JPWO2020208837A1 - 乗客コンベアおよび乗客コンベアのガイドシュー - Google Patents

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Abstract

乗客コンベアのガイドシューは、移動可能に設けられた複数のステップの移動方向に沿って設けられたスカートガードを摺動する基部と、基部より比重の大きい材料を含んでおり、基部に設けられる錘と、を備える。

Description

この発明は、例えば、エスカレータ、動く歩道などの乗客コンベアおよび乗客コンベアのガイドシューに関するものである。
従来の乗客コンベアでは、建築構造物に設置された欄干と、欄干の長手方向の両端部に設置された乗降床と、を備える。そして、無端状に連結された複数のステップが、乗降床の間を循環移動するように設置されている。スカートガードが、ステップの幅方向の両側に、ステップの移動方向に沿うように欄干に取り付けられている。ガイドシューが、ステップの幅方向両側に取り付けられている。これにより、ステップの移動時に、ガイドシューがスカートガードに接してステップの幅方向の移動が規制されている(例えば、特許文献1参照)。
このような乗客コンベアでは、ガイドシューがスカートガードに接触しながら移動、すなわちスカートガードを摺動することで、ガイドシューが摩擦振動を起こす。これにより、ガイドシューの周辺部から摺動異音が発生する。
特許文献1に記載の従来の乗客コンベアでは、ガイドシューが低摩擦材料で作製されており、摺動異音の発生が抑制される。また非特許文献1には、振動発生に関する数学的説明が記載されている。
特開2011−190043号公報
近藤孝広「新型複素モード解析による自励振動の発生メカニズムの解明と防止対策」pp10−12、日本機械学会関西支部第18回秋季技術交流フォーラム(2017年10月21日)
従来の乗客コンベアでは、ガイドシューが低摩擦材料で作製されている。そこで、ガイドシューの新規取付から一定期間の間は、低摩擦材料による効果で摺動異音の発生を抑制することができる。しかしながら、ガイドシューの摺動面の摩擦係数が経年的に増大するので、乗客コンベアの長期の稼動にわたって、摺動異音の発生を抑制し続けることはできない。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ガイドシューの摺動面の摩擦係数が経年的に増大しても、長期にわたって摺動異音の発生を抑制できる乗客コンベアおよび乗客コンベアのガイドシューを得ることを目的としている。
この発明に係る乗客コンベアのガイドシューは、移動可能に設けられた複数のステップの移動方向に沿って設けられたスカートガードを摺動する基部と、上記基部より比重の大きい材料を含んでおり、上記基部に設けられる錘と、を備える。
本発明では、乗客コンベアのガイドシューの基部に基部よりも比重の大きい材料を含む錘を設けて質点の質量を増大させている。そこで、基部の摩擦係数が経年的に増大しても、ガイドシューの摩擦振動を抑制でき、乗客コンベアの長期の稼動にわたる摺動異音の抑制を実現する。
この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアの要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアのステップを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアのステップを示す要部拡大斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す斜視図である。 従来の乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す斜視図である。 乗客コンベアのガイドシューの摩擦振動現象を単純化した解析モデル図である。 この発明の実施の形態2に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態2に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態3に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態3に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態4に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 図11のXII−XII矢視断面図である。 この発明の実施の形態5に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 図13のXIV−XIV矢視断面図である。 この発明の実施の形態6に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 図15のXVI−XVI矢視断面図である。 この発明の実施の形態7に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 図17のXVIII−XVIII矢視断面図である。 この発明の実施の形態8に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態8に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態9に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態9に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態10に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態10に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態11に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態11に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態12に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 図27のXXVIII−XXVIII矢視断面図である。 この発明の実施の形態13に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態13に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態14に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態14に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態15に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図である。 この発明の実施の形態15に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 この発明の実施の形態16に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 図35のXXXVI−XXXVI矢視断面図である。 この発明の実施の形態17に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 図37のXXXVIII−XXXVIII矢視断面図である。 この発明の実施の形態18に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。 図39のXXXX−XXXX矢視断面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアの要部を示す斜視図である。
図1において、乗客コンベアは、建屋の各階床に設置された乗降床1と、無端状に連結されて、上階床の乗降床1と下階床の乗降床1との間に循環移動可能に設けられた複数のステップ10と、ステップ10の幅方向に互いに離れて平行にステップ10の移動方向に沿ってステップ10の幅方向の両側に設けられた欄干2と、各欄干2の外周に沿って設けられ、ステップ10と同期して移動するハンドレール3と、各欄干2の下部に設けられたスカートガード4と、を備えている。
つぎに、ステップ10の構成について図2から図4を用いて説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアのステップを示す斜視図、図3は、この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアのステップを示す要部拡大斜視図、図4は、この発明の実施の形態1に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す斜視図である。
ステップ10は、図2に示されるように、乗客が乗る踏み板11と、蹴り上げであるライザ12と、踏み板11の踏み面と反対側に踏み板11の幅方向に離れて配置され、踏み板およびライザ12の幅方向両端部を支持する骨組である三角ブラケット13と、を備える。C字状の嵌合部14が、各三角ブラケット13のライザ12と反対側の端部に設けられている。ガイドシュー20Aを取り付けるための座面部15が、嵌合部14のライザ12と反対側に嵌合部14に隣接して各三角ブラケット13に設けられている。後輪16が、各三角ブラケット13のライザ12側の端部に設けられている。図示されていないが、踏段前輪軸が三角ブラケット13の嵌合部14に装着される。そして、前輪が踏段前輪軸の両端に装着される。各踏段前輪軸に装着された前輪が無端状の踏み段チェーンを介して連結されている。
このように構成されたステップ10は、図示されていないが、前輪を無端状の踏段チェーンに連結されて、上階床の乗降床1と下階床の乗降床1との間に無端状に設置される。そして、踏段チェーンが駆動されて、ステップ10が上階床の乗降床1と下階床の乗降床1との間を循環移動する。
ここで、座面部15は、図3に示されるように、円筒体に構成され、軸方向を踏み板11の幅方向として各三角ブラケット13に設けられている。また、一部の乗客コンベアでは、ガイドシュー20Aを取り付けるための部材として直方体状のものでもよい。すなわち、座面部15は、乗客コンベアにおいてガイドシュー20Aを取り付ける、または後述するガイドシュー20Aの基部21を保持する構造体である。座面部15は、ステップ10からの突出量が規定の範囲内に収まるように構成されている。座面部15の軸方向は、後述するガイドシュー20Aの基部21が摺動するスカートガード4の摺動面に対して垂直となっている。座面部15の軸方向外方の端面である座面は、座面部15の軸方向と直交する平坦面となっている。座面部15の周壁部の内壁には、一対のガイド溝15aが座面部15の軸心を挟んで相対して、かつ軸心と平行に延びるように形成されている。座面部15の周壁部には、一対の挿入穴15bが、座面部15の軸心を挟んで相対して、一対のガイド溝15aと座面部15の外部とを連結するように形成されている。座面部15の座面には、一対の嵌合溝15cが座面部15の軸心を挟んで相対するように形成されている。一対のガイド溝15aの相対する方向は、一対の嵌合溝15cの相対する方向と直交している。
ガイドシュー20Aは、図4に示されるように、ステップ10の移動時にスカートガード4の摺動面を摺動する基部21と、基部21に質量を付加する錘22と、基部21を座面部15に取り付けるための一対の脚部23と、各脚部23の先端に設けられた爪部24と、基部21を位置決めする突起部25と、を備える。
基部21は、低摩擦材であり、適度の弾性を有する材料、例えばポリアセタール樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などを用いて直方体の平板に作製される。錘22は、接着、溶着により、スカートガード4の摺動面を摺動する基部21の摺動面と反対側の面、すなわち背面に、基部21に接する状態で取り付けられる。錘22は、基部21の長方形の背面の長辺の長さ方向に離れて背面の両短辺側に設けられている。錘22は、基部21より比重の大きい材料、例えば鉄、アルミ、銅、鉛、タングステンなどの金属、石材、ガラスなどを用いて直方体に作製されている。一対の脚部23は、基部21の背面から基部21の摺動面と垂直な方向に延びるように設けられている。爪部24は、一対の脚部23の突出端から脚部23の相対する方向の外方に突出するように設けられている。突起部25は、嵌合溝15cに嵌合可能な形状であり、基部21の背面の一対の脚部23間の中央位置に設けられている。突起部25は、一対の脚部23の相対する方向と直交する方向に延びている。
このように構成されたガイドシュー20Aをステップ10に取り付けるには、まず、爪部24間が狭まるように一対の脚部23を弾性変形させて爪部24を一対のガイド溝15a内に入れる。ついで、一対の脚部23を座面部15内に差し込む。これにより、爪部24が、一対のガイド溝15a内を進み、挿入穴15bの位置に到達すると、脚部23が復元し、爪部24が挿入穴15b内に差し込まれる。このとき、突起部25が、嵌合溝15cに挿入される。これにより、ガイドシュー20Aが、基部21を踏み板11の幅方向の外方に向けて、ステップ10に装着される。爪部24が挿入穴15b内に差し込まれて、ガイドシュー20Aの座面部15からの抜けが阻止される。また、突起部25が嵌合溝15c内に嵌め込まれて、ガイドシュー20Aの座面部15の軸心周りの回転が阻止されるとともに、位置決めがなされる。さらに、錘22は、基部21に接し、踏み板11、ライザ12、三角ブラケット13、座面部15などのステップ10の構成部品およびスカートガード4から離れている。
図5は、従来の乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す斜視図である。従来のガイドシュー100は、図5に示されるように、錘22が省略されている点を除いて、本願のガイドシュー20Aと同様に構成されている。
つぎに、ガイドシューの摺動移動に伴う異音の発生現象の概要およびガイドシュー構造による力学的効果について説明する。
まず、一般的な摺動現象として、摺動する2つの部材間において、摺動面の摩擦係数が一定値以上になると部材の振動振幅が顕著に増大する傾向がある。しかしながら、当現象は、一概に摩擦係数値の大小のみで決まるものではなく、他に影響するパラメータがある。例えば、摩擦振動系の質点部の質量を増やすことで振動が抑制される。
本発明では、摺動現象における上述の特性を乗客コンベアのガイドシューの構造に適用させている。
ガイドシュー20Aは、ステップ10に取り付けられる脚部23を固定端とした状態でスカートガード4から摩擦力を受ける。この摩擦振動系における質点部は、ガイドシュー20Aにおける先端の基部21である。図5に示される従来のガイドシュー100では、錘22がないので、基部21の質量が増えない。また、スカートガード4と摺動する基部21の摺動面の摩擦係数が経年的に大きくなる。したがって、従来のガイドシュー100を用いた場合には、乗客コンベアの長期の稼動にわたって、摺動異音の発生を抑制し続けることができなくなる。
そこで、振動抑制を行うには、基部21の質量を増すことが有効となる。基部21に基部の材料よりも比重が大きい材料を含む錘22を設けることによって、基部21の振動を抑制することができる。しかし、基部21に設けられる錘22がこの摩擦振動系のグランドであるステップ10の座面部15などのステップ10の構成部品に接触し、ステップ10の構成部品から支持を受けると、質点部に対し所望の質量増加が出来なくなることもある。実際に錘をステップの構成部品に接触させた状態で実験を行ったところ、振動が小さくならない場合もあった。実施の形態1では、錘22は、ステップ10の座面部15およびその他の周囲部品などのステップ10の構成部品と接触しないように、基部21にのみ接する状態で基部21に取り付けられてもよい。すなわち、錘22は、ステップ10の構成部品に対して隙間をもって配置される。錘22は、座面部15およびこの周辺の部品を含むステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されているとも言える。また、ガイドシュー20Aは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられてもよい。以上により、錘22は、基部21に質量を付加している。さらに、錘22は、基部21よりも比重の大きい材料で作製されている。実施の形態1によれば、ガイドシュー20Aの体積増加を抑えながら効率的に基部21の質量を増すことができる。その結果、基部21の摺動面の摩擦係数が経年的に大きくなっても、ガイドシュー20Aの摩擦振動を抑制でき、乗客コンベアの長期の稼動にわたる摺動異音の抑制を実現できる。
また、摩擦力の影響により振動振幅の増大が生ずるものとして複数種類の現象が存在する。発明者が、ガイドシューの摩擦振動に関して実験調査を行ったところ、ガイドシューの場合はガイドシューの質量行列、剛性行列、および減衰行列が非対称行列であることに起因する振動不安定化現象が存在していることが分かった。
図6は、ガイドシューの摩擦振動現象を単純化した解析モデルである。座面部15に相当する水平な上支持部には、ガイドシュー100が2つの吊りばねを介して吊り下げられている。2つの吊りばねは、水平方向に互いに離れた位置で上支持部に接続されている。ガイドシュー100は、質量Mをもつ剛体である。ガイドシュー100の下方には、スカートガード4に相当する下支持部が位置している。下支持部には、ガイドシュー100に接触するばね定数kcの接触ばねが設けられている。ガイドシュー100は、接触ばねを介して下支持部に押し付けられている。下支持部は、ガイドシュー100に対して一定速度で水平方向に移動している。ガイドシュー100に対する接触ばねの接触点では、ガイドシュー100に対してクーロン摩擦力としての動摩擦力が作用している。ガイドシュー100の運動としては、鉛直方向の並進運動と重心まわりの回転運動のみが可能である。ガイドシュー100の重心まわりの回転運動は、下支持部に直交しかつ下支持部の移動方向に沿った平面における回転運動である。ガイドシュー100の重心まわりの慣性モーメントをJとするとともに、非振動的な平衡状態を基準とするガイドシュー100の鉛直下向き変位をx、重心まわりの角変位をθとすると、この系の運動方程式は以下の式(1)のようになる。
Figure 2020208837
ただし、K/2は、各吊りばねのばね定数である。kcは、接触ばねのばね定数である。Lは、ガイドシュー100の重心と一方の吊りばねとの間の水平方向における寸法である。μは、ガイドシュー100に対する接触ばねの動摩擦系係数である。aの正負は、図6においてガイドシュー100の重心よりも左側を正と規定している。bは、ガイドシュー100に対する接触ばねの接触点と、ガイドシュー100の重心との間の鉛直方向における寸法である。ここでいくつかの無次元パラメータを導入すると、この系の運動方程式は以下の式(2)で表される。
Figure 2020208837
質量行列および剛性行列には、非対称性が生じている。このとき、αの値およびβの値が以下の式(3)の条件を満たさない場合、非特許文献1に示されているようにガイドシュー100の振動振幅が増大することが数学的に導かれている。
Figure 2020208837
図5に示される従来のガイドシュー100では、αおよびβがこの安定化条件から外れた値をとっていることから、顕著な振動振幅の増大が発生していた。そこで、振動の安定化を行うための手段の一つとして、従来のガイドシュー100の構造に対し、以下の式(4)となるようにαの値を大きくとることが挙げられる。
Figure 2020208837
また同じく、従来のガイドシュー100の構造に対し、以下の式(5)となるように0よりも小さい範囲でβの値を小さくとることが挙げられる。
Figure 2020208837
従来のガイドシュー100に対してαの値を増大させるためには、ガイドシュー100の回転半径J/Mの値を増大させる必要がある。すなわち、スカートガードとガイドシュー100の基部21との摺動面と直交し、かつスカートガードと基部21とが摺動する摺動方向に沿った平面において、ガイドシュー100の重心まわりの慣性モーメントJを大きくさせることが必要である。ここでいう重心は、基部21の重心である。
また、従来のガイドシュー100に対してβの値を小さくするためには、スカートガードと基部21との接触点から基部21の重心までの距離bを大きくさせることが必要である。これらにより、スカートガード4に対するガイドシュー100の摺動状態が安定し、乗客コンベアの長期の稼動にわたって摺動異音の発生が抑制される。
本実施の形態では、ガイドシュー20Aは、スカートガード4と基部21との摺動面と直交し、かつスカートガード4と基部21との摺動方向に沿った平面において、基部21の重心まわりの慣性モーメントに比べて、基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に錘22を備えている。すなわち、ガイドシュー20Aは、移動可能に設けられた複数のステップ10の移動方向に沿って設けられたスカートガード4を摺動する基部21と、基部21に設けられ基部21の移動方向へのピッチング運動に対する回転半径を増大させる錘22を備えている。このため、スカートガード4に対するガイドシュー20Aの摺動状態を安定することができ、スカートガード4に対するガイドシュー20Aの摺動異音の発生をさらに抑制することができる。なお、ピッチング運動とは、スカートガード4と基部21との摺動面と直交し、かつスカートガード4と基部21との摺動方向に沿った平面における基部21の回転運動であって、重心を中心とした回転運動である。
なお、合成重心とは、基部に錘を取り付け、基部および錘を一体物としてみたときの重心を示す。
ここで、上記実施の形態1では、錘22は、基部21にのみ接する状態で基部21に設けられてもよい。そして、ガイドシュー20Aは、錘22がステップ10の構成部品に対して隙間を有するように座面部15に取り付けられてもよい。しかし、錘22は、ステップ10の構成部品に対して隙間を有していれば、基部21のみならず、基部21以外のガイドシュー20Aの構成部品、例えば脚部23に接していてもよい。なお、他の実施の形態においても、錘は、ステップの構成部品に対して隙間を有していれば、基部のみならず、基部以外のガイドシューの構成部品、例えば脚部に接していてもよい。
上記実施の形態1では、基部21に基部の材料よりも比重が大きい材料を含む錘22を、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて、基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントを大きくさせる位置に設けている。これによって、基部21の振動をさらに確実に抑制することができる。
実施の形態1から実施の形態18までのそれぞれの実施の形態には、ガイドシューの質量が増大している構成を示している。さらに、実施の形態1から実施の形態13までのそれぞれの実施の形態には、αの値を増大させる構成、すなわち、スカートガードと基部との摺動面と直交し、かつ、スカートガードと基部との摺動方向に沿った平面において、基部の重心まわりの慣性モーメントに比べて、基部に錘を備えた場合の基部および錘の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる構成を示している。また、実施の形態14から実施の形態18までのそれぞれの実施の形態には、βの値を小さくする構成、すなわち、スカートガードと基部の接触点から基部の重心までの距離bよりも、基部が錘を備えた場合のスカートガードと基部の接触点から基部および錘の合成重心までの距離bの方が大きくなっている構成を開示している。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図8は、この発明の実施の形態2に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図7および図8において、錘22は、接着、溶着などにより、基部21に接する状態で基部21の背面に1つ固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態2によるガイドシュー20Bにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22が基部21に接する状態で基部21の背面に設けられている。さらに、錘22は、基部21が錘22を備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Bは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられてもよい。この際、錘22は、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図10は、この発明の実施の形態3に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図9および図10において、錘22は、接着、溶着などにより、基部21に接する状態で基部21の長方形の背面の4つの角部のそれぞれに固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態3によるガイドシュー20Cにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22が基部21に接するように基部21の背面に設けられている。さらに、錘22は、基部21が錘22を備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Cは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22は、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、実施形態1〜3では、基部21の背面に設けられる錘22の個数が1個、2個、4個となっているが、基部21の背面に設けられる錘22の個数は1個以上であればよく、その個数は限定されない。
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図12は、図11のXII−XII矢視断面図である。
図11および図12において、錘22は、ねじ26により、基部21に接する状態で基部21の背面に固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態4によるガイドシュー20Dにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22が基部21に接するように基部21の背面に設けられている。さらに、錘22は、基部21が錘22を備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Dは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22は、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態4においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図14は、図13のXIV−XIV矢視断面図である。
図13および図14において、基部21Aは、基部21と同様に低摩擦材で直方体の平板に作製され、嵌合凹部27が、基部21Aの背面に形成されている。錘22Aは、錘22と同様に基部21Aより比重の大きい材料で直方体に作製され、嵌合凸部28が、錘22Aの底面に形成されている。錘22Aは、嵌合凸部28を嵌合凹部27に嵌め込んで、必要に応じて接着されて、基部21Aに固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態5によるガイドシュー20Eにおいても、基部21Aより比重の大きい材料で作製された錘22Aが基部21Aに接するように基部21Aの背面に設けられている。さらに、錘22Aは、基部21Aが錘22Aを備えることで、基部21Aの重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21Aおよび錘22Aの合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Eは、錘22Aがスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22Aは、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図16は、図15のXVI−XVI矢視断面図である。
図15および図16において、基部21Bは、基部21と同様に低摩擦材で直方体の平板に作製され、嵌合凹部29が、基部21Bの背面に形成されている。錘22は、嵌合凹部29に嵌め込まれて、必要に応じて接着されて、基部21Bに固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態6によるガイドシュー20Fにおいても、基部21Bより比重の大きい材料で作製された錘22が基部21Bに接するように基部21Bの背面に設けられている。さらに、錘22は、基部21Bが錘22を備えることで、基部21Bの重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21Bおよび錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Fは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22は、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態6においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、上記実施の形態1〜6では、一体成形、接着、溶着、ねじ、凹部と凸部との嵌合などにより錘が基部に固定されているが、固定手段はこれらの手段に限定されず、テープ、ワイヤ、ロープにより錘を基部に固定してもよい。また、錘が磁性材料で作製されている場合には、磁石を用いて錘を基部に固定してもよい。
実施の形態7.
図17は、この発明の実施の形態7に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図18は、図17のXVIII−XVIII矢視断面図である。
図17および図18において、基部21Cは、基部21と同様に低摩擦材で直方体の平板に作製されている。錘22は、基部21Cにインサート成形されて基部21C内に埋設されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態7によるガイドシュー20Gにおいても、基部21Cより比重の大きい材料で作製された錘22が基部21C内に埋設されて設けられている。さらに、錘22は、基部21Cが錘22を備えることで、基部21Cの重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21Cおよび錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Gは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22は、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態7においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態7によれば、錘22が基部21C内に埋設されている。これにより、ガイドシュー20Gの製作時の錘22の取付不良の発生を防止できる。さらに、ガイドシュー20Gの取付時および乗客コンベアの運転時に錘22に外力が作用しても、基部21Cからの錘22Gの剥離・脱落の発生を防止できる。
実施の形態8.
図19は、この発明の実施の形態8に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図20は、この発明の実施の形態8に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図19および図20において、錘22Bは、基部21より比重の大きい材料でリング平板状に作製されている。錘22Bは、接着、溶着などにより、一対の脚部23および突起部25に接することなく、一対の脚部23および突起部25を取り囲むように基部21の背面に固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態8によるガイドシュー20Hにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22Bが基部21に接するように基部21の背面に設けられている。さらに、錘22Bは、基部21が錘22Bを備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22Bの合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Hは、錘22Bがスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22Bは、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態8においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態8によれば、錘22Bがリング平板状に形成されている。これにより、乗客コンベアの稼働中に、錘22Bが基部21から外れても、乗客コンベア内に落下する事態が回避される。
実施の形態9.
図21は、この発明の実施の形態9に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図22は、この発明の実施の形態9に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図21および図22において、錘22Cは、基部21より比重の大きい材料で直方体の平板に作製された錘片22a,22bを接着、溶着などにより積層一体化して作製されている。錘22Cは、錘22と同じ重量である。錘22Cは、基部21に接する状態で、接着、溶着により基部21の背面に固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態9によるガイドシュー20Iにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22Cが基部21に接するように基部21の背面に設けられている。さらに、錘22Cは、基部21が錘22Cを備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22Cの合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Iは、錘22Cがスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22Cは、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態9においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、実施の形態9では、2つの錘片22a,22bが接着、溶着により固定されているが、錘片22a,22bの固定方法は接着、溶着に限定されない。また、錘22Iは、2つの錘片22a,22bに分割されているが、分割数は2に限定されない。
実施の形態10.
図23は、この発明の実施の形態10に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図24は、この発明の実施の形態10に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図23および図24において、錘22は、基部21の相対する一対の側面に接着、溶着などにより固定されている。ここで、側面とは、直方体の平板に作製された基部21の摺動面に直交する面である。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態10によるガイドシュー20Jにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22が基部21に接するように基部21の一対の側面に設けられている。さらに、錘22は、基部21が錘22を備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Iは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。すなわち、錘22は、基部21に接し、踏み板11、ライザ12、三角ブラケット13、座面部15などのステップ10の構成部品およびスカートガード4から離れてもよい。
したがって、実施の形態10においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態11.
図25は、この発明の実施の形態11に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図26は、この発明の実施の形態11に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図25および図26において、錘22は、基部21の相対するもう一対の側面に接着、溶着などにより固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態10と同様に構成されている。
実施の形態10によるガイドシュー20Kにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22が基部21に接するように基部21のもう一対の側面に設けられている。さらに、錘22は、基部21が錘22を備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Kは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22は、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態11においても、上記実施の形態10と同様の効果が得られる。
実施の形態12.
図27は、この発明の実施の形態12に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図28は、この発明の実施の形態12に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図27および図28において、錘22Dは、基部21より比重の大きい材料で棒状に作製され、基部21にインサート成形されて基部21に設けられている。
なお、他の構成は、上記実施の形態10と同様に構成されている。
実施の形態12によるガイドシュー20Lにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22Dが基部21に接するように基部21に設けられている。さらに、錘22Dは、基部21が錘22Dを備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部21および錘22Dの合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Lは、錘22Dがスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22Dは、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態12においても、上記実施の形態10と同様の効果が得られる。
実施の形態13.
図29は、この発明の実施の形態13に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図30は、この発明の実施の形態13に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す側面図である。
図29および図30において、錘22は、接着、溶着などにより、基部21の背面の両端辺側および相対する一対の側面のそれぞれに1つずつ固定されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態10と同様に構成されている。
実施の形態13によるガイドシュー20Mにおいても、基部21より比重の大きい材料で作製された錘22が基部21に接するように基部21に設けられている。さらに、錘22は、基部21が錘22を備えることで、基部21の重心まわりの慣性モーメントと比べて基部および錘の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に備えられている。また、ガイドシュー20Mは、錘22がスカートガード4から離れるように座面部15に取り付けられている。この際、錘22は、座面部15又はステップ10の構成部品と接触せず、又は離れて配置されてもよい。
したがって、実施の形態13においても、上記実施の形態10と同様の効果が得られる。
なお、上記実施の形態8〜11,13では、接着、溶着などにより錘が基部に固定されているが、固定手段はこれらの手段に限定されず、ねじ、凹部と凸部との嵌合、テープ、ワイヤ、ロープにより錘を基部に固定してもよい。また、錘が磁性材料で作製されている場合には、磁石を用いて錘を基部に固定してもよい。
ここで、発明者が実際に実験を行ったところ、基部の比重に対し錘の比重が小さい場合は、十分な振動抑制効果は得られなかったことから、好ましくは、錘の比重が基部の比重の1.2倍以上であるとよい。各実施の形態において、錘の重量は、基部の重量の0.5倍以上であることが望ましい。また、基部の比重に対し錘の比重を増すほど振動抑制に対する尤度は増していくが、据付および保守作業性の観点から錘の上限比重は、好ましくは基部の比重の25倍以下であることが望ましい。
また、上記実施の形態1〜6および8〜13では、錘22は基部21よりも比重の大きい材料で作製されている。
ガイドシューの振動抑制を行うには、前述した式(5)になるように、βの値を小さくとることが有効である。実施の形態14〜18では、従来のガイドシュー100に対し、錘30を備えることで摺動異音の発生を抑制することができる。すなわち、基部21が錘30を備えることで、ガイドシュー0N〜20Rの質量が増加することはもちろん、さらに、スカートガード4と基部21との接触点から基部21および錘30の合成重心までの距離bを増やすことでβの値を小さくできる。このため、スカートガード4に対するガイドシュー20N〜20Rの摺動状態を安定化することができる。この結果、ガイドシュー20N〜20Rからの摺動異音の発生を、乗客コンベアの長期の稼動にわたって抑制できる。なお、基部21とスカートガード4との接触点から、基部21の重心までの距離を重心距離と称する。
実施の形態14.
図31は、この発明の実施の形態14に係るガイドシュー20Nを示す上面図である。また、図32は、この発明の実施の形態14に係るガイドシュー20Nを示す側面図である。本実施の形態では、図31に示されるように、錘30が設けられていること以外は、実施の形態1から実施の形態13に示したガイドシュー20と同様に構成されている。
一対の錘30は、基部21の背面に座面部15側に突出するように設けられている。そして、基部21および錘30を一体物としてみたときの合成重心の位置は、基部21単独の重心位置よりスカートガードから遠ざかる位置となっている。すなわち、従来のガイドシュー100に対して大きい重心距離が確保されている。
実施の形態15.
図33は、この発明の実施の形態15に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシュー20Oを示す上面図、図34は、この発明の実施の形態15に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシュー20Oを示す側面図である。
図33および図34において、一対の錘30は、基部21の一対の長辺側側面にそれぞれ設けられている。また、錘30の座面部15側の端部は、基部21の背面よりも座面部15側に突出している。なお、他の構成は、上記実施の形態14と同様に構成されている。
実施の形態16.
図35は、この発明の実施の形態16に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシュー20Pを示す上面図、図36は、図35のXXXVI−XXXVI矢視断面図である。
図35および図36において、基部21Dは、基部21と同様に低摩擦材で作製されている。また、スカートガード4との摺動方向における基部21D前後に、錘30がインサート成形されて埋設されている。そして、基部21Dに錘30が埋設されていることにより、基部21Dの背面は座面部15側に突出する部分を有している。
実施の形態17.
図37は、この発明の実施の形態17に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図38は、図37のXXXVIII−XXXVIII矢視断面図である。
図37および図38において、基部21Dは、一対の錘30が、基部21Dの背面に設けられている。その他の構成は、実施の形態16の構成と同一である。
実施の形態18.
図39は、この発明の実施の形態18に係る乗客コンベアのステップにおけるガイドシューを示す上面図、図40は、図39のXXXX−XXXX矢視断面図である。
図39および図40において、錘30Bは、円錐筒状体であり円錐の先細の先端部分を有していない環状体である。そして、基部21は、錘30Bの先細側を基部21の背面に配置させている。
実施の形態18によれば、錘30Bは、環状円錐筒状体である。このため、錘30Bが座面部15と接触することなく、ガイドシューの重心距離を確保することができる。
また、上記実施の形態14〜18では、錘30は基部21よりも比重の大きい材料で作製している。
さらに、錘30は、基部21との一体成形、接着または溶着により、基部21と一体化するように設けられている。そして、錘30は、基部21より比重の大きい材料を用いてもよい。基部21より比重の大きい材料としては、鉄、アルミ、銅、鉛、タングステンなどの金属、石材、ガラスなどが挙げられる。
なお、上記実施の形態1〜6および8〜13では、錘22は基部21よりも比重の大きい材料で作製されているとしたが、基部21および錘22の合成重心まわりの慣性モーメントを大きくさせる位置に錘22が設けられている場合、基部21の比重以下の比重を持つ材料で錘22が作製されていてもよい。基部21の比重以下の比重を持つ材料としては、例えば樹脂材、ゴム材、木材などが挙げられる。この構成をとることで、ガイドシューの重量の増分を抑えることが出来るため、乗客コンベアにおける据付および保守作業性を改善することができる。特に、錘22の材料に基部21と同じ材料を採用する場合は、ガイドシューの製造コストを抑えることができる
また、上記実施の形態14〜18では、錘30は基部21よりも比重の大きい材料で作製されているとしたが、基部21の比重以下の比重を持つ材料で錘30が作製されていてもよい。基部21の比重以下の比重を持つ材料としては、例えば樹脂材、ゴム材、木材などが挙げられる。当構成をとることで、ガイドシューの重量の増分を抑えることが出来るため、乗客コンベアにおける据付および保守作業性を改善することができる。また錘30の材料に基部21と同じ材料を採用する場合は、ガイドシュー20Aの製造コストを抑えることができる。
なお、上記各実施の形態では、ガイドシューは、ステップの前輪側に設けられているが、ガイドシューは、ステップの後輪側に設けられてもよく、前輪側と後輪側とに設けられてもよい。
また、上記各実施の形態では、錘が基部より比重が大きい単一の材料で作製されているものとしているが、錘は、基部より比重が大きい材料を含んでいれば、複数の材料で作製されてもよい。また、錘を基部に固定する固定部材が基部に質量を付加する錘の一部として機能する場合にも、固定部材は必ずしも基より比重が大きい材料とする必要はない。
また、各実施の形態では、錘は、直方体、リング状平板、棒状体などに形成されているが、一定の重量又は錘の比重が基部の比重より大きいことを満たし、基部に接していれば、錘はいかなる幾何形状をとってもよい。他の形状例としては、立方体のブロック、円形プレート、丸棒、パイプ、六角材、アングル、C型鋼、傾斜ブロックなどが挙げられる。また、部品コストを考える上で、ネジ、ナット、シム、ワッシャ、カラー、リング、ピンなどの多く流通している標準品・市販品をそのまま錘として用いてもよい。また、据付および保守作業性の観点から、錘および貼付の機能を併せ持つシムテープを錘として用いてもよい。
また、この発明は、上記各実施の形態に限定されることはなく、これらの特徴の可能な組合せを全て含む。
1 乗降床、2 欄干、4 スカートガード、10 ステップ、15 座面部、20A−20R ガイドシュー、21,21A−21D 基部、22,22A−22D,30 錘、23 脚部。

Claims (7)

  1. 移動可能に設けられた複数のステップの移動方向に沿って設けられたスカートガードを摺動する基部と、
    上記基部に設けられる錘と、
    を備える乗客コンベアのガイドシュー。
  2. 上記スカートガードと上記基部とが摺動する摺動面と直交し、かつ上記スカートガードと上記基部とが摺動する摺動方向に沿った平面において、上記基部の重心まわりの慣性モーメントに比べて、上記基部および上記錘の合成重心まわりの慣性モーメントが大きくなる位置に上記錘を備える、請求項1記載のガイドシュー。
  3. 上記スカートガードと上記基部との接触点から上記基部の重心までの距離に比べて、上記スカートガードと上記基部との接触点から上記基部および上記錘の合成重心までの距離の方が大きくなる位置に上記錘を備える、請求項1または2の記載のガイドシュー。
  4. 上記錘は、上記基部の上記スカートガードを摺動する摺動面と反対側の背面に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗客コンベアのガイドシュー。
  5. 上記錘は、上記基部の上記スカートガードを摺動する摺動面と直交する側面に設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗客コンベアのガイドシュー。
  6. 上記錘は、上記ステップに設けられ上記基部を保持する座面部との間に隙間を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗客コンベアのガイドシュー。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の乗客コンベアのガイドシューと、
    移動可能に設けられた上記複数のステップと、
    上記複数のステップの移動方向に沿って設けられた上記スカートガードと、を備え、
    上記ガイドシューは、上記ステップに取り付けられている乗客コンベア。
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