明 細 書
ス ポ ゾ ト 溶接 ロ ボ ッ 卜 の制 御方法
技 術 分 野
本発明は、 スポ ッ ト溶接ロ ボッ トの制御方法の改良に 関 し、 特に溶接ガンに加圧指令を発するタ イ ミ ングが正 確に得られるよ う に した制御方法に関する。
背 景 技 術
スポ ッ ト溶接を行う ロボッ トの制御方法と して、 以下 の 2態様が公知である。 その第一は、 ( 1 ) スポ ッ ト溶 接のための位置決め動作の完了を検出する、 ( 2 ) スポ ヅ ト溶接ガンにガン加圧指令を出力する、 ( 3 ) ス ポ ヅ ト溶接ガンからの加圧完了信号の入力を検出する、 ( 4 ) 溶接指令を出力 してスポ ゾ 卜溶接ガンによる溶接作業を 行わせる、 と いう動作を順に実行する方法である。 第二 は、 ( 1 ) スポッ ト溶接のための位置決め動作の完了を 検出する前に (すなわち、 スポッ ト溶接のための位置決 め動作を行う間に) 、 ガン加圧指令を出力する、 ( 2 ) ガン加圧完了信号の入力を検出する、 ( 3 ) 溶接指令を 出力 してスポ ゾ ト溶接ガン溶接作業を行わせる方法であ る。
こ こで、 上記第二の態様のロボッ ト制御方法について 図 5 のタイ ミ ングチャー ト を用いて説明する。 なお、 こ のタイ ミ ングチャー トで、 (b) のガン加圧指令はスポ ッ ト溶接ガンに溶接の準備動作を行わせるための加圧指令 であ り、 (c) の溶接指令は、 予めロボヅ ト コ ン ト ローラ
に設定された電流および電圧の溶接条件に基いてス ポ ヅ ト溶接ガンに実際の溶接動作を行わせるための指令であ り、 共に、 ロボッ ト コ ン ト ローラからスポ ヅ ト溶接ガン に出力される指令である。 さ ら に、 (d ) の溶接完了信号 は、 溶接作業が全て完了 した時点でスポ ッ ト溶接ガンか ら ロボヅ ト コ ン ト ローラ に出力される確認信号である c また、 (e ) の加圧完了信号は、 加圧完了が検出されたス ポ ヅ ト溶接ガンによってロボヅ ト コ ン ト ローラ に向けて 出力される確認信号である。
この図 5のタイ ミ ングチャー ト において、 スポ ッ ト溶 接のための位置決め動作を行っている間 (時刻 t 2での 位置決め動作完了前) に、 予めガン加圧指令を出力 (時 刻 t l ) し、 加圧完了信号の入力を検出 (時刻 t 3 ) し て溶接指令を出力する こ と によ り溶接作業を行わせて い る。 さ ら に、 スポッ ト溶接ガンからの溶接完了信号を検 出 (時刻 t 4 ) した後、 所定時間 (時刻 t 5 まで) 待機 して、 次の溶接位置への位置決め動作を開始させるよう に している。
この公知の制御方法による と、 使用するガンに関 して、 予め、 そのガンに加圧指令を発してから加圧が完了 して 加圧完了信号が得られるまでの時間を予想加圧所要時間 T O と して推定 して、 ロボヅ ト コ ン ト ローラ に記憶させ てお く。 そこで、 スポ ッ ト'溶接のための位置決め動作を 開始.する に先だって、 目標位置までの移動距離 L と ロ ボ ヅ 卜の指令移動速度 Fのデータ と に基いて ロボヅ 卜の位
置決めに必要と される移動時間 T (時刻 t 0 か ら時刻 t 2 までの経過時間) が算出される。 次いで、 その移動 時間 T と ロボッ ト コ ン ト ロ一ラ に記憶させてお いた上記 予想加圧所要時間 T O との差 ( T一 T O ) が計算される。 そう して、 ガン加圧指令を発するタイ ミ ング (時刻 t l の設定) を、 ロ ボッ トの位置決めが完了 した直後にその ガンか ら加圧完了信号が得られるよ う に、 決めている。 すなわち、 位置決め動作が開始した時点 (時刻 t o ) か ら T一 T 0 の時間が経過した時点 (時刻 t 1 ) でガン加 圧指令が出力されるよ う にするこ とで、 その時点 ( t l ) から予想加圧所要時間 T 0 が経過した時点 (時刻 t 2 ) が、 位置決め完了時点 ( T一 T 0 .+ T 0 = T ) となるよ う に して いる。
しか し、 このよう な従来の制御方法では、 ロボッ ト コ ン ト ロ一ラ に設定する予想加圧所要時間 T O の値の決定 は専らユーザー側の経験に基づいて決定されていた。 そ のため、 例えば、 図 5 に示されるよう に、 予想加圧所要 時間を T O と推定しても、 その値 T O が実際の加圧所要 時間 T 0' よ り も小さかった ( T O < T 0' ) と きは、 ロボ ッ トの位置決め動作が完了 (時刻 t 2 ) してから更に暫 く 時間が経過 した後 (時刻 t 3 ) でないと溶接指令を出 力する こ とができず、 全体の作業時間が伸びて しま う と いう問題を生 じる。 一方、 推定した予想加圧所要時間 T 0 が実際の加圧所要時間 T 0'よ り も大きかった ( Tひ > T 0' ) と きは、 ロボッ トの位置決め動作が完了する前に
溶接指令が出力されて溶接作業が開始されて しま い、 十 分な溶接作業を行う こ とはできない。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、 ロボッ ト に溶接作業を指令 して実行 させる う えで無駄な待機時間をな く すと と も に、 ロボッ 卜の位置決め動作が完了する前に溶接指令が出力されて しま う と いう こ とがないよ う に して、 効率的かつ的確な スポ ッ ト溶接作業を可能と した、 スポッ ト溶接ロボッ ト の制御方法を提供する こ と にある。
上記目的を達成するために、 本発明の一態様は、 ロボ ヅ ト コ ン ト ローラがスポッ ト溶接ガンに加圧指令を出力 してから加圧完了信号を上記スポゾ ト溶接ガンから受け 取るまでの経過時間を、 ロボッ ト コ ン ト ローラ によ り測 定し、 その測定値をロボッ ト コン ト ローラのメ モ リ に上 記スポ ッ ト溶接ガンに対する加圧所要時間と して設定記 憶 し、 上記ロボッ ト コ ン ト ローラ によ り ロボヅ ト を制御 して上記スポ ヅ トガンでもってスポヅ ト溶接作業を実行 する と き、 このロボッ トの位置決めを開始 して終了する までの移動時間を計算し、 上記ロボヅ ト コ ン ト ローラが ロボッ 卜 に位置決め指令を出力 して上記移動時間から上 記経過時間を差し引いた時間が経過 した時点で、 ロボヅ ト コ ン ト ローラ に溶接ガンに対してガン加圧指令が発せ られるよ う に している。
本発明の別態様は、 ロボッ ト コ ン ト ローラがスポ ッ ト 溶接ガン に加圧指令を出力 してから加圧完了信号を上記
スポ ッ ト溶接ガンか ら受け取るまでの経過時間を、 ロ ボ ッ ト コ ン ト ローラ によ り測定 し、 その測定値をロ ボッ 卜 コ ン ト ローラのメ モ リ に上記スポヅ ト溶接ガンに対する 加圧所要時間と して設定記憶 し、 上記ロ ボッ ト コ ン ト 口 ーラ によ り ロ ボッ ト を制御 して上記のスポ ッ ト ガンでも つてスポ ッ ト溶接作業を実行する と き、 このロ ボッ ト の 位置決めを開始 して終了するまでの移動時間を計算 し、 上記加圧所要時間と上記移動時間と を比較 し、 上記加圧 所要時間が上記移動時間と等 しいか或いはそれよ り大で ある と きは、 上記ロ ボヅ ト コ ン ト ローラ に溶接ガンに対 してガン加圧指令をロボッ ト位置決め指令と同時に出力 させ、 一方、 上記加圧所要時間が上記移動時間よ り も小 の と きは、 上記ロボヅ ト コ ン ト ロ一ラがロボヅ ト に位置 決め指令を出力 して上記移動時間から上記経過時間を差 し引いた時間が経過 した時点で、 ロボッ ト コ ン ト ローラ に溶接ガンに対してガン加圧指令が発せられるよ う に し ている。
なお好ま し く は上記の経過時間の測定を同一の溶接ガ ンに対 して複数回実行 し、 それら実測結果の平均値を算 出 してその平均値を上記ロボヅ ト コ ン ト ローラのメ モ リ に この溶接ガンに対する加圧所要時間と して記憶させて いる。
さ ら に好ま し く は、 上記のロボッ ト コ ン ト ローラのメ モ リ に設定記憶する加圧所要時間は、 ロボッ ト に対する 移動指令を所定の処理周期毎に分割する と きのその処理
周期の数と して いる。
上述のよう に、 本発明によれば、 ロボッ トが溶接ガン に対して加圧指令を出力 してからガン加圧完了 となるま での時間を、 ロボヅ ト の内部で実測させ記憶させるので 作業効率上最も適切な時点でガン加圧指令を与える こ と ができる。
図 面 の 簡 単 な 説 明
図 1 は、 本発明の方法を実施するスポ ッ ト溶接用ロ ボ ヅ トの一例を概略で示すブロ ッ ク図、
図 2 は、 本発明のロボッ ト制御方法の一実施例による ロボヅ ト コ ン ト ローラの信号入出力タイ ミ ングチャー ト, 図 3 は、 図 2のロボヅ ト コ ン ト ローラ による加圧所要 時間測定処理の概略を示すフ ロ ーチヤ一ト、
図 4 は、 図 2のロボヅ ト コ ン ト ローラ による加圧指令 出力処理の概略を示すフローチャー ト、
図 5 は、 従来の一ロボッ ト制御方法によるロボッ ト コ ン ト ローラの信号入出力タイ ミ ングチャー ト、 及び、 図 6 は、 ロボッ ト本体の駆動制御を従来のタイ ムシエ ァ リ ングによる処理方式で実行する場合の状態を概念的 に示した図である。
発 明 を 実 施 す る た め の 最 良 の 形態
以下、 図面を参照 して本発明の実施例を説明する。 図 1 はス ポ ッ ト溶接ガンを取り付けた産業用ロボッ ト、 即 ち、 スポ ッ ト溶接ロボッ トの一例を概略で示すブロ ッ ク 図である。 このスポ ヅ ト溶接ロボッ ト は、 概略において、
ロ ボッ ト コ ン ト ローラ 1 と ロボヅ ト本体 2、 および、 口 ボッ ト本体 2の リ ス ト等に装着されたスポ ゾ ト溶接ガン 3 によって構成される。 ロボ ヅ ト コ ン ト ローラ 1 はマ イ ク ロプロセッサ 1 1 を有し、 マイ ク ロプロセッサ 1 1 に は、 制御プログラム等を格納 した R O M 1 2, データの —時記憶等に用 いられる R A M 1 6, スポ ッ ト溶接ガン 3 にガン加圧指令を出力 してからスポッ ト溶接ガン 3の 加圧が完了するまでの所要時間 T O や教示操作等によつ て作成された動作プログラム等を記憶する不揮発性メ モ リ 1 7, ロボッ ト に動作を教示するための教示操作盤 1 3, 操作盤 1 4, サーボ回路 2 0 を介してロボヅ ト本体 2の各軸を駆動制御するための軸制御器 1 '8, 入出力ィ ン夕ーフェイ ス 1 9等がバス 1 5で接続されて いる。 入 出力イ ンター フ ェイ ス 1 9 と スポ ッ ト溶接ガ ン 3 と は、 ガン加圧指令, 溶接指令, 加圧完了信号, 溶接完了信号 等の入出力に用 い られる信号線で接続されている。
ロポヅ ト コ ン ト ローラ 1 を用いたロボヅ ト本体 2の駆 動制御に関 しては従来と同様のタイ ムシェア リ ングによ る処理方式を採用 している。 すなわち、 図 6 に示すよ う に、 所定の処理周期 iTP 毎に、 (a) の、 補間指令値の演 算等のための全軸共通処理や、 (b)〜(h)の補間指令値に 基く 各軸毎の軸補間処理、 および、 ( i ) の各軸の駆動制 御に直接関係のないプログラム編集や、 教示操作等を始 めとする教示操作盤 1 3および操作盤 1 4のキー操作等 を検出するための背景処理を、 それぞれ Δ ίΤΡ 周期で、
循環的に選択 して繰 り返し実行するよ う になって いる。 図 3 はオペ レータ による操作盤 1 4の指令操作に対応 して前述の背景処理で実施される 「加圧所要時間測定処 理」 の概略を各種の割り込み処理等を省略 して機能的に 示したフ ローチャー トである。 図 4 は前述の全軸共通処 理と共に所定の処理周期 ( i TP ) 毎に繰 り返し実行され る 「加圧指令出力処理」 の概略を示すフ ローチャー トで ある。 また、 図 2 は溶接作業時における ロボッ ト本体 2 の動作に対応させてロボッ ト コ ン ト ロ一ラ 1 とスポヅ ト 溶接ガン 3 との間の信号の入出力を示すタイ ミ ングチヤ — トである。 以下、 これらの図面を参照 して本実施例に おけるスポヅ ト溶接ロボヅ 卜の制御方法について説明す る。
スポッ ト溶接ロボッ 卜 による溶接作業を初めて行う場 合、 または、 ロボッ ト本体 2のスポ ッ ト溶接ガン 3 を別 のものに交換 して新たに溶接作業を行う よ うな場合、 ォ ペレ一夕は、 まず、 操作盤 1 4のキーを操作してロボッ ト コ ン ト ローラ 1 のマイ ク ロプロセッサ 1 1 に 「加圧所 要時間測定処理」 を実行させる。 なお、 この実行の前に、 測定を実行する回数 N をロボッ ト コ ン ト ローラ 1 に設定 してお く。
する とマイ ク ロプロセッサ 1 1 は、 まず、 測定回数を 記憶するカウ ン夕 C m および測定値の総和を積算記憶す る レジス タ S U Mの値を共に 0 に初期化する (ステップ a l ) 。 次ぎに、 該カ ウン夕 C m の値が設定測定実行回
数 Nに達しているか否かを判別する (ステップ a 2 ) 。 カ ウ ン夕 C m の値及びレジス 夕 S U Mの値が共に初期化 されこれから第一回の測定が行われる と いう段階、 及び まだ測定が N回に達 していない状態では、 ステ ップ a 2 の判別結果は偽 ( N ) となる。
そこで、 マイ ク ロプロセッサ 1 1 は、 入出力イ ンター フェイ ス 1 9 を介してスポヅ ト溶接ガン 3 にガン加圧指 令を出力する (ステップ a 3 ) と共に、 夕イ マを初期化 して直ちに経過時間の測定を関始し (ステップ a 4 ) 、 スポゾ ト溶接ガン 3 からの加圧完了信号の入力を待つ状 態 (待機状態) に入る (ステップ a 5 ) 。 ロボッ ト コ ン ト ロ一ラ 1 からのガン加圧指令を受けたスポヅ ト溶接ガ ン 3 は、 エアシ リ ンダ等のァクチユエ一夕 を作動させて 加圧動作を開始する。 更に、 溶接作業の開始が可能とな つた時点でスポ ッ ト溶接ガン 3 は、 入出力イ ンターフエ イ ス 1 9 を介 してロボヅ ト コ ン ト ローラ 1 に加圧完了信 号を出力する。
スポ ッ ト溶接ガン 3からの加圧完了信号の入力を待つ ているマイ ク ロプロセヅサ 1 1 は、 ステップ a 5 の判別 処理で加圧完了信号の入力を検出 して、 直ちにタイ マの 作動を停止する。 そ して この時の夕イ マの測定値をすで に レジスタ S U Mに記憶されている値に加算し (ステ ヅ ブ a 6 ) 、 さ ら に、 測定回数を積算記憶するカ ウ ン夕 C m の値を 1 イ ンク リ メ ン ト する (ステップ a 7 ) 。 次い で、 マイ ク ロプロセ ヅサ 1 1 はスポ ッ ト溶接ガン 3 に リ
セ ッ ト指令を出力 してスポ ッ ト溶接ガン 3 の初期状態復 帰を確認 した後 (ステ ップ a 8 ) 、 再び、 ステ ップ a 2 の判別処理へと移行するこ と となる。
以下、 マイ ク ロプロセッサ 1 1 は、 カ ウ ン夕 C m の値 が設定測定実行回数 N に達 してステ ップ a 2の判別結果 が真 ( Y ) となるまで前記と同様にステップ a 2 〜ステ ッブ a 8 までの処理を繰り返 し実行 した後、 測定結果の 総和を レ ジス夕 S U M に保持 したま まステップ a 9 の処 理へと移行する。 次ぎに、 この測定結果の総和を測定回 数 Nで除 し、 この値 (測定平均値) を不揮発性メ モ リ 1 7の所要時間記憶レ ジス夕 T 0 に保存する。 この測定平 均値は、 加圧所要時間を与えるものである。 すなわち、 スポヅ ト溶接ガン 3 にガン加圧指令を出力 してからスポ ッ ト溶接ガン 3 の加圧が完了するまでの時間が実測の結 果に基づき決定されるのである。
このよ う に して求めた加圧所要時間の実測平均値 T O を不揮発性メ モ リ 1 7 に記憶させた後、 予め作成された ス ポ ヅ ト溶接のための動作プログラムを不揮発性メ モ リ 1 7から選択 してプレイバッ ク動作を開始させる と、 マ イ ク口プロセ ッサ 1 1 は所定の処理周期 i TP 毎の全軸共 通処理と共に図 4 に示されるよ うな 「加圧指令出力処理」 を繰り返 し実行する こ と となる。
動作プログラムに基いて各軸への補間指令値等を従来 と同様の全軸共通処理によ り算出 して 「加圧指令出力処 理」 に移行 したマイ ク ロプロセヅサ 1 1 は、 ま ず、 補間
指令値算出の対象となるスポ ゾ ト溶接のための移動指令 が今周期の 「全軸共通処理 (図 6 の(a) 参照) 」 で 「新 たに」 読み込ま れて いるか否かを判別する (ステップ b
1
補間指令値算出の対象となるスポ ッ ト溶接のための移 動指令が上記 「全軸共通処理」 で 「新たに」 読み込ま れ て いれば、 マイ ク ロプロセッサ 1 1 は、 まず、 この移動 指令によって示された移動距離 L と指令移動速度 Fの値 に基いて ロボッ 卜本体 2の移動開始から溶接位置への位 置決め完了ま でに必要と される移動時間 T を算出する (ステップ b 2 ) 。 更に、 この値 Tを処理周期 iTP で除 して整数化する こ と によ り移動開始から位置決め完了ま でに必要とされる各軸の軸補間処理の実行回数 Nを求め て レジス夕 Nに記憶する (ステップ b 3 ) 。
次いで、 マイ クロプロセッサ 1 1 は、 スポッ ト溶接ガ ン 3の加圧に必要と される所要時間 T O を不揮発性メ モ リ 1 7 (記憶レジス夕 T O ) から読み出 し、 この値 T O を処理周期 iTP で除 して整数化するこ と によ り、 所要時 間 T 0 の間に実行される各軸の軸補間処理の回数 N 0 を 求めて レジス夕 N O に記憶する (ステヅブ b 4 ) 。
そ して、 マイ クロプロセッサ 1 1 は、 位置決め完了ま での間に必要と される移動時間 Tに対応する各軸の軸補 間処理の実行回数 N と、 スポゾ ト溶接ガン 3の加圧に必 要とされる加圧所要時間 T 0 に対応する各軸の軸補間処 理の実行回数 N O との大小関係を比較する (ステ ップ b
5 ) o
そこで、 移動時間 T に対応する各軸の軸補間処理の実 行回数 Νの値が加圧所要時間 Τ 0 に対応する各軸の軸補 間処理の実行回数 N O よ り も大き い場合、 即ち、 図 2 に 示される よう に、 ロボッ ト本体 2 の移動を開始 してから ガン加圧指令を出力 しても位置決め完了時に加圧を完了 させる こ とができるよ うな場合には、 移動時間 T に対応 する各軸の軸補間処理の実行回数 Nの値から加圧所要時 間 T 0 に対応する各軸の軸補間処理の実行回数 N 0 の値 を減じて、 ロボッ ト本体 2の移動開始時点からガン加圧 指令を出力すべき時点までの待機時間 〔 T一 T O 〕 に対 応する各軸の軸補間処理の実行回数 N dの値を求め、 こ の値を レジス夕 N に更新設定する (ステップ b 6 ) 。 そ れから、 各軸の軸補間処理の実行回数を記憶するカウ ン 夕 C i の値を 0 に初期化して加圧指令出力待機フラグ F をセッ ト する (ステップ b 7 ) 。
次いで、 マイ ク ロプロセヅサ 1 1 は、 スポッ ト溶接ガ ン 3からの加圧完了信号が入力されているか否かを判別 する (ステップ b l 2 ) 。 ロボッ ト本体 2 の移動が開始 されたがガン加圧指令がまだ出されていない状態、 ガン 加圧指令が出されて いるがま だスポ ッ ト溶接ガン 3 から ガン加圧完了信号が発せられてない状態では、 ステ ップ b 1 2の判別結果は偽 ( N ) となる。
ステップ b 1 2で偽と判別 したマイ ク ロプロセ ッサ 1 1 は、 更に、 スポッ ト溶接ガン 3 からの溶接完了信号が
入力されているか否かを判別する (ステップ b 1 4 ) 。
溶接指令を待っている状態、 或いは溶接中でま だ終了 し てない状態の と きは判別結果は偽 ( N ) とな り、 マイ ク 口プロセ ッサ 1 1 は各軸の軸補間処理の実行回数を記憶 するカ ウ ン夕 C i の値を 1 イ ンク リ メ ン ト して当該処理 周期の 「加圧指令出力処理」 を終了する (ステップ b l 6 ) o
「加圧指令出力処理」 を終了する と、 当該処理周期 ( iTP ) における Δ ΠΡ 周期での全軸共通処理 (図 6 (a) 参照) で算出されたロボッ ト各軸の補間指令値に基いて、 その次以降の各 Δ ίΤΡ 周期で順次各軸の軸補間処理が実 行され (図 6 (b)〜(h)参照) 、 ロボッ ト本体 2の位置決 め動作が開始される こ と となる。
ステップ b 1 で、 当該処理周期 ( iTP ) が、 移動指令 が 「新たに」 読み込ま れた処理周期ではな く、 それ以降 の処理周期であると いう こ と をマイ クロプロセ ッサ 1 1 が判別する と、 ステップ b 1 の判別結果が偽 ( N ) とな る。 そこで、 マイ ク ロプロセッサ 1 1 は加庄指令出力待 機フラグ Fがセヅ 卜 されて いるか否かを判別する (ステ ヅブ b 8 ) 。 しかし、 加圧指令出力待機フラグ Fはさ き に 1 にセ ッ 卜 されたま ま まだ リセッ 卜 されていないので、 ステップ b 8の判別結果は真 ( Y ) となる。
次いで、 マイ ク ロプロセ ッサ 1 1 は、 (ステ ップ b 1 6 において ) 各軸の軸補間処理の実行回数を記憶する力 ゥ ン夕 C i の値が、 ( ステ ップ b 6 において ) レ ジスタ
Nに格納 した値 Nに達 しているか否か、 即ち、 ロ ボッ ト 本体 2の移動開始時点からガン加圧指令を出力すべき時 点までの待機時間 〔 T一 T 0 〕 に対応する各軸の軸補間 処理の実行回数 N dの値だけ、 各軸の軸補間処理が繰 り 返し実行されたか否かを判別する (ステ ップ b 9 ) 。
カウ ン夕 C i の値がレジスタ Nの値に達 して いず、 し たがって当該処理周期 ( iTP ) がガン加圧指令を出力す べき周期に達 していなければ、 更に、 共に判別結果が偽 ( N ) となるステップ b 1 2およびステヅプ b 1 4の判 別処理を実行 した後、 各軸の軸補間処理の実行回数を記 憶するカウン夕 C i の値を 1 イ ンク リ メ ン ト して当該処 理周期の 「加圧指令出力処理」 を終了する (ステップ b 1 6 ) 0
そ して、 同一処理周期 ( iTP ) における各 Δ iTP 周期 で順次各軸の軸補間処理を実行して (図 6 (b)〜(h)参照) 、 ロボッ ト本体 2の位置決め動作を継続して行う。 同一処 理周期 ( iTP ) における各々の Δ iTP 周期周期で各軸毎 の補間処理が 1 回ずつ実行されるので、 処理周期毎にィ ンク リ メ ン ト されるカウン夕 C i の値は各軸の軸補間処 理の実行回数と同じ値を示す。
以下、 マイ ク ロプロセッサ 1 1 は、 前記と同様に して 処理周期 ( iTP ) 毎の 「加圧指令出力処理」 でステップ 1 , ス テ ッ プ b 8, ステ ップ b 9, ステ ップ b l 2 , ステップ b 1 4, ステ ップ b 1 6の処理を繰り返 し実行 して、 カ ウ ン夕 C i の値がレジス夕 Nの値に達するのを
待つ。 そ して、 以上の処理の繰 り返 しの結果、 カ ウ ン夕 C i の値がレ ジス夕 Nの値に達して、 ステ ップ b 9の判 別処理でロボッ ト本体 2の移動開始時点からガン加圧指 令を出力すべき時点までの待機時間 〔 T一 T O 〕 に対応 する各軸の軸補間処理の実行回数 N dの値だけ各軸の軸 補間処理が繰 り返し実行されたこ とが検出される と、 マ イ ク 口プロセッサ 1 1 は加圧指令出力待機フラグ Fを リ セ ッ ト し (ステ ップ b l O ) 、 図 2 に示すよ う にスポ ッ ト溶接ガン 3 にガン加圧指令を出力 してスポゾ ト溶接ガ ン 3の加圧動作を開始させる (ステップ b l l ) 。
スポ ッ ト溶接ガン 3の加圧動作を開始させた後は、 マ イ ク 口プロセ ッサ 1 1 は前記と同様にステヅブ b 1 2, ステヅブ b 1 4, ステップ b 1 6の処理を実行する。 こ の処理周期 ( iTP ) に続く 処理周期における 「加圧指令 出力処理」 では、 前述のステ ップ b 1 0での処理でガン 加圧指令の出力に対応して加圧指令出力待機フラグ Fが リ セッ ト ( F = 0 ) されている結果、 ステヅプ b l, ス テ ツプ b 8, ステ ップ b l 2, ステ ップ b l 4, ステ ヅ ブ b 1 6 の処理が繰 り返し実行されるこ と となる。
そ して、 ガン加圧指令を出力 した時点から数えてスポ ッ ト溶接ガン 3の加圧に必要とされる所要時間 T O に対 応する実行回数 N O の分だけ処理周期 ( iTP )
が繰り返 し実行される。 実行回数 N O を終えた時点では 読み込ま れた移動指令に対する各軸の補間処理が全て終 了 してロ ボヅ ト本体 2の位置決めが完了する。 このロ ボ
ッ ト位置決め動作完了時点 (図 2 (a) ) と時を同 じ く し てスポ ッ ト溶接ガン 3の加圧が完了 し、 該スポ ッ ト溶接 ガン 3からロボヅ ト コ ン ト ロ一ラ 1 に加圧完了信号が出 力される (図 2 (e)) 。
する と、 処理周期 ( iTP ) における 「加圧指令出力処 理 j でステップ b l, ステップ b 8, ステップ b l 2, ステップ b 1 4, ステップ b 1 6の処理を繰り返 し実行 しているマイ ク ロプロセッサ 1 1 は、 ステップ b 1 2の 判別処理で加圧完了信号の入力を検出 し、 スポ ッ ト溶接 ガン 3 に溶接指令を出力 して (図 2 (c) ) 実際の溶接動 作を開始させる (ステヅブ b 1 3 ) 。 以下、 前記と同様、 ステヅブ b 1 4およびステップ b 1 6の処理を実行 した 後、 以降の処理周期 ( iTP ) における 「加圧指令出力処 理」 でステップ b l, ステップ b 8, ステップ b l 2, ステップ b l 4, ステヅブ b l 6の処理を繰り返 し実行 する。
そ して、 スポ ッ ト溶接ガン 3 による溶接作業が完了 し てスポ ヅ 卜溶接ガン 3から ロボヅ ト コン 卜 ローラ 1 に溶 接完了信号が入力されると (図 2 (d) ) 、 ステップ b l , ステップ b 8, ステ ップ b l 2, ステップ b l 4, ステ ヅプ b 1 6の処理を繰 り返 し実行するマイ ク ロプロセ ヅ サ 1 1 は、 ステップ b 1 4の判別処理で溶接完了信号の 入力を検出 し、 ガン加圧指令および溶接指令の出力を停 止 して (図 2 (b)、 (c)) スポッ ト溶接ガン 3 を初期状態 復帰させる (ステップ b 1 5 ) 。 以下、 前記と同様にス
テツプ b 1 6 の処理を実行 した後、 以降の処理周期 ( iT P ) における 「加圧指令出力処理」 でステップ b l, ス テツプ b 8, ステップ b l 2, ステ ップ b l 4, ステ ツ ブ b 1 6 の処理を繰 り返し実行する。
そ して、 補間指令値算出の対象となるスポッ ト溶接の ための移動指令が次周期以降の処理周期 ( ΠΡ ) におけ る全軸共通処理で新たに読み込ま れると、 マイ ク ロプロ セヅサ 1 1 はステップ b l の処理でこれを検出 し、 前述 と同様に して 「加圧指令出力処理」 を繰り返し実行する こ と となる。
なお、 補間指令値算出の対象となるスポッ ト溶接のた めの移動指令を新たに読み込んだ時点の処理周期 ( iTP ) における 「加圧指令出力処理」 でステップ b 5 の判別結 果が偽となった場合、 即ち、 加圧に必要と される所要時 間 T O が位置決め完了までの移動時間 Tよ り も長いと判 定された場合には、 ステップ b 5の判別処理実行後、 加 圧指令出力待機フラグ Fをセ ッ 卜せずに直ちにガン加圧 指令を出力する (ステップ b 1 1 ) 。 そ して、 次周期以 降の処理周期 ( iTP ) における 「加圧指令出力処理」 で ステ ップ b l, ステ ップ b 8, ス テ ップ b l 2, ステ ツ プ b 1 4, ステ ップ b 1 6の処理を繰り返 し実行 してス ポッ ト溶接ガン 3か らの加圧完了信号の入力を待つ。 加 圧完了信号の入力がステップ b 1 2の判別処理で検出さ れた以降の処理に関 しては前述の場合と同様であるが、 この場合、 加圧所要時間 T O 〉移動時間 T となるため口
ボッ ト本体 2 の位置決めが完了 して も加圧完了信号は入 力されず、 従来と同様に加圧完了信号の入力を待機 して から溶接動作が開始される。
以上、 一実施例と して、 スポッ ト溶接ロボッ ト によ る 溶接作業を初めて行う場合やロボッ ト本体 2のスポッ ト 溶接ガン 3 を交換して溶接作業を行う場合にのみ加圧所 要時間 T O を測定して不揮発性メ モ リ 1 7 に保存する場 合について説明 した。 しか し、 溶接作業を実行する毎に 加圧所要時間 T O の値を実測し、 この値を最新の加圧所 要時間 T O と して不揮発性メ モ リ 1 7 に更新記憶させ、 最新の加圧所要時間 T O に基いて図 4 に示されるよ うな 「加圧指令出力処理」 を行わせるよ う に しても良い。 溶 接作業を実行する毎に加圧所要時間 T O の値を実測する ためには、 例えば、 「加圧指令出力処理 j におけるス テ ップ b 1 1 の処理の実行と同時に夕イ マによる計時ま た は処理周期 ( i T P ) の計数を開始する一方、 ステップ b 1 2の判別結果が真となった時点でタイ マによる計時ま たは処理周期 i T P の計数を停止し、 夕イ マの測定値また は処理周期 ( i T P ) の計数値に基いて算出された加圧所 要時間の値を逐次不揮発性メ モ リ 1 7 に更新記憶させて ゆ く こ と によ り実現される。 また、 最近に実行された溶 接作業における加圧所要時間の実測値を常時所定数だけ 保存 しておき、 溶接作業を実行する毎に加圧所要時間の 平均値を求めて図 4 に示されるよ う な 「加圧指令出力処 理」 を行わせるよう にする こ と も通常のコ ン ピュータ応
用技術によって容易に実現可能である,