明 細 書 電 子 時 計 技 分野
この発明は、 外部環境のエネルギーを利用して発電する発電手段 を内蔵し、 その発電手段が発電した電気エネルギーを蓄電して、 そ の電気エネルギーによつて動作する電子時計に関する。 背景技術
光エネルギー, 熱エネルギー, 機械エネルギーなどの外部エネル ギーを電気エネルギーに変換 (発電) し、 その電気エネルギーによ つて時計駆動システムを駆動して時刻表示を行なう、 発電手段内蔵 の電子時計がある。
このよ うな発電手段內蔵の時計と しては、 太陽電池によ り光エネ ルギ一を電気エネルギーに変換する太陽電池発電時計、 回転錘の機 械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する機電変換発電時計、 または熱電対を積層してその両端の温度差によ り発電する温度差発 電時計などがある。
これらの発電手段内蔵の電子時計では、 外部から供給されるエネ ルギ一がなく なっても、 安定した時計駆動を継続できなければなら ない。 そのため、 2次電池ゃ大容量コンデンサなどの蓄電手段を內 蔵し、 外部エネルギーがあるときに発電手段によって発電される電 気エネルギーをその蓄電手段に蓄え、 発電手段が発電できないとき にはその蓄電手段に蓄えた電気エネルギーによって時計駆動を維続 できるよ うにしている。
このよ うな発電手段内蔵の電子時計と しては、 たとえば特開平 4 - 8 1 7 5 4号公報に見られるよ うなものがある。 第 9図にその従 来の発電手段内蔵の時計の全体構成をプロ ック図で示す。
この第 9図に示す電子時計は、 外部からのエネルギーで発電を行
なう太暘電池等の発電手段 1 3 0に対して、 小容量の蓄電器 1 3 2 が第 1 の逆流防止手段であるダイォー ド 1 3 8を介して直列に接続 されており、 この小容量の蓄電器 1 3 2に対して計時手段 1 3 1 と 制御手段 1 4 0 とが並列に接続されている。 さ らに、 大容量の蓄電 器 1 3 3が充電スィ ッチ 1 3 4 と第 2の逆流防止手段であるダイォ ード 1 3 9を介して発電手段 1 3 0に直列に接続されている。
そして、 放電スィ ツチ 1 3 5が小容量の蓄電器 1 3 2 と大容量の 蓄電器 1 3 3 との間に接続されている。 さ らに、 第 1の電圧検出手 段 1 3 6が小容量の蓄電器 1 3 2の端子電圧を、 また第 2の電圧検 出手段 1 3 7が大容量の蓄電器 1 3 3の端子電圧をそれぞれ検出可 能に接続されている。
この発電手段内蔵の時計は、 発電手段 1 3 0が充分に発電してい るときには、 その電気エネルギーによつて計時手段 1 3 1 を駆動す ると共に、 小容量の蓄電器 1 3 2および大容量の蓄電器 1 3 3を充 電し、 発電手段 1 3 0が発電できないときには、 それらに蓄積され た電気エネルギーによつて計時手段 1 3 1 の駆動を継続させる。
しかし、 大容量の蓄電器 1 3 3の蓄電量が少なく その端子電圧が 低い状態で、 かつ発電手段 1 3 0の発電が停止している状態では、 小容量の蓄電器 1 3 2の蓄電量は殆どないため、 計時手段 1 3 1 は 停止しており、 かつ充電スィ ツチ 1 3 4および放電スィ ツチ 1 3 5 は開いている。
そして、 この状態から発電手段 1 3 0が発電を開始した場合には, その発電による電気エネルギーは小容量の蓄電器 1 3 2にのみ蓄積 し、 その結果小容量の蓄電器 1 3 2の端子電圧は比較的速く上昇す るため、 計時手段 1 3 1は発電手段 1 3 0が発電を開始してから僅 かな時間で始動することが可能になる。
しかしながら、 このように一時的な発電で計時手段 1 3 1が動作 を開始しても、 発電手段 1 3 0が短時間で発電を停止してしま う と . 小容量の蓄電器 1 3 2の蓄電エネルギーは僅かであるため、 計時手 段 1 3 1 はその電力消費により数秒で停止してしま う という問題が
ある。
そのため、 小容量の蓄電器 1 3 2の初期充電により計時手段 1 3 1 が運針を開始したことを確認して、 使用者が時刻合わせ操作を試 みょう と しても、 まもなく時計の運針が停止してしま うよ うなこと が起こる。
このよ うに、 蓄電手段を備えていても、 長期間に亘つて外部から のエネルギーが供給されない場合には、 最終的には蓄電手段に蓄え た電気エネルギーも枯渴し、 時計駆動の継続ができなく なる。
その場合でも、 上述のよ うに外部からエネルギーを供給して発電 手段に発電を開始させれば、 時計駆動を開始することは可能である c しかし、 一旦空になった蓄電手段に再び充分な量の電気工ネルギ 一を蓄積して時計駆動を継続できるよ うにするには、 外部からの単 位時間あたりのエネルギー供給量を増大させるか、 エネルギー供給 時間を長くすることが必要である。
ところが、 外部からの単位時間あたりのエネルギー供給量を增大 させたり、 エネルギー供給時間を長くするという ことは、 時計の使 用者に多大な負担を要求することであり、 結果的に時計と しての商 品価値を大幅に低下させることになる。
また、 外部エネルギーを電気エネルギーに変換する発電手段の種 類によっては、 たとえば、 熱電発電手段のよ うに、 外部からの単位 時間当たりのエネルギー供給量を増大させることが困難なものもあ る。
このよ うに、 従来の発電手段内臓の電子時計では、 蓄電手段が実 質的に空になった場合には、 この蓄電手段に充分量の電気工ネルギ 一を再蓄積するには種々の問題が伴う。 そして、 上述のよ うに実質 的に空になった蓄電手段に充分な量の電気エネルギーを蓄積するこ とが容易でないため、 蓄電手段が実質的に空の状態から時計駆動を 開始した場合には、 外部エネルギーの供給がたとえごく短時間であ つても途切れると、 ただちに時計駆動が停止してしま う という問題 が生じる。
この発明は、 このよ うな問題を改善するためになされたものであ り、 発電手段内蔵の電子時計において、 使用状況が種々変化したと しても安定した時計駆動を行なえるよ うにすること、 特に比較的長 期間放置して再び使用する際に、 初期時刻表示動作を安定して継続 できるよ うにすることを目的とする。 発明の開示
そのため、 この発明による電子時計は、 外部からのエネルギーに よ り電気エネルギーを発生する発電手段と、 その発電手段が発生す る電気エネルギーを充電する蓄電手段と、 その蓄電手段から電気工 ネルギーを供給されて動作する時計駆動回路および時刻表示系を備 えた時計駆動システムと、 その蓄電手段の蓄電量を検出する蓄電状 態検出手段と、 その蓄電状態検出手段によって検出される蓄電量が 予め設定した基準値を下回ったときに、 時計駆動システムの少なく とも時刻表示系の動作を停止させ、 その後復帰動作の条件を検知し たときに時計駆動システムの動作を停止させた部分の動作を再開さ せ、 その動作を少なく とも予め設定した条件の間は継続させる制御 手段とを有する。
さらに、 発電手段の発電状態を検出する発電検出手段も設け、 蓄 電状態検出手段によって検出される蓄電量が予め設定した基準値を 下回り、 且つ上記発電検出手段によって検出される発電手段が発生 する電気エネルギーが一定レベル以下になったときに、 上記制御手 段が、 時計駆動システムの少なく とも時刻表示系の動作を停止させ るようにしてもよい。
なお、 制御手段が検知する復帰動作の条件と しては、 時計駆動シ ステムの時刻合わせ動作がなされたときや、 発電手段によって一定 レベル以上の電気エネルギーが発生されたときなどとする。
そして、 それら復帰動作の条件が満たされ、 時計駆動システムの 動作を停止させた部分の動作を再開させた後、 その動作を継続させ る予め設定した条件とは、 動作再開後一定時間経過するまで、 ある
いは蓄電状態検出手段によって検出される蓄電量が上記基準値より 低く設定した新たな基準値を下回るまでなどとすることができる。
また、 制御手段は、 それぞれレベルの異なる複数の基準値群のい ずれかを選択して基準値と して設定できるよ うにし、 蓄電状態検出 手段によって検出される蓄電量がその設定した基準値を下回ったと きに、 時計駆動システムの少なく とも時刻表示系の動作を停止させ. その後復帰動作の条件を検知したときに時計駆動システムの動作を 停止させた部分の動作を再開させると と もに、 基準値を先に設定し ていた基準値より一段階レベルの低い基準値に変更し、 蓄電状態検 出手段によって検出される蓄電量がその変更した基準値を下回るま では上記再開した動作を継続させ、 検出される蓄電量がその変更し た基準値よ り も一段階上の基準値とのレベル差以上の一定量を超え て上回ったときには、 基準値を一段喈上の基準値に変更する手段を 有するよ うにしてもよい。
さらに、 制御手段が、 時計駆動システムの動作を停止させた部分 の動作を再開させたとき、 自動的にその時刻表示系の時刻合わせを 行なう手段を有するよ うにしてもよい。
この発明によれば、 上記制御手段が時計駆動システムの少なく と も時刻表示系の動作を停止させる蓄電量の基準値を、 まだ暫く は時 計駆動システムを駆動できるだけの余裕のある値にしておく ことに よ り、 この電子時計を比較的長期間放置しておく と、 時刻表示が停 止するが、 その状態から再び使用する際に、 時刻合わせ操作や発電 手段による発電の開始によって時計駆動システムの動作が再開され ると、 蓄電手段にまだ残っている電気エネルギーによって、 少なく と も一定時間あるいは蓄電手段の蓄電量がさらに一定量低下するま ではその動作を継続する。
そのため、 外部エネルギーの供給が一時的に途切れたり しても、 時刻表示がすぐに停止してしま う ようなことがなく なり、 安定な初 期時刻表示動作が可能になる。
図面の簡単な説明
第 1図は、 この発明による電子時計の第 1実施例の全体構成を示 すブロック図である。
第 2図は、 この発明による電子時計の第 2実施例の全体構成を示 すブロック図である。
第 3図は、 第 2図に示した電子時計における制御回路の動作を示 すフ口一図である。
第 4図は、 リチウムイオン電池の放電特性を示す線図である。 第 5図は、 この発明による電子時計の第 3実施例の全体構成を示 すブロック図である。
第 6図は、 第 5図に示した電子時計の時計駆動システム 8 0 と制 御手段 5 0 と蓄電状態検出手段 6 0と発電検出手段 7 0の関連構成 を示すプ口 ック図である。
第 7図は、 第 5図に示した電子時計における制御手段 5 0 と蓄電 状態検出手段 6 0 と発電検出手段 7 0の具体的な回路例を示す回路 図である。
第 8図は、 第 5図乃至第 7図に示した回路中の各信号の波形とそ の相互関係を示すタイ ミング図である。
第 9図は、 従来の発電手段内蔵の電子時計の一例を示すプロック 図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
[第 1実施例]
第 1図は、 この発明による電子時計の基本的な実施例である第 1 実施例の全体構成を示すプロック図である。
この第 1図に示す電子時計において、 外部エネルギーを鼋気エネ ルギ一に変換する太陽電池等の発電手段 1 0と、 その変換された電 気エネルギーの一部あるいは殆どを蓄積する蓄電手段 1 1 とが閉回 路をなして接続されている。
—方、 計時および時刻表示等の時計駆動に関する機能を有する時 計駆動システム 1 4には、 発電手段 1 0 と蓄電手段 1 1 とが並列に 接続されている。
この時計駆動システム 1 4 は、 アナログ式電子時計であれば、 水 晶振動子を用いて基準ク ロ ック信号を発生する水晶発振器、 この水 晶発振器からの基準クロ ック信号を分周して適当なタイ ミング (た とえば 1秒毎) の信号を生成する分周回路、 この信号に応じてステ ップモータに駆動電力を供給するモータ駆動回路、 そしてステップ モータと このステップモータの回転を減速しながら伝える輪列、 及 び指針や文字板などからなる。 なお、 ディジタル式電子時計の場合 には、 モータ駆動回路に代えて計時カウンタと液晶駆動回路を、 ス テツプモータ, 輪列, 指針, 及び文字板などの代わりに、 時刻表示 用の液晶表示器を用いる。
また、 この時計駆動システム 1 4を駆動するための電気工ネルギ 一は、 第 1図に示すよ うに、 発電手段 1 0あるいは蓄電手段 1 1の いずれか一方またはこの両方よ り供給される。 これは、 時計駆動と いう面だけから見ると発電手段を持たない 1次電池で駆動される電 子時計と同様である。
ただし、 1次電池の場合は電気エネルギー量が経時的に単調減少 するのに対して、 この実施例の電子時計では蓄電手段 1 1の電気工 ネルギー量は増加と減少の何れもが起こ り うる。 そのため、 この菴 電手段 1 1 に蓄積された電気エネルギー量を検出し、 この結果を時 計駆動にフィー ドバックすれば、 時計の使用状況が種々変化したと しても安定した時計駆動が得られる。
そこで、 この第 1実施例の電子時計では、 第 1図に示すよ うに、 蓄電手段 1 1 に蓄積された電気エネルギー量 (蓄電量) を検出する 蓄電状態検出手段 1 2 と、 この蓄電状態検出手段 1 2 の制御、 及び 蓄電状態検出手段 1 2の結果に基づいて蓄電手段 1 1 の制御と後述 するような時計駆動システム 1 4 の制御を行なう制御手段 1 3 とを 設けている。
その制御手段 1 3は、 所定の周期で、 蓄電手段 1 1 を発電手段 1 0 と時計駆動システム 1 4から短時間だけ切り離し、 蓄電状態検出 手段 1 2によ り蓄電手段 1 1 の蓄電量を測定し、 その測定結果の菴 電量が所定の基準値以下か否かを判断する。 その間、 時計駆動シス テム 1 4は内蔵の小容量の蓄電器に蓄えた電気エネルギーで動作を する
そして、 制御手段 1 3が蓄電手段 1 1 の蓄電量が基準値以下であ ると判断した場合には、 時計駆動システム 1 4における時計駆動を 停止させる制御を行なう。 これにより蓄電手段 1 1 の電気工ネルギ 一を枯渴させないよ うにする。
ここでの時計駆動の停止とは、 時計駆動システム 1 4の少なく と も時刻表示系の動作を停止させることである。 すなわち、 アナロ グ 式電子時計の場合には、 運針を行なぅ ステップモータの駆動部分へ の電源供給を停止することであり、 ディジタル式電子時計の場合に は液晶表示器への電源の供給を停止するか、 液晶表示器の表示をス リーブ等のパワーダウンモー ドにすることであり 、 水晶発振器と分 周回路は動作させておく のが望ましい。
この電子時計は、 このよ う に時計駆動システム 1 4 の時刻表示動 作が停止した状態で、 発電手段 1 0に外部からのエネルギーが与え られずに放置されたと しても、 時計駆動システム 1 4 の水晶発振器 と分周回路の消費電力は僅かであるから、 長期間にわたって蓄電手 段 1 1 に残っている電気エネルギーを維持することができる。
時計駆動システム 1 4の全ての動作を停止させるよ うにすれば、 蓄電手段 1 1 に残っている電気エネルギーの維持期間をさらに大幅 に延ばすことができる。 しかし、 その場合には、 時計駆動システム 1 4の動作再開時に使用者が手で時刻合わせ操作をすることが必要 になる。
そして、 制御手段 1 3が復帰動作の条件を検知したときに、 時計 駆動システム 1 4の動作を停止させた部分の動作を再開させ、 その 動作を少なく と も予め設定した条件の間は継続させる。
復帰動作の条件を検知したときとは、 アナ口グ式電子時計の場合 には時刻合わせ動作のためにリ ュウズ (竜頭) が操作されたことを 検知したとき とすることができる。 あるいは時計ケースに人の手な どが触れられたことを検知したとき、 発電手段 1 0が発電を開始 (一定レベル以上の電気エネルギーを発生) したときなどと しても よい。
そして、 時計駆動システム 1 4 の動作を再開させたとき、 蓄電状 態検出手段 1 2によって検出される蓄電量と比較する基準値を先に 動作を停止させたときの基準値よ り 1段階下げる制御を行なう。
これによ り 、 蓄電量がその 1段階下げた基準値よ り低下するまで は時計駆動システム 1 4の全ての動作を継続させることができるた め、 再起動後の時計の安定駆動を確保できる。
その間に、 発電手段 1 0によって充分に電気エネルギーが発電さ れれば、 蓄電手段 1 1 の蓄電量が増加し、 さらに長期に!:つて時計 駆動システム 1 4の動作を安定して継続させることができる。
そして、 蓄電手段 1 1の蓄電量が 1段階下げた基準値を充分に超 えて増加したときには、 この基準値を 1段階上げることによ り、 次 に時刻表示を停止させるときの残存蓄電量を多くすることができる。 時計駆動システム 1 4の動作を停止させた部分の動作を再開させ た後、 その動作を少なく とも予め設定した一定時間だけは継続させ るよ うにしてもよい。
このよ うにしても、 この発電手段內蔵の電子時計を比較的長期間 放置して再び使用する際に、 時計駆動がすぐに停止してしま うよ う なことはなく 、 安定な初期時刻表示 (運針あるいは液晶によるデジ タル表示) 動作がなされ、 使用状況が種々変化したと しても安定し た時計駆動が可能である。
デジタル式電子時計の場合には、 時計駆動システム 1 4が液晶表 示器による時刻表示を停止している間も、 水晶発振器と分周回路と 計時カウンタ とを動作させていれば、 その時刻表示動作を再開した とき、 直ちに正確な時刻を液晶表示器に表示させることができる。
[第 2実施例]
次に、 この発明による電子時計の第 2実施例を第 2図乃至第 4図 によって説明する。
第 2図はその電子時計の全体構成を示すプロ ック図である。 この 電子時計においては、 第 1図に示した発電手段 1 0に相当する太陽 電池 2 0及び第 1 のスィ ッチ 2 5 と、 蓄電手段 1 1に相当する 2次 電池 2 1及び第 2, 第 3のスィ ッチ 2 6 , 2 7 とが閉回路をなして 接続されている。
この発電手段 1 0および蓄電手段 1 1 と並列に時計駆動システム 1 4を接続しており、 この時計駆動システム 1 4は、 太陽電池 2 0 と 2次電池 2 1 のいずれかから電圧が供給されて動作する。
この時計駆動システム 1 4は、 時計駆動回路 2 4 と時刻表示系 2 8 とコンデンサ 2 9から構成されている。
その時計駆動回路 2 4は、 基準クロ ック信号を発生する水晶発振 器と、 そのク ロ ック信号を分周して適当なタイ ミ ング (たとえば 1 秒毎) の信号を生成する分周回路と、 アナログ式電子時計の場合は この信号に応じてステップモータに駆動電力を供給するモータ駆動 回路などからなる。 また、 時刻表示系 2 8は時計と して時刻を認識 させる機能部であり、 アナ口グ式電子時計の場合はステップモータ やこのステップモータの回転を減速しながら伝える輪列および、 指 針や文字板などよ りなる。
デジタル式電子時計の場合には、 時計駆動回路 2 4のモータ駆動 回路に代えて計時カウンタと液晶駆動回路を、 時刻表示系 2 8のス テツプモータ, 輪列, 指針, および文字板などの代わりに、 時刻表 示用の液晶表示器を用いる。
なお、 コンデンサ 2 9は太陽電池 2 0および 2次電池 2 1からの 電気エネルギーの供給が短時間かつ一時的に中断されても、 このコ ンデンサ 2 9に蓄えられた電気エネルギーによって、 時計駆動回路 2 4 と時刻表示系 2 8 とが正常に作動するのを保証するために設け ている。
また、 この第 2実施例では、 第 1図に示した第 1実施例における 蓄電状態検出手段 1 2および制御手段 1 3に相当するものと して、 電圧測定回路 2 2および制御回路 2 3を設けている。
蓄電手段 1 1の 2次電池 2 1 と しては、 たとえばリチウムイオン 2次電池を用いる。 このリチウムイオン 2次電池は、 例えば 1. 5 Vのマンガンチタン系のリチウムィオン電池を用いた場合、 第 4図 に示すよ うに、 その放電量に対する出力電圧を示す放電特性は、 出 力電圧 1. 2 V〜 1. 4 V付近で安定した傾きを示す。
なお、 この第 4図では縦軸および横軸は任意の単位と して一般化 してあり 、 後述の説明に用いる出力電圧 V (1)乃至 V (4)と放電量 D (1)乃至 D (4)とを対応させて記入してある。
上述した第 1のスィ ッチ 2 5は、 外部からの光照射が無く て太陽 電池 2 0からの出力が無くなった時に、 2次電池 2 1から太陽電池 2 0に電流が逆流するのを防止するために設けられる。
したがって、 第 1のスィ ツチには整流性のスィ ツチ特性を有する ダイオー ドを用いる。 ダイォ一 ドは太陽電池 2 0から 2次電池 2 1 に充電するときに順方向電流が流れるよ うに接続する (ここでは、 太陽電池 2 0の正電極側にァノー ドを、 2次電池 2 1の正電極側に カソー ドを接続する) 。
第 2のスィ ッチ 2 6は、 電圧測定回路 2 2からの制御信号 S 1に 応じてオンまたはオフの状態をと り、 第 3のスィ ッチ 2 7は、 制御 回路 2 3からの制御信号 S 2に応じてオンまたはオフの状態をとる < したがって、 第 2のスィ ッチ 2 6および第 3のスィ ッチ 2 7には. 制御信号 S 1, S 2に応じてオンまたはオフの状態をとるスィッチ 特性を有する MO S (Metal- Oxide- Semiconductor) 型電界効 果 トラ ンジスタ (以下、 「MO S T」 と略記する) を用いる。
この第 2のスィ ッチ 2 6および第 3のスィ ッチ 2 7である MO S Tの接続は、 2次電池 2 1の正電極側でそれぞれのソースおよびド レインが直列接続されるようにし、 それぞれのゲートには制御信号 S 1又は S 2が印加されるよ うにする。
このよ うに接続すると、 第 2図に示すよ うに、 太陽電池 2 0と第 1, 第 2, 第 3のスィ ッチ 2 5 , 2 6, 2 7と 2次電池 2 1 とが閉 回路を形成することになる。 そして、 制御信号 S 1, S 2により第 2 , 第 3のスィッチ 2 6, 2 7を常時オンの状態にしておけば、 太 陽電池 2 0が外部からの光エネルギーを受けて発電状態にある時に は、 この閉回路によ り 2次電池 2 1への蓄電が行なわれる。 このと き、 第 1 のスィ ッチ 2 5は順方向バイァスを得て自動的にオン状態 になる。
そして、 電圧測定回路 2 2が、 制御回路 2 3からの指示により制 御信号 S 1 によって第 2のスィッチ 2 6を短時間オフにして、 2次 電池 2 1の端子間の電圧を測定することにより 2次電池 2 1の蓄電 状態を検出する。 このように、 電圧測定によって 2次電池 2 1の蓄 電状態を検出できるのは、 第 4図に示したように、 2次電池 2 1の 出力電圧が 1 . 2 Vから 1 . 4 Vの時計駆動が可能な電圧範囲におい て、 放電量と出力電圧とが直線的に変化する関係にあるからである c すなわち、 第 4図に示すように、 出力電圧が 1 . 2 Vから 1 . 4 V の範囲では、 出力電圧と放電量は比例しており、 出力電圧を測定す ることによって、 2次電池 2 1の放電量を求めることができる。 蓄 電量は最大蓄電量からこの放電量を減じた量であるから、 出力電圧 を測定することによって蓄電量が検出できるのである。
この第 2実施例では、 出力電圧が安定している 1 . 2 Vから 1 . 4 Vの範囲内で、 後述する出力電圧の基準値 (時計駆動システム 1 4 の少なく とも時刻表示系 2 8を停止させるか否かを判断するための するための基準値) V (n) を設定する。 ここでの n基準値の番号を 示す整数であり、 第 4図に示した例では 1〜 4のいずれかである。
この基準値は、 検出可能な範囲であればいくつでも設定可能であ るが、 この実施例では第 4図に示すように 1 . 2 5 V〜 1 . 3 4 Vの 間で、 0 . 0 3 V 間隔で 4つの基準値 V (1)〜V (4)のいずれかを選 択して設定できるようにする。 この基準値 V ( 1)〜 V (4)に対応する
P T JP9
3 放電量は、 その放電特性からそれぞれ D ( 1 )〜D (4)となる。 なお、 基準値 V ( 1 )〜 V (4)の大きさは、 次のの関係を有する。
V (4) < V (3)く V (2) < V ( 1)
また、 電圧測定回路 2 2によって 2次電池 2 1の出力電圧を測定 するときには、 制御信号 S 1により第 2のスィ ツチ 2 6をオフにし て、 充電時に形成する閉回路から 2次電池 2 1 を電気的に分離する ( 制御回路 2 3は、 常時は制御信号 S 2によって第 3のスィ ッチ 2 7をオンにしているが、 電圧測定回路 2 2で測定した 2次電池 2 1 の出力電圧の測定値を、 予め設定した基準値 V (n) (最初はこの基 準値を一番高いレベルの V ( 1 )にする) と比較して、 それを下回つ たときに、 制御信号 S 2によって第 3のスィ ツチ 2 7をオフにし、 2次電池 2 1から時計駆動システム 1 4への給電を停止する。
したがって、 このとき太陽電池 2 0が発電をしていなければ、 時 計駆動システム 1 4は給電されなくなり、 コンデンサ 2 9に蓄えら れた電気エネルギーを消費すると、 その時計駆動回路 2 4および時 刻表示系 2 8の動作が停止する。
そのため、 この状態でこの電子時計が長期間放置されたと しても, 2次電池 2 1の蓄電量は基準値(n)を若干下回ったレベルに保持さ れる。
その後、 復帰動作の条件と して、 例えば針合わせに代表される時 刻合わせなどの時計起動動作が行なわれたときに、 制御回路 2 3が 第 3のスィ ッチ 2 7をオンにして (第 2のスィ ッチ 2 6は常時はォ ンになっている) 、 時計駆動システム 1 4の動作を再開させる。 すなわち、 針合わせのときにはリューズを引くなどの機械的動作 がなされるので、 これを制御回路 2 3が感知して、 第 3のスィッチ 2 7をオンにする制御信号 S 2を出力する。
このとき制御回路 2 3は、 先に設定していた基準値 V (n)を一段 階レベルの低い基準値 (nを 1增加させる) に変更する。 例えば、 基準値 V (n)を第 4図に示す V ( l )に設定していた場合には V (2)に 変更する。 それによつて、 仮に太陽電池 2 0による発電が行なわれ
4 ない状態が続いたと しても、 少なく と も電圧測定回路 2 2によって 測定される 2次電池 2 1 の出力電圧が、 この変更された一段階レべ ルの低い基準値よ り下回るまでは、 時計駆動システム 1 4がその動 作を継続することができる。 したがって、 動作再開後の時刻表示動 作が安定する。
この制御回路 2 3による制御動作について、 第 3図のフローチヤ 一トに従って詳細に説明する。
この制御回路 2 3が制御動作を開始するとまず、 ステップ 3 0で 電圧測定回路 2 2からの制御信号 S 1で第 2のスィ ッチ 2 6はオン にし、 基準値の番号を示す整数 nをゼロにして時計を初期状態にす る。
この初期状態を出発点と して、 続いてステップ 3 1で、 制御回路 2 3からの制御信号 S 2で第 3 のスィ ツチ 2 7をオフにする。 それ によって、 時計駆動回路 2 4 と時刻表示系 2 8 とからなる時計駆動 システム 1 4は太陽電池 2 0からの出力電圧がない限りは停止状態 となる。
次にステップ 3 2で針合わせ動作の有無を判断し、 釙合わせ動作 が行なわれた場合はステップ 3 3へ進み、 されてない場合はそのま ま停止状態を継続する。
ステップ 3 3では nに 1 を加え (n = n + l ) 、 基準値 V (n)を 設定する。 最初は n = 0であったから n + l = lであり、 基準値 V (n)を第 4図に示す電圧レベルが一番高い V ( 1 )に設定する。
そして、 ステップ 3 4で第 3のスィ ッチ 2 7をオンにする。
ここで、 第 3のスィ ッチ 2 7をオンにする前に、 次に時計駆動シ ステム 1 4の動作を停止させる出力電圧の基準値を変更 (再設定) するための整数 nを 1増加させる演算を施すことが重要である。
この整数 nが大き く なるほど基準値の電圧レベルが低く なる。 そ して、 n = 1 の基準値 V ( 1)が最も電圧レベルが高く 、 n raaxは nの 最大値でこのときの基準値 V ( n max)が最も電圧レベルが低い。 第 4図に示す例では、 n max = 4である。 したがって、 ステップ 3 3
を通る度に、 nを 1增加させることによつて基準値を一段階レベル の低い基準値に変更することになる。
そして、 ステップ 3 4で第 3のスィ ッチ 2 7がオンになると、 す でに第 2のスィ ツチ 2 6 もオンになっているので、 時計駆動システ ム 1 4に 2次電池 2 1から電気エネルギー供給が行なわれ、 継続的 な時計駆動が可能になる。 すなわち、 通常の時計動作状態になる。 通常の時計の動作状態となつてからは、 あるタイ ミング毎に (ス テツプ 3 5 ) で電圧測定回路 2 2 よ り制御信号 S 1 を出力し、 第 2 のスィ ッチ 2 6をオフにする。 こ う して 2次電池 2 1 を閉回路から 電気的に分離した上で、 ステ ップ 3 6で電圧測定回路 2 2によ り 2 次電池 2 1 の出力電圧 Vを測定する。
出力電圧 Vを測定した後、 直ちにステップ 3 7で制御信号 S 1に よ り第 2のスィ ッチ 2 6をオンに戻す。 この第 2のスィ ッチ 2 6力; オフになっていた間は、 第 2図に示したコンデンサ 2 9に蓄積した 電気エネルギーによつて時計駆動システムは動作を持続する。
続いてステップ 3 8で、 測定された 2次電池 2 1の出力電圧 Vの 値の判別を行なう。 この判別は、 測定された出力電圧 Vの値により 3つに分岐される。
第 1 の判別は、 V (n)≤ V≤ V (η) + α の場合である。 こ こで、 αはマージンを表す電圧値であり、 V (η- 1 )と V (η)の差よ りかなり 大きく 、 V (η- 2)と V (η)との差よ り も小さな値とする。 すなわち、 現在の基準値よ り一段階のレベル差よ り大きく 、 二段階のレベル差 よ り小さい値である。 第 4図に示した例では、 この一段階のレベル 差は 0 . 0 3 V である。
しかし、 この一連の V ( η ) の値の設定は、 ほぼ電圧差を等間隔 にして行なう ことに限定されるものではなく、 V ( l ), V (2) , V (3) • · - V ( n max) の順に電圧の間隔が小さ く なるよ うに、 あるいは 大きく なるよ うにして、 放電量の間隔が D ( 1 ), D (2), D (3) . · · D ( n max) の順に小さく 、 あるいは大き く なるよ うにしてもよレ、。 また、 V ( l ) は、 2次電池 2 1 の最大蓄電 iの数分の 1程度以上
の放電量に対応した電圧に設定するとよい。 V ( l ) をあま り少量の 放電量に対応させて設定してしま う と、 時計駆動の初期にすぐに停 止モー ドになってしま う ことが起こ りやすくなる。
以上の前提を基に、 第 1 の判別の条件をみる と、 放電量は D (n) には到っていないので、 2次電池 2 1 の蓄電状態は比較的良好とい える。 これは当面太陽電池 2 0からの電力供給がないと しても、 安 定した時計駆動が保証される状態であることを示す。 そして、 この 場合は、 ステップ 3 9で所定時間の経過を待った後ステップ 3 5へ 戻り、 ステップ 3 6で 2次電池の出力電圧を測定して、 ステップ 3 8の判別を繰り返すものとする。
第 2の判別は、 V〉 V (η) + αの場合である。 この状態になると いうことは、 太陽電池 2 0の発電量が相当量あったことを示してお り 、 2次電池 2 1 の蓄電状態が第 1の判別の場合に比べて、 一層良 好である。
この場合には、 ステップ 4 0へ進んで ηの値を判別し、 η〉 2で あればステップ 4 1 で整数 ηを 1減じ ( η = η— 1 ) 、 ある時間経 過後に再度、 ステップ 3 5に戻り、 2次電池 2 1 の出力電圧を測定 し、 Vの判別過程にいたるものとする。 ステップ 4 0において η == 1 の時には、 ηは 1が最小なので、 1减じる演算は省略する。
ここで、 ηを 1減じた直後に太陽電池 2 0から発電が無くなった と しても、 マージン αは前述のように、 V (η- 1 ) と V (n)の差より力 なり大き く 、 V (n-2)と V (n)との差よ り も小さな電圧値と してある ので、 すぐに時計駆動が停止してしま う ことはない。
第 3の判別は、 V < V (n)の場合である。 この状態になるという ことは太陽電池 2 0の発電量が非常に少なかつたことを示しており、 2次電池 2 1 の蓄電状態が第 1 の判別の場合に比べて、 悪化した状 態である。
この場合には、 ステップ 4 2で nの値を判別し、 nく n max であ ればステップ 3 1 に戻り、 制御回路 2 3 より第 3のスィ ッチ 2 7を オフにする制御信号 S 2を出力する。 その結果、 2次電池 2 1から
時計駆動システム 1 4への電力供給を絶つ。 したがって、 時計駆動 システム 1 4の時計駆動回路 2 4 と時刻表示系 2 8の動作は、 太陽 電池 2 0からの電力供給がない限りは停止することになる。
こ う して、 2次電池 2 1の蓄電状態のさらなる悪化を防止するの である。
また、 ステップ 4 2において、 n = n max であれば、 ステップ 4 3で所定時間の経過を待ち、 ステップ 3 5, 3 6へ進んで再度 2次 電池 2 1 の出力電圧 Vを測定する。 その間に太陽電池 2 0による発 電が開始されていれば、 その電気エネルギーが 2次電池 2 1 に蓄電 され、 ステップ 3 8の判断で、 V < V (n) になる場合もあり得る。 この実施例では、 ステップ 4 2で整数 nの判別を行ない、 n == n max の場合には例外的に第 3のスィ ッチ 2 7をオフにせず、 時計駆 動を停止させないよ うにした。 これは、 2次電池 2 1の蓄電量がほ とんど無い状態では、 蓄電状態のさらなる悪化を防止する意味が小 さいこと と、 その後に太陽電池 2 0が発電を開始した場合に、 その 電気工ネルキーを 2次電池 2 1 に蓄電してその蓄電状態を改善でき る可能性を持たせるためである。 しかしながら、 このよ うな例外を 設けずに、 ステップ 3 8の判断で V < V (n) の場合には、 ステップ 4 2 の nの判別は省略してステップ 3 1 に進み、 第 3のスィ ッチ 2 7 をオフにするよ うにしてもよい。
この第 2実施例において特に重要なのが、 第 3図のフローチヤ一 ト中での第 3の判別である。 この場合、 時計駆動システムの動作を 停止させて 2次電池 2 1の蓄電状態のさらなる悪化を防止するが、 この効果は時計を再起動した場合に顕著に現れるのである。
すなわち、 再起動は前述した様に針合わせの動作などによ り起こ り 、 この時同時に整数 nを 1増加させる演算を行なうのはすでに説 明したとおりである。 この結果と して、 再起動後に第 3図のフロー チャー トにしたがって実施される 2次電池 2 1 の出力電圧 Vの判別 を行なう際、 その判別の基準値が先に設定されていた V (n)から新 たな基準値 V (n+ 1 ) に 1段階電圧レベルが低い値になる。 そのため、
少なく とも 2次電池 2 1の放電量が D (n+ 1 ) になるまでは、 たとえ 外部からのエネルギー供給が無くても時計駆動システム 1 4が動作 を継続することになる。
すなわち、 時計駆動システム 1 4の動作を停止させるか否かを判 断するための出力電圧の基準値を段階的に下げていく ことにより、 再起動後にすぐに充分な蓄電がなされない場合でも、 時計表示がす ぐに停止してしま うようなことがなくなり、 長時間の安定した時計 駆動が保証される。
これは、 太陽電池時計のように、 起動後にたまたま時計が袖の下 に隠れて外光がほとんど時計に照射されず、 発電量が確保できなく なり易いもの、 あるいは、 高レベルの発電量を得るのが困難で短時 間での蓄電が困難な場合にはとくに有用である。 後者の例と しては、 体温と外気温との温度差を熱電対で電気エネルギーに変換する熱電 発電時計がある。
また、 この実施例では、 電圧測定回路 2 2によって測定した 2次 電池 2 1 の出力電圧が設定した基準値を下回ったときに、 制御回路 2 3が第 3 のスィ ツチ 2 7をオフにして、 時計駆動システム 1 4の 動作を全て停止させるようにした。
しかし、 これに代えて前述の第 1実施例と同様に、 制御回路 2 3 によつて直接時計駆動システム 1 4を制御して、 その時刻表示系 2 8 と、 時計駆動回路 2 4內のモータ駆動回路あるいは液晶駆動回路 などだけの動作を停止させ、 水晶発振器や分周回路, 計時カウンタ などは動作させたままにするようにしてもよい。 そのようにすれば、 時計駆動再開時に時刻表示系 2 8の時刻合わせを自動的に行なうこ とができる。
なお、 第 2図では説明の煩雑さを避けるために、 蓄電手段 1 1に 機能分離させた第 2のスィ ツチ 2 6 と第 3のスィ ッチ 2 7を設けた が、 実際にはこれを 1つのスィ ッチと して、 制御信号 S 1, S 2 と によって制御を行なうことも可能である。
また、 発電手段 1 0としては、 太陽電池 2 0以外に、 回転錘と電
磁発電機、 熱電発電器などを用いることもできる。
さらに、 蓄電手段 1 1 と しては、 2次電池 2 1以外に、 大容量の コンデンサなどを用いることもできる。
蓄電状態検出手段と しては、 電圧測定回路 2 2以外に、 電流積分 回路などを用いることもできる。
なお、 蓄電手段 1 1の蓄電量の求め方は、 その蓄電手段 1 1の出 力電圧を用いて行なったが、 これに限定されるものでない。 また、 蓄電量の代わりに蓄電手段 1 1の電圧変化率を求めたり しても同様 な効果が得られる。
[第 3実施例]
次に、 この発明による電子時計の第 3実施例について、 第 5図乃 至第 8図によって説明する。
第 5図はその電子時計の全体構成を示すプロック図である。
この第 3実施例の電子時計は、 外部からのエネルギーによつて発 電して電気エネルギーに変換する発電素子 4 6 と、 その発電工ネル ギ一の逆流を防止するためのダイオード 4 7を直列に接続した発電 手段 4 5を備えている。
この発電素子 4 6は、 熱電対を複数積層して両端に温度差を与え ることにより発電を行なう熱電発電素子を用いる。 また、 図示はし ないが、 発電素子 4 6は温接点が電子時計の裏蓋に接触し、 冷接点 が電子時計の表面に接触し、 使用者が電子時計を携帯することで発 電素子 4 6の両接点に温度差が発生して発電を開始することが可能 な構造となっている。
ダイオード 4 7と しては、 比較的電圧降下のわずかな、 ショ ッ ト キバリァダイォードのようなダイォードを用いる。
そして、 第 5図に示すように、 時計駆動システム 8 0 と制御手段 5 0は発電手段 4 5に並列に接続されており、 蓄電手段 9 0はスィ ツチ手段 1 0 0を介してこれらに並列に接続されている。 したがつ て、 時計駆動システム 8 0 と制御手段 5 0は、 発電手段 4 5の発電
エネルギーと蓄電手段 9 0の蓄電エネルギーの一方又は両方が供給 されて動作可能になっている。
スィ ツチ手段 1 0 0 と しては、 Pチャネル MO S電界効果 トラン ジスタ (以下単に 「F E T」 と略記する) を用いており、 この F E Tの ドレイ ン (D) は、 発電手段 4 5の正電極 (プラス) 端子と接 続している。 このスィ ッチ手段 1 0 0は、 時計駆動システム 8 0内 の時計駆動回路 8 1を含む集稍回路内に設けることができる。
一方、 蓄電手段 9 0 と しては、 リチウムイオン 2次電池を用いて おり 、 蓄電手段 9 0の正電極はスィ ッチ手段 1 0 0のソース ( S) と接続している。
制御手段 5 0はスィ ッチ手段 1 0 0のスィ ッチ動作、 すなわちォ ン /オフ制御を行ない、 発電手段 4 5 と蓄電手段 9 0とを電気的に 切断したり接続したりする。 そのため、 制御信号 S 3をスィ ッチ手 段 1 0 0である F E Tのゲー トと蓄電状態検出手段 6 0とに出力し ている。 そして、 蓄電手段 9 0の負電極は発電手段 4 5の負電極と 接続することにより、 蓄電手段 9 0は発電手段 4 5に対して閉回路 を形成している。
さらに、 発電検出手段 7 0は、 発電手段 4 5の発電状態を検出す るアンプ回路であり、 発電手段 4 5の発電素子 4 6の正極端子の発 電電圧 V 1を入力し、 その発電検出信号 S 4を制御手段 5 0へ出力 して ゝる。
この発電検出手段 7 0が、 発電手段 4 5が発電していることを検 出する方法と して、 発電手段 4 5の発電電圧 V 1がある一定レベル を超えているか否かで行なう ことにしている。 この一定レベルの値 を例えば 1. 0 Vと設定し、 発電検出手段 7 0は発電手段 4 5から 出力される発電電圧 V 1がこの 1. 0 Vを超えると発電検出信号 S 4をハイ レベルにし、 それ以外ではロ ウレベルにしている。
一方、 蓄電状態検出手段 6 0は、 蓄電手段 9 0の端子間電圧のレ ベルによって蓄電手段 90の充電残量を検出するアンプ回路であり 蓄電手段 9 0の端子間電圧である蓄電電圧 V 2を入力し、 その残量
検出信号 S 5を制御手段 5 0へ出力している。
この実施例では、 蓄電手段 9 0の残量不足を蓄電状態検出手段 6 0が判断する方法と しては、 上述の発電検出手段 7 0の場合と同様 に、 蓄電電圧 V 2が一定レベルを超えているか否かで行なう ことに している。 この一定レベルの値を例えば 1 . 2 V と設定し、 蓄電状 態検出手段 6 0は、 蓄電手段 9 0の蓄電電圧 V 2がこの 1 . 2 V を 超えていれば残量検出信号 S 5をハイ レベルにし、 それ以外では蓄 電手段 9 0が残量不足であることを示すロ ウレベルにする。
さらに、 制御手段 5 0は発電検出手段 7 0 と蓄電状態検出手段 6 0の各検出信号 S 4, S 5によって、 時計駆動システム 8 0の動作 を制する。
時計駆動システム 8 0は、 時計駆動回路 8 1 と時刻表示系 8 2 と コンデンサ 8 3 とが並列に接続されて構成されている。
この時計駆動回路 8 1 と時刻表示系 8 2 とは、 一般的な電子時計 の時計ムーブメン トに相当する。
ここでは、 時刻表示系 8 2 と して、 時刻表示用の指針およびそれ を駆動するためのステップモータ等を備えたアナ口グ式のものを用 いる。
コンデンサ 8 3 と しては電解コンデンサを用い、 例えばその容量 が 1 0 μ F程度のものを用いる。
また、 この時計駆動システム 8 0は、 時計駆動回路 8 1が出力す るクロ ック信号 S 6 と、 時刻表示系 8 2が出力する リ ュゥズ信号 S 7 とを制御手段 5 0に伝達している。 このクロ ック信号 S 6 と リ ュ ゥズ信号 S 7については後で詳しく説明する。
また、 この制御手段 5 0は、 時計駆動システム 8 0の動作を制御 する制御信号 S 8を時計駆動回路 8 1へ伝達している。 この制御信 号 S 8についても後で詳しく説明する。
第 6図に、 時計駆動システム 8 0の時刻表示系 8 2の具体例と制 御手段 5 0および蓄電状態検出手段 6 0ならびに発電検出手段 7 0 との関連構成を示す。
この時計駆動システム 8 0の時計駆動回路 8 1 は一般的な電子時 計に用いられる水晶発振器と分周回路とモータ駆動回路などからな り、 水晶発振器が発生するク ロ ック信号を分周回路で少なく と も周 期が 2秒になるまで分周し、 その分周した信号によってモータ駆動 回路がステップモータの駆動波形を発生する。
時刻表示系 8 2は、 第 6図に示すよ うに、 時計駆動回路 8 1 内の モータ駆動回路によつて発生される駆動波形によってステツプ駆動 されるステップモータ 8 6 と、 その回転を減速して指針に伝達する 輪列 8 9 と、 その輪列 8 9によって回動されて時を示す短針 8 7お よび分を示す長針 8 8 とからなる指針と、 図示しない文字板などか らなる。
なお、 時計駆動回路 8 1 と、 発電検出手段 7 0, 蓄電状態検出手 段 6 0, および制御手段 5 0は、 一般的な電子時計と同様に、 相補 型 M O S トランジスタ (C M O S ) で構成した集積回路を用いて構 成される。
また、 時計駆動回路 8 1 は、 その内部の水晶発振器で発生したク ロ ック信号を分周した信号 S 6を制御手段 5 0に入力している。 こ の信号 S 6は、 例えば周期が 2秒の矩形波であり 、 後述のよ うにス イ ッチ手段 1 0 0のオンノオフ制御など制御手段 5 0の制御動作に 用いる。
また、 一般的な時計の構成と同様に、 時刻表示系 8 2には表示時 刻を使用者が手動で修正するためのリ ユウズ 8 4 と機械スィ ツチ 8 5 とを備えている。
リュウズ 8 4は、 引いて回転させると時刻表示系 8 2の短針 8 7 及び長針 8 8が回転して、 表示時刻を希望する時刻に修正すること ができるものである。
また、 このリ ュウズ 8 4には機械スィ ツチ 8 5を接続している。 その機械スィ ッチ 8 5は、 リ ュウズ 8 4が押し込まれた状態にあれ ばハイ レベルで、 リ ュウズ 8 4が引き出された状態にあれば口 ゥレ ベルとなる リ ュゥズ信号 S 7 を出力する機械接点である。
このリ ュウズ信号 S 7は制御手段 5 0に入力し、 リ ュウズ 8 4 の 状態をロジック信号により伝達可能になっている。
さらに、 制御手段 5 0からは制御信号 S 8が時計駆動回路 8 1に 伝達される。 そして、 時計駆動回路 8 1 は、 その制御信号 S 8がハ ィ レベルのときはモータ駆動回路を動作させてステップモータ 8 6 の駆動波形を時刻表示系 8 2へ送り、 ステツプモータ 8 6を駆動し て時刻表示動作を行なわせる。
制御信号 S 8がロ ウレベルのときには、 時計駆動回路 8 1 の少な く と もモータ駆動回路おょぴ時刻表示系 8 2の動作を停止させるよ うに構成している。
つぎに、 この第 3実施例の電子時計における蓄電状態検出手段 6 0 と発電検出手段 7 0 と制御手段 5 0の具体的な回路例を第 7図に 示す。
この第 7図に示すよ うに、 蓄電状態検出手段 6 0は、 蓄電手段 9 0から蓄電電圧 V 2を入力し、 その入力電圧が予め設定された基準 値 (例えば 1 . 2 V ) を超えたときにハイ レベルとなり、 それ以外 はロウレベルとなる出力信号 S 9を出力するよ うにスレツショルド 電圧を設定したアンプ回路 6 1 と、 その出力信号 S 9を制御手段 5 0から入力される制御信号 S 3 の立下がりでラ ッチするラッチ回路 6 2 とから構成され、 そのラツチされた出力信号が残量検出信号 S 5である。
また、 発電検出手段 7 0は発電検出アンプ 7 1 と遅延抵抗 7 4 と 遅延コンデンサ 7 5 と放電ダイオード 7 6 と検出出力アンプ 7 7 と で構成している。
遅延抵抗 7 4 と遅延コンデンサ 7 5 と放電ダイオード 7 6は、 ― 般的に用いられる波形の立上がり遅延回路である。
発電検出アンプ 7 1 は前述の通り発電手段 1 0の発電電圧 V 1が 1 . 0 Vを超えたときに出力をハイ レベルにし、 それ以外は口 ウレ ベルにするようにス レツショルド電圧を設定したアンプ回路である。 発電検出アンプ 7 1 の出力信号 S 1 0の立上りは、 遅延抵抗 7 4
と遅延コンデンサ 7 5の時定数によって遅延され、 出力信号 S 1 0 の立下り時には、 遅延コンデンサ 7 5に充電された電荷は放電ダイ オー ド 7 6を通して直ちに放電して立下がる。
検出出力アンプ 7 7は、 その立上がり遅延回路によって遅延され た波形の遅延信号 S 1 1のレベルが 1 . 0 Vを超えたときに出力を ハイ レベルにし、 それ以外はローレベルにして発電検出信号 S 4 と して出力する。
遅延回路を形成する遅延抵抗 7 4 と遅延コンデンサ 7 5は、 いわ ゆる R C回路であり、 この R C回路の時定数を基準に有効発電検出 の遅延時間 D Tが生じるようになつている。
なお、 この遅延時間 D Tは第 8図の波形図に示している。
ここで、 この遅延時間 D Tを 1 0秒に設定するとすれば、 遅延コ ンデンサ 7 5が l ju Fのとき遅延抵抗 7 4は約 1 0 M Ωである。 た だし、 遅延コンデンサ 7 5の容量が 1 F と大きい場合、 遅延コン デンサ 7 5は前述の集積回路内に形成するのは難しいので、 外付で 設けることになる。
この遅延回路の動作と しては、 発電検出アンプ 7 1 の出力信号 S 1 0の波形が立上がったときは、 発電検出アンプ 7 1から遅延抵抗 7 4を介して遅延コンデンサ 7 5にゆっく り と電荷が蓄積し、 所定 の遅延時間 D Tの経過後に、 遅延コンデンサ 7 5の非接地側の端子 電圧が検出出力アンプ 7 7內の論理回路のスレツショ ルド電圧を超 え、 その出力である発電検出信号 S 4がハイ レベルになる。
逆に、 発電検出アンプ 7 1 の出力信号 S 1 0の波形が立下がった ときは、 遅延コンデンサ 7 5に蓄積した電荷は放電ダイォード 7 6 を介して発電検出アンプ 7 1の出力端子へ流れ込み、 遅延コンデン サ 7 5の非接地側端子の電圧は瞬間的に口ゥレベルに下がる。
従って、 この発電検出手段 7 0は、 発電検出アンプ出力信号 S 1 0の波形が立ち上がって有効発電時間の間ハイ レベルを継続すると きは、 発電検出信号 S 4は発電検出アンプ出力信号 S 1 0に対して 有効発電時間だけ遅れて波形が立上がり、 発電検出アンプ出力信号
S 1 0の波形が立下がるときは、 発電検出信号 S 4は瞬時に口 ウレ ベルとなるよ うに動作する。
このよ うに、 発電検出アンプ 7 1の出力信号 S 1 0の波形を遅延 させることによ り、 その信号レベルがノィズ等によ り突発的にハイ になったの力 、 発電されてハイになったのかを判定できる。 したが つて、 遅延回路によ り、 この有効発電検出の遅延時間 D Tを設ける ことによ り、 ノイズ等による誤動作を防ぐことができる。
しかし、 発電素子 4 6の内部抵抗が蓄電手段 9 0の内部抵抗と比 較して大きなときは、 発電検出手段 7 0は正確な発電電圧を検出で きなく なるので、 検出出力アンプ 7 7の出力側にラッチ回路を挿入 して、 制御信号 S 3の立下りでラッチをかけて、 そのラッチした検 出出力アンプ 7 7の出力信号を発電検出信号 S 4 と して出力するよ うにしてもよレ、。
制御手段 5 0は、 タイマ 5 1 と波形変換回路 5 2 とオアゲー ト 5 3 とアン ドゲー ト 5 4 とによって構成されている。
波形変換回路 5 2は、 第 6図に示した時計駆動回路 8 1からのク ロ ック信号を分周した信号 S 6を入力して、 その立上がりに同期し た短いパルス幅のパルス信号に変換して、 蓄電状態検出用の制御信 号 S 3 と して、 帯電状態検出手段 6 0のラッチ回路 6 2 と第 5図に 示したスィ ツチ手段 1 0 0である F E Tのゲー トに出力する。
この波形変換回路 5 2 と しては、 例えば単安定マルチバイブレー タを使用することができる。
そして、 タイマ 5 1 には、 発電検出手段 7 0からの発電検出信号 S 4がー方のタイマスター ト端子 Aに入力されており、 その発電検 出信号 S 4がローレベルからハイ レベルになる立上がり時にこのタ イマ 5 1がリセッ トされて一定時間 Tのタイマ動作を開始する。
また、 このタイマ 5 1の他方のタイマスタ一 ト端子 Bにリ ュウズ 信号 S 7が入力しており、 そのリ ュゥズ信号 S 7がローレベルから ハイ レベルになる立上がり時 (第 6図に示したリュウズ 8 4が引き 出された後押し込まれた時) にも、 このタイマ 5 1がリセッ トされ
て一定時間 Tのタイマ動作を開始する。
このタイマ 5 1の出力信号 S 1 2は、 このタイマ 1 5を含む集積 回路の始動時を含む常時は口 ゥレベルであり、 上述した発電検出信 号 S 4又はリ ュゥズ信号 S 7の立上がりによってタイマ動作を開始 してから一定時間 Τ (基準時間 : 第 8図に示す) の間だけハイ レべ ルになる。 このタイマ 5 1 と しては、 再ト リガ可能な 2入力の単安 定マルチバイブレータを使用することができる。
したがって、 このタイマ 5 1 がタイマ動作中に発電検出信号 S 4 又はリ ュゥズ信号 S 7が再び立上がると、 それまでのタイマ動作が リセッ トされて新たに一定時間 Τのタイマ動作を開始し、 さらに一 定時間 Τの間は出力信号をハイ レベルに保つ。 この一定時間 Τをこ の実施例では、 例えば 5分に設定する。
オアゲー ト 5 3は、 タイマ 5 1の出力信号 S 1 2 と、 蓄電状態検 手段 6 0からの残量検出信号 S 5 と、 発電検出手段 7 0からの発電 検出信号 S 4 とを入力してその論理和を出力信号 S 1 3 と して出力 する。 そして、 アン ドゲー ト 5 4は、 このオアゲー ト 5 3の出力信 号 S 1 3 と リ ュウズ信号 S 7 との論理穢を制御信号 S 8 と して、 時 計駆動回路 8 1へ出力する。
つぎに、 第 8図も用いてこの第 3実施例の電子時計の動作を説明 する。 第 8図は、 第 6図乃至第 7図に示す回路中における各信号の 波形と相互の関係を示すタイ ミ ング図である。
この電子時計が長期間放 Sされ、 蓄電手段 9 0の蓄電量がほぼ空 の状態となっているよ うなとき、 発電手段 4 5が発電を開始した場 合の動作を説明する。
発電手段 4 5が発電を開始すると、 まず第 5図に示した時計駆動 システム 8 0内のコンデンサ 8 3にエネルギーが蓄積し、 時計駆動 システム 8 0 と制御手段 5 0 と発電検出手段 7 0 と蓄電状態検出手 段 6 0 とが初期化され、 動作を開始する。
そして、 発電検出手段 7 0は、 第 7図に示した発電検出アンプ 7 1 に入力される発電電圧 V 1が、 前述のように一定レベルである
1 . 0 V を超えた状態が遅延抵抗 7 4 と遅延コンデンサ 7 5による 遅延時間 D Tよ り長く継続すれば、 発電検出信号 S 4をロ ウレベル 力: >らノヽィ レべノレにする。
それによつて、 発電検出信号 S 4を入力の一つとするオアゲート 5 3は、 他の入力の如何に係わらず出力信号 S 1 3をハイ レベルに する。 そして、 リ ュウズ 8 4が押し込まれた状態であれば、 リ ュウ ズ信号 S 7はハイ レベルであるので、 ァン ドゲ一 ト 5 4の出力であ る制御信号 S 8はハイ レベルになる。
この制御信号 S 8がハイ レベルであれば、 時計駆動システム 8 0 は時刻表示系 8 2を含む全ての動作を開始し、 第 6図に示したステ ップモータ 8 6を駆動して指針 (短針 8 7 と長針 8 8 ) の運針を開 始する。
この時、 時計駆動回路 8 1 は内部の水晶発振器によつてク ロ ック 信号を発生しており、 それを分周した一定周期のパルス信号 S 6が 制御手段 5 0に入力される。
それによつて、 第 7図に示す制御手段 5 0內の波形変換回路 5 2 がそのパルス信号 S 6の立上がりに同期した短いパルス幅の制御信 号 S 3をスィ ッチ手段 1 0 0である F E Tのゲー トに出力し、 一定 の周期でスィ ッチ手段 1 0 0をオフにする。
したがって、 スィ ツチ手段 1 0 0はこの制御信号 S 3が口ウレべ ルの期間はオンとなり、 発電手段 4 5によつて発電される電気エネ ルギ一は蓄電手段 9 0へ送り込まれ、 それに蓄積される。
スィ ツチ手段 1 0 0がオフになった時は、 蓄電手段 9 0が他の部 分から分離され、 その出力電圧 V 2を蓄電状態検出手段 6 0によつ て検出するが、 第 7図に示すアンプ回路 6 1 の出力信号 S 9をラッ チ回路 6 2が制御手段 5 0からの制御信号 S 3の立下がりでラッチ し、 残 i検出信号 S 5 と して出力する。
そして、 発電手段 4 5が発電停止状態になると、 蓄電手段 9 0の 出力電圧 V 2は徐々に低下し、 それが基準値である 1 . 2 Vを下回 ると、 残量検出信号 S 5がロ ウレベルとなり、 蓄電手段 9 0が残量
不足であることを示す。
このとき、 タイマ 5 1は初期化状態のままで、 出力信号 S 1 2は ロ ウレベルであり 、 発電検出信号 S 4 もロ ウレベルであるので、 残 量検出信号 S 5がロ ウレベルになると、 オアゲー ト 5 3の出力信号 S 1 3 もロ ウレベルになり、 それによつてアン ドゲー ト 5 4の出力 である制御信号 S 8 もロウレベルになるので、 時計駆動システム 8 0は時刻表示系 8 2等の動作を停止し、 指針の駆動を停止する。 なお、 蓄電手段 9 0の出力電圧 V 2が 1 . 2 Vを若干下回った時 点では、 まだ蓄電手段 9 0の残量が空になるまでには充分余裕があ り、 時計駆動システム 8 0の駆動も充分可能なレベルである。
つぎに、 この指針の駆動を停止した状態から発電を開始したとき の説明を行なう。
この電子時計を使用者が長時間放置した後再び使用しょ う とする ときは、 発電手段 4 5内の発電素子 4 6が発電可能となるよ うに外 部からエネルギーを与える。
この実施例では、 発電素子 4 6の両端に温度差を与えて発電手段 4 5が発電を行なう ことが可能となるよ うにする。
それによつて、 発電手段 4 5が発電を開始し、 その発電電圧 V I が一定レベル ( 1 . 0 V ) 以上の状態が有効発電検出の遅延時間 D T以上継続すると、 発電検出手段 7 0による発罨検出信号 S 4がハ ィ レベルとなり、 前述の電子時計の始動時と同様な動作を行なうの で、 時計駆動システム 8 0は時刻表示系 8 2による指針の駆動を開 始する。
また、 前述の電子時計の始動時には説明しなかったが、 蓄電状態 検出手段 6 0が残量不足を検出している間に発電手段 4 5が発電を 開始し、 発電検出信号 S 4がハイ レベルに立上がると、 タイマ 5 1 がタイマ動作を開始し、 その出力信号 S 1 2を一定時間 Tの間だけ ノヽィ レベ/レにする。
このタイマ 5 1 の出力信号 S 1 2がハイ レベルとなっている間は オアゲー ト 5 3は他の入力に関係なく 出力信号 S 1 3をハイ レベル
にする。 すなわち、 タイマ 5 1 の出力信号 S I 2がハイ レベルにな つている間は、 発電手段 4 5による発電が停止して発電検出信号 S 4がロウレベルになったと しても、 急にオアゲー ト 5 3の出力が立 下がってしま う ことはない。
オアゲー ト 5 3 の出力信号 S 1 3がハイ レベルであれば、 アン ド ゲ一 ト 5 4の出力はハイ レベルであるので、 少なく と も一定時間 T の間は制御信号 S 8はハイ レベルとなる。
したがって、 この制御信号 S 8は、 発電検出手段 7 0がひとたび 発電開始を検出した後は少なく と も一定時間 (基準時間) Tの間は ハイ レベルとなり、 発電の状態によらず時計駆動システム 8 0は時 刻表示系 8 2による時刻表示動作 (運針) を継続できる。
ところが、 このよ うなときは、 時刻表示が停止していた後である から、 時刻表示系 8 2によって表示される時刻は実際の時刻とは異 なっている。 そのため、 使用者がその表示時刻を実際の時刻に修正 するため、 一般的な時計と同様に第 6図に示したリ ュウズ 8 4を引 き出して回転させ、 短指 8 7及び長針 8 8 を回して表示時刻を現在 の時刻に合わせる。 その後リ ュウズ 8 4を押し込むと、 時刻表示運 針を再開する。
このとき、 機械スィ ツチ 8 5はリ ュウズ 8 4を引いている間だけ リ ュウズ信号をロ ウレベルにする。 したがって、 リ ュウズ 8 4が引 かれて表示時刻修正の操作を行なっている間は、 アン ドゲート 5 4 の出力である制御信号 S 8がロ ウレベルとなり 、 時計駆動システム 8 0は運針による時刻表示の動作を停止する。
そして、 表示時刻修正操作を終了してリ ュウズ 8 4が押し込まれ ると、 リュ ウズ信号 S 7がハイ レベルに立上がるので、 タイマ 5 1 に再ト リガがかかり、 タイマ 5 1 はリセッ ト して再び一定時間丁の タイマ動作を開始するので、 その一定時間 Tの間はその出力信号 S 1 2がハイ レベルになる。
このタイマ 5 1 の出力信号 S 1 2がハイ レベルの間はオアゲー ト 5 3の出力信号 S 1 3 もはハイ レベルになり、 アン ドゲー ト 5 4の
出力である制御信号 S 8 もハイ レベルになる。
すなわち、 リ ュウズ 8 4を押し込んでから少なく と も一定時間 T の間は、 時計駆動システム 8 0による時刻表示動作 (運針) が継続 する。
このよ うに、 この電子時計は、 長期間使用されずに放置されてい た場合でも、 発電手段 4 5による発電開始後、 あるいは表示時刻の 修正操作後に時刻表示動作 (運針) が開始され、 少なく と も一定時 間 (例えば 5分間) はその時刻表示動作 (運針) が中断することな く継続される。
したがって、 その間にこの電子時計を発電手段 4 5が発電を継続 可能な環境下におく ことによ り、 時計駆動システム 8 0は安定した 時刻表示動作を継続することができる。
また、 蓄電手段 9 0の蓄電量が予め設定した基準値を下回り、 且 つ発電手段が発生する電気エネルギーが一定レベル以下に成ってい る (発電していない) 場合にのみ時計駆動システム 8 0による時刻 表示動作を停止させ、 時計表示時刻の修正操作だけでなく 、 発電検 出手段 7 0によって発電手段 4 5が一定レベル以上の電気工ネルギ 一を発生していることが検出されたとき も再開させるよ うにすれば、 時刻表示を停止する回数あるいは期間を少なく して、 一層安定した 時刻表示が可能になる。
なお、 これまでに説明した発電再開時の動作は、 蓄電手段 9 0の 残量が充分ではないが、 時計駆動システム 8 0を駆動することが可 能なレベルの残量の電気エネルギーによって行なわれる。
これは蓄電手段 9 0が残量不足となった後は、 前述のよ うに時計 駆動システム 8 0が少なく ともその時刻表示動作を停止することに よって、 電子時計の消费電力が著しく低下するため、 蓄電手段 9 0 に蓄えている残りの電気エネルギーが長期間の放置によってもあま り低下しないためである。
この実施例では、 タイマ 5 1 と して 2入力の単安定マルチバイブ レ一タを用いること と したが、 より簡単にフリ ップフ口 ップを直列
に複数接続することによっても同様なタイマを構成するこ とができ る。 また、 発電手段 4 5の発電素子 4 6 と しては、 熱電発電素子 を用いること と したが、 主と して時計の携帯時に発電するよ うな性 格の発電器であれば発電手段 4 5 と して用いることが可能である。
と く に、 回転錘の機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換し て利用する機械発電式の発電器や、 太陽電池も発電素子 4 6 と して 利用可能である。
さらに、 この実施例では記載していないが、 一般的な時刻修正式 の電子時計のよ うに、 計時手段の表示指針の位置を記億する指針位 置記憶手段と、 外部から基準時刻情報を取得する時刻情報受信手段 とを組み合わせて、 電子時計が時刻表示停止から復帰する際に表示 時刻を現在の時刻に自動的に修正する機能を負荷すること も可能で ある。
また、 この第 3実施例はアナ口グ式の電子時計にこの発明を適用 した場合の例で説明したが、 時刻表示系 8 2に液晶表示器を使用す るデジタル式の電子時計にも同様に適用することができる。 その場 合には、 時計駆動回路 8 1 内の水晶発振器と分周回路および計時力 ゥンタは時刻表示動作を停止している間も動作させておけば、 時刻 表示を再開するときに、 直ちに正確な現在の時刻を表示することが 可能である。 産業上の利用可能性
以上説明してきたよ うに、 この発明による電子時計は、 蓄電手段 の残量が不足したとき、 まだ時計駆動システムを動作させる余裕が あるうちに少なく ともその時刻表示の動作を停止し、 発電開始や時 計合わせ動作等の復掃動作の条件を検知した場合には、 その停止し た時刻表示動作を再開し、 少なく とも予め設定された条件 (蓄電量 が所定レベルまで下がるまで又は予め設定した一定時間) の間はそ の時刻表示動作を継続する。
したがって、 使用者が電子時計を装着して使用しよう と したとき、
その時刻表示が開始されると、 その後に充分な発電がなされなかつ た場合でも、 すぐに時刻表示動作が停止してしま う よ うなことがな く 、 安定した初期時刻表示がなされ、 その間に充分な発電が開始さ れれば再び停止することなく時刻表示が安定して継続するので、 使 用者が安心して使用できる。 それによつて、 発電手段內蔵の電子時 計の信頼性を高め、 商品価値を高めることができる。