JP2005000764A - 汚泥スラリーの脱水方法及び装置 - Google Patents

汚泥スラリーの脱水方法及び装置 Download PDF

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利幸 安永
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Abstract

【課題】下水処理場などの汚泥スラリーや有機性汚水から発生する硫化水素やメチルメルカプタンなどの悪臭物質に由来する臭気を防止できて、優れた脱水効率を得ることができる脱水方法、及び装置を提供する。
【解決手段】汚泥スラリーに高分子凝集剤を添加した後、機械脱水する方法において、高分子凝集剤として、亜硝酸塩を混合した高分子凝集剤溶液を使用することを特徴とする汚泥スラリーの脱水方法、及びその装置。機械脱水により生じる脱水分離液の一部又は全部を汚泥貯留槽又は汚泥濃縮槽に返送すること、或いは汚泥に無機凝集剤を添加し、次いで高分子凝集剤を添加した後、機械脱水することが好ましい。亜硝酸塩を含有した高分子凝集剤溶液からなることを特徴とする高分子凝集剤。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、し尿、排水などの有機性汚水、又はこれらから生じる汚泥の処理に関する。より詳しくは、本発明は、下水処理場から発生する混合汚泥のような難脱水性でかつ多量の臭気を発生する汚泥スラリーの脱水方法及び装置、並びにそれに用いる高分子凝集剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水、し尿、排水などの汚水及びこれらから生じる汚泥には、硫化水素やメチルメルカプタンなどに起因する臭気が発生する。これら汚水や汚泥の処理工程の近くでは、臭気により労働環境が悪化し、ひどい場合には中毒になることがある。また、汚泥やその脱水ケーキを運送する場合には、一般道路で臭気が問題となり、一般市民に迷惑がかかるという問題がある。
【0003】
これら汚水や汚泥及びその脱水ケーキの臭気を防止する目的で、様々な消臭剤や臭気除去方法が工夫されている。代表的な例としては(1)塩化第二鉄や塩化亜鉛の溶液を汚水や汚泥に添加する方法、(2)次亜塩素酸塩等の酸化剤を単独で汚水や汚泥に添加して、臭気物質を酸化分解する方法、(3)汚泥に亜硝酸塩を添加して硫化水素やメチルメルカプタンなどの悪臭物質に由来する臭気を防止する方法(特許文献1)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−340895号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)の方法では、これらの汚泥から得られる脱水ケーキには、多量の金属が残留しているため、コンポスト原料としての再利用には適さない場合が多い。また、(2)の場合は、汚泥から得られた脱水ケーキには、消臭剤に由来する重金属類は含まれていないので、コンポスト等への再利用が可能である。しかしながら、次亜塩素酸塩を用いた場合には、脱臭効果が持続せず、抑臭のためには添加量を多くする必要があり、汚泥の性状変化により脱水が困難になる場合がある。(3)の方法は、汚泥スラリーや脱水ケーキの臭気抑制を長期間にわたって持続できる点で効果的な方法である。しかしながら、臭気抑制効果を長時間持続させる目的で亜硝酸塩を多量に添加した場合には、脱水ろ液中の亜硝酸イオンが増加し、水処理工程に返送させたろ液中の亜硝酸イオンの殺菌効果により、生物処理工程に悪影響を与える可能性があり好ましくなかった。また、一般の脱水施設においては、亜硝酸塩と脱水用の高分子凝集剤とを、二液型として、別個に添加するので亜硝酸塩用のタンク及びポンプが更に必要となり、2種の薬品の添加量の制御をしなければならないというデメリットが発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情によりなされたものであり、下水処理場などの汚泥スラリーや有機性汚水から発生する硫化水素やメチルメルカプタンなどの悪臭物質に由来する臭気を防止できて、優れた脱水効率を得ることができる脱水方法及び装置、並びにそれに用いる高分子凝集剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、上記の亜硝酸塩を臭気抑制目的で使用する汚泥スラリーの脱水方法及び装置の問題点を解決するべく鋭意検討した結果、亜硝酸塩と高分子凝集剤を一緒に溶解させた溶液を脱水に用いることにより、優れた脱水及び効果的かつ持続的な脱臭が行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の手段により上記の課題を解決することができた。
(1)汚泥スラリーに高分子凝集剤を添加した後、機械脱水する方法において、高分子凝集剤として、亜硝酸塩を混合した高分子凝集剤溶液を使用することを特徴とする汚泥スラリーの脱水方法。
(2)機械脱水により生じる脱水分離液の一部又は全部を汚泥貯留槽又は汚泥濃縮槽に返送することを特徴とする前記(1)記載の方法。
(3)汚泥に無機凝集剤を添加し、次いで高分子凝集剤溶液を添加した後、機械脱水することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)高分子凝集剤が分子内に架橋構造を有するエマルジョン系高分子凝集剤であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)凝集槽と脱水機、又は凝集槽と造粒濃縮槽と脱水機とからなり、凝集槽又は造粒濃縮槽に汚泥スラリーへ亜硝酸塩を混合した高分子凝集剤溶液を添加する装置を備えたことを特徴とする汚泥スラリーの脱水装置。
(6)亜硝酸塩を含有した高分子凝集剤溶液からなることを特徴とする高分子凝集剤。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、本発明の実施例において使用する下水処理場のフローを、図1及び図2について説明する。
図1は、脱水機としてベルトプレス脱水機を使用する一実施態様を説明する概略構成図であり、図2は、ろ過部を有する造粒濃縮槽を備えたベストプレス型脱水機を使用する一実施態様を説明する概略構成図である。なお、図1及び図2において、同一機能を有する構成要素は同一符号を用いて示す。
【0010】
図1において、汚泥スラリー1は汚泥濃縮機2で濃縮されて濃縮汚泥3として汚泥貯留槽4を経て、凝集槽5で凝集剤溶解槽6からの高分子凝集剤7により凝集され、凝集された汚泥は、脱水機流入部9と脱水ケーキ排出部10を有するベルトプレス脱水機8で十分脱水され、ベルトコンベア13でケーキホッパー14中に運ばれる。なお、12は脱水機8から出るろ液であり、11は脱水ケーキである。そして、凝集剤溶解槽6においては、亜硝酸塩が高分子凝集剤と同時に溶解され、高分子凝集剤7としては特に言及しない限り亜硝酸塩が含まれていることを意味する。
【0011】
図2においては、汚泥貯留槽4からの濃縮汚泥3は、助剤貯留槽16からの助剤17と反応槽15中で撹拌され、次いでろ過部19を有する造粒濃縮槽18中で高分子凝集剤7と混合撹拌され、余剰の水分をろ液20として除去されてから造粒濃縮物21がベルトプレス脱水機8へ供給される。
【0012】
本発明において使用される亜硝酸塩には特に制限はなく、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ルビジウム、亜硝酸セシウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸ニッケル、亜硝酸銅、亜硝酸銀、亜硝酸亜鉛、亜硝酸タリウムなどを挙げることができる。これらの亜硝酸塩は1種を単独で用いることができ、また2種以上を混合して用いることもできる。これらの亜硝酸塩の中では、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムが効果やコストの面で好ましい。
【0013】
亜硝酸塩の汚泥スラリーに対する添加量は、処理する汚泥の性状にもより異なるので一概には言えないが、10〜2000mg/リットル、好ましくは100〜1000mg/リットルである。亜硝酸塩の添加量が10mg/リットル未満では消臭効果が十分発揮できず、一方、2000mg/リットルを超える場合はそれ以上の消臭効果はなく経済的でないばかりでなく、水処理工程に返送された時に、生物処理工程に悪影響を与える可能性があり好ましくない。
【0014】
本発明において使用される高分子凝集剤は、通常、汚泥の脱水に使用されるカチオン系高分子凝集剤又は両性高分子凝集剤であれば良く、特にいずれかの種類を問わない。カチオン系高分子凝集剤とは、カチオン性モノマーを必須成分として有するものであり、カチオン性モノマーの共重合体又はカチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体である。カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートもしくはこれらの中和塩、4級塩などが挙げられる。また、分子内にアミジン単位を含有するカチオン系高分子凝集剤も使用可能である。
【0015】
また、本発明に使用される高分子凝集剤には、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位及びノニオン性モノマー単位を共重合した、いわゆる両性高分子凝集剤も挙げることができる。
上記の高分子凝集剤の中でも、亜硝酸塩と同時溶解して使用する本発明においては、分子内に架橋構造が導入されたエマルジョン系高分子凝集剤、アミジン系高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤が好ましく、特に前二者が好ましい。
【0016】
亜硝酸塩と高分子凝集剤を一液化する方法は特に問わない。すなわち、高分子凝集剤溶解用水に予め亜硝酸塩を所定の添加量になるように投入・混合しておき、その後高分子凝集剤の溶解を開始しても良いし、高分子凝集剤溶解後に亜硝酸塩を投入・混合しても良い。
本発明の方法においては、亜硝酸塩が上記範囲の添加量となるように、予め高分子凝集剤の希釈液に亜硝酸塩を混合しておき、次いで高分子凝集剤を溶解することができる。即ち、脱水時に添加する亜硝酸塩と高分子凝集剤の量が目標値となるように、まず希釈水に亜硝酸塩を混合し、次いで高分子凝集剤を溶解すれば、高分子凝集剤溶液の汚泥スラリーに対する添加量を一定にすることで、亜硝酸塩と高分子凝集剤を目標値通りに添加できる。脱水状態や臭気の発生状態により、希釈水に混合又は溶解する亜硝酸塩や高分子凝集剤の量を変更すればよい。
なお、脱水に際して使用する高分子凝集剤の添加量は特に問わないが、一般的には、汚泥量のSSに対して0.3〜2.0%である。
【0017】
本発明は、脱水分離液の一部又は全部を、汚泥貯留槽又は汚泥濃縮槽に返送することにより系外に排出される亜硝酸塩を無くすとともに、生物処理工程での悪影響を無くすることができる。脱水分離液とは、脱水工程から発生する脱水ろ液を言うが、造粒濃縮槽を有する脱水機を使用する場合には、該造粒濃縮槽で生じる分離液も含まれる。
【0018】
本発明において、汚泥スラリーの脱水方法には特に制限はなく、遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、スクリュープレス脱水機、フィルタープレス脱水機、真空脱水機などを用いることができる。
【0019】
本発明は、上記構成により汚泥スラリーを脱水して生じた脱水分離液の一部又は全部を、汚泥貯留槽又は汚泥濃縮機に返送することで、脱水ろ液側に流出した亜硝酸イオンを有効に利用することができるとともに、更に水処理工程に返送する亜硝酸イオンを低下させることで、生物処理工程に与える悪影響を極力抑えることが可能となる。このことも、汚泥濃縮槽の上澄水及び脱水機からの脱離水を原水に返送する従来の脱水ケーキの脱臭方法に比べて、生物処理工程での悪影響を無くすることができる点で極めて優れている利点と言える。
【0020】
ろ過部を有する造粒濃縮槽を備えた脱水機を使用する場合には、このろ過部から排出されるろ液を返送することができる。当該造粒槽の例としては、特開平4−59100号公報や特開平7−256298号公報に記載された装置を挙げることができる。この濃縮槽は、円筒槽内の中心部に撹拌羽根を有する撹拌機と、当該撹拌羽根よりも上方に通水可能なスリットを有するろ過筒を有するものであり、供給される汚泥と高分子凝集剤を上記撹拌手段で撹拌してフロック化、造粒しながらろ過筒からろ液を槽外へ排出することを特徴とするものである。
【0021】
本発明においては、予め汚泥スラリーのpHを5.5以下に調整することにより、硫酸還元菌と共生する脱窒菌の活動を抑制し、亜硝酸イオンの消費を抑え、硫化水素の発生を長期間にわたって抑制することができる。汚泥のpH調整は塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硝酸第二鉄などの第二鉄塩を好適に用いることができる。また、酸を併用することもできる。
【0022】
前述のpH調整剤により汚泥のpHを低下させた場合、一般に高分子凝集剤として使用されるカチオン系高分子凝集剤では凝集不足を生じる。これは、カチオン基の反応相手であるカルボキシル基のような汚泥のアニオンが、pH低下に応じて非解離となるためであると考えられる。このような条件下では、分子内に架橋構造が一定以上導入されたエマルジョン系の高分子凝集剤が特異的に有効である。このような高分子凝集剤は、具体的には、カチオン高分子凝集剤が特開平10−1337798合公報等に、両性高分子凝集剤が特開2000−218297号公報や特開2000−218297号公報に記載されている。このようなエマルジョン系高分子凝集剤を使用した場合には、pH調整剤の有無に関わらず汚泥の脱水性が向上するという効果も得られる。また、アミジン系ポリマーもpH調整剤の有無に関わらず汚泥の脱水性が向上するという効果も得られる。
【0023】
また、特にpH調整剤として塩化第二鉄を用いた場合には、分子内にカチオン基及びアニオン基が導入された両性高分子凝集剤が良好な凝集性を示すので好ましい。両性高分子凝集剤はエマルジョン系高分子凝集剤の他、粉末状の高分子凝集剤も使用可能である。また、アミジン系ポリマーも両性高分子凝集剤と同様の脱水性の向上効果が期待できる。
【0024】
本発明においては、亜硝酸塩以外の酸化剤や金属塩或いは殺菌剤を使用することができる。
酸化剤としては、公知の酸化剤を使用することができ、例えば過酸化水素、過酢酸、過硫酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過酸化カルシウムなどの過酸化物、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム等のハロゲン系酸化剤、或いは過マンガン酸塩などが挙げられる。これらの中でもハロゲン系酸化剤が好ましく、特に亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
【0025】
亜硝酸塩以外の金属塩としても公知のものを使用することができ、例えば硝酸塩、リン酸塩、塩化物、硫酸塩、硫化物、酸化物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、酢酸塩、水酸化物、炭酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ヨウ化物などを挙げることができる。
有機系殺菌剤としては、ピリチオン塩、サリチル酸、キノリン、チウラム、イソチアン酸塩などが使用できる。
【0026】
また、防菌剤として公知のN−(2−ヒドロキシプロピル)−アミノメタノール、2−(ヒドロキシメチルアミノ)−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1.3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−エタノール等のアルコール類、クレゾール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール等のフェノール類、グルタルアルデヒド、α−ブロモシンナムアルデヒド等のアルデヒド類、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−ヘキサヒドロトリアジン、2−メトキシカルボニルアミノベンツイミダゾール、チアベンダゾール、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニジン、塩化ベンサルコニウム、塩化セタルコニウム、2,2−ジブロモ−3−ニトロプロピオアミド、ビス(1−オキシ−2ピリジル)ジスルフィド、ヒノキチオールなども使用できる。
また、特開平5−23698号公報に記載の下記の一般式(1)〜(9)に示す有機化合物も使用できる。
【0027】
【化1】
Figure 2005000764
【0028】
(式中、R、Rは、H、アルキル、ジチオカルバミン酸N−アルキレン、RはH、第4級アンモニウム、ヒドラジン、アルキルアミノ、金属、nは1〜3を表す。)
【0029】
【化2】
Figure 2005000764
【0030】
(式中、R、Rは、H、アルキル、アルキレン、nは1又は2を表す。)
【0031】
【化3】
Figure 2005000764
【0032】
(式中、Rは、アルキル、アルケニル、ハロゲンアルキル、フェニル、メチルチオベンゾチアゾール、nは1又は2を表す。)
【0033】
【化4】
Figure 2005000764
(式中、Rは、アルキル、アルケニルを表す。)
【0034】
【化5】
Figure 2005000764
【0035】
(式中、RはH、Na、Zn、Cu、nは1又は2を表す。)
【0036】
【化6】
Figure 2005000764
【0037】
(式中、RはH、Cu、XはH、ハロゲンを表わす。)
【0038】
【化7】
Figure 2005000764
【0039】
(式中、R、R、Rはアルキル、ハロゲン、アミノ基、水酸基、アルコキシを表わす。)
【0040】
【化8】
Figure 2005000764
【0041】
(式中、R、R、RはH、Na、K、ハロゲン、ハロゲンアルキルを表わす。)
【0042】
【化9】
Figure 2005000764
【0043】
(式中、Rはハロゲンアルキル、Rは水酸基、ハロゲン、アルコキシ、フェニル、nは1又は3を表わす。)
【0044】
まず一般式(1)のジチオ炭酸アミドの誘導体としては、N−メチルジチオカルバミン酸塩(NH、Na、K、Zn等)、ジチオカルバミン酸ヒドラジン、N,N’−ジメチルジチオカルバミン酸塩(NH、Na、K、Cu、Zn、Mn、Fe、Ni、Pb等)、N,N’−ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、N,N’−ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスチオカルバミン酸塩(NH、Na、Zn、Mn等)、ビス(ジメチルジチオカルバモイル)、エチレンビス(ジチオカルバミン酸)亜鉛等を例示できる。一般式(2)のチウラムスルフィドの誘導体としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、エチレンチウラムモノサルファイド等を例示できる。
【0045】
一般式(3)のチオシアン誘導体としては、メチレンビスチオシアネート、クロロメチルチオシアネート、エチレンビスチオシアネート、クロロエチレンビスチオシアネート、ビニレンビスチオシアネート、フェニルチオシアネート、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール等があり、また一般式(4)のイソチオシアンの誘導体としては、メチルイソチオシアネート、アリルイソチオシアネート等を挙げることができる。一般式(5)のピリジンの誘導体としては、2−メルカプトピリジン−N−オキサイド、(2−ピリジルチオ−1−オキシド)ナトリウム、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛等があり、また、一般式(6)のキノリンの誘導体としては、8−ハイドロオキシキノリン、8−ハイドロオキシキノリン硫酸塩、8−ハイドロオキシキノリン銅、5−クロロキノリノール等を挙げることができる。
【0046】
一般式(7)のトリアジンの誘導体としては、2,4−ジクロロ−6−イソシアノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンNa塩、2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−(o−クロロアニリン)−1,3,5−トリアジン、モノクロロメラミン、ジクロロメラミン、トリクロロメラミン、ヘキサクロロメラミン、トリクロロシアヌール酸等を挙げることができ、また、一般式(8)のイソシアヌール酸の誘導体としては、イソシアヌール酸、トリクロロイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸Na等を挙げることができる。一般式(9)のハロゲンカルボニル化合物の誘導体としては、ブロム酢酸ブロマイド、トリクロロ酢酸、ビスブロモアセトキシエタン、ビス(1,4−ブロモアセトキシ)−2−ブテン、1,2,3−トリス(ブロモアセトキシ)プロパン、2−ブロモ−4’−ハイドロオキシアセトフェノン等を挙げることができる。
【0047】
本発明の方法では、上記薬剤を高分子凝集剤添加後の凝集汚泥の脱水機への流入部、脱水機中、或いはケーキ排出部のいずれかに添加することができる。具体的にはベルトプレス脱水機の場合にはベルトプレスのろ布上、ケーキスクレバー部、ケーキ排出部(ケーキを排出するベルトコンベア上やスクリューコンベア内或いはケーキホッパーを含む)である。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の脱水ケーキの臭気測定は以下の方法に従って行った。
(1)所定量の脱水ケーキを臭気測定用袋(容量:700ミリリットル)に入れ、ゴム栓で密栓する。
(2)シリンジで600ミリリットルの無臭空気を注入する。
(3)30℃の恒温槽に保管し、消臭剤添加後から所定時間毎に北川式検知管で硫化水素、メチルメルカプタンを測定する。
【0049】
また、本実施例において、使用した高分子凝集剤は下記の通りである。
(A)…アクリレート系カチオン高分子凝集剤、分子量400万
(B)…両性高分子凝集剤、分子量400万
(C)…アミジン系カチオン高分子凝集剤、分子量300万
(D)…分子内に架橋構造が導入されたエマルジョン系カチオン高分子凝集剤、分子量300万
【0050】
なお、全実施例において、使用に際しては高分子凝集剤溶解用水1mに対し、亜硫酸ナトリウム3.2kgを予め混合・溶解した後、高分子凝集剤2kgを溶解した。この溶解液は、高分子凝集剤を100mg/リットル添加した場合には、亜硝酸ナトリウムを160mg/リットル添加することになる。
【0051】
実施例1
下水処理場から発生する第1表に示す性状の混合生汚泥スラリーを、図1に示すベルトプレス脱水機を設置した脱水施設に供給し、高分子凝集剤(A)を200mg/リットル添加して脱水を行い、得られた脱水ケーキの臭気測定を行った。結果を第2表に示す。また、この脱水ろ液中に含まれる亜硝酸塩の量は40mg/リットル(NO として)であった。
【0052】
【表1】
Figure 2005000764
【0053】
実施例2
実施例1において、脱水ろ液の25%に相当する量を汚泥貯留槽に連続して返送して脱水運転を行った。結果を第2表に示す。
【0054】
実施例3〜7及び比較例1
高分子凝集剤の種類、脱水ろ液の返送場所及び返送割合を第2表の様に変更した以外は実施例2と同様に実験を行った。結果を第2表に併記する。また、実施例1において高分子凝集剤溶解液に亜硫酸ナトリウムを混合しなかった場合の結果を、比較例1として第2表に示す。
【0055】
【表2】
Figure 2005000764
【0056】
実施例8
下水処理場から発生する第3表に示す性状の余剰汚泥スラリーを、図2に示すベルトプレス脱水機を設置した脱水施設に供給し、高分子凝集剤(A)を200mg/リットル添加して脱水を行い、得られた脱水ケーキの臭気測定を行った。
結果を第4表に示す。なお、高分子凝集剤添加前にポリ硫酸第二鉄2000mg/リットルを汚泥スラリーに添加・混合した。また、造粒濃縮槽からの分離液中に含まれる亜硝酸塩の量は60mg/リットル(NO として)であった。
【0057】
【表3】
Figure 2005000764
【0058】
実施例9
実施例8において、造粒濃縮槽の分離液の10%に相当する量を汚泥貯留槽に連続して返送して脱水運転を行った。結果を第4表に示す。
【0059】
実施例10〜14及び比較例2
高分子凝集剤の種類、脱水ろ液の返送場所及び返送割合を第4表の様に変更した以外は実施例8と同様に実験を行った。結果を第4表に併記する。また、実施例8において高分子凝集剤溶解液に亜硫酸ナトリウムを混合しなかった場合の結果を、比較例2として第4表に示す。
【0060】
【表4】
Figure 2005000764
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、汚泥スラリーの脱水に際し、亜硝酸塩を混合した高分子凝集剤溶解液を使用することで、硫化水素等の臭気発生を汚泥処理全プロセスにわたって効果的に防止できるとともに、薬注管理の効率化が図れ、更に脱水ろ液の一部又は全部を汚泥貯留槽又は汚泥濃縮槽に返送することで、亜硝酸塩を使用した場合に発生する生物処理工程に悪影響を与えるという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルトプレス型脱水機を使用する本発明の一実施態様のフローを示す工程系統図である。
【図2】ろ過部を有する造粒濃縮槽を備えたベルトプレス型脱水機を使用する本発明の別の実施態様のフローを示す工程系統図である。
【符号の説明】
1 汚泥スラリー
2 汚泥濃縮槽
3 濃縮汚泥
4 汚泥貯留槽
5 凝集槽
6 凝集剤溶解槽
7 高分子凝集剤
8 ベルトプレス脱水機
9 流入部
10 排出部
11 脱水ケーキ
12 ろ液
13 ベルトコンベア
14 ケーキホッパー
15 反応槽
16 助剤貯留槽
17 助剤
18 造粒濃縮槽
19 ろ過部
20 ろ液
21 造粒濃縮物

Claims (6)

  1. 汚泥スラリーに高分子凝集剤を添加した後、機械脱水する方法において、高分子凝集剤として、亜硝酸塩を混合した高分子凝集剤溶液を使用することを特徴とする汚泥スラリーの脱水方法。
  2. 機械脱水により生じる脱水分離液の一部又は全部を汚泥貯留槽又は汚泥濃縮槽に返送することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 汚泥に無機凝集剤を添加し、次いで高分子凝集剤溶液を添加した後、機械脱水することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 高分子凝集剤が分子内に架橋構造を有するエマルジョン系高分子凝集剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 凝集槽と脱水機、又は凝集槽と造粒濃縮槽と脱水機とからなり、凝集槽又は造粒濃縮槽に汚泥スラリーへ亜硝酸塩を混合した高分子凝集剤溶液を添加する装置を備えたことを特徴とする汚泥スラリーの脱水装置。
  6. 亜硝酸塩を含有した高分子凝集剤溶液からなることを特徴とする高分子凝集剤。
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