明 細 書 化粧料、 シ リ カ被覆金属酸化物粉およびその製法 関連出願の説明
本出願は、 1 9 9 7年 8 月 7 日に出願した米国仮出願第 6 0 / 0 5 4, 9 6 5号および 1 9 9 8年 1 月 1 4 日に出願した米国仮出願 第 6 0 / 0 7 1, 4 3 4号に基づき、 これらの出願について優先権 を主張する ものである。 発明の技術分野
本発明は化粧料、 特に紫外線遮蔽用化粧料、 およびそれに用いる のに好適なシ リ カ被覆金属酸化物粉とその製法に関する。 更には、 化粧時の使用感に優れ、 紫外線遮蔽能が高く 、 しかも光毒性の低い 、 保存安定性に優れた化粧料と、 特定の赤外吸収スぺク トルピーク を有し、 かつ緻密で実用的なシ リ カ膜を形成した、 シ リ カ被覆金属 酸化物粉に関する。 本発明のシ リ カ被覆金属酸化物粉は、 各種紫外 線遮蔽材、 化粧品、 顔料等に利用できる。 背景技術
紫外線遮蔽能を有する化粧料には、 紫外線吸収能を有する有機系 材料及び無機系材料が配合されている。 有機系材料は、 その分解性 により安全性の懸念があり、 無機系材料が近年多 く 用いられている 。 無機系材料と しては、 金属酸化物が一般に使われており、 中でも チタニア粉が汎用されており、 更には酸化亜鉛粉も利用されている チタニアを例にとると、 市販のチタニア粉には種々の粒径のもの
があるが、 チタニア粉の紫外線遮蔽能はその一次粒子径に大き く 依 存するこ とが知られている。
即ち顔料用と して多く 用いられている一次粒子径の大きい粉 ( 2 0 0 n m程度) は、 散乱による遮蔽効果を期待できるが、 紫外線吸 収能が低いので紫外線遮蔽用化粧料には適していないと考えられる 。 また微粉 ( 1 0〜 3 0 n m ) は、 短波長の紫外線 (U V B ; 波長 2 9 0 〜 3 2 0 n m ) での吸収能が高く 、 透明感を付与するこ とが 出来るが、 散乱による遮蔽効果がないので、 長波長の紫外線 (U V A領域 ; 波長 3 2 0 〜 4 0 0 n m ) の遮蔽能が低いという問題があ る。 さ らに、 一次粒子径が 1 0 O n m程度のチタニア粉は、 長波長 の紫外線 (U V A領域) の良好な遮蔽能が得られるが、 この粒径の チタニア粉は滑りが悪く 、 化粧料中に配合した場合、 使用感が悪く なるという問題がある。 ― 使用感を向上させるために、 タルク、 マイ力、 シ リ カ ビーズ等の 無機粉体や、 ナイ ロ ン、 ポ リ スチレン等の有機粉体の配合もなされ ているが、 これらの粉体は、 紫外線吸収能を有しないため、 化粧料 の紫外線遮蔽能を勘案すると配合量には限界がある。
また、 チタニア、 酸化亜鉛等の金属酸化物は光触媒活性を持ち、 人体に悪影響を及ぼすおそれがあるこ とが知られており、 化粧料に 配合する場合には、 光触媒反応によ り変性しない無機質膜による被 覆が必要とされている。 そのため、 従来から種々の表面処理チタ二 ァ粉、 例えば、 アルミ ナの焼成した被膜を有する もの、 アルミ ナの 焼成被膜に更にステア リ ン酸、 グリ セ リ ンなどで表面処理を施した もの、 アルミ ナ及び酸化ジルコニウムの焼成した被膜を有する もの 、 シ リ カの焼成した被膜を有する もの等が市販されている。 しかし ながら、 従来の表面処理金属酸化物粉は、 化粧料に配合した場合、 被覆による光触媒活性を隠蔽する効果が十分でないため、 光毒性の
抑制が不十分であったり、 有機成分の変性が回避できないという問 題があった。 更に、 被膜の物性が不適切なために化粧料の使用感を 悪く する という致命的な欠陥を有していた。
また、 通常のゾルーゲル法で焼成をして得られる実用的なシ リ カ 被膜は、 1 1 5 0〜 1 2 5 O cm— 1と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm—1の赤外 吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( 1 = 1 ! / 1 2 : I ! は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm— 'の吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cnr'の吸収ピーク強度) が、 一般に 0. 2未満である。 そ して 、 I の値は一般に焼成により小さ く なる傾向があるこ とが知られて いる。 また、 この焼成により、 化学結合あるいは官能基が変化し、 シ リ 力膜の親水性、 吸油性等の特性が変化することが知られている 。 一方、 通常のゾルーゲル法で焼成をしないで得られる シ リ カ膜は
、 ある程度の 1 1 5 0 - 1 2 5 0 cm— 1の吸収ピークを示すが、 屈折 率が 1 . 4 3 5未満であり、 緻密性が低く 、 実用的でないこ とが知 られている。 こ こで、 一般にシ リ カ膜の緻密性と屈折率は正の相関 があるとされている。 (例えば C. J E F F E R E Y B R I N K E R , S O L - G E L S C I E N C E , 5 8 1 〜 5 8 3, A C A D E M I C P R E S S ( 1 9 9 0 ) )
本発明の第 1 の目的は、 化粧時の使用感に優れ、 紫外線遮蔽能が 高く 、 しかも光毒性の低い、 保存安定性に優れた化粧料を提供する し と ある。
本発明の第 2の目的は、 特定の特性を有し、 形状追随性の高い、 緻密で実用的なシ リ 力被膜に被覆された金属酸化物粉およびその製 造方法を提供するこ とである。 発明の開示
本発明者は前記の第 1 の目的を達成するために鋭意検討した結果
、 膜厚 0 . 1 〜 1 0 0 n mのシ リ カ膜で金属酸化物粉を被覆したシ リ カ被覆金属酸化物粉を配合するこ とにより、 所望の特性を有する 化粧料が得られるこ とを見い出 し、 本発明の第 1 の側面を完成する に至った。
即ち本発明の第 1 の側面は、 膜厚 0 . 1 〜 1 0 0 n mのシ リ カ膜 で金属酸化物を被覆したシ リ カ被覆金属酸化物粉を含有する こ とを 特徴とする化粧料に関し、 更に、 テ トラ リ ン自動酸化法により測定 した、 シ リ カ被覆金属酸化物粉の光触媒活性度が 6 m m H 2 O / m i n . 以下である前記の化粧料に関し、 シリ カ被覆金属酸化物粉の 一次粒子径が 5 〜 5 0 0 n mであり、 かつ二次粒子径が 0 . 5 〜 1 0 mである前記の化粧料に関し、 及びシリ カ被覆金属酸化物粉の 一次粒子径が 5 〜 1 2 0 n mであり、 かつシ リ カ膜厚が 0 . 5 〜 2 5 n mである前記の化粧料に関する。
更に本発明は、 該金属酸化物がチタニア、 酸化亜鉛、 酸化セ リ ウ ム、 酸化ジルコニウ ム及び酸化鉄からなる群から選択される 1 種又 は 2種以上の金属酸化物である前記の化粧料、 該金属酸化物がチタ ニァである前記の化粧料、 該金属酸化物が酸化亜鉛である前記の化 粧料、 該金属酸化物が酸化セ リ ウ ムである前記の化粧料、 抗酸化物 質を含有させた前記の化粧料、 及び紫外線吸収剤を含有させた前記 の化粧料に関する。
また、 本発明は、 上記第 2 の目的を達成するために、 焼成無しに 製造され、 特定の赤外吸収スぺク トルの吸収ピークを有し、 かつ基 材金属酸化物の複雑な粒子形状にも付き回りが良く 、 極薄い膜厚に おいても被覆性の良い、 実用的な、 緻密なシ リ カ膜に被覆された金 属酸化物粉を提供する。
こ こで云う緻密とは、 形成されたシ リ カ膜が高密度であり、 均一 でピンホールやき裂がないこ とを意味する。 また、 こ こで云う実用
的とは、 シ リ カと基材金属酸化物との結合 〔一 S i - 0 - M ( Mは T i , Z n , C o, Z r, F eなどの金属元素を示す) の結合〕 が 強く 、 被膜の剥離等が起こ らず、 シ リ カ被膜金属酸化物粉の物性が 損なわれないこ とを意味する。
本発明のシ リ 力被覆金属酸化物粉のシ リ 力被膜は、 1 1 5 0 〜 1 2 5 0 cnr 1と 1 0 0 0 〜 1 1 0 0 cm— 1の赤外吸収スぺク トルの吸収 ピーク強度の比 I : し は 1 1 5 0 〜 1 2 5 0 cm
— 1の吸収ピーク強度、 I 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm _ 'の吸収ピーク 強度) 力く、 0 . 2以上であり、 かつ屈折率が 1 . 4 3 5以上である o
すなわち、 従来の慣用法に於いて焼成をしない場合に得られる化 学結合あるいは官能基を有しながら緻密で実用的なシ リ カ膜で被覆 した金属酸化物粉である。
本発明のシ リ カ被覆金属酸化物粉は、 親水性、 吸油性等で特定の 物性を有し、 かつ被膜が緻密で実用性を有している。
こ こで、 本発明のシ リ カ膜は緻密であり、 強固な被覆を形成して いるこ とは勿論であり、 基材金属酸化物の複雑な粒子形状にも付き 回りが良く 、 0 . 5 nm程度の極めて薄い被覆にしても被覆性が良く 、 チタニアなどの金属酸化物の持つ光触媒活性効果を隠べいするこ とができる。
また、 膜中にナ ト リ ウム等のアルカ リ金属を含むと、 加熱多湿雰 囲気下では、 シ リ カ膜が溶解する可能性があるが、 本発明では、 ナ ト リ ウム等のアルカ リ 金属の含有量が極めて少ないシ リ カ被膜とす ることもできる。
本発明の第 3 の側面によれば、 上記シ リ カ被覆金属酸化物粉は、 ィ) 珪酸、 口) 水、 ハ) アルカ リ、 二) 有機溶媒、 および、 これら の反応生成物を主成分とする組成物であって、 珪素の濃度が 0 . 0
0 0 1 〜 5 モルノリ ッ トルで水 Z有機溶媒比が 0. 1 〜 1 0、 好ま し く は 0. 1 〜 0. 5の範囲にある シ リ 力被膜形成用組成物を金属 酸化物粉と接触させ、 この接触を維持して金属酸化物粉の表面にシ リ カを選択的沈着させるこ とにより、 上記のシ リ カ被覆金属酸化物 粉を得られる。 この方法は、 焼成を必要とせず、 工業的に有用であ る。 図面の簡単な説明
図 1 は実施例のシ リ カ被覆チタニア粉及び従来例の表面処理チタ ニァ粉の光透過率を示す。
図 2 は実施例のシ リ カ被覆チタニアの透過型電子顕微鏡写真であ
O o 発明を実施するための最良の形態
以下本発明について更に詳し く 説明する。
まず、 本発明の化桩料 (第 1 の側面) に好適に用いることができ る シ リ カ被覆金属酸化物粉 (第 2の側面) の製造法 (第 3の側面) について説明する。
本発明の化粧料には、 珪酸、 水、 アルカ リ及び有機溶媒を含有し 、 水 Z有機溶媒比が容量比で 0. 1 〜 1 0の範囲であり、 かつ珪素 濃度が 0. 0 0 0 1 〜 5 モル/リ ッ トルの範囲である シ リ カ被膜形 成用組成物に、 金属酸化物粉を接触させて金属酸化物粉の表面にシ リ 力を選択的に沈着せしめる方法により得られる シ リ カ被覆金属酸 化物粉を用いるこ とができる。
特に、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 c m— 1と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 c m一'の 赤外吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( I = I , / I 2 : I , は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 c m— 'の吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0
〜 1 1 0 0 c m 1の吸収ピーク強度) が 0 . 2以上であり、 かつ屈 折率が 1 . 4 3 5以上である シ リ カ膜で被覆されたシ リ 力膜被覆金 属酸化物粉が、 本発明の化粧料に好適に用いるこ とができる。
シ リ 力被膜形成用組成物に用いられる珪酸とは、 例えば化学大辞 典 (共立出版 (株) 、 昭和 4 4年 3 月 1 5 日発行、 第七刷) の 『珪 酸』 の項に示される、 オル ト珪酸 H 4 S i 0 4 、 及びその重合体で ある、 メ タ珪酸 H 2 S i 0 3 、 メ ソ珪酸 H 2 S i 0 5 、 メ ソ三珪酸 H 4 S i 3 0 8 、 メ ソ四珪酸 H 6 S i 4 0 H等を示す。 珪酸は有機 基あるいはハロゲンを含んでいない。
珪酸を含む組成物は、 例えばテ トラアルコキシ シラ ン ( S i ( 0 R ) , 、 Rは炭化水素基、 特に C , 〜 C 6 の脂肪族基である。 ) 、 具体的にはテ 卜 ラ メ ト キシ シラ ン、 テ ト ラエ ト キシシラ ン、 テ ト ラ ノ ーマルプロボキシ シラ ン、 テ ト ラ イ ソプロボキシ シラ ン、 テ ト ラ ノ ーマルブ トキシシラ ン、 等の前駆体に、 水、 アルカ リ、 有機溶媒 を添加し、 撹拌し、 加水分解反応を進めて得る こ とができる。 この 方法は取扱いあるいは操作が容易で実用的であり好ま しい。 中でも テ トラエ トキシシラ ンは好ま しい材料である。
式 X n S i ( O H ) 4 n 〔式中、 Xは炭化水素基、 ハロ ゲン、 水 素、 nは 1 , 2又は 3 の整数である。 〕 で表わされる炭化水素基、 ハロゲン又は水素のよ うな疎水性基を有する化合物は本発明で用い る珪酸とは異なる。 従って、 ト リ アルコキシアルキルシラ ン、 ジァ ルコキシ ジアルキルシラ ン、 ト リ アルコキシ ンラ ン、 ジアルコキシ シラ ン、 などは前駆体と して適当ではない。
また、 テ トラハロゲン化シラ ンに水、 アルカ リ 、 有機溶媒を添加 し、 加水分解する方法や、 水ガラスにアルカ リ、 有機溶媒を添加す る方法や、 水ガラスを陽イオン交換樹脂にて処理し、 アルカ リ、 有 機溶媒を添加する方法を用いても珪酸を含む組成物を得るこ とがで
きる o
珪酸の原料と して用いる、 テ トラアルコキシシラ ン、 テ トラハロ ゲン化シラ ン、 水ガラスは特に制限はな く 、 工業用、 あるいは試薬 と して広く 一般に用いられている ものでよいが、 好ま しく はより高 純度のものが適している。 また、 本発明のシ リ カ被膜形成用組成物 には、 上記の珪酸の原料の未反応物を含んでも構わない。
珪酸の量には特に制限はないが、 好ま し く は珪素濃度と して 0 . 0 0 0 1 〜 5 モル リ ツ トル、 より好ま し く は 0 . 0 0 1 〜 5 モル ダリ ッ トルの範囲である。 珪素濃度が 0 . 0 0 0 1 モル zリ ッ トル 未満ではシ リ 力被膜の形成速度が極めて遅く 実用的ではない。 また
5 モルノリ ッ トルを越えると、 被膜を形成せずにシ リ カ粒子が組成 物中に生成する場合がある。
珪素濃度は、 珪酸の原料、 例えばテ トラエ トキシシラ ンの添加量 より算出できるが、 組成物を原子吸光分析により測定するこ と もで きる。 測定は、 珪素の波長 2 5 1 . 6 n mのスぺク トルを分析線と し、 フ レームは、 アセチレン/亜酸化窒素による ものを用いるとよ い。
シ リ カ被膜形成用組成物に用いられる水は、 特に限定しないが、 好ま し く は濾過等によ り粒子を除去した水である。 水中に粒子が含 まれると、 製品中に不純物と して混入するので好ま し く ない。
水は、 水 有機溶媒比が容量比で 0 . 1 〜 1 0 の範囲の量で使用 することが好ま しい。 この範囲を外れる と成膜できなかったり、 成 膜速度が極端に落ちる場合がある。 更に好ま し く は、 水/有機溶媒 比が容量比で 0 . 1 〜 0 . 5 の範囲である。 水/有機溶媒比が 0 . 1 〜 0 . 5 の範囲では、 用いるアルカ リの種類が限定されない。 こ れを外れる範囲すなわち、 水 Z有機溶媒比が 0 . 5以上の場合は、 アルカ リ金属を含まないアルカ リ、 例えば、 ア ンモニア、 炭酸水素
アンモニゥム、 炭酸アンモニゥム等を用いて成膜することが好ま し い。
シ リ カ被膜形成用組成物に用いられるアルカ リ は特に限定されな いが、 例えばアンモニア、 水酸化ナ ト リ ウム、 水酸化カ リ ウム等の 無機アルカ リ類、 炭酸ア ンモニゥム、 炭酸水素ア ンモニゥム、 炭酸 ナ ト リ ウム、 炭酸水素ナ ト リ ウム等の無機アルカ リ塩類、 モノ メ チ ルァ ミ ン、 ジメ チルァ ミ ン、 ト リ メ チルァ ミ ン、 モノェチルァ ミ ン 、 ジェチルァ ミ ン、 ト リ ェチルァ ミ ン、 ピリ ジン、 ァニリ ン、 コ リ ン、 テ トラメ チルアンモニゥムハイ ド口オキサイ ド、 グァニジン等 の有機アルカ リ類、 蟻酸アンモニゥム、 酢酸アンモニゥム、 蟻酸モ ノ メ チルァ ミ ン、 酢酸ジメ チルァ ミ ン、 乳酸ピリ ジン、 グァニジノ 酢酸、 酢酸ァニリ ン等の有機酸アルカ リ塩を用いることができる。 これらの中でも、 アンモニア、 炭酸アンモニゥム、 炭酸水素アンモ 二ゥム、 蟻酸アンモニゥム、 酢酸アンモニゥム、 炭酸ナ ト リ ウム、 炭酸水素ナ ト リ ゥムが特に好ま しい。 アル力 リ はこれらの群から 1 種を単独で、 又は 2種以上を組み合わせて用いるこ とができる。
本組成物で用いられるアルカ リの純度には特に制限はなく 、 工業 用、 あるいは試薬と して広く 一般に用いられている ものでよいが、 好ま しく はより高純度のものが適している。
成膜速度を上げるには、 被膜形成時の温度を上げるこ とが有効で ある。 この場合には、 その被膜形成温度で揮発、 分解しにく いアル カ リ及び有機溶媒を用いるこ とが好ま しい。
アルカ リの添加量は、 例えば炭酸ナ ト リ ウムの場合 0 . 0 0 2 モ ル Zリ ッ トル程度の微量添加で成膜可能であるが、 1 モル/リ ッ ト ル程度の大量の添加を行ってもかまわない。 しかし、 固体のアル力 リ を、 溶解度を越える量添加する と、 金属酸化物粉中に不純物と し て混入するので好ま し く ない。
アル力 リ金属を主成分と して含まないアル力 リ を用いるこ とによ り、 アル力 リ金属含有量の少ないシ リ 力被覆金属酸化物粉を作成で きる。 中でも、 成膜速度、 残留物除去のしゃすさから、 アンモニア 、 炭酸アンモニゥム、 炭酸水素アンモニゥムが特に好ま しい。
被膜形成組成物に用いられる有機溶媒は、 組成物が均一溶液を形 成する ものが好ま しい。 例えば、 メ タノ ール、 エタ ノ ール、 プロパ ノ ール、 ペンタノ一ル等のァルコ一ル類、 テ ト ラ ヒ ドロフラ ン、 1 , 4 一 ジォキサン等のエーテル ' ァセタール類、 ァセ トアルデヒ ド 等のアルデヒ ド類、 アセ ト ン、 ジアセ ト ンアルコール、 メ チルェチ ルケ ト ン等のケ ト ン類、 エチレングリ コール、 プロ ピレングリ コ一 ル、 ジエチレングリ コール等の多価アルコール誘導体等を用いる こ とができる。 これらの中でもアルコール類が好ま し く 、 特にエタノ ールが好ま しい。 有機溶媒と しては、 これらの群から選択さ—れた 1 種、 又は 2種以上を混合して用いることができる。
本組成物で用いられる有機溶媒の純度には特に制限はなく 、 工業 用、 あるいは試薬と して広く一般に用いられている ものでよいが、 好ま し く はよ り高純度のものが適している。
シ リ カ被膜形成用組成物の調製には、 一般的な溶液調製法が適用 出来る。 例えば、 所定の量のアルカ リ と水を有機溶媒に添加、 撹拌 した後、 テ ト ラエ トキシシラ ンを添加、 撹拌する方法等が挙げられ るが、 これらの混合の順番は何れが先でも、 被膜形成が可能である 。 水とテ トラエ トキシシラ ンを混合する際、 双方と も有機溶媒で希 釈するこ とが、 反応の制御性の点で好ま しい。
このよ う に して調製したシ リ 力被膜形成用組成物は安定な組成物 であり、 金属酸化物粉と接触させる以前には実質的に沈着、 沈殿が 起こ らない。 組成物に金属酸化物粉を接触させた後、 金属酸化物粉 の表面へシ リ カが選択的に沈着し始める。
シ リ カ被覆金属酸化物粉の原料となる金属酸化物は、 チタニア、 酸化亜鉛、 酸化セ リ ウム、 酸化ジルコニウム、 酸化鉄からなる群か ら選択された 1 種又は 2種以上の金属酸化物が好ま しい。 これらの 原料となる金属酸化物粉の製造法は特に制限はな く 、 如何なる方法 でもよい。 例えばチタニア粉の場合には、 T i C 1 4 の高温気相酸 化、 T i C 1 4 の気相加水分解、 硫酸法、 塩素法の何れの製造法で 製造されたものでも用いることができ、 アルコキシチタ ン (例えば 、 テ トラエ トキシチタ ン、 テ トライ ソプロポキシチタ ン、 テ トラノ 一マルプロポキシチタ ン等) の気相加水分解で製造されたものでも よい。
また金属酸化物の結晶性は、 何れの結晶型であってもよい。 例え ばチタニアの場合、 非晶質、 ルチル型、 アナターゼ型、 ブッ カイ ト 型のいずれでもよ く 、 これらの混合物であってもよい。 ただし金属 酸化物粉はできるだけ不純物の少ないものが好ま し く 、 更に凝集の 少ないものが、 二次粒子径の制御の点で好ま しい。
基本的には、 金属酸化物粉をシ リ 力被膜形成用組成物に浸漬し、 所定温度に保持しておく ことにより該金属酸化物の表面にシ リ カを 選択的に沈着せしめ、 シ リ カ膜を形成させることができる。 被膜形 成用組成物を予め調製してから金属酸化物粉を投入し、 シ リ カ膜を 形成させる方法でもよいし、 金属酸化物粉を予め溶媒に懸濁してか ら他の原料成分を添加して被膜形成用組成物とな し、 シ リ カ膜を形 成させる方法等でもよい。 即ち、 被膜形成用組成物の原料、 金属酸 化物粉を投入する順序は特に制限がなく 、 何れが先でも被膜形成が 可能である。
それらの方法の中でも、 金属酸化物粉と有機溶媒と水とアルカ リ によ り懸濁液を作成した後、 有機溶媒で希釈したテ トラアルコキシ シラ ンを経時的に投入すると、 緻密性の良好なシ リ カ膜を形成でき
、 工業的に有用な連続プロセスを構築するこ とができるので好ま し い。
シ リ 力膜は金属酸化物表面への沈着により成長するので、 成膜時 間を長く すれば膜厚を厚くできる。 勿論、 被膜形成用組成物中の珪 酸が被膜の形成により大部分消費された場合には、 成膜速度は低下 するが、 消費量に相当する珪酸を順次追添加する こ とにより、 連続 して実用的な成膜速度でシ リ カ被膜の形成を行う こ とができる。 特 に、 所望のシ リ 力膜厚に相当する珪酸を加えた被膜形成用組成物中 に金属酸化物粉を所定時間保持し、 シ リ カ膜を形成させて珪酸を消 費せしめ、 シ リ カ被覆金属酸化物粉を系外に取り 出 した後、 消費量 に相当する珪酸を追添加するこ とにより、 引き続いて該組成物を次 の金属酸化物粉への被膜形成に用いるこ とができ、 経済性、 生産性 の高い連続プロセスを構築できる。
被膜形成時の温度は特に限定されないが、 好ま し く は 1 0 °cから 1 0 0 °Cの範囲、 より好ま しく は、 2 0 °C〜 5 0 °Cの範囲である。 温度が高い程成膜速度が増加するが、 高過ぎると組成物中の成分の 揮発のため溶液組成を一定に保つことが困難になる。 また温度が低 すぎると、 成膜速度が遅く なり実用的でない。
また、 被膜形成時の p Hはアルカ リ性 p Hであればよい。 ただし 、 p Hに依存して溶解性が増すような金属酸化物をシ リ カ被覆する 場合には、 被膜形成組成物の p Hを制御するこ とが好ま しい。 例え ば、 シ リ カ被覆酸化亜鉛粉の製造では、 アルカ リ添加量を下げ、 成 膜時の p Hを 1 1 以下に制御するこ とが好ま しい。 p Hが 1 1 を越 える と シ リ カ被覆生成物の収率が低下するこ とがある。 さ らに、 ァ ルカ リ量の減少によ り成膜速度が低下するので、 成膜温度を上げた り、 珪素濃度を高めるこ とにより、 実用的な成膜速度を維持させる こ とが好ま しい。
被膜形成後、 固 · 液の分離を行い、 シ リ カ被膜金属酸化物粉を単 離できる。 方法は濾過、 遠心沈降、 遠心分離等の一般的な分離法を 用いるこ とができる。
固 · 液分離後に乾燥を行い、 水分含有量の低いシ リ カ被膜金属酸 化物粉を得るこ とができる。 方法は自然乾燥、 温風乾燥、 真空乾燥 、 スプレー ドライ等の一般的な乾燥法を用いるこ とができる。
本発明に用いるシリ カ被覆金属酸化物粉の製造法では、 必ずしも 焼成を必要と しない。
上記の製造方法で得られるシリ カ膜は、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 c m — 'と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 c m 1の赤外吸収スぺク トルの吸収ピーク 強度の比 I ( 1 = 1 , 7 1 2 : 1 1 は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 じ 111— |の 吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 c m 1の吸収ピーク強 度) が 0. 2以上であり、 かつ屈折率が 1 . 4 3 5以上である。 即 ち、 従来のゾルーゲル法で焼成しない場合に得られる シ リ カ膜の化 学結合あるいは官能基を保持しているため親水性、 吸油性等におい て焼成で得られる シ リ カ被膜とは異なる特定の物性を有するにもか かわらず、 緻密で実用的なシ リ カ被膜である。 こ こでいう緻密とは 、 形成されたシ リ カ膜が高密度であり、 均一でピンホールや亀裂が ないこ とを意味し、 また実用的とは、 シ リ カ と基材である金属酸化 物との結合 (一 S i — O - -M—結合 ; Mは T i , Z n, C e, Z r , 及び F e ) が強固で、 被膜の刹離等が起こ らず、 シ リ カ被覆金属 酸化物粉の物性が変化しにく いことを意味する。 さ らに、 上記シ リ 力膜は、 基材の金属酸化物粉の複雑な形状にも付き回りがよ く 、 0 . 5 n m程度の薄い皮膜であっても被覆性が良好で光触媒活性を隠 蔽する能力が高い。 また、 アルカ リ金属の含有量が極めて少ないシ リ カ被膜とする こ とができるので、 高温多湿雰囲気下でもシ リ カ膜 が溶解しないでシ リ 力被覆金属酸化物粉の物性が変化しないものが
得られる。
本発明の化粧料に用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉のシ リ カ膜 厚は 0. l 〜 1 0 0 n m、 好ま し く は 0 . 5 〜 2 5 n mである。 こ の範囲以下では、 十分な光触媒活性の隠蔽効果がある化粧料が得ら れない場合があり、 この範囲以上では、 十分な紫外線遮蔽能を持つ 化粧料が得られない場合がある。
本発明に用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉のテ ト ラ リ ン自動酸 化法による光触媒活性度が 6 mmH 2 O/m i n . 以下である。 こ の範囲を越えると、 十分な光触媒活性の隠蔽効果が得られない場合 がある。
本発明で用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉は、 一次粒子径が 5 〜 5 0 0 n m、 好ま し く は 5〜 1 2 O n mであり、 かつ、 二次粒子 径が 0. 5 〜 1 である。 この範囲を外れる と、 良好な使用感 と高い紫外線遮蔽能を合わせ持つ化粧料が得られない場合がある。 なお、 本発明でいう一次粒子、 二次粒子は、 久保輝一郎他編 『粉体 』 p 5 6 〜 6 6, 1 9 7 9年発行、 により定義されている ものであ る。
本発明に用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉のガラス平板法によ り測定される粉体動摩擦係数は、 0. 5 4以下である こ とが好ま し く 、 更に好ま し く は 0. 4 9以下である。 0. 5 4 を越える と、 良 好な使用感を有する化粧料が得られない場合がある。
本発明に用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉のサンセッ トイ エ ロ 一法により測定される色素退色速度は、 0. 0 6以下である こ とが 好ま し く 、 更に好ま し く は 0. 0 2以下である。 0 . 0 6 を越える と、 光触媒活性の隠蔽効果が十分でなく 、 保存安定性の高い化粧料 が得られない場合がある。
本発明に用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉のバラ ソール法によ
り測定される有機系紫外線吸収剤の分解速度は、 好ま し く は 0 . 0 2以下、 更に好ま し く は 0 . 0 1 以下である。 0 . 0 2未満だと、 光触媒活性の隠蔽効果が十分でなく 、 有機系紫外線吸収剤の分解が 少ない化粧料が得られない場合がある。
本発明に用いられるシ リ カ被覆金属酸化物粉を用いる と、 高い紫 外線遮蔽能を保持しながら、 可視光透過性が高いので、 透明性のあ る化粧料が得られる。
本発明に用いられるシ リ カ被覆金属酸化物粉は、 特に焼成する必 要がない。 もちろん、 焼成して用いるこ と も可能である。
化粧料を提供するこ とを目的と して開発された上記シ リ カ被覆金 属酸化物粉は新規であり、 本発明によれば、 このような新規なシ リ 力被覆金属酸化物粉も提供される。
この新規なシ リ カ被覆金属酸化物粉は、 化粧料のほか、 顔料、 紫 外線遮蔽材、 活性が制御された光触媒などに広く 応用するこ とがで きる。
本発明の化粧料は、 前記のシリ カ被覆金属酸化物粉を含有すると と もに化粧料に配合可能な通常の原料を使用 し、 通常の製法によ り 製造するこ とができる。
本発明の化粧料は、 粉末を含有する ものであれば、 特に限定され る ものではないが、 粉末を溶剤や溶液に分散したものも含むものと する。 例えば、 粉末を有する化粧料とは、 粉末状、 プレス状、 ステ ィ ッ ク状、 液状の形状を有する化粧料であり、 具体的には、 白粉、 フ ァ ンデー シ ョ ン、 パウ ダー、 頰紅、 アイ シ ャ ドー、 口紅、 アイ ラ イナ一、 マスカ ラ、 アイブロー等が挙げられる。 又、 粉末を溶剤や 溶波に分散した化粧料とは、 具体的にはク リ ーム、 エ ッ セ ンス、 口 — シ ヨ ン、 化粧水、 乳液、 ムース等が挙げられる。 特に、 固形粉末 化粧料が好ま しい。
本発明の固形粉末化粧料を構成する ものと して、 粉末成分と油分 がある。 このう ち、 粉末成分を構成する ものには、 シ リ カ被覆金属 酸化物粉の他に体質顔料 (例えば、 マイ力、 タルク、 カオ リ ン、 炭 酸カルシウム、 炭酸マグネ シウ ム、 無水珪酸、 酸化アル ミ ニウム、 硫酸バ リ ウム等) 、 白色顔料 (例えば、 二酸化チタ ン、 酸化亜鉛等 ) 、 及び着色顔料 (例えば、 ベンガラ、 黄酸化鉄、 黒酸化鉄、 酸化 ク ロム、 群青、 紺青、 カーボンブラ ッ ク等) があり、 これらを適宜 配合するこ とができる。 また、 使用感を更に向上させる為に、 球状 粉末 (例えばナイ ロ ン粉末、 ポ リ メ チルメ タ ク リ レー ト粉末等) を 用いる こ と もでき る。
本発明の固型粉末化粧料に配合される油分と しては、 流動バラ フ イ ン、 ス ク ヮラ ン、 ヒマシ油、 グリ セ リ ノレジイ ソ ステア レー ト、 グ リ セ リノレ ト リ イ ソステア レー ト、 グリ セ リ ル 卜 リ ー 2 —ェチルへキ サノ エー ト、 イ ソプロ ピル ミ リ ステー ト、 グ リ セ リ ノレ ト リ イ ソステ ァ レー ト、 ジメ チルポ リ シロキサン、 メ チルフ ヱニルポ リ シロキサ ン、 ワセ リ ン、 ジイ ソ ステア リ ルマ レー ト、 精製ラ ノ リ ン等が挙げ られる。 固型粉末化粧料に対する油分の配合量は、 好ま し く は 1 〜 3 5重量%、 更に好ま し く は 1 0 〜 2 5 重量%である。
また油分中には、 有機系の紫外線吸収剤を配合してもよい。 有機 系の紫外線吸収剤とは、 紫外線を吸収して熱、 振動、 蛍光、 ラ ジカ ル等にエネルギー変換し、 皮膚を保護するような機能を有する有機 化合物を指す。 本発明の化粧料に使用できる紫外線吸収剤と しては 、 特に制限はないが、 例えば、 ベンゾフ ヱ ノ ン系、 サ リ チル酸系、 P A B A系、 ゲイ皮酸系、 ジベンゾィルメ タ ン系、 ゥ リ カニ ン酸系 等の紫外線吸収剤が挙げられる。 その配合量は 0 . 1 〜 1 0重量% の範囲であるが、 該吸収剤の紫外線吸収能によつて適切な配合量に する こ とが望ま しい。 本発明に用いるシ リ カ被覆金属酸化物粉は、
光触媒活性の遮蔽効果が高いため、 有機系の紫外線吸収剤と併用 し ても、 該吸収剤の分解が抑制され、 高い紫外線遮蔽能を有する化粧 料とする こ とができる。
本発明の化粧料には、 既存の乳化剤を一般的な濃度で添加する こ と もできる。 例えば、 化粧品原料基準第二版注解、 日本公定書教会 編、 1 9 8 4 (薬事日報社) 、 化粧品原料基準外成分規格、 厚生省 薬務局審査課監修、 1 9 9 3 (薬事日報社) 、 化粧品原料基準外成 分規格追補、 厚生省薬務局審査課監修、 1 9 9 3 (薬事日報社) 、 化粧品種別許可基準、 厚生省薬務局審査課監修、 1 9 9 3 (薬事曰 報社) 、 及び化粧品原料辞典、 平成 3年 (日光ケ ミ カルズ) 等、 に 記載されている全ての乳化剤が使用できる。 また、 ト コフ ヱ リ ルリ ン酸エステル類も乳化剤と して使用できる。
本発明の化粧料には紫外線による炎症を防止を助けるため既存の 抗炎症成分または消炎成分を併用又は混用するこ と もできる。 本発 明の化粧料に添加できる消炎成分と しては特に制限はないが、 ァニ リ ン誘導体型消炎剤、 サリ チル酸誘導体型消炎剤、 ビラゾロ ン誘導 体型消炎剤、 イ ン ドメ タ シン系消炎剤、 メ フ ェナム酸系消炎剤、 抗 痛風剤、 鎮けい剤、 鎮咳剤、 去たん剤、 気管支拡張剤、 呼吸機能改 善剤、 抗ヒスタ ミ ン剤、 抗ア レルギー剤、 抗炎酵素剤等が挙げられ る。
本発明における シ リ カ被覆金属酸化物粉を含有する化粧料におい て、 抗酸化作用を持つ物質である抗酸化剤を併用すると、 紫外線に よるフ リ ーラ ジカルの発生量を抑制する こ とにより シ リ カ被覆金属 酸化物粉の光触媒活性をさ らに低く 押さえるこ とができ、 極めて光 毒性の低い化粧料が得られる。 本発明の化粧料において光触媒活性 を低く押さえる効果のある抗酸化剤と しては、 特に制限はないが、 例えば、 ビタ ミ ン A、 3—力ロチン、 ァスタキサンチン、 ビタ ミ ン
B、 ビタ ミ ン C、 L —ァスコルビン酸一 2 — リ ン酸マグネ シウ ム、 L ーァスコルビン酸一 2 ー リ ン酸ナ 卜 リ ウ ム、 L —ァス コノレビン酸 — 2 — リ ン酸ナ ト リ ウ ムマグネ シウ ム、 L —ァスコルビン酸一 2 — グルコ シ ド、 L 一ァスコノレビン酸一 2 — リ ン酸一 5, 6 —べン ジ リ デン、 天然ビタ ミ ン E、 d l — α — ト コ フ エ ロ ール、 d l — α — ト コ フ ヱ リ ル酢酸エステル、 d 1 - a - ト コ フ ヱ リ ノレ リ ン酸ナ 卜 リ ウ ム、 ュ ビキノ ン及びこれらの ビタ ミ ン誘導体、 システィ ン、 グル夕 チオ ン、 グルタチオンペルォキシ夕一ゼ、 S O D、 力 タ ラ 一ゼ、 ク ェ ン酸、 リ ン酸、 ポ リ フ ヱ ノ ール、 カテキ ン、 茶抽出物、 コ ウ ジ酸 、 核酸、 ハイ ドロキノ ン、 アルブチ ン等が挙げられる。 これらの群 よ り選択される一種又は二種以上の抗酸化剤を配合する こ とができ る。
なお、 本発明にかかる化粧料には、 化粧料などの組成物に一般的 に配合される上記以外の成分、 例えば油脂類、 ロウ類、 炭化水素、 脂肪酸類、 アルコール類、 多価アルコール類、 糖類、 エステル類、 金属石けん、 水溶性高分子化合物、 界面活性剤、 酸化防止剤、 殺菌 ' 防腐剤、 ビタ ミ ン、 ホルモン、 色材等を配合する こ とができ る。 本発明の化粧料におけるシ リ カ被覆金属酸化物粉の配合量は、 好 ま し く は化粧料に対して 1〜 5 0重量%であり、 更に好ま し く は 5 〜 3 0重量%の範囲である。
一般に、 シ リ カ被覆チタニア粉はアナタ一ゼ型より も光触媒活性 の低いルチル型の比率が高いチタニアを使用するのが好ま しい。 し かし、 本発明の化粧料で用いられる シリ カ被覆チタニア粉は、 紫外 線によるフ リ ーラ ジカルの発生が低く押さえられるので、 結晶型に 拘る こ とな く 光毒性の低い化粧料が得られる。
本発明になる シ リ 力被覆金属酸化物を含有した化粧料は、 高い紫 外線遮蔽能を有するだけでなく 、 高濃度に金属酸化物粉を配合した
場合にもき しみ感ゃ伸びの悪さがな く 、 使用感に優れている。 また 、 本発明の化粧料は、 透明性が高く 、 従来のチタニア粉を含有する 場合のよう に化粧仕上がりが青白 く なるという こ とがない。 また、 金属酸化物による光触媒活性が十分隠蔽されているので、 組成物中 の他の成分の変性を助長せず、 保存安定性に優れている。 有機系紫 外線吸収剤を含有するこ とが可能であり、 より高い紫外線遮蔽能を 達成できる。 さ らに、 抗酸化作用を有する抗酸化剤を含有する こ と により活性酸素等の発生が極めて低く でき、 人体に対する安全性を 咼められる。
本発明においてシ リ カ膜の膜厚、 屈折率は、 シ リ カ被覆金属酸化 物粉を合成する際に系内に浸せき したシ リ コ ンウェハー上に形成さ れる シ リ カ膜を用いて行う ことができる。 このシ リ コ ンウェハ一に は、 金属酸化物粉上と同じシリ カ被膜が形成されている。 シ リ カ膜 の屈折率は、 エリプソメ ータ一 (U L VA C製 ; L A S S E R E L L I P S OME T E R E SM— 1 A) により測定できる。 膜厚 測定には段差計を用いることができる。
シ リ カ被膜金属酸化物粉のシ リ カ膜の透過赤外吸収スぺク トル ( 日本分光製 F T— I R— 8 0 0 0 ) は、 K B r法を用いて測定する こ とができる。 シ リ 力被覆金属酸化物粉の 1次粒子径及びシ リ 力膜 厚は、 透過型電子顕微鏡像より求めるこ とができる。 また、 二次粒 子径は、 レーザ一光散乱法 (日機装製マイ ク ロ トラ ッ ク MK— Π ) により測定することができる。 全アルカ リ金属含有量は、 シ リ カ被 覆チタニア粉を硫弗酸に溶解し、 炎光分析により測定する。
シ リ 力被覆金属酸化物粉の光触媒活性度即ち初期酸素消費速度は 、 テ トラ リ ン自動酸化法 (清野学著、 酸化チタ ン一物性と応用技術 、 技報堂出版、 P. 1 9 6— 1 9 7, 1 9 9 1年) によ り測定する こ とができる。 純テ トラ リ ン使用、 金属酸化物添加量 0. 1 %、 酸
素圧 7 6 0 mmHg、 反応温度 4 0 °C、 液撹拌速度 2 6 0 rpm 、 水銀灯 による照射紫外線強度 3 5 0 / W/cm2での初期酸素消費速度 (mm H 2 0 Zmin)を測定する。
本発明のシ リ カ被覆金属酸化物粉の光透過性、 有機系紫外線吸収 剤の分解速度、 粉体動摩擦係数及び色素退色速度は、 それぞれ本明 細書中に記載されたコスモール法、 バラ ソール法、 ガラス平板法、 及びサンセッ トイ ヱ口一法により測定される。
実施例
以下、 本発明の実施例について詳細に説明する。 但し、 本発明は これにより限定される ものではない。
(実施例 1 ) シ リ カ被覆チタニア粉の製造
5 L反応器に脱イオン水 4 0 O m L、 エタノ ール (純正化学製)
1 3 8 8 m L及び 2 5 重量%ア ンモニア水 8 7 m L (大盛化工製) を混合し、 その中にチタニア粉 (昭和タイ タニゥム製チタニア F—
1 ; 一次粒子径 9 0 n m) 1 0 5 gを分散させ、 懸濁液 1 を調製し た。 次に、 テ トラエ トキシシラ ン (ナカライテスク製) 1 9 3 m L 、 水 2 4 m L及びエタノ ール 1 5 6 m Lを混合し、 溶液 1 を調製し た。
マグネチッ クスターラーで撹拌している懸濁液 1 に、 溶液 1 を 6 時間かけて一定速度で加えた後、 1 2 時間熟成した。 成膜、 熟成は 2 5 °Cにて行った。 その後固形分を遠心濾過にて分離し、 5 0 °Cで 1 2 時間真空乾燥して、 シ リ カ被膜チタニア粉を得た。
(実施例 2 ) シ リ カ被覆酸化亜鉛粉の製造
5 L反応器に脱イオン水 9 9 l m L、 エタノ ール (純正化学製) 1 0 8 3 m L及び 2 5重量%アンモニア水 6. 7 m L (大盛化工製 ) を混合し、 その中に酸化亜鉛粉 (住友大阪セメ ン ト製 M Z 0 3 5
0 ; —次粒子径 3 7 n m ) 6 7 gを分散させ、 懸濁液 2 を調製した 。 次に、 テ ト ラエ トキン シラ ン (ナカ ラ イ テスク製) 1 3 5 m L と エタ ノ ール 6 O m Lを混合し、 溶液 2 を調製した。
スターラーで撹拌している懸濁液 2 に、 溶液 2 を 8 . 5 時間かけ て一定速度で加えた後、 1 2 時間熟成した。 成膜、 熟成は P H 1 0 • 5 / 3 5 °Cにて行った。 その後、 固形分を遠心濾過にて分離し、 5 0 °Cで 1 2 時間真空乾燥して、 シ リ 力被膜酸化亜鉛粉を得た。 (実施例 3 〜 5 ) シ リ 力被覆金属酸化物粉の製造
実施例 1 のチタニアの代わり に酸化セ リ ウ ム、 酸化ジルコニウム 、 ベンガラをそれぞれ用い、 他の製造条件は同様にしてシ リ カ被膜 酸化セ リ ウム粉、 シ リ カ被膜酸化ジルコニウム粉、 シ リ カ被膜ベン ガラ粉を得た。
(実施例 6 ) シ リ カ被覆チタニア粉の製造
実施例 1 のチタニア粉の代わりに一次粒径の異なるチタニア粉 ( 昭和タイ タニゥム製チタニア F— 4 ; 一次粒子径 3 0 n m ) を用い 、 他の操作は同様にしてシリ カ被膜チタニア粉を得た。
K B r法により、 実施例 1 〜 6で得られたシ リ カ被膜金属酸化物 粉の透過赤外吸収スぺク トルを測定したところ、 いずれの金属酸化 物粉も 1 0 0 0 〜 1 2 0 0 c m — 1に S i — 0— S i 伸縮振動由来の 吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 0 c m — 'に C 一 H伸縮振動由来 の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ カである と同定された。 更に、 一次粒子径、 二次粒子、 シ リ カ膜厚、 赤外吸収スぺク トル の吸収ピーク強度の比 I 、 シ リ カ膜の屈折率、 テ トラ リ ン自動酸化 法による光触媒活性度、 全アル力 リ金属濃度を測定した。 結果を表 1 にま とめた。
表 1 シ リ 力被覆金属酸化物粉の物性
シリ力被覆 一次 一次 膜厚 I値 屈折率 光触媒活性 ァノレ力リ
粒径 粒径
金属酸化物 nm m nm 翻 HsO/min. PPm
実施例丄 90 2 10 0.5 l.445 3.8 3.0 実施例 2 37 3 8 0.5 l.445 4. I 3.1
実施例 3 95 8 22 0.4 1.450 3.8 2.9
実施例 4 80 4 19 0.4 I .444 3.4 3.2
実施例 5 90 9 20 0.4 1.442 3.2 2.9 実施例 6 30 1 3 0.5 1.445 4.9 3.0
(光透過性の測定 · コスモール法) ― 実施例 6 のシ リ カ被覆チタニア粉、 及び 2種の従来の表面処理チ タニア粉 (ティカ社製 MT 1 0 0 T及び石原産業製 T T O— 5 5 A ) を被験物質と して光透過性をコ スモール法によ り測定した。 即ち 、 被験物質を ト リ イ ソステア リ ン酸ポ リ グリ セリル (コスモ一ル 4 3 ) に分散させ、 1 %濃度のスラ リ ーを調製し、 該スラ リ ーを厚さ 0 . 1 mmの石英セルに入れ、 分光光度計 ( S H I M A D Z U U V - 1 6 0 ) にて光透過率を測定した。 結果を図 1 にま とめた。 本発明に用いられる シ リ カ被覆チタニア粉は、 従来の表面処理チ タニア粉に比べて、 紫外線領域での遮蔽能が高く 、 可視光領域で透 過性が高い。
(ヒ ドロキシラ ジカルの発生量の測定)
抗酸化剤混合物 ( /3 _カロチン 5 %、 ァスタキサンチン 5 % L —ァス コ ノレビン酸一 2 — リ ン酸マグネシウム 2 0 % L—ァスコル ビン酸一 2 — リ ン酸ナ ト リ ウム 1 0 % L—ァスコルビン酸一 2 —
ダルコ シ ド 1 0 %、 L—ァスコルビン酸一 2 — リ ン酸一 5, 6 —ベ ンジ リ デン 1 0 %、 天然ビタ ミ ン E l 0 %、 d l — 一 ト コ フ エ 口 ール 5 %、 d l — α — ト コ フ ェ リ ル酢酸エステル 5 %、 ά \ ~ - ト コフ ェ リ ルリ ン酸ナ ト リ ウム 5 %、 クェン酸 5 %、 リ ン酸 5 %、 ェピガロカテキン 5 %の混合物 : 比率は重量%) を調製した。 製造 例 1 のシ リ カ被覆チタニア粉に前記抗酸化剤混合物を重量比 1 : 1 で混合したもの、 実施例 1 のシ リ カ被覆チタニア粉のみ、 及び未被 覆チタニア紛のみを各々 チタニア濃度が同じになるように ( 0 . 5
%) 水懸濁液と し、 D M P 0をラ ジカル トラ ップ剤と して、 電子ス ピン共鳴測定法により光照射下でのヒ ド口キンラ ジカル発生量を測 定した。 この結果ヒ ドロキシラ ジカルの発生量は、 シ リ カ被覆チタ ニァ粉に抗酸化剤を混合した場合が最も低く 、 次いでシ リ カ被覆チ タニア粉単独の場合が低く 、 未被覆チタニア粉の場合が最も高かつ
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(有機系紫外線吸収剤の分解速度の測定 · パラ ソール法)
実施例 2〜 6 で得られた 5種類のシ リ カ被覆金属酸化物粉と各々 に相当する 5種類の未被覆の金属酸化物粉、 及び 2種類の従来の表 面処理チタニア粉 (ティカ社製 MT 1 0 0 T及び石原産業製 T T O 一 5 5 Α) を被験物質と してパラ ソール法により有機系紫外線吸収 剤の分解速度を測定した。 即ち、 4 — t e r t —プチルー 4 ' —メ トキシジベンゾィノレメ タ ン (バラ ソール 1 7 8 9 ) のポ リ エチ レ ン グリ コール 3 0 0 溶液 (バラ ソール 1 7 8 9 濃度と して 0. 0 4 5 重量%) に被験物質を分散させ、 各々 1 重量%のスラ リ ーと した。 スラ リ ー 1 . 5 gをガラス容器に入れ、 紫外線照射 ( し 6 5 m W / c m ) した後、 1 gを分取し、 イ ソプロ ピルアルコール 2 m L 、 へキサン 2 m L、 蒸留水 3 m Lを順次添加した。 攪拌してへキサ ン相にバラ ソール 1 7 8 9 を抽出 し、 へキサン相の光路長 1 mmで
の吸光度 ( 3 4 0 n m) を分光光度計 ( S H I MA D Z U U V— 1 6 0 ) で経時的に (紫外線照射 0、 5及び 1 0 時間後の 3点) 測 定した。 3 4 0 n mの吸光度の減少速度 (Δ Α 34。 / h ) を求めた 。 結果を表 2 にま とめた。
本発明に用いることができる シ リ カ被覆金属酸化物粉のいずれも が 0. 0 1 ( Δ Α 34。 Z h ) 以下であり、 未被覆の金属酸化物粉の 1 / 1 0 0以下、 従来の表面処理チタニア粉の 1 / 2 0以下であつ た。 従来の表面処理チタニア粉に比べ紫外線吸収剤の分解性が低か つた
表 2 紫外線吸収剤の分解速度の比較 金属酸化物粉 吸光度減少速度
(Δ A / h ) シ リ カ被覆酸化亜鉛粉 (実施例 2 ) 0. 0 0 1 シ リ カ被覆酸化セ リ ウ ム粉 (実施例 3 ) 0. 0 0 3 シ リ カ被覆酸化ジルコニウム粉 (実施例 4 ) 0. 0 0 2 シ リ カ被覆ベンガラ粉 (実施例 5 ) 0. 0 0 1 シ リ カ被覆チタニア粉 (実施例 6 ) 0. 0 0 1 従来の表面処理チタニア粉 (MT 1 0 0 T) 0. 0 2 8 従来の表面処理チタニア粉 (T T 0 5 5 A) 0. 0 2 1 未被覆酸化亜鉛粉 (実施例 2 の原料) 0. 1 7 6 未被覆酸化セ リ ウム粉 (実施例 3 の原料) 0. 1 9 3 未被覆酸化ジルコニウ ム粉 (実施例 4 の原料) 0. 1 8 9 未被覆ベンガラ粉 (実施例 5 の原料) 0. 1 5 6 未被覆チタニア粉 (実施例 6 の原料) 0. 1 7 5
(粉体動摩擦係数の測定 · ガラス平板法)
実施例 1 〜 6で得られた 6種類のシ リ カ被覆金属酸化物粉と各々 に相当する 6種類の未被覆の金属酸化物粉、 及び 2種類の従来の表 面処理チタニア粉 (ティカ社製 MT 1 0 0 T及び石原産業製 T T O 一 5 5 A) を被験物質と してガラス平板法により粉体動摩擦係数を 測定した。 即ち、 1 0 0 X 2 0 0 m mのガラス板上に被験物質の粉 体を 1 O m gZ c m 2 となるように分散させ、 このガラス板を表面 性状測定装置 (H E I D O N) の試験台に載せ、 荷重 2 2. 2 g/ c m2 、 移動速度 2 0 0 mm/m i n . 、 移動距離 2 O mmの条件 で動摩擦係数を測定した。 結果を表 3 に示した。
本発明に用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉の動摩擦係数のいず れもが 0. 4 9 0以下であり、 未被覆の金属酸化物粉、 従来の表面 処理チタニア粉のそれは 0. 5 5 0をはるかに越える値を示した。
表 3 粉体動摩擦係数の比較 金属酸化物粉 粉体動摩擦係数 ン リ カ被覆チタニア粉 (実施例 1 ) 0 . 4 4 0 8 ン リ 力被覆酸化亜鉛粉 (実施例 2 ) 0 . 3 9 8 0 ン リ カ被覆酸化セ リ ウ ム粉 (実施例 3 ) 0 . 4 2 0 3 ン リ カ被覆酸化ジルコニウム粉 (実施例 4 ) 0 . 4 0 0 2 シ リ カ被覆ペンカ フ粉 (実施例 5 ) 0 . 4 5 3 1 ン リ カ被覆チタニア粉 (実施例 6 ) 0 . 4 4 6 7 従来の表面処理チタニア粉 (M T 1 0 0 T ) 0 . 5 4 6 0 従来の表面処理チタニア粉 ( T T 0 5 5 A ) 0 . 5 6 0 5 未被覆チタニア粉 (実施例 1 の原料) 0 . 5 8 4 3 未被覆酸化亜鉛粉 (実施例 2 の原料) 0 . 6 8 1 0 未被覆酸化セ リ ウ ム粉 (実施例 3 の原料) 0 . 6 9 3 5 未被覆酸化ジルコニウ ム粉 (実施例 4 の原料) 0 . 6 8 9 4 未被覆ベンガラ粉 (実施例 5 の原料) 0 . 6 9 5 6 未被覆チタニア粉 (実施例 6 の原料) 0 . 6 4 1 0
(色素退色速度の測定 · サ ンセ ッ ト イ X ロー法)
実施例 2〜 4及び 6 で得られた 4種類のシ リ カ被覆金属酸化物粉 と各々に該当する 4種類の未被覆の金属酸化物粉、 及び 2種類の従 来の表面処理チタニア粉 (ティカ社製 M T 1 0 0 T及び石原産業製 T T 0 - 5 5 A ) を被験物質と してサンセッ トイ ヱ ロー法により色 素退色速度を測定した。 即ち、 化粧料用の色素であるサ ンセ ッ トイ ヱローを 9 8重量%グリ セリ ンに色素濃度が 0 . 0 2重量%となる ように溶解した。 被験物質を 0 . 0 6 7 重量%となるよ うに分散さ
せ、 該分散液に紫外線照射 (紫外線強度 1 . 6 5 mW/ c m 2 ) し た。 光路長 l mmでサンセッ トイ ヱ口一の最大吸収波長である 4 9 O n mの吸光度を経時的に分光光度計 ( S H I MA D Z U U V— 1 6 0 ) で測定し、 該吸光度の減少速度 ( Δ Α 49。 Z h ) を計算し た。 結果は表 4 の通りであった。
本発明に用いられる シ リ カ被覆金属酸化物粉の色素退色速度は、 いずれも 0. 0 6 0 ( Δ A / h ) 以下であり、 未被覆の金属酸 化物粉の約 1 / 1 0 0 0 、 従来の表面処理チタニア粉の約 1 / 1 0 0 であり、 色素の分解が低く抑えられていた。
表 4 色素退色速度の比較 金属酸化物粉 色素退色速度
(厶 A h ) シ リ カ被覆酸化亜鉛粉 (実施例 2 ) 0. 0 0 6 シ リ カ被覆酸化セ リ ウム粉 (実施例 3 ) 0. 0 1 3 シ リ カ被覆酸化ジルコニウム粉 (実施例 4 ) 0. 0 0 8 シ リ カ被覆チタニア粉 (実施例 6 ) 0. 0 1 8 従来の表面処理チタニア粉 (MT 1 0 0 T) 1 . 3 9 0 従来の表面処理チタニア粉 (T T 0 5 5 A) 1 . 3 4 0 未被覆酸化亜鉛粉 (実施例 2 の原料) 1 . 6 6 8 未被覆酸化セ リ ウム粉 (実施例 3 の原料) 8, 6 9 5 未被覆酸化ジルコニウム粉 (実施例 4 の原料) 5. 3 0 0 未被覆チタニア粉 (実施例 6 の原料) 2 2 . 8 8 4
(実施例 ?〜 1 0 ) フ ァ ンデー シ ョ ン
定法により下記処方のフ ァ ンデーシ ョ ンを製造した。 シ リ カ被覆
金属酸化物粉と して、 それぞれ実施例 1 4 で得られた 4種類のシ リ 力被覆金属酸化物粉を用いた。
フ ァ ンデー シ ョ ンの処方
シ リ 力被覆金属酸化物粉 1 5 . 0重量% マイ力 1 5 . 0重量% タルク 1 0 . 0重量% 亜鉛華 1 5 . 0重量% 酸化鉄 (赤) 1 . 5重量% 酸化鉄 (黄) 3 . 5重量% グ リ セ リ ン 1 0 . 0重量% 精製水 3 0 . 0重量% 香料 適 量
(比較例 1 〜 6 ) フ ァ ンデー シ ョ ン
実施例 ? 〜 1 0 の処方において、 シ リ カ被覆金属酸化物粉の代わ りに、 相当する 4種類の未被覆金属酸化物粉、 及び 2種類の従来の 表面処理チタニア粉を用いて、 フ ァ ンデ一シ ョ ンを製造した。
実施例 7 〜 1 0及び比較例 1 〜 6 のフ ァ ンデー シ ョ ンについて官 能試験を実施して、 使用感を評価した。 結果を表 5 に示した。 本発 明になるシ リ カ被覆金属酸化物粉を含有するフ ァ ンデー シ ョ ンは、 全て良好な使用感であった。 一方、 未被覆の金属酸化物粉及び従来 の表面処理チタニア粉を含有するフ ァ ンデー シ ョ ンの使用感は普通 以下であった。 また、 含有した金属酸化物粉の動摩擦係数とフ ァ ン デーシ ヨ ンの使用感の間には相関が認められた。
表 5 金属酸化物粉の粉体動摩擦係数とフ ァ ンデー シ ョ ンの使用感
(実施例 1 1 〜 1 3 ) フ ァ ンデー シ ョ ン
定法により下記処方のフ ァ ンデー シ ョ ンを製造した。 シ リ カ被覆 金属酸化物粉と しては、 それぞれ実施例 2 〜 4で得られた 3種類の シ リ カ被覆金属酸化物粉を用いた。
フ ァ ンデー シ ョ ンの処方
シ リ カ被覆チタニア粉 (実施例 6 ) 1 0 0重量% シ リ カ被覆金属酸化物粉 5 0重量% マイ力 1 5 0重量% タルク 1 0 0重量% 亜鉛華 1 5 0重量 % 70 ベンガラ 1 5重量% 酸化鉄 (黄) 3 5重量%
グリ セ リ ン 1 0 . 0重量% 精製水 3 0 . 0 重量% 香料 in 量
上記のフ ァ ンデーシ ョ ンについて官能試験を実施したと ころ、 い ずれのフ ァ ンデ一シ ョ ンも極めて良好な使用感だった。
(実施例 1 4 ) フ ァ ンデー シ ョ ン
定法により下記処方のフ ァ ンデーシ ョ ンを製造した。
フ ァ ンデー シ ョ ンの処方
シ リ カ被覆チタニア粉 (実施例 6 ) 1 5 0重量% マイ力 1 5 0重量% タルク 1 0 0重量% 亜鉛華 1 5 0 シ リ カ被覆ベンガラ (実施例 5 ) 1 5重量% 酸化鉄 (黄) 3 5重量% グリ セ リ ン 1 0 0重量% 精製水 3 0 0 重量% 香料 適 量
上記のフ ァ ンデー シ ョ ンについて官能試験を実施したと ころ、 極 めて良好な使用感だつた。
(実施例 1 5 ) 日焼け止め乳液
精製水にポ リ エチ レ ングリ コールを加え、 加熱溶解後、 シ リ カ被 覆チタニア粉、 ビーガムを加え、 ホモ ミ キサーで均一に分散し、 7 0 °Cに保つ (水相) 。 他の成分を混合し、 加熱溶解して 7 0 °Cに保 つ (油相) 。 水相に油相を加え、 ホモ ミ キサーで均一に乳化分散し 、 乳化後かき混ぜながら 3 5 °Cまで冷却して、 下記処方の日焼け止 め乳液を製造した。
曰焼け止め乳液の処方
シ リ カ被膜チタニア粉 (実施例 6 ) 7 0重量% ステア リ ン酸 2 0重量% セチルアルコーノレ 1 0重量% ワセ リ ン 5 0重量% シ リ コ ン油 2 0重量% 流動パラ フ ィ ン 1 0 0重量% グ リ セ リ ンモノ ステア リ ン酸エステル
(自己乳化型) 1 . 0重量% ポ リ オキシエチ レ ン ( 2 5 モル)
モノ ォ レイ ン酸エステル 1 . 0重量% ポ リ エチ レ ング リ コ ール 1 5 0 0 5 . 0重量% ビ一ガム 0 . 5重量% 精製水 6 5 . 5重量% 香料 適 量 防腐剤 適 量 上記の日焼け止め乳液について官能試験を実施したと ころ、 良好 な使用感だつた。
(実施例 1 6 ) 化粧水
定法により下記処方の化粧水を製造した。
化粧水の処方
シ リ カ被膜チタニア粉 (実施例 6 ) 3 0重量% エチルアルコール 3 9 6 重量% 1, 3 ブチ レ ングリ コール 9 5 重量% ヒマシ油 4 9 重量% メ チルパラベン 0 2 重量% 精製水 4 2 8 重量% 上記の化粧水について官能試験を実施したと ころ、 良好な使用感
たった。
(実施例 1 7 ) 乳液
定法により下記処方の乳液を製造した。
乳液の処方
シ リ 力被膜チタニア粉 (実施例 1 ) 3 0重量% ァボガ ド油 1 1 0重量% ベへニ ノレア ノレ コ ー ノレ 0 6重量% ステア リ ン酸 0 4重量% グリ セリ ン脂肪酸エステル 0 9重量% ポ リ オキシエチレンソルビタ ン 脂肪酸エステル 1 1 重量% ポ リオキシエチレンアルキルエーテル 0 4重量% 1, 3 ブチレングリ コール 1 0 1 重量% メ チルパラベン 0 2重量% 香料 0 4重量% 精製水 7 1 9重量% 上記の化粧水について官能試験を実施したところ、 良好な使用感 たった。
(実施例 1 8 ) ク リ ーム
定法により下記処方のク リ ームを製造した。
ク リ 一ムの処方
シ リ カ被膜チタニア粉 (実施例 1 ) 7 . 0重量% スク ヮラ ン 1 1 . 1 重量% ステア リ ン酸 7 . 8重量% ステア リ ルアルコール 6 . 0重量% ミ ツロウ 1 . 9重量% プロ ピレングリ コールモノ ステア レー ト 3 . 1 重量%
ポ リ オキシエチレンセチルエーテル 1 . 1 重量%
1 , 3 ブチレングリ コール 1 1 . 9重量% メ チルパラベン 0 . 2重量% 香料 0 . 4重量% 精製水 4 9 . 5重量% 上記のク リ ームについて官能試験を実施したと ころ、 良好な使用 感 7"こつた
(実施例 1 9 ) ク リ ーム
定法により下記処方のク リ ームを製造した。
ク リ ームの処方
シ リ カ被膜チタニア粉 (実施例 1 ) 7 . 0重量% シ リ 力被膜酸化亜鉛粉 (実施例 2 ) 7 . 0重量% スク ヮラ ン 1 5 . 2重量% ステア リ ン酸 7 . 8重量% ステア リルアルコール 6 . 0重量% ミ ツロウ - 1 , 9 重量% プロ ピレングリ コールモノ ステア レ一 ト 3 . 1 重量% ポ リオキシエチレンセチルエーテル 1 . 1 重量% 1 , 3 ブチレングリ コール 1 1 . 9重量% メ チルパラベン 0 . 2重量% 香料 0 . 4重量% 精製水 3 8 . 4重量% 上記のク リ ームについて官能試験を実施したところ 良好な使用 感だつた。
(実施例 2 0 ) ク リ ーム
定法により下記処方のク リ ームを製造した。
ク リ 一ムの処方
シ リ カ被膜チタニア粉 (実施例 6 ) 3 0重量% ス ク ヮ ラ ン 4 0 0重量% ジイ ソステア リ ン酸グリ セ リ ル 3 0重量% ォキシベンゼン 3 0重量% 有機変性モ ンモ リ ロナイ ト 1 5重量% 1 , 3 —ブチ レ ングリ コール 5 0重量% p —メ トキシケィ皮酸ォクチル 5 0重量% 4 一 t e r t ブチノレ一 4 ' —メ トキシ
ジベンゾィノレメ タ ン 1 0 重量% メ チルパラベン 0 2重量% 香料 0 4重量% 精製水 3 7 9重量% 上記のク リ ームについて官能試験を実施したところ 良好-な使用 感だつた。
(実施例 2 1 ) パッ ク
常法により下記の処方でパッ クを製造した。
パッ クの処方
シ リ カ被膜チタニア粉 (実施例 1 ) 7 0重量% ポ リ ビニルアルコール 1 4 5重量% カルボキシメ チルセルロースナ ト リ ゥ ム 4 8重量% 1 , 3 ブチ レ ング リ コール 2 9重量% ェチノレアノレコーノレ 1 0 0重量% メ チルパラベン 0 1 重量% 精製水 6 0 7重量% 上記のパッ クについて官能試験を実施したと ころ、 良好な使用感 だつた。
(実施例 2 2 ) 口紅
常法により下記の処方で口紅を製造した。
シ リ カ被膜チタニア粉 (実施例 1 ) 3 . 0重量% ヒマ シ油 4 5 . 3重量% へキサデシルアルコール 2 5 . 2重量% ラノ リ ン 3 . 9重量% ミ ツ ロ ウ 4 . 8重量% ォゾケライ ト 3 . 4重量% キ ャ ンデ リ ラ ロ ゥ 6 . 2重量% カルナゥバロ ウ 2 . 1重量% メ チルパラベン 0 . 1重量% 赤色色素 4 . 8重量% 香料 0 . 1重量% 精製水 1 . 1重量% 上記の口紅について官能試験を実施したところ、 良好な使用感だ つ ナ:。
(実施例 2 3 〜 2 6 ) 官能試験用フ ァ ンデー シ ョ ン
常法により下記の処方でフ ァ ンデー シ ョ ンを製造した。 被験物質 と しては、 それぞれ実施例 1 〜 4で得られた 4種類のシリ カ被覆金 属酸化物粉を用いた。
官能試験用フ ァ ンデ一シ ョ ンの処方
被験物質 1 5 . 0重量% マイ 力 1 5 . 0重量% タルク 1 0 . 0重量% 亜鉛華 1 5 . 0重量% 酸化鉄 (赤) し 5重量% 酸化鉄 (黄) 3 . 5重量% グリ セ リ ン 1 0 . 0重量%
抗酸化剤混合物 3 . 0重量% 精製水 2 7 . 0重量% 香料 適 量
抗酸化剤混合物と しては、 —カ ロチ ン 5 %、 ァスタキサ ンチ ン 5 %、 Lーァスコルビン酸一 2 — リ ン酸マグネ シウ ム 2 0 %、 L - ァス コルビン酸一 2 — リ ン酸ナ ト リ ウム 1 0 %、 L—ァスコルビン 酸一 2 — ダルコ シ ド 1 0 %、 L—ァス コルビン酸— 2 — リ ン酸一 5 , 6 —ベン ジ リ デン 1 0 %、 天然ビタ ミ ン E l 0 %、 d 1 — ー ト コ フ エ ロール 5 %、 d 1 — 一 ト コフ ェ リ ル酢酸エステル 5 %、 d 1 — 一 ト コ フ ェ リ ノレリ ン酸ナ ト リ ウム 5 %、 クェ ン酸 5 %、 リ ン 酸 5 %、 ェピガロカテキン 5 % (比率は重量%) からなる混合物を 使用 した。
(比較例 ? 〜 1 1 ) 官能試験用フ ァ ンデー シ ョ ン
被験物質と して、 それぞれ従来の表面処理チタニア粉 (ティ カ社 製 MT 1 0 0 T) 、 実施例 1 〜 4 に該当する未被覆の金属酸化物粉 を用いるこ とを除けば、 実施例 2 3 〜 2 6 と同じ処方でフ ァ ンデ一 シ ヨ ンを製造した。
(官能試験)
実施例 2 3 〜 2 6及び比較例 7 〜 1 1 で製造したフ ァ ンデー シ ョ ンの使用感を 2 0 から 4 0歳台の女性 5 0 人を用いた官能試験で評 価した。 5 0人の被験者によって各々のフ ァ ンデー シ ョ ンの使用感 が、
極めて良い : 5点 良い : 3点 普通 : 2点 悪い : 1 点 極め て悪い : 0 点の基準により採点された。 次いで、 5 0人の評価点数 を集計した合計点数により、 下記の基準に基づく 5段階で使用感を 判定した。
2 5 0 〜 2 0 0点 : 極めて良い ( + +)
2 0 0 1 5 0 点 : 良い ( + )
1 5 0 1 0 0点 : 普通 ( +一 -)
1 0 0 5 0点 : 悪い (一 )
5 0 0点 極めて悪い (一一)
結果を表 6 に示した。 本発明になる シ リ カ被膜金属酸化物粉を配 合したフ ァ ンデー シ ョ ンの使用感は、 いずれも極めて良好 ( + + ) であった。 一方、 従来の表面処理被覆チタニア粉を配合したフ ァ ン デ一シ ヨ ンは、 普通 (+—) であった。 また、 未被覆の金属酸化物 粉を配合したフ ァ ンデー シ ョ ンは、 いずれも悪い (一) であった。
表 6 官能試験の結果
以下、 本発明のシ リ カ被覆金属酸化物粉の製造例について説明す る o
(実施例 2 7 )
1 0 0 0 ミ リ リ ツ トノレビーカ一に水 1 0 6 ミ リ リ ツ トル、 ェタ ノ
—ル (純正化学製) 4 8 0 ミ リ リ ッ トルおよび 2 9 %ア ンモニア水 2 0 ミ リ リ ツ トル (純正化学製) を混合し、 その中にチタニア粉 2 8 グラム (昭和電工製 F— 1 ) を分散させ、 懸濁液 1 を調製した。 次に、 テ トラエ トキシシラ ン (ナカライテスク製) を 1 0 5 ミ リ リ ッ トノレと水 3 9. 5 ミ リ リ ッ トルとエタノ ーノレ 6 5. 5 ミ リ リ ッ ト ルを混合し、 溶液 1 を調製した。
マグネチ ッ クスターラ一で撹拌している懸濁液 1 に、 溶液 1 を 2 時間かけて一定速度で加えたあと、 1 時間熟成した。 成膜、 熟成は 2 0 °Cにて行った。 その後、 吸引濾過し、 8 0 °Cで 1 2時間温風乾 燥し、 シ リ カ被膜チタニア粉を得た。
K B r法によ り、 実施例 2 7で得られたシ リ カ被膜チタニア粉の シ リ 力被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R— 8 0 0 0 ) を測定した。 シ リ カ被覆チタニア粉 ZK B r重量比 _1 / 3 2、 積算回数 6 4回にて測定した。 1 0 0 0〜 1 2 0 O cm— 1に S i 一 0— S i 伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 0 cm 1に C一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ 力に同定された。
更に、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm— 1と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cnT 1の赤外 吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( 1 = 1 , / I 2 : I , は 1 1 5 0〜 1 2 5 O cnT1の吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm 1の吸収ピーク強度) 力 、 0. 5であった。
シ リ カ膜の屈折率をエリ プソメ ータ一 (U L V A C製 L A S S E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 A) で測定したとこ ろ、 1 . 4 4 6であった。
シ リ カ被覆チタニア粉の吸油量を J I S - K 5 1 0 1記載の方法 で測定したと ころ、 1 . 2 0 ml/ gであった。
シリ カ被覆チタニア粉を、 硫弗酸に溶解し、 炎光分析によ り全ァ
ルカ リ金属濃度を測定したところ、 2. 8 ppm であった。
(実施例 2 8 )
5 リ ッ トル反応器に水 4 0 0 ミ リ リ ッ トル、 エタノ ール (純正化 学製) 1 . 4 リ ッ トルおよび 2 9 %アンモニア水 7 5 ミ リ リ ッ トル (純正化学製) を混合し、 その中にチタニア粉 1 0 5 グラム (昭和 電工製 F— 1 ) を分散させ、 懸濁液 1 を調製した。 次に、 テ ト ラエ トキシシラ ン (ナカライテスク製) を 1 9 3 ミ リ リ ッ トルと水 3 6 ミ リ リ ッ トルとエタノ ール 1 4 4 ミ リ リ ツ トルを混合し、 溶液 1 を 。 し こ。
マグネチ ッ クスターラ一で撹拌している懸濁液 1 に、 溶液 1 を 6 時間かけて一度で加えたあと、 1 2時間熟成した。 成膜、 熟成は 2 5 °Cにて行つた。 その後、 遠心濾過し、 5 0 °Cで 1 2時間真空乾燥 し、 シ リ カ被膜チタニア粉を得た。
K B r法により、 実施例 2 8で得られたシ リ カ被膜チタニア粉の シ リ カ被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R— 8 0 0 0 ) を測定したところ、 1 0 0 0〜 1 2 0 0 cm—1に S i — 0— S i 伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 0 cm— 1に C 一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ カに同 定された。
更に、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm" 1と 1 0 0 0〜 1 0 0 cm— 'の赤外 吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( I = I , / I : I , は 1 1 5 0〜 1 1 5 0 cm— 1の吸収ピーク強度、 I 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm—1の吸収ピーク強度) 力く、 0. 5であった。
シ リ カ膜の屈折率をエリ プソメ ーター (U L V A C製 L A S S E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 A) で測定したと こ ろ、 1 . 4 4 5であった。
シリ カ被覆チタニア粉の吸油量を J I S— K 5 1 0 1 記載の方法
で測定したと ころ、 1 . 1 7 mlZ gであった。
シ リ カ被覆チタニア粉を、 硫弗酸に溶解し、 炎光分析により全ァ ルカ リ金属濃度を測定したところ、 3 . O ppm であった。
シ リ 力被覆チタニア粉の透過型電子顕微鏡写真を図 2 に示す。 形 状追随性の良い、 均一で緻密な被膜が形成されている こ とがよ く わ かる。
(実施例 2 9 )
5 0 リ ッ トル反応器に水 4. 0 リ ッ トル、 エタノ ール (純正化学 製) 1 4. 0 リ ッ トルおよび 2 9 %ア ンモニア水 7 5 0 ミ リ リ ッ ト ル (純正化学製) を混合し、 その中にチタニア粉 1 . 0 5 キログラ ム (昭和電工製 F— 1 ) を分散させ、 懸濁液 1 を調製した。 次に、 テ ト ラエ ト キシ シラ ン (ナカラ イ テスク製) を 1 . 9 3 リ ツ ト ルと 水 3 6 0 ミ リ リ ッ トルとエタノ ール 1 . 4 4 リ ッ トルを混合し、 溶 液 1 を調製した。
マグネチッ クスターターで撹拌している懸濁液 1 に、 溶液 1 を 6 時間かけて一定速度で加えたあと、 1 2 時間熟成した。 成膜、 熟成 は 2 5 °Cにて行つた。 その後、 遠心濾過し、 5 0 で 1 2 時間真空 乾燥し、 シ リ カ被膜チタニア粉を得た。
K B r法によ り、 実施例 2 9で得られたシ リ カ被膜チタニア粉の シ リ カ被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R— 8 0 0 0 ) を測定したところ、 1 0 0 0〜 1 2 0 0 cm—'に S i — 0— S i 伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 0 cnr 1に C 一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ 力に同 定された。
更に、 1 1 5 0 〜 1 2 5 0 cm— 'と 1 0 0 0 〜 1 1 0 0 cm— 1の赤外 吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( 1 = 1 , / I 2 : I , は 1 1 5 0 〜 1 2 5 0 cm— 1の吸収ピーク強度、 I 2 は 1 0 0 0 〜 1 1
0 0 cm一 1の吸収ピーク強度) 力く、 0. 4 5であった。
シ リ カ膜の屈折率をエリ プソメ ーター (U L V A C製 L A S S
E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 A) で測定したと こ ろ、 1 . 4 4 3であった。
シ リ カ被覆チタニア粉の吸油量を J I S - K 5 1 0 1記載の方法 で測定したところ、 1 . 1 6 mlZ gであった。
シ リ カ被覆チタニア粉を、 硫弗酸に溶解し、 炎光分析により全ァ ルカ リ金属濃度を測定したところ、 3. 2 ppm であった。
(実施例 3 0 )
5 リ ッ トル反応器に、 実施例 2 9での反応終了液から固液分離に より シ リ カ被覆チタニア粉を分離した濾液を 2. 2 7 リ ッ トルを添 加した。 その中にチタニア粉 1 0 5 グラム ( (昭和電工製 F— 1 ) を分散させ、 懸濁液 1 を調整した。 次に、 テ トラエ トキシシラ ン ( ナカライテスク製) を 1 9 3 ミ リ リ ツ トルと水 3 6 ミ リ リ ツ トルと エタノ ール 1 4 4 ミ リ リ ッ トルを混合し、 溶液 1 を調製した。
マグネチッ クスターターで撹拌している懸濁液 1 に、 溶液 1 を 6 時間かけて一定速度で加えたあと、 1 2時間熟成した。 成膜、 熟成 は 2 5 °Cにて行つた。 その後、 遠心濾過し、 5 0 °Cで 1 2時間真空 乾燥し、 シ リ カ被膜チタニア粉を得た。
K B r法により、 実施例 3 0で得られたシリ カ被膜チタニア粉の シ リ カ被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R— 8 0 0 0 ) を測定したと ころ、 1 0 0 0〜 1 2 0 0 cm— 'に S i — 0— S i 伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 0 cm" !に C 一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ 力に同 定された。
更に、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm—1と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm— 1の赤外 吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( 1 = 1 , Z I 2 : I ! は
1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm— 'の吸収ピーク強度、 I 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm— 1の吸収ピーク強度) 力く、 0. 4 5であった。
シ リ カ膜の屈折率をエリ プソメ ータ一 (U L V A C製 L A S S E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 A) で測定したとこ ろ、 1 . 4 4 2であった。
シ リ カ被覆チタニア粉の吸油量を J I S - K 5 1 0 1記載の方法 で測定したと ころ、 1 . 1 O ml/ gであった。
シ リ カ被覆チタニア粉を、 硫弗酸に溶解し、 炎光分析により全ァ ルカ リ金属濃度を測定したところ、 4. O ppm であった。
(実施例 3 1 〜 4 4 )
アル力 リ の種類、 水 Z有機溶媒比、 溶媒の種類、 珪素濃度 (テ ト ラエ トキシシラ ンの量) を変化させ、 実施例 2 7 と同様にして、 表 7 に示された条件で成膜を行い、 評価を行った。
表 7 実施例 アル力リ 有機溶媒 珪素濃度 水 Z有機溶媒 I値 屈折率 アル力リ金属
No. 注 1) 注 2) モル/リッ トル 容積比 濃度 ppm
27 AM ET 0.5 0.25 0.5 1.446 2.8
31 CN ET 0.5 0.25 0.3 1.440 5900
32 PZ ET 0.5 0.25 0.3 1.439 3.1
33 CN I PA 0.5 0.25 0.3 1.441 5400
34 CN THF 0.5 0.25 0.3 1.442 5700
35 CA ET 0.5 10 0.5 1.445 4.4
36 CN ET 0.01 0.25 0.3 1.441 5600
37 CN ET 4 0.25 0.3 1.442 5600
38 HA ET 0.5 0.25 0.5 1.445 3.5
39 PA ET 0.5 0.25 0.5 1.446 4.0
40 P0 ET 0.5 0.25 0.5 1.446 5500
41 CA ET 0.5 0.1 0.3 1.445 3.6
42 CA ET 0.5 2.5 0.3 1.443 3.7
43 CN ET 0.5 0.5 0.4 1.441 5800
44 CN ET 0.5 1.0 0.3 1.438 5900 注 1) CA:炭酸水素アンモニゥム、 CN:炭酸水素ナトリウム、
AM: アンモニア、 PZ: ピリジン、 HA :蟻酸アンモニゥム、
PA :酢酸アンモニゥム、 P0 :水酸化ナトリウム
添加量はすべて 0.34モル
注 2) ET : エタノール、 1PA : イソプロピルアルコール
THF : テ卜ラヒ ドロフラン、
(実施例 4 5 〜 6 0 )
チタニア種類 (昭和電工製の粒径の異なるチタニア) 、 珪素濃度 (テ トラエ トキシシラ ンの量) を変化させ、 実施例 2 8 と同様にし て、 表 8 に示された条件で成膜を行った。
アルカ リ と してアンモニア、 有機溶媒と してエタノ ール、 水 有 機溶媒比 0 . 3 にて成膜を行った。 また、 透過赤外吸収スペク トル 、 屈折率、 光触媒活性の評価を行った。
光触媒活性の測定は、 テ トラ リ ン自動酸化法 (酸化チタ ン、 物性 と応用技術、 p 1 9 6 清野学著 技報堂出版) にて行った。
表 8
m チタニア チタニア 膜 厚 活性 * I値 屈折率
1\U. 一、
ran モル/リットル ran niribO/min
28 Fl 90 0.300 10 3.7 0.5 1.445
45 Fl 90 0.140 5 3.7 0.5 1.440
46 Fl 90 0.045 1.25 3.9 0.4 1.442
47 F4 30 0.600 18 4.0 0.45 1.441
48 F4 30 0.300 4.5 4.9 0.5 1.445
49 F4 30 0.140 2 3.9 0.4 1.443
50 F4 30 0.045 0.5 5.5 0.35 1.440
51 F6 20 3.000 45.0 3.3 0.4 1.443
52 F6 20 0.600 9.2 3.6 0.4 1.441
53 F6 20 0.300 2.3 3.7 0.5 1.444
54 F6 20 0.140 1 4.3 0.4 1.442
55 F6 20 0.045 0.25 6.6 0.35 1.439
56 G2 300 0.600 304 3.8 0.35 1.439
57 G2 300 0.300 76 4.3 0.45 1.444
58 G2 300 0.140 33 3.9 0.5 1.445
59 G2 300 0.045 8.25 3.3 0.4 1.442
60 G2 300 0.002 0.37 4.8 0.35 1.440
*テ トラ リ ンのみ (シ リ 力被覆チタニアを未添加) では、 光触媒活 性値 7.0 mmH20 /min 。
(実施例 6 1 )
テ トラエ トキシシラ ン溶液 1 を一度に添加した以外は、 実施例 2 8 と同様に して、 成膜を行った。
K B r法により、 実施例 6 1 で得られたシ リ 力被膜チタニア粉の シ リ 力被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R - 8
0 0 0 ) を測定したところ、 1 0 0 0 ~ 1 2 0 O cm—'に S i — 0— S i伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 O cm—1に C 一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ 力に同 定された。
更に、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm— 1と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm 'の赤外 吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( 1 = 1 ! / I 2 : I 1 は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm— 1の吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cnT'の吸収ピーク強度) 力く、 0. 5であった。
シ リ カ膜の屈折率をエリ プソメ ーター (U L V A C製 L A S S E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 A) で測定したとこ ろ、 1 . 4 3 9であった。
シ リ 力被覆チタニア粉の光触媒活性をテ トラ リ ン自動酸化法で測 定したところ、 光触媒活性が 6. 3 mmH 2 O/min であった一。
シ リ カ被覆チタニア粉の吸油量を J I S - K 5 1 0 1記載の方法 で測定したと ころ、 1 . 0 2 ml Z gであった。
(実施例 6 2 )
実施例 2 7 と同様にして、 成膜を行つた。 得られたシ リ カ被膜チ タニア粉について焼成温度を変えて焼成を行った。
K B r法により、 実施例 6 2で得られた焼成条件の異なる シ リ カ 被膜チタニア粉のシ リ カ被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光 製 F T— I R— 8 0 0 0 ) を測定した。
1 1 5 0〜 1 2 5 O cm— 1と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm—1の赤外吸収ス ベク トルの吸収ピーク強度の比 I ( 1 = 1 , / I 2 : I ! は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm—1の吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 O cm 一'の吸収ピーク強度) が、 焼成により変化した。 焼成温度が高まる につれ、 I の値は小さ く なつた。 I値の変化を表 9 に示す。
表 9
* Rfc- |
fun fyc 焼 0 間 I 値
1) なし なし 0. 5
2) 200°C 4hr 0. 40 3) 400°C 4hr 0. 35 4) 600。C 4hr 0. 19 5) 900。C 4hr 0. 13
(実施例 6 3 )
テ ト ラェ ト キシ シラ ンのかわり に、 テ ト ラ ノ ーマルプロボキシ シ ラ ン (アル ドリ ッチ製) を用いた以外は、 実施例 2 7 と同様にして 、 成膜を行った。
K B r法により、 実施例 6 3で得られたシ リ カ被膜チタニア粉の シ リ カ被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R - 8 0 0 0 ) を測定したと ころ、 1 0 0 0〜 1 2 0 0 cm—'に S i — 0— S i 伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 0 cnT 1に C 一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ カに同 定された。
更に、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm— 'と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm— 1の赤外 吸収スペク トルの吸収ピーク強度の比 I ( 1 = 1 , / 1 2 : I ! は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm—1の吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm— 1の吸収ピーク強度) 力く、 0. 5であった。
シ リ カ膜の屈折率をエリ プソメ 一ター (U L V A C製 L A S S E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 A) で測定したとこ ろ、 1. 4 4 3であった。
シ リ カ被覆チタニア粉の吸油量を J I S— K 5 1 0 1記載の方法 で測定したところ、 1 . 2 0 ml であった。
(実施例 6 4 )
成膜温度が 7 0 °Cであること以外は、 実施例 3 1 と同様に成膜を 行った。
K B r法により、 実施例 6 4で得られたシ リ カ被膜チタニア粉の シ リ カ被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R— 8 0 0 0 ) を測定したところ、 1 0 0 0〜 1 2 0 O cm— 1に S i — 0— S i伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 O cm—1に C 一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ カに同 定された。
更に、 1 1 5 0〜 1 2 5 O cm—1と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm—1の赤外 吸収スぺク トルの吸収ピーク強度の比 I ( I = I , I 2 : I , は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 cm— 1の吸収ピーク強度、 1 2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 cm—1の吸収ピーク強度) 力く、 0. 3であった。
シ リ カ膜の屈折率をエリ プソメ ータ一 (U L V A C製 L A S S E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 A) で測定したと こ ろ、 1 . 4 4 8であった。
シ リ カ被覆チタニア粉の吸油量を J I S— K 5 1 0 1 記載の方法 で測定したところ、 1. 1 0 ml Z gであった。
(比較例 1 2 )
チタニア粉 (昭和電工製 F— 1 ) の吸油量を実施例 2 7 と同様に 測定したと ころ、 0. 4 ml/ gであった。
(比較例 1 3 )
一般的なゾル—ゲル法により、 シ リ コ ンウェハ一上にシ リ カ膜を 形成し、 屈折率を測定した。
1 0 0 0 ミ リ リ ツ トルビーカーにテ ト ラエ トキシ シラ ン (ナカ ラ ィ テスク製) 2 5 0 グラム、 エタノール (純正化学製) 3 7 6 グラ ム、 水 2 3 5 ミ リ リ ッ トル、 塩酸 (純正化学製) 3 gを加え、 撹拌 混合し、 ゾル—ゲル法膜形成組成溶液を調整した。 その中にシ リ コ
ンウェハーを浸漬し、 2 5 °Cにて膜を形成後、 シ リ コ ンウェハ一を 引き上げ、 8 0 °Cで温風乾燥し、 ゾルーゲル法シ リ カ被膜を得た。 屈折率を測定したところ、 1. 4 2 8であった。
(比較例 1 4 )
市販のシ リ カ被覆チタニア粉 (T I O X I D E製 T I S O R B 一 U F 0 1 ) の赤外吸収スぺク トルを実施例 2 7 と同様に測定し たところ、 1 = 0. 1であった。 また、 吸油量は、 1. O O mlZg であった。 アルカ リ金属濃度は 6 4 0 0 ppm であった。
(実施例 6 5 )
5 リ ッ トル反応器に水 7 5 4 m 1、 エタノ ール (純正化学製) 1 6 6 5 m lおよび 2 5 %ア ンモニア水 3 3 m l (大盛化工製) を混 合し、 その中に酸化亜鉛粉 6 7 g (住友大阪セメ ン ト製、 MZ 0 3 5 0 ) を分散させ、 懸濁液 Aを調製した。 次に、 テ トラエ トキシ シ ラ ン (ナカライテスク製) を 1 3 5 mLとエタノ ール 7 5 m l を混 合し、 溶液 Bを調製した。 マグネチ ッ ク スターラーで撹拌している 懸濁液 Aに、 溶液 Bを- 6時間かけて一定速度で加えた後、 1 2時間 熟成した。 成膜、 熟成は p H 1 0. 9、 3 5 °Cにて行った。 その後 、 遠心濾過し、 5 0 °Cで 1 2時間真空乾燥し、 シ リ カ被膜酸化亜鉛 粉を得た。
K B r法により、 実施例 6 5で得られたシ リ 力被膜酸化亜鉛粉の シ リ カ被膜を透過赤外吸収スぺク トル (日本分光製 F T— I R— 8 0 0 0 ) を測定したと ころ、 1 0 0 0〜 1 2 0 0 c m— 1に S i - 0 一 S i伸縮振動由来の吸収が観測され、 2 8 0 0〜 3 0 0 0 c m一 1 に C一 H伸縮振動由来の吸収は観測されず、 生成した被膜はシ リ 力 に同定された。 更に、 1 1 5 0〜 1 2 5 0 c m— 'と 1 0 0 0〜 1 1 0 0 c m— 1の赤外吸収スぺク トルの吸収ピーク強度の比 I ( I 二 I , / I 2 : I , は 1 1 5 0〜 1 2 5 0 c m一 'の吸収ピーク強度、 I
2 は 1 0 0 0〜 1 1 0 0 c m一1の吸収ピーク強度) 力く、 0. 5であ つた。 シ リ カ膜の屈折率をエリプソメ ータ一 (U L V A C製 L A S S E R E L L I P S OM E T E R E S M— 1 R) で測定したと ころ、 1 . 4 4 6であった。 シ リ 力被覆酸化亜鉛粉の吸油量を J I S— K 5 1 0 1 記載の方法で測定したところ、 1 . 1 9 m l / gで あった。 シ リ カ被覆酸化亜鉛粉を、 硫弗酸に溶解し、 炎光分析によ り全アルカ リ金属濃度を測定したところ、 3. l p p mであった。 実施例 6 5で作成したシ リ 力被覆酸化亜鉛粉を異なる P Hの溶液 に 5 %濃度で分散し、 2 5 、 2 4時間放置した後、 溶出した Z n イ オ ン濃度を分析した。 比較と してシ リ カ被覆する前の酸化亜鉛粉 原料を使用 した。 結果を表 1 0 に示した。 シ リ カ被覆酸化亜鉛粉の Z nイオンの溶出は、 被覆前の原料の 1 Z 1 0以下に減少し、 酸、 アル力 リ に対する耐久性が上がつた。
表 1 0
溶液 P H 溶出 Z nイ オ ン濃度 ( p p m)
実施例 6 5 酸化亜鉛粉 · 原料
0 8 9 9 1 2 9 0
2 5 1 1 1 0 0
1 1 7 1 . 5 2 7
1 2 2 2 0 0 2 2 9 0
1 3 0 1 3 6 0 1 3 4 8 0
(実施例 6 6〜 7 3 )
アルカ リ の種類、 溶媒の種類を変化させ、 他の条件は実施例 6 5 と同様にしてシ リ カ被覆酸化亜鉛を製造した。 透過赤外吸収スぺク トル、 屈折率の評価を行った。
成膜条件及び評価結果を表 1 1 にま とめた。
表 1 1
カリ
N上、o 注 1) 注 2) モル/ L
65 AM ET 0.23 0.4 0.5 1.446 3.1 ββ AM I PA 0.23 0.4 0.4 1.442 2.9
67 AM THF 0.23 0.4 0.4 1.441 3.3
68 PZ ET 0.23 0,4 0.5 1.450 3.2
69 CA ET 0.23 0.4 0.5 1.444 4.2
70 CN ET 0.23 0.4 0.4 1.450 5600
71 HA ET 0.23 0.4 0.3 1.442 3.8
72 PA ET 0.23 0.4 0.5 1.446 4.5
73 PO ET 0.23 0.4 0.5 1.447 5800 注 1 ) AM : アンモニア C N : 炭酸水素ナ ト リ ウム、 C A : 炭 酸水素アンモニゥム、 P Z : ピリ ジン、 H A : 蟻酸アンモ 二ゥム、 P A : 酢酸アンモニゥム、 P O : 水酸化ナ 卜 リ ウ ム
添加量はすべて 0. 4 9 モル
注 2 ) E T : エタノ ール、 I P A : イ ソプロパノ ール、
T H F : テ トラ ヒ ドロフラ ン、
(実施例 7 4〜 7 8 )
アルカ リの添加量を変えることにより p Hを変化させ、 他の条件 は実施例 6 5 と同じにして成膜を行った。 成膜後の固体回収率を測 定し、 また皮膜形成した酸化亜鉛分の透過赤外吸収スぺク トル、 屈 折率の評価を行った。 結果を表 1 2に示した。 成膜時の p Hが 1 1 を越えると、 固体回収率が低下した。
表 1 2
»例 珪素濃度 水/有機溶媒 H m ι値 屈折率
N o モル ZL 容積比 %
75 0.23 0.67 10.5 97 0.5 1.450
74 0 23 0.5 10 7 98 0 5 1.447
65 0.23 0 4 10.9 98 0.5 1.446
76 0.23 0.34 11.2 92 0.5 1.444
77 0.23 0.25 11.7 76 0.5 1.445
78 0.23 0.20 12.0 65 0.5 1.442
(実施例 7 9 8 4 )
珪素濃度を変化させ、 他の条件は実施例 6 5 と同じにして成膜を 行つた 0 cL 透過赤外吸収スぺク トル、 屈折率、 光触媒活性の評 価を行つた。 結果を表 1 3 に不した。
表 1 3
難例 一次粒径 珪素濃度 mm m ± ι値 屈折率
No. m モル/ L nm 厶 A49 o/min
79 35 0.05 0.5 0.0004 0.3 1.438
80 35 0.14 2 0.0002 0.4 1.442
65 35 0.23 3 0.0001 0.5 1.446
81 35 0.60 16 0.0001 0.4 1.448
82 35 3.00 80 0.0001 0.5 1.450
83 100 0.05 1.5 0.0002 0.3 1.440
84 100 0.30 9 0.0001 0.4 1, 439 光触媒活性の測定は、 サンセッ トイ ヱ口一法にて行つた。 色素 ( サンセッ トっ ェ口—) を 9 8 %グリセリ ンに分散し (濃度 0 . 0 2
%) 酸化亜鉛粉を 0 . 0 6 7 %添加し、 酸素圧 7 6 0 m m H g 反応温度 4 0 °C、 液撹拌速度 2 6 0 rpm 、 紫外線強度 3 5 0 ^ W/
c m2 で水銀灯照射を 6 0分間行う。 4 9 0 n mの吸収を経時的に 測定し、 吸収の平均減少速度 (Δ Α 49。 Zm i n) を測定した。 化 粧品に使われる色素の退色速度と して測定される光触媒活性は、 シ リ カ被覆をしていない酸化亜鉛粉 ' 原料が 0. 0 2 7 8 (Δ Α 。
Zm i η) であったのに対して、 シ リ 力被覆酸化亜鉛粉は光分解活 性がほとんど見られなかった。
(実施例 8 5〜 8 7 )
チタニア粉の代わりに酸化セ リ ウム粉、 酸化ジルコニウム粉、 ベ ンガラ粉を用いるこ と以外は、 実施例 2 8 と同様にして、 シ リ カ被 覆金属酸化物粉を得た。
(実施例 8 8〜 9 9 )
アルカ リの種類、 溶媒の種類を変化させ、 表 1 4の条件で同様に してシ リ カ被覆金属酸化物粉を製造した。
実施例 8 5〜 9 9のシ リ カ被覆金属酸化物粉について透過赤外吸 収スぺク トル、 屈折率の評価を行った。 成膜条件及び評価結果を表 1 4 に示した。
表 1 4
No 注 1) ¾2) 注 3) モル/ L 容積比
85 Ce AM ET 0.3 0.3 0.5 1.446
86 Zr AM ET 0.3 0.3 0.4 1.443
87 Fe AM ET 0.3 0.3 0.4 1.446
88 Ce AM IPA 0.3 0.3 0.4 1.440
89 Ce AM THF 0.3 0.3 0.4 1.443
90 Ce PZ ET 0.3 0.3 0.5 1.450
91 Ce CA ET 0.3 0.3 0.5 1.447
92 Ce CN ET 0.3 0.3 0.4 1.439
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添加量はすべて 1 . 3 モル
注 3 ) E T : ェタノ —ル、 I P A : イ ソプロパノ ール、
T H F : テ トラ ヒ ドロフラ ン、