JP7131669B2 - 時計のムーブメント - Google Patents
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Description
上述した時計のムーブメントの一態様によれば、第一の表示車と第二の表示車とは、軸方向に離れて配置され、個別に回動することができるため、平面視における省スペース化に寄与することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係るムーブメント2が備えられる時計1の概略構成を示す図である。図1において図示は省略するが、時計1は、外装ケースと、カバーガラスと、裏蓋とを備えている。カバーガラスは、円盤状の文字板10を覆うように外装ケースに取り付けられている。文字板10は、ユーザーに情報を表示する表示部として時計1に備えられている。
日星車63について説明する。図7は、ムーブメント2から日ジャンパー6及び月齢ジャンパー7を取り外した状態を示す斜視図である。図10は、図2のO―B―C―D―E切断線によるムーブメント2の断面図である。第二地板5により、日星車63及び日回し車62の位置決めされる。日星車63は、その軸が第二地板5に設けられる案内孔5Bに挿入されて回転可能に取り付けられることにより平面方向及び軸方向に位置決めされる。また、日星車63は、日ジャンパー6により上面側から軸方向に押えられて、位置決めをされる。日回し車62は第二地板5に軸支された中心軸75を回転軸にして回転可能に取り付けられることにより平面方向及び軸方向に位置決めされる。
月齢車40について説明する。図10において、ムーブメント2は、月齢車40、月齢車案内座54、月齢回し車52を備える。第二の表示車案内座としての月齢車案内座54は、日ジャンパー6に日星車63と同軸になるように案内部として形成された筒部6Bにより位置決めされる。その月齢車案内座54の立上り部54Aの外側で月齢車40が摺動回転可能に位置決めがされる。月齢車40の軸方向の位置決めは月齢車案内座54と月齢ジャンパー7により行われる。日星車63の軸58は、日ジャンパー6上の筒部6Bと月齢車案内座54の立上り部54Aの中を貫通することにより、日星車63と、月齢車案内座54及び月齢車40が同軸になるように取り付けられる。この構成により、日星車63と月齢車40は軸方向に間をあけて配置され、互いに独立して回動可能である。また、日星車63と月齢車40を同軸に構成したため、前述の図1の小窓14において、月齢車40と、日指示針22を同軸にし、月マーク43、開口部10B、日指示針22等が軸方向に違う位置に配置され、奥行きのある立体的な表示が可能となり、装飾性を高めることができる。
月齢回し車52は、図10のとおり、日回し車62上に配置するとともに、第二地板5の案内孔5Cに軸支される中心軸75を、日回し車62と共通の回転軸として位置決めされ、図6に示す通り、日回し車62のダボ62Bをダボ受入孔52Bに挿入して取り付ける。このようにして、月齢回し車52は日回し車62と同軸かつ同時に回転可能に取り付けられる。
地板4、第二地板5及び日ジャンパー6等の部材のどうしの固定構造について説明する。図7は、ムーブメント2から日ジャンパー6、月齢ジャンパー7及び化粧板8を取り外した状態の斜視図である。図8は、ムーブメント2から第二地板5を外した状態の平面図である。図7のねじ61を第二地板5のねじ挿通孔(不図示)にねじを挿通させてねじ孔93に螺合させることにより、第二地板5は地板4に固定される。なお、ねじ孔93は、第二地板5に直接ねじ孔を切って形成してもよいし、ねじ孔を有する別部材を地板に取付けて設けてもよい。また、ねじ孔93は、このように第二地板5を取付けるためのねじ孔となるとともに、第二地板5を取付けないで、それ以外の押さえ板等の従来の部材を時計に取り付けるねじ孔としても共通に使用できるようにしてもよい。このようなねじ孔93の共通化により、第二地板5を付けるか否かによって、地板4の設計を変更する必要がないため、仕様変更を簡易に行うことが可能となる。
月齢修正機構について説明する。図5は前述のとおり化粧板8と月齢ジャンパー7を取り外した状態のムーブメント2の斜視図であり、図9は、第二地板5を裏面側から見た底面図である。図13は、月齢修正機構としての月齢修正伝えレバー56及び月齢修正レバー57並びにボタン55を抜き出した図、図14は、ボタン55が押された状態の月齢修正伝えレバー56及び月齢修正レバー57と月齢車40を示す図である。
図9のとおり、第二地板5の裏側には第二カレンダー修正車67のかなが配置されている。第二カレンダー修正車67のかなの歯部には、ジャンパー69が係合し、第二カレンダー修正車67の歯部位置を規制し歯先位置が歯先どうしで当たらない位置とすることで図11の小鉄車85と一体化し回転するカレンダー修正伝え車との係合時の突っ張りを防止する。この第二カレンダー修正車67は図11において示すとおり、第二地板5を介して裏側にかな、表側に歯車が回転可能に配置されている。図9おいて、小鉄車85と一体化し回転するカレンダー修正伝え車を仮想として示し、小鉄車85と一体化し回転するカレンダー修正伝え車が第二カレンダー修正車67と噛み合う様子を示す。
図6のとおり、日回し車62は、第一の弾性部62Dを備える。巻真80と係合したリュウズ25を操作して日修正を行う際に、日星車63の歯が日回し爪62Cと接しても、弾性部62Dが弾性変形して、日回し車62を回転させようとする力を逃がす。このため、日回し車62の破損を防止することができる。
図1の地板4の裏面側の部材が表面側から見える部分スケルトン部16は、時計独特の機構をユーザーに見せるための装飾である。図8において、地板4は、第一の切欠き部4Aを備える。また、図3のとおり、第二地板5は、第一の切欠き部4Aを含みつつ重なる第二地板開口部5Aを備える。更に図2のとおり、第二地板5に取付けられる化粧板8には、第一の切欠き部4Aに重なるように第二の切欠き部8Aが備えられる。また図1のとおり、文字板10には第一の切欠き部4Aと重なるように開口部10Bが備えられる。これらの第一の切欠き部4A、第二地板開口部5A、第二の切欠き部8Aを通じて、地板4の裏に位置するテンプ36が表面側から見えるようになっている。
図20は、本発明の第二実施形態の概略構成を示す図である。第一実施形態と同様の機能を有する部材や要素は同じ符号を用いて、説明を省略する。また、第一実施形態と同様に、図20において図示は省略するが、時計1は、外装ケースと、カバーガラスと、裏蓋とを備えている。カバーガラスは、円盤状の文字板10を覆うように外装ケースに取り付けられている。文字板10は、ユーザーに情報を表示する表示部として時計1に備えられている。
第二実施形態においては、図20のとおり、第一実施形態に加えて、文字板10上の3時位置に第三の表示として曜表示用の小窓17が設けられる。この小窓17は、外周を7分割する表示領域27が設けられている。これらの表示領域には、図示を省略するが、例えば「SU」、「MO」、「TU」、「WE」、「TH」、「FR」、「SA」等の日曜日から土曜日までの曜日を意味するための表記がされる。曜針26は、これらの文字のいずれかを指標して曜表示を行う。
図21は、ムーブメント2から月齢ジャンパー7を取り外した状態の図である。図22は、ムーブメント2の斜視図である。図21において、ムーブメント2は、第3の表示車としての曜表示車112と、曜表示車112を回すための第三の回し車としての曜回し車130とを備える。
図21のとおり、曜回し車130の曜回し歯車110の歯が日回し中間車71と噛みあっており、日回し中間車71が回転すると、曜回し歯車110は、ダボ受け孔110B及び係止部受け孔110Cが曜回し爪111のダボ111B及び係止部111Cを押すことで、曜回し爪111を回転させる。また、日回し中間車71は、12時間で1周し、曜回し車130は24時間で1周するよう減速される。曜回し車130が1回転すると、その曜回し爪111の曜回し係合部111Dは、曜星車112の歯と係合し、曜星車112を二歯分進める。曜星車112は、その軸に曜針26が取付けられ、曜星車112が二歯分進むと曜表示が一日分進む。また、図21のとおり、日ジャンパー6の躍制部6Cが曜星車112の歯と係合し、曜星車112の回転方向の位置決めを行う。このため、曜星車112は一日ごとに間欠的に回転可能である。また、図26のとおり、躍制部6Cは日ジャンパー6とジャンパー座131によりあがき(隙間)を持って位置決めされる。
図21及び図25のとおり、曜星車112は、曜修正車113と噛み合っている。図24は、日ジャンパー6を取外した状態でカレンダー修正車66の動きを示した図である。図24のとおり、カレンダー修正車66は、その軸66Aを第二地板5の長孔5Fに挿入することによって、長孔5Fにより案内される。第一層の巻真80が引かれた場合のおしどり等の機構は。図8に示した第一実施形態と同様であり、巻真80が一段引かれた状態では、つづみ車86が小鉄車85と噛み合い、小鉄車85(カレンダー修正伝え車と一体化している)が、第二カレンダー修正車67と噛み合う。そして、巻真80が時計回りに回されると、小鉄車85を介して第二カレンダー修正車67が平面視(図24の紙面上)時計回りに回転することより、図24の実線で示す通り、カレンダー修正車66が日修正車65側に移動し、日修正車65と噛み合うことによって、日星車63が回転することにより、日修正がされる。巻真80が反時計回りに回されると、小鉄車85を介して第二カレンダー修正車67が平面視において、反時計回りに回転する。第二カレンダー修正車67が平面視において反時計回りに回転すると、図24の仮想線で示すように、カレンダー修正車66が曜修正車113側に移動するとともに、曜修正車113と噛み合って回転する。このとき、曜修正車113は、カレンダー修正車66及び曜星車112と同時に噛み合うため、曜星車が時計回りに回転する。これらの動作により、曜修正が可能となる。
図27は、ムーブメント2を組立てる途中であって、日回し車62を組込んだ直後の状態を示す図である。日回し車62は所望のタイミングで日星車63を回転させるように、日回し中間車71との間で位相合わせをする必要がある。日回し車62はその表面側に目印62Eを備える。この目印62Eが日回し中間車71の軸へ向くように日回し車62がセットされれば、所望の位相合わせがされるように、目印の位置があらかじめ表示される。この目印62Eにより、組立作業者は、位相合わせを厳密に意識せずとも、組立作業において、目印62Eの位置を合わせるのみで、位相合わせが可能となる。このため、組立作業が容易となる。なお、本実施形態においては、目印62Eを日回し中間車71の軸に向かせる目印としたが、目印62E向かせる対象は、ムーブメント2が駆動する際に動かない部位であればよいため、別の対象に向かせるように目印62Eを設定してもよい。
Claims (6)
- 時分針が取り付けられた中心軸と、
日付表示のための第一の表示車と、
月齢表示のための第二の表示車と、
前記第一の表示車に係合して回転させる第一の回し車と、
前記第二の表示車に係合して回転させる第二の回し車と、を備え、
前記第一の表示車と前記第二の表示車は第1軸に配置され、
前記第一の回し車と前記第二の回し車は第2軸に配置され、
前記第1軸と前記第2軸とは、前記中心軸より一方向側に位置することを特徴とする時計のムーブメント。 - 前記第2軸は、前記中心軸と前記第1軸との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の時計のムーブメント。
- 前記第一の回し車又は前記第二の回し車の一方に、軸方向に突出して形成されたダボを有し、
前記第一の回し車又は前記第二の回し車の他方に、前記ダボを挿入するためのダボ受入孔を有し、
前記第一の回し車と前記第二の回し車とは、前記ダボが前記ダボ受入孔に挿入され、
前記第一の回し車及び前記第二の回し車のいずれか一方に他の歯車と噛み合うための歯型部が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計のムーブメント。 - 伝えレバー本体板部及び押圧部材により押圧される受け部を有し、第一の固定部材を回動軸として軸方向に対して垂直に回動可能にムーブメントに設けられる修正伝えレバーと、
修正レバー本体板部及び前記第二の表示車の歯に接するための修正部を有し、第二の固定部材を回動軸として軸方向に対して垂直に回動可能にムーブメントに設けられる前記第二の表示車を回動させる修正レバーと、を備え、
前記修正伝えレバー又は前記修正レバーのうち一方に、その他方に向かって突出して設けられる係合部又は前記係合部と係合するための受け孔を有し、
前記伝えレバー本体板部及び前記修正レバー本体板部は、軸方向に垂直な面と平行に配置され、
前記修正伝えレバーの前記受け部が前記押圧部材により押圧され前記修正伝えレバーが回動することにより、前記修正レバーが回動し、前記修正レバーの前記修正部が前記第二の表示車の歯に接し、前記第二の表示車が回動させられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の時計のムーブメント。 - 前記第一の回し車は、前記第一の表示車に係合するための第一の回し爪を有し、
前記第一の表示車が修正される際に前記第一の表示車の歯が前記第一の回し爪に接すると変形し、前記第一の回し車の回転を回避するための第一の弾性部を有し、
前記第二の回し車は、前記第二の表示車に係合するため第二の回し爪を有し、
前記第二の表示車が修正される際に前記第二の表示車の歯が前記第二の回し爪に接すると変形し、前記第二の回し車の回転を回避するための、第二の弾性部を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の時計のムーブメント。 - 部材を取付けるための凹凸を有し、ムーブメントの地板の表面側に取り付けられる第二地板を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の時計のムーブメント。
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