JPWO2020162234A1 - ブレードの取付具及びブレードの支持構造 - Google Patents

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Abstract

取付具10において、被当接面2に対して押し付けられることで、この被当接面2に拡がる液体又は固体を拭き取り、又は掻き取る弾性部材よりなる一方向に長いブレード3を被当接面2に対して所定の押圧力で押し付けるように支持するワイパーアームに支持される第1支持部材11と、第1支持部材11に対して板バネ14を介して支持され、ブレード3の基端側が取り付けられる第2支持部材13とを設ける。板バネ14を、ブレード3が被当接面2に押し付けられて相対的に摺動するときに、第2支持部材13を第1支持部材11に対して移動させる摩擦力に対して反力を加えるように取り付ける。

Description

本発明は、被当接面に対して押し付けられることで、被当接面に拡がる液体を拭き取る又は固体を掻き取る弾性体よりなる一方向に長いブレードの取付具及びブレードの支持構造に関する。
この種のブレードは、このブレードを被当接面に対して所定の押圧力で押し付けるように支持する押圧支持部に取り付けられる。被当接面及びブレードの少なくとも一方が移動することにより、ブレードが被当接面上を相対的に移動し、被当接面上に拡がる液体が拭き取られる。ブレードとして代表的なものには、例えば、車両のガラスを払拭するためのワイパーブレードがある。
例えば特許文献1のように、車両の払拭面を払拭するブレードラバーと、バネ板部材と、これとワイパーアームとを連結する取付手段とを備え、ワイパーアームの揺動により払拭面上を往復移動されるワイパーブレードが知られている。この取付手段は、揺動機構と連結機構とを有し、揺動機構は、揺動軸を保持しつつバネ板部材に取り付けられた揺動基部と、揺動軸を介して揺動基部に取り付けられた揺動部とを有し、連結機構は、連結軸が設けられた揺動部と一体的に揺動可能な連結基部と、連結軸を介して連結基部に取り付けられワイパーアームが着脱可能に連結される連結本体部とを有する。このワイパーブレードでは、払拭性能の低減を招くことなく往復路の折り返しの際にブレードラバーを円滑に反転させることができるようにしている。
また、例えば、特許文献2のような、メインフレームと弾性押さえブレードからなる摩擦抵抗騒音消去装置を備えた自動車の窓ガラス用ワイパーが知られている。この窓ガラス用ワイパーでは、メインフレームにおいて、中央に枢着壁が設けられ、枢着壁の中央に、係止棒を有する可動座が設けられ、この可動座の両側壁において、係止棒を中心にしてその両側の位置に、それぞれ横方向に、2個の楕円状の作動孔が形成され、それらに対応した固定ピンが、枢着されるように、枢着壁の両側壁に貫設され、可動座が、固定ピンにより、横方向作動孔を利用して、弾性的に移動でき、また、可動座と枢着壁との間において、空間が形成されて、可動座を側方向へ付勢する弾圧体が両辺に枢着され、可動座が、枢着壁との間において、両段式に分離されて組み立てられ、係止棒とワイパーアームの連結器とが結合され、可動座の両辺に設けてある弾圧体が、付勢弾圧されることと、可動座自身が、側壁に形成された横方向作動孔の偏心に沿って移動することにより、ワイパーの揺動摩擦抵抗が、適当に角度を変化させること及び弾圧により各方向からの抵抗及び摩擦力を吸収することにより、騒音消去効果が得られるようにしている。
特開2008−238868号公報 特開2014−162406号公報
しかしながら、特許文献1のワイパーブレードでは、単に往復路の折り返しの際にブレードラバーを円滑に反転させることはできるが、拭き取り中は、ブレードラバーの角度は係合壁面で規制されて一定であり、ガラス面の状態悪化等によるビビリ音の発生は十分に防止できない。
また、特許文献2のものでは、ブレードの長手方向中央(ヨー軸)を中心とする揺動を抑えるように付勢部材によって付勢するようにしているが、ブレードは通常長尺なため、ヨー軸にはヨー軸を中心とする大きな回転モーメントが加わるので、制振機能を発揮させようとすると、バネ定数が大きくなる。このため、付勢部材が固くなりすぎて液体が存在するウエット時の弱い摩擦力発生時における制振機能が十分に発揮できないという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音の発生を防ぎ、安定したブレードの制振効果を発揮させることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、板バネを介してアームにブレードを支持させた。
具体的には、第1の発明では、被当接面に対して押し付けられることで、該被当接面に拡がる液体又は固体を拭き取り、又は掻き取る弾性部材よりなる一方向に長いブレードを上記被当接面に対して所定の押圧力で押し付けるように支持する押圧支持部に支持される第1支持部材と、
上記第1支持部材に対して板バネを介して支持され、上記ブレードの基端側が取り付けられる第2支持部材とを備え、
上記板バネは、上記ブレードが上記被当接面に押し付けられて相対的に摺動するときに、上記第2支持部材を上記第1支持部材に対して移動させる摩擦力に対して反力を加えるように取り付けられている。
すなわち、ブレードが被当接面上の液体を拭き取るときに、例えば、被当接面の状態がブレードの長手方向の一部で均一でない場合などに、ブレードと被当接面との間に液体がなくなって固体同士が接触する場合がある。しかし、上記の構成によると、固体同士が接触したことによる摩擦力の増加によってブレードが揺動したりねじれたりしして移動しようとした場合、適度に板バネが変形し、引っ掛かりが緩和されてブレードの音及び振動の発生が抑制される。そして、再び摩擦力が低下すると、板バネがブレードに加わる摩擦力に対して反力を加えるので、ブレードが傾きすぎたりすることによる液体の拭き取り効果の低減が避けられる。また、被当接面上の固体を掻き取るような場合でも、同様にブレードの振動が抑制され、音の発生が防止される。
第2の発明では、第1の発明において、
上記板バネの板厚は、0.2mm以上0.8mm以下である。
すなわち、0.8mmよりも厚くすると、剛性が高くなりすぎて振動抑制効果が発揮できず、0.2mmよりも薄くすると摩擦力に耐えられず塑性変形してしまうが、上記の構成によると、適切な厚さであるので、効果的にブレードの振動が抑制され、音の発生が防止される。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記ブレードは、一方向に長いワイパーブレードであり、
上記押圧支持部は、上記ワイパーブレードの長手方向中央部で該ワイパーブレードを押さえ付けるワイパーアームである。
上記の構成によると、被当接面であるガラス面等の状態がワイパーブレードの長手方向において不均一でワイパーブレードの振動やビビリ音が発生しやすい状態であったとしても、ワイパーブレードが拭き取り効果を保ったまま適度に移動してビビリ音又は振動の発生が効果的に抑制される。
第4の発明のブレードの支持構造では、第1から第3のいずれか1つの発明のブレード取付具と、
上記ブレードと、
上記押圧支持部とを備えている。
上記の構成によると、安定したブレードの制振効果を発揮させることができるブレードの支持構造が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、ブレードが被当接面に押し付けられて相対的に摺動するときに、第2支持部材を第1支持部材に対して移動させる摩擦力に対して反力を加える板バネを設けたことにより、適度に引っ掛かりを逃がして音の発生を防ぎ、安定したブレードの制振効果を発揮させることができる。
本発明の実施形態に係るブレードの取付具及びその周辺の概略を示す断面図である。 ブレードの取付具及びその周辺を示す斜視図である。 効果検証実験用実験装置の概略を示す平面図である。 効果検証実験における実施例と比較例の音圧及び振動速度を比較する表である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
−ブレードの支持構造−
図1及び図2は本発明の実施形態のブレードの取付具10を有する支持構造1を示し、この支持構造1は、ウインドガラスなどの被当接面2に対して押し付けられることで、被当接面2に拡がる雨水などの液体Wを拭き取る弾性体よりなる一方向に長いブレード3を備えている。被当接面2は、ほぼ平坦なガラスの表面でもよいし、若干湾曲したガラスの表面でもよい。ブレード3は、例えば図1等に示されるように、先端部が先細になったワイパーラバーで構成されている。なお、このブレード3は、ワイパーラバーの長手方向に延びる、補強等のための板バネを含んでいてもよい。
ブレード3は、押圧支持部としてのワイパーアーム4によって被当接面2に対して取付具10を介して所定の押圧力Nで押し付けるように支持されている。本実施形態のブレード3は、その長手方向中央に設けられたヨー軸5(Y軸)を中心に回動可能とはなっていない。なお、構造はその分だけ複雑にはなるがブレード3をヨー軸5を中心に回動可能に構成してもよい。詳しくは図示しないが、ワイパーアーム4は、付勢バネ等によってヨー軸5の延びる方向にブレード3を所定の押圧力Nで押し付けるように構成されている。
具体的には図1に拡大して断面を示すように、取付具10は、ワイパーアーム4の先端のヨー軸5に支持される第1支持部材11と、この第1支持部材11に対してブレード3の長手方向に延びる板バネ14を介して支持され、ブレード3の基端側が取り付けられる第2支持部材13とを備えている。また、第2支持部材13は、ブレード3を支持する長尺板状の下部13aがブレード3の延びる方向にブレード3と共に延びている。この下部13aは、図1のようにブレード3の上側全体を覆う必要はなく、取付具10の下側周辺のみを覆っていてもよい。
板バネ14は、例えば、ブレード3の長手方向に沿って延びる長細い矩形板状であり、上下端部が、それぞれ第1支持部材11及び第2支持部材13に取り付けられ、ほぼ垂直となっている。こうすれば、簡易な構成で板バネ14を用いて第1支持部材11と第2支持部材13が連結され、ブレード3に対して適度な反力が加えられる。なお、板バネ14の固定構造や第1支持部材11及び第2支持部材13の形状は、図示したような矩形板状に限定されない。
この板バネ14の板厚は、例えば0.2mm以上でかつ1.5mmよりも小さい(好ましくは0.8mm以下)。0.2mmよりも薄いと負荷のかかり方によっては曲がってしまう可能性がある。一方、板バネ14の板厚を厚くしすぎると、板バネ14の振動抑制効果が発揮されず、剛支持とあまり変わらなくなる。
−効果検証−
次いで、図3に例示する台上試験機であるブレード/ディスク型試験機100で行った効果検証について説明する。この試験機100は、長さ150mmのブレード3(グラファイトワイパー替えゴム)とガラスディスク101(直径820mm、厚さ8mm)の線接触を利用しており、ブレード3の長手方向中心(ヨー軸5)はディスク101の中心から300mmに位置し、ブレード3の長手方向とディスク101の半径方向が一致するように配置した。ブレード3は上記実施形態と同様の取付具10に固定され、取付具10上面の中央に垂直荷重を加え、モータによりディスク101を回転する構造とした。
上記ディスク101の表面に適量の精製水を噴霧して供給し、ブレード3に垂直荷重(2.4N)をかけて静置した後、上記ディスク101を一定の速度(5rpm)で回転させ、ブレード3の異音(騒音計102で計測)と振動速度(レーザドップラ振動計102)を同時に測定した。
上記実施形態の板バネ14を有する取付具10を用いた実験結果は、図4の実施例1〜4に示されている。実施例1〜4では、板バネ14の板厚を0.8mmから0.2mmに徐々に薄くしている。板バネ14を有さない比較例1の測定結果も示されている。また、実施例5では、上記実施形態のように板バネ14を垂直に立てるのではなく、垂直に対して30°傾けて連結したもので構成し、同様に測定した。
測定の結果、制振性能を有する上記実施形態の取付具10を用いた実施例1〜5の最大音圧が63.7〜69.4dBと小さかったのに対し、板バネ14を有さない比較例1の最大音圧は74.8dBと大きくなった。この差は、振動速度で比較すると、さらに顕著になることがわかった。実施例1〜5では、振動速度が6.3〜87.1mm/secと低かったのに比べ、比較例1では、166mm/secと高くなった。比較例1では、板バネ14を設けない剛支持であるため、振動が発生して騒音が発生した。このように、適切な板厚の板バネ14を用いた本実施形態の取付具10を用いることにより、振動がほぼ抑えられて音圧を4.8dB以上抑制し、振動速度を60mm/sec以上低減できることがわかった。
板バネ14を30°だけ傾斜させた実施例5では、特に振動速度の低減に効果があった。実験結果は載せていないが、板バネ14を水平(90°)にした場合、逆に振動が大きくなって振動が増大することもわかった。傾斜角度としては0°以上30°以下が好適であることがわかっている。
次いで、本発明の実施形態に係るブレードの取付具10の作用について説明する。まず、図示しない運転席の操作部を操作してワイパーアーム4を作動させる。すると、図1に示すように、ワイパーアーム4の回動動作に合わせてブレード3が被当接面2の表面の液体Wを拭き取る。このとき、被当接面2の状態がブレード3の長手方向の一部で均一でない場合、ブレード3と被当接面2との間に液体Wがなくなって固体同士が接触する場合がある。
しかし、本実施形態では、固体同士が接触したことによる摩擦力の増加によってブレード3が適度に傾くことにより、引っ掛かりが緩和されてブレード3の振動が抑制される。再び摩擦力が低下すると、板バネ14がブレード3を押し戻すので、ブレード3が傾きすぎることによる液体Wの拭き取り効果の低減が避けられる。
また、ブレード3の振動やビビリ音がブレード3と被当接面2との固体同士の接触によるものである場合には、液体Wの膜が適度に保たれた状態で摺動するように板バネ14のバネ定数kが決定される。すなわち、バネ定数kが大きすぎると固すぎて、ブレード3がうまく揺動して逃げることがなく、固体同士の接触による振動やビビリ音が発生する。一方で、バネ定数kが小さすぎると、ブレード3が安定せず、また、傾きすぎて液体Wの拭き取り効果が低減する。これらを考慮して適切なバネ定数kが決定される。
したがって、本実施形態に係るブレードの取付具10によると、ブレード3が被当接面2に押し付けられて相対的に摺動するときに、第2支持部材13を第1支持部材11に対して移動させる摩擦力に対して反力を加える板バネ14を設けたことにより、適度に引っ掛かりを逃がして音の発生を防ぎ、安定したブレード3の制振効果を発揮させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、板バネ14は、ブレード3に対して垂直に取り付けられているが、上記実施例5のようにブレード3に対して傾斜するように取り付けてもよい。このような場合には、板バネ14の反力が行きと帰りで違いがあるので、被当接面2上の固体を掻き取るような製品に適している。例えば、被当接面を構成するシート状材料としての紙をコート液によってコーティングするためのコーターに適用可能である。この場合、一方向にのみブレード3が傾くので適応しやすく、ブレード3の振動が抑制され、音の発生が防止される。
上記実施形態において、板バネ14は、長細い矩形板状としているがこれに限定されず、例えば、長手方向中間部がくびれて細くなったような形状でもよい。
さらに、上記実施形態では、ヨー軸5の中心と、ワイパーアーム4の長手方向中心とを一致させるように設けたが、これらをオフセットさせてもよい。そうすると、板バネ14の付勢力をより効果的に発揮させることができる。
板バネ14については、反力を生じさせることができればよいので、上記実施形態のように1枚の構成に限定されず、複数枚並べてもよい。また、角度をつけたり、オフセットしたりする場合と類似の手段として、上下で分割、さらに上下でバネ定数(板厚、幅、素材)を変えて連結してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 支持構造
2 被当接面
3 ブレード
4 ワイパーアーム(押圧支持部)
5 ヨー軸
10 取付具
11 第1支持部材
13 第2支持部材
13a 下部
14 板バネ
100 試験機
101 ディスク
102 騒音計/レーザドップラ振動計

Claims (4)

  1. 被当接面に対して押し付けられることで、該被当接面に拡がる液体又は固体を拭き取り、又は掻き取る弾性部材よりなる一方向に長いブレードを上記被当接面に対して所定の押圧力で押し付けるように支持する押圧支持部に支持される第1支持部材と、
    上記第1支持部材に対して板バネを介して支持され、上記ブレードの基端側が取り付けられる第2支持部材とを備え、
    上記板バネは、上記ブレードが上記被当接面に押し付けられて相対的に摺動するときに、上記第2支持部材を上記第1支持部材に対して移動させる摩擦力に対して反力を加えるように取り付けられている
    ことを特徴とするブレードの取付具。
  2. 請求項1に記載のブレードの取付具において、
    上記板バネの板厚は、0.2mm以上0.8mm以下である
    ことを特徴とするブレードの取付具。
  3. 請求項1又は2に記載のブレードの取付具において、
    上記ブレードは、一方向に長いワイパーブレードであり、
    上記押圧支持部は、上記ワイパーブレードの長手方向中央部で該ワイパーブレードを押さえ付けるワイパーアームである。
    ことを特徴とするブレードの取付具。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のブレードの取付具と、
    上記ブレードと、
    上記押圧支持部とを備えている
    ことを特徴とするブレードの支持構造。
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