JPH08206699A - 嫌気性消化汚泥の脱水方法 - Google Patents
嫌気性消化汚泥の脱水方法Info
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- JPH08206699A JPH08206699A JP7017925A JP1792595A JPH08206699A JP H08206699 A JPH08206699 A JP H08206699A JP 7017925 A JP7017925 A JP 7017925A JP 1792595 A JP1792595 A JP 1792595A JP H08206699 A JPH08206699 A JP H08206699A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 下水の嫌気性消化汚泥の脱水性を改善して効
率的な脱水を行う。 【構成】 嫌気性消化汚泥に曝気を行った後余剰汚泥を
混合し、得られた混合汚泥に金属塩を添加し、次いで両
性有機高分子凝集剤を添加して凝集処理し、凝集汚泥を
脱水機で脱水する。 【効果】 嫌気性消化汚泥を曝気して汚泥中に溶解して
いる炭酸ガスを脱気することにより、後工程で金属塩を
添加した際に、汚泥から炭酸ガスが発生して凝集を阻害
することを防止する。嫌気性消化汚泥はアルカリ度が高
く、凝集性が悪いので、アルカリ度の低い余剰汚泥を混
合してアルカリ度を低下させて凝集性を高める。曝気及
び余剰汚泥の混合で凝集性を改善した後、金属塩を添加
して荷電中和を行い、次いで、両性有機高分子凝集剤を
添加することにより、効果的な凝集、濃縮を行える。得
られた濃縮汚泥は脱水性が極めて良好で、高い濾過速度
で脱水して低含水率の脱水ケーキを得ることができる。
率的な脱水を行う。 【構成】 嫌気性消化汚泥に曝気を行った後余剰汚泥を
混合し、得られた混合汚泥に金属塩を添加し、次いで両
性有機高分子凝集剤を添加して凝集処理し、凝集汚泥を
脱水機で脱水する。 【効果】 嫌気性消化汚泥を曝気して汚泥中に溶解して
いる炭酸ガスを脱気することにより、後工程で金属塩を
添加した際に、汚泥から炭酸ガスが発生して凝集を阻害
することを防止する。嫌気性消化汚泥はアルカリ度が高
く、凝集性が悪いので、アルカリ度の低い余剰汚泥を混
合してアルカリ度を低下させて凝集性を高める。曝気及
び余剰汚泥の混合で凝集性を改善した後、金属塩を添加
して荷電中和を行い、次いで、両性有機高分子凝集剤を
添加することにより、効果的な凝集、濃縮を行える。得
られた濃縮汚泥は脱水性が極めて良好で、高い濾過速度
で脱水して低含水率の脱水ケーキを得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は嫌気性消化汚泥の脱水方
法に係り、特に、下水の嫌気性消化汚泥の脱水性を改善
して効率的な脱水を行う方法に関する。
法に係り、特に、下水の嫌気性消化汚泥の脱水性を改善
して効率的な脱水を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下水の処理法として、嫌気性消化
処理がある。嫌気性消化処理は、発生する汚泥の減容
化、病原菌の低減の他、消化ガスの有効利用が可能であ
るなどの利点を有することから、工業的に有利なプロセ
スである。
処理がある。嫌気性消化処理は、発生する汚泥の減容
化、病原菌の低減の他、消化ガスの有効利用が可能であ
るなどの利点を有することから、工業的に有利なプロセ
スである。
【0003】従来、下水の嫌気性消化処理で発生する嫌
気性消化汚泥は、凝集剤としてカチオン性有機高分子凝
集剤1種類のみを添加して凝集処理し、凝集汚泥をベル
トプレス型脱水機で脱水することにより処理されてい
る。
気性消化汚泥は、凝集剤としてカチオン性有機高分子凝
集剤1種類のみを添加して凝集処理し、凝集汚泥をベル
トプレス型脱水機で脱水することにより処理されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、下水の嫌
気性消化処理は工業的に有利なプロセスではあるが、最
近になって、発生する嫌気性消化汚泥の脱水処理が非常
に困難になりつつあり、ベルトプレス型脱水機による濾
過速度(処理速度)が低下し、得られる脱水ケーキの含
水率が上昇するなどの不具合が生じている。また、汚泥
の回収率も十分ではなく、溶解性リンの回収も、脱水ケ
ーキの水分中に含有されるリンのみであることから、そ
の回収率が低かった。
気性消化処理は工業的に有利なプロセスではあるが、最
近になって、発生する嫌気性消化汚泥の脱水処理が非常
に困難になりつつあり、ベルトプレス型脱水機による濾
過速度(処理速度)が低下し、得られる脱水ケーキの含
水率が上昇するなどの不具合が生じている。また、汚泥
の回収率も十分ではなく、溶解性リンの回収も、脱水ケ
ーキの水分中に含有されるリンのみであることから、そ
の回収率が低かった。
【0005】従来における嫌気性消化汚泥の脱水効率等
は、嫌気性消化汚泥中の懸濁物質(以下「DS」と略記
する。)に対してカチオン性有機高分子凝集剤を1.2
〜1.8重量%添加する場合において、次の通りであ
る。なお、溶解性リンの回収率は、凝集、脱水により回
収したリンの供給汚泥中のリンに対する割合である。
は、嫌気性消化汚泥中の懸濁物質(以下「DS」と略記
する。)に対してカチオン性有機高分子凝集剤を1.2
〜1.8重量%添加する場合において、次の通りであ
る。なお、溶解性リンの回収率は、凝集、脱水により回
収したリンの供給汚泥中のリンに対する割合である。
【0006】I 従来法による処理効率 濾過速度(ベルトプレス型脱水機):60〜80kg−
DS/m・hr 脱水ケーキ含水率:84〜86% 汚泥回収率:80〜85% 溶解性リンの回収率:10%以下 本発明は上記従来の問題点を解決し、嫌気性消化汚泥の
脱水性を効果的に改善することにより、高い濾過速度で
脱水を行って低含水率の脱水ケーキを得ると共に、汚泥
回収率及び溶解性リンの回収率を高めることができる嫌
気性消化汚泥の脱水方法を提供することを目的とする。
DS/m・hr 脱水ケーキ含水率:84〜86% 汚泥回収率:80〜85% 溶解性リンの回収率:10%以下 本発明は上記従来の問題点を解決し、嫌気性消化汚泥の
脱水性を効果的に改善することにより、高い濾過速度で
脱水を行って低含水率の脱水ケーキを得ると共に、汚泥
回収率及び溶解性リンの回収率を高めることができる嫌
気性消化汚泥の脱水方法を提供することを目的とする。
【0007】なお、特開昭61−209100号公報に
は、凝集剤を添加して凝集処理した後、濃縮した濃縮汚
泥を曝気し、その後、脱水することが記載されている
が、この方法における曝気の作用は、汚泥中の粘土とか
らみ合っている有機物を分断して濃縮汚泥スラリーの粘
度を下げるものであり、本発明における脱炭酸ガスとは
異なる。
は、凝集剤を添加して凝集処理した後、濃縮した濃縮汚
泥を曝気し、その後、脱水することが記載されている
が、この方法における曝気の作用は、汚泥中の粘土とか
らみ合っている有機物を分断して濃縮汚泥スラリーの粘
度を下げるものであり、本発明における脱炭酸ガスとは
異なる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の嫌気性消化汚泥
の脱水方法は、嫌気性消化汚泥に曝気を行った後余剰汚
泥を混合し、得られた混合汚泥に金属塩を添加し、次い
で両性有機高分子凝集剤を添加して凝集処理し、凝集汚
泥を脱水機で脱水することを特徴とする。
の脱水方法は、嫌気性消化汚泥に曝気を行った後余剰汚
泥を混合し、得られた混合汚泥に金属塩を添加し、次い
で両性有機高分子凝集剤を添加して凝集処理し、凝集汚
泥を脱水機で脱水することを特徴とする。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明においては、まず、嫌気性消化汚泥
を曝気して、汚泥中に溶解している炭酸ガスを脱気す
る。脱炭酸ガスにより、後工程で金属塩を添加した際の
発泡による凝集阻害を防止して凝集性を高めることがで
きる。この曝気は5〜10m3−Air/m3 −汚泥・
hrの曝気風量にて1〜3hr、特に2〜3hr程度行
うのが好ましい。
を曝気して、汚泥中に溶解している炭酸ガスを脱気す
る。脱炭酸ガスにより、後工程で金属塩を添加した際の
発泡による凝集阻害を防止して凝集性を高めることがで
きる。この曝気は5〜10m3−Air/m3 −汚泥・
hrの曝気風量にて1〜3hr、特に2〜3hr程度行
うのが好ましい。
【0011】曝気後の嫌気性消化汚泥は、次いで余剰汚
泥を添加混合して、アルカリ度を低下させることにより
凝集性の改善を図る。この余剰汚泥の混合割合は、嫌気
性消化汚泥1に対して容量比で0.5〜2.0程度、具
体的には、Mアルカリ度3500mg/l以下となる比
率とするのが好ましい。
泥を添加混合して、アルカリ度を低下させることにより
凝集性の改善を図る。この余剰汚泥の混合割合は、嫌気
性消化汚泥1に対して容量比で0.5〜2.0程度、具
体的には、Mアルカリ度3500mg/l以下となる比
率とするのが好ましい。
【0012】次いで、余剰汚泥を混合して得られた混合
汚泥に、第1段目の凝集反応として金属塩を添加して荷
電中和を行う。添加する金属塩としては、塩化第二鉄、
硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミ
ニウム、ポリ硫酸鉄等を用いることができ、その添加量
は当該金属塩の製品として50〜80重量%/DSとす
るのが好ましい。また、金属塩との反応時間(混合時
間)は2〜3分が適当である。
汚泥に、第1段目の凝集反応として金属塩を添加して荷
電中和を行う。添加する金属塩としては、塩化第二鉄、
硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミ
ニウム、ポリ硫酸鉄等を用いることができ、その添加量
は当該金属塩の製品として50〜80重量%/DSとす
るのが好ましい。また、金属塩との反応時間(混合時
間)は2〜3分が適当である。
【0013】混合汚泥と金属塩とを反応させた後は、次
いで、第2段目の凝集反応として両性有機高分子凝集剤
を添加して凝集処理し、粒状の凝集物を成長させる。
いで、第2段目の凝集反応として両性有機高分子凝集剤
を添加して凝集処理し、粒状の凝集物を成長させる。
【0014】この両性有機高分子凝集剤としては、カチ
オン性構成単位(カチオン基)量(以下「カチオン量」
と称す。)を示すpH3でコロイド滴定したコロイド当
量値(a値)が1.0〜3.7meq/g、アニオン性
構成単位(アニオン基)量(以下、「アニオン量」と称
す。)とカチオン性構成単位量の差を示すpH7でコロ
イド滴定したコロイド当量値(b値)が−1.7〜0.
7meq/gであり、かつアニオン量/カチオン量の比
を示す(a−b)/aの値が0.8〜1.8の範囲にあ
る両性有機高分子凝集剤であることが好ましい。
オン性構成単位(カチオン基)量(以下「カチオン量」
と称す。)を示すpH3でコロイド滴定したコロイド当
量値(a値)が1.0〜3.7meq/g、アニオン性
構成単位(アニオン基)量(以下、「アニオン量」と称
す。)とカチオン性構成単位量の差を示すpH7でコロ
イド滴定したコロイド当量値(b値)が−1.7〜0.
7meq/gであり、かつアニオン量/カチオン量の比
を示す(a−b)/aの値が0.8〜1.8の範囲にあ
る両性有機高分子凝集剤であることが好ましい。
【0015】pH3の条件下では、両性有機高分子中の
アニオン基は殆ど解離せず、逆に、カチオン基は大部分
解離するものと考えられるので、pH3の条件下でコロ
イド滴定して求めたコロイド当量値(a値)は、両性有
機高分子の全カチオン量とみなすことができる。
アニオン基は殆ど解離せず、逆に、カチオン基は大部分
解離するものと考えられるので、pH3の条件下でコロ
イド滴定して求めたコロイド当量値(a値)は、両性有
機高分子の全カチオン量とみなすことができる。
【0016】一方、アニオン基のコロイド当量値は、通
常pH10.5で滴定するが、このpHでは両性有機高
分子中のカチオン基が加水分解してアニオン基となる場
合があるため、本発明においてはpH7で滴定した値を
用いる。この場合、両性有機高分子中のカチオン基とア
ニオン基は両者とも解離するため、コロイド滴定の結果
はカチオンとアニオンが相殺された余分のアニオン量又
はカチオン量が測定されることになる。従って、両性有
機高分子中の全アニオン量はpH3で滴定されたコロイ
ド当量値とpH7で滴定されたコロイド当量値の差(a
−b)とみなすことができる。
常pH10.5で滴定するが、このpHでは両性有機高
分子中のカチオン基が加水分解してアニオン基となる場
合があるため、本発明においてはpH7で滴定した値を
用いる。この場合、両性有機高分子中のカチオン基とア
ニオン基は両者とも解離するため、コロイド滴定の結果
はカチオンとアニオンが相殺された余分のアニオン量又
はカチオン量が測定されることになる。従って、両性有
機高分子中の全アニオン量はpH3で滴定されたコロイ
ド当量値とpH7で滴定されたコロイド当量値の差(a
−b)とみなすことができる。
【0017】本発明で使用できる両性有機高分子凝集剤
としては、pH3におけるコロイド当量値(a)が1.
0〜3.7meq/g、pH7におけるコロイド当量値
(b)が−1.7〜0.7meq/gで、かつアニオン
量/カチオン量比((a−b)/a)が0.8〜1.8
の範囲にある両性有機高分子であればいずれのものでも
使用できる。このようなものとして、例えばアニオン性
のモノマー成分及びカチオン性のモノマー成分の共重合
体、アニオン性のモノマー成分、カチオン性のモノマー
成分及びノニオン性のモノマー成分の共重合体、或いは
アニオン性のモノマー成分とノニオン性のモノマー成分
の共重合体のマンニッヒ変性物又はホフマン分解物など
を挙げることができる。
としては、pH3におけるコロイド当量値(a)が1.
0〜3.7meq/g、pH7におけるコロイド当量値
(b)が−1.7〜0.7meq/gで、かつアニオン
量/カチオン量比((a−b)/a)が0.8〜1.8
の範囲にある両性有機高分子であればいずれのものでも
使用できる。このようなものとして、例えばアニオン性
のモノマー成分及びカチオン性のモノマー成分の共重合
体、アニオン性のモノマー成分、カチオン性のモノマー
成分及びノニオン性のモノマー成分の共重合体、或いは
アニオン性のモノマー成分とノニオン性のモノマー成分
の共重合体のマンニッヒ変性物又はホフマン分解物など
を挙げることができる。
【0018】アニオン性のモノマー成分としては、例え
ばアクリル酸(AA)、アクリル酸ナトリウム(Na
A)、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムなどを挙
げることができる。カチオン性のモノマー成分として
は、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート(DAM)、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びそれら
の四級化物などを挙げることができる。四級化物として
は、具体的にはジメチルアミノエチルアクリレートメチ
ルクロライド四級化物(DAA)などを挙げることがで
きる。また、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの
塩酸塩(DAPAAm)を用いても良い。ノニオン性の
モノマー成分としては、例えばアクリルアミド(AA
m)、メタアクリルアミド、N,N’−ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなどを挙げることができる。また、
これらの化合物の共重合体として、具体的にはDAA/
AA/AAm共重合体、DAM/AA/AAm共重合
体、DAPAAm/AA/AAm共重合体、DAA/A
A共重合体、又はNaA/AAm共重合体のマンニッヒ
変性物などを挙げることができる。
ばアクリル酸(AA)、アクリル酸ナトリウム(Na
A)、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムなどを挙
げることができる。カチオン性のモノマー成分として
は、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート(DAM)、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びそれら
の四級化物などを挙げることができる。四級化物として
は、具体的にはジメチルアミノエチルアクリレートメチ
ルクロライド四級化物(DAA)などを挙げることがで
きる。また、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの
塩酸塩(DAPAAm)を用いても良い。ノニオン性の
モノマー成分としては、例えばアクリルアミド(AA
m)、メタアクリルアミド、N,N’−ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなどを挙げることができる。また、
これらの化合物の共重合体として、具体的にはDAA/
AA/AAm共重合体、DAM/AA/AAm共重合
体、DAPAAm/AA/AAm共重合体、DAA/A
A共重合体、又はNaA/AAm共重合体のマンニッヒ
変性物などを挙げることができる。
【0019】このような両性有機高分子凝集剤の添加量
は、0.8〜1.0重量%/DSとするのが好ましく、
反応時間は0.5〜10分、好ましくは4〜6分が適当
である。
は、0.8〜1.0重量%/DSとするのが好ましく、
反応時間は0.5〜10分、好ましくは4〜6分が適当
である。
【0020】この両性有機高分子凝集剤による凝集反応
は造粒濃縮槽で行うのが好ましい。即ち、造粒濃縮槽の
下部に金属塩を添加混合した後の混合汚泥を両性有機高
分子凝集剤と共に、或いは、予め両性有機高分子凝集剤
と混合して導入し、造粒濃縮槽内で攪拌機の回転により
凝集汚泥を造粒濃縮する。液分は槽上部の濾過部から抜
き出し、一方、造粒物(濃縮汚泥)は少量の液と共に抜
き出してベルトプレス型脱水機等の脱水機で脱水処理す
る。
は造粒濃縮槽で行うのが好ましい。即ち、造粒濃縮槽の
下部に金属塩を添加混合した後の混合汚泥を両性有機高
分子凝集剤と共に、或いは、予め両性有機高分子凝集剤
と混合して導入し、造粒濃縮槽内で攪拌機の回転により
凝集汚泥を造粒濃縮する。液分は槽上部の濾過部から抜
き出し、一方、造粒物(濃縮汚泥)は少量の液と共に抜
き出してベルトプレス型脱水機等の脱水機で脱水処理す
る。
【0021】このような本発明の嫌気性消化汚泥の脱水
方法において、処理対象とする嫌気性消化汚泥として
は、好ましくは下水の嫌気性消化汚泥が挙げられ、ま
た、嫌気性消化汚泥に混合する余剰汚泥としては、最終
沈澱池の引抜き汚泥が挙げられる。
方法において、処理対象とする嫌気性消化汚泥として
は、好ましくは下水の嫌気性消化汚泥が挙げられ、ま
た、嫌気性消化汚泥に混合する余剰汚泥としては、最終
沈澱池の引抜き汚泥が挙げられる。
【0022】
【作用】嫌気性消化汚泥を曝気することにより汚泥中に
溶解している炭酸ガスを脱気することができる。これに
より、後工程で金属塩の添加によりpHが低下した際
に、汚泥から炭酸ガスが発生して凝集を阻害することを
防止することができる。
溶解している炭酸ガスを脱気することができる。これに
より、後工程で金属塩の添加によりpHが低下した際
に、汚泥から炭酸ガスが発生して凝集を阻害することを
防止することができる。
【0023】また、嫌気性消化汚泥単独では、アルカリ
度が非常に高く、凝集性が非常に悪いが、アルカリ度の
低い余剰汚泥を混合してアルカリ度を低下させることに
より凝集性を高めることができる。
度が非常に高く、凝集性が非常に悪いが、アルカリ度の
低い余剰汚泥を混合してアルカリ度を低下させることに
より凝集性を高めることができる。
【0024】このように曝気及び余剰汚泥の混合により
凝集性を改善した混合汚泥に金属塩を添加して荷電中和
を行った後、両性有機高分子凝集剤を添加することによ
り、効果的な凝集を行え、汚泥は粒状に凝集されて濃縮
される。
凝集性を改善した混合汚泥に金属塩を添加して荷電中和
を行った後、両性有機高分子凝集剤を添加することによ
り、効果的な凝集を行え、汚泥は粒状に凝集されて濃縮
される。
【0025】得られた濃縮汚泥は、脱水性が極めて良好
であるため、高い濾過速度で脱水して低含水率の脱水ケ
ーキを得ることができる。
であるため、高い濾過速度で脱水して低含水率の脱水ケ
ーキを得ることができる。
【0026】また、汚泥の回収率、溶解性リンの回収率
も大幅に改善される。
も大幅に改善される。
【0027】本発明の方法によれば、一般に、下記IIの
処理効率が得られ、前記Iの従来法による処理効率に比
較して大幅な改善が図れる。
処理効率が得られ、前記Iの従来法による処理効率に比
較して大幅な改善が図れる。
【0028】II 本発明法による処理効率 濾過速度(ベルトプレス型脱水機):100〜140kg
−DS/m・hr 脱水ケーキ含水率:78〜80% 汚泥回収率:93〜96% 溶解性リンの回収率:90%
−DS/m・hr 脱水ケーキ含水率:78〜80% 汚泥回収率:93〜96% 溶解性リンの回収率:90%
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【0030】なお、以下の実施例及び比較例において、
両性有機高分子凝集剤(両性ポリマー)及びカチオン性
有機高分子凝集剤(カチオンポリマー)としては次のも
のを用いた。
両性有機高分子凝集剤(両性ポリマー)及びカチオン性
有機高分子凝集剤(カチオンポリマー)としては次のも
のを用いた。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1 下記性状の嫌気性消化汚泥を曝気風量6m3 −Air/
m3 −汚泥・hr,曝気時間3hrで曝気した後、下記
性状の最終沈澱池余剰汚泥を嫌気性消化汚泥:余剰汚泥
=1:1(容量比)の割合で混合した。この混合汚泥
に、塩化第二鉄を製品として78重量%/DS添加して
2分間混合して反応させた。その後、両性ポリマーを
0.86重量%/DS添加して造粒濃縮槽で5分凝集を
行った。その結果、凝集状態は良好で直径8〜10mm
のフロックが形成された。
m3 −汚泥・hr,曝気時間3hrで曝気した後、下記
性状の最終沈澱池余剰汚泥を嫌気性消化汚泥:余剰汚泥
=1:1(容量比)の割合で混合した。この混合汚泥
に、塩化第二鉄を製品として78重量%/DS添加して
2分間混合して反応させた。その後、両性ポリマーを
0.86重量%/DS添加して造粒濃縮槽で5分凝集を
行った。その結果、凝集状態は良好で直径8〜10mm
のフロックが形成された。
【0033】造粒濃縮槽のスリットを通して水を分離し
て濃縮汚泥を得た。濃縮汚泥の濃縮倍率、濃縮汚泥濃度
は表2に示す通りであった。
て濃縮汚泥を得た。濃縮汚泥の濃縮倍率、濃縮汚泥濃度
は表2に示す通りであった。
【0034】嫌気性消化汚泥性状 Mアルカリ度:5800mg/l SS:1.53%余剰汚泥性状 Mアルカリ度:390mg/l SS:1.03%混合汚泥性状 Mアルカリ度:3040mg/l SS:1.28% 得られた濃縮汚泥をベルトプレス型脱水機で脱水したと
ころ、表2に示す濾過速度にて表2に示す含水率の脱水
ケーキを得ることができた。また、汚泥回収率及び溶解
性リンの回収率は表2に示す通りであった。
ころ、表2に示す濾過速度にて表2に示す含水率の脱水
ケーキを得ることができた。また、汚泥回収率及び溶解
性リンの回収率は表2に示す通りであった。
【0035】比較例1 実施例1において、曝気を行わなかったこと以外は同様
にして処理を行ったところ、実施例1においては塩化第
二鉄の添加時に発泡が殆どなかったにもかかわらず、本
比較例では発泡がみられ、凝集が阻害された。
にして処理を行ったところ、実施例1においては塩化第
二鉄の添加時に発泡が殆どなかったにもかかわらず、本
比較例では発泡がみられ、凝集が阻害された。
【0036】本比較例における濃縮汚泥の濃縮倍率、濃
縮汚泥濃度、脱水時の濾過速度、脱水ケーキの含水率、
汚泥回収率、溶解性リンの回収率を表2に示す。
縮汚泥濃度、脱水時の濾過速度、脱水ケーキの含水率、
汚泥回収率、溶解性リンの回収率を表2に示す。
【0037】比較例2 実施例1において、余剰汚泥の混合を行わなかったこと
以外は同様にして処理を行い、濃縮汚泥の濃縮倍率、濃
縮汚泥濃度、脱水時の濾過速度、脱水ケーキの含水率、
汚泥回収率、溶解性リンの回収率を表2に示した。
以外は同様にして処理を行い、濃縮汚泥の濃縮倍率、濃
縮汚泥濃度、脱水時の濾過速度、脱水ケーキの含水率、
汚泥回収率、溶解性リンの回収率を表2に示した。
【0038】比較例3 実施例1において、曝気及び余剰汚泥の混合を行わず、
また、両性ポリマーの代りにカチオンポリマーを1.4
重量%/DS添加したこと以外は同様にして処理を行
い、濃縮汚泥の濃縮倍率、濃縮汚泥濃度、脱水時の濾過
速度、脱水ケーキの含水率、汚泥回収率、溶解性リンの
回収率を表2に示した。
また、両性ポリマーの代りにカチオンポリマーを1.4
重量%/DS添加したこと以外は同様にして処理を行
い、濃縮汚泥の濃縮倍率、濃縮汚泥濃度、脱水時の濾過
速度、脱水ケーキの含水率、汚泥回収率、溶解性リンの
回収率を表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の嫌気性消化
汚泥の脱水方法によれば、嫌気性消化汚泥の脱水性を効
果的に改善することにより、高い濾過速度で脱水を行っ
て低含水率の脱水ケーキを得ると共に、汚泥回収率及び
溶解性リンの回収率を高めることができる。
汚泥の脱水方法によれば、嫌気性消化汚泥の脱水性を効
果的に改善することにより、高い濾過速度で脱水を行っ
て低含水率の脱水ケーキを得ると共に、汚泥回収率及び
溶解性リンの回収率を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧井 一雄 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 嫌気性消化汚泥に曝気を行った後余剰汚
泥を混合し、得られた混合汚泥に金属塩を添加し、次い
で両性有機高分子凝集剤を添加して凝集処理し、凝集汚
泥を脱水機で脱水することを特徴とする嫌気性消化汚泥
の脱水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7017925A JPH08206699A (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 嫌気性消化汚泥の脱水方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7017925A JPH08206699A (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 嫌気性消化汚泥の脱水方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08206699A true JPH08206699A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11957353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7017925A Pending JPH08206699A (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 嫌気性消化汚泥の脱水方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08206699A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009016935A1 (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-05 | Kurita Water Industries Ltd. | 汚泥脱水方法 |
JP2016117066A (ja) * | 2010-12-10 | 2016-06-30 | 水ing株式会社 | 嫌気性処理方法 |
WO2016111324A1 (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | 水ing株式会社 | 有機性汚泥の処理方法及び処理装置 |
WO2023115863A1 (zh) * | 2021-12-22 | 2023-06-29 | 北京城市排水集团有限责任公司 | 一种基于粒度控制的高级厌氧消化污泥深度脱水调理方法及其应用和絮体颗粒 |
-
1995
- 1995-02-06 JP JP7017925A patent/JPH08206699A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009016935A1 (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-05 | Kurita Water Industries Ltd. | 汚泥脱水方法 |
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WO2016111324A1 (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | 水ing株式会社 | 有機性汚泥の処理方法及び処理装置 |
JPWO2016111324A1 (ja) * | 2015-01-09 | 2017-10-12 | 水ing株式会社 | 有機性汚泥の処理方法及び処理装置 |
JP2020062640A (ja) * | 2015-01-09 | 2020-04-23 | 水ing株式会社 | 有機性汚泥の処理方法及び処理装置 |
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