JPH07171600A - 消化汚泥の洗浄濃縮方法および洗浄濃縮剤 - Google Patents

消化汚泥の洗浄濃縮方法および洗浄濃縮剤

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JPH07171600A
JPH07171600A JP5322327A JP32232793A JPH07171600A JP H07171600 A JPH07171600 A JP H07171600A JP 5322327 A JP5322327 A JP 5322327A JP 32232793 A JP32232793 A JP 32232793A JP H07171600 A JPH07171600 A JP H07171600A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消化汚泥を水により洗浄し、濃縮処理した後
脱水処理する際、汚泥濃度の高い洗浄汚泥を得、脱水処
理を安定して効率よく行えるようにする。 【構成】 消化汚泥31に洗浄水7を混合して汚泥を洗
浄する際に、汚泥洗浄槽8にpH4におけるコロイド当
量値が2〜4meq/gのカチオン性高分子凝集剤9を
添加して、洗浄と凝集処理を行い、汚泥濃度の高い濃縮
汚泥32を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は消化汚泥の洗浄濃縮方法
および洗浄濃縮剤に関する。
【0002】
【従来の技術】下水処理汚泥やし尿等を嫌気性処理した
消化汚泥は、粘質物やタンパク質などが含まれているた
め脱水性が悪い。このため消化汚泥を水で洗浄して、粘
質物やタンパク質を除去した後、この洗浄汚泥を沈降分
離により濃縮し、濃縮汚泥を脱水することが行われてい
る。
【0003】しかし、このように単に水で洗浄する方法
では、洗浄液と汚泥が分離しにくいため、洗浄汚泥は沈
降分離により十分に濃縮されず、脱水処理に供給される
スラリーの固形分濃度が低くなるとともに、濃度にバラ
ツキが生じる。このため脱水処理が良好に行えず、また
安定に処理するためには多量の脱水剤(凝集剤)が必要
になる。また洗浄汚泥の沈降分離により生じる分離液は
通常好気性処理されるが、SS濃度が高いため、SS負
荷が上昇するとともに変動し、このため処理を安定して
行うことができないなどの問題点がある。
【0004】一方、特開平2−102800号には、下
水処理汚泥を高温消化した消化汚泥を洗浄して濃縮した
後、ベルトプレス脱水機で脱水する際、濃縮汚泥に高分
子凝集剤を添加して混和調質し、得られた凝集汚泥をベ
ルトプレス脱水機の重力脱水部で脱水し、さらに高分子
凝集剤を添加して圧搾脱水する方法が提案されている。
しかし、この方法でも汚泥の洗浄工程では凝集剤が添加
されていないため、汚泥分離効率は悪く、このため脱水
工程には固形分濃度が低くて変動するスラリーが供給さ
れることになり、脱水処理の効率が悪いほか、分離液は
SS濃度が高くて変動するため処理が困難である点は前
記の場合と同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、固形分濃度の高くて安定してい
る洗浄汚泥が得られるとともに、SS濃度が低くて安定
している分離液が得られ、このため脱水処理工程に汚泥
濃度の高い洗浄汚泥を供給できるようになり、脱水工程
を安定して効率よく行うことができ、しかも分離液の処
理が容易になる消化汚泥の洗浄濃縮方法、およびこの濃
縮処理に使用する洗浄濃縮剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の消化汚泥
の洗浄濃縮方法および洗浄濃縮剤である。 (1)消化汚泥を水で洗浄する際、pH4におけるコロ
イド当量値が2〜4meq/gのカチオン性高分子凝集
剤を添加して、洗浄と凝集処理を行い、汚泥を濃縮する
ことを特徴とする消化汚泥の洗浄濃縮方法。 (2)pH4におけるコロイド当量値が2〜4meq/
gであるカチオン性高分子凝集剤を含むことを特徴とす
る消化汚泥用洗浄濃縮剤。
【0007】本発明において処理の対象となる消化汚泥
は、下水処理汚泥やし尿等の有機物を嫌気性処理したと
きに生成する消化汚泥であり、汚泥の脱水を悪化させる
要因となる粘質物やタンパク質を含む汚泥である。
【0008】本発明で使用するカチオン性高分子凝集剤
は、pH4におけるコロイド当量値が2〜4meq/g
であるカチオン性高分子凝集剤である。このようなカチ
オン性高分子凝集剤としては、カチオン性のモノマー成
分の単独重合体もしくは共重合体、カチオン性のモノマ
ー成分とノニオン性のモノマー成分との共重合体、ノニ
オン性のモノマー成分の単独重合体もしくは共重合体の
マンニッヒ変性物またはホフマン分解物などがあげられ
る。
【0009】上記カチオン性のモノマー成分としては、
ジメチメアミノエチルメタアクリレート(DAM)、ジ
メチルアミノエチルアクリレート(DAA)、ジメチル
アミノプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノプロ
ピルアクリレートおよびこれらの四級化物などがあげら
れる。四級化物としてはメチルクロリド、エチルクロリ
ド等の四級化物などがあげられる。またノニオン性のモ
ノマー成分としては、アクリルアミド(AAm)、メタ
クリルアミド、N,N′−ジメチルアクリルアミド、
N,N′−ジメチルメタクリルアミドなどがあげられ
る。
【0010】カチオン性高分子凝集剤の具体的なものと
しては、DAA/AAm共重合体、DAM/AAm共重
合体、これらの四級化物、ポリ(メタ)アクリルアミド
のマンニッヒ変性物、ポリ(メタ)アクリルアミドのホ
フマン分解物などがあげられる。カチオン性高分子凝集
剤としては、30℃、1N硝酸ナトリウム(NaN
3)中で測定した固有粘度〔η〕が7〜9dl/gの
ものが好ましい。
【0011】本発明の方法では、消化汚泥を水で洗浄す
る際、例えば汚泥洗浄槽に上記のようなカチオン性高分
子凝集剤を添加して消化汚泥の洗浄と凝集処理を行う。
カチオン性高分子凝集剤の添加量は、汚泥固形分当り純
分として0.2〜2.0重量%、好ましくは0.4〜
1.0重量%とするのが望ましい。カチオン性高分子凝
集剤として液状のものを使用する場合は、カチオン性高
分子凝集剤の固形分として上記添加量になるように添加
する。
【0012】上記の洗浄により、消化汚泥に付着または
含まれる粘質物、タンパク質その他の不純物が洗浄水中
に溶解するが、このとき電荷の中和により、これらの不
純物と汚泥固形分の分離が促進され、かつカチオン性高
分子凝集剤の凝集力により汚泥固形分が凝集する。この
ため洗浄効果が高まるとともに、洗浄汚泥の濃縮も促進
される。
【0013】凝集処理液は、沈降分離などの方法により
固液分離することにより、高濃度に濃縮された濃縮汚泥
と、SS濃度の低い分離液とがそれぞれ安定した濃度で
得られる。濃縮汚泥は脱水処理工程に供給し、鉄塩、ア
ルミニウム塩、消石灰等の脱水処理用の無機凝集剤を添
加した後、遠心脱水機、真空脱水機、ベルトプレス型脱
水機、スクリュープレスまたはフィルタープレスなどの
脱水機により従来と同様にして脱水を行うことができ
る。
【0014】この場合、脱水処理用の無機凝集剤を添加
する洗浄汚泥はすでに高濃度に濃縮されているので、脱
水処理用の無機凝集剤の添加量は従来法に比べて少なく
することができ、しかも脱水処理を安定して効率よく行
うことができる。
【0015】分離液は好気性処理系その他の水処理系に
導入して処理を行う。この場合、分離液中のSS濃度は
低いので、水処理系におけるSS負荷の上昇を抑制する
ことができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を図面により説明する。
図1は本発明の消化汚泥の洗浄濃縮方法を採用した下水
処理方法を示すフローシートである。図において、1は
被処理液、2は最初沈殿池、3は曝気槽、4は最終沈殿
池、5は固液分離槽、6は消化槽、7は洗浄水、8は汚
泥洗浄槽、9はカチオン性高分子凝集剤、10は混合
槽、11は鉄塩、12は消石灰、13は脱水機である。
【0017】図1のフローにおける処理では、下水等の
被処理液1は、最初沈殿池2において固液分離し、分離
液21は曝気槽3において返送汚泥22と混合し、曝気
して好気性処理(活性汚泥処理)を行う。曝気液23は
最終沈殿池4で固液分離し、分離液は処理水24として
系外に排出する。最終沈殿池4の分離汚泥の一部は返送
汚泥22として曝気槽3に返送し、残部の余剰汚泥25
bは最初沈殿汚泥25aとともに被消化汚泥25として
固液分離槽5に導入する。
【0018】固液分離槽5では、導入された被消化汚泥
25を固液分離し、分離液26は最初沈殿池2に返送
し、分離汚泥は消化槽6に導入する。消化槽6では、嫌
気性を維持して嫌気性処理(消化)を行う。
【0019】消化槽6で発生する消化汚泥31は本発明
の被処理汚泥として、洗浄水7と混合して汚泥洗浄槽8
に連続的に導入して洗浄する。このときカチオン性高分
子凝集剤9を連続的に添加して、凝集処理を行う。上記
の消化汚泥31は、消化槽6から排出される混合液を固
液分離した分離汚泥として得られ、分離液(脱離液)は
最初沈殿池2に返送されるが、図示は省略されている。
汚泥洗浄槽8内の槽内液は、沈降分離により、高濃度に
濃縮された濃縮汚泥32と、SS濃度の低い分離液33
とに固液分離する。
【0020】分離液33は最初沈殿池2に連続的に返送
し、濃縮汚泥32は混合槽10に連続的に導入する。混
合槽10では、濃縮汚泥32に鉄塩11および消石灰1
2を添加して凝集させ、易脱水性のフロックを生成させ
る。
【0021】混合槽10の槽内液は脱水機13に供給
し、機械脱水する。脱水ケーキ34は焼却などの後処理
に供給する。脱水分離液は最初沈殿池2に返送するが、
図示は省略されている。
【0022】図1のフローでは、汚泥の洗浄工程にカチ
オン性高分子凝集剤9を添加して凝集処理を行っている
ので、分離液33中のSS濃度は低くなり、このため曝
気槽3におけるSS負荷の上昇は抑制される。また高濃
度の濃縮汚泥32が得られるので、鉄塩11および消石
灰12の添加量は少なくてすみ、しかも脱水機13によ
る脱水処理を安定して効率よく行うことができる。
【0023】なお、上記の方法は下水処理汚泥の嫌気性
消化の例について示したが、し尿その他の有機性排液の
嫌気性処理により生成する消化汚泥の処理についても適
用可能である。
【0024】実施例1、比較例1 下水汚泥の消化汚泥に水を加えた試験試料(pH7.
0、全固形分=1.9重量%)を500mlビーカーに
入れ、表1に示すカチオン性高分子凝集剤を全固形分に
対して0.4重量%添加し、150rpmで1分間攪拌
した後さらに50rpmで3分間攪拌し、フロックを形
成させた。このフロックのフロック径および沈降速度を
表2に示す。
【0025】
【表1】 *1 試験No.3〜6が実施例のもの、その他は比較
例のもの *2 pH4におけるコロイド当量値 *3 30℃、1N硝酸ナトリウム中で測定した値 *4 DAM(4):ジメチルアミノエチルメタアクリ
レートメチルクロリド4級化物 DAA(4):ジメチルアミノエチルアクリレートメチ
ルクロリド4級化物 AAm:アクリルアミド
【0026】
【表2】 *1 試験No.3〜6が実施例、その他は比較例
【0027】表2の結果から、pH4におけるコロイド
当量値が2〜4のカチオン性高分子凝集剤は、フロック
径が大きくて沈降速度の速いフロックを形成させること
ができることがわかる。
【0028】実施例2 図1で説明した洗浄濃縮方法において、pH;7.0、
全固形分;1.94重量%の消化汚泥に、実施例1の試
験No.4のカチオン性高分子凝集剤を、全固形分に対
して1.0重量%となるように連続注入して洗浄濃縮を
行い、表3の条件で脱水処理を行った。結果を表3に示
す。
【0029】比較例2 実施例2において、カチオン性高分子凝集剤を添加しな
いで、鉄塩および消石灰の添加量を表3に示す量に変更
した以外は実施例2と同様にして行った。結果を表3に
示す。
【0030】
【表3】
【0031】表3の結果から、汚泥の洗浄工程にカチオ
ン性高分子凝集剤を添加することにより、分離液中のS
S濃度を低減でき、しかも無機凝集剤の添加量を少なく
して、多量の汚泥を脱水処理できることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明の消化汚泥の洗浄濃縮方法は、汚
泥を洗浄する際に特定のカチオン性高分子凝集剤を添加
して洗浄と凝集処理を行うので、汚泥濃度の高い洗浄汚
泥が得られるとともに低SS濃度の分離液が安定して得
られる。このため洗浄汚泥をさらに脱水処理する際、汚
泥濃度の高い洗浄汚泥を脱水処理するようになるので、
脱水処理を安定して効率よく行うことができる。また分
離液を処理する際のSS負荷の上昇を抑制することがで
きる。
【0033】本発明の消化汚泥用洗浄濃縮剤は、特定の
カチオン性高分子凝集剤を含んでいるので、上記の消化
汚泥の洗浄濃縮の際に使用した場合、汚泥濃度の高い洗
浄汚泥と低SS濃度の分離液とを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消化汚泥の洗浄濃縮方法を採用した下
水処理方法を示すフローシートである。
【符号の説明】
1 被処理液 2 最初沈殿池 3 曝気槽 4 最終沈殿池 5 固液分離槽 6 消化槽 7 洗浄水 8 汚泥洗浄槽 9 カチオン性高分子凝集剤 10 混合槽 11 鉄塩 12 消石灰 13 脱水機 21、26、33 分離液 22 返送汚泥 23 曝気液 24 処理水 25 被消化汚泥 25a 最初沈殿汚泥 25b 余剰汚泥 31 消化汚泥 32 濃縮汚泥 34 脱水ケーキ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消化汚泥を水で洗浄する際、pH4にお
    けるコロイド当量値が2〜4meq/gのカチオン性高
    分子凝集剤を添加して、洗浄と凝集処理を行い、汚泥を
    濃縮することを特徴とする消化汚泥の洗浄濃縮方法。
  2. 【請求項2】 pH4におけるコロイド当量値が2〜4
    meq/gであるカチオン性高分子凝集剤を含むことを
    特徴とする消化汚泥用洗浄濃縮剤。
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