JP2003254261A - スクロール型流体機械 - Google Patents
スクロール型流体機械Info
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- JP2003254261A JP2003254261A JP2002049811A JP2002049811A JP2003254261A JP 2003254261 A JP2003254261 A JP 2003254261A JP 2002049811 A JP2002049811 A JP 2002049811A JP 2002049811 A JP2002049811 A JP 2002049811A JP 2003254261 A JP2003254261 A JP 2003254261A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 軸方向に沿った長さを極力短くして、装置全
体のよりコンパクト化を図ることができるようにする。 【解決手段】 固定スクロールと旋回スクロールとの間
に、該旋回スクロールの自転を阻止した公転運動に伴っ
て外周側から内周側に向けて容積が順次縮小する渦巻き
状の圧縮動作室を区画形成し、この圧縮動作室の容積の
縮小に伴って流入気体を圧縮しつつ移送するようにした
スクロール型流体機械において、旋回スクロールと該旋
回スクロールを駆動する駆動軸との間に、互いに吸引す
る方向に磁力を発生させる一対の永久磁石を有する動力
伝達機構を備えた。
体のよりコンパクト化を図ることができるようにする。 【解決手段】 固定スクロールと旋回スクロールとの間
に、該旋回スクロールの自転を阻止した公転運動に伴っ
て外周側から内周側に向けて容積が順次縮小する渦巻き
状の圧縮動作室を区画形成し、この圧縮動作室の容積の
縮小に伴って流入気体を圧縮しつつ移送するようにした
スクロール型流体機械において、旋回スクロールと該旋
回スクロールを駆動する駆動軸との間に、互いに吸引す
る方向に磁力を発生させる一対の永久磁石を有する動力
伝達機構を備えた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無潤滑状態で気体
の圧縮並びに移送を行うオイルフリー式のスクロール型
流体機械に係り、特に可燃ガス等の圧縮並びに移送用の
ブロワとして使用して最適なスクロール型流体機械に関
するものである。
の圧縮並びに移送を行うオイルフリー式のスクロール型
流体機械に係り、特に可燃ガス等の圧縮並びに移送用の
ブロワとして使用して最適なスクロール型流体機械に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロール型流体機械は、共に渦巻き状
のラップを組合せ、一方を固定し、他方を自転を阻止し
つつ公転運動させラップの相対的運動を行わせること
で、渦巻き形状の圧縮動作室内に閉じ込めた気体の容積
を徐々に減少させて流体の圧縮並びに移送を行うように
したものであり、ルーツ型やロータリー型の流体機械に
比べて騒音が小さく、圧力脈動が小さいことから、例え
ば小形空調用冷凍機やエアコン用圧縮機等に広く使用さ
れている。
のラップを組合せ、一方を固定し、他方を自転を阻止し
つつ公転運動させラップの相対的運動を行わせること
で、渦巻き形状の圧縮動作室内に閉じ込めた気体の容積
を徐々に減少させて流体の圧縮並びに移送を行うように
したものであり、ルーツ型やロータリー型の流体機械に
比べて騒音が小さく、圧力脈動が小さいことから、例え
ば小形空調用冷凍機やエアコン用圧縮機等に広く使用さ
れている。
【0003】ここで、エアコンに使用されるオイル潤滑
のスクロールコンプレッサは、全体が圧力容器内に密封
溶接にて収容され、取扱気体の漏洩がない構造になって
いるが、これは潤滑液(オイル)が冷媒中に混入しても
実用上の問題が生じないため、潤滑油を活用した長寿命
でメンテナンスフリーな設計が可能であることによるも
のである。従って、この構造は、取扱気体への油の混入
が許されないオイルフリー式の場合には適用が困難であ
る。
のスクロールコンプレッサは、全体が圧力容器内に密封
溶接にて収容され、取扱気体の漏洩がない構造になって
いるが、これは潤滑液(オイル)が冷媒中に混入しても
実用上の問題が生じないため、潤滑油を活用した長寿命
でメンテナンスフリーな設計が可能であることによるも
のである。従って、この構造は、取扱気体への油の混入
が許されないオイルフリー式の場合には適用が困難であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したオイル潤滑タ
イプのスクロールコンプレッサでは、旋回スクロールの
自転を防止するためにオルダムリングを使用すること
で、コンプレッサの軸方向に沿った長さを比較的短く抑
えることができる。しかしながら、取扱気体への油の混
入が許されないオイルフリー式のスクロール型流体機械
の場合には、図4に示すように、例えばグリス封入型の
密封玉軸受を組合せて自転防止機構500を構成する必
要があり、この自転防止機構500は、一般に旋回スク
ロール530とモータフレーム550との間に設けるよ
うにしていたため、コンプレッサの軸方向に沿った長さ
が長くなってしまう傾向があった。
イプのスクロールコンプレッサでは、旋回スクロールの
自転を防止するためにオルダムリングを使用すること
で、コンプレッサの軸方向に沿った長さを比較的短く抑
えることができる。しかしながら、取扱気体への油の混
入が許されないオイルフリー式のスクロール型流体機械
の場合には、図4に示すように、例えばグリス封入型の
密封玉軸受を組合せて自転防止機構500を構成する必
要があり、この自転防止機構500は、一般に旋回スク
ロール530とモータフレーム550との間に設けるよ
うにしていたため、コンプレッサの軸方向に沿った長さ
が長くなってしまう傾向があった。
【0005】また、従来のスクロール型流体機械におい
ては、主軸510の一端に設けられた旋回軸受520が
旋回スクロール530の鏡板540からモータフレーム
550側に大きく張り出して位置している。このため、
旋回スクロール530のラップ560の先端から主軸受
570までの距離が非常に大きくなってしまい、装置の
軸方向に沿った長さが長くなってしまう。
ては、主軸510の一端に設けられた旋回軸受520が
旋回スクロール530の鏡板540からモータフレーム
550側に大きく張り出して位置している。このため、
旋回スクロール530のラップ560の先端から主軸受
570までの距離が非常に大きくなってしまい、装置の
軸方向に沿った長さが長くなってしまう。
【0006】更に、回転系のバランスを確保するための
カウンタウエイト580は、その軸方向に沿った重心位
置が旋回スクロール530の軸方向に沿った重心位置と
異なった位置に位置するようになっており、運転中に偶
力が発生してアンバランス(ダイナミックアンバラン
ス)を生じることがある。従って、このダイナミックバ
ランスを修正するために別のカウンタウエイト(図示せ
ず)を設ける必要が生じ、部品点数が増えてしまうばか
りでなく、装置の軸方向に沿った長さは更に長くなって
しまう。また、図4では図示していないが、例えばモー
タなどの駆動系を軸端に設ける必要があり、これによっ
て装置の軸方向に沿った長さは更に長くなってしまう。
カウンタウエイト580は、その軸方向に沿った重心位
置が旋回スクロール530の軸方向に沿った重心位置と
異なった位置に位置するようになっており、運転中に偶
力が発生してアンバランス(ダイナミックアンバラン
ス)を生じることがある。従って、このダイナミックバ
ランスを修正するために別のカウンタウエイト(図示せ
ず)を設ける必要が生じ、部品点数が増えてしまうばか
りでなく、装置の軸方向に沿った長さは更に長くなって
しまう。また、図4では図示していないが、例えばモー
タなどの駆動系を軸端に設ける必要があり、これによっ
て装置の軸方向に沿った長さは更に長くなってしまう。
【0007】このように、従来のオイルフリー式のスク
ロール型流体機械においては、装置の軸方向に沿った長
さがなかり長くなってしまい、装置全体のコンパクト化
を図ることが一般に困難であった。
ロール型流体機械においては、装置の軸方向に沿った長
さがなかり長くなってしまい、装置全体のコンパクト化
を図ることが一般に困難であった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもの
で、軸方向に沿った長さを極力短くして、装置全体のよ
りコンパクト化を図ることができるようにしたオイルフ
リー式のスクロール型流体機械を提供することを目的と
する。
で、軸方向に沿った長さを極力短くして、装置全体のよ
りコンパクト化を図ることができるようにしたオイルフ
リー式のスクロール型流体機械を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、固定スクロールと旋回スクロールとの間に、該旋回
スクロールの自転を阻止した公転運動に伴って外周側か
ら内周側に向けて容積が順次縮小する渦巻き状の圧縮動
作室を区画形成し、この圧縮動作室の容積の縮小に伴っ
て流入気体を圧縮しつつ移送するようにしたスクロール
型流体機械において、前記旋回スクロールと該旋回スク
ロールを駆動する駆動軸との間に、互いに吸引する方向
に磁力を発生させる1組の永久磁石を有する動力伝達機
構を備えたことを特徴とするスクロール型流体機械であ
る。このように構成することで、駆動軸の動力(回転ト
ルク)を、磁力を介して非接触で旋回スクロールに伝達
することができ、これによって、従来例のような旋回軸
受を不要となして構造を単純化し、しかも軸方向に沿っ
た長さをより短くして、全体をよりコンパクトな機器に
まとめることができる。
は、固定スクロールと旋回スクロールとの間に、該旋回
スクロールの自転を阻止した公転運動に伴って外周側か
ら内周側に向けて容積が順次縮小する渦巻き状の圧縮動
作室を区画形成し、この圧縮動作室の容積の縮小に伴っ
て流入気体を圧縮しつつ移送するようにしたスクロール
型流体機械において、前記旋回スクロールと該旋回スク
ロールを駆動する駆動軸との間に、互いに吸引する方向
に磁力を発生させる1組の永久磁石を有する動力伝達機
構を備えたことを特徴とするスクロール型流体機械であ
る。このように構成することで、駆動軸の動力(回転ト
ルク)を、磁力を介して非接触で旋回スクロールに伝達
することができ、これによって、従来例のような旋回軸
受を不要となして構造を単純化し、しかも軸方向に沿っ
た長さをより短くして、全体をよりコンパクトな機器に
まとめることができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記駆動軸を前
記固定スクロールの周辺部に設け、前記旋回スクロール
が前記固定スクロール側に磁力によって吸引されるよう
に前記1組の永久磁石を配置したことを特徴とする請求
項1記載のスクロール型流体機械である。スクロール型
回転機械にあっては、圧縮動作室が高圧となるため、一
般に旋回スクロールに固定スクロールから軸方向に離れ
ようとする軸スラスト荷重が作用する。そこで、旋回ス
クロールを固定スクロール側に磁力によって吸引するこ
とで、結果的に旋回スクロールに作用する軸スラスト荷
重を低減して、装置としてのコンパクト化及び長寿命化
を図ることができる。
記固定スクロールの周辺部に設け、前記旋回スクロール
が前記固定スクロール側に磁力によって吸引されるよう
に前記1組の永久磁石を配置したことを特徴とする請求
項1記載のスクロール型流体機械である。スクロール型
回転機械にあっては、圧縮動作室が高圧となるため、一
般に旋回スクロールに固定スクロールから軸方向に離れ
ようとする軸スラスト荷重が作用する。そこで、旋回ス
クロールを固定スクロール側に磁力によって吸引するこ
とで、結果的に旋回スクロールに作用する軸スラスト荷
重を低減して、装置としてのコンパクト化及び長寿命化
を図ることができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、固定スクロール
と旋回スクロールとの間に、該旋回スクロールの自転を
阻止した公転運動に伴って外周側から内周側に向けて容
積が順次縮小する渦巻き状の圧縮動作室を区画形成し、
この圧縮動作室の容積の縮小に伴って流入気体を圧縮し
つつ移送するようにしたスクロール型流体機械におい
て、前記固定スクロールと前記旋回スクロールの間に、
旋回スクロールの自転を阻止するとともに、該旋回スク
ロールと前記固定スクロールとの軸方向最少隙間を規制
する自転防止機構を設けたことを特徴とするスクロール
型流体機械である。このように、自転防止機構を固定ス
クロールと旋回スクロールの間に設けることで、自転防
止機構を旋回スクロールとモータフレームとの間に設け
た従来例と比較して、軸方向に沿った長さをより短くす
ることができる。
と旋回スクロールとの間に、該旋回スクロールの自転を
阻止した公転運動に伴って外周側から内周側に向けて容
積が順次縮小する渦巻き状の圧縮動作室を区画形成し、
この圧縮動作室の容積の縮小に伴って流入気体を圧縮し
つつ移送するようにしたスクロール型流体機械におい
て、前記固定スクロールと前記旋回スクロールの間に、
旋回スクロールの自転を阻止するとともに、該旋回スク
ロールと前記固定スクロールとの軸方向最少隙間を規制
する自転防止機構を設けたことを特徴とするスクロール
型流体機械である。このように、自転防止機構を固定ス
クロールと旋回スクロールの間に設けることで、自転防
止機構を旋回スクロールとモータフレームとの間に設け
た従来例と比較して、軸方向に沿った長さをより短くす
ることができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、前記旋回スクロ
ールを駆動する駆動軸を前記固定スクロールの周辺部に
設け、この駆動軸の回転を前記旋回スクロールに伝達す
る動力伝達機構が前記自転防止機構を兼用するようにし
たことを特徴とする請求項3記載のスクロール型流体機
械である。これにより、自転防止機構を構成する、例え
ば玉軸受等の軸受の数を減少させて機械ロスを低減する
ことができる。
ールを駆動する駆動軸を前記固定スクロールの周辺部に
設け、この駆動軸の回転を前記旋回スクロールに伝達す
る動力伝達機構が前記自転防止機構を兼用するようにし
たことを特徴とする請求項3記載のスクロール型流体機
械である。これにより、自転防止機構を構成する、例え
ば玉軸受等の軸受の数を減少させて機械ロスを低減する
ことができる。
【0013】請求項5に記載の発明は、前記固定スクロ
ールと前記旋回スクロールの少なくとも一方に、固定ス
クロールと旋回スクロールが互いに近づく方向に磁力を
作用させるようにした永久磁石を設けたことを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれかに記載のスクロール型流体
機械である。スクロール型流体機械にあっては、前述の
ように、一般に旋回スクロールに固定スクロールから軸
方向に離れようとする軸スラスト荷重が作用する。そし
てこの荷重は、自転防止機構を構成する、例えば玉軸受
等の軸受によって支持される。この軸受に作用する荷重
が小さくなればなる程、小型のものでも寿命を確保し易
く、また、小型の軸受ほど一般に消費動力が小さいた
め、高効率化の観点でも有利である。従って、永久磁石
によって、結果的に旋回スクロールに作用する軸スラス
ト荷重を低減することで、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができる。
ールと前記旋回スクロールの少なくとも一方に、固定ス
クロールと旋回スクロールが互いに近づく方向に磁力を
作用させるようにした永久磁石を設けたことを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれかに記載のスクロール型流体
機械である。スクロール型流体機械にあっては、前述の
ように、一般に旋回スクロールに固定スクロールから軸
方向に離れようとする軸スラスト荷重が作用する。そし
てこの荷重は、自転防止機構を構成する、例えば玉軸受
等の軸受によって支持される。この軸受に作用する荷重
が小さくなればなる程、小型のものでも寿命を確保し易
く、また、小型の軸受ほど一般に消費動力が小さいた
め、高効率化の観点でも有利である。従って、永久磁石
によって、結果的に旋回スクロールに作用する軸スラス
ト荷重を低減することで、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができる。
【0014】また、自転防止機構を構成する軸受には、
一般に内輪と外輪の間に寸法的な遊び(軸方向・径方
向)やガタツキがあり、このため旋回スクロールと固定
スクロールの隙間を微少値に管理することが困難である
が、永久磁石の磁力によって軸受に予圧(ガタツキ防
止)し、旋回スクロールを固定スクロール側に安定的に
寄せることで、旋回スクロールと固定スクロールの隙間
を微少値に管理し、この隙間からの流体の漏れ量を抑制
して、効率を高めることができる。しかも、オイルフリ
ー式のスクロール型流体機械の場合、一般に、固定スク
ロールと旋回スクロールの軸方向の隙間に接触型のシー
ル部品(チップシール)を介在させて高圧や高真空を得
るようにしているが、このシール部品を省略することも
可能となる。
一般に内輪と外輪の間に寸法的な遊び(軸方向・径方
向)やガタツキがあり、このため旋回スクロールと固定
スクロールの隙間を微少値に管理することが困難である
が、永久磁石の磁力によって軸受に予圧(ガタツキ防
止)し、旋回スクロールを固定スクロール側に安定的に
寄せることで、旋回スクロールと固定スクロールの隙間
を微少値に管理し、この隙間からの流体の漏れ量を抑制
して、効率を高めることができる。しかも、オイルフリ
ー式のスクロール型流体機械の場合、一般に、固定スク
ロールと旋回スクロールの軸方向の隙間に接触型のシー
ル部品(チップシール)を介在させて高圧や高真空を得
るようにしているが、このシール部品を省略することも
可能となる。
【0015】請求項6に記載の発明は、前記自転防止機
構を構成するクランク軸にカウンタウエイトを設けたこ
とを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のスク
ロール型流体機械である。このように、カウンタウエイ
トを、実質的に旋回スクロールと固定スクロールの間に
配置することで、装置の軸方向に沿った長さを極めて短
く抑えることができる。
構を構成するクランク軸にカウンタウエイトを設けたこ
とを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のスク
ロール型流体機械である。このように、カウンタウエイ
トを、実質的に旋回スクロールと固定スクロールの間に
配置することで、装置の軸方向に沿った長さを極めて短
く抑えることができる。
【0016】請求項7に記載の発明は、前記旋回スクロ
ールの軸方向に沿った重心位置と、前記カウンタウエイ
トの軸方向に沿った重心位置が一致するようにしたこと
を特徴とする請求項6記載のスクロール型流体機械であ
る。このように、旋回スクロールとカウンタウエイトの
軸方向に沿った重心位置を一致させることで、運転中に
偶力(アンバランス)が生じることを防止して、ダイナ
ミックバランス修正用の第2のカウンタウエイトを不要
となし、装置の全長を短く抑えることができる。
ールの軸方向に沿った重心位置と、前記カウンタウエイ
トの軸方向に沿った重心位置が一致するようにしたこと
を特徴とする請求項6記載のスクロール型流体機械であ
る。このように、旋回スクロールとカウンタウエイトの
軸方向に沿った重心位置を一致させることで、運転中に
偶力(アンバランス)が生じることを防止して、ダイナ
ミックバランス修正用の第2のカウンタウエイトを不要
となし、装置の全長を短く抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施の
形態のスクロール型流体機械を示す。このスクロール型
流体機械は、例えば一般のDCブラシレスモータからな
るモータ10を有しており、このモータ10は、そのフ
レーム部において、ブラケット12を介して固定スクロ
ール14の周辺部に固定されている。このモータ10の
モータ軸16は、駆動軸を兼ねており、その軸端にはカ
ップリング18が取付けられている。
を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施の
形態のスクロール型流体機械を示す。このスクロール型
流体機械は、例えば一般のDCブラシレスモータからな
るモータ10を有しており、このモータ10は、そのフ
レーム部において、ブラケット12を介して固定スクロ
ール14の周辺部に固定されている。このモータ10の
モータ軸16は、駆動軸を兼ねており、その軸端にはカ
ップリング18が取付けられている。
【0018】固定スクロール14は、モータ側に開口す
る吸込口14aと吐出口14bを有しており、この鏡板
20の反モータ側には、インボリュート曲線またはこれ
に類似した曲線形状からなるラップ22が立設されてい
る。この固定スクロール14のラップ22の先端には、
下記の旋回スクロール26の鏡板28に接触してここを
シールするチップシール24が装着されている。固定ス
クロール14に対峙して旋回スクロール26が配置され
ている。この旋回スクロール26の鏡板28には、固定
スクロール14側に突出するインボリュート曲線または
これに類似した曲線形状からなるラップ30が立設され
ている。この旋回スクロール26のラップ30の先端に
は、固定スクロール14の鏡板20に接触してここをシ
ールするチップシール32が装着されている。
る吸込口14aと吐出口14bを有しており、この鏡板
20の反モータ側には、インボリュート曲線またはこれ
に類似した曲線形状からなるラップ22が立設されてい
る。この固定スクロール14のラップ22の先端には、
下記の旋回スクロール26の鏡板28に接触してここを
シールするチップシール24が装着されている。固定ス
クロール14に対峙して旋回スクロール26が配置され
ている。この旋回スクロール26の鏡板28には、固定
スクロール14側に突出するインボリュート曲線または
これに類似した曲線形状からなるラップ30が立設され
ている。この旋回スクロール26のラップ30の先端に
は、固定スクロール14の鏡板20に接触してここをシ
ールするチップシール32が装着されている。
【0019】これによって、固定スクロール14と旋回
スクロール26との間に、該旋回スクロール26の自転
を阻止した公転運動に伴って外周側から内周側へ向けて
容積が順次縮小する渦巻き状の圧縮動作室34が両ラッ
プ22,30間に区画形成され、この圧縮動作室34が
両鏡板20,28で閉塞されている。そして、この吸込
口14aから圧縮動作室34内に流入した気体は、旋回
スクロール26の自転を阻止した公転運動により、圧縮
動作室34の容積の縮小に伴って圧縮されつつ順次移送
されて、吐出口14bから機外へ吐出されるようになっ
ている。
スクロール26との間に、該旋回スクロール26の自転
を阻止した公転運動に伴って外周側から内周側へ向けて
容積が順次縮小する渦巻き状の圧縮動作室34が両ラッ
プ22,30間に区画形成され、この圧縮動作室34が
両鏡板20,28で閉塞されている。そして、この吸込
口14aから圧縮動作室34内に流入した気体は、旋回
スクロール26の自転を阻止した公転運動により、圧縮
動作室34の容積の縮小に伴って圧縮されつつ順次移送
されて、吐出口14bから機外へ吐出されるようになっ
ている。
【0020】固定スクロール14の周辺部に固定したモ
ータ10のモータ軸(駆動軸)16と旋回スクロール2
6との間には、モータ10の駆動に伴うモータ軸16の
回転トルクを旋回スクロール26に伝達する動力伝達機
構36が設けられている。この動力伝達機構36は、モ
ータ軸16にカップリング18を介して取付けた棒状の
永久磁石(第1永久磁石)40と、旋回スクロール26
の該永久磁石40に対向する位置に円筒状保持部26a
を介して取付けられた棒状の永久磁石(第2永久磁石)
42の1組の永久磁石40,42を有している。
ータ10のモータ軸(駆動軸)16と旋回スクロール2
6との間には、モータ10の駆動に伴うモータ軸16の
回転トルクを旋回スクロール26に伝達する動力伝達機
構36が設けられている。この動力伝達機構36は、モ
ータ軸16にカップリング18を介して取付けた棒状の
永久磁石(第1永久磁石)40と、旋回スクロール26
の該永久磁石40に対向する位置に円筒状保持部26a
を介して取付けられた棒状の永久磁石(第2永久磁石)
42の1組の永久磁石40,42を有している。
【0021】第1永久磁石40は、その軸心がモータ軸
16の軸心と偏心距離eだけ偏心した位置に配置されて
おり、第2永久磁石42は、その軸心が第1永久磁石4
0の軸心と一致する位置に配置されている。更に、この
両永久磁石40,42は、互いに異なる極性(S極とN
極)が対峙する向きで、所定の隙間を持って直列に配置
されている。これによって、モータ軸16の回転に伴っ
て、第1永久磁石40が偏心距離eを半径とした公転運
動を行い、この第1永久磁石40の吸引力によって、第
2永久磁石42が第1永久磁石40と軸心を同じくする
位置に吸引されて、第2永久磁石42も偏心距離eを半
径とした公転運動を行うようになっている。
16の軸心と偏心距離eだけ偏心した位置に配置されて
おり、第2永久磁石42は、その軸心が第1永久磁石4
0の軸心と一致する位置に配置されている。更に、この
両永久磁石40,42は、互いに異なる極性(S極とN
極)が対峙する向きで、所定の隙間を持って直列に配置
されている。これによって、モータ軸16の回転に伴っ
て、第1永久磁石40が偏心距離eを半径とした公転運
動を行い、この第1永久磁石40の吸引力によって、第
2永久磁石42が第1永久磁石40と軸心を同じくする
位置に吸引されて、第2永久磁石42も偏心距離eを半
径とした公転運動を行うようになっている。
【0022】このように、モータ軸(駆動軸)16の動
力(回転トルク)を、磁力を介して非接触で旋回スクロ
ール26に伝達することで、従来例のような旋回軸受を
不要となして構造を単純化し、しかも装置としての軸方
向に沿った長さをより短くして、全体をよりコンパクト
な機器にまとめることができる。
力(回転トルク)を、磁力を介して非接触で旋回スクロ
ール26に伝達することで、従来例のような旋回軸受を
不要となして構造を単純化し、しかも装置としての軸方
向に沿った長さをより短くして、全体をよりコンパクト
な機器にまとめることができる。
【0023】モータ軸16が挿入される固定スクロール
14の穴部には、取扱流体が外部に漏れないように、カ
ップ形状のキャン44がOリング46を介して取付けら
れている。永久磁石40,42の材料には、例えばネオ
ジウムが、キャン44の材料には、例えば樹脂などの非
磁性材料が使用される。
14の穴部には、取扱流体が外部に漏れないように、カ
ップ形状のキャン44がOリング46を介して取付けら
れている。永久磁石40,42の材料には、例えばネオ
ジウムが、キャン44の材料には、例えば樹脂などの非
磁性材料が使用される。
【0024】固定スクロール14と旋回スクロール26
の間の同一円周方向に沿って3等配した位置には、旋回
スクロール26の自転を防止する自転防止機構50が配
置されている。この自転防止機構50は、上記偏心距離
eと同じ距離eだけ偏心した位置に軸心を持つ2本ピン
52a,52bを有するクランク軸52を備えている。
このクランク軸52の一方のピン52aは、固定スクロ
ール14に固定したクランクピン用軸受54に回転自在
に支承され、他方のピン52bは、旋回スクロール26
に固着したクランクピン用軸受56に回転自在に支承さ
れている。
の間の同一円周方向に沿って3等配した位置には、旋回
スクロール26の自転を防止する自転防止機構50が配
置されている。この自転防止機構50は、上記偏心距離
eと同じ距離eだけ偏心した位置に軸心を持つ2本ピン
52a,52bを有するクランク軸52を備えている。
このクランク軸52の一方のピン52aは、固定スクロ
ール14に固定したクランクピン用軸受54に回転自在
に支承され、他方のピン52bは、旋回スクロール26
に固着したクランクピン用軸受56に回転自在に支承さ
れている。
【0025】これによって、モータ軸16の回転に伴う
第1永久磁石40及び第2永久磁石42の回転(公転)
に伴って、クランク軸52の旋回スクロール26側のピ
ン52bが他方のピン52aを中心として偏心距離eを
半径とした公転運動を行い、このクランク軸52の公転
運動で旋回スクロール26も偏心距離eを半径とした公
転運動を行い、しかも、旋回スクロール26の自転がク
ランク軸52で阻止されるようになっている。なお、ク
ランクピン用軸受54,56は、いずれも窒化珪素を材
料に使用したセラミック玉軸受によって構成され、高い
耐久性が確保されている。
第1永久磁石40及び第2永久磁石42の回転(公転)
に伴って、クランク軸52の旋回スクロール26側のピ
ン52bが他方のピン52aを中心として偏心距離eを
半径とした公転運動を行い、このクランク軸52の公転
運動で旋回スクロール26も偏心距離eを半径とした公
転運動を行い、しかも、旋回スクロール26の自転がク
ランク軸52で阻止されるようになっている。なお、ク
ランクピン用軸受54,56は、いずれも窒化珪素を材
料に使用したセラミック玉軸受によって構成され、高い
耐久性が確保されている。
【0026】クランク軸52には、横断面鈎状のカウン
タウエイト58が該カウンタウエイト58の軸心方向に
沿った重心Gが旋回スクロール26の軸心方向に沿った
重心と一致するように設けられている。これによって、
従来の一般のスクロール型流体機械、特にオイルフリー
式のスクロール型流体機械に設けられていた第2のカウ
ンタウエイトを不要となして、軸方向に沿った長さを極
小に抑えることができる。つまり、従来の一般のスクロ
ール型流体機械、特にオイルフリー式のスクロール型流
体機械にあっては、旋回スクロールとカウンタウエイト
の軸心方向に沿ったの重心位置が異なるために、運転中
に偶力アンバランスを生じ、このアンバランスを相殺す
るために第2のカウンタウエイトを設けており、その結
果、部品点数が増えてしまうばかりか、軸方向に長い装
置となる弊害があったが、この例によれば、このような
弊害を防止することができる。
タウエイト58が該カウンタウエイト58の軸心方向に
沿った重心Gが旋回スクロール26の軸心方向に沿った
重心と一致するように設けられている。これによって、
従来の一般のスクロール型流体機械、特にオイルフリー
式のスクロール型流体機械に設けられていた第2のカウ
ンタウエイトを不要となして、軸方向に沿った長さを極
小に抑えることができる。つまり、従来の一般のスクロ
ール型流体機械、特にオイルフリー式のスクロール型流
体機械にあっては、旋回スクロールとカウンタウエイト
の軸心方向に沿ったの重心位置が異なるために、運転中
に偶力アンバランスを生じ、このアンバランスを相殺す
るために第2のカウンタウエイトを設けており、その結
果、部品点数が増えてしまうばかりか、軸方向に長い装
置となる弊害があったが、この例によれば、このような
弊害を防止することができる。
【0027】固定スクロール14の反モータ側には、O
リング59を介してカバー60が取付けられている。そ
して固定スクロール14とカバー60によって形成され
る空間に旋回スクロール26が内包されている。
リング59を介してカバー60が取付けられている。そ
して固定スクロール14とカバー60によって形成され
る空間に旋回スクロール26が内包されている。
【0028】これによって、前述のキャン44を備えた
構造と相俟って、全体が密封構造になっている。従っ
て、一般の送風用としてだけでなく、例えば窒素等の気
体を外部に漏らすことなく昇圧させることができる。
尚、固定スクロール14とカバー60は、図示しないボ
ルトで固定されており、固定スクロール14、旋回スク
ロール26及びカバー60は、例えばPPS(ポリフェ
ニレンスルフィド)樹脂やアルミ合金を使用して製作さ
れる。
構造と相俟って、全体が密封構造になっている。従っ
て、一般の送風用としてだけでなく、例えば窒素等の気
体を外部に漏らすことなく昇圧させることができる。
尚、固定スクロール14とカバー60は、図示しないボ
ルトで固定されており、固定スクロール14、旋回スク
ロール26及びカバー60は、例えばPPS(ポリフェ
ニレンスルフィド)樹脂やアルミ合金を使用して製作さ
れる。
【0029】更に、この例にあっては、固定スクロール
14と旋回スクロール26との間に、前述のモータ10
の回転トルクを旋回スクロール26に伝達するための1
組の永久磁石40,42とは別に、2組の永久磁石が設
けられている。これらの合計3組の永久磁石は、旋回ス
クロール26をモータ10側から見た場合に、円周方向
に沿って3等配(120°等配)した位置に配置されて
いる。
14と旋回スクロール26との間に、前述のモータ10
の回転トルクを旋回スクロール26に伝達するための1
組の永久磁石40,42とは別に、2組の永久磁石が設
けられている。これらの合計3組の永久磁石は、旋回ス
クロール26をモータ10側から見た場合に、円周方向
に沿って3等配(120°等配)した位置に配置されて
いる。
【0030】つまり、図2に示すように、固定スクロー
ル14の周辺部の所定位置には、凹部14cが設けら
れ、この凹部14c内に中空円筒状の永久磁石(第1永
久磁石)62が埋込まれ、旋回スクロール26の該永久
磁石62に対峙する位置には、円筒状保持部26bを介
して棒状の永久磁石(第2永久磁石)64が取付けられ
ている。
ル14の周辺部の所定位置には、凹部14cが設けら
れ、この凹部14c内に中空円筒状の永久磁石(第1永
久磁石)62が埋込まれ、旋回スクロール26の該永久
磁石62に対峙する位置には、円筒状保持部26bを介
して棒状の永久磁石(第2永久磁石)64が取付けられ
ている。
【0031】ここで、第1永久磁石62の直径は、旋回
スクロール26の公転運動に伴って第2永久磁石64が
公転運動を行っても、この第2永久磁石64の端面が常
に第1永久磁石62の端面に対峙する大きさに設定さ
れ、更にこの両永久磁石62,64は、互いに異なる極
性(S極とN極)が対峙する向きで、所定の隙間を持っ
て直列に配置されている。これによって、この両永久磁
石62,64を介して、旋回スクロール26を常に固定
スクロール14側に吸引するようになっている。このよ
うに、旋回スクロール26を常に固定スクロール14側
に吸引することによって、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができる。
スクロール26の公転運動に伴って第2永久磁石64が
公転運動を行っても、この第2永久磁石64の端面が常
に第1永久磁石62の端面に対峙する大きさに設定さ
れ、更にこの両永久磁石62,64は、互いに異なる極
性(S極とN極)が対峙する向きで、所定の隙間を持っ
て直列に配置されている。これによって、この両永久磁
石62,64を介して、旋回スクロール26を常に固定
スクロール14側に吸引するようになっている。このよ
うに、旋回スクロール26を常に固定スクロール14側
に吸引することによって、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができる。
【0032】つまり、旋回スクロール26には、圧縮動
作室34が高圧となるため、固定スクロール14から軸
方向に離れようとする軸スラスト荷重が作用する。そし
てこの荷重は、自転防止機構50を構成する玉軸受等の
軸受54,56によって支承される。軸受54,56
は、荷重が小さくなれば、小型のものでも寿命を確保し
易く、また、小型の軸受ほど一般に消費動力が小さいた
め、高効率化の観点でも有利である。このため、前述の
ように、永久磁石40,42、54,56の磁力を旋回
スクロール26に作用する軸スラスト荷重を低減させる
方向に作用させることで、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができる。
作室34が高圧となるため、固定スクロール14から軸
方向に離れようとする軸スラスト荷重が作用する。そし
てこの荷重は、自転防止機構50を構成する玉軸受等の
軸受54,56によって支承される。軸受54,56
は、荷重が小さくなれば、小型のものでも寿命を確保し
易く、また、小型の軸受ほど一般に消費動力が小さいた
め、高効率化の観点でも有利である。このため、前述の
ように、永久磁石40,42、54,56の磁力を旋回
スクロール26に作用する軸スラスト荷重を低減させる
方向に作用させることで、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができる。
【0033】また、自転防止機構50を構成する自動軸
受54,56には、内輪と外輪の間に寸法的な遊び(軸
方向・径方向)やガタツキがあり、旋回スクロール26
と固定スクロール14の隙間を微少値に管理することが
一般に困難であるが、前述のように、永久磁石40,4
2、54,56の磁力によって旋回スクロール26を固
定スクロール14の側に安定的に寄せることで、旋回ス
クロール26と固定スクロール14の隙間を微少値に管
理することが容易となり、この結果、旋回スクロール2
6と固定スクロール14の隙間からの流体の漏れ量を抑
制して、効率を高めることができる。
受54,56には、内輪と外輪の間に寸法的な遊び(軸
方向・径方向)やガタツキがあり、旋回スクロール26
と固定スクロール14の隙間を微少値に管理することが
一般に困難であるが、前述のように、永久磁石40,4
2、54,56の磁力によって旋回スクロール26を固
定スクロール14の側に安定的に寄せることで、旋回ス
クロール26と固定スクロール14の隙間を微少値に管
理することが容易となり、この結果、旋回スクロール2
6と固定スクロール14の隙間からの流体の漏れ量を抑
制して、効率を高めることができる。
【0034】尚、この例にあっては、固定スクロール1
4のラップ22の先端と、旋回スクロール26のラップ
30の先端に、高圧側から低圧側への流体の漏れを防止
するためのチップシール24,32が取付けた例を示し
ている。しかしながら、前述のように永久磁石40,4
2、54,56を活用することで、旋回スクロール26
と固定スクロール14の隙間を微少値に管理することが
可能となるため、このチップシール24,32を削除し
ても流体の漏れ量を小さく抑えることができる。これに
より、消耗部品であるチップシールが不要となることか
ら、機器の長寿命化を併せて達成することができる。
4のラップ22の先端と、旋回スクロール26のラップ
30の先端に、高圧側から低圧側への流体の漏れを防止
するためのチップシール24,32が取付けた例を示し
ている。しかしながら、前述のように永久磁石40,4
2、54,56を活用することで、旋回スクロール26
と固定スクロール14の隙間を微少値に管理することが
可能となるため、このチップシール24,32を削除し
ても流体の漏れ量を小さく抑えることができる。これに
より、消耗部品であるチップシールが不要となることか
ら、機器の長寿命化を併せて達成することができる。
【0035】また、固定スクロール14と旋回スクロー
ル26との間に、前述のモータ10の回転トルクを旋回
スクロール26に伝達するための1組の永久磁石40,
42とは別に、2組の永久磁石62,64が設けた例を
示しているが、この2組の永久磁石62,64の代わり
に、各1個の永久磁石を2カ所に配置し、この永久磁石
と磁性体で旋回スクロールを固定スクロール側に吸引す
るようにしてもよい。
ル26との間に、前述のモータ10の回転トルクを旋回
スクロール26に伝達するための1組の永久磁石40,
42とは別に、2組の永久磁石62,64が設けた例を
示しているが、この2組の永久磁石62,64の代わり
に、各1個の永久磁石を2カ所に配置し、この永久磁石
と磁性体で旋回スクロールを固定スクロール側に吸引す
るようにしてもよい。
【0036】図3は、本発明の第2の実施の形態のスク
ロール型流体機械を示す。なお、前述の例と同一または
相当部材には同一符号を付してその説明を省略する。こ
のスクロール型流体機械は、動力伝達機構36aとし
て、自転防止機構を兼用したものを使用している。つま
り、固定スクロール14の周辺部に固定したモータ10
のモータ軸(駆動軸)16の先端に、該モータ軸16の
軸心と上記偏心距離eと同じ距離eだけ偏心した位置に
軸心を持つクランク部65を一体に連接し、モータ軸1
6の突出基部を固定スクロール14に取付けた主軸受6
6で、クランク部65の先端を旋回スクロール26に取
付けた旋回軸受68でそれぞれ回転自在に支承してい
る。これによって、モータ10の駆動に伴ってモータ軸
16が回転し、この回転に伴ってクランク部65が公転
し、この公転に伴って、旋回スクロール26も偏心距離
eを半径とした公転運動を行い、しかもこの動力伝達機
構36aを固定スクロール14及び旋回スクロール26
の(中央部でなく)周辺部に配置することで、動力伝達
機構36aが旋回スクロール26の自転を防止する自転
防止機構を兼用するようになっている。なお、この軸受
66,68は、いずれも窒化珪素を材料に使用したセラ
ミック玉軸受によって構成され、高い耐久性が確保され
ており、クランク部65には、カウンタウエイト70が
取付けられている。
ロール型流体機械を示す。なお、前述の例と同一または
相当部材には同一符号を付してその説明を省略する。こ
のスクロール型流体機械は、動力伝達機構36aとし
て、自転防止機構を兼用したものを使用している。つま
り、固定スクロール14の周辺部に固定したモータ10
のモータ軸(駆動軸)16の先端に、該モータ軸16の
軸心と上記偏心距離eと同じ距離eだけ偏心した位置に
軸心を持つクランク部65を一体に連接し、モータ軸1
6の突出基部を固定スクロール14に取付けた主軸受6
6で、クランク部65の先端を旋回スクロール26に取
付けた旋回軸受68でそれぞれ回転自在に支承してい
る。これによって、モータ10の駆動に伴ってモータ軸
16が回転し、この回転に伴ってクランク部65が公転
し、この公転に伴って、旋回スクロール26も偏心距離
eを半径とした公転運動を行い、しかもこの動力伝達機
構36aを固定スクロール14及び旋回スクロール26
の(中央部でなく)周辺部に配置することで、動力伝達
機構36aが旋回スクロール26の自転を防止する自転
防止機構を兼用するようになっている。なお、この軸受
66,68は、いずれも窒化珪素を材料に使用したセラ
ミック玉軸受によって構成され、高い耐久性が確保され
ており、クランク部65には、カウンタウエイト70が
取付けられている。
【0037】なお、図示しないが、固定スクロール14
と旋回スクロール26の周辺部の円周方向に沿った2カ
所には、図1に示すものものとほぼ同様な構成の自転防
止機構が配置されている。このように、動力伝達機構3
6aに自転防止機構を兼用させることで、自転防止機構
を構成する、例えば玉軸受等の軸受の数を減少させて機
械ロスを低減することができる。
と旋回スクロール26の周辺部の円周方向に沿った2カ
所には、図1に示すものものとほぼ同様な構成の自転防
止機構が配置されている。このように、動力伝達機構3
6aに自転防止機構を兼用させることで、自転防止機構
を構成する、例えば玉軸受等の軸受の数を減少させて機
械ロスを低減することができる。
【0038】更に、この例にあっては、固定スクロール
14と旋回スクロール26との間の円周方向に沿って3
等配(120°等配)した位置に、固定スクロール14
の周辺部の所定位置に設けた凹部14d内に埋設した中
空円筒状の永久磁石(第1永久磁石)72と、旋回スク
ロール26の該永久磁石72に対峙する位置に円筒状保
持部26cを介して設けた棒状の永久磁石(第2永久磁
石)74からなる1組の永久磁石72,74が合計3組
取付けられている。これによって、この両永久磁石7
2,74を介して、旋回スクロール26を常に固定スク
ロール14側に吸引して、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができるようになっている。
14と旋回スクロール26との間の円周方向に沿って3
等配(120°等配)した位置に、固定スクロール14
の周辺部の所定位置に設けた凹部14d内に埋設した中
空円筒状の永久磁石(第1永久磁石)72と、旋回スク
ロール26の該永久磁石72に対峙する位置に円筒状保
持部26cを介して設けた棒状の永久磁石(第2永久磁
石)74からなる1組の永久磁石72,74が合計3組
取付けられている。これによって、この両永久磁石7
2,74を介して、旋回スクロール26を常に固定スク
ロール14側に吸引して、装置としてのコンパクト化及
び長寿命化を図ることができるようになっている。
【0039】ここに、この第1永久磁石72は、止め輪
76を介して凹部14d内に固定されており、また永久
磁石74の外周面に取付け仕切り板78の上下に複数の
スペーサシム80を積層している。これにより、スペー
サシム80を抜き差しし、仕切り板78を挟んだスペー
サシム80の数を変更することで、第1永久磁石72を
任意の位置に位置決めして、両永久磁石72,74の距
離を調整できるようになっている。このように、永久磁
石72,74の距離を調整することで、旋回スクロール
26と固定スクロール14の隙間を微少値に管理するこ
とがより容易となる。この例は、完全密閉構造ではない
が、装置としてのより簡素化を図ることができる。
76を介して凹部14d内に固定されており、また永久
磁石74の外周面に取付け仕切り板78の上下に複数の
スペーサシム80を積層している。これにより、スペー
サシム80を抜き差しし、仕切り板78を挟んだスペー
サシム80の数を変更することで、第1永久磁石72を
任意の位置に位置決めして、両永久磁石72,74の距
離を調整できるようになっている。このように、永久磁
石72,74の距離を調整することで、旋回スクロール
26と固定スクロール14の隙間を微少値に管理するこ
とがより容易となる。この例は、完全密閉構造ではない
が、装置としてのより簡素化を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軸方向に沿った長さを極力短くして、装置全体のよりコ
ンパクト化を図ることができる。しかも、吸込口と吐出
口をモータ側に設けることで、立置きで使用することが
でき、更に、吸込及び吐出配管が取付けられスペースの
近傍にモータが存在するため、設置スペースを極めて小
さくすることができる。また、しかも、取扱流体を外部
に漏らすことのない全体が密封構造とすることも容易で
ある。
軸方向に沿った長さを極力短くして、装置全体のよりコ
ンパクト化を図ることができる。しかも、吸込口と吐出
口をモータ側に設けることで、立置きで使用することが
でき、更に、吸込及び吐出配管が取付けられスペースの
近傍にモータが存在するため、設置スペースを極めて小
さくすることができる。また、しかも、取扱流体を外部
に漏らすことのない全体が密封構造とすることも容易で
ある。
【図1】本発明の実施の形態のスクロール型流体機械を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】図1における固定スクロールを旋回スクロール
側に吸引する永久磁石部を示す断面図である。
側に吸引する永久磁石部を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態のスクロール型流体機
械を示す断面図である。
械を示す断面図である。
【図4】従来のスクロール型流体機械を示す断面図であ
る。
る。
10 モータ
14 固定スクロール
14a 吸込口
14b 吐出口
16 モータ軸(駆動軸)
18 カップリング
20,28 鏡板
22,30 ラップ
24,32 チップシール
26 旋回スクロール
34 圧縮動作室
36,36a 動力伝達機構
40,42,62,64,72,74 永久磁石
44 キャン
50 自転防止機構
52 クランク軸
54,56,66,68 軸受
58,70 カウンタウエイト
65 クランク部
78 仕切り板
80 スペーサシム
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 小西 康貴
東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社
荏原製作所内
(72)発明者 打田 博
東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社
荏原製作所内
Fターム(参考) 3H029 AA02 AA18 BB32 CC08 CC38
3H039 AA02 BB07 CC02 CC10 CC17
CC35
Claims (7)
- 【請求項1】 固定スクロールと旋回スクロールとの間
に、該旋回スクロールの自転を阻止した公転運動に伴っ
て外周側から内周側に向けて容積が順次縮小する渦巻き
状の圧縮動作室を区画形成し、この圧縮動作室の容積の
縮小に伴って流入気体を圧縮しつつ移送するようにした
スクロール型流体機械において、 前記旋回スクロールと該旋回スクロールを駆動する駆動
軸との間に、互いに吸引する方向に磁力を発生させる1
組の永久磁石を有する動力伝達機構を備えたことを特徴
とするスクロール型流体機械。 - 【請求項2】 前記駆動軸を前記固定スクロールの周辺
部に設け、前記旋回スクロールが前記固定スクロール側
に磁力によって吸引されるように前記1組の永久磁石を
配置したことを特徴とする請求項1記載のスクロール型
流体機械。 - 【請求項3】 固定スクロールと旋回スクロールとの間
に、該旋回スクロールの自転を阻止した公転運動に伴っ
て外周側から内周側に向けて容積が順次縮小する渦巻き
状の圧縮動作室を区画形成し、この圧縮動作室の容積の
縮小に伴って流入気体を圧縮しつつ移送するようにした
スクロール型流体機械において、 前記固定スクロールと前記旋回スクロールの間に、旋回
スクロールの自転を阻止するとともに、該旋回スクロー
ルと前記固定スクロールとの軸方向最少隙間を規制する
自転防止機構を設けたことを特徴とするスクロール型流
体機械。 - 【請求項4】 前記旋回スクロールを駆動する駆動軸を
前記固定スクロールの周辺部に設け、この駆動軸の回転
を前記旋回スクロールに伝達する動力伝達機構が前記自
転防止機構を兼用するようにしたことを特徴とする請求
項3記載のスクロール型流体機械。 - 【請求項5】 前記固定スクロールと前記旋回スクロー
ルの少なくとも一方に、固定スクロールと旋回スクロー
ルが互いに近づく方向に磁力を作用させるようにした永
久磁石を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいず
れかに記載のスクロール型流体機械。 - 【請求項6】 前記自転防止機構を構成するクランク軸
にカウンタウエイトを設けたことを特徴とする請求項3
乃至5のいずれかに記載のスクロール型流体機械。 - 【請求項7】 前記旋回スクロールの軸方向に沿った重
心位置と、前記カウンタウエイトの軸方向に沿った重心
位置が一致するようにしたことを特徴とする請求項6記
載のスクロール型流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002049811A JP2003254261A (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | スクロール型流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002049811A JP2003254261A (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | スクロール型流体機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003254261A true JP2003254261A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28662228
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2003254261A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100749236B1 (ko) * | 2004-12-27 | 2007-08-13 | 아네스토 이와타 가부시키가이샤 | 스크롤 유체 기계 |
CN104343687A (zh) * | 2013-07-31 | 2015-02-11 | 思科涡旋科技(杭州)有限公司 | 具有磁流体平动滑动推力轴承及密封结构的涡旋真空泵 |
CN107035688A (zh) * | 2017-04-24 | 2017-08-11 | 南昌大学 | 一种机电一体化无油涡旋压缩机 |
CN116292298A (zh) * | 2023-05-11 | 2023-06-23 | 福建省泉州市力达机械有限公司 | 一种低噪音节能型无油螺杆鼓风机 |
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2002
- 2002-02-26 JP JP2002049811A patent/JP2003254261A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104343687B (zh) * | 2013-07-31 | 2016-12-28 | 思科涡旋科技(杭州)有限公司 | 具有磁流体平动滑动推力轴承及密封结构的涡旋真空泵 |
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CN116292298B (zh) * | 2023-05-11 | 2023-08-15 | 福建省泉州市力达机械有限公司 | 一种低噪音节能型无油螺杆鼓风机 |
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