JP5343670B2 - 時計 - Google Patents
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特許文献1に記載の時計によれば、曜を表示する曜表示車と、日を表示する日星車(日表示車)とが設けられており、曜表示車が9時位置と10時位置との間で組込位置を変更可能とされ、日星車が3時位置と2時位置との間で組込位置が変更可能とされている。
このような時計では、各表示車の組込位置を変えて表示位置を変更することにより、同一の設計、設備で、時計の文字板上の表示レイアウトのバリエーションを増やすことができる。
しかし、この時計には、曜表示用の早修正機能が設けられていないため、曜の表示を修正する場合には、時刻修正機能を使用して修正するしかなく、修正操作が煩わしい。反対に、このような時計に早修正機能を持たせると、修正輪列の組込位置によって曜回し車等の組込位置に制約が生じることから、やはり3時位置と2時位置といった狭い範囲での組込位置の変更にとどまってしまう可能性がある。
本発明によれば、第1、第2修正輪列で伝え車を共用した場合でも、その共用の伝え車を入れ換えることなく、第1修正輪列を専用に構成する伝え車の組込位置を変更するだけでよいから、構造を簡素化しつつ、早修正を確実に実現できる。
本発明によれば、3時位置と6時位置または12時位置とで異なった情報表示が行えるうえ、巻真が設けられる3時位置を挟んで第1の各車の組込位置が6時位置または12時位置に変更されるので、組込位置の異なる各仕様において、巻真周りでの第1の各車の組込位置が巻真の軸線を中心として線対称に近い構造となり、各車の配置変更を容易に行える。
これに対して、本発明の時計においては、地板と文字板との間には第1層目の空間と第2層目の空間とが設けられ、前記第1層目の空間および第2層目の空間のいずれか一方の空間には、前記第1表示車、前記第1回し車、前記第1修正輪列を構成する伝え車が組み込まれ、他方の空間には、第3の情報を表示する第3表示車が組み込まれていてもよい。
これらの本発明によれば、各層の空間に第1の各車と第2、第3表示車とが分かれて組み込まれ、断面方向に重なって配置されることになるので、時計の平面サイズを小さくでき、時計をコンパクトにできる。
本発明によれば、同じ表示位置に異なる情報を表示でき、表示位置の異なる仕様の時計をより多種にわたって設定できる。
本発明によれば、本来第1回し車用に設けられた複数の組込部において、第1回し車が組み込まれない組込部に対して第3回し車を組み込むことで、第3回し車専用の組込部を設ける必要がなくなるため、表示する情報の種類が増えても、組込部を有効に利用できて時計のサイズが平面的に大きくなるのを抑制できる。
本発明によれば、第1表示車と第3表示車とを同じ回転周期(減速比)で回転させる場合に、第1、第3表示車を1つの共有な回し車で回転させることができ、部品点数を低減できる。
本発明によれば、第3表示車の表示を巻真とは関係なく、操作ボタンにより修正レバーを介して修正できるため、第3表示車の組込位置を巻真に影響されずに組み込むことができて設計の自由度を大きくでき、また、より多くの情報表示を実現できる。
充電式時計は、1次電池を使用した一般的な電子時計とは異なって、充電量が不足すると停止してしまうため、表示の修正を一般的な電子時計よりも多くの頻度で行うことが予想される。従って、第1修正輪列を備えている本発明の時計では、第1表示車の表示を修正する場合でも、迅速に修正でき、利便性に優れている。
(1.表示部分の全体説明)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る時計1の文字板2上での表示形態を竜頭3と共に示す平面図である。図2は、時計1の輪列構造の一部を模式的に示す平面図である。図3は、図2に示す輪列の組込位置を説明するための斜視図である。図4ないし図6は、時計1のそれぞれ異なる位置での断面図である。
以下には、図2に基づき、日表示、曜表示、および24時表示について説明する。
図2において、ステッピングモーターで間接的に駆動される筒車18には、第2回し車としての日回し車21が噛合している。日回し車21は、筒車18に対して1/2に減速され、1日で1回転する。日回し車21には日送り爪22が設けられており、この日送り爪22により3時位置に配置された第2表示車としての日星車23が送られる。日星車23には31枚の歯が形成され、回転軸には日表示針9が取り付けられる。日送り爪22によって1日1歯送られる日星車23は31日で1回転し、日表示針9が日表示部8にて31日分の日付を表示することになる。日星車23には位置規制用の日ジャンパー24が係合している。
また、第2曜修正伝え車56は曜回し車33と噛合しており、カレンダー修正伝え車51、第2カレンダー修正伝え車52、第3カレンダー修正伝え車53、曜修正伝え車55、および第2曜修正伝え車56にて第1修正輪列としての曜修正輪列58が構成される。
竜頭3を操作して0段位置から1段目の位置に段引きし、一方の順方向に回転させると、この回転が巻真61(図5)、つづみ車62、小鉄車63、カレンダー修正伝え車51、第2カレンダー修正伝え車52、および第3カレンダー修正伝え車53に伝達され、この第3カレンダー修正伝え車53が図2中の右方向に回転する。第3カレンダー修正伝え車53が右回転すると、該第3カレンダー修正伝え車53と日修正伝え車54とが噛合し、回転がこれらを介して日星車23に伝達され、日表示針9を回転させる。よって、1段引きされた竜頭3を一方向に回転操作することで、日ジャンパー24を越えて日星車23が回転し、日表示針9による日表示が修正される。
図3において、地板15の文字板2(図4)側には、座部材としての合成樹脂製のカレンダー下座70が取り付けられる。なお、図3では、巻真61が設けられている3時位置が図中の下方に位置している。カレンダー下座70には、各部品の配置スペースが部品の外形形状に合わせて設けられている。
図4において、地板15の図中の上側には前記カレンダー下座70が設けられ、カレンダー下座70の上側には金属製の第1板部材91が設けられている。第1板部材91の上部には合成樹脂製のカレンダースペーサー92が設けられ、カレンダースペーサー92の上部には金属製の第2板部材93が設けられている。カレンダー下座70は、第1板部材91の高さ決めを行う部品であり、カレンダースペーサー92は第2板部材93の高さ決めを行う部品である。カレンダー下座70を挟む地板15と第1板部材91との間の空間により第1層目の空間が形成され、カレンダースペーサー92を挟む第1、第2板部材91,93間の空間により第2層目の空間が形成されている。
すなわち、時計1では、曜表示車33に対してのみ第1、第2の曜表示組込部73,82が設けられている訳ではなく、曜回し車31や曜修正輪列58を構成する曜修正伝え車55、第2曜修正伝え車56に対しても第1、第2の組込部72,78,79,81,84,85が設けられているので、曜表示に関する車31,33,55,56全体の組込位置を変更でき、結果として曜表示車33の組込位置を、図1に示す6時位置と図7に示す12時位置とに大きく変更でき、より多様な仕様を実現できる。また、曜修正輪列58の組込位置も同時に変更可能であるから、曜表示車33および曜回し車31の組込位置変更後も、この曜修正輪列58を用いて曜表示の早修正を良好にできる。
図8は、本発明の第2実施形態に係る時計1の文字板2上での表示形態を竜頭3と共に示す平面図である。図9は、時計1の輪列構造の一部を模式的に示す平面図である。図10は、時計1の断面図である。なお、図8ないし図10において、前記第1実施形態で説明した構成部品と同じかまた同一機能部品については、第1実施形態と同じ符号を付してここでの説明を省略または簡略化する。
すなわち、曜表示を6時位置で行う仕様の場合には、本来曜回し車31用に設けられた第2の曜回し組込部81において、月齢回し車102を組み込むことで、月齢回し車102専用の組込部を設けなくとも12時位置に月齢を表示できる。従って、第1実施形態に比して表示させる情報の種類が増えても、第2の曜回し組込部81を有効に利用できて時計1のサイズが平面的に大きくなるのを抑制できる。
図12ないし図19には、第1ないし第8変形例として、前記第1、第2実施形態とは表示形態の異なる仕様の時計が示されている。
図12,13(第1、第2変形例)では、第1実施形態の時計1から24時表示に関する構成を省き、3時位置に日表示部8を設け、6時位置または12時位置に曜表示部11選択的に設けた場合が示されている。
その他、図示を省略するが、本発明に係る第1表示車としては、曜を表示する曜表示車33に限定されず、日を表示する日星車23であってもよい。また、減速比を適宜設定することにより、24時表示車などの時情報を表示する表示車や、月齢を針または円盤で表示する月齢表示車を第1表示車としてもよい。
また、組込位置を変更できる箇所としては、6時位置および12時位置に限らず、4時位置および10時位置で変更可能であったり、2時位置および8時位置で変更可能であったりなど、任意である。
Claims (8)
- 第1の情報を表示する第1表示車と、
前記第1表示車を回転させる第1回し車と、
前記第1表示車での表示を修正する第1修正輪列と、を備え、
前記第1表示車、前記第1回し車、および前記第1修正輪列を構成する伝え車が組み込
まれる組込部が、各車毎に複数箇所に設けられ、
第2の情報を表示する第2表示車と、
前記第2表示車を回転させる第2回し車と、
前記第2表示車での表示を修正する第2修正輪列と、
前記第1修正輪列を専用に構成する伝え車と、
前記第2修正輪列を専用に構成する伝え車と、
前記第1修正輪列および前記第2修正輪列に共通に用いられる伝え車とを備え、
前記第1修正輪列を構成する伝え車が組み込まれる複数の組込部としては、少なくとも
前記第1修正輪列を専用に構成する伝え車用に設けられており、
地板と文字板との間には第1層目の空間と第2層目の空間とが設けられ、
前記第1層目の空間および第2層目の空間のいずれか一方の空間には、前記第1表示車、
前記第1回し車、前記第1修正輪列を構成する伝え車が組み込まれ、他方の空間には、前記第2表示車が組み込まれていることを特徴とする時計。
- 第1の情報を表示する第1表示車と、
前記第1表示車を回転させる第1回し車と、
前記第1表示車での表示を修正する第1修正輪列と、を備え、
前記第1表示車、前記第1回し車、および前記第1修正輪列を構成する伝え車が組み込
まれる組込部が、各車毎に複数箇所に設けられ、
第2の情報を表示する第2表示車を備え、
前記第2表示車が巻真と共に3時位置に組み込まれ、
前記第1表示車が6時位置の組込部または12時位置の組込部に選択的に組み込まれ、
前記地板と前記文字板との間には前記第1層目の空間と前記第2層目の空間とが設けられ、
前記第1層目の空間および第2層目の空間のいずれか一方の空間には、前記第1表示車、
前記第1回し車、前記第1修正輪列を構成する伝え車が組み込まれ、他方の空間には、前記第2表示車が組み込まれていることを特徴とする時計。
- 請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の時計において、
前記第1層目の空間および第2層目の空間のいずれか一方の空間には、前記第1表示車、前記第1回し車、前記第1修正輪列を構成する伝え車が組み込まれ、
他方の空間には、第3の情報を表示する第3表示車が組み込まれていることを特徴とする時計。
- 請求項3に記載の時計において、
前記第3表示車は、前記第1表示車と同軸上に組み込まれていることを特徴とする時計。
- 請求項3に記載の時計において、
前記第3表示車を回転させる第3回し車を備え、
前記第3表示車は、前記第1表示車とは異なる位置の軸上に設けられ、
前記第3回し車は、前記第1回し車用に設けられた複数の組込部のうち、当該第1回し
車が組み込まれた組込部とは異なる組込部に組み込まれることを特徴とする時計。
- 請求項3に記載の時計において、
前記第3表示車を回転させる第3回し車を備え、
前記第3回し車は、前記第1回し車用に設けられた複数の組込部のうちの1つに組み込
まれているとともに、前記第1回し車を兼用していることを特徴とする時計。 - 請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の時計において、
前記第3表示車の表示を修正する修正レバーと、
前記修正レバーのレバー操作を行う操作ボタンとを備えていることを特徴とする時計。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の時計において、
回転錘、前記回転錘の回転によって駆動される発電機、
前記発電機で発電されたエネルギーによって駆動される制御回路、
前記制御回路からのパルス信号によって動作するステッピングモーターを備えた充電式の電子時計であることを特徴とする時計。
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