以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、組電池100は、複数の鉛蓄電池1を備えている。組電池100は、例えば、電気エネルギーで駆動されるバッテリーフォークリフト等の車両に搭載される。組電池100には、車両に接続される電源ケーブル(図示省略)が設けられている。
組電池100では、複数の鉛蓄電池1がコネクティングワイヤ102によって電気的に直列に接続されている。コネクティングワイヤ102は、一の鉛蓄電池1と他の鉛蓄電池1とを電気的に接続する接続部材である。図2に示されるように、コネクティングワイヤ102は、導電性を有する接続部104と、接続部104を被覆する被覆部106と、を有している。接続部104には、後述するボルト108を挿通させる孔104aが設けられている。被覆部106は、絶縁性を有する樹脂で形成されている。被覆部106には、ボルト108を収容する空間を形成する開口部106aが設けられている。
コネクティングワイヤ102は、鉛蓄電池1に固定されている。具体的には、コネクティングワイヤ102は、鉛蓄電池1の正極端子10(負極端子12)上に配置され、ボルト108によって正極端子10に対して固定されている。ボルト108は、正極端子10(負極端子12)の上部に設けられたボルト孔10h(12h)に螺入されている。
鉛蓄電池1は、例えば、クラッド式電極を備えるクラッド式鉛蓄電池である。図4に示されるように、鉛蓄電池1は、正極3と、負極5と、セパレータ7と、を備えている。正極3と、負極5と、セパレータ7は、ケース9に収容されている。鉛蓄電池1では、ケース9内には、電解液Eが収容されている。
図4に示されるように、正極3は、例えば、互いに並設された複数の管状電極(棒状電極)6から構成される管状電極群8で構成されるクラッド式正極板である。各管状電極6は、クラッドチューブ(「ガントレット」とも呼ばれる)6aと、クラッドチューブ6a内に挿入された芯金(集電体)6bと、クラッドチューブ6a及び芯金6bの間に充填された正極材6cと、を有している。クラッドチューブ6aは筒状であり、クラッドチューブ6aの長手方向に垂直な断面形状は、円形、楕円形、角丸四角形等であってよい。
負極5は、板状であり、例えばペースト式負極板である。負極5は、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有する。負極集電体としては、板状の集電体を用いることができる。負極集電体、及び、正極の芯金の組成は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
セパレータ7の一方面は、正極3に接しており、セパレータ7の他方面は、負極5に接している。正極3及び負極5のそれぞれは、セパレータ7に挟まれている。正極3及び負極5のそれぞれは、二つのセパレータによって挟まれていてもよく、折り畳まれた一つのセパレータによって挟まれていてもよい。セパレータ7,7間における正極3の周囲の空間には、電解液Eが充填されている。
セパレータ7の材料としては、正極3と負極5との電気的な接続を阻止し、電解液Eを透過させるものであれば特に限定されない。セパレータ7の材料としては、微多孔性ポリエチレン;ガラス繊維及び合成樹脂の混合物等が挙げられる。
図5に示されるように、各正極3のそれぞれは、正極端子(電極端子)10と電気的に接続されている。正極端子10は、円柱状を呈している。正極端子10のその一部(上端部)がケース9から露出している。正極端子10は、本体部10aと、連結部10bと、を有している。本体部10aと連結部10bとは、一体に形成されている。本体部10aは、鉛で形成されている。連結部10bには、ボルト孔10hが形成されている。連結部10bは、本体部10aの延在方向の端部に埋設されている。連結部10bは、黄銅で形成されている。各正極3と正極端子10(本体部10a)とは、正極ストラップ14によって電気的に接続されている。
図6に示されるように、各負極5のそれぞれは、負極端子(電極端子)12と電気的に接続されている。負極端子12は、円柱状を呈している。負極端子12のその一部(上端部)がケース9から露出している。負極端子12は、本体部12aと、連結部12bと、を有している。本体部12aと連結部12bとは、一体に形成されている。本体部12aは、鉛で形成されている。連結部12bには、ボルト孔12hが形成されている。連結部12bは、本体部12aの延在方向の端部に埋設されている。連結部12bは、黄銅で形成されている。各負極5と負極端子12(本体部12a)とは、負極ストラップ16によって電気的に接続されている。
図3に示されるように、ケース9は、本体20と、蓋22と、を有している。ケース9は、例えば、ポリプロピレン等の材料で形成されている。本体20は、箱状を呈している電槽である。本体20は、正極3、負極5、セパレータ7及び電解液Eを収容する。
蓋22は、本体20の開口部を覆う。蓋22は、正極端子10が配置される第1端子部(配置部)25と、負極端子12が配置される第2端子部(配置部)26と、補水栓27と、を有している。第1端子部25と第2端子部26とは、補水栓27を間に挟む位置に対向して配置されている。
図5に示されるように、第1端子部25は、側部25aと、底部25bと、を有している。側部25aは、蓋22を上から見て、円形状を呈している。側部25aは、正極端子10及びブッシュ30を収容する空間を形成している。側部25aは、ケース9の高さ方向に沿って延在している。側部25aの上端部は、蓋22の一方の主面22aよりも突出している。側部25aの下端部は、蓋22の他方の主面22bよりも突出している。底部25bは、側部25aの下端部に設けられており、側部25aから内側に張り出している。底部25bは、環状を呈している。底部25bは、正極端子10を挿通させる開口を形成している。
図6に示されるように、第2端子部26は、側部26aと、底部26bと、を有している。側部26aは、蓋22を上から見て、円形状を呈している。側部26aは、負極端子12及びブッシュ30を収容する空間を形成している。側部26aは、ケース9の高さ方向に沿って延在している。側部26aの上端部は、蓋22の一方の主面22aよりも突出している。側部26aの下端部は、蓋22の他方の主面22bよりも突出している。底部26bは、側部26aの下端部に設けられており、側部26aから内側に張り出している。底部26bは、環状を呈している。底部26bは、負極端子12を挿通させる開口を形成している。
図5及び図6に示されるように、本体20内には、電解液Eが収容されている。電解液Eの液面Esは、少なくとも正極端子10及び負極端子12と接触する高さに位置している。すなわち、電解液Eは、正極端子10及び負極端子12に接触するように充填されている。電解液Eは、補水栓27から供給され得る。
鉛蓄電池1は、ブッシュ30を備えている。図5に示されるように、ブッシュ30は、蓋22の第1端子部25と正極端子10との間に配置されている。また、図6に示されるように、ブッシュ30は、蓋22の第2端子部26と負極端子12との間に配置されている。
図7(a)及び図7(b)に示されるように、ブッシュ30は、本体部32と、フランジ部(鍔部)34と、突出部35と、を有している。本体部32、フランジ部34及び突出部35は、一体に形成されている。
ブッシュ30は、耐熱性、絶縁性、弾性、及び柔軟性に優れる材料から形成されることが好ましい。例えば、ブッシュ30は、100℃以上で融解しないような耐熱性を有することが好ましい。ブッシュ30は、表面抵抗が1000MΩ以上の絶縁性を有することが好ましい。ブッシュ30を形成する好ましい材料の例には、HNBR(水素化ニトリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、VMQ(シリコンゴム)、ACM(アクリルゴム)、CO(エピクロロヒドリンゴム)等が含まれる。ブッシュ30は、例えば、スカイプレン(登録商標)B−10(東ソー株式会社製)で形成されることが好ましい。
図7(b)に示されるように、本体部32は、一方向に延在していると共に、円筒状を呈している。本体部32には、中空部32aが設けられている。中空部32aは、内周面32iによって画成されている。中空部32aは、本体部32の延在方向から見て、円形状を呈している。中空部32aの直径(本体部32の内径)は、正極端子10及び負極端子12の直径以下であることが好ましい。本体部32の幅(本体部32の径方向の寸法)は、延在方向の一端部から他端部にわたって同等である。本体部32の幅(外径)は、例えば、30mm〜40mmである。
本体部32は、リブ(張出部)36と、凹部38と、を有している。リブ36は、本体部32の外周面32oの周方向に沿って形成され、外周面32oから径方向に沿って外側に突出する。リブ36は、環状を呈している。リブ36は、本体部32の延在方向において複数(本実施形態では2個)配置されている。リブ36の個数は、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。リブ36の幅(本体部32の延在方向の長さ)は、例えば、0.5mm〜2.0mmである。リブ36の突出量は、例えば、0.5mm〜2.0mmである。
凹部38は、本体部32の延在方向においてリブ36と隣接する位置に配置されている。本実施形態では、凹部38は、本体部32の延在方向において、リブ36を挟む位置に一対設けられている。凹部38は、本体部32の外周面32oの周方向に沿って形成され、外周面32oから径方向に沿って内側に窪んでいる。凹部38の幅は、0.5mm〜2.0mmである。凹部38の深さは、例えば、0.5mm〜2.0mmである。
本体部32の延在方向の他端部(先端部)には、テーパー部39が設けられている。テーパー部39は、本体部32の延在方向の他端部において、外周面32oから他端部側に向かって先細りになっている。
フランジ部34は、本体部32の延在方向の一端部に設けられている。フランジ部34は、本体部32の径方向において本体部32の外周面32oよりも外側に張り出している。フランジ部34は、一方の主面34aと、他方の主面34bと、を有している。一方の主面34aは、ブッシュ30の上面を構成している。一方の主面34aは、本体部32の一端部の端面32bと面一である。他方の主面34bは、本体部32の外周面32oと所定の角度(略90°)を成しており、外周面32oに連続する面である。図7(a)に示されるように、フランジ部34の外形は、本体部32の延在方向から見て、円形状を呈している。フランジ部34の幅(一対の主面34a,34bの間の寸法)は、例えば、2.5mm〜4.5mmである。フランジ部34の外径は、例えば、35mm〜45mmである。
突出部35は、本体部32の延在方向の一端部に設けられている。突出部35は、本体部32の一端部の端面32bから突出する。突出部35は、本体部32の延在方向から見て環状を呈している。突出部35の内周面35iは、本体部32の内周面32iと面一である。突出部35の突出量(本体部32の端面32bからの高さ)は、設計に応じて適宜設定される。図5に示されるように、突出部35は、正極端子10(負極端子12)の本体部10a(12a)の上端面よりも上方に突出するように設定されている。突出部35の外径は、本体部32の外径、及び、フランジ部34の外径よりも小さい。突出部35は、側面視において、本体部32に接続されている基端側から先端側に向かって先細りとなるテーパー形状を呈している。
上記構成を有するブッシュ30の鉛蓄電池1への取り付け方法について説明する。以下では、図5を参照して、正極端子10と第1端子部25との間にブッシュ30を取り付ける方法を一例に説明する。
ブッシュ30を取り付ける場合には、ブッシュ30の本体部32の中空部32aに正極端子10を挿入すると共に、第1端子部25と正極端子10との間に本体部32を挿入する。そして、第1端子部25とブッシュ30のフランジ部34とが当接するまで、ブッシュ30を押し込む。これにより、ブッシュ30の突出部35は、正極端子10を取り囲むように配置される。
ブッシュ30が押し込まれると、ブッシュ30の本体部32の下端部(テーパー部39)は、第1端子部25の底部25bに当接する。ブッシュ30の本体部32の外周面32o及びリブ36は、第1端子部25の側部25aと接触する。ブッシュ30のフランジ部34は、第1端子部25の側部25aの上端部の端面と対向して配置され、他方の主面34bが側部25aに接触する。以上により、ブッシュ30が取り付けられる。ブッシュ30は、第2端子部26に対しても同様に取り付けられる。
続いて、組電池100を組み立てる場合における、コネクティングワイヤ102の取り付け方法について、図2を参照して説明する。コネクティングワイヤ102を取り付ける場合には、正極端子10上にコネクティングワイヤ102を配置する。続いて、ボルト108をコネクティングワイヤ102の接続部104の孔104aに挿通させて、ボルト108を正極端子10のボルト孔10hに螺入する。ボルト108をボルト孔10hに螺合すると、コネクティングワイヤ102が正極端子10に対して固定される。
コネクティングワイヤ102が正極端子10に固定されると、接続部104が正極端子10と当接する。これにより、正極端子10とコネクティングワイヤ102の接続部104とが電気的に接続される。被覆部106は、正極端子10及びブッシュ30に当接する。具体的には、被覆部106の第1当接部107aにおける当接面107cは、正極端子10の本体部10aと密着する。これにより、第1当接部107aがシール部材として機能するため、接続部104と正極端子10との間に外部から液体が浸入することを抑制できる。
被覆部106の第2当接部107bは、ブッシュ30のフランジ部34の一方の主面34aに当接する。被覆部106の幅は、ブッシュ30の本体部32の幅と同等である。すなわち、被覆部106の第2当接部107bは、第1端子部25の側部25aと対向配置されない。この構成では、被覆部106がブッシュ30の本体部32を押下するため、ブッシュ30の本体部32と第1端子部25の底部25bとの密着性が向上する。また、第2当接部107bとフランジ部34とが密着するため、第2当接部107bがシール部材として機能する。そのため、第2当接部107bとブッシュ30のフランジ部34との間に外部から液体が浸入することを抑制できる。
第1当接部107aの当接面107cは、ブッシュ30の突出部35とも当接する。ブッシュ30の突出部35は、正極端子10の本体部10aの上端面よりも上方に突出している。そのため、突出部35は、その先端部が第1当接部107aによって押圧されると、第1当接部107aと密着する。これにより、突出部35がシール部材として機能するため、第1当接部107aと正極端子10との間に外部から液体が浸入することを抑制できる。
突出部35は、正極端子10と、被覆部106の第1当接部107aの当接面107cと、第2当接部107bとによって画成される空間に配置される。突出部35は、第1当接部107aの当接面107cによって押圧されることによって、正極端子10、第1当接部107aの当接面107c及び第2当接部107bに密着する。これにより、正極端子10と、被覆部106の第1当接部107aの当接面107cと、第2当接部107bとによって画成される空間の大部分が、突出部35で充填される。そのため、外部から正極端子10まで至る経路に隙間が形成されることを抑制できる。したがって、第1当接部107aと正極端子10との間に、外部から液体が浸入することを抑制できる。コネクティングワイヤ102は、負極端子12に対しても同様に取り付けられる。
以上説明したように、本実施形態に係るブッシュ30は、突出部35を備えている。突出部35は、本体部32において延在方向の一端部に設けられ、一端部の端面32bから突出すると共に、本体部32の延在方向から見て環状を呈している。これにより、突出部35は、正極端子10又は負極端子12の周囲を囲うように配置される。そのため、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102とを接続した場合、第1当接部107aと突出部35とが当接することにより、突出部35がシール部材として機能する。したがって、ブッシュ30は、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102の接続部104との接続部分に液体が浸入したり、正極端子10又は負極端子12とブッシュ30との間を伝ってケース9内に液体が浸入したりすることを抑制できる。その結果、ブッシュ30は、鉛蓄電池1及び組電池100の性能の低下を抑制できる。
本実施形態では、正極端子10の連結部10b、及び、負極端子12の連結部12bは、黄銅で形成されている。黄銅は、電解液Eに接触すると、腐食し易い。したがって、電解液Eが連結部10b又は連結部12bまで到達することを回避する必要がある。本実施形態に係るブッシュ30は、正極端子10又は負極端子12にコネクティングワイヤ102が接続された場合、突出部35が第1当接部107aによって押圧されて、シール部材として機能する。したがって、ブッシュ30は、正極端子10の連結部10b、及び、負極端子12の連結部12bの腐食を回避できる。その結果、ブッシュ30は、組電池100の性能の低下を抑制できる。
本実施形態に係るブッシュ30は、本体部32と突出部35とが一体に形成されている。例えば、突出部35に代えてOリング等のシール部材を別体で設ける場合、本体部32とOリングとの間には隙間が形成される。そのため、当該隙間から液体が浸入し得る。ブッシュ30では、本体部32と突出部35とを一体に形成しているため、本体部32と突出部35との間に隙間は形成されない。したがって、ブッシュ30は、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102の接続部104との接続部分に液体が浸入したり、正極端子10又は負極端子12とブッシュ30との間を伝ってケース9内に液体が浸入したりすることをより確実に抑制できる。
本実施形態に係るブッシュ30では、突出部35の内周面35iは、本体部32の内周面32iと面一である。この構成では、突出部35の内周面35iと正極端子10又は負極端子12とが密着する。そのため、本体部32と正極端子10又は負極端子12との間に、外部から液体が浸入することを抑制できる。したがって、ブッシュ30は、鉛蓄電池1及び組電池100の性能の低下を抑制できる。
本実施形態に係るブッシュ30は、本体部32において延在方向の一端部に設けられ、本体部32の外周面32oよりも外側に張り出す環状のフランジ部34を備えている。この構成では、フランジ部34がケース9と接触することにより、本体部32の外周面32oとケース9との間に液体が浸入することを防止できる。したがって、ブッシュ30は、本体部32の外周面32oとケース9との間を伝って、ケース9内に液体が浸入することを防止できる。その結果、ブッシュ30は、鉛蓄電池1の性能の低下を抑制できる。
本実施形態に係るブッシュ30では、本体部32は、当該本体部32の外周面32oの周方向に沿って形成され、外周面32oから外側に突出する環状のリブ36を有している。この構成では、リブ36がケース9と接触することにより、ブッシュ30とケース9との密着性をより一層確保できる。したがって、ブッシュ30は、ケース9とブッシュ30との間に液体が浸入することをより一層防止できる。
本実施形態に係るブッシュ30では、リブ36は、本体部32の延在方向において複数設けられている。この構成では、ブッシュ30とケース9との密着性をより一層確保できるため、ケース9とブッシュ30との間に液体が浸入することをより一層防止できる。
本実施形態に係るブッシュ30では、本体部32には、延在方向においてリブ36と隣接する位置において外周面32oの周方向に沿って形成され、外周面32oから内側に窪む凹部38が設けられている。この構成では、リブ36がケース9と接触して変形した場合に、リブ36が凹部38に入り込む。このように、ブッシュ30では、リブ36の変形を許容する凹部38を設けることにより、リブ36とケース9との間に隙間が形成されることを抑制できる。したがって、ブッシュ30は、ブッシュ30とケース9との密着性を確保できる。
本実施形態に係るブッシュ30では、凹部38は、延在方向においてリブ36を挟む位置に一対設けられている。この構成では、リブ36の変形の自由度が増す。したがって、ブッシュ30は、ブッシュ30とケース9との密着性をより一層確保できる。
本実施形態に係るブッシュ30では、本体部32は、延在方向の一端部から他端部に向かって先細りとなるテーパー状を呈している。この構成では、ブッシュ30のケース9に対する挿入性の向上が図れる。
本実施形態に係る鉛蓄電池1では、上記のブッシュ30は、正極端子10又は負極端子12が本体部32に内挿され、突出部35が、正極端子10又は負極端子12の上端面よりも突出している。これにより、鉛蓄電池1では、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102とを接続した場合、コネクティングワイヤ102と突出部35とが当接することにより、突出部35がシール部材として機能する。したがって、鉛蓄電池1は、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102との接続部分に液体が浸入したり、鉛蓄電池1内に液体が浸入したりすることを抑制できる。その結果、鉛蓄電池1は、性能の低下を抑制できる。
本実施形態に係る組電池100は、複数の鉛蓄電池1と、一の鉛蓄電池1と他の鉛蓄電池1とを電気的に接続するコネクティングワイヤ102と、を備えている。コネクティングワイヤ102は、正極端子10又は負極端子12に対してボルト108によって固定されている。この組電池100では、コネクティングワイヤ102が正極端子10又は負極端子12に対してボルト108によって固定されている。この構成においては、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102の接続部104との接続部分に電解液が浸入すると、電気的な接続性に影響を及ぼすおそれがある。そのため、コネクティングワイヤ102が正極端子10又は負極端子12に対してボルト108によって固定されている構成では、ブッシュ30を備える鉛蓄電池1を備えることが特に有効である。
本実施形態に係る組電池100では、コネクティングワイヤ102は、一の鉛蓄電池1の正極端子10又は負極端子12と他の鉛蓄電池1の正極端子10又は負極端子12とを電気的に接続する接続部104と、接続部104を被覆する被覆部106と、を有している。被覆部106は、ブッシュ30の突出部35の上端部に当接している。この構成では、被覆部106の第1当接部107aによって、突出部35が押圧される。そのため、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102とを接続した場合、突出部35がシール部材として機能する。したがって正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102との接続部分に液体が浸入したり、鉛蓄電池1内に液体が浸入したりすることを抑制できる。その結果、組電池100は、性能の低下を抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、鉛蓄電池1の正極3がクラッド式電極である形態を一例に説明した。しかし、正極3は、負極5と同様に、ペースト式電極であってもよい。
上記実施形態では、ブッシュ30がフランジ部34を備えている形態を一例に説明した。しかし、ブッシュ30は、フランジ部34を備えていなくてもよい。図8(a)及び図8(b)に示されるように、ブッシュ30Aは、本体部32と、突出部35と、を備えていればよい。
ブッシュ30Aは、突出部35を備えている。突出部35は、本体部32において延在方向の一端部に設けられ、一端部の端面32bから突出すると共に、本体部32の延在方向から見て環状を呈している。これにより、突出部35は、正極端子10(負極端子12)の周囲を囲うように配置される。そのため、正極端子10(負極端子12)とコネクティングワイヤ102とを接続した場合、第1当接部107aと突出部35とが当接することにより、突出部35がシール部材として機能する。したがって、ブッシュ30Aは、正極端子10又は負極端子12とコネクティングワイヤ102の接続部104との接続部分に液体が浸入したり、正極端子10又は負極端子12とブッシュ30Aとの間を伝ってケース9内に液体が浸入したりすることを抑制できる。その結果、ブッシュ30Aは、性能の低下を抑制できる。
上記実施形態では、ブッシュ30,30Aの本体部32の幅が、延在方向の一端部から他端部にわたって同等である形態を一例に説明した。しかし、本体部は、延在方向の一端部から他端部に向かって先細りとなるテーパー状を呈していてもよい。この構成では、ケース9の第1端子部25及び第2端子部26へのブッシュの挿入性の向上を図れる。
上記実施形態では、被覆部106の幅がブッシュ30の本体部32の幅と同等であり、被覆部106の第2当接部107bが第1端子部25の側部25aと対向配置されない形態を一例に説明した。しかし、被覆部106の第2当接部107bが、第1端子部25の側部25aと対向する位置に配置される構成であってもよい。この構成では、第2当接部107bと第1端子部25とによりフランジ部34を挟持するため、第1端子部25とフランジ部34との密着性の向上が図れる。
上記実施形態では、ブッシュ30,30Aの本体部32に凹部38が設けられている形態を一例に説明した。しかし、本体部32には、凹部38は設けられていなくてもよい。
上記実施形態では、ブッシュ30,30Aの本体部32にリブ36及び凹部38が設けられている形態を一例に説明した。しかし、リブ36及び凹部38は設けられていなくてもよい。
上記実施形態では、ブッシュ30,30Aの本体部32においてリブ36及び凹部38が、本体部32の延在方向において所定の間隔をあけて複数配置されている形態を一例に説明した。しかし、リブ36及び凹部38は、1個設けられていてもよい。この構成では、リブ36及び凹部38は、本体部32の延在方向の中心よりも、本体部32の他端部(先端部)側に設けられていることが好ましい。