐スポーリング性が高くなると判断した。
Figure 2019104030
表1に示す結果から、アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火は、金属アルミニウムを外掛で1〜10質量%含有すると、高い耐スポーリング性を維持すると同時に、付着物の厚みが顕著に減少することがわかる。
金属アルミニウムを12質量%含有する比較品3は、供試体を1回溶鋼に浸漬するだけで折れてしまった。また、ノンカーボン質耐火材料である比較品4、低シリカ質耐火材料である比較品5およびカルシア−ジルコニア−黒鉛質耐火材料である比較品6は、いずれも耐スポーリング性が低かった。
実施例2
金属アルミニウムとして、粒度0.1mm以下の割合が異なる金属アルミニウムを使用し、表2に記載する配合割合とした以外は、実施例1と同様にして本発明品および比較品の供試体を得、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表2に併記する。
Figure 2019104030
表2に示す結果から、金属アルミニウムが粒度0.1mm以下の金属アルミニウムを80質量%以上含むと、付着物の厚みが顕著に減少することがわかる。
実施例3
金属アルミニウム含有合金として、Al−Si合金を使用し、表3に記載する配合割合とした以外は、実施例1と同様にして本発明品および比較品の供試体を得、実施例1と同様に評価した。なお、Al−Si合金の粒度は、0.1mm以下であった。得られた結果を表3に併記する。
Figure 2019104030
表3に示す結果から、金属アルミニウムの代わりにAl−Si合金を用いても、本発明品1〜9と同様に付着物の厚みが顕著に減少することがわかる。
実施例4
金属アルミニウム含有合金として、Al−Mg合金を使用し、表4に記載する配合割合とした以外は、実施例1と同様にして本発明品および比較品の供試体を得、実施例1と同様に評価した。なお、Al−Mg合金の粒度は、0.1mm以下であった。得られた結果を表4に併記する。
Figure 2019104030
表4に示す結果から、金属アルミニウムの代わりにAl−Mg合金を用いても、本発明品1〜9と同様に付着物の厚みが顕著に減少することがわかる。
本発明の耐火材料を少なくとも浸漬部に配設した浸漬ノズルは、アルミナ付着物を生じ易いAlキルド鋼の連続鋳造に特に適しており、また、通常のAlキルド鋼だけでなく、Ti、ZrやREM(レアアース)などの特殊元素を含有するAlキルド鋼にも好適に使用することができる。
1:浸漬部、2:本体部、3:スラグライン部、10:浸漬ノズル、11:モールド、12:本体部、13:スラグライン部、14:浸漬部、15:吐出口、16:凝固シェル

Claims (4)

  1. アルミナ40〜80質量%、シリカ10〜30質量%および黒鉛10〜35質量%からなる耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金をアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%含有してなることを特徴とする鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料。
  2. 金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金は、粒度0.1mm以下の粒子を80質量%以上含むものである、請求項1記載の鋼の連続鋳造用浸漬ノズル用アルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料。
  3. 本体部、スラグライン部および浸漬部から構成される鋼の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、少なくとも浸漬部が、アルミナ40〜80質量%、シリカ10〜30質量%および黒鉛10〜35質量%からなる耐火骨材100質量%に対して金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金をアルミニウム換算量として外掛で1〜10質量%含有してなるアルミナ−シリカ−黒鉛質耐火材料から構成されることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  4. 金属アルミニウムまたはアルミニウム含有合金は、粒度0.1mm以下の粒子を80質量%以上含むものである、請求項3記載の鋼の連続鋳造用浸漬ノズル。
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