WO1990010157A1 - Scroll fluid machine - Google Patents

Description

明 ^田 β

スクロール流体機械

技術分野

密閉ケース内に、 電動機と、 この電動機によって回転する駆動側 スクロ一ル部材と、 この駆動側スクロール部材に対し偏心して回転 する従動側スクロール部材とを備え、 前記電動機の駆動に伴って駆 動側スクロール部材と従動側スク口一ル部材の双方が回転すると同 時に、 従動側スクロール部材が偏心運動を行なう全系回転塑のスク ロール流体機械に関する。

背景技術

従来より、 駆動側スクロール部材と従動側スクロール部材がとも に回転しながら冷媒の圧縮を行なう全系回転型のスク口ール流体機 械が知られている。

この種のスクロール流体機械は、 駆動側スクロール部材の回転中 心に対して従動側スクロール部材の回転中心を偏心させ、 双方のス クロールが嚙合うように設置されている。 そして、 動力源による駆 動側スクロール部材の回転に伴つて、 従動側スクロール部材が回転 しながら旋回運動を行ない、 双方のスクロールにより形成される複 数の圧縮室において冷媒の圧縮が順次行なわれる。

そして、 駆動側スクロール部材を回転駆動するには、 例えば特開 昭 5 0 - 3 2 5 1 2号公報に示されるように、 スクロール部材の駆 動軸にプーリを軸着し、 ベル卜を介して電動機により駆動する構造 のものや、 例えば特開昭 6 2 - 2 1 0 2 7 9号公報に示されるよう に、 駆動側スクロ一ル部材の駆動軸を支持する軸受支えを中心にし て、 駆動側スクロール部材とは反対側の駆動軸上に電動機の回転子 を取付け、 この外周に固定子を配設し、 これらにより構成される電 動機によりスクロール部材を回転駆動させる構造のものが知られて いる。

ところが、 プーリにベルトを掛けるタイプのものは、 別々の軸受 に駆動軸と従動軸がそれぞれ支持されていたり、 駆動軸に動力伝達 用のプーリが軸着されていたりするため、 軸の長さ寸法が大きくな らざるを得ない。 また、 駆動軸上に電動機の回転子を取付けるタイ プのものは、 駆動軸の軸受支えが駆動側スクロール部材と電動機と の間の軸まわりに設けられていることにより、 軸の長さ寸法が大き くならざるを得ない。 このように、 上記の従来技術においては、 い ずれもスクロール流体機械の軸方向の長さが大きくならざるを得な い構造となっていたため、 スクロール流体機械の小型化を実現する 上で障害になっていた。

そこで、 术発明は、 軸方向の長さを短くすることを可能にした、 従って、 小型化を実現できるスクロール流体機械を提供することを 目的としている。

発明の開示

本発明は、 全系回転型のスクロール流体機械において、 密閉ケー ス内に円筒状のボスを設け、 このボスの外周で、 駆動側スクロール 部材を回転させるためのカップリングを支持するとともに、 この部 位 （ボスの外周） に電動機を設け、 他方、 該ボスの内周で、 従動側 スクロール部材の軸 （従動軸） を支持するようにしたものである。 このように構成することにより、 従来別々に支持されていたスク ロール部材を、 基本的に一つの部位 （円筒状のボスの内外周） に よって支持し、 併せて電動機を同じ部位に設けることとなり、 その 結果、 全系回転型のスクロール流体機械であっても、 軸方向の長さ を短縮化することが可能となり、 ひいては機械の小形化を図ること が可能となる。 図面の簡単な説明 , 第 1図および第 2図は本発明に係るスクロール流体機械の一実施 例を示す図で、 第 1図はその断面図、 第 2図はその分解斜視図であ

発明を実施するための最良の形態 - 术発明をより詳細に述べるために、 添付の図面に基づいて説明す 第 1図は、 この発明が実施されたスクロール流体機械 （スクロ一 ルタイプの電動圧縮機） 1の縦断面図、 第 2図はその分解斜視図を 示しているが、 理解を容易にするため、 発明の要部が他のものより も若干大きく強調して示されている。 同図中、 2 aは上部ケース、 2 bは下部ケースであり、 これらのケース 2 a , 2 bは、 内部が密 閉状態となるように、 ボルト 3により接合されている。

上部ケース 2 aの内側中央部には、 下方に向けてボス 4がー体に 設けられている。 ボス 4は、 後述するスクロール部材の、.回転軸方 向と一致する方向に突出して設けられており、 その外周には、 メタ ル軸受 5を介して、 カツプリング 6 Aの筒状の軸 6が回転可能に装 着され、 この軸 6の上端面と上部ケース 2 aとの間には、 軸受 7が 設けられている。

上記軸 6の外周には、 積層鉄心からなる柱状の回転子 8が固着さ れ、 この回転子 8の周面には、 N極と S極の永久磁石 9が順次設け られている。 また、 永久磁石 9の外周側に位置して、 積層鉄心から なる筒状の固定子 1 0が上部ケース 2 aに固着されている。 固定子 1 0の各々の極 1 0 aには励磁コイル 1 1が卷回され、 これらによ り、 直流ブラシレスの電動機 1 2が構成されており、 従って回転子 8とともに軸 6がー体的に回転する。

上記軸 6の下端部には、 後述する従動側スクロール部材 2 0の背 面を覆うような円環形状の部材が設けられており、 この部材と前記 軸 6とによって、 カップリング 6 Aが構成されている。 このカップ リング 6 Aには、 駆動側スクロール部材 1 5の周縁部が、 ボルト 1 6により一体的に固着されている。 従って、 電動機 1 2の駆動に よって回転子 8が回転すると、 カップリング 6 Aとともに駆動側ス クロール部材 1 5が回転する。 駆動側スクロール部材 1 5はスク ロール 1 5 aを上方に向けて配設されている。 また、 駆動側スク ロール部材 1 5の背面 Φ央部には、 軸 1 7が突設され、 この軸 1 7 は、 下部ケース 2 bに形成された受け部 1 8に軸受 1 9を介して回 転可能に支持されている。

従動側スクロール部材 2 0は、 スクロール 2 0 aを下方に向けて 設置され、 そのスクロール 2 0 aを駆動側スクロール部材 1 5のス クロール 1 5 aに II齒合うように組み付けられている。 従動側スク ロール部材 2 0の背面、 すなわち図中の従動側スクロール部材 2 0 の上面には、 従動軸 2 1が上方向に向って形成されている。 他方、 ボス 4には、 この従動軸 2 1を回転可能に支持する孔 2 2が設け てある。 従動軸 2 1は、 その回転中心 0 ₂ を、 上記軸 6の回転中 心 0 に対して寸法 ilだけ偏心させて設けている。

また、 前記カップリング 6 Aの回転を従動側スクロール部材 2 0 に伝達する伝達機構 2 4が、 該カップリング 6 Aと従動側スクロー ル部材 2 0との間に設けられている。 伝達機構 2 4は、 環状で且つ 板状の可動プレート 2 5と、 この可動プレート 2 5の両面の突起 2 6 , 2 7を案内する案内溝 2 8， 2 9とからなるオルダム継手によ り構成されている。 すなわち、 可動プレート 2 5は、 第 2図に示す ように、 環状で且つ板状に形成され、 カップリング 6 Aに設けられ た収納室 3 0に旋回運動可能に収納されている。 また、 可動プレー ト 2 5の一方の面には突起 2 6が突設され、 これらの突起 2 6が、 カップリング 6 Aに設けられた案内溝 2 8内に、 可動プレートの径 方向に移動可能に挿入されている。 可動プレー卜 2 5の他方の面に は、 上記突起 2 6の面と直交する方向の面を備えた突起 2 7が突設 され、 これらの突起 2 7が、 第 1図に示すように、 従動側スクロー ル部材 2 0に設けられた案内溝 2 9に、 可動プレー卜の径方向に移 動可能に挿入されている。 従って、 カップリング 6 Aが回転する と、 駆動側スクロール部材 1 5が回転するとともに、 伝達機構 2 4 を介して従動側スクロール部材 2 0にもその回転が伝達されるが、 従動軸 2 1を偏心させて設けているので、 従動側スクロール部材 2 0が同一位相で旋回運動 （駆動側スクロール部材 1 5が 1回転す ると従動側スクロール部材 2 0も 1回転） を行ない、 双方のスク ロール 1 5 a , 2 0 aの間に、 冷媒を順次圧縮する吸入圧室 3 1、 中間圧室 3 2および吐出圧室 3 3が形成され、 冷媒が順次圧縮され る o

更に、 上部ケース 2 aの上側には、 冷媒の吸入口 3 5が設けら れ、 冷媒は吸入口 3 5を通じて吸入され、 第 1図中の矢印で示すよ うに、 電動機 1 2の極 1 0 aどうしの間から、 カップリング 6 Aお よび駆動側スクロール部材 1 5と下部ケース 2 bの間の通路 3 6に 至り、 可動側スクロール部材 1 5に設けられた吸入ポート 3 7を通 じて吸入圧室 3 1に吸入される。 そして、 各室 3 1 , 3 2， 3 3で 順次圧縮された冷媒は、 従動側スクロール部材 2 0に設けられた吐 出ポ一卜 3 8から、 従動軸 2 1内およびボス 4内に設けられた吐出 通路 3 9を通じて吐出される。

このようなスクロール流体機械 1においては、 電動機 1 2が駆動 すると、 軸 6従ってカップリング 6 Aが回転し、 駆動側スクロール 部材 1 5が回転する。 カップリング 6 Aの回転は伝達機構 2 4を通 じて従動側スクロール部材 2 0にも伝達されるが、 従動軸 2 1が軸 6に対して偏心して設けられているため、 従動側スクロール部材 2 0は旋回運動しながら同一位相で回転し、 双方のスクロール 1 5 a , 2 0 aにより形成される各圧縮室 3 1， 3 2， 3 3において冷 媒の圧縮が行なわれる。 また、 軸 6の外周に電動機 1 2の回転子 8が固着されるととも に、 ボス 4の周囲に軸 6が装着され、 更にボス 4内で偏心した従動 軸 2 1が支持される構造であるため、 スクロール流体機械 1の軸方 向の長さの短縮化が図られ、 機械の小形化が可能となる。

なお、 電動機の回転子としては、 磁石の合金組成に例えば希土類 金属を用い、 後方押出し成形により、 駆動軸に回転子を一体的に形 成してもよい。 この場合には、 駆動軸と回転子が固相接合により接 合され、 ラジアル方向に異方性を持ったリング状永久磁石が軸外周 に設置され、 磁石の固定強度を大幅に向上でき、 高速回転に対応す ることが可能となる。 また、 鋅造により一体的に形成することも可 能である。

産業上の利用可能性

以上のように、 本発明に係るスクロール流体機械は、 流体を圧縮 する装置に有用であり、 とりわけ軸方向の長さを短縮化することが できるので、 小型用の全系回転型スクロール流体機械に適してい る 0

Claims

言青求の範囲 密閉ケース内に、 電動機と、 この電動機によって回転する駆動側 スクロール部材と、 この駆動側スクロール部材に対し偏心して回転 する従動側スクロール部材とを備え、 前記電動機の駆動に伴って駆 動側スクロール部材と従動側スクロール部材の双方が回転すると同 時に、 従動側スクロール部材が偏心運動を行なう全系回転型のスク 口一ル流体機械において、

前記ケースの内側に形成され、 スクロール部材の回転軸方向にそ の突出方向が一致するとともに、 先端より内側に孔を形成した円柱 状のボスと、

該ボスの外周に回転可能に装着される円筒状の軸を備えたカップ リングと、

該カップリングの該軸の外周に装着される回転子と、 該回転子の 外側に位置する固定子とを備えた電動機と、

前記ボスの前記孔に従動軸が挿入され、 該ボスに回転可能に支持 される従動側スクロール部材と、

該従動側スクロール部材と前記力ップリングとの間に設けられ、 該カップリングの回転を従動側スクロール部材に伝える回転伝達機 構と、

前記力ップリングに固定され、 前記従動側スクロール部材を該 カップリングとの間に保持する駆動側スクロ一ル部材を備えたこと を特徴とするスクロ一ル流体機械。