明 細 書 水溶性重合体及びその製法、 並びに、 高分子凝集剤としての使用 技術分野
本発明は、 1級ァミ ン塩基を含有するラジカル重合性 (メ タ) アク リル系モノ マーを必須構成単量体とするビニル系水溶性重合体; この重合体からなる高分子 凝集剤;並びに、 この重合体、 その原料モノマー及び中間体の製造方法に関する o
更に詳しくは、 高分子凝集剤、 並びに、 紙力増強剤、 紙の濾水性向上剤及び帯 電防止剤として有用な、 1級ァミ ン塩基を含有するラジカル重合性 (メタ) ァク リル系モノマ一を必須構成単量体とする新規なビニル系水溶性重合体; この重合 体からなり、 し尿等の微生物処理で生じる有機性汚泥の脱水に用いることにより 、 遠心脱水、 ベルトプレス脱水等において優れた脱水率を発揮する高分子凝集剤 ; ケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステルを原料とするこの重合体の製造方法
;並びに、 この重合体の原料及び中間体である、 ケチミ ン含有 (メタ) アクリル 酸エステル、 1級ァミ ン塩基含有 (メタ) ァク リル酸エステル、 及び、 ケチミ ン 含有 (メタ) アクリル酸エステル単位を有する重合体又は共重合体の各製造方法 に関する。
なお、 本明細書中、 (メタ) アク リル酸エステルとは、 アクリル酸エステル及 び Z又はメタァクリル酸エステルを意味し、 以下同様の記載法を用いる。
背景技術
従来、 下水、 し尿等の微生物処理で生じる有機性汚泥の脱水に対しては、 ポリ メタァク リ ロイルォキンェチル卜 リメチルァンモニゥムク口ライ ド、 ァクリルァ ミ ドーァクリロイルォキシェチル卜リメチルァンモニゥムク口ライ ド共重合体、 ポリ ビニルアミ ジン等のカチオン性高分子凝集剤が広く使用されてきた。 また、 最近ではァクリルァミ ドーァクリル酸ーァクリロイルォキシェチル卜リメチルァ ンモニゥムクロライ ド共重合体等の両性高分子凝集剤が提案されている (特開昭
6 3 - 2 6 0 9 2 8号公報等) 。
しかし、 従来の技術では遠心脱水、 ベルトプレス脱水等において充分な脱水率 が得られなかった。 特に最近は、 汚泥中の有機物含量の増加、 腐敗の進行が顕著 に見られ、 これとともに脱水率は悪化傾向にある。 脱水率の低下は、 得られるケ ーキの含水率を上げ、 従って、 ケーキ焼却時の燃料費を增加させる問題があった 発明の要約
本発明の第】.の目的は、 遠心脱水、 ベルトプレス脱水等において高分子凝集剤 として使用でき、 充分な脱水率が得られる高性能な新規重合体を得ることにある o
本発明の第 2の目的は、 この新規重合体からなり、 遠心脱水、 ベルトプレス脱 水等において充分な脱水率が得られる高分子凝集剤を得ることにある。
本発明の第 3の目的は、 この新規重合体並びにその原料及び中間体の工業的に 有利な製造方法を得ることにある。
即ち、 本発明は、 下記に列記する [ 1 ] 〜 [6] を提供するものである。
[ 1 ] 新規ビニル系水溶性重合体 (A)
1級ァミ ン塩基を有するラジカル重合性 (メタ) アタ リル系モノマー (m) 、 好ましくは上記 (メタ) アク リル系モノマー (m) が下記一般式 ( 1 ) で示され るモノマー (m l ) を必須構成単量体とするビニル系水溶性重合体 (A) であつ て、 pHが 4、 7及び 1 0における上記重合体のコロイ ド当量値をそれぞれ a、 b及び cとしたとき、 b/a = 0. 1〜0. 5及び c/a = 0〜0. 1であるビ ニル系水溶性重合体 (A) 。
C H2 = C R 1
I (1 ) CO - X - Q - ΝΗ2 · HZ
式中、 R1 は水素原子又はメチル基であり、 Xは酸素原子又はイ ミノ基、 好まし くは酸素原子であり、 Qは炭素数 2〜 4のアルキレン基又はヒ ドロキシアルキレ ン基、 好ましくはェチレン基であり、 Zは C l、 B r、 I、 N03 、 1 / 2 S O < 、 CH. SO, 、 Hz P04 及び CH3 C 00からなる群より選択される一種
のる。
[2] 上記ビニル系水溶性重合体 (A) の高分子凝集剤としての使用
上記 [1 ] 記載のビニル系水溶性重合体 (A) の高分子凝集剤、 好ましくは汚 泥脱水剤としての使用。
[3] ケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステルを原料とする上記ビニル系水溶 性重合体 (A) の新規製造方法
上記 [1] のビニル系水溶性重合体 (A) の製造方法であって、 下記一般式 ( 2) で示されるケチミ ン含有 (メタ) ァク リル酸エステル (n) の重合体若しく は共重合体を酸性水溶液で加水分解し中和するか、 又は、 ケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル (n) を酸性水溶液により加水分解し中和したものを重合又 は共重合させることからなる製造方法。
CHa =CR' R2
I I
CO— O - Q - N = C (2)
I
R3
式中、 R1 は水素原子又はメチル基であり、 Qは炭素数 2〜 4のアルキレン基又 はヒ ドロキシアルキレン基、 好ましくはエチレン基であり、 R2 及び R3 は炭素 数 1〜4のアルキル基、 好ましくは R 2 がェチル基、 R3 がメチル基である。
[4] 上記原料としてのケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステルの製造方法 下記一般式 ( 4 ) で示される 1級ァミノアルコールのケチミ ン化物と、 (メタ ) ァクリル酸アルキルエステルとをエステル交換反応させることからなる上記一 般式 (2) で示されるケチミ ン含有 (メタ) ァクリル酸エステル (n) の製造方 法。
R2
HO— Q— N二 C (4)
R
式中、 Qは炭素数 2〜 4のアルキレン基又はヒ ドロキシアルキレン基、 好ましく はエチレン基であり、 R2 及び R3 は炭素数 1〜4のアルキル基、 好ましくは R 2 がェチル基、 R3 がメチル基である。
[5] 中間体である 1級ァミ ン塩基含有 (メタ) アクリル酸エステルの製造方法 上記 [4] の製造方法で得られたケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル ( n) を、 更に酸性水溶液で加水分解し中和させることからなる下記一般式 (3) で示される 1級ァミ ン塩基含有 (メタ) ァクリル酸エステル (m i l ) の製造方 法。
CH2 = C R 1
I (3) C O— O— Q -隨 2 · H Z
式中、 R1 は水素原子又はメチル基であり、 Qは炭素数 2〜 4のアルキレン基又 はヒ ドロキシアルキレン基、 好ましくはエチレン基であり、 Zは C l、 B r、 I 、 N03 、 1 2 S 04 、 CH3 S 03 、 H2 P 04 及び CH3 COOからなる 群より選択される一種である。
[ 6 ] 中間体であるケチミ ン含 (メタ) ァクリル酸エステル単位を有する重合 体又は共重合体の製造方法
上記 [4] の製造方法で得られたケチミ ン含有 (メ タ) アクリル酸エステル ( n) 、 又は上記ケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル (n) 及び他のビニル モノマー (k) を重合若しくは共重合させることからなるケチミ ン含有 (メタ) ァクリル酸エステル単位を有する重合体又は共重合体の製造方法。 発明の詳細な開示
以下に本発明を詳述する。
本発明における 1級ァミ ン塩基を有するラジカル重合性 (メタ) アクリル系モ ノマ一 (m) の好適な例は、 上記一般式 ( 1 ) で示されるモノマー (m l ) であ る o
上記モノマー (m l ) のなかでも特に、 Xが酸素原子である上記一般式 (3)
で示されるモノマー (m i l ) が好ましく、 、 更にその中でも Qがエチレン基で ある化合物が、 工業的製造の容易さの点でより好適である。
上記モノマー (m 1 ) の具体例としては、 ァミノエチル (メタ) ァクリ レー 卜 塩酸塩、 ァミノエチル (メタ) ァクリ レ一ト硫酸塩、 ァミノプロピル (メタ) ァ クリルアミ ド塩酸塩等が挙げられ、 これらの 1種以上が使用できる。 このうち、 Xが酸素原子、 Qがエチレン基であるアミノェチル (メタ) ァクリ レ一卜塩酸塩 、 ァミノェチル (メタ) ァクリレ一卜硫酸塩等が好ましく、 ァミノェチル (メタ
) ァクリ レー卜塩酸塩がより好ましく、 アミ ノエチルメタァク リ レート塩酸塩が 更に好ましい。
上記ビニル系水溶性重合体 (A ) は、 モノマー (m) の単独重合体であっても 、 通常用いられる他のビニルモノマ一 (k ) との共重合体であってもよい。
上記他のビニルモノマー (k ) の例としては、 アクリルアミ ド、 ァクリロニト リル、 ビニルピロリ ドン等の非イオン性ビニルモノマ一 ; アクリル酸 (塩) 、 ァ ク リルアミ ドメチルプロパンスルホン酸 (塩) 、 ィタコン酸 (塩) 等のァニオン 性ビニルモノマー ; (メタ) ァクリロイルォキンェチルトリメチルァンモニゥム クロライ ド、 (メタ) ァクリロイルォキシェチルジメチルベンジルアンモニゥム クロライ ド、 (メタ) ァクリロイルァミノェチル卜リメチルアンモニゥムクロラ イ ド、 ジメチルジァリルアンモニゥムメチルサルフエ一卜、 ビニルピリジン等の カチオン性ビニルモノマー等が挙げられ、 これらの 1種以上が使用できる。
これらの中で、 工業的観点から、 アクリルアミ ド、 及び、 (メタ) ァク リロイ ルォキシェチルトリメチルアンモニゥムク口ライ ド等のカチオン性ビニルモノマ 一が好ましく、 より好ましくは、 アクリルアミ ド及び (メタ) ァクリロイルォキ シェチルトリメチルアンモニゥムクロライ ドである。
なお、 本明細書において、 アクリル酸 (塩) とは、 アクリル酸及び 又はァク リル酸塩を意味し、 以下同様の記載法を用いる。
上記モノマー (m) と上記他のビニルモノマ一 (k ) を共重合する場合、 モノ マー (m) の共重合割合は目的に応じて自由に選ぶことができる。 上記他のビニ ルモノマー (k ) としてカチオン性ビニルモノマーを含有する場合、 ポリマーの 性能、 特に高分子凝集剤として用いた時の脱水率の観点から、 モノマー (m) の
含量は、 共重合体中のカチオン性ビニルモノマーの合計量、 即ち、 上記モノマー
(m) と上記カチオン性ビニルモノマーの合計量に対して、 好ましくは 5 0モル %以上、 より好ましくは 7 0モル%以上、 更に好ましくは 8 0モル%以上である o
また、 非イオン性、 ァニオン性も含めた全ビニルモノマーの合計量、 即ち、 上 記モノマー (m) と上記他のビニルモノマー (k) を含めた全ビニルモノマーの 合計量に対するモノマー (m) の含量も、 同じ理由で、 好ましくは 5 0モル%以 上、 より好ましくは 7 0モル%以上、 更に好ましくは 8 0モル%以上である。 本発明において、 ビニル系水溶性重合体 (A) がモノマー (m) を必須構成単 量体とすることから、 pHが 4、 7及び 1 0におけるビニル系水溶性重合体 (A ) のコロイ ド当量値をそれぞれ a、 b及び cとしたとき、 bと aの比及び cと a の比は、 bZa - O. 1〜0. 5及び cZa = 0〜0. 1である。
上記ビニル系水溶性重合体 (A) の pH 4におけるコロイ ド等量値 aは、 高分 子凝集剤として用いた時の脱水性能から、 5. 0以上が好ましく、 より好ましく は 5. 5〜 1 3、 更に好ましくは 6. 0〜 1 2である。 モノマー (m) を必須構 成単量体とすることにより、 p H 4におけるコロイ ド等量値 aが 5. 0以上の重 合体も容易に得ることができる。
本発明において、 コロイ ド当量値は以下に示すコロイ ド滴定法により求めるこ とができる。
( 1 ) 試料 5 0 p p m水溶液の調製
試料 0. 2 g (乾品換算したもの) を精秤し、 三角フラスコにとり、 イオン交 換水 1 0 0 m】で溶解する。 更に、 この溶液を 1 0 m 1 とり、 イオン交換水 3 9 0 m 1を加え、 均一溶液として測定試料とする。
(2) コロイ ド当量値の測定
測定試料 1 0 0 m 1をコニカルビ一カーにとり、 攪拌しながら 5 %水酸化 ナトリウム水溶液を徐々に加え、 測定 pHに調整する。 つぎにトルイジンブルー 指示薬を 2〜 3滴加え、 NZ 4 0 0ポリビニル硫酸力リウム (NZ 4 0 0 P V S K) 試薬で滴定する。 滴定速度は 2m l //分とし、 測定試料が青から赤紫色に変 色し、 3 0秒以上保持する時点を終点とする。
( 3 ) 空試験
イオン交換水 1 0 Om lで (2) と同様の操作を行う。
( 4 ) 計算法
コロイ ド当量値 (me qZg) = 1 /2 x (試料の滴定量一空試験の滴定量) X (N/ 4 0 0 PVSKの力価) により算出する。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A) の分子量は、 固有粘度 ( l N— N a NO a 中、 3 0°Cで測定、 単位: d 1 Zg、 以下同様) で通常 2以上のものである。 2未満では分子量が小さすぎて一般にはポリマーとして特性が出にくい。 一般に 凝集性能は分子量が高いものほど良好であるので、 固有粘度は 4以上が好ましく 、 より好ましくは 5以上、 更に好ましくは 8以上である。
上記ビニル系水溶性重合体 (A) は、 上記 [3] 記載のケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル (n) を原料とする下記の製造方法により得ることができる 上記一般式 (2) で示されるケチミ ン含有 (メタ) ァク リル酸エステル (n) の重合体又は共重合体を、 酸性水溶液で加水分解し中和することによりビニル系 水溶性重合体 (A) を製造することができ、 他の方法としては、 ケチミ ン含有 ( メタ) アクリル酸エステル (n) を酸性水溶液により加水分解し中和したものを 重合又は共重合させることによつてもビニル系水溶性重合体 (A) を製造するこ とができる。
これらの中で、 工業的には、 ケチミン含有 (メタ) ァク リル酸エステル (n) を酸性水溶液により加水分解し中和したものを重合又は共重合させる方法が、 簡 便であり好ましい。
上記ビニル系水溶性重合体 (A) の製造方法における原料であるケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル (n) は、 上記 [4] 記載の新規製造方法により得 ることができる。 即ち、 上記一般式 (4) で示される 1級アミノアルコールのケ チミ ン化物と、 (メタ) アクリル酸アルキルエステルとをエステル交換反応させ ることにより、 上記一般式 (2) で示されるケチミ ン含有 (メタ) ァクリル酸ェ ステル (n) を製造することができる。
上記ビニル系水溶性重合体 (A) の必須構成単量体である上記モノマー (m)
の製造方法としては、 例えば上記モノマー (m) が上記一般式 ( 3 ) で示される モノマー (m l 1 ) の場合、 (メタ) ァクリル酸アルキルエステルと 1級ァミノ アルコールとのエステル交換反応によって製造する方法も考えられる。 しかしな がら、 この方法は、 エステル交換反応とともに、 アミ ド化、 マイケル付加等の副 反応もおこり、 目的物を満足のいく収率で得ることができない。
一方、 本発明の方法では、 上記ケチミ ン含有 (メタ) アク リル酸エステル (n ) の重合体又は共重合体を、 加水分解し中和するか、 ケチミ ン含有 (メタ) ァク リル酸エステル (n ) を加水分解し中和したものを重合原料とするため、 ケチミ ン化して封鎖された 1級ァミノ基を酸性水溶液により加水分解し中和するという 操作は収率がよく、 また、 エステル交換反応における副反応の問題も解消され、 極めて有利な方法である。
上記一般式 ( 4 ) で示される 1級ァミノアルコールのケチミ ン化物は、 通常の 方法で製造できる。 例えば、 1級ァミノアルコールとケトンを混合した後、 硫酸 ナ ト リウム、 炭酸カリウム、 モレキュラーシーブ等の脱水剤を使用し脱水するか 、 又は、 シクロへキサン、 ノルマルへキサン等の脂肪族炭化水素 ; トルエン等の 芳香族炭化水素 ;酢酸ェチル等の水共沸溶剤を使用して脱水する。 このなかで、 共沸脱水法は、 溶剤を回収再利用しやすく、 脱水剤を濾過する工程が不要である ため、 工業的に好ましい。 共沸溶剤としては、 水との分離が容易な脂肪族炭化水 素、 特にシクロへキサン、 ノルマルへキサンが好ましい。
上記ケチミ ン化における 1級ァミノアルコールとしては、 ェタノ一ルァミ ン、 プロパノールァミ ン、 2 , 3 —ジヒ ドロキシプロピルア ミ ン等の、 炭素数 2〜 4 の 1級ァミノアルコールが挙げられる。 これを用いると、 ケチミ ン含有 (メ夕) アクリル酸エステル (n ) の一般式 (2 ) において、 Qが炭素数 2〜 4のアルキ レン基又はヒ ドロキンアルキレン基となる。 これらのなかでは、 エタノールアミ ンが好ましい。 エタノールアミ ンを用いると、 ケチミ ン含有 (メタ) アク リル酸 エステル (n ) の一般式 (2 ) において、 Qがエチレン基である場合に対応する ケチミ ン化におけるケ トンとしては、 アセ トン、 メチルェチルケ トン、 メチル ィソブチルケトン等の、 炭素数 1〜 4のアルキル基を有するケトンが挙げられる
θ
。 ケトンの中では、 回収のしゃすさから、 アセ トン、 メチルェチルケトンが好ま しく、 メチルェチルケトンが更に好ましい。 メチルェチルケトンを用いると、 ケ チミ ン含有 (メタ) ァクリル酸エステル (η ) の一般式 ( 2 ) において、 R 2 が ェチル基、 R 3 がメチル基である場合に対応する。
ケトンの使用量としては、 1級ァミ ン 1 . 0 m o 1に対して、 1 . 0〜 5 m o 1が好ましく、 より好ましくは 1 . 1〜2 . 0 m o 1である。 モル比が 5以下で あると、 大きな反応容器が不必要であり、 ケトンの回収再利用に大きなエネルギ 一が不要となるので好ましい。 また、 モル比が 1 . 0以上であるとアミノアルコ ールに対する反応率が低下しないので好ましい。
上記ケチミ ン化物とのエステル交換反応に用いる (メタ) アクリル酸アルキル エステルとしては、 (メタ) アクリル酸メチル、 (メタ) アク リル酸ェチル、 ( メタ) アクリル酸ブチル等の、 炭素数 1〜 4のアルキル基を有する (メタ) ァク リル酸のエステルが使用できるが、 除去のしゃすさの理由で、 (メタ) アク リル 酸メチルが好ましい。
上記 (メタ) ァクリル酸エステルの使用量は、 ケチミ ン 1 . 0 m o 1 に対して 、 好ましくは 1 . 0〜 1 0 m o し ょり好ましくは 1 . 2〜2 . 5 m o 1である 。 モル比が 1 0以下であると、 大きな反応容器が不必要であり、 また、 (メ タ) ァク リル酸アルキルの回収再利用に大きなエネルギーが不要となるので好ましい o
一般式 ( 4 ) で示される 1級ァミ ノアルコールのケチミ ン化物と、 (メタ) ァ クリル酸アルキルとのエステル交換反応は通常の方法で実施できる。 すなわち、 (メタ) アクリル酸アルキルエステルと上記一般式 (4 ) で示されるケチミ ン化 合物とを、 重合禁止剤の存在下、 触媒を加え、 生成するアルコールを系外に除き ながら反応させればよい。
上記エステル交換反応の触媒は、 硫酸、 p— トルエンスルホン酸、 メタンスル ホン酸等の酸性触媒: ナトリウムメ トキシド、 カリウム t 一ブトキンド等のアル カリ性触媒; ジブチルスズォキサイ ド、 ニッケルァセチルアセ トン錯体等の金属 触媒等が使用できるが、 金属触媒が好ましい。
上記エステル交換反応の反応温度、 圧力は、 主反応と副反応の兼ね合いを考慮
して、 好ましくは常圧で 6 0て〜 1 3 0 °C、 より好ましくは常圧で 8 0て〜 1 2 0 °Cである。
上記重合禁止剤としては、 通常のものが使用でき、 例えば、 フユノチアジン、 クロペン、 ハイ ドロキノン、 p一モノメチルハイ ドロキノン等の 1種又は 2種以 上が使用できる。
上記重合禁止剤の量としては、 (メタ) アク リル酸アルキルの質量に対して、 好ましくは 0 . 0 1 ~ 1 . 0質量%、 より好ましくは 0 . 1〜0 . 5質量%であ る。
上記エステル交換反応による生成物は、 重合禁止剤、 触媒等を含有し、 モノマ 一の重合性に影響を及ぼすため、 蒸留精製することが好ましい。 またその際には 、 精留塔内での重合を防止するため、 重合禁止剤溶液を、 精留塔内にシャヮ リ ン グしてもよい。
上記ケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル (n ) の重合体又は共重合体を 得る方法としては、 上記 [ 4 ] 記載のケチミ ン含有 (メタ) ァクリル酸エステル ( n ) を単独重合するか、 又は、 他のビニルモノマー (k ) と共重合する方法が 挙げられる。 上記他のビニルモノマー (k ) の例は、 上に例示したものと同様で ある。
モノマ一 (n ) と他のビニルモノマー (k ) を共重合する場合、 モノマー (n ) の共重合割合は目的に応じて自由に選びうるが、 ポリマーの性能、 特に、 後述 する方法で酸性水溶液で加水分解し中和した後、 高分子凝集剤として用いた時の 脱水率の観点から、 カチオン性ビニルモノマーの合計量に対するモノマー (n ) の含量は、 好ましくは 5 0モル%以上、 より好ましくは 7 0モル%以上、 更に好 ましくは 8 0モル%以上である。
また、 非イオン性、 ァニオン性も含めた全ビニルモノマーの合計量に対するモ ノマー (n ) の含量も、 同じ理由で、 好ましくは 5 0モル%以上、 より好ましく は 7 0モル%以上、 更に好ましくは 8 0モル%以上である。
上記ケチミ ン含有 (メタ) アク リル酸エステル (n ) を単独重合、 又は、 他の ビニルモノマー (k ) と共重合する際の重合方法は、 通常の方法、 例えば、 ラジ カル重合によって行われる。 ラジカル重合を行う方法としては、 例えば、 溶液重
合、 水と有機溶剤を用いた乳化重合、 懸濁重合等が挙げられるが、 溶液重合が好 ましい。
上記溶液重合の場合、 用いる溶剤としては、 例えば、 イソプロピルアルコール 、 アセ トン、 メチルェチルケ トン、 トルエン、 キンレン、 テ トラハイ ドロフラン 、 ジメチルホルムアミ ド、 酢酸ェチル等が挙げられる。
上記溶剤を用いる場合、 モノマー濃度は、 好ましくは 1 0〜8 0質量%、 より 好ましくは 1 5〜 5 0質量%である。
重合を行う際、 通常の重合開始剤 (C ) (有機過酸化物、 例えばべンゾィルバ —ォキシド; ァゾ系化合物、 例えば 2 , 2 ' —ァゾビス一イソプチロニ卜リル、 2 , 2 ' ーァゾビス一 2—メチルプチロニト リル等) が用いられる。
原料の投入方法としてはケチミ ン含有 (メタ) ァクリル酸エステル (n ) 、 他 のビニルモノマー (k ) 及び重合開始剤 (c ) を一括投入してもよく、 上記溶剤 に溶解させたケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル (n ) 及び/又は他のビ ニルモノマー ( k ) 及び Z又は重合開始剤 (c ) を滴下してもよい。 溶剤は、 通 常、 一部又は全部を、 あらかじめ仕込んでおく。 反応温度は、 好ましくは 6 0〜 1 4 0 °C、 より好ましくは 7 0〜 1 2 0 °Cの範囲である。
上記重合により得られたケチミ ン含有 (メタ) ァク リル酸エステル (n ) の重 合体又は共重合体に、 更に酸性水溶液を混合することによって加水分解し中和さ れ、 1級ァミ ン塩基含有 (メタ) アクリル酸エステル単位を有する重合体又は共 重合体に変換できる。
上記酸の種類としては、 例えば、 塩酸、 具化水素、 ヨウ化水素、 硝酸、 硫酸、 メタンスルホン酸、 リン酸、 酢酸等が挙げられ、 これらの中では塩酸が好ましい 上記加水分解、 中和反応の反応温度は、 主反応と副反応の兼ね合いを考慮して 、 好ましくは 0〜 6 0 °C、 より好ましくは 5〜 3 0 °Cである。
上記加水分解、 中和の際の酸性水溶液の量は、 加水分解、 中和後の p Hが、 好 ましくは 3 . 0〜5 . 0、 より好ましくは 3 . 4〜4 . 6となるよう調整する。 p Hを 3 . 0〜 5 . 0とすることにより、 加水分解やマイケル付加等の副反応が 起こらなくなるため、 安定性の点で好ましい。
上記ケチミ ン含有 (メタ) アクリル酸エステル (n ) を加水分解し中和したも のを用いる場合、 この加水分解中和物は上記 [ 5 ] 記載の製造方法で得ることが できる。 即ち、 上記 [ 4 ] 記載の製造方法で得たケチミ ン含有 (メタ) ァクリル 酸エステル (n ) を、 更に酸性水溶液で加水分解し中和させることにより上記一 般式 ( 3 ) で示される 1級ァミ ン塩基含有 (メタ) ァクリル酸エステル (m 1 1 ) を製造することができる。
上記加水分解、 中和の際の酸の種類、 反応温度、 及び、 酸性水溶液の量として は、 上記ケチミ ン含有 (メタ) ァクリル酸エステル (n ) の重合体又は共重合体 を加水分解し中和するに際して記載したものを用いることができる。
加水分解、 中和後は、 脱離したケトンを除去する。 除去する方法としては、 例 えば、 分液、 減圧留去等の方法が挙げられる。 これらのなかでは、 エネルギーの 消費が少ないため、 分液する方法が好ましい。 分液に際しては、 分離性を上げる ため、 ノルマルへキサン等の溶剤を加えることが好ましい。 また、 回収したケ ト ンをケチミ ン化に再利用する場合、 分液回収したケトンとノルマルへキサン等の 混合物をそのまま使用できる。
上記ケチミ ン含有 (メ タ) アクリル酸エステル (n ) を加水分解し中和したも のである 1級ァミ ン塩基含有 (メタ) ァクリル酸エステル (m l 1 ) を用い、 通 常の方法、 例えば、 水溶液重合、 水と有機溶剤を用いた乳化重合、 懸濁重合等の 方法により、 単独重合するか、 又は、 必要により、 上記の他のビニルモノマー ( k ) と共重合して、 本発明のビニル系水溶性重合体 (A ) を製造することができ る。
重合方法としては水溶液重合が好ましい。 水溶液重合の場合、 モノマー濃度が 、 好ましくは 1 0〜 8 0質量%となるようにモノマー水溶液を調製し、 系内を不 活性ガスで置換した後、 通常の重合触媒 (過硫酸塩、 例えば過硫酸アンモニゥム 及び過硫酸力リウム ;有機過酸化物、 例えばべンゾィルバ一ォキシド; ァゾ系化 合物、 例えば 2 , 2 ' ーァゾビス一 (アミ ジノプロパン) ハイ ド口クロライ ド及 びァゾビスシァノバレリ ン酸 ; レ ドックス触媒 [過酸化物 (H 2 O z 、 過硫酸ァ ンモニゥム、 過硫酸カ リウム等) と還元剤 (重亜硫酸ソーダ、 硫酸第一鉄等) と の組合せ] を加えて、 例えば、 2 0〜 1 0 0 °C程度で数時間重合を行う。 また、
光增感剤を加えた後、 紫外線等を照射してもよい。 粉末化を行うには、 このよう にして得られた重合物を適宜細断して熱風乾燥、 溶剤沈澱 '乾燥し、 粉砕すれば よい。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A ) の製品形状は、 粉末状、 フィルム状、 水 溶液状、 wZ oエマルンヨ ン状、 懸濁液状等通常の任意形状でよい。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A ) は、 高分子凝集剤、 特に汚泥脱水剤とし て好適に使用できる。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A ) からなる高分子凝集剤は、 水中の懸濁粒 子に高い吸着性を示して効果的な凝集性 (フロック形成性) を示すので、 通常の 水系懸濁液の固液分離促進に使用できるが、 実用的価値の面から、 下水、 し尿等 の微生物処理で生じる有機性汚泥 (いわゆる生汚泥、 余剰汚泥、 混合生汚泥、 消 化汚泥、 凝沈 ·浮上汚泥及びこれらの混合物) の脱水に有用である。 これらのな かでも、 同じ理由で、 有機分含有量 (V S S Z S S ) が 7 0 %以上の汚泥に対し て、 より有用である。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A ) からなる高分子凝集剤は、 ビニル系水溶 性重合体 (A ) 単独でも使用できるが、 目的に応じて、 例えば他のカチオン性ラ ジカル重合性ビニルモノマー (m ' ) を必須単量体とする、 カチオン性又は両性 のビニル系水溶性重合体 (B ) からなる高分子凝集剤と併用してもよい。
上記モノマ一 (m ' ) としては、 (メタ) ァクリロイルォキンェチルトリメチ ルアンモニゥムク口ライ ド、 (メタ) ァクリロイルォキシェチルジメチルベンジ ルアンモニゥムク口ライ ド、 (メタ) ァク リロイルアミ ノエチル卜 リメチルアン モニゥムクロライ ド、 ジメチルジァリルアンモニゥムメチルサルフェー ト、 ビニ ルピリ ジン等が挙げられる。
上記ビニル系水溶性重合体 (B ) の具体例としては、 ポリメタァクリ ロイルォ キシェチル卜リメチルアンモニゥムク口ライ ド、 ァク リルァミ ドーァク リ ロイル ォキシェチルト リメチルァンモニゥムク口ライ ド共重合体、 ポリ ビニルァミ ジン 等のカチオン性ビニル系水溶性重合体、 アク リルアミ ドーアクリル酸—ァクリロ ィルォキシェチルトリメチルアンモニゥムクロライ ド共重合体等の両性ビニル系 水溶性重合体が挙げられるが、 中でも、 両性ビニル系水溶性重合体、 及び、 p H
4におけるコロイ ド等量値が 4 . 0以上であるカチオン性ビニル系水溶性重合体 が好ましく、 ポリメタァクリロイルォキンェチルトリメチルァンモニゥムク口ラ ィ ドが特に好ましい。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A ) からなる高分子凝集剤を添加され形成さ れたフ口ック状の汚泥の脱水方法としては、 例えば、 通常の遠心脱水、 ベルトブ レス脱水、 フィルタープレス脱水、 キヤピラリー脱水等がとれる力く、 効果の点か ら遠心脱水、 ベルトプレス脱水が好ましい。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A) からなる高分子凝集剤は、 0 . 1質量% 濃度の水溶液とした時の水溶液 p Hが、 好ましくは 4 . 0以下、 特に好ましくは 3 . 0以下である。 水溶液 p Hが 4 . 0以下であると、 特に優れた脱水性能が得 られる。
0 . 1質量%水溶液とした時の水溶液 p Hを 4 . 0以下とするために、 本発明 のビニル系水溶性重合体 (A ) からなる高分子凝集剤は酸性物質を併用してもよ い。 酸性物質としては、 通常の無機又は有機の酸性物質が使用でき、 具体例とし ては、 例えば、 硫酸、 塩酸、 リ ン酸等の鉱酸;酸性リ ン酸ソーダ、 酸性ぼう硝、 塩化ァンモニゥム、 硫酸アンモニゥム、 重硫酸ァンモニゥム、 スルファ ミ ン酸等 の無機固体酸性物質; シユウ酸等の有機酸が挙げられるが、 効果及び経済性から 無機固体酸性物質が好ましく、 中でもスルファ ミ ン酸、 酸性ぼう硝がより好まし い。
本発明のビニル系水溶性重合体 (A ) からなる高分子凝集剤は、 好ましくは 0 . 1質量%程度の濃度の水溶液にして使用されるが、 その際、 使用目的に応じて 、 上記の酸性物質のほか、 増粘剤、 加重剤、 分散剤、 防腐剤及び無機塩等を併用 することができる。 発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、 本発明はこれに限定 されるものではない。
実施例 1
攪拌機、 温度計、 検水管、 冷却器を備えた 3つ口フラスコに、 モノエタノール
ァミ ン 6 1 g ( l . 0 mo 1 ) 、 メチルェチルケトン 8 6 g U . 2 mo l ) 、 ノルマルへキサン 1 0 O gを投入し、 6 5°C〜8 0°Cで還流し、 懸水管で水を系 外に取り除きながら 1 2時間反応を行った。 反応が 9 8 %以上に達した時点で反 応を止め、 過剰のメチルェチルケトンとノルマルへキサンを除いた。 得量は 1 0 9 g (収率 9 5 %) であった。
懸水管を精留塔におきかえ、 メタアタリル酸メチル 1 9 0 g ( 1. 9 mo 1 ) 、 フエノチアジン 0. 9 5 g、 亜鉛ァセチルアセ トン錯体 0. 5 7 gを加え、 塔 頂温度 6 0°C〜6 5 °C (系内温度 9 5〜1 1 0 °C) に保ちながら、 メタノ一ルー メタアクリル酸メチルの共沸混合物を系外に除きながら 1 0時間反応した。 反応 率は 8 0 %であった。 次いで常法により、 1 0 0 mm H gの減圧下でメ夕ァクリ ル酸メチルを留去し、 更に 1 0 mmH gの減圧下で主成分を蒸留精製した。 主成 分のケチミ ン含有メ夕ァクリル酸エステルの得量は 1 2 5 g (収率は消費された ケチミ ンに対して 9 0 ) であった。
主成分 1 0 () gを別のフラスコに仕込み、 反応温度を 2 5 °Cに保ちながら、 塩 酸水溶液を徐々に投入し pH 4に中和した後、 ノルマルへキサンを加え 1時間攪 拌した後、 下層の水層を取り出して、 アミノエチルメタァクリ レー 卜塩酸塩を得 た。 水溶液の得量は 1 1 5 g (固形分 8 6. 5 g、 収率 9 8 ) であった。
この生成物をイオン交換水にて濃度 5 0質量%になるように調整し、 窒素置換 し、 3 5 °Cに温調した後、 重合触媒として過硫酸アンモニゥムと重亜硫酸ソ一ダ を、 この順序でモノマーあたり各々 0. 0 1 5質量%添加して、 5時間重合させ た。 得られた重合液 (ゲル) を 1 0 0°Cの熱風で乾燥後粉碎して、 粉末状のアミ ノェチルメタァク リ レ一ト塩酸塩のホモポリマ一を得た。
比較例 1
モノエタノ一ルァ ミ ン 6 1 g ( l . O mo l ) 、 メ タァク リル酸メチル 2 0 0 g (2. 0 mo 1 ) 、 フエノチアジン 0. 1 g、 亜鉛ァセチルアセ トン錯体 0. 6 gを混合し、 加熱して 9 5〜1 1 0 °Cでエステル交換反応をおこなった。 目的 のエステル交換反応生成物は得られず、 主成分は、 アミ ド化物、 マイケル付加物 であつた。
実施例 2
攪拌機、 温度計、 滴下ロート 2個、 冷却器を備えたフラスコに、 トルエン 2 0 0 gを仕込み、 滴下ロート 〔 1〕 に、 実施例 1の中間体として得られたケチミ ン 含有メタァク リルエステル 1 8 3 g ( l . O mo l ) をトルエン 1 0 0 gに溶解 したもの、 滴下ロート 〔2〕 に 2. 2 ' —ァゾビス一イソブチロニト リル 0. 5 gをトルエン 2 0 gに溶解したものを準備した。 系内温度 8 0 °Cから 〔 1〕 、 〔 2〕 を同時に滴下し始め、 反応温度を 8 0 °Cに保ちながら 2時間で滴下を終了し た。 滴下終了後、 1 0 0 °Cで 5時間熟成して、 ケチミ ン含有メタアクリルエステ ルのホモポリマーを得た。 得量は 5 0 0 g (収率 9 9 %, ポリマ一濃度 3 6 %) でめった。
温度を 2 5 °Cまで冷却した後、 反応温度を 2 5 °Cに保ちながら、 塩酸水溶液を 徐々に投入して p H 4に中和した後、 トルエン層と水層を分液し、 アミノエチル メタァクリ レ一ト塩酸塩のホモポリマーの水溶液を得た。
実施例 3〜6、 比較例 2〜4
表 1に示す組成のモノマーを、 実施例 1の方法に準じて重合させて得た高分子 凝集剤を、 それぞれイオン交換水に溶解して、 p H 4、 7、 1 0におけるコロイ ド当量値を測定した。 表 1
AEMC: ァミノェチルメタァクリ レート塩酸塩
ABAS : アミ ノエチルァク リ レー 卜硫酸塩
METAC : メ タァク リロイルォキシェチルト リメチルァンモニゥムク口ライ ド ETAS : メタァク リロイルォキシェチルト リメチルァン乇ニゥムメチルサルフェ
― ト
AAm : ァク リルァミ ド 実施例 7〜 1 0、 比較例 5〜 7
表 2に示す組成のモノマーを、 実施例 1の方法に準じて重合させて得た高分子 凝集剤を、 それぞれイオン交換水に溶かして 0. 1 %水溶液とした。 これを、 K 市下水処理場余剰汚泥 [p H 6. 9、 T S (総固形分) 2. 3 %、 有機分 8 1 % ] にポリマーとして 0. 8 5 %/T Sずつ添加して、 小型ベルトプレス脱水機を 用いて脱水試験を行い、 得られた脱水ケーキの含水率を測定した。
試験結果を表 2に示すが、 本発明の高分子凝集剤 (実施例 7〜 1 0 ) は、 比較 例 5〜7に比べて、 高い脱水性 (低いケーキ含水率) を示した。 表 2
本発明は、 1級ァミ ン塩基を有する新規なビニル系水溶性重合体、 その製造方 法、 並びに、 その原料及び中間体の製造方法を提供するものである。
本発明の方法で、 ケチミ ン含有 (メタ) ァクリル酸エステル、 1級ァミ ン塩基 含有 (メタ) ァクリル酸エステル、 ケチミ ン含有 (メタ) ァク リル酸エステル重 合体又は共重合体等の、 原料、 中間体を工業的に収率よく得ることができる。
この重合体は、 高分子凝集剤、 紙力増強剤、 紙の濾水性向上剤、 帯電防止剤と して有用なポリマーであり、 特に下水、 し尿等の微生物処理で生じる有機性汚泥 に対し優れた脱水効果を有する。 特に高分子凝集剤のうちでも、 汚泥脱水剤とし て使用すると、 従来脱水が困難であった有機分含有量 (V S S Z S S ) の高い汚 泥に対し際だった効果を発揮することから、 極めて有用なものである。