JPWO2020230235A1 - 負荷駆動装置、空気調和機及び負荷駆動装置の運転方法 - Google Patents

負荷駆動装置、空気調和機及び負荷駆動装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

負荷駆動装置は、複数の負荷のそれぞれを駆動する第一及び第二のモータ(41,42)と、第一及び第二のモータ(41,42)に共通の電圧を印加するインバータ(4)と、を備える。第一のモータ(41)は、制御部(10)によってベクトル制御される。第二のモータ(42)は、共通の電圧によって駆動される。基準モータである第一のモータ(41)の巻線抵抗値に対する第二のモータ(42)の巻線抵抗値の比は2.4以上である。

Description

本発明は、複数の負荷のそれぞれを駆動するモータを負荷ごとに備え、それぞれのモータを1つのインバータで駆動する負荷駆動装置、負荷駆動装置を備えた空気調和機、及び負荷駆動装置の運転方法に関する。
負荷駆動装置に具備されるモータが、例えば永久磁石同期モータである場合、永久磁石同期モータの駆動には、回転子の位置情報が必要である。このため、一般に、永久磁石同期モータの駆動には、回転子位置取得のための位置センサが用いられる。しかしながら、位置センサの使用により、システムの大型化、高コスト化、耐環境性の低下といった問題が生じる。このため、永久磁石同期モータの駆動には、位置センサを用いずに永久磁石同期モータを駆動するセンサレス制御の適用が求められる。
位置センサレス制御において、モータに対して過大な負荷がかかるなどの要因により、モータ回転子の位置推定値と実際の回転子位置との間の誤差が大きくなることがある。この場合、モータに対して適切な電流を流すことができずにモータが停止してしまうことがある。このような現象は、「脱調」と呼ばれる。
下記特許文献1には、複数台のモータを1つのインバータで駆動する場合において、各モータの合成電流に基づいて脱調を検出する技術が開示されている。具体的に、特許文献1では、複数台のモータが2台又は3台単位でグループ化される。各モータの合成電流は、グループ内の各モータに接続する出力ライン中の各1相又は2相の出力ラインに接続され、且つ各出力ラインが相互に異なる相であるように接続された電流センサによって検出される。
特開2010−022184号公報
しかしながら、上記従来技術では、合成電流の検出するための電流センサの接続形態が複雑であるのと共に、異なるモータの出力ライン間に跨って電流センサを配置する必要があり、装置が大型化し、制御が複雑化するという課題がある。このため、装置の大型化及び制御の複雑化を抑制しつつ、複数台のモータを安定的に駆動することができる負荷駆動装置が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数台のモータを1つのインバータで駆動し、且つ位置センサレスで駆動する構成において、装置の大型化及び制御の複雑化を抑制しつつ、複数台のモータを安定的に駆動することができる負荷駆動装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る負荷駆動装置は、複数の負荷のそれぞれを駆動するモータ、複数台のモータに共通の電圧を印加する1つのインバータ、及び複数台のモータのうちの1台の基準モータである第一のモータをベクトル制御する制御部を備える。第一のモータ以外のモータである第二のモータは共通の電圧によって駆動される。第一のモータの巻線抵抗値に対する第二のモータの巻線抵抗値の比である第一の比は、2.4倍以上である。
本発明に係る負荷駆動装置によれば、複数台のモータを1つのインバータで駆動し、且つ位置センサレスで駆動する構成において、装置の大型化及び制御の複雑化を抑制しつつ、複数台のモータを安定的に駆動することができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る負荷駆動装置の構成例を示す図 実施の形態1に係る負荷駆動装置の空気調和機への適用例を示す図 図1の制御部に構築される制御系の構成例を示すブロック図 図3に示すパルス幅変調(Pulse Width Modulation:以下「PWM」と表記)信号生成部の動作の説明に供する図 図3に示す制御系の機能を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図 図3に示す制御系の機能を実現するハードウェア構成の他の例を示すブロック図 図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第一の図 実施の形態1に係る負荷駆動装置の挙動の説明に供する図 図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第二の図 実施の形態1に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第一の図 実施の形態1に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第二の図 実施の形態2に係る負荷駆動装置の挙動の説明に供する図 図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第三の図 実施の形態2に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第一の図 実施の形態2に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第二の図 実施の形態3に係る負荷駆動装置の挙動の説明に供する図 図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第四の図 実施の形態3に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第一の図 実施の形態3に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第二の図 実施の形態4に係る負荷駆動装置の構成例を示す図 実施の形態5に係る負荷駆動装置の構成例を示す図 実施の形態5に係る負荷駆動装置の運転方法の説明に供するフローチャート
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る負荷駆動装置、空気調和機、及び負荷駆動装置の運転方法について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る負荷駆動装置の構成例を示す図である。実施の形態1に係る負荷駆動装置は、図1では図示しない複数の負荷のそれぞれを駆動する装置である。図1における2台の第一のモータ41及び第二のモータ42は、複数の負荷のそれぞれを駆動する複数台のモータの例示である。
また、実施の形態1に係る負荷駆動装置は、図1に示すように、第一のモータ41及び第二のモータ42のそれぞれに共通の電圧を印加する1つの電力変換装置であるインバータ4と、インバータ4に直流電圧を供給するための直流電源として動作する平滑部3と、を備える。平滑部3の一例は、コンデンサである。インバータ4は平滑部3の出力側に並列接続される。インバータ4は、三相インバータであり、6つのスイッチング素子4aを備える。インバータ4において、6つのスイッチング素子4aはブリッジ接続され、インバータ4の主回路を構成する。
スイッチング素子4aの一例は、図示の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)であるが、他のスイッチング素子を用いてもよい。スイッチング素子4aの他の例は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)である。平滑部3の入力側には、整流器2が並列接続される。整流器2は、ブリッジ接続される4つのダイオードを有する。整流器2には、交流電源1からの交流電力が供給される。交流電源1からの交流電力は、整流器2で整流された後に平滑部3によって平滑され、平滑された直流電力がインバータ4に供給される。
なお、図1では交流電源1及び整流器2は単相で記載しているが、三相でもよい。また、平滑部3のコンデンサとしては、静電容量の大きなアルミ電解コンデンサを使用することが一般的であるが、長寿命であるフィルムコンデンサを用いてもよい。或いは、静電容量の小さなコンデンサを用いてもよい。静電容量の小さなコンデンサを用いれば、交流電源1に流れる電流の高調波電流を抑制することができる。更に、交流電源1と平滑部3との間の電気配線に、高調波電流の抑制、又は力率改善の目的で、リアクトルを挿入してもよい。
インバータ4は、上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子とが、この順で直列に接続されてなるレグを3相分、即ち3個備える。3個のレグは、U相レグ、V相レグ及びW相レグを構成する。U相レグ、V相レグ及びW相レグは、直流電力が供給される直流母線であるP線とN線との間に並列に接続される。
上アームのスイッチング素子と下アームのスイッチング素子との接続端からは電力線7が引き出されている。電力線7は、分岐点8によって二手に分かれ、第一のモータ41及び第二のモータ42のそれぞれに接続されている。第一のモータ41及び第二のモータ42の一例は、三相の永久磁石同期モータであるが、これに限定されない。第一のモータ41及び第二のモータ42は、同種のモータであればよい。例えば、第一のモータ41が誘導モータであれば、第二のモータ42も誘導モータである。また、図1では、2台のモータを有する構成を示しているが、3台以上のモータを有していてもよい。モータがn台(nは2以上の整数)の場合、基準となる1台のモータが第一のモータ41であり、残りの(n−1)台のモータが第二のモータ42となる。以下、基準となる第一のモータ41を「基準モータ」と呼ぶ場合がある。
平滑部3によって平滑された直流電力はインバータ4に供給された後、インバータ4によって任意の三相交流電力に変換される。変換された三相交流電力は、第一のモータ41と第二のモータ42とに供給される。
なお、図1は、インバータ4における各レグがスイッチング素子のみを有する構成であるが、この構成に限定されない。スイッチング素子のスイッチング動作によって生ずるサージ電圧を抑制する目的で、スイッチング素子の両端に還流ダイオードを逆並列に接続した構成としてもよい。また、スイッチング素子がMOSFETの場合、MOSFETの寄生ダイオードを還流ダイオードとして使用してもよい。更に、スイッチング素子がMOSFETの場合、還流のタイミングでMOSFETをオン状態とすることにより、スイッチング素子のみで還流の機能を実現することができる。また、スイッチング素子を構成する材料は、ケイ素(Si)だけでなく、ワイドバンドギャップ半導体である炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)、ダイヤモンドなどを用いてもよい。スイッチング素子をワイドバンドギャップ半導体系の材料で形成すれば、低損失化及び高速スイッチング化を図ることができる。
次に、インバータ4の制御に必要なセンサ類について説明する。図1において、電流検出部51は、第一のモータ41に流れる三相のモータ電流を検出する電流センサである。また、入力電圧検出部6は、直流母線であるP線とN線との間の電圧である直流母線電圧Vdcを検出する母線電圧センサである。
制御部10は、第一のモータ41の回転速度又は回転トルクを制御する。電流検出部51によって検出されたモータ電流iu_m,iv_m,iw_m、及び入力電圧検出部6によって検出された直流母線電圧Vdcに基づいてモータ制御演算を行い、インバータ4の各スイッチング素子への駆動信号を生成する。
制御部10は、公知のベクトル制御を実施する。ベクトル制御は、静止座標系における三相電流の検出値を、直交2軸回転座標系の電流であるd軸電流id及びq軸電流iqに分解して制御を行う制御手法である。
上記の説明のように、基準モータである第一のモータ41は、制御部10によってベクトル制御される。一方、基準モータではない第二のモータ42は、インバータ4から出力される共通の電圧によって駆動される。制御部10は、第二のモータ42を直接的には制御しない。
なお、電流検出部51の一例はカレントトランスであるが、これに限定されない。カレントトランスを用いずに、抵抗の両端電圧からモータ電流を検出する手法を採用してもよい。また、電流検出部51は、インバータ4の下アームのスイッチング素子と、3つの下アームのスイッチング素子の接続点との間に電流検出用の抵抗を設ける構成、或いは、3つの下アームのスイッチング素子の接続点と、コンデンサが接続される負側の直流母線であるN線との接続点との間に電流検出用の抵抗を設ける構成を採用してもよい。
また、図1では、インバータの数を一つとしているが、複数のインバータを備えていてもよい。複数のインバータのそれぞれは、直流母線であるP線とN線とを共通母線とし、共通母線であるP線とN線との間に接続される構成となる。そして、複数のインバータのそれぞれには、少なくとも2台のモータが接続される構成となる。
図2は、実施の形態1に係る負荷駆動装置の空気調和機への適用例を示す図である。図2において、空気調和機100の室外機70には、インバータ4と、負荷の例示である複数台のファン41a,42aと、ファン41a,42aを駆動するための第一のモータ41及び第二のモータ42とが搭載されている。空気調和機100において、2台のファン41a,42aを駆動する場合、1つのインバータ4で2台の第一のモータ41及び第二のモータ42を運転することで、インバータ4の数を削減できる。これにより、空気調和機100のコストを低減することができる。
なお、図2では、図1に示す負荷駆動装置を空気調和機100に適用した場合について説明したが、この例に限定されない。図1に示す負荷駆動装置を、ヒートポンプ給湯機、冷蔵庫、冷凍機といった冷凍サイクル機器に適用してもよい。
図3は、図1の制御部10に構築される制御器系の構成例を示すブロック図である。図4は、図3に示すPWM信号生成部20の動作の説明に供する図である。
制御部10は、座標変換部(図3では「uvw/dq」と表記)11と、モータ速度推定部13と、積分器15と、モータ制御部17と、座標変換部(図3では「dq/uvw」と表記)19と、PWM信号生成部20とを備える。
次に、制御部10を構成する各部の動作について説明する。まず、座標変換部11には、電流検出部51が検出した静止三相座標系の電流値であるモータ電流iu_m,iv_m,iw_mが入力される。座標変換部11は、後述するモータ位相推定値θm_eを用いて、モータ電流iu_m,iv_m,iw_mをモータdq軸電流id_m,iq_mに変換する。ここで、モータdq軸電流id_m,iq_mは、第一のモータ41における回転二相座標系の電流値である。座標変換部11によって変換されたモータdq軸電流id_m,iq_mは、モータ速度推定部13及びモータ制御部17に入力される。
モータ速度推定部13は、モータdq軸電流id_m,iq_mに基づいて、モータ速度推定値ωm_eを推定する。積分器15は、モータ速度推定値ωm_eを積分することでモータ位相推定値θm_eを算出する。算出されたモータ位相推定値θm_eは、電流値の座標変換、及び電圧指令値の座標変換のために座標変換部11,19に入力される。
なお、モータ速度推定値及びモータ位相推定値の算出手法については公知であり、ここでの詳細な説明は割愛する。各推定値の算出手法の詳細は、例えば特許第4672236号公報に記載されており、当該記載内容を参照されたい。当該記載内容は、本明細書に取り込まれて本明細書の一部を構成する。また、各推定値の算出手法は、当該公報の記載内容に限定されるものでもなく、モータ速度及びモータ位相の推定値が得られる手法であればどのような手法を用いてもよい。また、演算で使用する情報は、モータ速度及びモータ位相の推定値が得られるものであれば、どのようなものでもよく、ここで示した情報を省いてもよいし、当該情報以外の情報を用いてもよい。
モータ制御部17は、モータdq軸電流id_m,iq_m及びモータ速度推定値ωm_eに基づいて、dq軸電圧指令値v ,v を算出する。dq軸電圧指令値v ,v は、モータdq軸電流id_m,iq_mと、dq軸電流指令値id_m ,iq_m との偏差を比例積分制御することにより演算することができる。なお、同様の機能を実現できるものであれば、どのような手法を用いてもよい。
座標変換部19は、モータ位相推定値θm_eと、dq軸電圧指令値v ,v とに基づいて得られる電圧位相θに基づいて、第一のモータ41における回転二相座標系におけるdq軸電圧指令値v ,v を、静止三相座標系における電圧指令値v ,v ,v に変換する。電圧位相θは、電圧指令値の回転二相座標系における位相角である。図4の上段部には、モータ位相推定値θm_eと、位相制御による位相差θと、電圧位相θとの関係が示されている。図4の上段部に示されるように、電圧位相θと、モータ位相推定値θm_eと、位相差θとの間には、θ=θm_e−θの関係がある。
PWM信号生成部20は、電圧指令値v ,v ,v 及び直流母線電圧Vdcに基づいて、インバータ4のスイッチング素子をPWM制御するためのPWM信号を生成する。図4の下段部には、PWM信号の例が示されている。UPは、インバータ4のU相の上アームのスイッチング素子を制御するためのPWM信号であり、UNは、インバータ4のU相の下アームのスイッチング素子を制御するためのPWM信号である。以下同様に、VP,VNは、それぞれV相の上アームのスイッチング素子及びV相の下アームのスイッチング素子を制御するためのPWM信号であり、WP,WNは、それぞれW相の上アームのスイッチング素子及びW相の下アームのスイッチング素子を制御するためのPWM信号である。これらのPWM信号は、図4の中段部に示されるように、三相の電圧指令値v ,v ,v と、キャリアとの大小関係に基づいて生成することができる。
図5は、図3に示す制御系の機能を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。また、図6は、図3に示す制御系の機能を実現するハードウェア構成の他の例を示すブロック図である。
図3に示す制御系の機能を実現する場合には、図5に示すように、演算を行うプロセッサ300、プロセッサ300によって読みとられるプログラムが保存されるメモリ302、及び信号の入出力を行うインタフェース304を含む構成とすることができる。
プロセッサ300は、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)といった演算手段であってもよい。また、メモリ302には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリを例示することができる。
具体的に、メモリ302には、制御部10におけるモータ制御の機能を実行するプログラムが格納されている。プロセッサ300は、インタフェース304を介して必要な情報を授受し、メモリ302に格納されたプログラムをプロセッサ300が実行し、メモリ302に格納されたテーブルをプロセッサ300が参照することにより、下述するモータ制御を実行することができる。プロセッサ300による演算結果は、メモリ302に記憶することができる。
また、図5に示すプロセッサ300及びメモリ302は、図6のように処理回路305に置き換えてもよい。処理回路305は、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。処理回路305に入力する情報、及び処理回路305から出力する情報は、インタフェース304を介して行うことができる。
次に、実施の形態1に係る負荷駆動装置の要部の構成について、図7から図11の図面を参照して説明する。図7は、図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第一の図である。図8は、実施の形態1に係る負荷駆動装置の挙動の説明に供する図である。図9は、図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第二の図である。図10は、実施の形態1に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第一の図である。図11は、実施の形態1に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第二の図である。なお、図7から図10に示す動作波形は、第一のモータ41及び第二のモータ42を永久磁石同期モータとし、永久磁石同期モータを模擬したモータモデルを用いて行ったシミュレーション結果を示すものである。実施の形態2以降においても同様である。
図7の上段部において、波形K1は、第一のモータ41に与えるモータ速度指令である。波形K2は、モータ速度指令によって駆動される第一のモータ41の実速度である。波形K3は、インバータ4が出力する共通の電圧によって駆動される第二のモータ42の実速度である。また、図7の下段部において、波形K4は、第一のモータ41のU相に流れる電流(以下、「U相電流」と呼ぶ)であり、波形K5は、第二のモータ42のU相電流である。
空気調和機の室外機ファン用モータにおいて、現在広く使用されているモータの巻線抵抗値は、例えば数百[mΩ]程度である。巻線抵抗値は、モータ物理定数のうちの1つである。図7は、第一のモータ41及び第二のモータ42の巻線抵抗値を同じとした場合の各種の波形例である。図7において、第一のモータ41は、モータ速度指令に追従して動作しているが、第二のモータ42は、脈動現象が発生して動作が不安定となり、実速度及びU相電流が共に大きく変動している。そして、第二のモータ42は、時刻t1において、脱調により停止している。
図7に対し、図8は、第二のモータ42の巻線抵抗値を第一のモータ41の巻線抵抗値の2.5倍としたときの動作波形である。図8において、第一のモータ41及び第二のモータ42は、共に実速度及びU相電流には脈動がない。図7と比較しても、動作が安定していることが分かる。
また、図9は、第二のモータ42の巻線抵抗値を第一のモータ41の巻線抵抗値の0.4倍としたときの動作波形である。図9において、第一のモータ41は、モータ速度指令に追従して動作しているが、第二のモータ42は、脈動現象が発生している。また、速度及び電流の脈動がモータ起動後の加速中から発生しており、図7よりも不安定な動作となっていることが分かる。
図10には、第二のモータ42の巻線抵抗値R2と第一のモータ41の巻線抵抗値R1との比、言い替えると第一のモータ41の巻線抵抗値R1に対する第二のモータ42の巻線抵抗値R2の比に対する安定度のシミュレーション結果が示されている。以下、巻線抵抗値R2と巻線抵抗値R1との比である“R2/R1”の値を、適宜「R比」と呼ぶ。なお、このR比を「第一の比」と呼ぶ場合がある。図10によれば、R比が2.4以上あれば安定に動作することが分かる。
また、一般的に、モータの巻線抵抗値は、製造ばらつきにより±5%程度の誤差が発生する。このため、第二のモータ42の動作を安定化するためのR比は、製造ばらつきの誤差を考慮して定めることが好ましい。図11には、上側から順に、第二のモータ42の巻線抵抗値R2の中央値(R2_mid)、第二のモータ42の巻線抵抗値R2の下限値(R2_min)、第一のモータ41の巻線抵抗値R1の上限値(R1_max)、及び第一のモータ41の巻線抵抗値R1の中央値(R1_mid)が示されている。
図11において、巻線抵抗値R2の下限値R2_minは、中央値R2_midよりも5%小さい値、即ち中央値R2_midに0.95を乗じた値である。また、巻線抵抗値R1の上限値R1_maxは、中央値R1_midよりも5%大きい値、即ち中央値R1_midに1.05を乗じた値である。図10に示すように、R比が2.4以上あれば安定に動作する。このため、製造ばらつきの誤差を考慮した場合の好ましいR比の範囲は、2.7(≒2.4×(1.05/0.95))以上となる。即ち、第二のモータ42の巻線抵抗値R2を第一のモータ41の巻線抵抗値R1の2.7倍以上に設定すれば、製造ばらつきがあっても、第二のモータ42を安定的に駆動することが可能である。
なお、第二のモータ42の巻線抵抗値を大きくするには、巻線の線径を細くする、巻線の巻数を増やすなどの方法がある。また、インバータ4から第二のモータ42までの配線の配線長を長くする、又は配線の配線径を細くすることでも同様の効果が得られる。また、R比を大きくすることが実施の形態1の特徴であり、第一のモータ41側の抵抗値を小さくすることでも同様の効果が得られる。
以上説明したように、実施の形態1に係る負荷駆動装置では、ベクトル制御によって駆動される基準モータである第一のモータと、共通の電圧によって駆動される第二のモータとの間において、第一のモータの巻線抵抗値に対する第二のモータの巻線抵抗値の比である第一の比が2.4以上となるように設定される。これにより、ベクトル制御によって駆動されない第二のモータの動作が安定化する。これにより、複数台のモータを1つのインバータで駆動し、且つ位置センサレスで駆動する構成において、装置の大型化及び制御の複雑化を抑制しつつ、複数台のモータを安定的に駆動することが可能になる。
なお、上記第一の比は、2.7以上となるように設定されると更によい。第一の比を2.7以上に設定すれば、製造ばらつきの影響を排除することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、第二のモータ42の巻線抵抗値を基準モータである第一のモータ41の巻線抵抗値に対して異ならせた負荷駆動装置について説明した。実施の形態2では、第二のモータ42の誘起電圧定数値を基準モータである第一のモータ41の誘起電圧定数値に対して異ならせた負荷駆動装置について説明する。
図12は、実施の形態2に係る負荷駆動装置の挙動の説明に供する図である。図13は、図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第三の図である。図14は、実施の形態2に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第一の図である。図15は、実施の形態2に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第二の図である。
空気調和機の室外機ファン用モータにおいて、現在広く使用されているモータにおける誘起電圧定数値は、数百[mV/(rad/s)]程度である。誘起電圧定数値は、モータ物理定数のうちの1つである。第一のモータ41及び第二のモータ42の誘起電圧定数値が同じである場合、図7に示すような脈動現象が発生する。図7に対し、図12は、第二のモータ42の誘起電圧定数値を第一のモータ41の誘起電圧定数値の0.5倍としたときの動作波形である。図12において、第一のモータ41及び第二のモータ42の動作は、図7と比較して安定していることが分かる。第二のモータ42の実速度もモータ速度指令が変化するときに多少の脈動が見られるが、時間の経過と共に実速度も安定的に推移していることが分かる。
図13には、第二のモータ42の誘起電圧定数値を第一のモータ41の誘起電圧定数値の2.0倍にしたときの動作波形が示されている。図7と比較すると、第二のモータ42において、速度及び電流の脈動がモータ起動後の加速中から発生しており、図7よりも不安定な動作となっていることが分かる。
図14には、第二のモータ42の誘起電圧定数値Ke2と第一のモータ41の誘起電圧定数値Ke1との比、言い替えると第一のモータ41の誘起電圧定数値Ke1に対する第二のモータ42の誘起電圧定数値Ke2の比に対する安定度のシミュレーション結果が示されている。以下、誘起電圧定数値Ke2と誘起電圧定数値Ke1との比である“Ke2/Ke1”の値を、適宜「Ke比」と呼ぶ。なお、このKe比を「第二の比」と呼ぶ場合がある。図14によれば、Ke比が0.5以下あれば安定に動作することが分かる。
また、一般的に、モータの誘起電圧定数値は、製造ばらつきにより±5%程度の誤差が発生する。このため、第二のモータ42の動作を安定化するためのKe比は、製造ばらつきの誤差を考慮して定めることが好ましい。図15には、上側から順に、第一のモータ41の誘起電圧定数値Ke1の中央値(Ke1_mid)、第一のモータ41の誘起電圧定数値Ke1の下限値(Ke1_min)、第二のモータ42の誘起電圧定数値Ke2の上限値(Ke2_max)、及び第二のモータ42の誘起電圧定数値Ke2の中央値(Ke2_mid)が示されている。
図15において、誘起電圧定数値Ke1の下限値Ke1_minは、中央値Ke1_midよりも5%小さい値、即ち中央値Ke1_midに0.95を乗じた値である。また、誘起電圧定数値Ke2の上限値Ke2_maxは、中央値Ke2_midよりも5%大きい値、即ち中央値Ke2_midに1.05を乗じた値である。図14に示すように、Ke比が0.5以上あれば安定に動作する。このため、製造ばらつきの誤差を考慮した場合の好ましいKe比の範囲は、0.45(≒0.5×(0.95/1.05))以下となる。即ち、第二のモータ42の誘起電圧定数値Ke2を第一のモータ41の誘起電圧定数値Ke1の0.45倍以下に設定すれば、製造ばらつきがあっても、第二のモータ42を安定的に駆動することが可能である。
なお、第二のモータ42の誘起電圧定数値を小さくするには、固定子の磁石材の素材を変更する、固定子の磁石材の大きさを変更するなどの方法がある。また、Ke比を小さくすることが実施の形態2の特徴であり、第一のモータ41側の誘起電圧定数を大きくすることでも同様の効果が得られる。
以上説明したように、実施の形態2に係る負荷駆動装置では、ベクトル制御によって駆動される基準モータである第一のモータと、共通の電圧によって駆動される第二のモータとの間において、第一のモータの誘起電圧定数値に対する第二のモータの誘起電圧定数値の比である第二の比が0.5以下となるように設定される。これにより、ベクトル制御によって駆動されない第二のモータの動作が安定化する。これにより、複数台のモータを1つのインバータで駆動し、且つ位置センサレスで駆動する構成において、装置の大型化及び制御の複雑化を抑制しつつ、複数台のモータを安定的に駆動することが可能になる。
なお、上記第二の比は、0.45以下となるように設定されると更によい。第二の比を0.45以下に設定すれば、製造ばらつきの影響を排除することができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、第二のモータ42の誘起電圧定数値を基準モータである第一のモータ41の誘起電圧定数値に対して異ならせた負荷駆動装置について説明した。実施の形態3では、第二のモータ42のインダクタンス値を基準モータである第一のモータ41のインダクタンス値に対して異ならせた負荷駆動装置について説明する。
図16は、実施の形態3に係る負荷駆動装置の挙動の説明に供する図である。図17は、図1に示す構成の負荷駆動装置に発生し得る第二のモータの脈動現象の様子を示す第四の図である。図18は、実施の形態3に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第一の図である。図19は、実施の形態3に係る負荷駆動装置の動作を安定化するための動作パラメータの説明に供する第二の図である。
空気調和機の室外機ファン用モータにおいて、現在広く使用されているモータにおけるインダクタンス値は、数十[mH]程度である。インダクタンス値は、モータ物理定数のうちの1つである。第一のモータ41及び第二のモータ42のインダクタンス値が同じである場合、図7に示すような脈動現象が発生する。図7に対し、図16は、第二のモータ42のインダクタンス値を第一のモータ41のインダクタンス値の2.0倍としたときの動作波形である。図16において、第一のモータ41及び第二のモータ42の動作は、図7と比較して安定していることが分かる。第二のモータ42の実速度もモータ速度指令が変化するときに多少の脈動が見られるが、時間の経過と共に実速度も安定的に推移していることが分かる。
図17には、第二のモータ42のインダクタンス値を第一のモータ41のインダクタンス値の0.5倍にしたときの動作波形が示されている。図7と比較すると、第二のモータ42において、速度及び電流の脈動が図7よりも早く発生しており、図7よりも不安定な動作となっていることが分かる。
図18には、第二のモータ42のインダクタンス値L2と第一のモータ41のインダクタンス値L1との比、言い替えると第一のモータ41のインダクタンス値L1に対する第二のモータ42のインダクタンス値L2の比に対する安定度のシミュレーション結果が示されている。以下、インダクタンス値L2とインダクタンス値L1との比である“L2/L1”の値を、適宜「L比」と呼ぶ。なお、このL比を「第三の比」と呼ぶ場合がある。図18によれば、L比が2.0以上あれば安定に動作することが分かる。
また、一般的に、モータのインダクタンス値は、製造ばらつきにより±5%程度の誤差が発生する。このため、第二のモータ42の動作を安定化するためのL比は、製造ばらつきの誤差を考慮して定めることが好ましい。図19には、上側から順に、第二のモータ42のインダクタンス値L2の中央値(L2_mid)、第二のモータ42のインダクタンス値L2の下限値(L2_min)、第一のモータ41のインダクタンス値L1の上限値(L1_max)、及び第一のモータ41のインダクタンス値L1の中央値(L1_mid)が示されている。
図19において、インダクタンス値L2の下限値L2_minは、中央値L2_midよりも5%小さい値、即ち中央値L2_midに0.95を乗じた値である。また、インダクタンス値L1の上限値L1_maxは、中央値L1_midよりも5%大きい値、即ち中央値L1_midに1.05を乗じた値である。図18に示すように、L比が2.0以上あれば安定に動作する。このため、製造ばらつきの誤差を考慮した場合の好ましいL比の範囲は、2.2(≒2.0×(1.05/0.95))以下となる。即ち、第二のモータ42のインダクタンス値L2を第一のモータ41のインダクタンス値L1の2.2倍以上に設定すれば、製造ばらつきがあっても、第二のモータ42を安定的に駆動することが可能である。
なお、第二のモータ42のインダクタンス値を大きくするには、固定子又は回転子の形状を変更する、モータ巻線の巻数を増やすなどの方法がある。また、L比を大きくすることが実施の形態3の特徴であり、第一のモータ41側のインダクタンス値を小さくすることでも同様の効果が得られる。
以上説明したように、実施の形態3に係る負荷駆動装置では、ベクトル制御によって駆動される基準モータである第一のモータと、共通の電圧によって駆動される第二のモータとの間において、第一のモータのインダクタンス値に対する第二のモータのインダクタンス値の比である第三の比が2.0以上となるように設定される。これにより、ベクトル制御によって駆動されない第二のモータの動作が安定化する。これにより、複数台のモータを1つのインバータで駆動し、且つ位置センサレスで駆動する構成において、装置の大型化及び制御の複雑化を抑制しつつ、複数台のモータを安定的に駆動することが可能になる。
なお、上記第三の比は、2.2以上となるように設定されると更によい。第三の比を2.2以上に設定すれば、製造ばらつきの影響を排除することができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態1から実施の形態3で説明した負荷駆動装置を、図12に示すような空気調和機の室外機ファン用のモータに適用した場合について説明する。図20は、実施の形態4に係る負荷駆動装置の構成例を示す図である。
まず、空気調和機においては、省エネ性向上のために、インバータ及びモータの高効率化が望まれている。ここで、モータの高効率化のためには、巻線抵抗値を小さくし、誘起電圧定数を大きくすることが好ましい実施例になる。また、ビルや住宅の断熱性能向上に伴い、室内温度が安定した場合には、室外機ファンの風量を小さくし、熱交換量を抑えた省エネ運転モードを行うことが好ましい実施例になる。このため、これらの特性及び機能を有する空気調和機の使用が広まっている。
そこで、実施の形態4に係る負荷駆動装置では、図20に示すように、分岐点8と第二のモータ42との間にリレー回路44を設けた構成とする。リレー回路44は、インバータ4と第二のモータ42との間の電気的接続を開閉する開閉器である。リレー回路44をオフにしても、インバータ4と第一のモータ41との間の電気的接続は、維持される。なお、図20において、リレー回路44以外の構成は、図1に示す実施の形態1に係る負荷駆動装置と同じであり、同一の構成部には同一の符号を付して重複する説明は割愛する。
実施の形態4に係る負荷駆動装置では、リレー回路44をオフとすることで第一のモータ41のみを駆動することができる。第一のモータ41には、モータ効率を重視した低抵抗及び高誘起電圧定数のモータを用いる。また、第二のモータ42には、並列駆動時の安定性を重視した高抵抗、低誘起電圧定数又は高インダクタンスのモータを用いる。
実施の形態4によれば、ファンの風量を抑えた省エネ運転モードの際には高効率な第一のモータ41のみを駆動する。そして、大風量が必要な場合には、リレー回路44をオンすることでファン2台を並列運転する。これにより、省エネ性と高出力性を備えた空気調和機を低コストで実現することができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、負荷駆動装置の運転方法について説明する。実施の形態5の手法は、負荷駆動装置の運転前に、第二のモータ42への通電によって、第二のモータ42のモータ物理定数値を第一のモータ41のモータ物理定数値に対して異ならせる手法である。
第一のモータ41及び第二のモータ42における永久磁石の素材として、希土類磁石の一例であるネオジムが用いられる場合がある。ネオジムは、高温になるほど磁力が低下する素材である。ネオジムを用いた場合、モータの温度が上がれば上がるほど、巻線抵抗値は増加し、誘起電圧定数は減少する。つまり、実施の形態1から実施の形態4に当てはめて考えると、モータの温度が高くなるほどモータ並列駆動時の安定性が高くなることを意味する。そこで、実施の形態5では、モータを並列駆動させる前に、第二のモータ42に対して直流通電又は高周波通電を行って第二のモータ42の温度を上昇させる制御を行う。直流通電は、モータに直流電流を流すことで生じるモータの銅損によってモータの温度を高める手法である。高周波通電は、モータに高周波の電流を流すことで生じるモータの鉄損によってモータの温度を高める手法である。
直流通電及び高周波通電は、例えば特許第4931970号公報、又は特許第5937619号公報に開示されているように公知であり、ここでの更なる詳細な説明は割愛する。なお、当該公報の内容は、本明細書に取り込まれ、本明細書の一部を成すものとする。
図21は、実施の形態5に係る負荷駆動装置の構成例を示す図である。実施の形態5に係る負荷駆動装置では、図21に示すように、分岐点8と第一のモータ41との間にリレー回路46を設けた構成とする。リレー回路46は、インバータ4と第一のモータ41との間の電気的接続を開閉する開閉器である。リレー回路46をオフにしても、インバータ4と第二のモータ42との間の電気的接続は、維持される。なお、図21において、リレー回路46以外の構成は、図20に示す実施の形態1に係る負荷駆動装置と同じであり、同一の構成部には同一の符号を付して重複する説明は割愛する。また、実施の形態5に係る負荷駆動装置の場合、リレー回路44は省略可能である。
図22は、実施の形態5に係る負荷駆動装置の運転方法の説明に供するフローチャートである。図22のフローは、制御部10の制御下で実施される。また、図22のフローは、負荷駆動装置の起動時に呼び出されて実施される場合もあれば、負荷駆動装置の動作中に呼び出されて実施される場合もある。
制御部10は、リレー回路46をオフにする(ステップS11)。これにより、インバータ4と第一のモータ41との間の電気的接続は、開放される。次に、制御部10は、インバータ4を動作させて、第二のモータ42を通電させる(ステップS12)。制御部10は、設定時間の経過の有無を判定する(ステップS13)。設定時間が経過していなければ(ステップS13,No)、ステップS12の処理を繰り返す。設定時間が経過していれば(ステップS13,Yes)、ステップS14に移行する。制御部10は、リレー回路46をオンにする(ステップS14)。これにより、第一のモータ41は、インバータ4と電気的に接続される。そして、制御部10は、インバータ4を動作させて、第一のモータ41及び第二のモータ42を駆動する(ステップS15)。以降は、呼び出された処理に戻る。
図22のフローを呼び出して実施することにより、第二のモータ42のみが加熱され、第一のモータ41に対して、第二のモータ42の温度が上昇する。これにより、第二のモータ42のモータ物理定数値を第一のモータ41のモータ物理定数値に対して異ならせることができる。これにより、ベクトル制御されない第二のモータ42を安定的に駆動することができる。
なお、上記では、永久磁石同期モータの素材として、ネオジムなどの希土類磁石が用いられる場合について説明したが、これに限定されない。希土類磁石を用いなくても、巻線抵抗値は温度の上昇と共に増加する。このため、永久磁石同期モータではないモータに対しても、実施の形態5に係る手法は適用可能である。
また、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 交流電源、2 整流器、3 平滑部、4 インバータ、4a スイッチング素子、6 入力電圧検出部、7 電力線、8 分岐点、10 制御部、11,19 座標変換部、13 モータ速度推定部、15 積分器、17 モータ制御部、20 PWM信号生成部、41 第一のモータ、42 第二のモータ、41a,42a ファン、44,46 リレー回路、51 電流検出部、70 室外機、100 空気調和機、300 プロセッサ、302 メモリ、304 インタフェース、305 処理回路。

Claims (9)

  1. 複数の負荷のそれぞれを駆動するモータと、
    複数台の前記モータに共通の電圧を印加する1つのインバータと、
    複数台の前記モータのうちの1台の基準モータである第一のモータをベクトル制御する制御部と、
    を備え、
    前記第一のモータ以外のモータである第二のモータは前記共通の電圧によって駆動され、
    前記第一のモータの巻線抵抗値に対する前記第二のモータの巻線抵抗値の比である第一の比は2.4以上である
    負荷駆動装置。
  2. 前記第一の比は2.7以上である
    請求項1に記載の負荷駆動装置。
  3. 複数の負荷のそれぞれを駆動するモータと、
    複数台の前記モータに共通の電圧を印加する1つのインバータと、
    複数台の前記モータのうちの1台の基準モータである第一のモータをベクトル制御する制御部と、
    を備え、
    前記第一のモータ以外のモータである第二のモータは前記共通の電圧によって駆動され、
    前記第一のモータの誘起電圧定数値に対する前記第二のモータの誘起電圧定数値の比である第二の比は0.5以下である
    負荷駆動装置。
  4. 前記第二の比は0.45以下である
    請求項3に記載の負荷駆動装置。
  5. 複数の負荷のそれぞれを駆動するモータと、
    複数台の前記モータに共通の電圧を印加する1つのインバータと、
    複数台の前記モータのうちの1台の基準モータである第一のモータをベクトル制御する制御部と、
    を備え、
    前記第一のモータ以外のモータである第二のモータは前記共通の電圧によって駆動され、
    前記第一のモータのインダクタンス値に対する前記第二のモータのインダクタンス値の比である第三の比は2.0以上である
    負荷駆動装置。
  6. 前記第三の比は2.2以上である
    請求項5に記載の負荷駆動装置。
  7. 前記インバータと前記第二のモータとの間の電気的接続を開閉する開閉器を更に備えた
    請求項1から6の何れか1項に記載の負荷駆動装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の負荷駆動装置を備えた空気調和機。
  9. 複数の負荷のそれぞれを駆動するモータと、複数台の前記モータに共通の電圧を印加する1つのインバータと、複数台の前記モータのうちの1台の基準モータである第一のモータをベクトル制御する制御部と、備え、前記第一のモータ以外のモータである第二のモータは前記共通の電圧によって駆動される負荷駆動装置の運転方法であって、
    前記第二のモータを通電させて前記第二のモータのモータ物理定数値を前記第一のモータのモータ物理定数値に対して異ならせる第一ステップと、
    前記第一ステップの後に前記第一及び第二のモータを駆動する第二ステップと、
    を含む負荷駆動装置の運転方法。
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