JPWO2020116035A1 - 距離情報取得装置、距離情報取得方法、およびプログラム - Google Patents

距離情報取得装置、距離情報取得方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020116035A1
JPWO2020116035A1 JP2020559769A JP2020559769A JPWO2020116035A1 JP WO2020116035 A1 JPWO2020116035 A1 JP WO2020116035A1 JP 2020559769 A JP2020559769 A JP 2020559769A JP 2020559769 A JP2020559769 A JP 2020559769A JP WO2020116035 A1 JPWO2020116035 A1 JP WO2020116035A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
distance
light receiving
reflected
scene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020559769A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020116035A5 (ja
Inventor
加藤 弓子
佐藤 智
安寿 稲田
好秀 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2020116035A1 publication Critical patent/JPWO2020116035A1/ja
Publication of JPWO2020116035A5 publication Critical patent/JPWO2020116035A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S17/00Systems using the reflection or reradiation of electromagnetic waves other than radio waves, e.g. lidar systems
    • G01S17/02Systems using the reflection of electromagnetic waves other than radio waves
    • G01S17/06Systems determining position data of a target
    • G01S17/08Systems determining position data of a target for measuring distance only
    • G01S17/10Systems determining position data of a target for measuring distance only using transmission of interrupted, pulse-modulated waves
    • G01S17/18Systems determining position data of a target for measuring distance only using transmission of interrupted, pulse-modulated waves wherein range gates are used
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S17/00Systems using the reflection or reradiation of electromagnetic waves other than radio waves, e.g. lidar systems
    • G01S17/88Lidar systems specially adapted for specific applications
    • G01S17/89Lidar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/48Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S17/00
    • G01S7/481Constructional features, e.g. arrangements of optical elements
    • G01S7/4814Constructional features, e.g. arrangements of optical elements of transmitters alone
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/48Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S17/00
    • G01S7/491Details of non-pulse systems
    • G01S7/4912Receivers
    • G01S7/4917Receivers superposing optical signals in a photodetector, e.g. optical heterodyne detection
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/48Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S17/00
    • G01S7/491Details of non-pulse systems
    • G01S7/4912Receivers
    • G01S7/4918Controlling received signal intensity, gain or exposure of sensor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

距離情報取得装置は、光源と、受光装置と、制御回路と、信号処理回路とを備える。前記制御回路は、前記光源に、第1の空間分布を有する第1の光をシーンに向けて出射させ、その後、第2の空間分布を有する第2の光を前記シーンに向けて出射させ、前記受光装置の複数の受光素子の少なくとも一部に、前記第1の光によって生じた前記シーンからの第1の反射光、および前記第2の光によって生じた前記シーンからの第2の反射光を、同一の露光期間内に検出させる。前記信号処理回路は、前記受光装置の前記複数の受光素子から出力された受光データに基づいて距離データを生成する。

Description

本開示は、距離情報取得装置、距離情報取得方法、およびプログラムに関する。
従来、光で空間をスキャンできる種々のデバイスが提案されている。
特許文献1は、2次元的に配列された複数のナノフォトニックアンテナ素子を有する光フェーズドアレイを開示している。それぞれのアンテナ素子は位相シフタに光学的に結合される。この光フェーズドアレイでは、コヒーレント光ビームが導波路によってそれぞれのアンテナ素子に誘導され、位相シフタによって光ビームの位相がシフトされる。これにより、遠視野放射パターンの振幅分布を変化させることができることが開示されている。
特許文献2は、内部を光が導波する光導波層、および光導波層の上面および下面に形成された第1分布ブラッグ反射鏡を備える導波路と、導波路内に光を入射させるための光入射口と、光入射口から入射して導波路内を導波する光を出射させるために導波路の表面に形成された光出射口とを備える光偏向素子を開示している。
特許文献3から5は、空間的にランダムに変調された光を出射し、反射光を受光することで得られた信号に解析的な信号処理を施すことによって距離画像を生成する装置を開示している。
特許文献6は、シーンを複数の領域に分割し、領域ごとに異なるビームの密度、すなわち、2次元空間中に放射されるビームの頻度が異なる光を出射するスキャン方法を開示している。
特許文献7は、スローライト導波路と呼ばれる光導波路を利用して、任意の方向に光を出射することのできる発光デバイスを開示している。
特表2016−508235号公報 特開2013−16591号公報 特開2016−099346号公報 米国特許出願公開2013/0088726号 米国特許出願公開2015/0378011号 特開2013−156138号公報 米国特許出願公開2018/224709号
本開示は、比較的低いエネルギーで、対象シーンの距離情報を生成するための新規な技術を提供する。
本開示の一態様に係る距離情報取得装置は、光源と、複数の受光素子を備える受光装置と、前記光源および前記受光装置を制御する制御回路と、信号処理回路とを備える。前記制御回路は、前記光源に、第1の空間分布を有する第1の光をシーンに向けて出射させ、その後、第2の空間分布を有する第2の光を前記シーンに向けて出射させる。前記制御回路は、さらに、前記受光装置の前記複数の受光素子の少なくとも一部に、前記第1の光によって生じた前記シーンからの第1の反射光、および前記第2の光によって生じた前記シーンからの第2の反射光を、同一の露光期間内に検出させる。前記信号処理回路は、前記受光装置の前記複数の受光素子から出力された受光データに基づいて、前記第1の反射光および前記第2の反射光に由来する距離データを生成して出力する。
本開示の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc‐Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含み得る。装置は、1つ以上の装置で構成されてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
本開示の一態様によれば、比較的低いエネルギーで、対象シーンの距離情報を取得することができる。
本開示の一態様の付加的な恩恵及び有利な点は本明細書及び図面から明らかとなる。この恩恵及び/又は有利な点は、本明細書及び図面に開示した様々な態様及び特徴により個別に提供され得るものであり、この恩恵及び/又は有利な点の1つ以上を得るために態様および特徴の全てが必要ではない。
図1は、実施形態1に係る距離情報取得装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、距離情報取得装置の利用シーンの一例を模式的に示す図である。 図3は、実施形態1に係る距離情報取得装置の構成の一例を示すブロック図である。 図4Aは、遠距離ビーム情報の一例を示す図である。 図4Bは、近距離ビーム情報の一例を示す図である。 図5は、複数の遠距離用ビームと複数の近距離用ビームとが投光される様子を模式的に示す図である。 図6Aは、間接ToF方式における投光および露光のタイミングの例を示す図である。 図6Bは、間接ToF方式における投光および露光のタイミングの他の例を示す図である。 図7は、発光デバイスの一例を模式的に示す斜視図である。 図8は、光導波路素子の断面の構造および伝搬する光の例を模式的に示す図である。 図9Aは、光導波路アレイの出射面に垂直な方向に光が出射されている様子を示す模式図である。 図9Bは、光導波路アレイの出射面に垂直な方向とは異なる方向に光が出射されている様子を示す模式図である。 図10は、3次元空間における光導波路アレイを模式的に示す斜視図である。 図11は、光導波路アレイおよび位相シフタアレイの一例を示す図である。 図12は、光源の一例を示す図である。 図13は、光源の他の例を示す図である。 図14は、光源のさらに他の例を示す図である。 図15は、実施形態1に係る距離情報取得装置の動作の概要を示すフローチャートである。 図16は、実施形態1における各光ビームの投光および露光のタイミングの例を示す模式図である。 図17は、実施形態1における各光ビームの投光および露光のタイミングの他の例を示す模式図である。 図18は、電荷計測動作の例を示すフローチャートである。 図19は、実施形態1の変形例における各光ビームの投光および露光のタイミングの例を示す模式図である。 図20Aは、実施形態1の変形例における第1の光ビーム情報の一例を示す図である。 図20Bは、実施形態1の変形例における第2の光ビーム情報の一例を示す図である。 図21は、実施形態1の変形例における動作を説明するための図である。 図22は、実施形態2における距離情報取得装置の構成を示す図である。 図23は、実施形態2における距離情報取得装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図24は、実施形態2における各光ビームの投光および露光のタイミングの例を示す模式図である。 図25は、実施形態2における時間計測の動作を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一または類似の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化されることがある。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部、またはブロック図における機能ブロックの全部または一部は、例えば、半導体装置、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路によって実行され得る。LSIまたはICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、もしくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、またはLSI内部の接合関係の再構成またはLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部の機能または操作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは1つまたは複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウェアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システムまたは装置は、ソフトウェアが記録されている1つまたは複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、および必要とされるハードウェアデバイス、例えばインターフェースを備えていてもよい。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る距離情報取得装置の概略構成を示すブロック図である。距離情報取得装置は、光源100と、受光装置150と、制御回路300と、信号処理回路400とを備える。
光源100は、例えば同時に複数の光ビームを異なる方向に出射することが可能な構成を備え得る。受光装置150は、複数の受光素子を有する。複数の受光素子は複数の画素にそれぞれ対応する。本明細書において、受光素子を画素と呼ぶ場合もある。受光装置150は、指示された露光期間において各受光素子が受けた光の量に応じた受光データを出力する。受光装置150は、例えば、1次元的または2次元的に配列された複数の受光素子を有するイメージセンサであり得る。制御回路300は、光源100および受光装置150を制御する。信号処理回路400は、受光装置150から出力された受光データに基づいて、距離データを生成して出力する。
本実施形態における制御回路300は、概略的には、以下の動作を実行する。
(1)光源100に、第1の空間分布を有する第1の光をシーンに向けて出射させる。第1の光は、複数の第1の光ビームを含んでいてもよく、ひとつながりのパターンをもつ単一の光ビームであってもよい。
(2)光源100に、第2の空間分布を有する第2の光をシーンに向けて出射させる。第2の光は、複数の第2の光ビームを含んでいてもよく、ひとつながりのパターンをもつ単一の光ビームであってもよい。
第1の光の到達距離と第2の光の到達距離とが異なっていてもよい。例えば、第2の光は、第1の光に比して、光源から所定の距離の照射面における単位面積当たりのエネルギーが低いものとしてもよい。第1の光と第2の光との到達距離を異ならせる他の例として、第1の光の波長と第2の光の波長とが異なっていてもよい。例えば、第2の光の波長として、第1の光の波長よりも大気中での吸収率が高い波長を選択してもよい。後述するように、第1の光の到達距離と第2の光の到達距離とが同一であってもよい。
本実施形態において、第2の空間分布は、第1の空間分布とは異なる。本開示において、光ビームの「空間分布」は、その光ビームが到達し得る3次元(即ち、距離、方向および角度範囲)的な空間の範囲を意味する。第1の光と第2の光とが同一の方向および同一の角度範囲に出射される場合であっても、両者の到達可能な距離が異なる場合には、第1の空間分布と第2の空間分布とが異なるといえる。「2次元の空間分布」は、「空間分布」の3次元から光ビームが到達可能な距離の次元を除いた、光の方向および角度範囲を意味する。後述するように、第1の空間分布と第2の空間分布とが同一であってもよい。また、本開示において、「放射強度」とは、点状の放射源から「ある方向」へ時間あたりに放射される放射エネルギーを指し、放射される光の放射束を、放射源からみた立体角すなわち、光の広がる角度範囲の大きさで微分することで求められる。また、本開示において、「光の到達距離」とは、障害物が無いと仮定した場合に、光源の位置から、所定の光量子束密度(photpsynthetic photon flux density)以上の光が届き得る最も遠い位置までの距離をいう。
(3)受光装置150の複数の受光素子の少なくとも一部に、第1の光によって生じたシーンからの第1の反射光、および第2の光によって生じたシーンからの第2の反射光を、同一の露光期間において受光させる。
信号処理回路400は、受光装置150の複数の受光素子から出力された受光データに基づいて、第1の反射光および第2の反射光に由来する距離データを生成して出力する。本開示において、「距離データ」とは、計測点の基準点からの絶対的な距離、あるいは計測点間の相対的な距離を表した様々なデータを意味し、例えば、2次元画像データの各画素に対し、対応する計測点の距離情報を付した距離画像データであってもよい。また、各計測点の3次元座標を表す3次元点群データであってもよい。また、距離データは、直接的に距離を表すデータに限られず、測距のために取得されたセンサデータそのもの、すなわちRawデータであってもよい。Rawデータは、例えば受光装置150の各受光素子が検出した輝度データである。Rawデータは、距離を計算するために必要な付加データと併せて、距離データとして取り扱うことができる。付加データは、例えば、後述する間接TOFによる距離計算に必要な、各受光素子の露光タイミングおよび露光時間幅を示すデータである。
以上の構成によれば、第1の光および第2の光は、シーンの全体をカバーする必要がない。このため、出射光のエネルギーを低減することができる。さらに、相対的に近い距離範囲での測距と、相対的に遠い距離範囲での測距とを同時に行うことができる。近距離の測距と遠距離の測距とを別々に行う場合に比べて測距の時間を短縮することができる。
露光期間は、シーンにおける、受光装置から第1の距離だけ離れた位置で生じた第1の反射光の一部が受光装置に到達する時点を含まず、受光装置から第1の距離よりも長い第2の距離だけ離れた位置で生じた第1の反射光の他の一部が受光装置に到達する時点を含み、受光装置から第1の距離だけ離れた位置で生じた第2の反射光の一部が受光装置に到達する時点を含むように設定され得る。このような構成により、装置から相対的に近い第1の距離にある物体からの第1の反射光は検出されず、第1の距離にある物体からの第2の反射光は検出され、装置から相対的に遠い第2の距離にある物体からの第1の反射光は検出されるようにすることができる。これにより、近距離にある物体の測距と遠距離にある物体の測距とを同時に行うことができる。
図2は、本実施形態の利用シーンの一例を模式的に示す図である。この例では、受光装置150は、2次元画像を取得するイメージセンサ200によって実現されている。光源100は、複数の第1の光ビーム210を含む第1の光と、複数の第2の光ビーム220を含む第2の光とを、順に出射する。各第1の光ビーム210は、光源から所定の距離の照射面において、相対的に高い単位面積あたりのエネルギーを有し、遠方まで届く。これに対し、各第2の光ビーム220は、当該照射面において、相対的に低い単位面積あたりのエネルギーを有し、それほど遠方までは届かない。以下の説明において、第1の光ビーム210を「遠距離用ビーム」と称し、第2の光ビーム220を「近距離用ビーム」と称することがある。図2に示す例では、いずれの光ビームも、全体として同程度のエネルギーを有する。このため、各第2の光ビーム220の広がり角は、各第1の光ビーム210の広がり角よりも大きい。
図2では、4本の第1の光ビーム210と2本の第2の光ビーム220とが例示されているが、実際にはさらに多くの光ビーム210および220が出射され得る。
イメージセンサ200は、第1の光によって生じたシーンからの第1の反射光230と、第2の光によって生じたシーンからの第2の反射光240とを、同一の露光期間において受光する。信号処理回路400は、イメージセンサ200から出力された受光データに基づいて、第1の反射光および第2の反射光に由来する距離データを生成する。
複数の第1の光ビーム210の本数は、撮影対象のシーン全体をカバーする光ビームの本数よりも少ない。同様に、複数の第2の光ビーム220の本数は、撮影対象のシーン全体をカバーする光ビームの本数よりも少ない。言い換えれば、第1の光ビーム210および第2の光ビームのいずれも、「疎な光ビーム」である。
イメージセンサ200における複数の受光素子は、第1の反射光を受光し第2の反射光を受光しない複数の第1の受光素子と、第2の反射光を受光し第1の反射光を受光しない複数の第2の受光素子と、第1の反射光および第2の反射光のいずれも受光しない複数の第3の受光素子とを含み得る。全ての画素のうち複数の第3の受光素子に対応する複数の画素の位置は、シーン全体の一部に対応する(図5参照)。信号処理回路は、このシーン全体の一部の距離情報を推定することができる。すなわち、信号処理回路は、受光データに基づいて、複数の第3の受光素子に対応する複数の画素の位置における距離情報を推定することにより、距離データを生成する。信号処理回路400は、予め設定された重み情報を用いて、受光データから、距離データを生成することができる。重み情報は、第1の空間分布および第2の空間分布に基づいて定められる。重み情報を用いた信号処理の詳細については後述する。
本実施形態の距離情報取得装置は、疎な光ビームを用いて距離データを生成する。これにより、撮影対象のシーン全体をカバーする光ビームを用いる場合と比較して、低い消費電力で距離情報を取得することができる。
以下、本実施形態の構成および動作をより具体的に説明する。
[1−1 距離情報取得装置の構成]
図3は、実施形態1に係る距離情報取得装置の構成の一例を示すブロック図である。図3に示される距離情報取得装置は、光源100と、イメージセンサ200と、制御回路300と、信号処理回路400と、記憶装置500と、ディスプレイ600とを備える。制御回路300は、記憶媒体310と、プロセッサ320とを備える。
光源100は、例えばレーザ光を出射する発光デバイスであり得る。光源100は、より遠くまで届く複数の遠距離用ビームと、遠距離用ビームよりも到達距離の短い複数の近距離用ビームとを出射する。光源100は、複数の遠距離用ビーム、および複数の近距離用ビームを、例えばランダムな方向に出射する。遠距離用ビームの到達距離は、例えば100mから200mであり得る。近距離用ビームの到達距離は、例えば0mから100mであり得る。これらの光ビームの到達距離は、この例に限らず、任意に設定できる。
イメージセンサ200は、2次元的に配列された複数の受光素子を有する。各受光素子は、例えばフォトダイオードなどの光電変換素子を含み得る。各受光素子は、光を受けると光電変換を行い、受光量に応じた電気信号を出力する。
制御回路300は、光源100、イメージセンサ200、および信号処理回路400の動作を制御する。制御回路300は、例えばマイクロコントローラユニット(MCU)などの電子回路によって実現され得る。図3に示す制御回路300は、プロセッサ320と、記憶媒体310とを備える。プロセッサ320は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現され得る。記憶媒体310は、例えばROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリ、およびRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリを含み得る。記憶媒体310は、プロセッサ320によって実行されるコンピュータプログラム314を格納する。プロセッサ320は、当該プログラム314を実行することにより、後述する動作を実行することができる。
制御回路300は、光源100による光ビームの投光のタイミングと、イメージセンサ200の露光のタイミングとを決定し、決定したタイミングに従って、投光制御信号と、露光制御信号とを出力する。投光制御信号は、予め記憶媒体310に格納された遠距離ビーム情報311および近距離ビーム情報312に従って生成される。遠距離ビーム情報311は、複数の遠距離用ビームの出射方向およびビーム形状に関する情報を含み得る。近距離ビーム情報312は、複数の近距離用ビームの出射方向およびビーム形状に関する情報を含み得る。記憶媒体310は、さらに、イメージセンサ200の受光面上での第1の反射光および第2の反射光の分布によって決定される重み情報313を予め格納している。
信号処理回路400は、イメージセンサ200から露光期間ごとに出力される受光データと、記憶媒体310に格納された重み情報313とを取得する。信号処理回路400は、受光データと重み情報313とに基づいて、物体までの距離を画素ごとに計算または推定することにより、距離データを生成する。生成された距離データは、記憶装置500に記録される。距離データは、ディスプレイ600に表示されてもよい。距離データは、例えば距離画像を示すデータであり得る。
[1−1−1 制御回路300の構成]
以下、制御回路300の構成のより具体的な例を説明する。制御回路300は、プロセッサ320と、記憶媒体310とを備える。プロセッサ320は、投光/露光タイミング決定部322と、計時部324と、投光制御信号出力部326と、露光制御信号出力部328とを備える。記憶媒体310は、遠距離ビーム情報311と、近距離ビーム情報312と、重み情報313と、プロセッサ320が実行するコンピュータプログラム314とを格納する。
距離情報取得装置は、間接ToF(Time−of−Fright)方式による測距を行う。距離情報取得装置は、測距を行う際に圧縮センシングの技術を利用する。圧縮センシングの技術を用いることで、複数の近距離用ビームと複数の近距離用ビームとが、いずれも空間的に疎であったとしても、各画素における物体までの距離を推定することができる。言い換えれば、複数の近距離用ビームの数、および複数の遠距離用ビームの数の各々は、測距対象のシーンの全体を網羅するビーム数よりも少なくてもよい。
図4Aは、遠距離ビーム情報311の一例を示す図である。図4Bは、近距離ビーム情報312の一例を示す図である。この例では、遠距離ビーム情報311および近距離ビーム情報312の各々は、各光ビームに共通する情報として、ビームの形状、ビームの広がり角、および距離レンジの情報を含む。ここで距離レンジは、そのビームを用いて測定される距離の範囲を指す。遠距離ビーム情報311および近距離ビーム情報312の各々は、さらに、各光ビームについて、ビーム番号と、出射方向の情報とを含む。図4Aおよび図4Bの例では、イメージセンサ200の受光面に平行に、互いに直交するx軸およびy軸が設定され、受光面に垂直でシーンに向けた方向にz軸が設定されている。各光ビームの出射方向は、xz平面に投影した場合のz軸からの角度と、yz平面に投影した場合のz軸からの角度とによって指定される。
図4Aおよび図4Bに示す例において、複数の近距離用ビームおよび複数の遠距離用ビームの方向はランダムに決定されている。さらに、近距離用ビームの数および遠距離用ビーム数のいずれについても、測距対象のシーン全体を網羅する光ビームの数よりも少ない。
なお、図4Aおよび図4Bに示す遠距離ビーム情報311および近距離ビーム情報312は、一例に過ぎず、上記とは異なる情報を含んでいてもよい。また、図4Aおよび図4Bの例では、xz平面およびyz平面にそれぞれ投影した場合の角度によって投光方向が記述されるが、これ以外の方法で投光の方向を記述してもよい。
図5は、本実施形態における複数の遠距離用ビーム210と複数の近距離用ビーム220とが投光される様子を模式的に示す図である。図5の例では、光源100に最も近い位置に自転車があり、続いて人、乗用車、トラックの順に、より遠方にある様子が示されている。小さい円は遠距離用ビーム210の投光領域を示し、大きい円は近距離用ビーム220の投光領域を示す。図5におけるマス目は、イメージセンサ200の画素を示す。なお、イメージセンサ200の画素は、実際には微細であるが、図5では、見易さのため、実際よりも粗く示されている。この例では、近距離用ビーム220の放射強度は、遠距離用ビーム210の放射強度よりも低い。
図5の例において、遠距離用ビーム210および近距離用ビーム220は、それぞれランダムな方向に投光されている。投光される領域は、イメージセンサ200の全画素を網羅しない。投光の方向には、遠距離用ビーム210も近距離用ビーム220も照射されない方向と、遠距離用ビーム210のみ照射される方向と、近距離用ビーム220のみ照射される方向と、遠距離用ビーム210および近距離用ビーム220の両方が照射される方向とが含まれる。反射光を受光するイメージセンサ200の受光面においても上記の4種類の方向にそれぞれ対応する4種類の画素領域が存在する。
ここで、光源100とイメージセンサ200との間の距離は、例えば数mm程度であり得る。一方、測距の距離レンジは、例えば0mから200m程度の範囲であり、多くの場合数m以上である。このことを考慮すると、光源100およびイメージセンサ200は、空間座標において同一の点に位置するとみなすことができる。従って、光源100から出射した光ビームは、光ビームの方向にある物体によって反射され、光源100とほぼ同じ位置にあるイメージセンサ200によって受光される。遠距離にある物体と近距離にある物体とが光ビームの方向に存在する場合、近距離にある物体によって光ビームが反射され、遠距離にある物体には光ビームが届かない。
一方、本実施形態では、相対的に遠い第1の距離レンジにある物体によって遠距離用ビーム210が反射されてイメージセンサ200に到達する期間と、相対的に近い第2の距離レンジにある物体によって近距離用ビーム220が反射されてイメージセンサ200に到達する期間とが、少なくとも部分的に重なる。そのような条件が満たされるように、各光ビームの出射のタイミングおよび露光のタイミングが調整される。第1の距離レンジは、例えば100mから200mの範囲に設定され、第2の距離レンジは、例えば0mから100mの範囲に設定され得る。第1の距離レンジ以外の距離にある物体によって反射された遠距離用ビーム210、および第2の距離レンジ以外の距離にある物体によって反射された近距離用ビーム220は、イメージセンサ200によって検出されない。すなわち、遠距離用ビーム210および近距離用ビーム220の両方が照射される方向に物体が存在していたとしても、イメージセンサ200によって検出されるのは、それらのビームの一方のみである。
画素ピッチが十分に小さく、物体の輪郭線によって当該物体の内側と外側とに分割される画素がない場合、イメージセンサ200の受光面には、遠距離用ビーム210と近距離用ビーム220の両方を受光する画素はない。この場合、遠距離用ビーム210も近距離用ビーム220も受光しない画素、遠距離用ビーム210のみ受光する画素、近距離用ビーム220のみ受光する画素の3種類のみが生じ得る。ただし、物体の輪郭線によって当該物体の内側と外側とに分割される画素がある場合、そのような画素は、遠距離用ビーム210および近距離用ビーム220の両方を受光し得る。その場合には、第1の光ビームも第2の光ビームも受光しない画素、第1の光ビームのみ受光する画素、第1の光ビームのみ受光する画素、第1の光ビームおよび第2の光ビームの両方を受光する画素の4種類が生じ得る。
図3に示す投光/露光タイミング決定部322は、光源100が複数の遠距離用ビーム210を出射するタイミングと、光源100が複数の近距離用ビーム220を出射するタイミングと、イメージセンサ200が露光を行うタイミングとを決定する。
計時部324は、時間を計測する。
投光制御信号出力部326は、光源100を制御する投光制御信号を出力する。投光制御信号には、複数の遠距離用ビームを投光するための第1の制御信号と、複数の遠距離用ビームを投光するための第2の制御信号とがある。第1の制御信号は、各遠距離用ビームの方向、ビーム形状、および強度を規定する遠距離ビーム情報311に基づいて生成される。第2の制御信号は、各近距離用ビームの方向、ビーム形状、および強度を規定する近距離ビーム情報312に基づいて生成される。
露光制御信号出力部328は、イメージセンサ200の露光を制御する露光制御信号を出力する。イメージセンサ200は、出力された露光制御信号に従って露光を実行する。
投光/露光タイミング決定部322、計時部324、投光制御信号出力部326、露光制御信号出力部328のそれぞれの機能は、例えばプロセッサ320がプログラム314を実行することによって実現され得る。その場合、プロセッサ320が、投光/露光タイミング決定部322、計時部324、投光制御信号出力部326、および露光制御信号出力部328として機能する。これらの各機能部は、専用のハードウェアによって実現されていてもよい。
ここで、一般的な間接ToF方式による測距方法の一例を説明する。ToF方式は、光源から出射した光が物体によって反射されて光源の近傍の光検出器まで戻ってくるまでの飛行時間を測定することで、装置から物体までの距離を測定する方式である。飛行時間を直接計測する方式を直接ToFと呼ぶ。複数の露光期間を設け、露光期間ごとの反射光のエネルギー分布から、飛行時間を計算する方式を間接ToFと呼ぶ。
図6Aは、間接ToF方式における投光タイミング、反射光の到達タイミング、および2回の露光タイミングの例を示す図である。横軸は時間を示している。矩形部分は、投光、反射光の到達、および2回の露光のそれぞれの期間を表している。図6Aの(a)は、光源から光が出射するタイミングを示している。T0は測距用の光ビームのパルス幅である。図6Aの(b)は、光源から出射して物体で反射された光ビームがイメージセンサに到達する期間を示している。Tdは光ビームの飛行時間である。図6Aの例では、光パルスの時間幅T0よりも短い時間Tdで反射光がイメージセンサに到達している。図6Aの(c)は、イメージセンサの第1の露光期間を示している。この例では、投光の開始と同時に露光が開始され、投光の終了と同時に露光が終了している。第1の露光期間では、反射光のうち、早期に戻ってきた光が光電変換され、生じた電荷が蓄積される。Q1は、第1の露光期間の間に光電変換された光のエネルギーを表す。このエネルギーQ1は、第1の露光期間の間に蓄積された電荷の量に比例する。
図6Aの(d)は、イメージセンサの第2の露光期間を示している。この例では、第2の露光期間は、投光の終了と同時に開始し、光ビームのパルス幅T0と同一の時間、すなわち第1の露光期間と同一の時間が経過した時点で終了する。Q2は、第2の露光期間の間に光電変換された光のエネルギーを表す。このエネルギーQ2は、第2の露光期間の間に蓄積された電荷の量に比例する。第2の露光期間では、反射光のうち、第1の露光期間が終了した後に到達した光が受光される。第1の露光期間の長さが光ビームのパルス幅T0に等しいことから、第2の露光期間で受光される反射光の時間幅は、飛行時間Tdに等しい。
ここで、第1の露光期間の間に画素に蓄積される電荷の積分容量をCfd1、第2の露光期間の間に画素に蓄積される電荷の積分容量をCfd2、光電流をIph、電荷転送クロック数をNとする。第1の露光期間における画素の出力電圧は、以下のVout1で表される。
Vout1=Q1/Cfd1=N×Iph×(T0−Td)/Cfd1
第2の露光期間における画素の出力電圧は、以下のVout2で表される。
Vout2=Q2/Cfd2=N×Iph×Td/Cfd2
図6Aの例では、第1の露光期間の時間長と第2の露光期間の時間長とが等しいため、Cfd1=Cfd2である。従って、Tdは以下の式で表すことができる。
Td={Vout2/(Vout1+Vout2)}×T0
光速をC(≒3×10m/s)とすると、装置と物体との距離Lは、以下の式で表される。
L=1/2×C×Td=1/2×C×{Vout2/(Vout1+Vout2)}×T0
イメージセンサ200は、実際には露光期間に蓄積した電荷を出力するため、時間的に連続して2回の露光を行うことができない場合がある。図6Bは、連続で2つの露光期間を設けることができない場合の投光と露光、および電荷出力のタイミングを模式的に示す図である。図6Bの例では、まず、光源100が投光を開始すると同時にイメージセンサ200は露光を開始し、光源100が投光を終了すると同時にイメージセンサ200は露光を終了する。この露光期間P1は、図6Aにおける露光期間1に相当する。イメージセンサ200は、露光直後にこの露光期間P1で蓄積された電荷を出力する。次に、光源100は再度投光を開始し、1回目と同一の時間T0が経過すると投光を終了する。イメージセンサ200は、光源100が投光を終了すると同時に露光を開始し、第1の露光期間P1と同一の時間長が経過すると露光を終了する。この露光期間P2は、図6Aにおける露光期間2に相当する。イメージセンサ200は、露光直後にこの露光期間P2で蓄積された電荷を出力する。
このように、図6Bの例では、上記の距離計算のための電圧を取得するために、光源100は投光を2回行い、イメージセンサ200はそれぞれの投光に対して異なるタイミングで露光する。このようにすることで、2つの露光期間を時間的に連続して設けることができない場合でも、露光期間ごとに電圧を取得できる。このように、露光期間ごとに電荷の出力を行うイメージセンサ200では、予め設定された複数の露光期間の各々で蓄積される電荷の情報を得るために、同一条件の光を、設定された露光期間の数と等しい回数だけ投光することになる。
なお、実際の測距では、イメージセンサ200は、光源100から出射されて物体で反射された光のみではなく、バックグラウンド光、すなわち太陽光または周辺の照明等の外部からの光を受光し得る。そこで、一般には、光ビームが出射されていない状態でイメージセンサ200に入射するバックグラウンド光による蓄積電荷を計測するための露光期間が設けられる。バックグランド用の露光期間で計測された電荷量を、光ビームの反射光を受光したときに計測される電荷量から減算することで、光ビームの反射光のみを受光した場合の電荷量を求めることができる。本実施形態では、簡便のため、バックグランド光についての動作の説明を省略する。
本実施形態の距離情報取得装置は、上記の間接ToF方式による測距と、圧縮センシングとを組み合わせることにより、各画素における距離情報を取得する。圧縮センシングには、図3に示す重み情報313が用いられる。以下、重み情報313の詳細を説明する。
本実施形態における重み情報313は、近距離用ビームおよび遠距離用ビームのそれぞれの投光パターンに基づく重み行列を表す。重み行列の行数はイメージセンサ200の画素数Lの2倍であり、列数は画素数Lと距離の解析数Nとを掛けた値である。距離の解析数Nは、測距範囲の分割数であり、測距の分解能を表す。
イメージセンサ200の画素i(i=1,2,・・・,L)の距離ベクトルをxとする。xは、要素数Nのベクトルであり、画素iに位置する物体の距離の範囲を表す。例えば、x=[1,0,0,0,…,0]は16.7メートル未満、x=[0,1,0,0,…,0]は16.7メートル以上33.3メートル未満、x=[0,0,0,0,…,1]は(N−1)×16.7メートル以上N×16.7メートル未満を示す。以下、説明を簡略化するため、N=12の場合の例を説明する。ここでは、近距離用ビームは、0メートルから100メートルの範囲にある物体を検出するために使用され、遠距離用ビームは、100メートルから200メートルの範囲にある物体を検出するために使用されるものと仮定する。
この例では、後に図16を参照して説明するように、まず遠距離用ビームが投光され、その後、近距離用ビームが投光される。近距離用ビームの投光終了後、第1の露光期間が開始する。第1の露光期間が終了すると、第2の露光期間が開始する。
画素iについて、第1の露光期間で蓄積された電荷量に対応する電圧をy1i、第2の露光期間で蓄積された電荷量に対応する電圧をy2iとする。ただし、以下の式1が満たされるように正規化する。
Figure 2020116035
近距離用ビームのみが照射される画素については、y1iおよびy2iは、例えば以下の式2のように表される。
Figure 2020116035
a1からa6、およびb1からb6は、0以上1以下の実数であり、式1を満たす数である。この例では、装置から100メートルを超える距離に位置する物体からの近距離用ビームの反射光は、強度の減衰によって検出されない。このため、式2における行列の第7列から第12列の各値は0に設定される。
遠距離用ビームのみが照射される画素については、y1iおよびy2iは、例えば以下の式3のように表される。
Figure 2020116035
a7からa12、およびb7からb12は、0以上1以下の実数であり、式1を満たす数である。この例では、装置から100メートル未満の距離に位置する物体からの遠距離用ビームの反射光が検出されないように各露光期間が設定される。このため、式3における行列の第1列から第6列の各値は0に設定される。
近距離用ビームと遠距離用ビームとが同時に照射される画素については、y1iおよびy2iは、例えば以下の式4のように表される。
Figure 2020116035
いずれのビームも照射されない画素については、y1iおよびy2iは、ゼロになるため、以下の式5のように表される。
Figure 2020116035
ここで、式2から式5における行列の各要素の数値は、x、y1iおよびy2iの形式に依存する。上記の行列の各要素の数値は実装によって異なる。
式2から式5は、まとめると以下の式6のように表現できる。
Y=WX (6)
ここで、画素数をLとして、Yは以下の式7で表され、Xは以下の式8で表される。
Figure 2020116035
Yは、画素ごとに、第1の露光期間および第2の露光期間でそれぞれ検出された、正規化された電荷量または電圧値を並べたベクトルである。Xは、前述の要素数NのxがL個並べられたベクトルであり、要素数はL×Nである。Xは、各画素の距離を表す。より具体的には、Xは、各画素に対応する位置にある物体が、測距範囲を解析数Nで分割した場合の何番目の距離レンジにあるかを示す。画素ごとに、分割された複数の距離レンジの各々を示す要素に、0または1の値を持つことにより、距離が表現される。物体が装置から200メートル未満の位置に存在する画素については、xは、N個の要素中1つだけが1であり、他の要素が0のベクトルである。物体が装置から200メートル未満の位置に存在しない画素については、xは、N個の要素の全てが0のベクトルである。
Wは、行数が2Lで列数がL×Nの行列である。上述の[y1i,y2i]およびxの定義より、行列Wは、以下の式9で表される。
Figure 2020116035
ここで、式(9)における行列Wの各要素wは、式(2)から(5)のいずれかの行列を表す。各wが、式(2)から(5)のいずれの行列に該当するかは、例えば予めキャリブレーションを行うことによって決定され得る。本実施形態では、式9に示す重み行列Wが、重み情報313として用いられる。
[1−1−2 光源100の構成]
光源100の構成例を説明する。光源100は、例えば特許文献4に開示されているような、光源および符号化マスクを利用して、任意の空間パターンの光を出射する光源であり得る。あるいは、光源100は、例えば特許文献1に開示されているような、任意の空間パターンの光を出射できる光フェーズドアレイの構成を備えていてもよい。さらには、特許文献7に開示されている発光デバイスを利用してもよい。以下、光源100の構成の一例を説明する。
図7は、光源100において使用され得る発光デバイスの一例を模式的に示す斜視図である。光源100は、各々が異なる方向に光を出射する複数の発光デバイスの組み合わせによって構成され得る。図7は、そのうちの1つの発光デバイスの構成を簡略化して示している。
発光デバイスは、複数の光導波路素子10を含む光導波路アレイを備える。複数の光導波路素子10の各々は、第1の方向(図7におけるX方向)に延びた形状を有する。複数の光導波路素子10は、第1の方向に交差する第2の方向(図7におけるY方向)に規則的に配列されている。複数の光導波路素子10は、第1の方向に光を伝搬させながら、第1および第2の方向に平行な仮想的な平面に交差する第3の方向D3に光を出射させる。
複数の光導波路素子10のそれぞれは、互いに対向する第1のミラー30および第2のミラー40と、ミラー30とミラー40の間に位置する光導波層20とを有する。ミラー30およびミラー40の各々は、第3の方向D3に交差する反射面を、光導波層20との界面に有する。ミラー30およびミラー40、ならびに光導波層20は、第1の方向に延びた形状を有している。
第1のミラー30の反射面と第2のミラー40の反射面とは略平行に対向している。2つのミラー30およびミラー40のうち、少なくとも第1のミラー30は、光導波層20を伝搬する光の一部を透過させる特性を有する。言い換えれば、第1のミラー30は、当該光について、第2のミラー40よりも高い光透過率を有する。このため、光導波層20を伝搬する光の一部は、第1のミラー30から外部に出射される。このようなミラー30および40は、例えば誘電体による多層膜(「多層反射膜」と称することもある。)によって形成される多層膜ミラーであり得る。
それぞれの光導波路素子10に入力する光の位相を調整し、さらに、これらの光導波路素子10における光導波層20の屈折率もしくは厚さ、または光導波層20に入力される光の波長を調整することで、任意の方向に光を出射させることができる。
図8は、1つの光導波路素子10の断面の構造および伝搬する光の例を模式的に示す図である。図8では、図7に示すX方向およびY方向に垂直な方向をZ方向とし、光導波路素子10のXZ面に平行な断面が模式的に示されている。光導波路素子10において、一対のミラー30とミラー40が光導波層20を挟むように配置されている。光導波層20のX方向における一端から導入された光22は、光導波層20の上面に設けられた第1のミラー30および下面に設けられた第2のミラー40によって反射を繰り返しながら光導波層20内を伝搬する。第1のミラー30の光透過率は第2のミラー40の光透過率よりも高い。このため、主に第1のミラー30から光の一部を出力することができる。
通常の光ファイバーなどの光導波路では、全反射を繰り返しながら光が光導波路に沿って伝搬する。これに対して、本実施形態における光導波路素子10では、光は光導波層20の上下に配置されたミラー30および40によって反射を繰り返しながら伝搬する。このため、光の伝搬角度に制約がない。ここで光の伝搬角度とは、ミラー30またはミラー40と光導波層20との界面への入射角度を意味する。ミラー30またはミラー40に対して、より垂直に近い角度で入射する光も伝搬できる。すなわち、全反射の臨界角よりも小さい角度で界面に入射する光も伝搬できる。このため、光の伝搬方向における光の群速度は自由空間における光速に比べて大きく低下する。これにより、光導波路素子10は、光の波長、光導波層20の厚さ、および光導波層20の屈折率の変化に対して光の伝搬条件が大きく変化するという性質を持つ。このような光導波路を、「反射型光導波路」または「スローライト光導波路」と称する。
光導波路素子10から空気中に出射される光の出射角度θは、以下の式(10)によって表される。
Figure 2020116035
式(10)からわかるように、空気中での光の波長λ、光導波層20の屈折率nおよび光導波層20の厚さdのいずれかを変えることで光の出射方向を変えることができる。
例えば、n=2、d=387nm、λ=1550nm、m=1の場合、出射角度は0°である。この状態から、屈折率をn=2.2に変化させると、出射角度は約66°に変化する。一方、屈折率を変えずに厚さをd=420nmに変化させると、出射角度は約51°に変化する。屈折率も厚さも変化させずに波長をλ=1500nmに変化させると、出射角度は約30°に変化する。このように、光の波長λ、光導波層20の屈折率n、および光導波層20の厚さdのいずれかを変化させることにより、光の出射方向を変化させることができる。
光の波長λは、例えば一般的なシリコン(Si)により光を吸収することで光を検出するイメージセンサで高い検出感度が得られる400nmから1100nm(可視光から近赤外光)の波長域に含まれ得る。他の例では、波長λは、光ファイバーまたはSi光導波路において伝送損失の比較的小さい1260nmから1625nmの近赤外光の波長域に含まれ得る。なお、これらの波長範囲は一例である。使用される光の波長域は、可視光または赤外光の波長域に限定されず、例えば紫外光の波長域であってもよい。
発光デバイスは、各光導波路素子10における光導波層20の屈折率、厚さ、および波長の少なくとも1つを変化させる第1調整素子を備え得る。これにより、出射光の方向を調製することができる。
光導波層20の少なくとも一部の屈折率を調整するために、光導波層20は、液晶材料または電気光学材料を含んでいてもよい。光導波層20は、一対の電極によって挟まれ得る。一対の電極に電圧を印加することにより、光導波層20の屈折率を変化させることができる。
光導波層20の厚さを調整するために、例えば、第1のミラー30および第2のミラー40の少なくとも一方に少なくとも1つのアクチュエータが接続されてもよい。少なくとも1つのアクチュエータによって第1のミラー30と第2のミラー40との距離を変化させることにより、光導波層20の厚さを変化させることができる。光導波層20が液体から形成されていれば、光導波層20の厚さは容易に変化し得る。
複数の光導波路素子10が一方向に配列された光導波路アレイにおいて、それぞれの光導波路素子10から出射される光の干渉により、光の出射方向は変化する。各光導波路素子10に供給する光の位相を調整することにより、光の出射方向を変化させることができる。以下、その原理を説明する。
図9Aは、光導波路アレイの出射面に垂直な方向に光を出射する光導波路アレイの断面を示す図である。図9Aには、各光導波路素子10を伝搬する光の位相シフト量も記載されている。ここで、位相シフト量は、左端の光導波路素子10を伝搬する光の位相を基準にした値である。本実施形態における光導波路アレイは、等間隔に配列された複数の光導波路素子10を含んでいる。図9Aにおいて、破線の円弧は、各光導波路素子10から出射される光の波面を示している。直線は、光の干渉によって形成される波面を示している。矢印は、光導波路アレイから出射される光の方向(すなわち、波数ベクトルの方向)を示している。図9Aの例では、各光導波路素子10における光導波層20を伝搬する光の位相はいずれも同じである。この場合、光は光導波路素子10の配列方向(Y方向)および光導波層20が延びる方向(X方向)の両方に垂直な方向(Z方向)に出射される。
図9Bは、光導波路アレイの出射面に垂直な方向とは異なる方向に光を出射する光導波路アレイの断面を示す図である。図9Bに示す例では、複数の光導波路素子10における光導波層20を伝搬する光の位相が、配列方向に一定量(Δφ)ずつ異なっている。この場合、光は、Z方向とは異なる方向に出射される。このΔφを変化させることにより、光の波数ベクトルのY方向の成分を変化させることができる。隣接する2つの光導波路素子10の間の中心間距離をpとすると、光の出射角度αは、以下の式(11)によって表される。
Figure 2020116035
光導波路素子10の本数がNのとき、光の出射角度の広がり角Δαは、以下の式(12)によって表される。
Figure 2020116035
したがって、光導波路素子10の本数が多いほど、広がり角Δαを小さくすることができる。
図10は、3次元空間における光導波路アレイを模式的に示す斜視図である。図10に示す太い矢印は、発光デバイスから出射される光の方向を表す。θは、光の出射方向とYZ平面とがなす角度である。θは式(10)を満たす。αは、光の出射方向とXZ平面とがなす角度である。αは式(11)を満たす。
それぞれの光導波路素子10から出射される光の位相を制御するために、例えば、光導波路素子10に光を導入する前段に、光の位相を変化させる位相シフタが設けられ得る。発光デバイスは、複数の光導波路素子10のそれぞれに接続された複数の位相シフタと、各位相シフタを伝搬する光の位相を調整する第2調整素子とを備え得る。各位相シフタは、複数の光導波路素子10の対応する1つにおける光導波層20に直接的にまたは他の光導波路を介して繋がる光導波路を含む。第2調整素子は、複数の位相シフタから複数の光導波路素子10へ伝搬する光の位相の差をそれぞれ変化させることにより、複数の光導波路素子10から出射される光の方向(すなわち、第3の方向D3)を変化させる。以下の説明では、光導波路アレイと同様に、配列された複数の位相シフタを「位相シフタアレイ」と称することがある。
図11は、光導波路アレイ10Aおよび位相シフタアレイ80Aを、光出射面の法線方向(Z方向)から見た模式図である。図11に示す例では、全ての位相シフタ80が同じ伝搬特性を有し、全ての光導波路素子10が同じ伝搬特性を有する。それぞれの位相シフタ80およびそれぞれの光導波路素子10は同じ長さであってもよいし、長さが異なっていてもよい。それぞれの位相シフタ80の長さが等しい場合は、例えば、駆動電圧によってそれぞれの位相シフト量を調整することができる。
また、それぞれの位相シフタ80の長さを等ステップで変化させた構造にすることで、同じ駆動電圧で等ステップの位相シフトを与えることもできる。さらに、この発光デバイスは、複数の位相シフタ80に光を分岐して供給する光分岐器90と、各光導波路素子10を駆動する第1駆動回路110と、各位相シフタ80を駆動する第2駆動回路120とをさらに備える。図11における直線の矢印は光の入力を示している。別々に設けられた第1駆動回路110と第2駆動回路120とをそれぞれ独立に制御することにより、2次元的に光の出射方向を変化させることができる。この例では、第1駆動回路110は、第1調整素子の1つの要素として機能し、第2駆動回路120は、第2調整素子の1つの要素として機能する。
第1駆動回路110は、各光導波路素子10における光導波層20の屈折率および厚さの少なくとも一方を変化させることにより、光導波層20から出射する光の角度を変化させる。第2駆動回路120は、各位相シフタ80における光導波路20aの屈折率を変化させることにより、光導波路20aの内部を伝搬する光の位相を変化させる。光分岐器90は、全反射によって光が伝搬する光導波路で構成してもよいし、光導波路素子10と同様の反射型光導波路で構成してもよい。
なお、光分岐器90で分岐したそれぞれの光の位相を制御した後に、それぞれの光を位相シフタ80に導入してもよい。この位相制御には、例えば、位相シフタ80に至るまでの光導波路の長さを調整することによるパッシブな位相制御構造を用いることができる。あるいは、位相シフタ80と同様の機能を有する電気信号で制御可能な位相シフタを用いても良い。このような方法により、例えば、全ての位相シフタ80に等位相の光が供給されるように、位相シフタ80に導入される前に位相を調整してもよい。そのような調整により、第2駆動回路120による各位相シフタ80の制御をシンプルにすることができる。
上記の発光デバイスの動作原理、および動作方法などの詳細は、特許文献7に開示されている。特許文献7の開示内容全体を本明細書に援用する。
本実施形態における光源100は、各々が異なる方向に光を出射する複数の導波路アレイを組み合わせることによって実現され得る。以下、そのような光源100の構成例を説明する。
図12は、光源100の一例を示す図である。この例における光源100は、光導波路アレイ10Aと、光導波路アレイ10Aに接続された位相シフタアレイ80Aとを備える。光導波路アレイ10Aは、Y方向に並ぶ複数の光導波路群10gを含む。各光導波路群10gは、1つ以上の光導波路素子10を含む。位相シフタアレイ80Aは、Y方向に並ぶ複数の位相シフタ群80gを含む。各位相シフタ群80gは、1つ以上の位相シフタ80を含む。この例において、位相シフタ群80gのまとまりは、光導波路群10gのまとまりとは異なっている。より具体的には、1つの光導波路群10gに、2つの位相シフタ群80gが接続されている。
各位相シフタ80の位相シフト量は、制御回路300によって個別に制御される。各位相シフタ80の位相シフト量は、その配列の順序に応じた第1の位相シフト量(Δφの整数倍)と、位相シフタ群80gごとに異なる第2の位相シフト量(Va、Vb、Vc、Vdのいずれか)との和になるように制御される。第2の位相シフト量を位相シフタ群80gごとに変化させることにより、光ビームの出射方向のY成分、およびスポットサイズのY方向の広がり角が制御される。
一方、制御回路300は、光導波路群10gごとに、印加される電圧の値を個別に決定する。各光導波路群10gへの印加電圧の制御により、光ビームの出射方向のX成分が制御される。位相シフタ群80gと光導波路群10gとの組み合わせに依存して、光の出射方向が決定される。図12の例では、1つの位相シフタ群80gに接続された隣り合う2つの光導波路群10sから同一の方向に光が出射する。1つの光導波路群10gから出射される光の放射束を1つの光ビームとすると、図12の例では、2本の光ビームを同時に出射することができる。光導波路素子10および位相シフタ80の数を増やせば、さらにビーム本数を増やすことができる。
図13は、光源100の他の構成例を示す図である。この例における光源100は、各々が異なる方向に光ビームを出射する複数の発光デバイス700を備える。この例では、1つのチップ上に複数の位相シフタ80および複数の光導波路素子10が実装される。制御回路300は、各発光デバイス700における各位相シフタ80および各光導波路素子10への印加電圧を制御する。これにより、制御回路300は、各発光デバイス700から出射する光ビームの方向を制御する。この例では、光源100は3つの発光デバイス700を備えるが、さらに多数の発光デバイス700を備えていてもよい。近距離用ビームおよび遠距離用ビームの各々は、複数の発光デバイス700から出射する光ビームの集合によって構成され得る。
図14は、光源100のさらに他の構成例を示す図である。この例における光源100は、各々が異なるチップに実装された複数の発光デバイス700を備える。複数の発光デバイス700は、異なる方向に光ビームを出射する。各発光デバイス700は、複数の位相シフタ80および複数の光導波路素子10に印加する電圧を決定する制御回路300aを備える。各発光デバイス700における制御回路300aは、外部の制御回路300によって制御される。この例でも、光源100は3つの発光デバイス700を備えるが、さらに多数の発光デバイス700を備えていてもよい。近距離用ビームおよび遠距離用ビームの各々は、複数の発光デバイス700から出射する光ビームの集合によって構成され得る。
[1−1−3 イメージセンサ200の構成]
次に、図3に示すイメージセンサ200の構成を説明する。
イメージセンサ200は、受光面に2次元的に配列された複数の受光素子を備える。イメージセンサ200は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、または赤外線アレイセンサであり得る。受光素子は、例えばフォトダイオードなどの光電変換素子と、1つ以上の電荷蓄積部とを含む。光電変換によって生じた電荷が、露光期間の間、電荷蓄積部に蓄積される。電荷蓄積部に蓄積された電荷は、露光期間終了後、出力される。
このようにして、各受光素子は、露光期間の間に受けた光の量に応じた電気信号を出力する。この電気信号を「受光データ」と称する。イメージセンサ200は、モノクロタイプの撮像素子であってもよいし、カラータイプの撮像素子であってもよい。例えば、R/G/B、R/G/B/IR、またはR/G/B/Wのフィルタを有するカラータイプの撮像素子を用いてもよい。イメージセンサ200は、可視の波長範囲に限らず、例えば紫外、近赤外、中赤外、遠赤外などの波長範囲に検出感度を有していてもよい。イメージセンサ200は、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)を利用したセンサであってもよい。イメージセンサ200は、全画素の信号を一括で露光することが可能な電子シャッタ、すなわちグローバルシャッタの機構を備え得る。
なお、本実施形態ではイメージセンサ200が用いられるが、イメージセンサ200とは異なる受光装置を用いてもよい。例えば、一次元的に配列された複数の受光素子を備えた受光装置を用いてもよい。
[1−1−4 信号処理回路400の構成]
信号処理回路400は、イメージセンサ200から出力された信号を処理するCPUおよび/またはGPUなどの1つ以上のプロセッサを含み得る。図3に示す信号処理回路400は、距離推定部410と、画像生成部430とを備える。距離推定部410は、イメージセンサ200から出力された信号に基づいて、各画素における距離を計算または推定する。画像生成部430は、各画素の距離情報に基づいて、距離画像を生成する。距離推定部410および画像生成部430の機能は、例えば信号処理回路400のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することによって実現され得る。その場合、当該プロセッサが、距離推定部410および画像生成部430として機能する。これらの各機能部は、専用のハードウェアによって実現されていてもよい。
[1−2 距離情報取得装置の動作]
実施形態1に係る距離情報取得装置の動作を説明する。図15は、実施形態1に係る距離情報取得装置の動作の概要を示すフローチャートである。距離情報取得装置は、図15に示すステップS1100からS1400の動作を実行する。以下、各ステップの動作を説明する。
<ステップS1100>
まず、制御回路300は、光源100による近距離用ビームおよび遠距離用ビームのそれぞれの投光のタイミングと、イメージセンサ200の露光のタイミングとを決定する。投光と露光のタイミングの詳細については後述する。
<ステップS1200>
次に、制御回路300は、決定した投光タイミングに従って、光源100に、投光を指示する制御信号を送信する。さらに、決定した露光タイミングに従って、イメージセンサ200に、露光の開始および終了を指示する制御信号を送信する。これにより、光源100から複数の遠距離用ビームおよび複数の近距離用ビームが出射され、イメージセンサ200の各受光素子に電荷が蓄積される。本実施形態では、前述のように、2回の露光期間が設定される。イメージセンサ200は、それぞれの露光期間で各受光素子に蓄積された電荷量に応じた受光データを出力する。
<ステップS1300>
次に、信号処理回路400は、ステップS1200で出力された受光データと、制御回路300の記憶媒体310に格納された重み情報313とを取得する。信号処理回路400は、取得した受光データおよび重み情報313に基づいて、全画素における距離情報を推定する。第1の露光期間と第2の露光期間のそれぞれの受光データから全画素の距離情報を求めるために、信号処理回路400は、圧縮センシングに基づく復元処理を実行する。この処理は、図3に示す距離推定部410によって実行される。
<ステップS1400>
信号処理回路400は、ステップS1300で計算した各画素における距離の値を、例えば色彩のスケールに置き換えて、距離画像を生成する。なお、距離画像は、色彩のスケールに限らず、グレースケールその他の表現方法で2次元的な距離を表現してもよい。距離画像の生成は、図3に示す画像生成部430によって実行される。信号処理回路400は、距離画像を生成することなく、1つ以上の物体の距離を示すデータを生成して出力してもよい。
[1−2−1 投光/受光タイミング]
次に、本実施形態における各光ビームの投光および露光のタイミングの例を説明する。
図16は、本実施形態における各光ビームの投光および露光のタイミングの例を示す模式図である。図16の(a)は、遠距離ビームの投光のタイミングを示している。図16の(b)は、近距離用ビームの投光のタイミングを示している。図16の(c)は、第1の露光期間を示している。図16の(d)は、第2の露光期間を示している。
第1の露光期間は、近距離用ビームの投光が終了すると同時に開始し、各ビームのパルス幅と同一の時間が経過すると終了する。第2の露光期間は、第1の露光期間が終了すると開始し、第1の露光期間と同一の時間が経過すると終了する。
図16の(e)における実線のパルスは、遠距離用ビームが遠方(例えば装置から100mから200mの範囲)に存在する物体で反射された場合の反射光が装置に戻ってくるタイミングを示している。図16の(e)における点線のパルスは、遠距離用ビームが近距離(例えば装置から100m未満の範囲)に存在する物体で反射された場合の反射光が装置に戻ってくるタイミングを示している。図16の(f)は、近距離用ビームが近距離(例えば装置から100m未満の範囲)にある物体で反射されて装置に戻ってくるタイミングを示している。
遠距離用ビームの投光は近距離用ビームの投光に先行する。遠方で反射された遠距離用ビームと近くで反射された近距離用ビームの両方が、少なくとも一方の露光期間で受光されるように各露光期間が設定される。
図16の(e)において点線で示されたパルスは、近距離にある物体で反射して戻ってきた遠距離用ビームの反射光を示している。この反射光は、すべての露光期間の外側のタイミングで装置に戻ってくる。このため、イメージセンサ200は、このような光を検出しない。イメージセンサ200は、例えば100m未満にある物体によって反射された遠距離用の光ビームを検出しない。一方、近距離用の光ビームについては、遠距離用の光ビームよりも照射面における単位面積あたりのエネルギーが小さいため、遠距離用の光ビームよりも到達距離が短い。よって、装置から例えば100m以上離れた物体で近距離用の光ビームが反射された場合には、強度の減衰により、検出することができなくなる。このため、近距離用の光ビームが、次回以降の投光に対する露光期間で検出されることはない。なお、近距離用の光ビームと遠距離用の光ビームの到達距離が同一であってもよい。その場合でも、次回の投光までの時間間隔を十分に空けることにより、遠距離物体で反射された近距離用の光ビームが次回以降の露光期間に検出されることを回避できる。
図16に示す例では、第1の露光期間が終了すると直ちに第2の露光期間が開始する。イメージセンサ200は各画素につき2つの電荷蓄積部を備えており、電荷を蓄積する電荷蓄積部を露光期間毎に切替えることができる。この例では、第1の露光期間および第2の露光期間が終了したのち、各電荷蓄積部に蓄積された電荷を出力する期間が設けられ得る。
これに対し、イメージセンサ200が各画素に1つの電荷蓄積部を備える場合は、各露光期間の終了後に、蓄積された電荷を出力する期間が設けられる。そのような場合には、図17に示すように遠距離用ビームおよび近距離用ビームの1回の投光については露光を1回のみ行い、次回の投光時に、前回と異なるタイミングで露光してもよい。
図17は、露光期間の後に電荷出力のための期間が設けられる場合の投光および露光のタイミングの例を示す図である。この例では、遠距離用ビームおよび近距離用ビームの投光が行われた後、第1の露光期間において、イメージセンサ200は、各ビームの反射光による電荷を蓄積し、出力する。続いて、所定の時間が経過した後、前回と同一の条件で遠距離用ビームおよび近距離用ビームの投光が行われる。この2回目の近距離用ビームの投光が終了してから、第1の露光期間に相当する時間が経過すると、第2の露光期間が開始される。第2の露光期間において、イメージセンサ200は、各ビームの反射光による電荷を蓄積し、出力する。このように、図17の例では、イメージセンサ200は、露光が終了する度に電荷出力を行う。このため、光源100は、同一の条件の遠距離用ビームと近距離用ビームの組み合わせで投光を連続して複数回行う。イメージセンサ200は、投光ごとに、異なるタイミングで露光する。これにより、各露光期間で蓄積された電荷による電圧を取得することができる。
なお、露光期間は2つに限らず、連続する3つ以上の露光期間を設けてもよい。また、投光および露光のタイミングは、上記のタイミングとは異なっていてもよい。投光と受光のタイミングは、各光ビームの距離範囲の設定などの種々の条件に応じて調整され得る。
図17の例のように、遠距離用ビームおよび近距離用ビームの投光のたびに露光を1回だけ行う場合においても、イメージセンサ200が各画素に2つの電荷蓄積部を備え、露光期間ごとに蓄積される電荷蓄積部を切替えてもよい。この場合、イメージセンサ200は、複数回投光と露光を繰り返したのちに、各電荷蓄積部に蓄積された電荷を出力してもよい。
[1−2−2 投光/露光による電荷計測の動作]
次に、ステップS1200における電荷計測の動作の詳細を説明する。
図18は、図17に示す例における電荷計測の動作を示すフローチャートである。距離情報取得装置は、図18に示すステップS1201からS1212の動作を実行する。以下、各ステップの動作を説明する。
<ステップS1201>
制御回路300は、ステップS1100で決定された全ての露光期間での電荷計測が終了したか否かを判断する。全ての露光期間での電荷計測が終了している場合、ステップS1300に進む。全ての露光期間の電荷計測が終了していない場合、ステップS1202に進む。
<ステップS1202>
制御回路300は、投光と露光とを制御するために時間の計時を開始する。
<ステップS1203>
制御回路300は、ステップS1100で決定された遠距離用ビームの投光タイミングで、投光制御信号を光源100に出力する。投光制御信号は、遠距離ビーム情報311が示すビーム形状、広がり角、および光ビームの方向の情報と、ステップS1100で決定された投光のパルス時間長の情報とを含む。
<ステップS1204>
光源100は、ステップS1203で出力された投光制御信号に従って、遠距離用ビームを生成して投光する。
<ステップS1205>
制御回路300は、ステップS1100で決定された近距離用ビームの投光タイミングになると、投光制御信号を光源100に出力する。この投光制御信号は、近距離ビーム情報312が示すビーム形状、広がり角、および光ビームの方向の情報と、ステップS1100で決定された投光のパルス時間長の情報とを含む。
<ステップS1206>
光源100は、ステップS1203で出力された投光制御信号に従って、近距離用ビームを生成して投光する。
<ステップS1207>
制御回路300は、ステップS1100で決定された複数の露光期間のうち、まだ露光を行っていない1つの露光期間を選択する。制御回路300は、選択した露光期間の開始のタイミングでイメージセンサ200に露光開始信号を出力する。
<ステップS1208>
イメージセンサ200は、ステップS1207で出力された露光開始信号に従って露光を開始する。
<ステップS1209>
制御回路300は、ステップS1207で選択した露光期間の終了のタイミングでイメージセンサ200に露光終了信号を出力する。
<ステップS1210>
イメージセンサ200は、ステップS1209で出力された露光終了信号に従って露光を終了する。
<ステップS1211>
イメージセンサ200は、露光開始から露光終了までの期間に各画素に蓄積した電荷の量に応じた受光データを出力する。
<ステップS1212>
制御回路300は、計時を終了する。ステップS1212の後、ステップS1201に戻る。
ステップS1201からステップS1212の一連の動作により、光源100による投光とイメージセンサ200による露光が行われる。露光期間ごとにイメージセンサ200の画素ごとに蓄積された電荷の量に応じた受光データが出力される。
[1−2−3 全画素の距離情報復元処理]
次に、図15におけるステップS1300の動作の詳細を説明する。ステップS1300では、信号処理回路400が、重み情報を用いて、ステップS1200で露光期間ごとに取得した受光データから、各画素の距離を推定する。
前述の式6を、ベクトルYと行列Wが既知という条件で、ベクトルXについて解くことにより、画素ごとの距離の値を得ることができる。しかしながら、この式では、ベクトルYの要素数よりもベクトルXの要素数の方が多いため、一意に解を求めることができない。そこで、拘束条件を導入し、式6を以下のように変形する。
Figure 2020116035
ここで、行列Mは、以下の式14で表されるL×(L×N)行列である。
Figure 2020116035
すなわち、ベクトルMXは、画素ごとの距離を示す要素数Lのベクトルである。
式13において、第1項は、式6を2乗誤差に緩和したものである。第2項は、ベクトルXのL1ノルムを示しており、ベクトルXの要素の多くが0になるための拘束項である。第3項におけるTV(MX)は、距離画像を表すMXにおける近傍の画素との輝度変化の絶対値和であるtotal variationである。αおよびβは、重み係数を示している。total variationの詳細は、例えば、Rudin L. I., Osher S. J., and Fatemi E., "Nonlinear total variation based noise removal algorithms", Physica D, vol. 60, pp. 259-268, 1992.に開示されている。この文献の開示内容の全体を本明細書に援用する。
式13は、括弧内の値が最小になるベクトルXを求める演算を示している。式13は、例えば、ADMM(Alternating Direction Method of Multipliers)を利用することで解くことができる。ADMMの詳細は、例えばD. Gabay and B. Mercier, “A dual algorithm for the solution of nonlinear variational problems via finite-element approximations”, Computers & Mathematics with Applications, vol. 2, pp. 17-40, 1976.に開示されている。この文献の開示内容の全体を本明細書に援用する。
[1−3.効果]
上述したように、本実施形態における距離情報取得装置は、光源100と、イメージセンサ200と、制御回路300と、信号処理回路400とを備える。光源100は、同時に複数の光ビームを異なる方向に出射することが可能な構成を備える。イメージセンサ200は、複数の受光素子を有し、指示された露光期間において各受光素子が受けた光の量に応じた受光データを出力する。制御回路300は、光源100に、複数の遠距離用ビームを含み、第1の空間分布を有する第1の光をシーンに向けて出射させる。その後、制御回路300は、光源100に、複数の近距離用ビームを含み、第2の空間分布を有する第2の光をシーンに向けて出射させる。
ここで第2の空間分布は、第1の空間分布とは異なる。また、光源から所定の距離の照射面における各近距離用ビームの単位面積あたりのエネルギーは、当該照射面における各遠距離用ビームの単位面積あたりのエネルギーよりも低い。制御回路300は、イメージセンサ200の複数の受光素子に、第1の光によって生じたシーンからの第1の反射光と、第2の光によって生じたシーンからの第2の反射光とを、同一の露光期間において検出させる。信号処理回路400は、イメージセンサ200から出力された受光データに基づいて、第1の反射光および第2の反射光に由来する距離データを生成して出力する。
特に、本実施形態における信号処理回路400は、光ビームの投光パターンに伴う受光パターンの重み情報を用いた圧縮センシングの手法を用いて、距離データを生成する。距離データは、第1の反射光も第2の反射光も受光しない受光素子に対応する1つ以上の画素についての推定された距離情報を含む。
以上の構成により、疎な光ビームから全画素での距離情報を得ることができる。複数の光ビームは、シーンの全体をカバーする必要がない。このため、出射光のエネルギーを低減することができる。さらに、圧縮センシングを用いることで、線形補完を行う際に見られる引き延ばしまたはボケのような画質劣化が低減し、より自然な距離情報が得られる。さらに、遠距離用の光ビームの投光のタイミングと近距離用の光ビームの投光のタイミングとを調整し、それらの反射光を同時に受光することで、遠距離の範囲での測距と近距離の範囲での測距とを同時に行うことができる。遠距離の測距と近距離の測距とを別々に行う場合に比べて測距の時間を短縮することができる。これにより、広い距離範囲を測距する場合でも、測距時間を短縮することができる。距離画像を動画として生成する際には、より高いフレームレートで滑らかな距離動画を生成することができる。また、フレームレートを高くすることにより、時間方向の情報を用いて高精度の距離画像を生成することも可能になる。
実施形態1では、圧縮センシングを用いた復元処理の方法として、式6を定義し、式13を用いた計算が行われる。しかし、式6におけるX、Y、Wの定義は前述の定義に限らず、他の定義を用いてもよい。また、式6のXを求める方法として、式13を設定したが、式13を用いた方法に限らず、他の方法を用いてXを求めてもよい。
(実施形態1の変形例)
次に、本開示の例示的な実施形態1の変形例を説明する。
実施形態1では、距離情報取得装置から物体までの距離を測定する方法として、光の到達距離が異なる2種類の光ビーム、すなわち、近距離用ビームと遠距離用ビームとが用いられる。これに対し、本変形例では、光の到達距離が等しく、イメージセンサ200の受光面に平行な平面上での分布が異なる2組の光ビームが用いられる。各組の光ビームは、複数の光ビームを含み得る。
以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
図19は、本変形例に係る距離情報取得装置の構成の一例を示すブロック図である。図19は、図3に示す遠距離用ビーム情報311が第1の光ビーム情報315に置き換わり、近距離用ビーム情報312が第2の光ビーム情報316に置き換わった点以外は、図3と同じである。
本変形例における光源100は、到達距離の等しい複数の光ビームを2つの異なる空間パターンで出射する。いずれの空間パターンも、複数の光ビームのランダムな方向への出射によって実現される。各光ビームの到達距離は、例えば0mから200mであり得る。すなわち、本変形例における第1の光ビームおよび第2の光ビームの各々の到達距離は、前述の実施形態1における遠距離用ビームの到達距離に相当する。各光ビームの到達距離は、上記の範囲に限定されず、用途に応じて適切な値に設定され得る。
本変形例においても、制御回路300は、光源100による光ビームの投光のタイミングと、イメージセンサ200の露光のタイミングとを決定し、決定したタイミングに従って、投光制御信号と、露光制御信号とを出力する。投光制御信号は、予め記憶媒体310に格納された第1の光ビーム情報315および第2の光ビーム情報316に従って生成される。第1の光ビーム情報315は、第1の光ビームの出射方向およびビーム形状に関する情報を含み得る。第2の光ビーム情報316は、第2の光ビームの出射方向およびビーム形状に関する情報を含み得る。
図20Aは、第1の光ビーム情報315の一例を示す図である。図20Bは、第2の光ビーム情報316の一例を示す図である。この例では、複数の第1の光ビームと、複数の第2の光ビームとの間で、ビーム形状、広がり角、および距離レンジは同一であるが、光ビームの出射方向の組み合わせが異なる。このような例に限定されず、例えば、複数の第1の光ビームと、複数の第2の光ビームとの間で、ビーム形状および/または広がり角が異なるようにしてもよい。
複数の第1の光ビームおよび複数の第2の光ビームの方向はランダムに決定されている。複数の第1の光ビームの空間分布と複数の第2の光ビームの空間分布は異なる。第1の光ビームの数および第2の光ビームの数のいずれについても、測距対象のシーン全体を網羅する光ビームの数よりも少ない。
本変形例においても、実施形態1と同様、相対的に遠い第1の距離レンジにある物体によって第1の光ビームが反射されてイメージセンサ200に到達する期間と、相対的に近い第2の距離レンジにある物体によって第2の光ビームが反射されてイメージセンサ200に到達する期間とが、少なくとも部分的に重なる。そのような条件が満たされるように、各光ビームの出射のタイミングおよび露光のタイミングが調整される。第1の距離レンジは、例えば100mから200mの範囲に設定され、第2の距離レンジは、例えば0mから100mの範囲に設定され得る。第1の距離レンジ以外の距離にある物体によって反射された第1の光ビーム、および第2の距離レンジ以外の距離にある物体によって反射された第2の光ビームは、イメージセンサ200によって検出されないようにイメージセンサ200の露光時間が調整される。すなわち、第1の光ビームの反射光および第2の光ビームの反射光の両方が照射される方向に物体が存在していたとしても、イメージセンサ200によって検出されるのは、それらのビームの一方のみである。
画素ピッチが十分に小さく、物体の輪郭線によって当該物体の内側と外側とに分割される画素がない場合、イメージセンサ200の受光面には、第1の光ビームと第2の光ビームの両方を受光する画素はない。この場合、第1の光ビームも第2の光ビームも受光しない画素、第1の光ビームのみ受光する画素、第2の光ビームのみ受光する画素の3種類のみが生じ得る。ただし、物体の輪郭線によって当該物体の内側と外側とに分割される画素がある場合、そのような画素は、第1の光ビームおよび第2の光ビームの両方を受光し得る。その場合には、第1の光ビームも第2の光ビームも受光しない画素、第1の光ビームのみ受光する画素、第1の光ビームのみ受光する画素、第1の光ビームおよび第2の光ビームの両方を受光する画素の4種類が生じ得る。これらの画素の状態は、上記の式2から式5にそれぞれ対応する。
図21は、本変形例における各光ビームの投光および露光のタイミングの例を示す模式図である。図21の(a)は、第1の光ビームの投光のタイミングを示している。左側のパルスはk回目の投光を示し、右側のパルスはk+1回目の投光を示す。図21の(b)は、第2の光ビームの投光のタイミングを示している。図21の(c)は、第1の露光期間を示している。図21の(d)は、第2の露光期間を示している。
第1の露光期間は、第2の光ビームの投光が終了すると同時に開始し、各ビームのパルス幅と同一の時間が経過すると終了する。第2の露光期間は、第1の露光期間が終了すると開始し、第1の露光期間と同一の時間が経過すると終了する。
図21の(e)における実線のパルスは、第1の光ビームが遠方(例えば装置から100mから200mの範囲)に存在する物体で反射された場合の反射光が装置に戻ってくるタイミングを示している。図21の(e)における点線のパルスは、第1の光ビームが近距離(例えば装置から100m未満の範囲)に存在する物体で反射された場合の反射光が装置に戻ってくるタイミングを示している。図21の(f)における実線のパルスは、第2の光ビームが近距離(例えば装置から100m未満の範囲)にある物体で反射されて装置に戻ってくるタイミングを示している。図21の(f)における点線のパルスは、第2の光ビームが遠方に存在する物体で反射された場合の反射光が装置に戻ってくるタイミングを示している。
第1の光ビームの投光は第2の光ビームの投光に先行する。遠方で反射された第1の光ビームと近くで反射された第2の光ビームの両方が、少なくとも一方の露光期間で受光されるように各露光期間が設定される。
図21の(e)において点線で示された近距離からの第1の光ビームの反射光は、すべての露光期間の外側で装置に戻ってくる。このため、イメージセンサ200は、このような光を検出しない。イメージセンサ200は、例えば100m未満にある物体によって反射された第1の光ビームを検出しない。すなわち、イメージセンサ200は、例えば100m未満にある物体によって反射された第1の光ビームが装置に到達する時間区間では露光を行わない。
図21の(f)において点線で示された遠距離からの第2の光ビームの反射光も、すべての露光期間の外側で装置に戻ってくる。このため、イメージセンサ200は、このような光を検出しない。イメージセンサ200は、例えば装置から100m以上の距離にある物体によって反射された第2の光ビームを検出しない。さらに、図21の(a)の右側に示すk+1回目のパルスのタイミングは、左側に示すk回目のパルスのタイミングから十分に時間間隔を空けて設定される。この時間間隔は、k回目の第2の光ビームを投光してから、当該第2の光ビームが遠方にある物体で反射されて戻ってくるまでの時間よりも長い時間に設定され得る。このようにすることにより、遠距離の物体で反射された第2の光ビームが次回以降の露光期間に検出されることを回避できる。より具体的には、第2の光ビームを投光してから、当該第2の光ビームの反射光が装置に到達するまでの時間のうち、最長の時間が経過した後に、次の投光に対する最初の露光期間が開始するように、次回の投光までの時間が設定され得る。
本変形例では、到達距離が同一である2種類の光ビームを用いて、複数の距離レンジの測距を、投光と露光のタイミングの制御により実現する。このようにすることで、実施形態1における到達距離の異なる2種類の光ビームを用いた場合と同様の効果を得ることができる。本変形例における制御回路300の動作、および信号処理回路400による各画素での距離の推定方法については実施形態1と同様である。ただし、式9に示す重み行列Wの各要素wの値は、第1の光ビーム情報315および第2の光ビーム情報316の内容に応じて調整される。
なお、本変形例では2つの距離レンジを第1の光ビームと第2の光ビームに割り当てたが、3つ以上の距離レンジを3種類以上の光ビームに割り当ててもよい。その場合、当該3種類以上の光ビームの、受光面に平行な平面での配置がいずれも異なるように、各光ビームの投光条件が設定され得る。
実施形態1とその変形例では、空間分布の異なる光ビームを順次照射したが、2次元の空間分布が全く同一あるいは3次元の空間分布が全く同一の光ビームを順次照射してもよい。空間分布が同一の場合、図3および図19に示す重み情報313は、各画素の状態として、第1の光ビームと第2の光ビームの両方が照射される画素とどちらの光も照射されない画素の2種類の情報のみを含む。距離推定部410は、各画素について2種類の状態のいずれであるかを規定する重み情報313に基づいて、全画素の距離を推定する計算を行う。シーンの状況および画素の位置によっては、遠近の2つの距離レンジのいずれを選択すべきかについての情報が不足する場合がある。そこで、たとえば「より近距離の候補を優先する」というような拘束条件を加えることにより、距離の推定を行ってもよい。
(実施形態2)
次に、本開示の例示的な実施形態2を説明する。
実施形態1では、距離情報取得装置から物体までの距離を測定する方法として、間接ToF法が用いられる。これに対し、実施形態2では、直接ToF法が用いられる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
図19は、実施形態2における距離情報取得装置の構成を示す図である。本実施形態では、図3に示す露光制御信号出力部328が設けられておらず、イメージセンサ200がタイマーカウンタ203を備えている。それ以外の構成は、実施形態1の構成と同様である。
本実施形態におけるイメージセンサ200は、タイマーカウンタ203を伴う複数の受光素子202が2次元的に配置された構成を備える。光源100は、近距離用ビームの投光の開始と同時に投光信号をイメージセンサ200に出力する。
直接ToFによる測距では、投光の開始から反射光の受光までの時間が直接計測される。受光素子202ごとにタイマーカウンタ203が設けられる。タイマーカウンタ203は、光源100から投光信号が出力されてから受光素子202が反射光を受光するまでの時間を計測する。タイマーカウンタ203は、計時開始後、すなわち投光信号入力後、最初の反射光の受光までの時間を計測する。このため、遠距離用ビームの反射光と近距離用ビームの反射光とが相次いで受光素子202に到達した場合には、先に到着した反射光までの時間が計測される。
本実施形態における重み情報を説明する。実施形態1と同様、重み情報313は、近距離用ビームと遠距離用ビームの投光パターンに基づく重み行列である。
本実施形態における重み行列Wは、行数がイメージセンサ200の画素数Lであり、列数が画素数Lと距離の解析数Nとを掛けた値である。
イメージセンサ200の画素i(i=1,2,・・・,L)の距離ベクトルをxとする。xは、要素数Nのベクトルであり、画素iに位置する物体の距離の範囲を表す。例えば、x=[1,0,0,0,…,0]は16.7メートル未満、x=[0,1,0,0,…,0]は16.7メートル以上33.3メートル未満、x=[0,0,0,0,…,1]は(N−1)×16.7メートル以上N×16.7メートル未満を示す。
近距離用ビームのみ、または、遠距離用ビームのみが照射される画素については、以下の式15が成立する。
Figure 2020116035
ただし、wは、観測値に対応する要素のみ1、それ以外の要素は0のN次元ベクトルである。
近距離用ビームと遠距離用ビームとが同時に照射される画素については、以下の式16が成立する。
Figure 2020116035
ただし、wは、近距離用ビームと遠距離用ビームそれぞれの観測値に対応する要素のみ1、それ以外の要素は0のN次元ベクトルである。
いずれのビームも照射されていない画素については、以下の式17が成立する。
Figure 2020116035
ただし、wは、すべての要素が0のN次元ベクトルである。
式15から式17をまとめると、以下の式18のように表現できる。
Y=WX (18)
ここで、画素数をLとして、Yは以下の式19で表され、Xは以下の式20で表される。
Figure 2020116035
ただし、Yは、画素ごとにToFの値が計測されたか否かを示すベクトルであり、各要素の値が0または1のみのL次元ベクトルである。Xは、前述の要素数N個のxがL個並べられたベクトルであり、要素数はL×Nである。Xは、画素ごとの距離を表す。より具体的には、Xは、各画素に対応する位置にある物体が、測距範囲を解析数で分割した場合の何番目の距離レンジにあるかを示す。画素ごとに、分割された複数の距離レンジの各々を示す要素に、0または1の値を持つことにより、距離が表現される。xは、N個の要素中1つだけが1であり、他の要素が0のベクトルである。
Wは、行数がLで列数がL×Nの行列である。上述のy,xの定義より、行列Wは、以下の式21で表される。
Figure 2020116035
ここで、式(21)における行列Wの各要素wは、式15から式17における行列w、w、wのいずれかを表す。各wがw、w、wのいずれに該当するかは、例えば予めキャリブレーションを行うことによって決定され得る。
次に、実施形態2の距離情報取得装置の動作を説明する。図23は、本実施形態の距離情報取得装置の動作の一例を示すフローチャートである。図23は、図15に示すステップS1200がステップS2200に置き換わり、ステップS1300がステップS2300に置き換わった点を除けば、図15と同様である。以下、各ステップの動作を説明する。
<ステップS1100>
まず、制御回路300は、光源100による近距離用ビームと遠距離用ビームのそれぞれの投光のタイミングと、イメージセンサ200の露光のタイミングとを決定する。
<ステップS2200>
次に、制御回路300は、決定した投光タイミングに従って、光源100に、遠距離用ビームおよび近距離用ビームの投光を指示する投光制御信号を送信する。光源100は、近距離用ビームの投光と同時にイメージセンサ200に投光信号を出力する。イメージセンサ200は、投光信号に従って、タイマーカウンタ203により反射光の受光までの時間を計測する。ステップS2200の動作の詳細は、投光と露光のタイミングの詳細とあわせて後述する。
<ステップS2300>
信号処理回路400は、ステップS2200で計測された時間と、制御回路300の記憶媒体310に格納された重み情報313とを取得する。取得した時間情報と重み情報とに基づいて、全画素における物体までの距離を推定する。時間情報は、圧縮センシングを用いた復元処理によって生成される。
<ステップS1400>
信号処理回路400の画像生成部430は、ステップS2300で計算された各画素での距離の値を、例えば色彩のスケールに置き換えて、距離画像を生成する。なお、距離画像は、色彩のスケールに限らず、グレースケールその他の表現方法で2次元的な距離を表現してもよい。本実施形態においても、信号処理回路400は、距離画像を生成することなく、1つ以上の物体の距離を示すデータを生成して出力してもよい。
[2−2−1 投光/受光タイミング]
次に、本実施形態における各光ビームの投光および露光のタイミングを説明する。
図24は、本実施形態の距離情報取得装置における各光ビームの投光および露光のタイミングの例を示す模式図である。図24の(a)は、遠距離用ビームの投光タイミングを示している。図24の(b)は、近距離用ビームの投光タイミングを示している。図24の(c)は、遠距離用ビームの反射光がイメージセンサ200に到達するタイミングの例を示している。図24の(d)および(f)は、タイマーカウンタの動作タイミングの例を示している。図24の(e)は、近距離用ビームの反射光がイメージセンサ200に到達するタイミングの例を示している。
遠距離用ビームの投光は近距離用ビームの投光に先行する。遠方で反射された遠距離用ビームと近くで反射された近距離用ビームのうち、いずれか先行してイメージセンサ200に到達した方が受光されるように、露光タイミングすなわちタイマーカウンタ203の動作タイミングが設定される。
図24の(c)において点線で示されたパルスは、近距離(例えば100m未満)にある物体で反射された遠距離用の光ビームの反射光を示している。このような反射光は、タイマーカウンタ203の動作開始以前にイメージセンサ200に到達するため、飛行時間が計測されない。図24の(e)に示す近距離にある物体で反射された近距離用ビームは、通常、図24の(f)に示すタイマーカウンタ203の動作によって飛行時間が計測される。しかし、近距離用ビームの反射光が到達する画素と同一の画素に、先行して遠距離用ビームが到達している場合には、図24の(d)に示すように、先行する遠距離用ビームの反射光によってタイマーカウンタ203が既に停止している。
この場合、近距離用ビームの反射光の飛行時間は計測されない。実施形態1と同様に、光源100とイメージセンサ200との距離は、測定される距離に対して無視できる程度に小さい。このため、光源100から出射した光ビームは、より近い距離にある物体で反射されてイメージセンサ200に到達する。しかしながら、物体の輪郭線の位置に対応する位置にある画素においては、遠距離用ビームと近距離用ビームとの両方が到達し得る。その場合には、より先行して到達した光ビームの受光タイミングが計測される。
図24の(c)および(e)に示すように、近距離用ビームの投光と同時にタイマーカウンタの動作を開始することで、近距離用ビームの反射光がイメージセンサ200に先行して到着する場合には、計測された時間は飛行時間そのものを指す。これに対し、遠距離用ビームが先行してイメージセンサ200に到達した場合には、計測された時間は、飛行時間よりも短い時間となる。
[2−2−2 投光/露光による時間計測の動作]
次に、図23に示すステップS2200における時間計測の動作の詳細を説明する。図25は、図24に示すタイミングでの光源100の投光とイメージセンサ200の露光による時間計測の動作を示すフローチャートである。図25は、図18に示す動作と同様の動作を含む。同様の動作については同一の番号を付して説明する。
<ステップS1202>
制御回路300は、投光と露光とを制御するために時間の計時を開始する。計時は、計時部324によって行われる。
<ステップS1203>
制御回路300は、ステップS1100で決定された遠距離用ビームの投光タイミングで、投光制御信号を光源100に出力する。投光制御信号は、遠距離ビーム情報311が示すビーム形状、広がり角、および光ビームの方向の情報と、ステップS1100で決定された投光のパルス時間長の情報とを含む。
<ステップS1204>
光源100は、ステップS1203で出力された投光制御信号に従って、遠距離用ビームを生成して投光する。
<ステップS1205>
制御回路300は、ステップS1100で決定された近距離用ビームの投光タイミングになると、投光制御信号を光源100に出力する。この投光制御信号は、近距離ビーム情報312が示すビーム形状、広がり角、および光ビームの方向の情報と、ステップS1100で決定された投光のパルス時間長の情報とを含む。
<ステップS2206>
光源100は、ステップS1203で出力された投光制御信号に従って、近距離用ビームを生成して投光する。同時に、光源100は、投光信号をイメージセンサ200に出力する。
<ステップS2207>
イメージセンサ200は、光源100から出力された投光信号の入力に伴い、各画素のタイマーカウンタ203の動作を開始する。
<ステップS2208>
イメージセンサ200は、制御回路300の計時部324を参照し、ステップS1100で決定された露光時間の最大値が経過したか否かを判定する。ステップS2208において、最大露光時間が経過している場合は、ステップS2212に進む。最大露光時間が経過していない場合は、ステップS2209に進む。
<ステップS2209>
イメージセンサ200の各受光素子202は、タイマーカウンタ動作開始後に受光したか否かを判定する。受光した場合、ステップS2210に進む。受光していない場合、ステップS2208に戻る。
<ステップS2210>
イメージセンサ200の各受光素子202は、タイマーカウンタを停止する。
<ステップS2212>
イメージセンサ200は、制御回路300における計時部324を参照し、露光終了タイミングになったことを確認すると、露光を終了する。タイマーカウンタを停止していない画素は値を0とし、タイマーカウンタを停止した画素は値をタイマーカウンタによって計測された時間に設定する。
ステップS2207からステップS2212の一連の動作をイメージセンサ200の各受光素子で行うことにより、画素ごとに時間が計測される。
[2−2−3 各画素の時間情報に基づく全画素の距離情報復元処理]
図23に示すステップS2300の動作の詳細を説明する。ステップS2300では、信号処理回路400は、ステップS2200においてイメージセンサ200の画素ごとに計測された時間を、値の有無によって2値化する。すなわち、受光までの時間が計測された場合は1、時間が計測されなかった場合は0の2値にする。信号処理回路400は、重み情報313を用いて、各画素の距離を推定する。
前述の式17を、ベクトルYと行列Wが既知という条件で、ベクトルXについて解くことにより、画素ごとの距離の値を生成することができる。しかしながら、この式では一意に解を求めることができない。そこで、拘束条件を導入し、式17を以下のように変形する。
Figure 2020116035
ここで、行列Mは、以下の式22で表されるL×(L×N)行列である。
Figure 2020116035
すなわち、ベクトルMXは、画素ごとの距離を示す要素数Lのベクトルである。
式21において、第1項は、式17を2乗誤差に緩和したものである。実施形態1と同様に、ベクトルXについて解くことで、全画素の距離を得ることができる。計算方法として、例えばADMM等の公知の方法を利用することができる。
実施形態2において、観測値yは反射光が受光されたか否かの2値にして計算するものとしたが、これは一例に過ぎない。観測値iとして、実際に観測された時間を別途保存して使用してもよい。その際には、xの値が近距離の範囲内であれば、観測された時間情報より距離を計算し、遠距離の範囲内であれば観測された時間情報から計算された距離に、計測されていない時間分の距離を加算することで、xの推定値より詳細な距離を取得することができる。さらに、上記の計算方法を採用する場合、N=12として説明したが、これは一例に過ぎない。上記の計算方法は、適宜変更してもよい。例えば、遠距離用ビームおよび近距離用ビームのうちの1つ以上の反射光の受光の可能性がある画素についてはN=2、すなわち、測定距離範囲を近距離の範囲と遠距離の範囲の2つに分類してもよい。
さらに、いずれの反射光も受光しない画素についてはNを3以上の複数の値に設定してもよい。計算されたxの値に応じて、近距離の範囲内であれば、観測された時間情報から距離を計算し、遠距離の範囲内であれば観測された時間情報から計算された距離に、計測されていない時間分の距離を加算することで、詳細な距離を取得することができる。また、近距離用ビームの反射光のみ受光する画素、および遠距離用ビームの反射光のみ受光する画素についてはN=1とし、近距離用ビームおよび遠距離用ビームのいずれの反射光も受光する可能性がある画素についてのみ、N=2としてもよい。
なお、実施形態2において、式21を用いてXについてADMM等のアルゴリズムを利用して解くものとしたが、このような方法に限定されない。例えば、グラフカット法を用いて、式17をXについて解いてもよい。すなわち、式17の問題を、遠距離用ビームまたは近距離用ビームの二値セグメンテーション問題であると捉えて解いてもよい。例えば、遠距離用ビームまたは近距離用ビームのいずれかで確定している画素をseedとして、エネルギー関数(例えばPotts Interaction Energy Model)を定義し、min−cutもしくはmax flowアルゴリズムによってXを求めても良い。
なお、確実にいずれの光ビームも照射されていない画素に関しては、|y−wx|の値が閾値以上(例えば0.5以上)であるものとして取り扱ってもよい。近距離用ビームのみが照射されている画素において値がない場合は、当該画素の位置には、近距離用ビームに対応する距離範囲には物体が存在しないと考えてよい。遠距離用ビームのみが照射されている画素において値がない場合は、遠距離用ビームに対応する距離範囲には物体が存在しないと考えてよい。イメージセンサ200において有効な観測値がある画素については、グラフカット法により、物体が近距離の範囲内にあるか遠距離の範囲内にあるかを決定することができる。
しかしながら、イメージセンサ200において有効な観測値がない画素も存在する。例えば、光ビームの反射光が入射しない画素、近距離用ビームのみ投光され所定の近距離範囲には物体がない画素、および遠距離用ビームのみ投光され所定の遠距離範囲には物体がない画素(すなわち、物体が近すぎるか遠すぎる画素)も存在する。これらの画素については、以下のような手順で、物体が近距離の範囲内にあるか遠距離の範囲内にあるかがグラフカット法によって決定された画素の情報を用いて距離データを作成することができる。
画素ごとの奥行値を示すベクトルをZとする。Zは、Z=MXで表される。
Figure 2020116035
ここで、行列Aは、前述のグラフカット法によって奥行値が確定した画素に対応する、対角成分が1、それ以外の成分は0のL×L対角行列である。ベクトルBは、前述のグラフカット法によって奥行値が確定した画素に対応する成分は確定した奥行値、それ以外の成分は0である要素数Lのベクトルである。ここでLは、画素数である。TV(MX)は、画像X上における近傍との輝度変化の絶対値和であるTotal Variationである。
DF(z)は、範囲を限定する拘束条件(例えば、J. N. Laska et al., “Democracy in Action: Quantization, Saturation, and Compressive Sensing”, Applied and Computational Harmonic Analysis, vol. 31, no. 3, pp. 429-443, 2001.)である。fDF(z)は、以下を満たす。
Figure 2020116035
ただし、近距離ビームの測距範囲は0よりも遠方かつR以下、遠距離ビームの測距範囲はRよりも遠方とする。γは、重み係数を示している。式23は、例えば、前述のADMMを利用することで解くことができる。
(他の変形例)
前述の各実施形態および変形例においては、光ビームの到達距離の範囲を近距離と遠距離の2種類としたが、光ビームの到達距離の範囲を3種類以上にしてもよい。例えば、照射面における単位面積あたりのエネルギーの異なる3種類以上の光ビームを出射してもよい。
前述の各実施形態および変形例において、空間分布の異なる光ビームを順次照射したが、空間分布が同一の光ビームを順次照射してもよい。例えば、2次元の空間分布が同一である光ビームを順次照射してもよい。あるいは、3次元の空間分布が同一の光ビームを順次照射してもよい。
前述の各実施形態および変形例において、各到達距離範囲の複数のビームの配置はあらかじめ定められているが、測距動作ごとに異なる空間パターンの光ビームを使用してもよい。例えば、あらかじめ複数のパターンの情報が記憶されている場合は、測距動作ごとにパターンが選択されてもよい。各到達距離範囲の光ビームのパターンは組み合わせが決まっている必要はなく、独立に選択され得る。また、複数のビームのパターンは、計測の都度決定されてもよいし、計測の都度通信回路を通じて外部から指示されてもよい。
前述の各実施形態および変形例において、あらかじめ定められた重み情報が記憶されている。各到達距離範囲の光ビームのパターンの組み合わせが決まっている場合は、パターンの組み合わせごとに重み情報が記憶され得る。測距動作ごとに各到達距離範囲の光ビームのパターンが変わる場合には、パターンが決定されるたびに、重み情報を生成してもよい。あるいは、計測の都度通信回路を通じて外部から重み情報を取得してもよい。
前述の各実施形態および変形例において、光源、イメージセンサ、制御回路、および信号処理回路は、すべて同一の装置内に配置されているが、必ずしも同一の装置内に配置されていなくてもよい。ただし、光源とイメージセンサは、計測する距離に対して同一点とみなせる位置に配置され得る。光源、イメージセンサ、制御回路、および信号処理回路が、通信によって互いに接続されたシステムを構成してもよい。
前述の各実施形態および変形例において、xは、所定の測定距離範囲を解析数Nで分割した場合の距離レンジを示すベクトルであるが、必ずしもそのようなベクトルでなくてもよい。測定距離範囲の分割は、等分割でもよいし、等分割でなくてもよい。測定範囲のうち距離が近いほど距離を細かく分割し、距離が遠いほど粗く分割してもよい。これにより、近距離では距離の分解能が高く、遠距離では距離の分解能が低い測距が実現される。
実施形態1、実施形態1の変形例、実施形態2において、遠距離を計測するためのビームを先行して投光し、近距離を計測するためのビームを後から投光した。遠距離用ビームと近距離用ビームの投光のタイミングと露光のタイミングは次のように決定される。すなわち、遠距離用ビームで測距する光源からの距離の範囲の最小値をRLmin、最大値をRLmax、光速をcとすると、遠距離用ビームに対する露光タイミングは、遠距離用ビーム投光開始後2×RLmin/cの時点から2×RLmax/cの時点までの期間を複数の露光区間に分割したものになる。また、近距離用ビームで測距する光源からの距離の範囲の最小値をRSmin、最大値をRSmax、光速をcとすると、近距離用ビームに対する露光タイミングは、近距離用ビーム投光開始後2×RSmin/cの時点から2×RSmax/cの時点までの期間を複数の露光区間に分割したものになる。
上記の遠距離用ビームに対する露光タイミングと近距離用ビームに対する露光タイミングが同一になるように、遠距離用ビームの投光と近距離用ビームの投光と、露光タイミングと、を調節する。すなわち、遠距離用ビームは近距離用ビームよりも以下の時間だけ先行して投光される。
2×RLmin/c―2×RSmin/c 以上 2×RLmax/c―2×RSmax/c 以下。
露光は、近距離ビームの投光開始から2×RSmin/c時間後に開始される。
例えば、遠距離用ビームで測距する光源からの距離の範囲を100mから200mまでとする。また、近距離用ビームで測距する光源からの距離の範囲を0mから100mまでとする。この場合、RLminが100m、RLmaxが200m、RSminが0m、RSmaxが100mとなる。この場合、以下が成り立つ。
2×RLmin/c=2×RSmax/c=2×100/(3×10)≒667ns
2×RSmin/c=2×0/(3×10)=0
2×RLmin/c―2×RSmin/c=2×RLmax/c―2×RSmax/c≒667ns―0=667ns
2×RLmax/c=2×200/(3×10)≒1334ns
すなわち、遠距離用ビームの投光から、光が100mを往復する期間である667ns後に短距離用ビームが投光され、同時に露光が開始される。
なお、遠距離用ビームで測距する距離の範囲と近距離用ビームで測距する距離の範囲が異なる場合は以下のようになる。例えば、遠距離用ビームで測距する光源からの距離の範囲を100mから300mまでであり、近距離用ビームで測距する光源からの距離の範囲を0mから100mまでとする。
2×RLmin/c=2×RSmax/c=2×100/(3×10)≒667ns
2×RSmin/c=2×0/(3×10)=0
2×RLmin/c―2×RSmin/c≒667ns―0=667ns
2×RLmax/c―2×RSmax/c≒2000ns―667ns=1333ns
2×RLmax/c=2×300/(3×10)≒2000ns
遠距離用ビームの投光から、光が100mを往復する期間である667ns以降で1333ns以前に短距離用ビームが投光され、同時に露光が開始される。一方遠距離用ビームによる測距の時間区間は667nsから2000nsである。近距離用ビームの反射光は遠距離用ビームの反射光を受光する露光区間のいずれかで受光される。
本開示の技術は、測距を行う装置に広く利用可能である。例えば、本開示の技術は、LiDAR(Light Detecting and Ranging)を利用したセンシングシステムに利用可能である。
100 光源
150 受光装置
200 イメージセンサ
202 受光素子
203 タイマーカウンタ
210 遠距離用ビーム
220 近距離用ビーム
230 遠距離用ビームの反射光
240 近距離用ビームの反射光
300 制御回路
310 記憶媒体
311 遠距離ビーム情報
312 近距離ビーム情報
313 重み情報
320 プロセッサ
322 投光/露光タイミング決定部
324 計時部
326 投光制御信号出力部
328 露光制御信号出力部
400 信号処理回路
410 距離推定部
430 画像生成部
500 記憶装置
600 ディスプレイ
700 発光デバイス

Claims (14)

  1. 光源と、
    複数の受光素子を備える受光装置と、
    前記光源および前記受光装置を制御する制御回路であって、
    前記光源に、第1の空間分布を有する第1の光をシーンに向けて出射させ、その後、第2の空間分布を有する第2の光を前記シーンに向けて出射させ、
    前記受光装置の前記複数の受光素子の少なくとも一部に、前記第1の光によって生じた前記シーンからの第1の反射光、および前記第2の光によって生じた前記シーンからの第2の反射光を、同一の露光期間内に検出させる、制御回路と、
    前記受光装置の前記複数の受光素子から出力された受光データに基づいて、前記第1の反射光および前記第2の反射光に由来する距離データを生成して出力する信号処理回路と、を備える距離情報取得装置。
  2. 前記第2の空間分布は、前記第1の空間分布とは異なる、請求項1に記載の距離情報取得装置。
  3. 前記受光装置における前記複数の受光素子の前記少なくとも一部は、前記第1の反射光を受光し前記第2の反射光を受光しない複数の第1の受光素子と、前記第2の反射光を受光し前記第1の反射光を受光しない複数の第2の受光素子と、を含み、
    前記複数の受光素子は、前記第1の反射光および第2の反射光のいずれも受光しない複数の第3の受光素子をさらに含み、
    前記信号処理回路は、前記受光データに基づいて、前記複数の第3の受光素子に対応する複数の画素の位置における距離情報を推定することにより、前記距離データを生成する、請求項1または2に記載の距離情報取得装置。
  4. 前記信号処理回路は、予め設定された重み情報を用いて、前記受光データから、前記距離データを生成する、請求項1から3のいずれかに記載の距離情報取得装置。
  5. 前記重み情報は、前記第1の空間分布および前記第2の空間分布に基づいて定められる、請求項4に記載の距離情報取得装置。
  6. 前記第2の光の放射強度は、前記第1の光の放射強度よりも低い、請求項1から5のいずれかに記載の距離情報取得装置。
  7. 前記第1の光は、互いに出射方向の異なる複数の第1の光ビームを含み、
    前記第2の光は、互いに出射方向の異なる複数の第2の光ビームを含む、請求項1から6のいずれかに記載の距離情報取得装置。
  8. 前記第2の光の到達距離は、前記第1の光の到達距離よりも短い、請求項1から7のいずれかに記載の距離情報取得装置。
  9. 前記光源から離れた照射面における前記第2の光の単位面積あたりのエネルギーは、前記照射面における前記第1の光の単位面積あたりのエネルギーよりも低い、請求項1から7のいずれかに記載の距離情報取得装置。
  10. 前記第1の光は第1の波長を有し、
    前記第2の光は第2の波長を有し、
    前記第2の波長の大気中の吸収率は、前記第1の波長の大気中の吸収率よりも高い、請求項7に記載の距離情報取得装置。
  11. 前記制御回路は、
    前記光源に、第3の空間分布を有する第3の光を、前記第2の光の出射後に前記シーンに向けて出射させ、
    前記受光装置に、前記第3の光によって生じた前記シーンからの第3の反射光を、前記同一の露光期間内に検出させ、
    前記第3の光の到達距離は、前記第2の光の到達距離よりも短い、
    請求項8に記載の距離情報取得装置。
  12. 前記露光期間は、
    前記シーンにおける、前記受光装置から第1の距離だけ離れた位置で生じた前記第1の反射光の一部が前記受光装置に到達する時点を含まず、
    前記受光装置から前記第1の距離よりも長い第2の距離だけ離れた位置で生じた前記第1の反射光の他の一部が前記受光装置に到達する時点を含み、
    前記受光装置から前記第1の距離だけ離れた位置で生じた前記第2の反射光の一部が前記受光装置に到達する時点を含む、請求項1から11のいずれかに記載の距離情報取得装置。
  13. 距離情報取得方法であって、
    光源に、第1の空間分布を有する第1の光をシーンに向けて出射させ、その後、第2の空間分布を有する第2の光を前記シーンに向けて出射させることと、
    受光装置の複数の受光素子の少なくとも一部に、前記第1の光によって生じた前記シーンからの第1の反射光、および前記第2の光によって生じた前記シーンからの第2の反射光を、同一の露光期間内に検出させることと、
    前記受光装置の前記複数の受光素子から出力された受光データに基づいて、前記第1の反射光および前記第2の反射光に由来する距離データを生成して出力することと、を含む距離情報取得方法。
  14. コンピュータに、
    光源に、第1の空間分布を有する第1の光をシーンに向けて出射させ、その後、第2の空間分布を有する第2の光を前記シーンに向けて出射させることと、
    受光装置の複数の受光素子の少なくとも一部に、前記第1の光によって生じた前記シーンからの第1の反射光、および前記第2の光によって生じた前記シーンからの第2の反射光を、同一の露光期間内に検出させることと、
    受光装置の前記複数の受光素子から出力された受光データに基づいて、前記第1の反射光および前記第2の反射光に由来する距離データを生成して出力することと、を実行させる、プログラム。
JP2020559769A 2018-12-06 2019-10-17 距離情報取得装置、距離情報取得方法、およびプログラム Pending JPWO2020116035A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229250 2018-12-06
JP2018229250 2018-12-06
PCT/JP2019/040822 WO2020116035A1 (ja) 2018-12-06 2019-10-17 距離情報取得装置、距離情報取得方法、およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020116035A1 true JPWO2020116035A1 (ja) 2021-10-28
JPWO2020116035A5 JPWO2020116035A5 (ja) 2022-10-21

Family

ID=70975300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020559769A Pending JPWO2020116035A1 (ja) 2018-12-06 2019-10-17 距離情報取得装置、距離情報取得方法、およびプログラム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20210165096A1 (ja)
JP (1) JPWO2020116035A1 (ja)
CN (1) CN112470035A (ja)
WO (1) WO2020116035A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113848375B (zh) * 2021-10-20 2023-11-28 国网湖南省电力有限公司 一种油绝缘变压器内部器件带电检测装置及其应用方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004028602A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 監視用レーザレーダシステム及び撮像方法
JP2005140685A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Casio Comput Co Ltd 測距装置及び測距方法
JP2008046047A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Fujifilm Corp 距離画像作成方法及び距離画像センサ、及び撮影装置
JP2010032425A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 National Univ Corp Shizuoka Univ 距離画像センサ、及び撮像信号を飛行時間法により生成する方法
JP2010256291A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Toyota Motor Corp 距離画像撮影装置

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61149876A (ja) * 1984-12-24 1986-07-08 Meisei Electric Co Ltd 測距用信号の送信装置
FR2591329B1 (fr) * 1985-12-10 1992-05-22 Canon Kk Appareil et procede de traitement d'informations tridimensionnelles
US5274429A (en) * 1989-04-14 1993-12-28 Asahi Kogaku Kogyo Kabushiki Kaisha Distance measuring device
JP3330624B2 (ja) * 1992-01-29 2002-09-30 マツダ株式会社 車両の障害物検出装置
JPH0989553A (ja) * 1995-09-26 1997-04-04 Olympus Optical Co Ltd 測距装置
JPH1027299A (ja) * 1996-07-08 1998-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 車載用レーダ装置
JP2000162533A (ja) * 1998-11-30 2000-06-16 Aisin Seiki Co Ltd 光走査装置
JP2000227477A (ja) * 1999-02-05 2000-08-15 Toshiba Corp レーザ測距装置
JP2003207563A (ja) * 2002-01-17 2003-07-25 Matsushita Electric Works Ltd レーダ装置
JP2006242844A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Mitsubishi Electric Corp レーダー装置及び送信ビーム制御方法
JP4846811B2 (ja) * 2009-02-03 2011-12-28 シャープ株式会社 光スポット位置検出装置およびそれを含む光デバイス、並びに、その光デバイスを含む電子機器
JP5079826B2 (ja) * 2010-02-09 2012-11-21 シャープ株式会社 光学式測距センサおよび電子機器
KR101052041B1 (ko) * 2011-02-10 2011-07-26 삼성탈레스 주식회사 시분할 송신에 의한 장거리 및 단거리 탐지용 차량 레이더 장치 및 그 탐지 방법
KR20140079090A (ko) * 2012-12-18 2014-06-26 한국전자통신연구원 레이저 방출기 모듈 및 그것이 적용된 레이저 감지 시스템
US10324171B2 (en) * 2015-12-20 2019-06-18 Apple Inc. Light detection and ranging sensor
KR102656765B1 (ko) * 2016-03-09 2024-04-11 주식회사 히타치엘지 데이터 스토리지 코리아 거리 측정 장치
JP6642222B2 (ja) 2016-04-13 2020-02-05 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
KR101883180B1 (ko) * 2016-08-01 2018-07-30 엘지전자 주식회사 차량용 라이다 장치
US10534074B2 (en) * 2016-08-31 2020-01-14 Qualcomm Incorporated Hybrid scanning lidar systems
WO2018056199A1 (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 日本電気株式会社 距離測定システム、距離測定方法およびプログラム記録媒体
CN107845860A (zh) * 2016-09-21 2018-03-27 北京行易道科技有限公司 天线系统及雷达
US10775506B2 (en) * 2017-01-31 2020-09-15 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging system
KR20180096332A (ko) * 2017-02-21 2018-08-29 주식회사 히타치엘지 데이터 스토리지 코리아 거리 측정 방법
CN108663689A (zh) * 2017-03-27 2018-10-16 张舒怡 一种用于交通工具检测障碍的传感器
KR101834124B1 (ko) * 2017-08-08 2018-04-13 (주)에어로스타에스지 다중 라이다 시스템 및 그 구동방법

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004028602A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 監視用レーザレーダシステム及び撮像方法
JP2005140685A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Casio Comput Co Ltd 測距装置及び測距方法
JP2008046047A (ja) * 2006-08-18 2008-02-28 Fujifilm Corp 距離画像作成方法及び距離画像センサ、及び撮影装置
JP2010032425A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 National Univ Corp Shizuoka Univ 距離画像センサ、及び撮像信号を飛行時間法により生成する方法
JP2010256291A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Toyota Motor Corp 距離画像撮影装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN112470035A (zh) 2021-03-09
US20210165096A1 (en) 2021-06-03
WO2020116035A1 (ja) 2020-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6473942B2 (ja) 光検出装置、および光検出システム
US9360554B2 (en) Methods and apparatus for object detection and identification in a multiple detector lidar array
KR20230151053A (ko) 광 스캐닝 프로젝터와 함께 눈 움직임을 추적하기 위한 방법 및 시스템
US20200075652A1 (en) Pixel cell with multiple photodiodes
EP3492861B1 (en) Image processing system and image processing method
DE102016107959A1 (de) Auf strukturiertem Licht basierende Multipfadlöschung bei Top-Bilderzeugung
EP1191306A2 (en) Distance information obtaining apparatus and distance information obtaining method
US20160245920A1 (en) Intensity-Based Depth Sensing System and Method
JP2017181257A (ja) 光検出装置および光検出システム
US20220075077A1 (en) Distance measurement apparatus, information processing method, and information processing apparatus
US20220120908A1 (en) Distance measurement apparatus, information processing method, and information processing apparatus
CN107271057B (zh) 光检测装置以及光检测系统
WO2020116035A1 (ja) 距離情報取得装置、距離情報取得方法、およびプログラム
JP6975913B2 (ja) 撮像装置
US20210181341A1 (en) Object recognition apparatus, object recognition method, and non-transitory computer readable medium
CN117629403A (zh) 主动式单光子探测阵列非视域成像系统
KR20190107090A (ko) 홀로그램 광 검출 및 측량
US10698086B1 (en) Photonic integrated circuit illuminator
US11601607B2 (en) Infrared and non-infrared channel blender for depth mapping using structured light
KR20150018026A (ko) 3차원 카메라
JPWO2020116035A5 (ja)
US20210356587A1 (en) Distance measurement apparatus, distance measurement method, and storage medium
JP2023072106A (ja) 測距装置、およびプログラム
WO2021065138A1 (ja) 測距装置および制御方法
JP2021152450A (ja) 撮像装置、および撮像システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221012

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240403