明細
ピリ ミ ジン化合物及びその薬学的に許容される塩類
〔産業上の利用分野〕
本発明は新規なピリ ミ ジン化合物又はその薬学的に 許容される塩類並びにそれらを有効成分とする動物の 末梢神経系及び中枢神経系の神経疾患の新規な治療用 剤に関する。
〔従来の技術〕
特公昭 46-23394号公報には、 下記式
M
、 ^NH-C0-A-C00ノ n ここで、 Aは C i eまでのアルキレンであるか、 又はァ ミ ノ基もしく は C 2~ s の低級ァシルァミ ノ基で置換 された低級アルキレンであり ; Mは H、 Na、 K、 ΝΗ4、 Mg、 Ca又は有機塩基性アンモニゥム塩であり ; そし て nは Mの原子価に等しい価である、
で表されるアミ ノ ビリ ミ ジン類が興味ある治療活性、 特に精神病治療の分野において抗抑うつ症剤又は精神 刺激剤としての活性を有することが開示されている。 特公昭 51-22044号公報には、 2—イソプロピルアミ ノ ーピリ ミ ジンのジクロロ低級脂肪族カルボン酸塩、 例えば 2—イソプロピルアミ ノーピリ ミ ジンのジクロ 口酢酸塩が神経病の治療剤として有用であることが開
示されている。
特開昭 52-100477号公報 (特公昭 59-28548号公報) には、 2—イソプロピルアミ ノ ビリ ミ ジンのリ ン酸塩 が神経病治療薬として有用であることが開示されてい 特開昭 54- 157575号公報には、 2 —クロ口ピリ ミ ジ ンを高収率で製造する方法が開示されており、 その実 施例には 69 %の収率で 2 —クロ口ピリ ミ ジンを得た具 体例が記載されている。
特開昭 55-393号公報には、 2 —イソプロピルアミ ノ ピリ ミ ジンを高収率で製造する方法が開示されており、 その実施例には 60 %の収率で 2 —イソプロピルチ^"ノ ピリ ミ ジンを得た具体例が記載されている。
特開昭 55- 122768号公報には、 下記式
ここで、 A
4、 A
5及び A
6はそれぞれ H又は OHを表すが、 これらのうちの少^ 3Γく とも 1つは 0Hを表すものとす る、
で表される 2—イソプロピルアミ ノ ビリ ミ ジンのヒ ド ロキシ誘導体が神経再生の分野及び筋ジス トロフィー の処置に有用であることが開示されている。
特開昭 55-145670号公報には、 下記式
ここで、 '、 A
5'及び Α
β'はそれぞれ H又はハロゲン 原子を表すが、 これらのうちの少なく とも 1 っはハ 口ゲン原子である、
で表される 2—イソプロピルアミ ノハロゲノ ピリ ミ ジ ンが種々の神経病及び筋ジス トロフィーの処置に有用 であることが開示されている。
特開昭 55-145671号公報には、 2 —イソプロヒ "Jk ミ ノ ピリ ミ ジンのヒ ドロキシ誘導体の製造法が開示さ れている。
特開昭 55-151571号公報には、 2 —イソプロピルァ ミ ノ ー 5 —ハロゲノ ビリ ミ ジンが神経病の治療におい て興味あることが開示されている。
特開昭 56-10177号公報には、 2 —メチルスルホニル ピリ ミ ジンをイソプロピルァ ミ ンでア ミ ノ リ シスする ことにより、 実質 量的な収率で 2 —イソプロピ ルァ ミ ノ ピリ ミ ジンを製造する方法が開示されている c 特開昭 56-26880号公報には、 ビス (イソプロピルグ ァニジン) 硫酸塩を 1, 1, 3, 3—テ トラエ トキシブロ バンと反応させて 2—イソプロピルァミ ノ ピリ ミ ジン
を製造する方法が開示されている。
特開昭 56-90013号公報には、 ピリ ミ ジン置換誘導体 又はその治療上許容し得る塩又はその代謝物を有効成 分とする筋ジス トロフィ ー、 筋病、 筋硬直病及び Z又 は筋肉神経伝達不全の治療剤が記載されている。 しか し、 同公報には活性化合物として、 2—イソプロピル アミ ノ ビリ ミ ジンのオルト リ ン酸塩をはじめとする種 々の塩が開示されているにすぎない。
ここで、 R 1は H又はァラルキルであり、 Yは同公報の - 特許請求の範囲に特定されて記載された 2価の有機 基である、
で表される 2 —ピペラジノ ピリ ミ ジン誘導体が水田用 および畑地用の除草剤として使用されることが開示さ れている。 - - また、 本発明者は先に、 特定のピリ ミ ジン誘導体又 は医薬として許容されるその塩を含有する神経疾患の 新規な治療用剤を提供した(国際公開番号!¥087/04928, W089/01938. 特願平 1 -41729号、 特願平 1 -334759号) 。 〔発明が解決しょう とする課題〕
本発明の目的は、 新規なピリ ミ ジン化合物およびそ
の薬学的に許容される塩を提供することにある。
本発明の他の目的は、 本発明の上記新規化合物を含 有する神経疾患用治療薬を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、 神経細胞の再生及び修 復効果を有する新規な神経疾患用治療薬を提供するこ とにある。
本発明のさらに他の目的は、 末梢神籙の障害疾患、 骨髄損傷等への適用し得る新規な神経疾患用治療薬を 提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、 神経伝達物質の作用系、 代謝系などの異常が第一義的閩与を行っているとみな される神経病 ^は異なる中枢神経の障害疾患へ適用し うる新規な神経疾患用治療薬を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、 学習記億の改善 · 回復 効果を有する新規な脳疾患用治療薬を提供することに め 0
本発明のさらに他の目的は、 肝障害の如き副作用が 少なく、 且つ神経疾患ないし脳疾患の治療に適切な薬 理作用を備えた総合的に優れた化合物を有効成分とす る新規 患用あるいは脳疾患用治療薬を提供す る と のる o
本発明のさらに他の目的及び利点は以下の説明から 明らかとなろう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、 下記式 ( I )
素原子、 低級アルキル基、 ベンジル基、 フヱニル基
/ R2' 又は低級アルコキシカルボニル基である) 、 -N
(式中、 R2'及び R3'は低級アルキル基である) は -t " N-R4' (式中、 R4 ' は水素原子、 低級アル キル基、 Xニル基又はべンジル基である) であり
Y は —Nぐ 〔式中、 素原子又は低級アル ヽ Π 3 R2は水
0
R4は水素原子、 ト リ フルォロメチル基、 水酸基、 シ
ァノ基、 ホルミル基、 低級ァシル基、 低級アルコキ シカルポニル基又はフルォロスルホニル基である) 、
0
子、 低級アルキル基又はフエニル基で又ある)
• である。 ただし、 Y COMNが
ノ でありかつ!?
3が低級ァシル基又は
-0 のいずれかである。 } で表されるピリ ミ ジン化合物又はその薬学的に許容さ れる塩類が提供される。
さらに本発明によれば、 上記式 ( I ) の化合物又は その薬学的に許容される塩類を有効成分として含有す
ることを特徵とする神綞疾患用治療薬が提供される。 本発明の上記式 ( I ) の化合物は、 それ自体公知の 方法、とりわけ特開昭 61-140568号及び特開昭 61-87627 号に記載された方法及びこれらの方法で得られた中間 体をそれ自体公知の方法 (例えば保護基の還元的除去) で処理することによ—つて製造することができる。 後述 する実施例 1〜 3には、 各化合物の製造法が詳細に記 載されている。
例えば、 一般式 ( I ) において、 Y がー NR2R3 であ り、 そして R2が低級アルキル基である化合物を製造し よう とする場合には、 下記反応スキーム 1 に示す方法 で製造することができる。 反応スキーム 1
を出発原料として、 J.Chem.Soc.
1965、 755〜761頁に記載された方法によって製造する ことができる。 反応スキーム 1 の反応は、 トルエン、 ジォキサン、 ピリ ジン又は水の如き溶媒中、 必要によ
り塩基性化合物の存在下で、 20で〜 150°Cの温度で好 適に実施される。 塩基性化合物としては、 例えばト リ ェチルァミ ン、 ピリ ジン及び 4 ージメチルァミ ノ ピリ ジンの如き有機塩基及び炭酸ナ ト リゥム及び炭酸力 リゥムの如き無機塩基が好適に使用される。 式飞 I ) において、 X が Y が
一 NJ •R R 1
-N N-C-R 5 である化合物は、 例えば、 2, 4—ジク
ロロピリ ミ ジンから出発して次式
の化合物を生成させ、 これを Rに C-C 1 のカルボニル
II
0
クロ リ ド化合物と反応させることによつて製造するこ とができる。
—般式 ( 1〉 において Y力 一
である化合物を製造しょう とする場合には、 下記反応 スキーム 2に示す方法で製造することができる。 反応スキーム 2
(V ) 反応スキーム 2の化合物 (W) を合成する反応は、 イソプロバノール、 n—ブタノール、 n —ペン夕ノー ル、 イソペン夕ノールなどの溶媒中で、 必要により塩 基性化合物の存在下に 60〜 2 00での温度で好適に実施 できる。 塩基性化合物としては、 例えばト リェチルァ ミ ン、 ピリ ジン及び 4 ージメチルァミ ノ ピリジンの如 き有機塩基、 さらに炭酸ナト リウム及び炭酸カ リ ウム の如き無機塩基が好適に使用される。 化合物 (V ) を 合成する反応は、 無溶媒又は塩化メチレン、 クロロホ ルム、 エチレンジクロリ ド、 トルエンなどの溶媒中で 0 °C〜 1 00°Cの温度で好適に実施できる。
本発明の化合物 (I ) 及びその塩類の製造について は後記の実施例に詳細に記載される。 本発明の化合物 ( I ) 及びその塩類の代表的なものを第 1表にまとめ て示す。 第 1表において、 右端の 「塩」 の欄の記号は 下記の意味を有する。
遊離化合物
PTSOH p — トルエンスルホン酸塩 MALEATE マレイ ン酸塩
(本頁以下余白)
第 1 表 化合物
番 号
CH:
116 COOCH;
CH;
PTSOH
172 C0CH.
PTSOH
18S 。 \、 COOCH:
CH:
192 -i^N -N-C0-^ C00CH3 MALEATE
204 COCH:
224 OTNノY<DN CHO MALEATE
ノT<DN-C
232 MALEATE ノ
236
coc
240 ■COCH: MALEATE ノ
CH:
268 〇
272 PTSOH
273 MALEATE
PTSOH
284
288 〇 PTSOH
HOS丄 d
02
ο ε
(本頁以下余白)
本発明の上記式 ( I ) の化合物は、 本発明者の研究 によれば、 神経疾患用治療薬として有用であることが 明らかとされた。
式 ( I ) の化合物は、 通常医薬組成物の形で用いら れ、 経口、 皮下、 筋肉内、 静脈内、 真内、 皮膚透過及 び直腸経路といった種々の経路により投薬される。 - 本発-明 (^薬的に許容される担体と活性成分として の一般式 ( I ) の化合物もしく はその薬学的に許容さ れる塩を含有する製薬調合物を包含する。 薬学的に許 容される塩には、 例えば酸付加塩並びに第 4級アンモ ニゥム (又はァミ ン) 塩が包含される。
本発明の化合物 ( I ) の薬学的に許容しうる塩類と しては、 例えば、 塩酸塩、 臭化水素酸塩 硫酸塩、 重 硫酸塩、 リ ン酸塩、 酸性リ ン酸塩、 酢酸塩、 マレイン 酸塩、 フマル酸塩、 コハク酸塩、 乳酸塩、 酒石酸塩、 安息香酸塩、 クェン酸塩、 グルコン酸塩、 糖酸塩、 メ タンスルホン酸塩、 p—トルエンスルホン酸塩、 ナフ 夕レンスルホン酸塩などの薬学的に許容しうるァニォ ンを有する非毒性酸付加塩を形成する酸から形成され る塩類もしくはそれらの水和物、 並びに第 4級アンモ ニゥム (又はァミ ン) 塩類もしく はそれらの水和物が あげられる。
本発明の組成物は、 例えば錠剤、 カブセル、 散剤、 顆粒、 トローチ、 カシエ一、 エリキシル、 乳濁液、 乳
液、 シロップ、 懸濁液、 エアロゾル、 軟膏、 無菌注射 液、 成形パップ、 軟質及び硬質ゼラチンカプセル、 坐 薬及び無菌包装粉末などの形にすることができる。 製薬的に許容される担体 (又は希釈剤) の例は、 乳 糖、 ブドウ糖、 蔗糖、 ソルビトール、 マンニトール、 とう もろこ し濺粉、 結晶セルロース、 アラ ビアゴム、 リ ン酸カルシ ム、 アルギン酸塩、 ケィ酸カルシウム、 微結晶セルロース、 ポリ ビニルピロ リ ドン、 トラガカ ン トゴム、 ゼラチン、 シロ ップ、 メチルセルロース、 カルボキシメチルセルロース、 メチルヒ ドロキシ安息 香酸エステル、 プロ ピルヒ ドロキシ安息香酸エステル、 タルク、 ステアリ ン酸マグネシウム、 不活性なボリマ —類、 水又は鉱油などである。
固体又は液体組成物のいずれも、 上記のような担体 のほか、 充填剤、 結合剤、 滑沢剤、 湿潤剤、 崩壊剤、 乳濁及び懸濁剤、 保存剤、 甘味剤あるいは芳香剤など を含有し得る。 本組成物は、 また患一者に投薬の後、 活 性成分が急速に、 持銃的に又は遅延的に放出されるよ うに処分することができる。
経口投与の場合、 式 ( I ) の化合物は、 担体又は希 釈剤と混合され、 锭剤、 カプセル剤などの形にされる。 非経口投与の場合、 活性成分は 10%ブドウ糖水溶液、 等張食塩水、 無菌水あるいは類似の液体に溶解され、 静脈内に点滴または注射により、 あるいは筋肉内注射
により投与されるべくバイアル又はアンブルに密閉さ れる。 有利には、 溶解捕助剤や局所麻酔剤、 保存剤及 び緩衝剤も媒体中に含有させることもできる。 安定性 を増すために、 本組成物をバイアル又はアンブルに注 入した後に、 凍結乾燥することも可能である。 非経口 投与の他の製剤としては、 例えば軟育剤、 パップ剤な どの経皮的に投与される製剤がある。 この場合成型パ ッブゃテープ剤が有利である。
本組成物は、 単位投薬量形状あたり一般に 0. 1 ない し 2000mg、 好ましく は 0. 5ないし l OOOmgの活性成分を 含有する。
式 ( I ) の化合物は広い H 量範囲にわたって有効 である。 例えば、 1 日あたりの投薬量は普通 0. 03mg Z kgないし l OOmg Z kgの範囲である。 実際に投与される 化合物の量は、 投与される化合物により、 また個々の 患者の年合、 体重、 反応、 症状の程度、 投与経路等に より、 医者により決定される。 従って、 上記の投薬量 範囲は本発明の範囲を限定するものではない。 1 日あ たりの好適な投薬回数は通常 1〜 6回、 好ましく は 1 〜 4回である。
式 ( I ) の化合物は、 それ自体で有効な末梢神経障 害、 中枢神経障害治療剤であるが、 必要ならば 1種又 はそれ以上の他の同効薬と組合せて投薬することもで きる。 そのような付加的な薬剤には、 ガングリオンド
類、 メコバラ ミ ン、 ィサキソニンなどがある。
本発明の治療薬に用いる化合物 ( I ) の製造例及び 生物学的活性につき、 以下に、 一連の実施例及び実験 例でより詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定さ れるものではない。 以下に示す組成物の実施例におい ては、 活性成分として一般式 ( I ) の化合物の一つ又 は二つ以上の混合物が用いられる。
〔実施例〕
実施例 1
4一 (N—メチルー 4一 ト リ フルォロメチルベンゾィ ルァ ミ ノ) 一 2— (4 ーフェニルピぺリ ジノ) ピリ ミ ジン (化合物番号 108)
4一メチルア ミ ノ ー 2— (4一フエ二ルビペリ ジノ) ピリ ミ ジン 1.1 g (4 ミ リモル) と ト リェチルア ミ ン 2 のテ トラ ヒ ドロフラ ン溶液 30ττιίに、 4 - ト リ フルォ ロメチルベンゾイルクロ リ ド 1· Og (4. 8 ミ リモル) の テトラヒ ドロフラン溶液 を、 室温で 30分間で添加 し、 その後 12時間攪拌した。 反応混合物に水とジクロ ルメタンを加え、 有機層を分離後、 無水硫酸ナ ト リ ウ ムで乾燥、 減圧下濃 Tじた。 これをシリカゲルカラム クロマ トグラフィーで精製し、 目的物を油状物として 1. 6 g (収率 83%) 得た。
'H-NMRスペク トル (重クロ口ホルム、 Sppm)
1.2-1.9 (4Η, π , 2.5-2.9 (3Η, m),
3.52 (3H, s), 4.48 (2H, br. d, J = 12Hz), 6.14 (IH, d, J=7Hz), 7.1-7.4 (5H, m), 7.56 (4H, s), 8.12 (IH, d, J=7Hz)
同様にして製造した化合物の物性値を下記第 2表に 示す。
(本頁以下余 0)
i
00
Γ
ton.
^
9 s ..
(ZHi=f Ήϊ 'Ρ) '8 '(Η6' ^Ί-ΟΊ
*(ZHi.=f Ήΐ 'Ρ) 26 "S '(HZ'U
'(HE'S) 20 'ε '(HS'∞) O'S-9'2 _ 08 ZLl '(HE'S) 20 'Ζ '(ΗΓ ) 0'Z-£'\
(ω'ΗΟΙ) i'8-ΐ '9 '(m Ή2) 0
S 9ΐ
*(s ΉΟ 19 "8 '(n 'Hi) Q'Z-l Ί
(ΖΗΙ=Γ 'Ρ Ήΐ) £2'8 '(m Ή9) ·丄
'(ZHi=f 'Ρ ΉΙ) SS'9 '(m'H2) Ζ 99ΐ
'(s'HS) η '8 '(m Ή02) 2'ε-9'ΐ
(s Ήΐ) 86 ·6 '(ZHi=f *Ρ Ήΐ) δΐ ·8
'(ΖΗ8=Γ 'Ρ Ή2) 8·丄 '(ZH8=f 'Ρ ΉΖ) 89 Ί
'(m'HS) 丄 -0·丄 '(ΖΗ1=Γ 'Ρ Ήΐ) 8Γ9 8
■(ZH2l=f 'ρ "jq Ή2) 2S '(s'HS)
'( HS) 0-S-9 'Ζ '(ω TO 6·ΐ-ΓΪ
(ZHi=f 'Ρ Ήΐ) 86 Ί
'(m *Η2Τ) 6'丄-6'9 '(ZHi=f 'Ρ Ήΐ) 90 ·9
'(ΖΗ2ΐ=Γ 'Ρ 'Jq ΉΖ) ' '(s'HS) 99 "S OH
'WHS) 8'2- 2 '(ω'Η ) L'l-l Ί %)
ま ίίΐι
εε
d 0600/Ζ6 OAV
第 2 表 (3) 化合物 収 率 1H-NMRス ぺ ク ト ノレ 番 号 (CDC13溶液、 <5ppm)
3.68 (3H, s), 4.10 (2H, s),
180 40 4.58 (2H, s), 6.06 (IH, d, J=7Hz),
7.2-7.6 (9H, m), 8.10 (IH, d, J=7Hz)
1.1-1.8 (6H,m), 3.06 (s,3H), '
188 92 3.0-3.6 (4H, m), 3.80 (s,3H),
6.10 (d, IH, J=7Hz), 7.90 (d, IH, J=7Hz), 7.43 (d.2H, J=7Hz), 7.76 (d, 2H, J=7Hz)
1.1-1.8 (m, 6H), 3.47 (s,3H),
196 72 3.0-3.5 (m, 4H), 6.15 (IH, d, J=7Hz),
8.09 (d, IH, J=7Hz), 7.55 (d, 2H, J=7Hz), 7.80 (d, 2H, J=7Hz), 9.93 (s, IH)
1.2-1.7 (m, 6H), 2.04 (s,3H),
204一 -- 83 3.08 (s,3H), 3,0-3.5 (m, 4H).
5.93 (d, IH, J=7Hz), 8.03 (d. IH, J=7Hz),
7.0-7.4 (m, 4H)
2.32 (3H, s), 2.64 (4H.m), 3.36 (3H, s),
212 37 4.12 (4H, m), 6.63 (IH, d, J=7Hz),
8.23 (IH. d, J=7Hz)
第 2 表 (4) 化合物 収 率 1 H-NMR ぺ ク 卜 ノレ 番 号 (%) (CDC13溶液、 δ ppm)
1.62 (6H. br. s), 3.3-4.0 (12H,m),
220 82 5.92 (IH, d. J=7Hz), 7.88 (IH, d, J=7Hz),
8.10 (IH. s)
1.62一 (6H, br. s), 3.5-3.9 (12H, m),
228 75 5.82 (IH. d. J=7Hz), 7.44 (5H, s),
7.98 (IH, d, J=7Hz)
1.64 (6H, br. s), 2.16 (3H, s),
236 65 3.4-3.9 (12H.ni), 5.80 (IH, d, J=7Hz),
7.94 (IH, d. J=7Hz)
1.2-2.1 (4H, m), 2.5-3.1 (3H, m),
244 81 3.64 (8H, br. s), 4.86 (2H, br. s. J=8Hz),
5.84 (IH, d, J=7Hz), 7.1-7.4 (5H, m), 7.38 (5H, s), 7.98 (IH, d, J=7Hz)
1.4-2.1 (4H, m), 2.6-3.2 (3H, m),
260 86 3.54 (3H, s), 4.70 (2H, br. d, J=12Hz),
7. 4 C5H, m , 7. do 2H, d, J=8Hz , ― 8.00 (IH, d, J=7Hz)
1.4- 2.0 (4H, m), 2.12 (3H, s),
2.5- 3.1 (3H, m), 3.4-3.8 (8H, m),
252 84 4.90 (2H, br. s, d, J=12Hz),
5.84 (IH, d, J=7Hz), 7.1-7.4 (5H,m), 7.98 (IH, d, J=7Hz)
実施例 2
4一 (N—メチルー 4一ト リ フルォロメチルベンブイ ルァ ミ ノ) 一 2— ( 4一フエ二ルビベリ ジノ) リ ミ ジンの 一トルエンスルホン酸塩 (化合物番号 112)
4 一 (N—メチルー 4一 ト リ フルォロメチルベンゾ ィルァ ミ ノ) 一 2— ( 4—フエ二ルビペリ ジノ) ピリ ミ ジン 1.45g (3.3ミ リモル) の酢酸ェチル溶液 に、 p— トルエンスルホン酸一水和物 0.63g (3.3ミ リ モル) の酢酸ェチル溶液 を室温で添加した。 この溶液に へキサン 1 を添加すると懸濁液を形成した。 添加 後、 1 時間攪拌し、 生成した固体を濾別し、 目的物を 白色固体として 2. Og (収率 得た。
融点 177 - 177.5で
!H-NMRスぺク トノレ (重クロ口ホルム、 ppm)
1.4-2.0 (4H, m), 2.32 (3H, s),
2.6-3.2 (3H, m), 3.53 (3H, s),
4.2-4.6 (2H, m), 6.74 (1H, d, J=7Hz),
7.0-7.4 (7H, π , 7.72 (4H, s),
7.78 (2H, d, J=8Hz), 8.46 (1H, d, J=7Hz), 同様にして製造した化合物の物性値を下記第 3表に 示す。
(本頁以下余白)
i/eafjcd ( i § O
CO
第 3 表 (3) 化合物 収 率 融 点 -NMRスベク ト ル 番 号 (%) (。C) (CDC13溶液、 5 pm)
1.74 (6H.br. s), 1.9-2.4 (2H,m), 2.40 (3H, s), 2.6-2.9 (2H,m),
272 93 196-197 3.86 (4H,br. s), 4.06 (2H, t, J=8Hz),
7.18 (2H, d, J=8Hz), 7.82 (2H, d, J=8Hz), 7.86 (IH, d, J=7Hz), 8.38 (IH, d, J=7Hz),
1.5- 2.5 (5H.m), 2.37 (3H. s),
280 73 177-178 2.6- 3.4 (6H. m), 4.07 (2H. t. J=8Hz),
4.80 (2H,br. d, J=12Hz),
7.16 (2H, d, J=8Hz),
7.28 (5H,s), 7.82 (2H, d, J=7Hz), 7.90 (2H,d, J=8Hz), 8.44 (2H, d. J=7Hz)
0.97 (3H. d, J=7Hz), 1.0-2.3 (7H. m).
304 90 186-188 2.36 (3H, s), 2.6-3.3 (4H,m),
4.03 (2H, t, J=7Hz), 4.56 (2H, m), 7.16 (2H. d, J=7Hz), 7.80 (3H, m), 8.35 (lH,d,J=7Hz)
0.91 (3H, t, J=7Hz), 1.0-2.3 (llH.m),
312 92 152-154 2.36 (3H,s), 2.72 (2H, t, J=7Hz),
3.06 (2H, m), 4.03 (2H, t, J=7Hz), 4.57 (2H,m), 7.16 (2H, d, J=7Hz), 7.80 (3H,m), 8.34 (IH, d, J=7Hz)
実施例 3
4 一 (N—ホルミ ルピペラジノ) 一 2—ヒこぺリ ジノ ピ リ ミ ジンのマレイ ン酸塩 (化合物番号 224)
4 一 (N—ホルミルピペラジノ) 一 2—ピペリ ジノ ピリ ミ ジン l.Og (3. 6 ミ リモル) の酢酸ェチル溶液 10 τβに、 マレイ ン酸 0.42g (3.6ミ リモル) の酢酸ェチル 溶液 30? ^を室温で添加した。 添加後、 1 時間攪拌し、 減圧下濃縮した。 これにエーテルを加えて結晶化させ、 懸濁液とした。 生成した固体を濾別し、 目的物を白色 固体として 1.38g (収率 97%) 得た。
融点 124— 126eC
-NMRス ク トル (重クロ口ホルム、 5ppm)
1.76 (6H, br. s), 3.5-4.1 (12H, m), ―
6.18 (1H, d, J=7Hz), 6.31 (2H, s),
8.00 (1H, d, J=7Hz), 8.12 (1H, s)
同様にして製造した化合物の物性値を下記第 4表に 示す。
(本頁以下余白)
i edf/jcd.6一
実施例 4
4一 (2—ォキソ ピロ リ ジノ) 一 2 — (4一フエニル ピペリ ジノ) ピリ ミ ジン (化合物番号 276)
4一クロロー 2 — (4—フエ二ルビペリ ジノ) ピリ ミ ジン 0. 5 g (1.8ミ リモル) 、 4 ーァミ ノ酪酸 0.38g (3.アミ リモル) 及び炭酸力 リ ゥム 0.25g (1.8ミ リモル) を n—ブタノール に加え、 120°Cで 6時間加熱し た。 これを減圧下濃縮し、 残渣にクロ口ホルム及び水 を加えて抽出した。 有機層を減圧下濃縮し、 シリカゲ ルカラムクロ トグラフィー (展開溶媒 : メタノール Z塩化メチレン = 1/1)にて精製し、 4 一 (3—カルボ キシルプロ ピルア ミ ノ) 一 2 — ( 4一フエ二ルビペリ ジノ) ピリ ミ ジンを 0.4g (収率 66%) 得た。 これをク 口口ホルム に溶解し、 塩化チォニル 1 を加え、 室温で 5時間攪拌した。 これに炭酸ナ ト リ ウム水溶液 を加え、 有機層を分雜後、 減圧下濃縮し、 目的物を白 色固体として 0.19g (収率 50%) 得た。
融点 177— 178eC
-NMRスペク トル (重クロ口ホルム、 <5 ppm)
1.6-2.3 (5H, m), 2.4-4.2 (6H, m), 4.07 (2H, t, J=8Hz), 4.90 (2H, br. d, J=12Hz), 1.1-7. A (5H, m), 7.56 (1H, d, J=7Hz), 8.24 (1H, d, J=7Hz) 同様にして製造した化合物の物性値を下記第 5表に 示す。
p
第 5 表 (3) 化合物 収 率 融 点 -NMRスベク トル 番 号 (°C) (CDC "溶液、 <5ppm)
2.09 (2H,m), 2.63 (2H, t, J=7Hz),
412 59 182-185 3.20 (4H,m), 3.96 (6H,m),
6.92 (3H,m), 7.22 (2H,m),
7.54 (IH, d, J=6Hz), 8.18 (IH, d, J=6Hz)
2.08 (2H,m), 2.55 (6H,m),
355 C2H s). 379 C4H, m),
4.02 (2H. t. J=7Hz), 7.33 (5H,m),
7.55 (IH, d, J=6Hz), 8.21 (IH, d, J=6Hz)
2.10 (2H,m), 2.64 (2H. t, J=7Hz),
428 96 115-118 3.16 (6H. s), 4.06 (2H, t, J=7Hz),
7.52 (IH, d, J=6Hz), 8.21 (IH, d, J=6Hz)
0.94 (6H, t, J=7Hz), 1.2-1.8 (8H,m),
436 48 oil 2.08 (2H,m), 2.62 (2H, t, J=7Hz),
3.50 (4H, t, J=7Hz), 4.00 (2H, t, J=7Hz) 7.42 (IH, d, J=6Hz), 8.14 (IH, d, J=6Hz)
1.68 (6H, br.s), 1.9-2.4 (2H,m),
268 70 2.4-2.6 (2H,m), 3.74 (4H, br. s),
4.07 (2H, t, J=8Hz), 7.52 (IH. d, J=7Hz), 8.22 (IH. d. J=7Hz)
実施例 5
4 一 (2—ォキソ ピロ リ ジノ) 一 2 — (4一ピぺリ ジ ノ) ピリ ミ ジンの塩酸塩 (化合物番号 274)
4 一 (2—ォキソピロ リ ジノ) 一 2— (ピペリ ジノ) ピリ ミ ジン 3.05g (12. 4 ミ リモル) のメタノール溶液 に濃塩酸 1.25g を室温で添加した。 添加後、 1 時 間攙拌し、 減圧下濃縮した。 これに酢酸ェチルを加え て結晶化させ、 これを滤別し、 目的物を白色固体とし て 3.26g (収率 90%) 得た。
融点 : 260 - 262'C (分解)
-NMRスペク トル (重クロ口ホルム、 5 ppm)
1.75 (6H, m), 2.20 C2H, m),
2.75 (2H, t, J=7Hz), 3.98 (4H, m),
4.06 (2H, t, J=7Hz), 7.86 (1H, d, J=7Hz), 8.16 (1H, d, J=7Hz)
同様にして製造した化合物の物性値を下記第 6表に 示す。
(本頁以下余白)
第 6 表 (1) 化合物 収 率 融 点 -NMRスベク トル 番 (%) CO (CDC 13溶液、 <5 pm)
320 95 263-266 2.12 (6H,m), 2.76 (2H, t, J=7Hz),
(分 解) 3.56-4.20 (6H.ID), 7.90 (IH. d, J=7Hz),
8.18 (IH, d, J=7Hz)
卜
1.34 (3H, d, J=7Hz), 1.74 (6H,m), 2.20 (2H,m), 2.75 (2H. t, J=7Hz),
328 93 161-164 3.24 (lH,m), 4.08 (2H. t, J=7Hz),
4.50-5.20 (2H,m), 7.88 (IH, d, J=7Hz), 8.22 (IH, d, J=7Hz)
336 84 1.04 (3H, d, J=7Hz), 1.20-3.40 (11H, m),
4.07 (2H, t, J=7Hz), 4.66 (2H,m), 7.86 (lH,d, J=7Hz), 8.17 (IH, d, J=7Hz)
1.04 (6H, d, J=7Hz), 1.40-3.80 (lOH.m),
344 98 178-180 4.06 (2H. t, J=7Hz), 4.80 (2H,m),
7.85 (IH, d, J=7Hz), 8.18 (IH, d, J=7Hz)
2.21 (2H,m), 2.74 (2H, t, J=7Hz),
352 84 158-163 3.06 (2H,m), 4.10 (4H, m),
4.8-5.3 (2H. m), 7.18 (4H,m),
7.88 (IH. d, J=7Hz), 8.18 (IH, d, J=7Hz)
2.18 (4H.m), 2.72 (4H,m),
360 97 140-145 3.87 (2H, t, J=7Hz), 4.26 (2H, t, J=7Hz),
-Y:20 (3H,m), 7.48 ClH.m),
8.06 (IH. d, J=7Hz), 8.40 (IH, d. J=7Hz)
1.1-3.3 (13H.m), 4.01 (2H, t, J=7Hz),
368 81 150-155 4.80 (2H,m), 7.19 (5H, m),
7.81 (IH, d, J=7Hz), 8.12 (IH, d, J=7Hz)
6dfd/ 0卜0Ζ一 606 ΟΜ
第 6 表 (3)
(本頁以下余白)
実施例 1 B
活性成分 l Om を含有する錠剤は以下のようにして製 造される。
錠剤当り 活性成分 l Omg
トウモロコシデンプン 55mg
結晶セルロース 35mg
ポリ ビニルピロ リ ドン 5mg
( 10 %水溶液として)
カルボキシメチルセルロース
カルシウム l Omg
ステア リ ン酸マグネシウム 4mg
タルク l mg
合計 120mg 活性成分、 藪粉および結晶セルロースを 80メ ッシュ ふるいを通し、 完全に混合する。 得られた粉末にポリ ビニルピロ リ ドン溶液を混合し造粒した後、 18メ ッシ ュのふるいを通す。 このようにして製造した顆粒を 50 〜60eCで乾燥し、 再度 18メ ッシュのふるいにより整粒 する。 もって 80メ ッ シュのふるいにかけておいた力 ルポキシメチルセルロースカルシウムおよびステアリ ン酸マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、 混合し た後、 製錠機により各々 120mgの重量の錠剤を製造す る。
5
実施例 2 B
活性成分 2 OOmgを含有する錠剤は以下のようにして 製造される。
錠剤当り 活性成分 200mg トウモロコシデ:7プン &0m
結晶セルロース 42mg
軽質無水ゲイ酸 7mg スチアリ ン酸マグネシウム l mg
合計 300mg 上記成分を 80メ ッシュふるいを通し、 完全に混合す る。 得られた粉末を圧縮成形し、 重量 3 00mgの錠剤を 製造する。
実施例 3 B
活性成分 1 OOmgを含有するカプセル剤は以下のよう にして製造される。 一
カプセル当り 活性成分 l OOmg トウモロコシデンプン 40mg
乳 糖 5mg ステアリ ン酸マグネシウム 5mg
合計 150mg 上記成分を混ぜ合せ、 80メ ッシュふるいを通し、 完
全に混合する。 得られた粉末を 1 50mgずつカプセルに 充填する。
実施例 4 B
活性成分 5 mgを含有するバイアル入り用時溶解注射 剤は以下のようにして製造される。
バイアル当り 活性成分 5mg
マンニ トール 50mg
用時、 注射用蒸留水 1 を用いて溶解し、 使用する £ 実施例 5 B
活性成分 50mgを含有するアンブル入り注射剤は以下 のようにして製造される。
アンプル当り 活性成分 50mg
塩化ナ ト リ ウム 1 8mg
注射用蒸留水 適量
合計 2m£ 実施例 6 B
活性成分 17. 5mgを含有する粘着性貼付製剤は以下の ようにして製造される。
ボリアク リル酸ァンモニゥム 10部を水 60部に溶解す る。 一方グリセリ ンジグリ シジルエーテル 2部を水 10 部に加熱しつつ溶解する。 更にもう一方でボリェチレ ングリ コール (グレー ド 400) 10部、 水 1 0部、 活性成分
1部を攪拌溶解する。 ついでポリアク リル酸アンモニ ゥムの水溶液を攪拌しつつグリセリ ンジグリ シジルェ 一テルの水溶液及びボリェチレングリ コールの活性成 分含有水溶液を添加混合した薬物含有含水ゲル用溶液 を、 柔軟性のあるブラスチックフィルムに活性成分が 平方 ンチメ一トル当り 0. 5 mgとなるように塗布し、 表面を剝雜 で覆い 35平方センチメー トル (こ切断し、 製剤とした。
実施例 Ί B
活性成分 10mgを含有する粘着性貼付剤は以下のよう にして製造される。 一一
ポリアク リル酸ナト リウム 100部、 グリセリ ン 100 部、 水 150部、 ト リエポキシプロピルイソ-シァヌ レー ト 0. 2部、 エタノール 100部、 ミ リスチン酸イソプロ ピル 25部、 プロピレングリ コール 25部及び活性成分 15 部の混合水溶ゾル液 «製した。 次にこのゾル液をレ ーョン不織布とボリエチレンフィ ルムとからなる複合 フィルムの不織布面に 100 D1厚に塗布して薬剤含有の 粘着剤層を形成した。 この層中に含まれる放出補助物 質 (ミ リスチン酸イソプロピルとプロピレングリ コー ル) の含量は約 20重量 であった。 その後 25でで 24時 間架橋し、 上記粘着剤界面に剝雜フィルムを貼り合せ、 更にこれを 35平方センチメー トルに切断し製剤とした。 前記式 ( I ) の本発明の化合物の神経系細胞に対す
る生物活性を in vitroで試験した。 神経系細胞として は樹立されたマウス神経芽細胞腫 neuro-2a株 (大日本 製薬) および NS— 20Y株などである。 前記神経細胞 を 37での 5 %炭酸ガスィンキュベータ一内で対数増殖 期まで増 ¾させ、 ついで本発明の化合物とともに一定 時間培養した。 その結果、 本発明の化合物はコン ト口 ールの培養 比較しては、 有意差をもって顕著に、 ま た対照薬のィサキソ二ン (特公昭 59-28548記載の化合 物) と比較しても同等以上の、 神経細胞増殖促進活性、 神経突起形成および神経突起伸長促進活性を持つこと が明らかになった。
また上記の神経芽腫瘙細胞の他に、 ラッ ト副腎髄質 細胞 P C— 12株に対する本発明の化合物の生物活性を 試験した。 P C— 12細胞株は NG Fを添加処理するこ とにより、 神経突起が伸長するが、 その際、 本発明化 合物を加えると、 P C— 12細胞への NGFの結合及び NGFの細胞内への取込みが増加することまた神経突 起の伸長もより増大することが示された。
更にゥサギ上顎神経節細胞 (superior cervical ganglion) への N G Fの結合に対する本発明の化合物 の効果を調べたところ、 NG F結合を促進させること が見い出された。
次に末梢神経障害モデルである坐骨神経を圧挫した ラッ トを作成し、 本発明の化合物の効果を試験したと
ころ後肢の twi t ch t ens i on. 足趾の趾間距雜、 長趾伸 筋の重量およびヒラメ筋の筋重量の正常値への回復に 対して本発明の化合物は促進効果を有することが明ら かになった。
さらに中枢神柽障害モデルをラッ ト、 マウス等で作 成し本発明の化合物の薬効を試験した。 すなわち、 ま ずラッ ト I ^の黒質ドーパミ ン細胞を、 6— h ドロキシ ドーパミ ンの微量注入により化学的に破壊し、 運動障 害を起こさせた。 次に 2週間後ラッ ト脳の破壌側の尾 状核に胎児脳ドーパミ ン細胞を移植して運動障害の改 善を計った。 すなわち、 移植の日より、 本発明の化合 物を連日 2週間経口あるいは腹腔内に投与し、 運動障 害の改善および移植細胞の成育に対する作用を調べた 。 本発明の化合物は、 運動障害の改善等への促進効果 を有することが明らかになった。
—方、 イボテン酸等で前脳基底部を破壊した動物に 本発明の化合物を投与し、 大脳皮質各部位のァセチル コ リ ン遊雜量およびコリ ンァセチルトランスフェラー ゼ活性を調べたところ、 本発明の化合物による改善効 果が明らかになつた。
また水銀中毒により神経障害をおこ したマウス、 ラ ッ ト等を作成し、 本発明の化合物の活性を試験したと ころ、 症状の改善、 正常状態への回復に対する促進効 果、 治療効果、 また学習記憶改善、 回復効果等を有す
ることが示された。
このようにして、 本発明の化合物は、 哺乳動物の末 梢神経障害および中枢神経障害などの各種神経疾患の 改善 · 治療剤あるいは学習、 記億の改善剤として有用 であることが明らかにされた。 これらの神経系疾患と しては、 各種のニューロバチ一が代表としてあげられ る。 例えば、 外傷性あるいは炎症性、 免疫学的原因の 神経根病変を含めて、 運動原性、 知覚性およびあるい は客観性の反射遅滞を伴った種々の末梢神経障害、 お よびアルコールや薬剤性の、 また糖尿病性等の代謝性 の、 また特発性の末梢神経障害などがあげられる。 ま た中枢神経障害を含め各種 疾患障害などにも本発明 の化合物は適用できる。 これらの疾患をより具体的に 例示すると、 顔面神経麻痺、 坐骨神経麻痺、 脊髄性筋 萎縮症、 筋ジス トロフィ ー、 重症筋無力症、 多発性硬 化症、 筋萎縮性側索硬化症、 急性散在性脳脊髄炎、 ギ ラン ' バレー症候群、 ワクチン接種後脳炎、 スモン、 痴呆、 アルツハイマー症候群、 頭蓋損傷予後、 脳虚血、 脳梗塞あるいは脳出血後遺症、 脳脊髄挫傷またリ ウマ チなどがあげられるが、 これらに限定されない。 さら に本発明化合物の毒性試験を行ったところ、 その毒性 は弱く、 安全な医薬品として用いうることがわかった。 実験例 1
本発明にかかわる化合物の神経芽腫瘙細胞に対する
効果を以下の方法で検討した。
すなわち、 10%の牛胎児血清 F C Sを含む培地
Dulbecco' s Modified Eagle' s Medium [MEM、 ぺニシ リ ン Gナト リゥム(lOOunit/ ) 及び硫酸ス トレブト マイシン (lOO igZ を含有する] 中で対数増殖期の マウス neuro-2a株の細胞を 1,000 cells/ゥ ル(well) となるように、 48ゥエルのプレー トにまいた。 各ゥェ ル 0. の培養液で、 37でで空気中に 5 %の炭酸ガス を含む炭酸ガス培養器中で 1 日培養し、 そのあと各薬 剤及び F C Sを含む培地に換え 24時間更に培養した。 次に培地と同量 (0.25 ) の 4 %グルタルアルデヒ ド 溶液を添加し、 室温に 2時間放置し、 細胞を^ Γた。 水洗後、 0.05%メチレンブルー水溶液を加え、 細胞を 染色し、 顕微鏡下で肉眼的に神経突起伸展細胞 (細胞 の長径の 2倍以上の長さの突起を 1本以上有する細胞 とした) をカウン トし、 全体の細胞数に対する割合を 求めた。 ゥエル中央の底につけたマークを中心として 左右連銃 5視野以上 (ゥュル全表面積の 2 %以上) 観 察し、 細胞数にして 200個以上についてカウン トした。
1薬剤最高 6濃度をとり、 1薬剤濃度につき 3例実施 し、 数値は平均値土 S.D.で表わした。 結果を第 7表に 示す。
また、 マウス神経芽腫瘍細胞 NS - 2 0 Yについて も、 ポリオル二チンコー トされた皿で同様に培養して、
各薬剤の効果を調べた。 培養 24時間後、 48時間後の結 果を第 8表に示す。
(本頁以下余白)
第 7 表 ( 1 )
実 験 1
化合物 細胞の直径の 2倍以上の長さの突起を有する 細胞数の全細胞数に対する割合 (%) 番 号 (カツコ内の数値は化合物濃度、 mM)
104 3.4±1.0 (0.03), 5.2±2.9 (0.1)
112 5.9±0.9 (0.03), 43.3±1.8 (0.1),
21·6±3.3 (0.3), 10.0±3.8 (1)
120 12.6±1.6 (0.03), 8.6±5.5 (0.1)
128 4,3±1.6 (0.1), 4.8±1.2 (0.3)
136 5.2±1.8 (0.03), 5.4±1.7 (0.1)
10.3±0.2 (0.3), 11.8±1.4 (1)
ィサキリニン 23.0±5.0 (10)
対 照 2.6±1.5
実 験 2
化合物 細胞の直径の 2倍以上の長さの突起を有する 細胞数の全細胞数に対する割合 (%) 番 -号 (力ッコ内の数値は化合物濃度、. mM)
144 5.1±0.9 (0.01), 4.2±0.6 (0.1)
152 5.2±0.4 (0.01), 16.5±1.8 (0.03)
160 5.1±1.2 (0.03), 11.4±1.3 (0.1),
23.5±2.9 (0.3), 20·7±2.7 (1)
168 8.7±2.0 (0.3), 14.6±3.7 (1)
ィサキ、ノニン 23.8±4.7 (10) -一
対 照 2.4±1.1 一… .
第 7 表 ( 2 )
実 験 3 化合物 細胞の直径の 2倍以上の長さの突起を有する 細胞数の全細胞数に対する割合 (%) 番 号 (カツコ内の数値は化合物濃度、 πιΜ)
176 11.5±2.1 (0.03), 18.4±2.0 (0.01),
13.6±0.9 (0.3), 14.8±2.9 (1) ィサキリニン 23.8±4.7 (10) 対 照 .0±0.7
実 験 4 化合物 細胞の直径の 2倍以上の長さの突起を有する 細胞数の全細胞数に対する割合 (%) 番 号 (力 '厂コ内の数値は化合物濃度、 mM)
184 0.5±0.8 (0.01), 0.9±0.8 (0.1)
ィサキソニン 20.2±0.8 (10)
対 照 2.6±1.0
第 7 表 ( 3 ) 実 験 5
第 7 表 (4 )
実 験 6 化合物 細胞の直径の 2倍以上の長さの突起を有する 細胞数の全細胞数に対する割合 ( ) 番 号 (カツコ内の数値は化合物濃度、 mM)
272 5.4±0.4 (0.01). 10.5±2.5 (0.1),
25.1±2.7 (0.3), 20.4±4.9 (1)
280 7.1±1.7 (0.01), 6.9±1·4 (0.1),
7,5±1.1 (0.3), 8.1±6·3 (1) ― ィサキソニン 16.0±4.7 (10) 対 照 3.6±0.5
第 7 ¾ (5 )
実 験 7 化合物 細胞の直径の 2倍以上の長さの突起を有する 細胞数の全細胞数に対する割合 (%) 番 号 (カツコ内の数値は化合物濃度、 mM)
273 5.3±0.8 (0.01), 7.7±2.0 (0.1),
24.0±3.2 (0.3), 10.3±4.0 (1)
304 3.7± 1.2 (0.03), 6.8± 1.0 (0.1),
17.7±2.9 (0.3) 16.3±4.5 (1)
312 3.8±0.6 (0.01), 4.1±1.2 (0.03)
12.7±2.8 (0.1)
274 25.8±3·5 (0.3) ィサキリニン 18.3±2.4 (10) 対 照 2.4±1.0
第 7 表 ( 6— 1 )
実 験 8 化合物 fffl蹈 直 4の 造以ょ 2:| , 突 する 番 号 (カツコ内の薮値は化 ¾屬度、 mM)
320 4.2±1.9 (0.01), 4.2±0.3 (0.1),
丄丄. υ丄 υ, δ \υ. ό) » 1υ. I 4. / 丄
328 3.9±0.9 (0.01), 5.6±1.7 (0.3),
336 4.0±1.0 (0.03), 5.7±1.6 (0.1),
21.3±3.0 (0.3), 21·2±1.6 (1)
344 5.6±1.6 (0.01), 7.5±3.3 (0.1)
1τθ.4±3.4 (0.3), 12.5±1.3 (1)
352 3,4±0 1 (0.01), 4.2±0.6 (0.3)
+ 1 o (r\ r a 7 + Π β Ό ο、
4. ο -I-丄, ώ \\J* yjo D. / IT U. ο U.0) cQ q. ¾ A - i f U). u Q ([ l)/* ΠU丄Πノ, 1丄 4 A* A4÷丄 1 * 7ί (0 U, 11、ノ
376 3.4±0·6 (0.01), 4·4±0.8 (0.1),
. u ^ υ. a νυ. «3ノ
384 4.1±1.5 (0.01), 5.1±2.1 (0.1),
a q + 2 7 (0 3) 1 + 1 3 l\)
392 6.6±2·2 (0.03), 5.6±3.7 (0.1),
6.1±4.0 (0.3)
400 5.0±0.1 (0.03), 6.3±0.7 (0.1),
11.2±1.5 (0.3), 12.1±1.4 (1)
408 4.9±0.2 (0.03), 4.4±0.2 (0.3)
416 5.0±1.9 (0.01), 4.4±0·4 (0.1),
5.1 ±1.2 (0.3)
424 4.5±2.4 (0.03), 5.9±1,7 (0.1),
5.2±2.5 (0.3)
第 7 表 ( 6— 2 ) 化合物 鉀塍の直径の 2倚以±の長さの突起を有する 番 号 (カツコ丙の薮値は化^杨澳度、 mM5
432 4.0±2.2 (0.03), 4.2±1.7 (0.1),
5·1±1.2 (1)
440 4.3±0.8 (0.1)
ィサキソニン 18.8±1.6 (10)
対 照 2·6±0·7
術 n 8
卜
( s ) 8 m
69
O.600/Z6 OAV
第 8表 ( 4 )
神経突起の出現した細胞数 全細胞数 化合物 (化合物濃度)
2 4時 間 4 8時 間
274 6/50 6/50 (0. 5πιΜ)
4/50 4/50 (0. 2raM) 対 照 1/50 CD 1/50
曰曰曰 S
320 6/50 へ 3/50 (0. 5raM)
5/50
対 照 1/50 0/50
328 3/50 (0. ImM) 3/50 (0. ImM) 対 照 1/50 1/50
336 3/50 (0. ImM) 5/50 (0. ImM) 対 照 1/50 2/50
344 3/50 (0. ImM) 3/50 (0. ImM) 対 照 1/50 1/50
352 5/50 (0. 2m ) 3/50 (0. 2mM) 対 照 0/50 1/50
360 6/50 3/50 (0. ImM)
5/50
対 照 1/50 1/50
368 6/50 (0. 2mM) 2/50 (0. 2raM) 対 照 2/50 1/50
376 5/50 (0. 2m ) 5/50 (0. 2mM) 対 照 1/50 1/50
第 8表 ( 5 )
神経突起の出現した細胞数 Z全細胞数 化合物 (化合物濃度)
24時 間 48時 間
384 14/50 17/50
10/50 10/50
o o
対 照 1/50 1 3/50
曰 s
392 15/50 (0.5mM) 21/50 (0.5m )
10/50 (0.2m ) 12/50 (0.2mM) 対 照 1/50 3/50
400 9/50 13/50 (0.5mM)
8/50 11/50 (0.2m ) 対 照 0/50 2/50
408 10/50 (0.5m ) 11/50 (0.5m )
7/50 (0.2mM) 8/50 (0.2m ) 対 照 2/50 1/50
416 9/50 (0.5mM) 9/50 (0.5m )
6/50 (0.2mM) 7/50 (0.2mM) 対 照 2/50 2/50
424 5/50 (0.2m ) 2/50 (0. ImM)
3/50 (0. ImM)
対 照 1/50 1/50
432 6/50 (0.5mM) 8/50 (0.5raM)
6/50 (0.5mM) 7/50 (0.2mM) 対 照 2/50 3/50
440 4/50 (0.5mM) 4/50 (0. ImM)
3/50 (0. ImM)
対 照 2/50 1/50
実験例 2
坐骨神経圧挫ラッ トに対する治療効果 :
末梢神経障害モデルの坐骨神経圧挫ラッ トに対する 本発明の化合物の治療効果を ( 1 ) 圧挫側後肢の機能 的変化および ( 2 ) 筋重量の変化を末梢神経の変性と 再生 程の指標として試験した。
—実験にはケイスター系雄性ラッ ト ( 6週合) を 1群 10〜15匹使用した。 坐骨神経圧挫は、 山津らの方法
(山津清実、 金子武稔、 北原晟文、 大川功、 日薬理誌、 72、 259 〜268 ( 1976)参照) および長谷川らの方法
(長谷川和雄、 三国直二、 酒井豊、 日薬理誌、 I 、 721 〜734 ( 1978)参照) に準じて行った。 すなわち、 ペン トバルビタール麻酔下 (^mgZkg i. p. ) 4こ左側坐骨 神経を繫部で露出し、 その一定部位を巾 2 mmの止血鉗 子を使用して、 30秒間圧挫した。 圧挫終了後、 手術部 位を直ちに縫合した。 その後、 末梢神経の再生を遅延 させることが知られているビンク リスチンを 100 u g Zkg、 週に 1 回、 腹腔内に投与した。
試験薬剤を、 本発明の化合物から選び、 圧挫同日よ り 30日目まで 1 日 1 回経口あるいは腹腔内投与した。 対照群として、 0. 9 %生理食塩水等の投与群をもうけ た。
(1) 圧挫側後肢の機能的変化
運動神経の電気刺激等によりおこる支配下筋の収
縮に伴う一過性の張力である twitch tens ionは下記 の趾間距雜同様に神経および筋肉の機能的変化を反 映すると考えられる。
そこで、 30日後にラッ トを抱水クロラール(400mg /kg. i. p. ) 麻酔下にて、 Kernらの方法(J, Neuros ci. Methods, 19,-259 (1987)) に従って twitch t ensionを測定した。 即ちラッ トの後肢を剃毛後カル ジォク リームを塗布した後肢皮膚上にヮニロク リ ッ ブ付き電極を装着した。 装着部位は陰電極を大転子 後部、 陽電極をその後方 l cm、 背側 1 eraの部位とし た。 ラッ トを仰臥位に固定し、 さらに測定側後肢を 垂直に固定した。 長さ約 20cmの絹糸の一端を測定側 後肢の第 3趾遠位関節に、 他端を張力 トラ ンスジュ ーサ一に結合し、 電気刺激時の第 3趾屈筋の等張性 収縮をボリ グラフ上に記録した。 電気刺激は電圧 100 V、 持続時間 1 rase 頻度 2Hzの矩形波で行い、 静 止張力は 15〜30gとして 10回刺激を 15秒間隔で 3回 操り返した。 収縮力は tension gとして表し、 両肢 の測定値から圧挫側収縮力の回復率 ( 、 左ノ右) を求めた。 試験化合物は、 対照に比べて、 電気生理 学的 index である twitch tensionの回復を増強させ、 症状を改善した。
また、 神経の変性と再生を機能面から示す良い指— 標であり、 また経日的にその変動を測定することが
できる利点を有している趾間距離の測定を行った。 趾間距離の測定は長谷川の方法 (Hasegawa、 K. , Exper i ent ia 、 34 750〜751 ) (1978)参照) に従つ て、 後肢の第 1趾ど第 5趾の間の距離を測定し、 圧 挫側の距離の正常側の距離に対する比率を求めた。 圧挫側の趾間距雜ほ圧挫直後より正常側の 40 %以下 の値を示した。 趾間距雜の回復は?〜 16日後に始ま り、 薬剤投与群は 24日後頃より 30日後の最終測定日 まで、 対照群に比べて、 明らかに回復を早める傾向 が見られた。 結果を第 9表に示す。
(2) 筋重量の変化
除神経あるいは神経 障害により、 その支配下筋 の萎縮が起こり、 それが神経の再支配により徐々に 回復することが知られているので、 定量性のある筋 重量の変化を指標として選んだ。 術後 30日後に麻酔 下に、 坐骨神経支配下筋である両後肢の長趾伸筋の 重量を測定した。 そして圧挫側長趾伸筋の重量の—正— 常側の筋重量に対する比率を求め で表した。 試験 化合物は、 対照に比べて、 明らかに長趾伸筋重量% を増加させることが示された。
これらの結果から試験化合物が末梢神経障害の改 善剤、 治療剤として有用であることが示された。
(本頁以下余白)
第 9表 ( 1 ) 坐骨神経圧挫ラッ 卜の化合物 274経口
投与群における趾間距離の回復
第 9表 ( 2 ) 坐骨神経圧挫ラッ 卜の化合物 274経口
投与群における趾間距離の回復
(1)、 (2)とも各値は圧挫側の正常側に対する比率 (%) 、 Mean S. D. (n=15)
(本頁以下余白)
実験例 3
ラッ ト脳細胞障害による運動障害の、 胎児脳細胞移 植による改善に対する保進効果。
雌性ウィスター系 4週令ラッ ト (体重 1 00 g ) の脳 左側黒質ドーパミ ン細胞を薬剤 6 —ヒ ドロキシドーパ ミ ンの微量注入により破壊した破壊ラッ トは数日間に わたり、 破壊側と反対側に自発回転傾向を示したが、 その後は見かけ上、 行動異常を示さなかった。 破壊ラ ッ トにメタンフヱタ ミ ン ( 5 mg / kg , i . p. ) 投与を行 う と、 破壊側に回転運動を起こ した。
薬剤破壊から 2週間後、 胎生 14〜17日のラッ ト胎児 脳の脳幹より ドーバミ ン細胞を含む部分 (黒質お^ ΓΤΓ 腹側被蓋部) を切り出し、 細切後、 ト リブシン処理、 37 、 30分インキュベー トし、 その後ピペッティング により組織をサスペンジョ ンとした。 ついで破壊側の 尾状核にこのサスペンジョ ンを 5 〃 ずつ 2ケ所に合 計 10 ^ (細胞として約 105個) 移植した。 本発明の 試験化合物を移植の日より 14日間、 i . p.あるいは p. o. 投与した。 メタンフ Xタ ミ ン投与惹起の回転運動を、 移植および薬剤投与の —週間前、 1週間前、 2週間後、 4週間後、 6週間後、 8週間後等と経過をおいて調べ た。 メタンフ タ ミ ン投与後 10分おきに 6回、 最初の 1分間について回転運動数を数え、 総計して 1分間あ たりの平均回転運動数を算出した。 試験化合物は、 各
試験日、 対照に比べて、 明らかに回転運動数を減少さ せ、 試験化合物が中枢神経障害の改善剤、 治療剤とし て有用であることが示された。
実験例 4
水銀中毒による神経障害惹起マウスの学習、 記憶改 善、 回復効果。
雄性 BalbC 系 7週令マウスを、 あらかじめ 1週間のう ち、 3回 T型迷路で出発点より安全区域(safety area) へ一直線に突っ走るように迷路学習さ斗た。 しかる後 に、 塩化メチル水銀 (以下 MMCと% する。 ) を 6 mg kg/ /日、 8週令マウスに 6 日間経口投与した。 対 照群として生食を 0. 1 ZlOgZ日投与するマウス群 をおいた。 MMC投与終了後、 翌日より本発明の化合 物を 10日間経口あるいは腹腔内投与した。 薬剤投与 6 日目即ち実験開始 12日目より T型迷路で迷路学習を再 開し、 マウスの走行行動を観察した。 再開後 10日目 ( 実験開始 21日目) および 1 日目 (同 日目) に Τ型迷 路で実験を行ったマウスの数を分母とし、 10回走行試 行させたうち 8回以上、 基準 ( 5秒以内に safety area へ走行したもの) に達したマウスの数を分子として表 した。 途中、 MMC中毒による死亡のため例数は減少 した。 また安全区域への走行所要時間 (秒) の平均値 土標準偏値 (S.E.) も算出した。 本発明化合物はマウ スの学習、 記憶改善、 回復効果を有することがわかった。
実験例 5
本発明にかかわる化合物の急性毒性を以下の方法で 検討した。
すなわち、 動物は雄性 ddy系 5週令マウス 4〜 6匹 を 1群として使用した。 化合物は生理食塩水に溶解あ るいは懸濁して経口 (P.O. ) あるいは腹腔内 (i. p.) 投与し-、 -投与 24時間後に毒性を判定した。 その結果を 第 10表に示す。
第 10表 ( 1 ) 急性毒性 (マウス) 化合物 推定 LD50
番 号 (mg/kg i. p. )
— 104 >1画
112 >1000
120 >1000
128 >1000
136 〉1000
152 〉1000
160 500〜1000
168 〉1000
176 >1000
192 500〜1000
200 >1000
—一 208 M000
216 500〜1000
223 〉1000
232 〉1000
240 >1000
248 >1000
第 10表 ( 2 ) 急性毒性 (マウス)
〔発明の効果〕
本発明の一般式 ( I ) の化合物は前記のように神経
系細胞の増殖や神経突起の形成及び伸長に促進的な効 力を持ち、 また神経障害ラッ ト、 マウス等においても 神経再生効果、 運動機能回復効果及び学習、 記憶 , 改 善、 回復効果を有し、 末梢神経障害や中枢神経障害、 痴呆などの神経系疾患患者の改善、 治療に好適に使用 されうる。 また、 知 感覚機能及び自律機能に関与 する神経組織 ·細胞の障害に起因する神経系疾患の回 復及び改善、 治療にも好適に使用されることが期待さ れる。
本発明の化合物は、 実験例 1 から実験例 4及び第 7 から第 9表に示すように、 対照のィサキソニンと同等 以上の生物学的活性を持つことが明らかにされた。 ま た本発明の化合物の毒性は、 実験例 5及び第 10表に示 すように一般に弱い。 このように本発明の化合物は、 一般に活性が高く また毒性が弱い、 安全性の高い薬剤 と考えられる。
…—一一 (本頁以下余白)