明 細 書
印刷デー タ修正装置、 印刷デー タ修正方法お よ び印刷デー タ修正プ ロ グラ ム を記録 した ソ フ ト ゥ ヱ ァ記録媒体 技術分野
本発明は、 印刷デー タ修正装置、 印刷デー タ修正方法お よび印刷デー 夕修正プ ロ グ ラ ム を記録 し た ソ フ ト ゥ ヱ ァ記録媒体に関す る。 背景技術
近年、 カ ラ ー イ ン ク ジ ェ ッ ト プ リ ン タ の高精細化が進み、 いわゆ る写 真画質 と呼ばれ る ま でに至っ てい る。 こ の よ う な イ ン ク ジ ヱ ッ ト プ リ ン タ は、 所定の色イ ン ク を粒状に吐出す る こ と に よ り、 所望の位置に所定 色の ド ッ ト を付し、 画像を ド ッ ト マ ト リ ク ス状に表現 してい る。 こ の場 合、 カ ラ 一画像であれば、 シ ア ン ( C ) 、 マ ゼ ン タ ( M;) 、 イ ェ ロ ー ( Y ) の三色あ る いは これに ブ ラ ッ ク ( K ) を加えた四色の色イ ン ク を使 用 して再現す る。
と こ ろ で、 写真画質 と呼ばれる よ う にな る には、 ド ッ ト が微細化する こ と も重要であ るが、 色再現性も極めて重要と な る。 コ ン ピ ュ ー タ の内 部では色を赤緑青 ( R G B ) の多階調デー タで表現 してい る に も 関わ ら ず、 プ リ ン タ では C M Y Kの二階調デー タ に し か対応で き ないため、 色 空間の変換 と、 階調変換が行われてい る。 すなわ ち、 R G Bの多階調で 表現さ れ る色を維持 し なが ら C M Y Kの二階調表示で実現 してい る。 む ろ ん、 こ こ では一つ一つの ド ッ ト が規定 どお り の濃度で発色 してい る と い う こ と を前提と し てい る
し か しなが ら、 印刷デー タ 的に は色の再現性を維持 して出力 さ れてい る に も関わ ら ず、 印字へ ッ ド ご と の機体差に よ っ て色イ ン ク粒の重量が 異な り、 こ の結果、 各 ド ッ ト が本来の濃度で発色 してい る と はいえない 場合があ る。
上述 した従来の カ ラ 一 イ ン ク ジ エ ツ ト プ リ ン タ においては、 印字へ ッ ドの機体差に よ っ て吐出す る イ ン ク粒の量が異な る と、 各 ド ッ ト が本来 の濃度で発色 してい る と はい えな く な り、 結果的に色の再現性が劣化す る こ とがあ る と い う 課題があ っ た。
こ のため、 本出願人の場合、 あ ら か じ め印刷デー タ を修正して機体差 を補償 しておき、 修正後の印刷デー タ に基づいて印刷す る こ と に よ っ て 色の再現性を 向上さ せ る こ と に し た。 こ の よ う な修正は修正テー ブルを 使用する。 こ の修正テ ー ブルを作成す る に は、 ま ず、 基準重量の色イ ン ク粒を吐出す る基準印字へ ッ ド にて全階調にわた っ てパ ッ チを印刷する と と も に、 機体差のあ る印字へ ッ ドでも 同様に全階調にわた っ てパ ッ チ を印刷する。 そ して、 各パ ッ チを対比して誤差のないパ ッ チ同士の組み 合わせを求め、 その組み合わせ一覧を修正テ ー ブル と してい る。
こ の よ う にパ ッ チを比較 し て対比する必要があ る ため、 再現可能な全 色についてパ ッ チを対比す る こ と は とて も でき ない。 従 っ て、 各要素色 毎に修正テ ー ブルを作成 し た と こ ろ、 単色を印刷する場合には基準へ ッ ドの場合と ほぼ同様の発色を得る こ とがで きたが、 混色になる と再びず れが生じて し ま っ た。
本発明は、 上記課題にかんがみてな さ れた も ので、 印字へ ッ ド な どの 機体差に関わ らずよ り 正確に色を再現で き る よ う にす る こ とが可能な印 刷デー タ修正装置、 印刷デー タ修正方法お よび印刷デー タ修正プ ロ グラ ム を記録 し た ソ フ ト ウ ェ ア記録媒体の提供を 目的 とす る。
発明の開示
印刷デー タ に基づいて複数の要素色で 力 ラ ー画像を 印刷出力す る ため に各要素色毎の記録材を ド ッ ト マ ト リ ク ス状に記録媒体に付着さ せる印 刷装置に対 し、 同記録材の使用量の偏 り に基づ く 色変化を補償す る ため に上記印刷デー タ を修正す る 印刷デー タ修正装置であ つ て、
予め単色において求め られてい る使用量の偏 り を補償するための修正 量を、 各要素色を組み合わせて実現する混色時に低減さ せて上記印刷デ 一夕 を修正す る こ と を特徴 とす る 印刷デ一 夕修正装置。 上記目的を達成す るため、 請求の範囲第 1 項にかかる発明は、 印刷デ 一 夕 に基づいて複数の要素色でカ ラ ー画像を印刷出力す るために各要素 色毎の記録材を ド ッ ト マ ト リ ク ス状に記録媒体に付着さ せ る印刷装置に 対 し、 同記録材の使用量の偏 り に基づ く 色変化を補償す る ために上記印 刷デー タ を修正す る 印刷デー タ修正装置であ っ て、 予め単色において求 め ら れてい る使用量の偏 り を補償す るための修正量を、 各要素色を組み 合わせて実現す る混色時に低減さ せて上記印刷デー タ を修正す る構成と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 1 項にかか る発明においては、 印 刷装置の機体差な どに起因 して生 じ る記録材の使用量の偏 り に対応 して 、 予め単色において求め ら れてい る使用量の偏 り を補償す る ための修正 量を得てお く と と も に、 各要素色を組み合わせて実現す る混色時に同修 正量を低減さ せて上記印刷デー タ を修正す る。
単色時の修正量を混色に適用 し た と き に は単色 と して設定 した修正量 が強すぎる と い う 実験結果が得 ら れた。 こ れは各種の要因が考えれ られ るが、 混色す る こ と に よ っ て各要素色毎の修正量が強 く 影響 しすぎる と
考え るのが妥当であ り、 混色時に同修正量を低減す る こ と に よ っ て、 単 色の状態で設定 した修正量がその ま ま 混色の場合に使用 さ れる こ と には な ら ず、 混色の再現性が向上す る こ と にな る。 こ の場合、 混色次数も二 次色、 三次色 と い う よ う に幅があ り、 次数が増加す る につれて単色の場 合の修正量の影響度が低下 してい く と判断でき る。 従っ て、 ド ッ ト 毎に その混色次数を判定 して最適 と な る よ う に低減さ せる こ と に よ り、 色の 再現性が向上す る。
こ こ において、 混色時に修正量を低減さ せる適応手法は大き く 分けて 二通 り 考え られ る。 その一つ は各画素ご と に最適な修正量を得る も ので あ り、 具体的な一例 と して、 請求の範囲第 2 項にかかる発明は、 請求の 範囲第 1 項に記載の印刷デー タ修正装置において、 各要素色毎に設定 し た上記記録材の使用量の偏 り を補償す る修正量を記憶す る修正量記憶手 段と、 各 ド ッ ト ご と に混色次数を判定す る と と も に同混色次数が多 く な る と き に単色時よ り も上記修正量を低減さ せるベ く 修正量を調整す る修 正量調整手段と、 こ の調整さ れた修正量に基づいて上記印刷デ— タ を修 正す る第一の修正手段 と を具備す る構成と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 2 項にかかる発明において は、 印 刷装置の機体差な どに起因 して生 じ る記録材の使用量の偏 り に対応 して 修正量記憶手段は各要素色毎に同使用量の偏 り を補償す る ための修正量 を記憶 してお り、 修正量調整手段は各 ド ッ ト ごと に混色次数を判定する と と も に同混色次数が多 く な る と き に単色時よ り も上記修正量を低減さ せた修正量 とす る。 そ して、 第一の修正手段はこ の調整さ れた修正量に 基づいて上記印刷デー タ を修正す る。
修正量記憶手段は各要素色毎に記録材の使用量の偏 り を補償す る こ と ができ る よ う な修正量を記憶すればよ く、 同修正量は各種の態様で実現 可能であ る。 例えば、 印刷デー タ が階調デー タ であ る こ と を前提にする
と、 各階調毎に対応す る変換デー タ を備え る変換テ ー ブルの形態 と して 記憶 しておいて も良い し、 印刷デー タ を入力 して所定の演算を行 う 関数 と してその演算パ ラ メ ー タ を記憶す る も ので も構わない。 さ ら に、 必ず し も個別に記憶 してい る ので はな く、 融合 し た り 圧縮 し た よ う な形態で 記憶する も のであ っ て も構わない。
修正量調整手段は各 ド ッ ト ごと に混色次数を判定 して修正量を低減で きればよ く、 混色次数の判定に は各種の手法を採用可能であ る。 その一 例と して、 請求の範囲第 3 項にかか る発明は、 請求の範囲第 2 項に記載 の印刷デー タ修正装置において、 上記修正量調整手段は、 各要素色の成 分量のバラ ツ キを判定 し、 均等にば ら ついてい る場合に最も混色次数が 高い と判断す る構成 と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 3 項にかか る発明においては、 修 正量調整手段は、 各要素色の成分量のバラ ツ キを判定す る。 各要素色が 同程度の成分量であれば同等の割合で混ざ っ てい る ので混色次数は大き い と判断でき る し、 た と え混色 していて も あ る要素色に対して他の要素 色の成分量が小さ ければ修正量を考慮す る にあた っ て も影響度を低 く 考 えて混色次数を小さ い と判断す る のは妥当であ る。 従っ て、 各要素色の 成分量が均等にば ら ついてい る場合に最も混色次数が高い と判断す る。 成分量のバ ラ ツ キ を求め る手法は各種の ものを採用可能であ り、 必ず し も特定の も のに限る必要はない。 その よ う な中で簡易的な手法の一例 と して、 請求の範囲第 4項にかか る発明は、 請求の範囲第 3 項に記載の 印刷デー タ 修正装置において、 上記修正量調整手段は、 各要素色毎の最 低成分量と上記成分量の平均値 と の割合に基づいて上記バラ ツ キ を判定 す る構成と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 4 項にかかる発明においては、 修 正量調整手段が各要素色毎の最低成分量 と上記成分量の平均値と の割合
を求め る。 こ こでは割合を求め る も のであ り、 三つの要素色があればそ の合計値に対 して最低値の三倍 と の比を求め る よ う なも の も含ま れ る。 そ して、 こ の比に基づいて上記バ ラ ツ キを判定す る。
修正量調整手段が混色次数を判定する にあた っ ては成分量に基づいて 判定する も の に限 ら れ る必要はな く、 請求の範囲第 5 項にかか る発明は 、 請求の範囲第 2 項に記載の印刷デー タ修正装置において、 上記修正量 調整手段は、 彩度を判定 して同彩度が低い場合に混色次数が高い と判断 する構成と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 5 項にかか る発明においては、 修 正量調整手段が彩度を判定す るが、 こ の彩度は成分量のバ ラ ツ キ具合と 性質的に類似 してお り、 彩度が低い場合に は各要素色が均等であ る し、 同彩度が高い場合に は各要素色の差が大き い こ とが多い。 従っ て、 彩度 が容易に判定 し う る場合に は混色次数を判定す る手法と して採用可能で あ る。
こ の修正量調整手段が ド ッ ト 毎に修正量を低減させる調整量を求め る にあた り、 どの時点で調整量を求め る かも任意であ る。 その一例 と して 、 請求の範囲第 6 項にかか る発明は、 請求の範囲第 2 項〜請求の範囲第 5項のいずれかに記載の印刷デ— タ修正装置において、 上記修正量調整 手段は、 各 ド ッ ト 毎の印刷デー タ について上記混色次数を判定 して上記 修正量の調整量を求め る構成 と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 6 項にかか る発明においては、 修 正量調整手段が各 ド ッ ト 毎に印刷デー タ が入力 さ れ る たびにその混色次 数を判定 し、 修正量の調整量を求め る。 むろん、 印刷デー タ が入力 され る のがあ る単位毎であればその よ う な単位毎に判定する場合も含 ま れる 。 すなわ ち、 印刷デー タ の流れに即 して修正量を調整 し てい く も のであ る。
これに対 し、 他の一例 と し て、 請求の範囲第 7 項にかかる発明は、 請 求の範囲第 2 項〜請求の範囲第 5 項のいずれかに記載の印刷デー タ修正 装置において、 上記修正量調整手段は、 各要素色の組み合わせに基づい て予め修正量の調整量を求め る構成と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 7項にかか る発明においては、 上 記修正量調整手段が各要素色の組み合わせに基づいて予め修正量の調整 量を求め る。 予め求めておいた調整量は変換テ ー ブルな どと して も良い し、 あ る い は色変換な どの他の変換テ ー ブルがあ る場合にはそれ ら に組 み込む よ う に して一度の参照で色変換 と修正とが実行で き る よ う に して も良い:
—方、 混色時に修正量を低減さ せる適応手法の も う 一つは、 印刷物全 体と しての修正量を得る も のであ り、 具体的な一例と して、 請求の範囲 第 8項にかか る発明 は、 請求の範囲第 1 項に記載の印刷デー タ修正装置 において、 各要素色毎に設定 した上記記録材の使用量の偏 り を補償す る 所定の修正量に基づいて上記印刷デー タ を修正す る第二の修正手段と、 各要素色を組み合わせて実現す る混色時に単色時よ り も上記第二の修正 手段に よ る上記修正量を低減 さ せる修正量低減手段と を具備する構成 と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 8項にかかる発明においては、 第 二の修正手段は各要素色毎に設定 し た記録材の使用量の偏 り を補償する 所定の修正量に基づいて印刷デー タ を修正 し、 当該修正さ れた印刷デ一 夕 に基づいて印刷装置は各要素色毎の記録材を ド ッ ト マ ト リ ク ス伏に記 録媒体に付着さ せ、 複数の要素色で カ ラ ー画像を 印刷出力す る。 こ の場 合、 修正量低減手段は上記第二の修正手段が印刷デー タ を修正す る にあ た っ て各要素色を組み合わせて実現す る混色時に は単色時よ り も上記修 正量を低減さ せてい る。
単色時の修正量を混色に適用 し た と き に は単色 と して設定 し た修正量 が強すぎる と い う 実験結果が得 られた。 これは各種の要因が考えれ られ る力、'、 混色す る こ と に よ っ て各要素色毎の修正量が強 く 影響 しすぎる と 考え るのが妥当であ り、 混色時に同修正量を低減す る こ と に よ っ て、 単 色の状態で設定 し た修正量がその ま ま 混色の場合に使用 さ れる こ と に は な らず、 混色の再現性が向上す る こ と にな る。
こ こで、 第二の修正手段は、 少な く と も各要素色毎に単色での修正量 を備えてお り、 修正量低減手段の指示に基づいて同修正量を低減 さ せて 印刷デー タ を修正す る。 修正す る の は各印刷デー タ毎に個別に行 っ ても 良い し、 同印刷デ一 夕 が参照す る こ と にな る変換テ ー ブルな どがあれば 同変換テ ー ブルを一括的に修正 してお き、 個々 に同変換テ ー ブルを参照 すれば変換 と修正とが行われ る よ う なも のでも 良い
ま た、 修正量低減手段は結果的に混色時に は単色時よ り も第二の修正 手段に よ る修正量を低減さ せればよ く、 その低減量は画一的ではない。 ただ し、 その一例と して、 請求の範囲第 9 項にかかる発明は、 請求の範 囲第 8 項に記載の印刷デー タ 修正装置において、 上記修正量低減手段は 、 混色す る色数が多 く な る につれて上記修正量を よ り 低減さ せる構成 と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 9 項にかかる発明において は、 混 色す る色数が多 く なればな る ほ ど、 修正量低減手段は修正量を低減さ せ てい く。
単色時の設定を混色時に使用す る とずれが生 じ る のは単色時の修正量 が強すぎる と考え ら れ、 こ の考え方を延長 さ せる と混色す る色数が増え る ほ ど修正量を弱めてい く と好適 と な る。
修正量を低減さ せ る にあた っ てその傾向は上述 し た と お り であ るが、 現実に は単色も あ る し、 混色 も あ り、 さ ら にその色数も雑多であ る。 従
つ て、 修正量を決定す る に は調整が必要 と なる。 その よ う な場合に好適 な一例 と して、 請求の範囲第 1 0 項にかか る発明は、 請求の範囲第 8 項 ま たは請求の範囲第 9 項のいずれかに記載の印刷デー タ修正装置におい て、 上記修正量低減手段は、 混色す る色数に応 じ た最適な低減量を記憶 す る低減量記憶手段 と、 各画素の混色す る色数を集計す る と と も に画素 数に対応す る重み付けで上記低減量を加算す る低減量重み付け加算手段 と を具備す る構成と してあ る。
上記の よ う に構成 し た請求の範囲第 1 0 項にかか る発明においては、 低減量記憶手段が混色す る色数に応 じ た最適な低減量を記憶 してお り、 低減量重み付け加算手段が各画素の混色す る色数を集計す る と と も に画 素数に対応す る重み付けで上記低減量を加算する。
従っ て、 混色す る色数ご と に最適な低減量がその画素数の割合に応 じ た重み付けで加算さ れ る こ と にな り、 印刷物全体 と して調和の とれた低 減量と な る。
こ の よ う に各要素色毎に設定 した修正量を混色時には低減 して適用す る手法は必ず し も実体のあ る装置でなければな ら ないわ けではな く、 そ の一例 と し て、 請求の範囲第 1 1 項に かか る発明は、 印刷デー タ に基づ いて複数の要素色で カ ラ ー画像を印刷出力するために各要素色毎の記録 材を ド ッ ト マ ト リ ク ス状に記録媒体に付着さ せる 印刷装置に対 し、 同記 録材の使用量の偏 り に基づ く 色変化を補償する ために上記印刷デー タ を 修正す る印刷デ— タ 修正方法であ っ て、 予め単色において求め ら れてい る使用量の偏 り を補償す る ための修正量を、 各要素色を組み合わせて実 現す る混色時に低減 さ せて上記印刷デー タ を修正す る構成と してあ る。
ま た、 各画素ご と に最適な修正量を得る観点か ら、 請求の範囲第 1 2 項にかか る発明は、 請求の範囲第 1 1 項に記載の印刷デー タ修正方法に おいて、 各要素色毎に設定 し た上記記録材の使用量の偏 り を補償す る修
正量を記憶す る と と も に、 各 ド ッ ト ご と に混色次数を判定する と と も に 同混色次数が多 く な る と き に単色時よ り も上記修正量を低減さ せ るベ く 修正量を調整 し、 こ の調整さ れた修正量に基づいて上記印刷デー タ を修 正す る構成 と してあ る。
さ ら に、 印刷物全体と し ての修正量を得 る観点か ら、 請求の範囲第 1 3 項にかか る発明は、 請求の範囲第 1 1 項に記載の印刷デー タ修正方法 において、 各要素色毎に上記記録材の使用量の偏 り を補償す る所定の修 正量を設定 してあ る と と も に、 各要素色を組み合わせて実現する混色時 に単色時よ り も 同修正量を低減さ せて上記印刷デー タ を修正す る構成 と してあ る。
すなわち、 必ず し も実体のあ る装置で修正す る作業に限 らず、 その方 法と しても有効であ る こ と に相違はない。
と こ ろで、 上述 し た よ う に 印刷デー タ を修正す る印刷デー タ修正装置 は単独で存在す る場合も あ る し、 あ る機器に組み込ま れた伏態で利用 さ れる こ と も あ る な ど、 発明の思想 と して は各種の態様を含むものであ る c ま た、 ノヽ ー ド ウ ヱ ァで実現さ れた り、 ソ フ ト ウ ェ アで実現さ れ る な ど
、 適宜、 変更可能であ る。
発明の思想の具現化例 と し て色修正す る ソ フ ト ゥ ヱ ァ と なる場合に は 、 かかる ソ フ ト ゥ ヱ ァ を記録 し た ソ フ ト ウ ェ ア記録媒体上において も当 然に存在 し、 利用 さ れ る と いわ ざる を えない。
その一例 と して、 請求の範囲第 1 4項に かかる発明は、 印刷デー タ に 基づいて複数の要素色で 力 ラ 一画像を 印刷出力す る ために各要素色毎の 記録材を ド ッ ト マ ト リ ク ス伏に記録媒体に付着さ せる 印刷装置に対 し、 同記録材の使用量の偏 り に基づ く 色変化を補償す るため に コ ン ピ ュ 一 タ にて上記印刷デ一 夕 を修正す る 印刷デー 夕 修正プ ロ グ ラ ム を記録 し た媒 体であ っ て、 予め単色において求め ら れて い る使用量の偏 り を補償す る
ための修正量を、 各要素色を組み合わせて実現す る混色時に低減 さ せて 上記印刷デー タ を修正す る構成 と してあ る。
ま た、 各画素ご と に最適な修正量を得 る観点か ら、 請求の範囲第 1 5 項にかか る発明は、 請求の範囲第 1 4項に記載の印刷デー タ修正プ ロ グ ラ ム を記録 した媒体において、 各要素色毎に設定 し た上記記録材の使用 量の偏 り を補償す る修正量を記憶す る と と も に、 各 ド ッ ト ごと に混色次 数を判定す る と と も に同混色次数が多 く な る と き に単色時よ り も上記修 正量を低減さ せ るベ く 修正量を調整 し、 こ の調整さ れた修正量に基づい て上記印刷デ一 夕 を修正す る構成 と してあ る。
さ ら に、 印刷物全体と しての修正量を得 る観点か ら、 請求の範囲第 1 6 項にかか る発明は、 請求の範囲第 1 4項に記載の印刷デー タ修正プ ロ グラ ム を記録 し た媒体において、 各要素色毎に上記記録材の使用量の偏 り を補償す る所定の修正量を設定 してあ る と と も に、 各要素色を組み合 わせて実現す る混色時に単色時よ り も 同修正量を低減さ せて上記印刷デ 一 夕 を修正す る構成 と してあ る。
むろん、 その ソ フ ト ゥ ヱ ァ記録媒体は、 磁気記録媒体であ っ て も よ い し光磁気記録媒体であ っ て も よ い し、 今後開発さ れる いかなる ソ フ ト ゥ エ ア記録媒体において も全 く 同様に考え る こ とができ る。 ま た、 一次複 製品、 二次複製品な どの複製段階について は全 く 問 う 余地無 く 同等であ る。 その他、 供給方法と して通信回線を利用 して行 う 場合で も本発明が 利用 さ れてい る こ と に は変わ り ない し、 半導体チ ッ プに書き込ま れた よ う な ものであ っ て も 同様であ る。
さ ら に、 一部が ソ フ ト ゥ ヱ ァであ っ て、 一部がハ ー ド ウ ヱ ァで実現さ れてい る場合において も発明の思想において全 く 異な る も のはな く、 一 部を ソ フ ト ウ ェ ア記録媒体上に記憶 しておいて必要に応 じて適宜読み込 ま れ る よ う な形態の も の と してあ っ て も よ い。
以上説明 し た よ う に本発明は、 混色時に修正量を弱め る こ と に よ っ て 機体差に よ る色ずれを無 く し、 色の再現性を向上させる こ とが可能な印 刷デー タ修正装置を提供す る こ とがで き る。
ま た、 請求の範囲第 2 項にかか る発明に よれば、 各要素色毎に修正量 を設定す る と い う 意味で混色の修正量を求め る よ う な困難さ をな く する こ とができ る。
さ ら に、 請求の範囲第 3 項にかか る発明に よれば、 成分量を参照 して 混色次数を求め る こ と に よ り、 単な る混色数だけでな く その影響度を も 判定さ せ る こ とがで き、 色の再現性を 向上でき る。
さ ら に、 請求の範囲第 4項にかかる発明に よれば、 成分量のバ ラ ツ キ を比較的簡易な演算で算出で き る。
さ ら に、 請求の範囲第 5 項にかかる発明 に よれば、 彩度と い う 色彩の 一つの再現要素を利用 して混色次数を求め る こ とができ、 彩度を他の理 由に よ っ て求めてい る場合な どにおいて好適であ る。
さ ら に、 請求の範囲第 6 項にかか る発明に よれば、 ド ッ ト 毎に調整量 を求め る こ と に よ り 必要な色だけに演算を行い、 使用 し ない色について ま で調整量を求め る必要が無 く な る。 特に、 その結果を キ ャ ッ シ ン グす ればよ り 演算量は低減す る。
さ ら に、 請求の範囲第 7 項にかかる発明に よれば、 最初に調整量を求 めて変換テ ー ブルを形成 してお けば以後は参照す る だけであ る し、 他の 変換テ ー ブルを参照す る場合に は参照の手間も減る こ と にな る。
さ ら に、 請求の範囲第 8 項にかか る発明に よれば、 各要素色毎に修正 量を設定す る と い う 意味で混色の修正量を求め る よ う な困難さ を な く す こ とがで き る。
さ ら に、 請求の範囲第 9 項に かか る発明に よれば、 混色色数が多 く な る ほ ど修正量を低減 さ せ る こ と に よ り、 色数が多 く なる場合の各色単独
での修正量が弱 ま り、 良好な色再現性を実現で き る。
さ ら に、 請求の範囲第 1 0 項にかかる発明に よれば、 混色色数ご と の 画素数を集計 してそれぞれに最適な低減量を重み付け加算する ため、 調 和の とれた低減量を求め る こ とができ る。
そ して、 同様に、 請求の範囲第 1 1 項〜請求の範囲第 1 3 項にかかる 発明に よれば、 同様に混色時の色再現性を 向上さ せる こ とが可能な印刷 デー タ修正方法を提供す る こ とができ る。
ま た、 請求の範囲第 1 4項〜請求の範囲第 1 6 項にかか る発明に よれ ば、 同様に混色時の色再現性を 向上さ せる こ とが可能な印刷デー タ 修正 プ ロ グラ ム を記録 し た ソ フ ト ゥ ヱ ァ記録媒体を提供する こ とができ る。 図面の簡単な説明
第 1 図は、 本発明の第一の印刷デー タ 修正装置の ク レ ー ム対応図であ る。
第 2 図は、 同印刷デー タ修正装置が適用 さ れ る 印刷 シ ス テ ムの具体的 ハ 一 ド ウ ヱ ァ構成例を示すプ ロ ッ ク 図であ る。
第 3 図は、 プ リ ン タ の概略ブ ロ ッ ク 図であ る。
第 4 図は、 同プ リ ン タ におけ る 印字へ ッ ド ュニ ッ 卜 の概略説明図であ る。
第 5 図は、 同印字へ ッ ド ュニ ッ ト で色イ ン ク を吐出さ せる状況を示す 概略説明図であ る。
第 6 図は、 バブル ジ ヱ ッ ト 方式の印字へ ッ ドで色イ ン ク を吐出 さ せる 状況を示す概略説明図であ る。
第 7 図は、 電子写真方式の プ リ ン タ の概略説明図であ る。
第 8 図は、 本発明の印刷デー タ修正装置の他の適用例を示す概略プ ロ ッ ク 図であ る。
第 9 図は、 印刷処理の具体的手順を示すブ ロ ッ ク 図であ る。 第 1 0 図は、 色変換テ ー ブ ル の書き換え手順を示す フ ロ ー チ ヤ一 ト で あ る。
第 1 1 図は、 印刷す る パ ッ チを示す図であ る。
第 1 2 図は、 基準印字へ ッ ド に よ る パ ッ チ と機体差のあ る印字へ ッ ド に よ るパ ッ チの比較状況を示す図であ る。
第 1 3 図は、 係数を変化さ せた補正ル ツ ク ア ッ プテ ー ブルを示す図で あ る。
第 1 4 図は、 画素の成分に応 じて混色次数に応 じ た係数を重み付け加 算す る状況を示す図であ る。
第 1 5 図は、 グ レ イ 度と係数の他の対応例を示す グ ラ フ であ る。
第 1 6 図は、 グ レ イ 度の具体例を示す図であ る。
第 1 7 図は、 彩度を利用す る際の L * a * b * 表色空間を示す図であ る。
第 1 8 図 は、 第一の プ リ ン タ ド ラ *の フ ロ ー チ ヤ 一 ト であ る。
第 1 9 図は、 本発明の第二の印刷デー タ修正装置の ク レ ー ム対応図で あ る。
第 2 0 図は、 色変換テ ー ブ ル の書き換え手順を示す フ ロ ー チ ヤ一 ト で ある
第 2 1 図は、 画素の分布割合に応 じて係数を決定す る場合の ヒ ス ト グ ラ ム を示す図であ る。
第 2 2 図は、 同 じ く 画素の分布割合に対応す る ヒ ス ト グ ラ ムであ っ て 集計時に し き い値を利用 し た場合の図であ る。
第 2 3 図は、 第二の プ リ ン 夕 ド ラ の フ ロ ー チ ヤ一 であ る。
発明を実施す る ため の最良の形態
以下、 図面に も と づいて本発明の第一の実施形態を説明する。
図 1 は、 本発明の第一の実施形態にかか る印刷デー タ修正装置を ク レ ー ム対応図に よ り 示 してお り、 図 2 は同印刷デー タ修正装置を適用 した 印刷シ ス テ ム の ド ウ ヱ ァ構成例を プ ロ ッ ク 図に よ り 示 してい る。
こ の印刷 シ ス テ ム は、 概略、 画像入力装置 1 0 と、 圃像処理装置 2 0 と、 印刷装置 3 0 と に分類で き る。 画像入力装置 1 0 と しては、 ス キ ヤ ナ 1 1 やデ ジ 夕 ノレ ス チル カ メ ラ 1 2 あ る い は ビデオ カ メ ラ 1 4な どが該 当す る し、 画像処理装置 2 0 と しては、 コ ン ピ ュ ー タ 2 1 と ハ ー ド ディ ス ク 2 2 と キ ー ボ ー ド 2 3 と C D — R O M ド ラ イ ブ 2 4 と フ ロ ッ ピ 一 デ イ ス ク ド ラ イ ブ 2 5 と モ デム 2 6 と ディ ス プ レ イ 2 7な どが該当 し、 印 刷装置 3 0 の具体例はプ リ ン タ 3 1 等が該当する。 なお、 モ デム 2 6 に ついては公衆通信回線に接続 さ れ、 外部の ネ ッ ト ワ ー ク に同公衆通信回 線を介 して接続 し、 ソ フ ト ゥ ヱ ァやデー タ を ダウ ン ロ ー ド して導入可能 と な っ て い る。
こ こ で、 画像入力装置 1 0 と し て の ス キ ャ ナ 1 1 やデ ジ タ ル ス チ ル カ メ ラ 1 2 は画像デー タ と して R G B (緑、 青、 赤) の 2 5 6階調の画像 デー タ を出力 し、 印刷装置 3 0 と し て の プ リ ン タ 3 1 は C MY K ( シ ァ ン、 マ ゼ ン ダ、 イ エ ロ 一、 ブラ ッ ク ) の二階調の画像デー タ を入力 と し て必要とす る。 従っ て、 画像処理装置 2 0 と しての コ ン ピ ュ ー タ 2 1 内 では上記 2 5 6階調の画像デー タ を入力 して所定の画像処理及び印刷処 理を行い、 二階調の画像デー タ と して出力する。 なお、 コ ン ピ ュ ー タ 2 1 内ではオ ペ レ ー テ ィ ン グシ ス テ ム 2 1 aが稼働 してお り、 プ リ ン 夕 3 1 やデ ィ ス プ レ イ 2 7 に対応 し た プ リ ン 夕 ド ラ 2 1 bやデ ィ ス プ レ ィ ド ラ 2 1 c が組み込 ま れてい る と と も に、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン 2 1
d はオ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム 2 1 a にて処理の実行を制御さ れ、 ディ ス プ レ イ ド ラ イ ノく 2 1 c と連携 してデ ィ ス プ レ イ 2 7 への表示を行 う と と も に、 必要に応 じて プ リ ン タ ド ラ イ バ 2 1 b と連携 し て印刷処理を実 行 し て い る。
本実施形態において は、 印刷デー タ修正装置 3 0 a は こ の よ う な印刷 シ ス テ ム において印刷デー タ を生成す る過程において、 同生成さ れた印 刷デー タ を入力 し、 所定のデー タ修正を行 っ て出力す る。 こ の場合、 修 正量記憶手段 3 0 a 1 は後述す る よ う に し て各要素色毎に機体差を修正 す る た め の修正量を保持 し てお り、 修正量調整手段 3 0 a 2 は各 ド ッ ト ごと に混色次数を判定 して低減指示を 出 し、 第一の修正手段 3 0 a 3 は 同修正量調整手段 3 0 a 2 か ら の修正量低減指示に基づいて修正量記憶 手段 3 0 a 1 が記憶す る各要素色毎の修正量を低減さ せつつ実質的な意 味でデー タ修正を行 う こ と に な る。 以下、 こ の工程を詳細に説明す る。
ま ず、 修正さ れた印刷デー タ に基づいて印刷を行 う プ リ ン タ 3 1 につ いて説明す る。 図 3 はプ リ ン タ 3 1 の概略構成を示 してお り、 三つの印 字へ ッ ド ュニ ッ ト か ら な る 印字へ ッ ド 3 1 a と、 こ の印字へ ッ ド 3 1 a を制御す る 印字へ ッ ド コ ン ト ロ ー ラ 3 1 b と、 当該印字へ ッ ド 3 1 a を 桁方向に移動させる 印字へ ッ ド桁移動モ ー タ 3 1 じ と、 印字用紙を行方 向に送る紙送 り モ ー タ 3 1 d と、 これ ら の印字へ ッ ド コ ン ト ロ 一 ラ 3 1 b と 印字へ ッ ド桁移動モ ー タ 3 1 c と紙送 り モ ー タ 3 1 d に お け る外部 機器 と の イ ン タ 一 フ ェ イ ス に あ た る プ リ ン タ コ ン ト ロ ー ラ 3 1 e と か ら なる ド ッ ト 印刷機構を備え、 印刷デー タ に応 じて画像印刷可能と な っ て い る。
図 4 は印字へ ッ ド 3 1 a の よ り 具体的な構成を示 してお り、 図 5 はィ ン ク 吐出時の動作を示 してい る。 印字へ ッ ド 3 1 a に は色イ ン ク タ ン ク 3 1 a 1 か ら ノ ズル 3 1 a 2 へ と至る微細な管路 3 1 a 3 が形成 さ れて
お り、 同管路 3 1 a 3 の終端部分に は イ ン ク室 3 1 a 4 が形成さ れてい る。 この イ ン ク室 3 1 a 4 の壁面は可撓性を有す る素材で形成さ れ、 こ の壁面に電歪素子であ る ピエ ゾ素子 3 1 a 5 が備え ら れてい る。 こ の ピ ェ ゾ素子 3 1 a 5 は電圧を印加す る こ と に よ っ て結晶構造が歪み、 高速 な電気 機械エ ネ ル ギー変換を行 う も のであ るが、 かか る結晶構造の歪 み動作に よ っ て上記イ ン ク室 3 1 a 4 の壁面を押 し、 当該イ ン ク室 3 1 a 4 の容積を減少さ せる。 す る と、 こ の イ ン ク室 3 1 a 4 に連通する ノ ズル 3 1 a 2 か ら は所定量の色イ ン ク粒が勢い よ く 吐出す る こ と になる 。 こ のポ ン プ構造を マ イ ク ロ ポ ン プ機構 と 呼ぶこ と にす る。
なお、 一つの印字へ ッ ド ュ ニ ッ ト に は独立し た二列の ノ ズル 3 1 a 2 が形成されてお り、 各列の ノ ズル 3 1 a 2 に は独立 して色イ ン クが供給 さ れ る よ う にな つ てい る。 従 っ て、 三つの印字ヘ ッ ド ユ ニ ッ ト でそれぞ れ二列の ノ ズルを備え る こ と にな り、 最大限に利用 して六色の色ィ ン ク を使用する こ と も可能であ る。 図 3 に示す例では、 左列の印字ヘ ッ ド ュ ニ ッ ト におけ る二列を黒イ ン ク に利用 し、 中程の印字へ ッ ド ュニ ッ ト に おけ る一列だけを使用 して シ ア ン色イ ン ク に利用 し、 右列の印字へ ッ ド ユニ ッ ト におけ る左右の二列を それぞれマ ゼ ン タ色イ ン ク と イ ェ ロ ー色 イ ン ク に利用 してい る。
こ の よ う に、 本実施形態においては、 マ イ ク ロ ポ ン プ機構を採用す る イ ン ク ジ エ ツ ト 方式のプ リ ン タ 3 1 について適用 してい る。 イ ン ク ジ ェ ッ ト 方式か ら な る ド ッ ト 付着機構を有す る プ リ ン タ 3 1 においては、 上 述 した印字へ ッ ド 3 1 a か ら一つの ド ッ ト について一つの イ ン ク粒を吐 出させて印字させる。 し か し なが ら、 こ の よ う に して付さ れる一つの ド ッ ト の大き さ が必ず し も一定ではな く、 印字へ ッ ド 3 1 a に機体差が生 じてい る。 いわゆ る重ね打ち に よ っ て印刷濃度が変化 し ない もの におい ては、 ド ッ ト の大き さ は即ち 印刷濃度に影響を与え る。 従っ て、 ド ッ ト
の大き さ に機体差が生 じ る も のにおいては印刷濃度にバ ラ ツ キが生 じ、 カ ラ 一 においては色のバ ラ ン ス と 明度と して、 ま た、 モ ノ ク ロ において は グ レ イ の濃さ と し てノ、'ラ ツ キが生 じ る こ と にな る。
本実施形態では、 マ イ ク ロ ポ ン プ機構を採用す る イ ン ク ジ エ ツ ト 方式 の プ リ ン タ 3 1 を説明 したが、 ド ッ ト の大き さ に機体差が生じ る よ う な も のであれば、 他の ド ッ ト 付着機構を有す る プ リ ン タ において も適用可 能であ る。
例えば、 図 6 に示す よ う に ノ ズル 3 1 a 6 近傍の管路 3 1 a 7 の壁面 に ヒ ー タ 3 1 a 8 を設けてお き、 こ の ヒ ー タ 3 1 a 8 に加熱 して気泡を 発生させ、 その圧力で色イ ン ク を吐出す る よ う なバブル ジ ヱ ッ ト 方式の ポ ン プ機構も実用化 さ れてい る。 こ の場合において も、 ヒ ー タ 3 1 a 8 の能力や ノ ズル 3 1 a 6 の開口形状な どに よ っ て機体差が生 じて し ま う のは否めない。
ま た、 他の機構と して図 7 にはいわゆ る電子写真方式のプ リ ン タ 3 3 の概略構成を示 してい る。 感光体と しての回転 ド ラ ム 3 3 a の周縁には 回転方向に対応 して帯電装置 3 3 b と露光装置 3 3 c と現像装置 3 3 d と転写装置 3 3 e と が配置さ れ、 帯電装置 3 3 b にて回転 ド ラ ム 3 3 a の周面を均一に帯電 させた後、 露光装置 3 3 c に よ っ て画像部分の帯電 を除去 し、 現像装置 3 3 d で帯電 していない部分に ト ナ ーを付着さ せ、 転写装置 3 3 e に よ っ て同 ト ナ ー を記録媒体と しての紙上に転写さ せる その後、 ヒ ー タ 3 3 f と ロ ー ラ 3 3 g と の間を通過さ せて同 ト ナ ー を 溶融 して紙に定着さ せてい る。
こ の よ う な電子写真方式の プ リ ン タ 3 3 の場合でも、 帯電装置 3 3 b や露光装置 3 3 c あ る い は回転 ド ラ ム 3 3 a 自身の機体差に よ っ て付着 さ れる ト ナ ー の量にノく ラ ツ キが生 じ る。 従 っ て、 イ ン ク ジ ェ ッ ト 方式の プ リ ン タ 3 1 と 同様の問題が生 じてい る。
本実施形態において は、 画像入力装置 1 0 と 印刷装置 3 0 と の間に コ ン ピ ュ ー 夕 シ ス テ ム を組み込んで印刷処理を行 う よ う に してい るが、 必 ず し も かか る コ ン ピ ュ ー タ シ ス テ ム を必要 とす る わけではない。 例えば 、 図 8 に示す よ う に、 コ ン ピ ュ ー タ シ ス テ ム を介する こ と な く 画像デー タ を入力 し て印刷す る プ リ ン タ 3 2 においては、 ス キ ャ ナ 1 l b やデジ タ ル ス チル カ メ ラ 1 2 b あ る いはモデム 2 6 b等を介 して入力 さ れ る印 刷デー タ と しての画像デー タ を入力 し、 機体差を解消す る よ う な修正を 行 う よ う に構成す る こ と も可能であ る。
次に、 こ の よ う な プ リ ン タ 3 1 に対 して印刷デー タ が出力 さ れ る過程 について説明す る。 図 9 は國像デー タ の流れを示 してお り、 画像入力装 置 1 0が ド ッ ト マ ト リ ク ス状の画素と して表 した R G Bの多階調 ( 2 5 6階調) の画像デー タ を画像処理装置 2 0へ出力 し、 同画像処理装置 2 0 は所定の画像処理をする と と も に C M Y Kの二階調の画像デー タ (二 値デー タ ) と して印刷装置 3 0へ出力す る。 画像処理装置 2 0内では R G B色空間か ら C M Y K色空間への色変換処理を行い、 こ の処理で R G Bの 2 5 6階調の画像デー タ は C MY Kの 2 5 6階調の画像デー タ に変 換さ れ る。 次に印刷装置 3 0が入力可能なデー タ が 2階調であ る こ と に 鑑み、 2 5 6階調の画像デー タ を 2階調の画像デー タ に変換する ハ ー フ ト 一 ン処理を実行す る。 画像デー タ は こ の よ う な過程を経て印刷デー タ と して印刷装置 3 0 に出力 さ れ るが、 それ以前の過程においても実質的 に同 じ画像についてのデー タ であ る ので広義の意味で印刷デー タ と呼ぶ こ とができ る。 そ し て、 上述 した印刷デー タ修正装置 3 0 a は原理的に も どの段階の印刷デー タ に対 し て修正処理を行 う こ と も可能であ り、 本 実施形態においては、 色変換処理 と 同時に C MY Kの 2 5 6階調の画像 デー タ に対 して行な う も の と す る。
図 1 0 は色変換処理 と して修正処理を行 う ための色変換テ ー ブルの書
き換え手順を示 してい る。 こ こでその手順に従 っ てその内容を説明する 先ず、 ス テ ッ プ S 1 0 0 で は一次色 (単色) での補正ル ッ ク ア ッ プテ 一ブルを作成す る。 こ こで こ の補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルの作成手順を 説明す る。 前述 した よ う に、 ま ず、 基準重量の色イ ン ク粒を吐出す る基 準印字へ ッ ド 3 1 a にて全階調にわた っ てパ ッ チを印刷する。 本実施形 態において は、 2 5 6 階調であ る ので、 印刷 し たパ ッ チ は図 1 1 に示す よ う に縦横 1 6 ずつの升目状に な る。 次に、 機体差のあ る 印字ヘ ッ ド 3 1 a でも 同様に全階調にわた っ てパ ッ チを 印刷す る。 機体差のあ る 印字 へ ッ ド 3 1 a では吐出 さ れ る イ ン ク粒の重量がずれてい る ので印刷濃度 がずれ、 基準印字へ ッ ド 3 1 a で全階調にわた っ て印刷 したパ ッ チ と は —致 し ない。
従 っ て、 図 1 2 に示す よ う に基準印字へ ッ ド 3 1 a で印刷 した各パ ッ チ と、 機体差のあ る 印字へ ッ ド 3 1 a で印刷 した各パ ッ チ と を個別に対 比 し、 一致す る パ ッ チの階調を対比す る。 同図においては、 共に所定の 階調デー タ を入力 し た と き に 印刷 さ れたパ ッ チであ っ て同 じ印刷濃度に な っ たパ ッ チ同士の組み合わせを示 してお り、 具体的に は次の こ とが読 み とれる。
機体差のあ る印字へ ッ ドで は階調デー タ 「 0 」 を入力 して印刷 したパ ツ チ と階調デー タ 「 1 」 を入力 して印刷 し たパ ッ チ とが、 基準印字へ ッ ドで階調デー タ 「 0 」 を入力 して印字 し たパ ッ チ と 同 じ 印字濃度であ つ た こ と を示 してい る。
ま た、 同様に機体差のあ る 印字へ ッ ドで は階調デー タ 「 2 」 を入力 し て印刷 し たパ ッ チ と階調デー タ 「 3 」 を入力 して印刷 し たパ ッ チ とが、 基準印字へ ッ ドで階調デー タ 「 1 」 を入力 して印字 したパ ッ チ と 同 じ印 字濃度であ っ た こ と を示 してい る。
さ ら に、 機体差のあ る 印字へ ッ ドでは階調デー タ 「 4 」 を入力 し て印 刷 したパ ッ チが、 基準印字へ ッ ドで階調デー タ 「 2 」 を 入力 して印字 し たパ ッ チ と 同 じ印字濃度であ り、 機体差のあ る 印字へ ッ ドでは階調デー 夕 「 5 」 を入力 して印刷 し たパ ッ チが、 基準印字へ ッ ドで階調デー タ 「 3 」 を入力 して印字 し たパ ッ チ と 同 じ印字濃度であ る。
むろん、 この組み合わせはその ま ま補正ル ツ ク ア ッ プテ ー ブル を構成 する こ と に な る。 本実施形態においては三つの印字へ ッ ド 3 l a を備え てい る ため、 各印字へ ッ ド 3 1 a ごと に補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルを作 成す る。 なお、 かか る補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルは上述 し た修正量が内 在す る も の と いえる。 すなわ ち、 本来の階調デー タ 「 3 」 に求め ら れる 印字濃度は階調デー タ 「 5 」 に対 して得 ら れ る のであ っ て修正量は 「 + 2 」 と な るが、 この よ う な対応関係を全階調にわた っ て記録したのが補 正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルだか ら であ る。 従っ て、 この意味で各要素色毎 の修正量を記録した も の と も言え る。
この よ う に して各印字へ ッ ド 3 1 a ご と に作成した補正ル ッ ク ア ッ プ テ ー ブルを使用すれば一次色以外の も ので も 同様に補正す る こ とが可能 に考え ら れ る力、'、 現実には二次色 (例えば C と Mの よ う に二色を混合 し た色) や三次色 ( C と M と Yの よ う に三色を混合 し た色) と い う よ う に 混色状態と な っ て く る とずれが表れ る。
こ のため、 ス テ ッ プ S 1 1 0 では上記補正ル ッ ク ア ッ プテー ブル にお け る修正量を低減さ せて二次色のパ ッ チを 印刷さ せる。 こ こで低減量の 調整は所定の係数を修正量に乗算 して表す もの と し、 同係数を 「 0 . 1 」 刻み と し た場合の補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブル を図 1 3 に示 してい る。
こ こで、 同図の意味す る と こ ろ を説明す る。 ま ず、 「 ひ = 1 」 の欄が 図 1 2 に示す よ う に して作成 し た本来の補正ル ツ ク ア ッ プテ ー ブルの内 容を示 してい る。 すなわ ち、 左覧の 「 0 〜 2 5 5 」 は入力 さ れ る階調デ
一 夕 の値であ り、 これに対 し て修正さ れた階調デー タ の値が 「 α = J の欄に示さ れてい る。 例えば、 階調デー タ 「 0」 に対 し て修正さ れる階 調デー タ は 「 0」 、 階調デー タ 「 2」 に対 して修正さ れ る階調デー タ は 「 1 」 、 階調デー タ 「 1 8 0 」 に対 して修正さ れ る階調デー タ は 「 1 6 0」 、 階調デー タ 「 2 5 5」 に対 して修正 さ れ る階調デー タ は 「 2 5 5 」 と い っ た具合であ る。
そ して、 αの欄が 「 0. 9 」 、 「 0. 8」 、 「 0. 7」 と い う よ う に 徐々 に減っ てい く に連れて こ の低減量を減 ら してい る。 低階調領域や高 階調領域では修正量が小さ いので変化は見に く いが、 修正量が最大 と な る階調 「 1 8 0 」 付近を見る と、 係数が 「 1. 0」 であ る と き に修正量 と して 「 2 0」 階調デー タ の差があ っ た も のが係数を 「 0. 1 」 刻みに 少な く してい く こ と に よ っ て ほぼ 「 2」 階調デー タずつ修正量が低減 し てい る こ とが分かる。 むろ ん、 二次色の場合はそれぞれの印字ヘ ッ ド 3 1 a におけ る個別の補正ル ツ ク ア ッ プテ ー ブル について同様の も のを作 成 しておき、 同 じ係数に対応す る ものを使用す る。 なお、 これ ら の場合 の係数の刻み幅は必ず し も 「 0. 1 」 刻みであ る必要はない。
ス テ ッ プ 1 2 0で は、 こ の よ う に して二次色について印字 した基準印 字へ ッ ド 3 1 aでのパ ッ チ と、 係数 α 2 を変えた機体差のあ る印字へ ッ ド 3 1 aでのパ ッ チ と をそれぞれ測色 し、 全体と して誤差の少な く なる 係数 α 2 を決定す る。 実験結果に よれば、 係数 cr 2 は 「 0. 8」 が最も 好適であ っ た。
次に、 同様の手法で三次色についての係数 α 3 を決定する。 すなわち 、 ス テ ッ プ S 1 3 0では係数 α 3 を変えて三次色のパ ッ チを印刷 し、 ス テ ツ プ S 1 4 0では基準印字へ ッ ド 3 1 aでのパ ッ チ と対比 して最適な 係数 α 3 を決定す る。 こ の三次色についての最適な係数 α 3 は 「 0. 6 」 位であ る こ とが確認さ れた。
こ こ において、 二次色や三次色のパ ッ チ はそれぞれの要素色を均等に 加えて印刷 し た も のであ り、 これ ら の場合に は上述 した よ う に し て確か め ら れた係数が最適であ る と言え る。 し か しなが ら、 実際の印刷デー タ におけ る各画素での要素色の混色状況は雑多であ り、 必ず し も二次色で あれば係数 α 2、 三次色であれば係数 α 3 と い う のが最適 と も いえない こ こで、 各画素の成分を要素色の成分値で示 し た図 1 4 を参照す る と 、 最も大き な成分値を Η、 最も小さ な成分値を し、 中間の成分値を Μ と した場合、 成分値 L について は各要素色が全て満足 してお り、 こ の成分 値 L以上で成分値 Μ以下の部分について は二色の要素色が満足 してお り 、 成分値 Μ以上については一色の要素色だけが満足 してい る。 従っ て、 全ての要素色が満足す る成分値 L以下の成分 s 1 を三次色の成分 と考え 、 成分値 L以上で成分値 Μ以下の部分を二次色の成分と考え、 成分値 Μ 以上の部分を一次色の成分と考えて全体の成分の和 S に対するそれぞれ の合計成分 s l , s 2 , s 3 に係数 α 3、 係数 α 2、 係数 1 . 0 を乗算 して係数 α 1 0 を求め る こ と にす る。 すなわち、 α 1 0 = 3 X ( s l / S ) - α 2 x ( s 2 / S ) + 1 . 0 x ( s 3 / S )
… ( 1 ) と な る係数 a 1 0 を利用す る。
こ の場合において少な く と も一次色についての補正ル ッ ク ァ ッ プテ ー ブルを記憶す る ハ ー ド ウ ヱ ァ お よび ソ フ ト ウ ヱ ァが修正量記憶手段 3 0 a 1 を構成す る し、 ( 1 ) 式に基づいて係数 α 1 0 を算出す る ハ ー ド ウ ヱ ァお よび ソ フ ト ウ ヱ ァが修正量調整手段 3 0 a 2 を構成す る こ と にな る。
むろ ん、 修正量調整手段 3 0 a 2 が利用する ( 1 ) 式は一例に過ぎず 、 少な く と も一次色の補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルを利用 して二次色や三 次色へ と混色次数が増加す る につれて修正量を低減さ せ る よ う な係数 α 1 0であればよ い。
例えば、 その色が どれだけ三次色に近いかを示すパラ メ ー タ を利用す る こ と もで き る。 R G Bを例に と っ て説明す る と、 グ レ イ に近ければ 「 1 0 0」 と な り、 一次色に近ければ 「 0」 と な る パ ラ メ ー タ ( グ レ イ度 ) を設定 し、 こ の グ レ イ度が 「 1 0 0」 であれば係数 α 3 を採用 し、 同 グ レ イ度が 「 0」 であれば係数 「 1. 0」 を採用す る。 こ の グ レ イ度は 次の よ う に して求め る こ とができ る。 い ま、 各イ ン ク毎の入力デー タ値 (成分量) を i n— d a t a C l , i n _ d a t a C 2 , i n— d a t a C 3であ る とす る と、 入力デー タ値の最小のも の M I N— v a 1 u e は、
M I N _ v a 1 u e = m i n ( i n一 d a t a C l , i n— d a t a
C 2 , i n— d a t a C 3 )
で表さ れ、 入力デー タ値の最大の も の M A X— v a l u e は、
MA X _ v a 1 u e = m a x ( i n _ d a t a C l , i n— d a t a
C 2 , i n— d a t a C 3 )
で表さ れ、 入力デー タ値の中間の も の M I D— v a l u e は、
M I D _ v a l u e = m i d ( i n— d a t a C l , i n— d a t a
C 2 , i n— d a t a C 3 )
で表さ れ る とす る。 こ の場合に、 グ レ イ 度 g r a yは、
g r a y = (M I N _ v a 1 u e x 3 ) / ( M I N— v a l u e + M
A X _ v a 1 u e M I D _ v a 1 u e )
で表す こ と にす る。 むろ ん、 分子を M I N— v a l u e と して分母に ついては平均値 とす る こ と も で き る。 ま た、 グ レ イ度 g r a y に対す る
係数 a g は、
a g = l ~ 0. 4 x ( g r a y / 1 0 0 ) --- ( 2 )
で算出で き る。
本実施形態において は グ レ イ 度 g r a y と係数 a g を ( 2 ) 式に基づ いて対応さ せてい る力、'、 微妙に調整す る こ と も可能であ る。 例えば、 図 1 5 はその一例 と しての グラ フ を示 してお り、 グ レ イ度 g r a y の高い 領域では係数 a g の変化率をやや大き く してい る。
図 1 6 ( a ) はグ レ イ度が 「 1 0 0 」 と な る場合を示 してい る。 各ィ ン ク の入力デー タ値が一致す る場合であ る。 ま た、 同図 ( b ) はグ レ イ 度が 「 0 」 と な る場合を示 し てお り、 一つ の要素色だけが成分量を有す る一次色の場合であ る。 さ ら に、 同図 ( c ) はグ レ イ度が 「 5 0 」 とな る場合を示 してい る。 各イ ン ク の入力デー タ値が 1 : 2 : 3 と な る場合 にはグ レ イ 度が 「 5 0 」 と な る。 こ の場合、 係数 er g は ( 2 ) 式よ り 「 0. 8 」 と な るが、 係数 α ΐ θ は ( 1 ) 式よ り 「 0. 7 3 3 3 」 とな り 、 両者は相違す る こ と にな る。 従っ て、 出力結果に基づいて適宜選択す ればよ い。
一方、 こ の よ う な グ レ イ 度の概念は色の表現要素であ る彩度と い う 概 念に共通す る性質を有 してい る。 図 1 7 はし * a * b * 表色空間を模式 的に示してい る。 三次元空間におけ る上下方向に明る さ L * を と り、 水 平面内の平面座標で色彩を表 してい る。 同水平面内の平面座標は a * 軸 と b * 軸の直交座標で表さ れ、 原点に向か う ほ どグ レ イ に近 く な り、 周 縁に向か う ほ ど鮮やかにな る。 むろ ん、 原点か ら の距離は彩度と言え、 原点か ら の距離は グ レ イ度に反比例す る と言え る。 印刷デー タが こ の よ う な間接的あ る いは直接的な彩度の要素を持つ場合に は、 こ の彩度を利 用 して係数 a s を決定 し、 各要素色毎の補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルを参 照す る にあた っ て修正量が低減さ れる よ う にす る こ と も でき る。
以上の修正手法を実現す る こ と にな る第一の修正手段 3 0 a 3 は、 C M Y Kの印刷デー タ に基づいて ( 1 ) 式や ( 2 ) 式に基づ く 係数 と補正 ル ツ ク ア ッ プテ ー ブルを利用 して修正 して も構わない力、'、 R G B か ら C M Y Kへの色変換の際に も色変換テ ー ブルを参照する こ と にな る ため、 こ の色変換テ ー ブル を書き換え る こ と に よ り、 一度のテ 一 ブル参照で修 正作業も終了 させる。 こ の た め に ス テ ッ プ S 1 5 0 では決定 した係数の 補正ル ツ ク ァ ッ プテ 一 ブルを色変換テ ー ブル に書き込む。
上述 し た手順は コ ン ピ ュ ー タ 2 1 にて プ リ ン タ ド ラ 2 1 b が起動 さ れた と き に実行す る こ と に な り、 以下、 図 1 8 に示す プ リ ン タ ド ラ イ バ 2 1 b の フ ロ ー チ ヤ — ト を参照 しなが ら 上記構成か ら な る本実施形態 の動作を説明す る。
ス キ ャ ナ 1 1 で読み込んだ画像デー タ を プ リ ン タ 3 1 で印刷す る場合 を想定する と、 ま ず、 コ ン ピ ュ ー タ 2 1 に て オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム 2 l a が稼働 してい る も と で、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン 2 I d を起動さ せ、 ス キ ヤ ナ 1 1 に対 して読み取 り を開始さ せる。 読み取 られた画像デー タ が 同 オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム 2 1 a を介 して ア プ リ ケ ー シ ョ ン 2 1 d に 取 り 込ま れた ら、 所定の画像処理を行い、 印刷処理を選択す る。
印刷処理が選択さ れ る と オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム 2 1 a はプ リ ン タ ド ラ 2 1 b を起動さ せる。 プ リ ン タ ド ラ 2 1 b の最初の起動時 に は一次色の補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルがないので、 ス テ ッ プ S 2 0 0 の判断を経て ス テ ッ プ S 2 0 5 にて単色のパ ッ チを印刷する。 一方、 基 準印字へ ッ ド 3 1 a で印刷 し たパ ッ チは別途用意 してお き、 各プ リ ン タ 3 1 ごと に備え られてい る印字へ ッ ド 3 1 a で印刷 し たパ ッ チ と対比さ せ、 ス テ ッ プ S 2 1 0 では対応が得 られた値を入力す る。
こ の結果を利用 し て ス テ ッ プ S 2 1 5 では二次色のパ ッ チを印刷す る 。 こ の と き係数を変えて い く つ かの パ ッ チ を印刷 し、 ス テ ッ プ S 2 2 0
で最適と思われ る パ ッ チについての係数 α 2 を決定す る。 同様に してス テ ツ プ S 2 2 5では三次色のノ、' ツ チを 印刷 し、 ス テ ッ プ S 2 3 0では最 適と思われ る パ ッ チ についての係数 α 3 を決定す る。 つ ま り 係数 α 2 と 係数 α 3 は最適と思われ る も のについての係数を入力す る こ と にな る。 以上の処理は一度行 っ ておけば印字へ ッ ド 3 1 aが変わ ら ない限 り 有効 であ る。
ただ、 これ ら の ス テ ッ プ S 2 1 5〜 S 2 3 0 の処理については係数 α 2 , α 3 を求め る必要があ る こ と を前提 と してい る。 係数 α 2 , α 3 に ついては実験的に求めた と こ ろ それぞれ 「 0. 8」 およ び 「 0. 6」 と い う 数値が好適であ る こ とが分か っ てお り、 これ ら の値を デフ オ ル ト と して使用 して も十分効果的な結果を得 ら れ る。 従っ て、 少な く と も ス テ ッ プ S 2 0 5, S 2 1 0 にて単色のパ ッ チを印刷 して所定の対応値さ え 入力できれば、 ス テ ッ プ S 2 1 5〜 S 2 3 0 の処理を省略す る よ う に し て も構わない。
最初の起動時は上述 し た印刷 と入力 と を行 う と と も に、 次のス テ ッ プ S 2 4 0では色変換テ ー ブル に書き込む処理を行 う。 すなわ ち、 色変換 テ ー ブルの各色毎に ( 1 ) 式 ま た は ( 2 ) 式を利用 して修正量を低減さ せた上、 変換値を演算 して書き換え る。
こ の後、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン 2 1 dで作成さ れた R G Bの印刷デー タ を ス テ ッ プ S 2 5 0 にて C M Y Kの印刷デー タ に色変換する。 むろ ん、 こ の と きの色変換に使用 さ れ る の はス テ ッ プ S 2 4 0 にて所定の修正量が 書き込ま れてい る色変換テ ー ブルであ り、 色変換と 同時に必要な修正も 加え られてい る。
色変換が終了 した時点では印刷デー タ は 2 5 6階調の ま ま であ る か ら 、 ス テ ッ プ S 2 5 5 ではプ リ ン タ 3 1 で入力可能な 2階調の印刷デー タ に変換 して 同プ リ ン タ 3 1 に 出力す る。 プ リ ン タ 3 1 がかか る 印刷デー
タ を入力 し た場合、 照準色の近辺で補正ル ッ ク ァ ッ プテ 一 ブルの低減量 が最適な値 と な っ てお り、 基準印字へ ッ ド 3 1 a で印刷す る場合 と 同様 に色ずれのない きれいな印刷が可能 と な る。
こ の よ う に、 イ ン ク ジ エ ツ ト 方式の プ リ ン タ 3 1 の よ う な ド ッ ト を構 成す る色ィ ン ク な どの記録材が機体差に よ つ て変動する場合、 各色ご と に色ずれの修正量を設定す る こ と は不可能であ る力 少な く と も単色で の修正量を求めておいた上で、 各 ド ッ ト の混色次数を判定 し、 混色次数 が増え る に従っ て同修正量を低減さ せつつ適用す る こ と に よ り、 各 ド ッ ト の混色次数に応 じ た最適な修正量で修正 さ れ、 機体差を補償 し て色再 現性を 向上 さ せる こ とがで き る。
次に、 本発明の第二の実施形態を説明す る。
図 1 9 は、 本発明の第二の実施形態にかかる 印刷デー タ修正装置を ク レ ー ム対応図に よ り 示 してい る。
本実施形態においては、 印刷デー タ修正装置 3 0 b は こ の よ う な印刷 シ ス テ ム において印刷デ一 夕 を生成する過程において、 同生成さ れた印 刷デー タ を入力 し、 所定のデー タ修正を行 っ て出力する。 こ の場合、 第 二の修正手段 3 0 b 1 は後述す る よ う に し て予め各要素色毎に機体差を 修正する ための修正量を保持 してお り、 修正量低減手段 3 0 b 2 か ら の 低減指示に よ っ て同修正量を低減させ、 印刷デー タ を修正す る。 以下、 こ の工程を詳細に説明す る。
図 2 0 は色変換処理 と して修正処理を行 う ための色変換テ ー ブルの書 き換え手順を示 してい る。 こ こでその手順に従っ てその内容を説明する 。 ただ し、 ス テ ッ プ S 3 0 0 〜 ス テ ッ プ S 3 4 0 については、 第一の実 施形態 と全 く 同様であ る。 新た に ス テ ッ プ S 3 5 0 の処理を実行す る。
こ の よ う に一次色か ら三次色 ま でそれぞれに最適な係数があ る一方で 、 印刷デー タ に は一次色か ら三次色ま で雑多に含 ま れて い る。 従 っ て、
どの次元の色の再現性を重視す る かに よ っ て係数は調整せざ る を得ない 。 ス テ ッ プ S 3 5 0 ではその よ う な照準色を決定 し、 どの係数を採用す る かを決定す る。 すなわ ち、 照準色が二次色であれば 「 α = 0. 8 」 と し、 照準色が三次色であれば 「 α = 0. 6 」 とす る。 むろん、 こ の場合 も 図 1 4 に示 し た も の と 同様に、 ( 1 ) 式か ら係数を特定 して も 良い。 なお、 こ こでは照準色を決め、 その照準色に よ っ て係数を決定す る よ う に してい るが、 実際の一次色 と二次色と三次色の画素数を集計 して係 数を決め る よ う に して も良い。 図 2 1 は、 印刷デー タ の全画素に基づい て一次色〜三次色の画素数を集計 した結果を示 してい る。 こ の集計結果 か ら係数に重み付けす る。 同図に示す例では、 一次色の圉素数が s 4個 、 二次色の囫素数が s 5 個、 三次色の画素数が s 6 個であ る ため、 全画 素数の ( S = s 4 - ' s 5 s 6 ) 個に対す る割合で係数を重み付け加算 する。
すなわち、
« 2 0 = 1 . 0 X ( s 4 / S ) 十 α 2 Χ ( s 5 / S ) + a 3 x ( s 6 / S )
- ( 3 ) と な る係数 a 2 0 を利用す る。 一方、 あ る要素色の成分に対して別の要 素色の成分が少 しで も混ざ っ てい る場合に必ず し も二次色であ る と か三 次色であ る と い う よ う に判断す る と一次色や二次色の数はかな り 少な く な っ て し ま う。 しか し なが ら、 こ の よ う な場合に はよ り 強め に修正をか けた と して も も と も と の成分が小さ いので悪影響は少ない。 従っ て、 相 対的に他の要素色が無視でき ない よ う な混色状態に限 り 二次色であ る と か三次色であ る と い う 判断を行 う の も有効であ る。
図 2 2 は一例 と して各要素色毎の成分比に基づ く 判断を行な っ た場合 の集計結果を示 してお り、 最大の成分値の も の に対 して 2 0 %以下の成
分値の要素色を無視 し た場合であ る。 こ の よ う に し た結果、 一次色や二 次色の画素数が増え、 係数 α 2 0 を求め る際に も影響を与える こ と にな る。
以上の よ う に、 印刷デー タ に基づいて画素を集計 し、 その集計結果を 反映させる場合に は、 一次色、 二次色、 三次色毎に最適な係数が得 られ てい るため、 これ ら を記憶す る ハ 一 ド ウ ヱ ァ及びソ フ ト ゥ ヱ ァが低減量 記憶手段を構成 し、 ま た、 現実の印刷デー タ か ら一次色、 二次色、 三次 色毎の画素数を集計 して重み付け加算す る処理が低減量重み付け加算手 段を構成す る こ と にな る。
色修正は C M Y Kの印刷デ一 夕 で こ の補正ル ッ ク ァ ッ プテ 一 ブルを参 照 しても構わないが、 R G Bか ら C MY Kへの色変換の際に も色変換テ — ブルを参照す る こ と にな る ため、 こ の色変換テ ー ブルを書き換え る こ と に よ り、 一度のテ ー ブル参照で修正作業も終了 させる。 このため、 ス テ ツ プ S 3 6 0では決定 し た係数の補正ル ツ ク ア ッ プテ ー ブルを色変換 テ ー ブルに書き込む。 むろ ん、 こ の よ う に して照準色に対応させて係数 を決定 し、 同係数を乗算し た修正量を色変換テ ー ブルに書き込む こ と に な る ため、 これ ら の処理が修正量低減手段 3 0 b 2 を構成する。
本実施形態において も上述 し た手順は コ ン ピュ ー タ 2 1 にてプ リ ン タ ド ラ イ バ 2 1 b が起動さ れた と き に実行す る こ と にな り、 以下、 図 2 3 に示すプ リ ン タ ド ラ イ ノ、 * 2 1 b の フ ロ ー チ ヤ一 ト を参照 しなが ら上記構 成か ら な る本実施形態の動作を説明す る。
本実施形態において も、 最初の起動時に はス テ ッ プ S 2 0 0〜 S 2 3 0 と全 く 同様に して ス テ ッ プ S 4 0 0〜S 4 3 0 にてノ、。 ツ チの印刷 と そ れに伴 っ て最適係数 α 2, α 3 を入力す る。
ま た、 最初の起動時は上述 し た印刷 と入力 と を行 う と と も に、 次の ス テ ツ プ S 4 3 5 での照準色を決定 し、 対応す る係数を決定してス テ ッ プ
S 4 4 0では色変換テ ー ブル に書き込む処理を行 う。
但 し、 こ こでの処理は照準色を変化さ せたい場合に実行す る必要があ り、 ス テ ッ プ S 4 0 0 にて一次色の補正ル ッ ク ア ッ プテ ー ブルを作成す る必要がない と判断さ れた場合でも ス テ ッ プ S 4 4 5 に て照準色を変更 す る必要があ る かないかを問い合わせ、 必要があればス テ ッ プ S 4 3 5 , S 4 4 0 の処理を実行す る こ と にな る。
こ の後、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン 2 1 dで作成さ れた R G Bの印刷デー タ を ス テ ッ プ S 4 5 0 に て C M Y Kの印刷デー タ に色変換す る。 むろ ん、 こ の と き の色変換に使用 さ れ る の はス テ ッ プ S 4 4 0 にて所定の修正量が 書き込ま れてい る色変換テ ー ブルであ り、 色変換と 同時に必要な修正も 加え られてい る。
色変換が終了 した時点では印刷デー タ は 2 5 6階調の ま ま であ る か ら 、 ス テ ッ プ S 4 5 5 ではプ リ ン タ 3 1 で入力可能な 2階調の印刷デー タ に変換 して同プ リ ン タ 3 1 に 出力す る。 プ リ ン タ 3 1 がかかる印刷デ一 タ を入力 し た場合、 照準色の近辺で補正ル ツ ク ァ ッ プテ ー ブルの低減量 が最適な値 と な っ てお り、 基準印字へ ッ ド 3 1 aで印字す る場合 と 同様 に色ずれのない きれいな印字が可能と な る。
こ の よ う に、 イ ン ク ジ エ ツ ト 方式の プ リ ン タ 3 1 の よ う に ド ッ ト を構 成す る色ィ ン ク な どの記録材が機体差に よ っ て変動す る場合、 各色ごと に色ずれの修正量を設定する こ と は不可能であ るが、 少な く と も単色で の修正量を求めてお き、 照準色を決めれば最適な低減量で単色の修正量 を低減させて適用す る こ と に よ り、 二次色や三次色において も容易に好 適な色修正が可能と な る。