JP2016163476A - モータ駆動装置、及びこれを備える機器、並びにモータ駆動方法 - Google Patents

モータ駆動装置、及びこれを備える機器、並びにモータ駆動方法 Download PDF

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保夫 能登原
東昇 李
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東昇 李
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渉 初瀬
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Abstract

【課題】モータを高効率で駆動可能なモータ駆動装置等を提供する。【解決手段】モータ駆動装置1は、複数の巻線が直列接続されてなる固定子巻線4を各相それぞれに備えるモータMの前記複数の巻線に交流電圧を印加する第1インバータ11と、前記複数の巻線の一部に交流電圧を印加する第2インバータ12と、第1インバータ11及び第2インバータ12を制御する制御手段13と、を備え、制御手段13は、第1インバータ11によってモータMの弱め界磁電流を制御し、第2インバータ12によってモータMのトルク電流を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、モータを駆動するモータ駆動装置等に関する。
同期モータは、誘導モータに比べて高効率であるため、家電製品、電動車両、鉄道車両等のさまざまな機器に用いられている。このような同期モータの高効率化を図る技術として、例えば、以下に示すものが知られている。
すなわち、特許文献1には、各相において直列接続された二つの巻線を備えるモータに関して、前記した二つの巻線に交流電圧を印加する第1のインバータ回路と、一つの巻線に交流電圧を印加する第2のインバータ回路と、を備えるモータ駆動装置について記載されている。
特開2013−121222号公報
ところで、モータを高速駆動する際、永久磁石(回転子)とは逆向きの磁束を発生させるための界磁電流を固定子巻線に流す「弱め界磁制御」が行われることが多い。特許文献1に記載の技術では、弱め界磁制御でモータを高速駆動する際、第2のインバータ回路によって、前記した二つの巻線のうち一方のみに電流を流す構成になっている。そうすると、二つの巻線に電流を流す場合と比較して巻線に流れる電流が大きくなり、損失の増加を招くという問題がある。
そこで、本発明は、モータを高効率で駆動可能なモータ駆動装置等を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るモータ駆動装置は、複数の巻線が直列接続されてなる固定子巻線を各相それぞれに備えるモータの前記複数の巻線に交流電圧を印加する第1インバータと、前記複数の巻線の一部に交流電圧を印加する第2インバータと、前記第1インバータ及び前記第2インバータを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1インバータによって前記モータの弱め界磁電流を制御し、前記第2インバータによって前記モータのトルク電流を制御することを特徴とする。
本発明によれば、モータを高効率で駆動可能なモータ駆動装置等を提供できる。
本発明の第1実施形態に係るモータ駆動装置を備える空気調和機の構成図である。 モータ駆動装置を含む構成図である。 各インバータと、モータの固定子巻線と、の接続関係を示す説明図である。 モータの固定子巻線が備える第1巻線及び第2巻線の説明図である。 モータの固定子の模式的な断面図である。 モータ駆動装置が備える制御手段の機能ブロック図である。 制御手段が実行する処理を示すフローチャートである。 モータの印加電圧、d軸電流、及びq軸電流と、モータの回転速度指令値と、の関係を示す説明図である。 空気調和機の運転状態と、圧縮機に設置されたモータの回転速度及びトルクと、の関係を示す説明図である。 モータの回転速度指令値と、効率と、の関係を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るモータ駆動装置を含む構成図である。 本発明の第3実施形態に係るモータ駆動装置を含む構成図である。 本発明の第4実施形態に係るモータ駆動装置を含む構成図である。 本発明の変形例に係るモータ駆動装置を備える電動車両の構成図である。 電動車両の運転状態と、変速機に設置されたモータの回転速度及びトルクと、の関係を示す説明図である。
≪第1実施形態≫
以下では、まず、モータM(図1参照)が設置された圧縮機21を備える空気調和機Sについて簡単に説明した後、モータMを駆動するモータ駆動装置1(図2参照)について詳細に説明する。
<空気調和機の構成>
図1は、第1実施形態に係るモータ駆動装置1を備える空気調和機Sの構成図である。なお、図1に示す矢印は、冷房運転時に冷媒が流れる向きを示している。空気調和機Sは、周知のヒートポンプサイクルで冷媒を循環させることによって、室内の空調を行う装置である。
空気調和機Sは、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、膨張弁24と、室内熱交換器25と、室外ファン26と、室内ファン27と、モータMと、モータ駆動装置1(図2参照)と、を備えている。図1に示すように、圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、及び室内熱交換器25が、環状に順次接続されている。
圧縮機21は、冷媒を圧縮する装置であり、モータMの回転子(図示せず)に連結されている。なお、図1に示す各構成については周知であるため、詳細な説明を省略する。
<モータ駆動装置の構成>
図2は、モータ駆動装置1を含む構成図である。
モータ駆動装置1は、モータMを駆動することによって、このモータMの回転子に連結された圧縮機21を駆動する装置である。図2に示すように、モータ駆動装置1は、第1インバータ11と、第2インバータ12と、制御手段13と、を備えている。
第1インバータ11は、直流電源3から入力される直流電力を3相交流電力に変換し、この3相交流電力をモータMに出力する電力変換器である(第2インバータ12も同様)。なお、直流電源3は、交流電源31から入力される交流電力が、整流回路32及び平滑コンデンサ33によって直流電力に変換されたものである。
図3は、各インバータ11,12と、モータMの固定子巻線4と、の接続関係を示す説明図である。図3に示すように、第1インバータ11は、スイッチング素子Pu,Nuを備える第1レグと、スイッチング素子Pv,Nvを備える第2レグと、スイッチング素子Pw,Nwを備える第3レグと、が互いに並列接続された構成になっている。各スイッチング素子には、還流ダイオードDが逆並列に接続されている。
第1インバータ11が備える下アームのスイッチング素子Nu,Nv,Nwの共通接続点と、直流電源3の負極と、の間(つまり、第1インバータ11の直流側の母線F1)には、シャント抵抗R1が設置されている。シャント抵抗R1の電流検出値Istは、後記する制御手段13に出力される。
第2インバータ12は、第1インバータ11と同様の構成を備えている。そして、第2インバータ12にも、直流電源3から直流電力が供給されるようになっている。第2インバータ12の直流側の母線F2には、シャント抵抗R2が設置されている。シャント抵抗R2の電流検出値Istは、後記する制御手段13に出力される。
ここで、モータ駆動装置1の駆動対象であるモータMについて簡単に説明する。
モータMは、例えば、永久磁石同期モータであり、回転磁界を発生させる固定子Ma(図5参照)と、前記した回転磁界との磁気的な吸引力・反発力で回転する回転子(図示せず)と、を備えている。
モータMの固定子巻線4は、U相、V相、W相の各巻線がY結線(星形結線)された構成になっている。固定子巻線4は、U相の第1巻線U1・第2巻線U2と、V相の第1巻線V1・第2巻線V2と、W相の第1巻線W1・第2巻線W2と、を備えている。
第1巻線U1の一端は、第1インバータ11のU相に対応するスイッチング素子Pu,Nuの間の接続点guに接続されている。第1巻線U1の他端は、接続点huを介して第2巻線U2の一端に直列接続されている。また、この接続点huは、第2インバータ12のU相に対応するスイッチング素子Pu,Nuの間の接続点iuにも接続されている。第2巻線U2の他端は、他の第2巻線V2,W2とY結線されている。
以下では、第1巻線U1,V1,W1をまとめて「第1巻線41」と記し、また、第2巻線U2,V2,W2をまとめて「第2巻線42」と記す。
図3に示すように、第1インバータ11が駆動した場合には、各相の第1巻線41及び第2巻線42に交流電圧が印加される(例えば、U相では、第1巻線U1及び第2巻線U2に交流電圧が印加される)。
また、第2インバータ12が駆動した場合には、各相の第2巻線42に交流電圧が印加される(例えば、U相では、第2巻線U2に交流電圧が印加される)。
図4は、モータMの固定子巻線4が備える第1巻線41及び第2巻線42の説明図である。第1巻線U1は、巻線U11と、巻線U12と、を備えている。巻線U11,U12は、直列接続されている。第2巻線U2は、巻線U21と、巻線U22と、を備えている。巻線U21,U22は、並列接続されている。なお、V相、W相についても同様である。
このような接続関係にする理由は、弱め界磁制御を行う際のモータMの出力範囲(回転速度の上限)を十分に確保するためである。なお、「弱め界磁制御」とは、モータMの回転速度を上昇させる過程で、永久磁石(回転子)による誘起電圧がモータMの印加電圧に達した場合、永久磁石の磁束とは逆向きの磁束を発生させるように弱め界磁電流(負のd軸電流)を流す制御方法である。
前記した永久磁石の磁束方向を示すd軸と、このd軸と直交するq軸と、に基づく回転座標系では、以下の(式1)に示す電圧方程式が成り立つ。なお、Vqはq軸印加電圧、Rは巻線抵抗、Iqはq軸電流、ωは電気角回転速度、Ldはd軸インダクタンス、Idはd軸電流、Keは誘起電圧定数である。
Vq=R・Iq+ω・Ld・Id+Ke・ω ・・・(式1)
d軸電流が最大になるための条件は、q軸印加電圧Vd及びq軸電流Iqがゼロになるときであるから、この条件を(式1)に代入すると、以下に示す(式2)が導出される。
Id=−Ke/Ld ・・・(式2)
このd軸電流Idの絶対値が大きいほど、モータMの回転速度の上限を高くすることができる。言い換えると、d軸インダクタンスLdに対する誘起電圧定数Keの比(絶対値)が大きいほど、モータMを高速域で駆動できる。
例えば、図4に示すU相の各巻線U11,U12,U21,U22のd軸インダクタンスをLとすると、第1巻線U1及び第2巻線U2のインダクタンスは5L/2であり、誘起電圧定数は3Keである(各巻線の誘起電圧定数をKeとする)。したがって、d軸インダクタンスに対する誘起電圧定数の比は、6Ke/5Lである。
一方、第2巻線U2のみのd軸インダクタンスはL/2であり、誘起電圧定数はKeである。したがって、d軸インダクタンスに対する誘起電圧定数の比は、2Ke/L(>6Ke/5L)である。
つまり、第1インバータ11を駆動して第1巻線41及び第2巻線42の両方に電流を流すよりも、第2インバータ12を駆動して第2巻線42に電流を流すほうが、モータMを高速域で駆動できる。
なお、各インバータ11,12のうち、駆動するインバータを決定する処理については後記する。
図5は、モータMの固定子Maの模式的な断面図である。
なお、図5では、回転子の図示を省略している。モータMの固定子Maは、周方向において等間隔に配置されたティースH1〜H6を備えている。図5に示す例では、各ティースH1〜H6に関して、時計回りに順次符号を付している。
ティースH1には巻線U11,U21が巻回され、ティースH2には巻線V11,V21が巻回され、ティースH3には巻線W12,W22が巻回されている。また、ティースH4には巻線U12,U22が巻回され、ティースH5には巻線V12,V22が巻回され、ティースH6には巻線W11,W21が巻回されている。
そして、第1インバータ11(図3参照)によって、各相の第1巻線41及び第2巻線42を介して3相交流電圧が印加された場合でも、また、第2インバータ12(図3参照)によって、第2巻線42に3相交流電圧が印加された場合でも、いずれにおいても回転磁界が発生するようになっている。
なお、図5に示す例では、例えば、巻線U11と巻線U21とが、断面視において別々の層をなすように巻回されているが、断面視において各巻線が重なるように巻回してもよい。
図3に示す制御手段13は、例えばマイコンであり、図示はしないが、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が各種処理を実行するようになっている。
制御手段13は、モータMの回転速度の指令値である回転速度指令値ωr*の大きさに基づいて、モータMに関する駆動モード(後記する低速モード、通常高速モード、弱め界磁高速モードのいずれか)を設定する機能を有している。
また、制御手段13は、設定した駆動モードに基づいて、第1インバータ11及び第2インバータ12のうち、一方又は両方を駆動する機能を有している。
第1インバータ11を駆動する場合、制御手段13は、シャント抵抗R1の電流検出値Istと、所定の周波数指令値ωr*と、に基づいてPWM信号(Pulse Width Modulation)を生成し、生成したPWM信号を第1インバータ11に出力する。
第2インバータ12を駆動する場合、制御手段13は、シャント抵抗R2の電流検出値Istと、所定の周波数指令値ωr*と、基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号を第2インバータ12に出力する。
なお、前記した周波数指令値ωr*は、設定温度や室温等に基づき、上位の制御装置(図示せず)によって算出される。
図6は、モータ駆動装置1が備える制御手段13の機能ブロック図である。
制御手段13は、主に、電流再現部131a,131bと、3相/2軸変換部132a,132bと、駆動モード設定部133と、切替部K1〜K6と、d軸電流指令値生成部134と、速度制御部135と、電流指令値演算部136と、電圧指令値演算部137a,137bと、2軸/3相変換部138a,138bと、を備えている。
電流再現部131aは、シャント抵抗R1(図3参照)から入力される電流検出値Istと、第1インバータ11の各スイッチング素子のオン/オフ信号と、に基づいて、各相の巻線に流れる3相電流Iu,Iv,Iwを再現する。電流再現部131aによって再現された3相電流Iu,Iv,Iwは、3相/2軸変換部132aに出力される。
3相/2軸変換部132aは、電流再現部131aによって再現された3相電流Iu,Iv,Iwを、回転座標系のd軸電流Id(正の場合には界磁電流、負の場合には弱め界磁電流)及びq軸電流Iq(トルク電流)に変換する。前記したd軸電流Idは切替部K1に出力され、q軸電流Iqは切替部K2に出力される。
電流再現部131bは、シャント抵抗R2(図3参照)から入力される電流検出値Istと、第2インバータ12の各スイッチング素子のオン/オフ信号と、に基づいて、各相の巻線に流れる3相電流Iu,Iv,Iwを再現する。3相/2軸変換部132bは、電流再現部131bによって再現された3相電流Iu,Iv,Iwを、回転座標系のd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する。
駆動モード設定部133は、モータMの電気角に関する周波数指令値ωr*に基づいて駆動モードを設定し、設定した駆動モードに関する情報を切替部K1〜K6に出力する。前記した駆動モードには、「低速モード」と、「通常高速モード」と、「弱め界磁高速モード」と、が含まれる。
ここで「低速モード」とは、第1インバータ11(図3参照)を用いて、モータMを比較的低速で駆動するモードである。「通常高速モード」とは、第2インバータ12(図3参照)を用いて、モータMを比較的高速で駆動するモードである。「弱め界磁高速モード」とは、第1インバータ11及び第2インバータ12を用いて弱め界磁制御を行うことで、「通常高速モード」よりもさらに高速でモータMを駆動するモードである。
切替部K1は、駆動モード設定部133によって設定された駆動モードに応じて、3相/2軸変換部132a,132bのうち一方を選択し、選択した3相/2軸変換部の算出結果(d軸電流Id)を減算器J1に出力する。なお、切替部K1の接点に付した符号‘A’は「低速モード」に対応し、‘B1’は「通常高速モード」に対応し、‘B2’は「弱め界磁高速モード」に対応している。
切替部K2は、駆動モード設定部133によって設定された駆動モードに応じて、3相/2軸変換部132a,132bのうち一方を選択し、選択した3相/2軸変換部の算出結果(q軸電流Iq)を減算器J2に出力する。なお、切替部K2の接点に付した符号‘B’は「通常高速モード」又は「弱め界磁高速モード」に対応している。
d軸電流指令値生成部134は、例えば、モータMの平均トルクに基づいて、そのリラクタンストルクが最大となるようなd軸電流指令値Id*を生成する。d軸電流指令値生成部134によって生成されたd軸電流指令値Id*は、減算器J1に出力される。
減算器J1は、d軸電流指令値Id*からd軸電流検出値Idを減算することで、d軸電流偏差ΔIdを算出する。減算器J1によって算出されたd軸電流偏差ΔIdは、電流指令値演算部136に出力される。
速度制御部135(q軸電流指令値生成部)は、前記した周波数指令値ωr*を用いて、例えば、比例積分制御に基づき、モータMの回転速度を制御するためのq軸電流指令値Iq*を生成する。速度制御部135によって生成されたq軸電流指令値Iq*は、減算器J2に出力される。
減算器J2は、q軸電流指令値Iq*からq軸電流検出値Iqを減算することで、q軸電流偏差ΔIqを算出する。減算器J2によって算出されたq軸電流偏差ΔIqは、電流指令値演算部136に出力される。
電流指令値演算部136は、PI制御に基づき、d軸電流検出値Idがd軸電流指令値Id*に近づくように(d軸電流偏差ΔIdをゼロにするように)、第2のd軸電流指令値Id**を算出する。
また、電流指令値演算部136は、PI制御に基づき、q軸電流検出値Iqがq軸電流指令値Iq*に近づくように(q軸電流偏差ΔIqをゼロにするように)、第2のq軸電流指令値Iq**を算出する。
切替部K3〜K6は、駆動モード設定部133によって「低速モード」が設定された場合、第1インバータ11(図3参照)に対応する電圧指令値演算部137aに、接点Aを介して、第2のd軸電流指令値Id**及び第2のq軸電流指令値Iq**が出力されるようにする。前記したように、「低速モード」を行う際、第2インバータ12は駆動されない。
また、切替部K3〜K6は、駆動モード設定部133によって「通常高速モード」が設定された場合、接点B1(切替部K4,K6に関しては、接点B)を介して、第2インバータ12に対応する電圧指令値演算部137bに、第2のd軸電流指令値Id**及び第2のq軸電流指令値Iq**が出力されるようにする。前記したように、「通常高速モード」を行う際、第1インバータ11は駆動されない。
また、切替部K3〜K6は、駆動モード設定部133によって「弱め界磁高速モード」が設定された場合、接点B2を介して電圧指令値演算部137aに第2のd軸電流指令値Id**が出力され、接点Bを介して電圧指令値演算部137bに第2のq軸電流指令値Iq**が出力されるようにする。
つまり、制御手段13は、「弱め界磁高速モード」の実行中、第1インバータ11によってd軸電流(弱め界磁電流)を制御し、第2インバータ12によってq軸電流(トルク電流)を制御するように構成されている。
以下の表1に、各駆動モードにおいてd軸電流・q軸電流の検出に用いられるシャント抵抗と、各駆動モードにおいて駆動されるインバータと、第2のd軸電流指令値Id**及び第2のq軸電流指令値Iq**と、の対応関係を示す。
Figure 2016163476
電圧指令値演算部137aは、切替部K3を介して入力される第2のd軸電流指令値Id**と、切替部K4を介して入力される第2のq軸電流指令値Iq**と、に基づいて、第1インバータ11を駆動するためのd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を算出する。電圧指令値演算部137aによって算出されたd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*は、2軸/3相変換部138aに出力される。
2軸/3相変換部138aは、電圧指令値演算部137aから入力されるd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*に基づいて、固定座標系における3相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を算出する。2軸/3相変換部138aによって算出された3相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*は、PWM信号発生器(図示せず)によってPWM信号に変換され、このPWM信号が第1インバータ11(図3参照)の各スイッチング素子に出力される。
なお、第2インバータ12(図3参照)に対応する電圧指令値演算部137b及び2軸/3相変換部138bについては、前記したものと同様であるから説明を省略する。
その他、図6では省略したが、制御手段13は、所定のモータ電圧モデル式に基づいて、制御軸(推定されたd軸、q軸)とモータMの実軸(実際のd軸、q軸)との軸誤差Δθを推定する軸誤差推定部(図示せず)や、この軸誤差Δθ等に基づいて回転子の回転角や回転速度を算出するPLL回路(Phase Locked Loop:図示せず)を備えている。前記した回転角等は、3相/2軸変換部132a,132bや2軸/3相変換部138a,138bにおいて用いられる。
<制御手段の動作>
図7は、制御手段13が実行する処理を示すフローチャートである。
ステップS101において制御手段13は、モータMの回転速度指令値N*(図6に示す周波数指令値ωr*に対応)が、所定閾値N1(第1閾値)未満であるか否かを判定する。この所定閾値N1は、低速モードを行うか、又は、通常高速モードを実行するかを判定するための閾値であり、予め設定されている。モータMの回転速度指令値N*が所定閾値N1未満である場合(S101:Yes)、制御手段13の処理はステップS102に進む。
ステップS102において制御手段13は、「低速モード」を実行する。すなわち、制御手段13は、図6に示す切替部K1〜K6を接点Aに切り替えて、第1インバータ11を駆動する。第1インバータ11の各スイッチング素子がオン/オフされることで、各相の第1巻線41及び第2巻線42を介して電流が流れ、回転磁界が発生する。第1巻線41及び第2巻線42の両方に通電するため、各巻線に流れる電流が比較的小さい値になり、モータMの銅損や第1インバータ11での損失を低減できる。
図8は、モータMの印加電圧、d軸電流、及びq軸電流と、モータMの回転速度指令値と、の関係を示す説明図である。なお、図8に示す説明図の横軸は、モータMの回転速度指令値N*であり、前記した周波数指令値ωr*に対応している。また、縦軸は、モータMへの印加電圧と、d軸電流(指令値)と、q軸電流(指令値)と、を示している。
前記したように、回転速度指令値N*が所定閾値N1未満の領域では「低速モード」が実行され(S101:Yes、S102)、制御手段13によって第1インバータ11が駆動される。図8に示す例において、回転速度指令値N*が所定閾値N1未満の領域では、軸電流が所定値q1になっており、また、d軸電流がゼロ(N*<NAの領域)になっている。
なお、モータMの印加電圧が飽和した場合(図7では、N*≧NAの領域)、制御手段13は、第1インバータ11の駆動しつつd軸電流の指令値を負の値にして、弱め界磁制御を行う(図7のフローチャートでは省略)。
図7のステップS101において回転速度指令値Nが所定閾値N1以上である場合(S101:No)、制御手段13の処理はステップS103に進む。
ステップS103において制御手段13は、モータMの回転速度指令値N*が所定閾値N2(第2閾値)未満であるか否かを判定する。この所定閾値N2(>N1)は、通常高速モードを行うか、又は、弱め界磁高速モードを実行するかを判定するための閾値であり、予め設定されている。モータMの回転速度指令値N*が所定閾値N2未満である場合(S103:Yes)、制御手段13の処理はステップS104に進む。
ステップS104において制御手段13は、通常高速モードを実行する。すなわち、制御手段13は、図6に示す切替部K1,K3,K5を接点B1に切り替え、切替部K2,K4,K6を接点Bに切り替えて、第2インバータ12を駆動する。また、所定のトルクを維持するために、制御手段13は、q軸電流を所定値q1(図8参照)から所定値q2に上昇させる。
第2インバータ12の各スイッチン素子がオン/オフされることで、各相の第2巻線42を介して電流が流れ、回転磁界が発生する。このように各相の第2巻線42のみに電流を流すことで、第1巻線41及び第2巻線42の両方に電流を流す場合と比較して、誘起電圧が抑制され、回転速度に関するモータMの駆動範囲を十分に確保できる。
図7のステップS103においてモータMの回転速度指令値N*が所定閾値N2以上である場合(S103:No)、制御手段13の処理はステップS105に進む。
ステップS105において制御手段13は、弱め界磁高速モードを実行する。すなわち、制御手段13は、切替部K1,K3,K5を接点B2に切り替え、切替部K2,K4,K6を接点Bで維持する。そして、制御手段13は、第1インバータ11によってd軸電流(永久磁石の磁束を打ち消すための弱め界磁電流)を制御し、第2インバータ12によってq軸電流(トルク電流)を制御する。
このように第1インバータ11によってd軸電流を制御すると、第1巻線41及び第2巻線42を介してd軸電流が流れる。このように第1巻線41及び第2巻線42に通電すると、第2巻線42のみに通電する場合(図8に示す比較例)と比べて、巻線抵抗Rは2倍になるが、d軸電流Idは半分になる(図8の下向き矢印を参照)。したがって、第2インバータ12によってd軸電流及びq軸電流の両方を制御する(第2巻線42のみに通電する)場合と比較して、d軸電流に関する損失(Id・R2)を略半分にすることができる。
また、第2インバータ12によってq軸電流を制御することで、モータMを高速駆動するためのトルクを高効率で発生させることができる。
なお、制御手段13は、図7に示す処理を所定周期で繰り返す(RETURN)。
図9は、空気調和機Sの運転状態と、圧縮機21に設置されたモータMの回転速度及びトルクと、の関係を示す説明図である。図9に示す説明図の横軸は、モータMの回転速度(指令値)であり、縦軸は、各回転速度で発生可能なトルクである。なお、図9では、各相の第1巻線41及び第2巻線42に通電する場合に駆動可能な領域を実線で囲み、各相の第2巻線42のみに通電する場合に駆動可能な領域を一点鎖線で囲んでいる。
室温が設定温度に略等しいときに圧縮機21(図1参照)を低速・低トルクで駆動する「最小能力域」や、冷媒の流量が比較的少なくて済む「中間能力」で空気調和機Sを運転する際には、低速モード(S102)が実行されることが多い。前記したように、第1インバータ11を駆動して、各相の第1巻線41及び第2巻線42に通電することで、各巻線に流れる電流が抑制され、APF(Annual Performance Factor:通年エネルギ消費効率)の向上を図ることができる。
また、定格出力に対応する「定格能力」では、通常高速モード(S104)が実行されることが多い。前記したように、、第2インバータ12を駆動して、各相の第2巻線42に通電することでモータMを高速駆動し、圧縮機21から吐出される冷媒の流量を十分に確保できる。
また、モータMが有する能力の限界付近である「最大能力域」では、弱め界磁高速モード(S105)が実行されることが多い。前記したように、第1インバータ11によってd軸電流を制御し、第2インバータ12によってq軸電流を制御することで、モータMの損失を従来よりも大幅に低減できる。したがって、高出力化の指標である外気温2℃での暖房能力を向上し、また、空気調和機Sの省エネ化を図ることができる。
<効果>
図10は、モータMの回転速度指令値と、効率と、の関係を示す説明図である。
図10の横軸は、モータMの回転速度(指令値)であり、縦軸は、モータMの効率である。また、図10の説明図に記載した実線は、本実施形態に係るモータMの効率を示している。破線は、モータMの回転速度指令値N*が所定閾値N2以上である場合に、第2インバータ12によってd軸電流及びq軸電流の両方を制御する比較例の効率を示している。
図10に示すように、回転速度指令値N*が所定閾値N2以上である場合に第2インバータ12のみを駆動する比較例に対して、第1インバータ11によってd軸電流を制御し、第2インバータ12によってq軸電流を制御する本実施形態のほうが、効率が高くなっている。これは、前記したように、d軸電流値Idが比較例の半分で済み、結果的にモータM等の損失も半減するからである。
このように、本実施形態によれば、モータMの低速回転域(0≦N*<N1)の高効率化と、高速回転域(N1≦N*)の駆動範囲の拡大と、を両立させることができるとともに、弱め界磁高速モード(N2≦N*)を実行しているときの損失を従来よりも大幅に低減できる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、第1インバータ11A(図11参照)と、第2インバータ12A(図11参照)と、に関して、異なる種類のスイッチング素子を用いる点が第1実施形態とは異なっているが、その他(制御手段13の動作等)については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図11は、第2実施形態に係るモータ駆動装置1Aの構成図である。
モータ駆動装置1Aは、第1インバータ11Aと、第2インバータ12Aと、制御手段13と、を備えている。
第1インバータ11Aが備える各スイッチング素子は、低電流が流れたときの導通損失が、他の種類のスイッチング素子と比較して小さい特性を有している。このようなスイッチング素子として、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、より好ましくはSJ(Super Junction)−MOSFETを用いることができる。
第2インバータ12Aが備える各スイッチング素子は、高電流が流れたときの導通損失が、他の種類のスイッチング素子と比較して小さい特性を有している。このようなスイッチング素子として、例えば、IGBT(Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。
<効果>
本実施形態によれば、第1インバータ11Aのスイッチング素子として低電流時の導通損失が比較的小さい素子を用いることで、低速モード(S102:図7参照)における損失を第1実施形態よりも低減できる。
また、第2インバータ12Aのスイッチング素子として高電流時の導通損失が比較的小さい素子を用いることで、通常高速モード(S104)や弱め界磁高速モード(S105)における損失を第1実施形態よりも低減できる。
≪第3実施形態≫
第3実施形態は、第1インバータ11B(図12参照)及び第2インバータ12B(図12参照)に関して、上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子と、を異なる種類にした点と、低電流時には下2相変調方式で第1インバータ11Bを駆動し、高電流時には上2相変調方式で各インバータを駆動する点が第1実施形態とは異なっている。なお、その他の点については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図12は、第3実施形態に係るモータ駆動装置1Bを含む構成図である。
第1インバータ11Bが備える下アームのスイッチング素子Nu,Nv,Nwは、低電流が流れたときの導通損失が、他の種類のスイッチング素子と比較して小さい特性を有している。このようなスイッチング素子として、例えば、MOSFET、より好ましくはSJ−MOSFETを用いることができる。
第1インバータ11Bが備える上アームのスイッチング素子Pu,Pv,Pwは、高電流が流れたときの導通損失が、他の種類のスイッチング素子と比較して小さい特性を有している。このようなスイッチング素子として、例えば、IGBTを用いることができる。
同様に、第2インバータ12Bが備える下アームのスイッチング素子Nu,Nv,Nwは、例えば、MOSFETであり、低電流が流れたときの導通損失が比較的小さい特性を有している。また、第2インバータ12Bが備える上アームのスイッチング素子Pu,Pv,Pwは、例えば、IGBTであり、高電流が流れたときの導通損失が比較的小さい特性を有している。
電流値が比較的小さい低速モード(S102:図7参照)を行う場合、制御手段13は、下アームのスイッチング動作の回数が少なく、オン時間が比較的長い下2相変調方式で第1インバータ11Bを駆動する。
前記した「下2相変調方式」とは、下アームにおいてスイッチングしない相を120°(電気角)ごとに切り替える変調方式である。固定子巻線4に3相交流電圧を印加するためのPWM信号に関して、U相、V相、W相のうち、電圧指令値が最も小さい相(スイッチングしない相)の下アームのスイッチング素子をオン状態にすればよい。なお、下2変調方式については周知であるから、詳細な説明を省略する。
第1インバータ11Bの下アームのスイッチング素子Nu,Nv,Nwは、前記したように、低電流が流れたときの導通損失が比較的小さいため、低速モードにおける第1インバータ11Bの損失を第1実施形態よりも低減できる。
電流値が比較的大きい通常高速モード(S104:図7参照)を行う場合、制御手段13は、上アームのスイッチング動作の回数が少なく、オン時間が比較的長い上2相変調方式で第2インバータ12Bを駆動する。
前記した「上2相変調方式」とは、上アームにおいてスイッチングしない相を120°(電気角)ごとに切り替える変調方式である。上2変調方式についても周知であるから、詳細な説明を省略する。
第2インバータ12Bの上アームのスイッチング素子Pu,Pv,Pwは、前記したように、高電流が流れたときの導通損失が比較的小さいため、通常高速モードにおける第2インバータ12Bの損失を第1実施形態よりも低減できる。
また、弱め界磁高速モード(S105:図7参照)を行う場合、制御手段13は、上2相変調方式で第1インバータ11B及び第2インバータ12Bを駆動する。これによって、弱め界磁高速モードにおける各インバータの損失を低減できる。
<効果>
本実施形態によれば、上・下アームのスイッチング素子の特性と、駆動モードと、に基づいて、各インバータを駆動する際の変調方式を決定することで、スイッチング素子の導通損失を第1実施形態よりも低減し、モータ駆動装置1Bの高効率化を図ることができる。
≪第4実施形態≫
第4実施形態は、固定子巻線4Cが、直列接続されてなる3つの巻線(例えば、U相の各巻線U1,U2,U3)を各相において備える点と、制御手段13Cが、駆動モードに応じて、3つのインバータ11,12,14のうち一つ又は複数を駆動する点と、が第1実施形態とは異なっている。なお、それぞれのインバータ11〜13の構成については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図13は、第4実施形態に係るモータ駆動装置1Cを含む構成図である。
図13に示すように、固定子巻線4Cは、U相、V相、及びW相の各巻線がY結線された構成になっている。
U相の巻線は、第1巻線U1と、第2巻線U2と、第3巻線U3と、を備えている。各巻線U1,U2,U3は、この順で直列接続されている。第1巻線U1は第1インバータ11に接続され、第2巻線U2は、第1巻線U1と第3巻線U3との間に設けられ、第3巻線U3は中性点Oに接続されている。なお、V相、W相の各巻線についても同様である。
モータ駆動装置1Cは、第1インバータ11と、第2インバータ12と、第3インバータ14と、制御手段13Cと、を備えている。
第1インバータ11のU相配線ruは、第1巻線U1に接続されている。第2インバータ12のU相配線suは、第2巻線U2と第3巻線U3との接続点euに接続されている。第3インバータ14のU相配線tuは、第1巻線U1と第2巻線U2との接続点fuに接続されている。なお、U相、W相についても同様である。
制御手段13Cは、回転速度指令値N*が0≦N*<N1(低速域)である場合には第1インバータ11を駆動し、N1≦N*<N2(中速域)である場合には第3インバータ14を駆動し、N2≦N*<N3(高速域)である場合には第2インバータ12を駆動する。このように、回転速度指令値N*の大きさに応じて、通電する巻線の個数を段階的に減らすことで、誘起電圧と印加電圧との差によって流れる電流を低減し、高効率でモータMを駆動できる。
また、制御手段13Cは、回転速度指令値N*がN3≦N*(弱め界磁高速域)である場合、弱め界磁制御を実行する。この場合において制御手段13Cは、第1インバータ11によってd軸電流(弱め界磁電流)を制御し、第2インバータ12によってq軸電流(トルク電流)を制御する。これによって、第1実施形態で説明したように、第2インバータ12のみでd軸・q軸の電流を両方とも制御する場合と比較してd軸電流を低減し、モータMを高効率で駆動できる。
<効果>
本実施形態によれば、回転速度指令値N*の大きさに応じて、使用するインバータ(つまり、通電する巻線の個数)を変更することで、前記したように、モータMを高効率で駆動できる。また、回転速度指令値N*が所定閾値N3以上である場合に弱め界磁制御を行い、第1インバータ11によってd軸電流を制御し、第2インバータ12によってq軸電流を制御することで、従来よりもd軸電流を低減し、巻線や各インバータ回路の損失を低減できる。
≪変形例≫
以上、本発明に係るモータ駆動装置1等について各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、モータ駆動装置1によって、圧縮機21(図1参照)に設置されたモータMを駆動する場合について説明したが、これに限らない。例えば、モータ駆動装置1によって、電動車両の変速機に設置されたモータを駆動するようにしてもよい。
図14は、変形例に係るモータ駆動装置1を備える電動車両Eの構成図である。
電動車両Eは、モータMの駆動によって走行する電気自動車であり、バッテリQと、モータMと、モータ駆動装置1と、変速機Tと、を備えている。なお、モータ駆動装置1の構成及び処理内容については各実施形態と同様であるから、説明を省略する。
図15は、電動車両Eの運転状態と、変速機Tに設置されたモータMの回転速度及びトルクと、の関係を示す説明図である。電動車両Eを低速高トルクで発進させる際の「低速高トルク域」や、通常の加速を行う際の「常用域」(低速側)では、第1インバータ11が駆動される。また、「常用域」(高速側)や、電動車両Eを勢いよく加速する際の「高出力域」では、第2インバータ12が駆動される。また、電動車両Eが高速で走行しトルクが比較的小さいときの「高速低トルク域」では、第1インバータ11によってd軸電流が制御され、第2インバータ12によってq軸電流が制御される。これによって、電動車両Eのエネルギ効率を従来よりも高めることができる。
なお、各実施形態で説明したモータ駆動装置1は、電気自動車の他、ハイブリッド車や鉄道車両の「機器」にも適用可能であるし、また、洗濯機や乾燥機等の「機器」にも適用可能である。
また、各実施形態では、モータMが3相交流電力によって駆動する同期モータである場合について説明したが、これに限らない。例えば、単相の交流電力で駆動する同期モータや、誘導モータにも各実施形態を適用できる。
また、各実施形態では、固定子巻線4(図3参照)がY結線される構成について説明したが、これに限らない。すなわち、固定子巻線がΔ結線されていてもよい。
また、各実施形態では、シャント抵抗R1,R2(図3参照)に流れる電流の検出値に基づいて、モータMを位置センサレスで駆動する場合について説明したが、これに限らない。例えば、3相のうち二相の巻線に流れる電流をそれぞれ検出する電流センサを設置してもよいし、また、回転子の位置を検出するホール素子を設置してもよい。
また、第1実施形態では、第1巻線U1(図4参照)が備える巻線U11,U12が直列接続され、第2巻線U2(図4参照)が備える巻線U21,22が並列接続される場合について説明したが、これに限らない。例えば、第1巻線U1と、第2巻線U2と、がそれぞれ一つの巻線を備え、d軸インダクタンスに対する誘起電圧定数の比が第1実施形態で説明した関係となるように、各巻線の巻数を適宜設定してもよい。
また、第1インバータ11のスイッチング素子として、第2インバータ12のスイッチング素子よりも電流容量が小さい素子を用いてもよい。このようなスイッチング素子は比較的安価であるため、モータ駆動装置1の低コスト化を図ることができる。なお、第1インバータ11を駆動する際の電流値は比較的小さいため、電流容量が小さいものでも支障はない。
また、第1、第2、第3実施形態では、モータ駆動装置1が2台のインバータ11,12(図3、図11、図12参照)を備える場合について説明し、第4実施形態では、モータ駆動装置1Cが3台のインバータ11,12,14(図13参照)を備える場合について説明したが、これに限らない。すなわち、モータ駆動装置1の用途に応じて、例えば、4台以上のインバータを備える構成にしてもよい。
また、各実施形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、第2実施形態と第4実施形態とを組み合わせ、第1インバータ11のスイッチング素子として、低電流が流れたときの損失が比較的小さいMOSFETを用い、第2インバータ12及び第3インバータ14のスイッチング素子として、高電流が流れたときの損失が比較的小さいIGBTを用いてもよい。
なお、各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
1,1A,1B,1C モータ駆動装置
11,11A,11B 第1インバータ
12,12A,12B 第2インバータ
13,13C 制御手段
4,4C 固定子巻線
4U U相巻線
4V V相巻線
4W W相巻線
K1,K2,K3,K4 切替部
41 第1巻線(固定子巻線、巻線)
42 第2巻線(固定子巻線、巻線)
Pu,Pv,Pw(スイッチング素子、上アームのスイッチング素子)
Nu,Nv,Nw(スイッチング素子、下アームのスイッチング素子)
M モータ
S 空気調和機(機器)
E 電動車両(機器)

Claims (7)

  1. 複数の巻線が直列接続されてなる固定子巻線を各相それぞれに備えるモータの前記複数の巻線に交流電圧を印加する第1インバータと、
    前記複数の巻線の一部に交流電圧を印加する第2インバータと、
    前記第1インバータ及び前記第2インバータを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記第1インバータによって前記モータの弱め界磁電流を制御し、前記第2インバータによって前記モータのトルク電流を制御すること
    を特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記モータの回転速度の指令値である回転速度指令値が第1閾値未満である場合、前記第1インバータによって前記モータの界磁電流及びトルク電流を制御し、
    前記回転速度指令値が前記第1閾値以上かつ第2閾値未満である場合、前記第2インバータによって前記モータの界磁電流及びトルク電流を制御し、
    前記回転速度指令値が前記第2閾値以上である場合、前記第1インバータによって前記モータの弱め界磁電流を制御し、前記第2インバータによって前記モータのトルク電流を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記第1インバータの下アームのスイッチング素子と、前記第2インバータの下アームのスイッチング素子と、はそれぞれ、MOSFETであり、
    前記第1インバータの上アームのスイッチング素子と、前記第2インバータの上アームのスイッチング素子と、はそれぞれ、IGBTであり、
    前記制御手段は、
    前記回転速度指令値が前記第1閾値未満である場合、前記第1インバータを下2相変調方式で駆動し、
    前記回転速度指令値が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合、前記第2インバータを上2相変調方式で駆動し、
    前記回転速度指令値が前記第2閾値以上である場合、前記第1インバータ及び前記第2インバータを上2相変調方式で駆動すること
    を特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記第1インバータが備えるスイッチング素子は、MOSFETであり、
    前記第2インバータが備えるスイッチング素子は、IGBTであること
    を特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  5. 複数の巻線が直列接続されてなる固定子巻線を各相それぞれに備えるモータの前記複数の巻線に交流電圧を印加する第1インバータと、
    前記複数の巻線の一部に交流電圧を印加する第2インバータと、
    前記第1インバータ及び前記第2インバータを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    永久磁石を備える回転子の磁束方向を示すd軸と、このd軸に直交するq軸と、に基づく回転座標系において、前記第1インバータによって前記モータのd軸電流を制御し、前記第2インバータによって前記モータのq軸電流を制御すること
    を特徴とするモータ駆動装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ駆動装置を備えること
    を特徴とする機器。
  7. 複数の巻線が直列接続されてなる固定子巻線を各相それぞれに備えるモータを制御する制御手段が実行するモータ駆動方法であって、
    前記制御手段は、第1インバータによって前記複数の巻線に交流電圧を印加することで前記モータの弱め界磁電流を制御するとともに、第2インバータによって前記複数の巻線の一部に交流電圧を印加することで前記モータのトルク電流を制御すること
    を特徴とするモータ駆動方法。
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