WO1993006535A1

WO1993006535A1 - Multi-time indicating analog watch

Info

Publication number: WO1993006535A1
Application number: PCT/JP1992/001167
Authority: WO
Inventors: Yasuo Kamiyama; Takeo Mutou; Takashi Osa
Original assignee: Citizen Watch Co., Ltd.
Priority date: 1991-09-13
Filing date: 1992-09-11
Publication date: 1993-04-01
Also published as: EP0558756A4; US5339293A; EP0558756B1; EP0558756A1; HK117297A; DE69217036T2; DE69217036D1

Description

明細書指針式多時刻表示時計技術分野

この発明は、翰列構造に改良を加えた、指針により多時刻を表示する時計に関し、特に、ムーブメントのコストダウンによる低価格を可能とするとともに、デザイン性に優れ、かつ、通常時刻の針合せにより時差時刻表示部の針合せをも同時に行なえるようにした指針式多時刻表示時計に関する。背景技術

従来より、デジタル時計の一部に見られる世界時計表示のように、通常の時刻以外に他の時刻をも表示することができる多時刻表示時計は存在していた。これは周知のように、プッシュポタン操作などで表示を切替えてホームタイム以外の時刻を表示させるものである。

同時に指針表示式時計においても、最近多時刻を表示できる時計が見受けられるようになつてきた。即ち、いくつかの表示部を有していて、ホームタイムとしての現地の通常時刻表示のほかに口一カルタイムとしての別地域の時刻を直に表示させるもの、あるいは時差表示機能を付加した時計のように、プッシュボタン操作などで切替え表示することによつて別地域の時刻を表示させるものなどがある。

上記のような多時刻を多表示部で表示させるような指針式時計のムーブメントの構造は、ブレスレツト時計などに通常使われている女持ち用の小型の完成ムーブメントを複数個使用し、合成樹脂製の中枠に設けた凹部の所定の位置に収納して時計ケースに固定し、個々のムーブメントに文字板や指針を取り付けて多針で多時刻を表示しょうとするものである。このような構造の多時刻表示の指針時計は、複数の時計ムーブメントと同数の時刻表示部を有しているので、使用者は前記複数の時刻表示部の中でホームタイム表示とローカルタイム表示を任意に選択して使い分けることができる。

このような時計の時刻修正は、時計中心部と各時刻表示部の中心を結んだ延長線上に外部操作部材としてのリューズを有しているので、使用者はそれぞれの時刻表示部に合致したリユーズを引き出して操作することにより複数の時刻合せを行なうことができる。

なお、筏数のリューズを有する多時刻時計で、リューズが真上や真下にきてバンドと重なる場合は、リューズをバンドの止め金近傍に配設した特殊なデザィンの時計も出現している。

しかしながら、指針表示式多時刻時計は、複数の小型ムーブメントを中枠の凹部収納部に搭載しているため、各ム一ブメント間の位置出しが難しく文字板に設けた時針固着用の筒車外形の逃げ穴との千渉やずれにより一時的に止まる現象を生じたり外観不良となりやすい。

また、複数の小型ムーブメントで多時刻表示を構成しているので組立工数が多大であり、部品点数も多いのでコスト的にかなり高い時計ムーブメントとなり、結果として高価な腕時計となってしまう。また、時計のサイズは他に比べてかなり大振りな時計になってしまう。

さらに、多時刻表示部の針合せは、複数の表示部をそれぞれ単独に修正させなければならず、例えば、前述した時刻表示部が時計の真上や真下などの場合はリューズ操作がしにくいため、使用者にとっては針合せ操作が非常にやりにくくなる。また、複数の表示部は互いに独立して鹿動しているため、使用者のリユーズ誤操作による読み間違いなどを引き起こしかねない。さらにまた、他の多時刻表示の指針式時計のムーブメントの構造としては、実開平 1— 1 2 9 6 8 4号公報の第 1図，第 4図に記載のようなものもある。この公報に記載の時計は、筒車より四方向に輪列を形成して同心円上に複数の表示車を配置することによって、多針で多時刻を表示しようとするものである。

しかし、実開平 1一 1 2 9 6 8 4号公報の第 1図に示す指針表示式多時刻時計は、筒車から多方向に輪列を形成させなければならず、一つの表示車に中間車（該公報では遊星車と呼称）を対で配設しているため、輪列の加工や時計ムーブメン卜の組立等に工数がかかりコストアップの原因となっている。

一方、第 4図に示す他の実施例では、例えば指針表示式多時刻時計を作ろうとした場合は、ホームタイムの指針の回転方向に対してローカルタイムの表示針の運針方向が逆となっているので、時字に対する分単位の読み取り違いを起こす危険があり実際的ではない。

さらに、通常の指針表示式 3針時計などに時差表示機能を付加した時計としては、特開昭 5 5 - 3 0 6 7 6号公報の実施例にて提案の遊星車方式がある、該方式は位置規制された歯数 1 1枚の太陽車と、遊星車と、時針を固着する歯数 1 2枚の筒車などで構成され、 6 0分で一回転する 2番車の回転に伴なつて前記太陽車の周囲を遊星車が回動し、筒車を減速比 1ノ1 2で回転させる方式である。

しかし、特開昭 5 5 - 3 0 6 7 6号公報で提案の時差修正時計は、別地域のローカルタイム時刻を見るとき、ホームタイムの通常時刻表示用の時刻を時差修正してしまうので時針が動いてしまい、ホームタイムの時刻が切り換わるため現地時間が分りにくくなつてしまうという欠点を有している。

—方、指針式多時刻表示時計におけるカレンダ一輪列構造の日送り機新たな用紙搆は、時計駆動翰列からの回乾力を筒車と嚙合する曰回し車に伝達し、更に日回し車に設けた日送り爪と曰板の歯とを係合させることによって日板を送るようにしてある。その際、日送りのときに日板の歯を 2枚以上送らないため、日回し車の外周部に障害物を設けることによって日回し車の形状を変形させ 1枚の齒だけに係合し、日板を一日分送るようにしてある。

また、従来の指針表示時計のカレンダ一輪列構造における早送り機構は、リューズ一段引きでリューズ回転を行なうことによって、ッヅミ車に設けた爪の回転動作を係合する伝えレバーを介して早修正伝えレバーに伝え、更に早修正伝えレバ一に設けた日送り爪で日板を送るようにしてある。

しかしながら、前者の指針表示式時計の力レンダ一贛列構造における曰送り機構は、日回し車の外周に外壁や障害物を設けて、曰板と係合するための突出した送り爪を日回し車を変形させることによって、曰板の歯との係合量を制御して曰板の齒を一日に 2枚以上送らないようにしている。そのため、日回し車を変形可能な複雑な形状にしなければならないという欠点を有している。

また、後者の指針表示時計のカレンダー翰列構造における早修正機構は、ッヅミ車，早修正伝えレバー，日板と伝達を行なわなければならず、部品点数が多くなる上、複数の部品を介することによって信頼性のある動作が難しくなるという欠点を有している。更に、時計モジュールの外周に配置するリング状の日板のようにピッチの大きな歯の場合は良いが、早修正レバーの送り爪の動作範囲が広くなつてしまい、小さな歯車を修正することが難しいという欠点を有している。

したがって、本発明は、このような従来の指針式多時刻表示時計が有していた課題を解決した多時刻表示時計の提供を目的とする。すなわち、本発明は、時計サイズの径大化を避けるとともに、デザィン性に優れ、しかも使用者によって使いやすく操作性の良い低価格な指針式多時刻表示時計の提供を目的とするものである。

また、本発明は、指針でカレンダーを表示する場合に信頼性の高い力レンダ一輪列構造を備えた指針式多時刻表示時計の提供を目的とするものである。発明の開示

本発明は、表示部略中央の指針を駆動する分車等の指針駆動車と、該指針駆動車と嚙合する第二日の裏車等の伝達車とを有し、該伝達車は少なくとも二つ以上の異なる時刻を表示できる複数のデュアル二番車等の副針駆動車と嚙合した構成としてある。

これによつて、ム一ブメントの部品点数の削減及び組立工数の削減が図れムーブメントのコストダウンにより低価格化が実現でき、また時計ケース内にムーブメントを固定する中枠の簡素化も可能となって、結果として時計サイズの径大化が避けられるとともに、従来しばしば問題となっていた文字板に設けた筒車外形の逃げ穴と筒車の干渉，すれ等を防止できるので信頼性の高い多時刻表示時計を得ることができる。

また、複数のムーブメントを組み込んだ従来の多時刻表示時計の場合とは異なり、時差時刻表示部の位置に対する外部操作部材の位置が制約されることがないので、デザイン性の良い時計が得られるとともに、ホームタイム用の指針は他の時差時刻表示部に比べて長いので、通常の三針時計のように見やすくできる。

また、本発明は、ホームタイム時刻表示の指針車、この指針車に驄動されローカルタイム時刻表示の複数のデュアル車、外部修正部材、該外部修正部材で修正されるデュアル修正部材を備えた指針式多時刻表示時計であって、前記デュアル車は歯車と該齒車に回転可能に保持された二つの遊星車とより形成されており、また該遊星車の一方に嚙み合い躍制バネによって回転規制されるデュアル車と、該デュアル車と同軸にあつて前記遊星車の他方と嚙み合うデュアル筒車とを有し、該デュアル筒車は前記デュアル車の回転により減速回転するとともに、前記デュアル車の一ピッチ回転により整数分の 1回転するように搆成してある。

これによつて、少なくとも通常時刻の針合せにより時差時刻表示部も同時に針合せができ、さらに時差時刻表示部はプッシュボタンのワンタツチ操作で時差修正がセットできるので、操作方法が分りやすく使用者の誤操作も起きにくい。しかも従来のような表示合せミスを防止することができ、しかも、リューズの回転による時差修正の如くその回転方向により、通常時刻表示翰列と時差表示翰列間の翰列バックラッシュにより通常時差時刻の分針とローカルタイム分針のずれが発生しない。また、口一カルタイム時針も、遊星歯車翰列のバックラッシュの影響は遅れ方向でなく、常に進み方向なので使用者が安心して使用できる。

さらに、本発明は、カレンダ一表示可能な時計におけるカレンダ一輪列の早修正機構において、規制ボスにより初期たわみを持たせることによって、日針駆動歯車の修正を行なう早修正レバーの送りつめの作動軌銥を規制し、かつ前記時計のッヅミ車に早修正レバーと係合する早修正つめを設け、リユーズの回転によって早修正レバ一を作動させる構成としてある。

これによつて、さらにムーブメントの部品点数を削減してコストダウンを図り、デザイン性及び操作性の向上を図れる。図面の簡単な説明

図 1は、この発明にかかる好ましい時計の外観図である。図 2は、この発明にかかる好ましい時計ムーブメントの裏蓋側から見た左半分の平面図である。

図 3は、この発明にかかる好ましい時計ムーブメントの裏蓋側から見た右半分の平面図である。

図 4は、この発明にかかる好ましい時計ムーブメントの指針側から見た左半分の苹面図である。

図 5は、この発明にかかる好ましい時計ムーブメントの指針側から見た右半分の平面図である。

図 6は、第 1図に示す時計の輪列機構を示す要部断面図である。図 7は、第 1図に示す時計の輪列機構を示す要部断面図である。図 8は、第 1図に示す時計の輪列機構を示す要部断面図である。第 9図は、第 1図に示す時計の第一時差時刻表示部が通常運針して 1 2時を表示している状態を示す輪列部の平面図である。

第 1 0図は、第 1図に示す時計の第一時差時刻表示部が外部操作部材の操作によりデュアル車を反時計方向にーピッチ回転させて 1時間遅らせた状態を示す翰列部の平面図である。

第 1 1図は、第 1図に示す時計の第一時差時刻表示部が外部操作部材の操作によりデュアル車を時計方向に一ピッチ回転させて 1時間進めた状態を示す輪列部の^面図である。

第 1 2図（a ) ， ( b ) は、第 1図に示す時計のカレンダ一輪列機構の作動を説明する要部平面図である。

第 1 3図（a ) ，（b ) ，（c ) は、第 1図に示す時計のカレンダー早修正機構の作動を説明する要部平面図である。発明を実施するための最良の形態

第 1図における指針式多時刻表示時計は、時計の略中心部を回転中心とし 1 2時間で一回転する時計 1と、時計 1と同軸で 6 0分で一回転する分針 2と、時計 1と同軸で 6 0秒で一回転する秒針 3とを有し、これらの指針により現地の通常時刻を表す。

第一の時差時刻を表す第一時差時刻表示部 4、第二の時差時刻を表す第二時差時刻表示部 5、第三の時差時刻を表す第三時差時刻表示部 6は、それぞれ時計の略中心部からほぼ均等の距離を隔てて三方に向かって配置されている。そして、前記時差時刻表示部 4， 5 , 6は、 1 2時間で一回転する口一カルタイム時針（以下、 L T時針と略記する） 4 a， 5 a , 6 aと、 6 0分で一回転するローカルタイム分針（以下、 L T分針と略記する） 4 b， 5 b , 6 bの各二本の指針により時差時刻を表示する。カレンダー表示部 7は、日針 7 aが揺動駆動にて 1ヶ月の周期で一往復することにより日付を表す。

外部操作部材としてリュ一ズ 8は、外部切り換え引き出し段数を二段に設定でき、通常使用状態では最も押し込んだ位置（0段位置）で使用し、一段引きした状態でリュ一ズ 8を右回転すると前記曰付の早修正が可能であり、二段引きした状態では、秒針 3が任意の位置で停止するとともに、リューズ 8を左右回転すると前記時針 1、分針 2が回転し現在時刻に合せるための針合せができる。前記 L T時針 4 a， 5 a , 6 aの針修正用の外部操作部材であるプッシュボタン（以下、 P Bと略記する） 9， 1 0， 1 1は、それぞれ一回押すごとに P B 9では第一時差表示部 4、 P B 1 0では第二時差表示部 5、 P B 1 1では第三時差表示部 6の 1^丁時針4 &， 5 a , 6 aを 1時間単位で修正ができるようになつている。該針修正は前記リユーズ 8の引き出し段数位置に開係なく各 P B 9， 1 0， 1 1操作により常時可能となっている。

次に、時計ムーブメントの基本構造について説明する。

第 2図及び第 3図の時計ム一ブメントにおいて、時計ム一ブメントの略中心部にハッチングを付して示している部分は、大規模量産している小型の三針用モジュール（以下、基本モジュール Aと呼ぶ）で、大規模量産化によるモジュールのコストダウンを図っている。

本発明の時計ム一ブメント構造は第 6 ~ 8図を参照すると、基本モジユール Aの基台である地板 1 2を挟んで、裏蓋側に基本モジュール Aが配置され、地板 1 2の文字板側は、地板 1 2と文字板 1 3との断面的中空部に、下受 1 4を基台とする口一カルタイム表示輪列 1 5やカレンダ —表示翰列 1 6等を配設した二層構造としてある。前記地板 1 2と下受 1 4は、一箇所に設けたネジ締結部 1 7 (第 5図参照）により仮止めされ組立途中の部品の安定化を図っている。

第 2， 3図に示すように、前記基本モジュール Aは、地板 1 2や輪列受 1 8、中受 1 9等により軸支され、電気機械変換機としてのステップモータ 2 0を構成するロータ 2 1や、 5番車 2 2、 4番車 2 3、 3番車 2 4あるいは中心車 2 5などよりなる指針輪列機構と、リューズ 8を固着する卷真 2 6を構成要素に含む外部操作切り換え機構、さらに電子時計の電源である電池 2 7とともに、 I Cチップ 2 8 aや水晶振動子 2 8 bを搭載してなる回路ブロック 2 8等を備えている。

基本モジュール Aの略中心部に配設され秒針 3が固着される 4番車 2 3は、 5番車 2 2を介してロータ 2 1により駆動される。さらに 4番車 2 3の回転は、 3番車 2 4を介して分針 2を固着する中心車 2 5へと伝えられる。第 6図に示すように、該中心車 2 5は、中心歯車 2 5 aと分カナ 2 5 bとからなるすでに周知のスリップ構造となっている。前記分カナ 2 5 bには後述するローカルタイム表示用輪列 1 5を駆動するための分伝え車 2 9が係合され、該分伝え車 2 9は中心車 2 5と同速回転により 6 0分に一回転の割で能動する。

前記中心車 2 5は、指針翰列を構成するとともに、通常時刻の指針修正用の裏耪列を構成する第一日の裏車 3 0と嚙み合う（第 3図参照）。該第一日の裏車 3 0は、卷真 2 6に係合して回転するッヅミ車 3 1の回転に連動して中心車 2 5を鹿動する。すなわち、針合せのためにリュ一ズ 8を二段引き状態にすると、卷真 2 6と連動するッヅミ車 3 1が小鉄車 3 4と嚙み合う位置に移動し、リユーズ 8の回転操作に連動して小鉄車 3 4→日の裏伝え車 3 5→第一日の裏車 3 0の経路で回転力が伝達される。

次に、ローカルタイム表示翰列 1 5とカレンダ一表示輪列 1 6について、第 4〜8図をもとに説明する。

第 6図を参照すると、前記基本モジュール Aに配設した中心車 2 5に係合している分伝え車 2 9は、その中心穴が分カナ 2 5 bの中間胴部 2 5 c外径に係合し、かつ、分伝え車 2 9に設けた凸部 2 9 aが、中間肭部 2 5 cの歯形 2 5 dの一部と平面的に嚙み合うよう形成されている。このように、凸部 2 9 aが齒形 2 5 dと係合することによって、中心車 2 5に伝わった回転力を確実に次の番車に伝達するようになっている。従って、一部の時計に見られた、中心車の中脯部に合成樹性の分伝え車を圧入固定する固定構造に比べて、本形態の時計は、分伝え車 2 9を中心車 2 5に装着する場合や外す場合に、他部品への過多な荷重をかけることが少ないので部品の損傷がなく安定した組み込みができる。

第 4， 5図を参照すると、前記分伝え車 2 9の回転力は、平面的に重合しないように配設された第二日の裏車 3 6と第三曰の裏車 3 7の双方に伝達される。前記第二曰の裏車 3 6は、第一時差時刻表示部 4のデュアル 2番車 3 8と第二時差時刻表示部 5のデュアル 2番車 3 9及び分伝え車 2 9とで形成される略デルタ型の平面スペースのほぼ中央に配設されていて、歯車部 3 6 aと歯車部 3 6 bとカナ部 3 6 Gより形成されている。そして、歯車部 3 6 aは分伝え車 2 9と嚙み合い、歯車部 3 6 b は、デュアル 2番車 3 8を構成するデュアル 2番歯車 3 8 aとチュアル

2番車 3 9を構成するデュアル 2番歯車 3 9 aと嚙み合い、さらにカナ部 3 6 cは、通常時刻を表示する時針 1を固着する筒車 4 0と喘み合うとともに、それぞれの嚙み合い部は平面的に重なることのないように配設されている。

前記歯車部 3 6 aと歯車部 3 6 bは、分伝え車 2 9の回転とデュアル 2番歯車 3 8 a， 3 9 aの回転が単に同速で回転するように伝達するためのアイドラ一車であるが、第 6図に示すように、嚙み合い断面配置を二層化して歯車部 3 6 aと歯車部 3 6 bの二対で嚙み合うようにすることで、歯形の齒数比が従来のアイドラー車を介した輪列に対して比較的自由に選択できるようにしている。

このため、分伝え車 2 9とデュアル 2番齒車 3 8 aとチ'ュアル 2番歯車 3 9 aの歯数は非共通でも差しつかえがなく、とりわけ時計のデザィン性を考慮して時差時刻表示部の平面的な配置に合わせたデュアル 2番車 3 8とデュアル 2番車 3 9の双方に嚙み合う適正な位置に配置することが可能となっている。

第三日の裏車 3 7は、第 5図に示すように、第三時差時刻表示部 6を構成するデュアル 2番車 4 1のデュアル 2番歯車 4 1 aと嚙み合い、前記第二日の裏車 3 6と同様に分伝え車 2 9の回転を同速で伝達している前述の各時差時刻表示部 4， 5 , 6の構成要素である L T時針 4 a， 5 a , 6 aと L T分針 4 b， 5 b , 6 bを固着して回転させる口一カルタイム表示輪列 1 5は、次のような輪列構成により駆動している。

なお、第一時差時刻表示部 4、第二時差時刻表示部 5、第三時差時刻表示部 6の各翰列構成は、分伝え車 2 9から前記第二日の裏車 3 6又は第三日の裏車 3 7までは同一の輪列構成となっているので、ここでは第 4 , 6図を参照して第一時差時刻表示部 4の中心部の輪列構成についてのみ説明する。

前記第一時差時刻表示部 4を構成する翰列中心部は、いわゆる遊星車方式を採用しており次のような構成となっている。すなわち、下受 1 4 には中心軸 1 4 aが植設してあり、該中心軸 1 4 aにはデュアル車 4 3 とデュアル 2番車 3 8が係合し、デュアル 2番車 3 8にはデュアル筒車 4 6が係合している。デュアル車 4 3は齒数 1 1枚で形成され、デュアル躍制パネ 4 2により回転を規制されている。デュアル 2番車 3 8は、第二日の裏車 3 6と嚙み合うデュアル 2番齒車 3 8 aと、前記デュアル 2番歯車 3 8 aを介して上下に設けられた遊星車 4 4， 4 5より搆成されている。そして、該遊星車 4 5には、デュアル 2番歯車 3 8 aに設けた回転穴 3 8 bを貫通して、同心状に遊星車 4 4を固着する凸部軸 4 5 aがー体に形成されている。

また、デュアル筒車 4 6は、 L T時針 4 aを固着し、歯数 1 2枚で形成されており、前記遊星車 4 5と嚙み合うとともに、デュアル車 4 3及びデュアル 2番車 3 8と同心軸状に配設されている。そして、前記デュアル筒車 4 6、デュアル 2番車 3 8、デュアル車 4 3は、文字板 1 3とデュアル筒車 4 6との断面的中空部に配設したバネ性を有するデュアル針座 4 7のバネの反力により、常に下受 1 4側に押圧されている。

第二日の裏車 3 6を介して中心車 2 5と同速回転するデュアル 2番車 3 8は、時計回転方向に 6 0分で一回転するよう構成されている。前記デュアル 2番車 3 8の回転に伴なつて、前記デュアル車 4 3と嚙み合う遊星車 4 4は、位置規制されているデュアル車 4 3の歯形 4 3 aの軌跡上を摺動しながらデュアル 2番齒車 3 8 aに設けた回転穴 3 8 bを中心に右回転する。

遊星車 4 5は、遊星車 4 4に同期して同方向に回転する。また、遊星車 4 5と嚙み合うデュアル筒車 4 6は、遊星車 4 5の歯形からの押圧力が前記デュアル針座 4 7とデュアル筒車 4 6の摩擦力に打ち勝つことによって、前記デュアル 2番車 3 8に対して減速比 1 Z 1 2の速さで、デュアル 2番車 3 8と同じように右回転する。前記デュアル 2番車 3 8及びデュアル筒車 4 6の駆動方法は、通常運針時のみならず針合せの場合でも同様の回転動作を行なう。

次に、前記ローカルタイムを表示する L T時針の時差修正について、第 4， 6図によって説明する。

チ'ユアル車 4 3の近傍に配設し、合成樹脂製の力レンダ一プレート 4 8と一体形成したボス 4 8 aを回転中心に動作するデュアル修正レバー 4 9は、外部操作部材の P B 9に連動して、 P B 9の一回押し操作ごとに歯形 4 3 aと係合したデュアル車 4 3を 1時間分早送りする。また、デュアル修正レバー 4 9は、 P B 9を解除した状態では、時計ム一ブメントの外周側に配設した戻しバネ 5 0により常に所定の位置に停止している。

以上、第一時差時刻表示部 4の針合せと修正機構等につ __ぃて述べたが、他の時差時刻表示部 5や 6も基本的には同じ機構を有している。とりわけ、第二時差時刻表示部 5は、時差修正時の操作性を向上させるために 2時方向に配設してある P B 1 0と連動させるために、前記デュアル修正レバ一 4 9と比べてデュアル修正レバー 5 1の外形形状は変っているが、修正時の作動方向ゃ苠しバネの作用などは同じである。

以上のように、通常時刻表示翰列と時差時刻表示輪列とが連動しているので、少なくとも通常時刻の針合せにより時差時刻表示部も同時に針合せができ、さらに時差時刻表示部は前述したプッシュポタンのワンタツチ操作で時差修正がセットできるので、操作方法が分りやすく使用者の誤操作も起きにくく、従来のような表示合せミスを防止することがでさる。

次に、日針 7 aが 1ヶ月の周期で揺動驄動する力レンダー機構について、第 5， 7図によって説明する。

前述した第二日の裏車 3 6のカナ 3 6 cと嚙み合い、通常時刻表示用の時針 1を固着する円筒部 4 0 aを有する筒車 4 0は、筒歯車 4 0 bに対して前記円筒部 4 0 aとは反対側の面に日回し伝え歯車 4 0 cを有し、該日回し伝え歯車 4 0 Gは 1 2時間で一回転するとともに、次段車である日回し車 5 2に回転力を伝える。

前記日回し車 5 2は、日回し伝え歯車 4 0 cに対して 1 Z 2の減速比で駆動し 2 4時間で一回転する。さらに、日回し車 5 2には、曰針 7 a を 1ヶ月周期で揺動運針させるためのカム装置を構成する日中間車 5 3 に回転を伝える日回しつめ 5 2 aがー体形成されている。前記日回しつめ 5 2 aは、日中間車 5 3と 2 4時 Wに一回係合して日中間車 5 3を 1 / 3 1回転させるとともに、日中間車 5 4を介して日針 7 aを固着する曰車 5 5や日苠し車 5 6に回転力を伝達する。

また、曰回し車 5 2は、下受 1 4に植設した日回し車軸 1 4 bを中心として回動するが、後述する日針 7 aの早修正時に日中間車 5 3と前記曰回しつめ 5 2 aが干渉した際、部品の破損が発生しないように曰回し車軸 1 4 bと係合する回転穴 5 2 bを長穴化してある。これによつて、例えば外部操作部材を介して日中間車 5 3に外力が加わったとき、前記長穴の回 ¾穴 5 2 bにより日中間車 5 3からの回転力が日回しつめ 5 2 aを介して日回し車 5 2に伝わるが、日回し車 5 2は日中間車 5 3の回転力によって喘み合い位置から離反するので何等支障のないようになつている。

曰針 7 aを揺動運針させるカム装置は、日中間車 5 3に一体成形したカム 5 3 aと、日中間車 5 4の回転中心に対して日車 5 5と嚙み合う齒形 5 4 aとは反対側に設けたレバー 5 4 bと、日車 5 5を介して日中間車 5 4のレバー部 5 4 bが *^にカム 5 3 a側に押圧され、カム 5 3 aの軌跡に沿ってレバー部 5 4 bを確実に作動させるために設けた日し車 5 6と、曰苠しバネ 5 7 aとにより構成されている。前記カム 5 3 aの輪郭は、日中間車 5 4が等速で能動し、結果として日針 7 aが右回転方向へ等間隔に運針するようなカム輪郭で形成されている。前記日中間車 5 3は、裏板 5 7と一体化した日躍制バネ 5 7 bにより位置決めされ、カム 5 3 aとレバ一 5 4 bの静的位置を安定させて日針 7 aの平面方向の握れを防止するとともに、前記日回しつめ 5 2 aとの嚙み合いを安定化させて、日針 7 aの早修正機構を構成する早修正レバ一 5 8との係合を確実化させている。

第 8図により曰針 7 aの早修正機構を説明する。

日針 7 aの早修正機構は、基本モジュール Aに搽载された外部操作切り換え機構を構成している卷真 2 6の軸方向で係合するッヅミ車 3 1に取り付けられた早修正つめ 5 9と、カレンダープレート 4 8に一体成形されたボス 4 8 bを回転中心に作動する早修正レバー 5 8により構成されている。そして、巻真 2 6の一段引き状態でリュ一ズ 8を回転操作すると、前記早修正つめ 5 9は卷真 2 6の回転に連動してッヅミ車 3 1と共に回転し、早修正レバー 5 8に設けた凸部 5 8 aと係合して前記ボス 4 8 bを中心に早修正レバ一 5 8を回転させる。

早修正レバー 5 8は、前記早修正つめ 5 9と凸部 5 8 a形状との係合状態が解除されたときに作動前の静止位置に戻るように、常に回転力が働くように戻しバネ 5 8 bが一体化されている。該しバネ 5 8 bは、早修正レバー 5 8の回転中心部 5 8 cを略包含する如き形状の早修正レバー体 5 8 dと一体に形成され、カレンダ一プレート 4 8に配設したストッパー壁 4 8 c (第 4図参照）に常に当接して宸しカを得ている。さらに、早修正レバー 5 8には、前記早修正状態で日中間車 5 3を少なくとも 1 Z 3 1づっ回転させるための送りつめ 5 8 eと、該送りつめ 5 8 eが修正完了時点で作動前の静止位置に裏る際に、日中間車 5 3と干渉して逆転させないように送りつめ 5 8 eに弾力性を持たせるバネ部 5 8 f を一体形成している。

次に、第 9〜1 1図によって、 L T時針と L T分針の時差修正動作について説明する。

第 9図は、第一時差時刻表示部 4が通常運針して 1 2時を表示している状態を示す餘列部の平面図であり、第 1 0図は、第一時差時刻表示部 4が外部操作部材の操作によりデュアル車を反時計方向に一ピッチ回転させて 1時間遅らせた状態を示す輪列部の平面図、第 1 1図は、デュアル車を時計方向に一ピッチ回転させて 1時間進めた状態を示す輪列部の平面図である。

通常の運針時は、基本モジュール Aの分針 2を固着し、反時計方向に回転される第二日の裏歯車 3 6の齒車部 3 6 bと嚙み合う L T分針 4 b を固着する。

第二曰の裏歯車 3 6の歯車部 3 6 bと、時計方向に回転されるデュアル 2番車 3 8のデュアル 2番歯車 3 8 aの齒部 3 8 cとの嚙み合いバックラッシュ = b lは、デュアル 2番車 3 8のデュアル 2番歯車 3 8 aが時計方向に先行回転する方向に存在している。デュアル躍制バネ 4 2に規制された齒数 1 1枚のデュアル車 4 3と、デュアル 2番車 3 8に設けられ該デュアル 2番車 3 8に規制され時計方向に自公転する齒数 1 2枚の遊星車 4 4との嚙み合いバックラッシュ = b 2は、遊星車 4 4が時計方向に先行自転する方向に存在している。前記遊星車 4 4と同軸にデュアル 2番車 3 8に設けられた齒数 1 2枚の遊星車 4 5と、齒数 1 2枚のデュアル筒車 4 6との崚み合いバックラッシュ- b 3は、デュアル筒車 46の時計方向に先行回転する方向に存在している。

次に、外部修正部材の PB 9を操作して、デュアル修正レバー 49によりデュアル車 43を反時計方向に一ピッチ（360Z11) 度回転すると、遊星車 44， 45は共に（360Z11) X (11/12) 度反時計方向に回転し、デュアル筒車 46は時計方向に（360Z11) X (11/12) X (12 12) = 30度回転し、 LT時針 4 aのみを 1時間遅らす。

ここで、前述の各バックラッシュについて説明する。

デュアル車 43が反時計方向に回転されると、デュアル針座 47の押し圧力によりデュアル 2番歯車 38 aがデュアル車 43と同様に反時計方向に回転しょうとするが、第二日の裏歯車 36の歯車部 36 bとデュアル 2番歯車 38 aの歯部 38 cとの嚙み合いバックラッシュ =b 1の方向は通常運針時と同じであるため、デュアル 2番車 38に固着された LT分針 4 bはバックラッシュ =b 1の影響を受けることがない。したがって、ホームタイムを表示する分針 2とローカルタイムを表示する L T分針 4 bはずれを発生しない。

また、この状態ではデュアル車 43と遊星車 44との嚙み合いバックラッシュ =b 2の方向も通常運針時と同じであり、バックラッシュ = b 1の影響は受けない。

一方、遊星車 45とデュアル筒車 46との嚙み合いバックラッシュ = b 3の方向は通常運針時とは逆方向になり、デュアル筒車 46は前述の如くちようど 30度ではなく、バックラッシュ = b 3だけ回転角が減少し、； LT時針 4 aは 11時より若干進んだ位置になる。通常、腕時計サィズの、この種の輪列の軸がたをも含んだバックラッシュは 0. 05m m程度であり、歯数 12枚のデュアル筒車 46のサイズだと約 3度位になる。また、 LT時針 4 aは約 6分進んだ位置に停止する。次に、仮に、 P Bやリューズ等によりデュアル車 4 3が時計方向に回転されたとすると、デュアル針座 4 7の押し圧力によりデュアル 2番歯車 3 8 aがデュアル車 4 3と同様に時計方向に回転しょうとする。このため、第二日の裏車 3 6の歯車部 3 6 bとデュアル 2番歯車 3 8 aの齒都 3 8 cとの嚙み合いバックラッシュ- b 1の方向は通常運針時とは逆の方向になり、デュアル 2番車 3 8に固着された L T分針 4 bはバックラッシュ- b 1だけ時計方向に回転し、ホームタイムを表示する分針 2 より口一カルタイムを表示する L T分針 4 bは若干進んだ位置にある。バックラッシュ = b 1は分伝え車 2 9と第二日の裏車 3 6の歯車部 3 6 aとのバックラッシュであり、第二日の裏車 3 6の軸がたをも考盧すると、デュアル 2番車 3 8は約 4度位になり L T分針 4 bは約 4 0秒進んだ位置に停止する。

また、この状態では、デュアル車 4 3と遊星車 4 4との嚙み合いバックラッシュ = b 2の方向も通常運針時とは逆方向になり、遊星車 4 と遊星車 4 5はバックラッシュ = b 2分だけ回転角が減少する。

一方、遊星車 4 5とデュアル筒車 4 6との嚙み合いバックラッシュ = b 3の方向は通常運針時と同じ方向になり、この状態でデュアル筒車 4 6を回転させるが、ちょうど 3度ではなくバックラッシュ = b 2だけ回転角が減少し、 L T時針 4 aは 1時より若干遅れた位置になる。バックラッシュ = b 2も前述のバックラッシュ = b 3と同等であり、齒数 1 2 枚のデュアル筒車 4 6のサイズだと約 3度位になり約 L T時針 4 aは 6 分遅れた位置に停止する。

前述の如く、ローカルタイムの時差修正を、デュアル車 4 3を反時計方向に回転することによって L T時針 4 aを 1時間づっ遅らす方向に行なう場合、 L T分針 4 bとホームタイムを表示する分針 2とのずれは発生せず、 L T時針 4 aのみが約 6分程進んだ位置に停止する。しかし、口一カルタイムの時差修正を、デュアル車 4 3を時計方向に回転して L T時針 4 aを 1時間づっ進める方向に行なう場合は、 L T分針 4 bはホ —ムタイムを表示する分針 2より約 4 0秒程進んだ位置に停止し、逆に L T時針 4 aは約 6分程遅れた位置に停止する。

次に、曰針 7 aが 1ヶ月の周期で揺動駆動するカレンダー機構について第 6 , 7図を参照して説明する。

前述した第二日の裏車 3 6のカナ部 3 6 cと嚙み合い、通常時刻表示用の時針 1を固着する円筒部 4 0 aを有する筒車 4 0は、その上部に日回し伝え歯車 4 0 cを有している。

日回し伝え歯車 4 0 cは、 1 2時間で一回転すると共に、次段車である日回し車 5 2に回転力を伝える。また、日回し車 5 2は、曰回し伝え歯車 4 0 cに対して 1 2の減速比で駆動して 2 4時間で一回輊する。さらに日回し車 5 2には、日針 7 aを 1ヶ月周期で揺動運針させるためのカム装置を構成する日中間車 5 3に回転を伝える日回しのためのつめ 5 2 aがー体成形されている。このつめ 5 2 aは、日中間車 5 3と 2 4 時間に一回係合して、日中間車 5 3を 1 Z 3 1回転させると共に、日中間車 5 4を介して日針 7 aを固着する日車 5 5や日戻し車 5 6に回転力を伝達する。

また、日回し車 5 2は、下受 1 4に植設した曰回し車軸 1 4 bを中心として回動するが、後述する日針 7 aの早修正時に日中間車 5 3と前記日回し用のつめ 5 2 aが干渉した際、部品の破損が発生しないように日回し車軸 1 4 bと係合する回転穴 5 2 bを長穴化してある。これによつて、例えば、外部操作部材を介して日中間車 5 3に外力が加わったとき、前記長穴の回転六 5 2 bにより日中間車 5 3からの回転力がつめ 5 2 a を介して日回し車 5 2に伝わるが、曰回し車 5 2は日中間車 5 3の回転力によって嚙み合い位置から離反するので何等支障のないようになっている。

曰針 7 aを揺動運針させるカム装置は、曰中間車 5 3に一体成形したカム 5 3 aと、曰中間車 5 4の回転中心に対して日車 5 5と嚙み合う齒形 5 4 aとは反対儺に設けたレバー 5 4 bと、日車 5 5を介して日中間車 5 4のレバ一 5 4 bが常にカム 5 3 a側に押圧され、カム 5 3 aの軌跡に沿ってレバー 5 4 bを確実に作動させるために設けた日し車 5 6 と、日しバネ 5 7 a (第 5図参照）により構成してある。カム 5 3 a は、日中間車 5 4が等速で黯動し、結果として日針 7 aが右回転方向へ等間隔に運針するようなカム輪郭を形成している。

第 5図に示すように、日中間車 5 3は、裏板 5 7と一体化した日躍制バネ 5 7 bにより位置決めし、カム 5 3 aとレバー 5 4 bの静的位置を安定させ、日針 7 aの平面方向の振れを防止すると共に、前記日回し用のつめ 5 2 aとの嚙み合いを安定化させ、曰針 7 aの早修正機構を構成する早修正レバー 5 8との係合を確実化させている。

第 8， 1 3図により、日針 7 aの早修正機構を説明する。

日針 7 aの早修正機構は、基本モジュール A (第 3図参 _照）に搭载された外部操作切り換え機構を構成している卷真 2 6の軸方向で係合するッヅミ車 3 1に取り付けられた早修正つめ 5 9と、カレンダープレート 4 8に一体成形されたボス 4 8 bを回転中心に作動する早修正レバー 5 8により構成されている。そして、巻真 2 6の一段引き状態でリューズ 8を回転操作すると、前記早修正つめ 5 9は卷真 2 6の回転に連動してッヅミ車 3 1と共に回転し、早修正レバー 5 8に設けた凸部 5 8 a形状と係合して前記ボス 4 8 aを中心に早修正レバー 5 8を回転させる。第 5， 8図に示すように、早修正レバー 5 8は、前記早修正つめ 5 9 と凸部 5 8 a形状の係合状態が解除されたときに、作動前の静止位置に苠すための回転力が働くよう、しバネ 5 8 bを一体化している。該戾しバネ 5 8 bは、早修正レバー 5 8の回転中心部 5 8 cを略包含するように早修正レバー体 5 8 dから形成され、カレンダ一プレート 4 8に配設したバネストッパ一壁 4 8 cに常に当接してし力を有している。さらに、早修正レバ一 5 8には、前記早修正状態で日中間車 5 3を少なくとも 1 / 3 1回転させるための送りつめ 5 8 eと、該送りつめ 5 8 eが修正完了時点で作動前の静止位置に戻る際に、日中間車 5 3を逆転させないように該送りつめ 5 8 eを弾性力を持たせるバネ部 5 8 f を一体形成している。

前述した口一カルタイム表示輪列 1 5と、カレンダ一機構は、下受 1 4、カレンダ一プレート 4 8と共に、時計ムーブメントのプロフィールと略同等の形状を有する裏板 5 7を介して基本モジュールの地板 1 2のネジ締結部 6 0にネジ締結され、これにより断面的な位置規制がされている。

第 1 2図は、カレンダ一輪列部の一部を説明のために第 7図から取り出した図であり、裏板 5 7は説明上必要な部分以外は除いてある。この第 1 2図により、曰回し車 5 2の機能についての説明を行なう。

曰回し車 5 2は、通常運針時は筒車 4 0の日回し伝え歯車 4 0 cからの回転により下受 1 4に植設した日回し車軸 1 4 を中心として左回転する。後述する日針 7 aの早修正時に曰中間車 5 3と前記日回しつめ 5 2 aが干渉する場合には、日回し車 5 2がカレンダーを送った直後に、日中間車 5 3の回転によって日回し車 5 2の日回しつめ 5 2 aが日中間車 5 3の歯車と干渉する状態となる。この状態のときに、リュ一ズ 8の回転によりカレンダー修正を行なう場合には、部品の破損が発生しないように日回し車軸 1 4 bと係合する回転穴 5 2 bを長穴化し、かつ裏板 5 7と一体になつた日回し押えバネ 5 7 dで曰回し車 5 2の歯車面に垂直方向に弱い負荷を掛ける。このようにすると、早修正レバー 5 8の送りつめ 5 8 eによって日中間車 5 3が回転させられた場合、曰中間車 5 3からの回転力が日回しつめ 5 2 aを介して日回し車 5 2に伝わる。しかし、第 1 2図（b ) で示すように、負荷が掛けられた点を支点として、ョ回し車 5 2が、日中間車 5 3からの回転力によって回転長穴 5 2 bの中を嚙み合い位置から離反する方向に回転するので何等支障は生じない一方、日回し車 5 2が日中間車 5 3から離反した状態以後は、筒車 4 0の通常運針による回転が曰回し伝え歯車 4 0 cと嚙合する日回し車 5 2に伝えられ、押えバネ 5 7 bの負荷が掛けられた点を支点として日回し車 5 2が日中間車 5 3に近づく方向に回転する。

第 5図に示すように、日針 7 aを摇動運針させるカム装置は、日中間車 5 3に一体成形したカム 5 3 aと、曰中間車 5 4の日車 5 5と嚙み合う歯形 5 4 aとは反対厠に設けたレバー 5 4 bと、日苠し車 5 6と、日苠しバネ 5 7 aとで構成されている。ここで、日し車 5 6は、日車 5 5を介して日中間車 5 4のレバ一部 5 4 bを常にカム 5 3 a側に押圧し、カム 5 3 aの軌跡に沿ってレバ一部 5 4 bを確実に作動させるように作用する。

なお、カム 5 3 aの翰郭は、日中間車 5 4が等速で駆動し、結果として日針 7 aが右回転方向^ ^一日あたり等間隔に運針するようなカム輪郭で形成されている。

ところで、日中間車は、曰躍制バネ 5 7 bによって位置決めされているため、曰戻しバネ 5 7 aが掛けられた日哀し車 5 6は、嚙合する日車 5 5を介して日中間車 5 4のレバー 5 4 b都をカム 5 3 aに押しつける方向に常に力を掛ける。これにより、日戻し車 5 6、日車 5 5、日中間車 5 4の各々の歯車間のバックラッシュが前述方向に寄せられることになり、日車 5 5の揺動動作による日針 7 a動作方向が変わった場合でもバックラッシュによる指示値ずれは無く、バックラッシュを補正させるための動作を必要としない。また、日針 7 aの針付け作業時においても、日車 5 5の位置が安定しているため作業性が向上する。

さらに、前記の力レンダ一輪列における日戻しバネ 5 7 aと日躍制バネ 5 7 bにより、カム 5 3 aとレバ一 5 4 bの静的位置を安定させて日針 7 aの平面方向の振れを防止すると共に、前記日回しつめ 5 2 aとの嚙み合いを安定化させて、後に述べる日針 7 aの早修正機構を構成する早修正レバー 5 8との係合を確実化させている。

一方、日躍制バネ 5 7 bは、日中間車 5 3に掛けることによって、日躍制バネ 5 7 bの躍制頭部 5 7 eが裏板 5 7の躍制押え 5 7 f の下に潜り込み、外部衝撃によって日躍制バネ 5 7 bが外れるのを防止しているところで、日車 5 5は、デザイン性の問題から時計モジュールの外周寄りに配置されている。このため、日中間車 5 4と日苠し車 5 6は、他部品との干渉を避けるために図 5のような異形形状をしている。

そのため、モジュール組立時には、日中間車 5 4と日 ¾し車 5 6の相対的な位置関係を出さないと嚙み合い外れを起こすなど機能上の問題がある。

そこで、カレンダ一プ L ^一ト 4 8には、庇状凸都 4 8 d、 4 8 eが前記二つの歯車組み込み部に設けてあり、その庇状凸部 4 8 d、 4 8 eおよびカレンダ一プレート 4 8のガイド部 4 8 g、 4 8 hの形状に合わせて日中間車 5 4、日戻し車 5 6を組み込んだ後に、日車 5 5を組み込むことによって、日中間車 5 4と日戻し車 5 6の相対位置関係が出るようにしてある。勿論、前記二つの歯車を組み込んだ後は、歯車部は庇状凸部 4 8 d、 4 8 eの下に入り込めるようになつている。

第 1 3図（b ) ，（c ) は早修正機構の作動状態を示す平面図であるが、ッヅミ車 3 1の回転による早修正レバー 5 8の回転で日中間車 5 3 を 1齒ずつ送るために、送りつめ 5 8 eと規制ボス 4 8 f を配してある。そして、通常状態では、該規制ボス 4 8 f に送りつめ 5 8 eが掛かるように早修正レバー 5 8のバネ部 5 8 f に初期たわみ持たせてある。また、早修正時には、早修正レバー 5 8の回転にともなって、送りつめ 5 8 e が、規制ボス 4 8 f の側面を滑るように移動して曰中間車 5 3の歯車の間に入り込み（図 1 0 ( b ) ) 、その後、送りつめ 5 8 eが規制ボス 4

8 f を外れて早修正レバー 5 8と同様の円弧回転をして、日中間車 5 3 の躍制が跳ぶような作動軌跡を規制させている（図 1 9 ( G ) ) 。

また、送りつめ 5 8 eが日中間車 5 3の齒をニ枚以上送らないようにするため、早修正レバ一 5 8の頭部 5 8 cはカレンダ一プレート 4 8に一体に設けたガイド壁 4 8 iに沿って作動させられる。このため、送りつめ 5 8 eは、日中間車 5 3との係合が外れる（図 1 0 ( c ) 。

なお、前述したローカルタイム表示翰列 1 5とカレンダー機構は、下受 1 4やカレンダープレート 4 8と共にム一ブメントのプロフィールと略同等の形状を有する裏板 5 7を介して、基本モジュールの地板 1 2にネジ緖結部 6 0で綺結することにより断面的な位置規制が成されている。

Claims

請求の範囲

1. 表示部のほぼ中央に配設した第一指針表示部と、この第一指針表示部の周囲に配設した第二指針表示部を有し、前記第一指針表示部の駆動輪列と第二指針表示部の駆動輪列を連動するように配設し、かつ第二指針表示部の修正機構を前記第一指針表示部の駆動輪列と独立して配設した指針式多時刻表示時計。

2. 第一指針表示部がホームタイム時刻の表示を行ない、第二指針表示部が、複数あり、かつそれぞれの第二指針表示部が各地の時差時刻を表示する請求の範囲 1記載の指針式多時刻表示時計。

3. 第一指針表示部の鹿動輪列と第二指針表示部の駆動輪列を、第一指針表示部の日の裏車で連動させる請求の範囲 1記載の指針式多時刻表示時計。

4. 日の裏車が複数あり、このうちの少なくも一つの日の裏車が複数の第二指針表示部の能動輪列のデュアル 2番車と同時に嚙み合い連動している請求の範囲 3記載の指針式多時刻表示時計。

5. 第二指針表示部の修正機構が、チ'ユアル車（43) と、デュアル 2 番車（38) と該デュアル 2番車（38) に設けられた遊星歯車（44， 45) と、外部修正部材（9) と、該外部修正部材（9) により回転 IB 勤されるデュアル修正部材（49) とを備え、前記デュアル車（43) は該遊星車（44) に嚙み合い、躍制バネ（42) によって回転規制されるとともに、同軸にあって前記遊星車（45) と嚙み合うデュアル筒車（46) を有し、該デュアル筒車（46) は前記デュアル 2番車（3 8) の回転により減速回転するとともに、前記デュアル車（43) の一ピッチ回転により整数分の一回転するように構成され、かつ、前記デュアル筒車（46) が前記デュアル修正部材（9) により反時計方向のみに一ピッチ回転する請求の範囲 1記載の指針式多時刻表示時計。

6. カレンダ表示部における日針（7 a) を揺動運針させるカム装置を、曰中間車（53) に一体成形したカム（53 a) と、曰中間車（54) に設けたレバー（54 b) と、曰車（55) を介して日中間車（54) のレバー部（54 b) が常にカム（53 a) 側に押圧され、カム（53 a) の ¾銥に添ってレバ一部（54 b) を作動させるために設けた日:^ し車（56) と、レバー部をカムに押し付ける方向に力をかける日戻しバネ（57) とで構成したことを特徴とする指針式多時刻表示時計。

7. 基本モジュール Aに搭載された外部操作切り換え機構をなしている巻真（26) の軸方向で係合するッヅミ車（31) に取り付けられた早修正つめ（59) と、カレンダープ i ^一ト（48) に一体成形されたボス（48 b) を回転中心に作動する早修正レバ一（58) よりなるカレンダ表示部の早修正機構であって、早修正レバ一（58) の送りつめ（ 58 e) に、規制ボスにより初期たわみを持たせることによって早修正レバー（58) の送りつめ（58 e) の作動軌跡を規制し、かつ前記ッヅミ車（31) は早修正レバー（58) と係合する早修正つめ（59) を有し、リューズ（8) の回転によって早修正レバ一（58) を作動させる請求の範囲 6記載の指針式多時刻表示時計。

8. 表示指針を駆動する指針躯動車（40 c) と該指針躯動車（40 c) と嚙合する複数の伝達車（52， 53) を有し、該伝達車のうち一つの伝達車（53) は 31枚の齒を有し、別の伝達車である日回し車（52) は回転穴（52 η) が長穴形状であり、歯車（53) に対して垂直方向に押えバネ（57 c) を掛けている請求の範囲 6記載の指針式多時刻表示時計。